Category | 過去の美術展 (2013年)
今日は前回に続き、サントリー美術館の「天上の舞 飛天の美」についてです(この展示は既に終了しています。) 前編では飛天の伝来などについて書いておりますので、お読みになっていない方は前編から読んで頂けると嬉しいです。
前編はこちら
まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美
【公式サイト】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_5/index.html
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2013年11月23日(土・祝)~2014年1月13日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
前編は上階についてご紹介しましたが、後編は3章と下階の展示についてです。
<第3章 飛天の展開-来迎聖衆->
平安時代後半になると、極楽往生への強い願いのもと臨終時に阿弥陀如来と菩薩聖衆が浄土から迎えにやってくる来迎の思想が急速に普及し、それに伴い絵画・彫刻が作られるようになりました。本来、飛天と異なるはずの菩薩は浄土では同じく如来を讃美・供養して雲にのって飛来することで飛天の図像と共通するものとなって、飛天のイメージは来迎図の菩薩聖衆として来迎図に描かれるようになりました。ここではそうした来迎に関する作品が並んでいました。
61 「阿弥陀二十五菩薩来迎図」 ★こちらで観られます
これは掛け軸で、左上から右下に向かって勢至菩薩・観音菩薩を先頭に雲に乗った菩薩達が来迎する様子が描かれ、前から三番目くらいに大きな如来の姿があります。解説によると、来迎の後方には宮殿が描かれていることから九品往生の中で最上の上品上生の来迎の様子だそうです。九品往生の表現の違いは私には分かりませんが、楽器を鳴らし雲に乗っているのは来迎図らしい図様のように思います。また、ここでは確かに菩薩が飛天のようになっている姿も描かれているようでした。
66 「二十五菩薩及び飛天像」
これは菩薩聖衆を彫刻で表したもので、二十五菩薩のうちの残骸のようなものが展示されていました。来迎図の彫刻は作例が少なく、これもほとんど失われていて座っている足や体の半分しか残っていませんが、飛天の飛ぶ様子が優美で 衣の柔らかそうな質感などからは作者の技量の高さが伺えるようでした。
<第4章 平等院鳳凰堂-飛天舞う極楽浄土世界―>
続いては最も見どころとなっていた平等院鳳凰堂の飛天についてのコーナーです。1035年建立の平等院鳳凰堂は極楽浄土を再現した阿弥陀堂で、阿弥陀如来を中心に飛天のイメージが溢れる堂内は仏の空間に相応しいものとなっているそうです。この度、半世紀ぶりの修理に伴って普段は堂内でしか見られない品が特別に間近に展示されていました。
69 「阿弥陀如来坐像光背飛天」 ★こちらで観られます
これは鳳凰堂阿弥陀如来像の光背についている飛天で、雲の上座って踊るようなポーズをした姿で表されています。シンバルのような楽器を持っている飛天、片膝を立てている飛天など優美な姿で動きが感じられます。解説によると、これらは1つの木材から作られているそうで、薄い材の浮き彫り的な感じかな。頭上にも模品が並び、平等院の雰囲気を伝わるような展示となっていました。
この少し先の階段下の辺りでは飛天像(の模品)に実際に触れて結縁することができるコーナーがありました。本物の代わりに平等院の中に置かれるようで、この機会に結縁しておこうという人で凄い行列となっていました。私は40分待ちに心が折れて触れませんでしたw
続いては鳳凰堂の内部の壁にかかった全52体の飛天のうちの14体が展示されていて、いずれも雲にのって楽器を演奏したり旗を持つ姿で表されていました。仏師 定朝が率いた工房の作と考えられ、太鼓を叩くもの、琵琶を弾くもの、シンバルのような打楽器を持つもの、笙を吹くもの、琴を奏でるもの、旗を持ったものなど様々な姿となっています。これらの飛天の表情や作風は少しずつ違っているようで、それぞれの仏師の個性が観られるようです。しかしいずれも優美で動きがあり、雲は結構深く彫られているためか大胆な印象も受けました。また、解説によると、頭部を丸彫りで下半身にかけて浮き彫り風に表すのを基本としているそうで、堂内の壁にかけた状態で下から仰ぎ見ることを前提とした造形となっているとのことでした。ここでも飛天であると共に来迎の菩薩聖衆のイメージが感じられるのも面白かったです。
最後は阿弥陀如来像の修理の過程で台座から出てきたものや、頭上を荘厳する木造天蓋なども展示されていました。
ということで、普段は仏像といえば如来や菩薩が主役ですが、今回はバイプレーヤーとも言える飛天を主役にしていて非常に参考になりました。ヘレニズム文化からの影響もあったせいか、仏教美術における天使のような感じでもあり、菩薩のようでもあり、文化の融合が観られたのも面白かったです。もう終わってしまいましたが、今後の参考になる展示でした。
参照記事:★この記事を参照している記事
前編はこちら
まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美
【公式サイト】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_5/index.html
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2013年11月23日(土・祝)~2014年1月13日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
前編は上階についてご紹介しましたが、後編は3章と下階の展示についてです。
<第3章 飛天の展開-来迎聖衆->
平安時代後半になると、極楽往生への強い願いのもと臨終時に阿弥陀如来と菩薩聖衆が浄土から迎えにやってくる来迎の思想が急速に普及し、それに伴い絵画・彫刻が作られるようになりました。本来、飛天と異なるはずの菩薩は浄土では同じく如来を讃美・供養して雲にのって飛来することで飛天の図像と共通するものとなって、飛天のイメージは来迎図の菩薩聖衆として来迎図に描かれるようになりました。ここではそうした来迎に関する作品が並んでいました。
61 「阿弥陀二十五菩薩来迎図」 ★こちらで観られます
これは掛け軸で、左上から右下に向かって勢至菩薩・観音菩薩を先頭に雲に乗った菩薩達が来迎する様子が描かれ、前から三番目くらいに大きな如来の姿があります。解説によると、来迎の後方には宮殿が描かれていることから九品往生の中で最上の上品上生の来迎の様子だそうです。九品往生の表現の違いは私には分かりませんが、楽器を鳴らし雲に乗っているのは来迎図らしい図様のように思います。また、ここでは確かに菩薩が飛天のようになっている姿も描かれているようでした。
66 「二十五菩薩及び飛天像」
これは菩薩聖衆を彫刻で表したもので、二十五菩薩のうちの残骸のようなものが展示されていました。来迎図の彫刻は作例が少なく、これもほとんど失われていて座っている足や体の半分しか残っていませんが、飛天の飛ぶ様子が優美で 衣の柔らかそうな質感などからは作者の技量の高さが伺えるようでした。
<第4章 平等院鳳凰堂-飛天舞う極楽浄土世界―>
続いては最も見どころとなっていた平等院鳳凰堂の飛天についてのコーナーです。1035年建立の平等院鳳凰堂は極楽浄土を再現した阿弥陀堂で、阿弥陀如来を中心に飛天のイメージが溢れる堂内は仏の空間に相応しいものとなっているそうです。この度、半世紀ぶりの修理に伴って普段は堂内でしか見られない品が特別に間近に展示されていました。
69 「阿弥陀如来坐像光背飛天」 ★こちらで観られます
これは鳳凰堂阿弥陀如来像の光背についている飛天で、雲の上座って踊るようなポーズをした姿で表されています。シンバルのような楽器を持っている飛天、片膝を立てている飛天など優美な姿で動きが感じられます。解説によると、これらは1つの木材から作られているそうで、薄い材の浮き彫り的な感じかな。頭上にも模品が並び、平等院の雰囲気を伝わるような展示となっていました。
この少し先の階段下の辺りでは飛天像(の模品)に実際に触れて結縁することができるコーナーがありました。本物の代わりに平等院の中に置かれるようで、この機会に結縁しておこうという人で凄い行列となっていました。私は40分待ちに心が折れて触れませんでしたw
続いては鳳凰堂の内部の壁にかかった全52体の飛天のうちの14体が展示されていて、いずれも雲にのって楽器を演奏したり旗を持つ姿で表されていました。仏師 定朝が率いた工房の作と考えられ、太鼓を叩くもの、琵琶を弾くもの、シンバルのような打楽器を持つもの、笙を吹くもの、琴を奏でるもの、旗を持ったものなど様々な姿となっています。これらの飛天の表情や作風は少しずつ違っているようで、それぞれの仏師の個性が観られるようです。しかしいずれも優美で動きがあり、雲は結構深く彫られているためか大胆な印象も受けました。また、解説によると、頭部を丸彫りで下半身にかけて浮き彫り風に表すのを基本としているそうで、堂内の壁にかけた状態で下から仰ぎ見ることを前提とした造形となっているとのことでした。ここでも飛天であると共に来迎の菩薩聖衆のイメージが感じられるのも面白かったです。
最後は阿弥陀如来像の修理の過程で台座から出てきたものや、頭上を荘厳する木造天蓋なども展示されていました。
ということで、普段は仏像といえば如来や菩薩が主役ですが、今回はバイプレーヤーとも言える飛天を主役にしていて非常に参考になりました。ヘレニズム文化からの影響もあったせいか、仏教美術における天使のような感じでもあり、菩薩のようでもあり、文化の融合が観られたのも面白かったです。もう終わってしまいましたが、今後の参考になる展示でした。
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前回ご紹介したお店に行く前に、ミッドタウンの中にあるサントリー美術館で「天上の舞 飛天の美」を観てきました。この展示は既に終了していますが、参考になる展示でしたので記事にしておこうと思います。なお、このところ帰りが遅くブログを書ける時間が少ないので、前編・後編にわけてご紹介しようと思います。

【展覧名】
平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美
【公式サイト】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_5/index.html
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2013年11月23日(土・祝)~2014年1月13日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
最終日1日前に行ったこともあり、非常に混んでいました。
さて、この展示は平等院鳳凰堂の修理完成を記念したもので、仏像の中でも「飛天」と呼ばれる存在についてフォーカスした内容となっていました。飛天はインドから西域、中央アジア、中国、そして日本へと仏教伝来と共に浄土世界の表現として伝わり、寺院の壁や柱などに表されてきたそうで、この展示では日本の古代から中世を中心に、伝来過程の作例なども交えて展示していました。もちろん、平等院鳳凰堂に関する品も数多くあり、国宝の雲中供養菩薩像や、普段は平等院の堂内にある阿弥陀如来像後背飛天なども寺外での初公開となっていました。テーマごとに章分けされていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品をご紹介しようと思います。
<第1章 飛天の源流と伝播-インドから日本->
まず最初は飛天の伝来についてのコーナーです。飛天は本来 天人のことで、仏教の六道という煩悩世界の最上階である天道に存在し、飛翔しながら散華し、楽器を奏し、香を焚くなど仏である如来を讃え供養しているようです。 仏があるところに飛天が表されるのはこの為で、仏教が生まれたインドから西域、中央アジア、中国 と、仏像表現に伴う存在として伝わりました。ガンダーラでは西のヘレニズム文化の影響を受け、西域・中国では当地の伝統と融合しながら石窟寺院の壁画などに表されたそうで、日本に至るまでも遠くヨーロッパの要素を含めながらシルクロードを軸とした展開があったようです。ここにはそうした作品が並んでいました。
[インド・西域]
1 原品:クチャ 7-8世紀 「舎利容器 模造」
これは中国新疆のクチャ周辺から出土した舎利容器の模品で、円筒にとんがり帽子がついた形をしています。蓋には赤を地に裸の天使のようなものが4人描かれていて、側面には多くの人々が描かれています。飛天は天使のように見え、ヘレニズム・ローマからの影響を感じさせました。
この周りには石に浮き彫りになった仏像が並び、大体は仏の上に飛天が配置されていて、キリスト教美術の天使のような雰囲気でした。
[中国・朝鮮]
6 中国 北魏時代 6世紀 「飛天像」
これは笙を吹いて飛んでいる中国風の服を着た飛天で、背中に衣をなびかせ空をとんでいるような感じです。微笑みを浮かべ穏やかな雰囲気があり、解説によるとこれは飛鳥時代の日本にも通じるものがあるとのことでした。この辺の飛天になると何となく日本に近い顔立ちに思えました。
18 朝鮮 統一新羅時代 7-8世紀 「飛天文軒平瓦断片」
これは朝鮮の7~8世紀頃の瓦に表された飛天で、衣か雲のようなものが長く伸びて、片手をあげて飛んでいます。中国の品に比べると更にスピード感があり、飛びまわっている様子が感じられました。
この近くには装飾品や玉(ぎょく)に表された飛天などもありました。
[日本]
25 原品:奈良時代 天平2年〔730〕「東塔水煙 模造」
これは薬師寺東塔の先端にあった装飾の模品で、左右対称に6体の透かし彫りの飛天が表されています。逆さになって天から降りてくる飛天などが表され、周りには火炎のような雲があり、流れるような感じも出ています。塔の先端は近くで観ることができないのに、これだけ凝っているとは驚きでした。
<第2章 天上の光景-浄土図から荘厳具->
続いては飛天にまつわる様々な品を紹介するコーナーです。仏のいる浄土には飛天以外にも菩薩衆や迦陵頻伽、共命鳥などが舞い、樹木や大地には金銀瑠璃などの七宝が輝くとされています。その浄土の光景を具体的に表したのが浄土図で、そうした作品からは当代の人々が希求した理想の浄土世界を観ることができるようです。この章ではそうした浄土図と共に荘厳具など現世で浄土を再現するための品々が並んでいました。
31 「当麻曼荼羅」
中央に大きな阿弥陀如来が座り、その脇に2体の大きな菩薩像、周りには小さい菩薩衆や奏楽・舞踊する菩薩衆が描かれた作品です。上のほうには沢山の飛天が飛来する様子もあり、浄土の姿を伝えています。仏教の教えを分かりやすくビジュアライズした感じで、当時の人々がどのように極楽を捉えていたかが伺えるようでした。
36 「阿弥陀如来及び両脇侍像のうち脇侍像」
これはお腹の前で手を開いて重ねる菩薩?と手を合わせている菩薩?の仏像で、両方とも片足を背後にあげて体をひねるような変わったポーズをしています。解説によると、この2体は元々一対ではなかったと考えられるようで、舞を踊っている舞菩薩や供養菩薩を立体にしたものと思われるようです。躍動感のあるポーズが面白い作品でした。
53 「金銅宝相華唐草文幡頭」
これは透かし彫りに家のような形をした幡(仏堂内に描けられる荘厳具)で、唐草紋の中央に華籠を持つ飛天が表されています。背景の唐草紋が華やかなこともあり、優美な印象を受けました。
50 「阿弥陀三尊像」
これは中央に座った阿弥陀如来、両脇に観音菩薩と勢至菩薩が並んだ仏像で、いずれも金色に輝いています。柔らかく穏やかな体つきをして造形も優美なのですが、それ以上に面白いのが阿弥陀如来の光背で、音楽を奏でている飛天達が表されています。解説によると、これは鎌倉時代に神奈川で作られたそうで、この時期の関東における飛天光背の様相が伺えるとのことでした。なお、阿弥陀像の顔は改変されているそうで、目は象嵌されていてやや厳しい表情に見えました。体つきと顔つきで異なる印象を受ける像でした。
52 「文殊菩薩像光背(文殊菩薩騎獅像及び侍者立像のうち)」
これは旧興福寺の本尊の光背で、梵字や唐草文があり左右に翼の生えた笛を吹く飛天と笙を吹く飛天が表されています。非常に翼が力強く、躍動感が感じられるのですが、こうした飛天光背は脆いらしく現存している品は少ないようです。この近くには壊れた飛天光背の残りなどもあり、細工が精巧がゆえに強度が弱いことを物語っていました。
ということで、今日はここまでにしておこうと思います。前半も興味深い内容でしたが、後半は今回の目玉と言うべき作品がありましたので、次回はそれについてご紹介しようと思います。
参照記事:★この記事を参照している記事

【展覧名】
平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美
【公式サイト】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_5/index.html
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2013年11月23日(土・祝)~2014年1月13日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
最終日1日前に行ったこともあり、非常に混んでいました。
さて、この展示は平等院鳳凰堂の修理完成を記念したもので、仏像の中でも「飛天」と呼ばれる存在についてフォーカスした内容となっていました。飛天はインドから西域、中央アジア、中国、そして日本へと仏教伝来と共に浄土世界の表現として伝わり、寺院の壁や柱などに表されてきたそうで、この展示では日本の古代から中世を中心に、伝来過程の作例なども交えて展示していました。もちろん、平等院鳳凰堂に関する品も数多くあり、国宝の雲中供養菩薩像や、普段は平等院の堂内にある阿弥陀如来像後背飛天なども寺外での初公開となっていました。テーマごとに章分けされていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品をご紹介しようと思います。
<第1章 飛天の源流と伝播-インドから日本->
まず最初は飛天の伝来についてのコーナーです。飛天は本来 天人のことで、仏教の六道という煩悩世界の最上階である天道に存在し、飛翔しながら散華し、楽器を奏し、香を焚くなど仏である如来を讃え供養しているようです。 仏があるところに飛天が表されるのはこの為で、仏教が生まれたインドから西域、中央アジア、中国 と、仏像表現に伴う存在として伝わりました。ガンダーラでは西のヘレニズム文化の影響を受け、西域・中国では当地の伝統と融合しながら石窟寺院の壁画などに表されたそうで、日本に至るまでも遠くヨーロッパの要素を含めながらシルクロードを軸とした展開があったようです。ここにはそうした作品が並んでいました。
[インド・西域]
1 原品:クチャ 7-8世紀 「舎利容器 模造」
これは中国新疆のクチャ周辺から出土した舎利容器の模品で、円筒にとんがり帽子がついた形をしています。蓋には赤を地に裸の天使のようなものが4人描かれていて、側面には多くの人々が描かれています。飛天は天使のように見え、ヘレニズム・ローマからの影響を感じさせました。
この周りには石に浮き彫りになった仏像が並び、大体は仏の上に飛天が配置されていて、キリスト教美術の天使のような雰囲気でした。
[中国・朝鮮]
6 中国 北魏時代 6世紀 「飛天像」
これは笙を吹いて飛んでいる中国風の服を着た飛天で、背中に衣をなびかせ空をとんでいるような感じです。微笑みを浮かべ穏やかな雰囲気があり、解説によるとこれは飛鳥時代の日本にも通じるものがあるとのことでした。この辺の飛天になると何となく日本に近い顔立ちに思えました。
18 朝鮮 統一新羅時代 7-8世紀 「飛天文軒平瓦断片」
これは朝鮮の7~8世紀頃の瓦に表された飛天で、衣か雲のようなものが長く伸びて、片手をあげて飛んでいます。中国の品に比べると更にスピード感があり、飛びまわっている様子が感じられました。
この近くには装飾品や玉(ぎょく)に表された飛天などもありました。
[日本]
25 原品:奈良時代 天平2年〔730〕「東塔水煙 模造」
これは薬師寺東塔の先端にあった装飾の模品で、左右対称に6体の透かし彫りの飛天が表されています。逆さになって天から降りてくる飛天などが表され、周りには火炎のような雲があり、流れるような感じも出ています。塔の先端は近くで観ることができないのに、これだけ凝っているとは驚きでした。
<第2章 天上の光景-浄土図から荘厳具->
続いては飛天にまつわる様々な品を紹介するコーナーです。仏のいる浄土には飛天以外にも菩薩衆や迦陵頻伽、共命鳥などが舞い、樹木や大地には金銀瑠璃などの七宝が輝くとされています。その浄土の光景を具体的に表したのが浄土図で、そうした作品からは当代の人々が希求した理想の浄土世界を観ることができるようです。この章ではそうした浄土図と共に荘厳具など現世で浄土を再現するための品々が並んでいました。
31 「当麻曼荼羅」
中央に大きな阿弥陀如来が座り、その脇に2体の大きな菩薩像、周りには小さい菩薩衆や奏楽・舞踊する菩薩衆が描かれた作品です。上のほうには沢山の飛天が飛来する様子もあり、浄土の姿を伝えています。仏教の教えを分かりやすくビジュアライズした感じで、当時の人々がどのように極楽を捉えていたかが伺えるようでした。
36 「阿弥陀如来及び両脇侍像のうち脇侍像」
これはお腹の前で手を開いて重ねる菩薩?と手を合わせている菩薩?の仏像で、両方とも片足を背後にあげて体をひねるような変わったポーズをしています。解説によると、この2体は元々一対ではなかったと考えられるようで、舞を踊っている舞菩薩や供養菩薩を立体にしたものと思われるようです。躍動感のあるポーズが面白い作品でした。
53 「金銅宝相華唐草文幡頭」
これは透かし彫りに家のような形をした幡(仏堂内に描けられる荘厳具)で、唐草紋の中央に華籠を持つ飛天が表されています。背景の唐草紋が華やかなこともあり、優美な印象を受けました。
50 「阿弥陀三尊像」
これは中央に座った阿弥陀如来、両脇に観音菩薩と勢至菩薩が並んだ仏像で、いずれも金色に輝いています。柔らかく穏やかな体つきをして造形も優美なのですが、それ以上に面白いのが阿弥陀如来の光背で、音楽を奏でている飛天達が表されています。解説によると、これは鎌倉時代に神奈川で作られたそうで、この時期の関東における飛天光背の様相が伺えるとのことでした。なお、阿弥陀像の顔は改変されているそうで、目は象嵌されていてやや厳しい表情に見えました。体つきと顔つきで異なる印象を受ける像でした。
52 「文殊菩薩像光背(文殊菩薩騎獅像及び侍者立像のうち)」
これは旧興福寺の本尊の光背で、梵字や唐草文があり左右に翼の生えた笛を吹く飛天と笙を吹く飛天が表されています。非常に翼が力強く、躍動感が感じられるのですが、こうした飛天光背は脆いらしく現存している品は少ないようです。この近くには壊れた飛天光背の残りなどもあり、細工が精巧がゆえに強度が弱いことを物語っていました。
ということで、今日はここまでにしておこうと思います。前半も興味深い内容でしたが、後半は今回の目玉と言うべき作品がありましたので、次回はそれについてご紹介しようと思います。
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多忙でだいぶ間が空きました。前回ご紹介したカフェに行く前に恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館で「植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ -写真であそぶ-」を観てきました。

【展覧名】
植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ -写真であそぶ-
【公式サイト】
http://syabi.com/contents/exhibition/index-2015.html
【会場】東京都写真美術館
【最寄】恵比寿駅
【会期】2013年11月23日 (土) ~ 2014年1月26日 (日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
結構お客さんは入っていましたが、特に混んでいるわけではなく自分のペースで観ることができました。
さて、今回の展示は生誕100年で展覧会が相次いでいる植田正治と、植田が最も敬愛する写真家ジャック・アンリ・ラルティーグについての展示です。2人は生涯アマチュア精神を貫き、撮ることを純粋に楽しんでいたそうで、展示ではそうした2人の作品がコーナーごとに交互に並んでいました。テーマごとに章分けされていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
参考記事:
生誕100年!植田正治のつくりかた 感想前編(東京ステーションギャラリー)
生誕100年!植田正治のつくりかた 感想後編(東京ステーションギャラリー)
植田正治写真展 写真とボク (埼玉県立近代美術館)
<1 実験精神>
ジャック・アンリ・ラルティーグはフランスの銀行家の裕福な家庭に生まれ、わずか7歳(1901年)の時に父からカメラを買い与えられたそうです。一方、鳥取の境港の商家に生まれた植田正治が実際にカメラを持ったのは1928年の15歳の頃だったそうで、2人とも少年時代にカメラを手に入れて写真にとりつかれたそうです。2人はその可能性を生涯に渡って追求したが、それは何かのためではなく純粋な遊びの精神だったようです。ここには様々な実験的な作品が並んでいました。
L-02 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「いとこのビショナード、コルタンベール通り40番地、パリ」
家の前の10段くらいの階段と、その上で跳ぶように降りていく女性が写った作品です。長いスカートで足は見えず、ほんとに宙を舞っているような感じです。そのポーズでなければここまで跳んでるようには見えないのかも?? 面白い発想の作品でした。
U1-11 植田正治 「砂丘人物」
これは四角い枠を持った男性と、その枠の中に入るように女性が写っている作品です。背景は真っ白で、女性の一部は枠からはみ出ています。それが非常に奇妙でシュールな感じで、現実というよりはトリックアート的な雰囲気でした。
この近くには東京ステーションギャラリーの展示でもご紹介した船や停留所を取った写真などもありました。
U1-10 植田正治 「砂丘ヌード」
これは砂丘を背景に左に人のお尻だけが取られているヌード写真です。遠近感もよく分からず巨大なモニュメントのようにもめるかな。柔らかい形で、これもシュルレアリスムのイヴ・タンギーの作品に通じる感じを受けました。
この辺には「童暦」のシリーズも並んでいました。
L1-10 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「レーシングカー[ドラージュ]、フランス自動車クラブのグランプリレース」
これはクラシックなレーシングカーを並走しながら撮った写真です。レーシングカーは運転席より後ろの部分だけが写っていて、背景には立ち止まって見ている人々の姿があります。車輪が円ではなく前の方に向かって歪んでいるため非常にスピード感があり、背景の人も横に引き伸ばされているような感じでそれを強めているように思いました。
この隣には布で幽霊を作ったような写真(★こちらで観られます)もありました。
L1-5 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「フォルテット氏(プリット)とチュピー、パリ」
これはシルクハットの男性が前のめりになって左手に犬を持っている姿が撮られた写真です。その男性の前には小さな川があり、犬を紙飛行機のように持って投げ込もうとしているようにも見えますw よく分からない状況ですが、一瞬の動きを撮った面白さがあり、ややシュールな雰囲気でした。
この少し先には車やレースを撮った写真が並んでいました。ラルティーグは車好きだったのかも。
<2 インティメント:親しい人たち>
続いては親しい人を撮った写真が並ぶコーナーです。ラルティーグは死ぬまで家族や友人を撮り続けていたそうで、一方の植田も妻や子供を盛んに撮っていました。しかし2人の手法には違いがあり、植田は自分を含め親しい人をあたかもオブジェのように現実から切り離して写真というもう1つの現実の中で、新たな生命の吹き込みました。一方、ラルティーグは親しい人々と共にする喜びの時間を写したようです。ここにはそうした人々の写真が並んでいました。
U2-2 植田正治 「風船を持った自画像(II)」 ★こちらで観られます
これはスーツに帽子姿で小さな風船を持って立つセルフポートレートです。これも砂丘らしく、背景は空しか写っていません。暗めで何とも寂しい雰囲気で、風船が奇妙さを増しているようでした。
U2-18 植田正治 「妻のいる砂丘風景(IV)」
これは砂丘で横向きに正座して座っている着物のの女性を撮った写真です。背景は雲が浮かび奥の方には上半身だけ写っている黒衣の女性の姿もあります。雲の雄大さとぽつんとした人物がミスマッチで、不思議な光景です。何故正座しているのかも不明ですが、これも奇妙さを出していました。
L2-4 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「ぼくと愛猫ジジ、コルタンベール通り40番地、パリ」
これはベッドで安らかに寝ている男性と、その脇で一緒に仰向けで寝ている猫が写った写真です。目を閉じてとろっとした表情が何とも可愛く、幸福そうな雰囲気がありました。
L2-10 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「ビビとロロといっしょに体操、パリ」
床のマットの上でうつ伏せて体をそらし両手を広げている女性と、その後ろで足を押さえている男性、隣でも同様の男女が写っている作品です。恐らく体操しているのだと思いますが、全員楽しそうな顔で歯を見せて笑っています。生活の中の喜びを感じさせました。
L2-22 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「パパとママン、結婚60年目の[ダイヤモンド婚式]」
腕を組んで街角で並んでいる老夫婦を撮った写真で、作者の父母のパリの街での姿のようです。こちらを見ていて、裕福そうな格好で顔は穏やかながらも威厳を感じました。2人の仲の良さがにじみ出ているようでした。
<3 インスタント:瞬間>
ラルティーグは毎日の幸せな一瞬が消え去って行くことに耐えられずカメラを持ち始めたそうで、一瞬を切り取るカメラの機能に日々の楽しみだけでなく、その可能性を追求しているように思われるようです。一方、植田正治はカメラが捉えた瞬間は現実でありながら現実を越えたものであったのではないかと考えられるようです。ここには一瞬を捉えた作品が並んでいました。
U3-2 植田正治 「小狐登場」
砂丘の上でジャンプしている子供が撮られた写真で、顔には白い狐の面をつけています。背景は暗く、白いお面が非常に目を引き、ジャンプして浮いているのでぴょこっと急に現れたような感じです。可愛いような怖いような神秘的な作品でした。
U3-17 植田正治 「シリーズ『音のない記憶』より」
これはヨーロッパへの旅行の際に撮った写真で、大きな建物の前で路面電車が走っている様子が写っています。建物や広場には人の姿がなく、ガランとした感じです。路面電車はややぼやけていて動き去っていくのが感じられました。
L3-14 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「スザンヌ・ランランのトレーニング、ニース」
これはラケットを持ってコートの上でボールを追いかけている女性が撮られた写真です。足を前後に大きく開き、空中で止まっているような感じに撮られていて、まさに一瞬を切り取ったように見えます。昔の技術でここまで一瞬を綺麗に撮れることにも驚きました。
この近くには車付きボブスレーの写真もありました。ボブスレーの写真は結構あったので、ボブスレー好きだったのかも。
L3-16 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「シャルル・サブレといとこのシモーヌ、サンモリッツ」
これは表情でスケート靴を履いた男性が飛んでいる女性を抱きとめている様子を撮った写真です。女性は足を伸ばして跳んでいて、これも一瞬の動作を捉えています。躍動感があり2人の関係性も伺えるようでした。
<4 自然と空間>
最後は自然を撮った作品のコーナーです。季節を感じさせる写真が多く並んでいました。
U4-16 植田正治 「シリーズ『音のない記憶』より」
一面雪景色のなかでフードを被っている女性と2人の子どもたちが写り、背景には屋根に雪が積もった家々が写っています。画面には雪が舞い、非常に寒そうに見えるかな。山陰の厳しい冬を感じさせました。
U4-13 植田正治 「シリーズ『童暦』より」
山々を背景に4人と犬が歩いている様子を横からとった写真です。縦長の画面の半分以上は暗く思い色合いの雲で、これから夕立が来ることを予感させます。雲と人の大きさの対比から自然の雄大さが感じられました。
L4-3 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「ダニ、スコア防波堤に打ち付ける荒波、アンダイエ」
防波堤の上に立つ2人の子と女性の姿があり、画面の大半は打ち寄せる荒波となっています。子供は身をかがめ、荒波を浴びていて非常にダイナミックで勢いを感じさせました。ラルティーグは自然を撮っても一瞬を撮っているように思います。
L4-15 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「雪をかぶったイスとテーブル、ピスコップ」
これは野外のテーブルと椅子に雪が30cmくらい積もっている様子が撮られた作品で、元々の椅子とテーブルは細い針金のような華奢なものです。しかしその上に乗った雪がソファのように見えるのが面白く、柔らかい印象を受けました。
L4-7 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「ニース」
これは細く黒い鉄の柵と門が撮られ、その前には3~4人の人影が写っています。みんな逃げるようなポーズをしていて、背景には5mくらいありそうな波飛沫が襲いかかってきています。これは自然の猛威が目の当たりにできて、写真どころじゃないから早く逃げろ!wとツッコミを入れながら見ていました。
この辺には嵐を撮った写真が何点かありました。
L4-18 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「オレロン島」
遠浅の広い海岸と、その上で飛び跳ねている人が撮られた作品です。バレエのようなポーズで跳ねていて、他に誰もいないのでちょっとシュールな感じがしました。これも瞬間を上手く表現しています。
ということで、2人の作風を比べながら見られる面白い展示となっていました。それぞれについて詳しく掘り下げているわけではないですが、感性の違いなどがよく分かるよ思います。写真好きの方におすすめの展示です。
参照記事:★この記事を参照している記事

【展覧名】
植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ -写真であそぶ-
【公式サイト】
http://syabi.com/contents/exhibition/index-2015.html
【会場】東京都写真美術館
【最寄】恵比寿駅
【会期】2013年11月23日 (土) ~ 2014年1月26日 (日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
結構お客さんは入っていましたが、特に混んでいるわけではなく自分のペースで観ることができました。
さて、今回の展示は生誕100年で展覧会が相次いでいる植田正治と、植田が最も敬愛する写真家ジャック・アンリ・ラルティーグについての展示です。2人は生涯アマチュア精神を貫き、撮ることを純粋に楽しんでいたそうで、展示ではそうした2人の作品がコーナーごとに交互に並んでいました。テーマごとに章分けされていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
参考記事:
生誕100年!植田正治のつくりかた 感想前編(東京ステーションギャラリー)
生誕100年!植田正治のつくりかた 感想後編(東京ステーションギャラリー)
植田正治写真展 写真とボク (埼玉県立近代美術館)
<1 実験精神>
ジャック・アンリ・ラルティーグはフランスの銀行家の裕福な家庭に生まれ、わずか7歳(1901年)の時に父からカメラを買い与えられたそうです。一方、鳥取の境港の商家に生まれた植田正治が実際にカメラを持ったのは1928年の15歳の頃だったそうで、2人とも少年時代にカメラを手に入れて写真にとりつかれたそうです。2人はその可能性を生涯に渡って追求したが、それは何かのためではなく純粋な遊びの精神だったようです。ここには様々な実験的な作品が並んでいました。
L-02 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「いとこのビショナード、コルタンベール通り40番地、パリ」
家の前の10段くらいの階段と、その上で跳ぶように降りていく女性が写った作品です。長いスカートで足は見えず、ほんとに宙を舞っているような感じです。そのポーズでなければここまで跳んでるようには見えないのかも?? 面白い発想の作品でした。
U1-11 植田正治 「砂丘人物」
これは四角い枠を持った男性と、その枠の中に入るように女性が写っている作品です。背景は真っ白で、女性の一部は枠からはみ出ています。それが非常に奇妙でシュールな感じで、現実というよりはトリックアート的な雰囲気でした。
この近くには東京ステーションギャラリーの展示でもご紹介した船や停留所を取った写真などもありました。
U1-10 植田正治 「砂丘ヌード」
これは砂丘を背景に左に人のお尻だけが取られているヌード写真です。遠近感もよく分からず巨大なモニュメントのようにもめるかな。柔らかい形で、これもシュルレアリスムのイヴ・タンギーの作品に通じる感じを受けました。
この辺には「童暦」のシリーズも並んでいました。
L1-10 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「レーシングカー[ドラージュ]、フランス自動車クラブのグランプリレース」
これはクラシックなレーシングカーを並走しながら撮った写真です。レーシングカーは運転席より後ろの部分だけが写っていて、背景には立ち止まって見ている人々の姿があります。車輪が円ではなく前の方に向かって歪んでいるため非常にスピード感があり、背景の人も横に引き伸ばされているような感じでそれを強めているように思いました。
この隣には布で幽霊を作ったような写真(★こちらで観られます)もありました。
L1-5 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「フォルテット氏(プリット)とチュピー、パリ」
これはシルクハットの男性が前のめりになって左手に犬を持っている姿が撮られた写真です。その男性の前には小さな川があり、犬を紙飛行機のように持って投げ込もうとしているようにも見えますw よく分からない状況ですが、一瞬の動きを撮った面白さがあり、ややシュールな雰囲気でした。
この少し先には車やレースを撮った写真が並んでいました。ラルティーグは車好きだったのかも。
<2 インティメント:親しい人たち>
続いては親しい人を撮った写真が並ぶコーナーです。ラルティーグは死ぬまで家族や友人を撮り続けていたそうで、一方の植田も妻や子供を盛んに撮っていました。しかし2人の手法には違いがあり、植田は自分を含め親しい人をあたかもオブジェのように現実から切り離して写真というもう1つの現実の中で、新たな生命の吹き込みました。一方、ラルティーグは親しい人々と共にする喜びの時間を写したようです。ここにはそうした人々の写真が並んでいました。
U2-2 植田正治 「風船を持った自画像(II)」 ★こちらで観られます
これはスーツに帽子姿で小さな風船を持って立つセルフポートレートです。これも砂丘らしく、背景は空しか写っていません。暗めで何とも寂しい雰囲気で、風船が奇妙さを増しているようでした。
U2-18 植田正治 「妻のいる砂丘風景(IV)」
これは砂丘で横向きに正座して座っている着物のの女性を撮った写真です。背景は雲が浮かび奥の方には上半身だけ写っている黒衣の女性の姿もあります。雲の雄大さとぽつんとした人物がミスマッチで、不思議な光景です。何故正座しているのかも不明ですが、これも奇妙さを出していました。
L2-4 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「ぼくと愛猫ジジ、コルタンベール通り40番地、パリ」
これはベッドで安らかに寝ている男性と、その脇で一緒に仰向けで寝ている猫が写った写真です。目を閉じてとろっとした表情が何とも可愛く、幸福そうな雰囲気がありました。
L2-10 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「ビビとロロといっしょに体操、パリ」
床のマットの上でうつ伏せて体をそらし両手を広げている女性と、その後ろで足を押さえている男性、隣でも同様の男女が写っている作品です。恐らく体操しているのだと思いますが、全員楽しそうな顔で歯を見せて笑っています。生活の中の喜びを感じさせました。
L2-22 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「パパとママン、結婚60年目の[ダイヤモンド婚式]」
腕を組んで街角で並んでいる老夫婦を撮った写真で、作者の父母のパリの街での姿のようです。こちらを見ていて、裕福そうな格好で顔は穏やかながらも威厳を感じました。2人の仲の良さがにじみ出ているようでした。
<3 インスタント:瞬間>
ラルティーグは毎日の幸せな一瞬が消え去って行くことに耐えられずカメラを持ち始めたそうで、一瞬を切り取るカメラの機能に日々の楽しみだけでなく、その可能性を追求しているように思われるようです。一方、植田正治はカメラが捉えた瞬間は現実でありながら現実を越えたものであったのではないかと考えられるようです。ここには一瞬を捉えた作品が並んでいました。
U3-2 植田正治 「小狐登場」
砂丘の上でジャンプしている子供が撮られた写真で、顔には白い狐の面をつけています。背景は暗く、白いお面が非常に目を引き、ジャンプして浮いているのでぴょこっと急に現れたような感じです。可愛いような怖いような神秘的な作品でした。
U3-17 植田正治 「シリーズ『音のない記憶』より」
これはヨーロッパへの旅行の際に撮った写真で、大きな建物の前で路面電車が走っている様子が写っています。建物や広場には人の姿がなく、ガランとした感じです。路面電車はややぼやけていて動き去っていくのが感じられました。
L3-14 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「スザンヌ・ランランのトレーニング、ニース」
これはラケットを持ってコートの上でボールを追いかけている女性が撮られた写真です。足を前後に大きく開き、空中で止まっているような感じに撮られていて、まさに一瞬を切り取ったように見えます。昔の技術でここまで一瞬を綺麗に撮れることにも驚きました。
この近くには車付きボブスレーの写真もありました。ボブスレーの写真は結構あったので、ボブスレー好きだったのかも。
L3-16 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「シャルル・サブレといとこのシモーヌ、サンモリッツ」
これは表情でスケート靴を履いた男性が飛んでいる女性を抱きとめている様子を撮った写真です。女性は足を伸ばして跳んでいて、これも一瞬の動作を捉えています。躍動感があり2人の関係性も伺えるようでした。
<4 自然と空間>
最後は自然を撮った作品のコーナーです。季節を感じさせる写真が多く並んでいました。
U4-16 植田正治 「シリーズ『音のない記憶』より」
一面雪景色のなかでフードを被っている女性と2人の子どもたちが写り、背景には屋根に雪が積もった家々が写っています。画面には雪が舞い、非常に寒そうに見えるかな。山陰の厳しい冬を感じさせました。
U4-13 植田正治 「シリーズ『童暦』より」
山々を背景に4人と犬が歩いている様子を横からとった写真です。縦長の画面の半分以上は暗く思い色合いの雲で、これから夕立が来ることを予感させます。雲と人の大きさの対比から自然の雄大さが感じられました。
L4-3 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「ダニ、スコア防波堤に打ち付ける荒波、アンダイエ」
防波堤の上に立つ2人の子と女性の姿があり、画面の大半は打ち寄せる荒波となっています。子供は身をかがめ、荒波を浴びていて非常にダイナミックで勢いを感じさせました。ラルティーグは自然を撮っても一瞬を撮っているように思います。
L4-15 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「雪をかぶったイスとテーブル、ピスコップ」
これは野外のテーブルと椅子に雪が30cmくらい積もっている様子が撮られた作品で、元々の椅子とテーブルは細い針金のような華奢なものです。しかしその上に乗った雪がソファのように見えるのが面白く、柔らかい印象を受けました。
L4-7 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「ニース」
これは細く黒い鉄の柵と門が撮られ、その前には3~4人の人影が写っています。みんな逃げるようなポーズをしていて、背景には5mくらいありそうな波飛沫が襲いかかってきています。これは自然の猛威が目の当たりにできて、写真どころじゃないから早く逃げろ!wとツッコミを入れながら見ていました。
この辺には嵐を撮った写真が何点かありました。
L4-18 ジャック・アンリ・ラルティーグ 「オレロン島」
遠浅の広い海岸と、その上で飛び跳ねている人が撮られた作品です。バレエのようなポーズで跳ねていて、他に誰もいないのでちょっとシュールな感じがしました。これも瞬間を上手く表現しています。
ということで、2人の作風を比べながら見られる面白い展示となっていました。それぞれについて詳しく掘り下げているわけではないですが、感性の違いなどがよく分かるよ思います。写真好きの方におすすめの展示です。
参照記事:★この記事を参照している記事
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日付が変わって昨日となりましたが、今週末の土曜日に品川の原美術館で「森村泰昌-レンブラントの部屋 再び」を観てきました。

【展覧名】
森村泰昌-レンブラントの部屋 再び
【公式サイト】
http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html
【会場】原美術館
【最寄】品川駅/北品川駅/大崎駅
【会期】2013年10月12日(土)~12月23日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
結構お客さんはいましたが、混んでいるというわけではなく快適に鑑賞することができました。
さて、今回は絵の中の人物や各時代の画家に変装した作品を作り続けている森村泰昌 氏の個展となっています。タイトルに「再び」という言葉が入っているのは、1994年に開催された「レンブラントの部屋」展のリバイバル的な展示となっているためのようで、当時の展示は森村氏にとって初めての個展だったそうです。 今回の展示はその時に収蔵した作品などが並んでいるようで、主にレンブラントの作品をモチーフに本人が変装するというものとなっていました。解説などはあまり無かったので、簡単に展覧会の雰囲気などをご紹介していこうと思います。
参考記事:
森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る (資生堂ギャラリー)
レンブラント 光の探求/闇の誘惑 (国立西洋美術館)
まず最初の吹き抜けの部屋では「烈火の季節/なにものかへのレクイエム」という映像作品が流れていました。これは1970年に市ヶ谷駐屯地で起きた三島事件を模したもので、三島由紀夫に扮した森村氏が大声で演説していました。 格好や背景の垂れ幕だけでなく、台詞も三島由紀夫の演説に似せながら日本文化への批判をするもので、日本人のアイデンティティを否定する存在である外国文化を崇めることに警鐘を鳴らす感じでした(三島由紀夫は自衛隊と憲法の関係について語りクーデターを促し割腹自殺した) パロディという感じではなく真剣な雰囲気で、中々見るものを惹きつけるものがあります。最後は万歳を連呼し、ちょっと鬼気迫る勢いでした。これはレンブラントとは関係ないけど、見ごたえがあります。
続いては廊下にレンブラントの素描風の作品が並び、写真なのか絵なのか分からないくらい本物のように見えます。「表情研究」(★こちらで観られます)というタイトルで10枚くらいあるのですが、その中には「帽子を被り眼を見開いた自画像」(★参考画像)に似た作品があり、これはかなり本物に似てるかもw 入り口で貰える作品リストには本物の白黒写真も載っているので、見比べながら鑑賞するのも楽しいです。
続いて、部屋の中には油彩にしか見えない写真が並んでいました。「恰幅の良いセルフポートレート」などは何となく森村氏であるのが分かりますが、「放蕩息子に扮するポートレート」(元は「酒場のレンブラントとサスキア(放蕩息子)」★参考画像)や「家族の肖像・妻」(元は「フローラに扮したサスキア」★参考画像)などはもはや別人で、見事な変装ぶりでした。原画と比べるとちょっと雰囲気も違っているように見えますが、かなり忠実に作られています。
奥のサンルームには「今、こんなのが流行っているんだって」という、頭に椅子を載せて白いスカートを被ったような2人の女性姿の写真がありました。これはレンブラントというよりは戯画的な感じかな。
続いて、階段下に常設されているトイレの「輪舞(ロンド)」を見たら、帽子を被った男の姿に変わっていました。腰のあたりにメリーゴーランドをつけていて、これまたシュールな感じですw
階段のところには「美術史の娘、マハC」という作品があり、これはゴヤの「裸のマハ」が上下画面となり逆さまになったような作品でした。膝と胸の上には鏡の球体が置かれ、そこには美術品の並ぶ部屋で裸で横たわっている人物が映っていて、目には義眼のようなものが置かれていました。ちょっと意味は分かりませんが、これも戯画的なものかな?
参考記事:
プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影 感想前編(国立西洋美術館)
プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影 感想後編(国立西洋美術館)
2階の最初の部屋にはセルフポートレートが4点あり、奥の部屋には「白い闇」という真っ白な部屋がありました。ここは1点だけで、「屠殺された牛」(★参考画像)と「ゼウクシスとしての自画像」(★参考画像)を組み合わせた作品があり、何故か森村氏は裸にハイヒールという格好をしていました。顔がぶつぶつだらけになっているし、ちょっと怖いかなw
ということで、今回の展示も驚きが多く、森村氏の作風を楽しむことが出来ました。レンブラントのことをあまり知らない方でも見比べながら見れば楽しめるのではないかと思います。もうすぐ終わってしまいますが、先日ご紹介した資生堂ギャラリーの展示と共にお勧めです。
おまけ:
展示を観た後に、美術館併設のカフェダールでお茶してきました。
チーズケーキとコーヒーをセットで頼みました。


意外と甘くて美味しいケーキでした。
参考記事:原美術館とカフェ ダール
参照記事:★この記事を参照している記事

【展覧名】
森村泰昌-レンブラントの部屋 再び
【公式サイト】
http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html
【会場】原美術館
【最寄】品川駅/北品川駅/大崎駅
【会期】2013年10月12日(土)~12月23日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
結構お客さんはいましたが、混んでいるというわけではなく快適に鑑賞することができました。
さて、今回は絵の中の人物や各時代の画家に変装した作品を作り続けている森村泰昌 氏の個展となっています。タイトルに「再び」という言葉が入っているのは、1994年に開催された「レンブラントの部屋」展のリバイバル的な展示となっているためのようで、当時の展示は森村氏にとって初めての個展だったそうです。 今回の展示はその時に収蔵した作品などが並んでいるようで、主にレンブラントの作品をモチーフに本人が変装するというものとなっていました。解説などはあまり無かったので、簡単に展覧会の雰囲気などをご紹介していこうと思います。
参考記事:
森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る (資生堂ギャラリー)
レンブラント 光の探求/闇の誘惑 (国立西洋美術館)
まず最初の吹き抜けの部屋では「烈火の季節/なにものかへのレクイエム」という映像作品が流れていました。これは1970年に市ヶ谷駐屯地で起きた三島事件を模したもので、三島由紀夫に扮した森村氏が大声で演説していました。 格好や背景の垂れ幕だけでなく、台詞も三島由紀夫の演説に似せながら日本文化への批判をするもので、日本人のアイデンティティを否定する存在である外国文化を崇めることに警鐘を鳴らす感じでした(三島由紀夫は自衛隊と憲法の関係について語りクーデターを促し割腹自殺した) パロディという感じではなく真剣な雰囲気で、中々見るものを惹きつけるものがあります。最後は万歳を連呼し、ちょっと鬼気迫る勢いでした。これはレンブラントとは関係ないけど、見ごたえがあります。
続いては廊下にレンブラントの素描風の作品が並び、写真なのか絵なのか分からないくらい本物のように見えます。「表情研究」(★こちらで観られます)というタイトルで10枚くらいあるのですが、その中には「帽子を被り眼を見開いた自画像」(★参考画像)に似た作品があり、これはかなり本物に似てるかもw 入り口で貰える作品リストには本物の白黒写真も載っているので、見比べながら鑑賞するのも楽しいです。
続いて、部屋の中には油彩にしか見えない写真が並んでいました。「恰幅の良いセルフポートレート」などは何となく森村氏であるのが分かりますが、「放蕩息子に扮するポートレート」(元は「酒場のレンブラントとサスキア(放蕩息子)」★参考画像)や「家族の肖像・妻」(元は「フローラに扮したサスキア」★参考画像)などはもはや別人で、見事な変装ぶりでした。原画と比べるとちょっと雰囲気も違っているように見えますが、かなり忠実に作られています。
奥のサンルームには「今、こんなのが流行っているんだって」という、頭に椅子を載せて白いスカートを被ったような2人の女性姿の写真がありました。これはレンブラントというよりは戯画的な感じかな。
続いて、階段下に常設されているトイレの「輪舞(ロンド)」を見たら、帽子を被った男の姿に変わっていました。腰のあたりにメリーゴーランドをつけていて、これまたシュールな感じですw
階段のところには「美術史の娘、マハC」という作品があり、これはゴヤの「裸のマハ」が上下画面となり逆さまになったような作品でした。膝と胸の上には鏡の球体が置かれ、そこには美術品の並ぶ部屋で裸で横たわっている人物が映っていて、目には義眼のようなものが置かれていました。ちょっと意味は分かりませんが、これも戯画的なものかな?
参考記事:
プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影 感想前編(国立西洋美術館)
プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影 感想後編(国立西洋美術館)
2階の最初の部屋にはセルフポートレートが4点あり、奥の部屋には「白い闇」という真っ白な部屋がありました。ここは1点だけで、「屠殺された牛」(★参考画像)と「ゼウクシスとしての自画像」(★参考画像)を組み合わせた作品があり、何故か森村氏は裸にハイヒールという格好をしていました。顔がぶつぶつだらけになっているし、ちょっと怖いかなw
ということで、今回の展示も驚きが多く、森村氏の作風を楽しむことが出来ました。レンブラントのことをあまり知らない方でも見比べながら見れば楽しめるのではないかと思います。もうすぐ終わってしまいますが、先日ご紹介した資生堂ギャラリーの展示と共にお勧めです。
おまけ:
展示を観た後に、美術館併設のカフェダールでお茶してきました。
チーズケーキとコーヒーをセットで頼みました。


意外と甘くて美味しいケーキでした。
参考記事:原美術館とカフェ ダール
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前回ご紹介した展示を観る前に、京橋のLIXILギャラリーで「海藻 海の森のふしぎ 展」を観てきました。

【展覧名】
海藻 海の森のふしぎ 展
【公式サイト】
http://www1.lixil.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_002487.html
【会場】LIXILギャラリー
【最寄】銀座線京橋駅 都営浅草線宝町
【会期】2013年12月5日(木)~2014年2月22日(土)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間20分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日15時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は世界の海藻をテーマにした内容で、主に日本での研究を通じて、その多様性や魅力について取り上げていました。海藻は世界に1万種類あるそうで、そのうち1500種類は日本の海に生息していて、昆布やワカメ、ノリなどは古くから食料とされてきました。しかし海藻は世界の海の1%に満たない浅い海に存在しないそうで、どのような姿で存在しているかあまり知られておらず、海藻の研究の歴史は意外と浅く20世紀入ってから研究が始まったそうです。海藻類が作る海の森は多くの海洋生物の住処や餌を提供し、豊かな生態系を支えているのですが、いつどのように進化してきたかの全容が明らかになったのはこの30年ほどで、今でも毎年数十種類の新種が報告され、時々全く新しい科の種類も発見されるなどまだまだ未知の部分も多いようです。
会場にはずらりと標本がならんでいました。入口付近にはマクロキスティス(ジャイアントケルプ)の気泡の標本があり、丸っこくて木の実のように見えましたが、これは昆布の仲間であるジャイアントケルプの浮袋だそうです。この種類は全長50mにも及ぶ海で一番大きく長い植物で、この浮袋によって水深20mを超える海底から立ち上がり50mもの体を海面に広げて光合成するようです。一言に昆布といっても色々あるようで、赤や茶色、緑など紅葉したような標本も展示されていました。ちなみにワカメやノリなどは夏と冬で全く違う形や大きさなのだとか。海藻にそんな違いがあるとは驚きです。
続いては野田三千代 氏による「海藻押し葉」が並んでいました。これは正方形のガラス容器の中に白い紙を背景に押し葉が貼り付けてあるもので、紫色の葉が多かったかな。筑波大学の実験センターで非常勤講師をされていた方らしく、研究としての用途だと思うのですがアーティスティックな雰囲気もありました。
その先には研究者や研究施設で交換される目的で制作されるエキシカータ標本が色素別に分類して並んでいました。これらは神戸大学が瀬戸内海で採取した188種のうちの39種類で、、褐毛、紅毛の色素があり 英語で海藻の名前や採取した場所、採取した日付が記載されていました。緑毛は特に綺麗で、様々な形や種類で変化に富んでいました。
展示室の奥にはオランダの植物学者スリンハーが1870年に書いた「日本の藻類」という本があり、正確なイラストが載っていました。また、モンターニュというフランスの植物学者の本もあり、海藻の研究の歴史を垣間見ることができました。その後は吉崎誠 氏の顕微鏡画が並び、顕微鏡で観察した細胞組織まで人の手によってスケッチされていました。超細密に書かれていて特徴なども添えられていて、研究の成果が伺えます。また、岡本金太郎(1837年~1935年)という日本初の海藻学者による「日本藻類図譜」という本もあり、これは半生をかけて刊行したものらしく、水彩による植物画が描かれていました。これもかなり細かく、横に書き込みがあり、顕微鏡による解剖図までもありました。
ということで、知っていそうで知らなかった海藻の世界と堪能することができました。標本にすると結構綺麗なので、難しいことを抜きにしても楽しめる内容だったと思います。
この後、同時開催の2つの展示も観てきました。

まずは焼物の個展のスペースでは「大久保陽平 展 -陶 SOUJI- Okubo Yohei Exhibition」が開催されていました。
【展覧名】
大久保陽平 展 -陶 SOUJI- Okubo Yohei Exhibition
【公式サイト】
http://www1.lixil.co.jp/gallery/ceramic/detail/d_002596.html
【会期】2013年12月5日(木)~12月24日(火)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間10分程度
こちらにはご本人がいて、お客さんと会話していました。ここに並んでいるのは陶器で出来たスポンジや雑巾、掃除機、空気清浄機、モップ、デッキブラシ、コロコロローラーなどで、かなり質感が本物のように見えました。焼いた後に絵付けしているようですが、柔らかそうなものや繊維などを陶器で表現する所に面白さがありました。
続いて、現代アートのスペースで、「村山加奈恵 展 Murayama Kanae Exhibition -transmigration-」を観ました。
【展覧名】
村山加奈恵 展 Murayama Kanae Exhibition -transmigration-
【公式サイト】
http://www1.lixil.co.jp/gallery/contemporary/detail/d_002595.html
【会期】2013年11月29日(金)~12月24日(火)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間10分程度
こちらには大型の絵が並び、いずれも暗闇を背景に花や蝶、女性などが描かれていました。静かに妖しく神秘的な雰囲気で、蝶は人の目が模様になっているなど、ちょっと怖いくらいの不思議さがあります。花もまだら模様になっているなど若干毒気もあるかな。単に綺麗なわけではなくシュールな感じも受けました。
ということで、3本の展示を楽しんできました。ここは無料で観ることができるので、銀座に行った際には立ち寄ってみると楽しいかと思います。
参照記事:★この記事を参照している記事

【展覧名】
海藻 海の森のふしぎ 展
【公式サイト】
http://www1.lixil.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_002487.html
【会場】LIXILギャラリー
【最寄】銀座線京橋駅 都営浅草線宝町
【会期】2013年12月5日(木)~2014年2月22日(土)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間20分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日15時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は世界の海藻をテーマにした内容で、主に日本での研究を通じて、その多様性や魅力について取り上げていました。海藻は世界に1万種類あるそうで、そのうち1500種類は日本の海に生息していて、昆布やワカメ、ノリなどは古くから食料とされてきました。しかし海藻は世界の海の1%に満たない浅い海に存在しないそうで、どのような姿で存在しているかあまり知られておらず、海藻の研究の歴史は意外と浅く20世紀入ってから研究が始まったそうです。海藻類が作る海の森は多くの海洋生物の住処や餌を提供し、豊かな生態系を支えているのですが、いつどのように進化してきたかの全容が明らかになったのはこの30年ほどで、今でも毎年数十種類の新種が報告され、時々全く新しい科の種類も発見されるなどまだまだ未知の部分も多いようです。
会場にはずらりと標本がならんでいました。入口付近にはマクロキスティス(ジャイアントケルプ)の気泡の標本があり、丸っこくて木の実のように見えましたが、これは昆布の仲間であるジャイアントケルプの浮袋だそうです。この種類は全長50mにも及ぶ海で一番大きく長い植物で、この浮袋によって水深20mを超える海底から立ち上がり50mもの体を海面に広げて光合成するようです。一言に昆布といっても色々あるようで、赤や茶色、緑など紅葉したような標本も展示されていました。ちなみにワカメやノリなどは夏と冬で全く違う形や大きさなのだとか。海藻にそんな違いがあるとは驚きです。
続いては野田三千代 氏による「海藻押し葉」が並んでいました。これは正方形のガラス容器の中に白い紙を背景に押し葉が貼り付けてあるもので、紫色の葉が多かったかな。筑波大学の実験センターで非常勤講師をされていた方らしく、研究としての用途だと思うのですがアーティスティックな雰囲気もありました。
その先には研究者や研究施設で交換される目的で制作されるエキシカータ標本が色素別に分類して並んでいました。これらは神戸大学が瀬戸内海で採取した188種のうちの39種類で、、褐毛、紅毛の色素があり 英語で海藻の名前や採取した場所、採取した日付が記載されていました。緑毛は特に綺麗で、様々な形や種類で変化に富んでいました。
展示室の奥にはオランダの植物学者スリンハーが1870年に書いた「日本の藻類」という本があり、正確なイラストが載っていました。また、モンターニュというフランスの植物学者の本もあり、海藻の研究の歴史を垣間見ることができました。その後は吉崎誠 氏の顕微鏡画が並び、顕微鏡で観察した細胞組織まで人の手によってスケッチされていました。超細密に書かれていて特徴なども添えられていて、研究の成果が伺えます。また、岡本金太郎(1837年~1935年)という日本初の海藻学者による「日本藻類図譜」という本もあり、これは半生をかけて刊行したものらしく、水彩による植物画が描かれていました。これもかなり細かく、横に書き込みがあり、顕微鏡による解剖図までもありました。
ということで、知っていそうで知らなかった海藻の世界と堪能することができました。標本にすると結構綺麗なので、難しいことを抜きにしても楽しめる内容だったと思います。
この後、同時開催の2つの展示も観てきました。

まずは焼物の個展のスペースでは「大久保陽平 展 -陶 SOUJI- Okubo Yohei Exhibition」が開催されていました。
【展覧名】
大久保陽平 展 -陶 SOUJI- Okubo Yohei Exhibition
【公式サイト】
http://www1.lixil.co.jp/gallery/ceramic/detail/d_002596.html
【会期】2013年12月5日(木)~12月24日(火)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間10分程度
こちらにはご本人がいて、お客さんと会話していました。ここに並んでいるのは陶器で出来たスポンジや雑巾、掃除機、空気清浄機、モップ、デッキブラシ、コロコロローラーなどで、かなり質感が本物のように見えました。焼いた後に絵付けしているようですが、柔らかそうなものや繊維などを陶器で表現する所に面白さがありました。
続いて、現代アートのスペースで、「村山加奈恵 展 Murayama Kanae Exhibition -transmigration-」を観ました。
【展覧名】
村山加奈恵 展 Murayama Kanae Exhibition -transmigration-
【公式サイト】
http://www1.lixil.co.jp/gallery/contemporary/detail/d_002595.html
【会期】2013年11月29日(金)~12月24日(火)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
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