Archive | 2011年10月
もう10日ほど前ですが、土曜日に埼玉県立近代美術館へ行って、「生誕100年記念 瑛九展」を観てきました。この展覧会はうらわ美術館との同時開催となっていて、私は先にこちらの展示を観ました。
→後日、うらわ美術館の展示も記事にしました。
参考記事:生誕100年記念 瑛九展-夢に託して (うらわ美術館)

【展覧名】
生誕100年記念 瑛九展
【公式サイト】
http://www.momas.jp/003kikaku/k2011/k2011.09/k2011.09.htm
【会場】埼玉県立近代美術館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】北浦和駅
【会期】2011年9月10日(土)~11月6日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_②_3_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
空いていてゆっくりと観ることが出来ました。
さて、今回の展示は瑛九(えいきゅう、Ei-Q)の個展となっています。宮崎生まれで、埼玉の浦和で活動したことから、宮崎と浦和(さいたま市)での開催となっているようです。この埼玉県立近代美術館にも埼玉ゆかりの画家として常設に作品が並んでいることもありますが、これだけ大規模な展覧は初めて観ました。
瑛九のことを知らない方も多いかと思いますので、まず簡単に経歴を紹介すると、本名は杉田秀夫で、宮崎市に1911年に生まれました(今年でちょうど生誕100年) 子供の頃から絵画を学び、10代の頃には美術評論や写真評論を発表し、フォトグラムの作品も試みていたようです。1936年には瑛九として美術界にデビューし、油彩、写真、コラージュ、水彩、ガラス絵など様々な分野で創作活動していきました。1951年に浦和に転居してからは版画にも取り組み、晩年は点描の油彩画の制作に没頭しました。(私が瑛九と聞いてまっさきにイメージするはこの晩年の作風です)
詳しくはいつもどおり各章ごとに… と、言いたいところですが、今回の展示は非常に変わっていて8つのトピックを埼玉県立近代美術館とうらわ美術館で4つずつ取り上げ、埼玉県立近代美術館はTOPIC 5、2、6、8という順番になっています。時系列でもないので、理解するには難解な印象を受けます。(作品も抽象的なので、今まで観てきた展覧会の中でも難しい部類だと思います) その為、今回は展覧会の途中で体系的に理解するのは諦めて、感じたことをメモしてきましたw ちょっと薄い感想になるかもしれませんがご容赦ください。
<TOPIC 5 瑛九の言葉>
まずは瑛九の言葉が沢山壁に書かれていた章です。瑛九は権威主義に抵抗し自由と独立の精神で制作することを目指したそうで、「ふるさと社」や「自由美術家協会」、自ら主催した「デモクラート美術家協会」などの設立にも参加したそうです。ここにはそうした精神を感じさせる言葉と共に作品が紹介されています。
5-1 瑛九 「タバコを吸う女」
ボール紙に描かれた油彩画で、ざらついて単純化された女性像です。女性はタバコを持っていて、画面は暖色系の茶色っぽい色合いで、やや素朴な雰囲気がありました。解説によると、瑛九はこの絵について「画面の上にもう少し戦いが無ければ発展性は生まれないと言ってまとまった絵にする必要はないと感じていたようです。
この辺にはシュルレアリスムの影響を感じる写真や、キュビスムともまた少し違った抽象などもあり、色の強い感じを受けました。
5-4 瑛九 「鳩」
非常に単純化された有機的な形の複合体のような作品です。黒丸と三角で鳩の顔らしきものを描き、紫やオレンジ、黄色などの色が強く平面的な感じがします。解説によるとこれは1949年頃の作品だそうで、写実から半抽象へと向かった時代の作品のようでした。
<TOPIC 2 エスペラントと共に>
瑛九は世界共通言語として作られた「エスペラント語」を生活の一部に取り入れていたそうです。人類が同じ立場に立つ土壌から美術や社会について考える道へと進んだとのことで、ここにはエスペラントに関する作品が並んでいました。
参考リンク:エスペラントのWikipedia
2-1 瑛九 「ザメンホフ像」 ★こちらで観られます
ポーランド出身の眼科医でエスペラント語の創始者であるザメンホフの肖像です。メガネで白い髭をたくわえ、タキシードを着ている姿で描かれ、襟章に星印があるのはエスペラントのバッチだそうです。写実的な画風で、やけにボコボコした表面でヒビ割れているように見えました。眼の光が強く意志の強そうな肖像でした。
隣にはザメンホフ祭のメンバー(日本人のみ)と一緒に記念撮影されたこの絵の写真が展示されていました。また、近くにはエスペラント辞典、旗、手紙、エスペラント会の写真などもあります。
2-3 瑛九 「読書」
窓辺で本を読んでいる紫の服の夫人を描いた作品です。兄と共にエスペラント語で会話する瑛九を見て興味を持ったらしく、瑛九に学んだそうです。ちょっと神経質そうな痩せた感じもするかな。写実的で、青いテーブル、紫の服、窓の外の緑など色の取り合わせが強く感じられる作品でした。
<TOPIC 6 転位するイメージ>
瑛九は写真的なメカニズムやプロセスを絵画や版画と交錯させながら、多様なイメージを連鎖的に生み出したそうです。この章では写真と絵画の関わりを感じさせる作品が並んでいました。
6-30 瑛九 「子供」
円や長方形など単純な形を並べて描いた子供の顔です。と言っても、抽象的でむしろライオンみたいな感じに見えますがw 原色を使っていて色もリズミカルな感じでした。この作品の隣には似た形の紙を切り抜いた型があり、それを使って描いた素描もありました。フォトデッサンのイメージと油彩画のモチーフが共通している例のようです。
この近くにはピカソを思わせる作品もありました。また、顔や目を題材にした抽象的な作品が並び、色鮮やかな油彩と白黒のフォトデッサンが比較するように展示されていました。
解説によると、この時代の写真はフィルムではなくガラス板を使っていたらしく、フォトデッサンはそのガラス板に描画しているようです。写真の原盤も3点もあります。フォトデッサンは写真だけれど現実とは思えない不思議な世界で、マン・レイのレイヨグラフを思い起こします。
参考記事:マン・レイ展 知られざる創作の秘密 (国立新美術館)
6-22 瑛九 「乱舞」 ★こちらで観られます
今回のポスターになっている作品で、沢山の人影が連なって踊っているように見える抽象的なフォトデッサンです。動きやリズムを感じ、写真とも絵画ともつかない幻想的な光景となっていました。
隣にはそれを作るために使った型紙と、同じ型を使った反転している作品、制作に使ったガラス棒などもありました。工程を連想させる興味深い展示方法です。
また、他の型紙ですが「ダンス」と「影」という連作作品も艶かしく動きのある表現で良かったです。
この辺は透過による転写を使ったフォトデッサンやエッチング、吹きつけを使った作品などもありました。有機的で幻想的な雰囲気の作品が多く、意味は分かりませんが面白いです。
6-6 瑛九 「題不明」
手の写真や足の写真を組み合わせたコラージュです。頭のあたりが手と足で、3本足のワンピースの人間のように見えなくもないかな。ちょっと不気味でシュールな印象を受けました。
この辺は眼や顔なども含め人体をコラージュした作品が並んでいます。グロい感じもしますが斬新に見えました。
6-15 瑛九 「題名不詳」
網目のような黒と灰色の背景と、その前に浮かぶ様々な色の円や四角を描いた抽象画です。背景の色のせいか、無機質な中に円が漂っているような印象を受けます。隣には似たような模様の型紙もあり、この作品とのイメージの相関を感じさせました。
6-61 瑛九 「カオス」
4枚セットの壁画のような作品です。有機的な形のものが沢山漂うように描かれています。不定形で色は淡く霧吹きしたようなおぼろげな色合いで、確かに混沌とした雰囲気です。 近くにいた子供が、ぐちゃぐちゃでわからない!と言ってましたが、大半の人はそう思うんじゃないかと思いますw ちょっと難解ですが色合いが面白い作品でした。
<TOPIC 8 点へ>
瑛九は晩年3年間に点描画を描いていて、ここにはそうした作品が並んでいます。私がイメージする瑛九の作風はこのコーナーそのものでした。
8-2 瑛九 「兄妹」
点描作品の原点と言える作品で、メガネの男性と女声が窓辺で会話しているような感じ光景が描かれています。淡い色彩で黄色が多く、柔らかい印象を受けます。点描ですが、スーラやシニャックほど科学的分析はせずに日本人の詩情を活かしているとのことでした。
瑛九はこの作品を描いた頃、自作への疑問や不安を感じて印象派からやり直すと言ってたそうです。
8-12 瑛九 「黄と白と青の編目」
幾何学的な形が並んだ抽象画です。網目のように四角が並んでいたり、円があったりと、どこかの街の航空写真のような整然とした雰囲気がありました。色も様々でリズムを感じます。
8-13 瑛九 「作品」
青、黄色、水色の帯と、中心に赤の円が描かれた作品です。点描がモザイクのようになっていて、宇宙的なイメージ(木星みたいな)に思いました。
この近くにも色が近い似たような作品もあり、ひたすらに斑点の絵が続きます。
8-20 瑛九 「嵐」
左上から沢山の斑点が放射されているかのように見える抽象画です。筆跡が残っているのでそう感じさせるのかな。色も様々で、不定形ながらも勢いを感じさせました。まさに嵐のような作品です。
この辺には花や花火といったタイトルの作品が並んでいますが、どれも似た雰囲気の点描となっています。
8-36 瑛九 「ブーケ(花束)」 ★こちらで観られます
点描だけで描かれた大きな作品です。対比的な色を重ねるように、細かい点が打たれています。ところどころに鮮やかな原色の円が浮かんでいて、まさに花束のような明るく華やかな印象を受けました。
この辺の作品はさらに点が細かくなっているのに反比例するかのように作品は大きめでした。
8-43 瑛九 「田園」
これも点描の大型作品です。周りの作品は完全に抽象的ですが、これはおぼろげながら離れて観ると黄色く染まった田園風景とその上の太陽に見えるように思います。色合いも美しく好みの作品でした。
最後は資料のコーナーで、スケッチ、型紙、吹き付け用のコンプレッサが並び、5分程度の映像もありました。
ということで、難解な構成となっていますが予想以上に良い作品が多くて楽しめました。安易に誰でも知っている画家や流派の展覧会を開くのではなく、地元の画家を研究していくような展覧会は非常に意義深いと思います。後日、うらわ美術館の展示も観てきましたので、そちらも近いうちにご紹介しようと思います。
参考記事:生誕100年記念 瑛九展-夢に託して (うらわ美術館)
→後日、うらわ美術館の展示も記事にしました。
参考記事:生誕100年記念 瑛九展-夢に託して (うらわ美術館)


【展覧名】
生誕100年記念 瑛九展
【公式サイト】
http://www.momas.jp/003kikaku/k2011/k2011.09/k2011.09.htm
【会場】埼玉県立近代美術館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】北浦和駅
【会期】2011年9月10日(土)~11月6日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_②_3_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
空いていてゆっくりと観ることが出来ました。
さて、今回の展示は瑛九(えいきゅう、Ei-Q)の個展となっています。宮崎生まれで、埼玉の浦和で活動したことから、宮崎と浦和(さいたま市)での開催となっているようです。この埼玉県立近代美術館にも埼玉ゆかりの画家として常設に作品が並んでいることもありますが、これだけ大規模な展覧は初めて観ました。
瑛九のことを知らない方も多いかと思いますので、まず簡単に経歴を紹介すると、本名は杉田秀夫で、宮崎市に1911年に生まれました(今年でちょうど生誕100年) 子供の頃から絵画を学び、10代の頃には美術評論や写真評論を発表し、フォトグラムの作品も試みていたようです。1936年には瑛九として美術界にデビューし、油彩、写真、コラージュ、水彩、ガラス絵など様々な分野で創作活動していきました。1951年に浦和に転居してからは版画にも取り組み、晩年は点描の油彩画の制作に没頭しました。(私が瑛九と聞いてまっさきにイメージするはこの晩年の作風です)
詳しくはいつもどおり各章ごとに… と、言いたいところですが、今回の展示は非常に変わっていて8つのトピックを埼玉県立近代美術館とうらわ美術館で4つずつ取り上げ、埼玉県立近代美術館はTOPIC 5、2、6、8という順番になっています。時系列でもないので、理解するには難解な印象を受けます。(作品も抽象的なので、今まで観てきた展覧会の中でも難しい部類だと思います) その為、今回は展覧会の途中で体系的に理解するのは諦めて、感じたことをメモしてきましたw ちょっと薄い感想になるかもしれませんがご容赦ください。
<TOPIC 5 瑛九の言葉>
まずは瑛九の言葉が沢山壁に書かれていた章です。瑛九は権威主義に抵抗し自由と独立の精神で制作することを目指したそうで、「ふるさと社」や「自由美術家協会」、自ら主催した「デモクラート美術家協会」などの設立にも参加したそうです。ここにはそうした精神を感じさせる言葉と共に作品が紹介されています。
5-1 瑛九 「タバコを吸う女」
ボール紙に描かれた油彩画で、ざらついて単純化された女性像です。女性はタバコを持っていて、画面は暖色系の茶色っぽい色合いで、やや素朴な雰囲気がありました。解説によると、瑛九はこの絵について「画面の上にもう少し戦いが無ければ発展性は生まれないと言ってまとまった絵にする必要はないと感じていたようです。
この辺にはシュルレアリスムの影響を感じる写真や、キュビスムともまた少し違った抽象などもあり、色の強い感じを受けました。
5-4 瑛九 「鳩」
非常に単純化された有機的な形の複合体のような作品です。黒丸と三角で鳩の顔らしきものを描き、紫やオレンジ、黄色などの色が強く平面的な感じがします。解説によるとこれは1949年頃の作品だそうで、写実から半抽象へと向かった時代の作品のようでした。
<TOPIC 2 エスペラントと共に>
瑛九は世界共通言語として作られた「エスペラント語」を生活の一部に取り入れていたそうです。人類が同じ立場に立つ土壌から美術や社会について考える道へと進んだとのことで、ここにはエスペラントに関する作品が並んでいました。
参考リンク:エスペラントのWikipedia
2-1 瑛九 「ザメンホフ像」 ★こちらで観られます
ポーランド出身の眼科医でエスペラント語の創始者であるザメンホフの肖像です。メガネで白い髭をたくわえ、タキシードを着ている姿で描かれ、襟章に星印があるのはエスペラントのバッチだそうです。写実的な画風で、やけにボコボコした表面でヒビ割れているように見えました。眼の光が強く意志の強そうな肖像でした。
隣にはザメンホフ祭のメンバー(日本人のみ)と一緒に記念撮影されたこの絵の写真が展示されていました。また、近くにはエスペラント辞典、旗、手紙、エスペラント会の写真などもあります。
2-3 瑛九 「読書」
窓辺で本を読んでいる紫の服の夫人を描いた作品です。兄と共にエスペラント語で会話する瑛九を見て興味を持ったらしく、瑛九に学んだそうです。ちょっと神経質そうな痩せた感じもするかな。写実的で、青いテーブル、紫の服、窓の外の緑など色の取り合わせが強く感じられる作品でした。
<TOPIC 6 転位するイメージ>
瑛九は写真的なメカニズムやプロセスを絵画や版画と交錯させながら、多様なイメージを連鎖的に生み出したそうです。この章では写真と絵画の関わりを感じさせる作品が並んでいました。
6-30 瑛九 「子供」
円や長方形など単純な形を並べて描いた子供の顔です。と言っても、抽象的でむしろライオンみたいな感じに見えますがw 原色を使っていて色もリズミカルな感じでした。この作品の隣には似た形の紙を切り抜いた型があり、それを使って描いた素描もありました。フォトデッサンのイメージと油彩画のモチーフが共通している例のようです。
この近くにはピカソを思わせる作品もありました。また、顔や目を題材にした抽象的な作品が並び、色鮮やかな油彩と白黒のフォトデッサンが比較するように展示されていました。
解説によると、この時代の写真はフィルムではなくガラス板を使っていたらしく、フォトデッサンはそのガラス板に描画しているようです。写真の原盤も3点もあります。フォトデッサンは写真だけれど現実とは思えない不思議な世界で、マン・レイのレイヨグラフを思い起こします。
参考記事:マン・レイ展 知られざる創作の秘密 (国立新美術館)
6-22 瑛九 「乱舞」 ★こちらで観られます
今回のポスターになっている作品で、沢山の人影が連なって踊っているように見える抽象的なフォトデッサンです。動きやリズムを感じ、写真とも絵画ともつかない幻想的な光景となっていました。
隣にはそれを作るために使った型紙と、同じ型を使った反転している作品、制作に使ったガラス棒などもありました。工程を連想させる興味深い展示方法です。
また、他の型紙ですが「ダンス」と「影」という連作作品も艶かしく動きのある表現で良かったです。
この辺は透過による転写を使ったフォトデッサンやエッチング、吹きつけを使った作品などもありました。有機的で幻想的な雰囲気の作品が多く、意味は分かりませんが面白いです。
6-6 瑛九 「題不明」
手の写真や足の写真を組み合わせたコラージュです。頭のあたりが手と足で、3本足のワンピースの人間のように見えなくもないかな。ちょっと不気味でシュールな印象を受けました。
この辺は眼や顔なども含め人体をコラージュした作品が並んでいます。グロい感じもしますが斬新に見えました。
6-15 瑛九 「題名不詳」
網目のような黒と灰色の背景と、その前に浮かぶ様々な色の円や四角を描いた抽象画です。背景の色のせいか、無機質な中に円が漂っているような印象を受けます。隣には似たような模様の型紙もあり、この作品とのイメージの相関を感じさせました。
6-61 瑛九 「カオス」
4枚セットの壁画のような作品です。有機的な形のものが沢山漂うように描かれています。不定形で色は淡く霧吹きしたようなおぼろげな色合いで、確かに混沌とした雰囲気です。 近くにいた子供が、ぐちゃぐちゃでわからない!と言ってましたが、大半の人はそう思うんじゃないかと思いますw ちょっと難解ですが色合いが面白い作品でした。
<TOPIC 8 点へ>
瑛九は晩年3年間に点描画を描いていて、ここにはそうした作品が並んでいます。私がイメージする瑛九の作風はこのコーナーそのものでした。
8-2 瑛九 「兄妹」
点描作品の原点と言える作品で、メガネの男性と女声が窓辺で会話しているような感じ光景が描かれています。淡い色彩で黄色が多く、柔らかい印象を受けます。点描ですが、スーラやシニャックほど科学的分析はせずに日本人の詩情を活かしているとのことでした。
瑛九はこの作品を描いた頃、自作への疑問や不安を感じて印象派からやり直すと言ってたそうです。
8-12 瑛九 「黄と白と青の編目」
幾何学的な形が並んだ抽象画です。網目のように四角が並んでいたり、円があったりと、どこかの街の航空写真のような整然とした雰囲気がありました。色も様々でリズムを感じます。
8-13 瑛九 「作品」
青、黄色、水色の帯と、中心に赤の円が描かれた作品です。点描がモザイクのようになっていて、宇宙的なイメージ(木星みたいな)に思いました。
この近くにも色が近い似たような作品もあり、ひたすらに斑点の絵が続きます。
8-20 瑛九 「嵐」
左上から沢山の斑点が放射されているかのように見える抽象画です。筆跡が残っているのでそう感じさせるのかな。色も様々で、不定形ながらも勢いを感じさせました。まさに嵐のような作品です。
この辺には花や花火といったタイトルの作品が並んでいますが、どれも似た雰囲気の点描となっています。
8-36 瑛九 「ブーケ(花束)」 ★こちらで観られます
点描だけで描かれた大きな作品です。対比的な色を重ねるように、細かい点が打たれています。ところどころに鮮やかな原色の円が浮かんでいて、まさに花束のような明るく華やかな印象を受けました。
この辺の作品はさらに点が細かくなっているのに反比例するかのように作品は大きめでした。
8-43 瑛九 「田園」
これも点描の大型作品です。周りの作品は完全に抽象的ですが、これはおぼろげながら離れて観ると黄色く染まった田園風景とその上の太陽に見えるように思います。色合いも美しく好みの作品でした。
最後は資料のコーナーで、スケッチ、型紙、吹き付け用のコンプレッサが並び、5分程度の映像もありました。
ということで、難解な構成となっていますが予想以上に良い作品が多くて楽しめました。安易に誰でも知っている画家や流派の展覧会を開くのではなく、地元の画家を研究していくような展覧会は非常に意義深いと思います。後日、うらわ美術館の展示も観てきましたので、そちらも近いうちにご紹介しようと思います。
参考記事:生誕100年記念 瑛九展-夢に託して (うらわ美術館)
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つい先週の土曜日に森アーツセンターギャラリーで「誕生25周年記念 ドラゴンクエスト展」を観てきました。色々とネタを貯めこんでいますが、人気の展覧会のようですので先にご紹介しておこうと思います。

【展覧名】
誕生25周年記念 ドラゴンクエスト展
【公式サイト】
http://www.dq25ten.jp/
http://www.roppongihills.com/art/macg/events/2011/10/macg_dragonquest.html
【会場】森アーツセンターギャラリー ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】六本木駅
【会期】2011年10月8日(土)~12月4日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日13時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_4_⑤_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
非常に人気のようで、入場するのに5分程度並びました。中に入ってもあちこち混んでいて、人にぶつかるくらいの混雑となっていました。途中、アトラクション的なコーナーがあり、そこでも5分~10分くらい待ちます。
さて、この展示は言わずと知れた人気のロールプレイングゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの25周年を記念した展示となっています。もう25年も経ったのか…とちょっと驚きですが、子供の頃に熱中したゲームですので、どのような展示か興味がありました。(ただ、私はファイナルファンタジーやサガ/ロマサガなどスクエアの方が好きだったのでドラクエは5までしかやっていません^^; 6以降は観てもよく分からなかったので悪しからず…)
展覧会はいくつかの章に分かれていたので、章ごとに簡単にご紹介していこうと思います。なお、所々にネタバレ的な要素がありますので、まっさらな状態で観に行きたいという方はここから先は見ないようにしてください。しばらく空白行を入れておきます。
空白行送り
まずは六本木ヒルズの入口でスライムがお出迎え。一応、原寸大のようです。

<第1章 伝説の冒険>
ダーマの神殿
展覧会に入ると、入口付近に天空の剣、王者の剣のレプリカがあり、今までのドラクエの年表などがあります。そして、展覧は冒険の書を選ぶところから始まります。
冒険の書は戦士、武闘家、僧侶、魔法使いの4種類あり、私は武闘家を選びました。

これはリメイクのドラクエ3の絵柄かな。
この冒険の書には5つの謎があり、○○の印はどれか?のような問題が書かれています。そのヒントと共に展覧会の中にある答えを探しながら観に行くことになります。
勇者の大地
少し進むと歴代主人公の等身大くらいのパネルが並んでいます。また、等身大モンスターの置物も置かれていて、このモンスターたちだけは撮影可能となっていました。
冒頭にいたのはドラキー

もう少し先には1からの歴代シリーズのプレイ画面のパネルが壁一面に敷き詰められ、その中にキャラクターデザインの鳥山明の原画が展示されていました。パッケージやキャラの原画で、3辺りまでは悟空が小さい頃のドラゴンボールのような感じです(当たり前ですがw) 5辺りから一気にスッキリした絵柄かな。7くらいになるとややリアルでまた雰囲気が違います。9になるとまたデフォルメ感が強いかな。
この辺にはあちこちでプレイ動画もあり、音楽も流れていました。
どの辺にいたか忘れましたが、撮ってきたモンスターたち
これはスライムナイト。

5では前半は仲間として頑張ってくれるけど、後半になると人間しか使わなくなって預けっぱなしだった記憶がw
こちらは さまようよろい

色的には地獄の鎧じゃないのかと思いますがw
こちらはゴーレムとメタルスライム

これは等身大という割には小さい気がします。
竜王の城
ここがアトラクションのようなところで5~10分程度待ちました。1回に30人くらい?が一緒に部屋の中に入ります。中では係の男性がいて、参加者から戦士、武闘家、僧侶、魔法使いからそれぞれ1人ずつ代表者を募ります。私の回の時にはいませんでしたが、勇者はいませんか~って訊いていたので、もしかしたら勇者の冒険書もあるのかな??
その代表者が揃ってそれぞれに武器を渡すと、竜王と戦うイベントが始まります。これは昔のディズニーランドのシンデレラ城の剣をかざす奴と同じような感じです。4人が剣や杖を振ると攻撃や魔法が起きるのですが、観た感じ、予め決まった画面に合わせて振ってるだけのようなw たまに全員で声を合わせたりするのがちょっと恥ずかしいですが、こういうのは照れたら負けですねw
<第2章 導かれし記憶>
続いてはドラクエの歴史のコーナーです。この章の冒頭には昭和を感じるファミコンの置かれたお茶の間の再現などもあります。
歴史の洞窟
まずはポートピア連続殺人事件やオホーツクに消ゆといったプロデューサー堀井雄二のゲームが並び、鳥山明や すぎやまこういち との出会いということで古いジャンプ(ムラサキ曹長とか出てる頃のドラゴンボールのページ)が展示されていました。
その先には鳥山明の手書きのモンスターの原画が60点並んでいます。大体はお馴染みのキャラクターなのですが、5のゲマとか重要キャラも若干いました。原画の後はすぎやまこういちの自筆の楽譜や、カセットやレコードもあります。
また、この辺にはドラクエの企画書などもあります。2のマップの案とか、操作仕様書、画面構成の案なども展示されています。方眼紙の上に描かれたラダトームの城のマップなどには細かい書き込みがあります。他にもドラクエ3のモンスター出現マップもあって、これはちょっと攻略に使えそうw
さらに進むと、またモンスターデザインのコーナーで、堀井雄二のモンスターラフと鳥山明の絵が並んでいます。スライムのラフなどはかなりドロドロでキモいのですが鳥山明の絵になると愛嬌があります。 というか、ラフは洋ゲーのようなリアルかつ下手っぴな感じで、ちょっと可笑しいですw 細かい設定も書かれていて、それも参考にしているようでした。
その後には実機やカセット、資料を並べたラックなどもあります。堀井雄二は分かりやすい和歌のようなリズムでセリフを書くように心がけていたそうです。ここには声に出して読みたい名セリフ6選ってのがあったのですが「ゆうべは おたのしみでしたね」という伝説のセリフもありますw
その近くにはドラクエ関連の雑誌や新聞があり、ジャンプの中のファミコン神拳で連載され、発売時には大騒ぎになったドラクエ3の新聞記事などもありました。これは今でも覚えていて懐かしいです。
続いては海外版のドラクエがあるのですが、パッケージからして日本のに似ても似つかない上にドラゴンウォリアーというタイトルに改変されています。これは商標の関係らしく、地名や人名、グラフィックなども海外に合わせて変更されていることが紹介されていました。
このコーナーの最後には歴代作品の店頭パンフレットやポスターが並んでいます。1にはポートピア連続殺人事件やドアドアも載ってて懐かしいですw
商人の宿
ここはドラクエ関連のグッズ紹介のコーナーです。フィギュアや筆記用具、カードゲームなどが並んでいます。特にカードゲームは沢山あったのですが観たことも無かったですw むしろドラクエの4コマ漫画とか無かったのが残念。
思い出の塔
ここは1~9まで実際に遊べるコーナーでした。並んでいたので私はやりませんでしたが、思い出しながらプレイしているしている人が多数いました。
<第3章 新たなる旅立ち>
最後は映像でドラクエ10の紹介をするコーナーでした。2012年にWiiとWii Uで出るそうでオンラインとなるようです。
最後に、すべての冒険の書の謎を解いて石版に合わせ、浮かび上がる文字を係の人に伝えると記念品をもらえます。

大きさとしては1円玉くらいです。
そして、会場を出ると会場以上に盛り上がっていたのがグッズ売り場! 特にモンスターのフィギュアが多めで、中でもスライムは多種多様なグッズが売られていました。ドラクエ好きはここを目当てに行っても良いかもしれません。
ということで、かなり人気の展覧会となっていました。まあ、展示されているものは原画と資料ぐらいですが、独特の世界観を楽しむことができるかと思いますので、ドラクエ大好きな人には楽しめるかなと。
私は年間パスがあるので300円で観ましたが、これだけを観に行って1800円というのはちょっと高い気がしますので、森美術館・東京シティビューとハシゴするのをお勧めします。(この日、私自身も森美術館にハシゴしたのですが、あまり時間がなくメモを取らなかったので、いずれもう一度行こうと思います。ご紹介はその時までお預けにしておきます^^;)
おまけ:
いつものカフェもルイーダの酒場となっていて、ドラクエのモンスターをモチーフにしたメニューなどがありました。

こちらも大人気でした。


【展覧名】
誕生25周年記念 ドラゴンクエスト展
【公式サイト】
http://www.dq25ten.jp/
http://www.roppongihills.com/art/macg/events/2011/10/macg_dragonquest.html
【会場】森アーツセンターギャラリー ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】六本木駅
【会期】2011年10月8日(土)~12月4日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日13時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_4_⑤_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
非常に人気のようで、入場するのに5分程度並びました。中に入ってもあちこち混んでいて、人にぶつかるくらいの混雑となっていました。途中、アトラクション的なコーナーがあり、そこでも5分~10分くらい待ちます。
さて、この展示は言わずと知れた人気のロールプレイングゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの25周年を記念した展示となっています。もう25年も経ったのか…とちょっと驚きですが、子供の頃に熱中したゲームですので、どのような展示か興味がありました。(ただ、私はファイナルファンタジーやサガ/ロマサガなどスクエアの方が好きだったのでドラクエは5までしかやっていません^^; 6以降は観てもよく分からなかったので悪しからず…)
展覧会はいくつかの章に分かれていたので、章ごとに簡単にご紹介していこうと思います。なお、所々にネタバレ的な要素がありますので、まっさらな状態で観に行きたいという方はここから先は見ないようにしてください。しばらく空白行を入れておきます。
空白行送り
まずは六本木ヒルズの入口でスライムがお出迎え。一応、原寸大のようです。

<第1章 伝説の冒険>
ダーマの神殿
展覧会に入ると、入口付近に天空の剣、王者の剣のレプリカがあり、今までのドラクエの年表などがあります。そして、展覧は冒険の書を選ぶところから始まります。
冒険の書は戦士、武闘家、僧侶、魔法使いの4種類あり、私は武闘家を選びました。

これはリメイクのドラクエ3の絵柄かな。
この冒険の書には5つの謎があり、○○の印はどれか?のような問題が書かれています。そのヒントと共に展覧会の中にある答えを探しながら観に行くことになります。
勇者の大地
少し進むと歴代主人公の等身大くらいのパネルが並んでいます。また、等身大モンスターの置物も置かれていて、このモンスターたちだけは撮影可能となっていました。
冒頭にいたのはドラキー

もう少し先には1からの歴代シリーズのプレイ画面のパネルが壁一面に敷き詰められ、その中にキャラクターデザインの鳥山明の原画が展示されていました。パッケージやキャラの原画で、3辺りまでは悟空が小さい頃のドラゴンボールのような感じです(当たり前ですがw) 5辺りから一気にスッキリした絵柄かな。7くらいになるとややリアルでまた雰囲気が違います。9になるとまたデフォルメ感が強いかな。
この辺にはあちこちでプレイ動画もあり、音楽も流れていました。
どの辺にいたか忘れましたが、撮ってきたモンスターたち
これはスライムナイト。

5では前半は仲間として頑張ってくれるけど、後半になると人間しか使わなくなって預けっぱなしだった記憶がw
こちらは さまようよろい

色的には地獄の鎧じゃないのかと思いますがw
こちらはゴーレムとメタルスライム

これは等身大という割には小さい気がします。
竜王の城
ここがアトラクションのようなところで5~10分程度待ちました。1回に30人くらい?が一緒に部屋の中に入ります。中では係の男性がいて、参加者から戦士、武闘家、僧侶、魔法使いからそれぞれ1人ずつ代表者を募ります。私の回の時にはいませんでしたが、勇者はいませんか~って訊いていたので、もしかしたら勇者の冒険書もあるのかな??
その代表者が揃ってそれぞれに武器を渡すと、竜王と戦うイベントが始まります。これは昔のディズニーランドのシンデレラ城の剣をかざす奴と同じような感じです。4人が剣や杖を振ると攻撃や魔法が起きるのですが、観た感じ、予め決まった画面に合わせて振ってるだけのようなw たまに全員で声を合わせたりするのがちょっと恥ずかしいですが、こういうのは照れたら負けですねw
<第2章 導かれし記憶>
続いてはドラクエの歴史のコーナーです。この章の冒頭には昭和を感じるファミコンの置かれたお茶の間の再現などもあります。
歴史の洞窟
まずはポートピア連続殺人事件やオホーツクに消ゆといったプロデューサー堀井雄二のゲームが並び、鳥山明や すぎやまこういち との出会いということで古いジャンプ(ムラサキ曹長とか出てる頃のドラゴンボールのページ)が展示されていました。
その先には鳥山明の手書きのモンスターの原画が60点並んでいます。大体はお馴染みのキャラクターなのですが、5のゲマとか重要キャラも若干いました。原画の後はすぎやまこういちの自筆の楽譜や、カセットやレコードもあります。
また、この辺にはドラクエの企画書などもあります。2のマップの案とか、操作仕様書、画面構成の案なども展示されています。方眼紙の上に描かれたラダトームの城のマップなどには細かい書き込みがあります。他にもドラクエ3のモンスター出現マップもあって、これはちょっと攻略に使えそうw
さらに進むと、またモンスターデザインのコーナーで、堀井雄二のモンスターラフと鳥山明の絵が並んでいます。スライムのラフなどはかなりドロドロでキモいのですが鳥山明の絵になると愛嬌があります。 というか、ラフは洋ゲーのようなリアルかつ下手っぴな感じで、ちょっと可笑しいですw 細かい設定も書かれていて、それも参考にしているようでした。
その後には実機やカセット、資料を並べたラックなどもあります。堀井雄二は分かりやすい和歌のようなリズムでセリフを書くように心がけていたそうです。ここには声に出して読みたい名セリフ6選ってのがあったのですが「ゆうべは おたのしみでしたね」という伝説のセリフもありますw
その近くにはドラクエ関連の雑誌や新聞があり、ジャンプの中のファミコン神拳で連載され、発売時には大騒ぎになったドラクエ3の新聞記事などもありました。これは今でも覚えていて懐かしいです。
続いては海外版のドラクエがあるのですが、パッケージからして日本のに似ても似つかない上にドラゴンウォリアーというタイトルに改変されています。これは商標の関係らしく、地名や人名、グラフィックなども海外に合わせて変更されていることが紹介されていました。
このコーナーの最後には歴代作品の店頭パンフレットやポスターが並んでいます。1にはポートピア連続殺人事件やドアドアも載ってて懐かしいですw
商人の宿
ここはドラクエ関連のグッズ紹介のコーナーです。フィギュアや筆記用具、カードゲームなどが並んでいます。特にカードゲームは沢山あったのですが観たことも無かったですw むしろドラクエの4コマ漫画とか無かったのが残念。
思い出の塔
ここは1~9まで実際に遊べるコーナーでした。並んでいたので私はやりませんでしたが、思い出しながらプレイしているしている人が多数いました。
<第3章 新たなる旅立ち>
最後は映像でドラクエ10の紹介をするコーナーでした。2012年にWiiとWii Uで出るそうでオンラインとなるようです。
最後に、すべての冒険の書の謎を解いて石版に合わせ、浮かび上がる文字を係の人に伝えると記念品をもらえます。

大きさとしては1円玉くらいです。
そして、会場を出ると会場以上に盛り上がっていたのがグッズ売り場! 特にモンスターのフィギュアが多めで、中でもスライムは多種多様なグッズが売られていました。ドラクエ好きはここを目当てに行っても良いかもしれません。
ということで、かなり人気の展覧会となっていました。まあ、展示されているものは原画と資料ぐらいですが、独特の世界観を楽しむことができるかと思いますので、ドラクエ大好きな人には楽しめるかなと。
私は年間パスがあるので300円で観ましたが、これだけを観に行って1800円というのはちょっと高い気がしますので、森美術館・東京シティビューとハシゴするのをお勧めします。(この日、私自身も森美術館にハシゴしたのですが、あまり時間がなくメモを取らなかったので、いずれもう一度行こうと思います。ご紹介はその時までお預けにしておきます^^;)
おまけ:
いつものカフェもルイーダの酒場となっていて、ドラクエのモンスターをモチーフにしたメニューなどがありました。


こちらも大人気でした。
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ここ数日、府中の記事をご紹介してきましたが、今日で最終回です。府中市美術館の展示を観た後、今回もいつも通り府中競馬場に行ってきました。この日は毎日王冠が開催されていました。

どうせならG1の天皇賞秋のタイミングに行けば良かった気もしますが、個人的にはG2の毎日王冠くらいのほうが空いていて好きだったりしますw
参考記事:
大國魂神社と東京競馬場の写真
青葉賞2010 (東京競馬場の案内)
JRA競馬博物館とジャパンカップ
青葉賞 (東京競馬場の案内)
結構メインレースぎりぎりの時間につきました。

正門付近には以前ご紹介したポニーのチャッピーとエミがいました。相変わらずの人気です。

入場してすぐパドックに。G2でもこの活気。

事前に大体予想してはいたのですが、パドックで特に注目したのは3頭。
今年6月のG1安田記念を勝ったリアルインパクト。まだ3歳ですが格で言えば今回随一。東京で3着以内を外したことがありません。

前走エプソムカップでこの東京の同距離を勝っているダークシャドウ。東京では無敗という安定感なので、私も本命です。

6月から3連勝で、前走はついに朝日CCで重賞も制覇したミッキードリーム。勢いは侮れません。

ということで、この3頭を軸に馬券を買うことにしました。上は連れの予想。下が私の予想。

いつも通り、賭け金少なめ本命サイドのお遊びですw
早速スタンドへ。秋晴れで良い天気に恵まれました。

そしてレース。

最後の直線でリアルインパクトが抜け出し逃げ切りを決めそうになった時、最後の最後で外からダークシャドウが差し切るという豪快な勝ち方をしました。3着にはミッキードリームが入り、私も連れも見事的中。私は3点ヒットで600円が1610円に、連れは300円が800円になりました^^
見事勝利のダークシャドウ。せっかくなのでウィナーズサークルも観てきました。

これは秋の天皇賞も楽しみな1頭です。結果次第では香港にも遠征するそうです。
ということで、今回も楽しんできました。私は府中へ行くなら競馬場に行かないと行った気がしませんw あまりやる人はいないかもしれませんが、府中市美術館と東京競馬場のセットは府中を楽しみ尽くすコースではないかと思います。

どうせならG1の天皇賞秋のタイミングに行けば良かった気もしますが、個人的にはG2の毎日王冠くらいのほうが空いていて好きだったりしますw
参考記事:
大國魂神社と東京競馬場の写真
青葉賞2010 (東京競馬場の案内)
JRA競馬博物館とジャパンカップ
青葉賞 (東京競馬場の案内)
結構メインレースぎりぎりの時間につきました。

正門付近には以前ご紹介したポニーのチャッピーとエミがいました。相変わらずの人気です。

入場してすぐパドックに。G2でもこの活気。

事前に大体予想してはいたのですが、パドックで特に注目したのは3頭。
今年6月のG1安田記念を勝ったリアルインパクト。まだ3歳ですが格で言えば今回随一。東京で3着以内を外したことがありません。

前走エプソムカップでこの東京の同距離を勝っているダークシャドウ。東京では無敗という安定感なので、私も本命です。

6月から3連勝で、前走はついに朝日CCで重賞も制覇したミッキードリーム。勢いは侮れません。

ということで、この3頭を軸に馬券を買うことにしました。上は連れの予想。下が私の予想。

いつも通り、賭け金少なめ本命サイドのお遊びですw
早速スタンドへ。秋晴れで良い天気に恵まれました。


そしてレース。

最後の直線でリアルインパクトが抜け出し逃げ切りを決めそうになった時、最後の最後で外からダークシャドウが差し切るという豪快な勝ち方をしました。3着にはミッキードリームが入り、私も連れも見事的中。私は3点ヒットで600円が1610円に、連れは300円が800円になりました^^
見事勝利のダークシャドウ。せっかくなのでウィナーズサークルも観てきました。

これは秋の天皇賞も楽しみな1頭です。結果次第では香港にも遠征するそうです。
ということで、今回も楽しんできました。私は府中へ行くなら競馬場に行かないと行った気がしませんw あまりやる人はいないかもしれませんが、府中市美術館と東京競馬場のセットは府中を楽しみ尽くすコースではないかと思います。
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前々回、前回と府中市美術館の展示をご紹介しましたが、府中市美術館に行く前に京王府中駅のすぐ近くにある武蔵野うどんというお店でお昼を摂っていました。

【店名】
武蔵野うどん
【ジャンル】
うどん
【紹介サイト】
食べログ:http://r.tabelog.com/tokyo/A1326/A132602/13036012/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
京王線府中駅
【近くの美術館】
府中市美術館
【この日にかかった1人の費用】
850円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(日曜日12時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
お昼時でしたが、思ったより空いていてすんなりと入ることが出来ました。
ここは以前にコメントで教えて頂いたお店なのですが、調べてみると結構有名なお店のようです。府中は学生の時からだいぶ通っていますが、初めて知りました。武蔵野うどんというのはこの辺りのうどんの総称のようで、昔は冠婚葬祭の時に食べられていたようです。このお店はその名前をそのまま店名にしてるだけあって、食べたらその特徴がわかったように思います。
参考リンク:武蔵野うどんのWikipedia
中に入るとこんな感じでアットホームな雰囲気のお店となっています。

この日、私は肉かけうどん2玉(750円+100円で850円)を頼みました。

強いコシで詰まった感じがします。しかし表面はそこまで固くなく、ぐいぐい食べる感じが気持ち良かったです。これが武蔵野うどんの特徴みたいですね。 肉も美味しい^^
連れは肉きのこもりうどん(870円)。

こちらも美味しかったようです。
ということで、ちょっと素朴な感じの美味しいうどんを食べることができました。ここは京王府中駅からすぐ近くにあるので、美術館に行くにも競馬に行くにも便利な所にあるので重宝しそうです。府中は結構行く機会があるので、またリピートしてみようと思います。

【店名】
武蔵野うどん
【ジャンル】
うどん
【紹介サイト】
食べログ:http://r.tabelog.com/tokyo/A1326/A132602/13036012/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
京王線府中駅
【近くの美術館】
府中市美術館
【この日にかかった1人の費用】
850円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(日曜日12時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
お昼時でしたが、思ったより空いていてすんなりと入ることが出来ました。
ここは以前にコメントで教えて頂いたお店なのですが、調べてみると結構有名なお店のようです。府中は学生の時からだいぶ通っていますが、初めて知りました。武蔵野うどんというのはこの辺りのうどんの総称のようで、昔は冠婚葬祭の時に食べられていたようです。このお店はその名前をそのまま店名にしてるだけあって、食べたらその特徴がわかったように思います。
参考リンク:武蔵野うどんのWikipedia
中に入るとこんな感じでアットホームな雰囲気のお店となっています。

この日、私は肉かけうどん2玉(750円+100円で850円)を頼みました。

強いコシで詰まった感じがします。しかし表面はそこまで固くなく、ぐいぐい食べる感じが気持ち良かったです。これが武蔵野うどんの特徴みたいですね。 肉も美味しい^^
連れは肉きのこもりうどん(870円)。

こちらも美味しかったようです。
ということで、ちょっと素朴な感じの美味しいうどんを食べることができました。ここは京王府中駅からすぐ近くにあるので、美術館に行くにも競馬に行くにも便利な所にあるので重宝しそうです。府中は結構行く機会があるので、またリピートしてみようと思います。
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前回ご紹介した世紀末展を観た後、府中市美術館の常設を観てきました。常設と言っても「明治・大正・昭和の洋画 小特集 水絵のせかい」というタイトルがつけられていて、期間も決まっているようでした。

【展覧名】
明治・大正・昭和の洋画
小特集 水絵のせかい
【公式サイト】
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/jyosetu/ichiran/H23_permanent_collection/index.html
【会場】府中市美術館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】京王線府中駅/京王線東府中駅/JR中央線武蔵小金井駅など
【会期】
2011年9月17日(土)~11月23日(祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
空いていてゆっくり観ることができました。
さて、今回はタイトルの通り明治・大正・昭和の洋画が中心の常設展示となっています。以前ご紹介した作品も結構あったので、今回はまだご紹介していない作品中心に気に入ったものをご紹介していこうと思います。
参考記事:
府中市美術館の常設 (2011年03月)
府中市美術館の常設 (2010年10月)
アントニオ・フォンタネージ 「風景」
草むらとこんもりした森のようなものを描いた風景画です。その上にはおぼろげに月?が浮かび、ぼんやりと神秘的な雰囲気がありました。バルビゾン派に影響を受けた画家だけに、それっぽい画風です。
浅井忠 「琵琶湖」
横長の絵で、琵琶湖に浮かぶ縦長の帆の舟が2艘描かれています。背景には山が描かれているのですが、裾野しか収まっておらず、それがかえって山の大きさや広がりを感じさせました。舟の上の人たちはのんびりした雰囲気です。
アルフレッド・イースト 「富士山」
手前に水辺、左奥に日の光に照らされた富士山が写実的に描かれた作品です。水辺には沢山の白い鳥たちが水面ギリギリを飛んでいます。周りには雲や霧のようなものが立ちこめ、富士の雄大さと自然の美しさが表現されていました。
正宗徳三郎 「初秋の窓」
窓辺で本を広げて読んでいる中年くらいの女性を描いた作品です。窓の外には緑が繁り、窓には白いカーテンがかかっています。印象派のような明るさで描かれ、女性は静かで知的な雰囲気がありました。
長谷川利行 「荒川風景」
かなり簡略化されたタッチで素朴な作風で、荒川とその周りの風景が描かれています。手前には電柱が並び、背景には4本煙突の工場らしき建物も描かれているなど、ちょっと昔の下町の風景といった感じです。何処か懐かしくノスタルジックな雰囲気がありました。
松本竣介 「ビルの横」 ★こちらで観られます
幾何学的な四角や長方形が並んだビルを描いた作品です。風化したような表現で、静けさと超然とした雰囲気がありました。ビルの一部分を切り取ったような構図を前面に出しているような感じすら受けました。
斎藤義重 「ハンガー」
これは絵というより板を張り合わせたような作品で、深い赤を背景にハンガーというか白い4本の櫛の歯のようなものが垂れるように表現されている作品です。非常に抽象的ですが、赤に白が映えて、有機的なフォルムが優美な雰囲気を出していました。
常設の最後にある小部屋には水彩作品が並んでいました。
古賀春江 「橋」
かなり抽象化された作風で橋のたもととそこを渡ろうとしている人(荷車を引いている?)を描いた作品です。雨が降っているのか所々に斜線があり、水彩の淡さとぼんやりした表現で風情がありました。古賀春江というとシュルレアリスムの作風を思い浮かべますが、水彩ではこういう作風もあるのかと驚きました。
牛島憲之記念館の方には「残夏」や「樽のある街」、「灯台のある島」、「灯台」など好きな作品が展示されていました。
参考記事:牛島憲之 ―至高なる静謐― (松濤美術館)
と言うことで、常設も楽しむことができました。ここは牛島憲之の作品も含めて独特のコレクションとなっていますので、特別展を観る機会があったら常設も合わせて観ることをお勧めします。

【展覧名】
明治・大正・昭和の洋画
小特集 水絵のせかい
【公式サイト】
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/jyosetu/ichiran/H23_permanent_collection/index.html
【会場】府中市美術館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】京王線府中駅/京王線東府中駅/JR中央線武蔵小金井駅など
【会期】
2011年9月17日(土)~11月23日(祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
空いていてゆっくり観ることができました。
さて、今回はタイトルの通り明治・大正・昭和の洋画が中心の常設展示となっています。以前ご紹介した作品も結構あったので、今回はまだご紹介していない作品中心に気に入ったものをご紹介していこうと思います。
参考記事:
府中市美術館の常設 (2011年03月)
府中市美術館の常設 (2010年10月)
アントニオ・フォンタネージ 「風景」
草むらとこんもりした森のようなものを描いた風景画です。その上にはおぼろげに月?が浮かび、ぼんやりと神秘的な雰囲気がありました。バルビゾン派に影響を受けた画家だけに、それっぽい画風です。
浅井忠 「琵琶湖」
横長の絵で、琵琶湖に浮かぶ縦長の帆の舟が2艘描かれています。背景には山が描かれているのですが、裾野しか収まっておらず、それがかえって山の大きさや広がりを感じさせました。舟の上の人たちはのんびりした雰囲気です。
アルフレッド・イースト 「富士山」
手前に水辺、左奥に日の光に照らされた富士山が写実的に描かれた作品です。水辺には沢山の白い鳥たちが水面ギリギリを飛んでいます。周りには雲や霧のようなものが立ちこめ、富士の雄大さと自然の美しさが表現されていました。
正宗徳三郎 「初秋の窓」
窓辺で本を広げて読んでいる中年くらいの女性を描いた作品です。窓の外には緑が繁り、窓には白いカーテンがかかっています。印象派のような明るさで描かれ、女性は静かで知的な雰囲気がありました。
長谷川利行 「荒川風景」
かなり簡略化されたタッチで素朴な作風で、荒川とその周りの風景が描かれています。手前には電柱が並び、背景には4本煙突の工場らしき建物も描かれているなど、ちょっと昔の下町の風景といった感じです。何処か懐かしくノスタルジックな雰囲気がありました。
松本竣介 「ビルの横」 ★こちらで観られます
幾何学的な四角や長方形が並んだビルを描いた作品です。風化したような表現で、静けさと超然とした雰囲気がありました。ビルの一部分を切り取ったような構図を前面に出しているような感じすら受けました。
斎藤義重 「ハンガー」
これは絵というより板を張り合わせたような作品で、深い赤を背景にハンガーというか白い4本の櫛の歯のようなものが垂れるように表現されている作品です。非常に抽象的ですが、赤に白が映えて、有機的なフォルムが優美な雰囲気を出していました。
常設の最後にある小部屋には水彩作品が並んでいました。
古賀春江 「橋」
かなり抽象化された作風で橋のたもととそこを渡ろうとしている人(荷車を引いている?)を描いた作品です。雨が降っているのか所々に斜線があり、水彩の淡さとぼんやりした表現で風情がありました。古賀春江というとシュルレアリスムの作風を思い浮かべますが、水彩ではこういう作風もあるのかと驚きました。
牛島憲之記念館の方には「残夏」や「樽のある街」、「灯台のある島」、「灯台」など好きな作品が展示されていました。
参考記事:牛島憲之 ―至高なる静謐― (松濤美術館)
と言うことで、常設も楽しむことができました。ここは牛島憲之の作品も含めて独特のコレクションとなっていますので、特別展を観る機会があったら常設も合わせて観ることをお勧めします。
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先日、府中まで遠征して府中市美術館で「世紀末、美のかたち」を観てきました。会期中、一部の展示品の入れ替えがあるようで、私が観たのは前期の日程となっていました。

【展覧名】
世紀末、美のかたち
【公式サイト】
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/seikimatsu/index.html
【会場】府中市美術館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】京王線府中駅/京王線東府中駅/JR中央線武蔵小金井駅など
【会期】
前期:2011年09月17日~10月16日
後期:2011年10月18日~11月23日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日13時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
空いていてゆっくり観ることができました。
さて、今回の展示は19世紀末の絵画や工芸を80点ほど集めた内容となっています。名前から分離派の展示かと思いましたが、アール・ヌーボーやルドン、ドニ、ゴーギャンなど数名の作家の作品が並ぶ展示となっていました。詳しくは章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。なお、似たような作品名が多いので、作品番号も入れておこうと思います。
参考記事:
オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー (世田谷美術館)
アール・ヌーヴォーのポスター芸術展 (松屋銀座)
群馬ガラス工芸美術館の案内
エミール・ガレの生きた時代 (目黒区美術館)
<自然とかたち>
まずは自然をモチーフとした作品の並ぶコーナーです。(まあどの章も自然をモチーフにした作品が多いですがw) 19世紀末には自然観に大きな変化があったそうで、生命の根源に対する驚きや畏怖、興味が作家たちの創作の理念を生んだそうです。
3 アルフォンス・ミュシャ 「アイリス」
アイリス、百合、カーネーション、バラの4枚セットのポスターのうちの1枚です。伏目がちの女性が立ち、周りにはアイリスの花々が描かれています。ミュシャ特有の装飾的で優美な雰囲気があり、花の精のような女性像でした。
隣には百合の作品もありました。また、同じアイリスを主題にしたガレの花器もあります。
参考記事:アルフォンス・ミュシャ展 (三鷹市美術ギャラリー)
1 ルネ・ラリック 「ブローチ 羽のあるニンフ」 ★こちらで観られます
今回のポスターになっている作品で、水から上がって来たような、腰をくねらせた蝶の羽の生えた女性のブローチです。繊細で優美で煌びやか! ラリックらしさのよく出ている気品のある作品でした。
隣にあった甲虫のブローチも可愛らしかったです。
参考記事:
生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ 感想前編 (国立新美術館)
生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ 感想後編 (国立新美術館)
生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ 2回目感想前編 (国立新美術館)
生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ 2回目感想後編 (国立新美術館)
ラリック家の女神たち (箱根ラリック美術館)
10 ドーム兄弟 「蔓草文花器」
大きめの緑色のガラス花器です。ほっそりした首で側面に蔓(つる)の模様があります。被せガラスで繊細な色合いで意匠と共に楽しめました。
この辺はガレやドームのガラスの花器が並んでいます。
7 エミール・ガレ 「魚文瓶」
丸っこい胴と細い首の瓶です。瓶の先端には魚の尾のような栓があり、胴にはヒレのような物がついていて、全体的に下を向いた魚のような形となっています。また、胴には青っぽく飛び散るような斑点が無数にあり、海を思わせます。その真ん中辺りに頭を出す大きな魚もあしらわれ、上方の小魚たちを食べようとしているかのようでした。形も側面も魚をモチーフにしていて面白かったです。
16 ルネ・ラリック 「三足鉢 シレーヌ」
半透明の皿に裸婦が彫りこまれている作品です。これは船人を美しい歌声で海に引きこんで死なせる妖精シレーヌをモチーフにしたもので、髪の毛は水泡となっていて足は水の中に溶け込むような感じです。曲線や流体の表現がしなやかで、妖艶な美しさがありました。
この近くは同じようにシレーヌをモチーフにした作品や、カリプソという海の女神を象ったガラス器もありました。結構見覚えがある作品が多いですが、久々に観ると改めて良さを感じます。
20 ルネ・ラリック 「花瓶 シレーヌ、人物像の栓 あるいは 群像」
扁平な瓶の蓋が、頭を抑えている女性(シレーヌ?)になっている作品です。オパルセントガラスの柔らかい乳白色の色彩が高級感と気品を感じさせます。本体側面の両脇にも女性像と思われるものがおぼろげに表現されていて幻想的な雰囲気がありました。
<文字を刻む>
この時代の絵画や工芸の中には時折、文字を刻んだ作品があるそうで、例えばガレは深い文学的な言葉を刻んでいたこともあるそうです。これは芸術の中で絵画や彫刻に比べて下位とされていたガラス工芸を本格的な芸術に高める試みと考えられるようです。一方、ミュシャはポスターという文字が重要な媒体において、絵と文字を等価的に扱い装飾と化して融合させたそうです。ここにはそうした文字を作品に取り込んだ作品が並んでいました。
25 アルフォンス・ミュシャ 「サラ・ベルナール」
女優サラ・ベルナールを正面から描いた作品です。頭に星型の飾りのティアラを被り、沢山の白百合をつけています。巻き髪は様式化されて、背景には光輪のような輪があってサラ・ベルナールの名前が装飾的に書かれていました。周りも星模様で可愛らしい雰囲気です。
この隣にはミュシャの「ジスモンダ」のポスターにそっくりな「アメリカン・ツアー」という作品がありました。ミュシャがジスモンダを元に改変したもののようです。また、ポール・ゴーギャンの「ノア・ノア(かぐわしい、かぐわしい)」なども展示されていました。
参考記事:ゴーギャン展2009 (東京国立近代美術館)
21 エミール・ガレ 「好かれようと気にかける」 ★こちらで観られます
ちょっと暗めで分かりづらいですが、トンボとそれを見るカエルが象られた壺です。下の方には文字が刻まれ「Souci de plaire」とあり、これが「好かれようと気にかける」という意味のようです。Souciというのはキンセンカを指す意味もあるようで、文字の隣には花も彫られていました。カエルはトンボを食べようとして好かれようとしているのか、単にトンボに恋したのか、詳しい意図は不明だそうで、見るものの想像をかきたてる作品となっていました。ガレはカエルやトンボを題材にした作品が多いように思います。
参考記事:国立エルミタージュ美術館所蔵 皇帝の愛したガラス 感想後編(東京都庭園美術館)
<異形の美>
ガレの器の虫や海の生物、ルドンの奇怪な怪物など、この時代の作品には異形な生物がよく使われたそうです。当時は醜いと捉えられたようですが、このコーナーではそうした作品を並べた面白い趣向となっていました。
39 オディロン・ルドン 「すると魚の体に人間の頭をつけた奇妙な生物が現れる『聖アントワーヌの誘惑』第1集5」
白黒の版画作品です。これは神を描いたもので、魚の体に人の頭を持った生き物の姿で表現されています。水の中を漂っているような感じで、その近くには顕微鏡で覗いて描いた微生物などもあり奇妙な現実感と幻想性を持っていました。
他にも「いたるところで瞳が燃える」などの有名作品も並んでいます。
参考記事:19世紀フランス版画の闇と光 ― メリヨン、ブレダン、ブラックモン、ルドン (国立西洋美術館)
40 エミール・ガレ 「蘭文花器」
八角形のカクカクした形の花器です。側面に蘭の花が貼り付けられていて、花器としては異形の雰囲気があります。花びらまで立体的で飛び出しているので、文様というよりは彫刻作品のようです。その発想が面白い作品でした。
この辺にはガレのタツノオトシゴの形の花器もありました。ガレやドームのガラスケースの合間にルドンの作品が並んでいる感じです。
33 エミール・ガレ 「クニダリア文花器」
クニダリアというのはクラゲや珊瑚、イソギンチャクなど毒針を持った生物の総称だそうで、側面にイソギンチャクかクラゲかわからない奇妙な生き物が揺らめいています。若干キモい感じもしますが独創的な主題の作品で驚きました。
近くにはトカゲや虫をモチーフにした作品や、ドームの蜘蛛の巣の花器などもありました。
<光と闇>
印象派以降、新たな光の表現が生まれ絵画意外にも広まって行きました。ここには新たな光と闇の表現の作品が並んでいました。
43 ポール・ゴーギャン 「デ・ポ(大いなる夜) (『10の木版画集』)」
素朴な白黒の版画です。簡素なベッドに横たわる少女と、その後ろにいる3人の人々が描かれていて、この3人はタヒチで暗闇に住むと恐れられた死霊たちのようです。それを恐れてか脇でランプを灯しています。当地の風習や闇への畏れを感じる作品でした。
53 オディロン・ルドン 「彼はまっさかさまに深淵へおちてゆく(『聖アントワーヌの誘惑』第3集17)」
太陽神アポロが日輪の馬車から奈落の底に落ちていく様子を描いた作品です。のけぞって真っ暗なところに落ちて行く様子や、立ち上がっている馬が光りに包まれている表現が神秘的でした。
49 エミール・ガレ 「樹陰」
森の中の木々を表現した花器です。周りは暗めで被せガラスを重ねて森の中の雰囲気を出しています。後ろから光を照らす展示方法となっていて、まるで森の中で木漏れ日が覗いているような感じでした。これは面白い展示方法でした。
58 エミール・ガレ 「蜉蝣文鉢」
黄色っぽい鉢の側面に無数のカゲロウが描かれた作品です。茶色の物や白いもの、シルエットのようなものなどが重なりあって神秘的な雰囲気がありました。
55 オディロン・ルドン 「眼をとじて」 ★こちらで観られます
水面のようなところで男か女か分からない人が目をつぶって頭を出している様子を描いた作品です。水面や周りの光が柔らかく描かれ、幻想的な雰囲気です。どういう意味があるのか分かりませんが静かで夢の中のような感じを受けました。これは、以前オルセー展で観た作品と似ている気がします。
参考記事:オルセー美術館展2010 ポスト印象派 感想後編(国立新美術館)
78 ドーム兄弟 「蜻蛉に水草文花器」
縦長の花器で、水面と蓮の葉、その上を飛ぶトンボの姿が描かれ、夕焼けに染まった背景と共に美しい色合いです。単純化されていて、どこか日本風の雰囲気もありました。
66 モーリス・ドニ 「それは敬虔な神秘さだった(『愛』4)」
ドニの版画集「愛」のコーナーにあった7点のうちの1点です。これは婚約者マルトへの愛情を綴った作品で、リトグラフで柔らかい色彩となっています。この作品は窓辺で母娘のような2人が向かい合い眼を閉じて触れ合おうとしています。窓から入る光が2人を包み神聖な雰囲気がありました。
参考記事:モーリス・ドニ -いのちの輝き、子どものいる風景- (損保ジャパン東郷青児美術館)
ということで、アールヌーヴォーが多めの展示で楽しむことができました。静かに見ることが出来たのも良かったです。
この後、常設も楽しんできました。次回はそれをご紹介したいと思います。

【展覧名】
世紀末、美のかたち
【公式サイト】
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/seikimatsu/index.html
【会場】府中市美術館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】京王線府中駅/京王線東府中駅/JR中央線武蔵小金井駅など
【会期】
前期:2011年09月17日~10月16日
後期:2011年10月18日~11月23日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日13時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
空いていてゆっくり観ることができました。
さて、今回の展示は19世紀末の絵画や工芸を80点ほど集めた内容となっています。名前から分離派の展示かと思いましたが、アール・ヌーボーやルドン、ドニ、ゴーギャンなど数名の作家の作品が並ぶ展示となっていました。詳しくは章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。なお、似たような作品名が多いので、作品番号も入れておこうと思います。
参考記事:
オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー (世田谷美術館)
アール・ヌーヴォーのポスター芸術展 (松屋銀座)
群馬ガラス工芸美術館の案内
エミール・ガレの生きた時代 (目黒区美術館)
<自然とかたち>
まずは自然をモチーフとした作品の並ぶコーナーです。(まあどの章も自然をモチーフにした作品が多いですがw) 19世紀末には自然観に大きな変化があったそうで、生命の根源に対する驚きや畏怖、興味が作家たちの創作の理念を生んだそうです。
3 アルフォンス・ミュシャ 「アイリス」
アイリス、百合、カーネーション、バラの4枚セットのポスターのうちの1枚です。伏目がちの女性が立ち、周りにはアイリスの花々が描かれています。ミュシャ特有の装飾的で優美な雰囲気があり、花の精のような女性像でした。
隣には百合の作品もありました。また、同じアイリスを主題にしたガレの花器もあります。
参考記事:アルフォンス・ミュシャ展 (三鷹市美術ギャラリー)
1 ルネ・ラリック 「ブローチ 羽のあるニンフ」 ★こちらで観られます
今回のポスターになっている作品で、水から上がって来たような、腰をくねらせた蝶の羽の生えた女性のブローチです。繊細で優美で煌びやか! ラリックらしさのよく出ている気品のある作品でした。
隣にあった甲虫のブローチも可愛らしかったです。
参考記事:
生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ 感想前編 (国立新美術館)
生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ 感想後編 (国立新美術館)
生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ 2回目感想前編 (国立新美術館)
生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ 2回目感想後編 (国立新美術館)
ラリック家の女神たち (箱根ラリック美術館)
10 ドーム兄弟 「蔓草文花器」
大きめの緑色のガラス花器です。ほっそりした首で側面に蔓(つる)の模様があります。被せガラスで繊細な色合いで意匠と共に楽しめました。
この辺はガレやドームのガラスの花器が並んでいます。
7 エミール・ガレ 「魚文瓶」
丸っこい胴と細い首の瓶です。瓶の先端には魚の尾のような栓があり、胴にはヒレのような物がついていて、全体的に下を向いた魚のような形となっています。また、胴には青っぽく飛び散るような斑点が無数にあり、海を思わせます。その真ん中辺りに頭を出す大きな魚もあしらわれ、上方の小魚たちを食べようとしているかのようでした。形も側面も魚をモチーフにしていて面白かったです。
16 ルネ・ラリック 「三足鉢 シレーヌ」
半透明の皿に裸婦が彫りこまれている作品です。これは船人を美しい歌声で海に引きこんで死なせる妖精シレーヌをモチーフにしたもので、髪の毛は水泡となっていて足は水の中に溶け込むような感じです。曲線や流体の表現がしなやかで、妖艶な美しさがありました。
この近くは同じようにシレーヌをモチーフにした作品や、カリプソという海の女神を象ったガラス器もありました。結構見覚えがある作品が多いですが、久々に観ると改めて良さを感じます。
20 ルネ・ラリック 「花瓶 シレーヌ、人物像の栓 あるいは 群像」
扁平な瓶の蓋が、頭を抑えている女性(シレーヌ?)になっている作品です。オパルセントガラスの柔らかい乳白色の色彩が高級感と気品を感じさせます。本体側面の両脇にも女性像と思われるものがおぼろげに表現されていて幻想的な雰囲気がありました。
<文字を刻む>
この時代の絵画や工芸の中には時折、文字を刻んだ作品があるそうで、例えばガレは深い文学的な言葉を刻んでいたこともあるそうです。これは芸術の中で絵画や彫刻に比べて下位とされていたガラス工芸を本格的な芸術に高める試みと考えられるようです。一方、ミュシャはポスターという文字が重要な媒体において、絵と文字を等価的に扱い装飾と化して融合させたそうです。ここにはそうした文字を作品に取り込んだ作品が並んでいました。
25 アルフォンス・ミュシャ 「サラ・ベルナール」
女優サラ・ベルナールを正面から描いた作品です。頭に星型の飾りのティアラを被り、沢山の白百合をつけています。巻き髪は様式化されて、背景には光輪のような輪があってサラ・ベルナールの名前が装飾的に書かれていました。周りも星模様で可愛らしい雰囲気です。
この隣にはミュシャの「ジスモンダ」のポスターにそっくりな「アメリカン・ツアー」という作品がありました。ミュシャがジスモンダを元に改変したもののようです。また、ポール・ゴーギャンの「ノア・ノア(かぐわしい、かぐわしい)」なども展示されていました。
参考記事:ゴーギャン展2009 (東京国立近代美術館)
21 エミール・ガレ 「好かれようと気にかける」 ★こちらで観られます
ちょっと暗めで分かりづらいですが、トンボとそれを見るカエルが象られた壺です。下の方には文字が刻まれ「Souci de plaire」とあり、これが「好かれようと気にかける」という意味のようです。Souciというのはキンセンカを指す意味もあるようで、文字の隣には花も彫られていました。カエルはトンボを食べようとして好かれようとしているのか、単にトンボに恋したのか、詳しい意図は不明だそうで、見るものの想像をかきたてる作品となっていました。ガレはカエルやトンボを題材にした作品が多いように思います。
参考記事:国立エルミタージュ美術館所蔵 皇帝の愛したガラス 感想後編(東京都庭園美術館)
<異形の美>
ガレの器の虫や海の生物、ルドンの奇怪な怪物など、この時代の作品には異形な生物がよく使われたそうです。当時は醜いと捉えられたようですが、このコーナーではそうした作品を並べた面白い趣向となっていました。
39 オディロン・ルドン 「すると魚の体に人間の頭をつけた奇妙な生物が現れる『聖アントワーヌの誘惑』第1集5」
白黒の版画作品です。これは神を描いたもので、魚の体に人の頭を持った生き物の姿で表現されています。水の中を漂っているような感じで、その近くには顕微鏡で覗いて描いた微生物などもあり奇妙な現実感と幻想性を持っていました。
他にも「いたるところで瞳が燃える」などの有名作品も並んでいます。
参考記事:19世紀フランス版画の闇と光 ― メリヨン、ブレダン、ブラックモン、ルドン (国立西洋美術館)
40 エミール・ガレ 「蘭文花器」
八角形のカクカクした形の花器です。側面に蘭の花が貼り付けられていて、花器としては異形の雰囲気があります。花びらまで立体的で飛び出しているので、文様というよりは彫刻作品のようです。その発想が面白い作品でした。
この辺にはガレのタツノオトシゴの形の花器もありました。ガレやドームのガラスケースの合間にルドンの作品が並んでいる感じです。
33 エミール・ガレ 「クニダリア文花器」
クニダリアというのはクラゲや珊瑚、イソギンチャクなど毒針を持った生物の総称だそうで、側面にイソギンチャクかクラゲかわからない奇妙な生き物が揺らめいています。若干キモい感じもしますが独創的な主題の作品で驚きました。
近くにはトカゲや虫をモチーフにした作品や、ドームの蜘蛛の巣の花器などもありました。
<光と闇>
印象派以降、新たな光の表現が生まれ絵画意外にも広まって行きました。ここには新たな光と闇の表現の作品が並んでいました。
43 ポール・ゴーギャン 「デ・ポ(大いなる夜) (『10の木版画集』)」
素朴な白黒の版画です。簡素なベッドに横たわる少女と、その後ろにいる3人の人々が描かれていて、この3人はタヒチで暗闇に住むと恐れられた死霊たちのようです。それを恐れてか脇でランプを灯しています。当地の風習や闇への畏れを感じる作品でした。
53 オディロン・ルドン 「彼はまっさかさまに深淵へおちてゆく(『聖アントワーヌの誘惑』第3集17)」
太陽神アポロが日輪の馬車から奈落の底に落ちていく様子を描いた作品です。のけぞって真っ暗なところに落ちて行く様子や、立ち上がっている馬が光りに包まれている表現が神秘的でした。
49 エミール・ガレ 「樹陰」
森の中の木々を表現した花器です。周りは暗めで被せガラスを重ねて森の中の雰囲気を出しています。後ろから光を照らす展示方法となっていて、まるで森の中で木漏れ日が覗いているような感じでした。これは面白い展示方法でした。
58 エミール・ガレ 「蜉蝣文鉢」
黄色っぽい鉢の側面に無数のカゲロウが描かれた作品です。茶色の物や白いもの、シルエットのようなものなどが重なりあって神秘的な雰囲気がありました。
55 オディロン・ルドン 「眼をとじて」 ★こちらで観られます
水面のようなところで男か女か分からない人が目をつぶって頭を出している様子を描いた作品です。水面や周りの光が柔らかく描かれ、幻想的な雰囲気です。どういう意味があるのか分かりませんが静かで夢の中のような感じを受けました。これは、以前オルセー展で観た作品と似ている気がします。
参考記事:オルセー美術館展2010 ポスト印象派 感想後編(国立新美術館)
78 ドーム兄弟 「蜻蛉に水草文花器」
縦長の花器で、水面と蓮の葉、その上を飛ぶトンボの姿が描かれ、夕焼けに染まった背景と共に美しい色合いです。単純化されていて、どこか日本風の雰囲気もありました。
66 モーリス・ドニ 「それは敬虔な神秘さだった(『愛』4)」
ドニの版画集「愛」のコーナーにあった7点のうちの1点です。これは婚約者マルトへの愛情を綴った作品で、リトグラフで柔らかい色彩となっています。この作品は窓辺で母娘のような2人が向かい合い眼を閉じて触れ合おうとしています。窓から入る光が2人を包み神聖な雰囲気がありました。
参考記事:モーリス・ドニ -いのちの輝き、子どものいる風景- (損保ジャパン東郷青児美術館)
ということで、アールヌーヴォーが多めの展示で楽しむことができました。静かに見ることが出来たのも良かったです。
この後、常設も楽しんできました。次回はそれをご紹介したいと思います。
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ここ数日、江戸東京博物館をご紹介してきましたが今日で最終回です。前回ご紹介したお店でランチをとった後、常設展示も観てきました。ここは写真を撮ることができますので、今回も写真を使ってご紹介しようと思います。以前ご紹介したところも多いので、私が今回気になったところのみとなりますw

参考記事:
江戸東京博物館の案内 (2010年03月)
江戸東京博物館の案内 (東京編 2009年12月)
江戸東京博物館の案内 (絵画編 2009年12月)
江戸東京博物館の案内 (江戸編 2009年12月)
江戸東京博物館の案内 (2011年06月)
公式サイト
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/permanent/index.html
2011/10/8~11/23まで「日光東照宮と将軍社参」という企画展もやっていました。

この企画展は写真禁止なので詳細は割愛しますが、徳川家康が神格化されて祀られていることに関する展示で資料が中心となっていました。
少し進むと、今回は江戸の食文化に関する展示がありました。江戸時代は食事の回数が1日3食になるなど、今の食生活の基本が形作られたそうです。食通の江戸っ子たちは旬を楽しみ、料理本を出したり、屋台が賑わうなど、食文化を築いていったようです。
これは「料理早指南大全」という料理本。

絵入りでわかりやすく調理法や味付けなどを指南する本のようでした。
これは「甘藷百珍」

豆腐百珍という豆腐の様々な料理を紹介した本が好評だったことを受けて、様々な百珍本がブームとなったらしく、これはさつまいもの料理を紹介したものです。栄養価が高く飢饉にも強いさつまいもは江戸っ子の好物だったようです。
左は歌川豊国の描いた「二八そば」 江戸の蕎麦屋台は人気が高かったようです。
右は「菓子話船橋」 江戸の名物となった羊羹屋で、尾張徳川家の御用達だったそうです。

これは「江戸名物菓子屋双六」

お菓子やさんを巡る双六のようで、面白い趣向です
これは江戸時代の歯ブラシとも言える房楊枝。結構色々なタイプがあります。

これは江戸の初物ごよみ

何だかんだで毎月なにかしら旬のものがあります。お寿司屋さんに行く時の参考になりますねw
これは歌川国芳の「源頼光公館土蜘作妖怪図」

一見恐ろしげな妖怪の絵ですが、初物は贅沢であると水野忠邦が天保の改革で禁止したのを揶揄した意味も含まれています。
参考記事:破天荒の浮世絵師 歌川国芳 前期:豪傑なる武者と妖怪 (太田記念美術館)
ちょっと先のコーナーに進んでいくと江戸時代の学問や文芸、芸術に関するコーナーもありました。
これは杉田玄白の「蘭学事始」

人体の解剖図であるオランダの「ターヘル・アナトミアを」翻訳して解体新書を作成した時の苦心談を記したものです。小塚原の刑場で腑分けを観たことや、訳す際に単語を1つ1つ考察したことなどが書かれています。
参考記事:
三菱が夢見た美術館 - 岩崎家と三菱ゆかりのコレクション (三菱一号館美術館)
阿蘭陀とNIPPON ~レンブラントからシーボルトまで~ (たばこと塩の博物館)
医学と芸術展:生命(いのち)と愛の未来を探る (森美術館)
これは医療用具。

こちらは文芸のコーナー、曲亭馬琴(滝沢馬琴)の「皿皿郷談(べいべいきょうだん)」

どんな内容かわかりませんが、当時人気があったようです。挿絵が気になりますw
こちらは曲亭馬琴の一番有名な「南総里見八犬伝」

本自体がカッコイイw これは子供の頃に現代語版を読んだことがありますが、登場人物のキャラがかぶり過ぎで誰が誰だか分からなくなりましたw
少し進むと葛飾北斎のコーナーがありました。六玉川シリーズが全部展示されています。
左から順に葛飾北斎「秀逸六玉川 紀伊の国」 「秀逸六玉川 山城井出」 「秀逸六玉川 津の国打衣」

左から順に葛飾北斎「秀逸六玉川 近江はぎ」 「秀逸六玉川 武蔵手作」 「秀逸六玉川 陸奥千鳥」

そういえば以前、北斎の六玉川を描いた肉筆を見た覚えがあります。
参考記事:江戸民間画工の逆襲 (板橋区立美術館)
雪月花シリーズも3枚揃っています。特に好みなのは月の淀川です。
葛飾北斎「雪月花 隅田」

葛飾北斎「雪月花 淀川」

葛飾北斎「雪月花 吉野」

この他にも数点、北斎の作品が並んでいて楽しめました。
参考記事:北斎とリヴィエール 三十六景の競演 (ニューオータニ美術館)
更に進んで、これは明治の頃の着色写真。江戸の名残があって風流な雰囲気です。

こちらは1890年(明治23年)のロンドンニュース。東京の通りのスケッチとなっています。

さらに進んでこれは大正~昭和の頃のポスター

ラジオを聞くのに一々許可が必要なのかとちょっと驚き。 一昔前のファミコンみたいな存在だったのでしょうかw
これは1936年(昭和11年)のパーマネントウェーブ機

戦争の時代にもこういうものが流行っていたというのは意外です。施術の様子がマッドサイエンティストみたいなw
戦時下の住まいの再現。

ガラスに目張りしたりヘルメットを常備したりおもちゃまで軍艦や戦車だったりして、狂気の時代を感じさせます。ガラスに目張りなんて爆風では無意味なんですけどね…。
これは戦時中のポスター

敵機を撃退して、東京の守りは鉄の桶だと言ってます。次の空襲に備えろとも書いてあるのですが、矛盾していると思わなかったんでしょうか。今ならさしずめ「直ちに健康被害は無い」みたいな感じですかね。
これは空襲で曲がった鉄骨

実際、こんな風になる空襲を受けていたと思うと恐ろしい限りです。
これは「伝単」と呼ばれる心理撹乱のためにアメリカ軍がばらまいたビラです。

日本人捕虜に書かせた文章で、空襲が一般の家も巻き込むことが書かれ市民を不安に陥れるものです。
こちらはお札に見せかけた伝単。皆思わず拾って持ち帰りたくなったのではw

こうした伝単は拾ったら警察署に届けるように言われていたそうですが、こっそり読んでいた人も多いようです。戦地では降伏のきっかけになることもあったらしく効果があったようです。今でも韓国は北朝鮮にビラを撒いていると聞くし、情報戦も効果があるんですね。
ということで、今回も常設まで楽しむことが出来ました。ここの常設は膨大な量の展示があるので、常設だけでも十分楽しめます。ヴェネツィア展に行かれる際にはこちらも覗いてみると面白いかと思います。

参考記事:
江戸東京博物館の案内 (2010年03月)
江戸東京博物館の案内 (東京編 2009年12月)
江戸東京博物館の案内 (絵画編 2009年12月)
江戸東京博物館の案内 (江戸編 2009年12月)
江戸東京博物館の案内 (2011年06月)
公式サイト
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/permanent/index.html
2011/10/8~11/23まで「日光東照宮と将軍社参」という企画展もやっていました。

この企画展は写真禁止なので詳細は割愛しますが、徳川家康が神格化されて祀られていることに関する展示で資料が中心となっていました。
少し進むと、今回は江戸の食文化に関する展示がありました。江戸時代は食事の回数が1日3食になるなど、今の食生活の基本が形作られたそうです。食通の江戸っ子たちは旬を楽しみ、料理本を出したり、屋台が賑わうなど、食文化を築いていったようです。
これは「料理早指南大全」という料理本。

絵入りでわかりやすく調理法や味付けなどを指南する本のようでした。
これは「甘藷百珍」

豆腐百珍という豆腐の様々な料理を紹介した本が好評だったことを受けて、様々な百珍本がブームとなったらしく、これはさつまいもの料理を紹介したものです。栄養価が高く飢饉にも強いさつまいもは江戸っ子の好物だったようです。
左は歌川豊国の描いた「二八そば」 江戸の蕎麦屋台は人気が高かったようです。
右は「菓子話船橋」 江戸の名物となった羊羹屋で、尾張徳川家の御用達だったそうです。


これは「江戸名物菓子屋双六」

お菓子やさんを巡る双六のようで、面白い趣向です
これは江戸時代の歯ブラシとも言える房楊枝。結構色々なタイプがあります。

これは江戸の初物ごよみ

何だかんだで毎月なにかしら旬のものがあります。お寿司屋さんに行く時の参考になりますねw
これは歌川国芳の「源頼光公館土蜘作妖怪図」

一見恐ろしげな妖怪の絵ですが、初物は贅沢であると水野忠邦が天保の改革で禁止したのを揶揄した意味も含まれています。
参考記事:破天荒の浮世絵師 歌川国芳 前期:豪傑なる武者と妖怪 (太田記念美術館)
ちょっと先のコーナーに進んでいくと江戸時代の学問や文芸、芸術に関するコーナーもありました。
これは杉田玄白の「蘭学事始」

人体の解剖図であるオランダの「ターヘル・アナトミアを」翻訳して解体新書を作成した時の苦心談を記したものです。小塚原の刑場で腑分けを観たことや、訳す際に単語を1つ1つ考察したことなどが書かれています。
参考記事:
三菱が夢見た美術館 - 岩崎家と三菱ゆかりのコレクション (三菱一号館美術館)
阿蘭陀とNIPPON ~レンブラントからシーボルトまで~ (たばこと塩の博物館)
医学と芸術展:生命(いのち)と愛の未来を探る (森美術館)
これは医療用具。

こちらは文芸のコーナー、曲亭馬琴(滝沢馬琴)の「皿皿郷談(べいべいきょうだん)」

どんな内容かわかりませんが、当時人気があったようです。挿絵が気になりますw
こちらは曲亭馬琴の一番有名な「南総里見八犬伝」

本自体がカッコイイw これは子供の頃に現代語版を読んだことがありますが、登場人物のキャラがかぶり過ぎで誰が誰だか分からなくなりましたw
少し進むと葛飾北斎のコーナーがありました。六玉川シリーズが全部展示されています。
左から順に葛飾北斎「秀逸六玉川 紀伊の国」 「秀逸六玉川 山城井出」 「秀逸六玉川 津の国打衣」



左から順に葛飾北斎「秀逸六玉川 近江はぎ」 「秀逸六玉川 武蔵手作」 「秀逸六玉川 陸奥千鳥」



そういえば以前、北斎の六玉川を描いた肉筆を見た覚えがあります。
参考記事:江戸民間画工の逆襲 (板橋区立美術館)
雪月花シリーズも3枚揃っています。特に好みなのは月の淀川です。
葛飾北斎「雪月花 隅田」

葛飾北斎「雪月花 淀川」

葛飾北斎「雪月花 吉野」

この他にも数点、北斎の作品が並んでいて楽しめました。
参考記事:北斎とリヴィエール 三十六景の競演 (ニューオータニ美術館)
更に進んで、これは明治の頃の着色写真。江戸の名残があって風流な雰囲気です。

こちらは1890年(明治23年)のロンドンニュース。東京の通りのスケッチとなっています。

さらに進んでこれは大正~昭和の頃のポスター

ラジオを聞くのに一々許可が必要なのかとちょっと驚き。 一昔前のファミコンみたいな存在だったのでしょうかw
これは1936年(昭和11年)のパーマネントウェーブ機

戦争の時代にもこういうものが流行っていたというのは意外です。施術の様子がマッドサイエンティストみたいなw
戦時下の住まいの再現。

ガラスに目張りしたりヘルメットを常備したりおもちゃまで軍艦や戦車だったりして、狂気の時代を感じさせます。ガラスに目張りなんて爆風では無意味なんですけどね…。
これは戦時中のポスター

敵機を撃退して、東京の守りは鉄の桶だと言ってます。次の空襲に備えろとも書いてあるのですが、矛盾していると思わなかったんでしょうか。今ならさしずめ「直ちに健康被害は無い」みたいな感じですかね。
これは空襲で曲がった鉄骨

実際、こんな風になる空襲を受けていたと思うと恐ろしい限りです。
これは「伝単」と呼ばれる心理撹乱のためにアメリカ軍がばらまいたビラです。

日本人捕虜に書かせた文章で、空襲が一般の家も巻き込むことが書かれ市民を不安に陥れるものです。
こちらはお札に見せかけた伝単。皆思わず拾って持ち帰りたくなったのではw

こうした伝単は拾ったら警察署に届けるように言われていたそうですが、こっそり読んでいた人も多いようです。戦地では降伏のきっかけになることもあったらしく効果があったようです。今でも韓国は北朝鮮にビラを撒いていると聞くし、情報戦も効果があるんですね。
ということで、今回も常設まで楽しむことが出来ました。ここの常設は膨大な量の展示があるので、常設だけでも十分楽しめます。ヴェネツィア展に行かれる際にはこちらも覗いてみると面白いかと思います。
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前々回、前回とご紹介した江戸東京博物館の展示を見た後、裏の出入口付近にある「FINN'S CAFE & RESTAURANT」というお店でお茶してきました。

【店名】
FINN'S CAFE&RESTAURANT(フィンズカフェ&レストラン)
【ジャンル】
イタリアン
【公式サイト】
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/floor/restaurant/index.html
食べログ:http://r.tabelog.com/tokyo/A1312/A131201/13094353/dtlblog/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
JR両国駅/大江戸線両国駅
【近くの美術館】
江戸東京博物館 (館内のお店です)
相撲博物館
旧安田庭園
など
【この日にかかった1人の費用】
900円程度
【味】
不味_1_2_③_4_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_③_4_5_名店
【感想】
ティータイムには遅く夕食には早い17時頃に行ったせいか、空いていてのんびりすることができました。
このお店は以前ご紹介した「緑茶処 両国茶ら良」の隣にあるお店で、博物館の中にあります。カフェというよりはレストランのようで、ついでにカフェメニューもあるような感じでした。ちょうどイタリアの展示を観た後だったので、イタリア料理のお店に行きたかったのでこちらを選びましたw
参考記事:緑茶処 両国茶ら良 (両国界隈のお店)
中はこんな感じでこざっぱりしています。


この日はクレープシュゼットのセット(900円)を頼みました。これはいつでも頼めるわけではなく時間が決まっているようでした。

事前に、これは時間がかかると言われたのですが、その通り15分くらいかかってコーヒーがきて、その後にクレープシュゼットが来ました。
まずはコーヒー。

量たっぷりで苦味が強いのですが、あまりコクや香りは感じなかったかな。
続いてクレープシュゼット。

クレープ生地に酸っぱいソースがかかり、そこにバニラアイスの甘味があるのですが、あまり味のまとまりがないような…。まあ不味いわけではないですが、値段の割には普通の味でした。ベリーが凍ってたのはちょっと…。
ということで、悪くはないと思いますが、あまりコストパフォーマンスが良いとは思えませんでした。まあ立地的には便利だし、他のものを食べたことがないので見切るのは早計かもしれませんが、もう少し値段を安くするか美味しくするかにして欲しいかなw この博物館も年に何回か訪れるので、またいずれ試してみようと思います。

【店名】
FINN'S CAFE&RESTAURANT(フィンズカフェ&レストラン)
【ジャンル】
イタリアン
【公式サイト】
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/floor/restaurant/index.html
食べログ:http://r.tabelog.com/tokyo/A1312/A131201/13094353/dtlblog/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
JR両国駅/大江戸線両国駅
【近くの美術館】
江戸東京博物館 (館内のお店です)
相撲博物館
旧安田庭園
など
【この日にかかった1人の費用】
900円程度
【味】
不味_1_2_③_4_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_③_4_5_名店
【感想】
ティータイムには遅く夕食には早い17時頃に行ったせいか、空いていてのんびりすることができました。
このお店は以前ご紹介した「緑茶処 両国茶ら良」の隣にあるお店で、博物館の中にあります。カフェというよりはレストランのようで、ついでにカフェメニューもあるような感じでした。ちょうどイタリアの展示を観た後だったので、イタリア料理のお店に行きたかったのでこちらを選びましたw
参考記事:緑茶処 両国茶ら良 (両国界隈のお店)
中はこんな感じでこざっぱりしています。


この日はクレープシュゼットのセット(900円)を頼みました。これはいつでも頼めるわけではなく時間が決まっているようでした。

事前に、これは時間がかかると言われたのですが、その通り15分くらいかかってコーヒーがきて、その後にクレープシュゼットが来ました。
まずはコーヒー。

量たっぷりで苦味が強いのですが、あまりコクや香りは感じなかったかな。
続いてクレープシュゼット。

クレープ生地に酸っぱいソースがかかり、そこにバニラアイスの甘味があるのですが、あまり味のまとまりがないような…。まあ不味いわけではないですが、値段の割には普通の味でした。ベリーが凍ってたのはちょっと…。
ということで、悪くはないと思いますが、あまりコストパフォーマンスが良いとは思えませんでした。まあ立地的には便利だし、他のものを食べたことがないので見切るのは早計かもしれませんが、もう少し値段を安くするか美味しくするかにして欲しいかなw この博物館も年に何回か訪れるので、またいずれ試してみようと思います。
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今日は前回の記事に引き続き、江戸東京博物館の 「世界遺産 ヴェネツィア展 ~魅惑の芸術-千年の都~」展 の後編をご紹介いたします。前編には混み具合なども記載しておりますので、前編を読まれていない方は前編から先にお読み頂けると嬉しいです。
前編はこちら

まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
世界遺産 ヴェネツィア展 ~魅惑の芸術-千年の都~
【公式サイト】
http://www.go-venezia.com/
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/special/index.html
【会場】江戸東京博物館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】JR両国駅/大江戸線両国駅
【会期】2011年9月23日(金・祝)~12月11日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
前編の1章ではヴェネツィアの歴史や都市機構などについてご紹介しましたが、後編は美術品が中心の2章・3章をご紹介します。
<第2章 華麗なる貴族 La Vita nel Palazzo>
ヴェネツィアのパラッツォ(邸館)の日常生活は長い歴史の中であまり変わることは無かったそうで、カーザ(家)-ヴィッラ(別荘)形式に由来する建物に住んでいました。家族や使用人の生活の機能と、商業や貿易に結びつく機能性を兼ね揃え、1階は歩道からも運河からもアクセスできるようになっていたようです。また、芸術や家具の分野も成熟していき、ヴェネツィアの人々はよく生きることに努め、お祭りに惜しみなくお金を使うなど人生を楽しんでいたそうです。
ここには貴族の肖像やコーヒー沸かし器、水盤、香炉、燭台、手箱などが並び、イスラムやエジプトからの影響を感じる品々となっていました。精巧で美術性の高い雰囲気があります。
[ヴェネツィアの食卓]
東方との交易で栄えたヴェネツィアは、オリエントから持ち込まれた香辛料や砂糖を使った料理を生み出し、ヨーロッパの商人や王侯貴族を虜にしてフランス料理にも影響を与えたそうです。ここでは面白い逸話が紹介されていて、有名なカルパッチョという料理は、医師から加熱した料理を禁じられた伯爵夫人の為に考案された際、その料理の名前を聞かれたシェフが赤色の使い方が特徴的だった「ヴィットーレ・カルパッチョ」(ヴェネツィアの画家)の名前を出して、この名となったそうです。(カルパッチョの作品は1章や3章に展示されています)
ミケーレ・ダマスキノス(?)(ティントレットの原作に基づく) 「カナの婚礼」 ★こちらで観られます
ティントレットの「カナの婚礼」を翻案して縮小した作品です。手前から奥にかけて長いテーブルに沢山の人々が座って食事をしていて、奥にはキリストが母マリアからぶどう酒が無くなったことを聞いて、水をぶどう酒に変えたという奇跡の様子が描かれています。明るい色調で描かれていて鮮明な印象を受けるのですが、何か違和感を感じると思ったら衣装などはこの時代のヴェネツィアの様式を反映しているようです。身なりや習慣、調度品など16世紀イタリアの生活の様子や流行りが伝わってくるようでした。
この辺は通路が狭いこともありかなり混んでいました。
[ヴェネツィアン・グラスとマジョリカ焼]
ヴェネツィアでは工芸の技術も進み、ガラス工芸はムラーノ島に職人を集め技術が流出しないようにしていました。また、マジョリカ焼はスペインから陶器を輸出する際の中継地点であるマジョリカ島に由来し、13世紀後半以降イタリア中部で生産されるようになり、特にフィレンツェ周辺で盛んになりました。15世紀頃には完成度が頂点となりヴェネツィアにも広まってきたようです。
参考記事:あこがれのヴェネチアン・グラス ― 時を超え、海を越えて (サントリー美術館)
このコーナーのガラスケースには色鮮やかで細かい絵の描かれたマジョリカ焼きが並んでいました。ちょっとバタ臭いくらい鮮やかで私の趣味ではないですが、神話や歴史を題材にした派手な陶器が並んでいます。また、その向かい側にはクリスタッロの透明ガラスを使った器やレースグラスなど様々な技法のヴェネツィアン・グラスが並んでいました。こちらも素晴らしい技術に驚嘆します。
少し進むと貴族の男女の服や靴、バッグ、扇、かつら用の化粧箱なども並んでいます。特に驚いたのは50cm以上の高さの靴で、厚底というよりもはや竹馬みたいな感じでしたw 解説によると当時のヴェネツィアの貴族はイタリア本土に土地を持ち、ヴィラと呼ばれる館を構えて地主となり、享楽的な生活を送っていたそうです。この辺に展示されている服などは華やかなパリのファッションを取り入れていたようでした。
不明 「カ・レッツォーニコ様式のシャンデリア」
部屋の中央に設置された巨大なシャンデリアです。透明なガラスに混じってピンクや水色のガラスがあり花をあしらっているのかな? 上の方には花の形のガラスも見られます。ちょっと異様な造形と色使いで、乙女チックな感じを受けるようなw ほとんど手作業で作られているらしく、中々驚きのシャンデリアでした。
ピエトロ・ロンギ 「ポレンタ」
ポレンタというのはトウモロコシの粉を練ったものらしく、庶民らしき若い女性が鍋から黄色い塊を出している姿が描かれています。その周りには座ってそれを見る男や楽器を持っている男、後ろにも若い女性の姿があります。解説によるとこれは男女の誘惑の場面だそうで、楽しげな雰囲気がありました。
ピエトロ・ロンギは貴族の邸宅やカーニヴァルの絵を専門に描いていたそうですが、初期にはこうした日常の姿も描いていたようです。この部屋の両側にはピエトロ・ロンギとその工房の作品が並び、庶民生活、修道院の面会所、賭博場など当時のヴェネツィアの生活を伝えてくるようでした。賭博場の人々は仮面をつけている人が多かったです。
ピエトロ・ロンギ 「香水売り」 ★こちらで観られます
黒い三角帽に白い仮面、黒いマントをつけた2人組みを描いた作品です。その左側で盆に入れた香水を売る老婆が立ち、仮面の1人がそれを買い求めているようです。ちょっとわかりづらいですがこの仮面の人物は女性のようです。2人組の背景には薄暗いショーウィンドウやその前でたむろしている人?なども描かれているのですが、仮面の2人に柔らかい光が差し込んだような明暗表現となっていて、自然と目が行きました。全体的に何処と無く妖しい魅力のある作品です。
少し進むとサイコロゲームなどのゲームセットがいくつか展示されていました。
南ドイツ製? 「キャビネット」
大きくてカラフルな装飾が施されたキャビネットです。アメジストの柱などが使われ豪華な雰囲気があります。キャビネットとして機能するのか疑問に思うほどの装飾だったのですが、鑑賞用に作られたもののようでした。まるで建物の模型のような感じです。
3章に入る辺りで約8分程度の映像があり、ヴェネツィアの歴史や文化についてざっくりと紹介していました。
<第3章 美の殿堂 La Galleria dei Dipinti>
ヴェネツィアの多くのパラッツォ(邸館)には収集室や絵画ギャラリーと言えるスペースが設けられていて、17世紀中頃まで私的なギャラリーを作る必要性を感じた人々が絵画を収集していたようです。古いものからイタリア各地、フランドル、オランダなど海外の作品まで集められたそうで、ここにはそうした作品が並んでいました。
ジョヴァンニ・ベッリーニ 「聖母子」 ★こちらで観られます
当時最大規模の工房を抱えていたベッリーニの作品です。青空を背景に赤い服をきた聖母マリアと、裸で手すりの上で母に抱かれているキリストが描かれています。キリストの顔は磔刑の時の顔に似ているように見えました。マリアも悲しげな表情で、解説ではわが子の運命を予見しているように見えるとのことです。空の青が深くて現実感が喪失していたようにも思いました。
ヴィットーレ・カルパッチョ 「聖母子と洗礼者聖ヨハネ」
手をあわせている赤と青の服を着た聖母マリアと、その脇に立つ子供の頃のキリスト、その向かいの窓枠には子供時代の洗礼者ヨハネが描かれています。色合いが非常に鮮やかで、華やいだ印象を受けました。素晴らしい作品です。
[ルネサンスに花開いたアート集団-ヴェネツィア派]
16世紀になるとヴェネツィアは美術の黄金期を迎えました。この頃はすでに経済的・軍事的にはヴェネツィアの覇権は傾いていたようですが、文化の舞台では主役であり続けたようです。ベッリーニ一族やカルパッチョ、ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ティントレットとなどを排出し、ヴェネツィア派と呼ばれる流れが生まれました。ヴェネツィア派の特徴は明るい色彩感覚で、官能的で華やかな表現となっている点のようです。ここにはそうした画家の傑作が並んでいました。
ヴィットーレ・カルパッチョに帰属 「総督レオナルド・ロレダンの肖像」
横向きの「プロフィール」の構図のドージェ(総督)を描いた肖像です。独特の形の帽子を被り、オレンジ地に金の刺繍の服を着ています。また、背景の窓にはサン・ジョルジョ島も見えていました。非常に精密かつ写実的な作風ですが、色が明るくて力強くも華やかな雰囲気がありました。これも素晴らしい作品だと思います。
この近くには今は失われたミケランジェロの作品の模写などもありました。
セバスティアーノ・リッチ 「ヴィーナスとサテュロスとキューピッド」 ★こちらで観られます
ベッドの上で横たわる裸のヴィーナスを描いた作品で、背後から好色なサテュロスがにじり寄ってきているのをヴィーナスが指差していて、サテュロスは驚いた表情を浮かべています。また、ヴィーナスの前には息子のキューピッドが眠りこけているようでした。ヴィーナスの肌は柔らかく明るい色で描かれていて、気品と官能的な雰囲気を兼ね揃えているように思います。これもかなりの傑作じゃないかな。
ヴィットーレ・カルパッチョ 「二人の貴婦人」 ★こちらで観られます
東京限定で展示される15世紀ヴェネツィア絵画の頂点とも言える作品です。非常に有名な作品なので、これが来るとは驚きました。手すりの脇で何かを待つ2人の女性と、その周りにいる子供や鳩、犬、キジ、花瓶などが描かれていて、色が明るく緻密で気品を感じます。この作品はミステリアスなところがあり、女性たちは何を待っているのかわからず、近年までこの2人は娼婦ではないかと言われていました。しかし、1963年になってこの絵は実は分割された絵の下半分であることがわかり世紀の大発見となります。その上半分はアメリカのロサンゼルスにあるポール・ゲッティ美術館所有の「潟(ラグーナ)での狩猟」であり、「二人の貴婦人」の左上にある花瓶から伸びる茎と、「潟(ラグーナ)での狩猟」の花がピタリとくっついて1枚の絵となります。それによってこの2人は狩猟をする夫を待っている妻であることが判明し、周りに描かれた生き物たちの意味も明かされて行きました。キジバトは夫婦の絆、孔雀は多産、犬は忠実などの意味が込められているようです。 しかし、それでもなお不自然なところがあり、「二人の貴婦人」の左下の犬は頭だけを残して体は描かれていません。これは、元は扉絵であった為、この左側にさらに同じサイズの絵の続きがあったと考えられています。残りの部分は未発見のようですが、何が描かれていたのか想像をかきたてます。この作品を観られたことは人生の宝になりそうです。
この作品の隣にはバーチャル映像で「潟(ラグーナ)での狩猟」とくっつけた絵を流していました。かなり絶妙なトリミングであったことが分かりますが、何故このように切り離したかは不明のようでした。
アントニオ・カノーヴァ もしくは ガスパーレ・ランディ 「アモールとプシュケ」 ★こちらで観られます
新古典主義の画家アントニオ・カノーヴァの作品と思われるものの、その知り合いのガスパーレ・ランディの作品である可能性も考えられる絵です。ルーブル美術館所蔵の大理石像に着想を得て描かれたもので、上から覆いかぶさるように裸婦(プシュケ)を抱く羽の生えたアモールと、それを向かい入れるように手を挙げて仰け反るプシュケが描かれています。ダイナミックな構図と滑らかな人体表現で、理想化された美しさがありました。
この隣にもカノーヴァの作品があり、理想的な雰囲気があります。また、近くにはカナレットによる奇想画やカナレット工房の風景画なども並び、好みの作品ばかりでした。
ティントレットと彼の工房 「天国」 ★こちらで観られます
前編で「ドゥカーレ宮殿の「大評議会の間」」という作品をご紹介しましたが、その作品の総督の玉座の上に画中画として描かれていたティントレットの「天国」の下絵です。現在の大評議会の間の絵とは違うようですが、ダンテの「神曲」に基づいた主題で天国で戴冠するマリアを描いています。円が幾層にも重ねられるように、同心円上の雲の上に沢山の聖人・聖女などがその様子を見守っていて、その円のせいかマリアのあたりに自然と目が向きました。凄い迫力と神聖な雰囲気が伝わってきます。
なお、この作品にはほぼ同サイズの下絵がルーブル美術館にもう一枚あるそうです。また、マリアを描いているのは受胎告知の日に建国したヴェネツィアの正当性を誇示するためのようでした。
ということで、私としては後半は特に面白く感じられる展覧会となっていました。私はヴェネツィアに行ったことがないのですが、行ったことがある方にはより一層面白く感じられるんじゃないかな? これを観ているうちにヴェネツィアに行きたくなること必至ですw 会期も長めですので、気になる方は是非どうぞ。
前編はこちら


まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
世界遺産 ヴェネツィア展 ~魅惑の芸術-千年の都~
【公式サイト】
http://www.go-venezia.com/
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/special/index.html
【会場】江戸東京博物館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】JR両国駅/大江戸線両国駅
【会期】2011年9月23日(金・祝)~12月11日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
前編の1章ではヴェネツィアの歴史や都市機構などについてご紹介しましたが、後編は美術品が中心の2章・3章をご紹介します。
<第2章 華麗なる貴族 La Vita nel Palazzo>
ヴェネツィアのパラッツォ(邸館)の日常生活は長い歴史の中であまり変わることは無かったそうで、カーザ(家)-ヴィッラ(別荘)形式に由来する建物に住んでいました。家族や使用人の生活の機能と、商業や貿易に結びつく機能性を兼ね揃え、1階は歩道からも運河からもアクセスできるようになっていたようです。また、芸術や家具の分野も成熟していき、ヴェネツィアの人々はよく生きることに努め、お祭りに惜しみなくお金を使うなど人生を楽しんでいたそうです。
ここには貴族の肖像やコーヒー沸かし器、水盤、香炉、燭台、手箱などが並び、イスラムやエジプトからの影響を感じる品々となっていました。精巧で美術性の高い雰囲気があります。
[ヴェネツィアの食卓]
東方との交易で栄えたヴェネツィアは、オリエントから持ち込まれた香辛料や砂糖を使った料理を生み出し、ヨーロッパの商人や王侯貴族を虜にしてフランス料理にも影響を与えたそうです。ここでは面白い逸話が紹介されていて、有名なカルパッチョという料理は、医師から加熱した料理を禁じられた伯爵夫人の為に考案された際、その料理の名前を聞かれたシェフが赤色の使い方が特徴的だった「ヴィットーレ・カルパッチョ」(ヴェネツィアの画家)の名前を出して、この名となったそうです。(カルパッチョの作品は1章や3章に展示されています)
ミケーレ・ダマスキノス(?)(ティントレットの原作に基づく) 「カナの婚礼」 ★こちらで観られます
ティントレットの「カナの婚礼」を翻案して縮小した作品です。手前から奥にかけて長いテーブルに沢山の人々が座って食事をしていて、奥にはキリストが母マリアからぶどう酒が無くなったことを聞いて、水をぶどう酒に変えたという奇跡の様子が描かれています。明るい色調で描かれていて鮮明な印象を受けるのですが、何か違和感を感じると思ったら衣装などはこの時代のヴェネツィアの様式を反映しているようです。身なりや習慣、調度品など16世紀イタリアの生活の様子や流行りが伝わってくるようでした。
この辺は通路が狭いこともありかなり混んでいました。
[ヴェネツィアン・グラスとマジョリカ焼]
ヴェネツィアでは工芸の技術も進み、ガラス工芸はムラーノ島に職人を集め技術が流出しないようにしていました。また、マジョリカ焼はスペインから陶器を輸出する際の中継地点であるマジョリカ島に由来し、13世紀後半以降イタリア中部で生産されるようになり、特にフィレンツェ周辺で盛んになりました。15世紀頃には完成度が頂点となりヴェネツィアにも広まってきたようです。
参考記事:あこがれのヴェネチアン・グラス ― 時を超え、海を越えて (サントリー美術館)
このコーナーのガラスケースには色鮮やかで細かい絵の描かれたマジョリカ焼きが並んでいました。ちょっとバタ臭いくらい鮮やかで私の趣味ではないですが、神話や歴史を題材にした派手な陶器が並んでいます。また、その向かい側にはクリスタッロの透明ガラスを使った器やレースグラスなど様々な技法のヴェネツィアン・グラスが並んでいました。こちらも素晴らしい技術に驚嘆します。
少し進むと貴族の男女の服や靴、バッグ、扇、かつら用の化粧箱なども並んでいます。特に驚いたのは50cm以上の高さの靴で、厚底というよりもはや竹馬みたいな感じでしたw 解説によると当時のヴェネツィアの貴族はイタリア本土に土地を持ち、ヴィラと呼ばれる館を構えて地主となり、享楽的な生活を送っていたそうです。この辺に展示されている服などは華やかなパリのファッションを取り入れていたようでした。
不明 「カ・レッツォーニコ様式のシャンデリア」
部屋の中央に設置された巨大なシャンデリアです。透明なガラスに混じってピンクや水色のガラスがあり花をあしらっているのかな? 上の方には花の形のガラスも見られます。ちょっと異様な造形と色使いで、乙女チックな感じを受けるようなw ほとんど手作業で作られているらしく、中々驚きのシャンデリアでした。
ピエトロ・ロンギ 「ポレンタ」
ポレンタというのはトウモロコシの粉を練ったものらしく、庶民らしき若い女性が鍋から黄色い塊を出している姿が描かれています。その周りには座ってそれを見る男や楽器を持っている男、後ろにも若い女性の姿があります。解説によるとこれは男女の誘惑の場面だそうで、楽しげな雰囲気がありました。
ピエトロ・ロンギは貴族の邸宅やカーニヴァルの絵を専門に描いていたそうですが、初期にはこうした日常の姿も描いていたようです。この部屋の両側にはピエトロ・ロンギとその工房の作品が並び、庶民生活、修道院の面会所、賭博場など当時のヴェネツィアの生活を伝えてくるようでした。賭博場の人々は仮面をつけている人が多かったです。
ピエトロ・ロンギ 「香水売り」 ★こちらで観られます
黒い三角帽に白い仮面、黒いマントをつけた2人組みを描いた作品です。その左側で盆に入れた香水を売る老婆が立ち、仮面の1人がそれを買い求めているようです。ちょっとわかりづらいですがこの仮面の人物は女性のようです。2人組の背景には薄暗いショーウィンドウやその前でたむろしている人?なども描かれているのですが、仮面の2人に柔らかい光が差し込んだような明暗表現となっていて、自然と目が行きました。全体的に何処と無く妖しい魅力のある作品です。
少し進むとサイコロゲームなどのゲームセットがいくつか展示されていました。
南ドイツ製? 「キャビネット」
大きくてカラフルな装飾が施されたキャビネットです。アメジストの柱などが使われ豪華な雰囲気があります。キャビネットとして機能するのか疑問に思うほどの装飾だったのですが、鑑賞用に作られたもののようでした。まるで建物の模型のような感じです。
3章に入る辺りで約8分程度の映像があり、ヴェネツィアの歴史や文化についてざっくりと紹介していました。
<第3章 美の殿堂 La Galleria dei Dipinti>
ヴェネツィアの多くのパラッツォ(邸館)には収集室や絵画ギャラリーと言えるスペースが設けられていて、17世紀中頃まで私的なギャラリーを作る必要性を感じた人々が絵画を収集していたようです。古いものからイタリア各地、フランドル、オランダなど海外の作品まで集められたそうで、ここにはそうした作品が並んでいました。
ジョヴァンニ・ベッリーニ 「聖母子」 ★こちらで観られます
当時最大規模の工房を抱えていたベッリーニの作品です。青空を背景に赤い服をきた聖母マリアと、裸で手すりの上で母に抱かれているキリストが描かれています。キリストの顔は磔刑の時の顔に似ているように見えました。マリアも悲しげな表情で、解説ではわが子の運命を予見しているように見えるとのことです。空の青が深くて現実感が喪失していたようにも思いました。
ヴィットーレ・カルパッチョ 「聖母子と洗礼者聖ヨハネ」
手をあわせている赤と青の服を着た聖母マリアと、その脇に立つ子供の頃のキリスト、その向かいの窓枠には子供時代の洗礼者ヨハネが描かれています。色合いが非常に鮮やかで、華やいだ印象を受けました。素晴らしい作品です。
[ルネサンスに花開いたアート集団-ヴェネツィア派]
16世紀になるとヴェネツィアは美術の黄金期を迎えました。この頃はすでに経済的・軍事的にはヴェネツィアの覇権は傾いていたようですが、文化の舞台では主役であり続けたようです。ベッリーニ一族やカルパッチョ、ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ティントレットとなどを排出し、ヴェネツィア派と呼ばれる流れが生まれました。ヴェネツィア派の特徴は明るい色彩感覚で、官能的で華やかな表現となっている点のようです。ここにはそうした画家の傑作が並んでいました。
ヴィットーレ・カルパッチョに帰属 「総督レオナルド・ロレダンの肖像」
横向きの「プロフィール」の構図のドージェ(総督)を描いた肖像です。独特の形の帽子を被り、オレンジ地に金の刺繍の服を着ています。また、背景の窓にはサン・ジョルジョ島も見えていました。非常に精密かつ写実的な作風ですが、色が明るくて力強くも華やかな雰囲気がありました。これも素晴らしい作品だと思います。
この近くには今は失われたミケランジェロの作品の模写などもありました。
セバスティアーノ・リッチ 「ヴィーナスとサテュロスとキューピッド」 ★こちらで観られます
ベッドの上で横たわる裸のヴィーナスを描いた作品で、背後から好色なサテュロスがにじり寄ってきているのをヴィーナスが指差していて、サテュロスは驚いた表情を浮かべています。また、ヴィーナスの前には息子のキューピッドが眠りこけているようでした。ヴィーナスの肌は柔らかく明るい色で描かれていて、気品と官能的な雰囲気を兼ね揃えているように思います。これもかなりの傑作じゃないかな。
ヴィットーレ・カルパッチョ 「二人の貴婦人」 ★こちらで観られます
東京限定で展示される15世紀ヴェネツィア絵画の頂点とも言える作品です。非常に有名な作品なので、これが来るとは驚きました。手すりの脇で何かを待つ2人の女性と、その周りにいる子供や鳩、犬、キジ、花瓶などが描かれていて、色が明るく緻密で気品を感じます。この作品はミステリアスなところがあり、女性たちは何を待っているのかわからず、近年までこの2人は娼婦ではないかと言われていました。しかし、1963年になってこの絵は実は分割された絵の下半分であることがわかり世紀の大発見となります。その上半分はアメリカのロサンゼルスにあるポール・ゲッティ美術館所有の「潟(ラグーナ)での狩猟」であり、「二人の貴婦人」の左上にある花瓶から伸びる茎と、「潟(ラグーナ)での狩猟」の花がピタリとくっついて1枚の絵となります。それによってこの2人は狩猟をする夫を待っている妻であることが判明し、周りに描かれた生き物たちの意味も明かされて行きました。キジバトは夫婦の絆、孔雀は多産、犬は忠実などの意味が込められているようです。 しかし、それでもなお不自然なところがあり、「二人の貴婦人」の左下の犬は頭だけを残して体は描かれていません。これは、元は扉絵であった為、この左側にさらに同じサイズの絵の続きがあったと考えられています。残りの部分は未発見のようですが、何が描かれていたのか想像をかきたてます。この作品を観られたことは人生の宝になりそうです。
この作品の隣にはバーチャル映像で「潟(ラグーナ)での狩猟」とくっつけた絵を流していました。かなり絶妙なトリミングであったことが分かりますが、何故このように切り離したかは不明のようでした。
アントニオ・カノーヴァ もしくは ガスパーレ・ランディ 「アモールとプシュケ」 ★こちらで観られます
新古典主義の画家アントニオ・カノーヴァの作品と思われるものの、その知り合いのガスパーレ・ランディの作品である可能性も考えられる絵です。ルーブル美術館所蔵の大理石像に着想を得て描かれたもので、上から覆いかぶさるように裸婦(プシュケ)を抱く羽の生えたアモールと、それを向かい入れるように手を挙げて仰け反るプシュケが描かれています。ダイナミックな構図と滑らかな人体表現で、理想化された美しさがありました。
この隣にもカノーヴァの作品があり、理想的な雰囲気があります。また、近くにはカナレットによる奇想画やカナレット工房の風景画なども並び、好みの作品ばかりでした。
ティントレットと彼の工房 「天国」 ★こちらで観られます
前編で「ドゥカーレ宮殿の「大評議会の間」」という作品をご紹介しましたが、その作品の総督の玉座の上に画中画として描かれていたティントレットの「天国」の下絵です。現在の大評議会の間の絵とは違うようですが、ダンテの「神曲」に基づいた主題で天国で戴冠するマリアを描いています。円が幾層にも重ねられるように、同心円上の雲の上に沢山の聖人・聖女などがその様子を見守っていて、その円のせいかマリアのあたりに自然と目が向きました。凄い迫力と神聖な雰囲気が伝わってきます。
なお、この作品にはほぼ同サイズの下絵がルーブル美術館にもう一枚あるそうです。また、マリアを描いているのは受胎告知の日に建国したヴェネツィアの正当性を誇示するためのようでした。
ということで、私としては後半は特に面白く感じられる展覧会となっていました。私はヴェネツィアに行ったことがないのですが、行ったことがある方にはより一層面白く感じられるんじゃないかな? これを観ているうちにヴェネツィアに行きたくなること必至ですw 会期も長めですので、気になる方は是非どうぞ。
記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。


更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
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前回ご紹介した旧安田庭園に行った後、この日の目的である江戸東京博物館へ行って、「世界遺産 ヴェネツィア展 ~魅惑の芸術-千年の都~」を観てきました。かなり情報量の多い展覧会で、メモをたくさんとってきましたので、前編・後編にわけてご紹介しようと思います。

【展覧名】
世界遺産 ヴェネツィア展 ~魅惑の芸術-千年の都~
【公式サイト】
http://www.go-venezia.com/
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/special/index.html
【会場】江戸東京博物館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】JR両国駅/大江戸線両国駅
【会期】2011年9月23日(金・祝)~12月11日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
混んでいて、場所によっては人だかりができる(特に小さめの作品やガラスケースの周り)くらいの盛況ぶりでした。しかし、特に入場制限は無く、帰る頃(土曜日18時頃)にはガラ空きだったので、狙い目は19:30まで開館している土曜の夜だと思います。
さて、今回の展示は1000年に渡って独立国家を築いたヴェネティアを題材にしています。ヴェネティアは1987年に世界遺産に登録されたイタリア北部の都市で、年間2000万の観光客が訪れる世界的な観光地でもあります。今回はそのヴェネティアにある7つの美術館・博物館の作品が一堂に会する内容で、3章構成158点もの貴重な作品を観ることが出来ました(一部は東京のみ) 東京を皮切りに日本全国を巡回するのですが、とりわけ仙台にも巡回するのは意義深いことだと思います。これだけ貴重なものを震災後の被災地に貸し出してくれるヴェネティアには頭が下がる思いです。
まず先に入口~1章付近にあった大まかなヴェネティアの成りたりと歴史を紹介すると、ヴェネティアは起源6世紀頃にビサンティン帝国の政権下に生まれた都市で、他民族から逃れる為に攻めにくいこの地にやってきた人々によって築かれたようです。ラグーナと呼ばれる湿地に沢山の杭を打って建物を建てていき、その後成長していくと速やかに独立国家となります。西暦697年に総督(ドージェ)が初選出されて以来「自由と独立」を貫き、強大な海軍力と交易を背景に力を伸ばしていました。その体制はドージェを頂点に少数者が権力を握るという独裁的なものでしたが、時代と共に変遷していきます。
ヴェネツィアは海との関わりが強く、海洋国家として国立造船所(アルセナーレ)はヨーロッパ最大規模だったそうです。やがて新大陸の発見後、神聖ローマやその他の大国(スペイン、イングランド、フランスなど)の重要性や国力が増すとヴェネティア艦隊は徐々に衰退していったそうで、最後はナポレオンが来た際に評議会の決議によって支配権を譲渡してヴェネツィアの独立が終わったようです。一方、文化的にはルネサンス期に爛熟期を迎え、ヴェネツィア派を形成するなど様々な文化が花開いたようです。それについて詳しくは各章で気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
参考リンク:ヴェネツィアのwikipedia
<第1章 黄金期 La Serenissima>
入口ではヴェネツィアの風景映像と、本を押さえつけている羽の生えたライオンの彫刻が置いてあります。中々大きな像で迫力があり、このライオンはヴェネツィアのシンボルとなっています。また、ヴェネツィアの守護聖人であるサン・マルコの象徴でもあり、サン・マルコ=本を持つ有翼のライオンと同一視されているようです。
[ヴェネツィア共和国の成り立ち]
まずはヴェネツィアの成り立ちについてのコーナーです。
ヤーコポ・デ・バルバリ 「1500年のヴェネツィア(ヴェネツィア景観図)」
巨大で精密なヴェネツィアの地図で、鳥瞰図のように非常に高い位置から観た視点で描かれています。これは鐘楼や教会で写生したものを1つにしたものだそうで、写実的です。 あちこちに海の神などの顔も描かれ霧のようなものを吹いているのも描かれていました。隣にはカラーの似た地図もあり、この作品を元に16~17世紀に当時の変容にあわせて改変したものとなっています。
ヴィットーレ・カルパッチョ 「サン・マルコのライオン」 ★こちらで観られます
右足で本を抑えつけている翼のあるライオンを描いた作品で、背景にはヴェネツィアの町並が描かれています。その前足は陸地、後ろ足は海の中に浸かっていて、これはヴェネツィアの勢力範囲が陸地と海にまたがっていることを示しているようです。また、前述の通り、ライオンはヴェネツィアの守護聖人サン・マルコを示していて、ライオンの持っている本にはヴェネツィアがサン・マルコの遺体を収めている正当性を示しているそうです。解説によると828年に信心深い2人の商人がエジプトのアレキサンドリアにあったサン・マルコの遺体を盗んでヴェネツィアに持ってきたそうで、その由来はサン・マルコが生前に死んだ後にこの地に安置されれば安らぎを得るというお告げがあったためのようでした。絵自体も素晴らしく、大きくて迫力があり色の鮮やかさが見事な作品でした。
[海洋の帝国]
10世紀になるとヴェネツィアはアドリア海や地中海沿岸の小都市を海賊から守る海の警察の役目を果たすようになり、同時に帝国内の免税特権を活用して東西貿易で莫大な富を得ていたようです。12世紀には巨大な国立造船所(アルセナーレ)が作られたり、各地から商人が集まって初めての銀行の為替業務が行われていたようです。
アンドレア・ミキエッリ、通称ヴィチェンティーノ 「レパントの海戦」
大きな横長の絵で、見渡す限り無数の巨大な船が並んでいる様子を描いています。これはキリスト教軍とトルコ軍の決戦の様子らしく、キリスト教側が勝ったそうです。ヴェネツィア船はこの戦いの主要な部分を占め、勝利に決定的な役割を担ったそうです。写実的で迫力があり、当時の様子が伝わってくるような作品でした。
[マルコ・ポーロとジパング]
1271年に17歳のマルコ・ポーロは父と叔父と共にヴェネツィアからアジアへの旅に出ました。富と財宝を得て帰ってきたのは24年後で、帰国して3年後に戦争に従軍した際に捕虜となり、その時に口述をまとめて有名な東方見聞録が書かれました。その中には黄金の国ジパングについても紹介されているのですが、その内容は当時の中国人の日本のイメージとなっているようです。この辺にはマルコ・ポーロに関する品が並んでいて、旅の成果を報告する様子を描いた絵や、世界地図、地中海地図、天体観測の道具、地球儀、天球儀、日時計、コンパス、望遠鏡、ガレー船の模型などが展示されています。
ヴィンチェンツォ・コロネッリ 「地球儀」
このコーナーの部屋の中央にあった大きな地球儀です。これはルイ14世の為に製作された直径4mの地球儀の縮小版レプリカだそうですが、これでも1mはあり充分大きいです。日本やアメリカ、オーストラリアなどもあって結構正確でしたが北海道がないなど細かいところは未完成な感じでした。
[総督(ドーシェ)と共和制]
ドージェは元首のことで、貴族の年配から選ばれることが多かったようです。任期は終身で、独裁的な権力を持っていたのですが、身内に世襲しようとする傾向が強くなってきたため選挙による選出となっていったようです。その後は権限を厳しく監視されるようになり、運営は大評議会や十人委員会が主導していくようになります。ドージェには様々な儀式を執り行う義務があり、特に重要だったのは「海との結婚」と呼ばれる儀式で、船に乗って「我々は汝、海と結婚する」というフレーズと共に海へ投げ込むものだったそうです。 ここにはドージェに関する品々が並んでいました。
作者不詳 「真実の口(密告用投書箱)」
ローマの観光名所と同じ名前の作品で、こちらも郵便ポストが人の顔となり、口のなかに投函する形式となっています。これは十人委員会に向けて告発状を送るためのもので、町のあちこちに置かれたそうです。ぎょろっとしていて、ちょっと悪そうな顔に見えるような…w 面白い表情をしていました。こうやって汚職などを監視していたのですね。
この辺にはドージェが護身用に持っていた小さな銃を隠し持てる祈祷書や、とんがった部分のある変わった形の帽子(ドージェの肖像は必ずこの帽子をかぶっている)、ギルドの投票用の壺、高官の服なども展示されていました。
ジェンティーレ・ベッリーニ 「総督ジョヴァンニ・モチェニーゴの肖像」
横向きのドージェの肖像です。この横向きのスタイルは「プロフィール」と呼ばれる当時の典型的な構図で、先ほど観た変わった形の帽子を被って豪華な衣装を身にまとっています。写実的に描かれ、厳格そうでキリッとした表情をしていました。しかし、理想化はしていないようで、その為一層に人格がよく現れているように思います。
ヴェネツィアの画家 「ドゥカーレ宮殿の「大評議会の間」」
長さ52m、幅26mあるという巨大な会議室に集まった沢山の人々が会議をしている様子を描いた作品です。部屋には豪華な飾りや絵が施され、奥にはティントレットの巨大壁画「天国」の下の玉座にドージェの姿もあります。遠近法が強調されているように感じ、天井の装飾が迫ってくるような感じでした。豪華でドージェの権力を感じさせます。
この辺にはヴェネツィアのサン・マルコ広場など街並みや祭礼の様子を描いた絵画や、コイン、委任状などもありました。委任状はほとんど本にしか見えませんw
[唯一の都市ヴェネツィア]
ヴェネツィアは400以上の橋で結ばれた小島で、建物は無数の丸太を粘土層に打ち込んで作った地面の上に建てていきます。地上には歩行者用の歩道しか無く、人や物資の運搬はゴンドラや船を使い、車両は一切通りません。1846年の鉄道敷設までは完全に独立した島で、1898年に導水管が通るまでは水は雨水を集めて井戸でろ過するシステムとなっていました。このコーナーにはそうしたヴェネツィアの都市機構そのものをテーマにした作品が並んでいました。
作者不詳 「井戸の井筒」
広場のあちこちにある井戸の井筒で、これは9~10世紀頃のカロリング朝様式のものだそうです。側面にパターン化された十字架やアーチが浮き彫りとなっていて、植物紋様らしきものも彫られています。ヴェネツィアは海に浮かんでいるため、井戸を掘っても水を得ることは難しいので、先述の通り雨水を広場の地下などに溜め込んでいたようで、石灰などでろ過をしていたようです。井戸1つをとっても装飾的で洒落た雰囲気があるのはさすがです。
ヴェネツィア製 「ゴンドラ用フェッロ(船尾用鉄製部品)」
ゴンドラの舳先(へさき)に付いている装飾です。元々は船体保護や強化のためのものでしたが、16~17世紀に富や栄華を誇示する装飾となったそうです。人々や草花が組み合わさったような金属のレリーフで、優美で複雑な紋様となっていました。
この辺には街の様子を描いた絵画作品なども展示されていました。
ジュゼッペ・ボルサート 「リアルト橋」
アーチ状の橋の上に商店などが入った、有名なリアルト橋を描いた作品です。これはヴェネツィア最大の運河カナル・グランデに架かる橋で、ルネサンス期に一般公募によってデザインのコンペが行われました。コンペにはかのミケランジェロも応募していたようですが、長年の審議の末に最終的にはアントニオ・ダ・ポンテの案が採用されました。非常に重い橋らしく、基礎工事の際には500万本もの木の杭が打たれたそうです。この絵自体は写実的かつ精密に描かれていて、隣に並んでいた現在の橋の様子と遜色ない姿をしています。若干、白いはずの橋が茶色っぽく見えるくらいかな。今も昔も変わらない姿を見ることができます。
この辺には、ヴェネツィアの街の仕組みを模型にしたものがあり、広場、井戸、運河、邸宅などが再現されていました。地下まで断面図のようになっていて、水が浄化されて集まる仕組みや、粘土層に杭が打ち込まれた上に柱が立つ様子、家が歩道と運河の両方に面している様子などもわかります。模型は2章に進むと裏側から観ることも出来て、1階は商用スペース、2階以上は住居スペースや美術品を並べた部屋などもあるようでした。
ということで、まだ1章しかご紹介していませんが、長くなってきたので今日はここまでにします。とにかく1つの都市を展覧会に詰め込んでいる感じなので情報量が凄いですw 観ているだけでヴェネツィアに行ってみたくなります。
後半には有名な絵画作品なども展示されていましたので、次回はそれについてご紹介しようと思います。
→後編はこちら


【展覧名】
世界遺産 ヴェネツィア展 ~魅惑の芸術-千年の都~
【公式サイト】
http://www.go-venezia.com/
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/special/index.html
【会場】江戸東京博物館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】JR両国駅/大江戸線両国駅
【会期】2011年9月23日(金・祝)~12月11日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
混んでいて、場所によっては人だかりができる(特に小さめの作品やガラスケースの周り)くらいの盛況ぶりでした。しかし、特に入場制限は無く、帰る頃(土曜日18時頃)にはガラ空きだったので、狙い目は19:30まで開館している土曜の夜だと思います。
さて、今回の展示は1000年に渡って独立国家を築いたヴェネティアを題材にしています。ヴェネティアは1987年に世界遺産に登録されたイタリア北部の都市で、年間2000万の観光客が訪れる世界的な観光地でもあります。今回はそのヴェネティアにある7つの美術館・博物館の作品が一堂に会する内容で、3章構成158点もの貴重な作品を観ることが出来ました(一部は東京のみ) 東京を皮切りに日本全国を巡回するのですが、とりわけ仙台にも巡回するのは意義深いことだと思います。これだけ貴重なものを震災後の被災地に貸し出してくれるヴェネティアには頭が下がる思いです。
まず先に入口~1章付近にあった大まかなヴェネティアの成りたりと歴史を紹介すると、ヴェネティアは起源6世紀頃にビサンティン帝国の政権下に生まれた都市で、他民族から逃れる為に攻めにくいこの地にやってきた人々によって築かれたようです。ラグーナと呼ばれる湿地に沢山の杭を打って建物を建てていき、その後成長していくと速やかに独立国家となります。西暦697年に総督(ドージェ)が初選出されて以来「自由と独立」を貫き、強大な海軍力と交易を背景に力を伸ばしていました。その体制はドージェを頂点に少数者が権力を握るという独裁的なものでしたが、時代と共に変遷していきます。
ヴェネツィアは海との関わりが強く、海洋国家として国立造船所(アルセナーレ)はヨーロッパ最大規模だったそうです。やがて新大陸の発見後、神聖ローマやその他の大国(スペイン、イングランド、フランスなど)の重要性や国力が増すとヴェネティア艦隊は徐々に衰退していったそうで、最後はナポレオンが来た際に評議会の決議によって支配権を譲渡してヴェネツィアの独立が終わったようです。一方、文化的にはルネサンス期に爛熟期を迎え、ヴェネツィア派を形成するなど様々な文化が花開いたようです。それについて詳しくは各章で気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
参考リンク:ヴェネツィアのwikipedia
<第1章 黄金期 La Serenissima>
入口ではヴェネツィアの風景映像と、本を押さえつけている羽の生えたライオンの彫刻が置いてあります。中々大きな像で迫力があり、このライオンはヴェネツィアのシンボルとなっています。また、ヴェネツィアの守護聖人であるサン・マルコの象徴でもあり、サン・マルコ=本を持つ有翼のライオンと同一視されているようです。
[ヴェネツィア共和国の成り立ち]
まずはヴェネツィアの成り立ちについてのコーナーです。
ヤーコポ・デ・バルバリ 「1500年のヴェネツィア(ヴェネツィア景観図)」
巨大で精密なヴェネツィアの地図で、鳥瞰図のように非常に高い位置から観た視点で描かれています。これは鐘楼や教会で写生したものを1つにしたものだそうで、写実的です。 あちこちに海の神などの顔も描かれ霧のようなものを吹いているのも描かれていました。隣にはカラーの似た地図もあり、この作品を元に16~17世紀に当時の変容にあわせて改変したものとなっています。
ヴィットーレ・カルパッチョ 「サン・マルコのライオン」 ★こちらで観られます
右足で本を抑えつけている翼のあるライオンを描いた作品で、背景にはヴェネツィアの町並が描かれています。その前足は陸地、後ろ足は海の中に浸かっていて、これはヴェネツィアの勢力範囲が陸地と海にまたがっていることを示しているようです。また、前述の通り、ライオンはヴェネツィアの守護聖人サン・マルコを示していて、ライオンの持っている本にはヴェネツィアがサン・マルコの遺体を収めている正当性を示しているそうです。解説によると828年に信心深い2人の商人がエジプトのアレキサンドリアにあったサン・マルコの遺体を盗んでヴェネツィアに持ってきたそうで、その由来はサン・マルコが生前に死んだ後にこの地に安置されれば安らぎを得るというお告げがあったためのようでした。絵自体も素晴らしく、大きくて迫力があり色の鮮やかさが見事な作品でした。
[海洋の帝国]
10世紀になるとヴェネツィアはアドリア海や地中海沿岸の小都市を海賊から守る海の警察の役目を果たすようになり、同時に帝国内の免税特権を活用して東西貿易で莫大な富を得ていたようです。12世紀には巨大な国立造船所(アルセナーレ)が作られたり、各地から商人が集まって初めての銀行の為替業務が行われていたようです。
アンドレア・ミキエッリ、通称ヴィチェンティーノ 「レパントの海戦」
大きな横長の絵で、見渡す限り無数の巨大な船が並んでいる様子を描いています。これはキリスト教軍とトルコ軍の決戦の様子らしく、キリスト教側が勝ったそうです。ヴェネツィア船はこの戦いの主要な部分を占め、勝利に決定的な役割を担ったそうです。写実的で迫力があり、当時の様子が伝わってくるような作品でした。
[マルコ・ポーロとジパング]
1271年に17歳のマルコ・ポーロは父と叔父と共にヴェネツィアからアジアへの旅に出ました。富と財宝を得て帰ってきたのは24年後で、帰国して3年後に戦争に従軍した際に捕虜となり、その時に口述をまとめて有名な東方見聞録が書かれました。その中には黄金の国ジパングについても紹介されているのですが、その内容は当時の中国人の日本のイメージとなっているようです。この辺にはマルコ・ポーロに関する品が並んでいて、旅の成果を報告する様子を描いた絵や、世界地図、地中海地図、天体観測の道具、地球儀、天球儀、日時計、コンパス、望遠鏡、ガレー船の模型などが展示されています。
ヴィンチェンツォ・コロネッリ 「地球儀」
このコーナーの部屋の中央にあった大きな地球儀です。これはルイ14世の為に製作された直径4mの地球儀の縮小版レプリカだそうですが、これでも1mはあり充分大きいです。日本やアメリカ、オーストラリアなどもあって結構正確でしたが北海道がないなど細かいところは未完成な感じでした。
[総督(ドーシェ)と共和制]
ドージェは元首のことで、貴族の年配から選ばれることが多かったようです。任期は終身で、独裁的な権力を持っていたのですが、身内に世襲しようとする傾向が強くなってきたため選挙による選出となっていったようです。その後は権限を厳しく監視されるようになり、運営は大評議会や十人委員会が主導していくようになります。ドージェには様々な儀式を執り行う義務があり、特に重要だったのは「海との結婚」と呼ばれる儀式で、船に乗って「我々は汝、海と結婚する」というフレーズと共に海へ投げ込むものだったそうです。 ここにはドージェに関する品々が並んでいました。
作者不詳 「真実の口(密告用投書箱)」
ローマの観光名所と同じ名前の作品で、こちらも郵便ポストが人の顔となり、口のなかに投函する形式となっています。これは十人委員会に向けて告発状を送るためのもので、町のあちこちに置かれたそうです。ぎょろっとしていて、ちょっと悪そうな顔に見えるような…w 面白い表情をしていました。こうやって汚職などを監視していたのですね。
この辺にはドージェが護身用に持っていた小さな銃を隠し持てる祈祷書や、とんがった部分のある変わった形の帽子(ドージェの肖像は必ずこの帽子をかぶっている)、ギルドの投票用の壺、高官の服なども展示されていました。
ジェンティーレ・ベッリーニ 「総督ジョヴァンニ・モチェニーゴの肖像」
横向きのドージェの肖像です。この横向きのスタイルは「プロフィール」と呼ばれる当時の典型的な構図で、先ほど観た変わった形の帽子を被って豪華な衣装を身にまとっています。写実的に描かれ、厳格そうでキリッとした表情をしていました。しかし、理想化はしていないようで、その為一層に人格がよく現れているように思います。
ヴェネツィアの画家 「ドゥカーレ宮殿の「大評議会の間」」
長さ52m、幅26mあるという巨大な会議室に集まった沢山の人々が会議をしている様子を描いた作品です。部屋には豪華な飾りや絵が施され、奥にはティントレットの巨大壁画「天国」の下の玉座にドージェの姿もあります。遠近法が強調されているように感じ、天井の装飾が迫ってくるような感じでした。豪華でドージェの権力を感じさせます。
この辺にはヴェネツィアのサン・マルコ広場など街並みや祭礼の様子を描いた絵画や、コイン、委任状などもありました。委任状はほとんど本にしか見えませんw
[唯一の都市ヴェネツィア]
ヴェネツィアは400以上の橋で結ばれた小島で、建物は無数の丸太を粘土層に打ち込んで作った地面の上に建てていきます。地上には歩行者用の歩道しか無く、人や物資の運搬はゴンドラや船を使い、車両は一切通りません。1846年の鉄道敷設までは完全に独立した島で、1898年に導水管が通るまでは水は雨水を集めて井戸でろ過するシステムとなっていました。このコーナーにはそうしたヴェネツィアの都市機構そのものをテーマにした作品が並んでいました。
作者不詳 「井戸の井筒」
広場のあちこちにある井戸の井筒で、これは9~10世紀頃のカロリング朝様式のものだそうです。側面にパターン化された十字架やアーチが浮き彫りとなっていて、植物紋様らしきものも彫られています。ヴェネツィアは海に浮かんでいるため、井戸を掘っても水を得ることは難しいので、先述の通り雨水を広場の地下などに溜め込んでいたようで、石灰などでろ過をしていたようです。井戸1つをとっても装飾的で洒落た雰囲気があるのはさすがです。
ヴェネツィア製 「ゴンドラ用フェッロ(船尾用鉄製部品)」
ゴンドラの舳先(へさき)に付いている装飾です。元々は船体保護や強化のためのものでしたが、16~17世紀に富や栄華を誇示する装飾となったそうです。人々や草花が組み合わさったような金属のレリーフで、優美で複雑な紋様となっていました。
この辺には街の様子を描いた絵画作品なども展示されていました。
ジュゼッペ・ボルサート 「リアルト橋」
アーチ状の橋の上に商店などが入った、有名なリアルト橋を描いた作品です。これはヴェネツィア最大の運河カナル・グランデに架かる橋で、ルネサンス期に一般公募によってデザインのコンペが行われました。コンペにはかのミケランジェロも応募していたようですが、長年の審議の末に最終的にはアントニオ・ダ・ポンテの案が採用されました。非常に重い橋らしく、基礎工事の際には500万本もの木の杭が打たれたそうです。この絵自体は写実的かつ精密に描かれていて、隣に並んでいた現在の橋の様子と遜色ない姿をしています。若干、白いはずの橋が茶色っぽく見えるくらいかな。今も昔も変わらない姿を見ることができます。
この辺には、ヴェネツィアの街の仕組みを模型にしたものがあり、広場、井戸、運河、邸宅などが再現されていました。地下まで断面図のようになっていて、水が浄化されて集まる仕組みや、粘土層に杭が打ち込まれた上に柱が立つ様子、家が歩道と運河の両方に面している様子などもわかります。模型は2章に進むと裏側から観ることも出来て、1階は商用スペース、2階以上は住居スペースや美術品を並べた部屋などもあるようでした。
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ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ 【パナソニック汐留美術館】 (12/19)
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鈴木其一・夏秋渓流図屏風 【根津美術館】 (12/16)
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【根津美術館】の紅葉 2021年11月 (12/14)
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カフェラヴォワ 【新宿界隈のお店】 (12/12)
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川瀬巴水 旅と郷愁の風景 【SOMPO美術館】 (12/10)
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- うさぴょん:キヨノサチコ絵本原画の世界 みんな大好き!ノンタン展 【松屋銀座】 (03/21)
- 21世紀のxxx者:川豊 【成田界隈のお店】 (03/04)
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