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《草間彌生》  作者別紹介

今日は作者別紹介で現代アーティストの草間彌生 氏について取り上げます。草間彌生 氏と言えば水玉模様の立体作品が特に知られていると思いますが、幼い頃から統合失調症を病み 幻視の中に現れる恐怖を対象に 沢山描くことでその表現に埋没させて消滅させると考えたのがきっかけとなっています。現在も活躍されていて観る機会も多いので、今回は過去の展覧会などで撮った写真を使ってご紹介していこうと思います。

こちらは2012年の六本木アートナイトの時の草間彌生 氏
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この年は草間彌生 氏が中心となったプログラムとなっていて、巨大なヤヨイちゃん像なども出現しました。

草間彌生 題名失念…
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こちらは時代が分かりませんが絵画作品。宇宙や生物を思わせる抽象画に思えます。元々は画家としてスタートしていて、学生時代には京都市立美術工芸学校で日本画などを学んでいたというのだから意外です。

草間彌生 「集積の大地」
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こちらは初期の1950年の作品。シュルレアリスム的な怖さを感じるかな。やがて瀧口修造らに高く評価されて個展を開催するようになっていきました。

この後、ニューヨークのビエンナーレに紹介されたのをきっかけに1957年11月にアメリカに渡り、1960年代はアメリカで活動していくことになりました。

草間彌生 「No.H.Red」
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こちらは1961年の作品。赤地に黒い点が無数に打たれた画面となっています。反復や集積といった手法は形を変えて現在の作風に通じているように思えます。ちなみにニューヨーク時代の草間彌生 氏のアトリエの隣のビルには無名時代の抽象画家サム・フランシスが住んでいて、アトリエに訪れて来たこともあったそうです。その時、コーヒーを出したらミルクが欲しいと言われたものの、コーヒー以外に何も食べ物は無かったという極貧生活のエピソードもあるので、相当に苦労してたんでしょうね。1959年にはニューヨークで初の個展を開き、その後の展覧会ではアンディ・ウォーホルが来て称賛されています。

草間彌生 「私の魂を乗せてゆくボート」
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こちらは1991年の作品ですが、ニューヨーク時代から始めたソフトスカルプチャーを使った作品となっています。この突起物は男性器と思われ、これも彼女が恐怖するもの・強迫観念を反復しています。この突起物も草間彌生 氏の独自のスタイルの1つです

1973年には体調を崩して帰国し、入退院を繰り返しながら色彩豊かな作品を生み出していきました。この辺りからは有名作が多いです。

草間彌生 「大いなる巨大な南瓜」
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草間彌生 氏の中でも特に有名なのがこちら。このカボチャが初めて作られたのは1999年の直島の海岸のものらしく、草間彌生はカボチャの可愛らしい造形に惹かれているようです。この色の取り合わせが何とも存在感がありますねw

草間彌生 「新たなる空間への道標」
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こちらも水玉。赤地に白の水玉もよく使われています。以前に比べてかなりポップな印象に思えます。

草間彌生 「明日咲く花」
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こちらも可愛らしい印象を受けるかな。本人にとっては恐怖を克服する為のものであっても楽しげな雰囲気ですw

草間彌生 「チューリップに愛をこめて、永遠に祈る」
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こちらも可愛くもあり毒々しくもありw ニューヨーク時代からのソフトスカルプチャーによって画家からエンバイロメンタル(環境)彫刻家に脱皮したと認識していたようです。

ちなみに草間彌生 氏は2009年に自身の壮大な芸術の集大成として「わが永遠の魂」というシリーズを制作しはじめていて、近年の作品の名前には「永遠」や「魂」といった言葉がよく出てきます。彼女は生前のジョセフ・コーネルと深い親交があり、彼が死ぬ際に残した「死は隣の部屋に行くようなもの」という言葉に強く影響を受けたそうで、死を恐れず克服するという考えも作品で表現しているようです。

草間彌生 「愛はとこしえ十和田でうたう」
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こちらは十和田市現代美術館の近くの公園。草間彌生 氏の代表作の欲張りセットみたいなw 

最後に2017年の草間彌生展にあった絵画作品。
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これはほんの一部で、部屋中がこうした絵に囲まれた圧巻の光景は今でも鮮明に覚えています。絵の具が乾く時間すらも惜しむように早く沢山の絵を描きたいようで、死ぬまで描き続けるという自身の言葉を体現しているように思えます。

ということで、草間彌生 氏のキーワードとしては反復、集積、克服といった言葉が挙げられるのではないかと思います。最近では新宿に草間彌生美術館(予約制)もオープンし非常に人気の高いアーティストですので、今後の活躍も楽しみです。

 参考記事:
  草間彌生 永遠の永遠の永遠 (埼玉県立近代美術館)
  六本木アートナイト2012 (前編)
  六本木アートナイト2012 (後編)
  草間彌生 ボディ・フェスティバル in 60's 展 (ワタリウム美術館)
 2017年の国立新美術館の展示はブログ休止中のため記事にしていませんでした…。



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展覧会年間スケジュール (1都3県) 【2020年07月号】

今日は3ヶ月に1度の展覧会のスケジュール更新です。まだコロナは収束したとは言えない状況で、私はまだ自粛中ですが 非常事態宣言が終わったこともあり多くの美術館が再開しました。休館や海外の状況などの影響で展覧会のスケジュールも大きく変わっていて、変更/中止/延期などが相次いでいます。この一覧は2020年7月1日時点での情報を元に作成しておりますが、今後のコロナの動向で臨時休館やスケジュールにも影響が出る可能性がありますので、詳しくは公式サイトをご確認ください。なお、一部の美術館では事前予約制を導入しているところがあります。こちらもお出かけの前に合わせて公式サイトでご確認ください。

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 ※写真は2012年8月に横須賀美術館で撮ったものです。

 ※結構苦労して作ってるので、そのままコピーして転載とかは勘弁してください。
 ※展覧名、スケジュール、内容などは変更になる可能性があるようです。詳しくは当該時期に近づいたら公式HPで確認してください。
 ※誤記入している可能性も有ります。間違っていたらすみません。公式サイトが常に正しいです。
 ※PCで観ている方は左サイドバーの「展展会年間スケジュール (1都3県)」というリンクから最新のスケジュールをリンクしておりますので、必要に応じてご覧ください。


<東京都現代美術館>
2020/06/09 ~ 2020/09/27 オラファー・エリアソン ときに川は橋となる
2020/06/09 ~ 2020/09/27 カディスト・アート・ファウンデーションとの共同企画展 もつれるものたち
2020/06/02 ~ 2020/09/27 MOTコレクション いまーかつて 複数のパースペクティブ
2020/07/18 ~ 2020/09/27 おさなごころを、きみに
2020/11/14 ~ 2021/02/14 石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか
2020/11/14 ~ 2021/02/14 MOTアニュアル2020
2020/11/14 ~ 2021/02/14 MOTコレクション 2020年11月~
2020/11/20 ~ 2020/11/23 TOKYO ART BOOK FAIR 2020
2021/03/20 ~ 2021/06/20 Tokyo Contemporary Art Award 2019-2021 受賞記念展
開催中止 CULTURE CHANEL -伝説
2021/03/20 ~ 2021/06/20 マーク・マンダース
2021/03/20 ~ 2021/06/20 MOTコレクション 2021年3月~
開催延期 吉阪隆正展
開催延期 アトリウム・プロジェクト

<すみだ北斎美術館>
2020/06/30 ~ 2020/08/30 大江戸歳事記
2020/09/15 ~ 2020/11/08 新収蔵品展(仮)
2020/11/25 ~ 2021/01/24 GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ

<江戸東京博物館>
2021年開催を検討 大江戸の華(仮)
2021年開催を検討 縄文-東京の縄文人、1万年の暮らし-(仮)
2021/01/02 ~ 2021/04/04 古代エジプト展-天地創造の神話-(仮)

<東京国立博物館>
2020/06/30 ~ 2020/08/23 特別展「きもの KIMONO」
2021年春開催を予定 特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」

<国立西洋美術館>
2020/06/18 ~ 2020/10/18 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
2020/06/18 ~ 2020/08/23 内藤コレクション展Ⅱ「中世からルネサンスの写本 祈りと絵」
開催取り止め スポーツ in アート展―ギリシャ彫刻×印象派の時代
2020/09/08 ~ 2020/10/18 内藤コレクション展III「写本彩飾の精華 天に捧ぐ歌、神の理」

<東京都美術館>
開催中止 ボストン美術館展 芸術×力
2020/07/23 ~ 2020/09/22 The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション
2020/10/03 ~ 2020/12/28 イサム・ノグチ 発見の道
2021/01/27 ~ 2021/04/04 世界遺産ローマ展(仮称)

<国立科学博物館>
中止 特別展 和食 ~日本の自然、人々の知恵~
中止 企画展「ボタニカルアートで楽しむ日本の桜 -太田洋愛原画展-」
2021/03月 ~ 2021/06月(予定) 特別展「大地のハンター展」

<東京藝術大学大学美術館>
中止 御即位記念特別展 雅楽の美
2020/07/23 ~ 2020/09/06 特別展「あるがままのアート −人知れず表現し続ける者たち−」
2020/09/26 ~ 2020/10/25 藝大コレクション展 2020

<上野の森美術館>
2020/07/23 ~ 2020/08/30 上野の森美術館所蔵作品展 なんでもない日ばんざい!
2020/10/10 ~ 2021/01/11 ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING & QUEEN展 ー名画で読み解く 英国王室物語ー


<アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)> ※予約制
2020/06/23 ~ 2020/10/25 ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子 鴻池朋子 ちゅうがえり
2020/06/23 ~ 2020/10/25 第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本感展示帰国展 Cosmo-Eggs|宇宙の卵
2020/06/23 ~ 2020/10/25 コレクション選 特集コーナー展示 新収蔵作品特別展示:パウル・クレー
2020/06/30 ~ 2020/10/25 コレクション選 特集コーナー展示 印象派の女性画家たち
2021年初夏(予定)に変更  クロード・モネ-風景への問いかけ オルセー美術館・オランジュリー美術館特別企画
2020/11/03 ~ 2021/01/24 コレクション選 特集コーナー展示 青木繁、坂本繁二郎、古賀春江とその時代 久留米をめぐる画家たち
2020/11/14 ~ 2021/01/24 琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術

<三井記念美術館>
2020/07/01 ~ 2020/07/29 三井家が伝えた名品・優品 第1部 東洋の古美術
2020/08/01 ~ 2020/08/31 三井家が伝えた名品・優品 第2部 日本の古美術
開催延期 特別展 ほとけの里 奈良・飛鳥の仏教美術
2020/09/12 ~ 2020/11/18 敦煌写経と永樂陶磁
2020/11/21 ~ 2021/01/27 国宝の名刀「日向正宗」と武将の美
2021/02/06 ~ 2021/04/18 特別展 小村雪岱スタイル-江戸の粋からモダンへ

<出光美術館(東京本館)>
開催中止 茶の湯の美
開催中止 肉筆浮世絵―師宣から春章・歌麿・北斎まで
開催中止 屏風絵―輝く日本の美
2020/09/19 ~ 2020/11/03 江戸絵画の華 〈第1部〉 極 ―若冲と江戸絵画
2020/11/07 ~ 2020/12/20 江戸絵画の華 〈第2部〉 粋 ―応挙と江戸琳派
2021/01/09 ~ 2021/02/11 生誕270年 仙厓百選
2021/02/20 ~ 2021/03/28 東洋のやきもの―交流するアジアの美

<東京国立近代美術館>
2020/02/26 ~ 2020/10/11 ピーター・ドイグ展
2020/11/25 ~ 2021/02/23 眠りの理由 国立美術館コレクションによる展覧会(仮称)
2021/03/23 ~ 2021/05/16 あやしい絵展
延期 2021年7月~10月(予定) 隈研吾展(仮称)

<東京ステーションギャラリー>
2020/07/17 ~ 2020/09/06 開校100年 きたれ、バウハウス ― 造形教育の基礎 ―
2020/09/19 ~ 2020/11/08 もうひとつの江戸絵画 大津絵
2021/02/20 ~ 2021/04/11 没後70年 南薫造 展(仮称)
2021年冬に延期 ハリー・ポッターと魔法の歴史

<三菱一号館美術館>
2020/02/15 ~ 2020/09/22 開館10周年記念 夢の子ども時代 ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン展
2020/10/24 ~ 2021/01/17 1894 Visions―ルドン、ロートレックとソフィ・カル(仮)
2021/02/20 ~ 2021/05/30 テート美術館所蔵 コンスタブル展(仮)
2021/06/30 ~ 2021/09/12 三菱創業150周年記念 三菱の至宝展

<国立新美術館>
2020/06/24 ~ 2020/08/24 古典×現代2020―時空を超える日本のアート
会期変更(未定) ファッション イン ジャパン1945-2020―流行と社会
2020/08/12 ~ 2020/11/03 MANGA 都市 TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮 2020
2021/02/03 ~ 2021/05/10 佐藤可士和展
会期変更(未定) カラヴァッジョ 《キリストの埋葬》展(仮称)

<サントリー美術館>
2020/07/22 ~ 2020/09/13 リニューアル・オープン記念展 ART in LIFE, LIFE and BEAUTY
2020/09/30 ~ 2020/11/29 リニューアル・オープン記念展 Ⅱ 知って楽しい日本美術(仮称)
2020/12/16 ~ 2021/02/28 リニューアル・オープン記念展 Ⅲ 美を結ぶ。美をひらく。(仮称)

<21_21 DESIGN SIGHT>
2019/11/22 ~ 2020/09/22 ㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画
会期変更(未定) トランスレーションズ展-「わかりあえなさ」をわかりあおう

<森アーツセンターギャラリー>
2020/07/15 ~ 2020/09/13 おいしい浮世絵展 ~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~
2021/01/12 ~ 2021/04/22 改修工事にともなう一時休館

<六本木ヒルズ展望台東京シティビュー>
2020/11/20 ~ 2020/11/30 The Flower BOX Exhibition
2020/12/11 ~ 2021/01/11 連載完結記念 約束のネバーランド展
2021/01/12 ~ 2021/04/22 改修工事にともなう一時休館

<森美術館>
未定 ~ 2020/06/14 ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築
2020/07/31 ~ 2021/01/03 STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ
2021/01/04 ~ 2021/04/21 改修工事にともなう一時休館
2021/04/22 ~ 2021/09/26 アナザーエナジー展:創造しつづける女性アーティスト(仮題)
2021/10/21 ~ 2022/01/30 Chim↑Pom展(仮題)

<大倉集古館>
2020/06/27 ~ 2020/07/26 企画展 日本絵画の隠し玉~大倉コレクションの意外な一面~
2020/08/01 ~ 2020/09/27 企画展 近代日本画の華~ローマ開催日本美術展覧会を中心に~
2020/10/03 ~ 2020/10/25 東京経済大学120年と創立者大倉喜八郎
2020/11/03 ~ 2021/01/24 特別展 海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~
2021/02/02 ~ 2020/03/28 企画展 因州×備前 池田家の能面・能装束

<泉屋博古館 分館>
2020/01月 ~ 2021/12月予定 改修工事のため休館

<東京都庭園美術館>
2020/06/01 ~ 2020/09/27 建築をみる2020 東京モダン生活ライフ  東京都コレクションにみる1930年代
2020/10/17 ~ 2021/01/12 生命の庭 8人の現代作家が見つけた小宇宙
2021/01/30 ~ 2021/04/11 20世紀のポスター 図像と文字の風景

<目黒区美術館>
2020/06/20 ~ 2020/08/23 あそぶひと-人形と子どもの暮らし

<根津美術館>
中止 企画展 茶入と茶碗 ―『大正名器鑑』の世界―
中止 企画展 花を愛で、月を望む-日本の自然と美-
2020/09/19 ~ 2020/11/03 企画展 モノクロームの冒険-日本近世の水墨と白描−
2020/11/14 ~ 2020/12/20 財団創立80周年記念特別展 根津美術館の国宝・重要文化財
2021/01/09 ~ 2021/02/14 企画展 きらきらでん(螺鈿)
2021/02/25 ~ 2021/03/31 企画展 御用絵師の世界

<太田記念美術館>
2020/07/01 ~ 2020/07/26 太田記念美術館コレクション展
2020/08/01 ~ 2020/10/04 月岡芳年 血と妖艶
2020/10/10 ~ 2020/11/08 江戸の土木
2020/11/14 ~ 2020/12/13 ニッポンの浮世絵
2021/01/06 ~ 2021/01/28 和装男子 ―江戸の粋と色気
2021/02/02 ~ 2021/03/28 没後30年記念 笠松紫浪 ―最後の新版画

<パナソニック 汐留ミュージアム>
2020/07/18 ~ 2020/09/22 特別企画 和巧絶佳展 令和時代の超工芸
2020/10/10 ~ 2020/12/15 分離派建築会100年展 建築は芸術か?
2021/01/09 ~ 2021/03/21 香りの器 高砂コレクション展

<日本科学未来館>
2021年夏 特別展「超人たちの人体」 ≪東京2020公認プログラム≫

<SOMPO美術館(東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館)>
2020/07/10 ~ 2020/09/04 開館記念展 珠玉のコレクション-いのちの輝き・つくる喜び
中止 開館記念展Ⅱ 秘蔵の東郷青児-多才な画家の創作活動に迫る
2020/10/06 ~ 2020/12/27 ゴッホと静物画-伝統から革新へ

<東京オペラシティアートギャラリー>
2020/07/04 ~ 2020/08/30 ドレス・コード?─ 着る人たちのゲーム
2020/10/10 ~ 2020/12/20 生誕100周年 石元泰博写真展(仮題)
2021/01/16 ~ 2021/03/21 千葉正也(タイトル未定)
2021年春予定 ライアン・ガンダー(タイトル未定)

<Bunkamuraザ・ミュージアム>
開催中止 没後35年 有元利夫展 花降る空の旋律(しらべ)
2020/07/22 ~ 2020/09/28 アンコール開催 ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター

<松濤美術館>
2020/04/04 ~ 2020/05/17 東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会開催記念 いっぴん、ベッピン、絶品! ~歌麿、北斎、浮世絵師たちの絵画
2020/06/02 ~ 2020/09/22 真珠― 海からの贈りもの
2020/10/03 ~ 2020/11/23 後藤克芳 ニューヨークだより“ 一瞬一瞬をアートする”
2020/12/05 ~ 2021/01/31 舟越 桂 私の中にある泉
2021/04月 ~ 2021/06月 フランシス・ベーコン・ ドローイング展: バリー・ジュール・コレクション―リース・ミューズ7番地、アトリエの秘密―

<山種美術館>
2020/07/18 ~ 2020/09/13 【特別展】桜 さくら SAKURA 2020―美術館でお花見!―
2020/09/19 ~ 2020/11/15 【特別展】竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス
開催中止 【特別展】山種美術館所蔵 浮世絵・江戸絵画名品選 ―写楽・北斎から琳派まで―
開催延期(未定) 【特別展】東山魁夷と四季の日本画(仮称)
開催延期(未定) [企画展]川合玉堂―美しき日本の情景―(仮称)

<板橋区立美術館>
2020/07/11 ~ 2020/08/10 館蔵品展 狩野派学習帳 今こそ江戸絵画の正統に学ぼう
2020/08/22 ~ 2020/09/27 2020イタリア・ボローニャ国際絵本原画展
2020/10/15 ~ 2020/11/08 区民文化祭(2020)
2020/11/13 ~ 2021/01/14 館蔵品展 寺田政明と古沢岩美の時代―池袋モンパルナスから板橋・前野町へ
2021/02/26 ~ 2021/04上旬 東京・京都 転換期のリアリムと前衛 1937~1945

<練馬区立美術館>
2020/07/08 ~ 2020/09/27 練馬区立美術館開館35周年記念 Re construction 再構築

<世田谷美術館>
2020/07/04 ~ 2020/08/27 作品のない展示室

<静嘉堂文庫美術館>
2020/06/27 ~ 2020/09/22 美の競演 -静嘉堂の名宝-
2020/10/13 ~ 2020/12/06 能をめぐる美の世界 ~初公開・新発田(しばた)藩主溝口家旧蔵能面コレクション~
2021/01/23 ~ 2021/03/28 岩﨑家のお雛さま

<府中市美術館>
2020/03/14 ~ 2020/05/10 春の江戸絵画まつり  ふつうの系譜  「奇想」があるなら「ふつう」もあります─京の絵画と敦賀コレクション
開催中止 府中市美術館開館20周年記念 ここは武蔵野 描かれた「むさしの」、400年を辿る旅
2020/07/18 ~ 2020/09/06 ひらいてみよう 美術の扉
2020/09/19 ~ 2020/11/23 府中市美術館開館20周年記念 動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり
2020/12/05 ~ 2021/02/28 府中市美術館開館20周年記念 メイド・イン・フチュウ 公開制作の20年
2021/03/13 ~ 2021/05/09 与謝蕪村 「ぎこちない」を芸術にした画家

<横浜美術館>
2020/07/17 ~ 2020/10/11 ヨコハマトリエンナーレ2020「Afterglow―光の破片をつかまえる」
2020/11/14 ~ 2021/02/28 トライアローグ 横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション

<そごう美術館>
2020/06/10 ~ 2020/07/08 ラリック・エレガンス 宝飾とガラスのモダニティ ユニマットコレクション

<横須賀美術館>
開催中止 宇都宮美術館コレクションによる マルク・シャガール展
開催延期を検討 ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ

<神奈川県立近代美術館 葉山館>
2020/07/31 ~ 2020/09/22 日本・チェコ交流100周年 チェコ・デザイン100年の旅
2020/07/31 ~ 2020/09/22 コレクション展 ゴッホから中園孔二まで
2020/10/10 ~ 2020/12/20 珠玉の日本画展
2020/10/10 ~ 2020/12/20 コレクション展 生誕180年 オディロン・ルドン版画展
2021/01/09 ~ 2021/04/11 フランシス・ベーコン— バリー・ジュール・コレクションによる
2021/01/09 ~ 2021/04/11 コレクション展 イギリス・アイルランドの美術

<神奈川県立近代美術館 鎌倉別館>
2020/06/09 ~ 2020/07/05 コレクション展 日々を象(かたど)る
2021/01/30 ~ 2021/04/18 フィリア ― 今 道子

<埼玉県立近代美術館>
2020/06/02 ~ 2020/09/06 New Photographic Objects:写真と映像の物質性
2020/09/26 ~ 2020/11/03 MEDE SUWARU − 今日みられる椅子
2020/11/14 ~ 2021/01/11 上田 薫
2021/01/23 ~ 2021/03/21 コレクション 4つの水紋
2021年度へ延期 第70回埼玉県美術展覧会 (県展)
翌年度以降に会期延期 美男におわす(仮称)
翌年度以降に会期延期 ボイス+パレルモ展(仮称)
翌年度以降に会期延期 桃源郷通行許可証

<うらわ美術館>
2020/07/18 ~ 2020/08/30 Je t'aime! 色彩世界へのいざない コレクションより―シャガール『ダフニスとクロエ』

<DIC川村記念美術館>
2020/06/16 ~ 2020/11/29 開館30周年記念展 ふたつのまどか ―コレクション×5人の作家たち

<千葉市美術館>
2019/12/29 ~ 2020/07/09 拡張リニューアルのため休館
2020/07/11 ~ 2020/09/06 帰ってきた! どうぶつ大行進
2020/09/19 ~ 2020/12/13 宮島達男 クロニクル 1995−2020
2021/01/05 ~ 2021/02/28 ブラチスラバ世界絵本原画展 こんにちは!チェコとスロバキアの新しい絵本
2021/01/05 ~ 2021/02/28 田中一村展―千葉市美術館所蔵全作品―


ということで、各館の苦慮ぶりが伺えるスケジュールとなっています。私もすぐにでも見に行きたいのを我慢している状況ですので、あまりお出かけはオススメできません。ロンドン・ナショナル・ギャラリー展だけは観ておきたいかな…。皆様も無理はされないようご自愛ください。

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  展覧会年間スケジュール (1都3県) 【2020年01月号】
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《ヘンリー・ムーア》  作者別紹介

今日は作者別紹介で20世紀イギリスの彫刻家ヘンリー・ムーアを取り上げます。ムーアは有機的な形態の抽象彫刻で知られていて、自身によって『私の彫刻はすべて人体を基礎にしている。私の作品の場合、3つの主題がくり返される。「母と子」「横たわる像」「内なるかたちと外なるかたち」である。ある場合にはこのうちの2つの主題が重なっているし、3つ全部の組み合わせということすらある。』と語られています。一目観たら忘れられない特徴をもっていますので、今回はそういた作品の写真を使ってご紹介していこうと思います。
 引用参考:箱根彫刻の森美術館


ヘンリー・ムーア 「王と王妃」
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こちらは1952-53年頃の作品。ムーアにしてはほっそりした印象を受けるかな。元々ムーアは「ユニット・ワン」という前衛グループに参加してシュルレアリスムなどに影響を受けていたので、この作品にもそれを感じることができると思います。ちょっとキュビスム的な要素もあって優美な雰囲気です。

ちなみにムーアは第二次世界大戦の後、ロンドン大空襲の際に地下鉄に避難した人たちを描いた素描シリーズが国際的に高い評価を受け、さらにそれに続いて炭鉱労働者の素描シリーズも手掛けています。ストーンヘンジを描いた素描シリーズなどもあり、彫刻以外でも活躍していました。

ヘンリー・ムーア 「腰掛ける女」
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こちらは1957年頃の作品。これも細身な感じを受けるけど、ムーアならではの単純化だと思います。座る姿のモチーフは横たわる姿に比べて意図的でリアルな対象として表現されることが多いようです。

ヘンリー・ムーア 「ふたつに分けられた横たわる像 ポインツ」
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こちらは1959年頃の作品。横たわってるようには観えませんが…w ムーアは「立つ」「座る」「横たわる」の3つのポーズを比較し、「横たわる」は「最も自由かつ安定している」と語ったそうです。人体をモニュメンタルに見せるのが横たわる姿勢なのだとか。

ヘンリー・ムーア 「台に坐る母と子」
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こちらは1968-74年頃の作品。ムーアは母と子の主題は時代や地域を越えた永遠性を持ったものと考えていたようです。流れるようなフォルムで子供と一体化しているように見えますが、聖母子のような絆を感じさせます。後に父親も加わり「ファミリーグループ」の連作が展開されていくことになります。

ヘンリー・ムーア 「四つに分かれた横たわる人体」
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こちらは1972-1973年頃の作品。これももはや人体なのか分からないくらいデフォルメされているかなw こうした形態はシュメール、エジプト、アフリカ、オセアニア、古代メキシコ(マヤ)などの原始彫刻からからインスピレーションを受けているようで、小石や骨の構造研究なども行っていたのも下地にあるようです。キクラデスの彫刻なんかムーアっぽいと思うことが多いので、比べて観ると面白いと思います。

ヘンリー・ムーア 「横たわる像」
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こちらは1969-70年頃の作品。これも人体なのだろうか…w 角度が変わると全く別の観え方になるのも面白い点です。どっしりとしていてボリューム感があります。シュルレアリスムの絵画に出てきそうな感じですね。

ヘンリー・ムーア 「横たわる女、肘」
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こちらは1982年頃の作品。これはかなり人体っぽいw 点のような目があったり、滑らかな形態が近未来的な雰囲気すら出しています。頭部に比べて足が太かったり、絶妙なバランスの像ですね。

ヘンリー・ムーア 「ふたつに分けられた横たわる像:カット」
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こちらは1979-81年頃の作品。何となく腕を上げて膝を曲げている人物に観えるような。「横たわる人体像は、最も自由がきき、構成しやすく、また空間性を持っている。」と語っていたそうで、この作品でも遺憾なく自由な構成を発揮してますね。

ヘンリー・ムーア 「ブロンズの形態」
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こちらは晩年の1985年の作品。もはや何のモニュメントか分かりませんが、金属なのに柔らかく生き物を思わせる形態がムーアらしいと思います。川村記念美術館の菜の花に囲まれて立っている姿がとても素晴らしい。ムーアは「空は彫刻の背景に最も良い」とも語っていたようです。

他に「内なるかたちと外なるかたち」という二重構造になってる作品群もあるのですが、撮影できた作品がありませんでした。小型のものが多いからかな。パブリックアートとしてよく観るのは「母と子」「横たわる像」です。

ということで、改めてムーアの作品を観ると、人体をベースに様々な試みが行われていたことが伺えます。これまた最近大きな展覧会が無いアーティストではありますが、幸いブロンズ像は様々な場所に置かれているので目にする機会も多いと思います。美術館の庭などで見かけたら是非じっくり鑑賞してみてください。
 参考記事:ヘンリー・ムア 生命のかたち (ブリヂストン美術館)



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《加山又造》  作者別紹介

今日は新企画の第3段として現代日本画家の加山又造を取り上げます。加山又造は日本画と言って良いのか分からないくらい革新的な画家で、日本の伝統を学ぶ一方で西洋絵画を取り込んだり新しい技法を取り入れて驚くような作品が多くあります。幸い、東京国立近代美術館の常設などに代表作があるので、今回はそうした作品の写真を使ってご紹介していこうと思います。

加山又造 「月と犀」
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こちらは1953年の作品。この頃はキュビスムやシュルレアリスムを取り入れた動物モチーフの作品が結構あります。ぽつんと佇む犀が何とも寂しげ。これを観て日本画とは思わないですよねw

加山又造 「冬」
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続いてこちらは1957年の代表作。ブリューゲルの「雪中の狩人」を彷彿とするような寒々とした光景となっています。加山又造はカラスをよくモチーフにしていて、この絵でも寂寞とした雰囲気を強めてるかな。

加山又造 「火の島」(複製)
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こちらは複製の写真ですが、1961年の作品。この頃、「火の島」「奥入瀬」「渦潮」という三部作に取り掛かっていて、そのうちの最初の作品です。盟友の横山操に「君の作品は内向的だ」と指摘され、横山操の「炎炎桜島」に影響を受けて描かれました。空も山も真っ赤にそまって溶岩が流れ出てしまってるようなw 火山のエネルギーが凝縮された1枚です。

加山又造 「千羽鶴」
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こちらは1970年の作品。1960年代以降、日本工芸に興味を持ちこうした琳派的な作品を残しています。現代の琳派と呼ばれただけあって装飾性や単純化にその傾向を感じるかな。うねりのような千鳥がリズミカルで躍動感があります。

加山又造 「黒い薔薇の裸婦」
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こちらは1976年の作品。屏風仕立てだけど非常にモダンで妖艶な雰囲気のモデルとなっています。ポーズのとり方や衣装を含めてかなり斬新な印象を受ける傑作です。

加山又造 「群鶴図」
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こちらは1988年の作品。先日ご紹介した尾形光琳の同名の作品にも似ていますが、これは酒井抱一の群鶴図に着想を得ているようです。金地ではなく銀地な所に抱一の美意識を継承してるんじゃないかな。みんな左を向いて少しづつ姿勢が違うので、パラパラ漫画のように動いているかのように観えたり。

加山又造 「倣北宋寒林雪山」
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こちらは1992年の作品。加山又造は画風だけでなく手法の革新も行っていて、この絵ではマスキングやエアブラシを使って雪のふわっとした質感を表現しています。最晩年にはペンタブやCGなども試していたらしく、最後まで飽くなき挑戦者でした。

アップにするとこんな感じ
20180422 152439
迫力ある木々と雪の白さが相まって独特の緊張感があります。伝統的な山水画のようで現代的です。

加山又造 「猫」
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こちらは製作年は分かりませんが、割とこうした小品もあります。毛のふわふわ感が可愛いw


ということで、年代によってこれほど作風が変わっていますが、様々な絵画を取り入れても何処かに新しさがあるのが特徴じゃないかな。久しく大きな加山又造展が開かれていないですが、東京国立近代美術館の常設などで観られる機会もあるので コロナ騒動が収まったらまたご紹介していければと思います。


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《アンリ・マティス》  作者別紹介

今日は新企画の第2段で、フォーヴィスムの創始者のアンリ・マティスについてです。私は洋画家の中でも1位2位を争うくらいマティスが好きで、色彩とフォルムにその魅力を感じています。時代によって画風は結構変わっていますが、どれも素晴らしいw 今日はそんなマティスについて過去に撮ってきた写真と共にご紹介してみようと思います。

アンリ・マティス 「題名不明」
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こちらは1898年の作品。この絵では誰だか全然分かりませんがゴッホに影響を受けた頃で明暗は強めの色彩に思えます。絵画を学ぶ前のマティスは法律を勉強して法律事務所で働いていたそうで、盲腸で入院した時に母親に画材をもらって絵画に興味を持ちました。マティスのお母さんのプレゼントで世界の美術の流れが変わったと言えますw

アンリ・マティス 「題名不明」
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こちらもマティスと言われても全然ピンと来ませんが、1901年の作品でフォーヴィスムと呼ばれるより少し前の時代となります。まだ後の画風とはだいぶ違う感じがしますね。
ちなみにマティスは象徴主義の画家であるギュスターヴ・モローの教え子です。モローの画風と全然違うのはモローが各自の個性を伸ばす方針だったからと言われています。同じ教え子にジョルジュ・ルオーもいて、生涯の親交を結んでいたこともありこの三者を取り上げた展示なども開かれることもあります。

アンリ・マティス 「L'algerienne」
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こちらは1909年の作品。この頃は代表作の「ダンス」などを描いていた時期で、特に脂が乗ってた頃かなw 日本の着物みたいに観えますが、タイトルからしてアルジェリアの女性です。マティスは1906年にアルジェリアへ旅行していて、そこで現地プリミティブな美術に影響を受けています。さらに1910年頃からイスラム美術を学んだり、1912~1913年のモロッコ旅行などでイスラム文化に影響を受けていき、オダリスクやモロッコ風の室内画を描くようになりました。モロッコの世界遺産にマティスの室内画そのものって感じの建物もあったりします。

アンリ・マティス 「窓辺の女」
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こちらはニース時代の作品。この時代は以前のような派手な色彩ではなく落ち着いた雰囲気で、古典に回帰したと言われています。窓辺のある室内画を多く描いていて、海が見えるのも特徴かな。なお、マティスはニース市内でも何度も住居を変えていたせいか、窓の風景も違っていたりします。これはオテル・ド・ラ・メディテラネオというホテルの一室です。ホテルもいくつか拠点があります。

ニースのマティス関連地図
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海岸沿いと山側にいくつも住んでいた所があります。 窓があったら外の風景にも注目してみてください。

アンリ・マティス 「ソファーの女たち」
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これも落ち着いた感じで窓辺を描いたもの。ベッドの人物とか詳細は描かれていないし、結構単純化されてます。構図はキュビスム的なものも感じるかな。マティスはピカソと親しい友人でありライバルでもあったわけですが、「キュビスム」の名付け親はマティスとされています。単純化という方向では似てるし、お互いに影響もあったんではないでしょうか。

アンリ・マティス 「赤いキュロットのオダリスク」
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マティスが得意とした題材で、オダリスクとはイスラム世界のハレムの女奴隷のことです。これは1925年頃の作品で、色は鮮やかだけど不思議と落ち着いた雰囲気がありますね。この頃からまた色彩豊かな感じになってるように思えます。

アンリ・マティス 「石膏のある静物」
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こちらは1927年の作品。こちらは色彩はマティスだけど、静物はセザンヌっぽい雰囲気に思えます。主役の石膏像より周りのほうが鮮やかな色なのに、真っ先に目に入るのは白い石膏像なのが面白い。

アンリ・マティス 「La dance(ダンス)」
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こちらはパリ市立近代美術館の壁画の写真。実際に観ると写真で観た感じよりも大きく観えます。1932年のバーンズ財団の作品とよく似てるのでバリエーションかな? 色面と輪郭線でかなり単純化していますが、滑らかで躍動感溢れるフォルムです。同名の手を繋いで踊る人々の作品が有名だけど、こちらもかなり好きです。

アンリ・マティス 「JAZZ」
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晩年のマティスは病気となり油彩の代わりに切り絵を使った表現も生み出していきます。特に有名なのはこの「jazz」のシリーズで、いずれもこのように単純化されて色彩豊かな作品群となっています。

アンリ・マティス 「リュート」
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こちらはJAZZと同じ頃の1943年の作品。葉っぱの紋様がリズミカルで、リュートと共に音楽的なものが感じられます

アンリ・マティス 「顔をかたむけたナディア」
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こちらも晩年の1948年の作。これほど線が少ないのに個性と人柄が感じられます。シンプル故にマティスの凄さがわかりますね。

最後にこちらはヴァンスのロザリオ礼拝堂の模型
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マティスが手掛けた教会で、ステンドグラスや司祭の服などに至るまでマティスによるデザインとなっています。実際には訪れたことがないですが、いずれ行ってみたいですね…


ということで、マティスは名品の写真が結構ありましたw とは言えマティスは絵画だけでなく彫刻は装飾などもあるので、まだまだ魅力を伝えきれていないと思います。最近は大きなマティス展が無いですが、またそういう機会があって欲しいものです。



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21世紀のxxx者

Author:21世紀のxxx者
 
多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。

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画像を大きめにしているので、解像度は1280×1024以上が推奨です。

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