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あるべきようわ 三嶋りつ惠展 【資生堂ギャラリー】

先週の日曜日に、銀座の資生堂ギャラリーで「あるべきようわ 三嶋りつ惠展」を観てきました。

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【展覧名】
 あるべきようわ 三嶋りつ惠展

【公式サイト】
 http://www.shiseido.co.jp/gallery/exhibition/index.html

【会場】資生堂ギャラリー  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】銀座駅 新橋駅など


【会期】2011年4月12日(火)~6月19日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日16時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
いつも通り空いていてゆっくり観ることができました。

今回の展覧会は、三嶋りつ惠という京都生まれでベネチア在住のガラス作家の展示となっています。簡単なプロフィールとしては、1996年よりムラーノ島のガラス工房に通い始め、職人とのコラボレーションにより作品を生みだし、2001年にはジョルジオ・アルマーニ賞を受賞するなど、海外で活躍している方のようです。

まず、地下の展覧会場に向かう途中、踊り場に壺のような作品と、吹き抜けにガラス球が連なった柱のような作品がありました。いずれも透明で、今回の展示品はすべて透明の作品となっています。現在、ベネチアで透明ガラスを主に使うアーティストは三嶋氏だけらしく、その理由は「風景にとけこみ、光を通して輪郭だけを浮かびあがらせることができるから」とのことです。何かの用途に使う感じではなく、ガラスを使った彫刻みたいな印象を受けました。

階段を降りると、部屋の造りが以前と変っていて驚きました。三嶋氏はこのギャラリーの階段から地下の参道を思い浮かべたそうで、神殿をイメージした空間にしてあるようです。(展示設計は建築家の青木淳氏が担当) 長い廊下の奥には3面鏡の中に、皿?を重ねたような作品があり、まるでご神体のような感じでした。

展示室に入ると、中央の台座の上にたくさんのガラス作品が並べてありました。いずれも独創的な形で、円や自然物のような曲線を組み合わせた作品や、塔のような形の作品、引っ掻き傷のような質感の作品、非常に柔らかそうな質感の作品など、作風が一様ではなく自由自在で遊び心を感じる作品ばかりでした。(文章ではとても表現できないものばかりですw 一部はこちらで観られます
展示の仕方や遊び心のある作品から、先日のソットサスの展示を思い出しました。あの時と似た楽しさを感じます。
 参考記事:倉俣史朗とエットレ・ソットサス (21_21 DESIGN SIGHT)

続いて、奥の部屋には小さな作品が並んでいました。ピラミッド型や立方体、多面体サイコロのような形の作品や、柔らかく有機的な雰囲気のある作品、まるっこい作品など可愛らしいものまでありました。
奥のほうには今回の展覧会のタイトルについての説明があり、「あるべきようわ」とは鎌倉時代の明恵上人の座右の銘だったそうで、「あるがまま、あるべきように生きる」という意味だけではなく「あるべきようとは何か?」と問いかけ生きようとするこという意味があるそうです。三嶋氏は日々、形は何処にあるのか?と問いかけているそうなので、その姿勢を表した展覧名となっているようでした。


ということで、短時間で観ることができる展覧会でしたが、内容は濃かったと思います。 無料で観られるのに内装まで変えるとは恐れ入りました。銀座にでかける用事があったら足を運んでみると面白いと思います。


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フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展 (2回目)【Bunkamuraザ・ミュージアム】

この間の日曜日に、Bunkamuraザ・ミュージアムに行って、終盤となった「シュテーデル美術館所蔵 フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展」を再度観てきました。

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【展覧名】
 シュテーデル美術館所蔵 フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展
【公式サイト】
 http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/11_vermeer/index.html
 http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/shosai_11_vermeer.html

【会場】Bunkamuraザ・ミュージアム  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】渋谷駅/京王井の頭線神泉駅
【会期】2011年3月3日(木)~5月22日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日15時半頃です)】
 混雑_①_2_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】
特に入場制限などはありませんでしたが、館内はごった返すような感じでした。17時頃にもう1周した時には結構空いていたので、夜の時間帯のほうがゆっくり観られるのではないかと思います。

さて、各章の詳細については以前ご紹介したので省略して、今回は以前ご紹介しなかった作品についてだけ簡単にご紹介しようと思います。今回は補足的な感じです。
 参考記事:
  フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展 感想前編(Bunkamuraザ・ミュージアム)
  フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展 感想後編(Bunkamuraザ・ミュージアム)


<歴史画と寓意画>
まずは歴史画のコーナーです。ここは既にだいぶ紹介済みかな。

カーレル・ファン・マンデル 「洪水以前/寓意画(裏面)」
手前に戯れている2組の裸のカップルや2人の子供などがいて、背景には箱舟の骨組みを作っている様子が描かれています。解説によると、箱舟は洪水を暗示していて、人間の不道徳な生活を警告しているようです。北方のマニエリスムの典型とのことでした。
また、この作品には裏面があり、そこには動植物をあしらった紋章のようなものが描かれています。こちらも同じ教訓を描いているようですが、どこにそういう意味が込められているのかはわかりませんでした。


<肖像画>
続いて肖像画のコーナーです。

コルネリス・ド・フォス 「画家の娘、シュザンナ・ド・フォスの肖像」 ★こちらで観られます
白い服と頭巾のようなものを被った女の子の肖像です。首に十字架、手首に赤い珊瑚の数珠のようなものをつけていて、これは魔よけの意味があるそうです。手でビーズや貝殻のようなものを持っていて、楽しそうでちょっとヤンチャそうな感じがしました。 解説によると、青いスリットの入った袖は当時の女性のファッションを取り入れているそうです。

バーレント・ファブリティウス 「自画像」
これは今回の展覧会でちょっと話題になっていた作品で、何が話題かというとこの自画像がマイケル・ジャクソンによく似ているところですw 山高帽を被って赤い服を着ているあたりもそれっぽく見えてしまう^^; こちらをじっと観る目は優しく、少し微笑んでいるような柔らかい雰囲気がありました。

ニコラース・マース 「黒い服の女性の肖像」
この画家はレンブラントの弟子で、バロック的な肖像画の先駆者だそうです。 右手で胸を押さえた黒い服の中年くらいの女性が描かれ、リアルな感じです。光が当たったような劇的な明暗は師匠譲りかも。結構、老けているように思ったので、あまりモデルを理想化していないのかもしれません。


<風俗画と室内画>
続いては今回の目玉作品、フェルメールの「地理学者」があるコーナーです。地理学者の周りはたくさんの人で人だかりができていました。

アドリアーン・ブラウエル 「背中の手術」
これは以前ご紹介した苦い飲み物を飲んだ人の絵と同じ画家の作品です。背中を出して、医者に見せている様子が描かれていて、後ろを気にしているのか顔をしかめて痛そうな感じが伝わってきます…。ちょっとにやけて観ている人はたしなめてるのかなw
この隣にも同じように足の手術をしている作品もありました。

ダーフィット・テニールス(子) 「居酒屋で煙草を吸う男」
うらぶれた居酒屋の椅子に座ってパイプを持っている黒い帽子の男を描いた作品です。酒樽のようなテーブルの上にはビールが置かれ、煙草を吸って喉が渇くとビールを飲み、そしてまた煙草を吸うというのを繰り返しているようです。近くには吸い終わったパイプも転がっていて、ひどく駄目な人のようですw 解説によるとこうなってはいけないという反面教師的な意味が込められているようでした。
この隣にも酒を飲む男や煙草を吸う男の絵など人間くさくて面白い作品がありました。


<静物画>
続いては静物画です。ここも以前に好みの作品はほとんどご紹介したかな。

コルネリス・ド・ヘーム 「庭の欄干の前の野菜と果物のある静物」 ★こちらで観られます
屋敷の庭?に置かれたたくさんの野菜や果物を描いた作品です。メロン、葡萄、とうもろこし、クリ、小麦、ざくろなどの作物と、白地に青の中国風の豪華な磁器も置かれています。無造作に置かれているように見えますが、断面などがむき出しになっていて、自然ではありえないような奇妙な感じもしました。解説によるとこうした森の地面に静物を置いた絵はソットポスコ(森の地面の絵)と呼ばれる1つのジャンルだそうで、こうして無造作においているのは財産を得てオランダの上流階級を目指す商人たちの嗜好だったようです。


<地誌と風景画>
最後は風景画のコーナーです。

ウィレム・ファン・ド・フェルド(子)(工房共作) 「穏やかな海」 ★こちらで観られます
題名の通り静かな水面の港に、たくさんの帆船が並んでいる様子を描いた作品です。この貿易船は強力な武器を積んでいるらしく、これで海外と交易を行ってオランダに富をもたらしたそうです。左下の方では作業をしている人も描かれ、平和な感じがしました。当時のオランダの情勢がよく表れているようでした。

ヤーコプ・ファン・ロイスダール 「滝のあるノルウェーの風景」
これは正方形の絵で、両脇に木があり、中央辺りから手前に向かって川の流れが滝のようにしぶきをあげている様子が描かれています。丸太や岩なども描かれていて、全体的に力強い感じがするかな。解説によるとこれは実際に風景を観て描いたわけでなく、他の人の絵を観て描いたそうですが、臨場感がありました。

サロモン・ファン・ロイスダール 「渡し船のある川の風景」
川の上で描いたような構図の作品で、手前に牛や人々が乗った小さな船があり、奥には帆船、右には大きな木が描かれています。非常に細かく描かれているのですが、背景には勢いのある筆致となっていて対照的と解説されていました。(私はそんなに勢いがあるようには思えませんでしたがw) この画家の晩年の傑作とのことです。

アールト・ファン・デル・ネール 「月明かりに照らされた船のある川」
川の上に浮かぶ帆船を描いた作品です。帆船の帆の部分が光るようで、その後ろに月が隠れているのを感じます。明るいオレンジで陽の光のようですが、周りは暗く神秘的な雰囲気がありました。手前には小舟で漁をする人もいて、それが返って静かな感じに思いました。


ということで、やはり2度目は1度目よりも落ち着いて観ることができるので、フェルメールのように貴重な名画が来る時はリピートしたくなります。 もうすぐ終わってしまいますが、この貴重な機会をお見逃しなく…。お勧めは夜の時間帯です。


おまけ:今回もガチャガチャにチャレンジしました。
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今回は「真珠の首飾りの女」が出ました。


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映画「GANTZ PERFECT ANSWER」 (ややネタバレ)

久々の映画の記事です。 先日、地元の映画館で「GANTZ PERFECT ANSWER」を観てきました。この作品は「GANTZ」の続編になります。
 参考記事:映画「GANTZ」(ネタバレなし)

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【作品名】
 GANTZ PERFECT ANSWER

【公式サイト】
 http://gantz-movie.com/perfect-answer/index.html

【時間】
 2時間30分程度

【ストーリー】
 退屈_1_2_③_4_5_面白

【映像・役者】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【総合満足度】
 駄作_1_2_③_4_5_名作

【感想】
公開されてしばらく経っていることもあってか、結構空いていました。

前作はかなり不満だったので、今回は映画館で見なくても良いやと思っていましたが、今回は意外とマシという評判を聞いて観にいくことにしました。(公開直前に、前作をテレビ用に編集したものが放送されていましたが、映画よりも酷い出来だったようですw むしろやらないほうが良かったのでは…。)


ここから軽いネタばれがあります。白字で書いておきますので、読んでも良いという方はドラッグで反転させて読んでください。
ネタばれここから

何故今回は前作より評判が良いのか? それは原作の再現を完全に諦めている所だと思いますw 前作は原作に沿っているものの無理やり詰め込んでいて、登場人物や敵も減らしているので、それが不満に繋がっていましたが、今回は一部で原作からの引用を継接ぎのように使ってるな~というくらいで、ほとんどオリジナルです。そのオリジナルストーリーは先が読めやすいですが、上手いことまとめた感じはありました。

映像についてですが、こちらは前回のようにCGの星人が出てくるわけではなく、ほとんど人間しか出てきませんw その代わり、殺陣シーンが結構凄くて、むしろこれで良かった気がします。下手にCGを多用するより迫力ありました。


ネタばれ終了。


ということで、吹っ切れた感じがあって、むしろ素直に観ることができました。前作を観ないと分からないとは思いますが、前作よりは楽しめる作品でした。アクションSF映画が好きな方なら好きになれるかも。


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シュルレアリスム展 2回目 【国立新美術館】

ゴールデンウィーク中の祝日に、国立新美術館で「シュルレアリスム展―パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による―」を再度観てきました。もう終わってしまいましたが、以前の記事の補足としてご紹介しておこうと思います。

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【展覧名】
 シュルレアリスム展―パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による―

【公式サイト】
 http://www.sur2011.jp/
 http://www.nact.jp/exhibition_special/2011/surrealisme/index.html

【会場】国立新美術館   ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】千代田線乃木坂駅/日比谷線・大江戸線 六本木駅
【会期】2011年2月9日(水)~5月15日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況(祝日15時半頃です)】
 混雑_①_2_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
前回観にいった時よりだいぶ混んでいて、入場制限を行っていました。(20分と書かれていましたが10分程度でした。)
↓こんな感じで並んでいました。中もごった返していて、よく人にぶつかりましたw
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内容については以前ご紹介したので省略して、今回は以前ご紹介しなかった作品についてだけ簡単にご紹介しようと思います。今回は補足的な感じです。

 参考記事:
  シュルレアリスム展 感想前編(国立新美術館)
  シュルレアリスム展 感想後編(国立新美術館)


<Ⅰ ダダからシュルレアリスムへ 1919-1924>
まずはダダからシュルレアリスムの初期のコーナーです。

マン・レイ 「ミシンと雨傘」
テーブルに置かれたミシンを撮ったものです。四角に×を描いたような模様のテーブルが幾何学的かな。意味は分かりませんが洒落た感じの作品でした。

ジョルジョ・デ・キリコ 「ある午後のメランコリー」
手前に紙くずのような灰色の花のような謎のものがあり、奥には煙突や煙を上げる汽車の姿も見えます。誰もいない空間で、寂しくも超現実的な神秘性を感じました。


<Ⅱ ある宣言からもうひとつの宣言へ 1924-1929>
続いて、アンドレ・ブルトンがシュルレアリスム宣言をした頃のコーナーです。

アンドレ・マッソン 「採光窓」
周りを立体的で幾何学的なものに囲まれた人の顔らしきものを描いた作品です。右には透明の水差?らしきものもあり、キュビスムのような作風で少しくすんだ色合いに思いました。意味は分かりませんが面白い作品でした。

イヴ・タンギー 「夏の四時に、希望・・・」
下は黒くうねる感じで、上は水色、アメーバ状のものがあたりに浮かぶように描かれています。パッと観て海底の様子を描いたものかと思いました。タイトルはかなり謎ですが、夏と海は関係ありそうな気がしますw

ヴィクトル・ブローネル 「モティーフについて」
画家の鼻と目が触手のように伸びていて、目の前の絵に色を塗っている様子を描いた作品です。ちょっとグロいけど面白いw 小さめの作品だけどインパクトがありました。

ヴィクトル・ブローネル 「空気の威信」
様々な部品が組み合わさったマネキンのようなものが街角に立っているような作品です。 足はマッチ箱だったり、左手の一部は消えていたりと非常に奇妙で、不可思議な雰囲気がありました。意味は分かりませんが不穏でデキリコに通じるものを感じましました。

ルネ・マグリット 「旅の想い出」
首と手足の無い裸婦の胴体(トルソみたいな)と、渦巻くような黒い謎のオブジェ、白い笛のようなものなどが描かれた作品です。背景には富士山のような形の山など荒涼した感じで、裸体は薄い表面のマネキンのような感じでした。タイトルから察すると旅で観たものを色々まとめたのかな?? 難解な印象を受ける作品でした。

この辺の甘美な死骸のコーナーは物凄く混んでました…。

ジョアン・ミロ 「絵画」
深い青地に黒や赤、黄色、緑など様々な色の三角形?のようなものが描かれた作品です。抽象的な感じですが、左上の方には滑空する鳥を思わせる青い形があり、海を想起しました。


<Ⅲ 不穏な時代 1929-1939>
続いては戦争が始まる少し前の時代のコーナーです。

アルベルト・ジャコメッティ 「テーブル」 ★こちらで観られます
彫刻作品で、テーブルに向かう女性の像です。首と手首しかなく、浮かんでいるように見えるかな。その表情は目を大きく開けて驚いているようにみえました。ちょっと怖さすら感じます。よく見るとテーブルの脚4本とも違っているデザインも面白かったです。

アンドレ・マッソン 「夏の愉しみ」
赤や緑、茶色など様々な色でたくさんの蟷螂たちが描かれています。飛んだり襲い掛かったりするようなポーズがちょっと人間っぽいかも。生き生きしていると言うよりは戦っているようなパワーのある作品でした。

ウィルヘルム・フレッディ 「聖アントニウスの誘惑
箪笥の上の箱に入っている人?を描いた作品で、その箱に前のめりでよりかかっている人、手前に女性の足なども見えます。背景は暗く、絶望やエロスを感じる作品でした。

リュシアン・ロレル 「ロートレアモン『マルドロールの歌』のための挿図」
これは白黒写真で、砂地から突き出す瓦礫と石が置かれ、その隣に砂から人の手が何かを握るように突き出しています。隣にある木と同じように見えるのが何とも面白い発想の作品でした。

ルネ・マグリット 「夏の行進」
海を背景に大理石のようなブロックの上に置かれた女性の胴体を描いた作品で、上下で色合いが違っています。背景の海は四角に陥没していて空も立方体の形に切れているなど、現実感もありつつシュールな感じがしました。

今回、休憩室で休んできたのですが、休憩室ではブルトンのアトリエの映像をやっていました(25分程度)


<Ⅳ 亡命中のシュルレアリスム 1939-1946>
4章は戦争の頃、シュルレアリスムの作家がアメリカに亡命するなど苦難の時代のコーナーです。

ヴィクトル・ブローネル 「パラディスト、あるいはパラディストの主題によるコンポジション」
魚のような顔をした人?が2人向かい合っている様子を描いた作品です。1人は手を差し伸べて、もう1人は座っている感じですが、人間ではないので頭から手が生えていたりして、非常に奇妙です。背景には絡み合っているようなものもあり、不気味な感じもしますが面白い作品でした。


<Ⅴ 最後のきらめき 1946-1966>
最後はシュルレアリスムの末期のコーナーです。

ルネ・マグリット 「ストロピア」
5~6本のパイプを咥え、懐中時計を持つターバンの男の像です。額や目の中にもパイプが突き刺さっているなど現実のようで非現実的な肖像となっていて、タッチが大まかでマグリットの作とは気がつかないくらいでした。

マックス・エルンスト 「三本の糸杉」 ★こちらで観られます
赤、黄色、緑の糸杉?のような岩の柱のようなものが立っている作品です。1本ごとに背景の色(風景?)も異なり、幾何学的な中にゴツゴツした質感の柱が生き生きと立っていました。 解説によるとレオナルド・ダ・ヴィンチの考えに影響を受けて描いた作品のようでした。

マルセル・ジャン 「ホロスコープの娘」
首と手足の無い女の胸像です。色がつけられていて、地球儀のような模様になっているのが面白く、胸の辺りには肋骨のように緑の線が入っていました。これは皆、一目で地球儀を連想すると思いますw


ということで貴重な作品を観ることができました。少々難解だったのにこれだけ人気が出たのはちょっと意外でしたが、それだけシュルレアリスムは人気なのかな。数年ごとに同様の主題の展覧会は開かれるので、またの機会を楽しみにしようと思います。


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生命の樹 【岡本太郎記念館】

前回ご紹介したア・ピース・オブ・ケイク (a Piece of Cake)でお茶した後、岡本太郎記念館で「生命の樹」を観てきました。

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【展覧名】
 生命の樹

【公式サイト】
 http://www.taro-okamoto.or.jp/exhibition.html

【会場】岡本太郎記念館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】表参道駅


【会期】2011年2月23日(水)~6月26日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(GW中の平日16時頃です)】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
館内は狭めなので混んでいる感じがしましたが、実際にはそんなに沢山お客さんがいるわけではないので、少し待てばじっくり鑑賞することができました。

今年は岡本太郎の生誕100周年ということで、ドラマになったり展覧会が開かれたりと盛り上がっていますが、ここは岡本太郎の晩年までの住居兼アトリエだったところです。庭から館内まで色々な場所に作品が置かれていて非常に面白いところとなっています。ここは写真を撮っても良かったので、いくつか写真を使ってご紹介しようと思います。
 参考記事:生誕100年 岡本太郎展 (東京国立近代美術館)


まずはお庭。ところ狭しと楽しい仲間たちが並んでいます。
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前回のカフェの記事でもチラッと顔を見せていた作品。人間なのか分かりませんが、表情が豊かです。
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太陽が輝いてました!w 手前には岡本太郎展でも観た椅子があります。 右の彫刻は一番可愛いやつです^^
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気づかないような小さな作品もあって、本当にこの庭の住人のようにひょこっと顔を出していました。
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続いて館内へ。吹き抜けになっています。
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まずは2階。太陽の塔の模型がありました。階段には本人の写真パネルも
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こちらが今回の特別展示の「生命の樹」に関する展示です。
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「生命の樹」は太陽の塔の内部にあり、写真パネルは実際の内部写真のようです。模型はぐるぐる回転しながら展示されていて、これを作ったのはフィギュア製作で有名な海洋堂です!

こちらも2階の部屋。
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真っ赤な部屋に驚きます。そして部屋の奥には太郎さんの人形が!w 壁には絵画作品もありました。

続いて1階へ。リビングのような部屋にもところ狭しと作品が並んでいました。
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いくつか先日の岡本太郎展でも見た作品がありました。ここにも太郎さんが!w 写真に写っていない手前側や廊下にも様々な作品があり、非常に楽しい部屋です。

1階の奥の部屋がアトリエになっていました。
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この写真には写っていませんが、製作道具のセットなどもあり仕事場の様子がよく分かります。
それにしても凄い点数の作品が収納されていますね。


ということで、ほとんど常設展示だと思いますが非常に面白い場所となっていました。実際に行ってみると分かるのですが、1つ1つ綺麗に並んでいるというよりは作品が住人のようになっているのが魅力的です。 先日の岡本太郎展を楽しめた方にはここもお勧めできます。根津美術館から徒歩2分くらいなので、ハシゴするのにも最適でした。


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ア・ピース・オブ・ケイク (a Piece of Cake) 【表参道界隈のお店】

前回ご紹介した根津美術館の展示を観た後、すぐ近くの岡本太郎記念館にハシゴして、記念館の展示を観る前に併設されているカフェ「ア・ピース・オブ・ケイク (a Piece of Cake)」でお茶してきました。

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【店名】
 ア・ピース・オブ・ケイク (a Piece of Cake)

【ジャンル】
 カフェ

【公式サイト】
 http://www.sasser.ac/apieceofcake/index.html
 ※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【最寄駅】
 表参道駅

【近くの美術館】
 岡本太郎記念館(館内のお店です)
 根津美術館
  など


【この日にかかった1人の費用】
 1600円程度

【味】
 不味_1_2_3_④_5_美味

【接客・雰囲気】
 不快_1_2_3_④_5_快適

【混み具合・混雑状況(GW中の平日16時頃です)】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【総合満足度】
 地雷_1_2_3_④_5_名店

【感想】
この日はゴールデンウィーク中かつ快晴で、さらに岡本太郎の生誕100年で盛り上がっている時期でもあったためか、館内は結構お客さんがいました。カフェの方は混んでいるというほどではなかったですが、埋まっている席の方が多いくらいでした。

このカフェはもちろん屋内の席もありますが、この日は非常に天気が良かったので、外の席にしました。こんな感じで庭にある彫刻作品を間近に観ながらお茶することができます。(お庭については詳しくは次回の記事でw)
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さて、この日はアイスコーヒー(650円)とアップルパイ(950円)を頼みました。出てくるまでにちょっと時間がかかりましたが、庭を眺めているとそれほど気にならないかもw
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アイスコーヒーはたっぷりな量で、結構苦味が強かったです。これはガツンときました。
アップルパイは温かく、とろけるくらい柔らかくなった林檎が美味しかったです。プラムと上にバニラのアイスも乗っていました。 全体的に香りづけも良く本格的で、コーヒーと一緒だと香りを交互に楽しめます。

と言うことで、ここでしか観られない風景を観ながら美味しいアップルパイとコーヒーを堪能できました。唯一、厳しいのはお値段でしょうかw (この日食べたnezucafeのお昼よりも高いので…) ちょっとコストパフォーマンスは気になりますが、この辺の物価は高いので仕方ないかもしれません。

勿論、この後に岡本太郎記念館の展示を観てきました。次回はそれについてご紹介しようと思います。


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国宝 燕子花図屏風 2011 【根津美術館】

前回ご紹介した根津美術館の燕子花(かきつばた)を観た後に、今度は屏風に描かれた燕子花を観に「コレクション展 国宝 燕子花図屏風 2011」を鑑賞してきました。この展示は元々は「KORIN展 国宝『燕子花図』とメトロポリタン美術館所蔵『八橋図』」となっていましたが、メットの作品は震災の影響で来春まで延期され、この展示になりました。

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【展覧名】
 コレクション展 国宝 燕子花図屏風 2011

【公式サイト】
 http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

【会場】根津美術館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】表参道駅


【会期】2011年4月16日(土)~5月15日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(GW中の平日14時半頃です)】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
1つの作品に4~5人くらい着くくらいの混み具合でしたが、大きい作品が中心なのであまり気にならないくらいでした。

さて、今回は急遽変更された内容となっていましたが、主役の一翼である尾形光琳の「燕子花図屏風」だけでも充分に華やかな内容となっていました。去年の似たタイトルの展覧会でも観ることができましたが、何度観ても飽きません^^ 特に今年は琳派関連の展覧会が多かった(出光美術館の琳派展では抱一の燕子花の屏風などもありました)ので、改めて観る楽しみがありました。 勿論、それ以外の作品も良かったので、いくつか気に入った作品をご紹介しようと思います。

 参考記事:
  国宝燕子花図屏風 琳派コレクション一挙公開 (根津美術館)

  本館リニューアル記念 特別公開 (東京国立博物館 本館)
  琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派― 第1部 煌めく金の世界 (出光美術館)
  琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派― 第2部 転生する美の世界 (出光美術館)
  琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派― 第2部 転生する美の世界 2回目(出光美術館)
  生誕250年 酒井抱一 -琳派の華- (畠山記念館)
  生誕250年 酒井抱一 -琳派の華- 2回目(畠山記念館)


まず、ロビー付近の仏像コーナーはいつもどおりで、若干内容が変わっているくらいじゃないかと思います。特別展は1Fのそれ以外の部屋となっていました。

「扇面歌意画巻」 ★こちらで観られます
巻物に上下2段で扇が描かれ、その周りに詩が詠まれている作品で、扇は全100図にもなるそうです。扇の模様は様々で、富士山、花鳥、八橋と杜若などとなっていました。恐らく伊勢物語の東下りに関するものかな。 大和絵風で金を使っているので、何とも豪奢で優美な雰囲気がありました。初っ端から見応えのある作品です。

「吉野龍田図屏風」 ★こちらで観られます
こちらは以前にご紹介した作品で、6曲1双の屏風です。右隻は桜が描かれ、1つ1つの花びらが盛り上がっていて、画面を埋め尽くすように描かれています。また、所々に金色の短冊飾りが釣り下がっていて、歌が詠まれていました。 左隻はそれと対になるように枝を向き合せた真っ赤な紅葉の木が描かれています。(中には白い葉っぱもありますが) こちらも単純化されていて、短冊が釣り下がっていました。 どちらも華やかで、迫ってくるような臨場感があります。 こちらについては、先日観てきた出光美術館の展示で似たような屏風がありましたが、去年観た展示ではこの2点の関連性を指摘されていました。
 参考記事:
  国宝那智瀧図と自然の造形 (根津美術館)
  花鳥の美 ―珠玉の日本・東洋美術 (出光美術館)
  ユートピア ―描かれし夢と楽園― (出光美術館)

「武蔵野図屏風」
やまと絵風の6曲1双の屏風で、武蔵野の野にススキなどの秋草が生えている様子が描かれています。右隻には真っ赤で大きな太陽?が地平線ギリギリに描かれていて、左隻にもそれと対になるように銀色の月?が描かれていました。(日輪・月輪みたいなものかな??) 画面には人影が無く、立ち込める金雲が神秘的で静かな雰囲気を出していました。

智仁親王 「百人一首帖」
黄緑の色を背景に金・金砂子を使って流水と花を描いた紙に、百人一首が書かれた作品です。紙も文字も非常に流麗で、雅な雰囲気がありました。書は理解するのが難しいジャンルですが、これは観た瞬間に誰しもがすごい!と思う作品だと思います。

本阿弥光悦 「和漢朗詠抄」
巻物で、薄っすらと描かれた秋草を背景に和漢朗詠抄の詩が詠まれた作品です。秋草の曲線が美しいのに加え、強弱をつけられて散らされるように書かれた文字も優美で、これまた感激する書となっていました。光悦の書は何を観ても素晴らしいw

この辺には俵屋宗達の工房作の屏風もあり、こちらも中々の作品でした。

尾形光琳 「燕子花図屏風」 ★こちらで観られます
今回のメイン作品で、6曲1双の金屏風です。伊勢物語を題材にしていて、のびやかかつリズミカルに、単純化された杜若が並ぶ様子が描かれています。右隻は中央より上、左隻は中央より下の方に花が置かれている構図のバランスが良いのかも?? 金色を背景に深い藍色と緑で描かれた色彩感覚も素晴らしいし、文句無く国の至宝と言える作品だと思います。

松村景文 「花鳥図襖」
4面の襖絵で右から順に、ねむの木、百合、葵、秋海棠、桔梗、野菊、水仙など、夏・秋・春の草花が描かれ、所々に雀に姿もあります。金砂子が上部と下部に散らされていますが色が淡く、華麗と言うよりは繊細な印象を受けるかな。品のある雰囲気のある作品でした。

伝 土佐光起 「源氏物語画帖」 ★こちらで観られます
色紙くらいの大きさの画と書が交互に連なった画帖です。金地に白い花を散らした紙の上に、非常に色鮮やかな大和絵風の挿絵が描かれ、細やかで装飾的な雰囲気があります。部屋の中のシーンを描いたものが多く、畳の緑や女性の衣装が明るい印象でした。意外と直線が多く使われて幾何学的な感じもしました。かなり好みです。

この辺は源氏物語関連の作品が並び、6曲1双の屏風が2セットあるなど見栄えも良かったです。

この後、2階の展示品も観てきました。詳しいご紹介は割愛しますが、中国の青銅器のコーナーはいつもどおりでしたが、面白かったのが展示室5の「棚と卓」の展示でした。こちらは蒔絵の棚などが並び、1階の展示に負けないくらい煌びやかな内容となっていました。これは必見です。 最後は茶道具の展示で、こちらは何度か観た品があったかな。


ということで、この美術館のコレクションの質に感服する内容となっていました。もうすぐ今の展示が終わってしまうタイミングでのご紹介となってしまいましたが、庭・カフェ・展覧会のいずれも満足な美術館です。お勧めです。


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【根津美術館】の燕子花 2011

ゴールデンウィーク中の平日に有給休暇を取って、根津美術館に行ってきました。 まずは展覧会を観る前に庭園内の燕子花(杜若・かきつばた)を観て写真を撮ってきました。去年も同じような時期に行ったので、結構似た写真を撮ってきたかもw
公式サイトのTOPには咲き具合が書かれていて、2011/5/5時点で満開とのことなので、もうすぐ終わってしまうくらいかな??
 参考リンク:根津美術館の公式サイト
 参考記事:根津美術館の燕子花 (2010年)

ちょうど新緑の頃で、非常に美しい緑となっていました。
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色々見所があるお庭ですが、以前にも何度もご紹介しているので、さっそく今回のお目当てである杜若の写真をば。
池の真ん中なのでちょっと遠いw
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ちょっと場所を変えてみました。
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よく分かりませんが、何故かこの時期に紅葉している木と杜若。
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ちょっと望遠を効かせて撮ってみました。
P1180834.jpg P1180838.jpg

こんな感じで結構な本数が群生しています。よく見るとCの字のように並んでいました。
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こちらは藤。こっちはちょっと萎れた感じでしたw
P1180854.jpg P1180859.jpg


と言うことで、昨年同様に庭園も楽しむことができました。この時期と紅葉の時期は特に庭が美しいと思います。むしろこれを目当てに行っても良い位です^^
勿論、この後に根津美術館の展覧会にも行ってきましたので、次回はそれをご紹介しようと思います。

おまけ:
実は美術館について早々に以前ご紹介したNEZUCAFEでランチをとっていました。
 参考記事:NEZUCAFE (表参道界隈のお店)
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やはりここは美味しい! コーヒーが以前より美味しくなっている気がしましたが、今回はアイスにしたから元々違うのかもw


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ヘンリー・ダーガー展 【ラフォーレミュージアム原宿】

ゴールデンウィーク中の祝日に、原宿のラフォーレミュージアム原宿で、ヘンリー・ダーガー展 アメリカン・イノセンス。純真なる妄想が描く「非現実の王国で」を観てきました。もうすぐ終わってしまいますので、先にご紹介しておこうと思います。

P1190185.jpg

【展覧名】
 ヘンリー・ダーガー展 アメリカン・イノセンス。純真なる妄想が描く「非現実の王国で」

【公式サイト】
 http://www.lapnet.jp/event/event_l110423/

【会場】ラフォーレミュージアム原宿  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】原宿駅、明治神宮前駅、表参道駅など


【会期】
 2011年4月23日(土)~2011年5月15日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(祝日14時頃です)】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
若い人を中心に結構混んでいましたが、観る順序が特に決まっていない展示だったので、混んでいるところは後回しにする感じで自分のペースで観ることが出来ました。

さて、今回はヘンリー・ダーガーという人の個展となっておりますが、何年か前に原美術館でも同様の展示があったのを思い出す方も多いかと思います(その頃はブログをやっていませんでした) 非常に個性的な作家ではありますが、この人を画家と呼ぶかは微妙なところです。と言うのも、この人は死ぬまで作品を発表するわけでもなく、ほとんど人とも接することすらなく、今回のタイトルになっている「非現実の王国で」という物語を延々と60年間に渡って書き続け、作品を人に見せようと考えていたのかも分かりません。
この「非現実の王国で」という物語は何と15415ページ、挿絵300枚にも及ぶ作品で、原稿用紙15冊分(と製本済み7冊)もの量だったようです。 亡くなる半年前に長年住んだ部屋を出て行った際に、大家さんが片付けをしているときに発見され、その大家さんがアーティストだったので日の目を見たという感じです。
 参考リンク:「非現実の王国で」のwikipedia

この人については、ドキュメンタリー映画もあるので、その予告編を観ていただくと、おおよそどういう人でどんな画風かわかると思いますが、結構、精神に来ます。


こうした挿絵には題名がなく展示順路もないので、作品ごとのメモは取りませんでしたが、この展覧会では詳しい解説や物語のストーリーが紹介されていて、それぞれがどういう場面なのかが分かるようになっていました。…それが無いとただの「怖い絵」として奇妙な目で見られるだけかもしれません…。

ほんの簡単に略歴を説明すると、ヘンリー・ダーガーは4歳の頃に母を亡くし、妹は赤ん坊のときに養子となるなど、不幸な生い立ちから始まります。8歳でカトリックの少年施設(孤児院)に入り、頭が良かったそうですが、小学校の時に精神障害を患い精神薄弱児の施設に入ります。 しかし、そこから脱走したらしく、シカゴに住み着いて働き出したようです。しっかりと徴兵も受けていたようで、この時の記録から身長155cm、瞳は青、浅黒い肌 という外見上の特徴が残されています。(その後、おそらく視力の問題で除隊となっています) 19歳の頃から「非現実の王国で」を書き始め、以後60年間に渡って書き続けられることになります。
 参考リンク:ヘンリー・ダーガーのwikipedia
 
晩年、近所の人は彼のことをあまり気に留めていなかったようですが、ゴミ捨て場などで奇妙な行動をしているので歓迎はされていなかったようです。ほとんど誰にも相手にされず、黙々と自分の物語を作って行ったという感じでしょうか…。

さて、肝心の作品についてですが、「非現実の王国で」は南北戦争などを元にした善と悪の戦いと言えばわかりやすいかもしれません。カトリック国家のアビエニアという国の少女戦士「ヴィヴィアン・ガールズ」と、「グランデリニア」とよばれる、子供奴隷制を持つ軍事国家(兵士は大人)の戦いが描かれています。 様々な描写があるのですが、例えば
 ・戦う金髪の少女たち(これがヴィヴィアン・ガールズ。主人公)
 ・磔で内臓をむき出しにしている様子
 ・男性器の生えた裸の少女たち (頻出の人物)
 ・大人に絞め殺されている少女 (頻出。絞殺や縛り首が多い気がする…。)
 ・銃を持った少年少女がひたすら戦うシーン
 ・悪魔のような角が生えた人間
 ・戦争後の楽園にも兵士に絞め殺される少女の像が山車のようになっている
 ・蝶の羽、鷲の爪、蛇の尻尾、人間の頭を持った怪物のような生き物(それでも仲間)

など、超個性的でちょっと怖さすら感じる内容となっています。 中にはトレースをして同じ顔の少女が並んで描かれていたり、所々にコラージュを使うなどの手法が見られます。これはダーガーが自分はあまり絵が得意ではないと考えていたためではないかとのことでした。また、自然現象に非常に強い感心があったらしく、それを感じさせる場面もありました。

展示室の一角にはスクラップブックや塗り絵のような束、家財道具、部屋の写真などがありました。ゴミ捨て場でウロウロしてたのはこういう本やコラージュ用の素材を探していたのかも?? 映像も用意されていて、解説は充実していました。



と言うことで、他のアーティストとは一線を画す、まさにアウトサイダーな個展となっていました。狂気を孕んだ奇異と観るか、純真の産物と観るかは観る人の感性によるかとは思いますが、確実に記憶に残る展覧会だと思います。

おまけ:
ラフォーレミュージアム原宿のすぐ裏手には太田記念美術館もありますが、この日は寄りませんでした^^;


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写楽 (感想後編)【東京国立博物館 平成館】

今日は前回の記事に引き続き、東京国立博物館 平成館の特別展「写楽」 の後編をご紹介いたします。前編には混み具合なども記載しておりますので、前編を読まれていない方は前編から先にお読み頂けると嬉しいです。
 前編はこちら

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まずはおさらいです。

【展覧名】
 特別展「写楽」

【公式サイト】
 http://sharaku2011.jp/index.html
 http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=706

【会場】東京国立博物館 平成館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2011年5月1日(日)~6月12日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間30分程度

【混み具合・混雑状況(祝日15時半頃です)】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
前編では写楽以前の役者絵や、他の絵師との違いや、版による違いなどを観てきましたが、後編はわずか10ヶ月の間に画風が変遷したのが分かる内容となっていました。大きく4期に分かれていて、それぞれの時期の作品がほぼ全て並んでいました。


<第4章 写楽とライバルたち>
[第1期]
まずは黒雲母摺の大首絵で華やかにデビューした頃の作品です。全部で28枚で、ここに来るまでに観た作品もいくつか展示されていました。
これだけ鮮烈なデビューをした写楽とは何者か?というのは謎とされていますが、一説によると徳島の阿波藩お抱えの能役者、斎藤十郎兵衛ではないかとのことでした。

51 東洲斎写楽 「二代目瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木と中村万世の腰元若草」
2人の女形を描いた作品です。ふっくらした顔の役者と面長な役者が描かれ、2人とも大きな簪をつけています。目は小さく、特徴的な顔をしているかな。いかにも写楽という画風はやはり1期だと思います。

76 東洲斎写楽 「四代目松本幸四郎の山谷の肴屋五郎兵衛」
右手を左袖の中に入れ、左手でキセルを持つ鉢巻?をした魚屋役の役者絵です。顔をしかめていて、思案に暮れているような顔をしているのが印象的でした。


[第2期]
続いて、2期は全て全身像となっています。1期と違って華やかな印象を受ける作品が多いように思いました。

88 東洲斎写楽 「二代目瀬川富三郎のけいせい遠山と初代市川栗蔵の義若丸」
子供を脇にして隠すようなポーズの女形の全身像です。輪郭はやや太いですが流麗な印象があり、迫ってくる感じがします。大首絵とはだいぶ印象が違いますが、この画風も特徴的でした。

94 東洲斎写楽 「三代目沢村宗十郎の名護屋山三元春」
扇子を持って立つ、すらっとした感じの侍役の像です。右手を握っていてちょっと面白いポーズかな。 体のバランスを少し崩すような感じがしました。(ジョジョ立ちみたいと思いましたw)

この辺は「けいせいかつらぎ」という女を巡る芝居関連の作品が並んでいました。この後も、芝居ごとに作品が固まっているところがあり、各所のモニタで大筋が分かる映像を流していました。

102 東洲斎写楽 「三代目大谷鬼次の川島治部五郎」
縦長の細版の全身像です。頭に手ぬぐいみたいなものを被り、目の回りに赤い隈取があって、悪そうな感じがします。どうやらこの人物は敵役らしく、隣には仇を討つ方の役者の絵もありました。 等身が整っていて、この辺の作品は写楽と言われないと私にはわからなそうですw

114 東洲斎写楽 「初代中山富三郎の義興みだいつくば御ぜん」
左手を開き、右手で押さえるポーズの女形の像です。着物の輪郭線が緩やかな弓形となっている構図が綺麗で面白いと思いました。色合いも薄めで、優雅な雰囲気がありました。

[第3期]
3期は58図あり、そのうち47図は細版の作品となっています。背景に小道具や情景を描き、衣紋線は細く単調になって、模様を精緻に描いた作品が登場したと解説されていました。

127 東洲斎写楽 「初代尾上松助の足利尊氏」
手を挙げている足利尊氏?を描いた作品で、白目の部分が黒く、黒目の部分が白いので、ちょっと狂気を感じますw 物凄く細かい刺繍や模様の衣装を着ていて、先の解説の通り輪郭は細くなっていました。

134 東洲斎写楽 「中島和田右衛門の鎌倉稲村が崎の家主身替りの地蔵」
135 東洲斎写楽 「四代目松本幸四郎の鎌倉霊仙が崎の船頭皆川新右衛門実は畑六郎左衛門時能」
136 東洲斎写楽 「四代目岩井半四郎の鎌倉稲村が崎のおひな娘おとま」
137 東洲斎写楽 「三代目市川高麗蔵の新田義貞実は小山田太郎高家」
4枚続きの細版の作品です。軒先で4人の役者が並んでいる様子が描かれ、酒樽を持った人、女形、その女の2人の婿候補?が描かれているようです。2人の婿候補というだけあって、ちょっと緊迫した感じもうけました。

164 東洲斎写楽 「初代中山富三郎の出羽の国平賀の鷹の精(切禿の所作)」
165 東洲斎写楽 「三代目市川八百蔵の中将実方宮内雀の霊(切禿の所作)」
こちらも2枚続きの作品です。獅子舞を持ったピンクの着物の女形が向き合うように並んでいます。非常に細かく描かれていて、足を上げて踊っている様子が出ていました。


[第4期]
最後は細版10図のみの第4期です。衣装や人物の線はますまず単調になり、実際の舞台衣装とも違う姿で役者を描くようになったそうです。豊かな生命力も消えたと解説されていましたが、もうやる気を無くしちゃった時期なのかも…。

191 東洲斎写楽 「三代目市川八百蔵の曾我の十郎祐成」 ★こちらで観られます
曾我兄弟のあだ討ちを主題にした作品で、千鳥模様の衣装を着た侍が描かれています。実際の舞台で被っていたはずの烏帽子を被っていないのは、配役やストーリーが決まった時点で描いているためだそうです。輪郭線はかなり直線っぽくなって絵もあまり細かい感じではなくなっていました。

[役者絵以外]
このコーナーには役者絵以外の相撲絵などの作品のコーナーもありました。

194-196 東洲斎写楽 「大童山文五郎の土俵入り (左・中・右)」 ★こちらで観られます
これは3期に属する作品で、3枚続きとなっています。真ん中には7歳の力士である大童山が描かれ、左右には雷電や谷風といった錚々たる面々の力士達が描かれています。大童山は太っていますが幼い顔つきで、実際には相撲は取らずに客寄せをするアイドルのような存在だったようです。確かにちょっと可愛いけど、7歳で70キロもあったらしいので、完全に肥満児ですねw 

この辺には大童山の作品は他にも何点かありました。豆まきをしたり碁盤や俵を持ち上げたりする様子が描かれています。

201 東洲斎写楽 「紅葉狩」
般若のような顔で綺麗な着物を着た鬼?と、その腕を掴む侍らしき人が描かれた作品です。鬼は杖のようなものを持っていて、振りかかってくるような力強さがありました。


<第5章 写楽の残影>
最後は写楽の後の時代のコーナーです。写楽の作品が出なくなる頃には人気を失ってしまったようですが、後の絵師に影響を与えていたようで、ここにはそうした影響を感じる作品がありました。

280 歌舞妓堂艶鏡 「初代市川男女蔵」
腕まくりをして口をへの字に曲げる役者を描いた作品です。簡略化されていますが特徴がよく分かり、ぱっと観た時に写楽の大首絵かと思いました。

この辺は歌川豊国の作品が多かったかな。それだけ影響を受けたのかもしれません。
一番最後には今回出品されていない4図の写真があり、そのうち2図は行方不明となっているようでした。また、1図は巡回中のボストン美術館の浮世絵展に出品されているので、私は写楽コンプリートまであと3図となりましたw(まあ2図は不可能でしょうけど)
 参考記事:ボストン美術館 浮世絵名品展 (山種美術館)


ということで、盛り沢山な内容でした。まさに写楽のパーフェクト版とも言える内容で、これだけ見ておけば写楽はバッチリと言ったところでしょうか。 まさか2時間半もかかると思わず、この日は常設を観る時間も無く閉館となってしまいました。 混んでいるし、ちょっと時間に余裕をみて行くことをお勧めします。


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Author:21世紀のxxx者
 
多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。

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NHK BSプレミアム 熱中スタジアム「博物館ナイト」の収録に参加してきました
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■2011/11/21
海の見える杜美術館の公式紹介サイトに掲載されました
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■2011/9/29
「週刊文春 10月6日号」に掲載されました
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■2009/10/28
Yahoo!カテゴリーに登録されました
  → 絵画
  → 関東 > 絵画

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