Archive | 2009年09月
先週の土曜日から世田谷美術館で始まった「オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー」に早速行ってきました。初日の上、あいにくの天気だったせいか、空いててゆっくり観ることができました。


【展覧名】
オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー -19世紀末の華麗な技と工芸-
【公式サイト】
http://www.orsay2009-10.jp/
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html
【会場】世田谷美術館
【最寄】東急田園都市線 用賀駅
【会期】2009年9月12日~11月29日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15:30時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
私はアールヌーボーが大好きなので、この展示はずっと楽しみにしていました。タイトルの通り、アール・ヌーヴォー様式の家具や飾りが中心の展覧で、全部で100点程度でしたが見応えのある内容でした。
※アール・ヌーヴォーとは何か?という方はwikiを参照ください。
展覧会の最初に映像コーナーがあり、フランスのランス市にある「ヴィラ・ドモワゼル」や、オルセー美術館の再現展示など、アールヌーヴォー様式の空間の映像を流していました。元々、オルセー美術館はパリ万博用の駅舎だったのを改築して、美術館にしたという経緯なども説明されていました。
今回も章ごとに気になった作品をご紹介。
<1 サロン>
まずサロンとは何かという話ですが、サロンは定期的に客人を迎い入れて、知的・文学的・芸術的な交流をする場のことです。19世紀の末には王侯貴族から市民階級にも広がったという背景も説明されていました。そんなサロンは、芸術的な装飾品に彩られていたようで、ここでもその一端を展示していました。
作者不詳 「小テーブル付きフロア・スタンド 水草、蝸牛、かみきり虫の装飾」
水辺の植物のようなスタンドです。本物の植物みたいな曲線にアールヌーヴォーらしさを感じます。また、スタンドの足元にはカタツムリとカミキリムシがいて、日本から影響を受けた様子が伺えました。アールヌーヴォーとは何か?というのがこれで何となくわかるんじゃないかな。
エミール・ガレ 「ゲーム・テーブル」 ★こちらで観られます
アールヌーヴォーと言えば、ガレやラリックなどが真っ先に思い浮かびますが、これはガレのアールヌーヴォー時代のテーブル作品。テーブルには、寄木のような模様で描かれた葉っぱや、ゲームに相応しいトランプの4つのマーク(ハートやスペードなど)の模様がありました。 この作品はガレの製作姿勢を示しているらしく、簡潔な形態をしているという説明がありました。 また、テーブルを畳むと花開こうとするマグノリアが描かれているらしいです(そこは見えませんでした)
<2 ダイニング・ルーム>
ここは序盤のメインのコーナーらしいです。ダイニングは社交の場としても重要な場所だったようで、豪勢な小物や装飾品が並んでいました。
ウジェーヌ・グラッセ、フェリックス・ゴダン 「ハーモニー」 ★こちらで観られます
スイス生まれの画家とガラス職人の合作。10人の女神?たちがトライアングル、竪琴、タンバリン、太鼓など様々な楽器を演奏しながら水辺を行進しています。 絵の中にはライオンやヒョウなども周りに描かれていますが、うっとり聞き入っていたり一緒に行進していました。 女性の優雅さや華やかさと、「音楽だけが心を動かす」という作者の音楽への愛情を感じる作品でした。この絵は浮世絵とネオ・ボッティチェリ主義(象徴主義の流れ)の影響を受けていると説明がありました。確かにボッティチェリっぽいかも。
ラウル・ラルシュ シオ社 「シャンデリア」 ★こちらで観られます
ブロンズに金メッキされたシャンデリアです。蝶の羽が生えた裸の子供が2人で背中あわせに配されています。顔には微笑みを浮かべ生命感がありました。金で重厚な感じもしますが優美な作品でした。
芥子文コーヒー・ポット
銀のポットにケシが描かれていて、ゆるい曲線が優美でした。この辺にはスプーンなどが多く展示されていました。
ポール・フォロ クリストフル社 「ティー・セット」 ★こちらで観られます
大小の2つのポット、ミルク入れ、砂糖壷、トレイの5点セットです。幾何学的な直線・曲線を組み合わせた形がユニークで、かなり好みでした。ちょっと上向きにつんと上がった取っ手が特に美しかった…。
ペロル兄弟社 「ダイニング・ルーム用家具」 ★こちらで観られます
このコーナーの真ん中にはダイニングルームの再現がありました。緑の椅子とマホガニー材の深い茶色で統一されていて美しかったです。特に食器台は品格がありました。
<3 書斎>
ルイ・マジョレル、ドーム兄弟(オーギュスト・ドーム/アントナン・ドーム) 「テーブル・ランプ “睡蓮”」
★こちらで観られます
ルイ・マジョレルとドーム兄弟の共同作品です。マジョレルのほうがイニシアティブをとって作成したそうです。 その名の通り、睡蓮を模したランプで、すらっと長い茎の上に今まさに開こうとしているオレンジ色の葉っぱが乗っています。よく観ると葉脈まで表現されていました。色といい形といい、柔らかで流麗な印象でした。
モーリス・ブヴァル「インク壺」 ★こちらで観られます
金色のインク壷です。肩から上だけを水面に出している女性が、睡蓮に抱きついています。 女性の目は閉じていて陶酔しているような表情をしていました。幻想的で神秘的な作品でした。
アンリ・リヴィエール 「エッフェル塔三十六景」
これはちょっと変り種の作品です。葛飾北斎の富岳三十六景に着想を得て作られた作品で、エッフェル塔を作成している様子や、遠くから見えるエッフェル塔を描いています。エッフェル塔は万国博覧会のために作られたものなので、今回の展覧会に相応しい作品でした。北斎もアールヌーボーに絶大な影響を与えているので、そういう背景を知っているとより楽しめると思います。
エルネスト・シャプレ 「花瓶」
これは牛血紅を再現した壷です。牛血紅… このブログでも最近とりあげましたが、サントリー美術館で牛血紅の花瓶を観てきたばかりなので、気になりました。 (参考記事はこちら 「紅釉瓶」参照)
釉薬がかかっていない?場所があってまだらな感じがしましたが、確かに血のような真紅でした。装飾がなくストレートな感じで、本当に中国の品のようでした。
<4 エクトル・ギマール>
この部屋は2点の天井灯、スケッチ、建物の写真(地下鉄の駅の出口の写真)などでエクトル・ギマールの作品を紹介していました。建物の写真と説明などもあったかな。
エクトル・ギマール 「天井灯」 ★こちらで観られます
これは今回のポスターの作品で、意外と小さい天井灯でした。管状とビーズ状の細工が釣り下がっていて、正面には透ける青いガラスが金細工にはめ込まれていました。上部の装飾の曲線が独特で、周りに展示されていたスケッチにも同様の特徴がありました。この直線と曲線の組み合わせが面白かったです。
<5 貴婦人の部屋>
当時、女性は部屋の装飾品の一部と考えられていたようです(女性団体が聞いたら怒りそうな感じですがw) その為、女性が着飾ると事は部屋の調度品をそろえるような感じだったようです。ここでは貴婦人が用いた様々な品が展示されていました。
エミール・ガレ 「婦人用机 “オンベリュル” (1900年の万国博覧会に出品されたモデル)」
★こちらで観られます
すらっとした雰囲気の机で、正面にははなうどが咲き誇っている装飾があり絢爛な感じでした。 蝶がヒラヒラ待っている様子が描かれていて、どこか日本っぽさもある雅さがありました。足元には今にもジャンプしそうな5匹の蛙が彫刻されていて可愛いです。これは北斎漫画からの影響かな?なんて思いながら観ていました。
ルネ・ラリック 「飾りピン “芥子”」 ★こちらで観られます
つい最近国立新美術館でやっていたラリック展でこの作品を観た方も多いのでは?(まったく同じものです) あの時はだいぶ混んでいるなかで観ましたが今回は独占状態でじっくり観ることが出来ました。何度観ても、「省胎七宝」の細工は驚異的な繊細さがあって美しいです。
参考記事 生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ
ウジェーヌ・フイヤートル 「ボンボン入れ “さくらんぼ”」
日本の香合から着想を得て作られた、直径10cmくらいの円形のボンボン入れです。 金細工の隙間に、赤・黄色のさくらんぼと、緑色の葉っぱを思わせる七宝がはめ込まれていました。明るく鮮やかで華やか!とても可愛らしい作品でした。中を見ると光が透けているのがよくわかりました。
ジョルジュ・バスタール 「扇子 “孔雀”」 ★こちらで観られます
螺鈿でできた扇子で、全体的に赤と緑っぽいのですが、観る角度によって色合いが変わります。扇子には向かい合わせの孔雀が何組もいて、螺鈿とモティーフが最大にマッチしていました。実際に観るとめっちゃ綺麗です。
この部屋の隣には休憩室があるのですが、そこにもガレやラリックの素描が15点くらいありました。
<6 サラ・ベルナール>
このコーナーの名前になっているサラ・ベルナールは当時の女優で、アールヌーボーの画家として有名なミュシャを発掘したパトロンとしても有名です。ボードではサラ・ベルナールとアルフォンス・ミュシャが最初に契約した経緯も説明されていました。簡単に説明すると、ミュシャは印刷会社で臨時雇いの身だったのですが、そこにサラ・ベルナールが芝居の公演ポスターを急ぎで頼んだところ、他の社員が休みでミュシャにデザインすることになったのが始まりでした。そのポスターが出来上がると、一気に話題となって専属契約するに至ったということでした。
アルフォンス・ミュシャ 「椿姫」
これは有名な椿姫を公演していた頃のポスターです。真っ白なドレスを着て、白い花(椿?)を髪につけたベルナールの横向きの姿を描いています。その眼は静かに閉じて穏やかな雰囲気がありました。白は純愛や自己犠牲を表しているらしく、清廉な感じです。また、周りには六ぼう星の形をした薄い青の雪が散りばめられていてロマンティックでした。
ジョルジュ・レイ(推定)「肘掛け椅子 “昼と夜”」 ★こちらで観られます
ちょっと威圧感すら感じる豪華な椅子です。木の部分は所狭しと彫刻が施されていました。足の部分にはハツカネズミやカタツムリ、首の辺りにはひまわりや裸婦が配されていました。ちょっとごてっとやりすぎな感じもありましたが、豪華でした。
ウジェーヌ・グラッセ 「サラ・ベルナール主演 『ジャンヌ・ダルク』」
ジャンヌダルクの格好をしたベルナールを描いています。周りには彼女に向かって矢が飛び交い、足元には槍が天を突くようで危険が迫っているように見えます。しかしそんな中でも、彼女は右手で旗を持ち、左手は胸にあて、眼は遠くを観ているようでした。気高さや使命感などが伝わる作品でした。
<7 パリの高級産業>
このコーナーは技法にクローズアップしていて、ロココ時代から続く伝統的な技法と新しい技法を紹介していました。
[Ⅰ 七宝]
ポール・グラントム アルフレッド・ガルニエ 「七宝の花瓶 “オルフェウス”」
これはギュスターヴ・モローの「詩人の嘆き」といy作品から着想を得て作られた花瓶です。 不気味な赤い空の下、嘆くオルフェウスが描かれ、その隣には金の文字でセリフが書かれていました。 ちょっと怖いですが神秘的な雰囲気でした。
エティエンヌ・トゥレット 「花瓶」
結構小さい金色の花瓶。描かれているのはさくらんぼかな? 可愛らしくも豪華さのある作品でした。
カミーユ・ノド 「林」
中国の蛍焼きに想を得た作品で、半透明のガラスのような透胎七宝と軟質磁器(白土とガラス粉を混合した擬似磁器)の白さが眼を引きました。 モティーフは「雪玉」とよばれる花のようですが、それに相応しい雪のような清らかさがありました。
リュシアン・イルツ 「七宝パネル “輪舞”」
七宝で出来た絵画作品。6人の女性(ニンフ?)が輪になって手を繋いで踊っています。全体的に青い色合いで、青白い女性達の肌と乱れた金髪が幻想的で官能的でした。
[Ⅱ 陶芸]
ジョン・カリエス 「瓢箪型花瓶」
本当にひょうたんの形をした花瓶です。側面に溶けれ流れたような金があります。こんな日本っぽい形でも確かにアールヌーボーっぽさがありました。
クレマン・マシエ 「大皿」 ★こちらで観られます
イスラムのラスター彩が施された皿で、虹色に光って見えます。先ほどの螺鈿と同じように観る角度で色合いが変わり非常に美しいです。しかも結構な大きさで見応えがありました。優美さも格別です。
[Ⅲ 金工]
アンリ・ユッソン 「小物入れ “女と貝殻”」 ★こちらで観られます
女性の腕が貝の縁になっているデザインで、こういうデザインは好きです。翻るドレスの曲線がしなやかで踊っているかのような軽やかさを感じました。
ということで、良い作品にいくつも出会える素晴らしい内容でした。↑の感想でも何度も連呼したように、とにかく優美さ溢れるデザインが多かったです。 まだ混んでいないようなのでご興味のある方はお早めにいかれてはいかがでしょうか。


【展覧名】
オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー -19世紀末の華麗な技と工芸-
【公式サイト】
http://www.orsay2009-10.jp/
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html
【会場】世田谷美術館
【最寄】東急田園都市線 用賀駅
【会期】2009年9月12日~11月29日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15:30時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
私はアールヌーボーが大好きなので、この展示はずっと楽しみにしていました。タイトルの通り、アール・ヌーヴォー様式の家具や飾りが中心の展覧で、全部で100点程度でしたが見応えのある内容でした。
※アール・ヌーヴォーとは何か?という方はwikiを参照ください。
展覧会の最初に映像コーナーがあり、フランスのランス市にある「ヴィラ・ドモワゼル」や、オルセー美術館の再現展示など、アールヌーヴォー様式の空間の映像を流していました。元々、オルセー美術館はパリ万博用の駅舎だったのを改築して、美術館にしたという経緯なども説明されていました。
今回も章ごとに気になった作品をご紹介。
<1 サロン>
まずサロンとは何かという話ですが、サロンは定期的に客人を迎い入れて、知的・文学的・芸術的な交流をする場のことです。19世紀の末には王侯貴族から市民階級にも広がったという背景も説明されていました。そんなサロンは、芸術的な装飾品に彩られていたようで、ここでもその一端を展示していました。
作者不詳 「小テーブル付きフロア・スタンド 水草、蝸牛、かみきり虫の装飾」
水辺の植物のようなスタンドです。本物の植物みたいな曲線にアールヌーヴォーらしさを感じます。また、スタンドの足元にはカタツムリとカミキリムシがいて、日本から影響を受けた様子が伺えました。アールヌーヴォーとは何か?というのがこれで何となくわかるんじゃないかな。
エミール・ガレ 「ゲーム・テーブル」 ★こちらで観られます
アールヌーヴォーと言えば、ガレやラリックなどが真っ先に思い浮かびますが、これはガレのアールヌーヴォー時代のテーブル作品。テーブルには、寄木のような模様で描かれた葉っぱや、ゲームに相応しいトランプの4つのマーク(ハートやスペードなど)の模様がありました。 この作品はガレの製作姿勢を示しているらしく、簡潔な形態をしているという説明がありました。 また、テーブルを畳むと花開こうとするマグノリアが描かれているらしいです(そこは見えませんでした)
<2 ダイニング・ルーム>
ここは序盤のメインのコーナーらしいです。ダイニングは社交の場としても重要な場所だったようで、豪勢な小物や装飾品が並んでいました。
ウジェーヌ・グラッセ、フェリックス・ゴダン 「ハーモニー」 ★こちらで観られます
スイス生まれの画家とガラス職人の合作。10人の女神?たちがトライアングル、竪琴、タンバリン、太鼓など様々な楽器を演奏しながら水辺を行進しています。 絵の中にはライオンやヒョウなども周りに描かれていますが、うっとり聞き入っていたり一緒に行進していました。 女性の優雅さや華やかさと、「音楽だけが心を動かす」という作者の音楽への愛情を感じる作品でした。この絵は浮世絵とネオ・ボッティチェリ主義(象徴主義の流れ)の影響を受けていると説明がありました。確かにボッティチェリっぽいかも。
ラウル・ラルシュ シオ社 「シャンデリア」 ★こちらで観られます
ブロンズに金メッキされたシャンデリアです。蝶の羽が生えた裸の子供が2人で背中あわせに配されています。顔には微笑みを浮かべ生命感がありました。金で重厚な感じもしますが優美な作品でした。
芥子文コーヒー・ポット
銀のポットにケシが描かれていて、ゆるい曲線が優美でした。この辺にはスプーンなどが多く展示されていました。
ポール・フォロ クリストフル社 「ティー・セット」 ★こちらで観られます
大小の2つのポット、ミルク入れ、砂糖壷、トレイの5点セットです。幾何学的な直線・曲線を組み合わせた形がユニークで、かなり好みでした。ちょっと上向きにつんと上がった取っ手が特に美しかった…。
ペロル兄弟社 「ダイニング・ルーム用家具」 ★こちらで観られます
このコーナーの真ん中にはダイニングルームの再現がありました。緑の椅子とマホガニー材の深い茶色で統一されていて美しかったです。特に食器台は品格がありました。
<3 書斎>
ルイ・マジョレル、ドーム兄弟(オーギュスト・ドーム/アントナン・ドーム) 「テーブル・ランプ “睡蓮”」
★こちらで観られます
ルイ・マジョレルとドーム兄弟の共同作品です。マジョレルのほうがイニシアティブをとって作成したそうです。 その名の通り、睡蓮を模したランプで、すらっと長い茎の上に今まさに開こうとしているオレンジ色の葉っぱが乗っています。よく観ると葉脈まで表現されていました。色といい形といい、柔らかで流麗な印象でした。
モーリス・ブヴァル「インク壺」 ★こちらで観られます
金色のインク壷です。肩から上だけを水面に出している女性が、睡蓮に抱きついています。 女性の目は閉じていて陶酔しているような表情をしていました。幻想的で神秘的な作品でした。
アンリ・リヴィエール 「エッフェル塔三十六景」
これはちょっと変り種の作品です。葛飾北斎の富岳三十六景に着想を得て作られた作品で、エッフェル塔を作成している様子や、遠くから見えるエッフェル塔を描いています。エッフェル塔は万国博覧会のために作られたものなので、今回の展覧会に相応しい作品でした。北斎もアールヌーボーに絶大な影響を与えているので、そういう背景を知っているとより楽しめると思います。
エルネスト・シャプレ 「花瓶」
これは牛血紅を再現した壷です。牛血紅… このブログでも最近とりあげましたが、サントリー美術館で牛血紅の花瓶を観てきたばかりなので、気になりました。 (参考記事はこちら 「紅釉瓶」参照)
釉薬がかかっていない?場所があってまだらな感じがしましたが、確かに血のような真紅でした。装飾がなくストレートな感じで、本当に中国の品のようでした。
<4 エクトル・ギマール>
この部屋は2点の天井灯、スケッチ、建物の写真(地下鉄の駅の出口の写真)などでエクトル・ギマールの作品を紹介していました。建物の写真と説明などもあったかな。
エクトル・ギマール 「天井灯」 ★こちらで観られます
これは今回のポスターの作品で、意外と小さい天井灯でした。管状とビーズ状の細工が釣り下がっていて、正面には透ける青いガラスが金細工にはめ込まれていました。上部の装飾の曲線が独特で、周りに展示されていたスケッチにも同様の特徴がありました。この直線と曲線の組み合わせが面白かったです。
<5 貴婦人の部屋>
当時、女性は部屋の装飾品の一部と考えられていたようです(女性団体が聞いたら怒りそうな感じですがw) その為、女性が着飾ると事は部屋の調度品をそろえるような感じだったようです。ここでは貴婦人が用いた様々な品が展示されていました。
エミール・ガレ 「婦人用机 “オンベリュル” (1900年の万国博覧会に出品されたモデル)」
★こちらで観られます
すらっとした雰囲気の机で、正面にははなうどが咲き誇っている装飾があり絢爛な感じでした。 蝶がヒラヒラ待っている様子が描かれていて、どこか日本っぽさもある雅さがありました。足元には今にもジャンプしそうな5匹の蛙が彫刻されていて可愛いです。これは北斎漫画からの影響かな?なんて思いながら観ていました。
ルネ・ラリック 「飾りピン “芥子”」 ★こちらで観られます
つい最近国立新美術館でやっていたラリック展でこの作品を観た方も多いのでは?(まったく同じものです) あの時はだいぶ混んでいるなかで観ましたが今回は独占状態でじっくり観ることが出来ました。何度観ても、「省胎七宝」の細工は驚異的な繊細さがあって美しいです。
参考記事 生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ
ウジェーヌ・フイヤートル 「ボンボン入れ “さくらんぼ”」
日本の香合から着想を得て作られた、直径10cmくらいの円形のボンボン入れです。 金細工の隙間に、赤・黄色のさくらんぼと、緑色の葉っぱを思わせる七宝がはめ込まれていました。明るく鮮やかで華やか!とても可愛らしい作品でした。中を見ると光が透けているのがよくわかりました。
ジョルジュ・バスタール 「扇子 “孔雀”」 ★こちらで観られます
螺鈿でできた扇子で、全体的に赤と緑っぽいのですが、観る角度によって色合いが変わります。扇子には向かい合わせの孔雀が何組もいて、螺鈿とモティーフが最大にマッチしていました。実際に観るとめっちゃ綺麗です。
この部屋の隣には休憩室があるのですが、そこにもガレやラリックの素描が15点くらいありました。
<6 サラ・ベルナール>
このコーナーの名前になっているサラ・ベルナールは当時の女優で、アールヌーボーの画家として有名なミュシャを発掘したパトロンとしても有名です。ボードではサラ・ベルナールとアルフォンス・ミュシャが最初に契約した経緯も説明されていました。簡単に説明すると、ミュシャは印刷会社で臨時雇いの身だったのですが、そこにサラ・ベルナールが芝居の公演ポスターを急ぎで頼んだところ、他の社員が休みでミュシャにデザインすることになったのが始まりでした。そのポスターが出来上がると、一気に話題となって専属契約するに至ったということでした。
アルフォンス・ミュシャ 「椿姫」
これは有名な椿姫を公演していた頃のポスターです。真っ白なドレスを着て、白い花(椿?)を髪につけたベルナールの横向きの姿を描いています。その眼は静かに閉じて穏やかな雰囲気がありました。白は純愛や自己犠牲を表しているらしく、清廉な感じです。また、周りには六ぼう星の形をした薄い青の雪が散りばめられていてロマンティックでした。
ジョルジュ・レイ(推定)「肘掛け椅子 “昼と夜”」 ★こちらで観られます
ちょっと威圧感すら感じる豪華な椅子です。木の部分は所狭しと彫刻が施されていました。足の部分にはハツカネズミやカタツムリ、首の辺りにはひまわりや裸婦が配されていました。ちょっとごてっとやりすぎな感じもありましたが、豪華でした。
ウジェーヌ・グラッセ 「サラ・ベルナール主演 『ジャンヌ・ダルク』」
ジャンヌダルクの格好をしたベルナールを描いています。周りには彼女に向かって矢が飛び交い、足元には槍が天を突くようで危険が迫っているように見えます。しかしそんな中でも、彼女は右手で旗を持ち、左手は胸にあて、眼は遠くを観ているようでした。気高さや使命感などが伝わる作品でした。
<7 パリの高級産業>
このコーナーは技法にクローズアップしていて、ロココ時代から続く伝統的な技法と新しい技法を紹介していました。
[Ⅰ 七宝]
ポール・グラントム アルフレッド・ガルニエ 「七宝の花瓶 “オルフェウス”」
これはギュスターヴ・モローの「詩人の嘆き」といy作品から着想を得て作られた花瓶です。 不気味な赤い空の下、嘆くオルフェウスが描かれ、その隣には金の文字でセリフが書かれていました。 ちょっと怖いですが神秘的な雰囲気でした。
エティエンヌ・トゥレット 「花瓶」
結構小さい金色の花瓶。描かれているのはさくらんぼかな? 可愛らしくも豪華さのある作品でした。
カミーユ・ノド 「林」
中国の蛍焼きに想を得た作品で、半透明のガラスのような透胎七宝と軟質磁器(白土とガラス粉を混合した擬似磁器)の白さが眼を引きました。 モティーフは「雪玉」とよばれる花のようですが、それに相応しい雪のような清らかさがありました。
リュシアン・イルツ 「七宝パネル “輪舞”」
七宝で出来た絵画作品。6人の女性(ニンフ?)が輪になって手を繋いで踊っています。全体的に青い色合いで、青白い女性達の肌と乱れた金髪が幻想的で官能的でした。
[Ⅱ 陶芸]
ジョン・カリエス 「瓢箪型花瓶」
本当にひょうたんの形をした花瓶です。側面に溶けれ流れたような金があります。こんな日本っぽい形でも確かにアールヌーボーっぽさがありました。
クレマン・マシエ 「大皿」 ★こちらで観られます
イスラムのラスター彩が施された皿で、虹色に光って見えます。先ほどの螺鈿と同じように観る角度で色合いが変わり非常に美しいです。しかも結構な大きさで見応えがありました。優美さも格別です。
[Ⅲ 金工]
アンリ・ユッソン 「小物入れ “女と貝殻”」 ★こちらで観られます
女性の腕が貝の縁になっているデザインで、こういうデザインは好きです。翻るドレスの曲線がしなやかで踊っているかのような軽やかさを感じました。
ということで、良い作品にいくつも出会える素晴らしい内容でした。↑の感想でも何度も連呼したように、とにかく優美さ溢れるデザインが多かったです。 まだ混んでいないようなのでご興味のある方はお早めにいかれてはいかがでしょうか。
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前編に引き続き、シカン展をご紹介します。この展覧会では「1日ブログ記者」という企画を実施していて、それに応募して行ってきました。前編ではその辺りの経緯や、<第1部 シカンを掘る! 考古学者の挑戦>と<第2部 シカンの文化の世界 インカ帝国の源流>の宗教と交易について書いていますので、ご覧になっていない方はこちらから先にお読み頂ければ嬉しいです。

まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
TBS「特別展 インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン」
【公式サイト】
http://www.tbs.co.jp/sicanten/
【会場】国立科学博物館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2009年7月14日(火)~10月12日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間20分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_4_⑤_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
※これ以降の写真は運営の方に許可を頂いて撮影しております。(許可の無い方は撮影できません)
ルール通りに撮影したつもりですが、問題がございましたら掲載を下ろしますのでお伝えください。
今回の記事は特に、写真の転載は一切禁止とさせていただきます。
【感想】
今日は第2章の「卓越した技術」からご紹介します。本当に高度な文明だったことを伺わせる内容でした。
<第2部 シカンの文化の世界 インカ帝国の源流>
卓越した技術
このコーナーではシカンの持っていた高い技術力を紹介していました。
シカンはアンデスの文明の中でも黄金の装飾品が多いらしく、その製法や加工に用いた道具も紹介しつつ、金製品が並んでいました。
金細工の工程。全部手作業ですがかなり薄く引き延ばす技術があったようです。

貴重な金細工がずらりと並んでいました。
左:2つの丸いのは耳飾、写真の奥の方にはまとめて発掘された金の部品が並んでいます。
右:これも今回の目玉と思う「クモ象形金」です。精巧でデザイン的にも洗練された感じでした。
★こちらでも観られます

土器の作り方も説明していました。実際に作る方法を実証するVTRもあり、かなり深い理解を得ることが出来ました。シカンには油分を多く含みよく燃える「アルガロボ」という木が生えていたらしく、その木と家畜の糞を燃やして土器を焼いていたようです。そして、この土器で交易で優位にたてたとのことです。
もちろん、周りには土器も展示されています。愛嬌があって楽しいです。

これはシカン神の像を織り込んだタペストリー。シカンで織られたかはハッキリしないらしいですが、見事な技術です。

人々の生活
続いて、上流階級だけでなく、シカンの人々の生活が伝わってくるコーナーがありました、所狭しと土器などが並んでいたのですが、このデザインが面白かった! どれも独創的で、クリエイティブな人には刺激になるんじゃないかなと思います。
動物や魚を模した土器が多くて、愛嬌があって驚きもあります。 ★こちらでも観られます
この写真にもリャマやザリガニを模した土器が写ってます。ちなみに彼らの主食はトウモロコシで、リャマもザリガニも食べていたのだとか。食生活まで垣間見えるところがますます興味深かったです。

これ以外にもずらーっとユニークな土器が並んでいました。
右手前から、腹ばいで何かを見張っている男の像、笛の一種のケーナ、皿。 腹ばいの3頭身の像が可愛いw

注:この辺はあまりコーナーの分類を気にせず観ていたので、紹介しているものが次のコーナーかもしれません。すみません。
環境条件
こうした豊かな文明を生んだ環境についてもしっかり説明していました。ペルーは雨が少ない地域らしいですが、シカンはアンデスから流れるレチェ川によって比較的水には困らなかったようです。しかし、それでも水がなくなるのを恐れていたようで、水棲生物の像が多いのはそういう理由で作られたという説明がありました。 (その後洪水に悩まされたということなので皮肉な話かもしれません…。)
現地のVTR。本当にこのVTRのおかげですんなりと理解できました。

また、先ほどご紹介した「アルガロボ」の木はシカンにとって重要な木で、その木で家を作ったり、その実を家畜の餌にしてたようです。 …雨も少ないのに、よく燃える木を家の材料にしたら火事になりやすくて危ないのでは??w ちょっとそれが気になりました。
社会構造
このコーナーでは社会の構造について紹介されていました。シカンは支配者層と庶民の階級がはっきり分かれていたようで、一説によると4つの層に分かれていたとのことです。しかし、埋葬方法などから4つ以上の複雑な階層であった可能性も考えられるようです。また、他の民族(北のタヤン人など)の特徴を持っている彫刻なども見つかり、様々な民族を含んだ多様な社会だったことが垣間見られるようでした。
手前は黄金のケロ。後方はエリートが使った金製胸飾 ★こちらでも観られます

これは<エピローグ>のコーナーになる黄金の御輿。偉い人専用です。
裏面には非常に細かい装飾が施されていました ★こちらでも観られます

<エピローグ>
展覧の最後にはエピローグとして、シカンの時代の前後がどうなっていたのかをテーマにしていました。
シカンは急速に台頭してきたのはどう説明するのか?ということに関して、シカンに先行するモチェ文明のブルホ遺跡を紹介していました。
モチェ文明のブルホ遺跡の説明と、シカン、タヤン、モチェの神像の違い。

ブルホ遺跡のミイラ。これもかなり貴重なものです。

シカンの最後は、前編でもご紹介したとおり気候の変動による飢饉や洪水によって社会が不安定になったようで急速に衰えていったと説明がありました。シカンについてはまだ解明されていないところもあるらしく、今後も島田教授達の研究を楽しみにしたいです。
このあと、3DメガネをかけてみるVTRのコーナーがありました。ここまでの内容をおさらいすると共に、映像でわかりやすく墓の内部のようす等も再現されていました。この3Dはよくできていて本当に飛び出すように見えましたw
以上で展覧は終了です。本当に情報量が多い展覧で一気にシカンについて詳しくなれました。簡潔な映像があるおかげで理解しやすかったし、本当に満足できる展覧でした。
この後は展覧後のお楽しみ。ショップも活気付いていました。

左:会場限定のストラップガチャガチャ。超欲しかったですが持ち合わせがなかったw
右:特設フードコート。金色のコーラ?とかサボテンジュースとか変わったメニューがありましたが私が出る頃は終わっていました。

これは一日ブログ記者のお土産。無料で観たうえお土産までもらえました。

これもお土産。今回の展示について資料となるテキストです。

ということで、展示も一日ブログ記者の企画も大満足でした!
今回は閉館20分前くらいまで観ていたので常設は宇宙のところくらいしか見られませんでしたが、ここの常設も面白いのでまた機会があったらご紹介したいと思います。

まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
TBS「特別展 インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン」
【公式サイト】
http://www.tbs.co.jp/sicanten/
【会場】国立科学博物館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2009年7月14日(火)~10月12日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間20分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_4_⑤_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
※これ以降の写真は運営の方に許可を頂いて撮影しております。(許可の無い方は撮影できません)
ルール通りに撮影したつもりですが、問題がございましたら掲載を下ろしますのでお伝えください。
今回の記事は特に、写真の転載は一切禁止とさせていただきます。
【感想】
今日は第2章の「卓越した技術」からご紹介します。本当に高度な文明だったことを伺わせる内容でした。
<第2部 シカンの文化の世界 インカ帝国の源流>
卓越した技術
このコーナーではシカンの持っていた高い技術力を紹介していました。
シカンはアンデスの文明の中でも黄金の装飾品が多いらしく、その製法や加工に用いた道具も紹介しつつ、金製品が並んでいました。
金細工の工程。全部手作業ですがかなり薄く引き延ばす技術があったようです。

貴重な金細工がずらりと並んでいました。
左:2つの丸いのは耳飾、写真の奥の方にはまとめて発掘された金の部品が並んでいます。
右:これも今回の目玉と思う「クモ象形金」です。精巧でデザイン的にも洗練された感じでした。
★こちらでも観られます


土器の作り方も説明していました。実際に作る方法を実証するVTRもあり、かなり深い理解を得ることが出来ました。シカンには油分を多く含みよく燃える「アルガロボ」という木が生えていたらしく、その木と家畜の糞を燃やして土器を焼いていたようです。そして、この土器で交易で優位にたてたとのことです。
もちろん、周りには土器も展示されています。愛嬌があって楽しいです。


これはシカン神の像を織り込んだタペストリー。シカンで織られたかはハッキリしないらしいですが、見事な技術です。

人々の生活
続いて、上流階級だけでなく、シカンの人々の生活が伝わってくるコーナーがありました、所狭しと土器などが並んでいたのですが、このデザインが面白かった! どれも独創的で、クリエイティブな人には刺激になるんじゃないかなと思います。
動物や魚を模した土器が多くて、愛嬌があって驚きもあります。 ★こちらでも観られます
この写真にもリャマやザリガニを模した土器が写ってます。ちなみに彼らの主食はトウモロコシで、リャマもザリガニも食べていたのだとか。食生活まで垣間見えるところがますます興味深かったです。

これ以外にもずらーっとユニークな土器が並んでいました。
右手前から、腹ばいで何かを見張っている男の像、笛の一種のケーナ、皿。 腹ばいの3頭身の像が可愛いw

注:この辺はあまりコーナーの分類を気にせず観ていたので、紹介しているものが次のコーナーかもしれません。すみません。
環境条件
こうした豊かな文明を生んだ環境についてもしっかり説明していました。ペルーは雨が少ない地域らしいですが、シカンはアンデスから流れるレチェ川によって比較的水には困らなかったようです。しかし、それでも水がなくなるのを恐れていたようで、水棲生物の像が多いのはそういう理由で作られたという説明がありました。 (その後洪水に悩まされたということなので皮肉な話かもしれません…。)
現地のVTR。本当にこのVTRのおかげですんなりと理解できました。

また、先ほどご紹介した「アルガロボ」の木はシカンにとって重要な木で、その木で家を作ったり、その実を家畜の餌にしてたようです。 …雨も少ないのに、よく燃える木を家の材料にしたら火事になりやすくて危ないのでは??w ちょっとそれが気になりました。
社会構造
このコーナーでは社会の構造について紹介されていました。シカンは支配者層と庶民の階級がはっきり分かれていたようで、一説によると4つの層に分かれていたとのことです。しかし、埋葬方法などから4つ以上の複雑な階層であった可能性も考えられるようです。また、他の民族(北のタヤン人など)の特徴を持っている彫刻なども見つかり、様々な民族を含んだ多様な社会だったことが垣間見られるようでした。
手前は黄金のケロ。後方はエリートが使った金製胸飾 ★こちらでも観られます

これは<エピローグ>のコーナーになる黄金の御輿。偉い人専用です。
裏面には非常に細かい装飾が施されていました ★こちらでも観られます

<エピローグ>
展覧の最後にはエピローグとして、シカンの時代の前後がどうなっていたのかをテーマにしていました。
シカンは急速に台頭してきたのはどう説明するのか?ということに関して、シカンに先行するモチェ文明のブルホ遺跡を紹介していました。
モチェ文明のブルホ遺跡の説明と、シカン、タヤン、モチェの神像の違い。


ブルホ遺跡のミイラ。これもかなり貴重なものです。

シカンの最後は、前編でもご紹介したとおり気候の変動による飢饉や洪水によって社会が不安定になったようで急速に衰えていったと説明がありました。シカンについてはまだ解明されていないところもあるらしく、今後も島田教授達の研究を楽しみにしたいです。
このあと、3DメガネをかけてみるVTRのコーナーがありました。ここまでの内容をおさらいすると共に、映像でわかりやすく墓の内部のようす等も再現されていました。この3Dはよくできていて本当に飛び出すように見えましたw
以上で展覧は終了です。本当に情報量が多い展覧で一気にシカンについて詳しくなれました。簡潔な映像があるおかげで理解しやすかったし、本当に満足できる展覧でした。
この後は展覧後のお楽しみ。ショップも活気付いていました。

左:会場限定のストラップガチャガチャ。超欲しかったですが持ち合わせがなかったw
右:特設フードコート。金色のコーラ?とかサボテンジュースとか変わったメニューがありましたが私が出る頃は終わっていました。


これは一日ブログ記者のお土産。無料で観たうえお土産までもらえました。

これもお土産。今回の展示について資料となるテキストです。

ということで、展示も一日ブログ記者の企画も大満足でした!
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更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
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行こう行こうと思いながらも後回しになっていたシカン展ですが、先日「黄金の都 シカン展」広報事務局 の方の書き込みで、「1日ブログ記者」募集中というのを見て、面白そうなので応募して早速いってみました。
「1日ブログ記者」についての詳細は公式ページでご確認ください。


【展覧名】
TBS「特別展 インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン」
【公式サイト】
http://www.tbs.co.jp/sicanten/
【会場】国立科学博物館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2009年7月14日(火)~10月12日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間20分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_4_⑤_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
展覧会の感想の前に、一日ブログ記者についてですが、これは公式サイトで応募するとブログの内容を運営の方が審査して、それを通ると数々の特典を受けることができるという企画です。特典としては、
・無料で展覧を観られる
・展覧会場での写真撮影が出来る (展示品の単品撮りやフラッシュは禁止)
・お土産を貰える
・イベントへの優先案内
という感じです。(詳しくはこちら)私としては撮影が出来るに惹かれて応募しました。 元々行こうと思ってただけに思いがけない幸運でした。
特典にあやかって結構写真を撮ってきたので、その写真を使いながらご紹介します。写真を撮っていると、事情を知らないお客さんに怒られたり、周りの人が自分も撮ろうとしたりして、案外気を遣いましたがかなり楽しい体験でした。
※これ以降の写真は運営の方に許可を頂いて撮影しております。(許可の無い方は撮影できません)
ルール通りに撮影したつもりですが、問題がございましたら掲載を下ろしますのでお伝えください。
今回の記事は特に、写真の転載は一切禁止とさせていただきます。
入口。写真に写らないようにしていますが、実はかなり沢山のお客さんがいました。入場規制するほどではないですが、混みあっていました。
(左:入口風景 右:シカンの位置や歴史の説明ボード。青いところがシカンです)

そもそも、「シカン」って何だ?って人も多いかと思います。私もそうでしたw しかし、この展覧はその辺をきっちり紹介していますので知らなくても全然心配ありません。大雑把に言えば、シカンは「月の神殿」という意味で、日本人の島田泉教授によって名づけられました。750年~1350年頃のアンデス(ペルー北部)の文明で、優れた砒素銅細工や土器の技術を持ち、それを元に交易で栄えました。 しかし、気候変動や洪水によって自ら都市を放棄した形跡もあるらしく、のちにインカ帝国の勢力に飲まれていったようです。
シカンについては島田教授によって1970年代後半から研究が進められているようですが、文字を持っていない文明だけに、まだ分かっていない部分も多いらしく、この展示では一番わかってきている中期頃の遺品を中心に展示していました。
<第1部 シカンを掘る! 考古学者の挑戦>
この展覧会には2つの主人公があるということで、1つはシカンの人々、もう1つは発掘に携わっている考古学者達でした。展覧会を入ってすぐのところに発掘用の道具や発掘の様子の写真が展示されていました。
(左:発掘の道具と様子 右:各時代の壷。時代によってシカンの神の表現が異なるようです。)

シカンについて最初のコーナーでは「ロロ神殿」という神殿の周りの墓を中心に紹介していました。ロロ神殿の東側と西側に貴族の墓が見つかり、その墓の遺物や埋葬からわかることなどが展示されています。ロロ神殿からは1.2tもの副葬品が出てきたらしいです。生贄になった幼児などは100人以上だとか。東西の墓にも20人くらい埋まっていたようです…。
(左:ロロ神殿の模型 右:ロロ神殿東の墓の再現模型)

これが東の墓の主がつけていたシカン黄金大仮面。 ★こちらでも観られます

これを被っていた墓の主は何故か首から足までは上下逆さに埋葬されていたようです。(頭部だけ仮面をつけて上を向いていたようです) まだよく分かっていないようですが、島田教授は西で見つかった墓と対にするために上下逆さに埋葬されたでは?と一時考えたようですが、それも正しいとは言えないらしいです。シカンには太陽と月、男と女というように対になる考え方(陰陽道みたいな)があり、その思想を元に発掘されたのが西の墓で、歯型の測定から東が叔父、西が甥という血縁関係が明らかになったとのことでした。
骨を元に再現された墓の主の胸像なんかもありました。

このコーナーの辺りは貴族らしい豪華な副葬品がいくつも展示されていて、美術品としてもかなり見所がありました。(写真も撮っていますが、載せすぎは自重しますw) また、珍しい女性の墓も発掘されたようで、それも展示説明されていました。
小人像を作る型。これでシカン神の立像を作ったようです。量産したのかな。この2~3頭身のシカン神が可愛いんですw

この展覧会の大きな特徴の1つですが、TBSが全面協力しているようで、1~2分くらいの説明映像があちこちで用意されています。これが非常に簡潔で分かりやすかったです。これはシカンに他の民族の代表を住ませ、死んだら墓を作ったという説明です。 この辺りには他の民族由来の品などもあり、交易・交流を伺わせる品々が展示されていました。

<第2部 シカンの文化の世界 インカ帝国の源流>
ここからはシカンの様々な文化を紹介するコーナーでした。「宗教」「交易」「卓越した技術」「人々の生活」「環境条件」「社会構造」という6つのテーマに分けて紹介されていました。今日はそのうちの「宗教」と交易をご案内します。
宗教
ずらっとシカン神の像などが並んでいます。 ★詳しくはこちらで観られます
この神像は「アーモンドアイ」と呼ばれるつりあがった目を持つ特徴があります。この神像がどれも愉快で可愛いw なんかのマスコットみたいに見えますが、支配者=神とみなすような説明もありましたので、当時の人は真剣に作ったんでしょうね。 ちなみにこの上が広がったカップは「ケロ」と言います。このケロは周囲に4つの顔を持ち、顔の右目が隣の顔の左目となる感じで、顔が繋がっていました。
(左:展示ケース 右:シカン神の頭を打ち出し細工した黄金のケロ)

動物をモチーフにしたものも多くあり、とくに蛇とジャガーは特別な存在らしいです。これは右の手前から、セミの幼虫、ヒキガエル、蛇をモチーフにしています。
それにしても、「シカン神の顔とひきがえるのケロ」ってw おやじギャグじゃないですよw

これは今回の目玉と思う「黄金の儀式用トゥミ」です。「トゥミ」というのは、この展覧でいくつも観られる刃物で、生贄の首を切るのに使ったようです。(これ以外は青い銅製のものでした)
三日月の頭飾をつけたシカン神がついています。太陽と月を信仰していたようなので、このコーナーの象徴とも言える作品かもしれません。細かく豪華な細工が一際輝いて見えました。

交易
この記事には載せていませんでしたが、このコーナーに来るまでに何度も貝殻を使った品が出てきていました。貝殻なんてあるのかな?と思っていましたが、実はこれは交易によってもたらされたようで、このコーナーではその辺のことが詳しく解説されていました。
アマゾン上流からは金、エクアドルから貝殻など、交易ルート地図と共に展示されています。シカンはその優れた技術によって黒色光沢土器や砒素銅を輸出品にしていたようです。

↑の写真の緑のローマ数字のⅡみたいな形の3つの銅製品は「ナイペ」といい、通貨だったようです。束にして使われていたという説明もありました。既に通貨まで使われているほど交易は盛んだったようです。本当に高度な文明だったんでしょうね…。
ということで、この辺で半分くらいですので今日はここで中断します。 かなり盛り沢山で情報量が多いので、この展示に行っておけばシカンのことが一気にわかる気がします。後編は「卓越した技術」「人々の生活」「環境条件」「社会構造」といった生活に密着したコーナーについてご紹介したいと思います。
⇒ 後編を書きました。こちらです。 引き続きよろしくお願いします(><)
「1日ブログ記者」についての詳細は公式ページでご確認ください。


【展覧名】
TBS「特別展 インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン」
【公式サイト】
http://www.tbs.co.jp/sicanten/
【会場】国立科学博物館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2009年7月14日(火)~10月12日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間20分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_4_⑤_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
展覧会の感想の前に、一日ブログ記者についてですが、これは公式サイトで応募するとブログの内容を運営の方が審査して、それを通ると数々の特典を受けることができるという企画です。特典としては、
・無料で展覧を観られる
・展覧会場での写真撮影が出来る (展示品の単品撮りやフラッシュは禁止)
・お土産を貰える
・イベントへの優先案内
という感じです。(詳しくはこちら)私としては撮影が出来るに惹かれて応募しました。 元々行こうと思ってただけに思いがけない幸運でした。
特典にあやかって結構写真を撮ってきたので、その写真を使いながらご紹介します。写真を撮っていると、事情を知らないお客さんに怒られたり、周りの人が自分も撮ろうとしたりして、案外気を遣いましたがかなり楽しい体験でした。
※これ以降の写真は運営の方に許可を頂いて撮影しております。(許可の無い方は撮影できません)
ルール通りに撮影したつもりですが、問題がございましたら掲載を下ろしますのでお伝えください。
今回の記事は特に、写真の転載は一切禁止とさせていただきます。
入口。写真に写らないようにしていますが、実はかなり沢山のお客さんがいました。入場規制するほどではないですが、混みあっていました。
(左:入口風景 右:シカンの位置や歴史の説明ボード。青いところがシカンです)


そもそも、「シカン」って何だ?って人も多いかと思います。私もそうでしたw しかし、この展覧はその辺をきっちり紹介していますので知らなくても全然心配ありません。大雑把に言えば、シカンは「月の神殿」という意味で、日本人の島田泉教授によって名づけられました。750年~1350年頃のアンデス(ペルー北部)の文明で、優れた砒素銅細工や土器の技術を持ち、それを元に交易で栄えました。 しかし、気候変動や洪水によって自ら都市を放棄した形跡もあるらしく、のちにインカ帝国の勢力に飲まれていったようです。
シカンについては島田教授によって1970年代後半から研究が進められているようですが、文字を持っていない文明だけに、まだ分かっていない部分も多いらしく、この展示では一番わかってきている中期頃の遺品を中心に展示していました。
<第1部 シカンを掘る! 考古学者の挑戦>
この展覧会には2つの主人公があるということで、1つはシカンの人々、もう1つは発掘に携わっている考古学者達でした。展覧会を入ってすぐのところに発掘用の道具や発掘の様子の写真が展示されていました。
(左:発掘の道具と様子 右:各時代の壷。時代によってシカンの神の表現が異なるようです。)


シカンについて最初のコーナーでは「ロロ神殿」という神殿の周りの墓を中心に紹介していました。ロロ神殿の東側と西側に貴族の墓が見つかり、その墓の遺物や埋葬からわかることなどが展示されています。ロロ神殿からは1.2tもの副葬品が出てきたらしいです。生贄になった幼児などは100人以上だとか。東西の墓にも20人くらい埋まっていたようです…。
(左:ロロ神殿の模型 右:ロロ神殿東の墓の再現模型)


これが東の墓の主がつけていたシカン黄金大仮面。 ★こちらでも観られます

これを被っていた墓の主は何故か首から足までは上下逆さに埋葬されていたようです。(頭部だけ仮面をつけて上を向いていたようです) まだよく分かっていないようですが、島田教授は西で見つかった墓と対にするために上下逆さに埋葬されたでは?と一時考えたようですが、それも正しいとは言えないらしいです。シカンには太陽と月、男と女というように対になる考え方(陰陽道みたいな)があり、その思想を元に発掘されたのが西の墓で、歯型の測定から東が叔父、西が甥という血縁関係が明らかになったとのことでした。
骨を元に再現された墓の主の胸像なんかもありました。

このコーナーの辺りは貴族らしい豪華な副葬品がいくつも展示されていて、美術品としてもかなり見所がありました。(写真も撮っていますが、載せすぎは自重しますw) また、珍しい女性の墓も発掘されたようで、それも展示説明されていました。
小人像を作る型。これでシカン神の立像を作ったようです。量産したのかな。この2~3頭身のシカン神が可愛いんですw

この展覧会の大きな特徴の1つですが、TBSが全面協力しているようで、1~2分くらいの説明映像があちこちで用意されています。これが非常に簡潔で分かりやすかったです。これはシカンに他の民族の代表を住ませ、死んだら墓を作ったという説明です。 この辺りには他の民族由来の品などもあり、交易・交流を伺わせる品々が展示されていました。

<第2部 シカンの文化の世界 インカ帝国の源流>
ここからはシカンの様々な文化を紹介するコーナーでした。「宗教」「交易」「卓越した技術」「人々の生活」「環境条件」「社会構造」という6つのテーマに分けて紹介されていました。今日はそのうちの「宗教」と交易をご案内します。
宗教
ずらっとシカン神の像などが並んでいます。 ★詳しくはこちらで観られます
この神像は「アーモンドアイ」と呼ばれるつりあがった目を持つ特徴があります。この神像がどれも愉快で可愛いw なんかのマスコットみたいに見えますが、支配者=神とみなすような説明もありましたので、当時の人は真剣に作ったんでしょうね。 ちなみにこの上が広がったカップは「ケロ」と言います。このケロは周囲に4つの顔を持ち、顔の右目が隣の顔の左目となる感じで、顔が繋がっていました。
(左:展示ケース 右:シカン神の頭を打ち出し細工した黄金のケロ)


動物をモチーフにしたものも多くあり、とくに蛇とジャガーは特別な存在らしいです。これは右の手前から、セミの幼虫、ヒキガエル、蛇をモチーフにしています。
それにしても、「シカン神の顔とひきがえるのケロ」ってw おやじギャグじゃないですよw

これは今回の目玉と思う「黄金の儀式用トゥミ」です。「トゥミ」というのは、この展覧でいくつも観られる刃物で、生贄の首を切るのに使ったようです。(これ以外は青い銅製のものでした)
三日月の頭飾をつけたシカン神がついています。太陽と月を信仰していたようなので、このコーナーの象徴とも言える作品かもしれません。細かく豪華な細工が一際輝いて見えました。

交易
この記事には載せていませんでしたが、このコーナーに来るまでに何度も貝殻を使った品が出てきていました。貝殻なんてあるのかな?と思っていましたが、実はこれは交易によってもたらされたようで、このコーナーではその辺のことが詳しく解説されていました。
アマゾン上流からは金、エクアドルから貝殻など、交易ルート地図と共に展示されています。シカンはその優れた技術によって黒色光沢土器や砒素銅を輸出品にしていたようです。

↑の写真の緑のローマ数字のⅡみたいな形の3つの銅製品は「ナイペ」といい、通貨だったようです。束にして使われていたという説明もありました。既に通貨まで使われているほど交易は盛んだったようです。本当に高度な文明だったんでしょうね…。
ということで、この辺で半分くらいですので今日はここで中断します。 かなり盛り沢山で情報量が多いので、この展示に行っておけばシカンのことが一気にわかる気がします。後編は「卓越した技術」「人々の生活」「環境条件」「社会構造」といった生活に密着したコーナーについてご紹介したいと思います。
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私はX-MEN好きなので、公開初日のレイトショーで「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」を早速観てきました。

【作品名】
ウルヴァリン:X-MEN ZERO
【公式サイト】
http://movies.foxjapan.com/wolverine/
※公式サイトに結構なネタバレがあるのでご注意ください
【時間】
1時間50分程度
【ストーリー】
退屈_1_2_3_④_5_面白
【映像・役者】
不足_1_2_3_④_5_充実
【総合満足度】
駄作_1_2_3_④_5_名作
【感想】
一言で言えば、骨太なハードボイルドな感じでした。シリーズ中最も重い感じもしたかな。ストーリーとかアクションはそんなにズバ抜けて凄いとい感じではないのだけれども、自然と引き込まれるテンポの良さとシリアスな雰囲気が面白かったです。
とりあえず、ミュータントとは?って話とかはほとんど無いので、シリーズを知らない人は1だけでも観てからでないと、理解できない部分がありそうです。(ウルヴァリンの不老&超回復能力とかも何の説明もないしw)
ネタバレって程でもないですが、今回はセイバートゥースが準主役くらいの勢いで出てきます。ここで気になるのが、X-MENの映画1作目でもセイバートゥースは出ていたけれど、ウルヴァリンとの関係はほとんど分からなかった点です。 元々コミックでその辺は詳細にキャラ付けしてあるのに、今までの映画4本を通しで観ると、その関係がまるで後付けみたいになってしまっているようなw それ以外にもキャラの微妙な設定替えは今回もありますが、他はあんまり違和感がありませんでした。むしろ、今回はX-MENの中でも人気のある某キャラも出てきたりして嬉しかった点もありました。
ということで、私は元々好きなのでだいぶ楽しめました。このシリーズは本当にクオリティが高く仕上がってて嬉しい限りです。

【作品名】
ウルヴァリン:X-MEN ZERO
【公式サイト】
http://movies.foxjapan.com/wolverine/
※公式サイトに結構なネタバレがあるのでご注意ください
【時間】
1時間50分程度
【ストーリー】
退屈_1_2_3_④_5_面白
【映像・役者】
不足_1_2_3_④_5_充実
【総合満足度】
駄作_1_2_3_④_5_名作
【感想】
一言で言えば、骨太なハードボイルドな感じでした。シリーズ中最も重い感じもしたかな。ストーリーとかアクションはそんなにズバ抜けて凄いとい感じではないのだけれども、自然と引き込まれるテンポの良さとシリアスな雰囲気が面白かったです。
とりあえず、ミュータントとは?って話とかはほとんど無いので、シリーズを知らない人は1だけでも観てからでないと、理解できない部分がありそうです。(ウルヴァリンの不老&超回復能力とかも何の説明もないしw)
ネタバレって程でもないですが、今回はセイバートゥースが準主役くらいの勢いで出てきます。ここで気になるのが、X-MENの映画1作目でもセイバートゥースは出ていたけれど、ウルヴァリンとの関係はほとんど分からなかった点です。 元々コミックでその辺は詳細にキャラ付けしてあるのに、今までの映画4本を通しで観ると、その関係がまるで後付けみたいになってしまっているようなw それ以外にもキャラの微妙な設定替えは今回もありますが、他はあんまり違和感がありませんでした。むしろ、今回はX-MENの中でも人気のある某キャラも出てきたりして嬉しかった点もありました。
ということで、私は元々好きなのでだいぶ楽しめました。このシリーズは本当にクオリティが高く仕上がってて嬉しい限りです。
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会社から近いところにカナダ大使館があるのですが、その中にある「高円宮記念ギャラリー」で始まった「グレッグ・アンガス展 」がちょっと気になったので、お昼休みに観てきました。


【展覧名】
グレッグ・アンガス展 ― 夢を見た、そこには君がいた
【公式サイト】
http://www.international.gc.ca/missions/japan-japon/events-evenements/gallery-20090728-galerie-jpn.asp
【会場】カナダ大使館高円宮記念ギャラリー
【最寄】青山一丁目/赤坂見附/永田町
【会期】2009年9月3日(木)~ 11月25日(水)
※営業時間・休館日・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
地図
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況(平日12時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_②_3_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_②_3_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
この高円宮記念ギャラリーはカナダ大使館の地下2階にあるのですが、一度エスカレーターで4階まで上がって、そこからエレベーターで地下に降りて行きます。この日は平日のお昼だったせいか、無料の展覧会なのに、ずっと貸しきり状態で、静かに鑑賞することができました。 20点程度で30分もかからないくらいの内容です。
グレッグ・アンガスという人は、大雑把に言えばうねりのような抽象画の多い画家です。どこかで見たような気がしましたが、思い出せないので他の人の作品と混同しているのかもしれないという程度の知識でした。
とりあえず解説を探してみたところ、ちょっとだけ経歴などが書かれていました(というかそれ以外の情報はないです) 彼の作品の出発点は日本入国の際に採取される指紋拇印の体験から得た発想らしいです。指紋の波形などからエネルギーや広がりを表現しよう試みたようで、地形図のようなコラージュが多いです。重視しているのはスピード感、方向性、エネルギーで、指紋によって情報や自由を得るという政治的な意味合いもあるという説明がありました。また、この人の手法についても解説がありました。何十色もの絵の具とワックスを混ぜて、それを何層にも厚く塗った後にノミやナイフで削り取る「蝋画」という手法とのことです。 実際に作品を観ると、パネルの横まで厚く塗りこまれていて、削ったところは凹凸が目立っていました。
と、前置きが長くなりましたがいくつか気になった作品をご紹介。基本的に何が描かれてるのか分からないので自分なりの解釈ですw
「通路」
ふちの赤い白い服に無数の屋が突き刺さったような絵です。半そでの服に見えますが性器があったので人間の体かもしれません。右半分は黄色地に螺旋のようなものが描かれています。 何を表現したのか全く分かりませんが、矢が突き刺さっていくようなエネルギーは確かに感じることが出来ました。
「マニ車」
この作品の他に「シバの庭園」なんて名前の作品もあって、この人はインドやチベットなどに造詣が深いのかな?なんて勝手に想像しながら見てました(かなりのインテリみたいなので単に関心があるだけかもしれません) この作品は、緑、赤、オレンジ、青などが右回りの渦を巻いているように見えます。どの色もアクリルのような鮮やかな原色で、かなり混沌とした雰囲気が漂っていました。解説にあったように、流れやうねりを感じて、ダイナミックな印象でした。
「ここにいることができとてもうれしい」
左半分は青、右半分は緑がベースになっていて、その上に黄色い年輪のような縞々が描かれています。この黄色い年輪みたいなのが指紋の話と繋がるのかな?と思いながら見ていました。先ほどの作品と同じようにこの作品も流れを感じさせます。結構大きい絵で、作品の持つパワーも強調されているようでした。
「Nagare」
これは写真にあるポスターの作品です。じぐざぐに水色の帯が出来ていて、流水のような印象をうけます。離れてみると本当に川を描いた作品のように思えてきて、これは水面に映った景色が流れによって揺らめいている様子なのかも??と勝手に色々とストーリーを考えていましたw 近くでみると絵の具を削られているのがよく分かりました。
「Maru」
同じような2枚の作品。名前も同じです。 解説には色違いの作品も載っていたので、連作かもしれません。(何故かその色違いのは展示されていませんでした) 黄色いドーナツ状の円と、ピンクの円の2枚で、両方とも円の周回上の部分はえぐりとられていていました。 ドーナツ状のものを描いた小品なのにカオスなパワーがあるように感じました。
ということで、大小合わせて20点程度で解説もあまりない展覧でしたが、ゆっくり観られて快適でした。流れとエネルギー、スピード感などは確かに感じることができたのでまずまず満足です。
そして、このギャラリーの外には、10点くらいの彫刻が展示されています。踊るセイウチ(←可愛いです)、踊るシロクマ、ベルーガ鯨などカナダに縁がありそうな作品が主でした。
また、このギャラリーの正面にはE.H.ノーマン図書館という図書館もあります。(ここもほとんど貸切状態でした。) 図書館にはカナダの本やカナダを紹介する日本の本、カナダの音楽CD(ほぼクラシックですw)などがあり、所々に置物なんかもあったりする洒落た図書館でした。パソコンとかもあったかな。静かにカナダを研究したい時はここに来るといいかもしれません。



【展覧名】
グレッグ・アンガス展 ― 夢を見た、そこには君がいた
【公式サイト】
http://www.international.gc.ca/missions/japan-japon/events-evenements/gallery-20090728-galerie-jpn.asp
【会場】カナダ大使館高円宮記念ギャラリー
【最寄】青山一丁目/赤坂見附/永田町
【会期】2009年9月3日(木)~ 11月25日(水)
※営業時間・休館日・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
地図
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況(平日12時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_②_3_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_②_3_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
この高円宮記念ギャラリーはカナダ大使館の地下2階にあるのですが、一度エスカレーターで4階まで上がって、そこからエレベーターで地下に降りて行きます。この日は平日のお昼だったせいか、無料の展覧会なのに、ずっと貸しきり状態で、静かに鑑賞することができました。 20点程度で30分もかからないくらいの内容です。
グレッグ・アンガスという人は、大雑把に言えばうねりのような抽象画の多い画家です。どこかで見たような気がしましたが、思い出せないので他の人の作品と混同しているのかもしれないという程度の知識でした。
とりあえず解説を探してみたところ、ちょっとだけ経歴などが書かれていました(というかそれ以外の情報はないです) 彼の作品の出発点は日本入国の際に採取される指紋拇印の体験から得た発想らしいです。指紋の波形などからエネルギーや広がりを表現しよう試みたようで、地形図のようなコラージュが多いです。重視しているのはスピード感、方向性、エネルギーで、指紋によって情報や自由を得るという政治的な意味合いもあるという説明がありました。また、この人の手法についても解説がありました。何十色もの絵の具とワックスを混ぜて、それを何層にも厚く塗った後にノミやナイフで削り取る「蝋画」という手法とのことです。 実際に作品を観ると、パネルの横まで厚く塗りこまれていて、削ったところは凹凸が目立っていました。
と、前置きが長くなりましたがいくつか気になった作品をご紹介。基本的に何が描かれてるのか分からないので自分なりの解釈ですw
「通路」
ふちの赤い白い服に無数の屋が突き刺さったような絵です。半そでの服に見えますが性器があったので人間の体かもしれません。右半分は黄色地に螺旋のようなものが描かれています。 何を表現したのか全く分かりませんが、矢が突き刺さっていくようなエネルギーは確かに感じることが出来ました。
「マニ車」
この作品の他に「シバの庭園」なんて名前の作品もあって、この人はインドやチベットなどに造詣が深いのかな?なんて勝手に想像しながら見てました(かなりのインテリみたいなので単に関心があるだけかもしれません) この作品は、緑、赤、オレンジ、青などが右回りの渦を巻いているように見えます。どの色もアクリルのような鮮やかな原色で、かなり混沌とした雰囲気が漂っていました。解説にあったように、流れやうねりを感じて、ダイナミックな印象でした。
「ここにいることができとてもうれしい」
左半分は青、右半分は緑がベースになっていて、その上に黄色い年輪のような縞々が描かれています。この黄色い年輪みたいなのが指紋の話と繋がるのかな?と思いながら見ていました。先ほどの作品と同じようにこの作品も流れを感じさせます。結構大きい絵で、作品の持つパワーも強調されているようでした。
「Nagare」
これは写真にあるポスターの作品です。じぐざぐに水色の帯が出来ていて、流水のような印象をうけます。離れてみると本当に川を描いた作品のように思えてきて、これは水面に映った景色が流れによって揺らめいている様子なのかも??と勝手に色々とストーリーを考えていましたw 近くでみると絵の具を削られているのがよく分かりました。
「Maru」
同じような2枚の作品。名前も同じです。 解説には色違いの作品も載っていたので、連作かもしれません。(何故かその色違いのは展示されていませんでした) 黄色いドーナツ状の円と、ピンクの円の2枚で、両方とも円の周回上の部分はえぐりとられていていました。 ドーナツ状のものを描いた小品なのにカオスなパワーがあるように感じました。
ということで、大小合わせて20点程度で解説もあまりない展覧でしたが、ゆっくり観られて快適でした。流れとエネルギー、スピード感などは確かに感じることができたのでまずまず満足です。
そして、このギャラリーの外には、10点くらいの彫刻が展示されています。踊るセイウチ(←可愛いです)、踊るシロクマ、ベルーガ鯨などカナダに縁がありそうな作品が主でした。
また、このギャラリーの正面にはE.H.ノーマン図書館という図書館もあります。(ここもほとんど貸切状態でした。) 図書館にはカナダの本やカナダを紹介する日本の本、カナダの音楽CD(ほぼクラシックですw)などがあり、所々に置物なんかもあったりする洒落た図書館でした。パソコンとかもあったかな。静かにカナダを研究したい時はここに来るといいかもしれません。
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丸の内ブリックスクエア(MARUNOUCHI BRICK SQUARE)の三菱一号館で「一丁倫敦と丸の内スタイル展」を観た後、涼しくて気持ちが良かったので、すぐ近くの皇居周辺へ、夕暮れの写真散歩に行ってきました。馬場先門→皇居外苑→二重橋→桜田門→警視庁→国会議事堂というルートでした。
周辺地図はこちら
馬場先門付近。写真の右側にある通りを越えると明らかに雰囲気が変わります。

馬場先濠と石垣

皇居外苑から南を向くとかすかに東京タワーも見えます

皇居外苑には見事な松が沢山生えています。木の下の芝生で寝転んでる人もいました。

広大な砂利道。だだっぴろいです。

ここから見ると丸の内の町は砂漠の中のオアシスのように見えますw

日が暮れてきました。東京のど真ん中とは思えない風景です。

二重橋前にある交番。中々味があります。

二重橋。非常に美しい橋です。橋の上には江戸東京たてもの園でも見た電燈が置かれています。

上の写真とほとんど同じですが、ちょっと待ってたら、白鳥がきました。

夕陽の映る水面を行く白鳥

なんか毛づくろいっぽいことをし始めたw 顔だけ水面に入れてエサを探してたりもしました。

濠の周りはこんな感じです。この写真の左側の方に進むと桜田門があります。

桜田門の前あたり。ちょうど灯りも燈り始めました。

桜田門。ちなみにこの写真の向こう側から走ってくる人が絶えませんでした。皇居1周のマラソンコースらしいです。

こっちは外側の門。どっちが桜田門なんだろw

上の写真の場所から西側を見た景色。ウジェーヌ・ブーダンの絵に出てきそうな空の色になっていました。

桜田門と言えば警視庁の隠語ですねw ドラマとかで立派な建物のイメージがありますが、実際は大して大きくもないです。

さらに足を伸ばして、国会議事堂も観てきました。ライトアップされてカッコいいw やたら警察が沢山いました。

という感じで、丸の内ブリックスクエアから国会議事堂まで歩きましたが、せいぜい1.5kmちょっとだと思います。皇居周辺は高密度で名所があるので飽きませんね。丸の内ブリックスクエアに行ったら皇居や出光美術館にハシゴするコースも良いかと思います。
周辺地図はこちら
馬場先門付近。写真の右側にある通りを越えると明らかに雰囲気が変わります。

馬場先濠と石垣

皇居外苑から南を向くとかすかに東京タワーも見えます

皇居外苑には見事な松が沢山生えています。木の下の芝生で寝転んでる人もいました。

広大な砂利道。だだっぴろいです。

ここから見ると丸の内の町は砂漠の中のオアシスのように見えますw

日が暮れてきました。東京のど真ん中とは思えない風景です。


二重橋前にある交番。中々味があります。

二重橋。非常に美しい橋です。橋の上には江戸東京たてもの園でも見た電燈が置かれています。

上の写真とほとんど同じですが、ちょっと待ってたら、白鳥がきました。


夕陽の映る水面を行く白鳥

なんか毛づくろいっぽいことをし始めたw 顔だけ水面に入れてエサを探してたりもしました。

濠の周りはこんな感じです。この写真の左側の方に進むと桜田門があります。

桜田門の前あたり。ちょうど灯りも燈り始めました。

桜田門。ちなみにこの写真の向こう側から走ってくる人が絶えませんでした。皇居1周のマラソンコースらしいです。

こっちは外側の門。どっちが桜田門なんだろw

上の写真の場所から西側を見た景色。ウジェーヌ・ブーダンの絵に出てきそうな空の色になっていました。

桜田門と言えば警視庁の隠語ですねw ドラマとかで立派な建物のイメージがありますが、実際は大して大きくもないです。

さらに足を伸ばして、国会議事堂も観てきました。ライトアップされてカッコいいw やたら警察が沢山いました。

という感じで、丸の内ブリックスクエアから国会議事堂まで歩きましたが、せいぜい1.5kmちょっとだと思います。皇居周辺は高密度で名所があるので飽きませんね。丸の内ブリックスクエアに行ったら皇居や出光美術館にハシゴするコースも良いかと思います。
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丸の内ブリックスクエア(MARUNOUCHI BRICK SQUARE)の施設内を散策してお昼を食べた後、お披露目となった三菱一号館美術館で「一丁倫敦と丸の内スタイル展」を観てきました。これは美術展ではなく、この美術館の原型となった三菱一号館とその復元の過程を詳細に紹介する内容でした。

【展覧名】
三菱一号館竣工記念「一丁倫敦と丸の内スタイル展」
【公式サイト】
http://mitsubishi-ichigokan.jp/
【会場】三菱一号館美術館
【最寄】東京駅・二十橋前駅・有楽町・日比谷駅
【会期】2009年9月3日(木)~2010年1月11日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日16時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_②_3_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_4_⑤_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
今回の展覧は建物そのものが展示物のようなものだし、まだオープン間もない美術館なので建物も含めてご紹介します。この美術館の展覧内は撮影禁止なのですが、展覧スペース外の廊下と階段だけは撮影して大丈夫と聞いたので、撮影してみました。(※問題があったら掲載を外しますので、ご連絡ください。)
まずは有楽町方面の出入口。近くにロッカーもあります。ロッカーはそんなに多くないかも。(ここ以外にもロッカーはあります)

1Fの廊下。廊下はどこもこんな雰囲気です。庭園美術館に雰囲気が似てるかな。 ちょっと狭い気がするのですが、マネ展なんて人気が出そうな展覧会をやって大丈夫なのかな?と疑問に思います。

展覧会はエレベーターで3Fに上がって、3F→2F→1Fというように下っていく流れでした。
まずは3Fの展覧。1~4章が展示されています。
(各コーナーの様子は公式サイトでちらっと観ることが出来ます)
<Ⅰ 丸の内の黎明期 建築家ジョサイア・コンドルと丸の内>
展覧最初のこのコーナーは4つの部屋に分かれていて、三菱一号館は明治時代にジョサイヤ・コンドルによって設計されたという説明と、映像で丸の内の歴史を見ることができました。ジョサイヤ・コンドルの建築の写真やスケッチなどが展示され、大きな箱?のような中に三菱一号館の精巧な模型なども展示されていました。 このジョサイア・コンドルは、以前このブログでも紹介した、上野の旧岩崎邸なども手がけた人です。どことなく似た感じもある気がしました。
参考記事:
旧岩崎邸の写真 その1
旧岩崎邸の写真 その2
彼は優秀な弟子も多くいたようで、1939年くらいまで丸の内付近に一号館とよく似た雰囲気の建物が彼の弟子たちによって数多く作られたようです。映像で時系列で丸の内の何処にビルが建っていったかわかるようになっていました。
また、丸の内が原っぱだった頃の絵などもあり、丸の内の歴史もわかった気になれるコーナーでした。
<写真展 一号館アルバム ホンマタカシ>
ここには煉瓦工場の写真などがありました。中国の工場でせっせと作る様子が撮られていて、さらに2章では映像でそれを見ることが出来ました。この建物に使ったレンガの数は何と230万個! 採寸しながら手作りで作ってる様子でしたが、マジで全部手作りなんでしょうかねw レンガ積みの最初の一個の写真なんかもありました。
また、この部屋の天井はガラス張りになっていて天井の梁の様子が見える部屋でした。この天井は小屋組と呼ばれるもので、工場で一回組み立てた後分解してここまで運び、プラモデルのように組み立てたようでした。その辺の成り行きは次の2章で映像で観られました。
<Ⅱ 三菱一号館 一世紀の記録と復元の意義>
ここは大部屋で、復元に使われた設計図や道具などが展示されていました。この復元は相当大変だったらしく、設計図の無いところは当時の写真をもとに作られたり、現在の建築基準に基づいて作る必要もあるので、苦労が伝わってくるようでした。
クイーン・アン・スタイルという英国ビクトリア時代の建築様式であるということや、ドーマー窓と呼ばれる窓を写真だけを頼りに復元した話、避雷針を作る様子などまでわかるようになっていました。避雷針の作成を映像で見たのですが、全部ハンマーで打って作っていました…。恐るべし職人技です。
これがドーマー窓です。上から読んでもドーマー窓。下から読んでもドーマー窓。と覚えてくださいw
自然に錆びていくと味が出るみたいです。

避雷針。これを一個一個、ハンマーで叩いて作っていました。

この他にも柱とか精巧な小屋組の模型、作業者のヘルメットまで色々あって、多分ここが一番広い部屋でした。
<Ⅲ 丸の内の赤煉瓦街「一丁倫敦」の誕生>
このコーナーはバルコニーを挟む2つの部屋で構成されていて、曾禰達蔵(そねたつぞう)らジョサイヤ・コンドルの弟子達が丸の内を一丁倫敦と呼ばれる地域に作り上げたというのが分かる資料などがありました。また、当時の建築の書物や家具なども展示されていました。結構、カッコいい椅子とかあってそっちのほうが気になったかもw
<Ⅳ 日本の近代都市空間とビジネスマン>
このコーナーは1部屋だったのですが、よく覚えてないです。すみませんw 昔の自転車とかあったような気がします。この辺は自然光が入ってきてるので美術館にしては珍しいなーと考えていました。
とりあえず、ここで3Fは終了。一旦展示スペースを出て、階段を下って2Fに行きます。
上からみた階段と、下から見た階段。

2Fは5章と6章だったのですが、ここから一気にカオスな展覧内容になっていきますw
<Ⅴ ビジネスマンの暮らしに見る都市文化>
このコーナーは中部屋と小部屋の2部屋です。タイトルの通り明治・大正のビジネスマンの暮らしぶりがわかる内容で、生活道具などが中心でした。扇風機、蓄音機、時計、装飾品などなど様々なものがありました。
<Ⅵ 丸の内スタイルの誕生>
ここは2部屋で、前の章と似た感じのテーマです。当時は帝劇で芝居を見るのが贅沢だったというような風習がわかる内容でした。ここで謎なのが最後の部屋で、何故かポール・スミスの展示がありました。部屋の床まで埋め尽くされるような空間で異彩を放っていました。戸惑いますw
6章の後、また一旦展覧スペースを出て、渡り廊下を進みます。廊下からはこんな感じで丸の内ブリックスクエアの中庭が見渡せます。

廊下を渡ったところには写真展のコーナーがあります。
<写真展 一号館アルバム 神谷俊美>
このコーナーは2部屋で、丸の内ブリックスクエアが作られていく様子を写真で見ることが出来ました。同じ視点からビルがニョキニョキと伸びていく様子などがわかって面白いです。 というか、モノクロで芸術作品っぽさが出ていました。
この写真展を観終わったら先ほどの廊下を通って階段で1Fに行きます。ここで人の流れが対面になるのですが、混んでも大丈夫なのかなあ…。
1Fに戻ってきました。奥のほうにあるこの階段は使わないみたいです。

<写真展 一号館アルバム 梅佳代>
このコーナーは2部屋で、最もカオスさ漂うコーナーですw この建物の建設に従事した人達の仕事風景や内覧会の時の様子を撮った写真で埋め尽くされていて、普通のスナップショットみたいなw 家族の写真みたいな感じでした。 おまけみたいなもんでしょうかね。
ということで、これで展示は終わりです。解説が細かくて映像などもあったのでよく理解できたと思います。
それにしても、この美術館は数多くの部屋に分かれていて、庭園美術館みたいな展示スタイルになるのかな? 全部あわせると結構広いです。地図を見ると、2Fなどは入っていない部屋もあるみたいなので、まだスペースはあるのかもしれません。とりあえず、来年の4月上旬からのマネ展が楽しみです。
展示の後にはショップがありました。また、1Fのチケット売り場の隣にあるカフェは凄く良い感じです。元は銀行営業室として利用されていたらしいです。

外に出て外観を撮りました。これは南側から撮った写真。

こちらは東側から撮りました。

こんな感じで、建物も作品の一部となっている魅力的な美術館でした。先々が楽しみです。


【展覧名】
三菱一号館竣工記念「一丁倫敦と丸の内スタイル展」
【公式サイト】
http://mitsubishi-ichigokan.jp/
【会場】三菱一号館美術館
【最寄】東京駅・二十橋前駅・有楽町・日比谷駅
【会期】2009年9月3日(木)~2010年1月11日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日16時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_②_3_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_4_⑤_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
今回の展覧は建物そのものが展示物のようなものだし、まだオープン間もない美術館なので建物も含めてご紹介します。この美術館の展覧内は撮影禁止なのですが、展覧スペース外の廊下と階段だけは撮影して大丈夫と聞いたので、撮影してみました。(※問題があったら掲載を外しますので、ご連絡ください。)
まずは有楽町方面の出入口。近くにロッカーもあります。ロッカーはそんなに多くないかも。(ここ以外にもロッカーはあります)


1Fの廊下。廊下はどこもこんな雰囲気です。庭園美術館に雰囲気が似てるかな。 ちょっと狭い気がするのですが、マネ展なんて人気が出そうな展覧会をやって大丈夫なのかな?と疑問に思います。

展覧会はエレベーターで3Fに上がって、3F→2F→1Fというように下っていく流れでした。
まずは3Fの展覧。1~4章が展示されています。
(各コーナーの様子は公式サイトでちらっと観ることが出来ます)
<Ⅰ 丸の内の黎明期 建築家ジョサイア・コンドルと丸の内>
展覧最初のこのコーナーは4つの部屋に分かれていて、三菱一号館は明治時代にジョサイヤ・コンドルによって設計されたという説明と、映像で丸の内の歴史を見ることができました。ジョサイヤ・コンドルの建築の写真やスケッチなどが展示され、大きな箱?のような中に三菱一号館の精巧な模型なども展示されていました。 このジョサイア・コンドルは、以前このブログでも紹介した、上野の旧岩崎邸なども手がけた人です。どことなく似た感じもある気がしました。
参考記事:
旧岩崎邸の写真 その1
旧岩崎邸の写真 その2
彼は優秀な弟子も多くいたようで、1939年くらいまで丸の内付近に一号館とよく似た雰囲気の建物が彼の弟子たちによって数多く作られたようです。映像で時系列で丸の内の何処にビルが建っていったかわかるようになっていました。
また、丸の内が原っぱだった頃の絵などもあり、丸の内の歴史もわかった気になれるコーナーでした。
<写真展 一号館アルバム ホンマタカシ>
ここには煉瓦工場の写真などがありました。中国の工場でせっせと作る様子が撮られていて、さらに2章では映像でそれを見ることが出来ました。この建物に使ったレンガの数は何と230万個! 採寸しながら手作りで作ってる様子でしたが、マジで全部手作りなんでしょうかねw レンガ積みの最初の一個の写真なんかもありました。
また、この部屋の天井はガラス張りになっていて天井の梁の様子が見える部屋でした。この天井は小屋組と呼ばれるもので、工場で一回組み立てた後分解してここまで運び、プラモデルのように組み立てたようでした。その辺の成り行きは次の2章で映像で観られました。
<Ⅱ 三菱一号館 一世紀の記録と復元の意義>
ここは大部屋で、復元に使われた設計図や道具などが展示されていました。この復元は相当大変だったらしく、設計図の無いところは当時の写真をもとに作られたり、現在の建築基準に基づいて作る必要もあるので、苦労が伝わってくるようでした。
クイーン・アン・スタイルという英国ビクトリア時代の建築様式であるということや、ドーマー窓と呼ばれる窓を写真だけを頼りに復元した話、避雷針を作る様子などまでわかるようになっていました。避雷針の作成を映像で見たのですが、全部ハンマーで打って作っていました…。恐るべし職人技です。
これがドーマー窓です。上から読んでもドーマー窓。下から読んでもドーマー窓。と覚えてくださいw
自然に錆びていくと味が出るみたいです。


避雷針。これを一個一個、ハンマーで叩いて作っていました。


この他にも柱とか精巧な小屋組の模型、作業者のヘルメットまで色々あって、多分ここが一番広い部屋でした。
<Ⅲ 丸の内の赤煉瓦街「一丁倫敦」の誕生>
このコーナーはバルコニーを挟む2つの部屋で構成されていて、曾禰達蔵(そねたつぞう)らジョサイヤ・コンドルの弟子達が丸の内を一丁倫敦と呼ばれる地域に作り上げたというのが分かる資料などがありました。また、当時の建築の書物や家具なども展示されていました。結構、カッコいい椅子とかあってそっちのほうが気になったかもw
<Ⅳ 日本の近代都市空間とビジネスマン>
このコーナーは1部屋だったのですが、よく覚えてないです。すみませんw 昔の自転車とかあったような気がします。この辺は自然光が入ってきてるので美術館にしては珍しいなーと考えていました。
とりあえず、ここで3Fは終了。一旦展示スペースを出て、階段を下って2Fに行きます。
上からみた階段と、下から見た階段。


2Fは5章と6章だったのですが、ここから一気にカオスな展覧内容になっていきますw
<Ⅴ ビジネスマンの暮らしに見る都市文化>
このコーナーは中部屋と小部屋の2部屋です。タイトルの通り明治・大正のビジネスマンの暮らしぶりがわかる内容で、生活道具などが中心でした。扇風機、蓄音機、時計、装飾品などなど様々なものがありました。
<Ⅵ 丸の内スタイルの誕生>
ここは2部屋で、前の章と似た感じのテーマです。当時は帝劇で芝居を見るのが贅沢だったというような風習がわかる内容でした。ここで謎なのが最後の部屋で、何故かポール・スミスの展示がありました。部屋の床まで埋め尽くされるような空間で異彩を放っていました。戸惑いますw
6章の後、また一旦展覧スペースを出て、渡り廊下を進みます。廊下からはこんな感じで丸の内ブリックスクエアの中庭が見渡せます。

廊下を渡ったところには写真展のコーナーがあります。
<写真展 一号館アルバム 神谷俊美>
このコーナーは2部屋で、丸の内ブリックスクエアが作られていく様子を写真で見ることが出来ました。同じ視点からビルがニョキニョキと伸びていく様子などがわかって面白いです。 というか、モノクロで芸術作品っぽさが出ていました。
この写真展を観終わったら先ほどの廊下を通って階段で1Fに行きます。ここで人の流れが対面になるのですが、混んでも大丈夫なのかなあ…。
1Fに戻ってきました。奥のほうにあるこの階段は使わないみたいです。

<写真展 一号館アルバム 梅佳代>
このコーナーは2部屋で、最もカオスさ漂うコーナーですw この建物の建設に従事した人達の仕事風景や内覧会の時の様子を撮った写真で埋め尽くされていて、普通のスナップショットみたいなw 家族の写真みたいな感じでした。 おまけみたいなもんでしょうかね。
ということで、これで展示は終わりです。解説が細かくて映像などもあったのでよく理解できたと思います。
それにしても、この美術館は数多くの部屋に分かれていて、庭園美術館みたいな展示スタイルになるのかな? 全部あわせると結構広いです。地図を見ると、2Fなどは入っていない部屋もあるみたいなので、まだスペースはあるのかもしれません。とりあえず、来年の4月上旬からのマネ展が楽しみです。
展示の後にはショップがありました。また、1Fのチケット売り場の隣にあるカフェは凄く良い感じです。元は銀行営業室として利用されていたらしいです。

外に出て外観を撮りました。これは南側から撮った写真。

こちらは東側から撮りました。

こんな感じで、建物も作品の一部となっている魅力的な美術館でした。先々が楽しみです。
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「丸の内ブリックスクエア(MARUNOUCHI BRICK SQUARE)」に遊びに行った際、「丸の内パークビルディング」の地下でお昼を食べました。オープンしたばかりのせいか、15時を回っていたのに何処もお客さんが多くて困った…。 仕方ないので並ぶのを覚悟で食べたいものを食べようと思い、牛タンやさんに行ってみました。
やはり待つことになり、10分くらい外で待って入店しました。

チェーン店らしいですが、店外には値段が一切書いてなくてちょっとビビりますw

【店名】
味の牛たん 喜助 丸の内パークビル店
【ジャンル】
牛タン
【公式サイト】
http://www.hotpepper.jp/strJ000749205/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
東京駅・二十橋前駅・有楽町・日比谷駅
【近くの美術館】
三菱一号館美術館
出光美術館
相田みつを美術館(国際フォーラム)
など
【この日にかかった1人の費用】
2000円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_③_4_5_名店
【感想】
私が頼んだのは牛タン定食1.5人前。牛タン、テールスープ、漬物。これで2050円です。

牛タンのアップ。牛タンはタレと塩が選べました。私は塩を頼んだのですが、高いだけあって肉厚で美味しかったです。

こっちは一緒に行った人のタレの1人前(1500円)です。 ちょっと交換しましたがタレの方が美味しいかもw

ということで、2000円くらいとちょっと高いですが、値段なりに美味しい牛タンでした。三菱一号館美術館が本格的にオープンしたらここの地下にはちょくちょく通うことになりそうです。
この後、 三菱一号館竣工記念「一丁倫敦と丸の内スタイル展」を観に行きました。次回はそれをご案内します。
やはり待つことになり、10分くらい外で待って入店しました。

チェーン店らしいですが、店外には値段が一切書いてなくてちょっとビビりますw

【店名】
味の牛たん 喜助 丸の内パークビル店
【ジャンル】
牛タン
【公式サイト】
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
東京駅・二十橋前駅・有楽町・日比谷駅
【近くの美術館】
三菱一号館美術館
出光美術館
相田みつを美術館(国際フォーラム)
など
【この日にかかった1人の費用】
2000円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_③_4_5_名店
【感想】
私が頼んだのは牛タン定食1.5人前。牛タン、テールスープ、漬物。これで2050円です。

牛タンのアップ。牛タンはタレと塩が選べました。私は塩を頼んだのですが、高いだけあって肉厚で美味しかったです。

こっちは一緒に行った人のタレの1人前(1500円)です。 ちょっと交換しましたがタレの方が美味しいかもw

ということで、2000円くらいとちょっと高いですが、値段なりに美味しい牛タンでした。三菱一号館美術館が本格的にオープンしたらここの地下にはちょくちょく通うことになりそうです。
この後、 三菱一号館竣工記念「一丁倫敦と丸の内スタイル展」を観に行きました。次回はそれをご案内します。
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先週の土曜日に、9月3日にオープンしたばかりの東京の新名所「丸の内ブリックスクエア(MARUNOUCHI BRICK SQUARE)」に早速遊びに行ってきました。
この丸の内ブリックスクエアには、「丸の内パークビルディング」、ジョサイア・コンドルが設計した一号館を忠実に復元した「三菱一号館美術館」、アネックスの3つの建物と、それに囲まれた広場があります。今回の目的は「三菱一号館美術館」でしたが、お昼を商業スペースで食べることにして、あちこち敷地内を観てきました。その際に、写真を撮ってきたのでそれを使いながらご紹介。(美術館は次回以降にご紹介します)
公式サイト:http://www.marunouchi.com/brick/index.html
「丸の内パークビルディング」 地上34階・地下4階建ての高層ビルです。B1F~4Fが商業スペースになっています。

この辺りが東京駅側からの広場の入口です。
オープンして初めての休日だったせいか、結構混んでいましたがメチャクチャ混んでいるって程ではなかったかな。

入口の柱からミストが出ていました。何処行ってきたんだ?って写真になってますがw

広場に向かう途中にあった彫刻。広場にはあちこちに彫刻があります。

広場の南西側にある「三菱一号館美術館」の入口 来年からお世話になりそうです。

中庭。「三菱一号館美術館」の前にムーアの作品が置かれています。

角度違い。

南東側の入口。暑い日差しだったので噴水が涼しかったです。

広場にある彫像。 箱根の彫刻の森美術館にある作品とそっくりです(というか同じ?) 参考記事はこちら

眠り込むポーズをしている彫像。ここでゴロ寝したくなる気持ちは分かりますw

さっき入ってきた東京駅側の入口方向を撮った写真。異なる3つの建築様式が面白いです。

まるで海外旅行に来た気分になってきました。
昔はこういう建物がいくつもあったので、この辺は一丁倫敦と呼ばれていたそうです。

これは東京駅側とは逆の、日比谷駅方面から見た丸の内パークビルディングです。お洒落です。

これは日比谷駅方面の入口、こっちから入りなおして地下にお昼を食べに行きました。

建物内部にも素晴らしいデザインの椅子がありました。

天井から釣り下がっている時計。デザインが明治~大正時代のような感じです。

最新の建物ですが、エレベーターも古風な感じで雰囲気があります。

エレベーターの中。高級感があったのでつい撮ってしまったw

地下。ここら辺でご飯にしました。

シャンデリアも良い感じです。

ということで、おのぼりさんやってきましたw かなり好みのデザインに囲まれて良い雰囲気でした。今後、三菱一号館美術館に通うことになると思うので、こういう施設があるとセットで楽しめそうです。
この丸の内ブリックスクエアには、「丸の内パークビルディング」、ジョサイア・コンドルが設計した一号館を忠実に復元した「三菱一号館美術館」、アネックスの3つの建物と、それに囲まれた広場があります。今回の目的は「三菱一号館美術館」でしたが、お昼を商業スペースで食べることにして、あちこち敷地内を観てきました。その際に、写真を撮ってきたのでそれを使いながらご紹介。(美術館は次回以降にご紹介します)
公式サイト:http://www.marunouchi.com/brick/index.html
「丸の内パークビルディング」 地上34階・地下4階建ての高層ビルです。B1F~4Fが商業スペースになっています。


この辺りが東京駅側からの広場の入口です。
オープンして初めての休日だったせいか、結構混んでいましたがメチャクチャ混んでいるって程ではなかったかな。

入口の柱からミストが出ていました。何処行ってきたんだ?って写真になってますがw


広場に向かう途中にあった彫刻。広場にはあちこちに彫刻があります。

広場の南西側にある「三菱一号館美術館」の入口 来年からお世話になりそうです。

中庭。「三菱一号館美術館」の前にムーアの作品が置かれています。

角度違い。


南東側の入口。暑い日差しだったので噴水が涼しかったです。


広場にある彫像。 箱根の彫刻の森美術館にある作品とそっくりです(というか同じ?) 参考記事はこちら

眠り込むポーズをしている彫像。ここでゴロ寝したくなる気持ちは分かりますw

さっき入ってきた東京駅側の入口方向を撮った写真。異なる3つの建築様式が面白いです。

まるで海外旅行に来た気分になってきました。
昔はこういう建物がいくつもあったので、この辺は一丁倫敦と呼ばれていたそうです。

これは東京駅側とは逆の、日比谷駅方面から見た丸の内パークビルディングです。お洒落です。

これは日比谷駅方面の入口、こっちから入りなおして地下にお昼を食べに行きました。

建物内部にも素晴らしいデザインの椅子がありました。

天井から釣り下がっている時計。デザインが明治~大正時代のような感じです。

最新の建物ですが、エレベーターも古風な感じで雰囲気があります。

エレベーターの中。高級感があったのでつい撮ってしまったw


地下。ここら辺でご飯にしました。

シャンデリアも良い感じです。

ということで、おのぼりさんやってきましたw かなり好みのデザインに囲まれて良い雰囲気でした。今後、三菱一号館美術館に通うことになると思うので、こういう施設があるとセットで楽しめそうです。
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いくつかネタをためこんでいるのですが、3日くらい前から始まった、「ベルギー幻想美術館」を先にご紹介します。この展覧はサブタイトルの通り姫路市立美術館の所蔵品の展覧会で、姫路市はベルギーのシャルルロワ市と姉妹都市であることから、充実したベルギー美術品のコレクションを所有しているようでした。

【展覧名】
ベルギー幻想美術館 クノップフからデルヴォー、マグリットまで 姫路市立美術館所蔵
【公式サイト】
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/shosai_09_belgium.html
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/09_belgium/index.html
【会場】Bunkamuraザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅/京王井の頭線神泉駅
【会期】2009年9月3日(木)-10月25日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日17時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
まだ始まったばかりなせいか、そんなに混んでいませんが、そこそこ人が入っている感じでした。
この展覧は5つの章から成っているのですが、1章以外は個展のような感じで1人の画家の作品を取り上げていたので、ベルギーを代表する画家の個展を一気に4つ観たような感じがしました。早速、気に入った作品をご紹介します。
<第1章 世紀末の幻想 象徴主義の画家たち>
ここは何人かの画家の作品が並んでいました。象徴主義はフランスの詩人ジャン・モレアスが掲げた運動で、夢や内面を表現するのが特徴で、今回の展覧に相応しい神秘的な作品が多かったです。
ウィリアム・ドワーヴ・ド・ヌンク 「夜の中庭あるいは陰謀」
暗い石畳の中庭?で、わずかに燈る灯火の下で黒い服の3人が話し合っている絵です。謎めいていて静かな感じですが、「陰謀」というタイトルも納得できる雰囲気がありました。
ジャン・デルヴィル 「ジャン・デルヴィル夫人の肖像」

★この写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。
理想的な女性の横顔です。クレヨンの一種で描かれていて、緻密に描かれているのですが何故かぼんやりと夢の中にいるような神秘性がありました。
ジャン・デルヴィル 「レテ河の水を飲むダンテ」

★この写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。
これはイタリア叙事詩の最高峰「神曲」を題材にしていて、ベアトリーチェに忘却の河(レテ)の水を貰って飲むダンテの絵です。結構大きな絵なのですが、淡い色彩で細かく描かれ、幻視性を感じます。真っ赤な服のダンテのポーズが印象に残りました…。
フェルナン・クノップフ 「ヴェネチアの思い出」 ★こちらで観られます

★この写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。
輪郭がぼやけている画風で、金髪の女性が描かれています。 ヴェネチアの思い出で何で女の肖像なんだよ!w と突っ込みを入れてみましたが、良い絵です。少し物憂げだけど芯の強そうなイメージで、柔らかい筆遣いと淡い色調から優美さと、まどろむ夢の中のような感覚を感じました。
フェルナン・クノップフ 「プリュージュにて 聖ヨハネ施療院」 ★こちらで観られます
水に浸かっている都市の絵です(ヴェネチアみたいな感じ) 鏡のような水面に建物が映っていて、波もなく静けさを立てています。この町は昔は栄えたようですが、この頃には寂れていたようで、寂しい感じもありました。
ジョルジュ・ミンヌ 「墓所に立てる三人の聖女」
これは木彫りの彫刻で、ローブをまとった3人の聖女(キリストの復活の際の3人のマリア)を彫っています。 彫の深い彫刻で、3人ともフードで顔は見えません。(下から覗き込んだけど顔は無かったです) 顔が見えず3人とも同じような格好であるので、3人の個性や感情をあまり感じないのですが、厳粛で静かな雰囲気をたたえていました。
レオン・フレデリック 「春の寓意」 ★こちらで観られます
3枚セットの絵です。真ん中の絵にはマリアと抱かれるイエス、花輪を持つ洗礼者ヨハネがいます。両端では天使が花輪を持っていました。この絵を観てあれっ?と思うのは通常は青と赤の服を着たマリアが白い服を着ている点です。これは歴史的なルールにのっとらず、春の様子を描きたかった作者の意図があるようです。さらに解説ではこの作品は作者の幼児性愛的な側面が観られるとありました。そう思ってみると何かちょっと怖いかもw
レオン・スピリアールト 「オステンドの灯台」 ★こちらで観られます
画面の7割くらいをモノクロの海が占めていて、大きなうねりと北海の厳しさを感じます。そして、上のほうにはポツンと灯台が浮かぶ船のように描かれ、孤独な寂しさを感じさせました。
<第2章 魔性の系譜 フェリシアン・ロップス>
このコーナーのフェリシアン・ロップスは一言で言うと、エロいw というか、変態入ってますw 退廃的な魔性漂う作品が多くありました。
フェリシアン・ロップス 「毛皮の上に座る女」
官能的な作品で、裸にガーターベルト?をつけた女性が座っていて後ろには毛皮があります。退廃的というか背徳的な雰囲気すらあります。そのせいか、この人の作品はフランスなどでは発禁になったりしたらしいです。ちょっと挑戦的なところもあるし仕方ないのでは…。
フェリシアン・ロップス 「古い物語」
貞淑な顔をした仮面を持った女性象です。これは女性の淑女と娼婦の2面性を表したもので、女性はいつの時代でもこうした仮面をかぶっているという意味で「古い物語」というタイトルなのだとか。今だったら女性団体に抗議されそうで怖いですw
フェリシアン・ロップス 「生贄Ⅰ」
祭壇の上に女性が横たわり、絶叫しているかのような動きを見せています。その上には悪魔がいて、尻尾?のようなものを女性に伸ばしています。不吉さとグロさを感じる作品で、性的に倒錯してそうなR18な内容ですw
フェリシアン・ロップス 「サテュロスを抱く裸の若い女性(パンへの賛美)」
月明かりの湖畔で、サテュロスの像に抱きつく裸の女性の絵です。像の後ろにはキューピッド(エロス)がいます。 なんとも官能的で退廃的な雰囲気が漂い、月の明かりがそれを強調しているかのようでした。
フェリシアン・ロップス 「スフィンクス」 ★こちらで観られます
スフィンクスの首元に裸の女性が抱きついています。これまた倒錯してますw 抱きつき方がエロいしモノクロなのがそれを強調しているような…。 スフィンクスは一般的に女性と見なされるのでレズビアン的な意味合いがあるという解説がありました。いやー、本当に物議を醸しそうな画家でしたw
<第3章 幻視者の独白 ジェームズ・アンソール>
ロップスが倒錯したエロなら、アンソールは異形のグロですw 楳図かずおの漫画みたいな恐怖感のある絵なんかもありました。
ジェームズ・アンソール 「天使と大天使を鞭打つ悪魔」
異形の悪魔たちが空を飛んでいます。何か落書きみたいなタッチですw この絵を観たあたりから何やら異様な予感を感じました。
ジェームズ・アンソール 「悪い医者」
当時の医者を風刺した作品で、でたらめな治療をしている医者が描かれています。モデルになった人たちがいるみたいですが、相当痛烈な風刺だったと想像できます。そしてこれもグロいですw
ジェームズ・アンソール 「人びとの群れを駆り立てる死」
この絵は怖い!! 沢山の人がぎっしりと街中の道にいるのですが、その顔は苦悶していて非常に怖いです。逃げ惑う人々の頭上には黒い鎌を持った死神みたいなのが空から舞い降りて着ています。 これは悪い夢に見そうな感じでした。 この画家も異常な感性がありますねw
ジェームズ・アンソール 版画「キリストの生涯(32点組)」
キリストの生涯を版画にしたもので、名場面集みたいな感じです。アンソールがキリストにこだわるのは、無理解の末に評価されるようになった自分の人生と、迫害の末に救世主となったキリストの人生を重ね合わせていたのではないかと推測されるそうです。オレンジっぽい赤の版画で、青や緑色も少しあったかな。使途とか落書きみたいで変な顔に見えましたw そりゃすぐには評価されないだろうなーと思いましたが、アンソールは男爵の位まで貰った国民的な画家らしいです。
ジェームズ・アンソール 「果物、花、裸にされた光」
一見普通の静物画で、淡い色調で描かれています。ちょっとルドンを思い出すような感じでしyた。 しかしよーく観ると両脇に人の形をした幽霊みたいなのが描かれていました。やっぱこの人の絵は怖いですw
<第4章 超現実の戯れ ルネ・マグリット>
さて、私の大好きなマグリットです。この展覧の前に騙し絵展でもマグリットのコーナーがありましたが、今回も同じ場所にマグリットのコーナーがあります。より点数が増えていて嬉しい限りです。
このコーナーの解説に、「本来あるべきところではないところに置く」、あるいは「想定外の組み合わせ」のことを「デペイズマン」というと説明されていました。マグリットはその「デペイズマン」と、平坦で筆致を残さない癖の無い画風で、どこか平凡な感じなのに奇妙な絵を生み出しています。
ルネ・マグリット 「観光案内人」
大砲を擬人化したようなのが3人います。中央の大砲人間は炎を吐いていて、これはイタリアの観光案内人がうるさいことを表現しているらしいです。川村記念美術館の常設で観た「感傷的な対話」のチェスの駒のような人型を思い出しました。大砲に見立てるところが面白いです。
ルネ・マグリット 「マグリットの捨て子たち(12点組) 1 マザーグース」
これは12枚の版画の1枚です。4枚はその版画の為に描かれたもので、これもその1枚です。残りの8枚は市営カジノの壁面を飾るフレスコ画「魅せられた領域」を版画にしたものらしく、フレスコ画は全長72mにも及ぶ大作なのだとか。
さて、この絵ですが、この前の騙し絵展にあった「白紙委任状」を3人の男性に置き換えた感じの絵で、木々の隙間の遠近の順序がおかしくなっています。まさに幻想というに相応しい、現実感があるようでありえない世界でした。
ルネ・マグリット 「マグリットの捨て子たち(12点組) 3 囚われの美女」
騙し絵展の際、ちょうど同じような場所に同名の作品がありましたが、これも同じような仕掛けのある絵です。両脇に赤い舞台のカーテンのようなものがあり、カーテンの隙間からは雲が浮かぶ青空と砂浜が描かれています。そして、その景色を描いた絵が一番手前に置かれているのですが、絵と風景の区切りが一体化して、連続した風景のようになっています。カーテンの後ろにその景色が広がっているような錯覚に囚われるのが面白いです。想像力を掻き立てますね。
ルネ・マグリット 「マグリットの捨て子たち(12点組) 8」
これがカジノの壁画を版画にしたものです。文字で説明するのが不可能な作品が多いのですがw これは、海の波を切り取って船の形にしたものが、砂の上を航海しているような絵で、背景には赤いカーテン、手前には岩に座る逆人魚(頭は魚で足だけ人間)が描かれています。 何を意味しているかわかりませんが、船が波で出来ていて、人魚も逆になっていてあべこべになった世界のようでした。この発想はマグリットならではかもw
ルネ・マグリット 「幕の宮殿」
幕なんて一切描かれていませんw 描かれているのは6枚の鏡で、それぞれには、青い空と白い雲、森、鈴と配管みたいな線、が映されています。残りの3枚は真っ暗で何も写りません。本来の鏡と何の脈絡も無く写る風景が予想外で奇妙な感覚になります。どこでもドアを覗き込むとこんな感じじゃないかなw
<第5章 優美な白昼夢 ポール・デルヴォー>
今回、マグリットと同じくらい楽しみにしていたのがデルヴォーの作品です。上野の東京都美術館で開催された「日本の美術館名品展」でもデルヴォーの「海は近い」が出品されていましたが今回もじっくり観られます。
デルヴォーにはいくつか影響を与えた事柄があるらしく、
1:デルヴォーを溺愛した母の「女は男を破滅させる」という教え
2:移動遊園地で見た機械仕掛けの裸体の女性像
3:ジョルジョ・デ・キリコの作品
が大きくあげられるようです。今回の展覧ではそれがよくわかるようになっていました。
ポール・デルヴォー 「女神」
ここには大きな3枚の縦長の絵があったのですが、これは真ん中の絵です。手鏡をもち自分の顔を映している女性と、黒髪で上半身裸の女性(お付きの女性?)が描かれています。どこかの宮殿の中のようで、窓からは白浜が見えます。神秘さと優美さを兼ねそろえた作品でした。 それにしても、胸だけ出した女性や裸の女性はデルヴォーの作品によく出てきますね。
ポール・デルヴォー 「ささやき」

★写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。
5人の裸婦が描かれている絵です。この絵はサーベルビロードという技法で描かれています。この技法は絹布の定められた位置をサーベルと呼ばれる薄い刃物で一本ずつ切って、平坦な布地をビロードに変えるという説明がありました。観る角度によって光の反射具合が違って、観る印象も変わって幻想的でした。えらく手がかかりそうな手法ですね…。
ポール・デルヴォー 「機関車」
デルヴォーには鉄道模型の収集という趣味があったらしく、少年時代にはよく、自宅のバルコニーから路面電車を眺めていたそうです。そのせいかデルヴォーの作品には鉄道がよく出てきます(普通の風景画のような鉄道の絵もありました) この絵は森の中に古い機関車が置かれていて、周りには5人の裸婦が寝そべったり木の上でポーズをとったりしています。ちょっとありえない不思議な光景ですが、裸婦と機関車という何とも男の趣味っぽい組み合わせで、デルヴォーに子供っぽさと親近感を感じますw
ポール・デルヴォー <クロード・スパーク『鏡の国』のための連作「最後の美しい日々」より(8点組)>
8枚セットの版画で、要約すると死んだ妻を剥製にした男の話で、最後は老いていく自分と若返るような妻とのギャップに悩み、最後は剥製をバラバラにするという話です。ちょっと病んでる話ですねw 絵自体はストーリーに沿った内容でした。こういう連作もあるとは知りませんでした。
ポール・デルヴォー 「海は近い」 ★こちらで観られます
ポスターの絵です。前述したように、日本の美術館名品展で見たばかりですが、良い絵ですね。寝そべっている女性は、移動遊園地で見た女性像(ビーナス)の末裔とも言える姿なのだとか。 背を向けた女性、ローマ風の建造物、電柱に隠れた月… どれも時が止まったような静けさを感じます。女性達も官能的で幻想というのに相応しいですね。
ポール・デルヴォー 「ヴァナデ女神への廃墟の神殿の建設(11点組) 2 外では髪が長く伸びる」
こちらは11枚組の版画です。この絵は古代都市のような情景にパラソルを持った女性や談笑しているような女性が描かれていて、手前には裸婦が描かれています。そういう点から「海に近い」に似た雰囲気を持っているように思いましたが、走っている女性が描かれていて静けさを乱していました。1人だけ感情が出ていてちょっと怖い感じもしました。
ポール・デルヴォー 「ヴァナデ女神への廃墟の神殿の建設(11点組) 8 調整」
鏡に身を映す女性、階段を登る3人の女性と階段の上の神像、背を向けた5人の女性 という感じでそれぞれバラバラなストーリーがありそうな女性達が描かれています。周りは山や荒野に見えて、夢の中のワンシーンのような不思議な光景でした。
という感じで情報量・内容共に充実した展覧会でした。油彩よりもエッチングやリトグラフが中心だったのはちょっと物足りなさも感じましたが、それでも観たことがない作品ばかりだったので楽しめました。簡易パンフレットを買ったのですが、400円の割りに充実していて余韻に浸るのに役に立ちました。
余談ですが新宿の損保ジャパン東郷青児美術館でも「ベルギー近代絵画のあゆみ」というベルギー関連の展覧が開かれるようです。そちらも気になるのでそのうち行くと思います。

【展覧名】
ベルギー幻想美術館 クノップフからデルヴォー、マグリットまで 姫路市立美術館所蔵
【公式サイト】
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/shosai_09_belgium.html
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/09_belgium/index.html
【会場】Bunkamuraザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅/京王井の頭線神泉駅
【会期】2009年9月3日(木)-10月25日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日17時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
まだ始まったばかりなせいか、そんなに混んでいませんが、そこそこ人が入っている感じでした。
この展覧は5つの章から成っているのですが、1章以外は個展のような感じで1人の画家の作品を取り上げていたので、ベルギーを代表する画家の個展を一気に4つ観たような感じがしました。早速、気に入った作品をご紹介します。
<第1章 世紀末の幻想 象徴主義の画家たち>
ここは何人かの画家の作品が並んでいました。象徴主義はフランスの詩人ジャン・モレアスが掲げた運動で、夢や内面を表現するのが特徴で、今回の展覧に相応しい神秘的な作品が多かったです。
ウィリアム・ドワーヴ・ド・ヌンク 「夜の中庭あるいは陰謀」
暗い石畳の中庭?で、わずかに燈る灯火の下で黒い服の3人が話し合っている絵です。謎めいていて静かな感じですが、「陰謀」というタイトルも納得できる雰囲気がありました。
ジャン・デルヴィル 「ジャン・デルヴィル夫人の肖像」

★この写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。
理想的な女性の横顔です。クレヨンの一種で描かれていて、緻密に描かれているのですが何故かぼんやりと夢の中にいるような神秘性がありました。
ジャン・デルヴィル 「レテ河の水を飲むダンテ」

★この写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。
これはイタリア叙事詩の最高峰「神曲」を題材にしていて、ベアトリーチェに忘却の河(レテ)の水を貰って飲むダンテの絵です。結構大きな絵なのですが、淡い色彩で細かく描かれ、幻視性を感じます。真っ赤な服のダンテのポーズが印象に残りました…。
フェルナン・クノップフ 「ヴェネチアの思い出」 ★こちらで観られます

★この写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。
輪郭がぼやけている画風で、金髪の女性が描かれています。 ヴェネチアの思い出で何で女の肖像なんだよ!w と突っ込みを入れてみましたが、良い絵です。少し物憂げだけど芯の強そうなイメージで、柔らかい筆遣いと淡い色調から優美さと、まどろむ夢の中のような感覚を感じました。
フェルナン・クノップフ 「プリュージュにて 聖ヨハネ施療院」 ★こちらで観られます
水に浸かっている都市の絵です(ヴェネチアみたいな感じ) 鏡のような水面に建物が映っていて、波もなく静けさを立てています。この町は昔は栄えたようですが、この頃には寂れていたようで、寂しい感じもありました。
ジョルジュ・ミンヌ 「墓所に立てる三人の聖女」
これは木彫りの彫刻で、ローブをまとった3人の聖女(キリストの復活の際の3人のマリア)を彫っています。 彫の深い彫刻で、3人ともフードで顔は見えません。(下から覗き込んだけど顔は無かったです) 顔が見えず3人とも同じような格好であるので、3人の個性や感情をあまり感じないのですが、厳粛で静かな雰囲気をたたえていました。
レオン・フレデリック 「春の寓意」 ★こちらで観られます
3枚セットの絵です。真ん中の絵にはマリアと抱かれるイエス、花輪を持つ洗礼者ヨハネがいます。両端では天使が花輪を持っていました。この絵を観てあれっ?と思うのは通常は青と赤の服を着たマリアが白い服を着ている点です。これは歴史的なルールにのっとらず、春の様子を描きたかった作者の意図があるようです。さらに解説ではこの作品は作者の幼児性愛的な側面が観られるとありました。そう思ってみると何かちょっと怖いかもw
レオン・スピリアールト 「オステンドの灯台」 ★こちらで観られます
画面の7割くらいをモノクロの海が占めていて、大きなうねりと北海の厳しさを感じます。そして、上のほうにはポツンと灯台が浮かぶ船のように描かれ、孤独な寂しさを感じさせました。
<第2章 魔性の系譜 フェリシアン・ロップス>
このコーナーのフェリシアン・ロップスは一言で言うと、エロいw というか、変態入ってますw 退廃的な魔性漂う作品が多くありました。
フェリシアン・ロップス 「毛皮の上に座る女」
官能的な作品で、裸にガーターベルト?をつけた女性が座っていて後ろには毛皮があります。退廃的というか背徳的な雰囲気すらあります。そのせいか、この人の作品はフランスなどでは発禁になったりしたらしいです。ちょっと挑戦的なところもあるし仕方ないのでは…。
フェリシアン・ロップス 「古い物語」
貞淑な顔をした仮面を持った女性象です。これは女性の淑女と娼婦の2面性を表したもので、女性はいつの時代でもこうした仮面をかぶっているという意味で「古い物語」というタイトルなのだとか。今だったら女性団体に抗議されそうで怖いですw
フェリシアン・ロップス 「生贄Ⅰ」
祭壇の上に女性が横たわり、絶叫しているかのような動きを見せています。その上には悪魔がいて、尻尾?のようなものを女性に伸ばしています。不吉さとグロさを感じる作品で、性的に倒錯してそうなR18な内容ですw
フェリシアン・ロップス 「サテュロスを抱く裸の若い女性(パンへの賛美)」
月明かりの湖畔で、サテュロスの像に抱きつく裸の女性の絵です。像の後ろにはキューピッド(エロス)がいます。 なんとも官能的で退廃的な雰囲気が漂い、月の明かりがそれを強調しているかのようでした。
フェリシアン・ロップス 「スフィンクス」 ★こちらで観られます
スフィンクスの首元に裸の女性が抱きついています。これまた倒錯してますw 抱きつき方がエロいしモノクロなのがそれを強調しているような…。 スフィンクスは一般的に女性と見なされるのでレズビアン的な意味合いがあるという解説がありました。いやー、本当に物議を醸しそうな画家でしたw
<第3章 幻視者の独白 ジェームズ・アンソール>
ロップスが倒錯したエロなら、アンソールは異形のグロですw 楳図かずおの漫画みたいな恐怖感のある絵なんかもありました。
ジェームズ・アンソール 「天使と大天使を鞭打つ悪魔」
異形の悪魔たちが空を飛んでいます。何か落書きみたいなタッチですw この絵を観たあたりから何やら異様な予感を感じました。
ジェームズ・アンソール 「悪い医者」
当時の医者を風刺した作品で、でたらめな治療をしている医者が描かれています。モデルになった人たちがいるみたいですが、相当痛烈な風刺だったと想像できます。そしてこれもグロいですw
ジェームズ・アンソール 「人びとの群れを駆り立てる死」
この絵は怖い!! 沢山の人がぎっしりと街中の道にいるのですが、その顔は苦悶していて非常に怖いです。逃げ惑う人々の頭上には黒い鎌を持った死神みたいなのが空から舞い降りて着ています。 これは悪い夢に見そうな感じでした。 この画家も異常な感性がありますねw
ジェームズ・アンソール 版画「キリストの生涯(32点組)」
キリストの生涯を版画にしたもので、名場面集みたいな感じです。アンソールがキリストにこだわるのは、無理解の末に評価されるようになった自分の人生と、迫害の末に救世主となったキリストの人生を重ね合わせていたのではないかと推測されるそうです。オレンジっぽい赤の版画で、青や緑色も少しあったかな。使途とか落書きみたいで変な顔に見えましたw そりゃすぐには評価されないだろうなーと思いましたが、アンソールは男爵の位まで貰った国民的な画家らしいです。
ジェームズ・アンソール 「果物、花、裸にされた光」
一見普通の静物画で、淡い色調で描かれています。ちょっとルドンを思い出すような感じでしyた。 しかしよーく観ると両脇に人の形をした幽霊みたいなのが描かれていました。やっぱこの人の絵は怖いですw
<第4章 超現実の戯れ ルネ・マグリット>
さて、私の大好きなマグリットです。この展覧の前に騙し絵展でもマグリットのコーナーがありましたが、今回も同じ場所にマグリットのコーナーがあります。より点数が増えていて嬉しい限りです。
このコーナーの解説に、「本来あるべきところではないところに置く」、あるいは「想定外の組み合わせ」のことを「デペイズマン」というと説明されていました。マグリットはその「デペイズマン」と、平坦で筆致を残さない癖の無い画風で、どこか平凡な感じなのに奇妙な絵を生み出しています。
ルネ・マグリット 「観光案内人」
大砲を擬人化したようなのが3人います。中央の大砲人間は炎を吐いていて、これはイタリアの観光案内人がうるさいことを表現しているらしいです。川村記念美術館の常設で観た「感傷的な対話」のチェスの駒のような人型を思い出しました。大砲に見立てるところが面白いです。
ルネ・マグリット 「マグリットの捨て子たち(12点組) 1 マザーグース」
これは12枚の版画の1枚です。4枚はその版画の為に描かれたもので、これもその1枚です。残りの8枚は市営カジノの壁面を飾るフレスコ画「魅せられた領域」を版画にしたものらしく、フレスコ画は全長72mにも及ぶ大作なのだとか。
さて、この絵ですが、この前の騙し絵展にあった「白紙委任状」を3人の男性に置き換えた感じの絵で、木々の隙間の遠近の順序がおかしくなっています。まさに幻想というに相応しい、現実感があるようでありえない世界でした。
ルネ・マグリット 「マグリットの捨て子たち(12点組) 3 囚われの美女」
騙し絵展の際、ちょうど同じような場所に同名の作品がありましたが、これも同じような仕掛けのある絵です。両脇に赤い舞台のカーテンのようなものがあり、カーテンの隙間からは雲が浮かぶ青空と砂浜が描かれています。そして、その景色を描いた絵が一番手前に置かれているのですが、絵と風景の区切りが一体化して、連続した風景のようになっています。カーテンの後ろにその景色が広がっているような錯覚に囚われるのが面白いです。想像力を掻き立てますね。
ルネ・マグリット 「マグリットの捨て子たち(12点組) 8」
これがカジノの壁画を版画にしたものです。文字で説明するのが不可能な作品が多いのですがw これは、海の波を切り取って船の形にしたものが、砂の上を航海しているような絵で、背景には赤いカーテン、手前には岩に座る逆人魚(頭は魚で足だけ人間)が描かれています。 何を意味しているかわかりませんが、船が波で出来ていて、人魚も逆になっていてあべこべになった世界のようでした。この発想はマグリットならではかもw
ルネ・マグリット 「幕の宮殿」
幕なんて一切描かれていませんw 描かれているのは6枚の鏡で、それぞれには、青い空と白い雲、森、鈴と配管みたいな線、が映されています。残りの3枚は真っ暗で何も写りません。本来の鏡と何の脈絡も無く写る風景が予想外で奇妙な感覚になります。どこでもドアを覗き込むとこんな感じじゃないかなw
<第5章 優美な白昼夢 ポール・デルヴォー>
今回、マグリットと同じくらい楽しみにしていたのがデルヴォーの作品です。上野の東京都美術館で開催された「日本の美術館名品展」でもデルヴォーの「海は近い」が出品されていましたが今回もじっくり観られます。
デルヴォーにはいくつか影響を与えた事柄があるらしく、
1:デルヴォーを溺愛した母の「女は男を破滅させる」という教え
2:移動遊園地で見た機械仕掛けの裸体の女性像
3:ジョルジョ・デ・キリコの作品
が大きくあげられるようです。今回の展覧ではそれがよくわかるようになっていました。
ポール・デルヴォー 「女神」
ここには大きな3枚の縦長の絵があったのですが、これは真ん中の絵です。手鏡をもち自分の顔を映している女性と、黒髪で上半身裸の女性(お付きの女性?)が描かれています。どこかの宮殿の中のようで、窓からは白浜が見えます。神秘さと優美さを兼ねそろえた作品でした。 それにしても、胸だけ出した女性や裸の女性はデルヴォーの作品によく出てきますね。
ポール・デルヴォー 「ささやき」

★写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。
5人の裸婦が描かれている絵です。この絵はサーベルビロードという技法で描かれています。この技法は絹布の定められた位置をサーベルと呼ばれる薄い刃物で一本ずつ切って、平坦な布地をビロードに変えるという説明がありました。観る角度によって光の反射具合が違って、観る印象も変わって幻想的でした。えらく手がかかりそうな手法ですね…。
ポール・デルヴォー 「機関車」
デルヴォーには鉄道模型の収集という趣味があったらしく、少年時代にはよく、自宅のバルコニーから路面電車を眺めていたそうです。そのせいかデルヴォーの作品には鉄道がよく出てきます(普通の風景画のような鉄道の絵もありました) この絵は森の中に古い機関車が置かれていて、周りには5人の裸婦が寝そべったり木の上でポーズをとったりしています。ちょっとありえない不思議な光景ですが、裸婦と機関車という何とも男の趣味っぽい組み合わせで、デルヴォーに子供っぽさと親近感を感じますw
ポール・デルヴォー <クロード・スパーク『鏡の国』のための連作「最後の美しい日々」より(8点組)>
8枚セットの版画で、要約すると死んだ妻を剥製にした男の話で、最後は老いていく自分と若返るような妻とのギャップに悩み、最後は剥製をバラバラにするという話です。ちょっと病んでる話ですねw 絵自体はストーリーに沿った内容でした。こういう連作もあるとは知りませんでした。
ポール・デルヴォー 「海は近い」 ★こちらで観られます
ポスターの絵です。前述したように、日本の美術館名品展で見たばかりですが、良い絵ですね。寝そべっている女性は、移動遊園地で見た女性像(ビーナス)の末裔とも言える姿なのだとか。 背を向けた女性、ローマ風の建造物、電柱に隠れた月… どれも時が止まったような静けさを感じます。女性達も官能的で幻想というのに相応しいですね。
ポール・デルヴォー 「ヴァナデ女神への廃墟の神殿の建設(11点組) 2 外では髪が長く伸びる」
こちらは11枚組の版画です。この絵は古代都市のような情景にパラソルを持った女性や談笑しているような女性が描かれていて、手前には裸婦が描かれています。そういう点から「海に近い」に似た雰囲気を持っているように思いましたが、走っている女性が描かれていて静けさを乱していました。1人だけ感情が出ていてちょっと怖い感じもしました。
ポール・デルヴォー 「ヴァナデ女神への廃墟の神殿の建設(11点組) 8 調整」
鏡に身を映す女性、階段を登る3人の女性と階段の上の神像、背を向けた5人の女性 という感じでそれぞれバラバラなストーリーがありそうな女性達が描かれています。周りは山や荒野に見えて、夢の中のワンシーンのような不思議な光景でした。
という感じで情報量・内容共に充実した展覧会でした。油彩よりもエッチングやリトグラフが中心だったのはちょっと物足りなさも感じましたが、それでも観たことがない作品ばかりだったので楽しめました。簡易パンフレットを買ったのですが、400円の割りに充実していて余韻に浸るのに役に立ちました。
余談ですが新宿の損保ジャパン東郷青児美術館でも「ベルギー近代絵画のあゆみ」というベルギー関連の展覧が開かれるようです。そちらも気になるのでそのうち行くと思います。
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