Archive | 2010年12月
1週間前の日曜日に、渋谷のbunkamuraで「モネとジヴェルニーの画家たち」を観てきました。好みの作品が多く、メモも多めに取ってきましたので、前編・後編に分けてご紹介しようと思います。
【展覧名】
モネとジヴェルニーの画家たち
【公式サイト】
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/10_monet/index.html
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/shosai_10_monet.html
【会場】Bunkamuraザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅/京王井の頭線神泉駅
【会期】2010年12月7日(火)~2011年2月17日(木)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日15時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
まだ始まって日も浅いにも関わらず、多くの人で賑わっていました。場所によっては列を作ったり人だかりができるなど、早くも人気の展覧会となっております。
さて、内容についてですがタイトルの通り、印象派の巨匠モネが住んでいたジヴェルニーに焦点を当てて、そこで活動した画家たちの作品が並んでいました。モネに関してはあちこちで作品を観る機会はありますが、今回の展示では国内外の良質なモネ作品に加え、中々観られないようなジヴェルニー関連の画家の作品も素晴らしく、75点程度でも非常に楽しむことができました。詳しくは章ごとに気に入った作品を通してご紹介しようと思います。
<第1章 周辺の風景>
今回ご紹介するジヴェルニーはパリから西に約80キロほどのセーヌ川沿いの街です。1883年にモネがこの地に移り住むと、1887年頃にウィラード・レロイ・メトカーフやセオドア・ロビンソンといった7人の画家がモネを訪ねこの地に移り住んできました。彼らはモネと親交があったようで、この地のボーディ・ホテルという所を溜まり場にしていたようです。(ホテルも1887年に開業。ジヴェルニーが芸術村になる上で重要な役割だったようです) ここではそうしたジヴェルニーを拠点にした画家たちが描いた、周辺地域の風景画が並んでいました。
ウィラード・レロイ・メトカーフ 「ジヴェルニー、1887年」
サイズ違いのよく似た絵が2枚並んでいました。これは少し大きめの方で、緑が多い小川の河岸を描いた作品です。木々や野原など穏やかな雰囲気を感じる一方、光の明暗がくっきりしている印象をうけました。
この辺にはメトカーフの緑溢れる作品が数点ありました。どことなく印象派風の作品かな。解説ではバルビゾン派の自然主義の関心を留めていると紹介していました。
ウィリアム・ブレアー・ブルース 「水流、ジヴェルニー」
この人はジヴェルニーで描き始めた最初の外国人(カナダ人)で、この地をフランスで最も美しいところと言っていたそうです。この絵は川の流れと両側の木々が描かれ、川は透明感溢れる細かい筆致となっています。それに対して木々は印象派風にも感じられるかな。アカデミックな要素も感じますが、感じるままに描いたようにも見えました。
セオドア・ロビンソン 「冬景色」
山の斜面と雪の積もった家々を描いた作品です。背景の風景には遠い水平線も見え、奥行きを感じます。それに対して手前の斜面は白や茶色が混じって印象派の技法のようにも思えます。また、意図したものなのか、縦に何本か線が入っているが気になりました。ちょっと寒そうな雰囲気がよく出た作品でした。
ちなみにこの人は美術アカデミー教育を受けていたそうです。そのせいかこの辺は似た画風の画家が多いかもw
セオドア・ウェンデル 「花咲く野原、ジヴェルニー」
手前に赤やピンクの花畑、奥に緑濃い木々が横に並んでいます。対比的な色合いなせいか、非常に目をひかれました。解説によると、この人もアカデミーの教育を受けていたようで、線的な輪郭と構成性の高さが評価されているようでした。言われてみると奥行きを感じるかも^^;
リーラ・キャボット・ペリー 「秋の午後、ジヴェルニー」
この人はアメリカの女性画家で、夫は黒船来航で有名なペリーの甥に当たるそうです。野原の斜面や家々、夕日に染まる木々などが描かれ、色とりどりで大きめの筆遣いに見えます。モネの晩年の作風とちょっと雰囲気が似ているかも。
[ジヴェルニーのモネ]
この章にはモネがジヴェルニーで描いた作品も何点か展示されています。
クロード・モネ 「赤とピンクの芥子」
花瓶に入った2本のケシの花を描いた作品です。淡い色ですが存在感があり、茎の曲線がなんとも優美な感じでした。淡い黄色の背景が花の色を引き立てているのかも。
クロード・モネ 「ジヴェルニーの冬」 ★こちらで観られます
雪の積もった丘の斜面と、その背景の家々を描いた作品です。手前は白や茶色ではっきりした感じですが、家や遠くの山は青っぽく少しぼんやりしています。そのせいかどんよりした天気の空気感が出ているように感じました。
クロード・モネ 「セーヌ河の朝」 ★こちらで観られます
これは国立西洋美術館の所蔵品です。川の上の舟から描いた作品で、緑に囲まれたセーヌ河の朝の風景が広がっています。手前の柳が垂れているなど全体的に緑が多く、形態が曖昧な感じになっているように感じました。朝靄の移ろいを描いたのかな?
クロード・モネ 「積みわら(日没)」 ★こちらで観られます
これは今年のボストン美術館展でも観た作品だと思います(多分) 右手前に太陽を隠すようにふちが赤く染まる大きな積み藁が描かれ、左半分は夕暮れの農村の風景が広がります。微妙な色遣いで柔らかく暖かみを感じました。これは今まで見た積み藁の中でも特に好きな作品です。
参考記事:ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち 感想後編 (森アーツセンターギャラリー)
<第2章 村の暮らし>
ジヴェルニーにボーディ・ホテルが建つと、訪れてくる画家が次第に増えていき、2~3年もするとこの村は芸術家村となっていきました。1890年にはこの村にいる外国人芸術家は50人ほどもいたそうで、その後もどんどん増えていきます(人口に対する割合が半端じゃなさそうw) この章ではそうしたジヴェルニーでの暮らしを題材にした作品が並んでいました。 最初の辺りにはボーディ・ホテルの写真などもあり、当時の様子を垣間見ることもできます。
ブランシュ・オシュデ=モネ 「アジュー平地の積みわら、ジヴェルニー」
この画家は名前にモネと入っている通り、クロード・モネの身内で義理の娘にあたります。この絵は緑の野原と木々に囲まれた積み藁が描かれ、こんもりした雰囲気です。少し薄く爽やかな色合いで、ざらついた質感の厚塗りに見えたかな。中々好みの作品でした。
ジョン・レスリー・ブレック 「積みわらの習作:秋の日1~12」 ★こちらで観られます
12点の積み藁の連作が展示されていました。これはモネの積み藁に影響を受けて制作された作品で、朝から夕方まで様々な時間で同じ場所を描いています。3つの積み藁と丘を望む風景で、雲の形や空気感がそれぞれの作品で異なり、受ける印象もだいぶ違うのが面白かったです。これは今回の展示でも特に楽しめる作品の1つではないかと思います。
リーラ・キャボット・ペリー 「小川にて、フランス、ジヴェルニー(ピンクの服の女性)」
ピンク色の服を着て手を腰に当てている画家の娘を描いた作品です。背景には川と緑の草木が大胆な筆遣いで描かれ、生き生きとしています。その緑とピンクの組み合わせも色が映えるようで、どことなく女性らしい感性があるようにも思いました。
ちなみにペリーは日本に3年間ほど住んでいたことがあるそうです(確か夫が日本で先生をやってたとかだったかな。うろおぼえですw)
セオドア・ロビンソン 「産着作り」
木の下でお裁縫をしている横向きの女性を描いた作品です。じっと手元を見ていて真剣そうな感じです。落ち着いた色合いもあって情感のある風景となっていました。なお、この作品は自分で撮った写真を元に描いているそうです。
ドーソン・ドーソン=ワトソン 「ジヴェルニー、西の教会に向かう道」
白く強い光が当たった道が真っ直ぐ奥に伸びている風景を描いた作品です。手前と横から青っぽい光が落ちて、真昼の光の強さを感じます。また、奥にはぽつんと2人の人物の姿もあり、奥行きや遠近感のある作品に思いました。
ジョン・レスリー・ブレック 「ジヴェルニーの庭」
赤や真っ白な花々が咲いている庭を描いた作品で、これはペリーの庭だそうです。手前の土に花々の影が落ちていて、その日差しの強さを感じます。 とにかく色が鮮やかで華やかな印象を受ける作品でした。
ということで、今日は2章までにしておこうと思います。前半と後半にモネの作品が数点ずつありますが、基本的に知らない画家が多く、未知の作風に出会うことができて嬉しい内容です。
後半の3、4章にもかなり好みの作品がありましたので、次回はそれをご紹介して以降と思います。アメリカの印象派についても知ることが出来る貴重な機会となっています。
⇒後編はこちら


【展覧名】
モネとジヴェルニーの画家たち
【公式サイト】
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/10_monet/index.html
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/shosai_10_monet.html
【会場】Bunkamuraザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅/京王井の頭線神泉駅
【会期】2010年12月7日(火)~2011年2月17日(木)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日15時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
まだ始まって日も浅いにも関わらず、多くの人で賑わっていました。場所によっては列を作ったり人だかりができるなど、早くも人気の展覧会となっております。
さて、内容についてですがタイトルの通り、印象派の巨匠モネが住んでいたジヴェルニーに焦点を当てて、そこで活動した画家たちの作品が並んでいました。モネに関してはあちこちで作品を観る機会はありますが、今回の展示では国内外の良質なモネ作品に加え、中々観られないようなジヴェルニー関連の画家の作品も素晴らしく、75点程度でも非常に楽しむことができました。詳しくは章ごとに気に入った作品を通してご紹介しようと思います。
<第1章 周辺の風景>
今回ご紹介するジヴェルニーはパリから西に約80キロほどのセーヌ川沿いの街です。1883年にモネがこの地に移り住むと、1887年頃にウィラード・レロイ・メトカーフやセオドア・ロビンソンといった7人の画家がモネを訪ねこの地に移り住んできました。彼らはモネと親交があったようで、この地のボーディ・ホテルという所を溜まり場にしていたようです。(ホテルも1887年に開業。ジヴェルニーが芸術村になる上で重要な役割だったようです) ここではそうしたジヴェルニーを拠点にした画家たちが描いた、周辺地域の風景画が並んでいました。
ウィラード・レロイ・メトカーフ 「ジヴェルニー、1887年」
サイズ違いのよく似た絵が2枚並んでいました。これは少し大きめの方で、緑が多い小川の河岸を描いた作品です。木々や野原など穏やかな雰囲気を感じる一方、光の明暗がくっきりしている印象をうけました。
この辺にはメトカーフの緑溢れる作品が数点ありました。どことなく印象派風の作品かな。解説ではバルビゾン派の自然主義の関心を留めていると紹介していました。
ウィリアム・ブレアー・ブルース 「水流、ジヴェルニー」
この人はジヴェルニーで描き始めた最初の外国人(カナダ人)で、この地をフランスで最も美しいところと言っていたそうです。この絵は川の流れと両側の木々が描かれ、川は透明感溢れる細かい筆致となっています。それに対して木々は印象派風にも感じられるかな。アカデミックな要素も感じますが、感じるままに描いたようにも見えました。
セオドア・ロビンソン 「冬景色」
山の斜面と雪の積もった家々を描いた作品です。背景の風景には遠い水平線も見え、奥行きを感じます。それに対して手前の斜面は白や茶色が混じって印象派の技法のようにも思えます。また、意図したものなのか、縦に何本か線が入っているが気になりました。ちょっと寒そうな雰囲気がよく出た作品でした。
ちなみにこの人は美術アカデミー教育を受けていたそうです。そのせいかこの辺は似た画風の画家が多いかもw
セオドア・ウェンデル 「花咲く野原、ジヴェルニー」
手前に赤やピンクの花畑、奥に緑濃い木々が横に並んでいます。対比的な色合いなせいか、非常に目をひかれました。解説によると、この人もアカデミーの教育を受けていたようで、線的な輪郭と構成性の高さが評価されているようでした。言われてみると奥行きを感じるかも^^;
リーラ・キャボット・ペリー 「秋の午後、ジヴェルニー」
この人はアメリカの女性画家で、夫は黒船来航で有名なペリーの甥に当たるそうです。野原の斜面や家々、夕日に染まる木々などが描かれ、色とりどりで大きめの筆遣いに見えます。モネの晩年の作風とちょっと雰囲気が似ているかも。
[ジヴェルニーのモネ]
この章にはモネがジヴェルニーで描いた作品も何点か展示されています。
クロード・モネ 「赤とピンクの芥子」
花瓶に入った2本のケシの花を描いた作品です。淡い色ですが存在感があり、茎の曲線がなんとも優美な感じでした。淡い黄色の背景が花の色を引き立てているのかも。
クロード・モネ 「ジヴェルニーの冬」 ★こちらで観られます
雪の積もった丘の斜面と、その背景の家々を描いた作品です。手前は白や茶色ではっきりした感じですが、家や遠くの山は青っぽく少しぼんやりしています。そのせいかどんよりした天気の空気感が出ているように感じました。
クロード・モネ 「セーヌ河の朝」 ★こちらで観られます
これは国立西洋美術館の所蔵品です。川の上の舟から描いた作品で、緑に囲まれたセーヌ河の朝の風景が広がっています。手前の柳が垂れているなど全体的に緑が多く、形態が曖昧な感じになっているように感じました。朝靄の移ろいを描いたのかな?
クロード・モネ 「積みわら(日没)」 ★こちらで観られます
これは今年のボストン美術館展でも観た作品だと思います(多分) 右手前に太陽を隠すようにふちが赤く染まる大きな積み藁が描かれ、左半分は夕暮れの農村の風景が広がります。微妙な色遣いで柔らかく暖かみを感じました。これは今まで見た積み藁の中でも特に好きな作品です。
参考記事:ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち 感想後編 (森アーツセンターギャラリー)
<第2章 村の暮らし>
ジヴェルニーにボーディ・ホテルが建つと、訪れてくる画家が次第に増えていき、2~3年もするとこの村は芸術家村となっていきました。1890年にはこの村にいる外国人芸術家は50人ほどもいたそうで、その後もどんどん増えていきます(人口に対する割合が半端じゃなさそうw) この章ではそうしたジヴェルニーでの暮らしを題材にした作品が並んでいました。 最初の辺りにはボーディ・ホテルの写真などもあり、当時の様子を垣間見ることもできます。
ブランシュ・オシュデ=モネ 「アジュー平地の積みわら、ジヴェルニー」
この画家は名前にモネと入っている通り、クロード・モネの身内で義理の娘にあたります。この絵は緑の野原と木々に囲まれた積み藁が描かれ、こんもりした雰囲気です。少し薄く爽やかな色合いで、ざらついた質感の厚塗りに見えたかな。中々好みの作品でした。
ジョン・レスリー・ブレック 「積みわらの習作:秋の日1~12」 ★こちらで観られます
12点の積み藁の連作が展示されていました。これはモネの積み藁に影響を受けて制作された作品で、朝から夕方まで様々な時間で同じ場所を描いています。3つの積み藁と丘を望む風景で、雲の形や空気感がそれぞれの作品で異なり、受ける印象もだいぶ違うのが面白かったです。これは今回の展示でも特に楽しめる作品の1つではないかと思います。
リーラ・キャボット・ペリー 「小川にて、フランス、ジヴェルニー(ピンクの服の女性)」
ピンク色の服を着て手を腰に当てている画家の娘を描いた作品です。背景には川と緑の草木が大胆な筆遣いで描かれ、生き生きとしています。その緑とピンクの組み合わせも色が映えるようで、どことなく女性らしい感性があるようにも思いました。
ちなみにペリーは日本に3年間ほど住んでいたことがあるそうです(確か夫が日本で先生をやってたとかだったかな。うろおぼえですw)
セオドア・ロビンソン 「産着作り」
木の下でお裁縫をしている横向きの女性を描いた作品です。じっと手元を見ていて真剣そうな感じです。落ち着いた色合いもあって情感のある風景となっていました。なお、この作品は自分で撮った写真を元に描いているそうです。
ドーソン・ドーソン=ワトソン 「ジヴェルニー、西の教会に向かう道」
白く強い光が当たった道が真っ直ぐ奥に伸びている風景を描いた作品です。手前と横から青っぽい光が落ちて、真昼の光の強さを感じます。また、奥にはぽつんと2人の人物の姿もあり、奥行きや遠近感のある作品に思いました。
ジョン・レスリー・ブレック 「ジヴェルニーの庭」
赤や真っ白な花々が咲いている庭を描いた作品で、これはペリーの庭だそうです。手前の土に花々の影が落ちていて、その日差しの強さを感じます。 とにかく色が鮮やかで華やかな印象を受ける作品でした。
ということで、今日は2章までにしておこうと思います。前半と後半にモネの作品が数点ずつありますが、基本的に知らない画家が多く、未知の作風に出会うことができて嬉しい内容です。
後半の3、4章にもかなり好みの作品がありましたので、次回はそれをご紹介して以降と思います。アメリカの印象派についても知ることが出来る貴重な機会となっています。
⇒後編はこちら
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先日、ミッドタウンのイルミネーションをご紹介いたしましたが、恵比寿のイルミネーション「Baccarat ETERNAL LIGHTS -歓びのかたち-」も観てきました。今年も例年通りバカラのシャンデリアがありました。

参考記事:
2009年のBaccarat ETERNAL LIGHTSを書いた記事 (バカラの写真をおまけで載せています)
MIDTOWN CHRISTMAS 2010 (ミッドタウンクリスマス2010)
公式サイト:http://gardenplace.jp/sp/baccarat.html
期間:2010/11/11~2010/12/26
恵比寿駅からガーデンプレイスに出た辺りからイルミネーションが灯っていました。

元々ある建物も雰囲気があります。

見えてきましたバカラのシャンデリア!

一端ぐるっと横から周ってからバカラを観ることにしました。これは駅方面を見た風景。

ガーデンプレイスの奥の方から駅方向を見た風景と、有名なレストランの前にあるブールデルの果実を持つ裸婦。

ようやくやってきましたバカラのシャンデリア。高さ約5m、横約3m、クリスタルパーツ数8472ピース、ライト総数250で、数億円と聞いたことがあります。

シャンデリアのアップ。細工が見事です。

こんな感じで恵比寿のイルミネーションはシックな感じです。六本木の動きのあるのを観てからだと、ちょっと地味な感じもしますがw このすぐ近くには写美や展望台もあるので、恵比寿観光の締めにこのイルミネーションというコースも良いかもしれません。

参考記事:
2009年のBaccarat ETERNAL LIGHTSを書いた記事 (バカラの写真をおまけで載せています)
MIDTOWN CHRISTMAS 2010 (ミッドタウンクリスマス2010)
公式サイト:http://gardenplace.jp/sp/baccarat.html
期間:2010/11/11~2010/12/26
恵比寿駅からガーデンプレイスに出た辺りからイルミネーションが灯っていました。


元々ある建物も雰囲気があります。

見えてきましたバカラのシャンデリア!

一端ぐるっと横から周ってからバカラを観ることにしました。これは駅方面を見た風景。

ガーデンプレイスの奥の方から駅方向を見た風景と、有名なレストランの前にあるブールデルの果実を持つ裸婦。


ようやくやってきましたバカラのシャンデリア。高さ約5m、横約3m、クリスタルパーツ数8472ピース、ライト総数250で、数億円と聞いたことがあります。


シャンデリアのアップ。細工が見事です。

こんな感じで恵比寿のイルミネーションはシックな感じです。六本木の動きのあるのを観てからだと、ちょっと地味な感じもしますがw このすぐ近くには写美や展望台もあるので、恵比寿観光の締めにこのイルミネーションというコースも良いかもしれません。
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前回ご紹介した山種美術館を出た後、すぐ近くにある「CAFE PAPAS」というお店でお茶してきました。

【店名】
CAFE PAPAS 広尾店
【ジャンル】
カフェ/レストラン
【公式サイト】
http://www.papas-dept.co.jp/cafe.html
食べログ:http://r.tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13014203/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
JR・東京メトロ 恵比寿駅
【近くの美術館】
山種美術館
【この日にかかった1人の費用】
1000円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日15時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
山種美術館のすぐ近くにあったので気になっていたのですが、このお店は都内にも結構何店も支店があるようです。 この日はあまりお客さんはいなかったのでのんびりとくつろぐことができました。
店内はこんな感じで中々良い雰囲気です。

この日はケーキセット(1000円)を頼みました。スコーンとブレンドコーヒーをチョイス。

スコーンは来た瞬間から甘くて良い香りがしました。実際に食べると意外とモッチリしていました。所々にオレンジが入っていて風味があります。ボリュームも結構あるのですが、温かかくて美味しいので飽きずに食べられました。
コーヒーは爽やかな香りで、すっきりまろやかな感じでした。あまり苦味や酸味はなく飲みやすいかな。こちらも美味しいです。
ということで、静かな中で美味しいものを食べることが出来て満足でした。何故かテーブルにアルファベットで人名が書かれていたのですが、これは会員制クラブだった頃の名残なのだとか。
以前ご紹介した山種美術館の館内のお店も良いですが、ここも併せて使っていけばバラエティも増えそうです。今後も利用しようと思います。
参考記事:Cafe 椿 (山種美術館のお店)

【店名】
CAFE PAPAS 広尾店
【ジャンル】
カフェ/レストラン
【公式サイト】
http://www.papas-dept.co.jp/cafe.html
食べログ:http://r.tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13014203/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
JR・東京メトロ 恵比寿駅
【近くの美術館】
山種美術館
【この日にかかった1人の費用】
1000円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日15時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
山種美術館のすぐ近くにあったので気になっていたのですが、このお店は都内にも結構何店も支店があるようです。 この日はあまりお客さんはいなかったのでのんびりとくつろぐことができました。
店内はこんな感じで中々良い雰囲気です。

この日はケーキセット(1000円)を頼みました。スコーンとブレンドコーヒーをチョイス。


スコーンは来た瞬間から甘くて良い香りがしました。実際に食べると意外とモッチリしていました。所々にオレンジが入っていて風味があります。ボリュームも結構あるのですが、温かかくて美味しいので飽きずに食べられました。
コーヒーは爽やかな香りで、すっきりまろやかな感じでした。あまり苦味や酸味はなく飲みやすいかな。こちらも美味しいです。
ということで、静かな中で美味しいものを食べることが出来て満足でした。何故かテーブルにアルファベットで人名が書かれていたのですが、これは会員制クラブだった頃の名残なのだとか。
以前ご紹介した山種美術館の館内のお店も良いですが、ここも併せて使っていけばバラエティも増えそうです。今後も利用しようと思います。
参考記事:Cafe 椿 (山種美術館のお店)
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前回ご紹介したサントリー美術館と同じ日に、山種美術館の「日本美術院の画家たち」も見てきました。

【展覧名】
日本美術院の画家たち
【公式サイト】
http://www.yamatane-museum.or.jp/exh_current.html
【会場】山種美術館
【最寄】JR・東京メトロ 恵比寿駅
【会期】2010年11月13日(土)~12月26日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
混んでいるわけではありませんが、結構お客さんが入っていました。
さて、さっそく内容についてですが、タイトルどおり日本美術院の画家たちの作品を集めた展示となっています。元々、山種美術館は日本美術のコレクションが充実していますが、今回の展示は明治から平成にかけて、院展の出品作を中心に素晴らしい作品が並んでいました。詳しくはいつもどおり気に入った作品をご紹介していこうと思います。
菱田春草 「月四題のうち 夏」 「月四題のうち 秋」
2幅の掛け軸です。タイトルから恐らく4幅セットなのではないかと思いますが、この日観たのは夏と秋でした。夏はぼんやりした靄がかかったような中、柳?が垂れていて、背景に大きな月が靄に溶け込むように描かれています。 秋は葡萄とその葉っぱが描かれ、背景に大きな月が描かれ、こちらもぼんやりした感じとなっています。葡萄の葉はにじみがあり、これは琳派の「たらしこみ」の技法であると解説されていました。繊細な濃淡が見事で、ぼや~っとした情感が素晴らしかったです。これを描いた頃には視力が衰えていたようですが、まったくそうには思えなかったです。
小茂田青樹 「丘に沿える道」
埼玉県の狭山付近を描いた風景画です。緑や青の丘陵が広がり、見下ろすように村の家々も描かれていて、所々に黄色く染まる畑も目に鮮やかです。目の前に広がるような臨場感があり、装飾性も感じられました。 ちなみに小茂田青樹は速水御舟と同じ日に画塾に入ったのだとか。
速水御舟 「朝鮮牛図」
横向きの黄色っぽい牛を描いた作品で、全体的に柔らかい印象を受けました。牛はやけに絵の左のほうに立っていて、右には余白があります。解説によると、これは一歩踏み出した感じを出すための表現とのことでした。なお、当時これと共に「供身像」(赤主体の作品)、「樹木」(緑主体の作品)という、3原色の対比となる3点を院展に出したそうです。
小林古径 「清姫のうち 日高川」 ★こちらで観られます
能の題材で有名な道成寺の物語を描いた8枚の作品がずらりと並んでいました。これは今回の展示のポスターにもなっている作品で、以前にもご紹介したかな。 十二単の女性が髪と着物をなびかせて川に向かっている作品です。それ以外にも龍のような蛇となった清姫が鐘に巻きつくシーンなどもあり、鬼気迫る感じもしますが、どこか気品がある作風です。古径はもっと自由に描きたかったとも解説されていました。
参考記事:大観と栖鳳-東西の日本画 (山種美術館)
この辺には大観の屏風と掛け軸などもありました。
速水御舟 「翠苔緑芝」 ★こちらで観られます
以前ご紹介した4曲1双の屏風です。右隻は金地にビワ、ツツジ、緑の苔などが描かれ、苔の上に猫が転がっています。左隻は芝の上で寝転ぶウザギとアジサイが描かれていて、どちらも琳派のような装飾的な雰囲気があります。この作品は御舟にとっても自信作だったようで、この美術館でも屈指の名作じゃないかと思います。
参考記事:速水御舟展 -日本画への挑戦- (山種美術館)
この辺には奥村土牛の「鳴門」や写生帖なども展示されていました。
参考記事:生誕120年 奥村土牛 (山種美術館)
小倉遊亀 「舞う(芸者)」
2枚セットの大きな作品で、どちらも金地に踊る舞妓が描かれています。左は扇子を持った手を挙げる紫の着物に赤い帯の舞妓、右は振り返るようなポーズの黒い着物のの舞妓が描かれていました。デフォルメされ絢爛な感じがしますが、微笑むような表情などから楽しげな雰囲気も感じました。
平櫛田中 「雲林先生」
こちらは絵画作品ではなく着色された人物木像です。雲林先生と言うのは中国の4大画家の1人らしく、着物に黒い頭巾を被り、手には巻物と瓶を持っています。細かく写実的な彫りで表現されていて、特に顔は清廉な人柄を思わせる表情をしていました。この作品にはモデルがいるらしく、「烏有先生」という作品とよく似ているとのことでした。
横山大観 「春の水・秋の色のうち 春の水」 「春の水・秋の色のうち 秋の色」
2幅セットの掛け軸で、右に春、左に秋が展示されていました。春は畔に桜が咲く大きな川に、切り出した木材をいかだにして運んでいる4人の男が描かれています。秋は川とその脇で馬に乗って狩猟する2人の男と、紅葉が描かれていました。どちらも爽やかで気品を感じる色合いでした。日本の四季の美しさが伝わってきます。
守屋多々志 「聴花(式子内親王)」
4曲の屏風です。画面一杯に描かれたデフォルメされた桜の下、十二単の貴族風の女性が座っています。どうやらこの女性は歌人として有名な式子内親王らしく、着物は華やかですがどこか儚げな感じがしました。 また、周りを囲うような桜は、何故かくすんだような色をしていたのですが、元々こういう色だったかはわかりませんでした。解説によるとこれは式子内親王の歌にちなんだ作品のようでした。
安田靫彦 「平泉の義経」 ★こちらで観られます
老いた藤原秀衡と若い源義経を描いた絵です。目が強く、威厳のある秀衡と、まだ幼い感じもありつつも凛々しい義経の対比が面白かったです。
参考記事:ゆめやかた [夢館奥州藤原歴史館]の案内 (番外編 岩手)
吉田善彦 「尾瀬三趣のうち 水辺の夕」
尾瀬の湿原を描いた2枚の作品です。ぼんやり淡い色彩で描かれ、霧で霞んでいるような感じがします。静かで雄大さを感じる作品でした。
この辺は大きな作品が多かったです。院展の出品作だからかな?
岩橋英遠 「暎」
山に沈む太陽を背景に、夕日に染まる田んぼを描いた作品です。手前に大きく翼を広げて飛ぶ鳥が描かれ、水面に影を落としています。作品自体が大きいせいもあり、その場にいるようで、赤が心に染み渡る感じでした。
森田曠平「夜鴬 アンデルセン童話集より 隣国よりの贈物」
ナイチンゲールの物語を描いた作品で、会期によって場面替して展示しているようです。私が見たのは、沢山に人々が並び様々な贈り物や珍しい動物(ラクダや豹?)を皇帝に献上する様子が描かれた作品です。行列の先頭にはお盆に載ったゼンマイ仕掛けのナイチンゲールが描かれ、宝石がちりばめられた金色をしていました。絵全体も華やかで、色とりどりで楽しそうな感じです。しかし、本物のナイチンゲールは密かに逃げてしまうようです。 この前後の場面のコピーも見たのですが、できれば全部一気に観たかったw
この辺には鵜を描いた作品や山の宝塔を描いた作品もあり、どれも好みの作品でした。ここら辺で第一会場は終わりで、第二会場の小部屋は平山郁夫のコーナーでした。
平山郁夫 「バビロン王城」
6曲の屏風です。レンガ造りの大きな建物が画面いっぱいに描かれていて、イシュタル門空中庭園といったバビロンの城の内部も描かれているようです。非常に堅牢な印象を受ける壮大な作品ですが、これは想像して描いたもののようでした。平山郁夫と言えば青が印象的な日本画を思い浮かべるので、これはちょっと驚きでした。
平山郁夫 「阿育王石柱」
真っ青な背景に茶色の石柱がぽつんと立っている作品です。柱の頭には3頭のライオンが描かれ、まさにそびえるといった趣がありました。実景を元にしていると思いますが、背景のせいか現実を超えたような幻想的な雰囲気がありました。
ということで、山種美術館の珠玉のコレクションを拝むことができました。つい最近見た作品も結構ありましたが、これだけ素晴らしい作品であれば何度観ても楽しめます。近代日本画が好きな方は特に面白い内容じゃないかな。お勧めです。


【展覧名】
日本美術院の画家たち
【公式サイト】
http://www.yamatane-museum.or.jp/exh_current.html
【会場】山種美術館
【最寄】JR・東京メトロ 恵比寿駅
【会期】2010年11月13日(土)~12月26日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
混んでいるわけではありませんが、結構お客さんが入っていました。
さて、さっそく内容についてですが、タイトルどおり日本美術院の画家たちの作品を集めた展示となっています。元々、山種美術館は日本美術のコレクションが充実していますが、今回の展示は明治から平成にかけて、院展の出品作を中心に素晴らしい作品が並んでいました。詳しくはいつもどおり気に入った作品をご紹介していこうと思います。
菱田春草 「月四題のうち 夏」 「月四題のうち 秋」
2幅の掛け軸です。タイトルから恐らく4幅セットなのではないかと思いますが、この日観たのは夏と秋でした。夏はぼんやりした靄がかかったような中、柳?が垂れていて、背景に大きな月が靄に溶け込むように描かれています。 秋は葡萄とその葉っぱが描かれ、背景に大きな月が描かれ、こちらもぼんやりした感じとなっています。葡萄の葉はにじみがあり、これは琳派の「たらしこみ」の技法であると解説されていました。繊細な濃淡が見事で、ぼや~っとした情感が素晴らしかったです。これを描いた頃には視力が衰えていたようですが、まったくそうには思えなかったです。
小茂田青樹 「丘に沿える道」
埼玉県の狭山付近を描いた風景画です。緑や青の丘陵が広がり、見下ろすように村の家々も描かれていて、所々に黄色く染まる畑も目に鮮やかです。目の前に広がるような臨場感があり、装飾性も感じられました。 ちなみに小茂田青樹は速水御舟と同じ日に画塾に入ったのだとか。
速水御舟 「朝鮮牛図」
横向きの黄色っぽい牛を描いた作品で、全体的に柔らかい印象を受けました。牛はやけに絵の左のほうに立っていて、右には余白があります。解説によると、これは一歩踏み出した感じを出すための表現とのことでした。なお、当時これと共に「供身像」(赤主体の作品)、「樹木」(緑主体の作品)という、3原色の対比となる3点を院展に出したそうです。
小林古径 「清姫のうち 日高川」 ★こちらで観られます
能の題材で有名な道成寺の物語を描いた8枚の作品がずらりと並んでいました。これは今回の展示のポスターにもなっている作品で、以前にもご紹介したかな。 十二単の女性が髪と着物をなびかせて川に向かっている作品です。それ以外にも龍のような蛇となった清姫が鐘に巻きつくシーンなどもあり、鬼気迫る感じもしますが、どこか気品がある作風です。古径はもっと自由に描きたかったとも解説されていました。
参考記事:大観と栖鳳-東西の日本画 (山種美術館)
この辺には大観の屏風と掛け軸などもありました。
速水御舟 「翠苔緑芝」 ★こちらで観られます
以前ご紹介した4曲1双の屏風です。右隻は金地にビワ、ツツジ、緑の苔などが描かれ、苔の上に猫が転がっています。左隻は芝の上で寝転ぶウザギとアジサイが描かれていて、どちらも琳派のような装飾的な雰囲気があります。この作品は御舟にとっても自信作だったようで、この美術館でも屈指の名作じゃないかと思います。
参考記事:速水御舟展 -日本画への挑戦- (山種美術館)
この辺には奥村土牛の「鳴門」や写生帖なども展示されていました。
参考記事:生誕120年 奥村土牛 (山種美術館)
小倉遊亀 「舞う(芸者)」
2枚セットの大きな作品で、どちらも金地に踊る舞妓が描かれています。左は扇子を持った手を挙げる紫の着物に赤い帯の舞妓、右は振り返るようなポーズの黒い着物のの舞妓が描かれていました。デフォルメされ絢爛な感じがしますが、微笑むような表情などから楽しげな雰囲気も感じました。
平櫛田中 「雲林先生」
こちらは絵画作品ではなく着色された人物木像です。雲林先生と言うのは中国の4大画家の1人らしく、着物に黒い頭巾を被り、手には巻物と瓶を持っています。細かく写実的な彫りで表現されていて、特に顔は清廉な人柄を思わせる表情をしていました。この作品にはモデルがいるらしく、「烏有先生」という作品とよく似ているとのことでした。
横山大観 「春の水・秋の色のうち 春の水」 「春の水・秋の色のうち 秋の色」
2幅セットの掛け軸で、右に春、左に秋が展示されていました。春は畔に桜が咲く大きな川に、切り出した木材をいかだにして運んでいる4人の男が描かれています。秋は川とその脇で馬に乗って狩猟する2人の男と、紅葉が描かれていました。どちらも爽やかで気品を感じる色合いでした。日本の四季の美しさが伝わってきます。
守屋多々志 「聴花(式子内親王)」
4曲の屏風です。画面一杯に描かれたデフォルメされた桜の下、十二単の貴族風の女性が座っています。どうやらこの女性は歌人として有名な式子内親王らしく、着物は華やかですがどこか儚げな感じがしました。 また、周りを囲うような桜は、何故かくすんだような色をしていたのですが、元々こういう色だったかはわかりませんでした。解説によるとこれは式子内親王の歌にちなんだ作品のようでした。
安田靫彦 「平泉の義経」 ★こちらで観られます
老いた藤原秀衡と若い源義経を描いた絵です。目が強く、威厳のある秀衡と、まだ幼い感じもありつつも凛々しい義経の対比が面白かったです。
参考記事:ゆめやかた [夢館奥州藤原歴史館]の案内 (番外編 岩手)
吉田善彦 「尾瀬三趣のうち 水辺の夕」
尾瀬の湿原を描いた2枚の作品です。ぼんやり淡い色彩で描かれ、霧で霞んでいるような感じがします。静かで雄大さを感じる作品でした。
この辺は大きな作品が多かったです。院展の出品作だからかな?
岩橋英遠 「暎」
山に沈む太陽を背景に、夕日に染まる田んぼを描いた作品です。手前に大きく翼を広げて飛ぶ鳥が描かれ、水面に影を落としています。作品自体が大きいせいもあり、その場にいるようで、赤が心に染み渡る感じでした。
森田曠平「夜鴬 アンデルセン童話集より 隣国よりの贈物」
ナイチンゲールの物語を描いた作品で、会期によって場面替して展示しているようです。私が見たのは、沢山に人々が並び様々な贈り物や珍しい動物(ラクダや豹?)を皇帝に献上する様子が描かれた作品です。行列の先頭にはお盆に載ったゼンマイ仕掛けのナイチンゲールが描かれ、宝石がちりばめられた金色をしていました。絵全体も華やかで、色とりどりで楽しそうな感じです。しかし、本物のナイチンゲールは密かに逃げてしまうようです。 この前後の場面のコピーも見たのですが、できれば全部一気に観たかったw
この辺には鵜を描いた作品や山の宝塔を描いた作品もあり、どれも好みの作品でした。ここら辺で第一会場は終わりで、第二会場の小部屋は平山郁夫のコーナーでした。
平山郁夫 「バビロン王城」
6曲の屏風です。レンガ造りの大きな建物が画面いっぱいに描かれていて、イシュタル門空中庭園といったバビロンの城の内部も描かれているようです。非常に堅牢な印象を受ける壮大な作品ですが、これは想像して描いたもののようでした。平山郁夫と言えば青が印象的な日本画を思い浮かべるので、これはちょっと驚きでした。
平山郁夫 「阿育王石柱」
真っ青な背景に茶色の石柱がぽつんと立っている作品です。柱の頭には3頭のライオンが描かれ、まさにそびえるといった趣がありました。実景を元にしていると思いますが、背景のせいか現実を超えたような幻想的な雰囲気がありました。
ということで、山種美術館の珠玉のコレクションを拝むことができました。つい最近見た作品も結構ありましたが、これだけ素晴らしい作品であれば何度観ても楽しめます。近代日本画が好きな方は特に面白い内容じゃないかな。お勧めです。
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前回ご紹介したミッドタウンクリスマスに引き続き、ミッドタウンの記事です。昨日の記事とはまた別の日ですが、10日ほど前の土曜日にサントリー美術館で「歌麿・写楽の仕掛け人 その名は蔦屋重三郎」を観てきました。この展示は6回の展示替えがあり、私が行ったのは4期目でした。

【展覧名】
歌麿・写楽の仕掛け人 その名は蔦屋重三郎
【公式サイト】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/10vol04/index.html
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2010年11月3日(水・祝)~12月19日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日16時半頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
この日、ミッドタウン自体が非常に賑わいを見せていて、サントリー美術館内も沢山のお客さんで混み合っていました。特に最初の方は展示ケース前に列を作るような感じで、こんなに混んでいるのは久々に見ました。
さて、今回の内容は江戸時代の版元、「蔦屋重三郎」に焦点を合わせた展示となっていました。絵師が主役の展示は数あれど、版元に注目した展示というのは珍しいのでは? タイトルの通り歌麿と写楽が中心なのかと思ったら、さにあらず。蔦屋重三郎のプロデューサー・経営者としての腕前がよく分かる興味深い内容となっていました。彼自身の作品などもあったりします。 詳しくは各章で気に入った作品を通じてご紹介しようと思います。
<第1章 蔦重とは何者か? ― 江戸文化の名プロデューサー>
最初はハイライト的な作品や、蔦重こと蔦屋重三郎とは何者か?がよく分かるエピソードを交えた作品が並んでいました。
勝川春英 「三世市川高麗蔵 三世坂田半五郎 中山富三郎」
ほぼ白黒の役者絵です。刀に手をかけていて、眉、目、口がハッキリした感じがします。解説によると、しゃくれた顎などあまり美化していない描写だそうで、口を結んで凄んでいるようでした。
山東京伝 「箱入娘面屋人魚」 ★こちらで観られます
蔦屋重三郎が膝をついて挨拶する姿が描かれた本の序文のページです。この頃、洒落本などに対する幕府の取締りが厳しくて、山東京伝が執筆を辞めたいと言い出したのを、今年だけは書いてくれと頼んだという旨の言葉が書かれています。本の内容は倦怠期に入った浦島と乙姫についてで、浦島が浮気して人魚の子を作る話なのだとか。 当時の世相を感じる序文でした。
余談ですが、折りしも東京都も漫画の規制で騒いでいるので、時代は巡るものなのかもしれません。
浅草市人/葛飾北斎 「『東遊』 蔦屋の店先」
蔦屋の店先を描いた若い頃の北斎の作品です。本を作る作業なども描かれていて、当時の様子がよく伝わってきます。また、暖簾に「耕書堂」と富士山型に蔦の葉が描かれているのが蔦屋の紋のようでした。
それにしても北斎も人脈に入っているとは驚きでした。北斎は無名時代に蔦屋で役者絵を描いたりしていたようで、蔦屋重三郎の目利きぶりが分かります。また、解説によると蔦屋重三郎は一介の貸本屋から10年程度で日本橋に進出するほどの卓越した経営手腕の持ち主だったようです。
この近くには蔦屋重三郎の自作の狂歌などもありました。狂歌師との付き合いが貴重な人脈を作ったようです。 この辺は本が多目の展示でした。
<第2章 蔦重を生んだ[吉原] ― 江戸文化の発信地>
2章は遊郭のあった吉原についてのコーナーです。蔦重こと蔦屋重三郎は生まれも育ちも吉原で、吉原のガイドブックである「吉原細見」の出版で財を成していきました。遊郭というといかがわしい感じがしますが、当時は文化人のサロンと言える存在で、自身も狂歌会に参加するなど活動していたようです。ここにはそうした吉原や狂歌に関する作品が並んでいました。
最初に「吉原細見」の本が数冊並んでいました。情報を詰め込み、絵師を使って洒落た感じに作られた吉原細見は、他の版元を駆逐するほどの人気を博したそうです。お店の一覧や行事、華道の本のようなものもありました。
北尾政演(山東京伝) 「吉原傾城新美人合自筆鏡」
2人の売れっ子遊女とお付きの禿(かむろ)や新造を描いた作品です。結構大きいのですが、細やかに描かれた着物が華やかです。着物は当時の流行を取り入れているようでした。
この辺には遊女が詠んだ狂歌などもいくつか並び、吉原の文化の高さが伝わってくるようでした。
喜多川歌麿 「青楼十二時 続 亥ノ刻」
遊郭の様子を2時間ごとに描いた12図セットの作品で、私が見たのは 申、酉、戌、亥の刻でした。特に気に入ったのは亥の刻で、今の時間に直すと22時くらいでしょうか。背筋を伸ばし、盃を画面の外にいる客に差し出す遊女と、その脇で眠そうにしている禿が描かれています。2人の姿が対照的で、遊女の気品が強まっているように感じました。
それにしても、幼い禿が眠いのも無理はないかな。以前、遊女の一日のスケジュールを見たことがありますが、遊女はかなりハードな毎日を送っていたようです。
参考記事:江戸東京博物館の案内 (江戸編 2009年12月)
この辺りは遊郭っぽいレイアウトになっていて雰囲気が出ていました。少し進むと続いては狂歌師に関する展示です。蔦屋重三郎は自分でも狂歌を詠むほどで、喜多川歌麿の絵と流行の狂歌を合体させた豪華本を刊行しました。この辺りには狂歌師の肖像や当時の服などがあり、奇抜な仮装をしたものもあります。
宿屋飯盛/喜多川歌麿 「画本虫撰」
写実的で細やかな絵が描かれた狂歌絵本です。大きな葉っぱ、コガネムシ、蛙が描かれているページと、トウモロコシ?にとまるセミと蜘蛛を描いたページが展示されていました。どちらも非常に優美で、洒落た感じがします。解説によると狂歌師たちはこれを見て、自分の作品もこうして載せてみたいと考えたとのことです。そりゃそうだろな~と思う一方で、そうして狂歌師の気持ちを引き込む戦略に経営手腕の一端を見た気がしました。
近くにあった「百千鳥狂歌合」という作品も素晴らしかったです。
この他にも、蔦屋重三郎が20代後半から30代前半に手習いなどの教科書となる「往来物」など確実に売れる本を出して、経営基盤を固めていったことがわかる展示品もありました。武家諸法度、暦、占卜の本、経本、武者絵本など学問や詩歌の本にも進出していたそうです。 そうしてお店は成長して行ったのですがその後、洒落本や黄表紙に対する幕府の取り締まり(一種の見せ締め)によって蔦屋重三郎は処罰を受け、財産の半分を没収されてしまったそうです。(山東京伝も手に鎖をつけて50日間謹慎という厳重処分)
2章が終わると下の階です。階段を下ると耕書堂の店先の再現があり、道具や摺りの工程が分かる版木の再現などが並んでいました。
<第3章 美人画の革命児・歌麿 ― 美人大首絵の誕生>
3章は喜多川歌麿のコーナーです。それまで役者絵の手法であった大首絵(上半身の肖像)を取り入れた美人画を寛政期頃に発行し、人気を博したようです。ここには肉筆画もあり、貴重な内容となっていました。
喜多川歌麿 「夏姿美人図」 ★こちらで観られます
歌麿の貴重な肉筆画です。衝立に手ぬぐいをかけて手鏡で自分を見る女性が描かれ、足元には団扇が落ちています。夏の風呂上りらしく爽やかな印象を受けました。大きくとられた余白のような部分のバランスも絶妙な感じがしました。
喜多川歌麿 「婦女人相十品 文読む女」 ★こちらで観られます
この作品はこの女性の人相を見て性格を当てるという連作の1つだそうです。両手で手紙を持って真剣に見る女性が描かれていて、これは恋文でしょうか。 眉を剃ってお歯黒をしているのは既婚者らしいですが、さてこの表情はどんな性格なのか…(皆様も公式サイトで画像を見てお考え下さいw) ・・・解説では「慎み深い性格」と紹介していました。あまりにじ~~っと見ているので「疑り深い」かと思ってしまいましたw
喜多川歌麿 「青楼七小町 玉屋内明石」
少しうつむいた感じの遊女を描いた大首絵です。大きなかんざしをつけ、口もとの紅が色っぽく艶やかでした。
それにしても歌麿を見出すとは驚きですが、蔦屋重三郎の名伯楽ぶりはまだまだこの後も続きます。
意外と歌麿の作品は少なく、続いては歌麿のライバル?の作品が並んでいました。鳥居清長や勝川春朗、葛飾北斎などの作品が数点ずつ展示されています。
富士唐麿/葛飾北斎 「潮来絶句集」
小舟に乗った2人の女性を描いた作品です。1人は傘を持って背を向けています。どこか優美な感じがあり、人物の性格までも伝わってきそうな描写となっていました。
他にも北斎の若い頃の作品もありました。早くから北斎の才能を買っていた蔦屋重三郎ですが、北斎の脂が乗った後年にはすでに他界していたようです。(しかし、お店との関係は続いていたみたいです。)
<第4章 写楽“発見” ― 江戸歌舞伎の世界>
最後のコーナーは写楽に関する展示です。写楽は謎が多く、活躍した時期も1年に満たないですが、海外にも影響を与えた日本を代表する画家の1人と言えると思います。そのデビューは、28枚同時に豪華な黒雲母摺で出版されるなど、異例尽くしだったようです。蔦屋重三郎は寛政の改革からの巻き返しを狙っていたのかな? ここには写楽の特徴的な作品が並んでいました。
東洲斎写楽 「二世嵐龍蔵の金貸石部金吉」 ★こちらで観られます
毎年何回かこの作品を見ているような気もしますw 袖をまくって凄んでいる金貸しを描いた作品です。何とも憎たらしい表情で、役者の特徴と役柄が伝わってくるような感じがします。 そのせいか、写楽は役者をかっこよく描いてくれないと当時の評判も微妙だったようですが、ちょっと愛嬌もあると思いますw
参考記事:浮世絵入門 -広重《東海道五十三次》一挙公開- (山種美術館)
東洲斎写楽 「谷村虎蔵の鷲八平次」
刀に手をかけたずんぐりした感じの役者の絵です。いぶし銀の脇役(悪役)らしく、口をへの字に曲げて憎たらしい顔をしていました。
東洲斎写楽 「八歳の大童山」
数少ない相撲絵の1枚だそうです。太った少年力士が描かれ、物を持ち上げていて力がありそうです。 ちょっと肥満が過ぎていてヤンチャそうな感じかな。この大童山は当時のアイドル的存在だったようで、写楽のお気に入りでもあったようです。
最後の辺りに勝川春草や勝川春朗、勝川春英など勝川一門の作品もありました。
ということで、絵師ではなくプロデューサーに焦点を当てるという面白い企画でした。今まで何と無く知っていた程度でしたが、版元からの視点だと、絵師との繋がりなども分かり、今後の鑑賞にも役立ちそうな知識を得ることができました。当時の時代背景も分かりやすかったのも良かったです。勿論、作品そのものもレベルが高いです。
おまけ:
ちなみに、レンタルショップ大手のTSUTAYAと蔦屋重三郎に直接の関係はありません。TSUTAYAの創業者が現在の蔦屋になる!という意気込みでつけた名前なのだとか。紛らわしいですw

【展覧名】
歌麿・写楽の仕掛け人 その名は蔦屋重三郎
【公式サイト】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/10vol04/index.html
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2010年11月3日(水・祝)~12月19日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日16時半頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
この日、ミッドタウン自体が非常に賑わいを見せていて、サントリー美術館内も沢山のお客さんで混み合っていました。特に最初の方は展示ケース前に列を作るような感じで、こんなに混んでいるのは久々に見ました。
さて、今回の内容は江戸時代の版元、「蔦屋重三郎」に焦点を合わせた展示となっていました。絵師が主役の展示は数あれど、版元に注目した展示というのは珍しいのでは? タイトルの通り歌麿と写楽が中心なのかと思ったら、さにあらず。蔦屋重三郎のプロデューサー・経営者としての腕前がよく分かる興味深い内容となっていました。彼自身の作品などもあったりします。 詳しくは各章で気に入った作品を通じてご紹介しようと思います。
<第1章 蔦重とは何者か? ― 江戸文化の名プロデューサー>
最初はハイライト的な作品や、蔦重こと蔦屋重三郎とは何者か?がよく分かるエピソードを交えた作品が並んでいました。
勝川春英 「三世市川高麗蔵 三世坂田半五郎 中山富三郎」
ほぼ白黒の役者絵です。刀に手をかけていて、眉、目、口がハッキリした感じがします。解説によると、しゃくれた顎などあまり美化していない描写だそうで、口を結んで凄んでいるようでした。
山東京伝 「箱入娘面屋人魚」 ★こちらで観られます
蔦屋重三郎が膝をついて挨拶する姿が描かれた本の序文のページです。この頃、洒落本などに対する幕府の取締りが厳しくて、山東京伝が執筆を辞めたいと言い出したのを、今年だけは書いてくれと頼んだという旨の言葉が書かれています。本の内容は倦怠期に入った浦島と乙姫についてで、浦島が浮気して人魚の子を作る話なのだとか。 当時の世相を感じる序文でした。
余談ですが、折りしも東京都も漫画の規制で騒いでいるので、時代は巡るものなのかもしれません。
浅草市人/葛飾北斎 「『東遊』 蔦屋の店先」
蔦屋の店先を描いた若い頃の北斎の作品です。本を作る作業なども描かれていて、当時の様子がよく伝わってきます。また、暖簾に「耕書堂」と富士山型に蔦の葉が描かれているのが蔦屋の紋のようでした。
それにしても北斎も人脈に入っているとは驚きでした。北斎は無名時代に蔦屋で役者絵を描いたりしていたようで、蔦屋重三郎の目利きぶりが分かります。また、解説によると蔦屋重三郎は一介の貸本屋から10年程度で日本橋に進出するほどの卓越した経営手腕の持ち主だったようです。
この近くには蔦屋重三郎の自作の狂歌などもありました。狂歌師との付き合いが貴重な人脈を作ったようです。 この辺は本が多目の展示でした。
<第2章 蔦重を生んだ[吉原] ― 江戸文化の発信地>
2章は遊郭のあった吉原についてのコーナーです。蔦重こと蔦屋重三郎は生まれも育ちも吉原で、吉原のガイドブックである「吉原細見」の出版で財を成していきました。遊郭というといかがわしい感じがしますが、当時は文化人のサロンと言える存在で、自身も狂歌会に参加するなど活動していたようです。ここにはそうした吉原や狂歌に関する作品が並んでいました。
最初に「吉原細見」の本が数冊並んでいました。情報を詰め込み、絵師を使って洒落た感じに作られた吉原細見は、他の版元を駆逐するほどの人気を博したそうです。お店の一覧や行事、華道の本のようなものもありました。
北尾政演(山東京伝) 「吉原傾城新美人合自筆鏡」
2人の売れっ子遊女とお付きの禿(かむろ)や新造を描いた作品です。結構大きいのですが、細やかに描かれた着物が華やかです。着物は当時の流行を取り入れているようでした。
この辺には遊女が詠んだ狂歌などもいくつか並び、吉原の文化の高さが伝わってくるようでした。
喜多川歌麿 「青楼十二時 続 亥ノ刻」
遊郭の様子を2時間ごとに描いた12図セットの作品で、私が見たのは 申、酉、戌、亥の刻でした。特に気に入ったのは亥の刻で、今の時間に直すと22時くらいでしょうか。背筋を伸ばし、盃を画面の外にいる客に差し出す遊女と、その脇で眠そうにしている禿が描かれています。2人の姿が対照的で、遊女の気品が強まっているように感じました。
それにしても、幼い禿が眠いのも無理はないかな。以前、遊女の一日のスケジュールを見たことがありますが、遊女はかなりハードな毎日を送っていたようです。
参考記事:江戸東京博物館の案内 (江戸編 2009年12月)
この辺りは遊郭っぽいレイアウトになっていて雰囲気が出ていました。少し進むと続いては狂歌師に関する展示です。蔦屋重三郎は自分でも狂歌を詠むほどで、喜多川歌麿の絵と流行の狂歌を合体させた豪華本を刊行しました。この辺りには狂歌師の肖像や当時の服などがあり、奇抜な仮装をしたものもあります。
宿屋飯盛/喜多川歌麿 「画本虫撰」
写実的で細やかな絵が描かれた狂歌絵本です。大きな葉っぱ、コガネムシ、蛙が描かれているページと、トウモロコシ?にとまるセミと蜘蛛を描いたページが展示されていました。どちらも非常に優美で、洒落た感じがします。解説によると狂歌師たちはこれを見て、自分の作品もこうして載せてみたいと考えたとのことです。そりゃそうだろな~と思う一方で、そうして狂歌師の気持ちを引き込む戦略に経営手腕の一端を見た気がしました。
近くにあった「百千鳥狂歌合」という作品も素晴らしかったです。
この他にも、蔦屋重三郎が20代後半から30代前半に手習いなどの教科書となる「往来物」など確実に売れる本を出して、経営基盤を固めていったことがわかる展示品もありました。武家諸法度、暦、占卜の本、経本、武者絵本など学問や詩歌の本にも進出していたそうです。 そうしてお店は成長して行ったのですがその後、洒落本や黄表紙に対する幕府の取り締まり(一種の見せ締め)によって蔦屋重三郎は処罰を受け、財産の半分を没収されてしまったそうです。(山東京伝も手に鎖をつけて50日間謹慎という厳重処分)
2章が終わると下の階です。階段を下ると耕書堂の店先の再現があり、道具や摺りの工程が分かる版木の再現などが並んでいました。
<第3章 美人画の革命児・歌麿 ― 美人大首絵の誕生>
3章は喜多川歌麿のコーナーです。それまで役者絵の手法であった大首絵(上半身の肖像)を取り入れた美人画を寛政期頃に発行し、人気を博したようです。ここには肉筆画もあり、貴重な内容となっていました。
喜多川歌麿 「夏姿美人図」 ★こちらで観られます
歌麿の貴重な肉筆画です。衝立に手ぬぐいをかけて手鏡で自分を見る女性が描かれ、足元には団扇が落ちています。夏の風呂上りらしく爽やかな印象を受けました。大きくとられた余白のような部分のバランスも絶妙な感じがしました。
喜多川歌麿 「婦女人相十品 文読む女」 ★こちらで観られます
この作品はこの女性の人相を見て性格を当てるという連作の1つだそうです。両手で手紙を持って真剣に見る女性が描かれていて、これは恋文でしょうか。 眉を剃ってお歯黒をしているのは既婚者らしいですが、さてこの表情はどんな性格なのか…(皆様も公式サイトで画像を見てお考え下さいw) ・・・解説では「慎み深い性格」と紹介していました。あまりにじ~~っと見ているので「疑り深い」かと思ってしまいましたw
喜多川歌麿 「青楼七小町 玉屋内明石」
少しうつむいた感じの遊女を描いた大首絵です。大きなかんざしをつけ、口もとの紅が色っぽく艶やかでした。
それにしても歌麿を見出すとは驚きですが、蔦屋重三郎の名伯楽ぶりはまだまだこの後も続きます。
意外と歌麿の作品は少なく、続いては歌麿のライバル?の作品が並んでいました。鳥居清長や勝川春朗、葛飾北斎などの作品が数点ずつ展示されています。
富士唐麿/葛飾北斎 「潮来絶句集」
小舟に乗った2人の女性を描いた作品です。1人は傘を持って背を向けています。どこか優美な感じがあり、人物の性格までも伝わってきそうな描写となっていました。
他にも北斎の若い頃の作品もありました。早くから北斎の才能を買っていた蔦屋重三郎ですが、北斎の脂が乗った後年にはすでに他界していたようです。(しかし、お店との関係は続いていたみたいです。)
<第4章 写楽“発見” ― 江戸歌舞伎の世界>
最後のコーナーは写楽に関する展示です。写楽は謎が多く、活躍した時期も1年に満たないですが、海外にも影響を与えた日本を代表する画家の1人と言えると思います。そのデビューは、28枚同時に豪華な黒雲母摺で出版されるなど、異例尽くしだったようです。蔦屋重三郎は寛政の改革からの巻き返しを狙っていたのかな? ここには写楽の特徴的な作品が並んでいました。
東洲斎写楽 「二世嵐龍蔵の金貸石部金吉」 ★こちらで観られます
毎年何回かこの作品を見ているような気もしますw 袖をまくって凄んでいる金貸しを描いた作品です。何とも憎たらしい表情で、役者の特徴と役柄が伝わってくるような感じがします。 そのせいか、写楽は役者をかっこよく描いてくれないと当時の評判も微妙だったようですが、ちょっと愛嬌もあると思いますw
参考記事:浮世絵入門 -広重《東海道五十三次》一挙公開- (山種美術館)
東洲斎写楽 「谷村虎蔵の鷲八平次」
刀に手をかけたずんぐりした感じの役者の絵です。いぶし銀の脇役(悪役)らしく、口をへの字に曲げて憎たらしい顔をしていました。
東洲斎写楽 「八歳の大童山」
数少ない相撲絵の1枚だそうです。太った少年力士が描かれ、物を持ち上げていて力がありそうです。 ちょっと肥満が過ぎていてヤンチャそうな感じかな。この大童山は当時のアイドル的存在だったようで、写楽のお気に入りでもあったようです。
最後の辺りに勝川春草や勝川春朗、勝川春英など勝川一門の作品もありました。
ということで、絵師ではなくプロデューサーに焦点を当てるという面白い企画でした。今まで何と無く知っていた程度でしたが、版元からの視点だと、絵師との繋がりなども分かり、今後の鑑賞にも役立ちそうな知識を得ることができました。当時の時代背景も分かりやすかったのも良かったです。勿論、作品そのものもレベルが高いです。
おまけ:
ちなみに、レンタルショップ大手のTSUTAYAと蔦屋重三郎に直接の関係はありません。TSUTAYAの創業者が現在の蔦屋になる!という意気込みでつけた名前なのだとか。紛らわしいですw
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今日は帰りが遅かったのでちょっと軽めの記事です。先日から表参道~乃木坂周辺をご紹介しておりますが、同じ日にミッドタウンにも行っていました。ミッドタウンでは今年も「MIDTOWN CHRISTMAS」をやっていましたので写真を撮ってきました、
参考リンク:MIDTOWN CHRISTMAS (ミッドタウンクリスマス) 2009年
公式サイト:http://www.tokyo-midtown.com/jp/xmas/2010/
期間:2010/11/11~2010/12/26
今年もミッドタウンの内外でイルミネーションなどが行われています。

国立新美術館から行ったので、乃木坂方面から入っていきました。

この日(12/2)は紅葉とイルミネーションという秋と冬の風情が両方楽しめる日でした。

並木道は去年と同じ感じ

公園の仕掛けも去年とほぼ同じですが、真っ赤なツリーは去年と違うかな。野原に星が散りばめられたような感じです。

上から見るとこんな感じ。宇宙的なイルミネーションで幻想的です。

せっかくなので動画を撮ってきました。
こちらはミッドタウンの中。ラッピングも楽しげな雰囲気です。

サンタクロースのツリーは今年もありました。びっしりとサンタが並んでいますw
鏡を利用したインスタレーションのようなものもありました。
六本木方面に抜ける辺り

虹のようなイルミネーション。これも結構綺麗でした。

六本木方面。この竹のようなやつに、コメントが書いてあるのですが、中々面白かったですw

ということで、今年も気合の入ったイルミネーションとなっています。これだけ綺麗なところは都内でもそうそう無いと思いますので、期間中に六本木に寄る機会があったら見てみると良いかと思います。
参考リンク:MIDTOWN CHRISTMAS (ミッドタウンクリスマス) 2009年
公式サイト:http://www.tokyo-midtown.com/jp/xmas/2010/
期間:2010/11/11~2010/12/26
今年もミッドタウンの内外でイルミネーションなどが行われています。

国立新美術館から行ったので、乃木坂方面から入っていきました。


この日(12/2)は紅葉とイルミネーションという秋と冬の風情が両方楽しめる日でした。


並木道は去年と同じ感じ

公園の仕掛けも去年とほぼ同じですが、真っ赤なツリーは去年と違うかな。野原に星が散りばめられたような感じです。


上から見るとこんな感じ。宇宙的なイルミネーションで幻想的です。

せっかくなので動画を撮ってきました。
こちらはミッドタウンの中。ラッピングも楽しげな雰囲気です。

サンタクロースのツリーは今年もありました。びっしりとサンタが並んでいますw


鏡を利用したインスタレーションのようなものもありました。
六本木方面に抜ける辺り

虹のようなイルミネーション。これも結構綺麗でした。

六本木方面。この竹のようなやつに、コメントが書いてあるのですが、中々面白かったですw

ということで、今年も気合の入ったイルミネーションとなっています。これだけ綺麗なところは都内でもそうそう無いと思いますので、期間中に六本木に寄る機会があったら見てみると良いかと思います。
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今日も引き続き根津美術館の記事です。館内でランチと庭園の紅葉を楽しんだ後、今回の目的である「絵のなかに生きる 中・近世の風俗表現」を観てきました。

【展覧名】
絵のなかに生きる 中・近世の風俗表現
【公式サイト】
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html
【会場】根津美術館
【最寄】表参道駅
【会期】2010年11月23日(火・祝)~12月23日(木・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(平日14時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
平日に行ったのですが、そこそこお客さんが来ていました。そんなに混んでいるというわけでもなかったので、自分のペースで鑑賞することができました。
今回の展覧会は風俗画を題材にしたもので、南北朝時代から江戸時代までの様子が描かれた作品が並んでいました。詳しくは気に入った作品をいくつかご紹介しようと思います。
<中世の暮らし ― 説話画・物語絵の中の風俗>
最初は物語絵に出てくる風俗を取り上げたコーナーでした。
「聖徳太子絵伝」 ★こちらで観られます
3幅セットの掛け軸ですが、元は6~8幅のセットだったと考えられているようです。年代ごとに聖徳太子の人生が描かれていて、ちょっと古びた感じはしますが色鮮やかで物語性を感じます。聖徳太子の生きていたのは奈良時代ですが何故か人物は平安時代~鎌倉のような感じを受けます。鎌倉時代の鎧を着て合戦する物部氏?らしき姿も見られました。
「曽我物語図」
曽我兄弟の仇討ちの物語を題材にした6曲1双の屏風です。右隻は金地に鮮やかな緑など色が映える画面で、頼朝が行った富士山麓の狩りのシーンが描かれています。細かく、当時の文化を感じさせ、動きや感情まで伝わってくるようでした。雲にひし形を重ねたような文様と、細かい点のような淵があり立体的な感じもしました。
左隻は武家屋敷みたいなところを上から俯瞰するように描かれていて、あちこちに家紋入りの垂れ幕なども観られます。火と武器を持っている人や、部屋の中で話している人、碁を打っている人など皆様々で、こちらも当時の様子をよく伝えていました。
<王朝の雅・武士の勇姿 ―公家と武家の風俗―>
続いてのコーナーは公家と武家の文化を伝えるコーナーでした。
「犬追物図」 ★こちらで観られます
6曲1双の屏風です。右隻は大きな縄の円の周囲にいる馬に乗って弓を持つ人々が描かれ、真ん中には犬を押さえた人がいます。どうやらこの犬を放って狩りをする競技らしく、左隻には走る馬に乗って弓を構える人と、逃げる犬、後ろから追ってくる人々などが描かれていました。どちらの画面も周りを塀に囲まれていて、その周りを町人らしき人や武士などたくさんの見物人が囲んでいました。当時の娯楽の1つだったのかな? 犬は可哀想な感じですが社交場のような雰囲気がありました。
<遊楽・参詣・祭礼 ―名所としての風俗―>
1部屋めの最後は名所や参詣に関するコーナーでした。
「洛中洛外図」 ★こちらで観られます
京都の町並みを描いた8曲1双の横長の屏風です。右隻には清水寺が位置する東山や、祇園祭の山鉾や内裏などまでが見えます。左隻には嵐山や高雄まで描かれているようでした。金雲が立ち込め、雲の中に雲の文様が連続していて立体的な感じです。また、朱色の建物や山鉾など色合いが鮮やかでした。遠近感はちょっと妙な感じですが、街の様子や人々は細かく観察されているようで圧倒されました。
この辺には宇治の橋を描いた屏風や伊勢詣を描いた屏風もありました。
「北野天神縁起絵巻」 ★こちらで観られます
菅原道真の生涯と没後の祟り、北野天神の縁起を描いた絵巻です。継子いじめに苦しむ姉妹が、天神の加護を祈ったところ国司に救われ、姉がその妻となった場面を描いています。屋敷の中と外が描かれ、妻は不自由の無い生活のようです。軒先で魚を売り買いしていたり、黒犬が歩いていたり、刀を磨いていたりと、当時の風俗を取り入れながら描かれているようでした。
<近世初期風俗画から浮世絵まで ―江戸庶民の風俗―>
2部屋めは主に江戸時代の作品が並んだコーナーでした。部屋の入口付近には2体の伊万里人形も展示されていました。
「誰が袖美人図」 ★こちらで観られます
6曲1双の屏風です。屋外に干された着物や袴、刀などが描かれ、左隻には遊女と三味線を持つお付きの禿(かむろ)の姿も見えます。「誰が袖」と言うと無人で華やかな着物だけ描かれる題材というイメージがありますが、これは誰が袖図の成立の過渡期の作品のようで、2人の女性が描かれているのが特徴のようでした。 ちょっと色合いが地味な感じもしたかなw
岩佐又兵衛 「傘張り・虚無僧図」 ★こちらで観られます
元、「樽屋屏風」または「池田屏風」と呼ばれた押絵貼屏風の一図だそうです。通りに面した家の中で傘を貼る男と、それを見る2人の刀を差した侍、2人の手を繋いだ子供などが描かれています。薄っすらとした繊細な色彩で描かれ、解説では「端整で的確な筆致、墨に金泥を併用したニュアンスに飛んだ霞、ピリッと締まった人物描写に魅力が発揮されている」とのことでした。
葛飾北斎 「猿舞図」
神社の神官のような格好をした猿を描いた水墨画です。とぼけた顔をしていて可愛らしく、擬人化されているような面白さもありました。
ということで、点数は少ないですが大きな屏風などもあり、華やかな雰囲気の展示でした。 根津美術館の日本美術は流石ですね。
この特別展示の後、いつものように常設も観ましたがこちらはご紹介を割愛。入口の仏像コーナー、2階の中国の青銅器のコーナーなどは若干変わっているかもしれませんがいつもと同じ感じかな。展示室5という部屋では小袖の文様に関する展示をやっていて、古切れ等が展示されていました。また、一番奥の展示室6は「歳暮の茶」というテーマ展示をしていました。こちらは興味ある方には面白いかもしれません。
参考リンク:根津美術館 テーマ展示


【展覧名】
絵のなかに生きる 中・近世の風俗表現
【公式サイト】
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html
【会場】根津美術館
【最寄】表参道駅
【会期】2010年11月23日(火・祝)~12月23日(木・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(平日14時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
平日に行ったのですが、そこそこお客さんが来ていました。そんなに混んでいるというわけでもなかったので、自分のペースで鑑賞することができました。
今回の展覧会は風俗画を題材にしたもので、南北朝時代から江戸時代までの様子が描かれた作品が並んでいました。詳しくは気に入った作品をいくつかご紹介しようと思います。
<中世の暮らし ― 説話画・物語絵の中の風俗>
最初は物語絵に出てくる風俗を取り上げたコーナーでした。
「聖徳太子絵伝」 ★こちらで観られます
3幅セットの掛け軸ですが、元は6~8幅のセットだったと考えられているようです。年代ごとに聖徳太子の人生が描かれていて、ちょっと古びた感じはしますが色鮮やかで物語性を感じます。聖徳太子の生きていたのは奈良時代ですが何故か人物は平安時代~鎌倉のような感じを受けます。鎌倉時代の鎧を着て合戦する物部氏?らしき姿も見られました。
「曽我物語図」
曽我兄弟の仇討ちの物語を題材にした6曲1双の屏風です。右隻は金地に鮮やかな緑など色が映える画面で、頼朝が行った富士山麓の狩りのシーンが描かれています。細かく、当時の文化を感じさせ、動きや感情まで伝わってくるようでした。雲にひし形を重ねたような文様と、細かい点のような淵があり立体的な感じもしました。
左隻は武家屋敷みたいなところを上から俯瞰するように描かれていて、あちこちに家紋入りの垂れ幕なども観られます。火と武器を持っている人や、部屋の中で話している人、碁を打っている人など皆様々で、こちらも当時の様子をよく伝えていました。
<王朝の雅・武士の勇姿 ―公家と武家の風俗―>
続いてのコーナーは公家と武家の文化を伝えるコーナーでした。
「犬追物図」 ★こちらで観られます
6曲1双の屏風です。右隻は大きな縄の円の周囲にいる馬に乗って弓を持つ人々が描かれ、真ん中には犬を押さえた人がいます。どうやらこの犬を放って狩りをする競技らしく、左隻には走る馬に乗って弓を構える人と、逃げる犬、後ろから追ってくる人々などが描かれていました。どちらの画面も周りを塀に囲まれていて、その周りを町人らしき人や武士などたくさんの見物人が囲んでいました。当時の娯楽の1つだったのかな? 犬は可哀想な感じですが社交場のような雰囲気がありました。
<遊楽・参詣・祭礼 ―名所としての風俗―>
1部屋めの最後は名所や参詣に関するコーナーでした。
「洛中洛外図」 ★こちらで観られます
京都の町並みを描いた8曲1双の横長の屏風です。右隻には清水寺が位置する東山や、祇園祭の山鉾や内裏などまでが見えます。左隻には嵐山や高雄まで描かれているようでした。金雲が立ち込め、雲の中に雲の文様が連続していて立体的な感じです。また、朱色の建物や山鉾など色合いが鮮やかでした。遠近感はちょっと妙な感じですが、街の様子や人々は細かく観察されているようで圧倒されました。
この辺には宇治の橋を描いた屏風や伊勢詣を描いた屏風もありました。
「北野天神縁起絵巻」 ★こちらで観られます
菅原道真の生涯と没後の祟り、北野天神の縁起を描いた絵巻です。継子いじめに苦しむ姉妹が、天神の加護を祈ったところ国司に救われ、姉がその妻となった場面を描いています。屋敷の中と外が描かれ、妻は不自由の無い生活のようです。軒先で魚を売り買いしていたり、黒犬が歩いていたり、刀を磨いていたりと、当時の風俗を取り入れながら描かれているようでした。
<近世初期風俗画から浮世絵まで ―江戸庶民の風俗―>
2部屋めは主に江戸時代の作品が並んだコーナーでした。部屋の入口付近には2体の伊万里人形も展示されていました。
「誰が袖美人図」 ★こちらで観られます
6曲1双の屏風です。屋外に干された着物や袴、刀などが描かれ、左隻には遊女と三味線を持つお付きの禿(かむろ)の姿も見えます。「誰が袖」と言うと無人で華やかな着物だけ描かれる題材というイメージがありますが、これは誰が袖図の成立の過渡期の作品のようで、2人の女性が描かれているのが特徴のようでした。 ちょっと色合いが地味な感じもしたかなw
岩佐又兵衛 「傘張り・虚無僧図」 ★こちらで観られます
元、「樽屋屏風」または「池田屏風」と呼ばれた押絵貼屏風の一図だそうです。通りに面した家の中で傘を貼る男と、それを見る2人の刀を差した侍、2人の手を繋いだ子供などが描かれています。薄っすらとした繊細な色彩で描かれ、解説では「端整で的確な筆致、墨に金泥を併用したニュアンスに飛んだ霞、ピリッと締まった人物描写に魅力が発揮されている」とのことでした。
葛飾北斎 「猿舞図」
神社の神官のような格好をした猿を描いた水墨画です。とぼけた顔をしていて可愛らしく、擬人化されているような面白さもありました。
ということで、点数は少ないですが大きな屏風などもあり、華やかな雰囲気の展示でした。 根津美術館の日本美術は流石ですね。
この特別展示の後、いつものように常設も観ましたがこちらはご紹介を割愛。入口の仏像コーナー、2階の中国の青銅器のコーナーなどは若干変わっているかもしれませんがいつもと同じ感じかな。展示室5という部屋では小袖の文様に関する展示をやっていて、古切れ等が展示されていました。また、一番奥の展示室6は「歳暮の茶」というテーマ展示をしていました。こちらは興味ある方には面白いかもしれません。
参考リンク:根津美術館 テーマ展示
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前回ご紹介した根津美術館のカフェでランチを済ませた後、根津美術館の庭園内を散策しながら紅葉の写真を撮ってきました。これらは2010年12月2日の写真なので、もう散ってしまったと思いますが、来年以降の参考になると思うので一応ご紹介しておこうと思います。去年ご紹介した時よりも遅い時期だったこともあり、色合いもちょっと違っていました。
参考記事:
根津美術館の燕子花
根津美術館の紅葉 (2009年)
新・根津美術館の庭園の写真
今年もやってきました根津美術館の紅葉! ちょっと曇り気味だったので発色が微妙なのが残念。

鳥居の辺りは色とりどりの木々が並び、絵になります。

もう紅葉も終盤で落ち葉の絨毯ができていました。

去年も撮ったポイントです。比べてみるとだいぶ散って水面に浮かんでいました。右の写真は川一面に積もっています。

都会の真ん中にあるのに深山の趣きがあります。この時期は本当に美しいです。

ここも去年と同じポイントです。自然のグラデーションと格子の組み合わせが好みですw

もうちょっと晴れていたら華やかなんですが、曇っていて寒そうな感じの写真になってしまったw

この日はやけに鴨が沢山いて、小舟の上にも乗っかっていました。

ちょっとごちゃごちゃした写真ばかりですがw 雰囲気が伝わってくれればと。

ここはいつも撮ってるポイントかもw

ちょっと日が出たときに撮った写真。燃えるようで鮮やかな色合いが最高でした。

ということで、今年も根津美術館の紅葉は最高でした。この次の日が嵐のような天気で、街中の木々も葉を落としてしまったので、もう紅葉の時期も終わってしまいますが、来年もまた楽しみにしたいと思います。
この後、展覧会を観てきました。次回ご紹介しようと思います。
参考記事:
根津美術館の燕子花
根津美術館の紅葉 (2009年)
新・根津美術館の庭園の写真
今年もやってきました根津美術館の紅葉! ちょっと曇り気味だったので発色が微妙なのが残念。


鳥居の辺りは色とりどりの木々が並び、絵になります。

もう紅葉も終盤で落ち葉の絨毯ができていました。

去年も撮ったポイントです。比べてみるとだいぶ散って水面に浮かんでいました。右の写真は川一面に積もっています。


都会の真ん中にあるのに深山の趣きがあります。この時期は本当に美しいです。


ここも去年と同じポイントです。自然のグラデーションと格子の組み合わせが好みですw


もうちょっと晴れていたら華やかなんですが、曇っていて寒そうな感じの写真になってしまったw

この日はやけに鴨が沢山いて、小舟の上にも乗っかっていました。


ちょっとごちゃごちゃした写真ばかりですがw 雰囲気が伝わってくれればと。

ここはいつも撮ってるポイントかもw

ちょっと日が出たときに撮った写真。燃えるようで鮮やかな色合いが最高でした。

ということで、今年も根津美術館の紅葉は最高でした。この次の日が嵐のような天気で、街中の木々も葉を落としてしまったので、もう紅葉の時期も終わってしまいますが、来年もまた楽しみにしたいと思います。
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前回までご紹介していた国立新美術館に行く前に、根津美術館にも行っていました。(千代田線で1駅なので意外とハシゴしやすいのです) お昼くらいに根津美術館に着いたので、まずは根津美術館の中にある「NEZUCAFE」というお店でランチをとりました。

【店名】
NEZUCAFE
【ジャンル】
レストラン/カフェ
【公式サイト】
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/guide/cafe.html
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
表参道駅
【近くの美術館】
根津美術館 (館内のお店です)
【この日にかかった1人の費用】
1250円程度
【味】
不味_1_2_3_4_⑤_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(平日13時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
このお店は根津美術館の庭園の入口辺りにあります。新しいお店なので非常に綺麗で、中から庭園を見ることもできます。

振替休日で平日に行ったのですが、待つことは無かったもののほぼ満員でした。 1人だったのでカウンターに座ったのですが、紅葉に染まった庭を眺めつつ食事できたのでラッキーでした。
この日は本日のパスタ(キノコと鶏肉の和風のパスタ 950円)を頼みました。残念ながら人気のミートパイは売り切れでした。

こちらはかなり美味しかったです。和風だけど味が深かく、茹加減も最高に好みでした。これだけ美味しいパスタは中々出会えないかも。
食後は一緒に頼んだコーヒー(+300円)。

飲む前から良い香りがしていました。 飲んでみると意外とすっきりした味であまり苦くありません。軽やかで美味しいですが、私の好みは濃い目なのですw
ということで、眺めも良くて美味しいお店でした。値段もこの辺の相場で言えばまずますかな。混んでるのに目配り心配りの行き届いたサービスも素晴らしかったです (だったら雰囲気・接客にも⑤をつけろと思われるかもしれませんがw)
いつも混んでいますが、根津美術館に行ったら寄ってみたくなるお店でした。
この後、根津美術館の庭園を散策してから展覧会を見てきました。

【店名】
NEZUCAFE
【ジャンル】
レストラン/カフェ
【公式サイト】
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/guide/cafe.html
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
表参道駅
【近くの美術館】
根津美術館 (館内のお店です)
【この日にかかった1人の費用】
1250円程度
【味】
不味_1_2_3_4_⑤_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(平日13時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
このお店は根津美術館の庭園の入口辺りにあります。新しいお店なので非常に綺麗で、中から庭園を見ることもできます。


振替休日で平日に行ったのですが、待つことは無かったもののほぼ満員でした。 1人だったのでカウンターに座ったのですが、紅葉に染まった庭を眺めつつ食事できたのでラッキーでした。
この日は本日のパスタ(キノコと鶏肉の和風のパスタ 950円)を頼みました。残念ながら人気のミートパイは売り切れでした。

こちらはかなり美味しかったです。和風だけど味が深かく、茹加減も最高に好みでした。これだけ美味しいパスタは中々出会えないかも。
食後は一緒に頼んだコーヒー(+300円)。

飲む前から良い香りがしていました。 飲んでみると意外とすっきりした味であまり苦くありません。軽やかで美味しいですが、私の好みは濃い目なのですw
ということで、眺めも良くて美味しいお店でした。値段もこの辺の相場で言えばまずますかな。混んでるのに目配り心配りの行き届いたサービスも素晴らしかったです (だったら雰囲気・接客にも⑤をつけろと思われるかもしれませんがw)
いつも混んでいますが、根津美術館に行ったら寄ってみたくなるお店でした。
この後、根津美術館の庭園を散策してから展覧会を見てきました。
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前回の記事に引き続き、「ゴッホ展 こうして私はゴッホになった」の2回目の感想になります。前半は1~3章をご紹介しましたが、今日は残りの4~6章となります。前編には最近の混み具合なども記載しておりますので、前編を読まれていない方は前編から先にお読み頂けると嬉しいです。また、各章の趣旨や代表的な作品は以前行った時の記事に書きましたので、今回はそれ以外で気になった作品となります。
前回の記事:
ゴッホ展 こうして私はゴッホになった 感想前編(国立新美術館)
ゴッホ展 こうして私はゴッホになった 感想後編(国立新美術館)
ゴッホ展 こうして私はゴッホになった 2回目感想前編(国立新美術館)

【展覧名】
没後120年 ゴッホ展 こうして私はゴッホになった
【公式サイト】
http://www.gogh-ten.jp/tokyo/
http://www.nact.jp/exhibition_special/2010/gogh/index.html
【会場】国立新美術館
【最寄】千代田線乃木坂駅/日比谷線・大江戸線 六本木駅
【会期】2010年10月1日(金)~12月20日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間40分程度
【混み具合・混雑状況(平日15時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
今回も章ごとに気に入った作品をご紹介します。
<第4章 パリのモダニズム>
4章はゴッホがパリに移った頃の作品と、当時パリの先端を行っていた印象派・新印象主義の作品が並んでいます。
クロード・モネ 「ヴェトゥイユ」 ★こちらで観られます
明るい色彩で晴れた河岸と手前の緑の草原が描かれた作品です。遠くには教会や町並みも見え、爽やかな雰囲気を感じます。光の表現は流石で、光が溢れるような作品でした。
クロード・モネ 「ポール=ドモワの洞窟」
深い緑や青の海面と、ゴツゴツした岩山が描かれている作品です。岩肌の質感や海面の微妙な色の違いが楽しめました。モネの作品ではよく見る光景かな。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「ひざまずく人体模型」
石膏像を描いた作品で、隣に実物が展示されています。頭を横にして両手で耳をふさぐ様なポーズの裸体の男が描かれ、筋肉のゴツゴツした感じなど実物の様子がよく出ています。背景が黒く、オーラのようになっているのも独特でした。
アンリ・ファンタン=ラトゥール 「静物(プリムラ、梨、ザクロ)」
ゴッホはアンリ・ファンタン=ラトゥールも高く評価していたようです。これは黒い背景に白いテーブルの上に乗った花瓶や果実、ナイフなどが描かれた作品です。鮮やかですが落ち着いた雰囲気の色合いで、細やかな表現となっていました。解説によると、簡潔な主題を好み、過去の巨匠の模写で技術を身につけたという共通点があるようです。ラトゥールの静物は本当に素晴らしいです。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「バラとシャクヤク」
暗い赤紫の背景に緑の器に入ったピンクのバラと、隣には芍薬らしき花が描かれています。全体的に暗い感じも受けましたがバラは目を引きました。
アルフレッド・シスレー 「モレのポプラ並木」
明るい光の中、左上から右下にかけて並ぶ川沿いのポプラ並木を描いた作品です。近くには休んでいる人々も描かれ、ほっとするような穏やかな雰囲気がありました。いかにも印象派という爽やかな作品です。
アドルフ=ジョセフ・モンティセリ 「白いグリフォン犬」
モンティセリもゴッホが影響を受けた画家の1人です。これは黒い背景に厚塗りして描かれた犬の絵で、「白い」というタイトルですが、白は一部でむしろ茶色っぽい感じがしましたw 厚塗りの力強い画面からは鬼気迫る感じすら受けるかも。
アンリ・ド・トゥルーズ=ロートレック 「テーブルの若い女(白粉)」 ★こちらで観られます
淡くマットな色彩で、白いテーブルクロスを前に両肘をついて座る色白の女性を描いた作品です。目が強く感じるせいか、気が強そうに見えました。全体的に色が淡いのですが、テーブルの上の赤い容器がアクセントになっているように思えました。
ジョルジュ・スーラ 「オンフルールの港の入口」 ★こちらで観られます
細かい点で描かれた点描画です。全体的に白っぽく、港に集まるヨットや灯台が描かれています。ヨットの三角や、水平線、灯台の垂直など、幾何学的な要素も感じるかな。安定感があるように思いますが、どうかな。点描の技法はゴッホに大きな影響を与えていくことになります。
<第5章 真のモダン・アーティストの誕生-アルル>
5章はアルル時代のコーナーで、有名なゴーギャンとの共同生活の時期にあたります。以前ご紹介したように、アルルの寝室の再現も設けられているのが面白いです。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「緑の葡萄畑」
これは黄色い家の室内に飾ってあった作品のうちの1枚で、アルル近くのブドウ畑が描かれています。ちょっと暗めの青空の下、広々としたブドウ畑が広がり、赤い日傘を差す女性の姿なども見られます。厚塗りされていてあまり写実的ではないようでしたが、よく知るゴッホらしさが出ているように思いました。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「サント=マリ=ド=ラ=メールの風景」
こちらは打って変わってすっきりとした印象を受けた作品でした。絵の上の方には町並みと空が描かれ、下の方はラベンダー?のような青紫の花畑が描かれています。あまり厚塗りされておらず平面的な感じもするので、むしろゴーギャンの作風に通じるようなものを感じました。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「種まく人」 ★こちらで観られます
巨大な黄色い太陽を背にして、大きな種を蒔く人が描かれています。その横には右下から中央にかけて太い木が横切っているのは浮世絵からの影響らしく、非常に大胆な構図となっていました。黄緑の空に黄色い太陽、ピンクの雲といったように補色関係なのはドラクロワの色彩表現からの影響かな?(多分) 種まきの動作も含め、力強い生命感のある作品でした。
ポール・ゴーギャン 「ブルターニュの少年と鵞鳥」
ゴッホと共同生活したゴーギャンの作品です。岩に手をかけて休んでいる少年と、近くで羽を広げているガチョウが描かれています。頭上には紅葉した木があり、背景は緑の野原といった感じで色面がブロックごとに分かれているような単純化がみられます。緑に赤や黄色が映えていました。私はゴーギャンはあまり好きでは無いのですが、この作品は良かったです。
歌川広重 「五十三次名所図会 四十二 宮」
ゴッホは浮世絵の収集に熱を入れていたようで、浮世絵の模写も行うほどの入れ込みようでした。この作品は江戸時代の歌川広重の作品で、左半分には大きな鳥居が半分だけ描かれています。背景には港と海が広がっていて、遠近感と大胆な構図がゴッホにも影響を与えていたようです。この辺には他にも何点かの浮世絵が展示されています。
<第6章 さらなる探求と様式の展開-サン=レミとオーヴェール=シュル=オワーズ>
最後は精神を病んで入院した頃から自殺で没するまでのコーナーです。この頃になると、原点に立ち返りつつも、さらに独自の画風を進めていたように見えます。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「麦を束ねる人(ミレーによる)」 ★こちらで観られます
これはミレーの「野良仕事」に倣って描いた油彩です。黄色い藁の山の中、水色の服の男性が藁を抱えて作業している様子が描かれています。藁は流れるような感じで、黄色に青の対比が目を引きます。この展覧会の序盤でも見たミレーの模写とはまた違った、独自の解釈が加えられているように思いました。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「サン=レミの療養院の庭」 ★こちらで観られます
サンレミの療養院では最初の1ヶ月は外出禁止だったそうですが、敷地内には荒れ放題の庭があったので、それを描いていたそうです。これは敷地内の建物とその脇の道を描いた作品で、生い茂る緑の木々から強い印象を受けました。解説によると、これは短い筆触を活かして絵の具の厚みに変化をつける「ウェット・イン・ウェット」という技法が使われているそうで、樹木の先端にそれが顕著に現れているようです。また、右下にはサインがあり、この作品に満足していたことを示しているとのことでした。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「草むらの中の幹」 ★こちらで観られます
2本の木の根元と、白い花が咲く草原を描いた作品です。全体的に黄緑や白が多いので明るい印象をうけますが、木は様々な色(茶色、白、水色など)が使われ、強い存在感を出していました。ちょっと変わった構図なのも記憶に残りそうです。
ということで、ゴッホの作品だけではなく周辺画家の作品も堪能できる内容でした。あまり絵に興味がない方でもゴッホの名前だけは知っているというくらい有名な画家ですので、きっちりと押さえておきたい方は是非この展覧会を観にいくと良いかと思います。多分混んでいると思いますが、会期末はそういうものなので、そこはもう覚悟してくださいw
おまけ:
併設のショップで1回300円のガチャガチャをやってきました。ミニ額縁とパズルがあったので、ミニ額縁1つ、パズル2つも買ってしまいました(近くに両替機もあるのでついw)

ミニ額縁は「種まく人」、パズルは「ゴーギャンの椅子」と「サン=レミの療養院の庭」が当たりました。うーん、「自画像」か「アルルの寝室」が欲しかったw 他には「アイリス」 「ある男の肖像」もあり、どちらも共通で全7種類のようです。
前回の記事:
ゴッホ展 こうして私はゴッホになった 感想前編(国立新美術館)
ゴッホ展 こうして私はゴッホになった 感想後編(国立新美術館)
ゴッホ展 こうして私はゴッホになった 2回目感想前編(国立新美術館)

【展覧名】
没後120年 ゴッホ展 こうして私はゴッホになった
【公式サイト】
http://www.gogh-ten.jp/tokyo/
http://www.nact.jp/exhibition_special/2010/gogh/index.html
【会場】国立新美術館
【最寄】千代田線乃木坂駅/日比谷線・大江戸線 六本木駅
【会期】2010年10月1日(金)~12月20日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間40分程度
【混み具合・混雑状況(平日15時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
今回も章ごとに気に入った作品をご紹介します。
<第4章 パリのモダニズム>
4章はゴッホがパリに移った頃の作品と、当時パリの先端を行っていた印象派・新印象主義の作品が並んでいます。
クロード・モネ 「ヴェトゥイユ」 ★こちらで観られます
明るい色彩で晴れた河岸と手前の緑の草原が描かれた作品です。遠くには教会や町並みも見え、爽やかな雰囲気を感じます。光の表現は流石で、光が溢れるような作品でした。
クロード・モネ 「ポール=ドモワの洞窟」
深い緑や青の海面と、ゴツゴツした岩山が描かれている作品です。岩肌の質感や海面の微妙な色の違いが楽しめました。モネの作品ではよく見る光景かな。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「ひざまずく人体模型」
石膏像を描いた作品で、隣に実物が展示されています。頭を横にして両手で耳をふさぐ様なポーズの裸体の男が描かれ、筋肉のゴツゴツした感じなど実物の様子がよく出ています。背景が黒く、オーラのようになっているのも独特でした。
アンリ・ファンタン=ラトゥール 「静物(プリムラ、梨、ザクロ)」
ゴッホはアンリ・ファンタン=ラトゥールも高く評価していたようです。これは黒い背景に白いテーブルの上に乗った花瓶や果実、ナイフなどが描かれた作品です。鮮やかですが落ち着いた雰囲気の色合いで、細やかな表現となっていました。解説によると、簡潔な主題を好み、過去の巨匠の模写で技術を身につけたという共通点があるようです。ラトゥールの静物は本当に素晴らしいです。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「バラとシャクヤク」
暗い赤紫の背景に緑の器に入ったピンクのバラと、隣には芍薬らしき花が描かれています。全体的に暗い感じも受けましたがバラは目を引きました。
アルフレッド・シスレー 「モレのポプラ並木」
明るい光の中、左上から右下にかけて並ぶ川沿いのポプラ並木を描いた作品です。近くには休んでいる人々も描かれ、ほっとするような穏やかな雰囲気がありました。いかにも印象派という爽やかな作品です。
アドルフ=ジョセフ・モンティセリ 「白いグリフォン犬」
モンティセリもゴッホが影響を受けた画家の1人です。これは黒い背景に厚塗りして描かれた犬の絵で、「白い」というタイトルですが、白は一部でむしろ茶色っぽい感じがしましたw 厚塗りの力強い画面からは鬼気迫る感じすら受けるかも。
アンリ・ド・トゥルーズ=ロートレック 「テーブルの若い女(白粉)」 ★こちらで観られます
淡くマットな色彩で、白いテーブルクロスを前に両肘をついて座る色白の女性を描いた作品です。目が強く感じるせいか、気が強そうに見えました。全体的に色が淡いのですが、テーブルの上の赤い容器がアクセントになっているように思えました。
ジョルジュ・スーラ 「オンフルールの港の入口」 ★こちらで観られます
細かい点で描かれた点描画です。全体的に白っぽく、港に集まるヨットや灯台が描かれています。ヨットの三角や、水平線、灯台の垂直など、幾何学的な要素も感じるかな。安定感があるように思いますが、どうかな。点描の技法はゴッホに大きな影響を与えていくことになります。
<第5章 真のモダン・アーティストの誕生-アルル>
5章はアルル時代のコーナーで、有名なゴーギャンとの共同生活の時期にあたります。以前ご紹介したように、アルルの寝室の再現も設けられているのが面白いです。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「緑の葡萄畑」
これは黄色い家の室内に飾ってあった作品のうちの1枚で、アルル近くのブドウ畑が描かれています。ちょっと暗めの青空の下、広々としたブドウ畑が広がり、赤い日傘を差す女性の姿なども見られます。厚塗りされていてあまり写実的ではないようでしたが、よく知るゴッホらしさが出ているように思いました。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「サント=マリ=ド=ラ=メールの風景」
こちらは打って変わってすっきりとした印象を受けた作品でした。絵の上の方には町並みと空が描かれ、下の方はラベンダー?のような青紫の花畑が描かれています。あまり厚塗りされておらず平面的な感じもするので、むしろゴーギャンの作風に通じるようなものを感じました。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「種まく人」 ★こちらで観られます
巨大な黄色い太陽を背にして、大きな種を蒔く人が描かれています。その横には右下から中央にかけて太い木が横切っているのは浮世絵からの影響らしく、非常に大胆な構図となっていました。黄緑の空に黄色い太陽、ピンクの雲といったように補色関係なのはドラクロワの色彩表現からの影響かな?(多分) 種まきの動作も含め、力強い生命感のある作品でした。
ポール・ゴーギャン 「ブルターニュの少年と鵞鳥」
ゴッホと共同生活したゴーギャンの作品です。岩に手をかけて休んでいる少年と、近くで羽を広げているガチョウが描かれています。頭上には紅葉した木があり、背景は緑の野原といった感じで色面がブロックごとに分かれているような単純化がみられます。緑に赤や黄色が映えていました。私はゴーギャンはあまり好きでは無いのですが、この作品は良かったです。
歌川広重 「五十三次名所図会 四十二 宮」
ゴッホは浮世絵の収集に熱を入れていたようで、浮世絵の模写も行うほどの入れ込みようでした。この作品は江戸時代の歌川広重の作品で、左半分には大きな鳥居が半分だけ描かれています。背景には港と海が広がっていて、遠近感と大胆な構図がゴッホにも影響を与えていたようです。この辺には他にも何点かの浮世絵が展示されています。
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フィンセント・ファン・ゴッホ 「麦を束ねる人(ミレーによる)」 ★こちらで観られます
これはミレーの「野良仕事」に倣って描いた油彩です。黄色い藁の山の中、水色の服の男性が藁を抱えて作業している様子が描かれています。藁は流れるような感じで、黄色に青の対比が目を引きます。この展覧会の序盤でも見たミレーの模写とはまた違った、独自の解釈が加えられているように思いました。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「サン=レミの療養院の庭」 ★こちらで観られます
サンレミの療養院では最初の1ヶ月は外出禁止だったそうですが、敷地内には荒れ放題の庭があったので、それを描いていたそうです。これは敷地内の建物とその脇の道を描いた作品で、生い茂る緑の木々から強い印象を受けました。解説によると、これは短い筆触を活かして絵の具の厚みに変化をつける「ウェット・イン・ウェット」という技法が使われているそうで、樹木の先端にそれが顕著に現れているようです。また、右下にはサインがあり、この作品に満足していたことを示しているとのことでした。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「草むらの中の幹」 ★こちらで観られます
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