Category | 過去の美術展 (2009年)
昨年末に武蔵野市立吉祥寺美術館へ「斎藤真一展 瞽女と郷愁の旅路」を観に行ってきました。100円で観られる展覧会でしたが、非常に濃い内容でかなり好みでした。

【展覧名】
斎藤真一展 瞽女と郷愁の旅路
【公式サイト】
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/data/kikaku/2009/saito/saito.html
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/
【会場】武蔵野市立吉祥寺美術館
【最寄】吉祥寺駅
【会期】
前期:2009年12月12日(土)~2010年01月17日(日)
後期:2010年01月20日(水)~02月21日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間40分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日16時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
以前、日本の美術館名品展で非常にインパクトのある「星になった瞽女(みさお瞽女の悲しみ)」を観て、強く心に残っていた画家だけに、この展覧の概要を見つけた時にすぐに観に行きたくなりました。そして、この展示でも心に訴えてくる作品が多くありました。 一応コーナーに分かれていたので、それに沿ってご紹介しようと思います。
なお、この展覧には前期・後期があるようで、リストによると半分くらいが入れ替わるようです。…と言っても事前にどの作品が後期とかあまり確認できないのが残念です。(一応、公式サイトでいくつかわかるようです。)
<郷愁/さすらい>
このコーナーは「郷愁」をテーマにシュールな感じの作品が多かったように思います。斎藤真一の様々な時代の作品が並び、ルーツを感じるコーナーでもありました。
「自画像(天城中学3年)」
旧制中学で3年だと15歳くらいかな? 緑と水色の顔の自画像です。簡素化されていてちょっと子供の絵みたいな雰囲気もしましたw
「風車(オランダ)」
乳白色と黒の2色が中心となっていて風車が描かれています。斎藤真一はパリに留学し、その先で藤田嗣治と懇意だったようですが、この作品は藤田の乳白色の時代の画風を思わせる作品でした。藤田や岸田劉生に憧れていたそうです。
「休憩」
6畳くらいの洋風の部屋の奥に棚が置かれ、ランプや皿が飾られています。また、その手前にはバイオリンとケースが無造作に床に置かれています。 そしてその部屋に異様な雰囲気を持たせているのが、右奥にある部屋に向かって探し物でもしているような裸婦の後姿です。裸なのに何故か黒いストッキング?だけは履いてるのが謎ですw 特に非現実的な物理法則はないのですが、不条理でシュールな雰囲気を感じました。
「道」 ★こちらで観られます
草原の中で一本道が奥に向かって伸びています。また、電柱が奥に延びて連なり、奥には鉄橋が見えます。その手前で横笛を吹く帽子を被った男性がいるのがちょっと奇妙です。 荒涼とした雰囲気なのに何故か懐かしい雰囲気がしました。結構心にきます。
「雪の日の来訪者」
ドアのない建物の中に傘を持った紳士がいて、左奥には裸婦が赤いランプの下で正座しています。室内にはバイオリン、蓄音機、トランペット、肖像画など様々なものがありますが、置かれ方や間隔に非現実感を覚えます。また、右奥の玄関?には浮かんで見える電灯と雪が見えて、ますます現実離れした不思議な感覚を覚えました。なお、このコーナーにある作品にはよく楽器や演奏者が出てきましたが、この作品の紳士と同じような人物が描かれた「さすらいの楽師」という作品もありました。そちらはバイオリンを持っていますが、この作品の紳士と同じポーズをしていました。
<越後瞽女日記>
このコーナーでは三味線の音楽が流れていました。恐らくこのコーナーが今回の展覧の肝になるところではないかと思います。この「瞽女」というのは「ごぜ」と読み、津軽三味線を持って遊芸して周る、日本版ジプシーとも言える盲目の女性達です。斎藤真一は藤田嗣治の勧めで北国を旅するようになり、そこで「瞽女」の存在に強く惹かれ、それを主題に多くの印象的な作品を残したようです。
参考:「瞽女」のwiki
「難波コトミ、五十嵐シズ」
目を閉じた2人の中年女性が赤いランプの下、静かな雰囲気で左右に並んでいます。2人とも少し微笑んでいるようにも見えました。
「お春の祈り」
赤い着物の女性が手で手を握り目を閉じて祈りを捧げているようです。まるで聖女のような面持ちが印象的です。左には木の向こうに落ちる真っ赤な夕陽があり、全体的に赤が多く郷愁を誘います。なお、このお春は勘吉という茶屋の住人で、様々なノンフィクションとフィクションの混じった物語があるようです。一時期男と暮らしていたそうで、美人ともザンギリ頭とも言われている女性です。その物語に沿った作品がいくつかありました。
この辺りのコーナーにくると、赤というよりは朱色の色彩の作品が多いのに気が付きます。斎藤真一は、朱と黒に日本の色彩の原点を感じていたようです。(確かに漆器や鳥居などは朱と黒が多いかも) 静かに内側に向かった、しっとり濡れた日本が潜む気がすると考えていたようで、「赤」というより「赫」という文字に惹かれていたそうです。その言葉通り、火のように鮮やかで目の底に焼きつくような「赫」が多用されています。こうした色彩は、盲目の瞽女から目が見えた頃の夕陽の思い出を聞いて、絵を描く上で一番大切なものを忘れていたと、目が覚めるような恥ずかしいような戸惑いを覚えた経験からきているそうです。「赫い陽の幻影は彼女達そのもの、色とは?フォルムとは?絵画とは?を問いかける」と解説がありました。色に人生までも盛り込むほどですので、心を掴まれるのはそれに起因しているのかも?と思いながら観ていました。
「星になった瞽女(みさお瞽女の悲しみ)」 ★こちらで観られます
多分、日本の美術館名品展で観た作品と同じだと思います(似ている作品もありそうなので憶測ですが…) 雪原で正座して、目に手を当て泣いている瞽女が描かれています。頭が異様に大きく手が白く細いのが悲しみを強調しているような気がします。これだけ強烈に感情を感じるのはムンク以来かも。宙に輝く1つ星と、地平線の赤も印象に残ります。
「陽の雪野」 ★こちらで観られます
今回のポスターの作品。これが瞽女さんの思い出の中の夕陽なのかな? 雪原に落ちる夕陽を描いた作品で、陽は赤黒くなってきています。寂しさとも郷愁とも異なる何か神聖なものを感じる気がしました。
<明治吉原細見記>
斎藤真一は養祖母が遊女だったという話を聞いて、どうしても遊郭を見てみたいと思って、当時の写真や地図を集めていたそうです。それらを観て夢想していたようですが、初めて実際に行ったらイメージとだいぶ違っていたそうです。ここではそうした吉原の悲哀をテーマにした作品が並んでいました。
「軽気球」 ★こちらで観られます
気球をバックに柵に腰掛ける遊女が描かれています、肩の着物が乱れ、生気の抜けたような顔をしていますが妖艶さがありました。
「紅い灯の街」
全体的に赤く染まった遊郭街が描かれています。人力車や女たちも見えます。赤い灯りが沢山並び、妖しくも哀しい雰囲気がありました。
<街角>
後期展示のようです。
<その他>
その他のコーナーはどこらへんかわからなかったw コーナーじゃないのかも。
ということで、これで100円??というくらい素晴らしい内容でした。機会があれば後期も観に行きたいくらいです。かなり心を掴まれる画家を知ることが出来て良かったです。500円のパンフレットも買いました。
斎藤真一展以外にも2つ、企画展をやっています。両方さらっとしかみませんでしたが…。
<萩原英雄記念室>
萩原英雄のイソップ絵噺 (2009年11月12日(木)~2010年2月21日(日))
萩原英雄の作品は山梨県立美術館の常設でも何点か観たかな。単色もしくは2色くらいの版画でシャガールっぽい雰囲気も感じました。イソップ童話と合っているように思いました。
<浜口陽三記念室>
浜口陽三 生誕百年 partⅢ パリからサンフランシスコへ (2009年11月12日(木)~2010年2月21日(日))
こちらは本当にさらっと観た程度なので、感想は割愛。
ということで、かなり満足して出てきました。空いていてじっくり観られるのも好印象でした。


【展覧名】
斎藤真一展 瞽女と郷愁の旅路
【公式サイト】
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/data/kikaku/2009/saito/saito.html
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/
【会場】武蔵野市立吉祥寺美術館
【最寄】吉祥寺駅
【会期】
前期:2009年12月12日(土)~2010年01月17日(日)
後期:2010年01月20日(水)~02月21日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間40分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日16時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
以前、日本の美術館名品展で非常にインパクトのある「星になった瞽女(みさお瞽女の悲しみ)」を観て、強く心に残っていた画家だけに、この展覧の概要を見つけた時にすぐに観に行きたくなりました。そして、この展示でも心に訴えてくる作品が多くありました。 一応コーナーに分かれていたので、それに沿ってご紹介しようと思います。
なお、この展覧には前期・後期があるようで、リストによると半分くらいが入れ替わるようです。…と言っても事前にどの作品が後期とかあまり確認できないのが残念です。(一応、公式サイトでいくつかわかるようです。)
<郷愁/さすらい>
このコーナーは「郷愁」をテーマにシュールな感じの作品が多かったように思います。斎藤真一の様々な時代の作品が並び、ルーツを感じるコーナーでもありました。
「自画像(天城中学3年)」
旧制中学で3年だと15歳くらいかな? 緑と水色の顔の自画像です。簡素化されていてちょっと子供の絵みたいな雰囲気もしましたw
「風車(オランダ)」
乳白色と黒の2色が中心となっていて風車が描かれています。斎藤真一はパリに留学し、その先で藤田嗣治と懇意だったようですが、この作品は藤田の乳白色の時代の画風を思わせる作品でした。藤田や岸田劉生に憧れていたそうです。
「休憩」
6畳くらいの洋風の部屋の奥に棚が置かれ、ランプや皿が飾られています。また、その手前にはバイオリンとケースが無造作に床に置かれています。 そしてその部屋に異様な雰囲気を持たせているのが、右奥にある部屋に向かって探し物でもしているような裸婦の後姿です。裸なのに何故か黒いストッキング?だけは履いてるのが謎ですw 特に非現実的な物理法則はないのですが、不条理でシュールな雰囲気を感じました。
「道」 ★こちらで観られます
草原の中で一本道が奥に向かって伸びています。また、電柱が奥に延びて連なり、奥には鉄橋が見えます。その手前で横笛を吹く帽子を被った男性がいるのがちょっと奇妙です。 荒涼とした雰囲気なのに何故か懐かしい雰囲気がしました。結構心にきます。
「雪の日の来訪者」
ドアのない建物の中に傘を持った紳士がいて、左奥には裸婦が赤いランプの下で正座しています。室内にはバイオリン、蓄音機、トランペット、肖像画など様々なものがありますが、置かれ方や間隔に非現実感を覚えます。また、右奥の玄関?には浮かんで見える電灯と雪が見えて、ますます現実離れした不思議な感覚を覚えました。なお、このコーナーにある作品にはよく楽器や演奏者が出てきましたが、この作品の紳士と同じような人物が描かれた「さすらいの楽師」という作品もありました。そちらはバイオリンを持っていますが、この作品の紳士と同じポーズをしていました。
<越後瞽女日記>
このコーナーでは三味線の音楽が流れていました。恐らくこのコーナーが今回の展覧の肝になるところではないかと思います。この「瞽女」というのは「ごぜ」と読み、津軽三味線を持って遊芸して周る、日本版ジプシーとも言える盲目の女性達です。斎藤真一は藤田嗣治の勧めで北国を旅するようになり、そこで「瞽女」の存在に強く惹かれ、それを主題に多くの印象的な作品を残したようです。
参考:「瞽女」のwiki
「難波コトミ、五十嵐シズ」
目を閉じた2人の中年女性が赤いランプの下、静かな雰囲気で左右に並んでいます。2人とも少し微笑んでいるようにも見えました。
「お春の祈り」
赤い着物の女性が手で手を握り目を閉じて祈りを捧げているようです。まるで聖女のような面持ちが印象的です。左には木の向こうに落ちる真っ赤な夕陽があり、全体的に赤が多く郷愁を誘います。なお、このお春は勘吉という茶屋の住人で、様々なノンフィクションとフィクションの混じった物語があるようです。一時期男と暮らしていたそうで、美人ともザンギリ頭とも言われている女性です。その物語に沿った作品がいくつかありました。
この辺りのコーナーにくると、赤というよりは朱色の色彩の作品が多いのに気が付きます。斎藤真一は、朱と黒に日本の色彩の原点を感じていたようです。(確かに漆器や鳥居などは朱と黒が多いかも) 静かに内側に向かった、しっとり濡れた日本が潜む気がすると考えていたようで、「赤」というより「赫」という文字に惹かれていたそうです。その言葉通り、火のように鮮やかで目の底に焼きつくような「赫」が多用されています。こうした色彩は、盲目の瞽女から目が見えた頃の夕陽の思い出を聞いて、絵を描く上で一番大切なものを忘れていたと、目が覚めるような恥ずかしいような戸惑いを覚えた経験からきているそうです。「赫い陽の幻影は彼女達そのもの、色とは?フォルムとは?絵画とは?を問いかける」と解説がありました。色に人生までも盛り込むほどですので、心を掴まれるのはそれに起因しているのかも?と思いながら観ていました。
「星になった瞽女(みさお瞽女の悲しみ)」 ★こちらで観られます
多分、日本の美術館名品展で観た作品と同じだと思います(似ている作品もありそうなので憶測ですが…) 雪原で正座して、目に手を当て泣いている瞽女が描かれています。頭が異様に大きく手が白く細いのが悲しみを強調しているような気がします。これだけ強烈に感情を感じるのはムンク以来かも。宙に輝く1つ星と、地平線の赤も印象に残ります。
「陽の雪野」 ★こちらで観られます
今回のポスターの作品。これが瞽女さんの思い出の中の夕陽なのかな? 雪原に落ちる夕陽を描いた作品で、陽は赤黒くなってきています。寂しさとも郷愁とも異なる何か神聖なものを感じる気がしました。
<明治吉原細見記>
斎藤真一は養祖母が遊女だったという話を聞いて、どうしても遊郭を見てみたいと思って、当時の写真や地図を集めていたそうです。それらを観て夢想していたようですが、初めて実際に行ったらイメージとだいぶ違っていたそうです。ここではそうした吉原の悲哀をテーマにした作品が並んでいました。
「軽気球」 ★こちらで観られます
気球をバックに柵に腰掛ける遊女が描かれています、肩の着物が乱れ、生気の抜けたような顔をしていますが妖艶さがありました。
「紅い灯の街」
全体的に赤く染まった遊郭街が描かれています。人力車や女たちも見えます。赤い灯りが沢山並び、妖しくも哀しい雰囲気がありました。
<街角>
後期展示のようです。
<その他>
その他のコーナーはどこらへんかわからなかったw コーナーじゃないのかも。
ということで、これで100円??というくらい素晴らしい内容でした。機会があれば後期も観に行きたいくらいです。かなり心を掴まれる画家を知ることが出来て良かったです。500円のパンフレットも買いました。
斎藤真一展以外にも2つ、企画展をやっています。両方さらっとしかみませんでしたが…。
<萩原英雄記念室>
萩原英雄のイソップ絵噺 (2009年11月12日(木)~2010年2月21日(日))
萩原英雄の作品は山梨県立美術館の常設でも何点か観たかな。単色もしくは2色くらいの版画でシャガールっぽい雰囲気も感じました。イソップ童話と合っているように思いました。
<浜口陽三記念室>
浜口陽三 生誕百年 partⅢ パリからサンフランシスコへ (2009年11月12日(木)~2010年2月21日(日))
こちらは本当にさらっと観た程度なので、感想は割愛。
ということで、かなり満足して出てきました。空いていてじっくり観られるのも好印象でした。
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先日、上野の東京国立博物館に行って、「国宝 土偶展」を観に行ってきました。展覧会の名前から結構地味な印象というか、いつも置いてあるじゃん…と思いつつも、そういえば土偶って何なんだろ?という疑問から観に行く気が起きました。

【展覧名】
文化庁海外展 大英博物館帰国記念 「国宝 土偶展」
【公式サイト】
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=6908
【会場】東京国立博物館 本館特別5室
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2009年12月15日(火)~2010年2月21日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
サブタイトルにあるように、この展示はイギリスの大英博物館で9/10~11/22に展示され好評を博した土偶展の帰国記念展示となっていて、結論から言うと予想以上に楽しめる内容でした。展示室は本館の1Fの中央奥の部屋(最近、アジアの仏像があったところです。)と決して広いわけではありませんが、70点あまりの土偶などが並んでいました。まだ始まったばかりの展示なのに結構な混み具合で、観るのに前の人が観終わるのを待つような時もありました。
色々と土偶について知ることができる内容でしたので、今回も章に沿って気に入った作品を通じてご紹介します。
<第1章 土偶のかたち>
まず、土偶とは何か?を改めて知ることができるコーナーです。土偶の使われ方は完全に解明されているわけではないようですが、いくつかの説があるようで、
・安産/子孫繁栄の祈願
・自然界の動植物の繁殖/豊穣の祈願
・病気や怪我の治癒/身代わり
・祖先の姿。生と死の象徴
・死者の鎮魂と再生の祈願
・護符/呪物
といった目的が考えられているようです。このコーナーでは最初期の土偶から後年まで幅広い時代の様々な土偶が展示されていました。
長野県茅野市中ッ原遺跡出土 「仮面土偶」 ★こちらで観られます
いきなりインパクトのある土偶です。逆三角形▽の顔を持つ土偶で、足は太く丸みを帯びて安定感があり、ガンダムのジオングが思い浮かびましたw 仮面はキツネのような顔にも見えるかな。よく観ると服のような文様と渦巻のような文様が多用されていました。
茨城県利根町花輪台貝塚出土 「発生期の土偶」
これは最初期の土偶でBC7000年~BC4000年くらいのものです。腰のくびれで女性と分かります。その形からバイオリン型土偶とも呼ばれているそうです。かなり小さくて、まだそんなに凝ったつくりではないように思いました。
ちなみに、土偶はほぼ女性なのだとか。これも女性なの?っていう作品も多いですが、よく観ると乳房が出ているなど女性と分かる特徴を持っています。また、この作品のように初期の土偶は関東東部など一部の地域でしか作られていなかったそうです。
青森県青森市三内丸山遺跡出土 「十字形土偶」 ★こちらで観られます
その名の通り頭と手足で十字形になっていて、磔刑にされたムンクの叫びという感じかなw 叫ぶような顔が印象的でした。
山形県舟形町西ノ前遺跡出土 「立像土偶」 ★こちらで観られます
先進的なデザインで、現代アートのようなすらっとした流線型が美しい作品。横から見るとお尻が出っ張っていて、手はなく(肩しかない?) 顔も目っぽい穴しかありません。 何故無いのか不明ですが、土偶は性別を越えた存在なので、作られなかったとも考えられていると解説されていました。(って、あれ?土偶はほぼ女性って言ってたばかりでは?w)
山梨県笛吹市上黒駒出土 「土偶」 ★こちらで観られます
猫顔でにゅっと長い腕を胸の前に出した土偶。その指は何故か3本しかありません。にゃんこ顔で可愛いですが、宇宙人かも!?と思わせるものがありましたw
群馬県東吾妻町郷原出土 「ハート形土偶」 ★こちらで観られます
これは教科書にも載っていた有名な土偶ですね。何度か観たことがあります。何故ハート型をしているのか解説はありませんでしたが、こうしたハート型の土偶はいくつかあるらしく、この展示でも何点か観ることが出来ました。縄文人の豊かな想像力を感じる作品です。
埼玉県さいたま市真福寺貝塚出土 「みみずく土偶」
これはミミズク風と紹介されていましたが、私は南米辺りの神像を彷彿しました。結構凝ったデザインなのに何か共通するものを感じました。
秋田県大館市塚ノ下遺跡出土 「土偶」
これはどうみてもグレイタイプの宇宙人のような顔ですw アーモンド状の黒い目は天然のアスファルトで入れているのだとか。土偶=宇宙人像説を唱える人の気持ちがわからなくもないw
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土 「遮光器土偶」 ★こちらで観られます
これも教科書に載っていたし、最も有名な土偶かもしれません。この博物館で常設展示されていたやつだと思います。左足がかけていますが、蛙みたいで大きな遮光器をつけたような顔が独特です。 ちなみに、これを名づけた人が、イヌイット達が使う遮光器に似ていることから遮光器土偶と呼んだようですが、遺跡からは遮光器は見つかっていないので、遮光器ではないようです。 なんでこんなデザインにしたのか?謎です。そういえばアラハバキ(荒覇吐)はこの土偶と関係があるのかも気になるところです。
<第2章 土偶芸術のきわみ>
このコーナーは3点しかありません。と言うのも、土偶は18000点程度見つかっているようですが、その中で国宝指定されている土偶はたった3点で、このコーナーではその3点とも観ることが出来ました。それだけこの展覧会は貴重な機会なのです。
長野県茅野市棚畑遺跡出土 「縄文のビーナス」 ★こちらで観られます
曲線の多い、ふくよかな女性を思わせる土偶で、その美しさから「縄文のビーナス」と呼ばれています。頭の上には渦巻き状の文様があり、これは髪を結っているのを表現しているようです。また、下半身はどっしりしてお腹が出ている様子は妊婦のようでした。安産祈願のために作ったのかな? その曲線と簡略化は近現代のアートのようでした。
青森県八戸市風張1遺跡出土 「合掌土偶」 ★こちらで観られます
今回特に驚いた作品で、体育座りで合掌するハート型の顔の土偶です。神に祈っているとかお産をする姿とか様々な説があるようです。天然のアスファルトを接着剤として使い、補修されているのが確認されていて、大切に扱われていたことが想像されます。細部まで細かい文様がついていたのも凝っていて驚きました。
北海道函館市著保内野遺跡出土 「中空土偶」 ★こちらで観られます
結構大きな中が空っぽの土偶です。これだけの大きさのものを空にするのは高度な技術を要するようです。体には細かい文様がついていて、まるでズボンを履いているようにも見えます。また、黒漆が塗られていたという解説もありました。 よく観ると頭と両足の間に穴があいていて、これは空気を通して焼き上げるためのものではないかと思われているようです。ここまでくると完全に芸術品ですね。
<第3章 土偶の仲間たち>
最後のコーナーは土器や土面、動物を象った土偶っぽいものが紹介されていました。
群馬県渋川市道訓前遺跡出土 「深鉢形土器」
大きな土器です。上に取っ手のような輪が4つ付いていて、胴部側面には凹凸で模様が描かれています。これは4人が手を繋いだ姿を配置しているといわれているらしいですが、まったくそうは見えませんでした。 かなり手の込んだ土器であるのは確かでした。
最後にはイノシシの姿の土偶?などもあり可愛らしかったです。また、地下のミュージアムショップの前では5分程度の解説映像があり、土偶はわざと壊されているものもあると紹介されていました。身代わり説はここから来ているんでしょうね。
ということで、予想よりかなり楽しめる内容でした。こうして見ると縄文人の美的センス、発想力には驚かされるばかりです。発想に乏しい私は、すぐに宇宙人説に飛びつきたくなりましたw 何千年も経っているのに斬新に感じます。お勧めです。


【展覧名】
文化庁海外展 大英博物館帰国記念 「国宝 土偶展」
【公式サイト】
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=6908
【会場】東京国立博物館 本館特別5室
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2009年12月15日(火)~2010年2月21日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
サブタイトルにあるように、この展示はイギリスの大英博物館で9/10~11/22に展示され好評を博した土偶展の帰国記念展示となっていて、結論から言うと予想以上に楽しめる内容でした。展示室は本館の1Fの中央奥の部屋(最近、アジアの仏像があったところです。)と決して広いわけではありませんが、70点あまりの土偶などが並んでいました。まだ始まったばかりの展示なのに結構な混み具合で、観るのに前の人が観終わるのを待つような時もありました。
色々と土偶について知ることができる内容でしたので、今回も章に沿って気に入った作品を通じてご紹介します。
<第1章 土偶のかたち>
まず、土偶とは何か?を改めて知ることができるコーナーです。土偶の使われ方は完全に解明されているわけではないようですが、いくつかの説があるようで、
・安産/子孫繁栄の祈願
・自然界の動植物の繁殖/豊穣の祈願
・病気や怪我の治癒/身代わり
・祖先の姿。生と死の象徴
・死者の鎮魂と再生の祈願
・護符/呪物
といった目的が考えられているようです。このコーナーでは最初期の土偶から後年まで幅広い時代の様々な土偶が展示されていました。
長野県茅野市中ッ原遺跡出土 「仮面土偶」 ★こちらで観られます
いきなりインパクトのある土偶です。逆三角形▽の顔を持つ土偶で、足は太く丸みを帯びて安定感があり、ガンダムのジオングが思い浮かびましたw 仮面はキツネのような顔にも見えるかな。よく観ると服のような文様と渦巻のような文様が多用されていました。
茨城県利根町花輪台貝塚出土 「発生期の土偶」
これは最初期の土偶でBC7000年~BC4000年くらいのものです。腰のくびれで女性と分かります。その形からバイオリン型土偶とも呼ばれているそうです。かなり小さくて、まだそんなに凝ったつくりではないように思いました。
ちなみに、土偶はほぼ女性なのだとか。これも女性なの?っていう作品も多いですが、よく観ると乳房が出ているなど女性と分かる特徴を持っています。また、この作品のように初期の土偶は関東東部など一部の地域でしか作られていなかったそうです。
青森県青森市三内丸山遺跡出土 「十字形土偶」 ★こちらで観られます
その名の通り頭と手足で十字形になっていて、磔刑にされたムンクの叫びという感じかなw 叫ぶような顔が印象的でした。
山形県舟形町西ノ前遺跡出土 「立像土偶」 ★こちらで観られます
先進的なデザインで、現代アートのようなすらっとした流線型が美しい作品。横から見るとお尻が出っ張っていて、手はなく(肩しかない?) 顔も目っぽい穴しかありません。 何故無いのか不明ですが、土偶は性別を越えた存在なので、作られなかったとも考えられていると解説されていました。(って、あれ?土偶はほぼ女性って言ってたばかりでは?w)
山梨県笛吹市上黒駒出土 「土偶」 ★こちらで観られます
猫顔でにゅっと長い腕を胸の前に出した土偶。その指は何故か3本しかありません。にゃんこ顔で可愛いですが、宇宙人かも!?と思わせるものがありましたw
群馬県東吾妻町郷原出土 「ハート形土偶」 ★こちらで観られます
これは教科書にも載っていた有名な土偶ですね。何度か観たことがあります。何故ハート型をしているのか解説はありませんでしたが、こうしたハート型の土偶はいくつかあるらしく、この展示でも何点か観ることが出来ました。縄文人の豊かな想像力を感じる作品です。
埼玉県さいたま市真福寺貝塚出土 「みみずく土偶」
これはミミズク風と紹介されていましたが、私は南米辺りの神像を彷彿しました。結構凝ったデザインなのに何か共通するものを感じました。
秋田県大館市塚ノ下遺跡出土 「土偶」
これはどうみてもグレイタイプの宇宙人のような顔ですw アーモンド状の黒い目は天然のアスファルトで入れているのだとか。土偶=宇宙人像説を唱える人の気持ちがわからなくもないw
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土 「遮光器土偶」 ★こちらで観られます
これも教科書に載っていたし、最も有名な土偶かもしれません。この博物館で常設展示されていたやつだと思います。左足がかけていますが、蛙みたいで大きな遮光器をつけたような顔が独特です。 ちなみに、これを名づけた人が、イヌイット達が使う遮光器に似ていることから遮光器土偶と呼んだようですが、遺跡からは遮光器は見つかっていないので、遮光器ではないようです。 なんでこんなデザインにしたのか?謎です。そういえばアラハバキ(荒覇吐)はこの土偶と関係があるのかも気になるところです。
<第2章 土偶芸術のきわみ>
このコーナーは3点しかありません。と言うのも、土偶は18000点程度見つかっているようですが、その中で国宝指定されている土偶はたった3点で、このコーナーではその3点とも観ることが出来ました。それだけこの展覧会は貴重な機会なのです。
長野県茅野市棚畑遺跡出土 「縄文のビーナス」 ★こちらで観られます
曲線の多い、ふくよかな女性を思わせる土偶で、その美しさから「縄文のビーナス」と呼ばれています。頭の上には渦巻き状の文様があり、これは髪を結っているのを表現しているようです。また、下半身はどっしりしてお腹が出ている様子は妊婦のようでした。安産祈願のために作ったのかな? その曲線と簡略化は近現代のアートのようでした。
青森県八戸市風張1遺跡出土 「合掌土偶」 ★こちらで観られます
今回特に驚いた作品で、体育座りで合掌するハート型の顔の土偶です。神に祈っているとかお産をする姿とか様々な説があるようです。天然のアスファルトを接着剤として使い、補修されているのが確認されていて、大切に扱われていたことが想像されます。細部まで細かい文様がついていたのも凝っていて驚きました。
北海道函館市著保内野遺跡出土 「中空土偶」 ★こちらで観られます
結構大きな中が空っぽの土偶です。これだけの大きさのものを空にするのは高度な技術を要するようです。体には細かい文様がついていて、まるでズボンを履いているようにも見えます。また、黒漆が塗られていたという解説もありました。 よく観ると頭と両足の間に穴があいていて、これは空気を通して焼き上げるためのものではないかと思われているようです。ここまでくると完全に芸術品ですね。
<第3章 土偶の仲間たち>
最後のコーナーは土器や土面、動物を象った土偶っぽいものが紹介されていました。
群馬県渋川市道訓前遺跡出土 「深鉢形土器」
大きな土器です。上に取っ手のような輪が4つ付いていて、胴部側面には凹凸で模様が描かれています。これは4人が手を繋いだ姿を配置しているといわれているらしいですが、まったくそうは見えませんでした。 かなり手の込んだ土器であるのは確かでした。
最後にはイノシシの姿の土偶?などもあり可愛らしかったです。また、地下のミュージアムショップの前では5分程度の解説映像があり、土偶はわざと壊されているものもあると紹介されていました。身代わり説はここから来ているんでしょうね。
ということで、予想よりかなり楽しめる内容でした。こうして見ると縄文人の美的センス、発想力には驚かされるばかりです。発想に乏しい私は、すぐに宇宙人説に飛びつきたくなりましたw 何千年も経っているのに斬新に感じます。お勧めです。
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以前、サントリー美術館の「清方/Kiyokata ノスタルジア―名品でたどる 鏑木清方の美の世界―」をご紹介しましたが、また観てきました。全部で8回の入れ替えがあるのですが、特に前半4回と後半4回で入れ替えが大きく、趣旨は同じでも前回行った時とはかなり異なる内容でした。 …勿論今回も年間パスで入場しました。こういう模様替えの時に最も威力を発揮しますw
前回の記事はこちら。
写真は使いまわしですみません(><)

【展覧名】
清方/Kiyokata ノスタルジア―名品でたどる 鏑木清方の美の世界―
【公式サイト】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/09vol06/index.html
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2009年11月18日(水)~2010年1月11日(月・祝)
※8回の展示替えがあります。
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日18時半頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
細かい話は前回も書いたので、今回は単に気に入った作品をご紹介しようかと思います。素晴らしい作品が次々と現れる内容でした
今回も章の区切りをメモっていなかったのですが、構成は以下のようになっています。
<第一章 近代日本画家としての足跡>
<第二章 近世から近代へ-人物画の継承者としての清方>
<第三章 「市民の風懐に遊ぶ」-清方が生み出す回顧的風俗画>
<第四章 清方が親しんだ日本美術>
<第五章 清方の仕事-スケッチ、デザイン>
鏑木清方 「秋宵」
結婚した年に奥さんを元にして描いた作品。ハイカラな袴姿の女学生が洋風の柱を背にしてバイオリンを弾いています。その左薬指には指輪をつけていました。色白ですらっとした立ち姿が鏑木清方の作品らしい清清しい雰囲気でした。奥さんは自分が清方の作品に影響を与えるのを自覚していて、常に立ち居振る舞いに気をつけていたそうです。そうした奥さんをモデルにした作品は多々観られるようです。
鏑木清方 「朝涼」 ★こちらで観られます
緑の草原を背景に横向きで歩く着物の女性です。髪は三つ編みで、左手で髪を触りながら歩いているようです。足元には蓮の花も見られ、頭の上には薄く白い月が浮かんでいます。朝の散歩かな?清楚で生気を感じました。 これは金沢八景の別荘付近で歩く自分の娘を描いたそうで、この作品を描くことでスランプを脱することができたのだとか
鏑木清方 「遊女」
泉鏡花の「通夜物語」の遊女を描いているそうです。前回観た「妖魚」も泉鏡花に影響されて描かれた作品でしたが、これは「妖魚」と同じ場所に代わりに展示されていました。遊女が前のめりに火鉢にもたれかかり、少し見上げるようなポーズをしています。気だるい妖艶な雰囲気が漂い、顔からは憂いも感じます。少し口をあけているのは誰かと会話しているのかな。着物の鮮やかさも見所でした。
鏑木清方 「暮雲低迷」
風景画の屏風です。一時期風景画も描いていたようです。これは箱根の温泉宿を描いていて、周りにはモヤが立ち込めていてまるで仙境のようになっています。手前には桜の花が咲き、宿のベランダ?では着物の女性が外を眺めています。また宿の前では籠に乗って温泉宿に今まさに到着した客も描かれていました。実際にはこんなに盛り沢山な風景は無いとは思いますが、風景というよりはその場の人の動きなどが中心になっているようでした。清方は「人のいない風景画は死んでいるようだ」と言って、人が主役に見える風景画を描いたそうです。
鏑木清方 「松と梅」
2枚セットの大きな絵です。右には松を背景にした青い服の女性、左には梅を背景に赤い服の女性が描かれています。これらには寛永期などの風俗画の技法が用いられていると解説されていました。また、余白が大きく取られていたのが印象的でした。
鏑木清方 「江の島 箱根」
左右2枚セットの作品。右の作品は背景が海で江ノ島っぽいです。薄い橙色の着物が目を引く女性が描かれ、振り返るポーズで頭の上に傘、手にはキセルを持っています。それらから、生き生きとした動きを感じました。
左の作品は、両手で髪を触り、手ぬぐいを噛んでいる女性が描かれています。多分、風呂上りで髪を直しているのかな。ポーズが可愛かったです。
鏑木清方 「初冬の雨」
後ろを向いて傘を差した女性と、障子を開けて会話している女性が描かれています。足元にはサザンカが咲き、冬であることがうかがえます。また、家の中の女性は袖の中に手を入れていて寒さが伝わってくるようでした。なお、この障子を開けた座敷の中と戸外の人という構図は、鈴木春信の浮世絵によく出てくる構図らしいです。影響を受けているんですね。
懐月堂度辰「女形図」
今回も、影響を受けた先人の作品も参考展示されています。
これはよく観る機会がある懐月堂の作品。(多分、着物は別物だとは思いますが) カラフルで輪郭が太く、デフォルメされた感じの美人画です。曲線が多くて優美さがあります。
勝川春章 「花下の遊女」
これも参考展示です。群青色の内掛けを着た遊女とお付の禿が、足を止めてこちらに振り返っています。声をかけられたような感じでした。頭上には満開の桜も描かれ可憐な雰囲気の作品でした。
鏑木清方 「新年附録時代美人風俗雙六 (色刷付録『文藝倶樂部』第19 巻第1号)」
全体的に赤い色が多めの、美人画で作られたスゴロクです。玉藻の前があがりなのは分かりましたが、どういう順序で進むのか全然わからなかったw というかスゴロクっぽくなかったかも。 美人は歌舞伎を題材にしているらしく艶やかかつ華やかでした。
鏑木清方 「初冬の花」
障子を開けて足元のサザンカを見る美女が描かれています。山吹色で雪のような模様のついた着物を着ていて、着物の中に手を隠して寒そうでした。初々しい感じの作品です。
伝 尾形光琳 「秋草図屏風」
清方は琳派からも影響を受けていたので、尾形光琳作と伝わる屏風もありました。厚く盛り上がった白い花など秋の草花が描かれていました。少し色が落ち着いていて、見た感じ、私の持っている光琳の作品とはちょっとイメージと違っているように思えました(特に解説が無かったので私の勘ですw)
ここら辺で4Fは終わりで3Fへ。
3Fの最初には前回同様、東北新聞のコピー、製作過程、イーゼル、絵の具皿、団扇、雑誌の表紙、袱紗、風呂敷などがありました。遺愛品は変わっていないようですが、それ以外は前回と入れ替わっていました。
鏑木清方 「朝夕安居」
明治の頃の夏の日の夜を描いた絵ですが、実際には太平洋戦争の後に描かれた作品です。体を洗う女性や、ランプの手入れをする女性、夜の茶屋で星を眺める男性や、女性店員に声をかける男性など、当時の平和でのんびりした様子を描いています。平和の尊さ、何気ない日々の幸せを表現しているようでした。
鏑木清方 「保名」
この辺には扇形を貼り付けた掛け軸などが並んでいました。歌舞伎をテーマにしているようです。これは恋人を亡くし狂人となった男の話を描いたもので、昔の病人がする鉢巻のようなものを頭に巻き、仰ぎ見るようなポーズで描かれていました。悲しくも恐ろしさを感じます。
鏑木清方 「道成寺(山づくし)・鷺娘」
大きな屏風です。右隻は歌舞伎の道成寺の演目が主題で、胸に鼓を持って身をそらす女性が描かれています。緑のモミジ模様の着物が華やかですが妖しい雰囲気が漂います。(この女性は後に蛇に変化します。)
左隻はさぎ娘が主題で、町娘に化けた白鷺が描かれています。全身白い服と頭に白布をまとい清楚さがありました。清方はこうした変化物が特に好みの主題だったようです。
鏑木清方 「明治風俗十二ヶ月(七月~十二月)」
これは前回もご紹介した作品ですが、今度は7~12月が展示されていました。特に気に入ったのは8月と12月(何月か書かれていないので多分ですw) 8月は「氷」と描かれた暖簾の下で、着物の女性が氷をかんなで削っているように見えました。涼しげな装いと夏の雰囲気が爽やかでした。12月は雪の降る中、人力車から降りる女性と車夫(引く人)が描かれています。マスクのように口まで布で覆った女性を下ろそうと車夫は後ろ向きになっていますが、背中には雪が積もり始めていました。また、背景のガス灯の光もしんしんと降り続ける雪の静けさを感じさせるようでした。寒そうですが風情のある作品でした。
鏑木清方 「白雨」
白雨というのはにわか雨のことです。薄く透き通る緑の小袖を着た女性(中に青い小袖を着ているのが透けて見える)が雨戸を閉めようとしています。斜めに雨の様な線が入り、飛沫がはねているのがわかります。 女性のうなじ辺りには強風に煽られた簾が揺れているようで、簾越しにうなじが透けて見えます。透ける着物と透ける簾が重なっている部分もあり、その表現に驚きました。
水野年方 「婦有喜倶菜」
最後にも参考展示があります。これはドレスを着た女性達が描かれた浮世絵です。見た目は浮世絵なのにドレスを着ている…。洋の東西が混ざったような面白い絵でした。
ということで、今回もだいぶ満足しました。余裕があればもう一度行くかもしれません。妖魚などもう一度観たかったなあ…。もう半分しか見られませんが、きっちり押さえて後々まで覚えておきたい美術展です。
前回の記事はこちら。
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【展覧名】
清方/Kiyokata ノスタルジア―名品でたどる 鏑木清方の美の世界―
【公式サイト】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/09vol06/index.html
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2009年11月18日(水)~2010年1月11日(月・祝)
※8回の展示替えがあります。
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日18時半頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
細かい話は前回も書いたので、今回は単に気に入った作品をご紹介しようかと思います。素晴らしい作品が次々と現れる内容でした
今回も章の区切りをメモっていなかったのですが、構成は以下のようになっています。
<第一章 近代日本画家としての足跡>
<第二章 近世から近代へ-人物画の継承者としての清方>
<第三章 「市民の風懐に遊ぶ」-清方が生み出す回顧的風俗画>
<第四章 清方が親しんだ日本美術>
<第五章 清方の仕事-スケッチ、デザイン>
鏑木清方 「秋宵」
結婚した年に奥さんを元にして描いた作品。ハイカラな袴姿の女学生が洋風の柱を背にしてバイオリンを弾いています。その左薬指には指輪をつけていました。色白ですらっとした立ち姿が鏑木清方の作品らしい清清しい雰囲気でした。奥さんは自分が清方の作品に影響を与えるのを自覚していて、常に立ち居振る舞いに気をつけていたそうです。そうした奥さんをモデルにした作品は多々観られるようです。
鏑木清方 「朝涼」 ★こちらで観られます
緑の草原を背景に横向きで歩く着物の女性です。髪は三つ編みで、左手で髪を触りながら歩いているようです。足元には蓮の花も見られ、頭の上には薄く白い月が浮かんでいます。朝の散歩かな?清楚で生気を感じました。 これは金沢八景の別荘付近で歩く自分の娘を描いたそうで、この作品を描くことでスランプを脱することができたのだとか
鏑木清方 「遊女」
泉鏡花の「通夜物語」の遊女を描いているそうです。前回観た「妖魚」も泉鏡花に影響されて描かれた作品でしたが、これは「妖魚」と同じ場所に代わりに展示されていました。遊女が前のめりに火鉢にもたれかかり、少し見上げるようなポーズをしています。気だるい妖艶な雰囲気が漂い、顔からは憂いも感じます。少し口をあけているのは誰かと会話しているのかな。着物の鮮やかさも見所でした。
鏑木清方 「暮雲低迷」
風景画の屏風です。一時期風景画も描いていたようです。これは箱根の温泉宿を描いていて、周りにはモヤが立ち込めていてまるで仙境のようになっています。手前には桜の花が咲き、宿のベランダ?では着物の女性が外を眺めています。また宿の前では籠に乗って温泉宿に今まさに到着した客も描かれていました。実際にはこんなに盛り沢山な風景は無いとは思いますが、風景というよりはその場の人の動きなどが中心になっているようでした。清方は「人のいない風景画は死んでいるようだ」と言って、人が主役に見える風景画を描いたそうです。
鏑木清方 「松と梅」
2枚セットの大きな絵です。右には松を背景にした青い服の女性、左には梅を背景に赤い服の女性が描かれています。これらには寛永期などの風俗画の技法が用いられていると解説されていました。また、余白が大きく取られていたのが印象的でした。
鏑木清方 「江の島 箱根」
左右2枚セットの作品。右の作品は背景が海で江ノ島っぽいです。薄い橙色の着物が目を引く女性が描かれ、振り返るポーズで頭の上に傘、手にはキセルを持っています。それらから、生き生きとした動きを感じました。
左の作品は、両手で髪を触り、手ぬぐいを噛んでいる女性が描かれています。多分、風呂上りで髪を直しているのかな。ポーズが可愛かったです。
鏑木清方 「初冬の雨」
後ろを向いて傘を差した女性と、障子を開けて会話している女性が描かれています。足元にはサザンカが咲き、冬であることがうかがえます。また、家の中の女性は袖の中に手を入れていて寒さが伝わってくるようでした。なお、この障子を開けた座敷の中と戸外の人という構図は、鈴木春信の浮世絵によく出てくる構図らしいです。影響を受けているんですね。
懐月堂度辰「女形図」
今回も、影響を受けた先人の作品も参考展示されています。
これはよく観る機会がある懐月堂の作品。(多分、着物は別物だとは思いますが) カラフルで輪郭が太く、デフォルメされた感じの美人画です。曲線が多くて優美さがあります。
勝川春章 「花下の遊女」
これも参考展示です。群青色の内掛けを着た遊女とお付の禿が、足を止めてこちらに振り返っています。声をかけられたような感じでした。頭上には満開の桜も描かれ可憐な雰囲気の作品でした。
鏑木清方 「新年附録時代美人風俗雙六 (色刷付録『文藝倶樂部』第19 巻第1号)」
全体的に赤い色が多めの、美人画で作られたスゴロクです。玉藻の前があがりなのは分かりましたが、どういう順序で進むのか全然わからなかったw というかスゴロクっぽくなかったかも。 美人は歌舞伎を題材にしているらしく艶やかかつ華やかでした。
鏑木清方 「初冬の花」
障子を開けて足元のサザンカを見る美女が描かれています。山吹色で雪のような模様のついた着物を着ていて、着物の中に手を隠して寒そうでした。初々しい感じの作品です。
伝 尾形光琳 「秋草図屏風」
清方は琳派からも影響を受けていたので、尾形光琳作と伝わる屏風もありました。厚く盛り上がった白い花など秋の草花が描かれていました。少し色が落ち着いていて、見た感じ、私の持っている光琳の作品とはちょっとイメージと違っているように思えました(特に解説が無かったので私の勘ですw)
ここら辺で4Fは終わりで3Fへ。
3Fの最初には前回同様、東北新聞のコピー、製作過程、イーゼル、絵の具皿、団扇、雑誌の表紙、袱紗、風呂敷などがありました。遺愛品は変わっていないようですが、それ以外は前回と入れ替わっていました。
鏑木清方 「朝夕安居」
明治の頃の夏の日の夜を描いた絵ですが、実際には太平洋戦争の後に描かれた作品です。体を洗う女性や、ランプの手入れをする女性、夜の茶屋で星を眺める男性や、女性店員に声をかける男性など、当時の平和でのんびりした様子を描いています。平和の尊さ、何気ない日々の幸せを表現しているようでした。
鏑木清方 「保名」
この辺には扇形を貼り付けた掛け軸などが並んでいました。歌舞伎をテーマにしているようです。これは恋人を亡くし狂人となった男の話を描いたもので、昔の病人がする鉢巻のようなものを頭に巻き、仰ぎ見るようなポーズで描かれていました。悲しくも恐ろしさを感じます。
鏑木清方 「道成寺(山づくし)・鷺娘」
大きな屏風です。右隻は歌舞伎の道成寺の演目が主題で、胸に鼓を持って身をそらす女性が描かれています。緑のモミジ模様の着物が華やかですが妖しい雰囲気が漂います。(この女性は後に蛇に変化します。)
左隻はさぎ娘が主題で、町娘に化けた白鷺が描かれています。全身白い服と頭に白布をまとい清楚さがありました。清方はこうした変化物が特に好みの主題だったようです。
鏑木清方 「明治風俗十二ヶ月(七月~十二月)」
これは前回もご紹介した作品ですが、今度は7~12月が展示されていました。特に気に入ったのは8月と12月(何月か書かれていないので多分ですw) 8月は「氷」と描かれた暖簾の下で、着物の女性が氷をかんなで削っているように見えました。涼しげな装いと夏の雰囲気が爽やかでした。12月は雪の降る中、人力車から降りる女性と車夫(引く人)が描かれています。マスクのように口まで布で覆った女性を下ろそうと車夫は後ろ向きになっていますが、背中には雪が積もり始めていました。また、背景のガス灯の光もしんしんと降り続ける雪の静けさを感じさせるようでした。寒そうですが風情のある作品でした。
鏑木清方 「白雨」
白雨というのはにわか雨のことです。薄く透き通る緑の小袖を着た女性(中に青い小袖を着ているのが透けて見える)が雨戸を閉めようとしています。斜めに雨の様な線が入り、飛沫がはねているのがわかります。 女性のうなじ辺りには強風に煽られた簾が揺れているようで、簾越しにうなじが透けて見えます。透ける着物と透ける簾が重なっている部分もあり、その表現に驚きました。
水野年方 「婦有喜倶菜」
最後にも参考展示があります。これはドレスを着た女性達が描かれた浮世絵です。見た目は浮世絵なのにドレスを着ている…。洋の東西が混ざったような面白い絵でした。
ということで、今回もだいぶ満足しました。余裕があればもう一度行くかもしれません。妖魚などもう一度観たかったなあ…。もう半分しか見られませんが、きっちり押さえて後々まで覚えておきたい美術展です。
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前回ご紹介したポーラミュージアムアネックスとは違う日に行ったのですが、すぐ近くのINAXギャラリーにも行ってきたので、銀座繋がりでご紹介。
写真がまともに撮れてなくてすみません(><)

【展覧名】
糸あやつりの万華鏡 -結城座・375年の人形芝居-
【公式サイト】
http://www.inax.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_001519.html
http://www.inax.co.jp/gallery/user_exh/w_0912youkiza.html
【会場】INAXギャラリー
【最寄】銀座線京橋駅 都営浅草線宝町
【会期】2009年12月3日(木)~2010年2月20日(土)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間15分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
ここはいつも無料ですが、日曜日がお休みです。 今回は貸しきり状態で観ることができました。小さな展示スペースで、特に作品ごとに展示していたわけではないので、ざっくりと回顧します。
結城座は日本で最も古い演劇団体らしく、ベスト3に入る宝塚などと比べても突出して伝統があるそうで、今年で375年にもなるようです。私はその存在自体を知らなかったのでボードでの解説や上演の映像で概要を知ることができるのは有り難かったです。しかし、操り人形の動かし方などに興味が有ったので、そちらの説明も欲しかったかな。せっかく物語の人形が並んでいるのに、その人形達の役どころもよく理解できなかったのも残念。(分かる人には分かるんでしょうけど。)
まずは結城座の主役である操り人形のコーナーです。衣装を着た人形や、からくりがむき出しになった人形、頭だけの人形などが所狭しと並んでいました。時代劇だけかと思うとそうではなく、古今東西様々な人形がいました。中にはモヒカンの頭(ユピュ王の登場人物)とかもありましたw 平均的な操り人形は60cm程で、小さいものは5cm、大きいものでは2mにもなるそうです。また、操り人形の作り方というコーナーもあり、人形の頭は取り外し可能で、取替えできると説明されていました。こうした人形は古典劇では使いまわすようですが、新しい作品では外部のデザイナーがデザインを描き、それを元に一座の人たちが紙で作っているようです。その頭の中は空洞になっているのだとか。昔は桐で作っていたみたいなので、だいぶ軽量化されてきているのかもしれません。そこから伸びる糸は基本的に17本、少ないのは1本、多くて50本あるようで、まるで人間のような滑らかな動きをする映像がありました。それにしても、人形達の表情はちょっと誇張されたようですが愛嬌のある顔をしていました。(私はからくり人形をあまり知らなかったのでからくりサーカスの漫画を思い出しましたw)
奥のほうでは実際に人形劇をやっている映像を流していて、ハイライト的なシーンを集めているようでした。
ということで、この劇団の存在を知らなかったですが、それなりに楽しむことができました。好きな人にとっては特に面白く感じるのかもしれません。また、隣の展示室では「松岡圭介 -蠢くひとがた-展」(すでに終了)と「福本 歩 展 -フクモ陶器 晩餐会-」(すでに終了)も観てきました。 今は別の展示になっていると思いますが、別の部屋もセットで楽しめますので、機会があったら寄ってみてください。
写真がまともに撮れてなくてすみません(><)

【展覧名】
糸あやつりの万華鏡 -結城座・375年の人形芝居-
【公式サイト】
http://www.inax.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_001519.html
http://www.inax.co.jp/gallery/user_exh/w_0912youkiza.html
【会場】INAXギャラリー
【最寄】銀座線京橋駅 都営浅草線宝町
【会期】2009年12月3日(木)~2010年2月20日(土)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間15分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
ここはいつも無料ですが、日曜日がお休みです。 今回は貸しきり状態で観ることができました。小さな展示スペースで、特に作品ごとに展示していたわけではないので、ざっくりと回顧します。
結城座は日本で最も古い演劇団体らしく、ベスト3に入る宝塚などと比べても突出して伝統があるそうで、今年で375年にもなるようです。私はその存在自体を知らなかったのでボードでの解説や上演の映像で概要を知ることができるのは有り難かったです。しかし、操り人形の動かし方などに興味が有ったので、そちらの説明も欲しかったかな。せっかく物語の人形が並んでいるのに、その人形達の役どころもよく理解できなかったのも残念。(分かる人には分かるんでしょうけど。)
まずは結城座の主役である操り人形のコーナーです。衣装を着た人形や、からくりがむき出しになった人形、頭だけの人形などが所狭しと並んでいました。時代劇だけかと思うとそうではなく、古今東西様々な人形がいました。中にはモヒカンの頭(ユピュ王の登場人物)とかもありましたw 平均的な操り人形は60cm程で、小さいものは5cm、大きいものでは2mにもなるそうです。また、操り人形の作り方というコーナーもあり、人形の頭は取り外し可能で、取替えできると説明されていました。こうした人形は古典劇では使いまわすようですが、新しい作品では外部のデザイナーがデザインを描き、それを元に一座の人たちが紙で作っているようです。その頭の中は空洞になっているのだとか。昔は桐で作っていたみたいなので、だいぶ軽量化されてきているのかもしれません。そこから伸びる糸は基本的に17本、少ないのは1本、多くて50本あるようで、まるで人間のような滑らかな動きをする映像がありました。それにしても、人形達の表情はちょっと誇張されたようですが愛嬌のある顔をしていました。(私はからくり人形をあまり知らなかったのでからくりサーカスの漫画を思い出しましたw)
奥のほうでは実際に人形劇をやっている映像を流していて、ハイライト的なシーンを集めているようでした。
ということで、この劇団の存在を知らなかったですが、それなりに楽しむことができました。好きな人にとっては特に面白く感じるのかもしれません。また、隣の展示室では「松岡圭介 -蠢くひとがた-展」(すでに終了)と「福本 歩 展 -フクモ陶器 晩餐会-」(すでに終了)も観てきました。 今は別の展示になっていると思いますが、別の部屋もセットで楽しめますので、機会があったら寄ってみてください。
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先日、日曜日の夜にポーラミュージアム アネックスへ「Brilliant Noel -輝きのガラス-」を観にいってきました。この時間は空いているようで、お客さんは私しかいない貸しきり状態で観ることが出来ました。

【展覧名】
Brilliant Noel -輝きのガラス-
【公式サイト】
http://www.pola.co.jp/m-annex/exhibition/
http://www.pola.co.jp/m-annex/exhibition/detail.html
【会場】ポーラミュージアム アネックス (POLA MUSEUM ANNEX)
【最寄】東京メトロ 銀座駅・銀座一丁目駅 JR有楽町駅
【会期】12月5日~12月27日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間15分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日19時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
前回の「Blank Space」でシアター風になっていた部屋も元のギャラリー風に戻っていました。素早い…。 今回も15分くらいで回れるくらいの規模ですが、これだけの内容で無料というのが嬉しい限りです。簡単にいくつかご紹介。
田中 香菜 「Woman in Light---Guadalupe」 ★こちらで観られます
入口付近にある作品。地面にある鏡の上に色つきの小さい物が敷き詰められ、そこに当たった光が反射して聖母のような女性が壁に映っています。クリスマスで盛り上がる今の時期に相応しい、神秘的で煌びやかな作品でした。心温まります。
エミール・ガレ 「雪景文花器」 ★こちらで観られます
松に積もる雪と根元にいる鷹?が描かれた花器。白く柔らかな雪が積もる様子が日本風な感じでした。
ドーム兄弟 「雪景文花器」
ガレと同じ名前の作品ですが、こちらはドーム兄弟の作品。大きな花器で、雪で白くなった木々と、それに群がるカラスが描かれています。雪の白とからすの黒が対照的でした。
この辺りにはアラベスクのような模様の作品もありました。
「江戸切子 八目籠目文 菊繋ぎ文」
クリスタルガラスの江戸切子です。中から光を照らして展覧方法も綺麗でした。
田中 香菜 「Rejuvenation」 ★こちらで観られます
会場の真ん中に、上からガラス玉を吊るしたような作品がありました。観る角度によっては単に沢山ガラス玉を吊るしているだけに見えますが、展覧会の入口方面から奥に向けて、人の形のトンネルのようになっていました。入口の作品と同じ人が作ったようですが、これも温かみのある清らかな雰囲気でした。
三代目秀石・堀口徹 「雪どけ」
大きな皿です。円と六角形の模様が雪の結晶のようでした。この人の作品もいくつかありましたがいずれも洗練されたデザインで素晴らしかったです。
ということで、いつもながら無料なのにレベルの高い内容でした。これまた会期が短いのが残念なくらいです。もうすぐ終わってしまいますが、銀座に出かける機会があったらお勧めです。

【展覧名】
Brilliant Noel -輝きのガラス-
【公式サイト】
http://www.pola.co.jp/m-annex/exhibition/
http://www.pola.co.jp/m-annex/exhibition/detail.html
【会場】ポーラミュージアム アネックス (POLA MUSEUM ANNEX)
【最寄】東京メトロ 銀座駅・銀座一丁目駅 JR有楽町駅
【会期】12月5日~12月27日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間15分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日19時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
前回の「Blank Space」でシアター風になっていた部屋も元のギャラリー風に戻っていました。素早い…。 今回も15分くらいで回れるくらいの規模ですが、これだけの内容で無料というのが嬉しい限りです。簡単にいくつかご紹介。
田中 香菜 「Woman in Light---Guadalupe」 ★こちらで観られます
入口付近にある作品。地面にある鏡の上に色つきの小さい物が敷き詰められ、そこに当たった光が反射して聖母のような女性が壁に映っています。クリスマスで盛り上がる今の時期に相応しい、神秘的で煌びやかな作品でした。心温まります。
エミール・ガレ 「雪景文花器」 ★こちらで観られます
松に積もる雪と根元にいる鷹?が描かれた花器。白く柔らかな雪が積もる様子が日本風な感じでした。
ドーム兄弟 「雪景文花器」
ガレと同じ名前の作品ですが、こちらはドーム兄弟の作品。大きな花器で、雪で白くなった木々と、それに群がるカラスが描かれています。雪の白とからすの黒が対照的でした。
この辺りにはアラベスクのような模様の作品もありました。
「江戸切子 八目籠目文 菊繋ぎ文」
クリスタルガラスの江戸切子です。中から光を照らして展覧方法も綺麗でした。
田中 香菜 「Rejuvenation」 ★こちらで観られます
会場の真ん中に、上からガラス玉を吊るしたような作品がありました。観る角度によっては単に沢山ガラス玉を吊るしているだけに見えますが、展覧会の入口方面から奥に向けて、人の形のトンネルのようになっていました。入口の作品と同じ人が作ったようですが、これも温かみのある清らかな雰囲気でした。
三代目秀石・堀口徹 「雪どけ」
大きな皿です。円と六角形の模様が雪の結晶のようでした。この人の作品もいくつかありましたがいずれも洗練されたデザインで素晴らしかったです。
ということで、いつもながら無料なのにレベルの高い内容でした。これまた会期が短いのが残念なくらいです。もうすぐ終わってしまいますが、銀座に出かける機会があったらお勧めです。
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