関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

竹村京 ーどの瞬間が一番ワクワクする? 【ポーラ美術館 アトリウム ギャラリー】

今回で箱根編は最終回です。前回ご紹介したポーラ美術館の常設を観た後、アトリウム ギャラリーで「竹村京 ーどの瞬間が一番ワクワクする?」を観てきました。この展示も撮影可能でしたので写真を使ってご紹介しようと思います。

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【展覧名】
 竹村京 ーどの瞬間が一番ワクワクする?

【公式サイト】
 http://www.polamuseum.or.jp/hiraku_project/02/
 http://www.polamuseum.or.jp/exhibition/20180113ag01/ 

【会場】ポーラ美術館 アトリウム ギャラリー
【最寄】なし

【会期】2018年1月13日(土)~3月11日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は竹村京 氏という1975年生まれの女性アーティストの個展となっています。この方ポーラ美術振興財団の在外研究員としてベルリンで研修をしていたそうで、写真やドローイングの上に刺繍を施す手法が特徴のようです。展覧会は20点程度と小規模でしたが、その特徴がよく分かる内容となっていましたので写真を使ってご紹介しようと思います。

こちらはトランプらしき作品。
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よく見ると手描きみたいな部分と元々の絵柄のような部分があるのでコピーした上からドローイングしてるのかな? ちょっと観ただけでは意図が分からないので解説が欲しかったw

こちらはトランプの上に刺繍が施されている作品。
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これは解説によるとドイツ製のトランプを地にオーストリア製のトランプの図柄を日本製の絹糸で刺繍しているそうで、時代性や国籍の組み合わせの偶然性を表しているようです。ハートのマークの刺繍がポップで楽しげな印象に思えました。

この辺りにはこうしたトランプの作品が並び「Playing Cards 2017,Austrian Cards on German Cards」というタイトルで24点あるようです。

こちらもトランプに刺繍されています。
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ハートのキングのはずが刺繍はクラブになっているようなw 遊び心を感じます。

こちらはタロットかと思いましたがやはりトランプかな?
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よく見ると下地とずれて上から描いたような複雑な構成となっています。

こちらは下地のトランプの草花文と刺繍が一体化しているような作品。
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離れて見るとどこから絵なのかちょっと分からないくらい自然な感じに見えました。

こちらは「Playing Dominos in J.Cityのためのドローイング」という作品。
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このカードみたいなのはインドネシアのジョグジャカルタで流行っているドミノというカードゲームらしく、現地の人と遊んだ時の配置を日本の絹糸で縫いとめたそうです。楽しんだ瞬間を縫い止めて取っておくような作品に思えて今回の展示のタイトルはそういう意味なのかな?と考えながら観ていました。

こちらは「May I open the book?」という作品
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ちょうど節分のちょっと前頃に行ったので、豆まきの鬼かな?と思いましたが詳細は不明。背景の子供たちの写真と相まって、鬼なのに可愛らしい楽しげな雰囲気がありました。

こちらも背景に子供の写真を使った作品。
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下地のポーズを活かして手に持った本がめくれて飛び出したような遊び心が感じられます。左の子も大きな本を開いているように見えました。


ということで、小展示でしたがユニークな作品が並ぶ内容となっていました。もうちょっとキャプションがあったほうが楽しめるようにも思えますが、トランプの刺繍なんかは単純に面白い作品だったように思います。気軽に楽しむことができるので、ポーラ美術館に行く機会があったらアトリウム ギャラリーも覗いてみることをお勧めします。



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【ポーラ美術館】の常設 2018年1月(箱根編)

今回も写真多めです。前回ご紹介したポーラ美術館の企画展を観た後、常設展示も観てきました。こちらも撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

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【公式サイト】
 http://www.polamuseum.or.jp/collection/

【会場】ポーラ美術館
【最寄】なし

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。ここには今まで4~5回行ったことがありますがこんなに空いていたのは初めてかも。私の訪れる1週間前には雪で臨時休館もあったようですが、1月はオフシーズンなのかどこも空いていて屋内なら至極快適です(外はめちゃくちゃ寒いけどw)
 参考記事:
  ポーラ美術館の常設(2010年秋)
  ポーラ美術館の常設(2009年)

ちなみにこのポーラ美術館は「ミュージアムセレクト2」というチケットを使うことができます。
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これは6つの美術館のうち2つに2000円で入れるというお得なチケットで、私は箱根ラリック美術館とポーラ美術館の2館で使用しました。ラリック美術館の単独入館料が1500円、ポーラ美術館は1800円なので、半端なくお得感があります。(対象で一番高い入館料はポーラ美術館です) 2018/3/31までに箱根で美術館めぐりする方は是非ご活用ください。
 参考リンク:ミュージアムセレクト2の公式サイト
 発売期間・有効期間:2017年12月1日(金)~2018年3月31日(土)


さて、ここからが本題です。こちらの常設は普段は洋画・日本画・化粧道具・中国磁器といった感じのジャンルになっているのですが、今回は洋画と日本画は企画展の方とくっついていた感じだったので、今日は化粧道具と中国磁器のコレクションについてご紹介していこうと思います。冒頭に書いたように撮影可能だった(以前は撮影不可だった)ので、写真を使って参ります。


<西洋の化粧道具 揃い物の美の系譜>
こちらは化粧品メーカーの会社らしい化粧道具のコレクションのコーナーです。18世紀から20世紀にかけての化粧道具が並び、特に揃い物としてのセットが多く展示されていました。

「卵型ケース入り香水瓶」
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これは18世紀フランスの香水瓶。色も形も高級感のある優美な香水瓶です。宝飾品みたいなケースでした。

この近くには同時代の化粧道具が並びます。つけぼくろなどの「パッチ化粧」なんかが流行っていたそうです。

「珊瑚象嵌化粧ケース」
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こちらは19世紀イギリスの化粧ケース。香水瓶やマニュキュアセット、手鏡なんかも入っています。まさに揃物で同じ柄となっていて、珊瑚が象嵌された豪華なセットとなっていました。

続いては19世紀のコーナーです。

左「花紋マイクロモザイク手鏡」 中「革製モノグラム入り手鏡」 右「エナメル製手鏡」
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右はフランス製で他2つはイタリア製です。この時代になるとブルジョワが台頭して柄も最新の流行を取り入れたものとなっていったようです。結構多彩な模様となっているのが分かります。

「緑ガラス化粧セット」
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こちらは19世紀後半のガラスのセット。エメラルドグリーンが爽やかで形もむしろ現代的なシンプルさがあって好みでした。

「花かご文銀と鼈甲製手鏡」
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こちらは鼈甲で出来ているので日本っぽさも感じますが1907年のイギリス製です。文様だけでなく縁取りにまで細やかな装飾性があり気品が感じられました。

「ローズ色ガラス化粧セット」
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こちらは1940年頃のバカラの化粧セット。化粧するのにこんなに瓶を使ったの?というくらい沢山ある揃物です。螺旋状の捻りの模様が洒落た印象で色合いも可愛らしいセットでした。

「ガラス化粧セット」
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こちらは1900年頃のフランスのセット。本体はシンプルな形ですが、蓋の部分が装飾的で洗練されたセンスを感じました。

ルネ・ラリック 「ガラス化粧セット エレーヌ」
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ラリックによるガラス瓶もありました。側面に女性像が表されていて、衣が流れるような表現が女性たちの美しさとよく合います。ラリックの化粧セットなんて贅沢ですね。

エミール・ガレ 「蜻蛉文香水瓶」
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アール・ヌーヴォーの代名詞とも言えるエミール・ガレの香水瓶もありました。これはまだ普通の瓶に蜻蛉を表しただけですが、ジャポニスムからの影響が感じられます。

ルイス・カムフォート・ティファニー 「蜻蛉文ランプ」
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こちらはアメリカのアール・ヌーヴォーの巨人ティファニーによる作品。ランプシェードの部分がトンボっぽいですが。むしろ赤い目の王蟲みたいなw

この辺りは20世紀の化粧道具が並んでいました。

「青革製旅行ケース」
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深い青が目を引く化粧セットですが、革製の旅行ケースに入っているのが特徴となっています。これを持って旅行したのかな。相当なお金持ちだったのだろうと思います。

この他にも様々な化粧道具が目を引きましたが、実際に観て驚いて頂きたい品が多いので出し惜しみしておこうと思います。


<東洋陶磁 名作でめぐる中国陶磁の世界>
続いては中国の磁器のコーナーです。割と広い年代の名品が並びます。

「三彩馬」
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こちらは7~8世紀の唐の時代の三彩です。口を開けていななくような写実性が見事で、三彩の色の使い方もセンスがありました。

「黒釉油滴斑碗」
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こちらは12~13世紀の金の時代の黒釉磁器。やや虹色の油滴が宇宙的な印象を受けました。油滴の磁器ってどうやって作るんだろう?と考えながら観ていましたw

大清康煕年製 「五彩花鳥文盤」
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薄めの色彩で気品溢れる清時代の景徳鎮の品。非常に細やかで富貴やめでたさを表すモチーフが集まっています。特に花びらの周りが美しく感じられました。

大清乾隆年製 「火焔紅双耳方壺」
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こちらも清時代の景徳鎮によるもの。この力強い色彩感覚は現代の作品かと思ってしまうくらい大胆です。中国磁器は幅が広くて凄い…。

「五彩唐子文方壺」
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こちらも清時代の景徳鎮によるもの。絵はゆるめですが、ブレイクダンスでもしてるのか?って子供がいたりして喧騒が聞こえそうなくらい生き生きとしていました。

他にも中国磁器も豊富なコレクションとなっていて見ごたえがありました。

化粧道具や中国磁器以外に屋内外に彫刻作品もあったりします。

niu(にゅう) 「しあわせな犬」
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これは2016年の作品なのでつい最近に作られたようです。雪と相まって はしゃいでいる犬に見えますw 犬が嬉しい時ってこんな感じでジャンプしてくるのを思い出しながら観ていました。


ということで、常設も楽しめました。私は箱根に行く際は美術館めぐりをするのですが、ポーラ美術館には必ず立ち寄るようにしています。(他はローテーションで行ったり行かなかったり) 本当に素晴らしいコレクションを持っているので、箱根に行くなら是非立ち寄ってほしい美術館です。


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100点の名画でめぐる100年の度 【ポーラ美術館】(箱根編)

今日は写真多めです。先日ご紹介した箱根ラリック美術館を観た後に、ポーラ美術館に移動して「100点の名画でめぐる100年の度」を観てきました。何とこの展示は撮影可能(一部は不可)となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

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【展覧名】
 100点の名画でめぐる100年の度

【公式サイト】
 http://www.polamuseum.or.jp/sp/best_collection_100/

【会場】ポーラ美術館
【最寄】なし

【会期】2017年10月1日(日)~2018年3月11日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間20分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は豊富なコレクションを持つポーラ美術館の名品の中から100点を選び、近代絵画の100年を俯瞰するという内容となっています。誰もが知る巨匠の作品が惜しげなく展示されていて、さらに撮影可能という嬉しい機会となっていましたので、一部の気に入った作品を写真を使ってご紹介していこうと思います。


<1 大自然を歩く -印象派前夜 1860s-1870s>
まずは印象派直前のコーナーです。

エドゥアール・マネ 「サラマンカの学生たち」
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スペインの逸話を描いたマネの作品。自然が主役ではないものの、マネの別荘の辺りの風景を描いたようです。黒い服の人物が目を引きます。

近くにはコローやクールベ、シスレー、ブーダンなど印象派の誕生には欠かせなかった画家の作品が並んでいました。


<2 雲と煙 -モネとモダニスム 1870s>
こちらはモネのコーナーです。特に充実しているモネのコレクションがならんでいます。

クロード・モネ 「散歩」
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アルジャントゥイユにいた頃の作品。穏やかで光を感じるモネらしい作品です。日傘の女性が優雅な雰囲気。

他にもサンラザール駅を描いた作品やセーヌ河を描いた作品など、モネの魅力がよく分かる作品が並んでいました。


<3 人物の研究 -セザンヌとドガ 1870s>
こちらはセザンヌとドガのコーナー。

ポール・セザンヌ 「4人の水浴の女たち」
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人物が三角形に配置されている作品。セザンヌはこうした構成を意識した作品が多いので、これはそれが特によく現れていると思います。

勿論ここにはドガもありました。全部お見せるのもあれなので出し惜しみしておきますw


<4 光を描く-モネからスーラ 1880s>
こちらはモネやその後の新印象派のスーラなどの作品などが並んでいました。

ジョルジュ・スーラ 「グランカンの干潮」
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スーラはよく船を描いていて、代名詞的な点描の技法で描かれています。割と点が細かいのがスーラの特徴かな。

近くには点描を取り入れた頃のピサロの作品などもありました。他にもモネやセザンヌ、マネなどによるこの時代の作品も並んでいます。


<5 美しき女性たち-マネとルノワール 1880s>
こちらはマネとルノワールによる女性像のコーナーです。特にルノワールが充実していました。

ピエール・オーギュスト・ルノワール 「ムール貝採り」
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この美術館のコレクションの中でも特に好きな作品の1つです。子供の可愛さとムール貝採りという素朴な題材が楽しい。

他にもここにはこの美術館でも特に人気の作品が並んでいるので、見どころの1つだと思います。


<6 カンヴァスの上のサムライたち -日本近代洋画の黎明 1880s-1890s>
こちらは西洋画を学んで日本でも描き始めた頃の作品が並ぶコーナーです。

浅井忠 「武蔵野」
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バルビゾン派風の絵画を学んだ浅井忠ですが、ここでは武士の鷹狩という歴史的な場面を描いています。写実的で細やかな筆致からアカデミックな感じも受けました。

他に小山正太郎の作品などもありました。


<7 印象派の向こう側 -ポスト印象派の挑戦 1890s>
続いてはゴッホやゴーギャン、セザンヌなどポスト印象派の作品が並ぶコーナーです。このコーナーはそんなに点数は多くないのですが素晴らしい作品ばかりです。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「アザミの花」
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オーヴェル・シュル・オワーズのガシェ医師の家で描いた作品。晩年独特の大胆な筆致が残っているので、これは是非近くで見て頂きたい逸品です。

ポール・セザンヌ 「砂糖壺、梨とテーブルクロス」
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セザンヌの静物の魅力が詰まった1枚。球体や幾何学性、色彩の取り合わせなどが面白いです。

ポール・ゴーギャン 「異国のエヴァ」
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これは一見するとタヒチの様子のように見えますが、タヒチに行く前にパリ万博で観た異国の品を観たのを元に描いていると考えられているようです。いずれにしても原始を求めたゴーギャンの指向性が感じられる作品。


<8 モネ、水の世界へ 1890s>
再びモネのコーナー。こちらは水が描かれた作品が中心となっていました。

クロード・モネ 「睡蓮の池」
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ジヴェルニーの自宅の太鼓橋を描いた作品。睡蓮が水面に広がっていて、美しい光景です。どちらもモネの中でも特に有名なモチーフかな。

この他にも睡蓮そのものを描いた作品やルーアン大聖堂を描いた作品などもありました。


<9 1900年 -時代は動き、芸術が変わる 1900s>
こちらは印象派もあればその後の流れもある感じです。日本の近代洋画を導いた黒田清輝の作品なんかもありました。

アンリ・ルソー 「エッフェル塔とトロカデロ宮殿の眺望」
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素朴派と呼ばれた偉大な素人アンリ・ルソー。人形のような人物や色合いがちょっとシュールな感じすら思えますが、どこか懐かしさを覚えます。

アンリ・ルソー 「エデンの園のエヴァ」
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何の植物か分からないうねったジャングルを描いた熱帯シリーズの1枚。エヴァと素朴な画風がマッチして非常に幻想的な光景となっています。

オディロン・ルドン 「アポロンの二輪馬車」
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ドラクロワがルーヴル美術館の天井に描いたアポロンの馬車に触発されて描いた作品の1枚。くすんだ感じの色彩や超現実的な光景がルドンならではの独特の世界となっています。

<10 色とかたちの冒険-フォーヴとキューブ 19000s-1910s>
続いてフォーヴィスムとキュビスムのコーナー。ここは撮影可能なものがありませんでしたが、ヴラマンクやブラック、ピカソなどがありました。ちなみにピカソの作品は全面的に撮影禁止となっています(多分、亡くなってからそれほど経ってないからかな?)


<11 Bonjour!巴里-パリと日本の画家たち 1910s>
続いてはパリと日本の画家についてのコーナーです。

佐伯祐三 「アントレ ド リュード シャトー」
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パリの建物をよく描いた佐伯ですが、ユトリロからの影響も感じさせます。しかし色彩の重厚さは独自のもので見事です。

近くにはユトリロの建物の作品もありました。見比べてみるのも面白いかも。


<12 美の競演-女性像にみる西洋と日本 1910s-1920s>
こちらは再び女性像に関するコーナーです。西洋と日本の女性像が並んでいます。

岸田劉生 「麗子坐像」
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岸田劉生といえば娘の麗子を描いた作品を真っ先に思い浮かべる人も多いのでは。こちらは細部まで緻密な描き方で、北方ルネサンス(特にデューラーあたり)を思わせる表現となっています。芸術の為とは言え子供ならもうちょっと可愛く描いてあげれば良いのにと毎回思いますw

他にもボナールや国吉、村山槐多なんかも好みでした。


<13 薔薇とキャベツ-静物画の魅力 1920s>
続いては静物画のコーナー。

小出楢重 「静物」
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このコーナーのタイトルを観てキャベツって何のこっちゃ?と思ったら、この絵に描かれてましたねw 色彩は強いのに軽やかさがあるのが小出楢重の魅力で、この作品でも野菜・果実が艷やかに描かれていました。

この近くには和田英作の薔薇を描いた作品もありました。


<14 描かれた日本のエレガンス-洋画の美人画 1920s>
続いては日本洋画の女性像のコーナーです。

岡田三郎助 「あやめの衣」
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沢山の着物を所有しモデルに着せていた岡田三郎助の作品。着崩して色っぽい姿が目を引きました。着物の柄も優美です。


<15 パリに集う異郷人たち-エコール・ド・パリの肖像 1920s>
続いてはエコール・ド・パリの画家たちのコーナーです。

ワシリー・カンディンスキー 「支え無し」
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色と形が音楽的なハーモニーを奏でる1枚。何が描かれているか分かりませんが、リズム感があって一目でカンディンスキーと分かる特徴があるのが面白いです。

この絵の近くには絵と一体化してみる体験コーナーみたいなのがありました。
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横からみるとこんな感じ。ここで遊んでから絵を見直すと何か違ってみえるかも?

シャイム・スーティン 「青い服を着た子供の肖像」
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ちょっと不機嫌そうな顔をした少女像。この構図やポーズは過去のルーヴルで観た巨匠の作品から学んでいるそうです。

近くにはモディリアーニやパスキン、ローランサンなんかもありました。


<16 魔術的芸術の魅力-シュルレアリスムの広がり 1930s>
続いてはシュルレアリスムのコーナーです。

古賀春江 「白い貝殻」
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空中なのか水中なのかマネキンのような人がポーズを取っているのが幻想的な作品。マネキンっぽいのはデ・キリコからの影響を受けているようです。海は古賀春江によく出てくる背景かも。


<17 みのりの季節-マティスとピカソ 1930s-1940s>
続いては主にマティスとピカソが中心のコーナー。とは言えボナールやデュフィ、マルケなどもあって充実しています。私は西洋画で最も好きなのはマティスかデュフィかという感じなのでこのコーナーは特に満足度が高かったです。

アンリ・マティス 「リュート」
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マティスならではの強い色彩の背景が目を引く作品。装飾的で軽やかな雰囲気が素晴らしい! リュートを持つ女性も優美な印象の逸品です。

ラウル・デュフィ 「パリ」
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水彩のように透明感のある色彩ですが油彩です。こちらも軽やかでのびのびした雰囲気がかなり好みでした。やはりデュフィは最高ですね。

このコーナーもピカソは写真が撮れませんが、いずれも素晴らしい作品が並んでいました。


<18 画家たちと戦争-揺れる時代の絵画 1940s>
こちらは第二次大戦の頃のコーナーです。

安井曾太郎 「中国風景」
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こちらは1944年に安井が中国を訪れた際に描かれた作品。のんびりしていて明るい色彩が穏やかですが、実際はこの頃は終戦近い時期なので世相は暗かったのかも。

<19 戦後の絵画-写実と抽象のはざまで 1950s>
こちらは戦後の日本洋画のコーナーです。

児島善三郎 「箱根仲秋」
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箱根の美術館に相応しい作品。児島善三郎の作品はいつの時代も好みですが、この単純化された作風も面白いです。色彩が強く感じられるのも素晴らしい1枚でした。


<20 それぞれの宇宙-描かれた幻想 1960s>
最後はすべて撮影不可でしたが、デルヴォーの大作を始め、シャガールの色彩や岡鹿之助の素朴さなど、各画家の個性溢れる作品が並んでいました。特にデルヴォーが観られて嬉しかったです。

この後、ポーラ美術館の日本画のコーナーもありました(ここも撮影不可) 大作が並ぶ光景は圧巻です。


ということで、豊富なコレクションをじっくりと堪能することができました。近代に限って言えば国立美術館にも匹敵するような充実のコレクションと言えるのではないかと思います。今回は近代絵画の流れに沿った内容だったので、美術初心者の方には美術の流れがよく分かる構成ではないかと思います。ポーラ美術館の凄さを再確認できる展示でした。




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山のホテルと箱根神社の写真 (箱根編)

今日は写真多めです。今回の箱根旅行では岩崎小彌太男爵別邸(の跡地)の「山のホテル」に泊まりました。また、山のホテルの近くにはパワースポットとしても有名な箱根神社(九頭龍神社)もあるのでそれと合わせてご紹介しようと思います。


まずは山のホテルから。芦ノ湖から見えるこの建物が「小田急山のホテル」です。
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 公式サイト:山のホテル
 参考サイト:じゃらんでのクチコミ

海賊船の船着き場まで送迎バスが出ているのが便利で利用しました。街からはほんの少し離れていますが歩けない距離ではありません。

山のホテルの近くには箱根駒ヶ岳ロープウェーや箱根園水族館などもあります。
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元箱根港とは逆方面で、むしろこっちのほうがやや遠いかな。今回は寄りませんでした。

こちらが山のホテルの近影。
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元々この地には三菱財閥の創始者である岩崎彌太郎の甥で4代目社長の岩崎小彌太の別邸がありました。その別邸はわずか1年で燃えた後、ジョサイア・コンドル設計の洋館が建てられたものの、それも関東大震災で崩壊、その後にジョサイア・コンドルの設計を活かした木造の建物として建て直され、その後も焼失や改築がありスイスのロッジ風の時代もあったようです。(この時点でジョサイア・コンドルの設計部分も燃えた) そして現在のこの建物になったのは1978年なので、そんなに古くはない建物だったりします。とは言え、格調高い雰囲気の洒落た外装です。

こちらは昭和24~33年頃の山のホテルの写真。今でこそ私のような庶民も行けますが、この頃は高級ホテルで庶民にはかなり敷居が高かったと思われます。
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もうこの頃にはジョサイア・コンドルの設計の部分は無かったようです。ジョサイア・コンドルの建物も結構失われてて凄く勿体無い話です。
 参考記事:三菱一号館竣工記念「一丁倫敦と丸の内スタイル展」 (三菱一号館美術館)

館内には成川美術館の所有する絵画も展示されていました。
鳥山玲「希翔」
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羽ばたく鶴たちが幻想的に表されています。
 参考記事:戦後日本画の山脈 第一回 【成川美術館】(箱根編) 

川瀬巴水がこの地を描いた作品もありました。岩崎小彌太に依頼されて描いたようです。左は「ベランダより見るつつじ庭」 右は「芦ノ湖の夕富士」です
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この地はシャクナゲやツツジの庭園も有名で、それを描いているようです。川瀬巴水らしい叙情性がある作品で好みでした。
 参考記事:馬込時代の川瀬巴水 (大田区立郷土博物館)

絵が並んでいる辺りは地下まで吹き抜けになっていました。地下にはカフェ兼バーがあって、夜には演奏会も開かれます。
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ここには写っていませんが暖炉もあって風情がある空間です。

私が行った日はロシアの音楽をやっていました。ほとんど知らない曲でしたが数曲程度は誰でも知っている曲をやってくれました(テトリスで有名なトロイカとか)
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聞くのは無料ですが、基本的には何か頼むのが筋かなw 

一応、部屋はこんな感じ。すっきりして標準的なお部屋です。
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窓からは芦ノ湖を一望できるます。
ちなみに、部屋にもシャワーはありますが大浴場が別にあります。大浴場は勿論温泉で、サウナ、室内温泉、露天温泉の3つがありました。泉質は良さそうですが、お風呂は特に凝ったところはない普通の大きな浴槽かな。

せっかくなので夕飯はホテルでいただきました。
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和食と洋食が選べたので和食にしました。このレストランからも芦ノ湖が望めます。ちょうど夕暮れ時で、夕日は山に隠れて見えませんが美しい空と湖を見ながら食事することができます。

前菜はこんな感じでした。
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細かいことは忘れましたが、見た目も華やかでどれも美味しかったです。戌と書かれていたのは戌年の1月に行った為ですw

この後も色々料理が出てきたのですが、器も箱根を意識したものが出てきて面白かったです。
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こちらは歌川広重の「東海道五十三次」の箱根を金蒔絵風にしたもの。連れのは小田原だったのでいくつか種類があるのかもw


と、こんな感じでホテル自体の歴史やアートに関する品もあって楽しめました。そして次の日の朝はすぐ近くにある箱根神社(九頭龍神社)に寄ってから美術館めぐりへと出かけていきました。

 公式サイト:箱根神社

こちらが神社の湖面側の入口近く。この神社は古くからの山岳信仰と関係があるようで、御祭神は、箱根大神(ニニギノミコト、コノハナサクヤヒメノミコト、ヒコホホデミノミコト)を祭神としています。
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かなり広い神社なので、まずは本殿を目指しました。この階段が結構キツイw

こちらは本殿前の門
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この神社が出来て1250年くらい経っているそうですが、建物は再建されたのかそれほど古さは感じませんでした。本殿とは別に宝物殿なんかもありますが、今回は時間の関係で寄りませんでした。

こちらが本殿。
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割と何にでもご利益があるようで、関東屈指のパワースポットと呼ばれているようです。何しろ鎌倉幕府よりも前からあるので源頼朝も訪れたことがあるのだとか。

こちらは本殿の隣にある九頭龍神社新宮
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元々は人々を苦しめていた龍がいたそうですが、箱根大権現に奉じた萬巻上人によって調伏され 龍は懺悔して龍神となったのがこの神社の祭神のようです。特に縁結びに効くそうで、熱心にお願いしている人たちが多かったです。ちなみに近くには安産杉なんてのもあります。

最後に、湖面に面した平和の鳥居も観てきました。(階段の昇り降りがキツイので上から観ただけですがw)
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これは成川美術館などからも見える鳥居の裏側です。箱根のシンボルの1つって感じです。


ということで、箱根神社に参拝してご利益を少し頂けたような気がしました。凛とした空気感の漂う場所なので、それだけでも満足です。箱根のシンボル的な神社ですので、一度は訪れたい場所ではないかと思います。







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【箱根ラリック美術館】の常設 2018年1月(箱根編)

前回ご紹介した箱根ラリック美術館の企画展を観る前に、常設も観てきました。

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【公式サイト】
 http://www.lalique-museum.com/museum/guide/index.html 

【会場】箱根ラリック美術館
【最寄】なし

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間20分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
結構お客さんはいましたが快適に鑑賞することができました。

さて、こちらの美術館はその名の通り、アール・ヌーヴォーやアール・デコの時代に活躍したルネ・ラリックが制作した作品を専門にコレクションしています。(ルネ・ラリックについては以前の記事に詳しく書いているのでご参照ください) そのコレクションは1500点にも及ぶそうですが、常設ではそのうち230点を模様替えしながら展示しているようです。以前にもこの美術館を2回訪れたことがあるのですが、今回は観たことがない作品も結構あったように思いますので、各章ごとに簡単に振り返ってみようと思います。
 参考記事:
  生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ 感想前編 (国立新美術館)
  生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ 感想後編 (国立新美術館)
  生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ 2回目感想前編 (国立新美術館)
  生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ 2回目感想後編 (国立新美術館)
  ラリック家の女神たち (箱根ラリック美術館)
  箱根ラリック美術館 館内の案内


<1 ラリックの仕事場から>
まず入口付近には装飾パネル「花束」があります。これは中々の大作でアール・ヌーヴォー的な優美さのあるパネルです。そしてその後にラリックのアトリエを再現したコーナーがあり、ラリック自身がデザインした机や椅子、装飾原案などが展示されています。ここでの見どころの1つはアトリエの扉で、重厚かつラリックらしい意匠となっています。また、ここには船の形をしたガラスの置物(センターピース?)などもあり、自らのアトリエを自らで作っていたのが伺えました。

少し先にはアール・デコ博覧会の噴水塔で使われた像のうちの1つが展示されています。これは泉の精メリトを表した像で、流線型の長い体躯が非常に優美でした。他にもバレエ・リュスの演目「火の鳥」に触発されて作った「火の鳥」というセンターピースも見どころで、これは下から赤いランプを照らして赤く燃える鳥のように見せる展示方法が良かったです。この美術館では実際にランプをつけて展示している作品がいくつかあり、輪郭に沿って光る様子など本来の姿が分かるようになっています。
 参考リンク:公式サイトの写真(アール・デコ博覧会)


<2 世紀末パリ アール・ヌーヴォーの彩り>
こちらはアール・ヌーヴォー時代の宝飾品などのコーナーです。ラリックは当時の大女優サラ・ベルナールの為に装飾品や舞台衣装を制作したり、オペラの演出家と交流して戯曲や楽譜の装飾本なども手がけたそうです。ここにはトカゲの柄のついたステッキや、ラリックの展示が賑わう様子を描いたヴァロットンの版画、香水会社のコティ社のプレートや香水瓶、サラ・ベルナールのメダルなど様々な品が並んでいました。アール・ヌーヴォー時代に既に大きな成功を収めていた華やかな印象の品々ばかりです。
 参考リンク:公式サイトの写真(ヴァロットンの版画)


<3 ガラスの革命>
こちらは香水瓶や花瓶、手鏡などが並ぶコーナーです。特に沢山の香水瓶があり、先日ご紹介したシダをモチーフにした香水瓶や側面に☆型のガラスがはめ込まれた球体の「ダン・ラ・ニュイ」の香水瓶なんかもありました。松濤美術館で見た時のよりちょっと小さめだったかな。
 参考記事:ルネ・ラリックの香水瓶 -アール・デコ、香りと装いの美- (松濤美術館)
また、この近くには浴室のパネルを一面に展示していました。棕櫚を単純化したデザインで高級感がありました。


<4 ラリックの宝飾>
続いては宝飾品のコーナーです。ここにはペンダントやコサージュ、バックル、チョーカーなどが並んでいるのですが、そのモチーフがトンボやバラといった動植物となっているのがラリックならではの面白さです。さらに戦っている男たちを表しているものなんかもあって、発想の豊かさを感じました。素材についても様々で、オリーブをグリーンオパールで表したり、省胎七宝やバロック真珠、金などをモチーフに合わせて自在に組み合わせている様子が分かります。

またここには♊みたいな形の門扉もありました。曲線が組み合った感じが美しいと共に重厚感があります。さらにこの辺にはデザイナーのジャンヌ・パキャンの家のダイニングを再現した部屋があり、ダイニングなのに中央にウエディングケーキみたいに4段くらいに重なった噴水があります。噴水の周りにはぎっしり詰まった果実を表したガラス装飾もあって、個人の邸宅にしては豪華過ぎる雰囲気でした。
 参考リンク:公式サイトの写真(噴水)


<5 ベル・エポックの部屋>
ここはベル・エポック(古きよき時代)と呼ばれた第一次世界大戦前の頃のパリにあった邸宅の一室を移築・再現コーナーとなっています。寄せ木のテーブルや椅子、ランプ、ステンドグラス、ミュシャやシェレのポスターなど華やかだった時代の余韻を感じることができます。また、ここでは睡蓮の池と呼ばれる庭も観ることができるので、ここでしばらく外を見ながらゆっくりすることができました。


<6 ラリックのデザインを紐解く>
この章から2階の展示となります。ここはユニークなデザインの作品が並ぶコーナーで、4羽の蝉が組み合った香水瓶や、蝉が細長くなったペーパーナイフ、側面に金魚が浮き出たカラフルな花瓶のシリーズ「台湾」が色違いで数点、コウモリが羽根を広げた簪、犬や鳥の形をした灰皿など、ちょっと変わった遊び心が感じられる品々となっていました。


<7 室内装飾「雀」>
こちらは1929年に発表された室内装飾「雀」が展示されていました。暖炉のある八角形の部屋の壁(のいくつかの面)に木々にとまる金色のスズメたちが表されています。かなりの大型作品で木々の部分は象嵌されているのかな? これもこの美術館でしか体験できない作品だと思います。
 参考リンク:公式サイトの写真(雀)


<8 アール・デコ デザインの精華>
こちらはラリックの花器が並ぶコーナーです。ラリックは生涯に200点ほどの花器を作ったそうで、そのうち16点がここに展示されています。まるでオパールのような乳白色のオパルセントグラスを使ったバッカスの巫女たちを表した花器では10体近く側面に浮き彫りになっていて、非常に優美な印象を受けました。また、スカラベがぎっしり表されたものや、大きな魚の花器なんかもあってちょっと花器とは思えないものもありますw ここでのお気に入りはやはり渦巻きが深く側面に刻まれた「旋風」で、シンプルながらも力強い表現が面白いです。
他にも熱帯魚?が表された作品なども面白かったです。
 参考リンク:公式サイトの写真(バッカスの巫女たち)


<9 テーブルウェア デザインを生活へ広げる>
続いてはテーブルウェアのコーナーです。ここには食卓やレストランを飾った品が並び、観音開きのバーキャビネットなどがありました。このキャビネットは内側に鏡と幾何学的なガラス装飾があり、開けると美しい空間が広がる工夫が面白いです。また、ルネ・ラリックの娘スザンヌが手がけた「ニコル」というティーセットも目を引きました。ニコルはスザンヌの娘の名前で、この辺は以前来た時にやっていた企画展で見た記憶がありました。


<10 ジャポニスムとその時代>
常設の最後は日本の芸術から着想を得た作品が並ぶコーナーです。ここで最も目を引くのはこの美術館のシンボルとも言える「蝶の女」という装飾柵で、蝶の羽根をもった女性像が表されています。その羽根は身体の何倍もの広がりがあり、華やかで流麗な印象を受ける傑作です。こうした自然をモチーフにした作風はラリック自身も得意だったので日本の影響だけではないと思いますが、根底には自然への畏敬という点で繋がっていると思います。
他にも皮と木で出来た屏風や大きな蝉の形の容器、蝶の羽根を持った女性のブローチなどもあり、優美かと思えば奇想の作品だったりと幅広いデザインが楽しめます。
 参考リンク:公式サイトの写真(蝶の女)

また、ラリックとの直接的な関わりは分かりませんが、ここには浮世絵やキセル、印籠、ジャポニスムの火付け役である「芸術の日本」なんかも展示されていました。これは参考展示なのかな?

その後にはカーマスコットのコーナーがあります。これは車のエンブレムの辺り(ボンネット上の先端部分)に取り付けるガラス装飾で、鷲の顔や鶴が飛ぶ様子などスピードや滑空を思わせる品が多いです。その中で「スピードの女」という頭に両手を組んで胸を突き出すポーズの像があるのですが、これが最も華麗な装飾で好みでした。他にもハウンド犬や、毛がなびいているような女性の頭部のエンブレムなんかもあります。

常設の最後にはブローチのコーナーもありました。「マリの女」という作品はユリの花が髪の毛のように表されている面白いデザインでした。
常設はここまでで、その先にはミュージアムショップと企画展の部屋があります。


ということで、ラリックの独創的かつ優美な作品の数々に出会うことができました。この美術館はラリックの作品だけでなくカフェやオリエント急行といった付属の施設も含めて楽しめるところですので、ガラス工芸などが好きな方は箱根にお出かけの際にでもチェックしてみてください。


おまけ:
美術館の前にはクラシックカーとカーマスコットが展示されています。
DSC09478_201802160143512b8.jpg

マスコットのアップ。
DSC09480.jpg
これはちょっとスピードを感じないかなw 行く度に違うのを付けているので定期的に入れ替えていると思います。


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