Archive | 2010年01月
東京都庭園美術館と松岡美術館をめぐった後、ブルーポイント BLUE POINT 白金 でお茶してきました。前から気になっていたのですが、ここに行ったのは初めてでした。


【店名】
ブルーポイント BLUE POINT 白金
【ジャンル】
カフェ・レストラン
【公式サイト】
http://www.b-point.co.jp/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
白金台駅(東京メトロ) または 目黒駅(JR・東京メトロ)
【近くの美術館】
松岡美術館
東京都庭園美術館
【この日にかかった1人の費用】(※お酒は飲んでいません)
850円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(日曜日17時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
ここは庭園美術館から松岡美術館にハシゴする際には必ず通る場所にあるので、休憩するのに丁度良い場所にあるように思います。レストランなのかと思っていましたが、表にカフェメニューがあったので中に入ってみました。
中はこんな感じでお洒落です。席は1Fの通りが見えるところだったのですが2Fにも席があるようでした(お茶で2Fにいけるかはわかりません) 洒落た感じで結婚式とかでも使われるようです。

ケーキセット850円を頼みました。これはフルーツタルト。ベリーが美味しくて楽しめました。

連れは、木の実とリコッタチーズのタルト。

私はエスプレッソ。普通に美味しいです。 連れは紅茶。こちらも中々のようです。

ということで、驚くほど美味しいというほどではありませんが、まずまず美味しかったです。お洒落で場所も良いので、また行きたいと思えるお店です。


【店名】
ブルーポイント BLUE POINT 白金
【ジャンル】
カフェ・レストラン
【公式サイト】
http://www.b-point.co.jp/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
白金台駅(東京メトロ) または 目黒駅(JR・東京メトロ)
【近くの美術館】
松岡美術館
東京都庭園美術館
【この日にかかった1人の費用】(※お酒は飲んでいません)
850円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(日曜日17時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
ここは庭園美術館から松岡美術館にハシゴする際には必ず通る場所にあるので、休憩するのに丁度良い場所にあるように思います。レストランなのかと思っていましたが、表にカフェメニューがあったので中に入ってみました。
中はこんな感じでお洒落です。席は1Fの通りが見えるところだったのですが2Fにも席があるようでした(お茶で2Fにいけるかはわかりません) 洒落た感じで結婚式とかでも使われるようです。


ケーキセット850円を頼みました。これはフルーツタルト。ベリーが美味しくて楽しめました。

連れは、木の実とリコッタチーズのタルト。

私はエスプレッソ。普通に美味しいです。 連れは紅茶。こちらも中々のようです。


ということで、驚くほど美味しいというほどではありませんが、まずまず美味しかったです。お洒落で場所も良いので、また行きたいと思えるお店です。
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最近忙しくてご紹介が遅れましたが、始まってすぐに東京都庭園美術館で「イタリアの印象派 マッキアイオーリ展」を観てきました。勿論これもぐるっとパスで周っております。ぐるっとパスは庭園美術館→松岡美術館だけでもだいぶ元が取れる勢いです。


【展覧名】
イタリアの印象派 マッキアイオーリ展
【公式サイト】
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/macchia/index.html
http://www.teien-art-museum.ne.jp/index.html
【会場】東京都庭園美術館
【最寄】目黒駅(JR・東京メトロ) または 白金台駅(東京メトロ)
【会期】2010年1月16日~3月14日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日13時半頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
開催されて2日目に行ったのですが、相対的な混雑感がありました。そんなに人は多くないのですが、何せ広い美術館ではないので、すぐに人だかりができて混みあった雰囲気でした。 特に2階の小部屋は3~4人来ると混んでるように感じてしまう…。少し離れて見たいとき等は難儀しました。
さて、今回の展示は聴き慣れない「マッキアイオーリ」というイタリアの一派を紹介する展示で、見慣れないながらもフランスなどからの影響を感じる作品や、イタリアのルネサンスからの伝統も感じられる内容となっていました。
まず、「マッキアイオーリ」とは何かというと、イタリアの印象派とも言える存在で、1860年~80年代くらいの時代に活躍した一派です。パリ万博でのバルビゾン派に共鳴し、明暗の強いタッチと色の斑点(マッキア)を使って光を捉えようとした、まさに印象派的な存在でした。その隆盛には流れがあるようですので、今回も章ごとに気に入った作品を通じてご紹介しようかと思います。
なお、この展覧会には解説機も作品リストも無く、作品名はメモを頼りにしていますので、間違っていたらごめんなさい。 なぜかパンフレットは充実しているのが不思議w また、作品脇の解説の細かく書かれて詳しいのですが、内容は難しいですw
<第1章 カフェ・ミケランジェロのマッキアイオーリ:古典主題から同時代の主題へ>
ルネサンスは過去の栄光となっていたイタリア美術界の中で、歴史画や物語画への偏重や旧来の画法に疑問を持つ先進的な若い画家が「カフェミケランジェロ」という店に集まるようになりました。そしてバルビゾン派などに共鳴するようになっていったようです。ここではそうした新しい表現方法を求めた画家たちの作品が並んでいました。
なお、この頃、イタリアは分裂状態だったそうで、リソルジメント(イタリア統一運動/復興)が芸術にも影響を及ぼしているようです。
参考:イタリア統一運動のwiki
ヴィンチェンツォ・カビアンカ 「自画像」
広つば帽を被った紳士風の自画像です。解説によると構図の単純化が観られるとのことでしたが、そんなに単純化されているかなあ?と思いながら観ていました。目に帽子の影が落ち、青白い頬と無精ひげを強調しているらしく、確かに個性的なものを感じました。
クリスティアーノ・バンティ 「宗教裁判の前のガリレオ」
問い詰めるような顔の老人と、脇の2人の修道士風の人、そして老人の机の向かいには凛々しいガリレオが描かれていました。自信がありそうな表情を浮かべていました。
ジョヴァンニ・ファットーリ 「歩哨」
白い壁と白い土の道、そして何も無いような背景に、3人の馬に乗った兵士が描かれています。強烈に日の光を感じ、土と壁が同じような色というのも面白かったです。幾何学的な直線の多い構図も先進的な印象を受けました。
<第2章 マッキア(斑点)とリアリズム>
リソルジメント(イタリア統一運動/復興)が終局に入った1860年頃、ティツィアーノ(ルネサンス ヴェネチア派)などの巨匠が下図を描くのに用いていた、色の斑点で明暗を捕らえる技法を採用する人たちが現れました。彼らの作品は観衆には習作にしか見えなかった(下図に使ってた技法ですからねw)ようで、彼らを「マッキアイオーリ」と呼んでいました。これは半ば蔑称で「子供の作る斑点みたい」という意味もあったようです。しかし彼らはあえてその呼び名を使っていたみたいですw
テレマコ・シニョリーニ 「日向の子供たち」
軒先で向かい合って地べたに座る2人の子が描かれ、2人には強い日差しがあたっています。背後には家の中にいる親らしき女性も見えるのですが、家の中は暗くぼんやりしていてよくわかりません。明暗がくっきりと対比されている作品でした。
クリスティアーノ・バンティ 「農民の女性達の集い」
夕暮れの郊外の村に人々が集まっておしゃべりをしているようです。家々の間には光が差し込んでいますが、落ち着いた感じでした。のんびりと幸せそうな雰囲気がありました。
ヴィンチェンツォ・カビアンカ 「糸をつむぐ人」
のんびりして石の壁に腰掛ける老女、建物の入口にいる糸をつむぐ女性と子供が描かれています。くっきりとした明暗で、糸つむぎの女性にスポットライトが当たったみたいでした。
ラファエッロ・セルネージ 「わんぱく坊主(イチジクと泥棒)」
塀の上のイチジクを盗む様子かな。漆喰の壁の白、扉の赤、空のコバルトブルーなど色の分け方がはっきりしていました。この作品はこのコーナーの典型的な作品のようです。
<第3章 光の画家たち>
イタリアが統一されイタリア王国が生まれた頃、美術評論家のディエゴ・マルテッリはリヴォルノにも近いカスティリオンチェッロに広大な土地を相続しました。そして、そこに画家達を連れて行き、画家達は雄大な自然と海に触れ、それを作品にしていったようです。 ここではカスティリオンチェッロ近郊を描いた作品が多かったです。
ジュゼッペ・アッバーティ 「カスティリオンチェッロの谷」
簡略化されたような感じで、広大な茶色の原っぱと山、水色の空といったシンプルな風景画です。シンプルですが色の対比などが面白い作品でした。
ジュゼッペ・アッバーティ 「カスティリオンチェッロの眺め」
凄く横長の絵でパノラマのような風景が広がります。黄土色の建物や土、青い海、青白い空といった色彩も綺麗です。横から日が差し込んでいるみたいで影が伸びていました。光や色彩の微妙な表現が面白いです。
ここからは2Fの作品です。
ジュゼッペ・アッバーティ 「トスカーナの道」
白い道と脇の樹、手前の見えていない(画面に描いてない)木から落ちる影が描かれています。木の影はリスミカルな規則性がありました。見えないはずの木の存在感が強くて、影が主役みたいになっていて遊び心を感じます。
ジョヴァンニ・ファットーリ 「マルテッリ夫人の肖像」
林の中で椅子に寝そべるように座っている夫人の像です。何故か中央ではなく少し右よりに描かれているのが気になりました。また、晩夏の午後の光に満ちた地平線や垂直に立つ木が幾何学的な要素を持っているようでした。
シルヴェストロ・レーガ 「庭園での散歩」 ★こちらで観られます
日傘を持った2人の女性がこちらに歩いてきます。周りには木々あり、そこに当たった日差しが画面全体を明るくしているように見えました。また、かなりくっついて歩いている2人からは親密な間柄であることまで伝わるようでした。
シルヴェストロ・レーガ 「水揚げポンプ」
垂直の柱と水平に延びる水車のような木の軸が描かれています。他には丸い大きな籠が描かれていて、水平や円といった単純かつ幾何学的なモチーフが目立って面白いです。特に柱と木の軸の存在感は凄かった。
クリスティアーノ・バンティ 「内緒の話」
庭で並んで座る3人の女性が描かれています。真ん中の女性は奥の女性に話しかけている様子で、手前の女性は庭に生えた花をいじっているように見えました。恋の秘密話でしょうか。 3人には木漏れ日が落ち、光の斑点が服に落ちているのがよくわかりました。のんびりと平和な雰囲気の1枚です。
<第4章 1870年以後のマッキアイオーリ>
イタリアが統一された1870年代には、既にカフェ・ミケランジェロは閉鎖され、マッキアイオーリも節目を迎えていたようです。リアリズムというのは何かという概念も複雑化/多様化していくなかで、現実社会をみつめその根源の熱望を理解し、社会に衝撃を与えたいと考える画家も出てきたそうです。しかし、マッキアイオーリ自体は衰退に向かっていたようです。
テレマコ・シニョリーニ 「セッティニャーノの行進」
両側をレンガに囲まれた狭い坂道を登る大勢人々が描かれています。肩を組む子供や、色とりどりの画面から楽しげで明るい印象を受けました。
テレマコ・シニョリーニ 「リオマッジョーレの屋並」
人っ子一人いない、色あせたような海辺の町が描かれています。どうやら夜明け前の様子のようで、冷気が漂っていそうです。 建物の直線的な構図や雑多な町並も見所でした。
シルヴェストロ・レーガ 「お勉強」
三つ網の女の子と、後ろで抱くようにして教える黒衣の女性が描かれています。2人は親子? 温かみのあるお勉強の風景でした。
ジョヴァンニ・ファットーリ 「休憩(ローマの荷馬車)」
先ほどの1章でご紹介した「歩哨」と似た場所に見えます。御者と4頭の馬が休んでいるようで、道には車輪の後がついています。構図や光と影の表現に作者の試みが観られるということです。 のんびりした感じでした
<第5章 トスカーナの自然主義者たち>
最後の章はマッキアイオーリのその後の展開というニュアンスで、国外に活路を見出した者や、第二世代の登場などを紹介していました。
アドルフォ・トンマージ 「田園詩(逢瀬)」 ★こちらで観られます
柔らかい色調の作品で、荒れた道の横にある垣根ごしに話す富裕層の男女が描かれています。こんな会い方をするのは何か秘密の仲なのだろうかと勘ぐってしまいますw 人間関係や心理が気になる1枚でした。
アドリアーノ・チェチョーニ 「主人と散歩」
これはブロンズ像の犬(テリア?)です。首を傾げていて可愛い(><) 犬をよく観て観察しているのが伺える作品でしたが、何故ブロンズ像がいたのかはわかりませんでした。
フランチェスコ・ジョーリ 「水運びの娘」 ★こちらで観られます
今回、最も気に入った作品。後姿で頭に甕を乗せて、それを両手で押さえる女性が野原を歩いています。気品というか威厳すら感じる佇まいで、背筋を伸ばし、均整の取れたスタイルをしていました。輝くような草原も明るく爽やかでした。
ということで、中々観る機会の少ないジャンルの絵を堪能することが出来ました。63点なので1時間半もあれば観られますが、中々濃い内容です。イタリアならではの部分と、フランスなどから影響を受けた部分が分かったのは特に面白かったです。
この後に松岡美術館へハシゴしました。(ご紹介が前後しましたがw)



【展覧名】
イタリアの印象派 マッキアイオーリ展
【公式サイト】
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/macchia/index.html
http://www.teien-art-museum.ne.jp/index.html
【会場】東京都庭園美術館
【最寄】目黒駅(JR・東京メトロ) または 白金台駅(東京メトロ)
【会期】2010年1月16日~3月14日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日13時半頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
開催されて2日目に行ったのですが、相対的な混雑感がありました。そんなに人は多くないのですが、何せ広い美術館ではないので、すぐに人だかりができて混みあった雰囲気でした。 特に2階の小部屋は3~4人来ると混んでるように感じてしまう…。少し離れて見たいとき等は難儀しました。
さて、今回の展示は聴き慣れない「マッキアイオーリ」というイタリアの一派を紹介する展示で、見慣れないながらもフランスなどからの影響を感じる作品や、イタリアのルネサンスからの伝統も感じられる内容となっていました。
まず、「マッキアイオーリ」とは何かというと、イタリアの印象派とも言える存在で、1860年~80年代くらいの時代に活躍した一派です。パリ万博でのバルビゾン派に共鳴し、明暗の強いタッチと色の斑点(マッキア)を使って光を捉えようとした、まさに印象派的な存在でした。その隆盛には流れがあるようですので、今回も章ごとに気に入った作品を通じてご紹介しようかと思います。
なお、この展覧会には解説機も作品リストも無く、作品名はメモを頼りにしていますので、間違っていたらごめんなさい。 なぜかパンフレットは充実しているのが不思議w また、作品脇の解説の細かく書かれて詳しいのですが、内容は難しいですw
<第1章 カフェ・ミケランジェロのマッキアイオーリ:古典主題から同時代の主題へ>
ルネサンスは過去の栄光となっていたイタリア美術界の中で、歴史画や物語画への偏重や旧来の画法に疑問を持つ先進的な若い画家が「カフェミケランジェロ」という店に集まるようになりました。そしてバルビゾン派などに共鳴するようになっていったようです。ここではそうした新しい表現方法を求めた画家たちの作品が並んでいました。
なお、この頃、イタリアは分裂状態だったそうで、リソルジメント(イタリア統一運動/復興)が芸術にも影響を及ぼしているようです。
参考:イタリア統一運動のwiki
ヴィンチェンツォ・カビアンカ 「自画像」
広つば帽を被った紳士風の自画像です。解説によると構図の単純化が観られるとのことでしたが、そんなに単純化されているかなあ?と思いながら観ていました。目に帽子の影が落ち、青白い頬と無精ひげを強調しているらしく、確かに個性的なものを感じました。
クリスティアーノ・バンティ 「宗教裁判の前のガリレオ」
問い詰めるような顔の老人と、脇の2人の修道士風の人、そして老人の机の向かいには凛々しいガリレオが描かれていました。自信がありそうな表情を浮かべていました。
ジョヴァンニ・ファットーリ 「歩哨」
白い壁と白い土の道、そして何も無いような背景に、3人の馬に乗った兵士が描かれています。強烈に日の光を感じ、土と壁が同じような色というのも面白かったです。幾何学的な直線の多い構図も先進的な印象を受けました。
<第2章 マッキア(斑点)とリアリズム>
リソルジメント(イタリア統一運動/復興)が終局に入った1860年頃、ティツィアーノ(ルネサンス ヴェネチア派)などの巨匠が下図を描くのに用いていた、色の斑点で明暗を捕らえる技法を採用する人たちが現れました。彼らの作品は観衆には習作にしか見えなかった(下図に使ってた技法ですからねw)ようで、彼らを「マッキアイオーリ」と呼んでいました。これは半ば蔑称で「子供の作る斑点みたい」という意味もあったようです。しかし彼らはあえてその呼び名を使っていたみたいですw
テレマコ・シニョリーニ 「日向の子供たち」
軒先で向かい合って地べたに座る2人の子が描かれ、2人には強い日差しがあたっています。背後には家の中にいる親らしき女性も見えるのですが、家の中は暗くぼんやりしていてよくわかりません。明暗がくっきりと対比されている作品でした。
クリスティアーノ・バンティ 「農民の女性達の集い」
夕暮れの郊外の村に人々が集まっておしゃべりをしているようです。家々の間には光が差し込んでいますが、落ち着いた感じでした。のんびりと幸せそうな雰囲気がありました。
ヴィンチェンツォ・カビアンカ 「糸をつむぐ人」
のんびりして石の壁に腰掛ける老女、建物の入口にいる糸をつむぐ女性と子供が描かれています。くっきりとした明暗で、糸つむぎの女性にスポットライトが当たったみたいでした。
ラファエッロ・セルネージ 「わんぱく坊主(イチジクと泥棒)」
塀の上のイチジクを盗む様子かな。漆喰の壁の白、扉の赤、空のコバルトブルーなど色の分け方がはっきりしていました。この作品はこのコーナーの典型的な作品のようです。
<第3章 光の画家たち>
イタリアが統一されイタリア王国が生まれた頃、美術評論家のディエゴ・マルテッリはリヴォルノにも近いカスティリオンチェッロに広大な土地を相続しました。そして、そこに画家達を連れて行き、画家達は雄大な自然と海に触れ、それを作品にしていったようです。 ここではカスティリオンチェッロ近郊を描いた作品が多かったです。
ジュゼッペ・アッバーティ 「カスティリオンチェッロの谷」
簡略化されたような感じで、広大な茶色の原っぱと山、水色の空といったシンプルな風景画です。シンプルですが色の対比などが面白い作品でした。
ジュゼッペ・アッバーティ 「カスティリオンチェッロの眺め」
凄く横長の絵でパノラマのような風景が広がります。黄土色の建物や土、青い海、青白い空といった色彩も綺麗です。横から日が差し込んでいるみたいで影が伸びていました。光や色彩の微妙な表現が面白いです。
ここからは2Fの作品です。
ジュゼッペ・アッバーティ 「トスカーナの道」
白い道と脇の樹、手前の見えていない(画面に描いてない)木から落ちる影が描かれています。木の影はリスミカルな規則性がありました。見えないはずの木の存在感が強くて、影が主役みたいになっていて遊び心を感じます。
ジョヴァンニ・ファットーリ 「マルテッリ夫人の肖像」
林の中で椅子に寝そべるように座っている夫人の像です。何故か中央ではなく少し右よりに描かれているのが気になりました。また、晩夏の午後の光に満ちた地平線や垂直に立つ木が幾何学的な要素を持っているようでした。
シルヴェストロ・レーガ 「庭園での散歩」 ★こちらで観られます
日傘を持った2人の女性がこちらに歩いてきます。周りには木々あり、そこに当たった日差しが画面全体を明るくしているように見えました。また、かなりくっついて歩いている2人からは親密な間柄であることまで伝わるようでした。
シルヴェストロ・レーガ 「水揚げポンプ」
垂直の柱と水平に延びる水車のような木の軸が描かれています。他には丸い大きな籠が描かれていて、水平や円といった単純かつ幾何学的なモチーフが目立って面白いです。特に柱と木の軸の存在感は凄かった。
クリスティアーノ・バンティ 「内緒の話」
庭で並んで座る3人の女性が描かれています。真ん中の女性は奥の女性に話しかけている様子で、手前の女性は庭に生えた花をいじっているように見えました。恋の秘密話でしょうか。 3人には木漏れ日が落ち、光の斑点が服に落ちているのがよくわかりました。のんびりと平和な雰囲気の1枚です。
<第4章 1870年以後のマッキアイオーリ>
イタリアが統一された1870年代には、既にカフェ・ミケランジェロは閉鎖され、マッキアイオーリも節目を迎えていたようです。リアリズムというのは何かという概念も複雑化/多様化していくなかで、現実社会をみつめその根源の熱望を理解し、社会に衝撃を与えたいと考える画家も出てきたそうです。しかし、マッキアイオーリ自体は衰退に向かっていたようです。
テレマコ・シニョリーニ 「セッティニャーノの行進」
両側をレンガに囲まれた狭い坂道を登る大勢人々が描かれています。肩を組む子供や、色とりどりの画面から楽しげで明るい印象を受けました。
テレマコ・シニョリーニ 「リオマッジョーレの屋並」
人っ子一人いない、色あせたような海辺の町が描かれています。どうやら夜明け前の様子のようで、冷気が漂っていそうです。 建物の直線的な構図や雑多な町並も見所でした。
シルヴェストロ・レーガ 「お勉強」
三つ網の女の子と、後ろで抱くようにして教える黒衣の女性が描かれています。2人は親子? 温かみのあるお勉強の風景でした。
ジョヴァンニ・ファットーリ 「休憩(ローマの荷馬車)」
先ほどの1章でご紹介した「歩哨」と似た場所に見えます。御者と4頭の馬が休んでいるようで、道には車輪の後がついています。構図や光と影の表現に作者の試みが観られるということです。 のんびりした感じでした
<第5章 トスカーナの自然主義者たち>
最後の章はマッキアイオーリのその後の展開というニュアンスで、国外に活路を見出した者や、第二世代の登場などを紹介していました。
アドルフォ・トンマージ 「田園詩(逢瀬)」 ★こちらで観られます
柔らかい色調の作品で、荒れた道の横にある垣根ごしに話す富裕層の男女が描かれています。こんな会い方をするのは何か秘密の仲なのだろうかと勘ぐってしまいますw 人間関係や心理が気になる1枚でした。
アドリアーノ・チェチョーニ 「主人と散歩」
これはブロンズ像の犬(テリア?)です。首を傾げていて可愛い(><) 犬をよく観て観察しているのが伺える作品でしたが、何故ブロンズ像がいたのかはわかりませんでした。
フランチェスコ・ジョーリ 「水運びの娘」 ★こちらで観られます
今回、最も気に入った作品。後姿で頭に甕を乗せて、それを両手で押さえる女性が野原を歩いています。気品というか威厳すら感じる佇まいで、背筋を伸ばし、均整の取れたスタイルをしていました。輝くような草原も明るく爽やかでした。
ということで、中々観る機会の少ないジャンルの絵を堪能することが出来ました。63点なので1時間半もあれば観られますが、中々濃い内容です。イタリアならではの部分と、フランスなどから影響を受けた部分が分かったのは特に面白かったです。
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前回の記事に引き続き、松岡美術館のご紹介です。「吉祥のうつわ展-中国陶磁にみる祝い寿ぐ文様の世界」を観た後、併設展の「華麗なる花鳥画の世界展」と「ヴィクトリア朝絵画展」を観てきました。どちらも2Fの1室ずつの小展ですが、好みの作品がありました。

【展覧名】
華麗なる花鳥画の世界展
ヴィクトリア朝絵画展
【公式サイト】
http://www.matsuoka-museum.jp/exhibit4.html
http://www.matsuoka-museum.jp/
【会場】松岡美術館
【最寄】白金台駅(東京メトロ) または 目黒駅(JR・東京メトロ)
【会期】
華麗なる花鳥画の世界展
前期:2010年01月05日(火)~02月21日(日)
後期:2010年02月23日(火)~04月18日(日)
ヴィクトリア朝絵画展は期間不明
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
特別展 0時間15分程度 + 併設展/常設 0時間40分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日16時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
松岡美術館はマナーを守れば写真撮影をしても良いので、今回も何点か写真でご紹介しようと思います。
※掲載に問題がありましたら掲載をおろしますので、お申し付けください。
過去の松岡美術館の案内記事:
松岡美術館の案内 【常設 2009年10月】
大観・観山と日本美術院の画家たち展 【松岡美術館】
吉祥のうつわ展-中国陶磁にみる祝い寿ぐ文様の世界 【松岡美術館】
<華麗なる花鳥画の世界展>
まずは、「華麗なる花鳥画の世界展」から観ました。前期・後期に会期が分かれるようで、私は前期でした。
西村五雲 「老松遊鶴図」
まず目に入ったのがこちらの見事な屏風。一番右の鶴は真下を向いていたり、松の後ろを横切ったり、鶴の動きが面白いです。

今尾景年 「群鳥之図」
襖にも鳥が描かれていました。

(左):川合玉堂 「磯千鳥図」
(右):児玉希望 「滄海の曙」
玉堂の方はデフォルメされたような感じかな。うねりと自由に飛ぶ鳥たちの様子に開放感を感じました。
児玉希望の作品はくっきりした色彩が鮮やかで好みでした。特に海の色と日の色が好き。

この他にも、山本真也「枯野」や、本間白路「樹」など好みの作品はありましたが、結構最近の作品なので写真は自重しておきます^^; 後期はどれくらい入れ替わるかわかりませんが、後期も観たいものです。ここの2Fも来るたびに作品が変わっていて、コレクションの豊富さが伺えますね。
<ヴィクトリア朝絵画展>
続いて、「ヴィクトリア朝絵画展」です。
ヴィクトリア朝絵画というのはヴィクトリア女王がイギリスを治めた1837年~1901年のイギリス絵画の総称らしいです。ラファエル前派や、アーツ・アンド・クラフツ運動などもこの時代に入るようです。
ジョン・エヴァレット・ミレイ 「聖テレジアの少女時代」
ミレイ晩年の作品です。若い頃はラファエル前派として細密な描写が中心でしたが、その後アカデミー風に変わって行った画家です。ミレイの絵は何を観ても素晴らしいw

チャールズ・エドワード・ペルジーニ 「束の間の喜び」
優雅さのある細密な絵で目を引きました。手の上に乗った蝶をみる眼差しが素晴らしいですね。

ジェームズ・バーレル・スミス 「キラーニィのトアの滝、アイルランド」
この画家は「滝のスミス」と呼ばれるほど滝を描いた作品が多いのだとか。どこか幻想的なのに現実のような緻密さでした。

ウィリアム・アドルフ・ブーグロー 「編み物をする少女」
この人はフランスの画家です。光が反射していてすみません。こちらをじっと伺う少女の目が非常に印象的でした。

フェデリーコ・アンドレオッティ 「少女と鳩」
イタリア生まれの画家。イギリスのロイヤルアカデミーに出品していた時期があるようです。悪戯っぽい表情で小悪魔的な娘でしょうかね。 親しげな雰囲気がありました。

という感じでした。実際には風景画も結構あったのですが、どうしても肖像画(女性像)が好きなもので紹介が肖像ばかりになってしまいましたw
それにしてもイギリスの芸術もかなり好みです。 現在、渋谷のbunkamuraでは「愛のヴィクトリアン・ジュエリー展 華麗なる英国のライフスタイル」、府中市美術館では「ターナーから印象派へ 光の中の自然」展が開催されていますので、イギリスの同じような時代の展覧会めぐりの1つとして行ってみるのも面白いかもしれません。
参考記事:
愛のヴィクトリアン・ジュエリー展 華麗なる英国のライフスタイル (Bunkamuraザ・ミュージアム)
ターナーから印象派へ 光の中の自然 (府中市美術館)
こちらは過去の展示ですが同じ時代のアーツ・アンド・クラフツ関連の参考記事:
ウィリアム・ド・モーガン 艶と色彩 -19世紀 タイル・アートの巨匠-(パナソニック電工汐留ミュージアム)
生活と芸術 アーツ&クラフツ展 ウイリアム・モリスから民芸まで (東京都美術館)

【展覧名】
華麗なる花鳥画の世界展
ヴィクトリア朝絵画展
【公式サイト】
http://www.matsuoka-museum.jp/exhibit4.html
http://www.matsuoka-museum.jp/
【会場】松岡美術館
【最寄】白金台駅(東京メトロ) または 目黒駅(JR・東京メトロ)
【会期】
華麗なる花鳥画の世界展
前期:2010年01月05日(火)~02月21日(日)
後期:2010年02月23日(火)~04月18日(日)
ヴィクトリア朝絵画展は期間不明
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
特別展 0時間15分程度 + 併設展/常設 0時間40分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日16時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
松岡美術館はマナーを守れば写真撮影をしても良いので、今回も何点か写真でご紹介しようと思います。
※掲載に問題がありましたら掲載をおろしますので、お申し付けください。
過去の松岡美術館の案内記事:
松岡美術館の案内 【常設 2009年10月】
大観・観山と日本美術院の画家たち展 【松岡美術館】
吉祥のうつわ展-中国陶磁にみる祝い寿ぐ文様の世界 【松岡美術館】
<華麗なる花鳥画の世界展>
まずは、「華麗なる花鳥画の世界展」から観ました。前期・後期に会期が分かれるようで、私は前期でした。
西村五雲 「老松遊鶴図」
まず目に入ったのがこちらの見事な屏風。一番右の鶴は真下を向いていたり、松の後ろを横切ったり、鶴の動きが面白いです。

今尾景年 「群鳥之図」
襖にも鳥が描かれていました。

(左):川合玉堂 「磯千鳥図」
(右):児玉希望 「滄海の曙」
玉堂の方はデフォルメされたような感じかな。うねりと自由に飛ぶ鳥たちの様子に開放感を感じました。
児玉希望の作品はくっきりした色彩が鮮やかで好みでした。特に海の色と日の色が好き。


この他にも、山本真也「枯野」や、本間白路「樹」など好みの作品はありましたが、結構最近の作品なので写真は自重しておきます^^; 後期はどれくらい入れ替わるかわかりませんが、後期も観たいものです。ここの2Fも来るたびに作品が変わっていて、コレクションの豊富さが伺えますね。
<ヴィクトリア朝絵画展>
続いて、「ヴィクトリア朝絵画展」です。
ヴィクトリア朝絵画というのはヴィクトリア女王がイギリスを治めた1837年~1901年のイギリス絵画の総称らしいです。ラファエル前派や、アーツ・アンド・クラフツ運動などもこの時代に入るようです。
ジョン・エヴァレット・ミレイ 「聖テレジアの少女時代」
ミレイ晩年の作品です。若い頃はラファエル前派として細密な描写が中心でしたが、その後アカデミー風に変わって行った画家です。ミレイの絵は何を観ても素晴らしいw

チャールズ・エドワード・ペルジーニ 「束の間の喜び」
優雅さのある細密な絵で目を引きました。手の上に乗った蝶をみる眼差しが素晴らしいですね。

ジェームズ・バーレル・スミス 「キラーニィのトアの滝、アイルランド」
この画家は「滝のスミス」と呼ばれるほど滝を描いた作品が多いのだとか。どこか幻想的なのに現実のような緻密さでした。

ウィリアム・アドルフ・ブーグロー 「編み物をする少女」
この人はフランスの画家です。光が反射していてすみません。こちらをじっと伺う少女の目が非常に印象的でした。

フェデリーコ・アンドレオッティ 「少女と鳩」
イタリア生まれの画家。イギリスのロイヤルアカデミーに出品していた時期があるようです。悪戯っぽい表情で小悪魔的な娘でしょうかね。 親しげな雰囲気がありました。

という感じでした。実際には風景画も結構あったのですが、どうしても肖像画(女性像)が好きなもので紹介が肖像ばかりになってしまいましたw
それにしてもイギリスの芸術もかなり好みです。 現在、渋谷のbunkamuraでは「愛のヴィクトリアン・ジュエリー展 華麗なる英国のライフスタイル」、府中市美術館では「ターナーから印象派へ 光の中の自然」展が開催されていますので、イギリスの同じような時代の展覧会めぐりの1つとして行ってみるのも面白いかもしれません。
参考記事:
愛のヴィクトリアン・ジュエリー展 華麗なる英国のライフスタイル (Bunkamuraザ・ミュージアム)
ターナーから印象派へ 光の中の自然 (府中市美術館)
こちらは過去の展示ですが同じ時代のアーツ・アンド・クラフツ関連の参考記事:
ウィリアム・ド・モーガン 艶と色彩 -19世紀 タイル・アートの巨匠-(パナソニック電工汐留ミュージアム)
生活と芸術 アーツ&クラフツ展 ウイリアム・モリスから民芸まで (東京都美術館)
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先日、目黒にでかけて庭園美術館と松岡美術館をハシゴしてきました。実際には庭園美術館のほうから巡ったのですが、今日は帰りが遅かったので記事のボリューム的に先に松岡美術館の紹介をしようかと思います。今回も勿論、ぐるっとパスで入場しましたw

【展覧名】
吉祥のうつわ展-中国陶磁にみる祝い寿ぐ文様の世界
【公式サイト】
http://www.matsuoka-museum.jp/exhibit4.html
http://www.matsuoka-museum.jp/
【会場】松岡美術館
【最寄】白金台駅(東京メトロ) または 目黒駅(JR・東京メトロ)
【会期】2010年1月5日(火)~4月18日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
特別展 0時間15分程度 + 併設展/常設 0時間40分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日16時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
松岡美術館はマナーを守れば写真撮影をしても良いので、今回も何点か写真でご紹介しようと思います。
※掲載に問題がありましたら掲載をおろしますので、お申し付けください。
過去の松岡美術館の案内記事:
松岡美術館の案内 【常設 2009年10月】
大観・観山と日本美術院の画家たち展 【松岡美術館】
今回の展示はそんなに期待していなかったのですが、意外と面白い展示でした。吉祥をテーマに宋時代から清時代までの中国陶磁器がモチーフごとに展示されていて、それぞれのモチーフがどういう意味があるのかが解説されていました。(各作品についての説明はあまりありません) そういえば去年観た道教展でも同じようなこと言ってたなというのもいくつかありました。ただ、中国の磁器はまったく見方がわからず知識もないので、詳しいことはわかりません^^; こういう展示で学んでいきたいところです。
展示室はこんな感じで1部屋です。空いていたのも嬉しい。

【瑞祥-龍、鳳凰、麒麟】
瑞祥というのは、皇帝が徳の高い治世を行って天下泰平を実現したときに天がそれを評価してくれる験のことらしいです。これらの霊獣は瑞祥の代表的なモチーフで、特に龍は皇帝のシンボルのようです。元、明、清時代の景徳鎮には五本爪の龍が使われているようでした。
(左):「青花 双らん菊文大盤」 景徳鎮 元時代
(中):「青花 龍文 合子」 景徳鎮 明時代
(右):「青花緑彩 雲龍文 大皿」 景徳鎮 清時代
確かに龍は5本の爪を持ってます。

「青花 双鳳草虫図 八角瓶」 景徳鎮 元時代
この美術館の設立の契機にもなったという名品だそうです。

【神仙、鹿、桃】
中国の価値観には「長生き」というのが重要な位置を占めるのですが、鹿は鶴とともに長寿の仙獣として扱われているようです。また、「禄」と「鹿」の発音が似ていることから富貴の象徴でもあるようです。
桃は伝説に由来し長寿の果実と見なされているそうです。
「法花透彫松下人物図 壷」 明時代
福禄寿とかかな。仙人っぽいです。

「五彩 百蝠文 壷」と「五彩 百鹿文 壷」 景徳鎮 明時代
左はこうもり? 百鹿は確かによく観るモチーフです。

【魚藻文】
豊饒を寓意する吉祥文らしいです。魚は豊かさとめでたさの象徴らしく、魚(女性)と鳥(男)で恋人同士を喩えることもあるのだとか。また2匹の魚を並べた双魚文や、蓮と魚を並べた蓮池魚藻文も好まれるそうです。(蓮=連、魚=余と発音が同じらしく「連年有余(毎年余裕があって豊か)」という意味に通じるそうです)
(左):「五彩 魚藻文 壷」 景徳鎮 明時代
(右):「五彩 魚藻文 柑子口 瓶」 景徳鎮 明時代
色鮮やかな作品です。これを観てると庭園美術館でみた伊万里展を思い出しました。伊万里は景徳鎮とライバルだったんですよね。

【蓮花文、蓮池水禽文】
蓮は仏教のシンボルですが、それとは関係なく中国でも子孫繁栄の吉祥のモチーフとなっているようです。先ほどと同じように蓮=連と発音が同じで、男の子が連続して生まれる「連生貴子」という言葉に繋がるそうです。また、蓮=恋にも発音が通じるということで恋愛や結婚への思いも込められるようです。 中国の発想は発音にありそうですねw
(左):「五彩 花鳥文 盤」 景徳鎮 清時代
(右):「緑釉かっか 蓮花文 枕」 磁州釜系 金時代
この枕、豪華だけど硬そうw

【瓜、葡萄、柘榴、茘枝】
茘枝というのはライチのことです。これらの植物は沢山の実をつけることから子孫繁栄の吉祥として用いられていたようです。
(左):「青花 葡萄文 大盤」 景徳鎮 明時代
(右):「青花 茘枝文 扁壷」 景徳鎮 明時代
景徳鎮の青花というのはシンプルなようで奥深いですね。全然見飽きません。

【牡丹】
牡丹はその絢爛さから富貴の象徴とされたそうです。
(左):「白釉掻落 牡丹唐草文 瓶」 磁州釜系 北宋/金時代
(右):「白釉黒花 牡丹文 瓶」 磁州釜系 金時代
白釉というのも清廉な雰囲気がいいですね。

という感じでした。ぐるっとパスで入った上、空いていてじっくり観られて、おまけに写真まで撮れる。かなりお徳感のあるお勧めの美術館です。様々なモチーフの意味もわかって小展ながらも楽しめました。勿論、ご紹介した作品以外にも目を引く作品や価値のある作品があると思いますので、興味のある方は足を運んでみてください。
次回は併設展の「華麗なる花鳥画の世界展」と「ヴィクトリア朝絵画展」をご紹介します。

【展覧名】
吉祥のうつわ展-中国陶磁にみる祝い寿ぐ文様の世界
【公式サイト】
http://www.matsuoka-museum.jp/exhibit4.html
http://www.matsuoka-museum.jp/
【会場】松岡美術館
【最寄】白金台駅(東京メトロ) または 目黒駅(JR・東京メトロ)
【会期】2010年1月5日(火)~4月18日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
特別展 0時間15分程度 + 併設展/常設 0時間40分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日16時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
松岡美術館はマナーを守れば写真撮影をしても良いので、今回も何点か写真でご紹介しようと思います。
※掲載に問題がありましたら掲載をおろしますので、お申し付けください。
過去の松岡美術館の案内記事:
松岡美術館の案内 【常設 2009年10月】
大観・観山と日本美術院の画家たち展 【松岡美術館】
今回の展示はそんなに期待していなかったのですが、意外と面白い展示でした。吉祥をテーマに宋時代から清時代までの中国陶磁器がモチーフごとに展示されていて、それぞれのモチーフがどういう意味があるのかが解説されていました。(各作品についての説明はあまりありません) そういえば去年観た道教展でも同じようなこと言ってたなというのもいくつかありました。ただ、中国の磁器はまったく見方がわからず知識もないので、詳しいことはわかりません^^; こういう展示で学んでいきたいところです。
展示室はこんな感じで1部屋です。空いていたのも嬉しい。

【瑞祥-龍、鳳凰、麒麟】
瑞祥というのは、皇帝が徳の高い治世を行って天下泰平を実現したときに天がそれを評価してくれる験のことらしいです。これらの霊獣は瑞祥の代表的なモチーフで、特に龍は皇帝のシンボルのようです。元、明、清時代の景徳鎮には五本爪の龍が使われているようでした。
(左):「青花 双らん菊文大盤」 景徳鎮 元時代
(中):「青花 龍文 合子」 景徳鎮 明時代
(右):「青花緑彩 雲龍文 大皿」 景徳鎮 清時代
確かに龍は5本の爪を持ってます。



「青花 双鳳草虫図 八角瓶」 景徳鎮 元時代
この美術館の設立の契機にもなったという名品だそうです。

【神仙、鹿、桃】
中国の価値観には「長生き」というのが重要な位置を占めるのですが、鹿は鶴とともに長寿の仙獣として扱われているようです。また、「禄」と「鹿」の発音が似ていることから富貴の象徴でもあるようです。
桃は伝説に由来し長寿の果実と見なされているそうです。
「法花透彫松下人物図 壷」 明時代
福禄寿とかかな。仙人っぽいです。

「五彩 百蝠文 壷」と「五彩 百鹿文 壷」 景徳鎮 明時代
左はこうもり? 百鹿は確かによく観るモチーフです。

【魚藻文】
豊饒を寓意する吉祥文らしいです。魚は豊かさとめでたさの象徴らしく、魚(女性)と鳥(男)で恋人同士を喩えることもあるのだとか。また2匹の魚を並べた双魚文や、蓮と魚を並べた蓮池魚藻文も好まれるそうです。(蓮=連、魚=余と発音が同じらしく「連年有余(毎年余裕があって豊か)」という意味に通じるそうです)
(左):「五彩 魚藻文 壷」 景徳鎮 明時代
(右):「五彩 魚藻文 柑子口 瓶」 景徳鎮 明時代
色鮮やかな作品です。これを観てると庭園美術館でみた伊万里展を思い出しました。伊万里は景徳鎮とライバルだったんですよね。


【蓮花文、蓮池水禽文】
蓮は仏教のシンボルですが、それとは関係なく中国でも子孫繁栄の吉祥のモチーフとなっているようです。先ほどと同じように蓮=連と発音が同じで、男の子が連続して生まれる「連生貴子」という言葉に繋がるそうです。また、蓮=恋にも発音が通じるということで恋愛や結婚への思いも込められるようです。 中国の発想は発音にありそうですねw
(左):「五彩 花鳥文 盤」 景徳鎮 清時代
(右):「緑釉かっか 蓮花文 枕」 磁州釜系 金時代
この枕、豪華だけど硬そうw


【瓜、葡萄、柘榴、茘枝】
茘枝というのはライチのことです。これらの植物は沢山の実をつけることから子孫繁栄の吉祥として用いられていたようです。
(左):「青花 葡萄文 大盤」 景徳鎮 明時代
(右):「青花 茘枝文 扁壷」 景徳鎮 明時代
景徳鎮の青花というのはシンプルなようで奥深いですね。全然見飽きません。


【牡丹】
牡丹はその絢爛さから富貴の象徴とされたそうです。
(左):「白釉掻落 牡丹唐草文 瓶」 磁州釜系 北宋/金時代
(右):「白釉黒花 牡丹文 瓶」 磁州釜系 金時代
白釉というのも清廉な雰囲気がいいですね。


という感じでした。ぐるっとパスで入った上、空いていてじっくり観られて、おまけに写真まで撮れる。かなりお徳感のあるお勧めの美術館です。様々なモチーフの意味もわかって小展ながらも楽しめました。勿論、ご紹介した作品以外にも目を引く作品や価値のある作品があると思いますので、興味のある方は足を運んでみてください。
次回は併設展の「華麗なる花鳥画の世界展」と「ヴィクトリア朝絵画展」をご紹介します。
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国立新美術館で「ルノワール-伝統と革新」を観た後、ミッドタウンに移動して、フジフイルム スクエアで写真で辿る『坂本龍馬の生きた時代』も観てきました。

【展覧名】
写真で辿る『坂本龍馬の生きた時代』
【公式サイト】
http://fujifilmsquare.jp/detail/10011601.html
【会場】FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア) 1Fギャラリー「PHOTO IS」
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2010年1月16日(土)~2月25日(木)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間20分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日18時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_②_3_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
意外と込み合っていました。何も考えず、どんな展示かも知らずに行ったのですが、今回の内容は写真展と言うよりは大河ドラマの宣伝展示みたいな感じかな。幕末の人物写真や風俗写真もありますが、基本的には解説や説明が多いです。といっても、半分は大河ドラマの役者に、自分の役についてや、この時代に生まれていたらどうなったか?というようなインタビューパネルだったりするので、テレビドラマをほとんど観ない私にとっては何の興味もない内容でしたw また、もう半分は龍馬についてや周りの人々の説明などで、ちょっと面白かったのが、龍馬の周りの女性関係の図。 婚約破棄とか現地妻とか、中々に女の敵っぷりがわかる相関図でした。 あとは特に珍しいことは書いてなかったかな。ドラマを観る上での予備知識くらいの内容になっているとは思うので、あまり時代背景を知らない人が予習するのにはいいかも知れません。西郷隆盛とか別人説が有力なものもあったんですが、どうなんでしょうか。
展示コーナーの前には、幕末のイケメン投票コーナーというのがありました。ハートのシールを貼っていくので投票結果がすぐわかるのですが、見た感じ龍馬と土方が人気だったかな。私は勝海舟に清き一票を入れたのですが、連れにはありえねーだろ的な突っ込みを受けましたw 歴史への直接的な影響力や働きを考えると相当凄いのに、人気ないみたい…。やっぱ文化人でもある徳川慶喜に入れとくべきだったかなw
と、今回は1Fの企画点はあまり満足できなかったのですが、2Fの
鈴木一雄写真展「櫻乃聲(さくらのこえ)」と
蓑口ヒロミ写真展「桜の旋律」
は非常に綺麗で楽しめました。この2つは両方とも2010年1月22日(金)~2010年1月28日(木)のわずかな期間の展示のようです。期間が短くて勿体無い!


【展覧名】
写真で辿る『坂本龍馬の生きた時代』
【公式サイト】
http://fujifilmsquare.jp/detail/10011601.html
【会場】FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア) 1Fギャラリー「PHOTO IS」
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2010年1月16日(土)~2月25日(木)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間20分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日18時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_②_3_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
意外と込み合っていました。何も考えず、どんな展示かも知らずに行ったのですが、今回の内容は写真展と言うよりは大河ドラマの宣伝展示みたいな感じかな。幕末の人物写真や風俗写真もありますが、基本的には解説や説明が多いです。といっても、半分は大河ドラマの役者に、自分の役についてや、この時代に生まれていたらどうなったか?というようなインタビューパネルだったりするので、テレビドラマをほとんど観ない私にとっては何の興味もない内容でしたw また、もう半分は龍馬についてや周りの人々の説明などで、ちょっと面白かったのが、龍馬の周りの女性関係の図。 婚約破棄とか現地妻とか、中々に女の敵っぷりがわかる相関図でした。 あとは特に珍しいことは書いてなかったかな。ドラマを観る上での予備知識くらいの内容になっているとは思うので、あまり時代背景を知らない人が予習するのにはいいかも知れません。西郷隆盛とか別人説が有力なものもあったんですが、どうなんでしょうか。
展示コーナーの前には、幕末のイケメン投票コーナーというのがありました。ハートのシールを貼っていくので投票結果がすぐわかるのですが、見た感じ龍馬と土方が人気だったかな。私は勝海舟に清き一票を入れたのですが、連れにはありえねーだろ的な突っ込みを受けましたw 歴史への直接的な影響力や働きを考えると相当凄いのに、人気ないみたい…。やっぱ文化人でもある徳川慶喜に入れとくべきだったかなw
と、今回は1Fの企画点はあまり満足できなかったのですが、2Fの
鈴木一雄写真展「櫻乃聲(さくらのこえ)」と
蓑口ヒロミ写真展「桜の旋律」
は非常に綺麗で楽しめました。この2つは両方とも2010年1月22日(金)~2010年1月28日(木)のわずかな期間の展示のようです。期間が短くて勿体無い!
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昨日の記事に引き続き、今日もルノワール展の記事です。今日は後半の3章と4章をご紹介しようかと思います。
まずはおさらいです。
前回の記事:ルノワール-伝統と革新 (感想前編) 【国立新美術館】

【展覧名】
ルノワール-伝統と革新
【公式サイト】
http://renoir2010.com/
http://www.nact.jp/exhibition_special/2009/03/renoir2010.html
【会場】国立新美術館
【最寄】千代田線乃木坂駅/日比谷線・大江戸線 六本木駅
【会期】2010年1月20日(水)~4月5日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適 (入場規制はありませんでした)
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
さて、昨日の続きです。1章2章は前の記事をご参照ください。
<光学調査で探るルノワールの絵画技法>
2章が終わるのが2つめの休憩室あたりなのですが、次の3章の部屋に行く前に、映像と資料のコーナーがあります。これは箱根にあるポーラ美術館が実施したX線や赤外線を使った調査に基づく説明映像と、それが図とともに解説されたボードのコーナーです。
映像では47歳の時の「水のなかの裸婦」(2章 ★こちらで観られます)と74歳の時の「水浴の後」(4章)を比較しながら説明が進んでいました。
まず、「水のなかの裸婦」はX線によって、現在の絵の下に描き直す前の絵が隠れているのがわかったようです。長い髪を垂らしていたのが、纏めた髪型に変更され、体つきもほっそりしていたのを、ふっくらした感じにボリュームアップされているようです。また、背景の水面に使われている緑を成分分析したところ、エメラルドグリーン(銅)とヴィリジアン(クロム)の2種類が使われていると分かりました。
それに対し、「水浴の後」は描き直しがなく迷いが無いようです。また、様々な濃さで描き分けられている緑は、ヴィリジアンのみで微妙な色の違いを出しているとのことでした。素人で気づけるものではありませんが、こうして分析を見るとルノワールがいかに技術を高めて行ったかがわかるように思えました。それにしても今回の展覧会はポーラ美術館は大活躍ですね、
<第3章 花と装飾画> ★公式ページ
このコーナーは装飾としての絵画のコーナーでした。ルノワールは「絵画は壁を飾るために描かれるものだ。だからできるだけ豊かなものであるべきだ」という考えをもっていたようで、人々に身近で喜びを与える存在として装飾画を描いていたようです。 そのせいか、このコーナーには静物画などが多かったかな。
「ルーベンス作 [神々の会議]の模写」
上野の西洋美術館の常設作品です。これを寄贈したのはルノワールとも親交のあった梅原龍三郎だったりします。実際のルーベンスの作品は大きな絵画のようですが、この作品は小さめです。完璧に模写しているらしいのでいずれ本物も観てみたい…。
「花瓶の花」
これはまだ20代にグレールの画塾に通っている頃の作品です。花瓶に入った植物が描かれ全体的に緑が多く、背景は暗い色になっています。時折ある赤い花が特に目を引きました。 解説によると、花の形態よりも量感そのものを捕らえようとしているそうです。確かにボリューム感があります。
「ポール・ムーニエ」
正装のような服装の少年が赤いソファに腕を乗せて座っています。澄ました顔をしていますが少年らしい可愛らしい顔です。この少年は菓子屋とレストランの経営者の息子で、ルノワールは代金の代わりに絵を描いたりもしてたようです。今は無いようですが、壁画を手がけたこともいくつかあったそうです。
「ド・ボニエール夫人の肖像」
赤い壁を背景に薄い緑のドレスをまとった女性が椅子に腰掛けている絵です。背景には花瓶に入った花も見えます。微笑んで幸せそうな顔をしているのが印象的でした。また、緑の服が赤い背景によく映えていました。
「縫い物をする若い女」 ★こちらで観られます
深く鮮やかな青い背景に、左下には縫い物をする女性、右上には花瓶の花束が描かれています。女性は柔らかな光と背景に溶け込むような感じです。また、左下の女性と右上の花瓶は特に目を引き、その対角線の配置のせいか美しさを競うような呼応しているような面白さがありました。
さて、この先は花をデザインした壁紙の部屋になっていました。この章に相応しい部屋になっていて、実際にはこういう部屋に飾っていたのだろうなと思いながらその空間を楽しんできました。
「イチゴのある静物」
赤いイチゴが山盛りになった皿が描かれています。ちょっと溢れてこぼれちゃってたかな。 その赤色が鮮やかで、微妙な色の変化を見せていました。ルノワールは「赤をベルの音のように響き渡らせたい」と考えていたそうで、色彩へのこだわりを感じました。
確か、この辺にセザンヌの影響を受けたという静物もありました。
「タンホイザーの舞台(第1幕)」
「タンホイザーの舞台(第3幕)」
タンホイザーを主題にした横長の2枚セットの絵です。まず左の第1幕は裸婦(ヴィーナス)に膝枕して貰っているタンホイザーの絵で、背景には両手をあげている人々や天使?が描かれ、光が神々しい雰囲気の絵となっています。
そして右の第3幕では、背を向けて手振りするヴィーナスと、友人が押さえつけてとめようとしているのに進もうとするタンホイザーが描かれています。
どちらもタンホイザーの物語の一幕ですが、ドラマチックな感じでした。この作品にはロココ時代の絵画作品からの影響が観られるそうです。
<第4章 ファッションとロココの伝統> ★公式ページ
前の記事でご紹介しましたが、ルノワールは少年時代に磁器の絵付けをしていて、それは絵画にも影響を及ぼしています。特に、柔らかな色彩や優美さ、官能的で繊細な点などはロココ様式の影響を受けているようです。また、仕立て屋の息子として生まれた彼はファッションは身近で関心が高い事柄であったようです。作品にも移ろいいく流行を取り入れているということでした。
それにしてもここのコーナーは驚きました。ここまでもポーラ美術館の作品が多かったのですが、ここにはポーラ美術館の看板娘達がいて、こんなに人気作品を沢山貸しちゃってポーラ美術館大丈夫??と妙な心配をしてみたりw このブログでも以前紹介した作品があるので、こちらに関しては以前の感想などを参考にしてください。特に「髪かざり」との再会は嬉しいです(><)
「レースの帽子の少女」 ☆以前の紹介記事 その1 その2
「ムール貝採り」 ☆以前の紹介記事
「水浴の後」
「髪かざり」 ☆以前の紹介記事
「野原で花を摘む娘たち」 ★こちらで観られます
緑の草原の中で地面に座る、白いドレスに黄色い帽子の少女とピンクのドレスにレースの帽子の少女が描かれています。2人の帽子は当時の最新流行らしく、また牧歌的な風景はロココの影響のようですので、この章のテーマにぴったりかな。確かにルノワールの絵の女性はこういうレースやリボンをつけた可憐な女性が多いような気がします。
「横たわる半裸の女(ラ・ローズ)」
赤いベッドで手を挙げて寝転がっている半裸の女性の絵です。右手にバラを持ち視線はどこを見ているのかよく分かりません。こうしたベッドに横たわる構図はロココの頃によく描かれた主題らしいです。こうした点からもロココへの憧れが伺えるようです。ちょっと官能的な雰囲気がありました。
「りんご売り」
エッソワの自宅付近の道を背景にりんご売り、妻、次男、甥っ子の4人が描かれています。女の子のような長い髪でピンクとオレンジの中間のような色の服を着た次男のジャン(フランスでは子供の頃は男の子でも女の子の格好をしていた) や甥っ子の青い服、妻の白い服、木々の緑など色とりどりです。服に木漏れ日が落ちているのがわかり、穏やかで幸せな雰囲気が漂っていました。
という感じです。後半は特に好きな作品が多くて、思わぬ再会に喜びもありました。ルノワールの作品はあちこちで観られますが、これだけ良い作品が集まっているのは貴重な機会だと思います。
また、今回の切り口は単に時系列に並べるのではなく、技法や関心ごとにも突っ込んだ内容だったのは面白かったです。その反面、時代が行ったり来たりするのは結構混乱するかもw 会期中に再度行って、今度は純粋に絵を観る楽しみに専念したいです。
まずはおさらいです。
前回の記事:ルノワール-伝統と革新 (感想前編) 【国立新美術館】

【展覧名】
ルノワール-伝統と革新
【公式サイト】
http://renoir2010.com/
http://www.nact.jp/exhibition_special/2009/03/renoir2010.html
【会場】国立新美術館
【最寄】千代田線乃木坂駅/日比谷線・大江戸線 六本木駅
【会期】2010年1月20日(水)~4月5日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適 (入場規制はありませんでした)
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
さて、昨日の続きです。1章2章は前の記事をご参照ください。
<光学調査で探るルノワールの絵画技法>
2章が終わるのが2つめの休憩室あたりなのですが、次の3章の部屋に行く前に、映像と資料のコーナーがあります。これは箱根にあるポーラ美術館が実施したX線や赤外線を使った調査に基づく説明映像と、それが図とともに解説されたボードのコーナーです。
映像では47歳の時の「水のなかの裸婦」(2章 ★こちらで観られます)と74歳の時の「水浴の後」(4章)を比較しながら説明が進んでいました。
まず、「水のなかの裸婦」はX線によって、現在の絵の下に描き直す前の絵が隠れているのがわかったようです。長い髪を垂らしていたのが、纏めた髪型に変更され、体つきもほっそりしていたのを、ふっくらした感じにボリュームアップされているようです。また、背景の水面に使われている緑を成分分析したところ、エメラルドグリーン(銅)とヴィリジアン(クロム)の2種類が使われていると分かりました。
それに対し、「水浴の後」は描き直しがなく迷いが無いようです。また、様々な濃さで描き分けられている緑は、ヴィリジアンのみで微妙な色の違いを出しているとのことでした。素人で気づけるものではありませんが、こうして分析を見るとルノワールがいかに技術を高めて行ったかがわかるように思えました。それにしても今回の展覧会はポーラ美術館は大活躍ですね、
<第3章 花と装飾画> ★公式ページ
このコーナーは装飾としての絵画のコーナーでした。ルノワールは「絵画は壁を飾るために描かれるものだ。だからできるだけ豊かなものであるべきだ」という考えをもっていたようで、人々に身近で喜びを与える存在として装飾画を描いていたようです。 そのせいか、このコーナーには静物画などが多かったかな。
「ルーベンス作 [神々の会議]の模写」
上野の西洋美術館の常設作品です。これを寄贈したのはルノワールとも親交のあった梅原龍三郎だったりします。実際のルーベンスの作品は大きな絵画のようですが、この作品は小さめです。完璧に模写しているらしいのでいずれ本物も観てみたい…。
「花瓶の花」
これはまだ20代にグレールの画塾に通っている頃の作品です。花瓶に入った植物が描かれ全体的に緑が多く、背景は暗い色になっています。時折ある赤い花が特に目を引きました。 解説によると、花の形態よりも量感そのものを捕らえようとしているそうです。確かにボリューム感があります。
「ポール・ムーニエ」
正装のような服装の少年が赤いソファに腕を乗せて座っています。澄ました顔をしていますが少年らしい可愛らしい顔です。この少年は菓子屋とレストランの経営者の息子で、ルノワールは代金の代わりに絵を描いたりもしてたようです。今は無いようですが、壁画を手がけたこともいくつかあったそうです。
「ド・ボニエール夫人の肖像」
赤い壁を背景に薄い緑のドレスをまとった女性が椅子に腰掛けている絵です。背景には花瓶に入った花も見えます。微笑んで幸せそうな顔をしているのが印象的でした。また、緑の服が赤い背景によく映えていました。
「縫い物をする若い女」 ★こちらで観られます
深く鮮やかな青い背景に、左下には縫い物をする女性、右上には花瓶の花束が描かれています。女性は柔らかな光と背景に溶け込むような感じです。また、左下の女性と右上の花瓶は特に目を引き、その対角線の配置のせいか美しさを競うような呼応しているような面白さがありました。
さて、この先は花をデザインした壁紙の部屋になっていました。この章に相応しい部屋になっていて、実際にはこういう部屋に飾っていたのだろうなと思いながらその空間を楽しんできました。
「イチゴのある静物」
赤いイチゴが山盛りになった皿が描かれています。ちょっと溢れてこぼれちゃってたかな。 その赤色が鮮やかで、微妙な色の変化を見せていました。ルノワールは「赤をベルの音のように響き渡らせたい」と考えていたそうで、色彩へのこだわりを感じました。
確か、この辺にセザンヌの影響を受けたという静物もありました。
「タンホイザーの舞台(第1幕)」
「タンホイザーの舞台(第3幕)」
タンホイザーを主題にした横長の2枚セットの絵です。まず左の第1幕は裸婦(ヴィーナス)に膝枕して貰っているタンホイザーの絵で、背景には両手をあげている人々や天使?が描かれ、光が神々しい雰囲気の絵となっています。
そして右の第3幕では、背を向けて手振りするヴィーナスと、友人が押さえつけてとめようとしているのに進もうとするタンホイザーが描かれています。
どちらもタンホイザーの物語の一幕ですが、ドラマチックな感じでした。この作品にはロココ時代の絵画作品からの影響が観られるそうです。
<第4章 ファッションとロココの伝統> ★公式ページ
前の記事でご紹介しましたが、ルノワールは少年時代に磁器の絵付けをしていて、それは絵画にも影響を及ぼしています。特に、柔らかな色彩や優美さ、官能的で繊細な点などはロココ様式の影響を受けているようです。また、仕立て屋の息子として生まれた彼はファッションは身近で関心が高い事柄であったようです。作品にも移ろいいく流行を取り入れているということでした。
それにしてもここのコーナーは驚きました。ここまでもポーラ美術館の作品が多かったのですが、ここにはポーラ美術館の看板娘達がいて、こんなに人気作品を沢山貸しちゃってポーラ美術館大丈夫??と妙な心配をしてみたりw このブログでも以前紹介した作品があるので、こちらに関しては以前の感想などを参考にしてください。特に「髪かざり」との再会は嬉しいです(><)
「レースの帽子の少女」 ☆以前の紹介記事 その1 その2
「ムール貝採り」 ☆以前の紹介記事
「水浴の後」
「髪かざり」 ☆以前の紹介記事
「野原で花を摘む娘たち」 ★こちらで観られます
緑の草原の中で地面に座る、白いドレスに黄色い帽子の少女とピンクのドレスにレースの帽子の少女が描かれています。2人の帽子は当時の最新流行らしく、また牧歌的な風景はロココの影響のようですので、この章のテーマにぴったりかな。確かにルノワールの絵の女性はこういうレースやリボンをつけた可憐な女性が多いような気がします。
「横たわる半裸の女(ラ・ローズ)」
赤いベッドで手を挙げて寝転がっている半裸の女性の絵です。右手にバラを持ち視線はどこを見ているのかよく分かりません。こうしたベッドに横たわる構図はロココの頃によく描かれた主題らしいです。こうした点からもロココへの憧れが伺えるようです。ちょっと官能的な雰囲気がありました。
「りんご売り」
エッソワの自宅付近の道を背景にりんご売り、妻、次男、甥っ子の4人が描かれています。女の子のような長い髪でピンクとオレンジの中間のような色の服を着た次男のジャン(フランスでは子供の頃は男の子でも女の子の格好をしていた) や甥っ子の青い服、妻の白い服、木々の緑など色とりどりです。服に木漏れ日が落ちているのがわかり、穏やかで幸せな雰囲気が漂っていました。
という感じです。後半は特に好きな作品が多くて、思わぬ再会に喜びもありました。ルノワールの作品はあちこちで観られますが、これだけ良い作品が集まっているのは貴重な機会だと思います。
また、今回の切り口は単に時系列に並べるのではなく、技法や関心ごとにも突っ込んだ内容だったのは面白かったです。その反面、時代が行ったり来たりするのは結構混乱するかもw 会期中に再度行って、今度は純粋に絵を観る楽しみに専念したいです。
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ラ・リングア・オチアイでランチした後、国立新美術館へ楽しみにしていた「ルノワール-伝統と革新」を観に行ってきました。85点程度と点数は少なめですが、素晴らしい作品が揃っていました。この展示は詳しく紹介したいと思いますので、久々に前編・後編の2記事にしたいと思います。

【展覧名】
ルノワール-伝統と革新
【公式サイト】
http://renoir2010.com/
http://www.nact.jp/exhibition_special/2009/03/renoir2010.html
【会場】国立新美術館
【最寄】千代田線乃木坂駅/日比谷線・大江戸線 六本木駅
【会期】2010年1月20日(水)~4月5日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適 (入場規制はありませんでした)
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
まず、気になる混み具合ですが、まだ始まったばかりというのに結構な混み具合でした。作品数が少ないのでスペースに余裕ある展示をしていますが、それでも各絵に少なくても2~3人はついていて混雑感がありました。
ルノワール展はしょっちゅうやっているイメージがありますが、これくらいの規模の展覧会は2年前に観たbunkamuraのルノワール+ルノワール展以来かも?? 今回の展示でも国内の絵は観たことがある作品が多かったですが、ポーラ美術館所蔵の作品などは、これを借りてきちゃったんだ!?とちょっと驚きがあり、ルノワールの傑作が揃っている見逃せない内容となっていました。
若干わかりづらい構成となっていますが、今回も章ごとにいくつか作品をご紹介しようかと思います。
<第1章 ルノワールへの旅> ★公式ページ
1章はルノワールの画風の変遷などが分かる章となっていました。
まず冒頭で、その生い立ちなどが説明されています。メモを取ってきたのでそのまま説明すると、ピエール=オーギュスト・ルノワールは仕立て屋の息子としてフランスのリモージュに生まれ、3歳でパリに家族と共に移り住みました。13歳の頃から磁器の絵付け職人の工房で働き、19歳で画家を目指し、グレールの画塾に入ります。その後は、
19歳~38歳:グレール画塾の修行時代。1874年から始まる印象主義への参加
39歳~50歳:印象派展から離れサロンでの成功を経て、アルジェリアやイタリアへ旅行を経験。そこで得たものから模索と試作の時期
51歳~78歳:様式を集大成した時期
というように解説されていました。今回の展示でもこの経歴がわかると理解しやすい部分がありますので、最初に読んでおくと良いかと思います。
「アンリオ夫人」 ★こちらで観られます
今回のポスターにもなっている作品で、淡い水色の背景に胸前の開いた白いドレスを着た女性の肖像です。こちらを見て微笑んでいるような、目力のある端整な顔立ちです。既に印象派らしい画風で、背景に溶け込むような感じに描かれているように思います。水色と白が多く爽やかなのが気に入ったので、絵葉書を買いました。
「新聞を読む、クロード・モネ」
同じ印象派の画家であり親友のモネの肖像です。モネとはグレールの画塾で知り合いました。 黒い山高帽を被りパイプをくわえ、椅子に腰掛けて新聞を読んでいる姿です。パイプから出る煙の表現が印象派らしい光を捉えたような感じに仕上がっていました。
この辺で印象派展とは何か?というような話も解説されていました。
「団扇を持つ若い女」 ★こちらで観られます
これも今回の展示のポスターになっている作品です。緑のストライプの壁紙と花束を背景に日本風の団扇を持ち帽子をかぶった女性が描かれています。この女性は当時人気女優であったジャンヌ・サマリーだそうで、彼女いわく、ルノワールは「絵に描く女性みんなと結婚してしまう。その筆で」と言われたそうです。確かに絵から客体への溢れる愛情を感じますね。団扇や菊を思わせる花はジャポニスムの影響のようです。
なお、ルノワールは印象派展への出品をやめた後、サロンに出品し話題を集めたのがきっかけで、上流階級の注文が増えていったようです。
「シャトゥーのセーヌ河」
川沿いの草の生い茂った道を描いた作品。背景には山や川が見え、道の向こうから女性が歩いて来るようです。画面の左を埋めている木に咲いた花は点々で表され、水や草は素早いタッチで描かれています。全体的に色鮮やかで光が溢れるような感じなのですが、これはアルジェリア旅行の影響なのだとか。
なお、この絵を描いた年にはラファエロの絵が観たくてイタリアにも旅行に行き、輪郭のはっきりした古典的な手法に回帰していくのですが、それはまた次の章でご紹介します。
「ブージヴァルのダンス」 ★こちらで観られます
「都会のダンス」「田舎のダンス」「ブージヴァルのダンス」とあるダンスシリーズの1枚です。(そういえば2年前のbunkamuraの展示には「田舎のダンス」がありました。) 木の下で抱き合うように踊る2人の男女を描いています。白っぽいドレスで赤い帽子をつけた女性は、エコールドパリを代表する画家ユトリロの母であり、自身も画家でもあるシュザンヌ・ヴァラドンです。(ロートレックの恋人だったり、この人も色んなとこで出てきますねw) 恥ずかしそうに目をそむける仕草をして照れているのでしょうか。初々しいです。 解説によると、足元に落ちているすみれの花束やマッチは開放感や危うさを表しているのだとか。そこまで深読みできませんでしたが楽しそうな雰囲気でした。
「エッソワの風景、早朝」
白土の並木道が描かれ手前から奥にかけて下り坂になっている風景画です。背景には教会のような建物や待ちが見えます。並木の木々が落とす影や空気感が印象派らしい感じです。全体的に薄くピンクがかっていて、穏やかで幸せな雰囲気漂う作品でした。
「ジュリー・マネの肖像」
若い女性の肖像で、モデルは女流画家ベルト・モリゾとマネの弟の間に生まれた娘ジュリー・マネです。黒い服にレースの胸飾をしていて、横を向きうっすらと口を開けているようにも見えます。頬はバラ色をしていて可憐なのですが、目はどこか悲しげな印象を受けました。彼女は16歳で親を亡くし孤児になったようですが、ルノワールは彼女を気遣い、家族旅行にも連れて行くなど親密な付き合いがあったようです。
余談ですが、今年の三菱一号館美術館のマネ展ではモリゾの肖像がまた日本にやってくるようで楽しみです。モリゾ自身の作品も素晴らしいので、またどこかで展覧会をやってくれないものか…。
「クロード・ルノワールの肖像」 ★こちらで観られます
「ココ」という愛称のあるルノワールの三男の幼児時代の肖像です。川村記念美術館の所蔵品かな。横向きで白い服を着て、あどけなく可愛らしい表情を浮かべています。耳や頬の微妙な赤みが子供らしい生気溢れる雰囲気を出していました。
ちなみに、3人の息子達は長男ピエール・ルノワール(俳優)、次男ジャン・ルノワール(映画監督)、三男クロード・ルノワール<通称ココ>(陶芸家)と、芸術一家になってます。
ピエール=オーギュスト・ルノワールとリシャール・ギノとの共作 「母と子」
これはブロンズ像で、妻アリーヌが死んで1年後の作品です。帽子を被った母が子供に乳を飲ませている像でルノワールらしい主題となっています。幸せな雰囲気が漂い、妻の死を偲び幸せを永遠に留め様としたのでは?という解説がありました。ルノワールは晩年には彫刻作品をいくつか残していて、この展覧会の中盤あたりにもいくつかありました。
「自筆書簡」
これはプライベートな自筆の手紙です。第一次世界大戦で長男ピエールと次男ジャンが負傷した様子や、不幸の時代を招いた戦争を嘆く内容となっていました。作品だけ観ているとルノワールは幸せな人生だったように思えますが、こういう悲しい時代もあったのが分かります。
これで1章は終わりですが、2章に入る前の休憩室には映像のコーナーがあります。 …ここがもの凄い混んでる(><) 上映時間は9分くらいで、中身は名作(今回の展覧会に出ていない作品等)を解説しながらルノワールの生涯を伝えるものです。ルノワールは「絵は楽しくて美しいものでなければならない」という考えをもっていたそうで、印象派として有名な画家ですが、その後印象派に行き詰まりを感じたようです。そして、イタリアでラファエロの聖母子を見て以来、抑えた色合いでハッキリした輪郭線を描く伝統的手法に立ち戻っていきます。次の2章ではその流れを見ることができました。
<第2章 身体表現> ★公式ページ
ルノワールは身体表現は芸術の本質的な形式の1つであると語っていたそうです。初期の頃は神話をモチーフにした作品、印象派時代には生活習慣や物語性の無い戸外風景の中の作品、1880年代には「アングル様式」という古典主義への回帰が特徴となっているようです。
「岩の上に座る浴女」
右足を上に足を組み、右手で頬杖する目をつぶった裸婦の絵です。イタリアから帰って迷いのある頃の作品で、輪郭はぼやけていて印象派風の特徴が残っていますが、背景から浮かびあがるように描き、人物のフォルムを描く意思が見られるようです。この後、輪郭やボリュームを描く伝統的名手法に進んでいくのだとか。今まであまり気づきませんでしたが、確かにこの章を観ていると変遷しているのがわかるのが面白かったです。
「水浴する女」
この絵は以前、川村記念美術館の記事の時にもご紹介した作品です。(こちら)
こうして他のルノワール作品と並んで解説を受けると、また違って見えるのが不思議w 女性の存在感が浮き上がるように見えました。まだ輪郭がぼやけているかな。
「泉」
髪をかきあげる裸婦です。背後にはの彫刻から落ちる水が描かれています。バラ色の頬や豊満な体からは生命力を感じました。また、この絵の隣には「泉による女」というこの絵と同じような絵がありました。並べて見てみると、構図は同じようですが、女性の髪の長さや肉体の張り、手の躍動感などに違いがあり、「泉」のほうが好みでした。背景の彫刻も「泉」しかなかったかな。
この辺にはブリヂストン美術館や損保ジャパンの常設にある作品も並んでいました。いつも都内で見られる作品も結構あるかもw
「麦わら帽子の少女」 ★こちらで観られます
これはちょっと驚いた作品。その名の通り帽子を被った少女の像なのですが、周りの作品と比べても作風が違う感じです。これがラファエロの影響を受けて輪郭を重視した作品のようです。こういう技法の工夫や進化が目で観てわかるのが個展の面白いところですね。
ということで、これで大体半分です。会期も長いのでもう一度行こうと思っていますが、全部紹介したいくらい良い作品が揃っています(よく観るのも結構ありますがw) 会期末は大変な混雑になりそうな予感がするので、興味がある方はお早めにどうぞ
次回は残りの3章と4章についてご紹介しようと思います。
→ 後編はこちら

【展覧名】
ルノワール-伝統と革新
【公式サイト】
http://renoir2010.com/
http://www.nact.jp/exhibition_special/2009/03/renoir2010.html
【会場】国立新美術館
【最寄】千代田線乃木坂駅/日比谷線・大江戸線 六本木駅
【会期】2010年1月20日(水)~4月5日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適 (入場規制はありませんでした)
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
まず、気になる混み具合ですが、まだ始まったばかりというのに結構な混み具合でした。作品数が少ないのでスペースに余裕ある展示をしていますが、それでも各絵に少なくても2~3人はついていて混雑感がありました。
ルノワール展はしょっちゅうやっているイメージがありますが、これくらいの規模の展覧会は2年前に観たbunkamuraのルノワール+ルノワール展以来かも?? 今回の展示でも国内の絵は観たことがある作品が多かったですが、ポーラ美術館所蔵の作品などは、これを借りてきちゃったんだ!?とちょっと驚きがあり、ルノワールの傑作が揃っている見逃せない内容となっていました。
若干わかりづらい構成となっていますが、今回も章ごとにいくつか作品をご紹介しようかと思います。
<第1章 ルノワールへの旅> ★公式ページ
1章はルノワールの画風の変遷などが分かる章となっていました。
まず冒頭で、その生い立ちなどが説明されています。メモを取ってきたのでそのまま説明すると、ピエール=オーギュスト・ルノワールは仕立て屋の息子としてフランスのリモージュに生まれ、3歳でパリに家族と共に移り住みました。13歳の頃から磁器の絵付け職人の工房で働き、19歳で画家を目指し、グレールの画塾に入ります。その後は、
19歳~38歳:グレール画塾の修行時代。1874年から始まる印象主義への参加
39歳~50歳:印象派展から離れサロンでの成功を経て、アルジェリアやイタリアへ旅行を経験。そこで得たものから模索と試作の時期
51歳~78歳:様式を集大成した時期
というように解説されていました。今回の展示でもこの経歴がわかると理解しやすい部分がありますので、最初に読んでおくと良いかと思います。
「アンリオ夫人」 ★こちらで観られます
今回のポスターにもなっている作品で、淡い水色の背景に胸前の開いた白いドレスを着た女性の肖像です。こちらを見て微笑んでいるような、目力のある端整な顔立ちです。既に印象派らしい画風で、背景に溶け込むような感じに描かれているように思います。水色と白が多く爽やかなのが気に入ったので、絵葉書を買いました。
「新聞を読む、クロード・モネ」
同じ印象派の画家であり親友のモネの肖像です。モネとはグレールの画塾で知り合いました。 黒い山高帽を被りパイプをくわえ、椅子に腰掛けて新聞を読んでいる姿です。パイプから出る煙の表現が印象派らしい光を捉えたような感じに仕上がっていました。
この辺で印象派展とは何か?というような話も解説されていました。
「団扇を持つ若い女」 ★こちらで観られます
これも今回の展示のポスターになっている作品です。緑のストライプの壁紙と花束を背景に日本風の団扇を持ち帽子をかぶった女性が描かれています。この女性は当時人気女優であったジャンヌ・サマリーだそうで、彼女いわく、ルノワールは「絵に描く女性みんなと結婚してしまう。その筆で」と言われたそうです。確かに絵から客体への溢れる愛情を感じますね。団扇や菊を思わせる花はジャポニスムの影響のようです。
なお、ルノワールは印象派展への出品をやめた後、サロンに出品し話題を集めたのがきっかけで、上流階級の注文が増えていったようです。
「シャトゥーのセーヌ河」
川沿いの草の生い茂った道を描いた作品。背景には山や川が見え、道の向こうから女性が歩いて来るようです。画面の左を埋めている木に咲いた花は点々で表され、水や草は素早いタッチで描かれています。全体的に色鮮やかで光が溢れるような感じなのですが、これはアルジェリア旅行の影響なのだとか。
なお、この絵を描いた年にはラファエロの絵が観たくてイタリアにも旅行に行き、輪郭のはっきりした古典的な手法に回帰していくのですが、それはまた次の章でご紹介します。
「ブージヴァルのダンス」 ★こちらで観られます
「都会のダンス」「田舎のダンス」「ブージヴァルのダンス」とあるダンスシリーズの1枚です。(そういえば2年前のbunkamuraの展示には「田舎のダンス」がありました。) 木の下で抱き合うように踊る2人の男女を描いています。白っぽいドレスで赤い帽子をつけた女性は、エコールドパリを代表する画家ユトリロの母であり、自身も画家でもあるシュザンヌ・ヴァラドンです。(ロートレックの恋人だったり、この人も色んなとこで出てきますねw) 恥ずかしそうに目をそむける仕草をして照れているのでしょうか。初々しいです。 解説によると、足元に落ちているすみれの花束やマッチは開放感や危うさを表しているのだとか。そこまで深読みできませんでしたが楽しそうな雰囲気でした。
「エッソワの風景、早朝」
白土の並木道が描かれ手前から奥にかけて下り坂になっている風景画です。背景には教会のような建物や待ちが見えます。並木の木々が落とす影や空気感が印象派らしい感じです。全体的に薄くピンクがかっていて、穏やかで幸せな雰囲気漂う作品でした。
「ジュリー・マネの肖像」
若い女性の肖像で、モデルは女流画家ベルト・モリゾとマネの弟の間に生まれた娘ジュリー・マネです。黒い服にレースの胸飾をしていて、横を向きうっすらと口を開けているようにも見えます。頬はバラ色をしていて可憐なのですが、目はどこか悲しげな印象を受けました。彼女は16歳で親を亡くし孤児になったようですが、ルノワールは彼女を気遣い、家族旅行にも連れて行くなど親密な付き合いがあったようです。
余談ですが、今年の三菱一号館美術館のマネ展ではモリゾの肖像がまた日本にやってくるようで楽しみです。モリゾ自身の作品も素晴らしいので、またどこかで展覧会をやってくれないものか…。
「クロード・ルノワールの肖像」 ★こちらで観られます
「ココ」という愛称のあるルノワールの三男の幼児時代の肖像です。川村記念美術館の所蔵品かな。横向きで白い服を着て、あどけなく可愛らしい表情を浮かべています。耳や頬の微妙な赤みが子供らしい生気溢れる雰囲気を出していました。
ちなみに、3人の息子達は長男ピエール・ルノワール(俳優)、次男ジャン・ルノワール(映画監督)、三男クロード・ルノワール<通称ココ>(陶芸家)と、芸術一家になってます。
ピエール=オーギュスト・ルノワールとリシャール・ギノとの共作 「母と子」
これはブロンズ像で、妻アリーヌが死んで1年後の作品です。帽子を被った母が子供に乳を飲ませている像でルノワールらしい主題となっています。幸せな雰囲気が漂い、妻の死を偲び幸せを永遠に留め様としたのでは?という解説がありました。ルノワールは晩年には彫刻作品をいくつか残していて、この展覧会の中盤あたりにもいくつかありました。
「自筆書簡」
これはプライベートな自筆の手紙です。第一次世界大戦で長男ピエールと次男ジャンが負傷した様子や、不幸の時代を招いた戦争を嘆く内容となっていました。作品だけ観ているとルノワールは幸せな人生だったように思えますが、こういう悲しい時代もあったのが分かります。
これで1章は終わりですが、2章に入る前の休憩室には映像のコーナーがあります。 …ここがもの凄い混んでる(><) 上映時間は9分くらいで、中身は名作(今回の展覧会に出ていない作品等)を解説しながらルノワールの生涯を伝えるものです。ルノワールは「絵は楽しくて美しいものでなければならない」という考えをもっていたそうで、印象派として有名な画家ですが、その後印象派に行き詰まりを感じたようです。そして、イタリアでラファエロの聖母子を見て以来、抑えた色合いでハッキリした輪郭線を描く伝統的手法に立ち戻っていきます。次の2章ではその流れを見ることができました。
<第2章 身体表現> ★公式ページ
ルノワールは身体表現は芸術の本質的な形式の1つであると語っていたそうです。初期の頃は神話をモチーフにした作品、印象派時代には生活習慣や物語性の無い戸外風景の中の作品、1880年代には「アングル様式」という古典主義への回帰が特徴となっているようです。
「岩の上に座る浴女」
右足を上に足を組み、右手で頬杖する目をつぶった裸婦の絵です。イタリアから帰って迷いのある頃の作品で、輪郭はぼやけていて印象派風の特徴が残っていますが、背景から浮かびあがるように描き、人物のフォルムを描く意思が見られるようです。この後、輪郭やボリュームを描く伝統的名手法に進んでいくのだとか。今まであまり気づきませんでしたが、確かにこの章を観ていると変遷しているのがわかるのが面白かったです。
「水浴する女」
この絵は以前、川村記念美術館の記事の時にもご紹介した作品です。(こちら)
こうして他のルノワール作品と並んで解説を受けると、また違って見えるのが不思議w 女性の存在感が浮き上がるように見えました。まだ輪郭がぼやけているかな。
「泉」
髪をかきあげる裸婦です。背後にはの彫刻から落ちる水が描かれています。バラ色の頬や豊満な体からは生命力を感じました。また、この絵の隣には「泉による女」というこの絵と同じような絵がありました。並べて見てみると、構図は同じようですが、女性の髪の長さや肉体の張り、手の躍動感などに違いがあり、「泉」のほうが好みでした。背景の彫刻も「泉」しかなかったかな。
この辺にはブリヂストン美術館や損保ジャパンの常設にある作品も並んでいました。いつも都内で見られる作品も結構あるかもw
「麦わら帽子の少女」 ★こちらで観られます
これはちょっと驚いた作品。その名の通り帽子を被った少女の像なのですが、周りの作品と比べても作風が違う感じです。これがラファエロの影響を受けて輪郭を重視した作品のようです。こういう技法の工夫や進化が目で観てわかるのが個展の面白いところですね。
ということで、これで大体半分です。会期も長いのでもう一度行こうと思っていますが、全部紹介したいくらい良い作品が揃っています(よく観るのも結構ありますがw) 会期末は大変な混雑になりそうな予感がするので、興味がある方はお早めにどうぞ
次回は残りの3章と4章についてご紹介しようと思います。
→ 後編はこちら
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今日、国立新美術館へ ルノワール展を観に行ったのですが、その前に乃木坂駅からすぐ(乃木神社の正面あたり)にあるラ・リングア・オチアイでランチを食べてきました。

【店名】
ラ・リングア・オチアイ
【ジャンル】
イタリアン
【公式サイト】
http://la-lingua-ochiai.blog.ocn.ne.jp/blog/
食べログ http://r.tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13023366/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
乃木坂駅
【近くの美術館】
サントリー美術館
21_21 DESIGN SIGHT
国立新美術館
など
【この日にかかった1人の費用】(※お酒は飲んでいません)
2200円程度
【味】
不味_1_2_3_4_⑤_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_4_⑤_快適
【混み具合・混雑状況(平日12時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
ここは著名な料理家である銀座ラ・ベットラ 落合務シェフがプロデュースしたお店らしく、素晴らしいイタリアンを頂くことができます。接客も素晴らしく2200円でこれだけの内容なら大満足なお店ですが、満足度を④にしているのは客に問題があったからです…。店内で下品な成金風のおばはんが大声で自慢大会しててうざいのなんの…。土地柄でしょうかね。向かいの席と話してても聞こえないくらい大きな声で喚いているので、せっかくの気分も台無しにされました。お店は悪くないですが、あのレベルは流石に注意してほしかった。
気を取り直して店内の写真。洒落た雰囲気です。

今回はAコース2200円を頼みました。前菜1品、パスタ1品、デザートのセットです。私は連れと2人で違うものを頼んで、すべて2等分して貰いました。なので、パスタ(大盛り)と前菜の写真は2人分を2等分したものとなります。
パン。お変わり自由です。温かいうちにパンを持ってきてくれます。

前菜 炙り小ヤリイカのカルパッチョ ルッコラとカラスミ添え
イカとルッコラの取り合わせが美味しいです。

前菜 燻製和牛ロースのカルパッチョ
これはかなり当たりの前菜でした。和牛の上に乗っているのはチーズです。肉が美味しい!

生うにのクリームソース スパゲッティ
この日の中で一番美味しかったのがこのスパゲッティ。うには全く生臭さがなく、海の香りとぷるっとした食感で美味しい。少ししょっぱめのクリームと良くあって、パスタの湯で加減も素晴らしかったです。

スパゲッティ アマトリチャーナ(パンチェッタ・玉葱・トマトソース)
こちらも美味しいですが、若干普通な感じかなw トマトソースが濃い感じで良かったです。

チョコレートケーキとカルピスのアイス
デザートはこの2つです。特にアイスはさっぱりしてほんのりカルピスの味が良い感じ。

サービス券で頼んだコーヒーと紅茶
これは以前来た時に貰ったサービス券で頼んだ食後のドリンク。コーヒーは普通かな。紅茶はアールグレイの香りがよく、3杯くらい飲めました。

という感じで、おすすめは燻製和牛ロースのカルパッチョ、生うにのクリームソース、紅茶 の組み合わせかな。
ここは会社から近いので平日に行ったこともありますが、自家製ハムの前菜+パン+パスタ+デザートで1200円だったかな。平日はさらにお得感があります。1500円くらいでワインの飲み放題とかもあったと思います。
コストパフォーマンスは高いし国立新美術館にも近いので、美術館前後の食事にお勧めです。
次回は国立新美術館のルノワール展をご紹介します。

【店名】
ラ・リングア・オチアイ
【ジャンル】
イタリアン
【公式サイト】
http://la-lingua-ochiai.blog.ocn.ne.jp/blog/
食べログ http://r.tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13023366/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
乃木坂駅
【近くの美術館】
サントリー美術館
21_21 DESIGN SIGHT
国立新美術館
など
【この日にかかった1人の費用】(※お酒は飲んでいません)
2200円程度
【味】
不味_1_2_3_4_⑤_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_4_⑤_快適
【混み具合・混雑状況(平日12時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
ここは著名な料理家である銀座ラ・ベットラ 落合務シェフがプロデュースしたお店らしく、素晴らしいイタリアンを頂くことができます。接客も素晴らしく2200円でこれだけの内容なら大満足なお店ですが、満足度を④にしているのは客に問題があったからです…。店内で下品な成金風のおばはんが大声で自慢大会しててうざいのなんの…。土地柄でしょうかね。向かいの席と話してても聞こえないくらい大きな声で喚いているので、せっかくの気分も台無しにされました。お店は悪くないですが、あのレベルは流石に注意してほしかった。
気を取り直して店内の写真。洒落た雰囲気です。


今回はAコース2200円を頼みました。前菜1品、パスタ1品、デザートのセットです。私は連れと2人で違うものを頼んで、すべて2等分して貰いました。なので、パスタ(大盛り)と前菜の写真は2人分を2等分したものとなります。
パン。お変わり自由です。温かいうちにパンを持ってきてくれます。

前菜 炙り小ヤリイカのカルパッチョ ルッコラとカラスミ添え
イカとルッコラの取り合わせが美味しいです。

前菜 燻製和牛ロースのカルパッチョ
これはかなり当たりの前菜でした。和牛の上に乗っているのはチーズです。肉が美味しい!

生うにのクリームソース スパゲッティ
この日の中で一番美味しかったのがこのスパゲッティ。うには全く生臭さがなく、海の香りとぷるっとした食感で美味しい。少ししょっぱめのクリームと良くあって、パスタの湯で加減も素晴らしかったです。

スパゲッティ アマトリチャーナ(パンチェッタ・玉葱・トマトソース)
こちらも美味しいですが、若干普通な感じかなw トマトソースが濃い感じで良かったです。

チョコレートケーキとカルピスのアイス
デザートはこの2つです。特にアイスはさっぱりしてほんのりカルピスの味が良い感じ。

サービス券で頼んだコーヒーと紅茶
これは以前来た時に貰ったサービス券で頼んだ食後のドリンク。コーヒーは普通かな。紅茶はアールグレイの香りがよく、3杯くらい飲めました。


という感じで、おすすめは燻製和牛ロースのカルパッチョ、生うにのクリームソース、紅茶 の組み合わせかな。
ここは会社から近いので平日に行ったこともありますが、自家製ハムの前菜+パン+パスタ+デザートで1200円だったかな。平日はさらにお得感があります。1500円くらいでワインの飲み放題とかもあったと思います。
コストパフォーマンスは高いし国立新美術館にも近いので、美術館前後の食事にお勧めです。
次回は国立新美術館のルノワール展をご紹介します。
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前回の外装写真の記事に引き続き、旧古河庭園についてです。今日は内部観覧で見聞きしたことをご紹介します。

まずはおさらいです。
前回の記事:旧古河庭園 外観の写真
【公式サイト】
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index034.html
【施設名】旧古河庭園
【最寄】JR京浜東北線 上中里駅/東京メトロ 南北線 西ヶ原駅/JR山手線 駒込駅
※営業時間・休館日などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
庭園 0時間30分程度 + 内部見学 1時間00分程度
※内部見学は時期によってハガキによる事前予約が必要となります。
内部観覧は冬と夏は空いていて、特に平日の昼間は人が少ないようですが、バラの時期はハガキでの応募で定員になってしまうそうです。今回、私は運良く応募なしの先着順の申し込みで入ることができました。内部は写真NGですので、すべて文字説明となります。わかりづらかったり間違っていたらすみません。
まずは食堂らしきところで少し待った後、玄関先のホールで建物の概要を聞きました。
<概要>
この建物は大正6年に古河財閥の3代目である古河虎之助男爵(当時30歳くらい)がジョサイア・コンドルの設計で建てたものです。(古河財閥は足尾銅山などで財を成した財閥だそうです。) 古河虎之助は約9年ほどこの邸宅で生活しましたが、牛込に引越した後は古河財閥の迎賓館として使われていました。 その後、太平洋戦争の後に進駐軍に接収され比較的高い身分の将校達に使われた後、30年ほど無人の時期がありました。 この30年の間に屋敷は荒れ放題に荒れて、近所からはお化け屋敷とまで言われるようになりましたが、ジョサイア・コンドルの集大成とも言えるこの建物の価値は高く、1982年から7年かけて修復され、その後一般公開されるに至っています。
と、こんな感じです。玄関には家紋がありました。また、シャンデリアとガラスも当時のものがそのまま使われている(一部はスペアや現代のもの)という説明もありました。雰囲気としては同じジョサイア・コンドルの建物である岩崎邸に近からずとも遠からずという感じかな。むしろ庭園美術館の2Fとかに似た雰囲気かも。
さて、玄関ホールで概要で聞いた後は実際に部屋を周りながらの説明となりました。
<ビリヤード室>
玄関から左手に入ったビリヤードをするための部屋です。今はビリヤード台はありませんが、台の足を置く8つの場所に大理石が置かれていました。 この大理石は床の下にレンガを積み上げてあるらしく、重さで沈み込んでビリヤード台が傾くことがないように設計されているそうです。また、壁紙や床には緑色が使われ、ビリヤード台の色と呼応するようになっているのだとか。 ちなみに現代のビリヤード台は6本脚らしいです。2本多い分重かったのかな。
<サンルーム>
前回の写真で写っていた内部です。書斎からもビリヤード室からも来られるようになっていました。
<書斎>
楢材でできた立派な書棚がある部屋です。ドアと扉には全く釘が使われず、木を組み合わせて作られた驚異の職人技が見られます。 また、この部屋だけではありませんが、マントルピース(暖炉)の高い位置に鏡があるのですが、これは部屋全体を写すことでより広い部屋に見せるための工夫なのだとか。
<応接室>
書斎の隣の部屋です。 ここは喫茶店もやっている部屋で、ここだけは内部観覧ツアーじゃなくても入れるようです。ここのシャンデリアは天井に光を反射していて、まるで雪の結晶のような模様を天井に映し出していました。 また、青いバラの壁紙は「袋張り」という日本の襖の技法を用いて張られているそうです。コンドルは日本の技法を取り入れて設計していたようで、日本好きの彼ならではと言った感じです。コンドルは河鍋暁斎に弟子入りして日本画を学んだことなども解説されていました。
<小食堂・ダイニングルーム>
最初に待たされた部屋と、その隣の40畳くらいある大きなダイニングルームです。天井には見事なフルーツの彫刻が施されています。これは職人が3ヶ月かけて彫ったもので、その間ずっと上を向きながら彫り続けたようです。相当キツイ作業だったと想像できますが、細かい表現力に驚きます。
また、この部屋では最大20人くらいの晩餐会などが開かれたようですが、テーブルの端から端まで結構な距離があるので、話し声が届かないという事態になることを最初から想定していたようです。壁には立った時の頭の高さまで楢材が張られ、部屋の音がよく響くようになっています。(この音響効果を利用して時には音楽コンサートも開かれるようです。) さらに、楢材の壁を見ていると、壁板1枚分の正方形の穴が空いていることに気づきます。 これは隣の部屋と繋がっている配膳用の穴で、ここを通して食事を部屋に運びます。(調理室はにおいや音がこの部屋に届かないように離れた場所にあります) そしてここで驚くのが、その穴でわかる壁の厚さです。隣の部屋との壁の厚さが50cmくらいあります! どうやら他の部屋もこれくらい壁が厚いようで、関東大震災の際もこの建物は何も問題なかったそうです。
もう1つ気になっていたのがマントルピースの浮き彫りの彫刻で、これは沈んでみえる方を削って彫刻を浮き上がらせているという説明を受けました。 かなり深いところで真っ平らになっているのはひたすら平坦に彫ったためだとか。昔の職人の極みっぷりは尋常じゃないですw
以上で1階は終了。次にこの建物の特徴である2階へ移動します。ここで館内で唯一触ることのできる階段の手すりに触って、当時からの楢材の感触を確かめてきました。…硬いw
2階にあがると広々とした廊下があり、洋風のドアが並んでいます。しかし、この洋風のドアからは想像できない部屋が中にあります。
<仏間>
階段から一番近いドアを開けると、靴(館内はスリッパですけど)を脱ぐ1~2畳くらいの小さな玄関?のようになっていて、その奥に5畳の畳の控えの間、さらに奥に3畳の仏間があります。この小さなスペースを挟んで完全に和と洋が分かれていて、和洋折衷ではなく和と洋をあえて原色のまま残した感じになっているのが、この建物の特徴になっているようです。また、周りの壁には和紙に金箔・金砂子の壁紙を使い、障子で窓外の洋風の外観を隠していました。
<ゲストルーム>
こちらは洋室の寝室となります。外から観ると、ここにはバルコニーがあるように観えますが、ここから観るとバルコニーではなく屋根であることがわかります。 また、壁にはピンクのバラの壁紙が張られていました。さすがバラの名所ですね。
<本間・次の間>
洋室の隣には15畳の本間と12畳の次の間があります。和室には「真・行・草」という格式がありますが、ここは最も格式高い「真」の様式の部屋となっています。特徴としては屋久島の杉を使用した市松模様になっている壁板(縦の木目、横の木目で市松模様だったと記憶しています)や「長押(なげし)」と呼ばれる水平の板が3本あることが挙げられます。長押は天井のすぐ下、そのちょっと下、襖の上にありました。これが「真」で、「行」になると長押は2本になります。
参考:長押のwiki
また筬欄間(おさらんま)という今では作れる職人もほとんどいない、細かい幾何学的な欄間も見所でした。
そして、この部屋の一番の特徴が奥にある襖です。この襖は実際には使われなかったようですが、その襖を開けると、小さなスペースを挟んで洋風のドアがあり、そこを開けると階段前の通路に出ることが出来ます。何故使いもしないのにこうしたドアがあるかというと、階段通路の正面奥が壁であると閉塞感がありますが、通路奥に扉があると通路が広く感じるためだそうです、 確かに、壁だと殺風景だし息詰まるかも!と現場で見ると腑に落ちるものがありました。
<家族の部屋>
ここも和室で、ここからは家族の居住スペースとなっています。 ここは「行」の格式を持った部屋で長押は2本となっています。家族に「行」の部屋を割り当てるのは日本的とのことですが、英国人であるジョサイア・コンドルがそこまで知っていたのには恐れ入ります。(日本人でも私は真・行・草の違いなんて知りませんでしたw) さらに言うと、ここは邸内でも日当たりが良い部屋で、それを家族に割り当てるのはイギリス人らしいとのことです。そうした解説を聞くと、この部屋はコンドルの生い立ちや人生までもが縮図になっているかのように思えました。
また、天井は少し低めで質素な日本人に向いたつくりとなっています。収納があるのも今までの客間と違っている点で、生活感を感じました。
<子供部屋>
家族の部屋の隣にある2つの6畳間です。この記事の冒頭の写真だと、真正面の中央の2Fあたりだと思います。部屋の中は殺風景で結構狭いw こんなに広い屋敷なのに子供部屋は6畳なのかと逆に驚きました。
<夫妻の寝室>
一番奥の邸内で最も眺めの良い部屋です。コンドルが考案した和洋調和の庭が一望できるようになっています。ここには夫妻の写真が飾ってあったのですが、若いのに威厳がある風貌の夫妻でした。ちなみに、奥さんは西郷隆盛の姪にあたる人なのだとか。
<おめしかえの部屋>
夫妻の部屋の奥にあるクローゼット的な着替え部屋。着替え部屋なのに10畳もありますw これまでの部屋は和と洋を分けた上で共生していましたが、ここだけは和洋折衷の様式で、基本的には洋室なのですが、畳ばりとなっています。というのも、奥さんが着物に着替えるときは畳の上でないと不都合だったようで、畳になったそうです。
<トイレと浴室>
最後に、階段脇のトイレと浴室にも入ることができました。お風呂は意外と狭くて、円形の深いお風呂でした。元々は楕円形の普通の深さのお風呂を設計していたみたいですが、家人が足を伸ばしてお風呂に入る風習に慣れず、日本式のお風呂を望んだようです。
なお、蛇口をひねるとお湯が出る仕組みだそうで、当時は珍しかったんじゃないかな。ボイラー室は地下にあって、お湯を汲み上げるようです。
<地下>
地下は見学コースになく入れませんが、金庫、食料室、ボイラー室などがあるそうです。
と、こんな感じで1時間のツアーでしたが相当濃い説明を受けることが出来ました。この記事に書けたのは半分くらいかなw また、案内してくださった館員さんの親切な受け答えも好印象でした。
館員さんの言葉を借りると、コンドルは日本で80件あまりの設計を行い、そのうち40件は富豪だそうですが、この古河邸は集大成といえる存在だそうです。近代洋風に和室を取り入れたのが最大の特徴であるとも言ってました。(確かに2Fは驚きがあります) 外観の写真も撮れたし、貴重な建築作品に触れることができて大満足でした。
最後にクイズです。古河氏は夫妻と子供の3人家族だったようですが、使用人は何人いたでしょうか? (答えは、追記に書いておきます。)

まずはおさらいです。
前回の記事:旧古河庭園 外観の写真
【公式サイト】
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index034.html
【施設名】旧古河庭園
【最寄】JR京浜東北線 上中里駅/東京メトロ 南北線 西ヶ原駅/JR山手線 駒込駅
※営業時間・休館日などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
庭園 0時間30分程度 + 内部見学 1時間00分程度
※内部見学は時期によってハガキによる事前予約が必要となります。
内部観覧は冬と夏は空いていて、特に平日の昼間は人が少ないようですが、バラの時期はハガキでの応募で定員になってしまうそうです。今回、私は運良く応募なしの先着順の申し込みで入ることができました。内部は写真NGですので、すべて文字説明となります。わかりづらかったり間違っていたらすみません。
まずは食堂らしきところで少し待った後、玄関先のホールで建物の概要を聞きました。
<概要>
この建物は大正6年に古河財閥の3代目である古河虎之助男爵(当時30歳くらい)がジョサイア・コンドルの設計で建てたものです。(古河財閥は足尾銅山などで財を成した財閥だそうです。) 古河虎之助は約9年ほどこの邸宅で生活しましたが、牛込に引越した後は古河財閥の迎賓館として使われていました。 その後、太平洋戦争の後に進駐軍に接収され比較的高い身分の将校達に使われた後、30年ほど無人の時期がありました。 この30年の間に屋敷は荒れ放題に荒れて、近所からはお化け屋敷とまで言われるようになりましたが、ジョサイア・コンドルの集大成とも言えるこの建物の価値は高く、1982年から7年かけて修復され、その後一般公開されるに至っています。
と、こんな感じです。玄関には家紋がありました。また、シャンデリアとガラスも当時のものがそのまま使われている(一部はスペアや現代のもの)という説明もありました。雰囲気としては同じジョサイア・コンドルの建物である岩崎邸に近からずとも遠からずという感じかな。むしろ庭園美術館の2Fとかに似た雰囲気かも。
さて、玄関ホールで概要で聞いた後は実際に部屋を周りながらの説明となりました。
<ビリヤード室>
玄関から左手に入ったビリヤードをするための部屋です。今はビリヤード台はありませんが、台の足を置く8つの場所に大理石が置かれていました。 この大理石は床の下にレンガを積み上げてあるらしく、重さで沈み込んでビリヤード台が傾くことがないように設計されているそうです。また、壁紙や床には緑色が使われ、ビリヤード台の色と呼応するようになっているのだとか。 ちなみに現代のビリヤード台は6本脚らしいです。2本多い分重かったのかな。
<サンルーム>
前回の写真で写っていた内部です。書斎からもビリヤード室からも来られるようになっていました。
<書斎>
楢材でできた立派な書棚がある部屋です。ドアと扉には全く釘が使われず、木を組み合わせて作られた驚異の職人技が見られます。 また、この部屋だけではありませんが、マントルピース(暖炉)の高い位置に鏡があるのですが、これは部屋全体を写すことでより広い部屋に見せるための工夫なのだとか。
<応接室>
書斎の隣の部屋です。 ここは喫茶店もやっている部屋で、ここだけは内部観覧ツアーじゃなくても入れるようです。ここのシャンデリアは天井に光を反射していて、まるで雪の結晶のような模様を天井に映し出していました。 また、青いバラの壁紙は「袋張り」という日本の襖の技法を用いて張られているそうです。コンドルは日本の技法を取り入れて設計していたようで、日本好きの彼ならではと言った感じです。コンドルは河鍋暁斎に弟子入りして日本画を学んだことなども解説されていました。
<小食堂・ダイニングルーム>
最初に待たされた部屋と、その隣の40畳くらいある大きなダイニングルームです。天井には見事なフルーツの彫刻が施されています。これは職人が3ヶ月かけて彫ったもので、その間ずっと上を向きながら彫り続けたようです。相当キツイ作業だったと想像できますが、細かい表現力に驚きます。
また、この部屋では最大20人くらいの晩餐会などが開かれたようですが、テーブルの端から端まで結構な距離があるので、話し声が届かないという事態になることを最初から想定していたようです。壁には立った時の頭の高さまで楢材が張られ、部屋の音がよく響くようになっています。(この音響効果を利用して時には音楽コンサートも開かれるようです。) さらに、楢材の壁を見ていると、壁板1枚分の正方形の穴が空いていることに気づきます。 これは隣の部屋と繋がっている配膳用の穴で、ここを通して食事を部屋に運びます。(調理室はにおいや音がこの部屋に届かないように離れた場所にあります) そしてここで驚くのが、その穴でわかる壁の厚さです。隣の部屋との壁の厚さが50cmくらいあります! どうやら他の部屋もこれくらい壁が厚いようで、関東大震災の際もこの建物は何も問題なかったそうです。
もう1つ気になっていたのがマントルピースの浮き彫りの彫刻で、これは沈んでみえる方を削って彫刻を浮き上がらせているという説明を受けました。 かなり深いところで真っ平らになっているのはひたすら平坦に彫ったためだとか。昔の職人の極みっぷりは尋常じゃないですw
以上で1階は終了。次にこの建物の特徴である2階へ移動します。ここで館内で唯一触ることのできる階段の手すりに触って、当時からの楢材の感触を確かめてきました。…硬いw
2階にあがると広々とした廊下があり、洋風のドアが並んでいます。しかし、この洋風のドアからは想像できない部屋が中にあります。
<仏間>
階段から一番近いドアを開けると、靴(館内はスリッパですけど)を脱ぐ1~2畳くらいの小さな玄関?のようになっていて、その奥に5畳の畳の控えの間、さらに奥に3畳の仏間があります。この小さなスペースを挟んで完全に和と洋が分かれていて、和洋折衷ではなく和と洋をあえて原色のまま残した感じになっているのが、この建物の特徴になっているようです。また、周りの壁には和紙に金箔・金砂子の壁紙を使い、障子で窓外の洋風の外観を隠していました。
<ゲストルーム>
こちらは洋室の寝室となります。外から観ると、ここにはバルコニーがあるように観えますが、ここから観るとバルコニーではなく屋根であることがわかります。 また、壁にはピンクのバラの壁紙が張られていました。さすがバラの名所ですね。
<本間・次の間>
洋室の隣には15畳の本間と12畳の次の間があります。和室には「真・行・草」という格式がありますが、ここは最も格式高い「真」の様式の部屋となっています。特徴としては屋久島の杉を使用した市松模様になっている壁板(縦の木目、横の木目で市松模様だったと記憶しています)や「長押(なげし)」と呼ばれる水平の板が3本あることが挙げられます。長押は天井のすぐ下、そのちょっと下、襖の上にありました。これが「真」で、「行」になると長押は2本になります。
参考:長押のwiki
また筬欄間(おさらんま)という今では作れる職人もほとんどいない、細かい幾何学的な欄間も見所でした。
そして、この部屋の一番の特徴が奥にある襖です。この襖は実際には使われなかったようですが、その襖を開けると、小さなスペースを挟んで洋風のドアがあり、そこを開けると階段前の通路に出ることが出来ます。何故使いもしないのにこうしたドアがあるかというと、階段通路の正面奥が壁であると閉塞感がありますが、通路奥に扉があると通路が広く感じるためだそうです、 確かに、壁だと殺風景だし息詰まるかも!と現場で見ると腑に落ちるものがありました。
<家族の部屋>
ここも和室で、ここからは家族の居住スペースとなっています。 ここは「行」の格式を持った部屋で長押は2本となっています。家族に「行」の部屋を割り当てるのは日本的とのことですが、英国人であるジョサイア・コンドルがそこまで知っていたのには恐れ入ります。(日本人でも私は真・行・草の違いなんて知りませんでしたw) さらに言うと、ここは邸内でも日当たりが良い部屋で、それを家族に割り当てるのはイギリス人らしいとのことです。そうした解説を聞くと、この部屋はコンドルの生い立ちや人生までもが縮図になっているかのように思えました。
また、天井は少し低めで質素な日本人に向いたつくりとなっています。収納があるのも今までの客間と違っている点で、生活感を感じました。
<子供部屋>
家族の部屋の隣にある2つの6畳間です。この記事の冒頭の写真だと、真正面の中央の2Fあたりだと思います。部屋の中は殺風景で結構狭いw こんなに広い屋敷なのに子供部屋は6畳なのかと逆に驚きました。
<夫妻の寝室>
一番奥の邸内で最も眺めの良い部屋です。コンドルが考案した和洋調和の庭が一望できるようになっています。ここには夫妻の写真が飾ってあったのですが、若いのに威厳がある風貌の夫妻でした。ちなみに、奥さんは西郷隆盛の姪にあたる人なのだとか。
<おめしかえの部屋>
夫妻の部屋の奥にあるクローゼット的な着替え部屋。着替え部屋なのに10畳もありますw これまでの部屋は和と洋を分けた上で共生していましたが、ここだけは和洋折衷の様式で、基本的には洋室なのですが、畳ばりとなっています。というのも、奥さんが着物に着替えるときは畳の上でないと不都合だったようで、畳になったそうです。
<トイレと浴室>
最後に、階段脇のトイレと浴室にも入ることができました。お風呂は意外と狭くて、円形の深いお風呂でした。元々は楕円形の普通の深さのお風呂を設計していたみたいですが、家人が足を伸ばしてお風呂に入る風習に慣れず、日本式のお風呂を望んだようです。
なお、蛇口をひねるとお湯が出る仕組みだそうで、当時は珍しかったんじゃないかな。ボイラー室は地下にあって、お湯を汲み上げるようです。
<地下>
地下は見学コースになく入れませんが、金庫、食料室、ボイラー室などがあるそうです。
と、こんな感じで1時間のツアーでしたが相当濃い説明を受けることが出来ました。この記事に書けたのは半分くらいかなw また、案内してくださった館員さんの親切な受け答えも好印象でした。
館員さんの言葉を借りると、コンドルは日本で80件あまりの設計を行い、そのうち40件は富豪だそうですが、この古河邸は集大成といえる存在だそうです。近代洋風に和室を取り入れたのが最大の特徴であるとも言ってました。(確かに2Fは驚きがあります) 外観の写真も撮れたし、貴重な建築作品に触れることができて大満足でした。
最後にクイズです。古河氏は夫妻と子供の3人家族だったようですが、使用人は何人いたでしょうか? (答えは、追記に書いておきます。)
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先日、上中里にある旧古河庭園(きゅうふるかわていえん)に行って写真を撮ったりしてきました。この庭園に関する細かい説明は次の記事の内部見学編でまとめてご紹介することにして、今日は建物の周りの写真をご紹介しようと思います。
【公式サイト】
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index034.html
【施設名】旧古河庭園
【最寄】JR京浜東北線 上中里駅/東京メトロ 南北線 西ヶ原駅/JR山手線 駒込駅
※営業時間・休館日などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
庭園 0時間30分程度 + 内部見学 1時間00分程度
※内部見学は時期によってハガキによる事前予約が必要となります。
やってきました旧古河邸。戦前の古河財閥当主の家が現在では国指定名勝となっています。

案内図。広い敷地です。特にバラの時期はお客さんで混みあうようですが、私が行った日は特別寒かったせいもあり空いていました。

シックで洒落た洋館です。設計者はジョサイア・コンドルです。

関連記事:
旧岩崎邸の写真 その1
旧岩崎邸の写真 その2
三菱一号館竣工記念「一丁倫敦と丸の内スタイル展」 (三菱一号館美術館)
いけばな~歴史を彩る日本の美~ (江戸東京博物館)
横側。前に花壇がありました。

ちょっとずつ角度を変えながら撮ってますw

2Fは和室だったりしますが、外から観ると洋館そのものです。中は次回ご紹介いたします。

裏手にある使用人たちのエリア

これは庭園内の渓谷です。この渓谷は小川治兵衛(作庭家)が最も力を入れた部分らしいです。

池に続く道

(左):池には鯉などがいましたが、なんか濁ってるようなw
(右):3泰平型灯籠。見たとおりどっしり作りらしい。

ぐるっと一周周ってきました。屋敷の正面には階段があります。

さらに登りました。この辺りはバラが植えられているようで、時期になると混みあうらしいです。

建物内では写真撮影は出来ないので、ガラスの近くによって中を撮ってみました。これはサンルームです。

玄関。上には古河家の家紋があります。

本館見学会のお知らせ。お客さんの少ない日は事前申し込み無しでも見学できましたが、多い日はハガキによる予約で埋まるそうです。別途料金もかかります。
1時間程度のツアーになります。今回運良く参加できました。

ということで、非常に洗練された洋館と庭です。これだけだと、よく分からずに綺麗だなーで終わるのですが、内部へのツアーで詳しい話を聞くことができましたので、次回はそれをご紹介したいと思います。
【公式サイト】
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index034.html
【施設名】旧古河庭園
【最寄】JR京浜東北線 上中里駅/東京メトロ 南北線 西ヶ原駅/JR山手線 駒込駅
※営業時間・休館日などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
庭園 0時間30分程度 + 内部見学 1時間00分程度
※内部見学は時期によってハガキによる事前予約が必要となります。
やってきました旧古河邸。戦前の古河財閥当主の家が現在では国指定名勝となっています。

案内図。広い敷地です。特にバラの時期はお客さんで混みあうようですが、私が行った日は特別寒かったせいもあり空いていました。

シックで洒落た洋館です。設計者はジョサイア・コンドルです。

関連記事:
旧岩崎邸の写真 その1
旧岩崎邸の写真 その2
三菱一号館竣工記念「一丁倫敦と丸の内スタイル展」 (三菱一号館美術館)
いけばな~歴史を彩る日本の美~ (江戸東京博物館)
横側。前に花壇がありました。

ちょっとずつ角度を変えながら撮ってますw

2Fは和室だったりしますが、外から観ると洋館そのものです。中は次回ご紹介いたします。

裏手にある使用人たちのエリア

これは庭園内の渓谷です。この渓谷は小川治兵衛(作庭家)が最も力を入れた部分らしいです。

池に続く道

(左):池には鯉などがいましたが、なんか濁ってるようなw
(右):3泰平型灯籠。見たとおりどっしり作りらしい。


ぐるっと一周周ってきました。屋敷の正面には階段があります。

さらに登りました。この辺りはバラが植えられているようで、時期になると混みあうらしいです。

建物内では写真撮影は出来ないので、ガラスの近くによって中を撮ってみました。これはサンルームです。


玄関。上には古河家の家紋があります。


本館見学会のお知らせ。お客さんの少ない日は事前申し込み無しでも見学できましたが、多い日はハガキによる予約で埋まるそうです。別途料金もかかります。
1時間程度のツアーになります。今回運良く参加できました。


ということで、非常に洗練された洋館と庭です。これだけだと、よく分からずに綺麗だなーで終わるのですが、内部へのツアーで詳しい話を聞くことができましたので、次回はそれをご紹介したいと思います。
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Author:21世紀のxxx者
多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。
関東の方には休日のガイドやデートスポット探し、関東以外の方には東京観光のサイトとしてご覧頂ければと思います。
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