Archive | 2009年11月
先日、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで始まった、「ロートレック・コネクション」展を観に行ってきました。最近だと2年くらい前にサントリー美術館でもロートレックの大規模な展覧がありましたが、この展覧会は一味違います。タイトルを観て、「コレクション」と勘違いしそうですが「コネクション」です。というのは、ロートレック自身の作品だけでなく、彼を通じて関わりのあった画家を紹介するという趣旨の内容で、ロートレックの個展とはだいぶ趣が違いました。

【展覧名】
ロートレック・コネクション
【公式サイト】
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/09_lautrec/index.html
【会場】Bunkamuraザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅/京王井の頭線神泉駅
【会期】2009年11月10日(火)-12月23日(水・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間40分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日17時半頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
いつも感覚で決めている作品充実度ですが、今回は④をつけたけれど、ロートレックの展覧はどうしてもリトグラフ中心になるので、③にしようか悩みましたw しかし、周りの画家の作品で東京では中々観られなそうなものもあったように思いますので、④にしておきました。その分、色々な画家が出てくる展示なので、ある程度この時代の絵画の知識がないと消化不良になるかもしれないです。あまり詳しくない方には若干わかりづらい可能性がありますので、ある程度予習したほうがいいかも?? この感想でも多目に画家をご紹介しますので、気になる画家は調べてみると良いかと思います。
今回も章ごとに気に入った作品をご紹介
<1章 画学生時代―出会いと影響>
まず最初の章ではロートレックの画業の始まりをテーマにしていました。先にちょっとご説明しますと、少年時代の事故で下半身の成長が止まったロートレックは、動物画家のルネ・プランストーに出会い、絵画の世界を目指すようになりました。その近所にはジャン=ルイ・フォランのアトリエもあり、そこからも大いに学んだそうです。その後、フェルナン・コルモンの画塾に移り、そこでは新しい潮流を受け入れることを奨励されていたようですが、保守的な手法だったそうです。 また、その画塾には1886年にゴッホが入ってきて、ベルナールらと共にロートレックと親交を深めました。みな日本の浮世絵への感心が高いという共通点があったようですが、ロートレックは印象派とは距離を置いたようです。
ルネ・プランストー 「眺め」
ロートレックの父や叔父が高く評価した画家で、この画家がロートレックの画業の出発点でした。この絵は手前から奥に伸びる背の高い並木道に、3組の騎馬兵が描かれています。ラッパ?を持って赤い制服を着て黒い帽子を被っています。 水彩の淡い色使いで、爽やかな印象です。影のつけ方もいい感じでした。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「厩舎の黒馬」
ロートレックの若い頃の作品です。狩猟で身近だった馬を題材にしていて、暗い厩舎の中にいる左向きの黒い馬が描かれています。隣には先生であるルネ・プランストーの「厩舎の馬」が飾られていて、比べると確かに雰囲気が似ていましたが、ちょっと印象派みたいな絵でした。
フェルナン・コルモン(本名フェルナン=アンヌ・ピエストル)「海を見る少女」
先ほどご紹介した画塾の先生の作品です。暗く曇った海辺で座って足を伸ばす裸婦が描かれています。左手をあげて、顔の前をさえぎるようなポーズをしています。肉感的で写実的な肌の色をしていて、艶やかな髪は毛の流れまで分かるくらいでした。謎めいていて幻想的です。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「ジャンヌ」
↑のコルモンの隣に展示されています。油彩で描かれた写実的な裸婦です。室内にいて、簡素で暗い色調です。解説によると伝統的でデッサンがしっかりしているとのことでした。既にベースがしっかりしていたようです。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「初めての聖体拝領」
よく知るロートレックらしい雰囲気の作品です。街角でベビーカーを押す紳士、まるで花嫁衣裳のような服を着た少女、そしてその母親が描かれています。世俗の様子を描くところもその後のロートレックの作風を感じました。
ルイ・アンクタン 「自画像」
コルモン画塾での親友の作品。新しい画風を模索していた彼とロートレックは熱く芸術論を討議したらしいです。この絵は平坦でぼやけたような自画像で、帽子を被って振り返っています。あまり知られていない画家ですがロートレックにも影響を与えたみたいでした。
シュザンヌ・ヴァラドン 「自画像」
ユトリロの母です。彼女とロートレックは愛人関係だったそうで、お互い二十歳くらいの時に付き合っていたようですが、長くは続かなかったようです。(原因はロートレックの嫉妬) この絵はロートレックと別れてだいぶ経つ、シュザンヌ・ヴァラドンが53歳の頃の作品で、原始的な力強さを感じる自画像でした。結構怖い顔してるかも。(ユトリロ展で知る限り、あまり良い母親ではなかったようですし…。)
ポール・ゴーギャン 「ブルターニュの少年と鵞鳥(がちょう)」
ロートレックは同じ画塾のゴッホを通じて、ゴーギャンとも知り合いだったはずですが、親しくはなかったそうです。この絵はオレンジ、朱色、緑、黄緑、黄土色など力強い色の紅葉が描かれ、その下でガチョウが羽を広げて少年が岩に手を載せてぼーっとしています。ゴーギャンらしい平坦で鮮やかな色使いの作品でした。
エミール・ベルナール 「ポン=タヴェンの市場」
身勝手な振る舞いのためコルモンの画塾から追い出されたベルナールの作品です。画風はゴーギャンに似ています。この絵は白いフードを被った黒衣の女性達が市場で買い物をしている?様子が描かれていて、縦に帯がいくつも並んでいるのが目を引きます。平面的で色のコントラストが強い作品でした。
エドゥアール・マネ 「イザベル・ルモニエ嬢の肖像」 ★こちらで観られます
ロートレックが賞賛して憧れていたマネの作品です。女性が白いドレスを着て手を組んで立っています。暗い背景から浮き上がっているようで、清楚な雰囲気の作品でした。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「モンマルトルの丘」
同じ画塾に入ったゴッホの絵です。この絵は丘の上の風車や沢山の小屋を描いた作品で、どこか寂しい雰囲気を感じました。 解説によるとゴッホとロートレックはかなり仲が良かったようで、それに関してのエピソードもありました。
<2章 モンマルトル―芸術の坩堝(るつぼ)>
コルモンの画塾はモンマルトルにあって、ロートレックはそこに移り住んで、夜な夜なムーランド・ラ・ギャレットやシャノワールといったダンスホール(キャバレー)に通っていたようです。そして、ムーラン・ルージュのポスター作成をきっかけに名が広まって行ったようです。この章ではロートレックの代表的なポスターが多々ありました。
テオフィル=アレクサンドル・スタンラン 「シャ・ノワール巡業公演」 ★こちらで観られます
★この写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。

詩人や歌手、画家の交流の酒場の影絵芝居のポスターです。スタンランはロートレックとも親交があったそうです。 スタイリッシュで可愛いです(><)
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「アリスティド・ブリュアン」
後ろ向きの黒いマントと黒い広つば帽を被り、オレンジのマフラーをつけた役者の絵です。誇張され見栄を切るような構図は浮世絵の写楽などを思い浮かべます。画面いっぱいに描かれた黒い背中に強い存在感があります。ポスターっぽいけど文字がないので使い道はよくわかりませんでした。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「アンバサドゥールのアリスティド・ブリュアン」
★この写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。

これは先ほどの作品と同じようなポスターで、有名作品です。役者自らロートレックに頼んで描かせたものですが、当時には斬新過ぎて、支配人と張る張らないの論議になったそうです。最終的には、役者がこのポスターでなければ役を降りると申し出たために使われました。少し性格の悪そうなニヒルな表情ですが、凛々しい雰囲気もあります。結構見る機会が多い作品ですが、いまだにインパクトを感じる作品です。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「ムーラン・ルージュのラ・グリュ」 ★こちらで観られます
★この写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。

これがポスター第1作目です。足を高くあげるカンカン踊りを踊る女性と手前で影絵のような男性(この2人はコンビ)が描かれています。一瞬の動きと、誇張されたポーズなどが面白い作品です。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「ジャヌ・アヴリル」
足を高く上げた踊り子が描かれています。この踊り子は当時のスターで、手前にはコントラバスの絵から延びた枠が絵全体を縁取っているように見えます。変わった雰囲気で面白い作品です。
ジュール・シェレ 「オペラ座 1894 年のカーニヴァル」
この画家はポスターの世界で成功していたらしく、ロートレックもポスターの道に入る際にこの人に助言を求めました。この作品は薄いけれどカラフルなポスターで、カーニバルの様々な人(ピエロとか扇子を持った女性など)が描かれ行進しています。その行進が空に待って踊っているかのようでした。
<3章 前衛集団の中で>
ロートレックは後年、娼婦の日常に生きる真実を見出し、個性を持たせ描きまくりました。線の力強さや線描と色彩の一体化に重きを置いていったと解説されていました。この章ではそうした前衛的な試みが取り上げられていました。
ピエール・ボナール 「靴をはく若い女」 ★こちらで観られます
ロートレックとボナールはどんな関係だか忘れましたがナビ派と交流があったようです。 ソファに腰掛けて前かがみになって靴を履く裸婦の絵です。ソファは華やかな装飾性があってナビ派らしい雰囲気です。一瞬の仕草が切り取られたようで、生活を垣間見た気分になりました。
エドガー・ドガ 「入浴後の朝食」 ★こちらで観られます
前かがみになった裸婦を描いています。生き生きとした動きを感じる瞬間です。それにしても裸で着替える女性はよく絵にされますw ロートレックは、こうした日常の一瞬を見逃さない目を持ったドガに影響され追従していったようです。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「マルセル」 ★こちらで観られます
★この写真は展覧会のポスターを撮影したものです。

娼婦の横顔です。悲しみや暗い側面も持っている娼婦たちに人生の真実を見出したロートレックは娼婦を描き続け懇意になったようで、この絵も端整な顔立ちの女性の穏やかな表情を優しい筆致で描いています。社会の底辺に生きているとは思えないくらい落ち着きと生気を感じました。
モーリス・ドニ 「なでしこを持つ若い女」
パーマ気味の金髪の女性が匂いをかぐようになでしこを持っています。背景には野山が描かれ、非常に爽やかで清純な感じです。確か、日本の美術館名品展でも見たように記憶しています。
モーリス・ドニ 「ランソン夫人と猫」 ★こちらで観られます
ドレスを着た女性が高い椅子に腰掛けてティーカップを持っています。足元では猫が擦り寄ってきていて可愛い(><) 非常に優美で色彩や装飾性、うねるような曲線がそれを増しているようでした。かなり好みです。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「歓楽の女王」 ★こちらで観られます
★この写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。

小説のポスターです。高級レストランの食卓で高級娼婦にキスしようとしている太った中年男性が描かれていて、どこか卑しい雰囲気を感じます。ユダヤ人の資本家がこれを観て、自分のことをあてこすっていると考え、このポスターと小説を差し押さえようとしたそうです。生き生きとしたというか、内面のえげつないところまでシニカルに描いているのはロートレックならではの感性かと思います。
アルフォンス・ミュシャ 「サラ・ベルナール主演『ジスモンダ』」
何故ミュシャが??と思ったらモンマルトルのポスター画家繋がりみたいです。実際に交流があったかは解説されていなかったのでわかりませんw このポスターは縦長で、豪華な衣装をまとったサラ・ベルナールが手には木の枝?を持っています。アールヌーボーらしい(というかミュシャらしい)作品でした。
参考:オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー (世田谷美術館)
最後の一角には「サロン・デ・サン展」のポスターが何枚かあり、ミュシャやボナールの作品などがありました。
ということで、ロートレックの人脈の広さが垣間見れる展覧会でした。(ちょっと強引な所もある気もしますがw) 冒頭に書いたように、この時代の芸術文化をあまりご存じない方は理解するのが大変かもしれませんが、逆に言えば一気に知ることのできる情報量の多い展覧会ですので、これをきっかけに世界を広げてみると面白いと思います。ロートレックも有名なものが多かったです。
おまけ
東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製。




【展覧名】
ロートレック・コネクション
【公式サイト】
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/09_lautrec/index.html
【会場】Bunkamuraザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅/京王井の頭線神泉駅
【会期】2009年11月10日(火)-12月23日(水・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間40分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日17時半頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
いつも感覚で決めている作品充実度ですが、今回は④をつけたけれど、ロートレックの展覧はどうしてもリトグラフ中心になるので、③にしようか悩みましたw しかし、周りの画家の作品で東京では中々観られなそうなものもあったように思いますので、④にしておきました。その分、色々な画家が出てくる展示なので、ある程度この時代の絵画の知識がないと消化不良になるかもしれないです。あまり詳しくない方には若干わかりづらい可能性がありますので、ある程度予習したほうがいいかも?? この感想でも多目に画家をご紹介しますので、気になる画家は調べてみると良いかと思います。
今回も章ごとに気に入った作品をご紹介
<1章 画学生時代―出会いと影響>
まず最初の章ではロートレックの画業の始まりをテーマにしていました。先にちょっとご説明しますと、少年時代の事故で下半身の成長が止まったロートレックは、動物画家のルネ・プランストーに出会い、絵画の世界を目指すようになりました。その近所にはジャン=ルイ・フォランのアトリエもあり、そこからも大いに学んだそうです。その後、フェルナン・コルモンの画塾に移り、そこでは新しい潮流を受け入れることを奨励されていたようですが、保守的な手法だったそうです。 また、その画塾には1886年にゴッホが入ってきて、ベルナールらと共にロートレックと親交を深めました。みな日本の浮世絵への感心が高いという共通点があったようですが、ロートレックは印象派とは距離を置いたようです。
ルネ・プランストー 「眺め」
ロートレックの父や叔父が高く評価した画家で、この画家がロートレックの画業の出発点でした。この絵は手前から奥に伸びる背の高い並木道に、3組の騎馬兵が描かれています。ラッパ?を持って赤い制服を着て黒い帽子を被っています。 水彩の淡い色使いで、爽やかな印象です。影のつけ方もいい感じでした。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「厩舎の黒馬」
ロートレックの若い頃の作品です。狩猟で身近だった馬を題材にしていて、暗い厩舎の中にいる左向きの黒い馬が描かれています。隣には先生であるルネ・プランストーの「厩舎の馬」が飾られていて、比べると確かに雰囲気が似ていましたが、ちょっと印象派みたいな絵でした。
フェルナン・コルモン(本名フェルナン=アンヌ・ピエストル)「海を見る少女」
先ほどご紹介した画塾の先生の作品です。暗く曇った海辺で座って足を伸ばす裸婦が描かれています。左手をあげて、顔の前をさえぎるようなポーズをしています。肉感的で写実的な肌の色をしていて、艶やかな髪は毛の流れまで分かるくらいでした。謎めいていて幻想的です。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「ジャンヌ」
↑のコルモンの隣に展示されています。油彩で描かれた写実的な裸婦です。室内にいて、簡素で暗い色調です。解説によると伝統的でデッサンがしっかりしているとのことでした。既にベースがしっかりしていたようです。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「初めての聖体拝領」
よく知るロートレックらしい雰囲気の作品です。街角でベビーカーを押す紳士、まるで花嫁衣裳のような服を着た少女、そしてその母親が描かれています。世俗の様子を描くところもその後のロートレックの作風を感じました。
ルイ・アンクタン 「自画像」
コルモン画塾での親友の作品。新しい画風を模索していた彼とロートレックは熱く芸術論を討議したらしいです。この絵は平坦でぼやけたような自画像で、帽子を被って振り返っています。あまり知られていない画家ですがロートレックにも影響を与えたみたいでした。
シュザンヌ・ヴァラドン 「自画像」
ユトリロの母です。彼女とロートレックは愛人関係だったそうで、お互い二十歳くらいの時に付き合っていたようですが、長くは続かなかったようです。(原因はロートレックの嫉妬) この絵はロートレックと別れてだいぶ経つ、シュザンヌ・ヴァラドンが53歳の頃の作品で、原始的な力強さを感じる自画像でした。結構怖い顔してるかも。(ユトリロ展で知る限り、あまり良い母親ではなかったようですし…。)
ポール・ゴーギャン 「ブルターニュの少年と鵞鳥(がちょう)」
ロートレックは同じ画塾のゴッホを通じて、ゴーギャンとも知り合いだったはずですが、親しくはなかったそうです。この絵はオレンジ、朱色、緑、黄緑、黄土色など力強い色の紅葉が描かれ、その下でガチョウが羽を広げて少年が岩に手を載せてぼーっとしています。ゴーギャンらしい平坦で鮮やかな色使いの作品でした。
エミール・ベルナール 「ポン=タヴェンの市場」
身勝手な振る舞いのためコルモンの画塾から追い出されたベルナールの作品です。画風はゴーギャンに似ています。この絵は白いフードを被った黒衣の女性達が市場で買い物をしている?様子が描かれていて、縦に帯がいくつも並んでいるのが目を引きます。平面的で色のコントラストが強い作品でした。
エドゥアール・マネ 「イザベル・ルモニエ嬢の肖像」 ★こちらで観られます
ロートレックが賞賛して憧れていたマネの作品です。女性が白いドレスを着て手を組んで立っています。暗い背景から浮き上がっているようで、清楚な雰囲気の作品でした。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「モンマルトルの丘」
同じ画塾に入ったゴッホの絵です。この絵は丘の上の風車や沢山の小屋を描いた作品で、どこか寂しい雰囲気を感じました。 解説によるとゴッホとロートレックはかなり仲が良かったようで、それに関してのエピソードもありました。
<2章 モンマルトル―芸術の坩堝(るつぼ)>
コルモンの画塾はモンマルトルにあって、ロートレックはそこに移り住んで、夜な夜なムーランド・ラ・ギャレットやシャノワールといったダンスホール(キャバレー)に通っていたようです。そして、ムーラン・ルージュのポスター作成をきっかけに名が広まって行ったようです。この章ではロートレックの代表的なポスターが多々ありました。
テオフィル=アレクサンドル・スタンラン 「シャ・ノワール巡業公演」 ★こちらで観られます
★この写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。

詩人や歌手、画家の交流の酒場の影絵芝居のポスターです。スタンランはロートレックとも親交があったそうです。 スタイリッシュで可愛いです(><)
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「アリスティド・ブリュアン」
後ろ向きの黒いマントと黒い広つば帽を被り、オレンジのマフラーをつけた役者の絵です。誇張され見栄を切るような構図は浮世絵の写楽などを思い浮かべます。画面いっぱいに描かれた黒い背中に強い存在感があります。ポスターっぽいけど文字がないので使い道はよくわかりませんでした。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「アンバサドゥールのアリスティド・ブリュアン」
★この写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。

これは先ほどの作品と同じようなポスターで、有名作品です。役者自らロートレックに頼んで描かせたものですが、当時には斬新過ぎて、支配人と張る張らないの論議になったそうです。最終的には、役者がこのポスターでなければ役を降りると申し出たために使われました。少し性格の悪そうなニヒルな表情ですが、凛々しい雰囲気もあります。結構見る機会が多い作品ですが、いまだにインパクトを感じる作品です。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「ムーラン・ルージュのラ・グリュ」 ★こちらで観られます
★この写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。

これがポスター第1作目です。足を高くあげるカンカン踊りを踊る女性と手前で影絵のような男性(この2人はコンビ)が描かれています。一瞬の動きと、誇張されたポーズなどが面白い作品です。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「ジャヌ・アヴリル」
足を高く上げた踊り子が描かれています。この踊り子は当時のスターで、手前にはコントラバスの絵から延びた枠が絵全体を縁取っているように見えます。変わった雰囲気で面白い作品です。
ジュール・シェレ 「オペラ座 1894 年のカーニヴァル」
この画家はポスターの世界で成功していたらしく、ロートレックもポスターの道に入る際にこの人に助言を求めました。この作品は薄いけれどカラフルなポスターで、カーニバルの様々な人(ピエロとか扇子を持った女性など)が描かれ行進しています。その行進が空に待って踊っているかのようでした。
<3章 前衛集団の中で>
ロートレックは後年、娼婦の日常に生きる真実を見出し、個性を持たせ描きまくりました。線の力強さや線描と色彩の一体化に重きを置いていったと解説されていました。この章ではそうした前衛的な試みが取り上げられていました。
ピエール・ボナール 「靴をはく若い女」 ★こちらで観られます
ロートレックとボナールはどんな関係だか忘れましたがナビ派と交流があったようです。 ソファに腰掛けて前かがみになって靴を履く裸婦の絵です。ソファは華やかな装飾性があってナビ派らしい雰囲気です。一瞬の仕草が切り取られたようで、生活を垣間見た気分になりました。
エドガー・ドガ 「入浴後の朝食」 ★こちらで観られます
前かがみになった裸婦を描いています。生き生きとした動きを感じる瞬間です。それにしても裸で着替える女性はよく絵にされますw ロートレックは、こうした日常の一瞬を見逃さない目を持ったドガに影響され追従していったようです。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「マルセル」 ★こちらで観られます
★この写真は展覧会のポスターを撮影したものです。

娼婦の横顔です。悲しみや暗い側面も持っている娼婦たちに人生の真実を見出したロートレックは娼婦を描き続け懇意になったようで、この絵も端整な顔立ちの女性の穏やかな表情を優しい筆致で描いています。社会の底辺に生きているとは思えないくらい落ち着きと生気を感じました。
モーリス・ドニ 「なでしこを持つ若い女」
パーマ気味の金髪の女性が匂いをかぐようになでしこを持っています。背景には野山が描かれ、非常に爽やかで清純な感じです。確か、日本の美術館名品展でも見たように記憶しています。
モーリス・ドニ 「ランソン夫人と猫」 ★こちらで観られます
ドレスを着た女性が高い椅子に腰掛けてティーカップを持っています。足元では猫が擦り寄ってきていて可愛い(><) 非常に優美で色彩や装飾性、うねるような曲線がそれを増しているようでした。かなり好みです。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「歓楽の女王」 ★こちらで観られます
★この写真は東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製を撮影したものです。

小説のポスターです。高級レストランの食卓で高級娼婦にキスしようとしている太った中年男性が描かれていて、どこか卑しい雰囲気を感じます。ユダヤ人の資本家がこれを観て、自分のことをあてこすっていると考え、このポスターと小説を差し押さえようとしたそうです。生き生きとしたというか、内面のえげつないところまでシニカルに描いているのはロートレックならではの感性かと思います。
アルフォンス・ミュシャ 「サラ・ベルナール主演『ジスモンダ』」
何故ミュシャが??と思ったらモンマルトルのポスター画家繋がりみたいです。実際に交流があったかは解説されていなかったのでわかりませんw このポスターは縦長で、豪華な衣装をまとったサラ・ベルナールが手には木の枝?を持っています。アールヌーボーらしい(というかミュシャらしい)作品でした。
参考:オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー (世田谷美術館)
最後の一角には「サロン・デ・サン展」のポスターが何枚かあり、ミュシャやボナールの作品などがありました。
ということで、ロートレックの人脈の広さが垣間見れる展覧会でした。(ちょっと強引な所もある気もしますがw) 冒頭に書いたように、この時代の芸術文化をあまりご存じない方は理解するのが大変かもしれませんが、逆に言えば一気に知ることのできる情報量の多い展覧会ですので、これをきっかけに世界を広げてみると面白いと思います。ロートレックも有名なものが多かったです。
おまけ
東急のショーウインドウ(交差点の辺り)に飾られている複製。



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更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter
先週、公開初日にレイトショーで映画「2012」を観てきました。初日だったせいか、意外と人気があり席も埋まっていました。

【作品名】
2012
【公式サイト】
http://www.sonypictures.jp/movies/2012/
【時間】
2時間40分程度
【ストーリー】
退屈_1_2_③_4_5_面白
【映像・役者】
不足_1_2_3_④_5_充実
【総合満足度】
駄作_1_2_3_④_5_名作
【感想】
この映画の2012というのは西暦のことで、「マヤ文明のカレンダーが2012年の12月で終わっているので、世界の終末が来ることを予言している」という2012年終末説を題材にしています。 …って凝りないなw みんなノストラダムスの予言で騙されたでしょうが!w むしろ今度のは予言ですらないぞ?
学生時代にMMRで鍛えられた私としては、預言にはまだ多少興味があっても予言は一切信じません(><) 最初から全否定です。 しかし、終末論の強引過ぎる論法が好きなので「どう滅びると解釈するんだろう?」という好奇心に負けて初日から観てしまいました。
さて、感想ですが、一言で言うとインデペンデンス・デイやアルマゲドンの後継者という感じです。そもそも監督がインデペンデンス・デイとデイ・アフター・トゥモローを作った人なので、ニュアンスは非常に近いです。それらが好きって人には向いてます。私はある意味大好きです。
ピンチに次ぐピンチ、焦燥感の連続というスピード感のある流れで、至って明快なパニックものです。ストーリーは有って無いような薄い内容かもw どう滅びに向かうかはネタバレになるので自重しますが、今更そんな非科学的と証明されてるネタかよ…と、MMRの使いまわしのような内容はちょっと期待はずれでした。(そこに期待している人は少ないのかな?) 逆に期待通りだったのが、死亡フラグ!w ひねくれ者の方ならご存知かと思いますが、ハリウッド映画ではこれをしたら死ぬとか、こういうキャラは死ぬというお約束的な流れがあります。 それを元に、「あ、こいつ死ぬな」と予想しながら観ると、この手の映画は面白くなります。この映画でもそういう楽しみを用意してくれているとしか思えないお約束の嵐でした。たまに意外にも生き残ったりするから面白いw
参考:よくある死亡フラグ
また、物語内には矛盾や突込みどころが満載で、これまた世のお利巧さん達垂涎の餌場です。「えー!それ○○しろよ!」とか、「どうして××なのに△△なの?」と突っ込まざるを得ないw まさに映画と会話するかのような視聴ができます。馬鹿だアホだと思う割りにすっかりこの映画のペースに乗せられながら観ていました。
さて、もう一つ気になるのが映像ですが、これは今時の技術だけあって見た目はリアルなんですが、ちょっとやりすぎでうそ臭い感じになってしまっているように思えます。インデペンデンス・デイのほうが迫力あったかも。そこは残念です。
ということで、ひねくれた見方(むしろ正統派?)しか紹介していない気がしますが、割と会場の人たちも満足しているようでした。結末をどう思うかも人によって違いそうだし、色々と楽しめる映画だと思います。
それにしても最近のハリウッド映画には中国がやたらと出てくるようになりました。昔は日本がよく出てきましたが、こんな所にも時代の流れを感じますね。


【作品名】
2012
【公式サイト】
http://www.sonypictures.jp/movies/2012/
【時間】
2時間40分程度
【ストーリー】
退屈_1_2_③_4_5_面白
【映像・役者】
不足_1_2_3_④_5_充実
【総合満足度】
駄作_1_2_3_④_5_名作
【感想】
この映画の2012というのは西暦のことで、「マヤ文明のカレンダーが2012年の12月で終わっているので、世界の終末が来ることを予言している」という2012年終末説を題材にしています。 …って凝りないなw みんなノストラダムスの予言で騙されたでしょうが!w むしろ今度のは予言ですらないぞ?
学生時代にMMRで鍛えられた私としては、預言にはまだ多少興味があっても予言は一切信じません(><) 最初から全否定です。 しかし、終末論の強引過ぎる論法が好きなので「どう滅びると解釈するんだろう?」という好奇心に負けて初日から観てしまいました。
さて、感想ですが、一言で言うとインデペンデンス・デイやアルマゲドンの後継者という感じです。そもそも監督がインデペンデンス・デイとデイ・アフター・トゥモローを作った人なので、ニュアンスは非常に近いです。それらが好きって人には向いてます。私はある意味大好きです。
ピンチに次ぐピンチ、焦燥感の連続というスピード感のある流れで、至って明快なパニックものです。ストーリーは有って無いような薄い内容かもw どう滅びに向かうかはネタバレになるので自重しますが、今更そんな非科学的と証明されてるネタかよ…と、MMRの使いまわしのような内容はちょっと期待はずれでした。(そこに期待している人は少ないのかな?) 逆に期待通りだったのが、死亡フラグ!w ひねくれ者の方ならご存知かと思いますが、ハリウッド映画ではこれをしたら死ぬとか、こういうキャラは死ぬというお約束的な流れがあります。 それを元に、「あ、こいつ死ぬな」と予想しながら観ると、この手の映画は面白くなります。この映画でもそういう楽しみを用意してくれているとしか思えないお約束の嵐でした。たまに意外にも生き残ったりするから面白いw
参考:よくある死亡フラグ
また、物語内には矛盾や突込みどころが満載で、これまた世のお利巧さん達垂涎の餌場です。「えー!それ○○しろよ!」とか、「どうして××なのに△△なの?」と突っ込まざるを得ないw まさに映画と会話するかのような視聴ができます。馬鹿だアホだと思う割りにすっかりこの映画のペースに乗せられながら観ていました。
さて、もう一つ気になるのが映像ですが、これは今時の技術だけあって見た目はリアルなんですが、ちょっとやりすぎでうそ臭い感じになってしまっているように思えます。インデペンデンス・デイのほうが迫力あったかも。そこは残念です。
ということで、ひねくれた見方(むしろ正統派?)しか紹介していない気がしますが、割と会場の人たちも満足しているようでした。結末をどう思うかも人によって違いそうだし、色々と楽しめる映画だと思います。
それにしても最近のハリウッド映画には中国がやたらと出てくるようになりました。昔は日本がよく出てきましたが、こんな所にも時代の流れを感じますね。
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色々とネタを溜め込みっぱなしですが、銀座~東京の記事が続いているので、今回は差込でブリヂストン美術館で観た「安井曾太郎の肖像画」展をご紹介します。ここの特別展はいつも2部屋くらいの小規模なものですが、国立の美術館では中々やってくれなそうな国内画家の個展が観られて貴重です。

【展覧名】
安井曾太郎の肖像画
【公式サイト】
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibit/index.php?id=77
【会場】ブリヂストン美術館
【最寄】JR東京駅・銀座線京橋駅・都営浅草線宝町駅
【会期】2009年10月31日(土)-2010年 1月17日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間40分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日16時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
今回も第1室と第2室が企画展となっていました。特に章分けされているわけではないようですが、時系列にはなっているようです。 この美術館での安井曾太郎の企画展は3回目になるようで、今回は肖像に焦点をあわせていました。その為、安井が10年くらいスランプに入った話とかも最初にちょこっと説明がある程度で、その生い立ちや画業の移り変わりなどは若干わかりづらいかもしれません。(スランプは、セザンヌ等の西洋美術から影響を受け過ぎて自分を見失ってしまったとか、日本とフランスの気候の違いや、体調などが原因だと記憶しています。) 安井曾太郎をよく知らない方は先に予習しておくと、より面白い展示となると思います。 参考;安井曾太郎のwiki
とはいえ、スランプを抜けるターニングポイントとなった作品や、一目で素晴らしいと感じる作品が展示されていたので、細かい背景を知らなくても直感で楽しむこともできそうです。
いつものように気に入った作品をご紹介。
安井曾太郎 「父の像」「母の像」
タイトルどおり、父母の像が並んで最初に展示されています。時期を見ると渡欧から帰国してすぐの作品のようで、スランプに入るちょっと前頃かな?(ちなみに渡欧前の初期の作品は自らほとんど焼いてしまったらしい)
厳格そうな父と、ほんの少し口を開けた母は、隣にある写真と見比べるとよく特徴が出てるように思いますが、色合いや表現はセザンヌの影響を感じました。
安井曾太郎 「座像」 ★公式ページの展示作品で観られます
乃木将軍の姪の肖像です。 (参考:旧乃木邸の写真) 緑がかった着物に赤い帯が鮮やかで、手には広げた扇子を持っています。この絵こそがスランプを脱するきっかけとなった絵で、その後の安井様式の要素が詰まった作品であるようです。三角形構図で、奥行きを排したような背景の処理が観られると解説されていました。私はど素人なので専門的なことはわかりませんが、全体的にバランスがとれているのはわかりました。色合いも見慣れた安井作品の特徴が出ているように思います。また、隣には素描があり、扇の角度が違うなど推敲した様子が伺えました。
安井曾太郎 「金蓉」 ★公式ページの展示作品で観られます
今回のポスターの絵です。東京国立近代美術館の常設にある作品なので、観たことがある方も多いかな。青い中国風のドレスを着た女性が座っている像です。対角線に流れるような姿勢が優美で、背景は部屋の隅のようですが人物が浮かび上がるような感じでした。私も好きな1枚です。
安井曾太郎 「玉蟲先生像」 ★公式ページの展示作品で観られます
和服姿の玉蟲先生という男性の像が3枚(T先生も入れれば4枚)並んでいます。それぞれ、坐像・胸から上の像・素描で、特徴を誇張した表現のように思います。右肩が斜めに下がっていて、目の開き具合とかもデフォルメした雰囲気でした。
安井曾太郎 「F夫人像」 ★公式ページの展示作品で観られます
これはここの常設作品です。高級そうな細かいストライプの服を着て、赤い帽子と黒いスカーフをまとった女性が足を組み、ももの上で手を重ねています。結構堂々とした感じに観えるw よく観ると、この絵にも簡略化と誇張も観られるように思いました。(特にスカーフのあたりとか) この絵の依頼主はわざと描きにくいストライプの服を着させて、安井に描かせたそうです。
安井曾太郎 「安倍能成像」 ★公式ページの展示作品で観られます
これも東京国立近代美術館所蔵の作品。水色を背景に、青い服を着た白髪白髭の初老の男性です。偉人のような表情をした横向きの像で、対角線上に配されている構図も面白いです。
また、近くには同じ安倍能成氏を描いた作品が何枚かあって、見比べられることもできます。これ以外で気に入った絵では、腕を組んで座り、少し口を開けて右目は半開きみたいな像が面白かったです。写真もあったのですが、少し写真と違って親しげな感じもしました。その絵は冬に描き初めて完成したのは夏だったので夏服に描きかえたのだとか。同じ人の肖像画が何種類かあると、その人間性が伝わってくるように思えるのが不思議です。
安井曾太郎 「大観先生像」
これは梅原龍三郎や安田靫彦(やすだゆきひこ)、小林古径らと共に横山大観の肖像を描く会で描いた作品らしいです。これもデフォルメされた顔に仕上がっていました。安井曾太郎は描いている途中の絵を人に観られるのが大嫌いだったそうで、この絵を描くときも大変だったようです。
安井曾太郎 「孫」 ★公式ページの展示作品で観られます
青白い色で描かれた子供の肖像。…っていうか顔色悪いよ!w ちょっと緑色が入って独特のオーラが出ています。「幼児らしい表情や生彩に溢れている絵筆の動き、生き生きとした色彩」と解説されていましたが、審美眼の低い私にはむしろ怖いですw しかしよくみるとこれまた単純化や強調、筆遣いの様子がよくわかる作品でした。
この辺りの部屋の真ん中に、実写図と完成図の描かれたアルバムがありました。実写図は精密なスケッチで、そこからどう簡略化したり強調していくのか見比べることが見られるのが興味深いです。
ということで、小規模ですが、濃い内容で楽しめました。この後、常設も観てきました(1時間くらいです) 見慣れているので前回とどこが入れ替わったか気づきませんでしたが、何点か「うみのいろ」展の頃と変わっていたかもしれません。ここの常設はいい作品が多いので、それだけでも行く価値はあります。
常設もこちらの「展示中の主な作品」で観られますので、好みの作品が展示されているかチェックしてみると良いかと思います。


【展覧名】
安井曾太郎の肖像画
【公式サイト】
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibit/index.php?id=77
【会場】ブリヂストン美術館
【最寄】JR東京駅・銀座線京橋駅・都営浅草線宝町駅
【会期】2009年10月31日(土)-2010年 1月17日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間40分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日16時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
今回も第1室と第2室が企画展となっていました。特に章分けされているわけではないようですが、時系列にはなっているようです。 この美術館での安井曾太郎の企画展は3回目になるようで、今回は肖像に焦点をあわせていました。その為、安井が10年くらいスランプに入った話とかも最初にちょこっと説明がある程度で、その生い立ちや画業の移り変わりなどは若干わかりづらいかもしれません。(スランプは、セザンヌ等の西洋美術から影響を受け過ぎて自分を見失ってしまったとか、日本とフランスの気候の違いや、体調などが原因だと記憶しています。) 安井曾太郎をよく知らない方は先に予習しておくと、より面白い展示となると思います。 参考;安井曾太郎のwiki
とはいえ、スランプを抜けるターニングポイントとなった作品や、一目で素晴らしいと感じる作品が展示されていたので、細かい背景を知らなくても直感で楽しむこともできそうです。
いつものように気に入った作品をご紹介。
安井曾太郎 「父の像」「母の像」
タイトルどおり、父母の像が並んで最初に展示されています。時期を見ると渡欧から帰国してすぐの作品のようで、スランプに入るちょっと前頃かな?(ちなみに渡欧前の初期の作品は自らほとんど焼いてしまったらしい)
厳格そうな父と、ほんの少し口を開けた母は、隣にある写真と見比べるとよく特徴が出てるように思いますが、色合いや表現はセザンヌの影響を感じました。
安井曾太郎 「座像」 ★公式ページの展示作品で観られます
乃木将軍の姪の肖像です。 (参考:旧乃木邸の写真) 緑がかった着物に赤い帯が鮮やかで、手には広げた扇子を持っています。この絵こそがスランプを脱するきっかけとなった絵で、その後の安井様式の要素が詰まった作品であるようです。三角形構図で、奥行きを排したような背景の処理が観られると解説されていました。私はど素人なので専門的なことはわかりませんが、全体的にバランスがとれているのはわかりました。色合いも見慣れた安井作品の特徴が出ているように思います。また、隣には素描があり、扇の角度が違うなど推敲した様子が伺えました。
安井曾太郎 「金蓉」 ★公式ページの展示作品で観られます
今回のポスターの絵です。東京国立近代美術館の常設にある作品なので、観たことがある方も多いかな。青い中国風のドレスを着た女性が座っている像です。対角線に流れるような姿勢が優美で、背景は部屋の隅のようですが人物が浮かび上がるような感じでした。私も好きな1枚です。
安井曾太郎 「玉蟲先生像」 ★公式ページの展示作品で観られます
和服姿の玉蟲先生という男性の像が3枚(T先生も入れれば4枚)並んでいます。それぞれ、坐像・胸から上の像・素描で、特徴を誇張した表現のように思います。右肩が斜めに下がっていて、目の開き具合とかもデフォルメした雰囲気でした。
安井曾太郎 「F夫人像」 ★公式ページの展示作品で観られます
これはここの常設作品です。高級そうな細かいストライプの服を着て、赤い帽子と黒いスカーフをまとった女性が足を組み、ももの上で手を重ねています。結構堂々とした感じに観えるw よく観ると、この絵にも簡略化と誇張も観られるように思いました。(特にスカーフのあたりとか) この絵の依頼主はわざと描きにくいストライプの服を着させて、安井に描かせたそうです。
安井曾太郎 「安倍能成像」 ★公式ページの展示作品で観られます
これも東京国立近代美術館所蔵の作品。水色を背景に、青い服を着た白髪白髭の初老の男性です。偉人のような表情をした横向きの像で、対角線上に配されている構図も面白いです。
また、近くには同じ安倍能成氏を描いた作品が何枚かあって、見比べられることもできます。これ以外で気に入った絵では、腕を組んで座り、少し口を開けて右目は半開きみたいな像が面白かったです。写真もあったのですが、少し写真と違って親しげな感じもしました。その絵は冬に描き初めて完成したのは夏だったので夏服に描きかえたのだとか。同じ人の肖像画が何種類かあると、その人間性が伝わってくるように思えるのが不思議です。
安井曾太郎 「大観先生像」
これは梅原龍三郎や安田靫彦(やすだゆきひこ)、小林古径らと共に横山大観の肖像を描く会で描いた作品らしいです。これもデフォルメされた顔に仕上がっていました。安井曾太郎は描いている途中の絵を人に観られるのが大嫌いだったそうで、この絵を描くときも大変だったようです。
安井曾太郎 「孫」 ★公式ページの展示作品で観られます
青白い色で描かれた子供の肖像。…っていうか顔色悪いよ!w ちょっと緑色が入って独特のオーラが出ています。「幼児らしい表情や生彩に溢れている絵筆の動き、生き生きとした色彩」と解説されていましたが、審美眼の低い私にはむしろ怖いですw しかしよくみるとこれまた単純化や強調、筆遣いの様子がよくわかる作品でした。
この辺りの部屋の真ん中に、実写図と完成図の描かれたアルバムがありました。実写図は精密なスケッチで、そこからどう簡略化したり強調していくのか見比べることが見られるのが興味深いです。
ということで、小規模ですが、濃い内容で楽しめました。この後、常設も観てきました(1時間くらいです) 見慣れているので前回とどこが入れ替わったか気づきませんでしたが、何点か「うみのいろ」展の頃と変わっていたかもしれません。ここの常設はいい作品が多いので、それだけでも行く価値はあります。
常設もこちらの「展示中の主な作品」で観られますので、好みの作品が展示されているかチェックしてみると良いかと思います。
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有楽町から出光美術館、ポーラミュージアム、警察博物館とめぐった後、東京駅まで歩いて大丸の7Fにあるカフェ英國屋で休憩しました。雰囲気のいい所なのでご紹介しようと思います。

【店名】
カフェ 英國屋
【ジャンル】
カフェ
【公式サイト】
http://www.cafe-eikokuya.jp/store/storelist.html
食べログ
http://r.tabelog.com/tokyo/A1302/A130201/13044616/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
JR東京駅
【近くの美術館】
大丸ミュージアム東京
ブリヂストン美術館など
【この日にかかった1人の費用】
700円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(日曜日17時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
ここはこれまでご紹介したことが無かったのが不思議なくらい、よく行く喫茶店です。大丸ミュージアムと階数違いなので、大丸ミュージアムに行った際はほぼ毎回寄っています。(この日は大丸ミュージアムには行きませんでした。) それ以外にも、東京駅から近いので普段の外出でも重宝しています。
ここのワッフルも美味しいのですが、この日は飲み物だけを頼みました。(お昼にリプトンでケーキを食べまくったためですw)
コーヒーはおかわり可能です。美味しいのでこの日は2杯頂きました。器も含めて楽しめます。

連れは紅茶。とてもいい香りです。器でわかると思いますが、ここはゆっくりと落ち着いて飲む雰囲気のお店です。

夜景。くつろいでたら夜になってしまったw 居心地がいいです。

という感じで、美術館帰りにゆっくりとカタログを観たりしながらお茶をするのに最適です。ここには軽食もあるので小腹が空いた時もいいかもしれません。たまにお昼過ぎくらいに混んでて入れない時もあるので注意。
東京駅付近の記事が続いているので、次回はブリヂストン美術館の展覧を差込でご紹介しようと思います。

【店名】
カフェ 英國屋
【ジャンル】
カフェ
【公式サイト】
http://www.cafe-eikokuya.jp/store/storelist.html
食べログ
http://r.tabelog.com/tokyo/A1302/A130201/13044616/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
JR東京駅
【近くの美術館】
大丸ミュージアム東京
ブリヂストン美術館など
【この日にかかった1人の費用】
700円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(日曜日17時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
ここはこれまでご紹介したことが無かったのが不思議なくらい、よく行く喫茶店です。大丸ミュージアムと階数違いなので、大丸ミュージアムに行った際はほぼ毎回寄っています。(この日は大丸ミュージアムには行きませんでした。) それ以外にも、東京駅から近いので普段の外出でも重宝しています。
ここのワッフルも美味しいのですが、この日は飲み物だけを頼みました。(お昼にリプトンでケーキを食べまくったためですw)
コーヒーはおかわり可能です。美味しいのでこの日は2杯頂きました。器も含めて楽しめます。

連れは紅茶。とてもいい香りです。器でわかると思いますが、ここはゆっくりと落ち着いて飲む雰囲気のお店です。

夜景。くつろいでたら夜になってしまったw 居心地がいいです。

という感じで、美術館帰りにゆっくりとカタログを観たりしながらお茶をするのに最適です。ここには軽食もあるので小腹が空いた時もいいかもしれません。たまにお昼過ぎくらいに混んでて入れない時もあるので注意。
東京駅付近の記事が続いているので、次回はブリヂストン美術館の展覧を差込でご紹介しようと思います。
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ポーラミュージアムアネックスで、「Blank Space」を観た後、さらにハシゴして、警察博物館に行ってきました。最近ずっとスルーしていましたが、ポーラミュージアムアネックスとINAXギャラリーの間にある、無料の博物館です。せっかくなので、いつもの美術館用のテンプレートを使ってご紹介

【公式サイト】
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kouhoushi/no3/welcome/welcome.htm
【会場】
警察博物館
【地図】
【最寄】銀座線京橋駅 都営浅草線宝町 など
※営業時間・休館日などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日16時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_②_3_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
何と言うか、あまり最新じゃない情報になっている気がしてなりませんが、警察の様々な活動を知ることの出来る博物館です。
館内はこんな感じです。公式サイトでバーチャルツアーができます(音が出ます)

参考:1Fの紹介ページ
入口にいるピーポくん

1Fだけは写真OKです。ヘリコプターも展示されているのですが、時代を感じます。

白バイと黒バイ。黒バイは要人警護や皇室の行事の時に使われるらしいです。)

2Fは日本警察の歴史のコーナー。(2Fからは撮影禁止です。)
明治維新の頃の警察の成り立ちや、昔の写真、震災や内乱に関わる内容などが展示されています。正直、私にはあまり面白くないコーナーですw
参考:2Fの紹介ページ
3Fは中々刺激的なコーナーで、多分一番面白いです。まず最初に殉職した警察官の遺影と遺品が飾られています! 殉職の原因も書いてあり、いかに危険な仕事か改めてわかります。さすがに理不尽な殉職が多い。。。 さらに奥には歴代の警察の制服や装備品があり、これも興味深いです。サーベルやら江戸時代に使ってたような装備もありますw そして、あさま山荘事件で銃撃受けた2重のジュラルミンの盾もあり、見事に盾に穴が空いているのを観ることができます。寄せ書きした機動隊の旗なんかもあり、激動の昭和の大事件を目の当たりにできます。
参考:3Fの紹介ページ
最後に4Fはゲーム・運転シミュレーターや鑑識や音楽隊の活動紹介などがあります。
ゲームとかシミュレーターはやらなかったのですが、ボタンを押すと色々説明してくれるようです。鑑識のコーナーは鑑識グッズの他、ブランドバッグの本物と偽物が並んでいて比べられるような展示があります。並べると結構わかるのですが、本物が無ければわからなそう…。日頃の審美眼の問われるところですw そして音楽隊の紹介にはジュークボックスのようなものがあり、今とは違う昔の君が代(歌詞は同じでも曲が違う)が聴けます。覚え難い曲だったので今の曲になったらしいです。
参考:4Fの紹介ページ
ということで、取り留めの無い感じの博物館で、若干妙なセンスの展示内容なのが逆に面白いかもw 何度も行くところじゃないですが、ブリヂストン美術館やINAXギャラリーなども近いのでハシゴしてみると面白いかもしれません。


【公式サイト】
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kouhoushi/no3/welcome/welcome.htm
【会場】
警察博物館
【地図】
【最寄】銀座線京橋駅 都営浅草線宝町 など
※営業時間・休館日などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日16時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_②_3_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
何と言うか、あまり最新じゃない情報になっている気がしてなりませんが、警察の様々な活動を知ることの出来る博物館です。
館内はこんな感じです。公式サイトでバーチャルツアーができます(音が出ます)

参考:1Fの紹介ページ
入口にいるピーポくん

1Fだけは写真OKです。ヘリコプターも展示されているのですが、時代を感じます。

白バイと黒バイ。黒バイは要人警護や皇室の行事の時に使われるらしいです。)

2Fは日本警察の歴史のコーナー。(2Fからは撮影禁止です。)
明治維新の頃の警察の成り立ちや、昔の写真、震災や内乱に関わる内容などが展示されています。正直、私にはあまり面白くないコーナーですw
参考:2Fの紹介ページ
3Fは中々刺激的なコーナーで、多分一番面白いです。まず最初に殉職した警察官の遺影と遺品が飾られています! 殉職の原因も書いてあり、いかに危険な仕事か改めてわかります。さすがに理不尽な殉職が多い。。。 さらに奥には歴代の警察の制服や装備品があり、これも興味深いです。サーベルやら江戸時代に使ってたような装備もありますw そして、あさま山荘事件で銃撃受けた2重のジュラルミンの盾もあり、見事に盾に穴が空いているのを観ることができます。寄せ書きした機動隊の旗なんかもあり、激動の昭和の大事件を目の当たりにできます。
参考:3Fの紹介ページ
最後に4Fはゲーム・運転シミュレーターや鑑識や音楽隊の活動紹介などがあります。
ゲームとかシミュレーターはやらなかったのですが、ボタンを押すと色々説明してくれるようです。鑑識のコーナーは鑑識グッズの他、ブランドバッグの本物と偽物が並んでいて比べられるような展示があります。並べると結構わかるのですが、本物が無ければわからなそう…。日頃の審美眼の問われるところですw そして音楽隊の紹介にはジュークボックスのようなものがあり、今とは違う昔の君が代(歌詞は同じでも曲が違う)が聴けます。覚え難い曲だったので今の曲になったらしいです。
参考:4Fの紹介ページ
ということで、取り留めの無い感じの博物館で、若干妙なセンスの展示内容なのが逆に面白いかもw 何度も行くところじゃないですが、ブリヂストン美術館やINAXギャラリーなども近いのでハシゴしてみると面白いかもしれません。
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出光美術館でユートピア展を観た後、ポーラミュージアムアネックスで、「Blank Space」を鑑賞してきました。どんな内容かも予習せず行ったら、ミュージアム内にシアタールームのような部屋が出来ていて驚きました。この前までギャラリー風だったのに素早い改装です。

【展覧名】
Blank Space
【公式サイト】
http://www.pola.co.jp/m-annex/exhibition/
http://www.pola.co.jp/m-annex/exhibition/detail.html
【会場】ポーラミュージアム アネックス (POLA MUSEUM ANNEX)
【最寄】東京メトロ 銀座駅・銀座一丁目駅 JR有楽町駅
【会期】2009年11月7日(土) - 11月29日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間10分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日16時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_②_3_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
パンフレットによるとポーラ銀座ビルのファサード(ビル表面)の設計を手がけたライティング・アーキテクトの豊久将三氏による、光を使ったインスタレーション作品らしく、中の部屋で流されるという内容でした。
まず、その部屋をぐるっと周っていくと椅子があり、ここで次の上映を待つことになります。といっても、他にお客さんは1組しかいなかったので待ったのは1分くらいで、靴を脱いですぐに中に入りました。中はがらんとしていて、仕切りで区切られたブース状の席が4~5席くらいあり、その先10mくらいのところに光が映し出されます。
実際にインスタレーションが始まると、英語の説明とともに赤、緑、青の3原色が映され、部屋中にその色が広がるように見えます。その後、赤と緑を混ぜると黄色、緑と青を混ぜると空色(cyan)、赤と青を混ぜると赤紫(magenta)という説明と投射がありました。テレビの原理と同じような話ですが、全部英語で言われるとマジェンダって何色?って感じでしたw 場所柄かもしれないけど日本語で良かったのでは…?
さて、こんな感じで3原色を紹介した後、青をずっと映した後に白(白=赤+緑+青)を見ると黄色にみえます。これは網膜が青に麻痺してしまっていて、赤+緑=黄色に見えるためです。また、同じように赤をずっと見てから白を見ると空色、緑をずっと見てから白を見ると赤紫に見えると説明され、ちょっとアナウンスしたと思ったらそこで終了します。え、もう終わり?w
ということで、理屈は知らなかったけど誰もが経験したことがある現象を取り入れた内容で興味深かったですが、5分くらいで終わりました。(体感では結構早いです。さらっと見られます。) しかし短時間でも今まで意識しなかった補色効果について実体験できるのは面白いと思います。公式サイトにはこの視覚のマジックの説明が詳しく書いてあるので、それを読んでから行くとより楽しめるかもしれません。
それと、この前オープン展示の際に行ったときもそうでしたが、ここの係員さんはフレンドリーでとても親切です。終わった後に日本語訳もいただけました。


【展覧名】
Blank Space
【公式サイト】
http://www.pola.co.jp/m-annex/exhibition/
http://www.pola.co.jp/m-annex/exhibition/detail.html
【会場】ポーラミュージアム アネックス (POLA MUSEUM ANNEX)
【最寄】東京メトロ 銀座駅・銀座一丁目駅 JR有楽町駅
【会期】2009年11月7日(土) - 11月29日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間10分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日16時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_②_3_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
パンフレットによるとポーラ銀座ビルのファサード(ビル表面)の設計を手がけたライティング・アーキテクトの豊久将三氏による、光を使ったインスタレーション作品らしく、中の部屋で流されるという内容でした。
まず、その部屋をぐるっと周っていくと椅子があり、ここで次の上映を待つことになります。といっても、他にお客さんは1組しかいなかったので待ったのは1分くらいで、靴を脱いですぐに中に入りました。中はがらんとしていて、仕切りで区切られたブース状の席が4~5席くらいあり、その先10mくらいのところに光が映し出されます。
実際にインスタレーションが始まると、英語の説明とともに赤、緑、青の3原色が映され、部屋中にその色が広がるように見えます。その後、赤と緑を混ぜると黄色、緑と青を混ぜると空色(cyan)、赤と青を混ぜると赤紫(magenta)という説明と投射がありました。テレビの原理と同じような話ですが、全部英語で言われるとマジェンダって何色?って感じでしたw 場所柄かもしれないけど日本語で良かったのでは…?
さて、こんな感じで3原色を紹介した後、青をずっと映した後に白(白=赤+緑+青)を見ると黄色にみえます。これは網膜が青に麻痺してしまっていて、赤+緑=黄色に見えるためです。また、同じように赤をずっと見てから白を見ると空色、緑をずっと見てから白を見ると赤紫に見えると説明され、ちょっとアナウンスしたと思ったらそこで終了します。え、もう終わり?w
ということで、理屈は知らなかったけど誰もが経験したことがある現象を取り入れた内容で興味深かったですが、5分くらいで終わりました。(体感では結構早いです。さらっと見られます。) しかし短時間でも今まで意識しなかった補色効果について実体験できるのは面白いと思います。公式サイトにはこの視覚のマジックの説明が詳しく書いてあるので、それを読んでから行くとより楽しめるかもしれません。
それと、この前オープン展示の際に行ったときもそうでしたが、ここの係員さんはフレンドリーでとても親切です。終わった後に日本語訳もいただけました。
記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。


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リプトンのバイキングでお昼にした後、出光美術館で「ユートピア ―描かれし夢と楽園―」を観てきました。ここに行くときは毎回のことですが、この日もぐるっとパスを使って入りました。今使っているぐるっとパスは大活躍中ですw

【展覧名】
ユートピア ―描かれし夢と楽園―
【公式サイト】
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html
【会場】出光美術館
【最寄】JR・東京メトロ 有楽町駅/都営地下鉄・東京メトロ 日比谷駅
【会期】2009年10月31日(土)~12月20日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時20分頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
タイトルからは中身が想像できなかったので、極楽浄土的なものかと思って行ったら、花鳥、山水、美人といった様々な日本画の展覧でした。(タイトルにあんま意味ないかもw)
いつもどおり章ごとに気に入った作品をご紹介します。
<Ⅰ 夢物語‐夢見と夢想、そして幻想>
この章では夢(眠り)をテーマにした作品がおおかったように思います。
「青白磁刻花蓮池文枕」
薄く青白い(少し碧がかった)蓮の葉の陶器の枕です。陶器で出来た枕って硬くないのかな? と、妙なことを考えながら観ていましたw
伝 狩野山楽 「馬上残夢図屏風」
ロバに乗った人がロバの上で首をうなだれて眠っているようで、山の上には朝日が出ています。ロバの後ろには天秤みたいなものを担いだ人もいました。朝の通勤電車で寝ている人と同じ感じかなw 今も昔も朝は眠いんです(><)
小杉放菴 「洞裡長春」
掛け軸です。岩山の洞窟から向こうを覗くと、桃源郷だったという感じです。(千と千尋の洞窟みたいな) 岩山の輪郭が独特で面白い作品でした。
「吉野龍田図屏風」
遠目で、あれ?と思った作品。と、いうのはこの展示を観る前の日に、根津美術館の「新・根津美術館展 国宝那智瀧図と自然の造形」を見た際、同名のそっくりの屏風があったので、驚きがありました。こちらの作品の方が古い感じで、短冊が無いなどの違いがあるかな。右隻は角ばった幹にびっしりと桜の花が描かれ、左隻には赤やピンクのもみじの葉が描かれています。隣には根津美術館の作品の写真もあって、比べられるのも面白かったです。
<Ⅱ 描かれし蓬莱仙境‐福寿と富貴>
2章は長寿や蓬莱をテーマにしていました。道教の文化に影響を受けている作品が多いかな。夏に観た道教展を思い出しながら見ていました。
「粉彩百鹿文双耳扁壷」
あれ?これも前の日に根津美術館で観たぞ?と思いました。薄碧の地に沢山の鹿が野山で群れる様子が描かれ、両脇にオレンジの耳がついている壷で、鹿の生き生きとした姿が可愛いかったです。
池大雅 「寿老四季山水図」
5枚セットの掛け軸です。岩山などの山水や寿老人が描かれています。緩やかで簡略化されていて、親しみがある、といった池大雅らしい作品に思いました。
富岡鉄斎 「南極寿老星・北辰霊府神図」
2枚セットです。右には鶴と寿老人が描かれています。寿老人は不老不死を意味する桃を持ち、右手では杖をついています。背景には松かな。そして、左には亀に乗り座っている北辰が描かれています。背中には白い牛、背景には大きな月が描かれていました。おめでたいものが集まり、道教的な題材が揃っているように思いました。
この辺りには寿老人と福禄寿の違いについて説明がありました。
寿老人:頭巾を被って杖を突き、鹿を連れている
福禄寿;体の半分ほどが頭で満面の笑みで、しばしば鶴に乗っている
と特徴が書かれていましたが、隣にあった絵では逆になっていたような…。どうやら日本では混同して入ってきたようですw
「山水図」
掛け軸です。霧がかすむような中に岩山(ビルのように高い岩山)が描かれ、手前には小屋がありました。まさに仙人が出てきそうな雰囲気の絵でした。
山本梅逸 「四季花鳥図屏風」 ★こちらで観られます
結構大きい(156cm×301cmが2枚)屏風です。簡略化されながらも特徴をよく捉えた花鳥図で、松・竹・梅・桜・牡丹・菊などの四季の草花や、柳にツバメ、蓮に白鷺、松に鶴、孔雀などの鳥が描かれていました。淡い色彩で水墨画みたいだけど、所々の色が鮮やかでした。見事です。
狩野永納 「遊鶴図屏風」
金泥に極彩色で、松や2羽の鶴、薄いピンクの牡丹などが描かれています。装飾的で特に鶴が優雅でした。
狩野探幽 「周茂叔林和靖図屏風」
中国の西湖に隠遁した詩人達の理想的な生活を細やかに描いた屏風です。私が見たときは右隻でしたが、12/1~12/20は左隻が展示されるそうです。屋敷で書を読んだり書いたり、舟遊びをしたりと、のびのび楽しんでいます。屋敷の下に川が流れているのも風流です。趣味人らしくまさに理想的な生活ですね。今も昔も隠居=理想という構図は同じのようです。
<Ⅲ 美人衆芳-恋と雅>
ここは美人画などが展示されているコーナーでした。故に私の好みの作品が多かったのもここですw
俵屋宗達 「伊勢物語図色紙『武蔵野』」
色紙くらいの大きさの掛け軸? この伊勢物語の『武蔵野』は、無理やり女を連れて逃げるシーンなのですが、この絵では仲睦まじい姿に改変されていました。大和絵らしい優雅な雰囲気で、秋草の中に貴族風の男女が向かい合って座っています。手前にはそれを探す追手も描かれていました。 物語を改変して和やかな雰囲気になっているのが面白かったです。
勝川春章 「美人鑑賞図」
高級女官たちが御殿に10人くらい集まっています。黒い着物、鮮やかな青の着物など様々な着物を着ていて艶やかです。また、掛け軸を見たり着物を見たりしている様子も雅さを感じます。小さく猫がじゃれている様子も描かれていて可愛いかったです^^ 庭には池や小山があり塀が外の世界を隔絶しているかのようで、これも1つの理想郷だなと思えました。非常に華やかでした。
海北友松 「琴棋書画図屏風」
東京国立博物館所蔵の作品です。琴・囲碁・書・画はたしなみとされた教養で、それを題材にしているようです。右隻では、湖畔で中国風の7人の女性達が掛け軸を広げる等しています。また、左隻では木に寄りかかって手紙を読む女性など5人くらいいました。 のんびりしていて優雅さがありました。
<Ⅳ 花楽園-永遠なる四季>
最後のコーナーは四季をテーマにしているようでした。ここも好みの作品が多かったです。
伝 俵屋宗達 「四季草花図屏風」
金泥をバックに四季のあらゆる草花を描いていて、様々な色の花が目に鮮やかです。アジサイ・たんぽぽ・つくし・すすき・睡蓮・牡丹・菊などがありました。名前がわからない花も多いですが、四季を越えて華やかな競演が綺麗でした。
立原杏所 「雪月花図」
3枚セットの掛け軸です。右は胡粉によって描かれた風に舞う雪の中、岩山の小さな小屋を訪ねる老人が描かれています。中央は背の高い松と、その間に見える月や小さく描かれた黒い鳥の群れが描かれています。左は霞む桃源郷のような風景に小さく2人の人物や橋が描かれていました。3枚揃って幻想的な理想風景で、素晴らしい作品でした。
ということで、意外と何でもありな展示でした。うっとりするような風景や人物が多かったので、確かにユートピア的な内容ではあったと思います。
この後、ルオーとムンクの小部屋も鑑賞した後、休憩室でゆっくりしてから陶片なども観てきました。
おまけ:休憩室からの眺め


この日は次にポーラミュージアムアネックスにハシゴしていきました。


【展覧名】
ユートピア ―描かれし夢と楽園―
【公式サイト】
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html
【会場】出光美術館
【最寄】JR・東京メトロ 有楽町駅/都営地下鉄・東京メトロ 日比谷駅
【会期】2009年10月31日(土)~12月20日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時20分頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
タイトルからは中身が想像できなかったので、極楽浄土的なものかと思って行ったら、花鳥、山水、美人といった様々な日本画の展覧でした。(タイトルにあんま意味ないかもw)
いつもどおり章ごとに気に入った作品をご紹介します。
<Ⅰ 夢物語‐夢見と夢想、そして幻想>
この章では夢(眠り)をテーマにした作品がおおかったように思います。
「青白磁刻花蓮池文枕」
薄く青白い(少し碧がかった)蓮の葉の陶器の枕です。陶器で出来た枕って硬くないのかな? と、妙なことを考えながら観ていましたw
伝 狩野山楽 「馬上残夢図屏風」
ロバに乗った人がロバの上で首をうなだれて眠っているようで、山の上には朝日が出ています。ロバの後ろには天秤みたいなものを担いだ人もいました。朝の通勤電車で寝ている人と同じ感じかなw 今も昔も朝は眠いんです(><)
小杉放菴 「洞裡長春」
掛け軸です。岩山の洞窟から向こうを覗くと、桃源郷だったという感じです。(千と千尋の洞窟みたいな) 岩山の輪郭が独特で面白い作品でした。
「吉野龍田図屏風」
遠目で、あれ?と思った作品。と、いうのはこの展示を観る前の日に、根津美術館の「新・根津美術館展 国宝那智瀧図と自然の造形」を見た際、同名のそっくりの屏風があったので、驚きがありました。こちらの作品の方が古い感じで、短冊が無いなどの違いがあるかな。右隻は角ばった幹にびっしりと桜の花が描かれ、左隻には赤やピンクのもみじの葉が描かれています。隣には根津美術館の作品の写真もあって、比べられるのも面白かったです。
<Ⅱ 描かれし蓬莱仙境‐福寿と富貴>
2章は長寿や蓬莱をテーマにしていました。道教の文化に影響を受けている作品が多いかな。夏に観た道教展を思い出しながら見ていました。
「粉彩百鹿文双耳扁壷」
あれ?これも前の日に根津美術館で観たぞ?と思いました。薄碧の地に沢山の鹿が野山で群れる様子が描かれ、両脇にオレンジの耳がついている壷で、鹿の生き生きとした姿が可愛いかったです。
池大雅 「寿老四季山水図」
5枚セットの掛け軸です。岩山などの山水や寿老人が描かれています。緩やかで簡略化されていて、親しみがある、といった池大雅らしい作品に思いました。
富岡鉄斎 「南極寿老星・北辰霊府神図」
2枚セットです。右には鶴と寿老人が描かれています。寿老人は不老不死を意味する桃を持ち、右手では杖をついています。背景には松かな。そして、左には亀に乗り座っている北辰が描かれています。背中には白い牛、背景には大きな月が描かれていました。おめでたいものが集まり、道教的な題材が揃っているように思いました。
この辺りには寿老人と福禄寿の違いについて説明がありました。
寿老人:頭巾を被って杖を突き、鹿を連れている
福禄寿;体の半分ほどが頭で満面の笑みで、しばしば鶴に乗っている
と特徴が書かれていましたが、隣にあった絵では逆になっていたような…。どうやら日本では混同して入ってきたようですw
「山水図」
掛け軸です。霧がかすむような中に岩山(ビルのように高い岩山)が描かれ、手前には小屋がありました。まさに仙人が出てきそうな雰囲気の絵でした。
山本梅逸 「四季花鳥図屏風」 ★こちらで観られます
結構大きい(156cm×301cmが2枚)屏風です。簡略化されながらも特徴をよく捉えた花鳥図で、松・竹・梅・桜・牡丹・菊などの四季の草花や、柳にツバメ、蓮に白鷺、松に鶴、孔雀などの鳥が描かれていました。淡い色彩で水墨画みたいだけど、所々の色が鮮やかでした。見事です。
狩野永納 「遊鶴図屏風」
金泥に極彩色で、松や2羽の鶴、薄いピンクの牡丹などが描かれています。装飾的で特に鶴が優雅でした。
狩野探幽 「周茂叔林和靖図屏風」
中国の西湖に隠遁した詩人達の理想的な生活を細やかに描いた屏風です。私が見たときは右隻でしたが、12/1~12/20は左隻が展示されるそうです。屋敷で書を読んだり書いたり、舟遊びをしたりと、のびのび楽しんでいます。屋敷の下に川が流れているのも風流です。趣味人らしくまさに理想的な生活ですね。今も昔も隠居=理想という構図は同じのようです。
<Ⅲ 美人衆芳-恋と雅>
ここは美人画などが展示されているコーナーでした。故に私の好みの作品が多かったのもここですw
俵屋宗達 「伊勢物語図色紙『武蔵野』」
色紙くらいの大きさの掛け軸? この伊勢物語の『武蔵野』は、無理やり女を連れて逃げるシーンなのですが、この絵では仲睦まじい姿に改変されていました。大和絵らしい優雅な雰囲気で、秋草の中に貴族風の男女が向かい合って座っています。手前にはそれを探す追手も描かれていました。 物語を改変して和やかな雰囲気になっているのが面白かったです。
勝川春章 「美人鑑賞図」
高級女官たちが御殿に10人くらい集まっています。黒い着物、鮮やかな青の着物など様々な着物を着ていて艶やかです。また、掛け軸を見たり着物を見たりしている様子も雅さを感じます。小さく猫がじゃれている様子も描かれていて可愛いかったです^^ 庭には池や小山があり塀が外の世界を隔絶しているかのようで、これも1つの理想郷だなと思えました。非常に華やかでした。
海北友松 「琴棋書画図屏風」
東京国立博物館所蔵の作品です。琴・囲碁・書・画はたしなみとされた教養で、それを題材にしているようです。右隻では、湖畔で中国風の7人の女性達が掛け軸を広げる等しています。また、左隻では木に寄りかかって手紙を読む女性など5人くらいいました。 のんびりしていて優雅さがありました。
<Ⅳ 花楽園-永遠なる四季>
最後のコーナーは四季をテーマにしているようでした。ここも好みの作品が多かったです。
伝 俵屋宗達 「四季草花図屏風」
金泥をバックに四季のあらゆる草花を描いていて、様々な色の花が目に鮮やかです。アジサイ・たんぽぽ・つくし・すすき・睡蓮・牡丹・菊などがありました。名前がわからない花も多いですが、四季を越えて華やかな競演が綺麗でした。
立原杏所 「雪月花図」
3枚セットの掛け軸です。右は胡粉によって描かれた風に舞う雪の中、岩山の小さな小屋を訪ねる老人が描かれています。中央は背の高い松と、その間に見える月や小さく描かれた黒い鳥の群れが描かれています。左は霞む桃源郷のような風景に小さく2人の人物や橋が描かれていました。3枚揃って幻想的な理想風景で、素晴らしい作品でした。
ということで、意外と何でもありな展示でした。うっとりするような風景や人物が多かったので、確かにユートピア的な内容ではあったと思います。
この後、ルオーとムンクの小部屋も鑑賞した後、休憩室でゆっくりしてから陶片なども観てきました。
おまけ:休憩室からの眺め


この日は次にポーラミュージアムアネックスにハシゴしていきました。
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先日、出光美術館やポーラミュージアムアネックスにはしごしたのですが、その前に有楽町駅近くでお昼にしました。人の列ができているので何だろうとのぞいてみたら、お得な感じのバイキングだったので行ってみました。

【店名】
有楽町 リプトンコーナー
【ジャンル】
ケーキ・パスタ・サンドウィッチバイキング
【公式サイト】
ホットペッパーの紹介ページ
【最寄駅】
有楽町駅
【近くの美術館】
出光美術館
三菱一号館美術館
ポーラミュージアム アネックス
など
【この日にかかった1人の費用】
1600円程度
【味】
不味_1_2_③_4_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(日曜日13時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
ここはリプトンのお店で、かなり人気があるらしく10分くらい外で待ちました。お店の人が言うにはこれでも空いているようですので、並ぶのは必至のようです。
営業案内。私はドリンク飲み放題(400円くらい)も頼んでみました。

早速バイキングへ。パスタやサラダなどが中心で、どんどん新しいのが運ばれてきました。(写真は一部です。)

こんな感じで盛ってみました。味はめちゃくちゃ美味しいってほどではありませんが、なかなか美味しいです。

パスタだけではなく、ケーキも充実していました。種類が豊富で、こちらもどんどん補充していました。私はケーキの方が満足度高かったです。

ということで、安く色々食べられるコストパフォーマンスの高いお店でした。ちょっと並ぶのが難ですが、有楽町・日比谷・銀座周辺の美術館に近いので今後も利用したいと思います。


【店名】
有楽町 リプトンコーナー
【ジャンル】
ケーキ・パスタ・サンドウィッチバイキング
【公式サイト】
【最寄駅】
有楽町駅
【近くの美術館】
出光美術館
三菱一号館美術館
ポーラミュージアム アネックス
など
【この日にかかった1人の費用】
1600円程度
【味】
不味_1_2_③_4_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(日曜日13時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
ここはリプトンのお店で、かなり人気があるらしく10分くらい外で待ちました。お店の人が言うにはこれでも空いているようですので、並ぶのは必至のようです。
営業案内。私はドリンク飲み放題(400円くらい)も頼んでみました。

早速バイキングへ。パスタやサラダなどが中心で、どんどん新しいのが運ばれてきました。(写真は一部です。)

こんな感じで盛ってみました。味はめちゃくちゃ美味しいってほどではありませんが、なかなか美味しいです。

パスタだけではなく、ケーキも充実していました。種類が豊富で、こちらもどんどん補充していました。私はケーキの方が満足度高かったです。

ということで、安く色々食べられるコストパフォーマンスの高いお店でした。ちょっと並ぶのが難ですが、有楽町・日比谷・銀座周辺の美術館に近いので今後も利用したいと思います。
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根津美術館に行った日、千代田線で1駅隣の乃木坂に移動し、21_21 DESIGN SIGHTの「THE OUTLINE 見えていない輪郭」を観に行ってきました。特に予備知識なしで行ったのですが、興味深い視点の作品ばかりで、自分の中で「美」というものを考えさせられる内容でした。

【展覧名】
THE OUTLINE 見えていない輪郭
【公式サイト】
http://www.2121designsight.jp/outline/index.html
【会場】21_21 DESIGN SIGHT
【最寄】千代田線乃木坂駅/日比谷線・大江戸線 六本木駅
【会期】2009年10月16日(金)~ 2010年1月31日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
この展覧会はプロダクトデザイナーの深澤直人氏がデザインした製品と、それを写真家の藤井保氏が撮った写真が主に展示されていて、純粋な美術品というよりは日常生活にある製品(家具や携帯電話とか)などが主役の展示だったように思います。そして、その日常の品々の美しさを再発見できる内容でした。
作品リストなどが無いので、作品名はほとんどわかりませんが、いくつか気になったのをご紹介します。
まず会場に入ると、椅子・テーブル・バスタブなどが置かれています。それぞれがシンプルながらも柔らか味のある幾何学的な美しさでした。特に気になったのが、横長のテーブルで、楕円気味の形で四方に角がなく優美なデザインでした。そして、このテーブルには備え付けの椅子に座ることもできました。椅子は座り心地がよく、緩やかな曲線の肘掛や円形の腰掛がスタイリッシュでした。
また、近くにはこのテーブルを野外で撮影したモノクロ写真が飾られていました。(★こちらで見られます)
まるでシュルレアリスムの絵のようで、ただテーブルが外にあるだけなのに、その存在が現実ではないかのように思えました。
次の部屋に入ると、白い背景に囲まれた真紅の椅子が展示されていました。そしてその前には蛇腹のカメラ(測定器のようにも思えるシンプルなもの)が三脚に固定されています。(★こちらで見られます) これは、白い空間に光を入れて無影状態で撮影している、藤井保氏のスタジオの再現のようです。隣にはそうして撮られた写真が展示されていました。
文具やライトなどが白地に黒、または黒地に白でぼんやりと浮かびあがるような写真で、その形の美しさを純粋に楽しめました。日常の品の形を見直すことができる面白い体験です。
次の部屋はメインの部屋です。ここにはCDプレイヤー・携帯・PC・シャチハタ・トースター・コーヒーメーカー・ドライヤー・扇風機などの深澤直人氏がデザインした製品が並び、それらを撮った写真も展示されていました。よくよく見るとこんな面白い形していたんだなと再発見すると共に、写真がかなり楽しめました。(★こちらでCDプレイヤーの写真を見られます) 大胆にトリミングしたような構図や、こんな角度から観ることなんてないのでは??と思うような写真など、どれも発想も出来ないような写真で、そのセンスに感動しました。今回のポスターも、椅子を撮ったものだと一瞬でわかる方は稀なのでは?
この部屋の一角には他にも、実際に座れる椅子・棚・照明・キッチンなどもありました。柔らかい流線型や、すらっとしたシンプルなデザインの品が多く、スタイリッシュな中に温かみを感じることができました。そして、やはり写真が面白すぎですw
最後の小部屋には、トイレ・バスルーム(バスタブ・シャワー)などがありました。こちらもこれまでに感じたような楽しさがありました。
ということで、まさに、見えているようで見えていない世界があるのだというのを感じる内容でした。常々思っていることですが、芸術家や写真家の方は、普通の人が観たら何てことももい風景や事物を、一流の芸術にしてしまう眼と表現力を持っていることに敬意を感じます。特にこの展覧会では私の日常も美に溢れているのかも?と考えさせられました。面白かったです。

【展覧名】
THE OUTLINE 見えていない輪郭
【公式サイト】
http://www.2121designsight.jp/outline/index.html
【会場】21_21 DESIGN SIGHT
【最寄】千代田線乃木坂駅/日比谷線・大江戸線 六本木駅
【会期】2009年10月16日(金)~ 2010年1月31日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
この展覧会はプロダクトデザイナーの深澤直人氏がデザインした製品と、それを写真家の藤井保氏が撮った写真が主に展示されていて、純粋な美術品というよりは日常生活にある製品(家具や携帯電話とか)などが主役の展示だったように思います。そして、その日常の品々の美しさを再発見できる内容でした。
作品リストなどが無いので、作品名はほとんどわかりませんが、いくつか気になったのをご紹介します。
まず会場に入ると、椅子・テーブル・バスタブなどが置かれています。それぞれがシンプルながらも柔らか味のある幾何学的な美しさでした。特に気になったのが、横長のテーブルで、楕円気味の形で四方に角がなく優美なデザインでした。そして、このテーブルには備え付けの椅子に座ることもできました。椅子は座り心地がよく、緩やかな曲線の肘掛や円形の腰掛がスタイリッシュでした。
また、近くにはこのテーブルを野外で撮影したモノクロ写真が飾られていました。(★こちらで見られます)
まるでシュルレアリスムの絵のようで、ただテーブルが外にあるだけなのに、その存在が現実ではないかのように思えました。
次の部屋に入ると、白い背景に囲まれた真紅の椅子が展示されていました。そしてその前には蛇腹のカメラ(測定器のようにも思えるシンプルなもの)が三脚に固定されています。(★こちらで見られます) これは、白い空間に光を入れて無影状態で撮影している、藤井保氏のスタジオの再現のようです。隣にはそうして撮られた写真が展示されていました。
文具やライトなどが白地に黒、または黒地に白でぼんやりと浮かびあがるような写真で、その形の美しさを純粋に楽しめました。日常の品の形を見直すことができる面白い体験です。
次の部屋はメインの部屋です。ここにはCDプレイヤー・携帯・PC・シャチハタ・トースター・コーヒーメーカー・ドライヤー・扇風機などの深澤直人氏がデザインした製品が並び、それらを撮った写真も展示されていました。よくよく見るとこんな面白い形していたんだなと再発見すると共に、写真がかなり楽しめました。(★こちらでCDプレイヤーの写真を見られます) 大胆にトリミングしたような構図や、こんな角度から観ることなんてないのでは??と思うような写真など、どれも発想も出来ないような写真で、そのセンスに感動しました。今回のポスターも、椅子を撮ったものだと一瞬でわかる方は稀なのでは?
この部屋の一角には他にも、実際に座れる椅子・棚・照明・キッチンなどもありました。柔らかい流線型や、すらっとしたシンプルなデザインの品が多く、スタイリッシュな中に温かみを感じることができました。そして、やはり写真が面白すぎですw
最後の小部屋には、トイレ・バスルーム(バスタブ・シャワー)などがありました。こちらもこれまでに感じたような楽しさがありました。
ということで、まさに、見えているようで見えていない世界があるのだというのを感じる内容でした。常々思っていることですが、芸術家や写真家の方は、普通の人が観たら何てことももい風景や事物を、一流の芸術にしてしまう眼と表現力を持っていることに敬意を感じます。特にこの展覧会では私の日常も美に溢れているのかも?と考えさせられました。面白かったです。
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前回ご紹介した根津美術館の庭園を観た後、もちろん新創記念特別展である「国宝那智瀧図と自然の造形」も観てきました。(既に終了しています。)

【展覧名】
新創記念特別展 第1部
新・根津美術館展 国宝那智瀧図と自然の造形
【公式サイト】
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/past2009_n01.html
【会場】根津美術館
【最寄】地下鉄表参道駅
【会期】2009年10月7日(水)~ 11月8日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
最終日の1日前だったせいかかなり混雑していましたが、広々とした通路やあちこちにあるソファのおかげで、人の多さの割りに快適に観られました。また、ロッカーもかなりあるので、預けることができないような事態はあまり起きない気がします。
フロアは4つに別れていて、
地下:講堂とロッカー
1階:展示室1~3、ホール、入口・受付、ミュージアムショップ、ロッカー
中2階:ラウンジ
2階:展示室4~6
となっています。 参考:フロアガイド
それぞれの部屋で時代も国も違った様々なコレクションが展示されていました。もう終わった展示ですが、いつもどおり章(フロア)ごとに気に入った作品をさらっとご紹介します。
<ホール~展示室3 仏教彫刻の魅力>
まず入るとホールがあり、そこには中国の唐や北済時代の仏像が並んでいました。展示室3にも仏像が続き、そちらは日本の仏像でした。
定慶 「帝釈天立像」
実物大の帝釈天像です。頭は少し大きめで、神秘的な表情を浮かべています。右手で印を組み、左手ではつぼみの花を持っていました。帝釈天は戦えば強い仏ですが、おだやかな雰囲気も感じました。
<展示室1 国宝那智瀧図と自然の造形>
ここが一番大きい部屋かな。今回の目玉である「那智瀧図」もここに展示されていました。
「中尊寺経」
青地に、金字と銀字の行が交互にくるお経です。巻頭には三尊像が描かれていました。今年の3月頃に世田谷美術館でやっていた「平泉~みちのくの浄土~展」で観たやつと似てた(同じ?)ように思いました。
「那智瀧図」 ★こちらで観られます
深い茶色の岩山の中央に、真っ白な瀧が流れ落ちています。瀧は縦に細かく線が入り、周りには小さな飛沫が描かれていました。瀧が浮かび上がるようで神聖な雰囲気すら漂っていました。
等禅 「白衣観音図」
全体的に白っぽい墨絵です。大きな月(光背?)を背にして、岩に右手を置いて座る観音様が描かれています。顔は少し微笑んでいるようで穏やかです。また、流れるような衣と硬い岩の質感が対照的でした。
蔵三 「牡丹猫図」
地面で伏せて上を見つめる猫と、その上部にある白い大きな牡丹が描かれています。(猫と同じくらいあるかも) 牡丹は薄い葉っぱも含めて爽やかで可憐な感じでした。猫はふわふわしてるのが分かって可愛いです。 また、枝を大きく描き、右下に大きな余白がある構図は猫と牡丹の存在を強めているように思いました。
伝 狩野元信 「四季花鳥図」
薄い黄色がかった単色の屏風です。湖?に集まる鳥たちを描いていて、孔雀、鴨、鷺(?)、編隊を組む鳥、ツバメ、尾長鳥(?) など様々な鳥が飛んだり休んだし餌を探しています。四季を越えて集まる鳥たちの仕草が楽しい屏風でした。
「吉野龍田図」 ★こちらで観られます
屏風です。右隻には、力強く角のある感じの幹に、屏風を埋め尽くす白い桜が描かれています。1枚1枚の花が盛り上がっていて、花びらがとても綺麗です。下には大和絵のような川が流れていました。左隻には、右隻と同じような構図で鮮やかなモミジが描かれています。よく観ると白いモミジも混ざっていました。また、左右ともに樹から短冊のようなものが釣り下がっていて詩が詠まれていました。
なお、これを観た次の日に出光美術館で「ユートピア展」を観たらそっくりな構図の屏風があって、関連性を指摘されていました。
野々村仁清 「色絵山寺図茶壷」 ★こちらで観られます
山寺の風景が描かれた茶壷です。金や淡い色彩で紅葉しているみたいです。壷自体の形と併せて優美さが漂っていました。
<展示室2 手を競う-王朝びとの筆のあと>
このコーナーは書のコーナーです。小野道風や藤原公任、藤原定信などの書や詩があり、古今和歌集などもありました。私は書はよくわからないので感想は割愛w
<特別ケース 宝飾時計>
ここからは中2階を抜けて2階にあったコーナーです。2階の廊下に突如、宝飾時計が3つほど飾られていました。
C・トンプソン(機械) 「宝飾時計」
時計の上に、てっぺんに青い鳥の飾が付いた金のカップが乗っています。緑と赤のストライプの柱もあり、豪華でカラフルな印象を受けました。
<展示室4 古代中国の青銅器>
ここは古代中国のコーナー。中国4000年の歴史とよく言いますが、殷(紀元前17世紀~紀元前11世紀)や周(紀元前1100年頃~起源256年)の頃の器などがあり、歴史の重みを感じます。そしてどれも個性的な形をしていました。
「とうてつ文方か」 ★こちらで観られます
3つセットの青銅の置物? (WEBの解説によると、かくはん器の役割もある盃のようです。) 立方体の胴体に4本の足と、大きな耳のコウモリのようなひょうきんな顔がついています。上部には斜め上に向かって伸びる尻尾のようなものもありました。とうてつは古代の神々の中で最も位の高い神で、羊や牛のつの、鷲や高の爪を持つキメラみたいな神ですが、もしこれがとうてつであれば、キモ可愛い動物みたいですw びっしりと文様が描かれているのも中国らしい模様でした(ラーメンの容器の渦みたいなやつ。)
「双羊尊」 ★こちらで観られます
羊の頭が両脇に付いた壷かな。胴体に渦などの細かい模様が描かれ、おなかあたりでお互いの胴がくっついています。これまたユーモアを感じる作品でした。
「とうてつ文方い」 ★こちらで観られます
家の形をした置物です。これにもミリ単位の細かい文様が隙間無く描かれていました。当時の文化レベルの高さを感じます。
<展示室5 吉祥-明清の漆工と陶磁>
このコーナーはあらゆるところに使われた吉祥のデザインを集めたコーナーでした。
「堆朱椿文盆」
全体が朱色のお盆です。深々と椿と葉が彫られ、円形の中を埋め尽くしています。裏の淵にも彫られていました。鮮やかな赤と彫りの深さが力強かったです。
「螺鈿山水人物文盒子」
円形の容器に螺鈿で、川とその畔の木の下にいる2人の人物が描かれています。螺鈿のピンクと緑が淡い感じで綺麗でした。
「青花瓔珞文瓶」
大きな景徳鎮の壷に、青い染付けで仙人(寿老人か福禄寿?)やその周りの人々が描かれています。壷の上部には壽(寿)というお目出度い字があり縁起が良さそうでした。
「五彩蓮池水禽文大甕」
大きな甕です。柿右衛門の伊万里のように、乳白色に鮮やかな赤や緑で鴨のような鳥や草花を描いています。豪華で可愛らしい甕でした。
「粉彩百鹿尊壷」
2つセットの壷です。滑らかな薄い緑がかった白色地に、沢山の鹿や松、岩山が描かれています。取っ手が付いていてオレンジ色をしていました。川を渡る鹿や、角を合わせて喧嘩する鹿など、鹿たちも様々で可愛かったです。また、この作品も次の日に観た出光美術館の「ユートピア展」にそっくりな作品がありました。
<展示室6 初陣茶会>
最後の展示室は初代の根津嘉一郎氏が初めて茶会を開いた時の道具などが展示されていました。茶室の再現もケース内に設け、青山荘と名づけられたそうです。 このコーナーには千利休の茶杓など貴重な品もありました。
「阿蘭陀藍絵花蝶文向付」
オランダのデルフトで焼かれた陶器です。方形の四角い器で、白地に藍色で鳥と葉が描かれていました。日本の物に見えるけれどもオランダ製です。陶器に関しては東洋の技術を真似ていたんですね。
野々村仁清 「銹絵柿図水差」
象牙色で表面がザラザラした質感の水差です。水墨画のようにシンプルな柿の絵が描かれ、侘びた雰囲気でした。
上田宗品 「灰器」
円を中央で縦に2つに割って、左は黒く、右は木目がついたような色になっています。木を焼いたような質感があり、本当に陶器なの?と思うくらいでした。
ということで、幅広い題材で色々とあり、コレクション展っぽい内容でした。
今後ともお世話になりそうな美術館ですので、利用者に快適な美術館となっているのは幸いでした。


【展覧名】
新創記念特別展 第1部
新・根津美術館展 国宝那智瀧図と自然の造形
【公式サイト】
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/past2009_n01.html
【会場】根津美術館
【最寄】地下鉄表参道駅
【会期】2009年10月7日(水)~ 11月8日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
最終日の1日前だったせいかかなり混雑していましたが、広々とした通路やあちこちにあるソファのおかげで、人の多さの割りに快適に観られました。また、ロッカーもかなりあるので、預けることができないような事態はあまり起きない気がします。
フロアは4つに別れていて、
地下:講堂とロッカー
1階:展示室1~3、ホール、入口・受付、ミュージアムショップ、ロッカー
中2階:ラウンジ
2階:展示室4~6
となっています。 参考:フロアガイド
それぞれの部屋で時代も国も違った様々なコレクションが展示されていました。もう終わった展示ですが、いつもどおり章(フロア)ごとに気に入った作品をさらっとご紹介します。
<ホール~展示室3 仏教彫刻の魅力>
まず入るとホールがあり、そこには中国の唐や北済時代の仏像が並んでいました。展示室3にも仏像が続き、そちらは日本の仏像でした。
定慶 「帝釈天立像」
実物大の帝釈天像です。頭は少し大きめで、神秘的な表情を浮かべています。右手で印を組み、左手ではつぼみの花を持っていました。帝釈天は戦えば強い仏ですが、おだやかな雰囲気も感じました。
<展示室1 国宝那智瀧図と自然の造形>
ここが一番大きい部屋かな。今回の目玉である「那智瀧図」もここに展示されていました。
「中尊寺経」
青地に、金字と銀字の行が交互にくるお経です。巻頭には三尊像が描かれていました。今年の3月頃に世田谷美術館でやっていた「平泉~みちのくの浄土~展」で観たやつと似てた(同じ?)ように思いました。
「那智瀧図」 ★こちらで観られます
深い茶色の岩山の中央に、真っ白な瀧が流れ落ちています。瀧は縦に細かく線が入り、周りには小さな飛沫が描かれていました。瀧が浮かび上がるようで神聖な雰囲気すら漂っていました。
等禅 「白衣観音図」
全体的に白っぽい墨絵です。大きな月(光背?)を背にして、岩に右手を置いて座る観音様が描かれています。顔は少し微笑んでいるようで穏やかです。また、流れるような衣と硬い岩の質感が対照的でした。
蔵三 「牡丹猫図」
地面で伏せて上を見つめる猫と、その上部にある白い大きな牡丹が描かれています。(猫と同じくらいあるかも) 牡丹は薄い葉っぱも含めて爽やかで可憐な感じでした。猫はふわふわしてるのが分かって可愛いです。 また、枝を大きく描き、右下に大きな余白がある構図は猫と牡丹の存在を強めているように思いました。
伝 狩野元信 「四季花鳥図」
薄い黄色がかった単色の屏風です。湖?に集まる鳥たちを描いていて、孔雀、鴨、鷺(?)、編隊を組む鳥、ツバメ、尾長鳥(?) など様々な鳥が飛んだり休んだし餌を探しています。四季を越えて集まる鳥たちの仕草が楽しい屏風でした。
「吉野龍田図」 ★こちらで観られます
屏風です。右隻には、力強く角のある感じの幹に、屏風を埋め尽くす白い桜が描かれています。1枚1枚の花が盛り上がっていて、花びらがとても綺麗です。下には大和絵のような川が流れていました。左隻には、右隻と同じような構図で鮮やかなモミジが描かれています。よく観ると白いモミジも混ざっていました。また、左右ともに樹から短冊のようなものが釣り下がっていて詩が詠まれていました。
なお、これを観た次の日に出光美術館で「ユートピア展」を観たらそっくりな構図の屏風があって、関連性を指摘されていました。
野々村仁清 「色絵山寺図茶壷」 ★こちらで観られます
山寺の風景が描かれた茶壷です。金や淡い色彩で紅葉しているみたいです。壷自体の形と併せて優美さが漂っていました。
<展示室2 手を競う-王朝びとの筆のあと>
このコーナーは書のコーナーです。小野道風や藤原公任、藤原定信などの書や詩があり、古今和歌集などもありました。私は書はよくわからないので感想は割愛w
<特別ケース 宝飾時計>
ここからは中2階を抜けて2階にあったコーナーです。2階の廊下に突如、宝飾時計が3つほど飾られていました。
C・トンプソン(機械) 「宝飾時計」
時計の上に、てっぺんに青い鳥の飾が付いた金のカップが乗っています。緑と赤のストライプの柱もあり、豪華でカラフルな印象を受けました。
<展示室4 古代中国の青銅器>
ここは古代中国のコーナー。中国4000年の歴史とよく言いますが、殷(紀元前17世紀~紀元前11世紀)や周(紀元前1100年頃~起源256年)の頃の器などがあり、歴史の重みを感じます。そしてどれも個性的な形をしていました。
「とうてつ文方か」 ★こちらで観られます
3つセットの青銅の置物? (WEBの解説によると、かくはん器の役割もある盃のようです。) 立方体の胴体に4本の足と、大きな耳のコウモリのようなひょうきんな顔がついています。上部には斜め上に向かって伸びる尻尾のようなものもありました。とうてつは古代の神々の中で最も位の高い神で、羊や牛のつの、鷲や高の爪を持つキメラみたいな神ですが、もしこれがとうてつであれば、キモ可愛い動物みたいですw びっしりと文様が描かれているのも中国らしい模様でした(ラーメンの容器の渦みたいなやつ。)
「双羊尊」 ★こちらで観られます
羊の頭が両脇に付いた壷かな。胴体に渦などの細かい模様が描かれ、おなかあたりでお互いの胴がくっついています。これまたユーモアを感じる作品でした。
「とうてつ文方い」 ★こちらで観られます
家の形をした置物です。これにもミリ単位の細かい文様が隙間無く描かれていました。当時の文化レベルの高さを感じます。
<展示室5 吉祥-明清の漆工と陶磁>
このコーナーはあらゆるところに使われた吉祥のデザインを集めたコーナーでした。
「堆朱椿文盆」
全体が朱色のお盆です。深々と椿と葉が彫られ、円形の中を埋め尽くしています。裏の淵にも彫られていました。鮮やかな赤と彫りの深さが力強かったです。
「螺鈿山水人物文盒子」
円形の容器に螺鈿で、川とその畔の木の下にいる2人の人物が描かれています。螺鈿のピンクと緑が淡い感じで綺麗でした。
「青花瓔珞文瓶」
大きな景徳鎮の壷に、青い染付けで仙人(寿老人か福禄寿?)やその周りの人々が描かれています。壷の上部には壽(寿)というお目出度い字があり縁起が良さそうでした。
「五彩蓮池水禽文大甕」
大きな甕です。柿右衛門の伊万里のように、乳白色に鮮やかな赤や緑で鴨のような鳥や草花を描いています。豪華で可愛らしい甕でした。
「粉彩百鹿尊壷」
2つセットの壷です。滑らかな薄い緑がかった白色地に、沢山の鹿や松、岩山が描かれています。取っ手が付いていてオレンジ色をしていました。川を渡る鹿や、角を合わせて喧嘩する鹿など、鹿たちも様々で可愛かったです。また、この作品も次の日に観た出光美術館の「ユートピア展」にそっくりな作品がありました。
<展示室6 初陣茶会>
最後の展示室は初代の根津嘉一郎氏が初めて茶会を開いた時の道具などが展示されていました。茶室の再現もケース内に設け、青山荘と名づけられたそうです。 このコーナーには千利休の茶杓など貴重な品もありました。
「阿蘭陀藍絵花蝶文向付」
オランダのデルフトで焼かれた陶器です。方形の四角い器で、白地に藍色で鳥と葉が描かれていました。日本の物に見えるけれどもオランダ製です。陶器に関しては東洋の技術を真似ていたんですね。
野々村仁清 「銹絵柿図水差」
象牙色で表面がザラザラした質感の水差です。水墨画のようにシンプルな柿の絵が描かれ、侘びた雰囲気でした。
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円を中央で縦に2つに割って、左は黒く、右は木目がついたような色になっています。木を焼いたような質感があり、本当に陶器なの?と思うくらいでした。
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このブログの写真を撮ってます。上は気合入れてる時のカメラ、下は普段使いのカメラです。
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