Archive | 2009年11月
もう10日くらい前になりますが、新しく改築された根津美術館に行って、「国宝那智瀧図と自然の造形」展を観てきました。(この展覧は既に終了) いつからか忘れるくらい改築が長かったので、いつ以来なんだろう??と調べてみたら、なんと3年半ぶりのオープンだそうです。日本の私立美術館の中でも重鎮の美術館だけに、リニューアル後の雄姿を早速チェックしに行ってきました。今日はまず、外観と庭園をご紹介しようと思います。(写真はコンパクトデジカメで撮りました)
参考リンク:
根津美術館 公式サイト
新・根津美術館について
庭園マップ
地図。地下鉄表参道駅から7分くらいかな。国立新美術館からもそんなに遠く無いです。
外観。建築家の隈研吾氏のデザインです。(サントリー美術館の設計も手がけた方です。)
参考リンク:隈研吾氏のwiki

入口にある、石船と長明燈

ここを抜けて左に曲がると建物の入口。この辺がサントリー美術館と似た落ち着いた雰囲気でかなり好みです。

入口。人を避けて撮ってますが、実際には結構な盛況ぶりでチケットを買うのに5分くらい並びました。
ここの右手には若干の駐車場がありましたが、身障者の方のためのものらしいです。

入場後、展覧会は後回しにして先に裏の庭へ。
左:庭からみた美術館。
右:金銅八角燈籠 東大寺大仏の大仏殿の前に置かれた燈籠のレプリカです。

庭の地図。かなり広いです。私は時計回りに周ることにしました。
公式サイトの庭園マップはこちら

都会の一等地にもこんな林道があるのは驚くべきです。この時はまだ色づいていませんでしたが、今頃は紅葉しているかも??

池。絵画的な風景が広がります。

左:園内にはあちこちに石像があります。
右;飛梅祠(ひばいし) 天神となった菅原道真を慕って梅が大宰府に飛んでいった伝説に関連します。

本当に東京であることを忘れる風景です。もう紅葉しはじめていました。

侍童像と斑鳩庵・清渓亭

斑鳩庵と披錦斎付近の風景。

これも披錦斎付近。侘び寂びを感じます。

池越しに弘仁亭・無事庵が見えます。

披錦斎・一樹庵。絵になります。

庭園の一番奥の方にある「ほたらか山」 観音菩薩立像を中心に石仏や石塔が置かれています。

池。自分で気に入った写真なので大きめです。画面の小さい方すみません(><)

弘仁亭・無事庵付近の風景

弘仁亭・無事庵

苔の絨毯が綺麗だったので接写w


屋根が侘びていたので接写w

ぐるっと周って、元の美術館付近に戻ってきました。

ということで、結構な広さでちょっとした散歩になりました。写真を撮りながらで20分くらいのコースです。ちょうど今くらいからが紅葉し始めて綺麗かも??と思います。(予想です) 11/18からは「根津青山の茶の湯」が始まっているようですので、それと合わせて観にいくと面白いかと思います。
次回は、もう終わってしまいましたが「国宝那智瀧図と自然の造形」展をご紹介しようと思います。
参考リンク:
根津美術館 公式サイト
新・根津美術館について
庭園マップ
地図。地下鉄表参道駅から7分くらいかな。国立新美術館からもそんなに遠く無いです。
外観。建築家の隈研吾氏のデザインです。(サントリー美術館の設計も手がけた方です。)
参考リンク:隈研吾氏のwiki

入口にある、石船と長明燈

ここを抜けて左に曲がると建物の入口。この辺がサントリー美術館と似た落ち着いた雰囲気でかなり好みです。

入口。人を避けて撮ってますが、実際には結構な盛況ぶりでチケットを買うのに5分くらい並びました。
ここの右手には若干の駐車場がありましたが、身障者の方のためのものらしいです。

入場後、展覧会は後回しにして先に裏の庭へ。
左:庭からみた美術館。
右:金銅八角燈籠 東大寺大仏の大仏殿の前に置かれた燈籠のレプリカです。


庭の地図。かなり広いです。私は時計回りに周ることにしました。
公式サイトの庭園マップはこちら

都会の一等地にもこんな林道があるのは驚くべきです。この時はまだ色づいていませんでしたが、今頃は紅葉しているかも??

池。絵画的な風景が広がります。

左:園内にはあちこちに石像があります。
右;飛梅祠(ひばいし) 天神となった菅原道真を慕って梅が大宰府に飛んでいった伝説に関連します。


本当に東京であることを忘れる風景です。もう紅葉しはじめていました。

侍童像と斑鳩庵・清渓亭

斑鳩庵と披錦斎付近の風景。

これも披錦斎付近。侘び寂びを感じます。


池越しに弘仁亭・無事庵が見えます。

披錦斎・一樹庵。絵になります。

庭園の一番奥の方にある「ほたらか山」 観音菩薩立像を中心に石仏や石塔が置かれています。


池。自分で気に入った写真なので大きめです。画面の小さい方すみません(><)

弘仁亭・無事庵付近の風景


弘仁亭・無事庵

苔の絨毯が綺麗だったので接写w


屋根が侘びていたので接写w

ぐるっと周って、元の美術館付近に戻ってきました。



ということで、結構な広さでちょっとした散歩になりました。写真を撮りながらで20分くらいのコースです。ちょうど今くらいからが紅葉し始めて綺麗かも??と思います。(予想です) 11/18からは「根津青山の茶の湯」が始まっているようですので、それと合わせて観にいくと面白いかと思います。
次回は、もう終わってしまいましたが「国宝那智瀧図と自然の造形」展をご紹介しようと思います。
記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。


更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter
ちょっと間が空きましたが、新しい山種美術館で「速水御舟展」を観た後、恵比寿駅を通ってガーデンプレイスに行き、東京都写真美術館でコレクション展「旅」 第3部「異邦へ 日本の写真家たちが見つめた異国世界」を観てきました。この展示はぐるっとパスで観られます。

【展覧名】
コレクション展「旅」 第3部「異邦へ 日本の写真家たちが見つめた異国世界」
【公式サイト】
http://www.syabi.com/details/collection3.html
【会場】東京都写真美術館
【最寄】JR恵比寿駅
【会期】9月29日(火)~11月23日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
ほとんどモノクロの写真でしたが、モノクロならではの味わいと、「異邦」の旅情溢れる作品ばかりで、面白かったです。会場には小ブース的に分かれていて、各ブースが写真家1人1人の個展のようになっていました。
いつもどおり章ごとにご紹介します。年代で少し想像できるかもしれないので、今回は撮った年も一応入れておきます。
<第1章:異邦へ -絵画的風景の方へ->
002 安本江陽 「題不詳(ポンペイの遺跡)」 1931年
ポンペイの遺跡を撮った写真ですが、門が額縁のようになっている構図で面白いです。そこから噴煙を上げる火山と遺跡が見えて、絵画的な雰囲気がありました。
<第2章:異邦人としての眼差し>
013 木村伊兵衛 「パリ・夕暮のコンコルド広場」 1954年
エッフェル塔とオベリスクが遠くに見え、手前には広い道路にバイクが3台います。白黒なのに夕暮れ時とわかり、点り始めた街灯が郷愁を誘いました。
020 木村伊兵衛 「パリ・霧のメニールモンタン」 1954年
霧がかっている中で、奥の建物と手前の階段を登る老女の後姿が撮られています。霧などで濃淡ができていて絵画みたいでした。
036 渡辺義雄 「フィレンツェ」 1956年 ★こちらで観られます
有名なダビデ像と鑑賞者が写っている写真です。鑑賞者の存在によって、その大きさや存在が際立っているように思えました。
001 福原信三 「巴里とセイヌ(写真集)」 1931年
ルノアールやモネの絵のような写真集です。写真なのに輪郭がぼやけていて温かみを感じました。構図も面白いものが多かったです。
048 名取洋之助 「シリーズ『アメリカ』より」 1937年
レンガかタイル張りの道路と交差点を撮っていて、向こうから女性がこちらに向かって歩いてきている動きを感じます。また、手前には左から大きな人影が落ちていて、画面外で写っていないはずの人の存在感を強く感じました。。
064 林忠彦 「ニューヨーク、セントラルステーション」 1955年
夜の繁華街の写真です。手前右に大きくCamelの看板があり、奥にはペプシとビンの形の看板が見えます。アメリカの豊かさ・華やかさがよく出ている気がしました。
059 三木淳 「ニューヨーク、パレード」 1954年
交差点で鼓笛隊の指揮者のような人がステッキを降り上げて交差点を渡っています。その人の影が長く伸びているのが印象的です。逆光の中で、黒い馬に乗る警官みたいな人もインパクトがありました。
042 桑原甲子雄 「奉天場内(瀋陽)」 1940年
文金高島田で結婚衣裳を着た女性の看板や「レガナチシ」(質流れ)と書かれた看板など裏道の様子が撮られていました。雑多でごみごみした雰囲気で戦中の頃の大陸の様子が伝わりました。
<第3章:自己探求への途>
091 植田正治 「トレド」 1972~73年
手前のだだっ広い平地と、奥に左へと走り去る蒸気機関車が撮られています。線路沿いに煙がたなびいて風に溶けていく様子がわかり、大きく取られた空からは開放感を感じます。この人はマグリット等のシュルレアリスムに影響を受けているらしいので、好みの写真が多いです。
090 川田喜久治 「サンドロ・ボッティチュルリ、ヴィーナス」 1981年
有名なボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」を撮った写真のようですが、何故かへそより下しか撮られていません。また、背景は真っ黒で足元も普通の平面なので、本物を撮ったものじゃないのかな? 色々と謎でした。
072 奈良高一高 「ヴェネチア (静止した時間シリーズ)」 1964年 ★こちらで観られます
奥に髭の男性の面が付いた扉があり、手前から路地道が続いています。そこに5羽の鳥の影が落ちていて、まるで時が止まったかのように思える瞬間を写していました。
071 奈良高一高 「刻まれた矢印、キャニオン・デ・シュリー、アリゾナ (消滅した時間シリーズ)」 1972年
グランドキャニオンに岩山に大きく「→」のマークが描かれています。周りから察するにかなり大きな矢印のようです。また、その上に神話の絵に出てきそうな入道雲がもくもくと湧いていて、超現実的な感覚がありました。
163 深瀬昌久 「ニューヨーク」 1974年
背中まですっぽり入る、深くて大きい透明傘を背負うようにかぶった女性。これは写真家の奥さんらしいです。雪が降り、ニューヨークの町角も荒涼とした雰囲気でした。
114 小川隆之 「『New York Is』より」 1967~68年
路上で横向きになって寝る人々を写しています。スラムかな? 華やかな街の暗い面を観た気分になりました。
101 森山大道 「『"71-NY』より」 1971年
車窓から撮ったと思われる大きな橋の写真。レインボーブリッジみたいな形です。手前の木やガードが横にブレていてスピード感がありました。良い風景だ!って感じで慌てて撮ったのかな?w
<第4章:歴史の証言者としての旅>
157 長野重一 「強制収容所・鉤に吊るして撲殺した部屋」
1960年題名からして怖いです。寒々とした部屋の高い壁にフックが5つくらい並んでいて、その壁にはバットのようなものが掛けられています。壁にはシミが沢山あるのが非常に怖い…。まさに暗い歴史の証言者でした。
145 並河萬里 「アパダーナ 前5世紀 ペルセポリス」 1962年
沢山の柱や宮殿の跡が残っている遺跡の写真です。奥には山々が見え、広々とした雰囲気です。遺跡には歴史の重みと威厳を感じますが無人で寂しく、時間が止まったような風景でした。
132 白川義員 「エペソ」 1977~83年
これはカラー写真でした。壊れた石畳の道が手前から奥に伸びていて、両脇には建物や神殿の柱のようなものの残骸があります。奥の空は暗く曇っていて、暗い滅びの雰囲気でした。
123 港千尋 「革命の群集、プラハ」 1989年
広場に集まった人々を撮った写真です。所々で旗や幕を掲げている様子がわかり、1人1人はミリ単位で何万人もいそう…。圧倒的な熱気やパワーを感じました。
125 港千尋 「オック岬、ノルマンディー」 1994年
奥の大きな海原と、手前の鉄条網が撮られています。鉄条網はうねり針が痛々しく写っていて、美しい海原と対照的でした。怖いです。
ということで、思いもよらない技法や、遊び心のある写真の数々に、真実を写すはずの写真にも、こんなに表現の広がりがあるのかと驚きました。今後写真を撮る時にぱくってみよう!と思ったけど、明らかに技術が足りないので無理っぽいですw
おまけ:東京都写真美術館の周りの風景
東京都写真美術館では「セバスチャン・サルガド アフリカ 生きとし生けるものの未来へ」も開催中です。 10月24日(土)~12月13日(日) 公式サイトはこちら

↑の通路にある、植田正治の「妻のいる砂丘風景」 シュルレアリスム風です。

この日は観られませんでしたが、美術館の目の前にある広場で、2009年11月03日から2010年01年11日まで『Baccarat ETERNAL LIGHTS -歓びのかたち-』のイルミネーションが観られるようです。右写真のバカラのシャンデリアは3億円くらいだったかな。これもライトアップされるようです。
公式サイト http://gardenplace.jp/sp/baccarat.html

この冬は新しい山種美術館→東京都写真美術館→イルミネーションというコースも良さそうです。


【展覧名】
コレクション展「旅」 第3部「異邦へ 日本の写真家たちが見つめた異国世界」
【公式サイト】
http://www.syabi.com/details/collection3.html
【会場】東京都写真美術館
【最寄】JR恵比寿駅
【会期】9月29日(火)~11月23日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
ほとんどモノクロの写真でしたが、モノクロならではの味わいと、「異邦」の旅情溢れる作品ばかりで、面白かったです。会場には小ブース的に分かれていて、各ブースが写真家1人1人の個展のようになっていました。
いつもどおり章ごとにご紹介します。年代で少し想像できるかもしれないので、今回は撮った年も一応入れておきます。
<第1章:異邦へ -絵画的風景の方へ->
002 安本江陽 「題不詳(ポンペイの遺跡)」 1931年
ポンペイの遺跡を撮った写真ですが、門が額縁のようになっている構図で面白いです。そこから噴煙を上げる火山と遺跡が見えて、絵画的な雰囲気がありました。
<第2章:異邦人としての眼差し>
013 木村伊兵衛 「パリ・夕暮のコンコルド広場」 1954年
エッフェル塔とオベリスクが遠くに見え、手前には広い道路にバイクが3台います。白黒なのに夕暮れ時とわかり、点り始めた街灯が郷愁を誘いました。
020 木村伊兵衛 「パリ・霧のメニールモンタン」 1954年
霧がかっている中で、奥の建物と手前の階段を登る老女の後姿が撮られています。霧などで濃淡ができていて絵画みたいでした。
036 渡辺義雄 「フィレンツェ」 1956年 ★こちらで観られます
有名なダビデ像と鑑賞者が写っている写真です。鑑賞者の存在によって、その大きさや存在が際立っているように思えました。
001 福原信三 「巴里とセイヌ(写真集)」 1931年
ルノアールやモネの絵のような写真集です。写真なのに輪郭がぼやけていて温かみを感じました。構図も面白いものが多かったです。
048 名取洋之助 「シリーズ『アメリカ』より」 1937年
レンガかタイル張りの道路と交差点を撮っていて、向こうから女性がこちらに向かって歩いてきている動きを感じます。また、手前には左から大きな人影が落ちていて、画面外で写っていないはずの人の存在感を強く感じました。。
064 林忠彦 「ニューヨーク、セントラルステーション」 1955年
夜の繁華街の写真です。手前右に大きくCamelの看板があり、奥にはペプシとビンの形の看板が見えます。アメリカの豊かさ・華やかさがよく出ている気がしました。
059 三木淳 「ニューヨーク、パレード」 1954年
交差点で鼓笛隊の指揮者のような人がステッキを降り上げて交差点を渡っています。その人の影が長く伸びているのが印象的です。逆光の中で、黒い馬に乗る警官みたいな人もインパクトがありました。
042 桑原甲子雄 「奉天場内(瀋陽)」 1940年
文金高島田で結婚衣裳を着た女性の看板や「レガナチシ」(質流れ)と書かれた看板など裏道の様子が撮られていました。雑多でごみごみした雰囲気で戦中の頃の大陸の様子が伝わりました。
<第3章:自己探求への途>
091 植田正治 「トレド」 1972~73年
手前のだだっ広い平地と、奥に左へと走り去る蒸気機関車が撮られています。線路沿いに煙がたなびいて風に溶けていく様子がわかり、大きく取られた空からは開放感を感じます。この人はマグリット等のシュルレアリスムに影響を受けているらしいので、好みの写真が多いです。
090 川田喜久治 「サンドロ・ボッティチュルリ、ヴィーナス」 1981年
有名なボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」を撮った写真のようですが、何故かへそより下しか撮られていません。また、背景は真っ黒で足元も普通の平面なので、本物を撮ったものじゃないのかな? 色々と謎でした。
072 奈良高一高 「ヴェネチア (静止した時間シリーズ)」 1964年 ★こちらで観られます
奥に髭の男性の面が付いた扉があり、手前から路地道が続いています。そこに5羽の鳥の影が落ちていて、まるで時が止まったかのように思える瞬間を写していました。
071 奈良高一高 「刻まれた矢印、キャニオン・デ・シュリー、アリゾナ (消滅した時間シリーズ)」 1972年
グランドキャニオンに岩山に大きく「→」のマークが描かれています。周りから察するにかなり大きな矢印のようです。また、その上に神話の絵に出てきそうな入道雲がもくもくと湧いていて、超現実的な感覚がありました。
163 深瀬昌久 「ニューヨーク」 1974年
背中まですっぽり入る、深くて大きい透明傘を背負うようにかぶった女性。これは写真家の奥さんらしいです。雪が降り、ニューヨークの町角も荒涼とした雰囲気でした。
114 小川隆之 「『New York Is』より」 1967~68年
路上で横向きになって寝る人々を写しています。スラムかな? 華やかな街の暗い面を観た気分になりました。
101 森山大道 「『"71-NY』より」 1971年
車窓から撮ったと思われる大きな橋の写真。レインボーブリッジみたいな形です。手前の木やガードが横にブレていてスピード感がありました。良い風景だ!って感じで慌てて撮ったのかな?w
<第4章:歴史の証言者としての旅>
157 長野重一 「強制収容所・鉤に吊るして撲殺した部屋」
1960年題名からして怖いです。寒々とした部屋の高い壁にフックが5つくらい並んでいて、その壁にはバットのようなものが掛けられています。壁にはシミが沢山あるのが非常に怖い…。まさに暗い歴史の証言者でした。
145 並河萬里 「アパダーナ 前5世紀 ペルセポリス」 1962年
沢山の柱や宮殿の跡が残っている遺跡の写真です。奥には山々が見え、広々とした雰囲気です。遺跡には歴史の重みと威厳を感じますが無人で寂しく、時間が止まったような風景でした。
132 白川義員 「エペソ」 1977~83年
これはカラー写真でした。壊れた石畳の道が手前から奥に伸びていて、両脇には建物や神殿の柱のようなものの残骸があります。奥の空は暗く曇っていて、暗い滅びの雰囲気でした。
123 港千尋 「革命の群集、プラハ」 1989年
広場に集まった人々を撮った写真です。所々で旗や幕を掲げている様子がわかり、1人1人はミリ単位で何万人もいそう…。圧倒的な熱気やパワーを感じました。
125 港千尋 「オック岬、ノルマンディー」 1994年
奥の大きな海原と、手前の鉄条網が撮られています。鉄条網はうねり針が痛々しく写っていて、美しい海原と対照的でした。怖いです。
ということで、思いもよらない技法や、遊び心のある写真の数々に、真実を写すはずの写真にも、こんなに表現の広がりがあるのかと驚きました。今後写真を撮る時にぱくってみよう!と思ったけど、明らかに技術が足りないので無理っぽいですw
おまけ:東京都写真美術館の周りの風景
東京都写真美術館では「セバスチャン・サルガド アフリカ 生きとし生けるものの未来へ」も開催中です。 10月24日(土)~12月13日(日) 公式サイトはこちら


↑の通路にある、植田正治の「妻のいる砂丘風景」 シュルレアリスム風です。

この日は観られませんでしたが、美術館の目の前にある広場で、2009年11月03日から2010年01年11日まで『Baccarat ETERNAL LIGHTS -歓びのかたち-』のイルミネーションが観られるようです。右写真のバカラのシャンデリアは3億円くらいだったかな。これもライトアップされるようです。
公式サイト http://gardenplace.jp/sp/baccarat.html


この冬は新しい山種美術館→東京都写真美術館→イルミネーションというコースも良さそうです。
記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。


更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter
東京国立博物館で「皇室の名宝―日本美の華 <2期 皇室の名宝―日本美の華>」を観て、「秋の庭園解放」を楽しんだ後、いつもどおり常設展に行ってきました。途中で疲れたので今回は全部は周れませんでしたが、ここの常設は常設といっても見逃すと次にいつ観られるのかわからないので、じっくりと観てきました。
※ここの常設はルールさえ守れば写真が撮れます。(撮影禁止の作品もあります)
参考記事:
東京国立博物館の案内 【建物編】
東京国立博物館の案内 【常設・仏教編】
東京国立博物館の案内 【常設・美術編】
東京国立博物館の案内 【2009年08月】
東京国立博物館の案内 【2009年10月】
まずは2Fの中国書画のコーナー
張瑞図(ちょうずいと) 「行草書西園雅集図記軸」
写真だと小さく観えますが巨大で迫力があります。

呂記(りょき) 「四季花鳥図(秋)」
明時代(15~16世紀)の作品です。

続いて2Fの日本美術の時代順に巡っていきました。
土偶と銅鐸。皇室の名宝展の次は土偶展らしいです。銅鐸は皇室の名宝展2期にもありました。

「日光菩薩坐像」
京都の高山寺の所蔵だった品らしく、対になる月光菩薩は芸大にあるらしいです。

続いて国宝室
「法華経(久能寺経)」
筆者は藤原定信かな。書のわからない私でも流石にこれは驚きました。

後陽成天皇 「和歌懐紙」
この日見た皇室の名宝展2期には歴代の天皇の書「宸翰(しんかん)」のコーナーがありましたが、これも宸翰なのかな。

「鳥獣人物戯画感断簡」
有名な国宝・鳥獣人物戯画の断簡(切れ端)です。甲・乙・丙・丁の4巻のうち、甲巻からの断簡のようです。以前、ここの国宝館で巻物のもみたことがありますが、しばらく観ないです…。漫画の元祖みたいで楽しげですね。

「住吉物語絵巻断簡」
鮮やかな絵巻物の断簡。継子いじめにあいながらも少将と結ばれ幸せになった姫君の物語です。

伝 狩野元信 「太公望・文王図」
10月にご紹介したのと同じか?と思いましたが違いました。釣りで有名な太公望を描いています。

中国の人物図2枚
左:小嶋亮仙 筆/驢雪鷹は 賛 「鍾離権呂洞賓図」
右:伝 周文 筆/春屋宗園 賛 「寒山拾得図」

「太刀 備前一文字弘」
備前一文字派の作品とのことです。「身幅が広く腰反りの堂々とした姿」と解説されていました。この辺には鎧などの武具もあります。

この近くには宗達派や応挙の絵もありますが、10月の記事で既に紹介したので、次の部屋へ。
「源氏絵彩色貝桶」

皇室の名宝展2期にも似たような貝桶がありましたが、こちらも見事です。

津山亀女 「鶉香炉(うずらこうろ)」
リアルで可愛いうずら。津山亀女って人は江戸時代の長崎で活躍した女性鋳工らしいです。

水墨の掛け軸がいくつかまとまってました。
左:狩野探信 「百猿図」
中央:林十江 「鰻図」
右:長沢芦雪 「夜雨水上の竹図」

照高院道澄 「調度手本(色葉ならびに詩歌等)」
字も紙も美しいです。

能「紅葉狩り」の衣装のコーナー
ストーリーは、紅葉狩りで高貴な女性達と出会う→酒宴→眠り込む→美女が鬼女に変身→退治 こんな感じです。

左:美女の面「増女」
右:鬼女の面「しかみ」

続いて浮世絵のコーナー
鳥居清信「萩野伊三郎の荒岡源太と嵐和か野の仏御前」

美人画が結構ならんでいました。娘日時計って今で言えば美人時計みたいなものでしょうかw
左:喜多川歌麿 「立姿美人図」
中央:喜多川歌麿 「娘日時計 未の刻」
右:渓斎英泉 「美人東海道 鞠子」

巨匠、北斎もあります。
左:葛飾北斎 「今戸焼」
右:葛飾北斎 「羅漢図」

小袖のコーナー。ここには根付などのコーナーもあります。

特別陳列 東京国立博物館所蔵の正倉院織物の部屋。ここには様々な織物がありました。
「鳥毛てんしょ屏風模造 鴨毛屏風」
これと同じような作品が特別展にありました。屏風のようですが、鳥毛でできているんですね。

1Fは平成館寄りの近代のコーナーだけ観ました。(流石に疲れたw)
高村真夫 「夜の停車馬」
旅の疲れでぐったりしている女性。旅のひとこまって感じで心惹かれます。

曾山幸彦 「試鵠」
西洋画の手法で日本古来の歴史画を描いているのが面白いです。

月岡芳年 「風俗三十二相」
「○○さう」というタイトルで各時代の風俗を表しているようです。10枚くらいあったかな。無残絵という残酷な絵でも知られる絵師のようですが、美人の日常のふとした瞬間を描いていて好みです。
左;暗さう(明治年間妻君の風俗)
中央:つめたさう(文化年間めかけの風俗)
右:わすれました。すみません。

横山大観 「五柳先生」
この日観た中でもかなり好きな作品。大胆です。

左:島崎柳塢(しまざきりゅうう) 「おないどし」
中央:河鍋暁斎(かわなべきょうさい) 「小児遊図(鬼ごっこ)」
左:安田靫彦(やすだゆきひこ) 「御産の祷」

最後に隣の帝室技芸員のコーナーを観ました。皇室の名宝展1期と連動した企画っぽいです。
池田泰真 「江ノ島蒔絵額」
金銀の高蒔絵で描かれてます。絵画にしか思えない!

陶器。いずれも優美でした。

ということで、特別展にちょっと連動した内容で面白かったです。本当に毎月内容が変わっているような?? 常に要チェックです。
※ここの常設はルールさえ守れば写真が撮れます。(撮影禁止の作品もあります)
参考記事:
東京国立博物館の案内 【建物編】
東京国立博物館の案内 【常設・仏教編】
東京国立博物館の案内 【常設・美術編】
東京国立博物館の案内 【2009年08月】
東京国立博物館の案内 【2009年10月】
まずは2Fの中国書画のコーナー
張瑞図(ちょうずいと) 「行草書西園雅集図記軸」
写真だと小さく観えますが巨大で迫力があります。

呂記(りょき) 「四季花鳥図(秋)」
明時代(15~16世紀)の作品です。

続いて2Fの日本美術の時代順に巡っていきました。
土偶と銅鐸。皇室の名宝展の次は土偶展らしいです。銅鐸は皇室の名宝展2期にもありました。


「日光菩薩坐像」
京都の高山寺の所蔵だった品らしく、対になる月光菩薩は芸大にあるらしいです。

続いて国宝室
「法華経(久能寺経)」
筆者は藤原定信かな。書のわからない私でも流石にこれは驚きました。

後陽成天皇 「和歌懐紙」
この日見た皇室の名宝展2期には歴代の天皇の書「宸翰(しんかん)」のコーナーがありましたが、これも宸翰なのかな。

「鳥獣人物戯画感断簡」
有名な国宝・鳥獣人物戯画の断簡(切れ端)です。甲・乙・丙・丁の4巻のうち、甲巻からの断簡のようです。以前、ここの国宝館で巻物のもみたことがありますが、しばらく観ないです…。漫画の元祖みたいで楽しげですね。

「住吉物語絵巻断簡」
鮮やかな絵巻物の断簡。継子いじめにあいながらも少将と結ばれ幸せになった姫君の物語です。

伝 狩野元信 「太公望・文王図」
10月にご紹介したのと同じか?と思いましたが違いました。釣りで有名な太公望を描いています。

中国の人物図2枚
左:小嶋亮仙 筆/驢雪鷹は 賛 「鍾離権呂洞賓図」
右:伝 周文 筆/春屋宗園 賛 「寒山拾得図」


「太刀 備前一文字弘」
備前一文字派の作品とのことです。「身幅が広く腰反りの堂々とした姿」と解説されていました。この辺には鎧などの武具もあります。

この近くには宗達派や応挙の絵もありますが、10月の記事で既に紹介したので、次の部屋へ。
「源氏絵彩色貝桶」

皇室の名宝展2期にも似たような貝桶がありましたが、こちらも見事です。


津山亀女 「鶉香炉(うずらこうろ)」
リアルで可愛いうずら。津山亀女って人は江戸時代の長崎で活躍した女性鋳工らしいです。

水墨の掛け軸がいくつかまとまってました。
左:狩野探信 「百猿図」
中央:林十江 「鰻図」
右:長沢芦雪 「夜雨水上の竹図」



照高院道澄 「調度手本(色葉ならびに詩歌等)」
字も紙も美しいです。

能「紅葉狩り」の衣装のコーナー
ストーリーは、紅葉狩りで高貴な女性達と出会う→酒宴→眠り込む→美女が鬼女に変身→退治 こんな感じです。

左:美女の面「増女」
右:鬼女の面「しかみ」


続いて浮世絵のコーナー
鳥居清信「萩野伊三郎の荒岡源太と嵐和か野の仏御前」

美人画が結構ならんでいました。娘日時計って今で言えば美人時計みたいなものでしょうかw
左:喜多川歌麿 「立姿美人図」
中央:喜多川歌麿 「娘日時計 未の刻」
右:渓斎英泉 「美人東海道 鞠子」



巨匠、北斎もあります。
左:葛飾北斎 「今戸焼」
右:葛飾北斎 「羅漢図」


小袖のコーナー。ここには根付などのコーナーもあります。

特別陳列 東京国立博物館所蔵の正倉院織物の部屋。ここには様々な織物がありました。
「鳥毛てんしょ屏風模造 鴨毛屏風」
これと同じような作品が特別展にありました。屏風のようですが、鳥毛でできているんですね。

1Fは平成館寄りの近代のコーナーだけ観ました。(流石に疲れたw)
高村真夫 「夜の停車馬」
旅の疲れでぐったりしている女性。旅のひとこまって感じで心惹かれます。

曾山幸彦 「試鵠」
西洋画の手法で日本古来の歴史画を描いているのが面白いです。

月岡芳年 「風俗三十二相」
「○○さう」というタイトルで各時代の風俗を表しているようです。10枚くらいあったかな。無残絵という残酷な絵でも知られる絵師のようですが、美人の日常のふとした瞬間を描いていて好みです。
左;暗さう(明治年間妻君の風俗)
中央:つめたさう(文化年間めかけの風俗)
右:わすれました。すみません。



横山大観 「五柳先生」
この日観た中でもかなり好きな作品。大胆です。

左:島崎柳塢(しまざきりゅうう) 「おないどし」
中央:河鍋暁斎(かわなべきょうさい) 「小児遊図(鬼ごっこ)」
左:安田靫彦(やすだゆきひこ) 「御産の祷」



最後に隣の帝室技芸員のコーナーを観ました。皇室の名宝展1期と連動した企画っぽいです。
池田泰真 「江ノ島蒔絵額」
金銀の高蒔絵で描かれてます。絵画にしか思えない!

陶器。いずれも優美でした。

ということで、特別展にちょっと連動した内容で面白かったです。本当に毎月内容が変わっているような?? 常に要チェックです。
記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。


更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter
東京国立博物館で「皇室の名宝―日本美の華 <2期 皇室の名宝―日本美の華>」を観た後、いつもどおり常設も観にいったのですが、その前に敷地の中にあるレストランで食事を摂って、「秋の庭園解放」で写真を撮ってきました。
本館前。紅葉が綺麗な色になりました。

法隆寺宝物館1Fにあるレストランにきました。

ホテルオークラ ガーデンテラス

折角なので評価テンプレート
【店名】ホテルオークラ ガーデンテラス
【ジャンル】洋食
【公式サイト】 http://www.tnm.go.jp/jp/guide/restaurant/index.html
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【近くの美術館】東京国立博物館 法隆寺宝物館
【この日にかかった1人の費用】(※お酒は飲んでいません)
1400円程度
【味】
不味_1_2_③_4_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(日曜日15時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_③_4_5_名店
【感想】
ここはお茶で利用したことは何度もあるのですが、ランチで利用するのは初めてでした。15時でランチタイムを外れていたのですが、外で10分くらい待ってから入店。結構なお値段で、安め(それでも1350円くらい)のものを頼みました。
私はビーフストロガノフ。柔らかくて美味しいですが、これだけで1350円は流石に高いような…。

同行者はハッシュドビーフ。結構トマトの味がします。

ということで、館内にあるだけあってコストパフォーマンス的には厳しいかも。それでも外に出ないでご飯を食べられる利便性がいいですね(東洋館にも食べるところはあります)
----------------------------------------------------
ご飯を食べ終えたので、秋の庭園解放へ。
年に2回だけ開放されるのですが、いつも常設に時間を使っているので行ったことが無かったです。
【期間】2009年10月20日(火)~11月29日(日) 10:00~16:00
【公式サイト】
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=6889
http://www.tnm.go.jp/jp/guide/map/garden.html
庭園内の地図。30分くらいで周れます。

入口付近の五重塔。第五代将軍徳川綱吉が法隆寺に奉納したしたものらしいです。
残念ながら今は近くにいけないようでした。

春草廬(しゅんそうろ)
江戸時代に河村瑞賢が摂津淀川改修工事の際に建てた休憩所らしいです。
大阪や横浜の三渓園、埼玉などに移転を繰り返して、昭和34年にここに寄贈されたようです。

転合庵(てんごうあん)
本館の裏にある池の向かい側にある建物です。
小堀遠州という人が京都伏見に建てた茶室らしいです。

転合庵の池側。いつも本館から見えますが来るのは初めてです。

これも転合庵だったと思う

転合庵から本館の裏を望む。池には水鳥がいました。

この近くには六窓庵(ろくそうあん)という建物もありましたが、写真は撮り忘れ。
応挙館(おうきょかん)
天台宗寺院、明眼院の書院で、室内に円山応挙の襖絵があるのでそう名づけられたのだとか。(現在はレプリカになっているようです)

何やら応挙館の中で制作活動をしている人がいると思ったら、この方は鯨津朝子(ときつあさこ)さんという現代アーティストで、その製作風景やインスタレーション作品を体験する機会もあるようです。他にもいくつかイベントがあるみたいなので、リンクを張っておきます。
応挙館で美術体験 公開制作
応挙館で美術体験 応挙館公開 ※室外から
応挙館で美術体験 作品空間を体験!
応挙館で美術体験 トークイベント
九条館(くじょうかん)
京都御所内の九条邸にあった建物。床張付、襖などには狩野派による楼閣山水図が描かれているそうです。

別の角度から。

前の写真でいうと左側のあたりに窓があって、そこから中が覗けます。

襖絵のアップ。狩野派の絵でしょうか。

ぐるっと一周周ってきました。向こう岸に転合庵が見えます。

ということで、庭園も中々綺麗で面白かったです。この後、常設にも行ってきましたので、次回は常設の写真をご紹介しようかと思います。
おまけ
常設を観た後、帰る頃に撮った本館。

これも帰りに撮った上野公園の噴水

本館前。紅葉が綺麗な色になりました。


法隆寺宝物館1Fにあるレストランにきました。

ホテルオークラ ガーデンテラス

折角なので評価テンプレート
【店名】ホテルオークラ ガーデンテラス
【ジャンル】洋食
【公式サイト】 http://www.tnm.go.jp/jp/guide/restaurant/index.html
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【近くの美術館】東京国立博物館 法隆寺宝物館
【この日にかかった1人の費用】(※お酒は飲んでいません)
1400円程度
【味】
不味_1_2_③_4_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(日曜日15時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_③_4_5_名店
【感想】
ここはお茶で利用したことは何度もあるのですが、ランチで利用するのは初めてでした。15時でランチタイムを外れていたのですが、外で10分くらい待ってから入店。結構なお値段で、安め(それでも1350円くらい)のものを頼みました。
私はビーフストロガノフ。柔らかくて美味しいですが、これだけで1350円は流石に高いような…。

同行者はハッシュドビーフ。結構トマトの味がします。

ということで、館内にあるだけあってコストパフォーマンス的には厳しいかも。それでも外に出ないでご飯を食べられる利便性がいいですね(東洋館にも食べるところはあります)
----------------------------------------------------
ご飯を食べ終えたので、秋の庭園解放へ。
年に2回だけ開放されるのですが、いつも常設に時間を使っているので行ったことが無かったです。
【期間】2009年10月20日(火)~11月29日(日) 10:00~16:00
【公式サイト】
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=6889
http://www.tnm.go.jp/jp/guide/map/garden.html
庭園内の地図。30分くらいで周れます。

入口付近の五重塔。第五代将軍徳川綱吉が法隆寺に奉納したしたものらしいです。
残念ながら今は近くにいけないようでした。

春草廬(しゅんそうろ)
江戸時代に河村瑞賢が摂津淀川改修工事の際に建てた休憩所らしいです。
大阪や横浜の三渓園、埼玉などに移転を繰り返して、昭和34年にここに寄贈されたようです。

転合庵(てんごうあん)
本館の裏にある池の向かい側にある建物です。
小堀遠州という人が京都伏見に建てた茶室らしいです。

転合庵の池側。いつも本館から見えますが来るのは初めてです。

これも転合庵だったと思う

転合庵から本館の裏を望む。池には水鳥がいました。

この近くには六窓庵(ろくそうあん)という建物もありましたが、写真は撮り忘れ。
応挙館(おうきょかん)
天台宗寺院、明眼院の書院で、室内に円山応挙の襖絵があるのでそう名づけられたのだとか。(現在はレプリカになっているようです)

何やら応挙館の中で制作活動をしている人がいると思ったら、この方は鯨津朝子(ときつあさこ)さんという現代アーティストで、その製作風景やインスタレーション作品を体験する機会もあるようです。他にもいくつかイベントがあるみたいなので、リンクを張っておきます。
応挙館で美術体験 公開制作
応挙館で美術体験 応挙館公開 ※室外から
応挙館で美術体験 作品空間を体験!
応挙館で美術体験 トークイベント
九条館(くじょうかん)
京都御所内の九条邸にあった建物。床張付、襖などには狩野派による楼閣山水図が描かれているそうです。

別の角度から。

前の写真でいうと左側のあたりに窓があって、そこから中が覗けます。


襖絵のアップ。狩野派の絵でしょうか。

ぐるっと一周周ってきました。向こう岸に転合庵が見えます。

ということで、庭園も中々綺麗で面白かったです。この後、常設にも行ってきましたので、次回は常設の写真をご紹介しようかと思います。
おまけ
常設を観た後、帰る頃に撮った本館。

これも帰りに撮った上野公園の噴水

記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。


更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter
色々とネタをためこんでいるのですが、今最も注目すべき展覧である「皇室の名宝―日本美の華」の2期が始まり、早速観に行ってきましたので、差込で先にご紹介しようかと思います。
1期と全作品が入れ替わり、2期は「正倉院宝物と書・絵巻の名品」となっています。
参考:1期の感想
<1期 1章 近世絵画の名品>
<1期 2章 近代の宮殿装飾と帝室技芸員>


【展覧名】
御即位20年記念 特別展「皇室の名宝―日本美の華」
2期 正倉院宝物と書・絵巻の名品
【公式サイト】
http://www.bihana.jp/
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=6890
http://www.kunaicho.go.jp/20years/touhaku/touhaku.html
【会場】東京国立博物館 平成館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】
1期:2009年10月6日(火)~11月3日(火・祝)
2期:2009年11月12日(木)~11月29日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
3時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日11時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適 ※入場規制はありませんでした
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
まず、気になる混み具合ですが、人の数自体は1期とそんなに変わらないと思うのですが、ガラスケースに張り付かないと観えない作品が多いので、どこも列を組んでいて、1期以上に混んでいる感じがします。観るのに並んだり休憩したりしていたら3時間もかかってしまいました。公式ページに混み具合が載っていますので、出かける前にそれを参考に作戦をたてることをお勧めします。 ※こちらです。
さて、今回の内容ですが、1期のような豪華絢爛な美術品というよりは、書や歴史的に重要な品が中心だったように思います。なので、派手好きの私には1期ほどの大満足というわけではなかったかなw しかし、大変貴重なものが多く、そんなものまで!?というくらい惜しげもなく展示していたのは流石でした。いつもどおり章ごとにご紹介します。
<2期 1章 古の美 考古遺物・法隆寺献納宝物・正倉院宝物>
まず最初は古代からの考古学的な遺物や、法隆寺献納宝物・正倉院宝物といった奈良時代頃の作品が中心でした。正倉院は舶来品も多く、異国情緒溢れる品々を観ることができました。
「家屋文鏡」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
銅鏡の裏面にデザインの異なる4つの家屋が円を組むように描かれています。豪族の家との関連性を思わせ、当時の建築様式や生活が伺えます。この作品の辺りには銅鏡や銅鐸が並んでいました。
「刀子(法隆寺献納宝物)」
小さな刀です。刀といってもカッターより小さいくらいのサイズで、柄?の部分に瑠璃などが使われているものもありました。ちょっと可愛らしいです。
「木画箱(法隆寺献納宝物)」
寄木風の箱です。唐獅子や童子が描かれ、象牙や象嵌などが使われています。全体的に西方的な雰囲気の箱でした。
「聖徳太子像(法隆寺献納宝物)」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
もしやこれは!?と驚く作品。今はわかりませんが、昔の教科書に載っていた聖徳太子の肖像です。両脇に自分の息子がいて、聖徳太子は一際大きく描かれています。最近ではこれは聖徳太子ではないとか、そもそも聖徳太子は存在しないとか色々な説もありますが、長年観てきた肖像のオリジナルが見られるのは感動です。
聖徳太子 「法華義疏(法隆寺献納宝物) 巻第1・2」
聖徳太子の肉筆で、法華経の注釈を書いた書です。細かくてすらっとした字体で書かれていました。本当に肉筆なのかな?? 結構保存状態が良いです。
「杜家立成」
ここら辺から正倉院に保管されていた作品です。これは光明皇后の肉筆で、手紙の文例集が書かれています。何枚もA4くらいの紙を繋げてるような書で、最初のほうはきっちりした字で書かれています。が、途中から段々と大胆な筆遣いになっていました。同じ字でも大きさとか太さとか違ったw
「漆胡瓶」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
漆塗りのペルシャ風の水差です。鳥の頭のような形で、側面には銀の薄板を切り抜いて貼り付けた、草花や鹿、鳥などが描かれていました。日本とは違った雰囲気があり、「シルクロードの終着点」と呼ばれる正倉院に相応しい作品でした。
この辺りには靴や靴下、服なども展示されていました。
「紺夾纈あしぎぬの几褥」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
「こんきょうけちあしぎぬのきじゅく」と読みます。読み方が分かったところでそれが何だかわかりませんがw 「紺夾(こんきょう)」というのは染物の一種のことらしく、これは寺の儀式で使うテーブルクロスのようなものでした。左右対称で鳥や花が描かれ、カラフルに様々な色に染められていました。鮮やかで保存状態はかなり良さそうです。
「螺鈿箱」
円形の蒔絵です。螺鈿で草花の紋様が描かれています。隣にはラピスラズリ等がついたベルトみたいな帯が展示されていて、これはそれを入れる箱です。細かい螺鈿が美しかったです。
「黄金瑠璃鈿背十二稜鏡」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
銀と七宝でできた12角形の鏡です。中国でもこの時期の七宝はないようで、かなり貴重な品のようです。3枚の花びら(この花は仏教の架空の植物である「宝相華文」というもの)が重なっているようなデザインで、緑、濃緑、金などが鮮やかに映える出来でした。華麗な作品で好みでした。
「螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんのげんかん)」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
今回の目玉作品の1つかな。4弦で、円形の阮咸という弦楽器です。紫檀でできていて、裏面には琥珀や螺鈿で、円形の花や、宝綬という枝のようなものをくわえた2羽のオウムが描かれています。これはペルシャなどでもみられるお目出度い意匠とのことでした。また、暗くて分かりにくいですが、表面の弾く所には談笑する男女の姿が描かれていました。大変手が込んでいて豪奢な雰囲気の作品でした。素晴らしいです。
「銀薫炉」
球体の香炉です。真ん中あたりに横一線に線があったので、そこが開くのかな? 球体に穴を開けて、唐草や鳳凰や獅子などが細かく象られています。鳳凰とかは球の下のほうにあるので、じっくりと下から眺めたりしてきました。緻密で洗練された雰囲気の作品でした。
「平螺鈿背円鏡」
青銅の鏡体の背面に螺鈿や琥珀、トルコ石などを使って、左右対称に鳥、獅子、犀など描かれ、周りは花で埋め尽くされています。これまた細かくてお宝!って感じの煌びやかさがありました。それにしても当時の人に犀なんてわかったのかな?
正倉院関連の作品はここまででした。
<2期 2章 古筆と絵巻の競演>
この章は書や絵巻のコーナーとなっていました。私は書の見方がよくわかっていないのであまり理解できていませんが、貴重な絵巻やビッグネームが多いコーナーでした。
藤原定信 「金沢本万葉集」
非常に洗練された万葉集の写書。流れるような字体が美しく、書いてある紙にも植物の文様が描かれていて優美でした。
伝空海 「孫過庭書譜断簡 」
弘法大師の筆と思われる書を、掛け軸のように飾っている作品。きっちりした字体に思いました。本当に弘法大師のなのかな?その割りに地味な扱いだったw
小野道風 「玉泉帖」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
様々な書体で書かれている巻物です。作者の小野道風は平安時代の三跡の一人で、中国の書道界の祖師である王羲之の生まれ変わりと言われていたらしいです。
宮廷では漢詩を学ぶのが必須だったようで、これは当時特に人気のあった白楽天の「白氏文集」の詩を書いています。文字は太かったり細かったりして楷書、行書、草書などの字体が使われていると解説されていました。書いた本人は、これについて誉めたり貶したりしないで欲しいと言っていたそうで、実験的な作品だったのかな?と思いました。ころころ変わる字体が面白かったです。
伝紀貫之 「桂宮本万葉集」
紀貫之の作と伝わっていたようですが、最近の研究では源兼行の筆と思われるそうです。これは万葉集の最も古い写本らしく、淡い青や紫の紙を繋いでいるようでした。金や銀で蝶や鳥や草花を描いていて、雅な雰囲気が漂います。書は漢字で書かれた詩の後に、ひらがなで同じ詩が書かれていました。漢字はしっかりした字体で、ひらがなは細く流れるような字体で書き分けているのが面白かったです。全体的に格調高い作品でした。
伝源俊頼 「安宅切本和漢朗詠集」
金銀で山林や小鳥が描かれ、砂子を撒いて実際の雪のようです。もちろん詩も書かれていて華麗な雰囲気を醸し出していました。
高階隆兼 「春日権現験記絵 巻第1・5・19」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
これは、ずらーっと長い巻物なのですが、メチャクチャ混んでました! 最前列で観たら全部観るのに15分はかかるかも。(どうやらこれは新日曜美術館で先週とりあげられたようです。それで混んでたのかな。)
この作品は大和絵の技法で絹に描かれているようです。藤原一門の繁栄を願い、春日大社の霊験を描いています。長く広げて展示してあって、当時の暮らしぶりがよくわかる屋敷の様子や、建物を作っているシーン、竹の上に浮かんでいるような十二単の女性、雲に乗って飛んでいくシーン、合戦している様子などが描かれています。いずれも色鮮やかで優雅な雰囲気でしたが、ストーリーの解説が無いのが辛かった。それが分かればもっと楽しめただろうに残念。
「蒙古襲来絵詞」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
これも教科書で観たことがある方が多いのでは? 有名な元寇の文永の役における戦闘を描いた作品です。左から「てつはう」が爆裂する様子や、弓をつがえる元の兵士が描かれ、右のほうには前かがみになった馬に乗った竹崎季長が描かれています。よく観ると馬の下に血を流しているのが見え、激しい合戦となっているのが伝わってきます。また、この有名なシーン以外にも、道を行進する騎馬兵と、その沿道で座る武者達の様子も描かれていました。皆晴れやかな顔をしていたので、勝った後なのかな?と思いましたが特に解説は無かったので実施のところはわかりません。
藤原為信・豪信 「天子摂関御影(天子巻)」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
歴代の21人の天皇の似顔絵を描いた作品。似てるか判別がつかなかったけど各人の個性が伝わるようで面白かったです。
<2期 3章 中世から近世の宮廷美 宸翰と京都御所のしつらえ>
3章はタイトルすら読めんw この「宸翰」は「しんかん」と読み、歴代の天皇の書のことを指すそうです。この章では最初の方にその「宸翰」などがあり、後半は書だけでなく屏風や蒔絵などの「しつらえ」としての調度品も展示されていました。そのため、私にとって一番面白かったのがこの章でしたw
藤原定家 「更科日記」
元は、菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)によって13歳から40年間に渡って書かれた日記物語で、平安時代の中流貴族の生活がよく分かる内容です。(そういえば高校のテストや大学受験の古文でよく出た覚えが…。) これは書家としても有名な藤原定家によって書かれていて、独特の癖字で晩年の特徴が見られると解説されていました。確かにちょっとくねった感じの字ですが、達筆との境界線は私にはわかりませんw
伏見天皇 宸筆「伊勢物語絵巻詞書断簡」
伏見天皇は傑出した書の才があったそうで、流麗な筆遣いで三跡にも匹敵するほどの腕の持ち主だったらしいです。これは金銀でススキや岩などが描かれ端整な書がありました。天皇でそこまで達筆って凄いですね…。
花園天皇 宸筆「花園院宸記 巻第29・35」
詳しく当時の様子を書いた歴史的にも貴重な日記です。政治的な内容も含まれているらしく、南北朝や後醍醐天皇の幕府打倒の動きなども詳細に書かれているとのことです。展示されてたのは二条大路を描いた挿絵みたいな絵でした。(もう1枚書があったけど何だかわからず) 解説を聞かなかったらその貴重さを理解できなかったと思いますw
「源氏物語図貝桶・合貝」
貝合わせの遊びに使った、鮮やかな金の貝桶と蛤でできた合貝です。合貝の内側には細かく華やかな大和絵が描かれていて優美さが溢れていました。貝の外側もつやつやで綺麗だったです。
飯塚桃葉 「宇治川蛍蒔絵料紙硯箱」
江戸時代の重厚感のある蒔絵です。川辺で舞い飛ぶ黒い蛍たちと、黒く細長い大きな月が描かれています。蛍は蝶のように羽を広げて飛んでいて、おしりが緑に光るように細工されていました。江戸時代の作品だけあって、趣向も技術も完成度の高い遊び心のある作品でした。
ここら辺に4章のコーナーがあって、実際にはこれ以降にご紹介する3章の作品は4章より後に展示されていましたが、流れ的には3章なので先にご紹介します。
俵屋宗達 「扇面散屏風」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
48枚の扇が書かれた屏風です。平治物語や保元物語といった戦乱の絵巻や、伊勢物語などを題材にした扇が描かれています。単に扇を並べるだけでなく、扇の向きや重ね方も重視していると解説されていました。中には雷神みたいのとか鬼みたいなのもいて力強さと優美さを兼ねそろえているようでした。
そういえば、1期の記事に付随してご紹介した常設展に似たような作品がありました。
参考記事:東京国立博物館の案内 (2009年10月)
参考:常設にあった似た作品

(↑これはこの日も常設にありました) 元々は扇屋さんだった俵屋宗達にとって、扇は身近な題材だったのかも。
狩野探幽 「源氏物語図屏風」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
源氏物語の全54の場面を順に描いている屏風です。伝統的な大和絵の技法を用いていますが、淡い色彩や余白を大きくとるなど、独自の方向性もうちだしているそうです。細やかで雅さを感じる格調高い雰囲気でした。
狩野探幽 「唐子遊図屏風」
これも屏風です。大きめに多くの唐子(中国の子供)が描かれていて、鶏を持ったり、幼児を背負ったり、花を摘んで詩を詠みあったりしています。また、左隻には唐獅子(タッチも含めて狩野永徳の唐獅子みたいな)の面を被ったお祭りみたいなのも描かれていました。全体的に楽しげなイメージの作品でした。
「御即位行幸図屏風」
御所で即位の儀式を行う様子を描いた屏風。沢山の人々が描かれ華やかな式典の様子が伺えます。紫宸殿の前や御所の門などが描かれていて、この前御所に行ってきたときのことを思い出しました。お目出度い雰囲気でした。
参考記事:京都御所内の写真
狩野常信 「糸桜図屏風」
屏風を窓状にくりぬいて、そこに簾をはめ込んだ驚くべき作品。屏風と簾の上には桜の木と花が装飾的な大和絵で描かれ、境目で途切れることなく連続して描かれています。その発想も凄いですが、簾に綺麗に絵を描く技術にも驚きました。
<2期 4章 皇室に伝わる名刀>
最後は刀剣のコーナー(実際にはラストは3章の屏風のコーナー) 皇室に納められた刀剣の多くは、愛好家だった明治天皇の時代に奉納されたようです。流石に素晴らしい品がそろい、美しい日本刀を拝むことができました。しかし、日本刀鑑賞は恐ろしく奥深いので、解説を聴いても私にはほとんど理解でませんでしたw
粟田口吉光 「短刀 銘 吉光(名物平野藤四郎)」
豊臣秀吉や前田利長、徳川秀忠などを経て、明治天皇に奉納された30cmくらいの短刀。真っ直ぐで太目の刃紋が綺麗でした。
長船光忠 「太刀 銘 備前国長船光忠」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
これは今の天皇が生まれた時にお祝いで献上された太刀です。長船光忠は長船派の祖で、「大模様の丁字乱れの刃紋に特徴がある」と解説されていました。…何のことか全然わかりませんが、緩やかな曲線で美しいフォルムでした。
相州正宗 「刀 無銘 正宗(名物若狭正宗)」
「沸(にえ)と飛焼(とびやき)がついた激しい作風」と解説されていました。
これまた何を言ってるのかわかりませんが、刃紋が波打っていて、美しかったです。
専門用語が分からなかったので帰ってから調べてみたけど、ますます分からないかもw
沸(にえ)
焼き入れにより、刀の表面にはマルテンサイトと呼ばれる非常に固い組織が現れる。マルテンサイトの入り方によって、肉眼で地鉄の表面に刃文が丸い粒子状に見えるものを錵(にえ)又は沸(にえ)と呼び、一つひとつの粒子が見分けられず細かい白い線状に見えるものを匂(におい)と区別する。
出展:日本刀のwiki
飛焼(とびやき)
参考リンク:http://www.weblio.jp/content/%E9%A3%9B%E7%84%BC
刀剣鑑賞への道は遠いw
という感じで、最高級の質と量で、見逃せない展覧会だと思います。期間がたった17日間しかないのが勿体無さ過ぎです
なお、本館1階には模造品のコーナーもありました。模造品とは思えないほど精巧で素晴らしかったです。この展覧に行ったら合わせて観てきてください。
この後、いつもどおり常設などを観ました。この日は本館裏の庭園に入ることもできましたので、それも次回ご紹介しようと思います。
1期と全作品が入れ替わり、2期は「正倉院宝物と書・絵巻の名品」となっています。
参考:1期の感想
<1期 1章 近世絵画の名品>
<1期 2章 近代の宮殿装飾と帝室技芸員>



【展覧名】
御即位20年記念 特別展「皇室の名宝―日本美の華」
2期 正倉院宝物と書・絵巻の名品
【公式サイト】
http://www.bihana.jp/
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=6890
http://www.kunaicho.go.jp/20years/touhaku/touhaku.html
【会場】東京国立博物館 平成館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】
1期:2009年10月6日(火)~11月3日(火・祝)
2期:2009年11月12日(木)~11月29日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
3時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日11時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適 ※入場規制はありませんでした
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
まず、気になる混み具合ですが、人の数自体は1期とそんなに変わらないと思うのですが、ガラスケースに張り付かないと観えない作品が多いので、どこも列を組んでいて、1期以上に混んでいる感じがします。観るのに並んだり休憩したりしていたら3時間もかかってしまいました。公式ページに混み具合が載っていますので、出かける前にそれを参考に作戦をたてることをお勧めします。 ※こちらです。
さて、今回の内容ですが、1期のような豪華絢爛な美術品というよりは、書や歴史的に重要な品が中心だったように思います。なので、派手好きの私には1期ほどの大満足というわけではなかったかなw しかし、大変貴重なものが多く、そんなものまで!?というくらい惜しげもなく展示していたのは流石でした。いつもどおり章ごとにご紹介します。
<2期 1章 古の美 考古遺物・法隆寺献納宝物・正倉院宝物>
まず最初は古代からの考古学的な遺物や、法隆寺献納宝物・正倉院宝物といった奈良時代頃の作品が中心でした。正倉院は舶来品も多く、異国情緒溢れる品々を観ることができました。
「家屋文鏡」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
銅鏡の裏面にデザインの異なる4つの家屋が円を組むように描かれています。豪族の家との関連性を思わせ、当時の建築様式や生活が伺えます。この作品の辺りには銅鏡や銅鐸が並んでいました。
「刀子(法隆寺献納宝物)」
小さな刀です。刀といってもカッターより小さいくらいのサイズで、柄?の部分に瑠璃などが使われているものもありました。ちょっと可愛らしいです。
「木画箱(法隆寺献納宝物)」
寄木風の箱です。唐獅子や童子が描かれ、象牙や象嵌などが使われています。全体的に西方的な雰囲気の箱でした。
「聖徳太子像(法隆寺献納宝物)」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
もしやこれは!?と驚く作品。今はわかりませんが、昔の教科書に載っていた聖徳太子の肖像です。両脇に自分の息子がいて、聖徳太子は一際大きく描かれています。最近ではこれは聖徳太子ではないとか、そもそも聖徳太子は存在しないとか色々な説もありますが、長年観てきた肖像のオリジナルが見られるのは感動です。
聖徳太子 「法華義疏(法隆寺献納宝物) 巻第1・2」
聖徳太子の肉筆で、法華経の注釈を書いた書です。細かくてすらっとした字体で書かれていました。本当に肉筆なのかな?? 結構保存状態が良いです。
「杜家立成」
ここら辺から正倉院に保管されていた作品です。これは光明皇后の肉筆で、手紙の文例集が書かれています。何枚もA4くらいの紙を繋げてるような書で、最初のほうはきっちりした字で書かれています。が、途中から段々と大胆な筆遣いになっていました。同じ字でも大きさとか太さとか違ったw
「漆胡瓶」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
漆塗りのペルシャ風の水差です。鳥の頭のような形で、側面には銀の薄板を切り抜いて貼り付けた、草花や鹿、鳥などが描かれていました。日本とは違った雰囲気があり、「シルクロードの終着点」と呼ばれる正倉院に相応しい作品でした。
この辺りには靴や靴下、服なども展示されていました。
「紺夾纈あしぎぬの几褥」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
「こんきょうけちあしぎぬのきじゅく」と読みます。読み方が分かったところでそれが何だかわかりませんがw 「紺夾(こんきょう)」というのは染物の一種のことらしく、これは寺の儀式で使うテーブルクロスのようなものでした。左右対称で鳥や花が描かれ、カラフルに様々な色に染められていました。鮮やかで保存状態はかなり良さそうです。
「螺鈿箱」
円形の蒔絵です。螺鈿で草花の紋様が描かれています。隣にはラピスラズリ等がついたベルトみたいな帯が展示されていて、これはそれを入れる箱です。細かい螺鈿が美しかったです。
「黄金瑠璃鈿背十二稜鏡」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
銀と七宝でできた12角形の鏡です。中国でもこの時期の七宝はないようで、かなり貴重な品のようです。3枚の花びら(この花は仏教の架空の植物である「宝相華文」というもの)が重なっているようなデザインで、緑、濃緑、金などが鮮やかに映える出来でした。華麗な作品で好みでした。
「螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんのげんかん)」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
今回の目玉作品の1つかな。4弦で、円形の阮咸という弦楽器です。紫檀でできていて、裏面には琥珀や螺鈿で、円形の花や、宝綬という枝のようなものをくわえた2羽のオウムが描かれています。これはペルシャなどでもみられるお目出度い意匠とのことでした。また、暗くて分かりにくいですが、表面の弾く所には談笑する男女の姿が描かれていました。大変手が込んでいて豪奢な雰囲気の作品でした。素晴らしいです。
「銀薫炉」
球体の香炉です。真ん中あたりに横一線に線があったので、そこが開くのかな? 球体に穴を開けて、唐草や鳳凰や獅子などが細かく象られています。鳳凰とかは球の下のほうにあるので、じっくりと下から眺めたりしてきました。緻密で洗練された雰囲気の作品でした。
「平螺鈿背円鏡」
青銅の鏡体の背面に螺鈿や琥珀、トルコ石などを使って、左右対称に鳥、獅子、犀など描かれ、周りは花で埋め尽くされています。これまた細かくてお宝!って感じの煌びやかさがありました。それにしても当時の人に犀なんてわかったのかな?
正倉院関連の作品はここまででした。
<2期 2章 古筆と絵巻の競演>
この章は書や絵巻のコーナーとなっていました。私は書の見方がよくわかっていないのであまり理解できていませんが、貴重な絵巻やビッグネームが多いコーナーでした。
藤原定信 「金沢本万葉集」
非常に洗練された万葉集の写書。流れるような字体が美しく、書いてある紙にも植物の文様が描かれていて優美でした。
伝空海 「孫過庭書譜断簡 」
弘法大師の筆と思われる書を、掛け軸のように飾っている作品。きっちりした字体に思いました。本当に弘法大師のなのかな?その割りに地味な扱いだったw
小野道風 「玉泉帖」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
様々な書体で書かれている巻物です。作者の小野道風は平安時代の三跡の一人で、中国の書道界の祖師である王羲之の生まれ変わりと言われていたらしいです。
宮廷では漢詩を学ぶのが必須だったようで、これは当時特に人気のあった白楽天の「白氏文集」の詩を書いています。文字は太かったり細かったりして楷書、行書、草書などの字体が使われていると解説されていました。書いた本人は、これについて誉めたり貶したりしないで欲しいと言っていたそうで、実験的な作品だったのかな?と思いました。ころころ変わる字体が面白かったです。
伝紀貫之 「桂宮本万葉集」
紀貫之の作と伝わっていたようですが、最近の研究では源兼行の筆と思われるそうです。これは万葉集の最も古い写本らしく、淡い青や紫の紙を繋いでいるようでした。金や銀で蝶や鳥や草花を描いていて、雅な雰囲気が漂います。書は漢字で書かれた詩の後に、ひらがなで同じ詩が書かれていました。漢字はしっかりした字体で、ひらがなは細く流れるような字体で書き分けているのが面白かったです。全体的に格調高い作品でした。
伝源俊頼 「安宅切本和漢朗詠集」
金銀で山林や小鳥が描かれ、砂子を撒いて実際の雪のようです。もちろん詩も書かれていて華麗な雰囲気を醸し出していました。
高階隆兼 「春日権現験記絵 巻第1・5・19」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
これは、ずらーっと長い巻物なのですが、メチャクチャ混んでました! 最前列で観たら全部観るのに15分はかかるかも。(どうやらこれは新日曜美術館で先週とりあげられたようです。それで混んでたのかな。)
この作品は大和絵の技法で絹に描かれているようです。藤原一門の繁栄を願い、春日大社の霊験を描いています。長く広げて展示してあって、当時の暮らしぶりがよくわかる屋敷の様子や、建物を作っているシーン、竹の上に浮かんでいるような十二単の女性、雲に乗って飛んでいくシーン、合戦している様子などが描かれています。いずれも色鮮やかで優雅な雰囲気でしたが、ストーリーの解説が無いのが辛かった。それが分かればもっと楽しめただろうに残念。
「蒙古襲来絵詞」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
これも教科書で観たことがある方が多いのでは? 有名な元寇の文永の役における戦闘を描いた作品です。左から「てつはう」が爆裂する様子や、弓をつがえる元の兵士が描かれ、右のほうには前かがみになった馬に乗った竹崎季長が描かれています。よく観ると馬の下に血を流しているのが見え、激しい合戦となっているのが伝わってきます。また、この有名なシーン以外にも、道を行進する騎馬兵と、その沿道で座る武者達の様子も描かれていました。皆晴れやかな顔をしていたので、勝った後なのかな?と思いましたが特に解説は無かったので実施のところはわかりません。
藤原為信・豪信 「天子摂関御影(天子巻)」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
歴代の21人の天皇の似顔絵を描いた作品。似てるか判別がつかなかったけど各人の個性が伝わるようで面白かったです。
<2期 3章 中世から近世の宮廷美 宸翰と京都御所のしつらえ>
3章はタイトルすら読めんw この「宸翰」は「しんかん」と読み、歴代の天皇の書のことを指すそうです。この章では最初の方にその「宸翰」などがあり、後半は書だけでなく屏風や蒔絵などの「しつらえ」としての調度品も展示されていました。そのため、私にとって一番面白かったのがこの章でしたw
藤原定家 「更科日記」
元は、菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)によって13歳から40年間に渡って書かれた日記物語で、平安時代の中流貴族の生活がよく分かる内容です。(そういえば高校のテストや大学受験の古文でよく出た覚えが…。) これは書家としても有名な藤原定家によって書かれていて、独特の癖字で晩年の特徴が見られると解説されていました。確かにちょっとくねった感じの字ですが、達筆との境界線は私にはわかりませんw
伏見天皇 宸筆「伊勢物語絵巻詞書断簡」
伏見天皇は傑出した書の才があったそうで、流麗な筆遣いで三跡にも匹敵するほどの腕の持ち主だったらしいです。これは金銀でススキや岩などが描かれ端整な書がありました。天皇でそこまで達筆って凄いですね…。
花園天皇 宸筆「花園院宸記 巻第29・35」
詳しく当時の様子を書いた歴史的にも貴重な日記です。政治的な内容も含まれているらしく、南北朝や後醍醐天皇の幕府打倒の動きなども詳細に書かれているとのことです。展示されてたのは二条大路を描いた挿絵みたいな絵でした。(もう1枚書があったけど何だかわからず) 解説を聞かなかったらその貴重さを理解できなかったと思いますw
「源氏物語図貝桶・合貝」
貝合わせの遊びに使った、鮮やかな金の貝桶と蛤でできた合貝です。合貝の内側には細かく華やかな大和絵が描かれていて優美さが溢れていました。貝の外側もつやつやで綺麗だったです。
飯塚桃葉 「宇治川蛍蒔絵料紙硯箱」
江戸時代の重厚感のある蒔絵です。川辺で舞い飛ぶ黒い蛍たちと、黒く細長い大きな月が描かれています。蛍は蝶のように羽を広げて飛んでいて、おしりが緑に光るように細工されていました。江戸時代の作品だけあって、趣向も技術も完成度の高い遊び心のある作品でした。
ここら辺に4章のコーナーがあって、実際にはこれ以降にご紹介する3章の作品は4章より後に展示されていましたが、流れ的には3章なので先にご紹介します。
俵屋宗達 「扇面散屏風」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
48枚の扇が書かれた屏風です。平治物語や保元物語といった戦乱の絵巻や、伊勢物語などを題材にした扇が描かれています。単に扇を並べるだけでなく、扇の向きや重ね方も重視していると解説されていました。中には雷神みたいのとか鬼みたいなのもいて力強さと優美さを兼ねそろえているようでした。
そういえば、1期の記事に付随してご紹介した常設展に似たような作品がありました。
参考記事:東京国立博物館の案内 (2009年10月)
参考:常設にあった似た作品

(↑これはこの日も常設にありました) 元々は扇屋さんだった俵屋宗達にとって、扇は身近な題材だったのかも。
狩野探幽 「源氏物語図屏風」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
源氏物語の全54の場面を順に描いている屏風です。伝統的な大和絵の技法を用いていますが、淡い色彩や余白を大きくとるなど、独自の方向性もうちだしているそうです。細やかで雅さを感じる格調高い雰囲気でした。
狩野探幽 「唐子遊図屏風」
これも屏風です。大きめに多くの唐子(中国の子供)が描かれていて、鶏を持ったり、幼児を背負ったり、花を摘んで詩を詠みあったりしています。また、左隻には唐獅子(タッチも含めて狩野永徳の唐獅子みたいな)の面を被ったお祭りみたいなのも描かれていました。全体的に楽しげなイメージの作品でした。
「御即位行幸図屏風」
御所で即位の儀式を行う様子を描いた屏風。沢山の人々が描かれ華やかな式典の様子が伺えます。紫宸殿の前や御所の門などが描かれていて、この前御所に行ってきたときのことを思い出しました。お目出度い雰囲気でした。
参考記事:京都御所内の写真
狩野常信 「糸桜図屏風」
屏風を窓状にくりぬいて、そこに簾をはめ込んだ驚くべき作品。屏風と簾の上には桜の木と花が装飾的な大和絵で描かれ、境目で途切れることなく連続して描かれています。その発想も凄いですが、簾に綺麗に絵を描く技術にも驚きました。
<2期 4章 皇室に伝わる名刀>
最後は刀剣のコーナー(実際にはラストは3章の屏風のコーナー) 皇室に納められた刀剣の多くは、愛好家だった明治天皇の時代に奉納されたようです。流石に素晴らしい品がそろい、美しい日本刀を拝むことができました。しかし、日本刀鑑賞は恐ろしく奥深いので、解説を聴いても私にはほとんど理解でませんでしたw
粟田口吉光 「短刀 銘 吉光(名物平野藤四郎)」
豊臣秀吉や前田利長、徳川秀忠などを経て、明治天皇に奉納された30cmくらいの短刀。真っ直ぐで太目の刃紋が綺麗でした。
長船光忠 「太刀 銘 備前国長船光忠」 ★こちらの「作品紹介」で観られます
これは今の天皇が生まれた時にお祝いで献上された太刀です。長船光忠は長船派の祖で、「大模様の丁字乱れの刃紋に特徴がある」と解説されていました。…何のことか全然わかりませんが、緩やかな曲線で美しいフォルムでした。
相州正宗 「刀 無銘 正宗(名物若狭正宗)」
「沸(にえ)と飛焼(とびやき)がついた激しい作風」と解説されていました。
これまた何を言ってるのかわかりませんが、刃紋が波打っていて、美しかったです。
専門用語が分からなかったので帰ってから調べてみたけど、ますます分からないかもw
沸(にえ)
焼き入れにより、刀の表面にはマルテンサイトと呼ばれる非常に固い組織が現れる。マルテンサイトの入り方によって、肉眼で地鉄の表面に刃文が丸い粒子状に見えるものを錵(にえ)又は沸(にえ)と呼び、一つひとつの粒子が見分けられず細かい白い線状に見えるものを匂(におい)と区別する。
出展:日本刀のwiki
飛焼(とびやき)
参考リンク:http://www.weblio.jp/content/%E9%A3%9B%E7%84%BC
刀剣鑑賞への道は遠いw
という感じで、最高級の質と量で、見逃せない展覧会だと思います。期間がたった17日間しかないのが勿体無さ過ぎです
なお、本館1階には模造品のコーナーもありました。模造品とは思えないほど精巧で素晴らしかったです。この展覧に行ったら合わせて観てきてください。
この後、いつもどおり常設などを観ました。この日は本館裏の庭園に入ることもできましたので、それも次回ご紹介しようと思います。
記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。


更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter
今年は美術館の新設・移転・リニューアルが多いように思いますが、先月に千鳥が淵から広尾に移転した、山種美術館で新美術館開館記念特別展「速水御舟展-日本画への挑戦-」を観てきました。

【展覧名】
新美術館開館記念特別展
速水御舟展 -日本画への挑戦-
【公式サイト】
http://www.yamatane-museum.or.jp/exh_current.html
【会場】山種美術館 (移転してきました!)
【最寄】JR・東京メトロ 恵比寿駅
【会期】前期 2009年10月1日(木)~11月1日(日)
後期 2009年11月3日(火)~11月29日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日10時半頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
せっかくなので、まずは新しくなった美術館の写真からご紹介。場所は私の中では、九十九ラーメンの坂の上と覚えましたw

さすが新しい美術館だけあって、明るいイメージのある建物になっていました。


カフェも新しくできてお洒落な感じです。

展覧会は地下で行われています。この地下の広さは以前と同じくらいの広さかな。若干、通路が狭くて人で溢れかえっていたような…。(特に2章の最後の方はやばかった)
さて、特別展ですが、初回を飾るのは速水御舟の個展でした。予想以上に人気があるのか移転した美術館目当てか、かなり混みあっていました。
この画家は40歳の若さで腸チフスにかかって急逝してしまったのですが、残した700点余の作品の多くが個人所有らしく、山種美術館の所有する100点余りのコレクションは貴重なものだと思われます。今回の展示でも初展示となる作品もあり、一気にこの画家を知る機会となっていました。
いつもどおり、章ごとに気に入った作品をご紹介します。私が行ったのは前期展示でした。
<第1章:画塾からの出発>
このコーナーは修行時代の作品が展示されていました。解説によると、速水御舟は松本楓湖の安雅堂画塾に入門し、模写を通じて中国画や、琳派、土佐派、狩野派、円山四条派、浮世絵などを学んだそうです。(松本楓湖は放任主義だったらしく自由に色々学べたようです。)
「錦木」
19歳の頃の作品です。白い服を着て黒い傘を被った男性が描かれています。手にはオレンジ色の棒を持ち、うつむき加減で左方向に歩いています。これは東北地方にあった風習を描いたもので、女性の家の前に棒を立てかけておいて、それに対してOKのサインがあると両思いって事だったかな。(うろおぼえですw) 白い胡粉が印象的でした。
「山科秋」
23歳の頃の作品。手前はぼかしの効いた黄土色の野原、奥には群青の森に木々が描かれ、その中にあるオレンジの柿がアクセントになっています。速水御舟本人の弁によると、この頃、黄土色中毒にかかっていたと回顧するように、黄土色と群青色の色使いが印象的でした。この作品などを含めて、横山大観らに絶賛されて日本美術院に推挙されていったそうです。
<第2章:古典への挑戦>
速水御舟は岸田劉生の影響も受けていたようで、この頃徹底した細密描写を行っていたようです。また、それとは逆に平坦で単純化された琳派風の作風の作品もありました。
参考:没後80年 岸田劉生 -肖像画をこえて
「灰燼」
関東大震災をスケッチした作品。3つの建物が壊れていて、手前には無数のレンガの破片が散乱している絵です。空は暗く、無人で寂しい雰囲気でした、
「炎舞」 ★こちらで観られます(PDF)
今回の目玉作品です。力強くも儚い炎の上に、蛾が舞飛んでいる様子が描かれています。炎は仏画の炎(不動明王とかの炎)に似ている気がしますが、先端の方はぼかしてあって幻想的な感じです。舞飛ぶ蛾も、9羽すべてが正面を向いていて、自然ではありえない光景です。羽にもぼかしてあって、羽ばたきの揺れなのかな? 写実性・装飾性・象徴性が1つの絵に表されていると解説されていました。(それって岸田劉生の展覧でもテーマになっていたような…)
「翠苔緑芝」 ★こちらで観られます(PDF)
琳派を意識した金地の屏風です。右隻は黒猫とつつじ、びわの木?が描かれています。 左隻にはアジサイとウサギが描かれのんびりした雰囲気です。アジサイの花が独創的な技法でかかれていて、ひび割れさせて質感を出しているようでした。
また、この屏風の近くには下図もあって、右隻には白猫と黒猫と朝顔、左隻は同じモチーフだけれども、本図に比べてアジサイの花と葉は少なめでした。推敲していた様子がわかるのも興味深かったです。
「粧蛾舞戯」 ★イメージ検索の結果
先ほどの「炎舞」に似た作品。暗い闇で上を見上げたような感じで、上部の朱色の渦に吸い込まれていきそうな蛾たちが描かれています。この作品も蛾はカラフルで羽にぼかしが入っています。隣にはくもの巣を描いた作品があり、蜘蛛の絵が「陰」と「広がり」、この蛾の絵が「陽」と「集束」という対比があるようです。神秘的で昇天の絵を連想しました。
「紅梅・白梅」
左に白梅と月、右に紅梅が描かれています。枝先だけが描かれ、空間を大きくとった構図で、張り詰めた空気が感じられると解説されていました。また他の絵と違った画風だったような…。多彩な画風に驚きます。
「名樹散椿」 ★こちらで観られます(PDF)
琳派の祖である俵屋宗達の松図から影響を受けている作品で、金地の屏風にうねったような木と、それに咲く鮮やかな椿を描いています。均一で平坦な金地は重厚感を持たせ、椿は装飾的で妖しい雰囲気すらします。この絵は朱色の絵の具を使いたくて椿を題材にしたというエピソードが解説されていました。確かに椿の朱色が映えていました。
<第3章:渡欧から人物画へ>
速水御舟はローマの日本美術展覧会の使節の一員として、中国を経由してヨーロッパへ外遊したらしく、ここではその道中の作品やそこで得たものから変わり行く作風が紹介されていました。
なお、この辺は通路が狭い割りに道の両側に展示されていて窮屈でした。さすがに一等地だから土地が無いのかなあ。
「オリンピア神殿遺址」
2週間滞在したギリシアを題材にした縦長の掛け軸です。神殿の柱が2本、どーんと大きく描かれています。線の細い輪郭でギリシアを題材としているのに日本画らしい作品でした。
「裸婦(素描1)」
これは西洋画風のタッチで後ろ向きの裸婦を描いた素描です。西洋の作品に触発されて、日本に帰ってからは女性も描くようになり、肉感的な表現を重視していたようです。わざわざ人体解剖学の講義を受けたりしたというエピソードもありました。ついに西洋画まで画風を広げました。これだけ成功しているのに基礎から勉強するって凄いことです。
「婦女群像(未完)」 ★こちらで観られます
色を塗る途中で中止したままになった未完の大作です。かなり大きくて、縦2.2m×横3.1mもあります。絵には傘をさす女性やコンパクトを持つ女性、横たわる女性など、着物の女性が7人描かれています。緩やかな線が多くて女性らしい美しさを感じます。この絵を描くために御舟は女性の流行を知りたいと宝塚を観にいって、観客の着物を観察してきたそうです。傑作になりそうだったのですが、これを描いている途中にヤニが浮き上がってしまい、いずれ描き直そうと思っていたら翌年に病死してしまったそうです。残念で仕方ありません。
<第4章:挑戦者の葛藤>
ここまでも様々な画風の変化を見せた御舟ですが、「売れる(評価される)絵を描くのは簡単、これからは売れない(評価されない)絵を描く」と家族に言って、さらなる挑戦を続けます。外遊によって改めて日本の自然の美しさを認識し、自然の写生から離れた大胆なデフォルメと構図の工夫のある花鳥画を多く作成していったそうです。残念ながら40歳で亡くなりますが、最後まで挑戦し続けたのがわかる内容でした。
「和蘭陀菊図」
深い紫と紅の菊が密集して描かれています。緑の葉も濃い緑と白っぽい緑の対比が華やかです。また、紫の花にモンシロチョウが止まっていました。上半分は余白になっている構図も大胆で面白かったです。
「あけぼの・春の宵」
2枚セットです。右の「あけぼの」には柳の枝とカラスが描かれ、背景は薄いピンクで開けていく空が淡くて爽やかな印象でした。左の「春の宵」は、灰色の夜空の下、白い桜が花を散らしているようすが描かれています。空にはうっすらと月があり静寂を感じます。右下に大きな余白があるのも潔い感じでした。
この辺で一旦、ミュージアムショップの前を通って第2会場へ移動。(第2会場と言っても10点くらいの部屋が1つあるだけです。) ここには晩年の花のスケッチが展示されていました。写生を離れて行こうとする方向性が観られる内容で、最後のスケッチにはキュビスムを思わせるような単純化も観られると解説されていました。
「牡丹花(墨牡丹)」 ★こちらで観られます(PDF)
最後のコーナーにある作品。金の花弁を持った黒い牡丹が描かれています。輪郭線が無く柔らかい質感を感じます。ごく淡い緑の葉が黒い花を引き立てているようでした。
ということで晩年までタッチが変わるなどかなり画風の幅広い画家だったように思います。常に挑戦しつづける姿勢は芸術家の鑑ですね。新しい美術館共々、楽しめました。


【展覧名】
新美術館開館記念特別展
速水御舟展 -日本画への挑戦-
【公式サイト】
http://www.yamatane-museum.or.jp/exh_current.html
【会場】山種美術館 (移転してきました!)
【最寄】JR・東京メトロ 恵比寿駅
【会期】前期 2009年10月1日(木)~11月1日(日)
後期 2009年11月3日(火)~11月29日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日10時半頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
せっかくなので、まずは新しくなった美術館の写真からご紹介。場所は私の中では、九十九ラーメンの坂の上と覚えましたw

さすが新しい美術館だけあって、明るいイメージのある建物になっていました。


カフェも新しくできてお洒落な感じです。

展覧会は地下で行われています。この地下の広さは以前と同じくらいの広さかな。若干、通路が狭くて人で溢れかえっていたような…。(特に2章の最後の方はやばかった)
さて、特別展ですが、初回を飾るのは速水御舟の個展でした。予想以上に人気があるのか移転した美術館目当てか、かなり混みあっていました。
この画家は40歳の若さで腸チフスにかかって急逝してしまったのですが、残した700点余の作品の多くが個人所有らしく、山種美術館の所有する100点余りのコレクションは貴重なものだと思われます。今回の展示でも初展示となる作品もあり、一気にこの画家を知る機会となっていました。
いつもどおり、章ごとに気に入った作品をご紹介します。私が行ったのは前期展示でした。
<第1章:画塾からの出発>
このコーナーは修行時代の作品が展示されていました。解説によると、速水御舟は松本楓湖の安雅堂画塾に入門し、模写を通じて中国画や、琳派、土佐派、狩野派、円山四条派、浮世絵などを学んだそうです。(松本楓湖は放任主義だったらしく自由に色々学べたようです。)
「錦木」
19歳の頃の作品です。白い服を着て黒い傘を被った男性が描かれています。手にはオレンジ色の棒を持ち、うつむき加減で左方向に歩いています。これは東北地方にあった風習を描いたもので、女性の家の前に棒を立てかけておいて、それに対してOKのサインがあると両思いって事だったかな。(うろおぼえですw) 白い胡粉が印象的でした。
「山科秋」
23歳の頃の作品。手前はぼかしの効いた黄土色の野原、奥には群青の森に木々が描かれ、その中にあるオレンジの柿がアクセントになっています。速水御舟本人の弁によると、この頃、黄土色中毒にかかっていたと回顧するように、黄土色と群青色の色使いが印象的でした。この作品などを含めて、横山大観らに絶賛されて日本美術院に推挙されていったそうです。
<第2章:古典への挑戦>
速水御舟は岸田劉生の影響も受けていたようで、この頃徹底した細密描写を行っていたようです。また、それとは逆に平坦で単純化された琳派風の作風の作品もありました。
参考:没後80年 岸田劉生 -肖像画をこえて
「灰燼」
関東大震災をスケッチした作品。3つの建物が壊れていて、手前には無数のレンガの破片が散乱している絵です。空は暗く、無人で寂しい雰囲気でした、
「炎舞」 ★こちらで観られます(PDF)
今回の目玉作品です。力強くも儚い炎の上に、蛾が舞飛んでいる様子が描かれています。炎は仏画の炎(不動明王とかの炎)に似ている気がしますが、先端の方はぼかしてあって幻想的な感じです。舞飛ぶ蛾も、9羽すべてが正面を向いていて、自然ではありえない光景です。羽にもぼかしてあって、羽ばたきの揺れなのかな? 写実性・装飾性・象徴性が1つの絵に表されていると解説されていました。(それって岸田劉生の展覧でもテーマになっていたような…)
「翠苔緑芝」 ★こちらで観られます(PDF)
琳派を意識した金地の屏風です。右隻は黒猫とつつじ、びわの木?が描かれています。 左隻にはアジサイとウサギが描かれのんびりした雰囲気です。アジサイの花が独創的な技法でかかれていて、ひび割れさせて質感を出しているようでした。
また、この屏風の近くには下図もあって、右隻には白猫と黒猫と朝顔、左隻は同じモチーフだけれども、本図に比べてアジサイの花と葉は少なめでした。推敲していた様子がわかるのも興味深かったです。
「粧蛾舞戯」 ★イメージ検索の結果
先ほどの「炎舞」に似た作品。暗い闇で上を見上げたような感じで、上部の朱色の渦に吸い込まれていきそうな蛾たちが描かれています。この作品も蛾はカラフルで羽にぼかしが入っています。隣にはくもの巣を描いた作品があり、蜘蛛の絵が「陰」と「広がり」、この蛾の絵が「陽」と「集束」という対比があるようです。神秘的で昇天の絵を連想しました。
「紅梅・白梅」
左に白梅と月、右に紅梅が描かれています。枝先だけが描かれ、空間を大きくとった構図で、張り詰めた空気が感じられると解説されていました。また他の絵と違った画風だったような…。多彩な画風に驚きます。
「名樹散椿」 ★こちらで観られます(PDF)
琳派の祖である俵屋宗達の松図から影響を受けている作品で、金地の屏風にうねったような木と、それに咲く鮮やかな椿を描いています。均一で平坦な金地は重厚感を持たせ、椿は装飾的で妖しい雰囲気すらします。この絵は朱色の絵の具を使いたくて椿を題材にしたというエピソードが解説されていました。確かに椿の朱色が映えていました。
<第3章:渡欧から人物画へ>
速水御舟はローマの日本美術展覧会の使節の一員として、中国を経由してヨーロッパへ外遊したらしく、ここではその道中の作品やそこで得たものから変わり行く作風が紹介されていました。
なお、この辺は通路が狭い割りに道の両側に展示されていて窮屈でした。さすがに一等地だから土地が無いのかなあ。
「オリンピア神殿遺址」
2週間滞在したギリシアを題材にした縦長の掛け軸です。神殿の柱が2本、どーんと大きく描かれています。線の細い輪郭でギリシアを題材としているのに日本画らしい作品でした。
「裸婦(素描1)」
これは西洋画風のタッチで後ろ向きの裸婦を描いた素描です。西洋の作品に触発されて、日本に帰ってからは女性も描くようになり、肉感的な表現を重視していたようです。わざわざ人体解剖学の講義を受けたりしたというエピソードもありました。ついに西洋画まで画風を広げました。これだけ成功しているのに基礎から勉強するって凄いことです。
「婦女群像(未完)」 ★こちらで観られます
色を塗る途中で中止したままになった未完の大作です。かなり大きくて、縦2.2m×横3.1mもあります。絵には傘をさす女性やコンパクトを持つ女性、横たわる女性など、着物の女性が7人描かれています。緩やかな線が多くて女性らしい美しさを感じます。この絵を描くために御舟は女性の流行を知りたいと宝塚を観にいって、観客の着物を観察してきたそうです。傑作になりそうだったのですが、これを描いている途中にヤニが浮き上がってしまい、いずれ描き直そうと思っていたら翌年に病死してしまったそうです。残念で仕方ありません。
<第4章:挑戦者の葛藤>
ここまでも様々な画風の変化を見せた御舟ですが、「売れる(評価される)絵を描くのは簡単、これからは売れない(評価されない)絵を描く」と家族に言って、さらなる挑戦を続けます。外遊によって改めて日本の自然の美しさを認識し、自然の写生から離れた大胆なデフォルメと構図の工夫のある花鳥画を多く作成していったそうです。残念ながら40歳で亡くなりますが、最後まで挑戦し続けたのがわかる内容でした。
「和蘭陀菊図」
深い紫と紅の菊が密集して描かれています。緑の葉も濃い緑と白っぽい緑の対比が華やかです。また、紫の花にモンシロチョウが止まっていました。上半分は余白になっている構図も大胆で面白かったです。
「あけぼの・春の宵」
2枚セットです。右の「あけぼの」には柳の枝とカラスが描かれ、背景は薄いピンクで開けていく空が淡くて爽やかな印象でした。左の「春の宵」は、灰色の夜空の下、白い桜が花を散らしているようすが描かれています。空にはうっすらと月があり静寂を感じます。右下に大きな余白があるのも潔い感じでした。
この辺で一旦、ミュージアムショップの前を通って第2会場へ移動。(第2会場と言っても10点くらいの部屋が1つあるだけです。) ここには晩年の花のスケッチが展示されていました。写生を離れて行こうとする方向性が観られる内容で、最後のスケッチにはキュビスムを思わせるような単純化も観られると解説されていました。
「牡丹花(墨牡丹)」 ★こちらで観られます(PDF)
最後のコーナーにある作品。金の花弁を持った黒い牡丹が描かれています。輪郭線が無く柔らかい質感を感じます。ごく淡い緑の葉が黒い花を引き立てているようでした。
ということで晩年までタッチが変わるなどかなり画風の幅広い画家だったように思います。常に挑戦しつづける姿勢は芸術家の鑑ですね。新しい美術館共々、楽しめました。
記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。


更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter
前回ご紹介した「ロシアの夢 1917-1937 革命から生活へ-ロシア・アヴァンギャルドのデザイン」を観た後、埼玉県立近代美術館の常設も軽く観てきました。ここは常設展を「MOMASコレクション」と名づけて期間があるようです。良いコレクションを持っています。

【展覧名】
MOMASコレクションⅢ
「西洋の美術 - 印象派からピカソまで」
「日常に潜むもの - 室内の小宇宙」
「ミューズ・フォーラム:芸術と素朴 - <プリミティブ>なるものと現代」
【公式サイト】
http://www.momas.jp/4.htm
参考リンク(埼玉県内の絵画):http://www.museum.spec.ed.jp/monoshiri/part/art200.html
参考リンク(埼玉県内の彫刻):http://www.museum.spec.ed.jp/monoshiri/part/art500.html
【会場】埼玉県立近代美術館
【最寄】北浦和駅
【会期】2009年10月24日(土) ~ 2010年1月24日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日13時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
館内は広くて常設も色々あるのですが、今回はMOMASコレクションⅢの中から「西洋の美術 - 印象派からピカソまで」を中心にご紹介しようと思います(というか待ち合わせがあってそれ以外は今回は観ませんでしたw)
館内で白黒の絵葉書のような解説をもらえて、それには詳細な説明が書いてあるのが非常に親切です。並んでいる順番を忘れたので、ご紹介する順序ができとうですみません。
ウジェーヌ・ドラクロワ 「聖ステパノの遺骸を抱え起こす弟子たち」 ★こちらで観られます
聖ステパノといえば石打によって殉教した聖人です。殉教した後に弟子達が抱え起こすシーンを描いています。中央に光が当たったような表現でドラマ性を高めているようでした。ドラクロワらロマン主義はこうした色彩表現の重視で、その後の印象派に繋がる流れがつくられたと説明されていました。
カミーユ・ピサロ 「エラニーの牛を追う娘」 ★こちらで観られます
今年初夏の頃に東京都美術館の日本の美術館名品展にも出品された作品です。 印象派のリーダー的存在だったピサロの人格がしのばれるような、のんびりと優しい光につつまれた絵です。何度観ても癒されます。
クロード・モネ 「ルエルの眺め」 ★こちらで観られます
貴重な作品で、大きなモネ展があると貸し出されます。まだ印象派の絵を描く前の17歳の頃の作品で、非常に写実的に川とほとりの木々や草原を描いています。精密でモネのイメージと違うと直感的に思いますが、よく観ると空気を感じる光の表現などからその後の彼の作風の前兆が感じられます。
クロード・モネ 「ジヴェルニーの積みわら、夕日」 ★こちらで観られます
これも確か日本の美術館名品展に出てたと思います。モネといえばこの積み藁を思い浮かべる人も多いのでは? 少しずつ違う空の色の表現や、牧歌的ながらも存在感のある積み藁の構図が、非常に馴染むというか安らぎを感じます。この空気の流れまで感じそうな表現は、色んな画家の作品を観てもモネが一番ですね。
オーギュスト・ルノワール 「三人の浴女」 ★こちらで観られます
ルノワールの最晩年の作品。豊満な裸婦が三人、沐浴しているのでしょうか。背景と肌の色が似ていて、溶け込んでいます。色はオレンジや赤を主体としていて生命感と柔らかさを感じます。ルノワールの女性美の典型が観られる作品です。
モーリス・ユトリロ 「旗で飾られたモンマルトルのサクレ=クール寺院」 ★参考リンク
ユトリロの評価の高い白の時代から、カラフルな色彩に変わっていった時代の作品です。屋上からみる聖堂を描いていて、人の姿はありませんが、はためく旗がのんびりと平和な雰囲気でした。
モイーズ・キスリング 「リタ・ヴァン・リアの肖像」 ★参考リンク
こちらを向いて座る女性の肖像です。膝の上に手を組み、若干緊張した面持ちでこちらを見ています。キスリング独特の眼をしていて神秘的な感じでした。
パブロ・ピカソ 「静物」 ★参考リンク
キュビスムの時代の作品で、比較的具象的な感じがします。 蝋燭が輝き、水差や絵など、太い輪郭線で幾何学的に単純化されています。むしろ相棒のブラックみたいな雰囲気かも。ピカソのキュビスム時代の中ではかなり好きな作品です。
モーリス・ドニ 「シャグマユリの聖母子」 ★こちらで観られます
ドニの後期の作品です。ゴーギャンから影響を受けたナビ派らしい、平面的で鮮やかな雰囲気で、子供を抱く女性を描いています。周りに草花を配置しているのもあり、生き生きとしていました。
ジョルジュ・ルオー 「横向きのピエロ」 ★参考リンク
横を向いたピエロです。絵の具を厚塗りして描く上、輪郭がかなり太いので重厚感を感じますが、色合いなどから哀愁が漂っていました。
アンドレ・ドラン 「浴女」 ★こちらで観られます
すこし褐色の裸婦が、背中をむけて片足をベッドか何かに置いて屈んでいるポーズをしています。ちょっとたくましいくらい力強かったです。
ジュール・パスキン 「眠る裸女」 ★こちらで観られます
薄く輪郭線があいまいな感じのぼんやりした色彩で、眠る裸婦を描いています。その優しい色彩が、まどろむ様子を画面全体から感じます。私はパスキン好きなんです(><)
ポール・デルヴォー 「森」 ★参考リンク
神秘的な裸婦が身をくねらせたポーズをとり、植物に座って足を伸ばしています。周りは森で、そこだけベッドルームみたいになっていてシュールな雰囲気が漂います。また、左側には線路と汽車が描かれ、ますます謎です。幻想的で深層心理を描いたかのような作品で面白いです。
ということで、「西洋の美術 - 印象派からピカソまで」だけご紹介しましたが、そのほかにも 「日常に潜むもの - 室内の小宇宙」や「ミューズ・フォーラム:芸術と素朴 - <プリミティブ>なるものと現代」のコーナーも面白そうでした。
ついでに帰りに撮った美術館周辺に彫刻作品などをご紹介。
作品名はわかりませんが、階段を登る姿が面白い作品

ロッカーにも謎の作品があります。

フェルナンド・ボテロ 「横たわる人物」
以前もご紹介した作品。美術館の入口にあります。

西野康造 「風の中で」
これは美術館の外の噴水のところにあります。

左:エミリオ・グレコ 「ゆあみ(大)」
公園の入口付近にある作品。先日ご紹介した松岡美術館のエミリオ・グレコ 「水浴の女」とよく似ています。

という感じで、むしろ私は特別展より常設のほうが楽しめたかもw この美術館は良い作品が多いので、機会があったら行ってみると面白いと思います。


【展覧名】
MOMASコレクションⅢ
「西洋の美術 - 印象派からピカソまで」
「日常に潜むもの - 室内の小宇宙」
「ミューズ・フォーラム:芸術と素朴 - <プリミティブ>なるものと現代」
【公式サイト】
http://www.momas.jp/4.htm
参考リンク(埼玉県内の絵画):http://www.museum.spec.ed.jp/monoshiri/part/art200.html
参考リンク(埼玉県内の彫刻):http://www.museum.spec.ed.jp/monoshiri/part/art500.html
【会場】埼玉県立近代美術館
【最寄】北浦和駅
【会期】2009年10月24日(土) ~ 2010年1月24日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日13時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
館内は広くて常設も色々あるのですが、今回はMOMASコレクションⅢの中から「西洋の美術 - 印象派からピカソまで」を中心にご紹介しようと思います(というか待ち合わせがあってそれ以外は今回は観ませんでしたw)
館内で白黒の絵葉書のような解説をもらえて、それには詳細な説明が書いてあるのが非常に親切です。並んでいる順番を忘れたので、ご紹介する順序ができとうですみません。
ウジェーヌ・ドラクロワ 「聖ステパノの遺骸を抱え起こす弟子たち」 ★こちらで観られます
聖ステパノといえば石打によって殉教した聖人です。殉教した後に弟子達が抱え起こすシーンを描いています。中央に光が当たったような表現でドラマ性を高めているようでした。ドラクロワらロマン主義はこうした色彩表現の重視で、その後の印象派に繋がる流れがつくられたと説明されていました。
カミーユ・ピサロ 「エラニーの牛を追う娘」 ★こちらで観られます
今年初夏の頃に東京都美術館の日本の美術館名品展にも出品された作品です。 印象派のリーダー的存在だったピサロの人格がしのばれるような、のんびりと優しい光につつまれた絵です。何度観ても癒されます。
クロード・モネ 「ルエルの眺め」 ★こちらで観られます
貴重な作品で、大きなモネ展があると貸し出されます。まだ印象派の絵を描く前の17歳の頃の作品で、非常に写実的に川とほとりの木々や草原を描いています。精密でモネのイメージと違うと直感的に思いますが、よく観ると空気を感じる光の表現などからその後の彼の作風の前兆が感じられます。
クロード・モネ 「ジヴェルニーの積みわら、夕日」 ★こちらで観られます
これも確か日本の美術館名品展に出てたと思います。モネといえばこの積み藁を思い浮かべる人も多いのでは? 少しずつ違う空の色の表現や、牧歌的ながらも存在感のある積み藁の構図が、非常に馴染むというか安らぎを感じます。この空気の流れまで感じそうな表現は、色んな画家の作品を観てもモネが一番ですね。
オーギュスト・ルノワール 「三人の浴女」 ★こちらで観られます
ルノワールの最晩年の作品。豊満な裸婦が三人、沐浴しているのでしょうか。背景と肌の色が似ていて、溶け込んでいます。色はオレンジや赤を主体としていて生命感と柔らかさを感じます。ルノワールの女性美の典型が観られる作品です。
モーリス・ユトリロ 「旗で飾られたモンマルトルのサクレ=クール寺院」 ★参考リンク
ユトリロの評価の高い白の時代から、カラフルな色彩に変わっていった時代の作品です。屋上からみる聖堂を描いていて、人の姿はありませんが、はためく旗がのんびりと平和な雰囲気でした。
モイーズ・キスリング 「リタ・ヴァン・リアの肖像」 ★参考リンク
こちらを向いて座る女性の肖像です。膝の上に手を組み、若干緊張した面持ちでこちらを見ています。キスリング独特の眼をしていて神秘的な感じでした。
パブロ・ピカソ 「静物」 ★参考リンク
キュビスムの時代の作品で、比較的具象的な感じがします。 蝋燭が輝き、水差や絵など、太い輪郭線で幾何学的に単純化されています。むしろ相棒のブラックみたいな雰囲気かも。ピカソのキュビスム時代の中ではかなり好きな作品です。
モーリス・ドニ 「シャグマユリの聖母子」 ★こちらで観られます
ドニの後期の作品です。ゴーギャンから影響を受けたナビ派らしい、平面的で鮮やかな雰囲気で、子供を抱く女性を描いています。周りに草花を配置しているのもあり、生き生きとしていました。
ジョルジュ・ルオー 「横向きのピエロ」 ★参考リンク
横を向いたピエロです。絵の具を厚塗りして描く上、輪郭がかなり太いので重厚感を感じますが、色合いなどから哀愁が漂っていました。
アンドレ・ドラン 「浴女」 ★こちらで観られます
すこし褐色の裸婦が、背中をむけて片足をベッドか何かに置いて屈んでいるポーズをしています。ちょっとたくましいくらい力強かったです。
ジュール・パスキン 「眠る裸女」 ★こちらで観られます
薄く輪郭線があいまいな感じのぼんやりした色彩で、眠る裸婦を描いています。その優しい色彩が、まどろむ様子を画面全体から感じます。私はパスキン好きなんです(><)
ポール・デルヴォー 「森」 ★参考リンク
神秘的な裸婦が身をくねらせたポーズをとり、植物に座って足を伸ばしています。周りは森で、そこだけベッドルームみたいになっていてシュールな雰囲気が漂います。また、左側には線路と汽車が描かれ、ますます謎です。幻想的で深層心理を描いたかのような作品で面白いです。
ということで、「西洋の美術 - 印象派からピカソまで」だけご紹介しましたが、そのほかにも 「日常に潜むもの - 室内の小宇宙」や「ミューズ・フォーラム:芸術と素朴 - <プリミティブ>なるものと現代」のコーナーも面白そうでした。
ついでに帰りに撮った美術館周辺に彫刻作品などをご紹介。
作品名はわかりませんが、階段を登る姿が面白い作品

ロッカーにも謎の作品があります。

フェルナンド・ボテロ 「横たわる人物」
以前もご紹介した作品。美術館の入口にあります。

西野康造 「風の中で」
これは美術館の外の噴水のところにあります。


左:エミリオ・グレコ 「ゆあみ(大)」
公園の入口付近にある作品。先日ご紹介した松岡美術館のエミリオ・グレコ 「水浴の女」とよく似ています。

という感じで、むしろ私は特別展より常設のほうが楽しめたかもw この美術館は良い作品が多いので、機会があったら行ってみると面白いと思います。
記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。


更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter
先日、埼玉県立近代美術館で「ロシアの夢 1917-1937 革命から生活へ-ロシア・アヴァンギャルドのデザイン」を観てきました。
以前このブログでも紹介した、「青春のロシア・アヴァンギャルド展」(文化村やこの美術館で開催していました)や、「無声時代ソビエト映画ポスター展」(東京国立近代美術館フィルムセンター)で観たロシア王朝末期~ソ連時代の独特の雰囲気を久々に観ようと思っていってきました。


【展覧名】
ロシアの夢 1917-1937 革命から生活へ-ロシア・アヴァンギャルドのデザイン
【公式サイト】
http://www.momas.jp/3.htm
【会場】埼玉県立近代美術館
【最寄】北浦和駅
【会期】2009年10月10日(土)~2009年12月6日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日12時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_②_3_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
この日はたまたま500円で入れる日でラッキーでした。しかし、内容が難解な上、解説機が無かったのが辛かったです。作品と社会・政治が密接に関わっているだけに、説明を何度も読み返しても当時のソ連の世相を知らないので、よく分からないで終わった作品も多かったです。完全に西側諸国の流れとは違い、ちょっと無機質な怖さも感じるのは相変らずでした。
いつもどおり、章ごとに気になった作品をご紹介します。
<1章 ぼく自身の革命だ 芸術の革命から政治の革命へ 1913~1917>
1章は未来派による芸術の革命ということで、「スプレマティズム」を確立したカジミール・マレーヴィチのオペラの衣装デザインなどが展示されていました。マレーヴィチに関しては、キュビスムをさらに突き進めたような抽象画を何度か観ているので、いくらか予備知識はありました。
カジミール・マレーヴィチ 「オペラ『太陽の征服』」
1913年に上演されたオペラ『太陽の征服』の衣装です。これはその台本の表紙で、抽象的な(スプレマティズムかな?)絵が描かれていました。何が描いてあるのかさっぱりわからずw しょっぱなから難解です。
カジミール・マレーヴィチ 「オペラ『太陽の征服』衣装デザイン(先住民、新住民、未来の強者、太っちょ)」
三角や四角が多いデザインの衣装のデザインです。隣ではこの衣装を着て実際に上演している再現映像(日本語で再現)を観ることができました。とりあえず、全然オペラって感じじゃないw たまに歌いだして、歌もミュージカルっぽいかな。衣装デザイン通りの太っちょの男などが出ているのは分かりましたが、内容の意味はまったく分からなかったw これが始めて上演された時、会場では驚きと怒号が飛び交ったそうです。そりゃそうだろうなあ…。
<2章 広場はぼくらのパレット 芸術とプロパガンダ 1917~1921>
この章はロシア革命によって誕生した新政府の国策宣伝に使われた芸術を紹介していました。国民の70%が文盲だったらしく絵を使うのが有効だったそうです。
ナターリヤ・ダニコ 「チェス駒 <赤と白>」 ★こちらで観られます
チェスの駒で、赤い駒が赤軍(革命政府)、白い駒が白軍(ロマノフ朝)を表しています。赤駒は労働者や農民の理想像といった雰囲気で、白駒は王の奴隷として表現されていて、ポーンは鎖に縛られ、王の顔は骸骨でした。非常に分かりやすいプロパガンダで面白いです。
ウラジーミル・レーベジェフ 「働きたまえ、恐れることはない、君のライフルはすぐ近くにある」
直線と円で幾何学的に単純化された人が、のこぎりのような物を持ち、下にあるライフルらしきものを加工しようと前かがみになっています。労働をテーマにしつつも先進的な表現で、まだこの辺は芸術的な側面を感じる時代です。
ウラジーミル・タトリン 「第三インターナショナル記念塔」(映像製作 長倉威彦)
CGで記念塔のデザインを映像にしたものです。実際に作られたらこうだったというのを当時の街の映像と混ぜたもので、本当にこういうものがあったのかと思うくらいリアルなCGでした。この鉄塔は高さ400mでらせん状のレールがまきついたピラミッドのような形で、立方体のブロックが年に1回転、ピラミッド部分が月に1回点、円塔部分が1日1回転、半球部分が1時間に1回転 という計画だったようです。まあ、無理だろ!という計画ですねw CGどおりに出来ていたら、ちょっと異様な未来風建築になったように思います。
<3章 生活建設の旗印のもとに ネップ(新経済政策)の時代 1921~1928>
ロシア革命後、しばらくすると内戦と飢饉から立て直すために1921年に「ネップ」という市場経済が一部導入されました。革命の理想から遠ざかり、左翼芸術家は芸術で大衆を扇動しようと「生活の芸術建設」を呼びかけたそうです。ここではそういった生活の品々が展示されていました。
ミハイル・アダモヴィチ 「皿 <働かざる者食うべからず>」
初期ソ連のスローガンで、日本でもよく知られてるんじゃないかと。皿に食糧配給のチケットやレーニンの横顔、赤い★などが描かれています。カラフルな感じですが、全体主義的な雰囲気で怖い…。隣にはキュビスムの絵に出てきそうな奇妙な形のカップなども展示されていて、そっちは面白かったかな。
アレクサンドル・ロトチェンコ 「映画 <戦艦ポチョムキン>」
2枚セットのポスター。右は戦艦の砲台で何かの作業をしている人。左は反乱を起こした船員が生みに上官を突き落としているシーンです。隣で実際の映画が上映されていて、上官を突き落とすシーンや牧師に暴行をしているシーンが流れていました。どういう映画で何故そういうシーンなのか分からなかった…。説明がもっとほしいところでした。
ウラジーミル・マヤコフスキー、ヴァルヴァーラ・ステパーノヴァ 「『アカトウガラシ』の購読者だけが心から笑えるのです」 ★こちらで観られます
今回のポスターになっている作品です。幾何学的な人の形の頭の部分に読者の笑顔が描かれています。この『アカトウガラシ』は滑稽本らしいです。この幾何学的なところはロシアアヴァンギャルドっぽい気がします。
アレクサンドル・ロトチェンコ 「労働者クラブのチェステーブル&チェアとチェス盤」
赤い椅子、赤と黒のチェス盤、黒い椅子の3つが一体化しているテーブルで、当時のデザイン画を実際につくってみたものらしいです。直線と三角の組み合わさったシンプルだけれども未来的なデザインでした。
アレクサンドル・ロトチェンコ(デザイン) 「労働者クラブの読書テーブル&チェア」
半円と直線を組み合わせたデザインの椅子で、実際に坐れました。肘掛が肩の高さまできてキツイかな。これじゃ実用的じゃないなと思ったら、実際に使われていた写真も展示されていました。
エリザヴェータ・ヤクーニナ 「『オクタヴィアン』衣装」
舞台の衣装です。紫の上着に円形に広がるスカートです。傘の骨組みたいなスカートで一部にしか布がないのが斬新でした。他にもこのあたりには奇抜な舞台衣装が多くありました。
アルトゥール・リャンツベルグ 「『医者』衣装デザイン」
色々と狂った感じがする衣装デザインw 青い頭に円い眼鏡をかけ、耳に注射器を挟む医者が描かれていて、右手には点滴を持ち白と黒と謎のデザインで埋め尽くされた服を着ていました。医者に何か嫌な目にあったのかな?毒々しい雰囲気でした。他にも左右に似た雰囲気の謎のデザイン画がありました。
ヨシフ・ラングバルト 「レニングラードのフィンランド駅のレーニン像プロジェクト」
天に握手を求めるように手を差し伸べるレーニンの像を描いた絵です。レーニンだけ薄い赤で描かれていて目立ちます。周りにはキュビスム風の黒い家が描かれ、絵の右上にはソ連のマークである鎌と槌が描かれていました。そこに光り輝くような斜線が放出されてて強調されていました。非常に政治的な意味合いが強まって、段々と芸術って感じじゃなくなってきた気がしました。
イヴァン・レオニドフ(設計) Y.ヴォルチョク(研究) 「モスクワ・レーニン丘(ヴァラビョーヴィ丘)のレーニン図書館学研究所」
球体とビルと橋が組み合わさったような研究所のデザインを、実際に置かれる予定だった場所にCGで合成したものです。、近未来的でこういう科学博物館とかありそう。こういう幾何学的なのはソ連時代でも面白いです。
<4章 社会主義リアリズムに向けて 五ヵ年計画の時代 1928~1937>
先ほどの「ネップ」と社会主義の矛盾が広がった中、1929年にスターリンは「五ヵ年計画」の導入を決めて実施しました。コルホーズによる農業の集団化や重工業国への転換を図り、そこでまたプロパガンダとして芸術を使ったそうです。しかし、1932年に全ての芸術団体の解散を命令し、代わりに作られたソ連作家同盟は「社会主義リアリズム」を唯一の規範として、それまでのアバンギャルドは批判されるようになりました。さらにこの年には粛清(処刑)の嵐が吹き荒れ、それまでの主な芸術家の何名かも粛清されて消えていったそうです・・・。
五カ年計画にコルホーズ、中学校で習った懐かしい単語が並びましたが、実に恐ろしい時代ですね。作品もつまらないものが多かったw
グスタフ・クルツィス 「五ヵ年計画を4年で達成しよう」
写真のコラージュでできた縦長のポスター。赤地に角度の異なるクレーンが3つ画面を分割し、下のほうには群集が点のようになっています。デザイン的には好みかな。この辺の作品は否応無しに政治色が強いです。
ウラジーミル & ゲオルギー・ステンベルグ 「映画『カメラを持った男』」
以前、「無声時代ソビエト映画ポスター展」(東京国立近代美術館フィルムセンター)のポスターだった作品。こういう作品だったら面白いんですが、そんな多くないみたい。
参考:以前撮った、「無声時代ソビエト映画ポスター展」の告知ポスター

タチヤナ・ブルーニ 「女子共産青年同盟員 衣装デザイン」
1章のマレーヴィチの絵みたいな、赤と白の服。すごく我々と共産主義文化との隔たりを感じる服でした。
この辺にはソヴィエト・テキスタイルというスプレマティズムのデザインによる布が展示されていました。絵では意味不明でも服に使うとお洒落な感じ!w
ヤーコフ・チェルニホフ 「建設ファンタジー 101のカラー・コンポジション、101の建設小図」
最後は映画のポスターとか建築のデザインのコーナーでした。斬新で未来的なデザイン画が一面に張られていました。
ということで、1~2章あたりは先進的な感じもしましたが、3~4章は全体主義的な恐ろしさや非人間性も感じるセンスで、よく知っている芸術体系とは完全に別世界の政治色の強い雰囲気でした。たまに観る分には面白いけど、こういう文化になったら味気ないでしょうね。
この後、常設も観ていきました。次回は常設と外の彫刻作品をご紹介します。
以前このブログでも紹介した、「青春のロシア・アヴァンギャルド展」(文化村やこの美術館で開催していました)や、「無声時代ソビエト映画ポスター展」(東京国立近代美術館フィルムセンター)で観たロシア王朝末期~ソ連時代の独特の雰囲気を久々に観ようと思っていってきました。



【展覧名】
ロシアの夢 1917-1937 革命から生活へ-ロシア・アヴァンギャルドのデザイン
【公式サイト】
http://www.momas.jp/3.htm
【会場】埼玉県立近代美術館
【最寄】北浦和駅
【会期】2009年10月10日(土)~2009年12月6日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日12時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_②_3_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
この日はたまたま500円で入れる日でラッキーでした。しかし、内容が難解な上、解説機が無かったのが辛かったです。作品と社会・政治が密接に関わっているだけに、説明を何度も読み返しても当時のソ連の世相を知らないので、よく分からないで終わった作品も多かったです。完全に西側諸国の流れとは違い、ちょっと無機質な怖さも感じるのは相変らずでした。
いつもどおり、章ごとに気になった作品をご紹介します。
<1章 ぼく自身の革命だ 芸術の革命から政治の革命へ 1913~1917>
1章は未来派による芸術の革命ということで、「スプレマティズム」を確立したカジミール・マレーヴィチのオペラの衣装デザインなどが展示されていました。マレーヴィチに関しては、キュビスムをさらに突き進めたような抽象画を何度か観ているので、いくらか予備知識はありました。
カジミール・マレーヴィチ 「オペラ『太陽の征服』」
1913年に上演されたオペラ『太陽の征服』の衣装です。これはその台本の表紙で、抽象的な(スプレマティズムかな?)絵が描かれていました。何が描いてあるのかさっぱりわからずw しょっぱなから難解です。
カジミール・マレーヴィチ 「オペラ『太陽の征服』衣装デザイン(先住民、新住民、未来の強者、太っちょ)」
三角や四角が多いデザインの衣装のデザインです。隣ではこの衣装を着て実際に上演している再現映像(日本語で再現)を観ることができました。とりあえず、全然オペラって感じじゃないw たまに歌いだして、歌もミュージカルっぽいかな。衣装デザイン通りの太っちょの男などが出ているのは分かりましたが、内容の意味はまったく分からなかったw これが始めて上演された時、会場では驚きと怒号が飛び交ったそうです。そりゃそうだろうなあ…。
<2章 広場はぼくらのパレット 芸術とプロパガンダ 1917~1921>
この章はロシア革命によって誕生した新政府の国策宣伝に使われた芸術を紹介していました。国民の70%が文盲だったらしく絵を使うのが有効だったそうです。
ナターリヤ・ダニコ 「チェス駒 <赤と白>」 ★こちらで観られます
チェスの駒で、赤い駒が赤軍(革命政府)、白い駒が白軍(ロマノフ朝)を表しています。赤駒は労働者や農民の理想像といった雰囲気で、白駒は王の奴隷として表現されていて、ポーンは鎖に縛られ、王の顔は骸骨でした。非常に分かりやすいプロパガンダで面白いです。
ウラジーミル・レーベジェフ 「働きたまえ、恐れることはない、君のライフルはすぐ近くにある」
直線と円で幾何学的に単純化された人が、のこぎりのような物を持ち、下にあるライフルらしきものを加工しようと前かがみになっています。労働をテーマにしつつも先進的な表現で、まだこの辺は芸術的な側面を感じる時代です。
ウラジーミル・タトリン 「第三インターナショナル記念塔」(映像製作 長倉威彦)
CGで記念塔のデザインを映像にしたものです。実際に作られたらこうだったというのを当時の街の映像と混ぜたもので、本当にこういうものがあったのかと思うくらいリアルなCGでした。この鉄塔は高さ400mでらせん状のレールがまきついたピラミッドのような形で、立方体のブロックが年に1回転、ピラミッド部分が月に1回点、円塔部分が1日1回転、半球部分が1時間に1回転 という計画だったようです。まあ、無理だろ!という計画ですねw CGどおりに出来ていたら、ちょっと異様な未来風建築になったように思います。
<3章 生活建設の旗印のもとに ネップ(新経済政策)の時代 1921~1928>
ロシア革命後、しばらくすると内戦と飢饉から立て直すために1921年に「ネップ」という市場経済が一部導入されました。革命の理想から遠ざかり、左翼芸術家は芸術で大衆を扇動しようと「生活の芸術建設」を呼びかけたそうです。ここではそういった生活の品々が展示されていました。
ミハイル・アダモヴィチ 「皿 <働かざる者食うべからず>」
初期ソ連のスローガンで、日本でもよく知られてるんじゃないかと。皿に食糧配給のチケットやレーニンの横顔、赤い★などが描かれています。カラフルな感じですが、全体主義的な雰囲気で怖い…。隣にはキュビスムの絵に出てきそうな奇妙な形のカップなども展示されていて、そっちは面白かったかな。
アレクサンドル・ロトチェンコ 「映画 <戦艦ポチョムキン>」
2枚セットのポスター。右は戦艦の砲台で何かの作業をしている人。左は反乱を起こした船員が生みに上官を突き落としているシーンです。隣で実際の映画が上映されていて、上官を突き落とすシーンや牧師に暴行をしているシーンが流れていました。どういう映画で何故そういうシーンなのか分からなかった…。説明がもっとほしいところでした。
ウラジーミル・マヤコフスキー、ヴァルヴァーラ・ステパーノヴァ 「『アカトウガラシ』の購読者だけが心から笑えるのです」 ★こちらで観られます
今回のポスターになっている作品です。幾何学的な人の形の頭の部分に読者の笑顔が描かれています。この『アカトウガラシ』は滑稽本らしいです。この幾何学的なところはロシアアヴァンギャルドっぽい気がします。
アレクサンドル・ロトチェンコ 「労働者クラブのチェステーブル&チェアとチェス盤」
赤い椅子、赤と黒のチェス盤、黒い椅子の3つが一体化しているテーブルで、当時のデザイン画を実際につくってみたものらしいです。直線と三角の組み合わさったシンプルだけれども未来的なデザインでした。
アレクサンドル・ロトチェンコ(デザイン) 「労働者クラブの読書テーブル&チェア」
半円と直線を組み合わせたデザインの椅子で、実際に坐れました。肘掛が肩の高さまできてキツイかな。これじゃ実用的じゃないなと思ったら、実際に使われていた写真も展示されていました。
エリザヴェータ・ヤクーニナ 「『オクタヴィアン』衣装」
舞台の衣装です。紫の上着に円形に広がるスカートです。傘の骨組みたいなスカートで一部にしか布がないのが斬新でした。他にもこのあたりには奇抜な舞台衣装が多くありました。
アルトゥール・リャンツベルグ 「『医者』衣装デザイン」
色々と狂った感じがする衣装デザインw 青い頭に円い眼鏡をかけ、耳に注射器を挟む医者が描かれていて、右手には点滴を持ち白と黒と謎のデザインで埋め尽くされた服を着ていました。医者に何か嫌な目にあったのかな?毒々しい雰囲気でした。他にも左右に似た雰囲気の謎のデザイン画がありました。
ヨシフ・ラングバルト 「レニングラードのフィンランド駅のレーニン像プロジェクト」
天に握手を求めるように手を差し伸べるレーニンの像を描いた絵です。レーニンだけ薄い赤で描かれていて目立ちます。周りにはキュビスム風の黒い家が描かれ、絵の右上にはソ連のマークである鎌と槌が描かれていました。そこに光り輝くような斜線が放出されてて強調されていました。非常に政治的な意味合いが強まって、段々と芸術って感じじゃなくなってきた気がしました。
イヴァン・レオニドフ(設計) Y.ヴォルチョク(研究) 「モスクワ・レーニン丘(ヴァラビョーヴィ丘)のレーニン図書館学研究所」
球体とビルと橋が組み合わさったような研究所のデザインを、実際に置かれる予定だった場所にCGで合成したものです。、近未来的でこういう科学博物館とかありそう。こういう幾何学的なのはソ連時代でも面白いです。
<4章 社会主義リアリズムに向けて 五ヵ年計画の時代 1928~1937>
先ほどの「ネップ」と社会主義の矛盾が広がった中、1929年にスターリンは「五ヵ年計画」の導入を決めて実施しました。コルホーズによる農業の集団化や重工業国への転換を図り、そこでまたプロパガンダとして芸術を使ったそうです。しかし、1932年に全ての芸術団体の解散を命令し、代わりに作られたソ連作家同盟は「社会主義リアリズム」を唯一の規範として、それまでのアバンギャルドは批判されるようになりました。さらにこの年には粛清(処刑)の嵐が吹き荒れ、それまでの主な芸術家の何名かも粛清されて消えていったそうです・・・。
五カ年計画にコルホーズ、中学校で習った懐かしい単語が並びましたが、実に恐ろしい時代ですね。
グスタフ・クルツィス 「五ヵ年計画を4年で達成しよう」
写真のコラージュでできた縦長のポスター。赤地に角度の異なるクレーンが3つ画面を分割し、下のほうには群集が点のようになっています。デザイン的には好みかな。この辺の作品は否応無しに政治色が強いです。
ウラジーミル & ゲオルギー・ステンベルグ 「映画『カメラを持った男』」
以前、「無声時代ソビエト映画ポスター展」(東京国立近代美術館フィルムセンター)のポスターだった作品。こういう作品だったら面白いんですが、そんな多くないみたい。
参考:以前撮った、「無声時代ソビエト映画ポスター展」の告知ポスター

タチヤナ・ブルーニ 「女子共産青年同盟員 衣装デザイン」
1章のマレーヴィチの絵みたいな、赤と白の服。すごく我々と共産主義文化との隔たりを感じる服でした。
この辺にはソヴィエト・テキスタイルというスプレマティズムのデザインによる布が展示されていました。絵では意味不明でも服に使うとお洒落な感じ!w
ヤーコフ・チェルニホフ 「建設ファンタジー 101のカラー・コンポジション、101の建設小図」
最後は映画のポスターとか建築のデザインのコーナーでした。斬新で未来的なデザイン画が一面に張られていました。
ということで、1~2章あたりは先進的な感じもしましたが、3~4章は全体主義的な恐ろしさや非人間性も感じるセンスで、よく知っている芸術体系とは完全に別世界の政治色の強い雰囲気でした。たまに観る分には面白いけど、こういう文化になったら味気ないでしょうね。
この後、常設も観ていきました。次回は常設と外の彫刻作品をご紹介します。
記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。


更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter
浅草寺の白鷺の舞を観た後、近くの通りで行われた「東京時代まつり行列歴史絵」を観て写真を撮ってきました。この日は日差しが強く、陽光と陰影が濃くて難しかった…。ちょっと失敗気味のが多いですが、なるべくマシなのを使ってご紹介したいと思います。
この行事は平成に入ってから始まったものらしく、その名の通り絵巻のように、この地で観音様が祭られた奈良時代から明治あたりまでの衣装をまとった行列が1時間半くらい続くものです。
最初に上野の国立西洋美術館を世界遺産に!という垂れ幕がきてからスタートました。(西洋美術館はル・コルビュジエの設計なのです)
参考リンク:
白鷺の舞
東京時代まつり行列歴史絵巻
まずは金龍の舞。 3月に浅草寺で行われる舞らしいです。 参考:金龍の舞(きんりゅうのまい)

長崎くんちみたい??

白鷺の舞と同じく楽人かな。

ここからが本格的に「東京時代祭」の始まりです。

浅草観音示現。推古36年(628年)に漁師が隅田川で金の観音像を発見したのが浅草寺の起源らしいです。発見の真偽はさておき、とりあえずそんな時代に仏教がここまで来たとは知りませんでした。

在原業平の東下り。美術好きなら伊勢物語を主題にした作品を何度も目にするかと思います。在原業平は伝承どおりにイケメンが配役されていました。

一行のアップ。

江戸太郎や源頼朝の行列。(源頼朝 隅田川陣営)

北条政子 浅草寺参詣

午前中にも観た白鷺の舞。もう一回観られました。

足を上げて踊る様子。ちょっと影で見えにくくてすみません(><)

羽を広げた姿。

こんな感じで踊りながら行進してくれました。

三社大権現祭礼 船渡御。「神事びんざさら」という旗を持った一行でした。お御輿もきました。

三社祭のお神輿らしいです。立派です。

神事らしい格好をした人もきました。

これも三社祭の一行。

江戸開祖の太田道灌。道灌が鷹狩に行って雨に降られた時、蓑を借りようと近くの民家の娘に尋ねたところ、娘は有名な和歌になぞられて実のならない山吹を振った(蓑は無いよと伝えています)のを理解できなかったそうで、それを恥じた道灌は文化人になるべく精進したそうです。

続いて、江戸城御石曳。中学生くらいの子たちが石(の模型)を引っ張っていました。上に乗ってる人が激を飛ばしていました。

徳川家康 江戸入府。

春日局と大奥の一行もいましたが良い写真が撮れず。。
3台将軍徳川家光。この家光役は台東区の区長さんらしいです。

参勤交代 大名行列。 だめな写真ですみません(><) ただ歩いてるだけでなく振り付けと掛け声もあり、この長い棒(見通し?)も向かいの人に投げて渡してました。

元禄花見踊り。艶やかでした。

義士の討ち入り。一人一人名前が入っていました。

大岡越前守と江戸町火消。出初式みたいな雰囲気かもw

浅草市村座七福神舞。きもくて怖かったw

猿若三座 江戸歌舞伎。見事に決まった顔をしてくれました。この後に江戸の人気者(一心太助や水戸黄門とか)や、江戸芸者も行進していました。虚実が混じるw

黒船来航・浦賀奉行。扮しているのは横須賀基地のアメリカ軍の軍人さんたち。リアルですw

新撰組もきました。ちょっと違和感がw 徳川慶喜や勝海舟、坂本竜馬、樋口一葉などもいました。

新政府軍。

ということで、結構気合の入った祭りで、ダイジェスト的に見られるのが面白かったです。毎年やるみたいなので、来年以降で秋に浅草観光に行くならこの日をお勧めします。
この行事は平成に入ってから始まったものらしく、その名の通り絵巻のように、この地で観音様が祭られた奈良時代から明治あたりまでの衣装をまとった行列が1時間半くらい続くものです。
最初に上野の国立西洋美術館を世界遺産に!という垂れ幕がきてからスタートました。(西洋美術館はル・コルビュジエの設計なのです)
参考リンク:
白鷺の舞
東京時代まつり行列歴史絵巻
まずは金龍の舞。 3月に浅草寺で行われる舞らしいです。 参考:金龍の舞(きんりゅうのまい)


長崎くんちみたい??


白鷺の舞と同じく楽人かな。

ここからが本格的に「東京時代祭」の始まりです。

浅草観音示現。推古36年(628年)に漁師が隅田川で金の観音像を発見したのが浅草寺の起源らしいです。発見の真偽はさておき、とりあえずそんな時代に仏教がここまで来たとは知りませんでした。

在原業平の東下り。美術好きなら伊勢物語を主題にした作品を何度も目にするかと思います。在原業平は伝承どおりにイケメンが配役されていました。

一行のアップ。

江戸太郎や源頼朝の行列。(源頼朝 隅田川陣営)

北条政子 浅草寺参詣

午前中にも観た白鷺の舞。もう一回観られました。


足を上げて踊る様子。ちょっと影で見えにくくてすみません(><)


羽を広げた姿。

こんな感じで踊りながら行進してくれました。

三社大権現祭礼 船渡御。「神事びんざさら」という旗を持った一行でした。お御輿もきました。


三社祭のお神輿らしいです。立派です。



神事らしい格好をした人もきました。

これも三社祭の一行。


江戸開祖の太田道灌。道灌が鷹狩に行って雨に降られた時、蓑を借りようと近くの民家の娘に尋ねたところ、娘は有名な和歌になぞられて実のならない山吹を振った(蓑は無いよと伝えています)のを理解できなかったそうで、それを恥じた道灌は文化人になるべく精進したそうです。

続いて、江戸城御石曳。中学生くらいの子たちが石(の模型)を引っ張っていました。上に乗ってる人が激を飛ばしていました。


徳川家康 江戸入府。

春日局と大奥の一行もいましたが良い写真が撮れず。。
3台将軍徳川家光。この家光役は台東区の区長さんらしいです。

参勤交代 大名行列。 だめな写真ですみません(><) ただ歩いてるだけでなく振り付けと掛け声もあり、この長い棒(見通し?)も向かいの人に投げて渡してました。

元禄花見踊り。艶やかでした。


義士の討ち入り。一人一人名前が入っていました。

大岡越前守と江戸町火消。出初式みたいな雰囲気かもw

浅草市村座七福神舞。きもくて怖かったw

猿若三座 江戸歌舞伎。見事に決まった顔をしてくれました。この後に江戸の人気者(一心太助や水戸黄門とか)や、江戸芸者も行進していました。虚実が混じるw


黒船来航・浦賀奉行。扮しているのは横須賀基地のアメリカ軍の軍人さんたち。リアルですw

新撰組もきました。ちょっと違和感がw 徳川慶喜や勝海舟、坂本竜馬、樋口一葉などもいました。

新政府軍。

ということで、結構気合の入った祭りで、ダイジェスト的に見られるのが面白かったです。毎年やるみたいなので、来年以降で秋に浅草観光に行くならこの日をお勧めします。
記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。


更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter
久々に写真の記事です。去る11/3の文化の日に浅草寺の「白鷺の舞」と「東京時代まつり行列歴史絵巻」を観に行って写真を撮ってきました。今日はまず、浅草寺自体と11時からの白鷺の舞をご紹介しようと思います。
参考リンク:
白鷺の舞
東京時代まつり行列歴史絵巻
やってきました雷門(風雷神門)。前日までの雨は無く、空には雲ひとつない天気でしたがかなり肌寒い日でした。

雷門を抜けて仲見世を通って本堂に向かいます。かなりごった返していました。

宝蔵門(仁王門)。身近なのに知らなかったのですが、浅草寺の起源は平安時代に遡るそうです。
参考:浅草寺の縁起

宝蔵門と五重塔

近くから。

宝蔵門の裏。大きなわらじが奉納されています。

五重塔。この前で11:00から白鷺の舞が行われましたが、着いた頃にはほぼ終わりでしたw

白鷺の舞。以下は公式サイトからの抜粋です。
『昭和43年(1968)の「東京百年祭」を記念して創始奉納されたのが「白鷺の舞」です。京都八坂神社の祇園祭の「鷺舞(さぎまい)」を参考にして、『浅草寺縁起』の遷座(せんざ)式に登場する「白鷺の舞」を再興したものです。』

白鷺さんたち。白い羽と白鷺の頭が特徴です。

退場の際に撮った白鷺さん。メイクも真っ白です。 翼を広げた舞が優雅でした。この後、時代祭りでも踊りを観ることができました。

公式サイトによると、 「白鷺」8名、「武者」3名、「棒ふり」1名、「大傘」1名、「楽人」19名、浅草寺幼稚園園児による「守護童子」などにより構成されているそうです。
おそらく、左は「大傘」 右は「楽人」かな。

白鷺の舞を観た後、本堂(観音堂)も観てきました。今は改装中みたいです。
とりあえず、本堂前の有名なお線香の煙を浴びてきました。

御宮殿。ご本尊は聖観世音菩薩で、真言は「オン・アロリキャ・ソワカ」です。

天井には龍や天女が描かれていました。

本堂を出て、右手では菊の品評会をやっていました。

見事な菊ばかりでした。特にこれが気に入りました。

本堂の右裏あたりで、猿まわしの芸をやっていました。「反省」で一世を風靡した太郎・次郎と同じ一門らしいです。

竹馬で障害物を見事ジャンプ! この芸は見事なアクロバットだけでなく笑いの要素もあって面白いです。

続いて高飛び。自分の背くらいあるバーも軽々とクリア。飛び終えた後はちょっと誇らしげです。

奥のほうはあまり観ずに、早めに「東京時代まつり行列歴史絵巻」の会場に向かいました。
これは仲見世の近くにある二尊仏。 右は観世音菩薩。左は勢至菩薩です。

という感じで、舞と浅草寺を楽しんできました。この後、東京時代まつり行列歴史絵巻(仮装パレードみたいなもの)も撮ったので、次回はそれをご紹介します。
(9月に行った京都の写真もまだ全部紹介できていないですが、それは年末くらいまでに気長に紹介するつもりですw)
参考リンク:
白鷺の舞
東京時代まつり行列歴史絵巻
やってきました雷門(風雷神門)。前日までの雨は無く、空には雲ひとつない天気でしたがかなり肌寒い日でした。

雷門を抜けて仲見世を通って本堂に向かいます。かなりごった返していました。

宝蔵門(仁王門)。身近なのに知らなかったのですが、浅草寺の起源は平安時代に遡るそうです。
参考:浅草寺の縁起

宝蔵門と五重塔


近くから。

宝蔵門の裏。大きなわらじが奉納されています。

五重塔。この前で11:00から白鷺の舞が行われましたが、着いた頃にはほぼ終わりでしたw


白鷺の舞。以下は公式サイトからの抜粋です。
『昭和43年(1968)の「東京百年祭」を記念して創始奉納されたのが「白鷺の舞」です。京都八坂神社の祇園祭の「鷺舞(さぎまい)」を参考にして、『浅草寺縁起』の遷座(せんざ)式に登場する「白鷺の舞」を再興したものです。』

白鷺さんたち。白い羽と白鷺の頭が特徴です。


退場の際に撮った白鷺さん。メイクも真っ白です。 翼を広げた舞が優雅でした。この後、時代祭りでも踊りを観ることができました。


公式サイトによると、 「白鷺」8名、「武者」3名、「棒ふり」1名、「大傘」1名、「楽人」19名、浅草寺幼稚園園児による「守護童子」などにより構成されているそうです。
おそらく、左は「大傘」 右は「楽人」かな。


白鷺の舞を観た後、本堂(観音堂)も観てきました。今は改装中みたいです。
とりあえず、本堂前の有名なお線香の煙を浴びてきました。


御宮殿。ご本尊は聖観世音菩薩で、真言は「オン・アロリキャ・ソワカ」です。

天井には龍や天女が描かれていました。

本堂を出て、右手では菊の品評会をやっていました。

見事な菊ばかりでした。特にこれが気に入りました。

本堂の右裏あたりで、猿まわしの芸をやっていました。「反省」で一世を風靡した太郎・次郎と同じ一門らしいです。

竹馬で障害物を見事ジャンプ! この芸は見事なアクロバットだけでなく笑いの要素もあって面白いです。

続いて高飛び。自分の背くらいあるバーも軽々とクリア。飛び終えた後はちょっと誇らしげです。


奥のほうはあまり観ずに、早めに「東京時代まつり行列歴史絵巻」の会場に向かいました。
これは仲見世の近くにある二尊仏。 右は観世音菩薩。左は勢至菩薩です。

という感じで、舞と浅草寺を楽しんできました。この後、東京時代まつり行列歴史絵巻(仮装パレードみたいなもの)も撮ったので、次回はそれをご紹介します。
(9月に行った京都の写真もまだ全部紹介できていないですが、それは年末くらいまでに気長に紹介するつもりですw)
記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。


更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter
プロフィール
Author:21世紀のxxx者
多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。
関東の方には休日のガイドやデートスポット探し、関東以外の方には東京観光のサイトとしてご覧頂ければと思います。
画像を大きめにしているので、解像度は1280×1024以上が推奨です。
↓ブログランキングです。ぽちっと押して頂けると嬉しいです。
【トラックバック・リンク】
基本的にどちらも大歓迎です。アダルトサイト・商材紹介のみのサイトの方はご遠慮ください。
※TB・コメントは公序良俗を判断した上で断り無く削除することがあります。
※相互リンクに関しては一定以上のお付き合いの上で判断させて頂いております。
【記事・画像について】
当ブログコンテンツからの転載は一切お断り致します。(RSSは問題ありません)
更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter
展覧スケジュール
検索フォーム
ブログ内検索です。
【○○美術館】 というように館名には【】をつけて検索するとみつかりやすいです。
全記事リスト
カテゴリ
リンク
このブログをリンクに追加する
日ごろ参考にしているブログです。こちらにも訪れてみてください。
<美術系サイト>
弐代目・青い日記帳
いづつやの文化記号
あるYoginiの日常
影とシルエットのアート
建築学科生のブログ
彫刻パラダイス
ギャラリークニャ
「 10秒美術館 」 ~元画商がほんのり捧げる3行コメント~
だまけん文化センター
横浜を好きになる100の方法
美術品オークション
<読者サイト>
アスカリーナのいちご日記
Gogorit Mogorit Diary
青い海(沖縄ブログ)
なつの天然生活
月の囁き
桜から四季の花まで、江戸東京散歩日記
うさみさんのお出かけメモ (u_u)
森の家ーイラストのある生活
Croquis
ラクダにひかれてダマスカス
<友人のサイト>
男性に着て欲しいメンズファッション集
Androidタブレット比較
キャンペーン情報をまとめるブログ
日ごろ参考にしているブログです。こちらにも訪れてみてください。
<美術系サイト>
弐代目・青い日記帳
いづつやの文化記号
あるYoginiの日常
影とシルエットのアート
建築学科生のブログ
彫刻パラダイス
ギャラリークニャ
「 10秒美術館 」 ~元画商がほんのり捧げる3行コメント~
だまけん文化センター
横浜を好きになる100の方法
美術品オークション
<読者サイト>
アスカリーナのいちご日記
Gogorit Mogorit Diary
青い海(沖縄ブログ)
なつの天然生活
月の囁き
桜から四季の花まで、江戸東京散歩日記
うさみさんのお出かけメモ (u_u)
森の家ーイラストのある生活
Croquis
ラクダにひかれてダマスカス
<友人のサイト>
男性に着て欲しいメンズファッション集
Androidタブレット比較
キャンペーン情報をまとめるブログ
最新記事
-
最近観た展示 (202303) (05/26)
-
展覧会年間スケジュール (1都3県) 【2023年04月号】 (04/01)
-
最近観た展示 (202302) (03/10)
-
最近観た展示 (202301) (02/10)
-
展覧会年間スケジュール (1都3県) 【2023年01月号】 (01/01)
-
2022年の振り返り (12/31)
-
最近観た展示 (202212) (12/30)
-
最近観た展示 (202211) (12/29)
-
最近観た展示 (202210) (11/11)
-
最近観た展示 (202209) (10/07)
-
展覧会年間スケジュール (1都3県) 【2022年10月号】 (10/02)
-
最近観た展示 (202208) (08/30)
-
最近観た展示 (202206~07) (07/28)
-
展覧会年間スケジュール (1都3県) 【2022年07月号】 (07/07)
-
映画「トップガン マーヴェリック」4DX SCREEN吹替版 (ややネタバレあり) (06/21)
-
映画「シン・ウルトラマン」(ややネタバレあり) (06/20)
-
メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年 (感想後編)【国立新美術館】 (06/12)
-
メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年 (感想前編)【国立新美術館】 (06/06)
-
ダミアン・ハースト 桜 【国立新美術館】 (05/23)
-
最後の印象派、二大巨匠 シダネルとマルタン展 【SOMPO美術館】 (05/16)
-
最近観た展示 (05/09)
-
ミロ展-日本を夢みて (感想後編)【Bunkamura ザ・ミュージアム】 (04/25)
-
ミロ展-日本を夢みて (感想前編)【Bunkamura ザ・ミュージアム】 (04/20)
-
奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム 【東京都庭園美術館】 (04/11)
-
展覧会年間スケジュール (1都3県) 【2022年04月号】 (04/01)
-
【密蔵院】の安行寒桜の写真 (03/27)
-
グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生【世田谷美術館】 (03/22)
-
大・タイガー立石展 世界を描きつくせ!【うらわ美術館】 (03/14)
-
大・タイガー立石展 世界を描きつくせ! 【埼玉県立近代美術館】 (03/07)
-
もうすぐ再開予定 (02/28)
-
2021 MOMASコレクション 第3期 【埼玉県立近代美術館】 (01/21)
-
鎌倉の写真 (2021年11月) (01/18)
-
没後70年 吉田博展 【川越市立美術館】 (01/16)
-
今後の更新について (01/14)
-
【山崎美術館】の案内 (2021年11月) (01/11)
-
保岡勝也 「旧山崎家別邸」 (01/09)
-
映画「劇場版 呪術廻戦 0」(ややネタバレあり) (01/07)
-
TERUHISA KITAHARA 鉄道コレクション展 【京橋エドグランタウンミュージアム】 (01/05)
-
展覧会年間スケジュール (1都3県) 【2022年01月号】 (01/01)
-
2021年の振り返り (12/31)
-
ヘラルボニー/ゼロからはじまる 【BAG-Brillia Art Gallery】 (12/29)
-
映画「キングスマン:ファースト・エージェント」(ややネタバレあり) (12/27)
-
横溝美由紀「Landscape やわらかな地平のその先に」 【ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX】 (12/26)
-
第15回 shiseido art egg 【資生堂ギャラリー】 (12/23)
-
映画「マトリックス レザレクションズ」(ややネタバレあり) (12/21)
-
ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ 【パナソニック汐留美術館】 (12/19)
-
鈴木其一・夏秋渓流図屏風 【根津美術館】 (12/16)
-
【根津美術館】の紅葉 2021年11月 (12/14)
-
カフェラヴォワ 【新宿界隈のお店】 (12/12)
-
川瀬巴水 旅と郷愁の風景 【SOMPO美術館】 (12/10)
最新コメント
- 21世紀のxxx者:イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン (感想後編)【三菱一号館美術館】 (12/09)
- ゆーき:イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン (感想後編)【三菱一号館美術館】 (12/09)
- 21世紀のxxx者:奇蹟の芸術都市バルセロナ (感想前編)【東京ステーションギャラリー】 (01/03)
- うさぴょん:キヨノサチコ絵本原画の世界 みんな大好き!ノンタン展 【松屋銀座】 (03/21)
- 21世紀のxxx者:川豊 【成田界隈のお店】 (03/04)
- 21世紀のxxx者:劇団四季 「MAMMA MIA!(マンマ・ミーア!)」 (03/04)
- 萌音:川豊 【成田界隈のお店】 (03/03)
最新トラックバック
月別アーカイブ
- 2023/05 (1)
- 2023/04 (1)
- 2023/03 (1)
- 2023/02 (1)
- 2023/01 (1)
- 2022/12 (3)
- 2022/11 (1)
- 2022/10 (2)
- 2022/08 (1)
- 2022/07 (2)
- 2022/06 (4)
- 2022/05 (3)
- 2022/04 (4)
- 2022/03 (4)
- 2022/02 (1)
- 2022/01 (9)
- 2021/12 (12)
- 2021/11 (14)
- 2021/10 (10)
- 2021/09 (6)
- 2021/08 (9)
- 2021/07 (10)
- 2021/06 (9)
- 2021/05 (11)
- 2021/04 (12)
- 2021/03 (12)
- 2021/02 (13)
- 2021/01 (13)
- 2020/12 (13)
- 2020/11 (14)
- 2020/10 (14)
- 2020/09 (14)
- 2020/08 (15)
- 2020/07 (14)
- 2020/06 (15)
- 2020/05 (15)
- 2020/04 (16)
- 2020/03 (24)
- 2020/02 (26)
- 2020/01 (28)
- 2019/12 (28)
- 2019/11 (26)
- 2019/10 (28)
- 2019/09 (28)
- 2019/08 (28)
- 2019/07 (28)
- 2019/06 (28)
- 2019/05 (28)
- 2019/04 (28)
- 2019/03 (28)
- 2019/02 (26)
- 2019/01 (29)
- 2018/12 (29)
- 2018/11 (28)
- 2018/10 (29)
- 2018/09 (27)
- 2018/08 (29)
- 2018/07 (29)
- 2018/06 (28)
- 2018/05 (29)
- 2018/04 (28)
- 2018/03 (29)
- 2018/02 (26)
- 2018/01 (28)
- 2017/12 (30)
- 2017/11 (28)
- 2017/10 (30)
- 2017/09 (27)
- 2017/08 (26)
- 2017/07 (25)
- 2017/06 (9)
- 2017/05 (18)
- 2015/04 (1)
- 2014/12 (1)
- 2014/10 (1)
- 2014/09 (1)
- 2014/08 (1)
- 2014/07 (1)
- 2014/06 (1)
- 2014/05 (1)
- 2014/04 (6)
- 2014/03 (12)
- 2014/02 (11)
- 2014/01 (16)
- 2013/12 (15)
- 2013/11 (17)
- 2013/10 (22)
- 2013/09 (23)
- 2013/08 (22)
- 2013/07 (24)
- 2013/06 (20)
- 2013/05 (25)
- 2013/04 (23)
- 2013/03 (24)
- 2013/02 (23)
- 2013/01 (27)
- 2012/12 (24)
- 2012/11 (27)
- 2012/10 (28)
- 2012/09 (27)
- 2012/08 (28)
- 2012/07 (28)
- 2012/06 (27)
- 2012/05 (22)
- 2012/04 (18)
- 2012/03 (28)
- 2012/02 (26)
- 2012/01 (28)
- 2011/12 (28)
- 2011/11 (27)
- 2011/10 (28)
- 2011/09 (27)
- 2011/08 (27)
- 2011/07 (28)
- 2011/06 (27)
- 2011/05 (28)
- 2011/04 (27)
- 2011/03 (23)
- 2011/02 (26)
- 2011/01 (28)
- 2010/12 (28)
- 2010/11 (28)
- 2010/10 (29)
- 2010/09 (27)
- 2010/08 (29)
- 2010/07 (28)
- 2010/06 (28)
- 2010/05 (27)
- 2010/04 (27)
- 2010/03 (31)
- 2010/02 (27)
- 2010/01 (29)
- 2009/12 (29)
- 2009/11 (28)
- 2009/10 (24)
- 2009/09 (25)
- 2009/08 (27)
- 2009/07 (23)
- 2009/06 (20)
- 2009/05 (29)
- 2009/04 (30)
- 2009/03 (14)
- 2009/02 (5)
- 2009/01 (2)
- 2008/11 (1)
メディア掲載
記事の共有
この記事をツイートする
ツイート
広告
美術鑑賞のお供
細かい美術品を見るのに非常に重宝しています。
愛機紹介
このブログの写真を撮ってます。上は気合入れてる時のカメラ、下は普段使いのカメラです。
RSSリンクの表示
QRコード

アクセスランキング
twitter
メールフォーム
※できるだけコメント欄にお願い致します。(管理人だけに表示機能を活用ください) メールは法人の方で、会社・部署・ドメインなどを確認できる場合のみ返信致します。