関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

うるわしき美人画の世界 ―木原文庫より― 【岩手県立美術館】(岩手編)

先日、お盆休みを利用して岩手旅行をした際、盛岡の岩手県立美術館で「うるわしき美人画の世界 ―木原文庫より―」を観てきました。今日から少し番外編として岩手の展覧会などをご紹介していこうと思います。

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【展覧名】
 うるわしき美人画の世界 ―木原文庫より―

【公式サイト】
 http://www.ima.or.jp/exhibition/temporary/20180630.html

【会場】岩手県立美術館
【最寄】盛岡駅

【会期】2018年6月30日(土)~8月19日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この岩手県立美術館は盛岡駅からバスで20~30分くらいの所にあります。奥さんの実家が岩手なので毎年のようにお盆にこの美術館にも行ってる気がしますが、今年の夏は埼玉県在住のコレクターである木原眞人 氏が所蔵するコレクションを紹介する展示となっていました。個人のコレクションとは思えないくらい豪華な品ばかりで、3つの章に渡って紹介されていましたので、各章ごとに気に入った作品について書いていこうと思います。


<第I部 うるわしき美人画の世界>
まずは今回の展覧会名にもなっている美人画のコーナーです。特に鏑木清方と島成園が多めで、他にも上村松園や北野恒富といった有名画家の作品なども並んでいる豪華な内容となっています。

11 鏑木清方 「合歓の花」
こちらは紫色の着物の女性が傘をたたみながら歩く様子を描いた作品で、頭上には ねむの木、下の方には紫陽花が咲いています。すらっとした立ち姿が優美で、清方らしい清廉な雰囲気が漂っていました。

この辺は清方のコーナーで、特に夏~秋ころの主題の作品が目につきました

特別5 鏑木清方 「色の港」
こちらは着物の女性が港を背景に団扇を扇いでいる様子が描かれた作品です。胸元がかなり はだけていて、暑くてダルそうな顔をしているのですが、ここまで来ると色気と言うよりは、苦しそうにすら見えるかなw やや平面的な表現で 背景や題材も珍しいので、清方とは気づけませんでしたが、夏に観るに相応しい作品でした。

40 島成園 「雨あがり」
こちらは裾をつまんで船着き場で片足をあげている着物の女性を描いた作品です。華やかな装いをしているので芸姑さんかな? その上には柳が枝垂れていて、船には桜らしき花も乗せてあります。色気と共に気品を感じさせる仕草が目を引きました。背景も爽やかです。

36 島成園 「娘之図」
こちらは台のような物に肘をついて、うっとりとした表情を浮かべる着物の女性を描いた作品です。その手前には手箱に入った小物類が転がっていて、色鮮やかな印象を受けます。夢想する様子が何とも愛らしい雰囲気の娘でした。

30 北野恒富 「阿波踊之図」
こちらは記念撮影できるパネルがあったので、それを使ってご紹介。
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三味線の先に赤い提灯をぶら下げて、立って弾いている着物の女性を描いた作品です。踏み込んで やや仰け反るような姿勢がギタリストみたいでカッコいいw 北野恒富は妖艶でちょっと悪魔的ですらある作風のように思っていますが、こちらの作品ではそういう雰囲気は無く、モデルのポーズが面白い作品となっていました。

この他にも北野恒富の作品や、菊池契月、上村松園、伊藤小坡、伊東深水などの作品も少数ずつありました。

50 谷角日沙春 「柳桜」
こちらは菊池契月の弟子の作品で、桜?の枝を肩の上に持ち振り返るような姿勢の白い着物の女性が描かれています。輪郭線を流麗かつ簡潔に描いているので、全体的に軽やかな雰囲気となっています。また、微笑むような端正な顔立ちも愛らしく爽やかな美人像でした。


<第II部 近代日本画の名手>
続いての2章は横山大観・竹内栖鳳・橋本雅邦・菱田春草といった巨匠たちの作品が並ぶコーナーです。ここは美人画ではなく花鳥や四季などをテーマにした作品が並んでいました。

69 冨田溪仙 「花の寺」
こちらは京都の勝持寺の様子を描いた掛け軸で、手前に阿吽の仁王が立つ山門があり、その奥に鐘つき堂が描かれています。周りは木々で鬱蒼としていていて、更に奥には大きな桜、背景には山と半月が描かれています。桜は上から白を薄っすら塗ったような表現となっていて、淡くおぼろげな雰囲気が漂っていました。春の夜の幻想的な風景といった感じの作品です。

この近くにあった橋本雅邦の作品も見応えがありました。

60 竹内栖鳳 「柳下稚雀」
こちらは木の幹にとまっている2羽の雀を描いた作品で、1羽は上の方を向いていて その目の先には柳が風に舞うように連なっています。雀の羽は丹念に描かれていて、写実性を感じると共にフワッとした情感が漂っています。構図も面白くて、画面中央に枝の曲線が描かれているのが大胆かつ優美な雰囲気を出していました。

65 菱田春草 「柿に鳥」
再び記念撮影用の写真を使ってご紹介。
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こちらは柿の木の枝にとまるカラスを描いた作品で、カラスは下を見つめていて 視線の先には丸々とした柿の実があります。木や柿はやや薄めの色合いとなっているのですが、カラスは真っ黒なので一際目を引くかな。目がまんまるで憎めない顔してますw 周りの葉っぱや木は にじみを活かした表現を使うなど、秋の風情が感じられました。

75 前田青邨 「驟雨」
こちらは掛け軸の左下の隅っこに 大きな太鼓橋を走って渡る2人の刀を差した人物が描かれた掛け軸です。それ以外の画面はかなりの部分を黒い雲が覆っていて、右上から左下にかけて俄雨(驟雨)が降っている感じが出ています。2人も着物で防ぎながらダッシュしてるし、夕立時に慌てて急ぐのは昔も今も変わらないのかも。それにしても人物よりも雲を中心に据える構図が大胆で面白い作品でした。

特別1 円山応挙 「藤花狗子図」
再び記念撮影用の写真を使ってご紹介。
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こちらは藤の木の下で2匹の子犬が寄り添う様子が描かれた掛け軸です。藤は満開なので5月くらいの様子かな。犬は後ろ向きの白い犬と 藤の枝を口にくわえている茶色い犬で、応挙らしいコロコロした姿をしています。ちょっとやんちゃそうで、非常に可愛らしい犬たちでした。

この隣には酒井抱一の草花図なんかもありました。こちらも抱一らしい画題と作風です。


<第III部 特別出品:木原文庫のさらなる魅力>
最後は木原コレクションが文庫と呼ばれる所以を感じさせるコーナーです。ここには蔵書や関連資料、刀剣などが並んでいました。

特別11 本阿弥光悦 「書 しら露も」
本阿弥光悦は寛永の三筆の1人で俵屋宗達とよくコラボしていた人物です。こちらは小さめの書で、「しら露も 時雨もいたく もる山は した葉のこらず いろづきにけり」という古今和歌集の紀貫之の歌が書かれています。薄っすらと背景に葉っぱのようなものが描かれているようにも見えるかな。軽やかな文字で、正に流れるような美しさでした。

特別12 松尾芭蕉 「月図 自画賛 明けゆくや」
こちらは三日月の浮かぶ様子を描いた絵と、そこに自分で賛を書いた作品です。「明け行くや 二十七夜も 三日の月」という俳句が書いてあり、その隣にも何か書いてあります(ここは読めず…) 絵は普通ですが、月夜の情感がよく出ているように思えました。こんな作品まで所蔵しているとは驚きです。

この隣には達筆で有名な良寛の作品もありました。

特別18 芥川龍之介 「河童図」
こちらは芥川龍之介が描いた河童の絵です。「蒲の穂は~」という賛とともに「水木君へ」と書いてあるらしく劇作家の水木京太に贈ったもののようです。著書の『河童』は晩年の作で、この河童の絵は有名な挿絵そっくりに見えました。正に文庫と呼べる貴重な品かもしれませんね。

この近くには太宰治の書「万葉歌より」や、三島由紀夫の書「敷島の大和心」、樋口一葉の書「夏といふ」、高村光太郎の書「海に出て」などもありました。私でも知ってる文豪の作品がこれだけあるのも木原コレクションの特徴と言えそうです。

最後は刀剣のコーナーで8振り程度展示されていました。


ということで、展覧会のタイトル以上に様々な作品が並んでいました。幅広くて驚きが多いコレクションに満足です。もう会期が残り僅かですが、夏休みで岩手を訪れている美術好きの方がいらっしゃいましたらチェックしてみてください。



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琉球 美の宝庫 (感想後編)【サントリー美術館】

前回に引き続きサントリー美術館の「琉球 美の宝庫」についてです。前編は上階についてでしたが、今日は下階の展示についてです。まずは概要のおさらいです。

 前編はこちら

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【展覧名】
 琉球 美の宝庫 

【公式サイト】
 https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2018_3/index.html

【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅

【会期】2018年7月18日(水)~9月2日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
前編に引き続き、私が観たのは2018/7/29時点の内容でした。会期が細かく分かれているので、お目当ての品がある方は作品リストを予め見て確認することをオススメします。
 参考リンク:作品リスト


<第3章 琉球国王尚家の美>
3章は特に見所となる国宝だらけの章です。琉球は15世紀後半に初代 尚円が国王に即位してから尚家によって治められてきました。当初は中国と冊封関係を結んでいましたが、17世紀初めに薩摩藩の侵攻を受けて日本の幕藩体制に組み込まれていきます。しかし中国との進貢貿易は続いて琉球王国も維持していき、首里はアジアの美が結びついた独特の文化に彩られ、各地の宝物で満ちていたようです。明治政府が成立すると、いわゆる「琉球処分」によって19代尚泰の王位が廃されて沖縄県が設置され、王国の文物の一部も東京に移されました。その後、沖縄は戦争で大きな被害を受けたわけですが、今でも琉球時代の品は残っていて、ここには特に貴重な珠玉のコレクションが並んでいました。

110 「黒漆雲龍螺鈿東道盆」 第二尚氏時代 19世紀
こちらは黒漆に螺鈿で細工された大型の箱です。螺鈿によって5本の爪を持つ龍が表されていて、夜光貝を材料にしているので虹色に光って見えます。解説によるとこの品は中国への進貢品らしく、クオリティが高いのも納得です。沢山の龍たちが流れるように舞っている姿が非常に見事な作品でした。ちなみに5本の爪を持つ龍は皇帝への品にしか許されないモチーフですので、格式が高い証と言えそうです。

この近くには「朱漆巴紋牡丹沈金馬上盃」や「黒漆葡萄螺鈿箱」といった国宝も並んでいました。

「玉冠(付簪)復元」 2014年
こちらは今回のポスターにもなっている第二尚氏時代(18~19世紀)に清に贈られた玉冠の復元です。簪が刺さっていて、表面には金の帯と金・銀・水晶など7種類の突起が規則正しく並んでいます。派手な中国っぽいセンスで見るからに豪華な作りとなっていました。私が観た時は復元した品でしたが、展覧会終盤の2018/8/22~9/2には本物の国宝も展示されるようです。本物も観てみたかった…。

この近くには尚家に伝わった品が並んでいました。着物や調度品などがあります。

119 「尚育王御後絵(彩色模写復元)」 2014年
こちらは先程の玉冠を被った琉球王 尚育を描いた肖像の復元です。御後絵は王が亡くなった時に描かれるもので、王の周りにも人の姿が描かれていますが、それに比べて王は何倍も大きく描かれています。これは王の権威を示しているようで、王への追悼の意が込められているように思えました。解説によると、この絵のオリジナルは第二次大戦末期の沖縄戦で焼失したようですが、戦前のモノクロ写真を解析して色鮮やかに復元したようです。かなり派手な色彩で往時の様子が伺えました。

この近くには復元の解説ボードなどもありました。東京藝術大学大学院保存修復日本画研究室によって再現されたようです。写真については後のコーナーにも出てきます。


<第4章 琉球漆芸の煌き>
続いては琉球の漆芸についてのコーナーです。琉球の漆器は中国をはじめとする周辺諸国との交流を通じて発展したそうで、始まりはハッキリしないようですが前編冒頭でご紹介した「黒塗菊花鳥虫沈金丸外櫃及び緑塗鳳凰雲沈金丸内櫃」が最も古い作例として考えられるようです。漆器は琉球の重要な輸出品であり、貝摺奉行所で制作を管理され、中国皇帝や日本の将軍・大名たちへと贈られたようです。それらは中国的なモチーフを螺鈿・沈金・密陀絵(油彩技法)などを駆使して表現していたようで、ここにはそうした作品が並んでいました。

129 「黒漆雲龍螺鈿大盆」 第二尚氏時代 18~19世紀
こちらは直径1mくらいある大きな黒漆の盆で、螺鈿を使い火焔宝珠を中心に2匹の5本爪の龍が向かい合っている様子が表されています。こちらは中国皇帝への贈り物で、龍は鱗までしっかりと表現されるなど大型でも緻密な仕上がりとなっていました。見栄えのする見事な作品です。

125 「黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵箱」 第二尚氏時代 16~17世紀
こちらは蓋付きの方型の箱で、全面に葡萄の葉っぱや 葡萄の実、リスの姿が表されています。これらのモチーフは繁殖力を示す縁起の良いモチーフで、小さい作品ながらも細密な表現となっていました。可愛いらしさと技術の高さを感じる作品です。

131 「朱漆竹虎連珠沈金螺鈿座屏」 第二尚氏時代 17~18世紀
こちらは小さな鉛ガラスを編み込んで竹林の虎を表した屏です。屏の台座の部分が漆塗りとなっていて、沈金を用いて細かい文様も表されています。解説によると、虎の裏面には同じくガラス玉を使って漢詩が書かれているそうで、様々な技術が使われた面白い品となっていました。

この少し先には印籠などもありました。日本への輸出品として作っていたようです。

134 「黒漆葵紋螺鈿箱」 第二尚氏時代 17~18世紀
こちらは三葉葵の御紋が入った四角い箱です。徳川の御紋なので恐らく献上品と考えられるようで、かなり細かく草花が並ぶ文様となっていて可憐な印象を受けます。ちょっと今回の展示では観られませんでしたが、琴棋書画の画題を表した部分もあるそうで、小さいながらも非常に高度な技術が使われているように思えました。

148 「朱黒漆山水楼閣人物松竹堆錦螺鈿風炉先屏風」 第二尚氏時代 18~19世紀
こちらは黒漆を背景に螺鈿で絵を描いた屏風です。2曲で右に竹、左に松が描かれていて堂々たる雰囲気があります。左右には漢詩もあり叙情的な作品となっていました。こちらも技術とセンスが見事な作品です。


<エピローグ 琉球王国の記憶>
最後にエピローグとして、戦前に琉球王国時代の遺物を写真に収めていた鎌倉芳太郎を紹介していました。鎌倉芳太郎は戦前の沖縄研究の第一人者で、当時伝わっていた美術工芸を白黒写真で残しています。ここにはそうした写真が並んでいるのですが、首里城や守礼門といった建物は今と違って結構ボロボロに見えるかな。先述の玉冠や神事の様子の写真なども残されていて、鎌倉芳太郎によって 戦争で失われた品も現代に伝わっているようでした。


ということで、琉球の様々な美術品を観ることができました。特に3章は豪華な品が並んでいるので見所と言えそうです。(サントリー美術館は毎回のように会期が細かすぎるのが難点で、もっと一斉に実物を観たかったのが本音かな。) 残りの会期は少ないですが、これから出品される目玉作品もあるので、気になる方は出品リストをチェックしてお出かけになってみてはと思います。琉球の歴史も垣間見られる見ごたえのある展示でした。



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琉球 美の宝庫 (感想前編)【サントリー美術館】

20日ほど前の日曜日に六本木のサントリー美術館で「琉球 美の宝庫」を観てきました。見所が多い展示でしたので、前編・後編に分けてご紹介していこうと思います。 なお、この展示は細かく会期が分かれていて、私が観たのは2018/7/29時点の内容でした。

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【展覧名】
 琉球 美の宝庫 

【公式サイト】
 https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2018_3/index.html

【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅

【会期】2018年7月18日(水)~9月2日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
結構多くのお客さんで賑わっていて、たまに混んでいる感じでしたが概ね自分のペースで観ることができました。

さて、今回の展示は「琉球」をテーマに幅広い美術品を通して琉球独特の文化や当時の日本・中国の関わりなども知ることができる内容となっています。サントリー美術館はちょくちょく琉球関連の展示を行っていますが、今回は主に第二尚氏時代の頃の染織・絵画・漆芸などが並んでいました。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。


<冒頭>
まず最初に、1章の前にハイライト的に4章の漆芸の作品が並んでいました。

120 「黒塗菊花鳥虫沈金丸外櫃及び緑塗鳳凰雲沈金丸内櫃」 第二尚氏時代 15世紀
こちらは2重になった漆塗りの円筒形の箱で、蓋に花や蝶、蜻蛉などが表されています。内箱には日輪を中心に鳳凰や卍型の雲などが描かれ、中には勾玉などが収められていたようです。解説によると、この品は琉球王が久米島の神女(ノロ)と呼ばれる女性の祭司に送ったもので、王権を象徴する文様となっているようです。ノロは高い権力を持っていたそうで、沈金を用いた格式の高そうな技法となっていました。なお、この作品は琉球の漆芸品の中では最も古い名品中の名品なのだとか。


<第1章 琉球の染織>
1章は染織についてのコーナーです。ここには琉球の伝統的な紅型などが並び、鳳凰・龍・牡丹など大陸由来のモチーフや、松・桜・梅といった日本的な意匠、他にも中国や東南アジアから伝わってきた幾何学的な文様など、様々な文化との交流を感じさせる模様となっています。王族や高貴な人の衣装は首里王府の貝摺奉行所という機関の絵師が下絵を描いていたらしく、完成度の高い品々が並んでいます。

まずは紅型の裂地が4枚ほど並んでいました。特に「黄色地牡丹蝶鳥に桐桜模様裂地」という品は黄色地に花鳥が描かれていて、これぞ紅型といった趣となっています。他にも型紙があり、紅型は型に防染糊を塗って、それ以外の部分を染めるという技法で作られているという紹介もありました。
 参考記事:紅型 BINGATA-琉球王朝のいろとかたち- (サントリー美術館)

4 「白地流水蛇籠に桜葵菖蒲小鳥模様衣裳」 第二尚氏時代 19世紀
これは以前の紅型の展示で観た覚えがありました。白地に菖蒲、流水、蛇籠、桜、小鳥などを表している「長袖」と呼ばれた振袖衣裳で、モチーフは日本っぽく思えるかな。一方で色彩は赤・黄・藍を使って非常に鮮やかで、琉球っぽい色彩感覚に思えます。模様がパターン化して同じ場面が連なっているのも特徴と言えそうです。解説によると、琉球ではこうした衣裳を成人前の子供が着ていたそうで、こちらは江戸に赴く時に楽童子という人たちが着ていた可能性があるのではないかとのことでした。日本との関係性を感じさせる逸品です。

この章には他にも様々な衣裳が並んでいます。水色地や黄色地といった色鮮やかな衣裳もあれば 幾何学模様や縞模様など落ち着いた雰囲気の品もありました。琉球の多彩で高度な技術を感じさせます。


<第2章 琉球絵画の世界>
続いては琉球の絵画についてです。琉球絵画は第二次大戦で大きな被害を受けて全容は謎となってしまいましたが、戦前の写真資料などで高い技術を持っていたことが伝わっているようです。当時は日本や中国の優れたコレクションを持ち、薩摩や中国の福州へと学びに行った絵師もいたそうで、絵師の多くは貝摺奉行所に所属し室内装飾やデザインに携わっていたようです。一方、奉行所に属さず宮廷画家として活躍した絵師もいたそうで、そうした絵師も含めて近世琉球(1609~1879年)の頃の作品が並んでいました。

33 山口(神谷)宗季(呉師虔) 「花鳥図」 第二尚氏時代 1705(康煕44年)
こちらは掛け軸で、太湖石から蘭・カイドウ・牡丹などの花が咲き、小鳥がとまっている様子が描かれています。解説によると作者は30代の頃に中国の福州に留学していたそうで、この作品はその留学中に描いた品のようです。当時の福州画壇をよく学んでいたようで、かなり中国風の画風のように思えました。琉球と中国の繋がりを感じさせる品です。

36 山口(神谷)宗季(呉師虔) 「神猫図」 第二尚氏時代 1725(雍正3年) 
こちらは尻尾だけ黒い白猫が佇む様子を描いた作品で、ちょっと狐のようにも見えるかな。陰影を付けて立体的に描いていて、フワッとした感じもよく表れていました。これも中国風がよく出ている作品と言えそうです。

この辺には中国に学んだ絵画作品が並んでいました。題材も三国志など中国的なものがあります。

52 泉川寛道(慎克煕) 「うやんまあの図」 第二尚氏時代 19世紀
こちらは男女が1つの傘に一緒に入って歩く様子が描かれた作品です。解説によるとこの男性は八重山に赴任した役人のようで、女性は現地妻として世話をする「うやんまあ」という世話役の人だそうです。着物のような服を着ていて、男性は流水模様が涼しげです。一方の女性は亀甲文様のような柄で華やかな印象を受けました。なお、琉球の絵画に出てくる人物は簪を観ると身分などが分かるようで、この女性は身分はそれほど高くないとのことです。相合い傘で仲よさげなので、単なる役職ってだけの関係では無さそうに見えました。

54 佐渡山安健(毛長禧) 「仲田青毛之図」 第二尚氏時代 19世紀
こちらは写実的に描かれた横向きの馬の像です。西洋の陰影表現を使っていて、琉球における洋画表現の受容の様子を考える上でも貴重な品と言えるようです。肋が浮いている様子や筋肉の付き具合などもしっかりと描写されていて、しなやかな馬体表現となっていました。

74 「琉球貿易図屏風」 第二尚氏時代 19世紀
こちらは六曲一隻の屏風で、右の2曲に首里、左の4曲には船が集まる那覇の港が描かれています。船も様々で、中国から帰って来た船や 薩摩の船、地元のボートのような船などが描かれています。交易が活発だったのがつぶさに分かる光景じゃないかな。琉球がどのように栄えて隣国とどう付き合っていたかがこの作品に詰まっているように思えました。

66 絵画:作者不詳 書:鄭嘉訓「琉球美人」 第二尚氏時代 19世紀
こちらは六曲一双の屏風で、美人画と書が交互に並んでいます。(元々は別だったらしいので屏風に仕立てただけかな) この作品でも着物や簪、指輪などで身分の違いが分かるらしく、王女クラスから下級氏族まで様々な身分の女性が並んでいます。いずれの女性もスラっとした立ち姿で微笑むような表情をしていて、ほっそりとした手なども相まって可憐な印象を受けました。ちなみに右端の女性が王女クラスらしく、これは一発で分かるくらい豪華な出で立ちです。私としては偉くない子のほうが好みだったりしましたがw

80 「中山花木図」 江戸時代 19世紀
こちらは20種類の鳥と50種類の草花が描かれた作品です。色とりどりで鮮やかに見えますが、絹の裏から描く「裏彩色」を使って柔らかく繊細な色彩表現となっています。全体的に文人画のような趣きで、源流の中国絵画の影響を感じるかな。一方で博物学的な要素もあって面白い作品でした。

近くには琉球使節を描いた作品などもありました。

94 葛飾北斎 「琉球八景」 江戸時代 19世紀
こちらは葛飾北斎による琉球の風景画です。と言っても北斎は実際には琉球に訪れていないので、想像や清国の使いが記した『琉球国志略』という本の挿絵を参考に描いたものです。その為、画中には雪や富士山など琉球ではありえない光景も広がっていて、タイトルから察するに、瀟湘八景を念頭にしているんじゃないかな。水辺の橋や道などを描いているのが特にそう感じさせました。北斎の「琉球」という異国への憧れも感じさせる作品です。
 参考記事:ホノルル美術館所蔵「北斎展」 (三井記念美術館)


ということで、この辺までが上階の内容となっていましたので今日はここまでにしておこうと思います。琉球は日本・中国と接しながら東南アジアの文化も取り入れて発展していったので、独特の感性があるように思えます。下階はその粋とも言える国宝がずらりと並ぶ部屋もありましたので、次回はそちらについてご紹介しようと思います。

 → 後編はこちら





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特集:中園孔二展 外縁-見てみたかった景色 【横須賀美術館 常設】

今日は写真多めです。前回ご紹介した横須賀美術館の特別展を観た後、常設も観てきました。今回は常設の最後の辺りで「特集:中園孔二展 外縁-見てみたかった景色」という特集が組まれていて、ここだけ撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介しようと思います。

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【展覧名】
 平成30年度第2期所蔵品展
 特集:中園孔二展 外縁-見てみたかった景色

【公式サイト】
 http://www.yokosuka-moa.jp/exhibit/josetu/sho1802nakazono.html

【会場】横須賀美術館 常設
【最寄】馬堀海岸駅/浦賀駅

【会期】2018年7月14日(土)~9月30日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は中園孔二 氏という1989年生まれの若い画家の初の個展です。中園孔二 氏は東京藝術大学出身で、様々な技法を用いて多くの作品を残し、東京オペラシティアートギャラリーの「絵画の在りか」(2014年)に選出され、その後も海外の重要な展覧会に出品するなど、活躍を広げていた画家です。しかし中園孔二 氏は2015年に亡くなってしまったそうで、非常に短い生涯を濃密に生きた方なのかもしれません。今回は中園孔二 氏の作品が50点ほど並び、一種異様な空間となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。なお、中には刺激的で不気味な作品もありますので、ご注意ください。

写真だと分かりづらいかもしれませんが、こんな感じで大小様々な作品が並んでいました。
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作品に名前をつけない方のようで、すべて「Untitled」と表記されています。解説も特にありませんでした。

中園孔二 「Untitled」
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何処かアウトサイダー・アートのような不気味さを感じる作風です。夢の中の光景か何かでしょうか。指さして何かやりとりしている様子に見えました。

中園孔二 「Untitled」
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炎上している人をスマフォで録画している人がいる恐ろしい光景。批判的な意味があるのかな? ダブルイメージでニヤけた人の顔も浮かんでくるのが、ネット社会の闇のように思えました。

中園孔二 「Untitled」
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メチャクチャ怖いわ!w 不安げな顔と放射状に伸びる線が、観ている方まで不安にさせます。インパクト大の作風で夢に出そうw

中園孔二 「Untitled」
20180721 161754
こちらはポップな色調ですが、それでも一種異様なものを感じます。ダブルイメージで顔を描くのはよく使った技法なのかも。

中園孔二 「Untitled」
20180721 161804
こちらも離れてみると顔が浮かんできます。この密度とよれた線が独特な画風に思えてきました。この絵は結構好きかも。

中園孔二 「Untitled」
20180721 161828
こちらはモノクロの世界で闇を感じると言うか…w 中園氏は自身の作品について「すべて自分の見てみたかった景色」と語っていたらしいので心象風景でしょうかね。

中園孔二 「Untitled」
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こちらもダブルイメージのような作品。ちょっと子供の絵のようなユーモラスなキャラクターに見えます。こういう作品なら怖く無いんですが…w

中園孔二 「Untitled」
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こちらは人物像かな。これもゆらぎのような表現なので異様な感じもしますが、キャラクター的な要素もあるように思えました。

中園孔二 「Untitled」
20180721 162045
これまでと違って非常にシンプルな抽象画。真っ先に思い浮かんだのはwifiですが、トンネルのようにも見えるような。実際は何だか分かりませんが、画風の違いに驚きました。

中園孔二 「Untitled」
20180721 162055
こちらもややシンプルな技法で描かれた作品。恐らく人物だと思いますが、簡潔に表現されていました。

中園孔二 「Untitled」
20180721 162105
再び謎の放射状の線と白い人物が出てきました。手を広げているけど開放感や躍動感を全く感じないw 何かに縛られているようにも思えました。

中園孔二 「Untitled」
20180721 162121
まるで血のようなシミがあちこちにあって惨殺シーンみたいな…。ちょっとヘンリー・ダーガーを思い出しましたw

中園孔二 「Untitled」
20180721 162150
逃げる埴輪のようなキャラクター。これも切迫するような表情が非常に怖い。

まだまだ沢山作品が並んでいます。
20180721 162210
様々な作風ですが、共通する部分も多いように思えます。

中園孔二 「Untitled」
20180721 162454
再び白い線でダブルイメージを作っている作品。テーブルらしきものが見えるかな。背景には2人の人物らしき姿もいて、森でご飯でも食べているのではないか?と想像しましたが詳細は不明です。

中園孔二 「Untitled」
20180721 162526
こちらはドット絵のような表現の作品。中央にいるのは人物でしょうか。ぼんやりして見えるのが面白い。

中園孔二 「Untitled」
20180721 162559 20180721 162610
こちらもぼんやりした表現の作品。虚ろな表情のキャラクター達が可愛いようで怖いw 右の写真は作品の一部分のアップで、写真がブレてるわけではなくこういう表現になっています。

中園孔二 「Untitled」
20180721 162619
こちらはカラフルな木々を描いたような作品。また全然違う作風ですが、こちらは明るい雰囲気で好み。

中園孔二 「Untitled」
20180721 162650
こちらは色彩の帯を重ねたような抽象画。割とこういう路線のほうが好きですw


ということで、かなりインパクトのある画風の作品もありました。正直、好きか?というと怖すぎて苦手ですが、長らく記憶に残る個性があるのは間違いないと思います。残念ながらこれからという時に亡くなってしまいましたが、今後も紹介される機会もあるかと思います。存在感のある画家の個展でした。


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三沢厚彦 ANIMALS IN YOKOSUKA 【横須賀美術館】

前回ご紹介した横須賀美術館の展示を観る前に、同じ横須賀美術館の特別展「三沢厚彦 ANIMALS IN YOKOSUKA」も観てきました。この展示自体は撮影禁止ですが、美術館の周辺部で作品を撮ることが出来たのでそれを使いながらご紹介していこうと思います。

DSC01294.jpg

【展覧名】
 三沢厚彦 ANIMALS IN YOKOSUKA

【公式サイト】
 http://www.yokosuka-moa.jp/exhibit/kikaku/1802.html

【会場】横須賀美術館
【最寄】馬堀海岸駅/浦賀駅

【会期】2018年6月30日(土)~9月2日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
主に家族連れでお客さんは多かったですが、空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は三沢厚彦 氏という現代日本の彫刻家の個展で、クスノキを木彫りして着色した動物たちの彫刻などが並ぶ内容となっています。2017年に松濤美術館でも同様の展示が行われたので、多分それの巡回じゃないかな。松濤美術館の展示は見逃してしまったので、この機を狙っていたらチケットの懸賞が当たったので非常にラッキーでした。 展覧会には解説や章分けは特に無かったので、ざっくりと展覧会の様子と、会場周辺での写真を使ってご紹介していこうと思います。


まず展覧会の入口付近に木彫りの動物の像が並んでいました。
DSC01290.jpg
会場内は撮影不可ですが、エントランスは撮影できます。展覧会の中にも大体こんな感じで沢山の動物の像が並びます

こちらはシロクマ
DSC01283.jpg DSC01300.jpg
独特の表情と量感ある身体の表現が特徴的です。可愛らしくてちょっと素朴

こちらはユニコーン
DSC01289_20180813234638583.jpg
本物の馬ほどではないですが、大型の像で立派です。どの動物でも一目で三沢氏の作品と分かる個性があります。

こちらは山羊
DSC01288.jpg
先程のユニコーンにちょっと似てますね。この辺りは白っぽい動物が多いかも

彫刻だけでなく絵も飾ってありました。
DSC01286.jpg
後で絵画作品も展示されていましたが、画風も彫刻と似た描写となっています

こちらは見落としそうな位小さいリス。
DSC01313_20180813234645d14.jpg
よく手を前に出すポーズを取っているような気がします。

ミュージアムショップにも白ウサギがいました。
DSC01307_20180813234644703.jpg
やっぱり手を前に出しています。

こちらもウサギ。
DSC01316_201808132349057a8.jpg
色違いでポーズや形は白ウサギと似ています。

ついでに美術館の外にも熊がいました。
DSC01271.jpg
この熊も手を前にしてますね。表情も他の動物と共通しているように思います。

エントランスはこんな感じで、さっそく様々な動物が並んでいました。そして、展覧会に入るとパンダもあり、その後には粘土の動物(熊、虎、ワニ、リス、ユニコーンなど)もいました。これはアトリエを再現しているらしいので、木彫りする前に粘土で構想してるのかな?? 今回は解説がほぼ無いので詳細は不明です。

その後、先程の動物たちとは一味違った作品群が並びます。ツブツブみたいな突起が表面にびっしりと並んでいる「コロイドトンプ(彫刻ノオト)」「コロイドトンプ(TRANSFORM)」といった作品は、動物らしき形ですが現代アート的要素が強めでした。近くには縄文土器みたい作品もあります。

さらに奥の部屋には様々な生活用品や廃品のようなものを使った作品がいくつか並んでいました。半人半馬の像などの側面にはキン消しやカー消しのようなものも貼り付けられていて、ちょっとレトロな印象を受けるかな。見た目は異様な感じもするけど作者の人となりを感じる気がしました。タイトルが「彫刻家の棚(画家へのオマージュ)」や「彫刻家の棚(彫刻家へのオマージュ)」などとなっている作品もあったので、そう思えたのかも。

そして次の部屋からは動物が盛りだくさんです。部屋の中央に大きなライオンが立ち、たてがみはボリューム感ある表現となっていて威厳があります。近くには豹や猫などネコ科の動物もいて、可愛かったり野性的だったりで面白いです。素朴さを感じつつ、どこか哀愁のようなものも感じられるかな。動物に混じってやけにリアルなセミの彫刻なんかもありましたw

その次の部屋は大型の動物が集まる部屋で、シロサイ、象、キリンといった動物の像がありました。シロサイは実物大くらいあるのでその大きさにも驚かされます。やはりデフォルメぶりが特に良くて、自由で開放的な印象を受けました。 また、この部屋の壁面には絵画作品もズラッと絵画作品が並びます。彫刻を絵画にしたような感じで、彫り跡がマチエールになったような表現となっていました。


その次の部屋は熊だらけとなっていました。シロクマ、ツキノワグマなどが経ったり座ったり転げていたりします。壁面にはそのポーズと同じような絵画作品もありました。 大胆な彫りが熊の毛並みのように見えるのが面白く、ボリューム感のある身体つきと表情が熊の恐ろしくも愛嬌のある両面が表されているように思えました。

その先の通路には「アニマルハウス」名義の「カカオの森」という大型の壁画のような絵画があります。強い色彩で木々の中に沢山の動物がいる様子が描かれ、猫・マントヒヒ・鳥・猿など南方系の動物が多めです。中にはオカピらしき珍しい動物なんかもいました。赤やオレンジのカラーが特に目を鮮やかで、大型なこともあって見栄えがしました。
この近くには他の作家の絵や写真があり、森山大道の猫の写真など見覚えのある作品もありました。また、作りかけのオカピの像もあり、何故か色々なものが付けられていて足は1本にいくつもの足先が付いているなどちょっと不気味な感じもします。恐らく製作中なのだろうと思いますが、ボールが付けられていたり他の動物たちとは違った作風に思えました。

最後の部屋は再び動物たちの像のコーナーで、トナカイ(ヘラジカ?)やペガサスなど大型でずんぐりした体格の動物がいます。ペガサスは実際の馬よりも大きいんじゃないかな。他にはホワイトタイガーと聖獣の麒麟がいて、麒麟は鎮座した姿で龍のような角とペガサスのような羽とたてがみが付いていました。想像上の動物も同じ作風なので違和感がなく実在しそうな感じですw


ということで、沢山の動物の像を観ることができました。解説がないので意図を深く理解できた訳ではないですが、理屈抜きに楽しい展示だと思います。子供も沢山いて感嘆の声をあげていたので家族で楽しめる内容じゃないかな。この横須賀美術館は夏場は海とセットで楽しめる所にあるので、海遊びとセットで行ってみるのもよろしいかと思います。


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