Category | 過去の美術展 (2010年)
前回ご紹介した銀座のお店でお茶した後、京橋のINAXギャラリーまで歩いて、「幕末の探検家 松浦武四郎と一畳敷 展」を観てきました。

【展覧名】
幕末の探検家 松浦武四郎と一畳敷 展
The One-mat Study of Takeshiro Matsuura, 19th Century Explorer
【公式サイト】
http://www.inax.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_001590.html
【会場】INAXギャラリー ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】銀座線京橋駅 都営浅草線宝町
【会期】2010年12月2日(木)~2011年2月19日(土)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間20分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日17時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
閉館近かったこともあり、ほぼ貸しきり状態で鑑賞することができました。
この展示は松浦武四郎という江戸~明治時代の人物をテーマとしたもので、晩年の棲家とした「一畳敷」をメインとした内容となっています。そもそも松浦武四郎とはどんな人物かと言う話ですが、我々の生活に深く関わりのある人で、当時は蝦夷地と呼ばれた北海道を探検し、「北海道」という名前をつけたことで知られています。 展示物には北海道に関わる品々も並び、ざっと松浦武四郎の功績が分かるようになっていました。閉館も近かったので、ざっくりとしかメモを取っていませんが、会場がどういう雰囲気だったかご紹介しようと思います。
参考リンク:松浦武四郎のwikipedia
最初は木の皮で出来たような団扇が並ぶコーナーでした。松浦武四郎はいつも団扇を持っていたそうで、会う人に渡していたそうです。勝海舟やシーボルト、モース、河鍋暁斎といった人たちが描いた団扇がありました。
続いては武四郎粉本という絵の習作がいくつかならんでいました。中国の絵を題材に練習をしていたようで、蟹、亀、中国人?、中国の風景などが描かれています。あまり上手くないと解説されていましたが充分上手いように思いましたw
続いては地図作りのコーナーです。地図と言えば伊能忠敬や間宮林蔵が有名ですが、彼らの後に空白だった北海道の内陸部の地図を作成したのが松浦武四郎です。ケバ描法という線で山の方向を表しているそうで、緑が濃いと高くて、赤線は道を示すなど、細々と書き込まれていました。かなり大きい地図なのに細かいので、相当に野山で測量していたことが想像できました。
その後には蝦夷山海名産図というものがありました。これは蟹やアシカ?、亀、熊?、マンボウなど多くの生き物を図解したもので、北海道の自然を捉えていました。 また、それ以外にもアイヌの生活に関して図解したものもあり、家の作り方や漁の様子など当時の北海道の暮らしぶりを知ることができるものでした。
この辺には、仏陀の涅槃画のような作品の写真も並んでいました。真ん中で仏陀の代わりに年老いた松浦武四郎が横たわっていて、周りは嘆く有象無象の者達、天からは遊女のような人が迎えにきています。これは河鍋暁斎が描いた作品だそうで、当時はこうした変わった涅槃図が流行っていたそうです。河鍋暁斎らしい洒落の効いた作品かなw
参考記事:「寅年の祝い」展 (河鍋暁斎記念美術館)
そしてその後が今回のメインの一畳敷です。一畳敷というのは本当に一畳しかない小屋のような部屋で、会場にはその再現模型があります。中にも入れたので、じっくりとその空間を味わってみたのですが、ちょっと狭いものの、悪くないですね。 起きて半畳、寝て一畳と言いますが、人間の生活で最小単位はこれくらいなのかも。 そして、この一畳敷がただの小屋とか異なっているのは、全国各地から集められた古材を使っている点です。北は宮城、南は宮崎まで数え切れないほどの寺社仏閣などから木を集めて使っています(模型の中にこれはどこからというのが書いてあります) 中には後醍醐天皇陵の鳥居や、伊勢神宮の式年遷宮で取り替えられた木材など、そんなの使って良いの??と驚くようなものまでありました。 一見粗末に見えて、実は凄いですw 松浦武四郎は自分が死んだら取り壊して欲しいと遺言したそうですが、取り壊すことは無く、紆余曲折を経て今は国際基督教大学(ICU)の構内にあるそうです。これだけ貴重なものは今後も残っていって欲しいものです。
式年遷宮の参考記事:伊勢神宮と神々の美術 (東京国立博物館)
参考リンク:国際基督教大学(ICU)の泰山荘のページ
ということで、小展ですが上手くまとまった興味深い内容だと思います。一畳敷という一見狭い空間に、趣味や自分の人生を凝縮しているのはちょっと羨ましいw 歴史好きの方は知っておきたい人物だと思います。
おまけ:この展示の他に、2つの同時開催の展示も見てきました。

青木千絵 -URUSHI BODY-展 Aoki Chie Exhibition
会期:2011年1月7日(金)~1月28日(金) 公式サイト
会場には黒い人体のようで物体のようでもある彫刻が並んでいました。曲線が女性的な感じがして色気のようなものを感じる一方で、ちょっと不気味な感じもw ぐにゃりとした質感も独特でダリの絵を彷彿しました。
高柳むつみ 展 -くうきをうつす 磁器/やまびこのアロー-
会期:2011年1月11日(火)~2月1日(火) 公式サイト
こちらは焼き物で作られた作品のコーナー。見た目は中国風というか仏具のような印象の作品が並んでいて「ゆうえんちの真実」という作品は地獄絵図をモチーフにしているそうですが、よく見ると可愛らしい子供たちの絵が描かれているなど、見た目とのギャップがありますw こちらも面白い展示でした。

【展覧名】
幕末の探検家 松浦武四郎と一畳敷 展
The One-mat Study of Takeshiro Matsuura, 19th Century Explorer
【公式サイト】
http://www.inax.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_001590.html
【会場】INAXギャラリー ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】銀座線京橋駅 都営浅草線宝町
【会期】2010年12月2日(木)~2011年2月19日(土)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間20分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日17時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
閉館近かったこともあり、ほぼ貸しきり状態で鑑賞することができました。
この展示は松浦武四郎という江戸~明治時代の人物をテーマとしたもので、晩年の棲家とした「一畳敷」をメインとした内容となっています。そもそも松浦武四郎とはどんな人物かと言う話ですが、我々の生活に深く関わりのある人で、当時は蝦夷地と呼ばれた北海道を探検し、「北海道」という名前をつけたことで知られています。 展示物には北海道に関わる品々も並び、ざっと松浦武四郎の功績が分かるようになっていました。閉館も近かったので、ざっくりとしかメモを取っていませんが、会場がどういう雰囲気だったかご紹介しようと思います。
参考リンク:松浦武四郎のwikipedia
最初は木の皮で出来たような団扇が並ぶコーナーでした。松浦武四郎はいつも団扇を持っていたそうで、会う人に渡していたそうです。勝海舟やシーボルト、モース、河鍋暁斎といった人たちが描いた団扇がありました。
続いては武四郎粉本という絵の習作がいくつかならんでいました。中国の絵を題材に練習をしていたようで、蟹、亀、中国人?、中国の風景などが描かれています。あまり上手くないと解説されていましたが充分上手いように思いましたw
続いては地図作りのコーナーです。地図と言えば伊能忠敬や間宮林蔵が有名ですが、彼らの後に空白だった北海道の内陸部の地図を作成したのが松浦武四郎です。ケバ描法という線で山の方向を表しているそうで、緑が濃いと高くて、赤線は道を示すなど、細々と書き込まれていました。かなり大きい地図なのに細かいので、相当に野山で測量していたことが想像できました。
その後には蝦夷山海名産図というものがありました。これは蟹やアシカ?、亀、熊?、マンボウなど多くの生き物を図解したもので、北海道の自然を捉えていました。 また、それ以外にもアイヌの生活に関して図解したものもあり、家の作り方や漁の様子など当時の北海道の暮らしぶりを知ることができるものでした。
この辺には、仏陀の涅槃画のような作品の写真も並んでいました。真ん中で仏陀の代わりに年老いた松浦武四郎が横たわっていて、周りは嘆く有象無象の者達、天からは遊女のような人が迎えにきています。これは河鍋暁斎が描いた作品だそうで、当時はこうした変わった涅槃図が流行っていたそうです。河鍋暁斎らしい洒落の効いた作品かなw
参考記事:「寅年の祝い」展 (河鍋暁斎記念美術館)
そしてその後が今回のメインの一畳敷です。一畳敷というのは本当に一畳しかない小屋のような部屋で、会場にはその再現模型があります。中にも入れたので、じっくりとその空間を味わってみたのですが、ちょっと狭いものの、悪くないですね。 起きて半畳、寝て一畳と言いますが、人間の生活で最小単位はこれくらいなのかも。 そして、この一畳敷がただの小屋とか異なっているのは、全国各地から集められた古材を使っている点です。北は宮城、南は宮崎まで数え切れないほどの寺社仏閣などから木を集めて使っています(模型の中にこれはどこからというのが書いてあります) 中には後醍醐天皇陵の鳥居や、伊勢神宮の式年遷宮で取り替えられた木材など、そんなの使って良いの??と驚くようなものまでありました。 一見粗末に見えて、実は凄いですw 松浦武四郎は自分が死んだら取り壊して欲しいと遺言したそうですが、取り壊すことは無く、紆余曲折を経て今は国際基督教大学(ICU)の構内にあるそうです。これだけ貴重なものは今後も残っていって欲しいものです。
式年遷宮の参考記事:伊勢神宮と神々の美術 (東京国立博物館)
参考リンク:国際基督教大学(ICU)の泰山荘のページ
ということで、小展ですが上手くまとまった興味深い内容だと思います。一畳敷という一見狭い空間に、趣味や自分の人生を凝縮しているのはちょっと羨ましいw 歴史好きの方は知っておきたい人物だと思います。
おまけ:この展示の他に、2つの同時開催の展示も見てきました。

青木千絵 -URUSHI BODY-展 Aoki Chie Exhibition
会期:2011年1月7日(金)~1月28日(金) 公式サイト
会場には黒い人体のようで物体のようでもある彫刻が並んでいました。曲線が女性的な感じがして色気のようなものを感じる一方で、ちょっと不気味な感じもw ぐにゃりとした質感も独特でダリの絵を彷彿しました。
高柳むつみ 展 -くうきをうつす 磁器/やまびこのアロー-
会期:2011年1月11日(火)~2月1日(火) 公式サイト
こちらは焼き物で作られた作品のコーナー。見た目は中国風というか仏具のような印象の作品が並んでいて「ゆうえんちの真実」という作品は地獄絵図をモチーフにしているそうですが、よく見ると可愛らしい子供たちの絵が描かれているなど、見た目とのギャップがありますw こちらも面白い展示でした。
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先週の土曜日に新橋~銀座~京橋と展覧会をいくつか巡ってきました。まずは新橋にある旧新橋停車場 鉄道歴史展示室で「警視庁カメラマンが撮った昭和モダンの情景 石川光陽写真展」を観てきました。

【展覧名】
警視庁カメラマンが撮った昭和モダンの情景 石川光陽写真展
【公式サイト】
http://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/index.html
【会場】旧新橋停車場 鉄道歴史展示室 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】JR/東京メトロ 新橋駅 都営大江戸線汐留駅
【会期】2010年12月7日(火)~ 2011年3月21日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
ここは無料で入れるので、隣のパナソニック電工 汐留ミュージアムに行くついでにいつもセットで見ているのですが、あまり存在を知られていないようで、いつも空いています。この日も自分のペースでゆっくり観ることができました。
この展覧会は石川光陽という昭和の警察官が撮った写真展で、九段下にある昭和館の収蔵品が主(約80点程度)となっています。
参考リンク:昭和館の公式サイト
初めて知った人なのでざっくりと経歴をご紹介すると、この人は九段で写真の修行をしたそうで、その腕を買われて1927年(昭和2年)に警視庁に入庁しました。戦時中は特命を受けて空襲の様子を撮影するなど、警察官として写真を撮り続けたようです。その作風には緊張感や使命感があるとのことでしたが、それだけではなく人々の営みを暖かく撮っているようにも見えました。 展示は3つの章に分かれていたので、それぞれの章の雰囲気を簡単にご紹介しようと思います。
<第1章 交通と乗り物>
こちらはこの展示室に相応しい内容かな。昭和初期の交通機関に関する写真が並んでいるコーナーでした。気になった写真はざっと↓こんな感じ
東京駅前・・・市電が走る様子(★こちらで観られます) あそこにも走ってたとは知りませんでした。
東京駅構内?・・・特急富士を見送る人々を撮った写真 参考記事:鉄道博物館の案内 (ヒストリーゾーン)
万世橋・・・橋は変わらないけど今の電気街とはだいぶ雰囲気が違う(あの辺に駅があったらしい)
上野駅・・・今より広々した感じ
御茶ノ水・・・橋の様子は今と変わらず
新宿・・・市電の終点だったらしく、今のアルタの辺りとは全くわからなかった。
横浜駅・・・アールデコ風で凄い立派! 荘厳でカッコいい。
中目黒・・・高架の辺りは今も面影があるみたい
他にも沢山の駅や交通機関の写真があります。(ちょうど居合わせた年配の夫婦客が懐かしいとか、昔はこうだったというようなことを言ってテンションが上がってました。解説よりも詳しい会話してたかもw) 写真以外にも当時の切符や絵葉書もあって、当時の様子がよくわかります。
<第2章 都市と下町>
[モダン都市大東京]
続いては都市生活を撮った写真のコーナーです。主に銀座・日本橋を撮った写真で、今と変わらず活気がある風景となっていました。資生堂パーラーやライオンといったモダンなお店などもあり、みんな生き生きとした感じがして、まだ暗い時代ではなさそうでした。
[下町・市場・商店街]
こちらは同じ都市でも下町が題材です。気になったのは、
昼間の吉原や浅草の六区(★こちらで観られます)・・・六区は大衆的な感じかな。ちと怪しいw
神保町・・・今とまったく変わってないような雰囲気。
赤羽や中野・・・どの辺かわかりませんが商店街活気付いている様子です。
この他にも何故かビールや栓抜き、コップ、ビールのポスターなども展示されていました。
<第3章 警察官として>
ここは打って変わってシリアスな写真も並び、警察官ならではといったコーナーでした。
交通整理をする警察官など・・・きびきびした警官や子供に慕われている警官などがありました。
馬上パン食い競争をする騎馬警官・・・みんなで上を向いて可笑しいw
満州の皇帝溥儀が歌舞伎座に来たときの様子・・・まさに厳戒態勢。緊張します。
メーデー・・・多くの人々が行進している様子。この頃の最大規模らしい。
空襲後の東京駅・・・先ほどの写真で観た丸屋根が崩れ落ちているようでした。
2.26事件(★こちらで観られます)・・・極めつけはこれじゃないかな。シャッター音すらヒヤヒヤする中で見付からないように撮ったもの。クーデター真っ最中。
アメリカのMPと警官が一緒に交通整理をしている所・・・GHQ統制下の様子。
列車に乗った警官・・・戦後の混乱で列車内の治安が悪くなったらしい。
他にも履歴書や、家族の写真、戦後に東京タワーを撮った写真などもありました。
ということで、今の様子と比べて、面影があるところもあれば全く違うところもあって、昭和の頃の世相が分かるような気がしました。当時を知る人には懐かしいのかも。 無料でこれだけ観られるのは有難いです。
この後、パナソニック電工 汐留ミュージアムに行きました。次回はそちらをご紹介いたします。

【展覧名】
警視庁カメラマンが撮った昭和モダンの情景 石川光陽写真展
【公式サイト】
http://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/index.html
【会場】旧新橋停車場 鉄道歴史展示室 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】JR/東京メトロ 新橋駅 都営大江戸線汐留駅
【会期】2010年12月7日(火)~ 2011年3月21日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
ここは無料で入れるので、隣のパナソニック電工 汐留ミュージアムに行くついでにいつもセットで見ているのですが、あまり存在を知られていないようで、いつも空いています。この日も自分のペースでゆっくり観ることができました。
この展覧会は石川光陽という昭和の警察官が撮った写真展で、九段下にある昭和館の収蔵品が主(約80点程度)となっています。
参考リンク:昭和館の公式サイト
初めて知った人なのでざっくりと経歴をご紹介すると、この人は九段で写真の修行をしたそうで、その腕を買われて1927年(昭和2年)に警視庁に入庁しました。戦時中は特命を受けて空襲の様子を撮影するなど、警察官として写真を撮り続けたようです。その作風には緊張感や使命感があるとのことでしたが、それだけではなく人々の営みを暖かく撮っているようにも見えました。 展示は3つの章に分かれていたので、それぞれの章の雰囲気を簡単にご紹介しようと思います。
<第1章 交通と乗り物>
こちらはこの展示室に相応しい内容かな。昭和初期の交通機関に関する写真が並んでいるコーナーでした。気になった写真はざっと↓こんな感じ
東京駅前・・・市電が走る様子(★こちらで観られます) あそこにも走ってたとは知りませんでした。
東京駅構内?・・・特急富士を見送る人々を撮った写真 参考記事:鉄道博物館の案内 (ヒストリーゾーン)
万世橋・・・橋は変わらないけど今の電気街とはだいぶ雰囲気が違う(あの辺に駅があったらしい)
上野駅・・・今より広々した感じ
御茶ノ水・・・橋の様子は今と変わらず
新宿・・・市電の終点だったらしく、今のアルタの辺りとは全くわからなかった。
横浜駅・・・アールデコ風で凄い立派! 荘厳でカッコいい。
中目黒・・・高架の辺りは今も面影があるみたい
他にも沢山の駅や交通機関の写真があります。(ちょうど居合わせた年配の夫婦客が懐かしいとか、昔はこうだったというようなことを言ってテンションが上がってました。解説よりも詳しい会話してたかもw) 写真以外にも当時の切符や絵葉書もあって、当時の様子がよくわかります。
<第2章 都市と下町>
[モダン都市大東京]
続いては都市生活を撮った写真のコーナーです。主に銀座・日本橋を撮った写真で、今と変わらず活気がある風景となっていました。資生堂パーラーやライオンといったモダンなお店などもあり、みんな生き生きとした感じがして、まだ暗い時代ではなさそうでした。
[下町・市場・商店街]
こちらは同じ都市でも下町が題材です。気になったのは、
昼間の吉原や浅草の六区(★こちらで観られます)・・・六区は大衆的な感じかな。ちと怪しいw
神保町・・・今とまったく変わってないような雰囲気。
赤羽や中野・・・どの辺かわかりませんが商店街活気付いている様子です。
この他にも何故かビールや栓抜き、コップ、ビールのポスターなども展示されていました。
<第3章 警察官として>
ここは打って変わってシリアスな写真も並び、警察官ならではといったコーナーでした。
交通整理をする警察官など・・・きびきびした警官や子供に慕われている警官などがありました。
馬上パン食い競争をする騎馬警官・・・みんなで上を向いて可笑しいw
満州の皇帝溥儀が歌舞伎座に来たときの様子・・・まさに厳戒態勢。緊張します。
メーデー・・・多くの人々が行進している様子。この頃の最大規模らしい。
空襲後の東京駅・・・先ほどの写真で観た丸屋根が崩れ落ちているようでした。
2.26事件(★こちらで観られます)・・・極めつけはこれじゃないかな。シャッター音すらヒヤヒヤする中で見付からないように撮ったもの。クーデター真っ最中。
アメリカのMPと警官が一緒に交通整理をしている所・・・GHQ統制下の様子。
列車に乗った警官・・・戦後の混乱で列車内の治安が悪くなったらしい。
他にも履歴書や、家族の写真、戦後に東京タワーを撮った写真などもありました。
ということで、今の様子と比べて、面影があるところもあれば全く違うところもあって、昭和の頃の世相が分かるような気がしました。当時を知る人には懐かしいのかも。 無料でこれだけ観られるのは有難いです。
この後、パナソニック電工 汐留ミュージアムに行きました。次回はそちらをご紹介いたします。
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前回ご紹介した出光美術館に行った後、ポーラミュージアム アネックスにハシゴして会期末が近かった赤摩千穂 WORKS展「クツ? くつ・・・ それでも靴!」を観てきました。既にこの展覧会は終わっていますが、面白い内容でしたので一応ご紹介しておこうと思います。

【展覧名】
赤摩千穂 WORKS展「クツ? くつ・・・ それでも靴!」
【公式サイト】
http://www.pola.co.jp/m-annex/exhibition/archive/detail_201012.html
【会場】ポーラミュージアム アネックス (POLA MUSEUM ANNEX) ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】東京メトロ 銀座駅・銀座一丁目駅 JR有楽町駅
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【会期】2010年12月4日~2011年1月16日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間15分程度
【混み具合・混雑状況(祝日17時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
連休最終日の夕方だったこともあり、お客さんはまばらでした。
この展覧会は赤摩千穂氏の個展で、私はまったくこの作家のことを知りませんでしたが、観れば直感的にわかる内容で楽しめました。タイトルの通り、これでも靴なの??と思うような靴を使った作品が並んでいて、その発想の面白さに驚かされました。
ざっと会場の様子をご紹介すると、いくつかのコーナーに分かれていて最初は「大人の標本」というコーナーでした。ハチを模した靴、触角のついたバッタのような緑の靴(★こちらで観られます)、カブトムシ風のかかとに角が生えたような靴、カタツムリのような靴…というように小さな生き物をイメージした靴が並んでいました。蛙だけちょっと分かりづらいですが、他は観た瞬間に分かってワクワクしました。 靴の隣にはその素材も展示されていて、その形だけではなく素材感によってもモチーフを想起されられます。この時点でかなり興味が沸いてきました。
続いては、松竹梅をテーマに靴を使って作られた作品がありました。まず梅は「梅に鶏図」という金屏風のような作品で、ハイヒールを装飾して振り返った鶏が作表されています。 胴の部分が靴の本体になっていて、靴の形が鶏の形に上手いこと生かされていました。これも発想が非常にユニークで驚きます。
その隣の竹は、「竹に筍図」というタイトルで、茶色い小さな靴が5足並んで、筍みたいな感じでした。これは素材感がぴったりでした。
締めの松は松山水図というタイトルで、松の葉が生えたような靴が作品に組み込まれていました。ヒールの部分が枝で、本体辺りがこんもりした松の葉のようでした。
続いてのコーナーはベビーシューズを使ってお寿司を模した作品が並ぶコーナーでした。ベビーシューズをシャリに見立て(側面に凹凸がついてお米っぽいw)、その上にネタが乗っています。トロ、うに、いくら、海老、たまご等など、可愛らしくて美味しそうな寿司になっていました。靴で寿司を作るというあ遊び心はどうやったら湧くんだろうかw
部屋の中央には巨大なバナナを思わせる靴がありました。質感も色あいもバナナっぽかったです。何故これだけ巨大だったのかはわからず。
最後のコーナーは「幸せのテーブル」というコーナーで、ここはケーキやローストチキンを模した靴が並んでいました。(ポスターの作品などです) ヒールの部分がケーキの断面のようになっていたり、靴の先が菓子の素材のようになっているのが面白いです。題材も華やかなので、ここは特に気に入りました。この靴は市販したら売れるかも??w
ということで、小展ながらも赤摩千穂氏のセンスが光る内容で楽しめました。見ていてワクワクするような作品ばかりで、また機会があったらもっと観たいと思いました。
おまけ:
この日もポーラミュージアムの下のフロア(2階)にあるHIGASHIYA GINZAでお茶してきました。
参考記事:HIGASHIYA GINZA (銀座界隈のお店)

前回同様、水出し玉露を飲んだのでご紹介は割愛しますが、この水出し玉露の美味さは次元が違います。 初来店の連れが驚いている反応をニヤニヤしながら見てましたw 一緒に頼んだ和菓子も美味しかった…。

【展覧名】
赤摩千穂 WORKS展「クツ? くつ・・・ それでも靴!」
【公式サイト】
http://www.pola.co.jp/m-annex/exhibition/archive/detail_201012.html
【会場】ポーラミュージアム アネックス (POLA MUSEUM ANNEX) ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】東京メトロ 銀座駅・銀座一丁目駅 JR有楽町駅
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【会期】2010年12月4日~2011年1月16日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間15分程度
【混み具合・混雑状況(祝日17時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
連休最終日の夕方だったこともあり、お客さんはまばらでした。
この展覧会は赤摩千穂氏の個展で、私はまったくこの作家のことを知りませんでしたが、観れば直感的にわかる内容で楽しめました。タイトルの通り、これでも靴なの??と思うような靴を使った作品が並んでいて、その発想の面白さに驚かされました。
ざっと会場の様子をご紹介すると、いくつかのコーナーに分かれていて最初は「大人の標本」というコーナーでした。ハチを模した靴、触角のついたバッタのような緑の靴(★こちらで観られます)、カブトムシ風のかかとに角が生えたような靴、カタツムリのような靴…というように小さな生き物をイメージした靴が並んでいました。蛙だけちょっと分かりづらいですが、他は観た瞬間に分かってワクワクしました。 靴の隣にはその素材も展示されていて、その形だけではなく素材感によってもモチーフを想起されられます。この時点でかなり興味が沸いてきました。
続いては、松竹梅をテーマに靴を使って作られた作品がありました。まず梅は「梅に鶏図」という金屏風のような作品で、ハイヒールを装飾して振り返った鶏が作表されています。 胴の部分が靴の本体になっていて、靴の形が鶏の形に上手いこと生かされていました。これも発想が非常にユニークで驚きます。
その隣の竹は、「竹に筍図」というタイトルで、茶色い小さな靴が5足並んで、筍みたいな感じでした。これは素材感がぴったりでした。
締めの松は松山水図というタイトルで、松の葉が生えたような靴が作品に組み込まれていました。ヒールの部分が枝で、本体辺りがこんもりした松の葉のようでした。
続いてのコーナーはベビーシューズを使ってお寿司を模した作品が並ぶコーナーでした。ベビーシューズをシャリに見立て(側面に凹凸がついてお米っぽいw)、その上にネタが乗っています。トロ、うに、いくら、海老、たまご等など、可愛らしくて美味しそうな寿司になっていました。靴で寿司を作るというあ遊び心はどうやったら湧くんだろうかw
部屋の中央には巨大なバナナを思わせる靴がありました。質感も色あいもバナナっぽかったです。何故これだけ巨大だったのかはわからず。
最後のコーナーは「幸せのテーブル」というコーナーで、ここはケーキやローストチキンを模した靴が並んでいました。(ポスターの作品などです) ヒールの部分がケーキの断面のようになっていたり、靴の先が菓子の素材のようになっているのが面白いです。題材も華やかなので、ここは特に気に入りました。この靴は市販したら売れるかも??w
ということで、小展ながらも赤摩千穂氏のセンスが光る内容で楽しめました。見ていてワクワクするような作品ばかりで、また機会があったらもっと観たいと思いました。
おまけ:
この日もポーラミュージアムの下のフロア(2階)にあるHIGASHIYA GINZAでお茶してきました。
参考記事:HIGASHIYA GINZA (銀座界隈のお店)


前回同様、水出し玉露を飲んだのでご紹介は割愛しますが、この水出し玉露の美味さは次元が違います。 初来店の連れが驚いている反応をニヤニヤしながら見てましたw 一緒に頼んだ和菓子も美味しかった…。
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今日は前回の記事に引き続き、千葉市美術館の「帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズ ギッター・コレクション展」の後編をご紹介いたします。前編には混み具合なども記載しておりますので、前編を読まれていない方は前編から先にお読み頂けると嬉しいです。
前編はこちら

まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズ ギッター・コレクション展
【公式サイト】
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2010/1214/1214.html
【会場】
千葉市美術館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】
千葉駅(JR・京成)京成千葉中央駅(京成) 葭川公園駅(千葉都市モノレール)など
【会期】
2010年12月14日(火)~2011年1月23日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時半頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
1章は若冲や蕭白、2章は琳派ときて、3章以降は禅画や文人画が主な内容となっていました。
<第3章 白隠と禅の書画>
3章は禅画のコーナーです。達磨や僧を描いた水墨画が並んでいました。前編でご紹介したようにギッター博士の最初の絵画コレクションは白隠の達磨図で、禅画は早いうちから興味があったようです。
46 円山応挙 「達磨図」
珍しい応挙の禅画です。やや横向きでこちらを見るような達磨が描かれています。濃淡を使い分けていて、濃く描かれた目線の鋭さが印象的でした。
48 仙義梵 「欠伸布袋図」
大胆にデフォルメされた布袋が大の字になって大きくあくびをしている様子を描いた作品です。何とも気持ち良さそうな顔をしていてユーモラスな印象を受けました。 似たような絵を出光で観たような記憶があります。
50 中原南天棒 「達磨図」
達磨の言葉である「不識」という字が力強く豪胆に書かれています。(読めませんがw) その文字の下の方の湾曲部分にはへの字口できょとんととぼけた表情の達磨が描かれています。気合の入った文字と対照的な脱力系の達磨がなんとも面白いです。この中原南天棒は幕末から大正時代の僧で、日本よりは海外で有名で評価が高い画家です。今回の展示で一気にファンが増えるのでは??
36 白隠慧鶴 「達磨図」
これがギッターコレクション最初の作品です。掛け軸に大きく達磨の顔が描かれています。太い輪郭でぎょろっとした表情をしていて、威厳があります。上には賛があり、「直指人心 見性成仏」という禅の言葉が書かれていて、これは、「直接人の本質的な心を指して、その心にある仏性を見て取れば悟りは開ける」という意味だそうです。ギッター博士はこの書は読めないし、仏教徒でもありませんが、書と画に惹かれるものがあったんでしょうね。ある意味、自分の心と向き合っている人なのかも。
この辺は白隠のユーモアある作品が並んでいました。最近、白隠の作品を観る機会が何度かありましたが中々面白い作風です。
参考記事:
諸国畸人伝 (板橋区立美術館)
細川家の至宝-珠玉の永青文庫コレクション- (東京国立博物館 平成館)
51 中原南天棒 「托鉢僧行列図」
この展覧会でも特にインパクトがあって人気が出そうなのはこの作品です。2幅セットの掛け軸で、右幅はこちらに向かってくる托鉢僧の行列、左幅は帰って行く行列が描かれています。僧たちはデフォルメされていて、人と言うよりはペンギンみたいな感じですw ぞろぞろ~~っと配給を貰って、そそくさ~っと帰って行く… 自分を中心に列を作られているような感覚になる作品でした。
この隣にも似たような行列の絵がありましたが、こちらのセットの方が良いですね。 中原南天棒の作品はもっと観たい!と思えてきました。どこかで企画展やらないかなw
<第4章 自然との親しみ>
3章で上階は終わりで4章から下階になります。このコーナーは応挙関連の絵師や文人画が多かったように思います。
57 源 「松に虎図」
円山応挙の唯一の内弟子である源の作品です。この絵は鋭い目(若干猫みたいな目)をした虎がこちらを伺っている様子が描かれているのですが、驚くべきはその毛並みです。ミリ以下の細い毛がびっしり描かれていて、本物のような雰囲気が出ていました。どれほどの労力と精神力を使ったのか… 驚きでした。
58 源 「桜に鴉図」
これも源です。桜の木の枝に留まるつがいのカラスが大きめに描かれていて、周りには金泥による霞が立ちこめています。桜の花は入念に描かれていて、全体的にも優美な雰囲気がありました。この作品はこの展示の中でもかなり好みだったかも。
この後から文人画が結構増えてきました。池大雅や谷文晁の作品などもありました。
63 山本梅逸 「四季草花図」
6曲1双の屏風です。淡い色で描かれた繊細な画風で、右隻には梅や牡丹、左隻には松、竹、菊、芙蓉などが咲き誇っていました。色合いのせいか、華やかと言うよりはしっとりした雰囲気に思えました。
59 渡辺南岳 「群鶴図」
この人は応挙や源にも学んだ絵師です。これは2曲の金屏風に3羽の鶴が描かれているのですが、よく見ると鶴の羽は1本1本描き込まれていました(源の虎の毛と争うくらいの緻密さです) 毛並みの美しさや優美さを感じる一方で、写実性もある作品でした。
<第5章 理想の山水>
このコーナーは主に文人画のコーナーでした。私は文人画はあまり好みでないので、見ても良さがピンとこないのですが、ギッターコレクションは文人画も充実しているようでした
73 池大雅 「山水に稲田図」
掛け軸の縦長の画面で、上から山、川、田というように風景が展開しています。稲田や山々がリズミカルに並んでいて穏やかな光景となっていました。
この辺には谷文晁や与謝蕪村の作品などもありました。
68 雲谷等益 「山水図」
2幅セットの掛け軸です。その名の通り山水を描いた作品なのですが、この人は雪舟4代を名乗っていただけあって、雰囲気が雪舟と似ているように思います。墨の濃淡を自在に扱っているような感じでした。
参考記事:本館リニューアル記念 特別公開 (東京国立博物館 本館)
82 谷文晁 「山水図」 ★こちらで観られます
6曲1双の屏風で、金地に墨で描かれた作品です。山々に囲まれた湖が描かれているのですが、迫力を感じる崖があるかと思えば、霞むような山々があるなど、濃淡の使い分けが良かったです。金地に黒がよく映えて、奥行きも感じられるようでした。
<第6章 楽しげな人生>
6章はそれ以外の江戸絵画という感じかな。浮世絵の肉筆などもあり、当時の風俗を知ることができるような粋な作品が並んでいました。
88 伝 土佐大掾元庸 「洛中洛外図」
6曲1双の金地の洛中洛外図屏風です。大和絵風に右隻は東山、右隻は二条城などが描かれ、かなり細かい描写となっています。遠近法はちょっと変ですが、生き生きとした人々が描かれていて、栄えて平和な様相となっていました。
93 川又常正 「納涼美人図」
川の側の席に腰掛けて休んでいる、団扇を持った遊女を描いた作品です。右にはタバコ盆を持ってくる禿(かむろ)の姿もあります。遊女と禿だけが色鮮やかで、白い肌やポーズから色気を感じました。
この辺はこうした美人画が多くて好みの内容でした。
97 歌川国貞 「美人見立士農工商図」 ★こちらで観られます
2枚セットの美人画です。右は赤い枝垂桜模様の振袖を着ている武家の女性と、カゴを持ってしゃがんでいる青い着物の農家の女性が描かれています。 左はしゃがんで扇子を作っている女性と、髪結いと思われる女性が描かれています。 実はこの4人合わせて士農工商の身分を表しているようで、階級ごとに装いやポーズが異なっているのが面白かったです。
106 富田渓仙 「遊里風俗図」
6曲1双の屏風で、1扇ごとに江戸の吉原や京の祇園、長崎、大坂、中国など各地の遊郭を描いた絵となっています。簡略化された画風でのびのびとした印象を受けると共に、当時の様子を窺い知ることができるように思いました。
この辺は他に与謝蕪村なども文人画もありました。
ということで、正直なところ1章2章が大満足だとすると、3章6章は満足、4章5章は作品によってという感じですw (ミーハーですみませんw) しかし、トータルで考えるとやはり千葉まで行った甲斐があると思える素晴らしい内容でした。図録を買おうか悩みましたが、絵葉書5枚にしました。ミュージアムショップには中原南天棒の「托鉢僧行列図」をTシャツにしたものもありましたw
もうすぐ終わってしまいますがお勧めの展覧会です。それにしても千葉市美術館は最近良い展覧会を連発していますね。
前編はこちら

まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズ ギッター・コレクション展
【公式サイト】
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2010/1214/1214.html
【会場】
千葉市美術館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】
千葉駅(JR・京成)京成千葉中央駅(京成) 葭川公園駅(千葉都市モノレール)など
【会期】
2010年12月14日(火)~2011年1月23日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時半頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
1章は若冲や蕭白、2章は琳派ときて、3章以降は禅画や文人画が主な内容となっていました。
<第3章 白隠と禅の書画>
3章は禅画のコーナーです。達磨や僧を描いた水墨画が並んでいました。前編でご紹介したようにギッター博士の最初の絵画コレクションは白隠の達磨図で、禅画は早いうちから興味があったようです。
46 円山応挙 「達磨図」
珍しい応挙の禅画です。やや横向きでこちらを見るような達磨が描かれています。濃淡を使い分けていて、濃く描かれた目線の鋭さが印象的でした。
48 仙義梵 「欠伸布袋図」
大胆にデフォルメされた布袋が大の字になって大きくあくびをしている様子を描いた作品です。何とも気持ち良さそうな顔をしていてユーモラスな印象を受けました。 似たような絵を出光で観たような記憶があります。
50 中原南天棒 「達磨図」
達磨の言葉である「不識」という字が力強く豪胆に書かれています。(読めませんがw) その文字の下の方の湾曲部分にはへの字口できょとんととぼけた表情の達磨が描かれています。気合の入った文字と対照的な脱力系の達磨がなんとも面白いです。この中原南天棒は幕末から大正時代の僧で、日本よりは海外で有名で評価が高い画家です。今回の展示で一気にファンが増えるのでは??
36 白隠慧鶴 「達磨図」
これがギッターコレクション最初の作品です。掛け軸に大きく達磨の顔が描かれています。太い輪郭でぎょろっとした表情をしていて、威厳があります。上には賛があり、「直指人心 見性成仏」という禅の言葉が書かれていて、これは、「直接人の本質的な心を指して、その心にある仏性を見て取れば悟りは開ける」という意味だそうです。ギッター博士はこの書は読めないし、仏教徒でもありませんが、書と画に惹かれるものがあったんでしょうね。ある意味、自分の心と向き合っている人なのかも。
この辺は白隠のユーモアある作品が並んでいました。最近、白隠の作品を観る機会が何度かありましたが中々面白い作風です。
参考記事:
諸国畸人伝 (板橋区立美術館)
細川家の至宝-珠玉の永青文庫コレクション- (東京国立博物館 平成館)
51 中原南天棒 「托鉢僧行列図」
この展覧会でも特にインパクトがあって人気が出そうなのはこの作品です。2幅セットの掛け軸で、右幅はこちらに向かってくる托鉢僧の行列、左幅は帰って行く行列が描かれています。僧たちはデフォルメされていて、人と言うよりはペンギンみたいな感じですw ぞろぞろ~~っと配給を貰って、そそくさ~っと帰って行く… 自分を中心に列を作られているような感覚になる作品でした。
この隣にも似たような行列の絵がありましたが、こちらのセットの方が良いですね。 中原南天棒の作品はもっと観たい!と思えてきました。どこかで企画展やらないかなw
<第4章 自然との親しみ>
3章で上階は終わりで4章から下階になります。このコーナーは応挙関連の絵師や文人画が多かったように思います。
57 源 「松に虎図」
円山応挙の唯一の内弟子である源の作品です。この絵は鋭い目(若干猫みたいな目)をした虎がこちらを伺っている様子が描かれているのですが、驚くべきはその毛並みです。ミリ以下の細い毛がびっしり描かれていて、本物のような雰囲気が出ていました。どれほどの労力と精神力を使ったのか… 驚きでした。
58 源 「桜に鴉図」
これも源です。桜の木の枝に留まるつがいのカラスが大きめに描かれていて、周りには金泥による霞が立ちこめています。桜の花は入念に描かれていて、全体的にも優美な雰囲気がありました。この作品はこの展示の中でもかなり好みだったかも。
この後から文人画が結構増えてきました。池大雅や谷文晁の作品などもありました。
63 山本梅逸 「四季草花図」
6曲1双の屏風です。淡い色で描かれた繊細な画風で、右隻には梅や牡丹、左隻には松、竹、菊、芙蓉などが咲き誇っていました。色合いのせいか、華やかと言うよりはしっとりした雰囲気に思えました。
59 渡辺南岳 「群鶴図」
この人は応挙や源にも学んだ絵師です。これは2曲の金屏風に3羽の鶴が描かれているのですが、よく見ると鶴の羽は1本1本描き込まれていました(源の虎の毛と争うくらいの緻密さです) 毛並みの美しさや優美さを感じる一方で、写実性もある作品でした。
<第5章 理想の山水>
このコーナーは主に文人画のコーナーでした。私は文人画はあまり好みでないので、見ても良さがピンとこないのですが、ギッターコレクションは文人画も充実しているようでした
73 池大雅 「山水に稲田図」
掛け軸の縦長の画面で、上から山、川、田というように風景が展開しています。稲田や山々がリズミカルに並んでいて穏やかな光景となっていました。
この辺には谷文晁や与謝蕪村の作品などもありました。
68 雲谷等益 「山水図」
2幅セットの掛け軸です。その名の通り山水を描いた作品なのですが、この人は雪舟4代を名乗っていただけあって、雰囲気が雪舟と似ているように思います。墨の濃淡を自在に扱っているような感じでした。
参考記事:本館リニューアル記念 特別公開 (東京国立博物館 本館)
82 谷文晁 「山水図」 ★こちらで観られます
6曲1双の屏風で、金地に墨で描かれた作品です。山々に囲まれた湖が描かれているのですが、迫力を感じる崖があるかと思えば、霞むような山々があるなど、濃淡の使い分けが良かったです。金地に黒がよく映えて、奥行きも感じられるようでした。
<第6章 楽しげな人生>
6章はそれ以外の江戸絵画という感じかな。浮世絵の肉筆などもあり、当時の風俗を知ることができるような粋な作品が並んでいました。
88 伝 土佐大掾元庸 「洛中洛外図」
6曲1双の金地の洛中洛外図屏風です。大和絵風に右隻は東山、右隻は二条城などが描かれ、かなり細かい描写となっています。遠近法はちょっと変ですが、生き生きとした人々が描かれていて、栄えて平和な様相となっていました。
93 川又常正 「納涼美人図」
川の側の席に腰掛けて休んでいる、団扇を持った遊女を描いた作品です。右にはタバコ盆を持ってくる禿(かむろ)の姿もあります。遊女と禿だけが色鮮やかで、白い肌やポーズから色気を感じました。
この辺はこうした美人画が多くて好みの内容でした。
97 歌川国貞 「美人見立士農工商図」 ★こちらで観られます
2枚セットの美人画です。右は赤い枝垂桜模様の振袖を着ている武家の女性と、カゴを持ってしゃがんでいる青い着物の農家の女性が描かれています。 左はしゃがんで扇子を作っている女性と、髪結いと思われる女性が描かれています。 実はこの4人合わせて士農工商の身分を表しているようで、階級ごとに装いやポーズが異なっているのが面白かったです。
106 富田渓仙 「遊里風俗図」
6曲1双の屏風で、1扇ごとに江戸の吉原や京の祇園、長崎、大坂、中国など各地の遊郭を描いた絵となっています。簡略化された画風でのびのびとした印象を受けると共に、当時の様子を窺い知ることができるように思いました。
この辺は他に与謝蕪村なども文人画もありました。
ということで、正直なところ1章2章が大満足だとすると、3章6章は満足、4章5章は作品によってという感じですw (ミーハーですみませんw) しかし、トータルで考えるとやはり千葉まで行った甲斐があると思える素晴らしい内容でした。図録を買おうか悩みましたが、絵葉書5枚にしました。ミュージアムショップには中原南天棒の「托鉢僧行列図」をTシャツにしたものもありましたw
もうすぐ終わってしまいますがお勧めの展覧会です。それにしても千葉市美術館は最近良い展覧会を連発していますね。
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先週の日曜日に千葉に遠征して千葉市美術館で「帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズ ギッター・コレクション展」を観てきました。見所が多く、メモも多めにとってきましたので、前編・後編に分けてご紹介しようと思います。

【展覧名】
帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズ ギッター・コレクション展
【公式サイト】
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2010/1214/1214.html
【会場】
千葉市美術館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】
千葉駅(JR・京成)京成千葉中央駅(京成) 葭川公園駅(千葉都市モノレール)など
【会期】2010年12月14日(火)~2011年1月23日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時半頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
会場は結構な賑わいで、場所によって(特に最初の方)は混み合っていました。1つの絵に1~2人ついてるくらいかな。中盤以降はそんなに混んでいなかったので、一時的なものだったのかもしれません。
さて、この展示はアメリカの日本美術のコレクターである眼科医のギッター博士と奥さんの2人で40年間かけて集めたコレクションを展示しています。(110点程度)ギッター博士は在日米軍の医師として日本に滞在していたことをきっかけに日本美術のコレクションを始めたそうで、その内容は江戸時代を代表する絵師を網羅する素晴らしいものでした。(最近、満足⑤の頻度が高い気がしますが、若冲や琳派は好みのど真ん中なので、自然と満足度も高くなりますw)
今回の展示は同時開催の企画は無く、2フロアに渡って広々と展示されていました。全6章構成となっていたのですが、特に前半に好みの作品が集中していたので、今日は1~2章、後編は3~6章をご紹介しようと思います。なお、似たような作品名が多いので、一応作品番号もつけておこうと思います。
<第1章 若冲と奇想の画家たち>
まずは若冲や蕭白といった最近注目度の上がっている奇想の絵師を取り上げたコーナーでした。最初から見所が多くて驚きますw
1 伊藤若冲/無染浄善 「達磨図」 ★こちらで観られます
今回のポスターになっている達磨図です。ぎょろっとした目、濃い眉、大きな髭など少しコミカルな雰囲気のある水墨で、若干うつろな顔をしているかな。 ダイナミックな筆遣いに思える一方で、緩急をつけた表現となっているようでした。初っ端からインパクト大です。
2 伊藤若冲/無染浄善 「寒山拾得図」
子供のような寒山と拾得の姿を描いた作品です。寒山は後姿で眠っているのかな? 拾得はうつ伏せで眠そうな顔で箒を眺めています。何とものんびりした雰囲気で、可愛らしい無邪気な印象を受けました。こんな可愛い寒山拾得は観たことが無いw 解説によるとこの2人の姿勢が三角形を描いているそうで、確かにそうなっていました。可愛いだけじゃないんですねw
ちなみに、寒山と拾得はよく主題とされますが、その見分け方は、寒山は巻物を持っていることが多く、拾得は箒を持っていることが多いようです。
この隣も若冲の寒山拾得図だったのですが、以前ここで観た作品と同様の特徴がありました。
参考記事:
伊藤若冲 アナザーワールド (千葉市美術館)
伊藤若冲 アナザーワールド 2回目(千葉市美術館)
7 伊東若冲 「白象図」 ★こちらで観られます
これも今回の大きな見所じゃないかな。正面を向いた白い象が描かれた作品で、単純化されていてキャラクターのような愛嬌があります。体が丸く、その両脇は画面からはみ出しているのが迫ってくるような感じを生み出していました。なお、白くなっているところは地を塗り残しているようで、黒と白を反転させるような表現となっているのも面白かったです。
この隣には卵型の胴をした若冲が得意とする鶴の図もありました。
9 曾我蕭白 「二老人図」
滝の畔で鬼のような形相の人物と、穏やかな顔をした老人(仙人みたいな)が巻物を広げていて、鬼の顔の人が何かを教えているような場面を描いた作品です。これは呂洞賓に仙術を教えているところではないか?とのことでしたが定かではないようです。蕭白には鬼気迫る作品がありますが、これは穏やかな雰囲気を感じました。
参考リンク:呂洞賓のWikipedia
11 曾我蕭白 「蘭亭曲水図」
川の畔に立つ建物(蘭亭)に42人の名士が集い、曲水の宴をした故事に主題した作品です。立派な川が流れ、奥には山々が見えているのですが、墨の濃淡がくっきりしていて力強い印象を受けました。
18 徴翁文徳 「龍虎図」
6曲1双の屏風です。右が2頭の虎、左が龍となっていて、お互いに向き合うように対峙しています。右隻は背景が白っぽく、左から強い風が吹いているような感じがしました。虎の毛並みはふわっとしているのが繊細で、目はぎょろっとしているのは逆に大胆な感じです。 左隻はダイナミックに渦巻く波(雲?)が力強かったです。こちらは背景が黒っぽく、右隻とコントラストになっているようでした。 ギッターさんも一押しの作品です。
14 長澤蘆雪 「月に竹図」
これもかなり気に入った風情ある作品で、右下から左上に向かって伸びる竹と、ぼんやり浮かぶ満月が描かれています。この絵は輪郭線をとらない技法で描かれているらしく、月はしっとりした雰囲気を出していました。また、この月は白く塗り残しているそうで、こうした技法は師匠の円山応挙を思わせるとのことでした。(そう言えば応挙は雪を塗り残してたりします。)
参考記事:円山応挙-空間の創造 (三井記念美術館)
16 長澤蘆雪 「赤壁図」
中国の絶壁を主題にした作品です。崖の下の川を行く舟が描かれ、もやが立ち込めるような雰囲気です。絶壁は大きく雄大で、岩山と岩山の合間に月が浮かんでいるのが風流な感じでした。
<第2章 琳派の多彩>
続いては琳派のコーナーでした。尾形光琳の作品こそありませんでしたが、光琳に絶大な影響を与えた宗達や、光琳に影響を受けた抱一や其一の作品などがあり、煌びやかなコーナーとなっていました。
20 俵屋宗達 「四睡図」
虎、豊干禅師、寒山、拾得の1匹+3人が寝ている様子を描いた水墨画です。丸っこい虎に寄りかかって寝ている顔が気持ち良さそうw 簡略化されていますが、丁寧な筆を感じる作品でした。 それにしても個人で宗達の作品を持ってるって凄いですね。
21 俵屋宗達 「鴨に菖蒲図」
翼を広げて飛び立つ鴨と、左下に白いあやめが描かれた作品です。鴨は首や羽にはにじみを利用した「たらしこみ」の技法が見られるかな。黒い頭と白い腹の色合いなども含めて濃淡が素晴らしい作品でした。
この辺りで約8分の映像コーナーがありました。最初はギッター博士は最初にハニワに興味を持ち、次に焼き物、その次に江戸絵画というように興味を広げて行ったようです。最初の絵画コレクションは白隠の達磨図だったそうで、これは後ほど展示されています。 インタビューを聞いているとギッター博士は中途半端に日本語を覚えようとせず、感覚で作品を集めているようでした。ニューオリンズの自宅に集めた作品を並べているのですが、2005年にカトリーナが来た際、ギリギリで作品は生き残ったようです(確か5点くらいは駄目になってしまったそうですが…) もうちょっと被害があったらここの作品は消えていたのか…と考えると、個人蔵は危なっかしい気もしますw
26 酒井抱一 「秋冬草花図」
「ぬるで」という赤く紅葉した木や桔梗、葛など秋冬の草花が色鮮やかに描かれた作品です。優美な曲線を描いた姿や、たらしこみを使ったような葉っぱの表現など、非常に好みの作品でした。
27 鈴木其一 「蓬莱山図」
様式化された波間の中、そびえるように立つ岩山(蓬莱山)が描かれた作品です。岩山には松や桜、山の上には赤い太陽と2羽の鶴の姿もあり、お目出度い雰囲気があるかな。緻密な描写と様式化が共存しているところや、鮮やかな色彩から雅なものを感じました。
25 酒井抱一/花山院愛徳 「朝陽に四季草花図」 ★こちらで観られます
今回の展示で最も気に入った作品です。3枚セットの掛け軸で、中央は赤い太陽が描かれ、将軍家を讃える歌も書かれています。右幅の上部には桜、下部には様式化された流水に杜若と河骨、左幅の上部は紅葉、下部には笹に水仙が描かれていました。色彩感覚に気品があり、草花からは軽やかな印象を受けました。素晴らしい!
29 鈴木其一 「秋草図」
赤く染まる秋草と桔梗を描いた作品です。解説によると後方は墨の濃淡でシルエットのように描き、手前は鮮やかな色で際立たせているそうです。描きなれている主題のようで、流麗な雰囲気がありました。
30 酒井鶯蒲 「紅楓図」
たらしこみで描かれた木に、様々な赤色に染まる楓を描いた作品です。1枚1枚の色合いが異なっているのが面白く、華やかな印象を受けました。
と言うことで、1~2章は好みの絵師の作品ばかりで目移りしてしまうほどでしたw ギッター博士は全米でも指折りの眼科医のようですが、個人でこれだけのコレクションを集めるとは…と、感心するばかりの内容です。 個人蔵であることも考えると非常に貴重な機会だと思いますので、おすすめです。
次回は残りの3~6章をご紹介します。


【展覧名】
帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズ ギッター・コレクション展
【公式サイト】
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2010/1214/1214.html
【会場】
千葉市美術館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】
千葉駅(JR・京成)京成千葉中央駅(京成) 葭川公園駅(千葉都市モノレール)など
【会期】2010年12月14日(火)~2011年1月23日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時半頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
会場は結構な賑わいで、場所によって(特に最初の方)は混み合っていました。1つの絵に1~2人ついてるくらいかな。中盤以降はそんなに混んでいなかったので、一時的なものだったのかもしれません。
さて、この展示はアメリカの日本美術のコレクターである眼科医のギッター博士と奥さんの2人で40年間かけて集めたコレクションを展示しています。(110点程度)ギッター博士は在日米軍の医師として日本に滞在していたことをきっかけに日本美術のコレクションを始めたそうで、その内容は江戸時代を代表する絵師を網羅する素晴らしいものでした。(最近、満足⑤の頻度が高い気がしますが、若冲や琳派は好みのど真ん中なので、自然と満足度も高くなりますw)
今回の展示は同時開催の企画は無く、2フロアに渡って広々と展示されていました。全6章構成となっていたのですが、特に前半に好みの作品が集中していたので、今日は1~2章、後編は3~6章をご紹介しようと思います。なお、似たような作品名が多いので、一応作品番号もつけておこうと思います。
<第1章 若冲と奇想の画家たち>
まずは若冲や蕭白といった最近注目度の上がっている奇想の絵師を取り上げたコーナーでした。最初から見所が多くて驚きますw
1 伊藤若冲/無染浄善 「達磨図」 ★こちらで観られます
今回のポスターになっている達磨図です。ぎょろっとした目、濃い眉、大きな髭など少しコミカルな雰囲気のある水墨で、若干うつろな顔をしているかな。 ダイナミックな筆遣いに思える一方で、緩急をつけた表現となっているようでした。初っ端からインパクト大です。
2 伊藤若冲/無染浄善 「寒山拾得図」
子供のような寒山と拾得の姿を描いた作品です。寒山は後姿で眠っているのかな? 拾得はうつ伏せで眠そうな顔で箒を眺めています。何とものんびりした雰囲気で、可愛らしい無邪気な印象を受けました。こんな可愛い寒山拾得は観たことが無いw 解説によるとこの2人の姿勢が三角形を描いているそうで、確かにそうなっていました。可愛いだけじゃないんですねw
ちなみに、寒山と拾得はよく主題とされますが、その見分け方は、寒山は巻物を持っていることが多く、拾得は箒を持っていることが多いようです。
この隣も若冲の寒山拾得図だったのですが、以前ここで観た作品と同様の特徴がありました。
参考記事:
伊藤若冲 アナザーワールド (千葉市美術館)
伊藤若冲 アナザーワールド 2回目(千葉市美術館)
7 伊東若冲 「白象図」 ★こちらで観られます
これも今回の大きな見所じゃないかな。正面を向いた白い象が描かれた作品で、単純化されていてキャラクターのような愛嬌があります。体が丸く、その両脇は画面からはみ出しているのが迫ってくるような感じを生み出していました。なお、白くなっているところは地を塗り残しているようで、黒と白を反転させるような表現となっているのも面白かったです。
この隣には卵型の胴をした若冲が得意とする鶴の図もありました。
9 曾我蕭白 「二老人図」
滝の畔で鬼のような形相の人物と、穏やかな顔をした老人(仙人みたいな)が巻物を広げていて、鬼の顔の人が何かを教えているような場面を描いた作品です。これは呂洞賓に仙術を教えているところではないか?とのことでしたが定かではないようです。蕭白には鬼気迫る作品がありますが、これは穏やかな雰囲気を感じました。
参考リンク:呂洞賓のWikipedia
11 曾我蕭白 「蘭亭曲水図」
川の畔に立つ建物(蘭亭)に42人の名士が集い、曲水の宴をした故事に主題した作品です。立派な川が流れ、奥には山々が見えているのですが、墨の濃淡がくっきりしていて力強い印象を受けました。
18 徴翁文徳 「龍虎図」
6曲1双の屏風です。右が2頭の虎、左が龍となっていて、お互いに向き合うように対峙しています。右隻は背景が白っぽく、左から強い風が吹いているような感じがしました。虎の毛並みはふわっとしているのが繊細で、目はぎょろっとしているのは逆に大胆な感じです。 左隻はダイナミックに渦巻く波(雲?)が力強かったです。こちらは背景が黒っぽく、右隻とコントラストになっているようでした。 ギッターさんも一押しの作品です。
14 長澤蘆雪 「月に竹図」
これもかなり気に入った風情ある作品で、右下から左上に向かって伸びる竹と、ぼんやり浮かぶ満月が描かれています。この絵は輪郭線をとらない技法で描かれているらしく、月はしっとりした雰囲気を出していました。また、この月は白く塗り残しているそうで、こうした技法は師匠の円山応挙を思わせるとのことでした。(そう言えば応挙は雪を塗り残してたりします。)
参考記事:円山応挙-空間の創造 (三井記念美術館)
16 長澤蘆雪 「赤壁図」
中国の絶壁を主題にした作品です。崖の下の川を行く舟が描かれ、もやが立ち込めるような雰囲気です。絶壁は大きく雄大で、岩山と岩山の合間に月が浮かんでいるのが風流な感じでした。
<第2章 琳派の多彩>
続いては琳派のコーナーでした。尾形光琳の作品こそありませんでしたが、光琳に絶大な影響を与えた宗達や、光琳に影響を受けた抱一や其一の作品などがあり、煌びやかなコーナーとなっていました。
20 俵屋宗達 「四睡図」
虎、豊干禅師、寒山、拾得の1匹+3人が寝ている様子を描いた水墨画です。丸っこい虎に寄りかかって寝ている顔が気持ち良さそうw 簡略化されていますが、丁寧な筆を感じる作品でした。 それにしても個人で宗達の作品を持ってるって凄いですね。
21 俵屋宗達 「鴨に菖蒲図」
翼を広げて飛び立つ鴨と、左下に白いあやめが描かれた作品です。鴨は首や羽にはにじみを利用した「たらしこみ」の技法が見られるかな。黒い頭と白い腹の色合いなども含めて濃淡が素晴らしい作品でした。
この辺りで約8分の映像コーナーがありました。最初はギッター博士は最初にハニワに興味を持ち、次に焼き物、その次に江戸絵画というように興味を広げて行ったようです。最初の絵画コレクションは白隠の達磨図だったそうで、これは後ほど展示されています。 インタビューを聞いているとギッター博士は中途半端に日本語を覚えようとせず、感覚で作品を集めているようでした。ニューオリンズの自宅に集めた作品を並べているのですが、2005年にカトリーナが来た際、ギリギリで作品は生き残ったようです(確か5点くらいは駄目になってしまったそうですが…) もうちょっと被害があったらここの作品は消えていたのか…と考えると、個人蔵は危なっかしい気もしますw
26 酒井抱一 「秋冬草花図」
「ぬるで」という赤く紅葉した木や桔梗、葛など秋冬の草花が色鮮やかに描かれた作品です。優美な曲線を描いた姿や、たらしこみを使ったような葉っぱの表現など、非常に好みの作品でした。
27 鈴木其一 「蓬莱山図」
様式化された波間の中、そびえるように立つ岩山(蓬莱山)が描かれた作品です。岩山には松や桜、山の上には赤い太陽と2羽の鶴の姿もあり、お目出度い雰囲気があるかな。緻密な描写と様式化が共存しているところや、鮮やかな色彩から雅なものを感じました。
25 酒井抱一/花山院愛徳 「朝陽に四季草花図」 ★こちらで観られます
今回の展示で最も気に入った作品です。3枚セットの掛け軸で、中央は赤い太陽が描かれ、将軍家を讃える歌も書かれています。右幅の上部には桜、下部には様式化された流水に杜若と河骨、左幅の上部は紅葉、下部には笹に水仙が描かれていました。色彩感覚に気品があり、草花からは軽やかな印象を受けました。素晴らしい!
29 鈴木其一 「秋草図」
赤く染まる秋草と桔梗を描いた作品です。解説によると後方は墨の濃淡でシルエットのように描き、手前は鮮やかな色で際立たせているそうです。描きなれている主題のようで、流麗な雰囲気がありました。
30 酒井鶯蒲 「紅楓図」
たらしこみで描かれた木に、様々な赤色に染まる楓を描いた作品です。1枚1枚の色合いが異なっているのが面白く、華やかな印象を受けました。
と言うことで、1~2章は好みの絵師の作品ばかりで目移りしてしまうほどでしたw ギッター博士は全米でも指折りの眼科医のようですが、個人でこれだけのコレクションを集めるとは…と、感心するばかりの内容です。 個人蔵であることも考えると非常に貴重な機会だと思いますので、おすすめです。
次回は残りの3~6章をご紹介します。
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