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国宝 阿修羅展 2回目【東京国立博物館】

先週行ったばかりですが、19日で3体の像が公開終了となるので、見納めにまた「国宝 阿修羅展」を観に行ってきた。今回は日曜の18時を狙ってみた。

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【展覧名】
興福寺創建1300年記念「国宝 阿修羅展」

【公式サイト】
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=6113

【会場】東京国立博物館 平成館 (上野公園)
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2009年3月31日(火)~6月7日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
 ※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間40分程度

【混み具合(日曜日18時頃です)】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】

前回のレポートもあわせてどうぞ。
http://21stcenturyxxxman.blog40.fc2.com/blog-entry-33.html


先週は土曜の昼に行ったので、入場制限を食らいましたが、流石にこの時間は制限無しで入れました。しかし空いているかというと、そんなことは無いです。 19時頃からだいぶ人は減りましたが18時くらいだとまだ観るのに列が出来てるくらいです。(19時すぎると阿修羅以外はすんなり観られました。)

前回紹介できなかった作品を中心に章ごとに紹介。

<第1章 興福寺創建と中金堂鎮壇具>
ここは今回もさらっと観た。水晶や瑪瑙などの加工品が並んでいて、当時の技術の高さがうかがえます。観てすぐに感動するっていう類のものではないけれど、貴重さを知ることが出来ます。

<第2章 国宝 阿修羅とその世界>
19日で展示が終了したのは、畢婆迦羅(ひばから)、鳩槃荼(くばんだ)、羅ご羅(らごら)の3体。

畢婆迦羅(ひばから)
ひげを生やした精悍な顔立ちで、威厳があるけど若さも感じて、やり手の営業にいそうな顔をしているなーなんて思いながら観てました。
人間らしさを感じる分存在感が強くて、まるで動き出しそうなリアリティがあります。

鳩槃荼(くばんだ)
くわっと口を開いて怖い眼をしています。手の構えも含めて迫力があります。解説にはちょっと不気味さを漂わせているとまで書かれていましたが、力強さを感じます。

乾闥婆(けんだつば)
頭に獅子の頭が乗っかって、少年のような像です。眼をつぶって眉間には皺がよっています。瞑想してるのでしょうか。隣の鳩槃荼と対照的に静かな雰囲気を持っていました。

緊那羅(きんなら)
右手を破損していますが、厳格な雰囲気が強いです。なんといっても眼差しの鋭さと第三の眼が印象的です。音楽の守護者らしい。

五部浄(ごぶじょう)
破損しすぎて胸像みたいになってます。隣には壊れた腕も展示されていますが、それによって製造法が断面でわかります。象の頭を乗せて真剣な眼をしていました。

須菩提(すぼだい)
解空十大弟子の中で解空第一の弟子らしい。解空ってのはよくわからないのですが、この像は優しい顔をしています。穏やかな像でした。

舎利弗(しゃりほつ)
ちょっと厳しい顔つきです。流石、智恵第一の弟子です。この像だけではないですが、薄布をまとったような衣服のひだのリアルさも見所の1つかな。

目けん連(もくけんれん)
神通力第一の弟子。老年の顔をしています。私にとってはちょっと近づき難い雰囲気があるかも。神通力がある迫力でしょうか。

羅ご羅(らごら)
恐らく、羅ご羅と思われるということで、尊名は明らかになっていないらしい。眼をつぶって静かな雰囲気です。

阿修羅
やはり、今回の展示は阿修羅像に尽きると思います。今回もじっくり観てきましたが、正面の顔、右の顔、左の顔をよく観て来ました。
特に右の顔が唇をかんで悔しさをこらえている様にも見えたのが印象的でした。


<第3章 中金堂再建と仏像>
ここは前回全部書いたかなw やはり四天王(邪鬼も含めて)が好みです。

<第4章 バーチャルリアリティ映像「よみがえる興福寺中金堂」「阿修羅像」>
興福寺の中金堂がこんな風に再建されますというCGと、阿修羅の解説の2つの内容だった。阿修羅の下のまぶたに厚みがあって涙をためているような感じだとか、人間らしさと人間と違うところなどの解説が興味深くて、また阿修羅像を観て確認したくなった^^;

ということで、今回も大満足でした。 やはり阿修羅展は必見です! 

おまけ
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帰りに同じ平成館の1Fで開催されているアテネ・メトロ・ミュージアム展も見てきましたが、現代アートの写真だけで作品そのものは無かったです。まあ、阿修羅で心がいっぱいになっていたのと閉館間際であまり眼に入ってきませんでしたがw


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映画「スラムドッグ$ミリオネア」を観た

公開初日のレイトショーでアカデミーショー8部門受賞作「スラムドッグ$ミリオネア」を観てきた。
話題作なだけあって、レイトショーでも結構混んでた。

【作品名】
スラムドッグ$ミリオネア

【公式サイト】
http://slumdog.gyao.jp/

【時間】
2時間00分程度

【ストーリー】
 退屈_1_2_3_④_5_面白

【映像・役者】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【総合満足度】
 駄作_1_2_3_4_⑤_名作

【感想】
久々にエネルギーに溢れた壮大な作品でした。私はTVでミリオネアを観たこと無いのでルールとかわかんないかもなんて思ってましたが、そういうことはあまり関係なかったw

ストーリーは数々の複線が張られていますが案外ストレートなものです。もうネタバレされまくっている通り、無学な青年がなぜクイズの答えを知っていたか?を1問1問について、今までの人生を振り返りつつ明かしていきます。そして、その過去が私の発想にもないほど貧乏で不潔で野蛮で悲惨なもの。。。そんな中、主人公達はしたたかに強く生き延びていきます。悲惨な状況なのに意外と明るい感じや、生きていこうとするパワーに惹かれます。また、背景となるスラムに強いメッセージ性を感じました。そして、この映画は恋愛要素も強いです。クイズも恋愛もどんな結末になるのか??中盤以降、どんどん盛り上がります。最後のほうは何かとハラハラします。

ということで、様々なテーマが盛りだくさんで映画館で観ることをお勧めできる1本です。アカデミー賞作品っていまいち好きになれない作品が多かったりしますが、これは娯楽映画としても楽しめました。
エンドロールも楽しめますよ^^


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映画「ヤッターマン」を観た

金曜の仕事帰りに美術館に行こうと思ったらもう遅かったので、レイトショーで映画「ヤッターマン」を観てきた。深田恭子を観るのを目的に行ったようなw 

【作品名】
ヤッターマン

【公式サイト】
http://www.yatterman-movie.com/

【時間】
1時間40分程度

【ストーリー】
 退屈_1_2_③_4_5_面白

【映像・役者】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【総合満足度】
 駄作_1_2_3_④_5_名作

【感想】
なんというか。。。ひたすたサービスショット満載で入浴シーンまであったりして、それだけでも満足した節があります^^; 中身はお馬鹿なエロ・グロ・ナンセンスって感じでしょうか。子供より大人が楽しめるかも。色々と楽しんで作ってるなーって思わせるシーンが多い。今週のビックリドッキリメカ!みたいに定番をきっちり再現しつつ、アニメの設定を引き継いだ不条理な笑いや、色恋があったりと、展開は馬鹿馬鹿しいけど読めません。サプライズや超展開もしばしば。

ちょっとCGがアニメっぽいので実写の違和感は無いかな。ドロンボーの3人は配役は特に良かったと思う。深田恭子は声までドロンジョぽくて役にぴったりだった。下妻物語もそうだったけど、こういうお馬鹿なのは得意なのかも。

ということで意外にも面白かったです。この映画を観る大体の人は原作を知っていると思うけど、原作と映画の違いを逆に楽しめるんじゃないかなと。こういう実写化は面白いですね。


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東京国立博物館の案内 【常設・美術編】

阿修羅展カルティエ展に行ったら、東京国立博物館の常設もお勧めです。
今週は東京国立博物館尽くしでしたが、今日で最終回。昨日の「仏教関連の常設作品」以外をご紹介。
(並んでいる場所はバラバラですが、ジャンルごとの並び順にしています。)

 ※特別展以外の館内は撮影禁止の場所・作品以外は撮影可能ですので何枚か写真をとってきました。
 掲載等に問題があったらすぐに削除しますのでお知らせください。
 ※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。



これに見覚えがある方も多いのでは? サントリー美術館で観たとの同じかな??
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このユニークな形から遊び心を感じます
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尾形光琳と尾形乾山の合作。実に贅沢な兄弟共演です。
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こんな硯箱だったら書道も好きになれたはずw
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刀剣の美しさでは日本刀は郡を抜いてますね。特に切っ先と波紋が好きです。
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右の空白部分は震災で欠けたのだとか
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花鳥が優雅な作品。
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ダイナミックです。モノクロな感じが引き立てます。
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仙人が出てきそうな風景だけど、生活感もあったりします
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強風の一場面。人々の仕草、後ろに見える富士と木や道の曲線。色々な美が凝縮されています。
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近景と遠景の組み合わせが絶妙ですね
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お花見でしょうか?華やかです。 江戸時代はこんな絶壁みたいなところも多かったようです。
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という感じです。他にも土偶、埴輪、土器、甲冑、衣装などなど紹介しきれないくらい素晴らしいものが展示されています。社会・歴史教科書に載っていたものも沢山あるので、おおお!って出会いもあると思います。 しかも展示品は結構変わるのでちょくちょくチェックしたいところです。阿修羅に行ったら常設も是非^^





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東京国立博物館の案内 【常設・仏教編】

阿修羅展カルティエ展に行ったら、東京国立博物館の常設もお勧めです。凄い作品が沢山あるのに特別展と打って変わって静かに観られます。東洋館はまわりきれなかったので、今回は法隆寺宝物館と本館を紹介。特に今日は阿修羅展に来た人にも興味がありそうな仏教関連の常設作品をピックアップ。
未熟な腕なので、暗くてうまく撮影できなかったですw (ISOなんかはいじったんですが。。。フラッシュなんて、もってのほかです) 見苦しいですが雰囲気だけでもご覧下さい。

 ※特別展以外の館内は撮影禁止の場所・作品以外は撮影可能ですので何枚か写真をとってきました。
  掲載等に問題があったらすぐに削除しますのでお知らせください。
 ※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。

まずは法隆寺宝物館の作品。

いろんな光背
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これだけでも美術と言えるのでは
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観音菩薩・勢至菩薩 
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ここのフロアには沢山の仏像が並んでいます。半跏像などもあります
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これは法隆寺宝物館2F。 ここにも重要文化財や国宝がゴロゴロとw
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龍が見事です
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口から水が出るのかな。こういうセンスが面白いです。
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ここからは本館の作品

十一面観音。上の顔にもご注目。
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不動明王。流石の迫力です。炎が右にたなびいています。
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仏法守護の眷属たち。阿修羅みたいに改心したのでしょうか。
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戦闘モードです。武器を持っています。
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一転変わって、これは朝鮮か中国かの仏像です。法隆寺宝物館で同じような国産の仏像がいます。
なんとも優美なポーズです。教科書で観たことあるかな?
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という感じで、常設も素晴らしい国宝がかなりの割合でおかれております。
これを観ずに帰るのは惜しい限りなので、是非常設もどうぞ。
次回は仏教関連以外の名品をご紹介


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東京国立博物館の案内 【建物編】

阿修羅展カルティエ展に行ったら、東京国立博物館の建物自体も面白いのでお勧めです。
阿修羅展をやっている平成館、カルティエ展の表慶館、本館、法隆寺宝物館、東洋館があります。
東洋館はまわりきれなかったので、今回は法隆寺宝物館と本館を紹介。

 ※特別展以外の館内は撮影禁止の場所・作品以外は撮影可能ですので何枚か写真をとってきました。
  掲載等に問題があったらすぐに削除しますのでお知らせください。
 ※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。


法隆寺宝物館。意外とここの存在を知らない人がいるみたい。正門左手です。
この建物の左端にある喫茶店のオープンテラスで、アップルパイを食べました。美味しかったです。
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適当な写真ですみません。法隆寺宝物館からの眺めです。奥に表慶館が見えます
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同じ場所から角度違い。
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ここからは本館内部


階段も格調高いです
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階段下の照明
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本館の裏側。休憩室になっています。
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洋館風です。
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同じ場所から見る中庭です。
普段は入れませんが、3月14日から4月19日まで、10時~16時に中庭が開放されるらしいです。
このときは終わっていました。
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ここの照明も凝っています。
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これは平成館1Fの照明
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帰る頃には本館がライトアップされて綺麗でした
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ということで、適当な写真ですみませんでした。こんな感じで建物自体も楽しめます。
そして次の日記では常設のご紹介をと考えています。。。


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酒呑童子 【東京国立博物館】

ご注意。今回は刺激の強い残虐な絵の写真が含まれております。
結構グロいので、苦手な方はまた明日いらしてください^^;

阿修羅展→カルティエ展→法隆寺宝物館→本館の黒田清輝と周ってきてさらに酒呑童子展も観てきました。この展示ってR18指定とかじゃないよね?ってくらい過激な絵がありましたw 

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【展覧名】
特集陳列 酒呑童子

【公式サイト】
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=B01&processId=01&event_id=6257

【会場】東京国立博物館 本館 特別1室・特別2室 (上野公園)
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2009/3/24~2009/4/19
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
 ※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。
 ※本館は撮影禁止の作品以外は撮影可能ですので何枚か写真をとってきました。禁止マークがないのを確認して撮っていますが、掲載等に問題があったらすぐに削除しますのでお知らせください。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合(土曜日18時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_4_⑤_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
絵画的に言えば狩野派の作品などがありますが、ひょうきんで不気味でグロくて大変なことになっています。
2つの部屋にわかれていて、1部屋目は36枚の扇絵で物語を辿っていくという内容。酒呑童子って金太郎が大人になった時に戦ったやつだよね?ってくらいの知識しか無かったですが、非常にわかりやすくストーリー順に展示されていて、こんな内容だったのか!?と驚きを禁じえません。
軽くストーリーを紹介すると、

    A:酒呑童子が暴れて困ってる
 → B:源頼光が坂田公時(金太郎)たち四天王を引き連れて退治の旅へ
 → C:途中、じいさんに会って毒の酒を貰う(ドラクエみたい。。。)
 → D:途中、酒呑童子にさらわれて洗濯してる女に会って案内させる 
 → E:何故か酒呑童子に歓迎される
 → F:酒盛り
 → G:毒の酒を飲ませる
 → H:酒呑童子酔う
 → I:ぼっこぼこにして首ぶった切り
 → J:凱旋

こんな感じ。やまたのおろちの時代から変わらぬ作戦っぷりで、話は普通に鬼退治・・・ と思いきやこの物語でぶっ飛んでいるのは、酒盛りの内容。人間の足をその場で切って、源頼光一行に食えと出し・・・源頼光たちは躊躇わずに食います! そしてそれが絵になってます!
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ぼっこぼこに打ちのめすシーン
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中々に衝撃的です。日本画は深いです。 そして、もうひとつの見せ場が退治シーン。これは2部屋目のほうが衝撃なので後述します。そして、その後物凄い勢いで追い討ちをかけているシーンもありました。鬼退治は綺麗事じゃないんですね。。。当時の世相の激しさが伝わってきました。


2部屋目は巻物で同じ物語を辿っています。こちらは狩野元信の作品を模写したものや狩野孝信の作品と伝わっているもの等があります。同じシーンを描いたものですが、こっちの方が迫力はあるかも。

鬼退治のクライマックス。首がとんでブッシャアアアアって血が噴出する瞬間が描かれてます。
んー、ナイス鬼退治。
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名場面なので沢山ありますw
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こっちも足食うシーンあります。
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ということで、中々に目を見張る内容の展示でした。この写真の作品以外にもぶっとんだ絵があったので、こういうのが大丈夫なら面白いですよ^^;

おまけ;ちょっと現実に戻って本館の階段
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黒田清輝のフランス留学 【東京国立博物館】

阿修羅展、カルティエ展の後に法隆寺宝物館と本館も回ってきました。
本館1Fの正面左側のフロアで「黒田清輝のフランス留学」が行われていました。素描を含めて30点程度ですが素晴らしい作品ばかりでした。(すでに終了しています)

【展覧名】
特集陳列 黒田清輝のフランス留学

【公式サイト】
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=B01&processId=01&event_id=6246

【会場】東京国立博物館 本館 (上野公園)
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2009/3/3~2009/4/12
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
 ※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。フラッシュは使用していません
 ※本館は撮影禁止の作品以外は撮影可能ですので何枚か写真をとってきました。禁止マークがないのを確認して撮っていますが、掲載等に問題があったらすぐに削除しますのでお知らせください。


【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合(土曜日18時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
常設は阿修羅展と打って変わって静かに観る事ができました。凄く良い作品があるのにこの落差は何?? せっかく東博に来たのに、これだけの作品を見逃すのはもったいないです。

今まで黒田清輝の作品は何度か観ているはずですが、これだけ集まっているのを観るのは始めてかも。
師匠のコランの作品もありましたが、やはり黒田との共通点がありました。コランはサロンに出品されただけあって、清楚で理想的な雰囲気がありアカデミックだなーと思ったけど、よく観ると印象派のような色使いでした。(と思って、家に帰ってカタログを読んだら、同じようなことが書いてあったので、ちょっとは観る眼がついたのかも?? ^^;)
黒田はそれを受け継ぎつつも、独自の美を持っていたようです。
せっかくなので撮った写真と共に数点紹介。私のコンデジはAFしかないので暗がりでブレまくっててすみません。


この裸婦の後姿の絵が凄く印象に残っています。西洋画の王道って感じです。
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ちょっとボケててすみません。印象派のような雰囲気をもつ作品。好みです。
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これもボケてますが良い絵なので。
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この絵は見とれてしまいます。
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この編み物と本読みの2枚の絵を観ながら、フェルメールの絵画を思い出していました。手元の1点に視線がいき、静止した時間を感じます。赤い服の華やかさ、鎧戸から差し込む柔らかい光、真剣な眼差し。。。赤と青の衣装もあいまって聖母みたいな雰囲気です。(ちょうどこの女性の名前はマリアだとか。)

紹介した絵以外でも素晴らしい作品が目白押しだったので図録を買いました。もう終わってしまったけど、今後も黒田清輝の作品は国立の美術館でよく観かけると思うので、注目してみてください。


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「Story of …」 カルティエ クリエイション~めぐり逢う美の記憶 【東京国立博物館】

阿修羅展の後、一休みしてカルティエ展へ。こちらも結構人が多かったですが、それだけの甲斐がある展示でした。

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【展覧名】
日仏交流150周年記念 特別展「Story of …」 カルティエ クリエイション~めぐり逢う美の記憶

【公式サイト】
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=B01&processId=01&event_id=6299
http://www.storyof.jp/

【会場】東京国立博物館 表慶館 (上野公園)
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2009年3月28日(土)~5月31日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
 ※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。


【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間40分程度

【混み具合(土曜日15時頃です)】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_②_3_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
宝石展も結構観てきましたがこの展示も中々素晴らしかったです。私の好みとしては庭園美術館でやったティファニー展の方が好きですが、こちらもミステリークロックなども含め、貴重で絢爛豪華な内容でした。ただ、説明が少なくてどこの誰の為に誰がつくったとか、そういう背景があまりわかりませんでした。(2Fはちょっと説明がある) カルティエのことを詳しく知っているわけではないので、ちょっとその辺が不満かな。

点数が多かったので、大まかに回想。
キラキラと七色に光るダイヤをはじめ、数々の宝石を配したネックレスやティアラが並び、まさにお宝!って感じで特に女性には楽しい展示だと思う。しかし単に宝石が綺麗なだけでなく、当時最新のデザインや技術が駆使され、遊び心を含んでいるところが魅力的です。

まず1Fで面白かったのが、ミステリークロック。これは装飾時計で、水晶の中は針が浮いているように見える不思議なもの。ムーブメントは土台の中にあって側面の歯車で回転させているらしいです。
また、アールデコ調のデザインの作品は私の好みにあっていました。逆にこれは!??と驚いたのがエジプトやアジア関連のデザイン。エジプトのスカラベやペルシャやインドの象、果ては陰陽やら仏塔まで様々なモチーフがあって面白かった。キメラは他のコーナーでも観たので、頻出のモチーフなのかな?

今回の目玉は恐らく2F。↑の看板の写真の作品は、予想以上にでかいです! その豪華さ、緻密な細工、輝き・・・ 美しさに眼がくらみます。見る角度を変えながら観るとキラキラと万華鏡のように顔に虹が写りますw これは写真で観るのと全然違う一品でした。

2Fにはグレース・ケリーゆかりの作品などもあって興味深いのですが、ちょっと異彩を放っていたのは金色に光る月面着陸船の模型。かなり精巧ですがこんなものまであるとは驚き。

他に強烈な印象があったのは、ダイヤの蛇と金色のワニ。ダイヤの蛇のほうは蛇腹の部分に微妙に赤い宝石などを配していて、リアルです。
ワニの方は2匹が絡み合って数字の9を描いていて、黄金の光を放っていました。重厚感があった。

ちょっとインパクトが強いものばかりを紹介しましたが、正統派とも言えるティアラなんかは流石でした。特にアクアマリンの入ったティアラなどは、透き通るような薄い青色の輝きに気品を感じました。

ということで、かなり幅広いモチーフを持っていて紹介しきれないくらいあります。これだけの作品を一気に観られる機会は貴重だと思うので、阿修羅展の後はティファニー展もお勧めです!

おまけ:表慶館の裏で綺麗な花が咲いていました。
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国宝 阿修羅展 【東京国立博物館】

最高の天気の中、東京国立博物館で「国宝 阿修羅展」を観て来た。めちゃくちゃ混んでたけど、素晴らしい展覧会でした。

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【展覧名】
興福寺創建1300年記念「国宝 阿修羅展」

【公式サイト】
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=6113

【会場】東京国立博物館 平成館 (上野公園)
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2009年3月31日(火)~6月7日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
 ※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度 + 入場規制約 30分

【混み具合(土曜日12~15時頃です)】
 混雑_①_2_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】
精養軒でランチして、12時ちょっと前頃に会場へいったら、入場規制で50分との札が。。。いつもピークをさけているので入場規制は久々。結局は30分くらいで入れたけど、これは結構きついです。 (18時頃はだいぶ空いて普通に入れるようでした。金・土・日曜・祝・休日は20:00まで開館になっているので、行くなら夕方以降がお勧めです。)
今日は天気がめちゃくちゃ良かったので、日差しが強く暑かったんだけど、列に並ぶときに日傘を貸してくれました。↓の写真でやたら傘の人が多いのはそのためです。
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で、ようやく中に入っても中も物凄い混雑。これは覚悟してたんだけど、ちょっと混み過ぎで最初のコーナーの出土品の一部は観るのを諦めました。また今度行ったら観よう。とりあえず観た中で気に入った作品を章ごとに紹介。

<第1章 興福寺創建と中金堂鎮壇具>
このコーナーは興福寺に関する出土品とか当時の歴史的背景がわかるコーナー。水晶の柱とか「和同開珎」とか興味深い品が結構あった。
しかし2~3章が凄すぎて印象が薄れてますので割愛。

<第2章 国宝 阿修羅とその世界>
ここが今回のメインの章。八部衆像と十大弟子のうち6体がずらーっと並んでいる大部屋と、阿修羅の特設室は感動の嵐でした。印象深くて全作品思い出せるかも。

「阿弥陀三尊像及び厨子」
阿弥陀三尊の気品溢れる作品でした。昔は金色だったらしい。そして、その厨子も後ろに展示されていて、阿弥陀にふさわしい厨子でした。

「華原馨(かげんけい)」
2頭の龍が背を向け合って、円を描いている銅鑼みたいなやつです。
迫力ある龍の姿と、打ち鳴らす円形の部分の見事な装飾性が素晴らしかった。 気に入ったので絵葉書を買いました。


ここから大部屋。阿修羅以外の八部衆像と十大弟子が並んでいます。
このコーナーの魅力の1つは、赤ん坊の顔を持つ像から壮年の顔を持つ像まで多彩な像があるところ。
これらが1年で作られたものとは思えません(><)


「迦旃延(かせんえん)」
十大弟子はどれも印象深い顔をしているんだけど、最も印象に残ったのがこの像。論議第一の弟子らしいけど、何か語りかけてきているようです。表情や、薄布をまとった感じよく出ている着衣のひだはどうやっているんだろ?と思ったら、意外な工法だった。
まず、木で骨組みを組んで、粘土で肉付けして、その上から漆で塗り固めていき、最後に粘土を抜くという工法らしい。豊かな表情を出せるのが特徴です。また、軽く持ち運べたので幾多の火災でも持って逃げることができたらしい。

「富楼那像(ふるなぞう)」
説法第一の弟子。 穏やかな表情で、悟りきっているような感じです。 なんか相談に乗ってもらえそう。

「沙羯羅像(さからぞう)」
子供の顔をしている八部衆の1人。頭の上に蛇がのっていて、首から肩まで巻きついています。横から見るとよくわかるのが嬉しい。ちょっと可愛いです。

「迦楼羅像(かるらぞう)」
鳥の嘴をした異形の八部衆。人間離れした想像上の姿なのに、自然に存在しているかのようなリアリティがあった。左手がぶっこわれているところが、7度も火災にあった歴史の重みを感じます。

「阿修羅」
今回のメイン! オーラがでまくっていました。ライトの加減もあり気高く神々しいお姿が前後左右から観られて眼福この上ないです(><)
3つの顔にはそれぞれ微妙に違った表情があって、どれも基本的には穏やかです。というのは戦いに明け暮れた己を懺悔し仏門に帰依したことで、穏やかになったとのことですが。。。正面の顔はまだ悩んでいるというか憂いを含んでいるように見えます。 右の顔からはちょっと若い感じ、左の顔からは決意めいたものを感じました。何を思った表情かは受け取る人によって違いそうです。
また、すらっと伸びた6本の腕がなんとも優美で、気品に溢れていました。静けさ漂う物腰も見所です。

<第3章 中金堂再建と仏像>
ここは時代が変わって鎌倉時代の作品が並ぶ。何しろ巨大な仏が多かったw 軽くて持ち運びやすい2章の仏達と違っていかにも重そう。7回の火災をよく生き残ったもんだ。

「持国天立像、増長天立像、広目天立像、多聞天立像」
康慶の4体の作品。・・・でけえ!w 2章の仏像に見慣れた後にみるとその大きさに圧倒されました。隆々とした体つきはいかにも鎌倉時代の慶派の始祖っぽいです。眼が生き生きしてるのも印象的。(確か増長天の)背中の炎が左方向になびいて風を感じるのも面白かった。 それと、踏まれている邪気にちょっと愛嬌があったw

「薬上菩薩立像/薬王菩薩立像」
マジでけえw まずその大きさに驚くけど、よく観ると優美な姿でした。今回、同行した仏像彫りを習っている人がいうには、一般的な仏像の特徴である、手の長さがこの作品にも観られるとのこと。確かに言われてみれば・・・。その辺が優美さを感じる由縁なのかも。(ちなみに足が広いというか足の指が長いのも仏像の特徴らしいです。)

「釈迦如来像頭部」
これは頭しか残っていませんでしたが、全身あったらどんなに大きくなっていたのか?? 破損した手も展示されていたけど、相当の大作だったのではと推察できます。表情も遠くを見渡しているような眼が印象的だった。

<第4章 バーチャルリアリティ映像「よみがえる興福寺中金堂」「阿修羅像」>
ちょこっとだけしか観ていませんが、結構リアルな映像だった。もうちょっと空いてたら観たんだけどな。。


ということで、めっちゃ混んでる点以外は最高でした! 今年は興福寺が修復に入るらしいのでそのタイミングで借りられたのかな? これだけの展示はめったに観られるものではないと思うので、また行きたいです。
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