Archive | 2012年08月
ここ数日続いた青森編も今日で最後です。前回ご紹介した三内丸山遺跡を観た後、新青森駅から新幹線で七戸十和田駅に移動し、さらにそこからバスで40分ほどの所にある十和田市現代美術館に行って、常設展を観てきました。

【公式サイト】
http://towadaartcenter.com/web/towadaartcenter.html
【会場】十和田市現代美術館
【最寄】特になし
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度(私は30分でしたが普通なら1時間程度です)
【混み具合・混雑状況(平日16時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
新幹線とバスの接続が悪く、どちらも1時間に1本! かなり時間をロスしてしまい着いたのは16時半頃で、危うく入場できなくなる所でした。青森県立美術館からのハシゴは結構無茶な計画だったかな…。電車とバスだと中々大変です。(帰りは八戸駅までバスに1時間ほど乗りました。バスで行くなら時間はかかるけど新幹線が多く止まる八戸の方から行ったほうが良いかも。)
そんな時間に行ったこともあり、空いていて快適に観ることができましたが、とにかく時間がないので急ぎ足での鑑賞となってしまいました。特別展は諦めて常設展のみにしましたが、普通なら観るのに1時間程度じゃないかな。
さて、前置きが長くなりましたが、この十和田市現代美術館は2008年に出来た新しい美術館で、省庁再編などで青森県十和田市のシンボルだった官庁街に空き地が増えたことから、十和田市の「アートによるまちづくりプロジェクト、Arts Towada(アーツ・トワダ)計画」の中核として建てられたそうです。この美術館の正面(税務署跡地)や目の前の官庁街通り沿いは現代アートの作品が並ぶ独特の空間となっていて、通り全体をひとつの美術館に見立てる取り組みは世界でもまれな試みだそうです。外の作品は写真を撮ることもできましたので、詳しくは美術館の中と合わせて気に入った作品を通してご紹介していこうと思います。
<1階>
まず最初に1階で1部屋(1点)だけ観ました。
ロン・ミュエク 「スタンディング・ウーマン」 ★こちらで観られます
これは常設に入って出迎えるように立っている大きな女性像です。4m近くあるそうで、着色され非常にリアルな像で驚きました。自分が小人になったような…w ちょっとずんぐりした感じの等身も本物の人間のように思えてくる要因かも?? 不思議な感覚になる部屋でした。
<2階>
時間も少なかったためか、順路と違い2階から観るように促されたので先に2階を観てきました。
フェデリコ・エレーロ 「ウォール・ペインティング」 ★こちらで観られます
何だかやけに派手でポップな壁をした階段だなと思ったら作品でしたw 色とりどりで即興的に描かれたそうで、移動しながら楽しむことができます。明るい雰囲気の画風でした。
なお、屋上にもこの作家の「ミラー」という床面をペインティングした作品がありました。
マリール・ノイデッカー 「闇というもの。」 ★こちらで観られます
これは暗い大きな部屋の中に、何本もの木々が立ち並んでいる作品で、葉っぱはないものの夜の森に迷い込んだような雰囲気があります。これらの木は実際に森の中で樹木をかたどって制作されたそうで、リアルで神秘的な空間となっていました。ライティングも絶妙で、そうした雰囲気を強めているように思いました。
ボッレ・セートレ 「無題 /デッド・スノー・ワールド・システム」 ★こちらで観られます
ここは1つの部屋ごと作品になっていて、靴を脱いで鑑賞します。この部屋に向かう途中、SFの宇宙船のような通路だなと思っていたら、部屋の中はもっと宇宙船チックな感じでした。部屋中真っ白で映像が流れる中、ミラーボールと白山羊?が寝転がっているというシュールな空間です。これも意味は分からなかったですが、理屈抜きに面白かったです。
ここで2階は終わりで再び1階の展示室へ。
<1階>
ハンス・オプ・デ・ビーク 「ロケーション(5)」 ★こちらで観られます
これは特に驚いた作品で、暗い部屋の中がカフェのようになっています。椅子に腰掛けると横には窓があるのですが、そこから眺める風景は夜のハイウェイ(外国風)そのもので、まるで夜の高速のレストランに来たような錯覚に襲われました。遠近感もバッチリで とてもジオラマの風景とは思えませんでしたが、車や人の姿が無くどこかシュールで不穏な感じも受けました。これは是非多くの人に体験して欲しい。
栗林隆 「ザンプランド」 ★こちらで観られます
これは白いテーブルと椅子が置かれた部屋で、天井からアザラシの下半身が突き出しています。天井には穴も開いていて、テーブルの上に乗った椅子に登り穴を覗きこむと、何と天井の上に湿地帯が広がっています。モクモクとした霧が立ち込め鬱蒼としていて、アザラシの上半身もありましたw これも驚きで、まるでシュルレアリスムを部屋にしたような楽しい作品でした。
スゥ・ドーホー 「コーズ・アンド・エフェクト」 ★こちらで観られます
下の写真は表の通りから撮ったものです。遠目で見ると綺麗なシャンデリアのように見える作品です。

これは9mもある天井から吊り下げられているのですが、よく観ると人間の形をした樹脂人形がお互いを肩車するように繋がっているのが分かります。ちょっと異様な感じも受けますが、連綿と続く輪廻転生をモチーフにしているそうで、確かにお互いを支えあっている点などからそうした印象を受けました。これも気づいた時の驚きが大きく、面白い作品でした。
1階にはこの他にも面白い作品があり、エントランスホールなどにも作品があります。
<中庭>
中庭にもあちこちに驚ける作品が並んでいました。
山極満博 「ぼくはきみになれない」 ★こちらで観られます
中庭にはこの人の作品が何点かあったのですが、特に面白かったのはコンクリ(側溝みたいなのを裏返したもの)とミニカーを使ってトンネルに潜っていく道路を表現した作品でした。やけにリアリティがあり、その発想に遊び心を感じました。
オノ・ヨーコ 「平和の鐘」 ★こちらで観られます
中庭にあった鐘で、これは特に変わったものではないですが、実際に叩くことが出来ました。カン カンと抜けるような音がして、交代で叩く来場者たちを楽しませていました。
<アート広場>
何とか閉館ぎりぎりで常設を見終えたので、続いては外の作品を観てきました。こちらも閉館時間になると中に入れなくなったり映像が止まるようで、残念ながら映像は観られませんでした。
椿昇 「アッタ」 ★こちらで観られます

ハキリアリというアリを巨大にした作品です。観た瞬間に地球防衛軍というゲームの敵キャラを思い浮かべましたw アリは大きくなると急にキモくて怖いイメージ…。刺々しい感じです。
ポール・モリソン 「オクリア」 ★こちらで観られます

これはミュージアムショップの壁面に描かれていた作品。高さ10m、幅20mもあるそうでインパクトがあります。 神話に登場するリンゴの木をモチーフとしているそうなので、アダムとイブの話かな??
ちなみにミュージアムショップの隣の休憩スペースにも作品はあります。本当にあちこちに作品がある感じです。
チェ・ジョンファ 「フラワー・ホース」 ★こちらで観られます

官庁街通りは別名「駒街道」というそうで、これは十和田市の未来の繁栄を象徴しているそうです。華やかで躍動感のある作品でした。
エルヴィン・ヴルム 「ファット・ハウス」「ファット・カー」 ★こちらで観られます

ここからは向かいの税務署跡地の作品です。これは太った家と太った車だそうで、お化け屋敷かと思いましたw この家の中では映像作品があるようでしたが、私が行った時は観られませんでした…。近くにいた子供がハシャいでいたので、意味は分からないけれど誰もが楽しくなる作品だと思います。
草間彌生 「愛はとこしえ十和田でうたう」 ★こちらで観られます

これは草間彌生の作品群。ヤヨイちゃんや水玉のカボチャが見えます。
これはカボチャの内部。横に穴が開いていて入れます。

キラキラして綺麗な水玉模様を描いていました。
ヤヨイちゃんと犬。水玉だらけで草間彌生らしい作品です。

よく観ると道も水玉です。徹底ぶりが流石です。
参考記事:
草間彌生 永遠の永遠の永遠 (埼玉県立近代美術館)
草間彌生 ボディ・フェスティバル in 60's 展 (ワタリウム美術館)
六本木アートナイト2012 (前編)
六本木アートナイト2012 (後編)
インゲス・イデー 「ゴースト」「 アンノウン・マス」 ★こちらで観られます

こちらはニョロニョロかと思いましたw お化けとトイレの中を覗き見る像です。ちょっと可愛らしくも思いますが、大通りに面して建つ姿は異様で、インパクトがありました。
R&Sie(n) 「ヒプノティック・チェンバー」 ★こちらで観られます

これは見る者に催眠をかけるストーリーがあるそうですが、有機的で変わった形でした。
官庁街通りの歩道。この通りはストリートファニチャーと呼んでいるようで、点々と作品がありました。

緑の並木も綺麗です。日没時刻になると建物の壁と照明を使った作品も観られるそうですが、時間の関係上見ることはできませんでした。
ということで、電車&バスで行くのは大変でしたが苦労して行った甲斐がある美術館でした。現代アートは難しいイメージがありますが、ここにある品は驚きがあって直感的に楽しめる作品が多かったように思います。出来ればいずれまたゆっくり時間を割いて観に行ければ…と思わせる美術館でした。
おまけ:
今年(2012年)の秋から翌年明けには奈良美智の展示があるようで、青森県立美術館と共に青森は奈良美智で盛り上がりそうな予感です。
参考リンク:
奈良美智「青い森の ちいさな ちいさな おうち」
十和田市現代美術館:2012年9月22日(土・祝)~2013年1月14日(月・祝)
奈良美智: 君や 僕に ちょっと似ている a bit like you and me...
青森県立美術館:2012年10月6日~2013年1月14日
参考記事:
【番外編】青森県立美術館の常設(2012年8月)と「没後10年特集展示:成田亨」 (青森県立美術館)
参照記事:★この記事を参照している記事

【公式サイト】
http://towadaartcenter.com/web/towadaartcenter.html
【会場】十和田市現代美術館
【最寄】特になし
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度(私は30分でしたが普通なら1時間程度です)
【混み具合・混雑状況(平日16時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
新幹線とバスの接続が悪く、どちらも1時間に1本! かなり時間をロスしてしまい着いたのは16時半頃で、危うく入場できなくなる所でした。青森県立美術館からのハシゴは結構無茶な計画だったかな…。電車とバスだと中々大変です。(帰りは八戸駅までバスに1時間ほど乗りました。バスで行くなら時間はかかるけど新幹線が多く止まる八戸の方から行ったほうが良いかも。)
そんな時間に行ったこともあり、空いていて快適に観ることができましたが、とにかく時間がないので急ぎ足での鑑賞となってしまいました。特別展は諦めて常設展のみにしましたが、普通なら観るのに1時間程度じゃないかな。
さて、前置きが長くなりましたが、この十和田市現代美術館は2008年に出来た新しい美術館で、省庁再編などで青森県十和田市のシンボルだった官庁街に空き地が増えたことから、十和田市の「アートによるまちづくりプロジェクト、Arts Towada(アーツ・トワダ)計画」の中核として建てられたそうです。この美術館の正面(税務署跡地)や目の前の官庁街通り沿いは現代アートの作品が並ぶ独特の空間となっていて、通り全体をひとつの美術館に見立てる取り組みは世界でもまれな試みだそうです。外の作品は写真を撮ることもできましたので、詳しくは美術館の中と合わせて気に入った作品を通してご紹介していこうと思います。
<1階>
まず最初に1階で1部屋(1点)だけ観ました。
ロン・ミュエク 「スタンディング・ウーマン」 ★こちらで観られます
これは常設に入って出迎えるように立っている大きな女性像です。4m近くあるそうで、着色され非常にリアルな像で驚きました。自分が小人になったような…w ちょっとずんぐりした感じの等身も本物の人間のように思えてくる要因かも?? 不思議な感覚になる部屋でした。
<2階>
時間も少なかったためか、順路と違い2階から観るように促されたので先に2階を観てきました。
フェデリコ・エレーロ 「ウォール・ペインティング」 ★こちらで観られます
何だかやけに派手でポップな壁をした階段だなと思ったら作品でしたw 色とりどりで即興的に描かれたそうで、移動しながら楽しむことができます。明るい雰囲気の画風でした。
なお、屋上にもこの作家の「ミラー」という床面をペインティングした作品がありました。
マリール・ノイデッカー 「闇というもの。」 ★こちらで観られます
これは暗い大きな部屋の中に、何本もの木々が立ち並んでいる作品で、葉っぱはないものの夜の森に迷い込んだような雰囲気があります。これらの木は実際に森の中で樹木をかたどって制作されたそうで、リアルで神秘的な空間となっていました。ライティングも絶妙で、そうした雰囲気を強めているように思いました。
ボッレ・セートレ 「無題 /デッド・スノー・ワールド・システム」 ★こちらで観られます
ここは1つの部屋ごと作品になっていて、靴を脱いで鑑賞します。この部屋に向かう途中、SFの宇宙船のような通路だなと思っていたら、部屋の中はもっと宇宙船チックな感じでした。部屋中真っ白で映像が流れる中、ミラーボールと白山羊?が寝転がっているというシュールな空間です。これも意味は分からなかったですが、理屈抜きに面白かったです。
ここで2階は終わりで再び1階の展示室へ。
<1階>
ハンス・オプ・デ・ビーク 「ロケーション(5)」 ★こちらで観られます
これは特に驚いた作品で、暗い部屋の中がカフェのようになっています。椅子に腰掛けると横には窓があるのですが、そこから眺める風景は夜のハイウェイ(外国風)そのもので、まるで夜の高速のレストランに来たような錯覚に襲われました。遠近感もバッチリで とてもジオラマの風景とは思えませんでしたが、車や人の姿が無くどこかシュールで不穏な感じも受けました。これは是非多くの人に体験して欲しい。
栗林隆 「ザンプランド」 ★こちらで観られます
これは白いテーブルと椅子が置かれた部屋で、天井からアザラシの下半身が突き出しています。天井には穴も開いていて、テーブルの上に乗った椅子に登り穴を覗きこむと、何と天井の上に湿地帯が広がっています。モクモクとした霧が立ち込め鬱蒼としていて、アザラシの上半身もありましたw これも驚きで、まるでシュルレアリスムを部屋にしたような楽しい作品でした。
スゥ・ドーホー 「コーズ・アンド・エフェクト」 ★こちらで観られます
下の写真は表の通りから撮ったものです。遠目で見ると綺麗なシャンデリアのように見える作品です。

これは9mもある天井から吊り下げられているのですが、よく観ると人間の形をした樹脂人形がお互いを肩車するように繋がっているのが分かります。ちょっと異様な感じも受けますが、連綿と続く輪廻転生をモチーフにしているそうで、確かにお互いを支えあっている点などからそうした印象を受けました。これも気づいた時の驚きが大きく、面白い作品でした。
1階にはこの他にも面白い作品があり、エントランスホールなどにも作品があります。
<中庭>
中庭にもあちこちに驚ける作品が並んでいました。
山極満博 「ぼくはきみになれない」 ★こちらで観られます
中庭にはこの人の作品が何点かあったのですが、特に面白かったのはコンクリ(側溝みたいなのを裏返したもの)とミニカーを使ってトンネルに潜っていく道路を表現した作品でした。やけにリアリティがあり、その発想に遊び心を感じました。
オノ・ヨーコ 「平和の鐘」 ★こちらで観られます
中庭にあった鐘で、これは特に変わったものではないですが、実際に叩くことが出来ました。カン カンと抜けるような音がして、交代で叩く来場者たちを楽しませていました。
<アート広場>
何とか閉館ぎりぎりで常設を見終えたので、続いては外の作品を観てきました。こちらも閉館時間になると中に入れなくなったり映像が止まるようで、残念ながら映像は観られませんでした。
椿昇 「アッタ」 ★こちらで観られます

ハキリアリというアリを巨大にした作品です。観た瞬間に地球防衛軍というゲームの敵キャラを思い浮かべましたw アリは大きくなると急にキモくて怖いイメージ…。刺々しい感じです。
ポール・モリソン 「オクリア」 ★こちらで観られます

これはミュージアムショップの壁面に描かれていた作品。高さ10m、幅20mもあるそうでインパクトがあります。 神話に登場するリンゴの木をモチーフとしているそうなので、アダムとイブの話かな??
ちなみにミュージアムショップの隣の休憩スペースにも作品はあります。本当にあちこちに作品がある感じです。
チェ・ジョンファ 「フラワー・ホース」 ★こちらで観られます

官庁街通りは別名「駒街道」というそうで、これは十和田市の未来の繁栄を象徴しているそうです。華やかで躍動感のある作品でした。
エルヴィン・ヴルム 「ファット・ハウス」「ファット・カー」 ★こちらで観られます

ここからは向かいの税務署跡地の作品です。これは太った家と太った車だそうで、お化け屋敷かと思いましたw この家の中では映像作品があるようでしたが、私が行った時は観られませんでした…。近くにいた子供がハシャいでいたので、意味は分からないけれど誰もが楽しくなる作品だと思います。
草間彌生 「愛はとこしえ十和田でうたう」 ★こちらで観られます

これは草間彌生の作品群。ヤヨイちゃんや水玉のカボチャが見えます。
これはカボチャの内部。横に穴が開いていて入れます。

キラキラして綺麗な水玉模様を描いていました。
ヤヨイちゃんと犬。水玉だらけで草間彌生らしい作品です。


よく観ると道も水玉です。徹底ぶりが流石です。
参考記事:
草間彌生 永遠の永遠の永遠 (埼玉県立近代美術館)
草間彌生 ボディ・フェスティバル in 60's 展 (ワタリウム美術館)
六本木アートナイト2012 (前編)
六本木アートナイト2012 (後編)
インゲス・イデー 「ゴースト」「 アンノウン・マス」 ★こちらで観られます

こちらはニョロニョロかと思いましたw お化けとトイレの中を覗き見る像です。ちょっと可愛らしくも思いますが、大通りに面して建つ姿は異様で、インパクトがありました。
R&Sie(n) 「ヒプノティック・チェンバー」 ★こちらで観られます

これは見る者に催眠をかけるストーリーがあるそうですが、有機的で変わった形でした。
官庁街通りの歩道。この通りはストリートファニチャーと呼んでいるようで、点々と作品がありました。

緑の並木も綺麗です。日没時刻になると建物の壁と照明を使った作品も観られるそうですが、時間の関係上見ることはできませんでした。
ということで、電車&バスで行くのは大変でしたが苦労して行った甲斐がある美術館でした。現代アートは難しいイメージがありますが、ここにある品は驚きがあって直感的に楽しめる作品が多かったように思います。出来ればいずれまたゆっくり時間を割いて観に行ければ…と思わせる美術館でした。
おまけ:
今年(2012年)の秋から翌年明けには奈良美智の展示があるようで、青森県立美術館と共に青森は奈良美智で盛り上がりそうな予感です。
参考リンク:
奈良美智「青い森の ちいさな ちいさな おうち」
十和田市現代美術館:2012年9月22日(土・祝)~2013年1月14日(月・祝)
奈良美智: 君や 僕に ちょっと似ている a bit like you and me...
青森県立美術館:2012年10月6日~2013年1月14日
参考記事:
【番外編】青森県立美術館の常設(2012年8月)と「没後10年特集展示:成田亨」 (青森県立美術館)
参照記事:★この記事を参照している記事
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今日も引き続き青森編です。前々回、前回ご紹介した青森県立美術館の展示を観た後、美術館のほど近くにある三内丸山遺跡にも行ってみました。
公式サイト;三内丸山遺跡

この遺跡は日本最大級の縄文集落の跡だそうで、今から約5500年前~4000年前の縄文時代の集落跡が再現され、一部の建物は中に入ることもできます。江戸時代からこの遺跡の存在を知られていたそうですが、本格的に発掘されたのは1992年で、始められた時は県営球場を建設するための調査だったそうです。遺構群や多数の遺物が発見され巨大遺跡と分かると建設は中止され、保存されるようになったそうです。
野球場予定地だった約50,000㎡の発掘調査では約580棟の竪穴住居跡、10数棟の大型竪穴住居跡、100棟を超える掘立柱建物跡、遺物が廃棄された泥炭層、1000年に渡って土器や土が捨てられた盛土遺構、約880基の子供の墓などが見つかったそうです。また、遺物には日本最古級の漆器やカゴなどの編み物、敷物、骨角器などがあるそうで、縄文文化を解明する上で、重要な遺跡とされているようです。
青森県立美術館から歩いて行ったのですが、徒歩7~8分くらいだったと思います。こんな長閑な風景が続きます。

真夏に行ったら遺跡まで全く日陰が無くてカンカン照りに遭いましたw
こちらは竪穴住居の復元。左は樹皮葺住居かな? 右は土葺住居。

土葺住居のほうが原始的に見えますが、樹皮葺などに比べて断熱効果が高いそうです。
これは一般的な竪穴住居。今から4500年ほど前(縄文中期)の住居です。

家の中央には穴が掘られ、火をくべる炉として使われたようです。
こんな感じで結構あります。

縄文の家づくり体験というのがあって、市民の力で復元作業を行っているようです。
これも一般的な竪穴住居跡。

中に入ることができました。

直射日光が暑い時期だったので、中に入るとちょっと涼しく感じたかな。意外と広いけど、壁が斜めなので圧迫感がw
高床式倉庫みたいな建物もありました。高床式って弥生時代のものかと思っていました。

高床式の建物に向かう途中、遺構もガラス張りで保存されていました。

高床式の建物(掘立柱建物)のアップ。倉庫か住居に使われていたと考えられるようです。

何てことない原っぱに見えますが、これは泥炭層。

ここは縄文人達のゴミ捨て場だったようで、通常では腐って残らない木製品なども泥炭層のお陰で残っているらしく、漆器なども出土しているようです。ここには北の川に向かって60mの道路もあったらしく、船着場のようなものがあったのではないかと推測されるそうです。
そして三内丸山遺跡と言えばやはりこの謎の大型掘立柱建物! これはかなり大きくて驚きます。

縄文中期(4500~4000年前)の建物の復元で、今でも用途はハッキリとは分からないそうです。宗教的な施設、物見櫓、灯台、魚の見張り小屋、天文台?など色々説があるそうで、複数の目的があったことも考えられるようでした。柱と柱の間はすべて4.2mだったそうで、何らかの測量技術があったのかも??
ちなみに以前はハシゴがかけられていたようですが、子供が登ると危ないので今は取り払われたようです。
こちらは大型の建物

中は結構広くて天井も高いです。集会場か何かかな??
こちらは1000年に渡ってできた盛土。

中からは多数の土器や土偶、翡翠の玉などが出土していて、単なるゴミ捨て場ではなくお祭りを行うなど特殊な場所だったのではと考えられるようです。
このトンネルのようなとこに入るとこんな感じ。

発掘調査の様子をうかがい知ることができます。
この近くには縄文時遊館という立派な施設があり、この遺跡について学べるようでしたが時間の関係上、スルーしてきました。
参考リンク:縄文の丘 三内まほろばパーク「縄文時遊館」
ということで、跡地だけでなく再現があるのが面白い遺跡でした。特にあの6本の柱の建物は圧巻でした。青森県立美術館から歩いて行くことができますので、青森に旅行される場合は美術館とこちらをセットで楽しまれると良いかと思います。
おまけ:
今回の青森旅行ではリッチモンドホテル青森というビジネスホテルに泊まりました。

6年連続宿泊客満足度NO.1(2012年時点)だそうで、ビジネスホテルなので部屋はちょっと狭いものの清潔感があり、アメニティも充実して確かに良いホテルでした。
参考リンク:
リッチモンドホテル青森
公式サイト;三内丸山遺跡

この遺跡は日本最大級の縄文集落の跡だそうで、今から約5500年前~4000年前の縄文時代の集落跡が再現され、一部の建物は中に入ることもできます。江戸時代からこの遺跡の存在を知られていたそうですが、本格的に発掘されたのは1992年で、始められた時は県営球場を建設するための調査だったそうです。遺構群や多数の遺物が発見され巨大遺跡と分かると建設は中止され、保存されるようになったそうです。
野球場予定地だった約50,000㎡の発掘調査では約580棟の竪穴住居跡、10数棟の大型竪穴住居跡、100棟を超える掘立柱建物跡、遺物が廃棄された泥炭層、1000年に渡って土器や土が捨てられた盛土遺構、約880基の子供の墓などが見つかったそうです。また、遺物には日本最古級の漆器やカゴなどの編み物、敷物、骨角器などがあるそうで、縄文文化を解明する上で、重要な遺跡とされているようです。
青森県立美術館から歩いて行ったのですが、徒歩7~8分くらいだったと思います。こんな長閑な風景が続きます。

真夏に行ったら遺跡まで全く日陰が無くてカンカン照りに遭いましたw
こちらは竪穴住居の復元。左は樹皮葺住居かな? 右は土葺住居。


土葺住居のほうが原始的に見えますが、樹皮葺などに比べて断熱効果が高いそうです。
これは一般的な竪穴住居。今から4500年ほど前(縄文中期)の住居です。

家の中央には穴が掘られ、火をくべる炉として使われたようです。
こんな感じで結構あります。

縄文の家づくり体験というのがあって、市民の力で復元作業を行っているようです。
これも一般的な竪穴住居跡。

中に入ることができました。

直射日光が暑い時期だったので、中に入るとちょっと涼しく感じたかな。意外と広いけど、壁が斜めなので圧迫感がw
高床式倉庫みたいな建物もありました。高床式って弥生時代のものかと思っていました。

高床式の建物に向かう途中、遺構もガラス張りで保存されていました。

高床式の建物(掘立柱建物)のアップ。倉庫か住居に使われていたと考えられるようです。


何てことない原っぱに見えますが、これは泥炭層。

ここは縄文人達のゴミ捨て場だったようで、通常では腐って残らない木製品なども泥炭層のお陰で残っているらしく、漆器なども出土しているようです。ここには北の川に向かって60mの道路もあったらしく、船着場のようなものがあったのではないかと推測されるそうです。
そして三内丸山遺跡と言えばやはりこの謎の大型掘立柱建物! これはかなり大きくて驚きます。

縄文中期(4500~4000年前)の建物の復元で、今でも用途はハッキリとは分からないそうです。宗教的な施設、物見櫓、灯台、魚の見張り小屋、天文台?など色々説があるそうで、複数の目的があったことも考えられるようでした。柱と柱の間はすべて4.2mだったそうで、何らかの測量技術があったのかも??
ちなみに以前はハシゴがかけられていたようですが、子供が登ると危ないので今は取り払われたようです。
こちらは大型の建物


中は結構広くて天井も高いです。集会場か何かかな??
こちらは1000年に渡ってできた盛土。

中からは多数の土器や土偶、翡翠の玉などが出土していて、単なるゴミ捨て場ではなくお祭りを行うなど特殊な場所だったのではと考えられるようです。
このトンネルのようなとこに入るとこんな感じ。

発掘調査の様子をうかがい知ることができます。
この近くには縄文時遊館という立派な施設があり、この遺跡について学べるようでしたが時間の関係上、スルーしてきました。
参考リンク:縄文の丘 三内まほろばパーク「縄文時遊館」
ということで、跡地だけでなく再現があるのが面白い遺跡でした。特にあの6本の柱の建物は圧巻でした。青森県立美術館から歩いて行くことができますので、青森に旅行される場合は美術館とこちらをセットで楽しまれると良いかと思います。
おまけ:
今回の青森旅行ではリッチモンドホテル青森というビジネスホテルに泊まりました。


6年連続宿泊客満足度NO.1(2012年時点)だそうで、ビジネスホテルなので部屋はちょっと狭いものの清潔感があり、アメニティも充実して確かに良いホテルでした。
参考リンク:
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今日も引き続き青森編です。前回ご紹介した青森県立美術館の特別展を観た後、常設展も観てきました。こちらでは期間が設けられた「没後10年特集展示:成田亨」も開催されていましたので、合わせてご紹介しようと思います。

【展覧名】
没後10年特集展示:成田亨
【公式サイト】
常設:http://www.aomori-museum.jp/ja/schedule/list/permanent/
特集展示 成田亨:http://www.aomori-museum.jp/ja/schedule/info/permanent/536
【会場】青森県立美術館
【最寄】新青森駅、青森駅など
【会期】
没後10年特集展示:成田亨:2012年7月14日(土)~10月3日(水)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(平日12時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
特別展と同様に空いていて、快適に鑑賞することができました。
私が行った時の常設展は特別展と混ざり合う感じだったのですが、大きく分けて6つの展示から成る構成となっていました。詳しくは各コーナーごとにご紹介していこうと思います。
<アレコホール>
まずはシャガールの巨大な舞台背景が3点並ぶコーナーです。これらは亡命先のアメリカでバレエ「アレコ」の為に描いた舞台装飾で、いずれも縦約9m、横約15mという破格の大きさで、部屋の3方向の壁を埋めていました。このバレエは全4幕から成るそうで、そのうち3幕がここにあるということになります。ちなみに2006年の開館時にはフィラデルフィア美術館所蔵の残り1点も揃って展示されたのだとか。
マルク・シャガール 「バレエ『アレコ』の背景画 第1幕 月光のアレコとゼンフィラ」
深い青を背景に空飛ぶ男女が寄り添い、満月や鶏も浮かんでいる光景の作品です。いずれもシャガールではよく観るモチーフですが、静かな青が幻想的で、あまりに大きいので周りを囲まれて、その世界の中に入り込んだような感じを受けるのが面白かったです。
マルク・シャガール 「バレエ『アレコ』の背景画 第2幕 カーニヴァル」 ★こちらで観られます
白やピンクなどの明るい背景に、バイオリンを持つ赤い猿が描かれた作品です。その上には花束のようなものがあり、近くには青い雲?が2つ浮かんでいます。また、孤を描くように歪んだ地上の表現が独特で、黄色に染まっていました。色の取り合わせや鮮やかさは確かにシャガールらしさを感じるかな。猿は楽しげな雰囲気で、全体的に明るく穏やかな感じに観えました。
マルク・シャガール 「バレエ『アレコ』の背景画 第4幕 サンクトペテルブルクの幻想」 ★こちらで観られます
赤い大地と建物、真っ暗な空を駆ける車輪を引く白馬が描かれた作品(布)で、白馬の先には蝋燭台の灯りもあります。全体的に暗いので神秘的なようでちょっと不吉さを感じましたが、馬と光に希望のようなものを感じました。
この部屋は3点しかないですが、作品の大きさにかなり圧倒されると思います。
<奈良美智展示室>
続いては奈良美智のコーナーです。奈良美智は青森県弘前市出身なのでこの美術館ではここに力を入れているようです。
奈良美智 「Hula Hula Garden」
木で囲まれた部屋?の中にうつ伏せの3人の少女たちの人形があり、その周りは沢山の造花が咲くように立っている作品です。この作品は外壁に空いた隙間から観るのですが、壁の内側には奈良美智のキャラクターのお面のようなものもありました。可愛らしくも不思議な空間です。
奈良美智 「奈良美智+graf:ニュー・ソウルハウス」 ★こちらで観られます
これはその名の通り家のようなものがあり、その中に奈良美智の作品が並んでいるコーナーです。階段があったりする小さな家で、奈良美智の世界観が詰まったメルヘンチックな雰囲気があるように思いました。近くには絵画作品なども並んでいました。
奈良美智 「あおもり犬」 ★こちらで観られます
これはこの美術館で最も有名な作品じゃないかな? 巨大な犬の彫刻作品で、ここだけ写真を撮ることができました。
これがあおもり犬。高さ8.5mもある巨大な像です。

ちょっとスヌーピーみたいなw 青森県に行ったらこのあおもり犬を観なければと思っていましたが、実際に見ると想像以上に大きくて驚きました。作品の意味は分かりませんが、シンボリックで神像のような荘厳さがあるように思えましたw この像は一旦外に出て、周りに行く事もできます。
なお、この記事を書いている時点で横浜美術館で開催されている奈良美智展は、その後この青森県立美術館に巡回するようです。そもそもここには奈良美智の大きな作品があるので、他よりも充実した展示になるのでは??
参考リンク:奈良美智: 君や 僕に ちょっと似ている a bit like you and me...
横浜美術館:2012年7月14日~2012年9月23日
青森県立美術館:2012年10月6日~2013年1月14日
熊本市現代美術館:2013年1月26日~2013年4月14日
<寺山修司:人力飛行機ソロモン>
ここは寺山修司の演劇に関するコーナーで、大きな白い飛行機の模型(人力飛行機ソロモン)と、横尾忠則+横尾ヤスエによるポスター、劇の映像(英語で話している)などが展示されていました。正直ここはよく分からず。
下階はここまでで続いて1つ上のフロアです。
<棟方志功展示室>
ここから上のフロアです。まずは棟方志功の版画が並ぶコーナーでした。この辺から予定の時間が押してきたので詳しくはメモしてきませんでしたが、「花矢の柵」という大きな屏風を始め、2部屋に渡って棟方志功の版画が展示されていました。どこか素朴ながら力強さを感じる画風です。書などもありました。
<没後10年特集展示:成田亨>
このコーナーが今回の特集となっています。成田亨 氏はウルトラマンや怪獣のデザインを手がけた人物で、神戸で生まれ青森で育ったようです。ここには特撮作品に関する品が並んでいました。
参考記事:館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 エヴァの原点は、ウルトラマンと巨神兵。 (東京都現代美術館)
まず、マグマライザー、ビートル2号、ウルトラ警備隊の隊員コスチュームなどのデザイン画があります。そしてウルトラセブンの初稿もあり、これは頭の上がアイスラッガーではなく、横方向に金属的なものが乗っているデザインで、ちょっとかっこ悪くてゴツいw 鎧兜みたいな感じもあり怖そうな感じもしました。その後にはウルトラマンの初稿やゾフィーなどのデザイン、ヒューマンマスク、ウルトラマンのマスクなどが並んでいました。壁面には過去の個展の様子の写真なども飾られています。
次の部屋に入ると怪獣のデザイン画がずらっと並んでいるのですが、怪獣のデザインのヒントになったモチーフと一緒に展示されている一角があり、
風船の集まり → バルンガ
タツノオトシゴやホヤ → ブルトン
ヤマアラシ → ゲスラ
ヒトデ → ベスター
ブラジルのバッタ → エレキング
などが紹介されていました。これは分かりやすくて面白いです。解説によると、成田氏には怪獣3原則というものがあったようで、
・怪獣は独創的でなければならない
・化物にはしない
・体に傷をつけたり、傷跡をつけたり 血を流したりしない
としていたとのことでした。ここにはそうした原則のもとに鉛筆で描かれた怪獣の原画が並び、ガブラ、ユートム、プラチク星人、ポール星人、メフィラス星人、チブル星人、セミ人間、ビラ星人、バルタン星人、ダダ、ザラブ星人、ペガッサ星人、ケムール人、イカルス星人 など個性的で人気のある怪獣・星人が並んでいました。リストを見ると怪獣・星人のデザインは全部で100点近くあったようです。
さらに奥の部屋には先日の特撮展でも観たようなMJ号の油彩の作品や、「突撃!ヒューマン」という作品の写真を集めたスライド(フィルムはテレビ局にも残っていないらしい)、怪獣の原画の続きもありました。ラゴン、レッドキング、ゼットン、ガラモン、カネゴン、カネゴン初稿、ジラース、ベスター、エレキングの幼獣、ウー、ゴモラの初稿などが並び、結構知らない怪獣も多かったですがいずれも個性的で、子供の頃を思い起こしながら観ていました。
この部屋の奥には油彩の裸婦像の背景に怪獣が描かれた作品や、油彩の風景画、龍を描いた作品、バイオリンを弾く裸婦の彫像などもありました。武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)で本格的に美術を学んでいたことが伺えました。
<澤田教一:安全への逃避>
こちらはあまりゆっくり見ることができませんでしたが、ベトナム戦争の写真展でした。
ということで、常設もかなり見応えがあり点数も多めでました。特にシャガールとあおもり犬はここの目玉とも言える所蔵品じゃないかな? もし青森に行く事があったら、あおもり犬に会いに行ってみると面白いかと思います。
参照記事:★この記事を参照している記事


【展覧名】
没後10年特集展示:成田亨
【公式サイト】
常設:http://www.aomori-museum.jp/ja/schedule/list/permanent/
特集展示 成田亨:http://www.aomori-museum.jp/ja/schedule/info/permanent/536
【会場】青森県立美術館
【最寄】新青森駅、青森駅など
【会期】
没後10年特集展示:成田亨:2012年7月14日(土)~10月3日(水)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(平日12時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
特別展と同様に空いていて、快適に鑑賞することができました。
私が行った時の常設展は特別展と混ざり合う感じだったのですが、大きく分けて6つの展示から成る構成となっていました。詳しくは各コーナーごとにご紹介していこうと思います。
<アレコホール>
まずはシャガールの巨大な舞台背景が3点並ぶコーナーです。これらは亡命先のアメリカでバレエ「アレコ」の為に描いた舞台装飾で、いずれも縦約9m、横約15mという破格の大きさで、部屋の3方向の壁を埋めていました。このバレエは全4幕から成るそうで、そのうち3幕がここにあるということになります。ちなみに2006年の開館時にはフィラデルフィア美術館所蔵の残り1点も揃って展示されたのだとか。
マルク・シャガール 「バレエ『アレコ』の背景画 第1幕 月光のアレコとゼンフィラ」
深い青を背景に空飛ぶ男女が寄り添い、満月や鶏も浮かんでいる光景の作品です。いずれもシャガールではよく観るモチーフですが、静かな青が幻想的で、あまりに大きいので周りを囲まれて、その世界の中に入り込んだような感じを受けるのが面白かったです。
マルク・シャガール 「バレエ『アレコ』の背景画 第2幕 カーニヴァル」 ★こちらで観られます
白やピンクなどの明るい背景に、バイオリンを持つ赤い猿が描かれた作品です。その上には花束のようなものがあり、近くには青い雲?が2つ浮かんでいます。また、孤を描くように歪んだ地上の表現が独特で、黄色に染まっていました。色の取り合わせや鮮やかさは確かにシャガールらしさを感じるかな。猿は楽しげな雰囲気で、全体的に明るく穏やかな感じに観えました。
マルク・シャガール 「バレエ『アレコ』の背景画 第4幕 サンクトペテルブルクの幻想」 ★こちらで観られます
赤い大地と建物、真っ暗な空を駆ける車輪を引く白馬が描かれた作品(布)で、白馬の先には蝋燭台の灯りもあります。全体的に暗いので神秘的なようでちょっと不吉さを感じましたが、馬と光に希望のようなものを感じました。
この部屋は3点しかないですが、作品の大きさにかなり圧倒されると思います。
<奈良美智展示室>
続いては奈良美智のコーナーです。奈良美智は青森県弘前市出身なのでこの美術館ではここに力を入れているようです。
奈良美智 「Hula Hula Garden」
木で囲まれた部屋?の中にうつ伏せの3人の少女たちの人形があり、その周りは沢山の造花が咲くように立っている作品です。この作品は外壁に空いた隙間から観るのですが、壁の内側には奈良美智のキャラクターのお面のようなものもありました。可愛らしくも不思議な空間です。
奈良美智 「奈良美智+graf:ニュー・ソウルハウス」 ★こちらで観られます
これはその名の通り家のようなものがあり、その中に奈良美智の作品が並んでいるコーナーです。階段があったりする小さな家で、奈良美智の世界観が詰まったメルヘンチックな雰囲気があるように思いました。近くには絵画作品なども並んでいました。
奈良美智 「あおもり犬」 ★こちらで観られます
これはこの美術館で最も有名な作品じゃないかな? 巨大な犬の彫刻作品で、ここだけ写真を撮ることができました。
これがあおもり犬。高さ8.5mもある巨大な像です。

ちょっとスヌーピーみたいなw 青森県に行ったらこのあおもり犬を観なければと思っていましたが、実際に見ると想像以上に大きくて驚きました。作品の意味は分かりませんが、シンボリックで神像のような荘厳さがあるように思えましたw この像は一旦外に出て、周りに行く事もできます。
なお、この記事を書いている時点で横浜美術館で開催されている奈良美智展は、その後この青森県立美術館に巡回するようです。そもそもここには奈良美智の大きな作品があるので、他よりも充実した展示になるのでは??
参考リンク:奈良美智: 君や 僕に ちょっと似ている a bit like you and me...
横浜美術館:2012年7月14日~2012年9月23日
青森県立美術館:2012年10月6日~2013年1月14日
熊本市現代美術館:2013年1月26日~2013年4月14日
<寺山修司:人力飛行機ソロモン>
ここは寺山修司の演劇に関するコーナーで、大きな白い飛行機の模型(人力飛行機ソロモン)と、横尾忠則+横尾ヤスエによるポスター、劇の映像(英語で話している)などが展示されていました。正直ここはよく分からず。
下階はここまでで続いて1つ上のフロアです。
<棟方志功展示室>
ここから上のフロアです。まずは棟方志功の版画が並ぶコーナーでした。この辺から予定の時間が押してきたので詳しくはメモしてきませんでしたが、「花矢の柵」という大きな屏風を始め、2部屋に渡って棟方志功の版画が展示されていました。どこか素朴ながら力強さを感じる画風です。書などもありました。
<没後10年特集展示:成田亨>
このコーナーが今回の特集となっています。成田亨 氏はウルトラマンや怪獣のデザインを手がけた人物で、神戸で生まれ青森で育ったようです。ここには特撮作品に関する品が並んでいました。
参考記事:館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 エヴァの原点は、ウルトラマンと巨神兵。 (東京都現代美術館)
まず、マグマライザー、ビートル2号、ウルトラ警備隊の隊員コスチュームなどのデザイン画があります。そしてウルトラセブンの初稿もあり、これは頭の上がアイスラッガーではなく、横方向に金属的なものが乗っているデザインで、ちょっとかっこ悪くてゴツいw 鎧兜みたいな感じもあり怖そうな感じもしました。その後にはウルトラマンの初稿やゾフィーなどのデザイン、ヒューマンマスク、ウルトラマンのマスクなどが並んでいました。壁面には過去の個展の様子の写真なども飾られています。
次の部屋に入ると怪獣のデザイン画がずらっと並んでいるのですが、怪獣のデザインのヒントになったモチーフと一緒に展示されている一角があり、
風船の集まり → バルンガ
タツノオトシゴやホヤ → ブルトン
ヤマアラシ → ゲスラ
ヒトデ → ベスター
ブラジルのバッタ → エレキング
などが紹介されていました。これは分かりやすくて面白いです。解説によると、成田氏には怪獣3原則というものがあったようで、
・怪獣は独創的でなければならない
・化物にはしない
・体に傷をつけたり、傷跡をつけたり 血を流したりしない
としていたとのことでした。ここにはそうした原則のもとに鉛筆で描かれた怪獣の原画が並び、ガブラ、ユートム、プラチク星人、ポール星人、メフィラス星人、チブル星人、セミ人間、ビラ星人、バルタン星人、ダダ、ザラブ星人、ペガッサ星人、ケムール人、イカルス星人 など個性的で人気のある怪獣・星人が並んでいました。リストを見ると怪獣・星人のデザインは全部で100点近くあったようです。
さらに奥の部屋には先日の特撮展でも観たようなMJ号の油彩の作品や、「突撃!ヒューマン」という作品の写真を集めたスライド(フィルムはテレビ局にも残っていないらしい)、怪獣の原画の続きもありました。ラゴン、レッドキング、ゼットン、ガラモン、カネゴン、カネゴン初稿、ジラース、ベスター、エレキングの幼獣、ウー、ゴモラの初稿などが並び、結構知らない怪獣も多かったですがいずれも個性的で、子供の頃を思い起こしながら観ていました。
この部屋の奥には油彩の裸婦像の背景に怪獣が描かれた作品や、油彩の風景画、龍を描いた作品、バイオリンを弾く裸婦の彫像などもありました。武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)で本格的に美術を学んでいたことが伺えました。
<澤田教一:安全への逃避>
こちらはあまりゆっくり見ることができませんでしたが、ベトナム戦争の写真展でした。
ということで、常設もかなり見応えがあり点数も多めでました。特にシャガールとあおもり犬はここの目玉とも言える所蔵品じゃないかな? もし青森に行く事があったら、あおもり犬に会いに行ってみると面白いかと思います。
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今日も夏の旅行の記事です。ここ3日ほどご紹介してきた仙台に行った後、一気に青森まで移動して、青森県立美術館で「Art and Air ~空と飛行機をめぐる、芸術と科学の物語 或いは、人間は如何にして天空に憧れ、飛行の精神をもって如何に世界を認識してきたか。」を観てきました。私はこの美術館には初めて行ったのですが、三内丸山遺跡の近くにあり建物自体も美しい美術館でした。特別展と常設それぞれに見所がありましたので、今日はまず特別展についてご紹介しようと思います。

【展覧名】
Art and Air ~空と飛行機をめぐる、芸術と科学の物語
或いは、人間は如何にして天空に憧れ、飛行の精神をもって如何に世界を認識してきたか。
【公式サイト】
http://www.aomori-museum.jp/ja/exhibition/48/index.html
【会場】青森県立美術館
【最寄】新青森駅、青森駅など
【会期】2012年7月21日(土)~9月17日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(平日10時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
平日の早い時間ということもあってか空いていてゆっくり観ることができました。
さて、この特別展はタイトルの通り空と飛行機をテーマにした展示で、絵画作品もあればミニチュアや映像作品、資料的な品など様々な作品が集まる幅広い内容でした。展示会場自体も広く、6つの章に分かれていましたので詳しくは章ごとに気に入った作品をご紹介していこうと思います。
<チャプター1:見上げる/飛行・飛翔の夢(展示室A)>
最初は飛ぶことを夢見た人々のコーナーです。古から人々は空を見上げ、空飛ぶことに憧れ空に挑戦を挑んできたそうで、飛翔には自由というイメージがある一方、墜落による死という表裏一体のイメージが存在します。この章ではそれを感じさせるような飛行の歴史や、航空黎明期のヒーロー・ヒロインに関する内容となっていました。
まず冒頭にアンリ・マティスのジャズシリーズの「イカロス」やオノレ・ドーミエの「イカロスの墜落」など、イカロスに関する作品が並んでいました。飛翔への憧れと墜落と言えばやはりこの題材でしょうか。
その先にはレオナルド・ダ・ヴィンチにグライダーやスクリューの模型などがあり、精巧にできていました。また、近くにはライト兄弟のライトフライヤー(1903年に初めて飛んだ)の1/8模型もあり、うつ伏せになって操縦する写真(★こちらで観られます)を観てちょっと驚き。ちょっと傾いたら落ちそうで危ないw
参考記事:
マティス Jazz (ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX)
オノレ・ドーミエ版画展―『カリカチュール』と初期の政治諷刺画― (国立西洋美術館)
ダ・ヴィンチ ~モナ・リザ25の秘密~ (日比谷公園ダ・ヴィンチミュージアム)
少し進むと「星の王子さま」で有名なサン=テグジュペリが乗っていたライトニングP38など3機の飛行機模型があり、「星の王子さま」「戦う操縦士」などの本もありました。また、その近くにはリンドバーグのライアンNPY-1の1/72模型と写真、当時の日本の新聞が等があり、世界中で熱狂していた様子が伝わって来ます。そしてその隣にはアメリア・イヤハートのコーナーもあり、乗っていたロッキードL10エレクトラの模型と「最後の飛行」という本(夫がまとめた航空日誌)、当時の日本の新聞などもありました。アメリア・イヤハートは日本ではあまり有名ではないですが、アメリカでは今でも人気があるようで、2012年7月24日に生誕115周年を記念してgoogleのロゴがこの人にちなんだものになっていたのが記憶に新しいところです。
さらにこの辺にはレッドバロンの異名をとった第一次世界大戦時のドイツの撃墜王マンフレート・フォン・リヒトホーフェンのアルバトロスD.III、フォッカーDR.I、真っ赤なフォッカーDR.VIIの模型がありました。このマンフレート・フォン・リヒトホーフェンはガンダムのシャアのモデルとなったと言われているようで、中々精悍な顔つきのイケメンのようです。真っ赤な機体はむしろ「紅の豚」で出てきた戦闘機を彷彿とするかなw
参考リンク:
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリのWikipedia
チャールズ・リンドバーグのWikipedia
アメリア・イヤハートのWikipedia
マンフレート・フォン・リヒトホーフェンのWikipedia
続いては日本の航空の歴史についての作品のコーナーでした。古くは江戸時代に備前の国に浮田幸吉という人物が空を飛んだという逸話があり、明治期には二宮忠八という人が「カラス型飛行器」で飛行実験に成功しました。これはゴム動力でプロペラを回したらしく、ここにはカラス型飛行器の模型も展示されています。また、二宮忠八に関する資料や伝記、設計図、「玉虫型飛行器」という別の飛行機の模型も展示されていて、この玉虫型の動力はよく分かりませんが、後ろに扇風機のようなものがついている変わった形で面白いです。さらに二宮忠八自筆の掛け軸もあり、ラクダと椰子の木の上を飛ぶ飛行機が描かれ、賛に「翼なき身も今は憂へず 空の便りの叶ふ 飛行機」と書かれていました(ちょっと読みづらいので間違っているかもw) 空への情熱というよりは達観した感じを受けるかな。
その隣には周延という人が描いた「風船の図」という絵があり、気球を手に持って飛ぶ人が描かれていて驚きました。これは1890年11月24日にイギリス人興行師のスペンサーが上野博物館の前で軽気球に乗って空中曲芸をした時の絵らしく、大きな話題を呼んで浮世絵や歌舞伎の題材にもなったそうです。当時の人もさぞや驚きだったのでは??
そして日本初の飛行機での飛行を行った徳川好敏に関するコーナーもあり、回顧録や初飛行に関する品、ハンス・グラーデ1910年型、アンリ・ファルマン型1910年型などの模型もありました。
参考リンク:
浮田幸吉のwikipedia
二宮忠八のwikipedia
1890年代の航空のwikipedia
徳川好敏のwikipedia
参考記事:
空と宇宙展-飛べ!100年の夢 (国立科学博物館)
その後は空と美術のコーナーで、まずは山口勝弘 氏の写真作品が4点並んでいました。空と言うより、三角や丸、台形などのモチーフが並ぶ幾何学的な構成で、写真なのか抽象画なのか先進的な雰囲気とシュールな感じを受けました。また、映像作品もあり、女性の物悲しく高い声の歌と共に写真と同様のシュールなものが映されていました。女性が詩?を朗読しているのですが、ちょっと不安を覚えるものの幻想的な感じです。
その近くには忽那光一郎 氏の写真(★こちらで観られます)が並び、夜の空に光の曲線が続いている面白い作風でした。シャッターを開きっぱなしにして星の軌道を撮るような感じの写真なのですが、星では無さそうなので飛行機の軌道かな? 非常に明快な美しさです。
<チャプター2:見下ろす/神の視点(展示室B)>
続いては高い視点から観た光景に関するコーナーです。高い所から観る風景は昔から鳥瞰図として描かれてきましたが、それは神の視点として表現されてきたそうです。空を飛べなかった頃は想像で描いていたようですが、18世紀に気球が登場すると現実の風景となったようです。ここにはそうした「神の視点」の作品などが並んでいました。
まずは江戸時代の作品が並び、有名な歌川広重の「江戸名所百景 深川洲崎十万坪」がありました。この絵は上部に下に向かって滑空する鷹?が描かれ、その下に海とその岸が描かれています。夜なのか背景は青暗く、星のようなものも描かれていました。これは想像で描かれた光景のようですが、見事に高い位置からの視点となっていて、大胆な構図と相まって面白い作品です。
この隣に広重はもう1枚あります。また、高野山を描いた絵図や明治時代に吉田初三郎という人が弘前市を描いた図などもあり、いずれも俯瞰するような視点で描かれていました。
そして少し進むと建築関連についてのコーナーとなっていました。黒川紀章の「農村都市計画」の1/5500の模型があり、浮島のような構造物のある都市が斬新です。また、丹下健三の東京計画1960の写真があり、これは東京湾に沢山の建造物を建てる計画のようです。幾何学的で巨大な人工島が並んでいてインパクトがあります。この2人の作品はメタボリスム展で観たものと同じかも??
参考記事:メタボリズムの未来都市展 (森美術館)
その次は松江泰治 氏によって撮られたJP-02という青森の写真シリーズが並んでいました。(JPは日本のことで02は青森のことのようです。) 三内丸山遺跡などを撮った写真もあるのですが、その切り取り方・構図が独特で、生き物のような感じで幾何学的な要素もあるのが面白かったです。
その隣はスカイツリーに関するコーナーで、スカイツリーの写真やデザインスケッチ、建設されていく様子、1/500の模型などがありました。
この章の最後には飛行機から撮った富士山などの写真があり、戦時中のB-29爆撃機から撮られたものもありました。編隊を組んで飛んでいるようで、敵国を上空から俯瞰した写真からは制空権を支配した様子が伺えました。これからどこに向かうのかと考えると恐ろしい写真です…。
<チャプター3:空と飛行機の物語(展示室C、映像室)>
続いての章は飛行機にまつわる物語のコーナーです。ここも色々とあったのですが、戦争記録が多かったかな。
まずは三菱一〇式艦上戦闘機の精密な図面や、北脇昇の「空の決別」という作品がありました。(これはどこかで観た覚えがありますがいつだったか失念) 「空の決別」は楓の種子やサンゴを戦闘機や炎に見立て、煙を背景に空中戦をしているような絵です。これは発想の面白さと戦闘の恐ろしさを感じました。
この辺には雷電や零戦の模型や図面、タミヤの1/350の戦艦大和の模型などもありました。また、少し進むと日本-ロンドン間の100時間飛行に成功した神風号や世界一周をしたニッポン号のポスターや模型もあり、当時の日本の熱狂ぶりがわかります。
その反対側には戦時中の模型飛行機や空中戦を描いた大きな絵が並んでいました。また、最近の作品もあり、吉井智 氏によるキノコ雲を描いた作品(2011~2012年頃)や、会田誠 氏の螺鈿のようにキラキラした感じで零戦と燃える都市を描いた作品、風間サチコ氏の巨大な武者が大きな戦闘機などと戦う木版画(2009年頃)などもありました。 この部屋は戦争をテーマにしているのだと思いますが色々ありすぎてカオスな感じですw
部屋の壁際には小松崎茂 氏の描いたタミヤのプラモの箱絵(★こちらで観られます)が並び、疾風、紫電、震電、雷電、飛燕、鍾馗などが描かれていました。この人の絵には独特の迫力とワクワクするものを感じるのは子供時代からの刷り込みでしょうかw ここにはプラモも一緒に展示されています。
参考記事:館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 エヴァの原点は、ウルトラマンと巨神兵。 (東京都現代美術館)
この大部屋の先には小部屋があり、松本零士のコーナーとなっています。松本零士の父は元陸軍少佐で、第二次大戦ではテストパイロットだったそうです。ここには銀河鉄道999の原画(カラーのが1枚)や宇宙海賊キャプテン・ハーロックに出てくるスペースウルフという宇宙船の模型、松本零士所蔵の航空撮影用のカメラや飛行機模型などが並び、「ケースハード」という漫画の6巻第8話「親父の親心」という話の白黒原画などもありました。南方でアメリカの飛行機と空中するシーンなどもあったので戦争ものかな? また、部屋の一角ではアニメ映像で「ザ・コクピット」というレイテ島の戦いを題材にした作品も上映されていました。
大部屋にはもう1つ奥の部屋があり、そこに向かう途中にも作品が並んでいます。石田徹也 氏の「飛べなくなった人」(★こちらで観られます)という作品は、男性が手を広げ、その周りに飛行機の外壁があるようなシュールな雰囲気の絵です。飛行機部分の錆びついた感じや悲しげな顔がタイトルに相応しい閉塞感を感じさせました。
<チャプター4:メカニズムとフォルム(展示室D)>
ここは一番奥の方の部屋で、飛行機そのものの造形や、飛行機への偏愛から生じた作品についてのコーナーでした。
ここにはマン・レイの撮ったマルセル・デュシャンの写真があり、解説によると、デュシャンは1910年の航空ショーに同行した彫刻家のブランクーシに「絵画は終わった、このプロペラに勝るものを一体誰が作れるか。どうかね君は?」と言っていたそうです。この言葉を「空間の鳥」のように流線型の美しい作品を作ったブランクーシに言ったというのも面白い逸話でした。隣には大きなプロペラも展示されています。
参考記事:シュルレアリスム展 感想前編(国立新美術館)
また、この辺は現代作家の作品も横尾忠則 氏、中村宏 氏、池田学 氏、O JUN 氏などの作品も並んでいました。
少し進むと飛行機そのものについてのコーナーで、戦後初めて日本のメーカーが開発した旅客機YS-11の図面や、飛行機関連の本、日本航空の4代目の制服、日本エアシステムの初代制服、JALのパンフレット、ブリキの玩具の飛行機などが並んでいました。
さらにこの辺にはタミヤの戦闘機の模型などがあります。戦中は模型飛行機は国民学校で正式な教材だったそうで、木製の模型の多くは木工が盛んだった静岡で制作されたそうです。その後、戦後はプラスチックモデルが主流となっていきましたが、今でもタミヤのような模型屋さんが静岡に多いのはそうした背景があるためとのことでした。
そして、この部屋の奥の壁面にはプラモの箱絵らしきものが並び、石橋謙一 氏、大西将美 氏、佐竹政夫 氏、小池繁夫 氏、梶田達二 氏、小泉和明 氏、横山宏 氏などの絵が並びます。勇猛さを感じるところは共通しているのですが、タッチや色合いに個性も見られました。
この部屋の出口付近にはアニメのマクロスやゲームのエースコンバットに関するコーナーで、こちらはハセガワによる模型が並んでいます。何故かエースコンバットの飛行機の機体にアイドルマスター(ゲーム・アニメ)の女の子が塗装された「痛飛行機」もあり、何だこれ!?と声を上げている人もいましたw (エースコンバットもアイドルマスターもナムコのゲームで、コラボしたようです)
<チャプター5:空を飛ぶこと(展示室E)>
再び大部屋を通り抜けると、第1会場の最後の章です。ここは空を飛ぶという行為を通して人間と表現の可能性を探求する作家の試みをテーマにした内容となっていました。
まず北代省三 氏の木製飛行機の部品や図面、「模型飛行機入門」のための写真やラジコンによる航空撮影などが展示されていました。この人は前衛画家であり舞台美術家であり、デザイナーでありと多岐に渡る活躍をした人物で、空に憧れ飛行機模型なども制作していました。シンプルで素朴ながらも美意識を感じる機体です。
続いては八木和彦 氏の「OPEN SKYプロジェクト」という部屋になっていて、ここにはM-02Jという流線的な滑空機(★こちらで観られます)が展示されていました。結構大きいのですが、パイロットがうつ伏せになって操縦する映像などを観て、真っ先に思い浮かべたのは「風の谷のナウシカ」に出てきたメーヴェでした。実際、このM-02Jはメーヴェと呼ばれていたこともあったようで、プロジェクトの回想を漫画で読むことができました。
参考リンク:M-02Jの滑空テストのYouTube
ここにはパイロットのコスチュームを来た女の子のマネキンもあります。また、部屋の上部にモニタがあり、肉眼で見ると真っ白な画面ですが、偏光フィルター付の望遠鏡で見るとM-02Jが飛んでいる姿を観られるという趣向もありました。
ここで第一会場は終わりで、常設を挟んで第二・第三会場に続きます。
<チャプター6:天と地と>
この章は第2会場にあり、常設の中にある感じでした。(常設については次回) この章では天と地の関係を1つの例として、従来対立すると考えられる概念の両義性をテーマにした作品が並んでいました。
まず、アニメ監督の押井守 氏による「TOKYO Scanner」という映像作品があり、これは東京湾から六本木ヒルズを目指しながら飛行する映像のようでした。たまに戦闘機がターゲットをロックオンするような効果がつけられていて、ただの東京遊覧が上陸作戦のような感じに見えて面白かったです。
そしてその隣の部屋には「ロータス102B」という1991年のチーム・ロータスのF1マシン(★こちらで観られます)が置いてありました。緑と白の車体で、これはタミヤやコマツがスポンサーになっていたらしく前の方にタミヤのマークも入っています。(現在はタミヤが所蔵) 解説によると、後にF1界で活躍したミカ・ハッキネンのデビューマシンだったのだとか。
その隣には飛行機のような骨組みだけの作品もありました。また、中村宏 氏の絵画作品や稲垣足穂 氏の作品などが並んでいました。
第3会場もあるようでしたが、時間の関係でそちらは見ませんでした。
ということで、ボリュームたっぷりの見応えある展示でした。観る場所が分からず迷ったり、若干 欲張った内容にも思いますが、古い美術品から現代アートまで様々なものを観ることができ、空飛ぶことが如何に古今の人々の想像力を掻き立ててきたのかがよく分かりました。
この後、常設展も観てきました。勿論、有名なあれも観てきましたので次回はそれをご紹介しようと思います。
参照記事:★この記事を参照している記事


【展覧名】
Art and Air ~空と飛行機をめぐる、芸術と科学の物語
或いは、人間は如何にして天空に憧れ、飛行の精神をもって如何に世界を認識してきたか。
【公式サイト】
http://www.aomori-museum.jp/ja/exhibition/48/index.html
【会場】青森県立美術館
【最寄】新青森駅、青森駅など
【会期】2012年7月21日(土)~9月17日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(平日10時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
平日の早い時間ということもあってか空いていてゆっくり観ることができました。
さて、この特別展はタイトルの通り空と飛行機をテーマにした展示で、絵画作品もあればミニチュアや映像作品、資料的な品など様々な作品が集まる幅広い内容でした。展示会場自体も広く、6つの章に分かれていましたので詳しくは章ごとに気に入った作品をご紹介していこうと思います。
<チャプター1:見上げる/飛行・飛翔の夢(展示室A)>
最初は飛ぶことを夢見た人々のコーナーです。古から人々は空を見上げ、空飛ぶことに憧れ空に挑戦を挑んできたそうで、飛翔には自由というイメージがある一方、墜落による死という表裏一体のイメージが存在します。この章ではそれを感じさせるような飛行の歴史や、航空黎明期のヒーロー・ヒロインに関する内容となっていました。
まず冒頭にアンリ・マティスのジャズシリーズの「イカロス」やオノレ・ドーミエの「イカロスの墜落」など、イカロスに関する作品が並んでいました。飛翔への憧れと墜落と言えばやはりこの題材でしょうか。
その先にはレオナルド・ダ・ヴィンチにグライダーやスクリューの模型などがあり、精巧にできていました。また、近くにはライト兄弟のライトフライヤー(1903年に初めて飛んだ)の1/8模型もあり、うつ伏せになって操縦する写真(★こちらで観られます)を観てちょっと驚き。ちょっと傾いたら落ちそうで危ないw
参考記事:
マティス Jazz (ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX)
オノレ・ドーミエ版画展―『カリカチュール』と初期の政治諷刺画― (国立西洋美術館)
ダ・ヴィンチ ~モナ・リザ25の秘密~ (日比谷公園ダ・ヴィンチミュージアム)
少し進むと「星の王子さま」で有名なサン=テグジュペリが乗っていたライトニングP38など3機の飛行機模型があり、「星の王子さま」「戦う操縦士」などの本もありました。また、その近くにはリンドバーグのライアンNPY-1の1/72模型と写真、当時の日本の新聞が等があり、世界中で熱狂していた様子が伝わって来ます。そしてその隣にはアメリア・イヤハートのコーナーもあり、乗っていたロッキードL10エレクトラの模型と「最後の飛行」という本(夫がまとめた航空日誌)、当時の日本の新聞などもありました。アメリア・イヤハートは日本ではあまり有名ではないですが、アメリカでは今でも人気があるようで、2012年7月24日に生誕115周年を記念してgoogleのロゴがこの人にちなんだものになっていたのが記憶に新しいところです。
さらにこの辺にはレッドバロンの異名をとった第一次世界大戦時のドイツの撃墜王マンフレート・フォン・リヒトホーフェンのアルバトロスD.III、フォッカーDR.I、真っ赤なフォッカーDR.VIIの模型がありました。このマンフレート・フォン・リヒトホーフェンはガンダムのシャアのモデルとなったと言われているようで、中々精悍な顔つきのイケメンのようです。真っ赤な機体はむしろ「紅の豚」で出てきた戦闘機を彷彿とするかなw
参考リンク:
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリのWikipedia
チャールズ・リンドバーグのWikipedia
アメリア・イヤハートのWikipedia
マンフレート・フォン・リヒトホーフェンのWikipedia
続いては日本の航空の歴史についての作品のコーナーでした。古くは江戸時代に備前の国に浮田幸吉という人物が空を飛んだという逸話があり、明治期には二宮忠八という人が「カラス型飛行器」で飛行実験に成功しました。これはゴム動力でプロペラを回したらしく、ここにはカラス型飛行器の模型も展示されています。また、二宮忠八に関する資料や伝記、設計図、「玉虫型飛行器」という別の飛行機の模型も展示されていて、この玉虫型の動力はよく分かりませんが、後ろに扇風機のようなものがついている変わった形で面白いです。さらに二宮忠八自筆の掛け軸もあり、ラクダと椰子の木の上を飛ぶ飛行機が描かれ、賛に「翼なき身も今は憂へず 空の便りの叶ふ 飛行機」と書かれていました(ちょっと読みづらいので間違っているかもw) 空への情熱というよりは達観した感じを受けるかな。
その隣には周延という人が描いた「風船の図」という絵があり、気球を手に持って飛ぶ人が描かれていて驚きました。これは1890年11月24日にイギリス人興行師のスペンサーが上野博物館の前で軽気球に乗って空中曲芸をした時の絵らしく、大きな話題を呼んで浮世絵や歌舞伎の題材にもなったそうです。当時の人もさぞや驚きだったのでは??
そして日本初の飛行機での飛行を行った徳川好敏に関するコーナーもあり、回顧録や初飛行に関する品、ハンス・グラーデ1910年型、アンリ・ファルマン型1910年型などの模型もありました。
参考リンク:
浮田幸吉のwikipedia
二宮忠八のwikipedia
1890年代の航空のwikipedia
徳川好敏のwikipedia
参考記事:
空と宇宙展-飛べ!100年の夢 (国立科学博物館)
その後は空と美術のコーナーで、まずは山口勝弘 氏の写真作品が4点並んでいました。空と言うより、三角や丸、台形などのモチーフが並ぶ幾何学的な構成で、写真なのか抽象画なのか先進的な雰囲気とシュールな感じを受けました。また、映像作品もあり、女性の物悲しく高い声の歌と共に写真と同様のシュールなものが映されていました。女性が詩?を朗読しているのですが、ちょっと不安を覚えるものの幻想的な感じです。
その近くには忽那光一郎 氏の写真(★こちらで観られます)が並び、夜の空に光の曲線が続いている面白い作風でした。シャッターを開きっぱなしにして星の軌道を撮るような感じの写真なのですが、星では無さそうなので飛行機の軌道かな? 非常に明快な美しさです。
<チャプター2:見下ろす/神の視点(展示室B)>
続いては高い視点から観た光景に関するコーナーです。高い所から観る風景は昔から鳥瞰図として描かれてきましたが、それは神の視点として表現されてきたそうです。空を飛べなかった頃は想像で描いていたようですが、18世紀に気球が登場すると現実の風景となったようです。ここにはそうした「神の視点」の作品などが並んでいました。
まずは江戸時代の作品が並び、有名な歌川広重の「江戸名所百景 深川洲崎十万坪」がありました。この絵は上部に下に向かって滑空する鷹?が描かれ、その下に海とその岸が描かれています。夜なのか背景は青暗く、星のようなものも描かれていました。これは想像で描かれた光景のようですが、見事に高い位置からの視点となっていて、大胆な構図と相まって面白い作品です。
この隣に広重はもう1枚あります。また、高野山を描いた絵図や明治時代に吉田初三郎という人が弘前市を描いた図などもあり、いずれも俯瞰するような視点で描かれていました。
そして少し進むと建築関連についてのコーナーとなっていました。黒川紀章の「農村都市計画」の1/5500の模型があり、浮島のような構造物のある都市が斬新です。また、丹下健三の東京計画1960の写真があり、これは東京湾に沢山の建造物を建てる計画のようです。幾何学的で巨大な人工島が並んでいてインパクトがあります。この2人の作品はメタボリスム展で観たものと同じかも??
参考記事:メタボリズムの未来都市展 (森美術館)
その次は松江泰治 氏によって撮られたJP-02という青森の写真シリーズが並んでいました。(JPは日本のことで02は青森のことのようです。) 三内丸山遺跡などを撮った写真もあるのですが、その切り取り方・構図が独特で、生き物のような感じで幾何学的な要素もあるのが面白かったです。
その隣はスカイツリーに関するコーナーで、スカイツリーの写真やデザインスケッチ、建設されていく様子、1/500の模型などがありました。
この章の最後には飛行機から撮った富士山などの写真があり、戦時中のB-29爆撃機から撮られたものもありました。編隊を組んで飛んでいるようで、敵国を上空から俯瞰した写真からは制空権を支配した様子が伺えました。これからどこに向かうのかと考えると恐ろしい写真です…。
<チャプター3:空と飛行機の物語(展示室C、映像室)>
続いての章は飛行機にまつわる物語のコーナーです。ここも色々とあったのですが、戦争記録が多かったかな。
まずは三菱一〇式艦上戦闘機の精密な図面や、北脇昇の「空の決別」という作品がありました。(これはどこかで観た覚えがありますがいつだったか失念) 「空の決別」は楓の種子やサンゴを戦闘機や炎に見立て、煙を背景に空中戦をしているような絵です。これは発想の面白さと戦闘の恐ろしさを感じました。
この辺には雷電や零戦の模型や図面、タミヤの1/350の戦艦大和の模型などもありました。また、少し進むと日本-ロンドン間の100時間飛行に成功した神風号や世界一周をしたニッポン号のポスターや模型もあり、当時の日本の熱狂ぶりがわかります。
その反対側には戦時中の模型飛行機や空中戦を描いた大きな絵が並んでいました。また、最近の作品もあり、吉井智 氏によるキノコ雲を描いた作品(2011~2012年頃)や、会田誠 氏の螺鈿のようにキラキラした感じで零戦と燃える都市を描いた作品、風間サチコ氏の巨大な武者が大きな戦闘機などと戦う木版画(2009年頃)などもありました。 この部屋は戦争をテーマにしているのだと思いますが色々ありすぎてカオスな感じですw
部屋の壁際には小松崎茂 氏の描いたタミヤのプラモの箱絵(★こちらで観られます)が並び、疾風、紫電、震電、雷電、飛燕、鍾馗などが描かれていました。この人の絵には独特の迫力とワクワクするものを感じるのは子供時代からの刷り込みでしょうかw ここにはプラモも一緒に展示されています。
参考記事:館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 エヴァの原点は、ウルトラマンと巨神兵。 (東京都現代美術館)
この大部屋の先には小部屋があり、松本零士のコーナーとなっています。松本零士の父は元陸軍少佐で、第二次大戦ではテストパイロットだったそうです。ここには銀河鉄道999の原画(カラーのが1枚)や宇宙海賊キャプテン・ハーロックに出てくるスペースウルフという宇宙船の模型、松本零士所蔵の航空撮影用のカメラや飛行機模型などが並び、「ケースハード」という漫画の6巻第8話「親父の親心」という話の白黒原画などもありました。南方でアメリカの飛行機と空中するシーンなどもあったので戦争ものかな? また、部屋の一角ではアニメ映像で「ザ・コクピット」というレイテ島の戦いを題材にした作品も上映されていました。
大部屋にはもう1つ奥の部屋があり、そこに向かう途中にも作品が並んでいます。石田徹也 氏の「飛べなくなった人」(★こちらで観られます)という作品は、男性が手を広げ、その周りに飛行機の外壁があるようなシュールな雰囲気の絵です。飛行機部分の錆びついた感じや悲しげな顔がタイトルに相応しい閉塞感を感じさせました。
<チャプター4:メカニズムとフォルム(展示室D)>
ここは一番奥の方の部屋で、飛行機そのものの造形や、飛行機への偏愛から生じた作品についてのコーナーでした。
ここにはマン・レイの撮ったマルセル・デュシャンの写真があり、解説によると、デュシャンは1910年の航空ショーに同行した彫刻家のブランクーシに「絵画は終わった、このプロペラに勝るものを一体誰が作れるか。どうかね君は?」と言っていたそうです。この言葉を「空間の鳥」のように流線型の美しい作品を作ったブランクーシに言ったというのも面白い逸話でした。隣には大きなプロペラも展示されています。
参考記事:シュルレアリスム展 感想前編(国立新美術館)
また、この辺は現代作家の作品も横尾忠則 氏、中村宏 氏、池田学 氏、O JUN 氏などの作品も並んでいました。
少し進むと飛行機そのものについてのコーナーで、戦後初めて日本のメーカーが開発した旅客機YS-11の図面や、飛行機関連の本、日本航空の4代目の制服、日本エアシステムの初代制服、JALのパンフレット、ブリキの玩具の飛行機などが並んでいました。
さらにこの辺にはタミヤの戦闘機の模型などがあります。戦中は模型飛行機は国民学校で正式な教材だったそうで、木製の模型の多くは木工が盛んだった静岡で制作されたそうです。その後、戦後はプラスチックモデルが主流となっていきましたが、今でもタミヤのような模型屋さんが静岡に多いのはそうした背景があるためとのことでした。
そして、この部屋の奥の壁面にはプラモの箱絵らしきものが並び、石橋謙一 氏、大西将美 氏、佐竹政夫 氏、小池繁夫 氏、梶田達二 氏、小泉和明 氏、横山宏 氏などの絵が並びます。勇猛さを感じるところは共通しているのですが、タッチや色合いに個性も見られました。
この部屋の出口付近にはアニメのマクロスやゲームのエースコンバットに関するコーナーで、こちらはハセガワによる模型が並んでいます。何故かエースコンバットの飛行機の機体にアイドルマスター(ゲーム・アニメ)の女の子が塗装された「痛飛行機」もあり、何だこれ!?と声を上げている人もいましたw (エースコンバットもアイドルマスターもナムコのゲームで、コラボしたようです)
<チャプター5:空を飛ぶこと(展示室E)>
再び大部屋を通り抜けると、第1会場の最後の章です。ここは空を飛ぶという行為を通して人間と表現の可能性を探求する作家の試みをテーマにした内容となっていました。
まず北代省三 氏の木製飛行機の部品や図面、「模型飛行機入門」のための写真やラジコンによる航空撮影などが展示されていました。この人は前衛画家であり舞台美術家であり、デザイナーでありと多岐に渡る活躍をした人物で、空に憧れ飛行機模型なども制作していました。シンプルで素朴ながらも美意識を感じる機体です。
続いては八木和彦 氏の「OPEN SKYプロジェクト」という部屋になっていて、ここにはM-02Jという流線的な滑空機(★こちらで観られます)が展示されていました。結構大きいのですが、パイロットがうつ伏せになって操縦する映像などを観て、真っ先に思い浮かべたのは「風の谷のナウシカ」に出てきたメーヴェでした。実際、このM-02Jはメーヴェと呼ばれていたこともあったようで、プロジェクトの回想を漫画で読むことができました。
参考リンク:M-02Jの滑空テストのYouTube
ここにはパイロットのコスチュームを来た女の子のマネキンもあります。また、部屋の上部にモニタがあり、肉眼で見ると真っ白な画面ですが、偏光フィルター付の望遠鏡で見るとM-02Jが飛んでいる姿を観られるという趣向もありました。
ここで第一会場は終わりで、常設を挟んで第二・第三会場に続きます。
<チャプター6:天と地と>
この章は第2会場にあり、常設の中にある感じでした。(常設については次回) この章では天と地の関係を1つの例として、従来対立すると考えられる概念の両義性をテーマにした作品が並んでいました。
まず、アニメ監督の押井守 氏による「TOKYO Scanner」という映像作品があり、これは東京湾から六本木ヒルズを目指しながら飛行する映像のようでした。たまに戦闘機がターゲットをロックオンするような効果がつけられていて、ただの東京遊覧が上陸作戦のような感じに見えて面白かったです。
そしてその隣の部屋には「ロータス102B」という1991年のチーム・ロータスのF1マシン(★こちらで観られます)が置いてありました。緑と白の車体で、これはタミヤやコマツがスポンサーになっていたらしく前の方にタミヤのマークも入っています。(現在はタミヤが所蔵) 解説によると、後にF1界で活躍したミカ・ハッキネンのデビューマシンだったのだとか。
その隣には飛行機のような骨組みだけの作品もありました。また、中村宏 氏の絵画作品や稲垣足穂 氏の作品などが並んでいました。
第3会場もあるようでしたが、時間の関係でそちらは見ませんでした。
ということで、ボリュームたっぷりの見応えある展示でした。観る場所が分からず迷ったり、若干 欲張った内容にも思いますが、古い美術品から現代アートまで様々なものを観ることができ、空飛ぶことが如何に古今の人々の想像力を掻き立ててきたのかがよく分かりました。
この後、常設展も観てきました。勿論、有名なあれも観てきましたので次回はそれをご紹介しようと思います。
参照記事:★この記事を参照している記事
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今日で仙台編は最後です。前回ご紹介した仙台の七夕・仙台城を観た後、仙台駅の中にある「牛たん通り」の「たんや善治郎 仙台駅3階 牛たん通り店」で仙台名物の牛たんを食べてきました。

【店名】
たんや善治郎 仙台駅3階 牛たん通り店
【ジャンル】
牛たん
【公式サイト】
http://www.tanya-zenjirou.jp/restaurant/
http://www.zenjirou.jp/user_data/store.php
食べログ:http://tabelog.com/miyagi/A0401/A040101/4010191/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
仙台駅
【近くの美術館】
せんだいメディアテーク
カメイ美術館など
【この日にかかった1人の費用】
1600円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_②_3_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(平日18時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
平日でしたが七夕の期間に行ったせいか非常に混んでいました。10分くらいお店の前で並んだかな。
このお店は仙台駅の3階にある牛たん通りの店舗の1つです。牛たん通りには他に有名な「利久」や「喜助」などもありますが、その2つは東京でも何度も食べているのでこちらのお店にしました。
参考リンク:牛たん通り/すし通り
参考記事 :味の牛たん 喜助 丸の内パークビル店 (丸の内・日比谷界隈のお店)
下の写真は牛たん通りの入口。

お店の中に入ると結構窮屈で、カウンター席に座ると隣の人と肘が当たるくらいでした。小綺麗な感じですが、待っている人も多いのでのんびり出来る感じではありませんでした。
この日、牛タン定食(1,575円)を頼みました。

肉のアップ。思い出すだけでお腹が鳴りそうw

肉厚で程よい食感と塩梅で非常に好みでした。じゅわっとした時の炭の香りも良く、結構ボリューム感もあるのが嬉しいです。 テールスープの方も思ったより肉が多くて、独特の風味も豊かでした。駅ナカでこの価格というのも嬉しい限り。
ということで、美味しい牛たんを食べることが出来ました。ちょっと慌ただしい感じのお店でしたが、それを補うほどの美味しさとコストパフォーマンスで満足です。駅の中にあるのも非常に便利なので、仙台駅を利用される機会がある方は、牛たん通りもチェックしてみると楽しいかと思います。
おまけ:
今回の旅は「はやぶさ」と「はやて」に乗って移動していました。

この流線型のフォルムが何とも美しい。窓側の席にはコンセントもあるのでPC・スマフォも捗りましたw この後、これに乗って次なる目的地 青森に向かいました。


【店名】
たんや善治郎 仙台駅3階 牛たん通り店
【ジャンル】
牛たん
【公式サイト】
http://www.tanya-zenjirou.jp/restaurant/
http://www.zenjirou.jp/user_data/store.php
食べログ:http://tabelog.com/miyagi/A0401/A040101/4010191/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
仙台駅
【近くの美術館】
せんだいメディアテーク
カメイ美術館など
【この日にかかった1人の費用】
1600円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_②_3_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(平日18時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
平日でしたが七夕の期間に行ったせいか非常に混んでいました。10分くらいお店の前で並んだかな。
このお店は仙台駅の3階にある牛たん通りの店舗の1つです。牛たん通りには他に有名な「利久」や「喜助」などもありますが、その2つは東京でも何度も食べているのでこちらのお店にしました。
参考リンク:牛たん通り/すし通り
参考記事 :味の牛たん 喜助 丸の内パークビル店 (丸の内・日比谷界隈のお店)
下の写真は牛たん通りの入口。

お店の中に入ると結構窮屈で、カウンター席に座ると隣の人と肘が当たるくらいでした。小綺麗な感じですが、待っている人も多いのでのんびり出来る感じではありませんでした。
この日、牛タン定食(1,575円)を頼みました。

肉のアップ。思い出すだけでお腹が鳴りそうw

肉厚で程よい食感と塩梅で非常に好みでした。じゅわっとした時の炭の香りも良く、結構ボリューム感もあるのが嬉しいです。 テールスープの方も思ったより肉が多くて、独特の風味も豊かでした。駅ナカでこの価格というのも嬉しい限り。
ということで、美味しい牛たんを食べることが出来ました。ちょっと慌ただしい感じのお店でしたが、それを補うほどの美味しさとコストパフォーマンスで満足です。駅の中にあるのも非常に便利なので、仙台駅を利用される機会がある方は、牛たん通りもチェックしてみると楽しいかと思います。
おまけ:
今回の旅は「はやぶさ」と「はやて」に乗って移動していました。

この流線型のフォルムが何とも美しい。窓側の席にはコンセントもあるのでPC・スマフォも捗りましたw この後、これに乗って次なる目的地 青森に向かいました。
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今日も引き続き仙台編です。前回ご紹介したせんだいメディアテークの展示を観た後、有名な仙台の七夕を観てきました。(2012/8/8)

私は幼少期にも仙台の七夕を観たことがあるのですが、成人してからは初めてだったので思った以上に盛り上がっているのに驚きました。そもそもの歴史は伊達政宗が七夕の句を多く詠んだとかまで遡れるようですが、現在の盛り上がりは昭和2年~3年にかけて大々的に復活させたのが元で、戦時中は途絶えたものの昭和21年に復活し、昭和22年には昭和天皇が巡幸されて、ますます盛んになったようです。
参考リンク:仙台七夕の歴史(仙台七夕まつり協賛会 仙台商工会議所)
とにかく大きくて釣り下げっている短冊が普通に地面の近くまで垂れています。
デザインも個性的で、これはコケシをモチーフにしていました。

こちらも面白い飾りがありました。左の写真の真ん中の飾りにはポケモンの折り紙がついていました。

色形も同じようで違うのが面白いです。

こちらはケンタッキーの七夕飾りw 各飾りは商店街のお店が出しているのかな? 結構各お店の前にあります。

こちらはキヨノサチコ氏の絵本のノンタンと仲間たちが飾りの上の方に描かれていました。可愛らしくて楽しそうな感じです。

参考記事:キヨノサチコ絵本原画の世界 みんな大好き!ノンタン展 (松屋銀座)
これは「平成二十四年度七夕飾り個人賞 金賞」の飾り。

側面に郷愁を誘う夏の風景が描かれていて洒落ていました。
こちらはキラキラした感じの飾り。

裾の辺りが鍵盤のようになっているこの飾りはどこのかと言うと…

YAMAHAの飾りでしたw 中々面白いデザインです。
他にも様々な個性的な飾りがずら~~~っと商店街を埋め尽くしていて見応えがありました。こんなに元気な商店街自体も珍しいのでそれも魅力かも。一度は観ておきたいお祭りです。
仙台の七夕を満喫した後。タクシーで仙台城(青葉城)の城跡に向かいました。
着くと城跡の入口あたりに「青葉城 本丸会館」という施設があったので入ってみました。
公式サイト:青葉城 本丸会館
中はこんな感じで、仙台藩に関する資料や当時の品が並んでいます。中で写真を撮ることもできました。

ちょうど映像を流す時間になったので観てみました。こんな感じのシアタールームで定期的に流されています。

映像は伊達家の家紋に入っている2羽の雀をモチーフにしたゆるキャラと、若本規夫氏(アナゴさんの声の人)が声を務める豆の僧が、仙台城や仙台の成り立ちを紹介する分かりやすい内容でした。仙台は「仙臺」が元の字で、中国の故事・漢詩に出てくる「仙臺初見五城楼(仙台初めて見るごじょうろう)」にちなんでいるそうです。また、仙台城は自然の地形を利用した難攻不落の城だったようです。
映像の後は様々な展示品を観てきました。これは蒔絵の広蓋という衣服をたたんで入れておくためのもの。

これは宇和島伊達家の家紋だそうで、「竹に雀紋」がしっかり入っていました。
こちらは仙台城の模型。

ボタンを押すとどこが何の施設か分かるようになっています。
本丸会館を出た後、お目当ての伊達政宗像を観に行きました。

結構大きくて写真で観るよりカッコいい!w やはりあの兜の月が斬新で洒落た感じを醸し出しているのだろうか…w
この像の目線の先には仙台の街が見渡せました。

ということで、七夕と仙台城を大いに楽しんできました。仙台は震災で津波に襲われるなどの被害も出たようですが、今は活気があるように思いました。街自体も綺麗だし、これからも応援して行きたいところです。

私は幼少期にも仙台の七夕を観たことがあるのですが、成人してからは初めてだったので思った以上に盛り上がっているのに驚きました。そもそもの歴史は伊達政宗が七夕の句を多く詠んだとかまで遡れるようですが、現在の盛り上がりは昭和2年~3年にかけて大々的に復活させたのが元で、戦時中は途絶えたものの昭和21年に復活し、昭和22年には昭和天皇が巡幸されて、ますます盛んになったようです。
参考リンク:仙台七夕の歴史(仙台七夕まつり協賛会 仙台商工会議所)
とにかく大きくて釣り下げっている短冊が普通に地面の近くまで垂れています。
デザインも個性的で、これはコケシをモチーフにしていました。

こちらも面白い飾りがありました。左の写真の真ん中の飾りにはポケモンの折り紙がついていました。


色形も同じようで違うのが面白いです。

こちらはケンタッキーの七夕飾りw 各飾りは商店街のお店が出しているのかな? 結構各お店の前にあります。

こちらはキヨノサチコ氏の絵本のノンタンと仲間たちが飾りの上の方に描かれていました。可愛らしくて楽しそうな感じです。

参考記事:キヨノサチコ絵本原画の世界 みんな大好き!ノンタン展 (松屋銀座)
これは「平成二十四年度七夕飾り個人賞 金賞」の飾り。


側面に郷愁を誘う夏の風景が描かれていて洒落ていました。
こちらはキラキラした感じの飾り。

裾の辺りが鍵盤のようになっているこの飾りはどこのかと言うと…

YAMAHAの飾りでしたw 中々面白いデザインです。
他にも様々な個性的な飾りがずら~~~っと商店街を埋め尽くしていて見応えがありました。こんなに元気な商店街自体も珍しいのでそれも魅力かも。一度は観ておきたいお祭りです。
仙台の七夕を満喫した後。タクシーで仙台城(青葉城)の城跡に向かいました。
着くと城跡の入口あたりに「青葉城 本丸会館」という施設があったので入ってみました。
公式サイト:青葉城 本丸会館
中はこんな感じで、仙台藩に関する資料や当時の品が並んでいます。中で写真を撮ることもできました。

ちょうど映像を流す時間になったので観てみました。こんな感じのシアタールームで定期的に流されています。

映像は伊達家の家紋に入っている2羽の雀をモチーフにしたゆるキャラと、若本規夫氏(アナゴさんの声の人)が声を務める豆の僧が、仙台城や仙台の成り立ちを紹介する分かりやすい内容でした。仙台は「仙臺」が元の字で、中国の故事・漢詩に出てくる「仙臺初見五城楼(仙台初めて見るごじょうろう)」にちなんでいるそうです。また、仙台城は自然の地形を利用した難攻不落の城だったようです。
映像の後は様々な展示品を観てきました。これは蒔絵の広蓋という衣服をたたんで入れておくためのもの。

これは宇和島伊達家の家紋だそうで、「竹に雀紋」がしっかり入っていました。
こちらは仙台城の模型。

ボタンを押すとどこが何の施設か分かるようになっています。
本丸会館を出た後、お目当ての伊達政宗像を観に行きました。


結構大きくて写真で観るよりカッコいい!w やはりあの兜の月が斬新で洒落た感じを醸し出しているのだろうか…w
この像の目線の先には仙台の街が見渡せました。

ということで、七夕と仙台城を大いに楽しんできました。仙台は震災で津波に襲われるなどの被害も出たようですが、今は活気があるように思いました。街自体も綺麗だし、これからも応援して行きたいところです。
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今年も夏休みを取って旅行に行ってきたのですが、仙台の七夕祭りの日に せんだいメディアテークに行って、「荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展 in S市杜王町」を観てきました。
※今回は「ジョジョの奇妙な冒険」の漫画の内容を知っている方向けの記事になります。読んでいない方には何のことか分からないかと…。

【展覧名】
荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展 in S市杜王町
【公式サイト】
http://www.jojo-morioh.com/
http://www.araki-jojo.com/gengaten/
【会場】せんだいメディアテーク
【最寄】勾当台公園駅(仙台)
【会期】2012年7月28日~8月14日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(平日12時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
まず重要なことですが、この展示は始まって3日目辺りで早々にチケットが売り切れてしまい、その後は当日券の販売無しという状況が続きました。私はかなり早めに前売りで「杜王新報付きチケット」(3種類あるうちの1つ。他に通常チケットとごま蜜団子付きのチケットがありました)を買っていたので難を逃れましたが、オークションで高値がつくなどチケットは入手困難な状況だったようです。

この展示は2012/10/6~11/4に六本木の森アーツセンターギャラリーにも巡回してくるのですが、やはり相当の人気が予想され、会期中は全日にわたって日時指定のチケットになるようです。チケットは8月18日(土)から販売のようですので、東京巡回を逃したくない方は、予定を決めて即日ゲットが無難だと思います。
参考リンク:荒木飛呂彦原画展「ジョジョ展」東京 公式サイト
そんな状況の中、事前に公式サイトで仙台の展示は七夕の期間は混雑が予想されるとアナウンスされていたので戦々恐々としていたのですが、実際にはそんなに混むこともなく自分のペースで鑑賞することができました。公式ツイッターなどを見ると土日は整理券を出すほど混んでいるようなので、恐らく地元のファンたちがこの期間は遠慮してくれたのでしょう…。仙台のファンの遠征組への思いやりある行動ッ! ぼくは敬意を表するッ!
さて、前置きが長くなりましたが、この展覧会は漫画「ジョジョの奇妙な冒険」で有名な荒木飛呂彦 氏の原画展となります。ジョジョの奇妙な冒険は今年(2012年)で連載25周年となり、アニメ化・ゲーム化など様々な企画が予定されていますが、この展覧会もファンにとっては待望のイベントだと思います。何しろファンに熱狂的に支持される漫画だけに、この展示をどれくらい楽しめるかは思い入れの強さによって大きく変わると思います。(荒木飛呂彦氏をよく知らない方でもその独創的な画風などに惹かれるとは思いますが、やはり漫画を読んだ上で魅力を知った方がより楽しめる内容です。) 私も子供の頃から毎週楽しみに読んでいたので、学生時代はジョジョの各場面やセリフを丸暗記しているくらいでした。…と、ファンにとってはこれくらい普通でしょうかw ファンには今更説明不要かもしれませんが、この展示のサブタイトルにある「S市杜王町」というのはジョジョの第4部と第8部の舞台となっている地で、荒木飛呂彦氏の故郷である仙台市がモデルとなっています。その為、この地で開催される展示を観に行くのは一種の聖地巡礼のようなものですw
さて、ここからは実際の展示の様子をご紹介していきますが、この展示は原画保護のため一切の筆記用具の使用が禁止されていました。その為、いつものようにメモが取れず、記憶を頼りにこの記事を書いていきます。可能な限り思い出しているつもりですが、間違っている所があったらごめんなさい。
これが入口。柵があるのでここで並ぶこともあったのかな?
中に入ると基本的にはカラーの原画が中心となっていました。
まずは魔少年ビーティー、バオー来訪者といったジョジョ以前の荒木飛呂彦氏の作品の原画が並んでいます。(この辺も面白い漫画なので、ファンなら読んでみると良いかと) 最近の画風に比べるとちょっと垢抜けない雰囲気ですが、既に個性を感じます。
そしてその先はジョジョの1部のコーナーで、ここは一番最初の族長が吸血鬼になるあたりのカラー原画が展示されていました。これはカラーでは観たことが無かったので、しばし見入りました。また、近くには非常にリアルな石仮面もあり、原作からそのまま抜けだしたような完成度の高さに驚嘆します。さらに1部のコーナーの最後の辺りにはジョナサンがブラフォードから貰ったPLUCK(勇気をッ!)の剣もありました。1.5mくらいある重厚感のある剣で、Pの文字は血が滲んだ感じがよく出ていました。
その次は2部、3部の原画のコーナーです。こちらもカラーの原画が中心で、主に単行本の表紙やジャンプの巻頭カラーなどに使われたものが並びます。やはり原画は印刷物とはちょっと違った印象を受けるかな。色合いなどがより絵画的に思いました。壁には承太郎とDIOがメンチきっている第28巻の表紙が大きく飾られていました。
4部の原画は後回しにされていて、3部の後には東方仗助の等身大?の人形が置かれていました。これはちょっと顔が似ていないように思えるかな。腕を胸の前で交差するようにして、踏み出すようなポーズをしていました。
続いての5部のコーナーでは、この展示唯一の写真撮影可能スポットがありました。これは第49巻の見開きにあったもの。

多分実寸だと思うのですが、やや大きめに見えました。
この先は5~8部の原画が続くのですが、原画は表紙や巻頭カラーなので主人公たちを描いたものが多く、スタンドや敵キャラが描かれているものは少なめです。普通の白黒の漫画の原画も観たかったんだけどなあ…。
8部の後は大部屋で、まずは4部やスピンオフで活躍している岸辺露伴の机と露伴の等身大のフィギアがありました。このフィギアは新宿のグッチの展示にあったものと同じです。
参考記事:岸辺露伴 新宿へ行く 展 (グッチ新宿)
大部屋の壁沿いに4部の原画が並び、4部の最後には「弓と矢」の再現がありました。これも恐ろしく原作に忠実で、質感も本物の弓矢のようでした。
4部のコーナーの後は小さな部屋のようなブースがあり、ここでは女性誌SPURに載った「岸辺露伴 グッチへ行く」の原画が並んでいました。これは16ページほどの漫画で、読みながら進めるのでこの短編を読んだことがなくてもこの場で読めました。去年のグッチ新宿での展示の様子なども紹介されています。
そしてその後はジャンプや単行本が並ぶコーナーでした。デビュー作の「武装ポーカー」が載っている号から、ジョジョの8部まで主人公の登場シーンのページなどが開かれて展示されていました。これも今となっては結構貴重かも。近くには荒木先生の机もあり、岸辺露伴とはちょっと趣が違っているのが面白いです。
また、この部屋の中央にはipadを使ったコーナーもありました。杜王町の地図にいくつか☆マークがあり、そこに借りたipadをかざすと画面に漫画が流れその場所を紹介する感じです。仗助の家、杉本鈴美の小道、トニオの店、露伴の家、ボヨヨン岬に☆がついていました。効果音も鳴って、ジョジョ愛に笑ってしまうようなギミックですw
そして最後に荒木飛呂彦氏と初代担当との対話の映像も流れていました。魔少年ビーティーの頃は仙台で描いていたものの、打ち合わせ等で移動する時間が勿体無いのでバオー来訪者の頃には東京で描いていたという話や、持ち込みに行った時に担当に緊張したエピソードなどが話されていました。
会場を出るとジョジョスマフォ(docomo LG製)の体験コーナーがあり、漫画のコマに合わせてセリフを入力するというゲームを体験してきました。私は丸暗記していたはずですが結構難しかったです^^; しかし予測変換でジョジョのセリフが入っているのが面白くて、ちょっと欲しいかもw
体験が終わると特製の団扇を貰えました。これは表と裏を撮ったもの(1人1枚です)

そして出口付近で「杜王新報」を受け取りました。

中身は岸辺露伴が「もりおうメディアテーク」で個展を開くという内容の記事や、荒木飛呂彦氏と仙台の関係についてのインタビュー、岸辺露伴 仙台を行くという仙台の名所案内と仙台の地名にちなんで付けられたジョジョの固有名詞(花京院や広瀬川など)について、コラボ企画について、今までの荒木飛呂彦氏の作品について 等が載っています。
そして物販は別会場となっていました。三越裏のTICというビルで、メディアテークから徒歩5分くらいでした。
入口はこんな感じ。

私が行った時は既に多くのグッズが売り切れていました。orz 注文票に買う点数を記載して引き換えする形式で、ポストカードのバラ売りはしていないようでした。
私は2万円くらいグッズを買ったのですがこんな感じ(一部)です。写真が暗くてごめんなさい(><)

この他にクリアファイルや杜王新報なども売っていて、クリアファイルは特にお買い得感がありました。
グッズを買った後、関連イベントにも足を運んでみました。まずは仙台駅にほど近いローソン仙台柳通り店へ。
ここはローソンが2012年7月28日~9月30日の期間限定で「OWSON(オーソン)」になっていますw 4部に出てきたお店で、中々ファン心を理解している企画で面白いです。

作中ではここに小道があるのですが、残念ながら迷い込むことはできませんでしたw 基本的には普通のローソンで、店の装飾が変わっているのと、店内の一角にジョジョ関連のグッズがある感じです。ここはあまり心惹かれるものが無いというか、既に無くなっているようでした。
とりあえず、オーソンのノートとペンのセットだけ買いました。

帰りに仙台駅のLOFTに寄ったのですが、ここでもHMVやヴィレッジヴァンガードでジョジョ展を盛り上げるイベントを行なっていました。

ということで、会場だけでなく仙台のあちこちで関連イベントがありファンにとっては非常に楽しめる展示でした。わざわざ仙台まで足を運んだ甲斐もありました。東京会場はまた違った内容となるようですので、こちらも楽しみです。
参照記事:★この記事を参照している記事
※今回は「ジョジョの奇妙な冒険」の漫画の内容を知っている方向けの記事になります。読んでいない方には何のことか分からないかと…。


【展覧名】
荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展 in S市杜王町
【公式サイト】
http://www.jojo-morioh.com/
http://www.araki-jojo.com/gengaten/
【会場】せんだいメディアテーク
【最寄】勾当台公園駅(仙台)
【会期】2012年7月28日~8月14日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(平日12時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
まず重要なことですが、この展示は始まって3日目辺りで早々にチケットが売り切れてしまい、その後は当日券の販売無しという状況が続きました。私はかなり早めに前売りで「杜王新報付きチケット」(3種類あるうちの1つ。他に通常チケットとごま蜜団子付きのチケットがありました)を買っていたので難を逃れましたが、オークションで高値がつくなどチケットは入手困難な状況だったようです。

この展示は2012/10/6~11/4に六本木の森アーツセンターギャラリーにも巡回してくるのですが、やはり相当の人気が予想され、会期中は全日にわたって日時指定のチケットになるようです。チケットは8月18日(土)から販売のようですので、東京巡回を逃したくない方は、予定を決めて即日ゲットが無難だと思います。
参考リンク:荒木飛呂彦原画展「ジョジョ展」東京 公式サイト
そんな状況の中、事前に公式サイトで仙台の展示は七夕の期間は混雑が予想されるとアナウンスされていたので戦々恐々としていたのですが、実際にはそんなに混むこともなく自分のペースで鑑賞することができました。公式ツイッターなどを見ると土日は整理券を出すほど混んでいるようなので、恐らく地元のファンたちがこの期間は遠慮してくれたのでしょう…。仙台のファンの遠征組への思いやりある行動ッ! ぼくは敬意を表するッ!
さて、前置きが長くなりましたが、この展覧会は漫画「ジョジョの奇妙な冒険」で有名な荒木飛呂彦 氏の原画展となります。ジョジョの奇妙な冒険は今年(2012年)で連載25周年となり、アニメ化・ゲーム化など様々な企画が予定されていますが、この展覧会もファンにとっては待望のイベントだと思います。何しろファンに熱狂的に支持される漫画だけに、この展示をどれくらい楽しめるかは思い入れの強さによって大きく変わると思います。(荒木飛呂彦氏をよく知らない方でもその独創的な画風などに惹かれるとは思いますが、やはり漫画を読んだ上で魅力を知った方がより楽しめる内容です。) 私も子供の頃から毎週楽しみに読んでいたので、学生時代はジョジョの各場面やセリフを丸暗記しているくらいでした。…と、ファンにとってはこれくらい普通でしょうかw ファンには今更説明不要かもしれませんが、この展示のサブタイトルにある「S市杜王町」というのはジョジョの第4部と第8部の舞台となっている地で、荒木飛呂彦氏の故郷である仙台市がモデルとなっています。その為、この地で開催される展示を観に行くのは一種の聖地巡礼のようなものですw
さて、ここからは実際の展示の様子をご紹介していきますが、この展示は原画保護のため一切の筆記用具の使用が禁止されていました。その為、いつものようにメモが取れず、記憶を頼りにこの記事を書いていきます。可能な限り思い出しているつもりですが、間違っている所があったらごめんなさい。
これが入口。柵があるのでここで並ぶこともあったのかな?

中に入ると基本的にはカラーの原画が中心となっていました。
まずは魔少年ビーティー、バオー来訪者といったジョジョ以前の荒木飛呂彦氏の作品の原画が並んでいます。(この辺も面白い漫画なので、ファンなら読んでみると良いかと) 最近の画風に比べるとちょっと垢抜けない雰囲気ですが、既に個性を感じます。
そしてその先はジョジョの1部のコーナーで、ここは一番最初の族長が吸血鬼になるあたりのカラー原画が展示されていました。これはカラーでは観たことが無かったので、しばし見入りました。また、近くには非常にリアルな石仮面もあり、原作からそのまま抜けだしたような完成度の高さに驚嘆します。さらに1部のコーナーの最後の辺りにはジョナサンがブラフォードから貰ったPLUCK(勇気をッ!)の剣もありました。1.5mくらいある重厚感のある剣で、Pの文字は血が滲んだ感じがよく出ていました。
その次は2部、3部の原画のコーナーです。こちらもカラーの原画が中心で、主に単行本の表紙やジャンプの巻頭カラーなどに使われたものが並びます。やはり原画は印刷物とはちょっと違った印象を受けるかな。色合いなどがより絵画的に思いました。壁には承太郎とDIOがメンチきっている第28巻の表紙が大きく飾られていました。
4部の原画は後回しにされていて、3部の後には東方仗助の等身大?の人形が置かれていました。これはちょっと顔が似ていないように思えるかな。腕を胸の前で交差するようにして、踏み出すようなポーズをしていました。
続いての5部のコーナーでは、この展示唯一の写真撮影可能スポットがありました。これは第49巻の見開きにあったもの。

多分実寸だと思うのですが、やや大きめに見えました。
この先は5~8部の原画が続くのですが、原画は表紙や巻頭カラーなので主人公たちを描いたものが多く、スタンドや敵キャラが描かれているものは少なめです。普通の白黒の漫画の原画も観たかったんだけどなあ…。
8部の後は大部屋で、まずは4部やスピンオフで活躍している岸辺露伴の机と露伴の等身大のフィギアがありました。このフィギアは新宿のグッチの展示にあったものと同じです。
参考記事:岸辺露伴 新宿へ行く 展 (グッチ新宿)
大部屋の壁沿いに4部の原画が並び、4部の最後には「弓と矢」の再現がありました。これも恐ろしく原作に忠実で、質感も本物の弓矢のようでした。
4部のコーナーの後は小さな部屋のようなブースがあり、ここでは女性誌SPURに載った「岸辺露伴 グッチへ行く」の原画が並んでいました。これは16ページほどの漫画で、読みながら進めるのでこの短編を読んだことがなくてもこの場で読めました。去年のグッチ新宿での展示の様子なども紹介されています。
そしてその後はジャンプや単行本が並ぶコーナーでした。デビュー作の「武装ポーカー」が載っている号から、ジョジョの8部まで主人公の登場シーンのページなどが開かれて展示されていました。これも今となっては結構貴重かも。近くには荒木先生の机もあり、岸辺露伴とはちょっと趣が違っているのが面白いです。
また、この部屋の中央にはipadを使ったコーナーもありました。杜王町の地図にいくつか☆マークがあり、そこに借りたipadをかざすと画面に漫画が流れその場所を紹介する感じです。仗助の家、杉本鈴美の小道、トニオの店、露伴の家、ボヨヨン岬に☆がついていました。効果音も鳴って、ジョジョ愛に笑ってしまうようなギミックですw
そして最後に荒木飛呂彦氏と初代担当との対話の映像も流れていました。魔少年ビーティーの頃は仙台で描いていたものの、打ち合わせ等で移動する時間が勿体無いのでバオー来訪者の頃には東京で描いていたという話や、持ち込みに行った時に担当に緊張したエピソードなどが話されていました。
会場を出るとジョジョスマフォ(docomo LG製)の体験コーナーがあり、漫画のコマに合わせてセリフを入力するというゲームを体験してきました。私は丸暗記していたはずですが結構難しかったです^^; しかし予測変換でジョジョのセリフが入っているのが面白くて、ちょっと欲しいかもw
体験が終わると特製の団扇を貰えました。これは表と裏を撮ったもの(1人1枚です)

そして出口付近で「杜王新報」を受け取りました。

中身は岸辺露伴が「もりおうメディアテーク」で個展を開くという内容の記事や、荒木飛呂彦氏と仙台の関係についてのインタビュー、岸辺露伴 仙台を行くという仙台の名所案内と仙台の地名にちなんで付けられたジョジョの固有名詞(花京院や広瀬川など)について、コラボ企画について、今までの荒木飛呂彦氏の作品について 等が載っています。
そして物販は別会場となっていました。三越裏のTICというビルで、メディアテークから徒歩5分くらいでした。
入口はこんな感じ。


私が行った時は既に多くのグッズが売り切れていました。orz 注文票に買う点数を記載して引き換えする形式で、ポストカードのバラ売りはしていないようでした。
私は2万円くらいグッズを買ったのですがこんな感じ(一部)です。写真が暗くてごめんなさい(><)

この他にクリアファイルや杜王新報なども売っていて、クリアファイルは特にお買い得感がありました。
グッズを買った後、関連イベントにも足を運んでみました。まずは仙台駅にほど近いローソン仙台柳通り店へ。
ここはローソンが2012年7月28日~9月30日の期間限定で「OWSON(オーソン)」になっていますw 4部に出てきたお店で、中々ファン心を理解している企画で面白いです。


作中ではここに小道があるのですが、残念ながら迷い込むことはできませんでしたw 基本的には普通のローソンで、店の装飾が変わっているのと、店内の一角にジョジョ関連のグッズがある感じです。ここはあまり心惹かれるものが無いというか、既に無くなっているようでした。
とりあえず、オーソンのノートとペンのセットだけ買いました。

帰りに仙台駅のLOFTに寄ったのですが、ここでもHMVやヴィレッジヴァンガードでジョジョ展を盛り上げるイベントを行なっていました。


ということで、会場だけでなく仙台のあちこちで関連イベントがありファンにとっては非常に楽しめる展示でした。わざわざ仙台まで足を運んだ甲斐もありました。東京会場はまた違った内容となるようですので、こちらも楽しみです。
参照記事:★この記事を参照している記事
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前回ご紹介した泉屋博古館分館の展示を観た後、ホテルオークラのアスコットホールで「東京美術学校から東京藝術大学へ 日本絵画の巨匠たち」を観てきました。

【展覧名】
東日本大震災復興支援チャリティーイベント"アートで心をつなぐ"
第18回 秘蔵の名品アートコレクション展
東京美術学校から東京藝術大学へ 日本絵画の巨匠たち
【公式サイト】
http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/special/art2012/
【会場】ホテルオークラ アスコットホール
【最寄】六本木一丁目/溜池山王/神谷町
【会期】2012年8月3日(金)~8月26日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時半頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
行く時間が遅めだったこともあってか、空いていてゆっくり観ることができました。
さて、この展示は毎年この時期恒例のアスコットホールでのチャリティー展です。毎年テーマを変えて開催されていますが、今年は「東京美術学校から東京藝術大学へ 日本絵画の巨匠たち」ということで、現在の東京藝術大学の歴代の教員と卒業生ら45人の作品84点が並ぶ内容で、日本画・洋画ともに見応えのある作品が並んでいました。特に章分けはありませんでしたが、気に入った作品を通してその様子をご紹介していこうと思います。
参考記事:
文化勲章受章作家の競演 日本絵画の巨匠たち (ホテルオークラ アスコットホール)
第15回秘蔵の名品アートコレクション展 ~日蘭通商400周年記念 栄光のオランダ絵画展~ (ホテルオークラ アスコットホール)
まず最初は洋画のコーナーでした。
和田英作 「少女 新聞を読む」
規則的な模様のついたマットを敷いて、そこに寝っ転がって新聞を読んでいる浴衣姿の女性を描いた作品です。淡く明るい色彩は師匠の黒田清輝の画風を思い起こさせるかな。隣には団扇があり、日差しは柔らかめですが夏っぽい雰囲気に思いました。
近くには岡田三郎助の「ムートンの夕暮れ」やラファエル・コランの「花月(フロレアル)」もありました。藝大美術館の所蔵品が半分くらいあるようです。
藤島武二 「池畔納涼」 ★こちらで観られます
これは大きめの作品で、池の畔のベンチに腰掛ける団扇を持った白い着物の女性と、その傍らで立って本を読む青い着物に赤帯の女性が描かれています。周りは夕暮れのようで、柔らかいオレンジに染まっていて、夏の情緒を感じさせました。こちらも黒田清輝の外光派の特徴が見られるようでした。
参考記事:尼門跡寺院の世界 皇女たちの信仰と御所文化 と 芸大コレクション展 春の名品選 (東京藝術大学大学美術館)
この辺りには岡田三郎助の「支那絹の前」や黒田清輝の「婦人像(厨房)」(★こちらで観られます)、黒田清輝が模写したレンブラントの自画像、和田英作が模写したミレーの「落ち穂拾い」などもありました。
参考記事:
高島屋史料館所蔵名品展 (泉屋博古館 分館)
藤島武二・岡田三郎助展 ~女性美の競演~ (そごう美術館)
コレクションの誕生、成長、変容―藝大美術館所蔵品選― (東京藝術大学大学美術館)
梅原龍三郎 「裸婦」
赤い布地とカーペットを背景に、ソファに腰掛け足を組む裸婦が描かれた作品です。全体的に簡略化され、ルノワールやマティスを彷彿とします。色が強く力強い印象を受けました。
この近くには安井曾太郎による男子裸体・裸婦の素描なども並んでいました。
青木繁 「旧約聖書物語挿絵 1.光りあれ」
手前に暗い海が描かれ、水平線の中央辺りに太陽のような十字の光、右上には三日月が描かれた作品です。非常に神々しい雰囲気の光景で、旧約聖書の天地創造のシーンを表しているようでした。
ここには同様に旧約聖書(中村吉蔵本案の旧約聖書物語)の8点の挿絵があり、モーセやダビデ、ソロモン、ネブカドネザルなどを描いた場面もありました。
参考記事:没後100年 青木繁展ーよみがえる神話と芸術 (ブリヂストン美術館)
続いては日本画のコーナーです。
横山大観 「村童観猿翁」 ★こちらで観られます
黒い牛の上で赤い着物を着た猿が芸をしている様子を描いた作品です。その周りには11人の着物の子供たちがいて、それを見ているようです。子供たちの後ろには帽子をかぶった男性が座り、この人が猿回しの翁のようでした。皆、中央の猿に目線を向けていて、楽しそうに見えます。また、手前の木々は濃く、奥はぼんやりするなど遠近感を感じました。解説によるとこれは大観の卒業制作らしく、子供たちは同期の画家の幼顔をイメージしたそうで、翁は橋本先生(橋本雅邦)をイメージしたとのことでした。
大観は富士を描いた作品もありました。
下村観山 「山寺の春」
これは2幅対の掛け軸で、右幅は見下ろすような視点で山の斜面に咲く桜の樹と、樹の下の何かの碑のようなもの??が描かれています。一方、左幅には山の斜面を登る着物の女性が描かれ、その斜面は2幅で繋がるようになっているのが面白いです。色は柔らかめで静かな雰囲気ですが、対比的な所があるように思いました。解説によると、土佐派の研究の成果が伺えるとのことでした。
観山は他にもう1点あり、近くには菱田春草3点、川合玉堂の屏風1点などもありました。
東山魁夷 「悠紀地方風俗歌屏風」
6曲1双の大きな屏風で、右隻は桜が咲く山や岩の連なる海が描かれ、左隻は紅葉した山の斜面や雪の積もる湖畔の山々が描かれています。背景には金と青で雲がたなびく様子が描かれているので大和絵風に見えましたが、単純化されすっきりした感じが独特でした。東山魁夷にこういう作品があるとは興味深いです。
この隣には高山辰雄による同じサイズの屏風がありました。こちらも一見すると大和絵的ですが、工場などが描かれていて一風変わった雰囲気でした。
加山又造 「富嶽」
雪の積もった白い富士山の山頂付近を描いた作品です。深い青を背景にそびえる姿は雄大で、神聖さすら感じる美しさです。山の斜面には細かい筋がついていて起伏を表現しているように見え、さらによく観ると実際に絵の具が盛り上がっているのが分かりました。色の対比が鮮やかに見えるためか、澄んだ空気まで伝わって来るようでした。
杉山寧 「野」
ススキの野の中で遊ぶ子供たちを描いた作品で、雀を掌で抱く子や、周りを見ている子供など、ちょっと佇んでいるような感じも受けます。風が強いのかススキはなびき、右から左への流れを感じます。また、高い位置に水平線があり、向こうには丸い月が浮かんでいました。どこか神秘的な雰囲気がありつつ、1つ1つのススキは緻密に描かれ、毛先までも表現されているのは驚きでした。
この辺には松岡映丘の「千草の丘」もありました。これは非常に見応えのある作品です。また、少し行くと加山又造の「原始時代」という半抽象画のような作品や、平山郁夫の作品などもありました。
参考記事:生誕130年 松岡映丘-日本の雅-やまと絵復興のトップランナー (練馬区立美術館)
小林古径 「花」
桜の木の下にござを敷き、うつ伏せで頬杖をついて寝転がる髪の長い少年を描いた作品です。少年と言っても白い肌で女性のような色気があるかな。鮮やかな緑の色面のござや隣に置かれた赤い衣など 大和絵的な色合いが鮮やかで、華やかな雰囲気がありつつ幻想的な光景に観えました。
古径は数点あり、前田青邨の作品などもありました。
吉岡堅二 「群鶏」
非常に前衛的なタッチで描かれた5羽の鶏の図です。胴を白と黒の長い三角形を並べて描いていて、強烈な縞模様をしています。どうやら西洋絵画のキュビスムの手法を取り入れているようで、日本画とも西洋画とも言えないような斬新さがありました。
隣には岩橋英遠の抽象画のような作品もありました。歴程美術協会に関連する作家のコーナーなのかな?
参考記事:「日本画」の前衛 1938-1949 (東京国立近代美術館)
最後の部屋は再び洋画のコーナーで、まずは肖像画が並んでいました。
野間仁根 「自画像」
帽子をかぶった自画像で、鼻が長く目の中が黒くなっていて、モディリアーニや新古典主義の頃のピカソを彷彿とするかな。陰影が濃く、ちょっとシュールな感じも受けます。(むしろ埴輪のような気も…) インパクトがあって面白い自画像でした。
駒井哲郎 「自画像」
版画家として有名な駒井哲郎の自画像です。暗い背景に溶けこむような黒い服の男性の顔が、対角線上に伸びるような感じで描かれています。やけにひょろ長く頭が大きく見え、顔は青白いので、見ていて不安になってきましたw 何か悩みでもあったのでしょうか… これも目を引く自画像でした。
この辺には萬鉄五郎の自画像もありました。その後の萬鉄五郎の作風とはちょっと違って見えるかな。また、中村研一の作品も3点ほどありました。
佐伯祐三 「自画像」 ★こちらで観られます
佐伯祐三の東京美術学校を卒業した頃の自画像です。赤茶色の髪に口髭をたくわえチラッとこちらを見ていて、今の時代の感覚でも結構なイケメンですw その後の佐伯の画風とだいぶ違っていてちょっとルノワール風な穏やかな雰囲気に思えました。 これだけ見ると意志の強い自信家のように見えますが…。
この隣には1年後の自画像もあり、これとはだいぶ画風が変わっていて、セザンヌ風な感じに見えました。(これも晩年の佐伯っぽさはあまり感じない) 卒業が1923年、ヴラマンクに会って酷評されるのが1924年なので、この辺から晩年にかけて一気に画風が変わっていったのが伺える2点でした。
岡鹿之助 「燈台」
丘の上に建つ燈台と、その周りの草原や奥の海と空を描いた作品です。燈台の脇には白い三角の旗がたなびき目を引きます。点描のようなざらついた質感で、アンリ・ルソーのような素朴な雰囲気があるかな。人っ子一人いない画面は静かで、幻想的にすら思えます。そして幾何学的な要素も合わさっているのが面白かったです。
岡鹿之助は自画像もありました。また、近くには牛島憲之の自画像や心象風景のような作品もあります。
小磯良平 「裁縫女」
ミシンに向かって作業する袖なしの服(と言うより下着のような)の女性を描いた作品です。装飾的で長い布を縫っているようで、手先をじっと見ているものの、顔はどこか優しい雰囲気です。また、女性の背景には白い布があり、その辺りが明るく見えるのも面白い構図でした。解説によると、日常を捉える手法は対欧中に観たフェルメールの影響とのことでした。
小磯良平はもう1点ありました。
荻須高徳 「ポスターを貼られた家」
ややうらぶれた雰囲気のパリ?の家を描いた作品です。壁には剥がれかかったポスターや黒ずんだ染みがあり、それが独特の味わいとなっています。仲間の佐伯の作風に似ていて、かなり好みの作品でした。
林武 「椿」
単純化された赤い椿が描かれた作品です。よく観ると大胆に厚塗りされていて、暗めの色彩から重厚な印象を受けます。特に花や左上の辺りに絵の具が盛り上がっているので、ボリューム感があるように思いました。
この辺には藤田嗣治(レオナール・フジタ)の作品も2点ありました。
ということで、今年も楽しむことができました。パンフレットも500円と安いので買ってきました。若干、前回ご紹介した泉屋博古館分館の展示と被っている気がしますので、もし行くのであれば両方行ったほうがより楽しいかもしれません。藝大の名品も観られるので興味のある方は是非どうぞ。
おまけ:
実は毎年この時期この近くで某アパレルのファミリーセールが開催されていて、毎年ちょうど良い感じにハシゴしています。 今年も荷物一杯でこの展示に行ったのですが、ここはクロークがしっかりしているのが嬉しいw
参照記事:★この記事を参照している記事

【展覧名】
東日本大震災復興支援チャリティーイベント"アートで心をつなぐ"
第18回 秘蔵の名品アートコレクション展
東京美術学校から東京藝術大学へ 日本絵画の巨匠たち
【公式サイト】
http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/special/art2012/
【会場】ホテルオークラ アスコットホール
【最寄】六本木一丁目/溜池山王/神谷町
【会期】2012年8月3日(金)~8月26日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時半頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
行く時間が遅めだったこともあってか、空いていてゆっくり観ることができました。
さて、この展示は毎年この時期恒例のアスコットホールでのチャリティー展です。毎年テーマを変えて開催されていますが、今年は「東京美術学校から東京藝術大学へ 日本絵画の巨匠たち」ということで、現在の東京藝術大学の歴代の教員と卒業生ら45人の作品84点が並ぶ内容で、日本画・洋画ともに見応えのある作品が並んでいました。特に章分けはありませんでしたが、気に入った作品を通してその様子をご紹介していこうと思います。
参考記事:
文化勲章受章作家の競演 日本絵画の巨匠たち (ホテルオークラ アスコットホール)
第15回秘蔵の名品アートコレクション展 ~日蘭通商400周年記念 栄光のオランダ絵画展~ (ホテルオークラ アスコットホール)
まず最初は洋画のコーナーでした。
和田英作 「少女 新聞を読む」
規則的な模様のついたマットを敷いて、そこに寝っ転がって新聞を読んでいる浴衣姿の女性を描いた作品です。淡く明るい色彩は師匠の黒田清輝の画風を思い起こさせるかな。隣には団扇があり、日差しは柔らかめですが夏っぽい雰囲気に思いました。
近くには岡田三郎助の「ムートンの夕暮れ」やラファエル・コランの「花月(フロレアル)」もありました。藝大美術館の所蔵品が半分くらいあるようです。
藤島武二 「池畔納涼」 ★こちらで観られます
これは大きめの作品で、池の畔のベンチに腰掛ける団扇を持った白い着物の女性と、その傍らで立って本を読む青い着物に赤帯の女性が描かれています。周りは夕暮れのようで、柔らかいオレンジに染まっていて、夏の情緒を感じさせました。こちらも黒田清輝の外光派の特徴が見られるようでした。
参考記事:尼門跡寺院の世界 皇女たちの信仰と御所文化 と 芸大コレクション展 春の名品選 (東京藝術大学大学美術館)
この辺りには岡田三郎助の「支那絹の前」や黒田清輝の「婦人像(厨房)」(★こちらで観られます)、黒田清輝が模写したレンブラントの自画像、和田英作が模写したミレーの「落ち穂拾い」などもありました。
参考記事:
高島屋史料館所蔵名品展 (泉屋博古館 分館)
藤島武二・岡田三郎助展 ~女性美の競演~ (そごう美術館)
コレクションの誕生、成長、変容―藝大美術館所蔵品選― (東京藝術大学大学美術館)
梅原龍三郎 「裸婦」
赤い布地とカーペットを背景に、ソファに腰掛け足を組む裸婦が描かれた作品です。全体的に簡略化され、ルノワールやマティスを彷彿とします。色が強く力強い印象を受けました。
この近くには安井曾太郎による男子裸体・裸婦の素描なども並んでいました。
青木繁 「旧約聖書物語挿絵 1.光りあれ」
手前に暗い海が描かれ、水平線の中央辺りに太陽のような十字の光、右上には三日月が描かれた作品です。非常に神々しい雰囲気の光景で、旧約聖書の天地創造のシーンを表しているようでした。
ここには同様に旧約聖書(中村吉蔵本案の旧約聖書物語)の8点の挿絵があり、モーセやダビデ、ソロモン、ネブカドネザルなどを描いた場面もありました。
参考記事:没後100年 青木繁展ーよみがえる神話と芸術 (ブリヂストン美術館)
続いては日本画のコーナーです。
横山大観 「村童観猿翁」 ★こちらで観られます
黒い牛の上で赤い着物を着た猿が芸をしている様子を描いた作品です。その周りには11人の着物の子供たちがいて、それを見ているようです。子供たちの後ろには帽子をかぶった男性が座り、この人が猿回しの翁のようでした。皆、中央の猿に目線を向けていて、楽しそうに見えます。また、手前の木々は濃く、奥はぼんやりするなど遠近感を感じました。解説によるとこれは大観の卒業制作らしく、子供たちは同期の画家の幼顔をイメージしたそうで、翁は橋本先生(橋本雅邦)をイメージしたとのことでした。
大観は富士を描いた作品もありました。
下村観山 「山寺の春」
これは2幅対の掛け軸で、右幅は見下ろすような視点で山の斜面に咲く桜の樹と、樹の下の何かの碑のようなもの??が描かれています。一方、左幅には山の斜面を登る着物の女性が描かれ、その斜面は2幅で繋がるようになっているのが面白いです。色は柔らかめで静かな雰囲気ですが、対比的な所があるように思いました。解説によると、土佐派の研究の成果が伺えるとのことでした。
観山は他にもう1点あり、近くには菱田春草3点、川合玉堂の屏風1点などもありました。
東山魁夷 「悠紀地方風俗歌屏風」
6曲1双の大きな屏風で、右隻は桜が咲く山や岩の連なる海が描かれ、左隻は紅葉した山の斜面や雪の積もる湖畔の山々が描かれています。背景には金と青で雲がたなびく様子が描かれているので大和絵風に見えましたが、単純化されすっきりした感じが独特でした。東山魁夷にこういう作品があるとは興味深いです。
この隣には高山辰雄による同じサイズの屏風がありました。こちらも一見すると大和絵的ですが、工場などが描かれていて一風変わった雰囲気でした。
加山又造 「富嶽」
雪の積もった白い富士山の山頂付近を描いた作品です。深い青を背景にそびえる姿は雄大で、神聖さすら感じる美しさです。山の斜面には細かい筋がついていて起伏を表現しているように見え、さらによく観ると実際に絵の具が盛り上がっているのが分かりました。色の対比が鮮やかに見えるためか、澄んだ空気まで伝わって来るようでした。
杉山寧 「野」
ススキの野の中で遊ぶ子供たちを描いた作品で、雀を掌で抱く子や、周りを見ている子供など、ちょっと佇んでいるような感じも受けます。風が強いのかススキはなびき、右から左への流れを感じます。また、高い位置に水平線があり、向こうには丸い月が浮かんでいました。どこか神秘的な雰囲気がありつつ、1つ1つのススキは緻密に描かれ、毛先までも表現されているのは驚きでした。
この辺には松岡映丘の「千草の丘」もありました。これは非常に見応えのある作品です。また、少し行くと加山又造の「原始時代」という半抽象画のような作品や、平山郁夫の作品などもありました。
参考記事:生誕130年 松岡映丘-日本の雅-やまと絵復興のトップランナー (練馬区立美術館)
小林古径 「花」
桜の木の下にござを敷き、うつ伏せで頬杖をついて寝転がる髪の長い少年を描いた作品です。少年と言っても白い肌で女性のような色気があるかな。鮮やかな緑の色面のござや隣に置かれた赤い衣など 大和絵的な色合いが鮮やかで、華やかな雰囲気がありつつ幻想的な光景に観えました。
古径は数点あり、前田青邨の作品などもありました。
吉岡堅二 「群鶏」
非常に前衛的なタッチで描かれた5羽の鶏の図です。胴を白と黒の長い三角形を並べて描いていて、強烈な縞模様をしています。どうやら西洋絵画のキュビスムの手法を取り入れているようで、日本画とも西洋画とも言えないような斬新さがありました。
隣には岩橋英遠の抽象画のような作品もありました。歴程美術協会に関連する作家のコーナーなのかな?
参考記事:「日本画」の前衛 1938-1949 (東京国立近代美術館)
最後の部屋は再び洋画のコーナーで、まずは肖像画が並んでいました。
野間仁根 「自画像」
帽子をかぶった自画像で、鼻が長く目の中が黒くなっていて、モディリアーニや新古典主義の頃のピカソを彷彿とするかな。陰影が濃く、ちょっとシュールな感じも受けます。(むしろ埴輪のような気も…) インパクトがあって面白い自画像でした。
駒井哲郎 「自画像」
版画家として有名な駒井哲郎の自画像です。暗い背景に溶けこむような黒い服の男性の顔が、対角線上に伸びるような感じで描かれています。やけにひょろ長く頭が大きく見え、顔は青白いので、見ていて不安になってきましたw 何か悩みでもあったのでしょうか… これも目を引く自画像でした。
この辺には萬鉄五郎の自画像もありました。その後の萬鉄五郎の作風とはちょっと違って見えるかな。また、中村研一の作品も3点ほどありました。
佐伯祐三 「自画像」 ★こちらで観られます
佐伯祐三の東京美術学校を卒業した頃の自画像です。赤茶色の髪に口髭をたくわえチラッとこちらを見ていて、今の時代の感覚でも結構なイケメンですw その後の佐伯の画風とだいぶ違っていてちょっとルノワール風な穏やかな雰囲気に思えました。 これだけ見ると意志の強い自信家のように見えますが…。
この隣には1年後の自画像もあり、これとはだいぶ画風が変わっていて、セザンヌ風な感じに見えました。(これも晩年の佐伯っぽさはあまり感じない) 卒業が1923年、ヴラマンクに会って酷評されるのが1924年なので、この辺から晩年にかけて一気に画風が変わっていったのが伺える2点でした。
岡鹿之助 「燈台」
丘の上に建つ燈台と、その周りの草原や奥の海と空を描いた作品です。燈台の脇には白い三角の旗がたなびき目を引きます。点描のようなざらついた質感で、アンリ・ルソーのような素朴な雰囲気があるかな。人っ子一人いない画面は静かで、幻想的にすら思えます。そして幾何学的な要素も合わさっているのが面白かったです。
岡鹿之助は自画像もありました。また、近くには牛島憲之の自画像や心象風景のような作品もあります。
小磯良平 「裁縫女」
ミシンに向かって作業する袖なしの服(と言うより下着のような)の女性を描いた作品です。装飾的で長い布を縫っているようで、手先をじっと見ているものの、顔はどこか優しい雰囲気です。また、女性の背景には白い布があり、その辺りが明るく見えるのも面白い構図でした。解説によると、日常を捉える手法は対欧中に観たフェルメールの影響とのことでした。
小磯良平はもう1点ありました。
荻須高徳 「ポスターを貼られた家」
ややうらぶれた雰囲気のパリ?の家を描いた作品です。壁には剥がれかかったポスターや黒ずんだ染みがあり、それが独特の味わいとなっています。仲間の佐伯の作風に似ていて、かなり好みの作品でした。
林武 「椿」
単純化された赤い椿が描かれた作品です。よく観ると大胆に厚塗りされていて、暗めの色彩から重厚な印象を受けます。特に花や左上の辺りに絵の具が盛り上がっているので、ボリューム感があるように思いました。
この辺には藤田嗣治(レオナール・フジタ)の作品も2点ありました。
ということで、今年も楽しむことができました。パンフレットも500円と安いので買ってきました。若干、前回ご紹介した泉屋博古館分館の展示と被っている気がしますので、もし行くのであれば両方行ったほうがより楽しいかもしれません。藝大の名品も観られるので興味のある方は是非どうぞ。
おまけ:
実は毎年この時期この近くで某アパレルのファミリーセールが開催されていて、毎年ちょうど良い感じにハシゴしています。 今年も荷物一杯でこの展示に行ったのですが、ここはクロークがしっかりしているのが嬉しいw
参照記事:★この記事を参照している記事
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前回ご紹介したお店でランチを取った後、六本木一丁目に近い泉屋博古館分館で「近代日本洋画の魅惑の女性像―モネ・印象派旗挙げの前後―」を観てきました。この展示は前期・後期に分かれているようで、私が観たのは前期でした。

【展覧名】
近代日本洋画の魅惑の女性像―モネ・印象派旗挙げの前後―
【公式サイト】
http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/index.html
【会場】泉屋博古館分館
【最寄】六本木一丁目/神谷町
【会期】2012年7月7日~9月23日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
行った時は丁度、解説ツアーが行われていたためロッカーが満杯になっていましたが、混んでいるわけではなく快適に鑑賞することができました。
さて、今回の展示は泉屋博古館分館の開館10周年の記念展だそうで、館所蔵の近代洋画の展覧会となっていました。充実度を③にしたのは点数がそんなに多くないためですが、好みの作品がありましたので、詳しくは気に入った作品と共にご紹介しようと思います。なお、展覧会には一応章分けのようなものがありましたが、特に境目などは無かったので章分けは間違って記載しているかもしれません。
<魅惑の女性像>
まずは女性像のコーナーでした。
小磯良平 「踊り子二人」
2人のバレリーナが楽器に囲まれて立っている様子を描いた作品で、どうやら練習の間の休みを描いているようです。1人はこちらを観て腰に手を当て、もう1人は左を見ています。さっと描いたような所と写実的な所があり、色合いが強いせいか華やかな印象を受けます。女性がこちらを向いた一瞬を思わせる作品でした。
中川紀元 「少女」
真っ黒を背景に描かれた花束を抱え帽子をかぶる水色のワンピースの少女像です。大胆な筆跡が残っていて、フォーヴィスム的な雰囲気があります。特にドレスの皺の表現は流れるようで好みでした。
岡田三郎助 「五葉蔦」 ★こちらで観られます
木々を背景に、団扇を持った浴衣の女性がこちらを見ている肖像です。「五葉蔦」というのは麻を用いた文様のことだそうで、花か蜘蛛の巣を思わせる文様の着物を着ています。こちらを伺うような女性の顔は清純な印象で、団扇には蝶と植物が琳派風に描かれているとのことでした。夏に相応しい爽やかな印象の作品でした。
<モネ 印象派旗揚げの前後>
タイトルにもなっているモネは2点ありました。
クロード・モネ 「モンソー公園」 ★こちらで観られます
公園の風景を書いた作品で、右上に赤い花をつける大きな木があり、左に木々に隠れた建物が描かれています。中央には公園を散歩する人々の姿があり、穏やかな光景です。やや曇っているような感じに見えましたが、モネらしい光の表現に思いました。解説によると、日傘を持って歩いている女性は義理の娘のアリス・オシュデとその娘と推定されるそうです。
<個性豊かな風景画と浅井忠の世界>
続いては風景画のコーナーです。リストを観ると、ここの浅井忠の作品だけ入れ替えがあるのかも?
藤島武二 「室戸遠望」
これは以前ご紹介したかな。縦長の作品で、手前にジグザグに連なる岩が描かれ、奥には青々した海と空が広がります。水平線がかなり高めに描かれているためか、海の広さを感じました。岩に打ち寄せる白い波と海の青の取り合わせが鮮やかで美しいです。
参考記事:藤島武二・岡田三郎助展 ~女性美の競演~ (そごう美術館)
児島善三郎 「残雪」
簡略化された風景画で、雪の残る田んぼや緑の丘などが描かれています。色の取り合わせや構図が面白く、リズムを感じさせます。爽やかでのんびりした雰囲気でした。解説によると、児島善三郎の作品は代々木時代(前期・後期)、留学時代、国分寺時代(前期・後期)、荻窪時代と分けられるそう、これは国分寺時代(前期)の作品だそうです。
浅井忠 「秋林」
黄色に染まる林の中、道を行く大原女が小さく描かれている作品です。抑えられた色調で点描のようなタッチで繊細に描かれ、秋の情緒を感じさせました。
浅井忠は水彩が4点ありました。第1展示室はこの辺で1周です。
<岸田劉生と梅原龍三郎>
第2展示室の最初は岸田劉生と梅原龍三郎の作品が並んでいました。
岸田劉生 「四時競甘」
岸田劉生は洋画だけではなく日本画も描いていたのですが、これは初公開となる掛け軸です。カボチャや葡萄、桃、ビワ?、柿、ザクロなど様々な果物・野菜が並んでいる静物で、上から下へと流れるように配置されているのが心地よく感じられます。色も鮮やかで、好みの作風でした。
岸田劉生 「二人麗子像(童女飾髪図)」 ★こちらで観られます
これは油彩で、赤い着物のおかっぱの少女が鏡を持って座っていて、傍らにはその子の髪の毛を整えている赤と黄色の着物の女の子が描かれています。これは岸田劉生の作品によく出てくる娘の麗子と友達の松(鵠沼時代の近所の漁師の娘)だそうで、2人とも人形のように愛らしい顔をして微笑んでいます。解説によると、これは伝 顔輝の寒山拾得図を思い起こすとのことで、確かに寒山拾得のような卑近な雰囲気がありました。
梅原龍三郎 「北京長安街」
高い位置から見渡すように描かれた北京長安街の風景画です。緑の木々の間に赤い屋根や門がぽつぽつと並び、補色関係のためか色の対比が鮮やかに見えます。簡略化された感じの表現も独特で面白かったです。
梅原龍三郎は点数が多めで、風景画は4点ほどありました。
梅原龍三郎 「薔薇図」
画面いっぱいに花瓶に入った薔薇が描かれた作品です。赤、ピンク、白の花が、青地に花模様の花瓶に入っていて、右には1つ落ちた花?のようなものも描かれています。ややぼんやりしつつも、ボリュームがあり色の強いタッチで華やかな作品です。解説にもありますが、師のルノワールからの影響を感じさせました。
梅原龍三郎の花の静物は他にも3点ありました。
<魅惑の女性像(人物像)2>
最後は再び女性像のコーナーでした。とは言えそれ以外の主題も多かったかな。
坂本繁二郎 「二馬壁画」
壁画のような大きな作品で、岩場に2頭の馬が描かれています。1頭は後ろ向きで前足を上げて立ち上がるような姿勢をしていて、もう1頭は静かに直立しています。全体的に淡く水色や薄紫がかった色合いが幻想的で、いかにも繁二郎といった作品でした。これは繁二郎が好きな人には見応えがあると思います。
和田英作 「こだま」
暗い森の中、白い衣を身につけた裸婦が両手を両耳にあてて耳を澄ましている様子を描いた作品です。この女性は半人半獣だそうですが、人間っぽく見えます。自分の声のこだまに驚いているところだそうで、唇を開き眼を丸くしている感じでした。解説によると、これは和田英作がルーヴル美術館で反響する音を聞いた自分の体験に基いて描いたそうです。
藤島武二 「幸ある朝」 ★こちらで観られます
光の差し込む鎧戸の側に立ち、花の入った花瓶の隣で手紙を読む女性を描いた作品です。ぼんやりしているのでハッキリとはわかりませんが、心なしか女性は微笑むように見え、温かく優しい光と相まって幸福感が伝わってきました。
これも先述の「室戸遠望」と同じ展覧会でご紹介したかな。
この辺には小さな果実を描いたルノワールの「静物」などもありました。
岡鹿之助 「三色スミレ」
3つのスミレが花瓶に入った静物画です。白、緑、薄い青の花で、三角を描くように配置され背景は緑です。全体的にざらついた質感で静かな雰囲気に思えました。
この作品の隣にあった熊谷守一の作品も良かったです。
ということで、小点ながらも中々面白い作品が観られたと思います。ここはあまり近代洋画の展示をやっていない気がするので、コレクションを観る良い機会かもしれません。ぐるっとパスの券で展示を見られるのもお得な感じです。
参照記事:★この記事を参照している記事


【展覧名】
近代日本洋画の魅惑の女性像―モネ・印象派旗挙げの前後―
【公式サイト】
http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/index.html
【会場】泉屋博古館分館
【最寄】六本木一丁目/神谷町
【会期】2012年7月7日~9月23日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
行った時は丁度、解説ツアーが行われていたためロッカーが満杯になっていましたが、混んでいるわけではなく快適に鑑賞することができました。
さて、今回の展示は泉屋博古館分館の開館10周年の記念展だそうで、館所蔵の近代洋画の展覧会となっていました。充実度を③にしたのは点数がそんなに多くないためですが、好みの作品がありましたので、詳しくは気に入った作品と共にご紹介しようと思います。なお、展覧会には一応章分けのようなものがありましたが、特に境目などは無かったので章分けは間違って記載しているかもしれません。
<魅惑の女性像>
まずは女性像のコーナーでした。
小磯良平 「踊り子二人」
2人のバレリーナが楽器に囲まれて立っている様子を描いた作品で、どうやら練習の間の休みを描いているようです。1人はこちらを観て腰に手を当て、もう1人は左を見ています。さっと描いたような所と写実的な所があり、色合いが強いせいか華やかな印象を受けます。女性がこちらを向いた一瞬を思わせる作品でした。
中川紀元 「少女」
真っ黒を背景に描かれた花束を抱え帽子をかぶる水色のワンピースの少女像です。大胆な筆跡が残っていて、フォーヴィスム的な雰囲気があります。特にドレスの皺の表現は流れるようで好みでした。
岡田三郎助 「五葉蔦」 ★こちらで観られます
木々を背景に、団扇を持った浴衣の女性がこちらを見ている肖像です。「五葉蔦」というのは麻を用いた文様のことだそうで、花か蜘蛛の巣を思わせる文様の着物を着ています。こちらを伺うような女性の顔は清純な印象で、団扇には蝶と植物が琳派風に描かれているとのことでした。夏に相応しい爽やかな印象の作品でした。
<モネ 印象派旗揚げの前後>
タイトルにもなっているモネは2点ありました。
クロード・モネ 「モンソー公園」 ★こちらで観られます
公園の風景を書いた作品で、右上に赤い花をつける大きな木があり、左に木々に隠れた建物が描かれています。中央には公園を散歩する人々の姿があり、穏やかな光景です。やや曇っているような感じに見えましたが、モネらしい光の表現に思いました。解説によると、日傘を持って歩いている女性は義理の娘のアリス・オシュデとその娘と推定されるそうです。
<個性豊かな風景画と浅井忠の世界>
続いては風景画のコーナーです。リストを観ると、ここの浅井忠の作品だけ入れ替えがあるのかも?
藤島武二 「室戸遠望」
これは以前ご紹介したかな。縦長の作品で、手前にジグザグに連なる岩が描かれ、奥には青々した海と空が広がります。水平線がかなり高めに描かれているためか、海の広さを感じました。岩に打ち寄せる白い波と海の青の取り合わせが鮮やかで美しいです。
参考記事:藤島武二・岡田三郎助展 ~女性美の競演~ (そごう美術館)
児島善三郎 「残雪」
簡略化された風景画で、雪の残る田んぼや緑の丘などが描かれています。色の取り合わせや構図が面白く、リズムを感じさせます。爽やかでのんびりした雰囲気でした。解説によると、児島善三郎の作品は代々木時代(前期・後期)、留学時代、国分寺時代(前期・後期)、荻窪時代と分けられるそう、これは国分寺時代(前期)の作品だそうです。
浅井忠 「秋林」
黄色に染まる林の中、道を行く大原女が小さく描かれている作品です。抑えられた色調で点描のようなタッチで繊細に描かれ、秋の情緒を感じさせました。
浅井忠は水彩が4点ありました。第1展示室はこの辺で1周です。
<岸田劉生と梅原龍三郎>
第2展示室の最初は岸田劉生と梅原龍三郎の作品が並んでいました。
岸田劉生 「四時競甘」
岸田劉生は洋画だけではなく日本画も描いていたのですが、これは初公開となる掛け軸です。カボチャや葡萄、桃、ビワ?、柿、ザクロなど様々な果物・野菜が並んでいる静物で、上から下へと流れるように配置されているのが心地よく感じられます。色も鮮やかで、好みの作風でした。
岸田劉生 「二人麗子像(童女飾髪図)」 ★こちらで観られます
これは油彩で、赤い着物のおかっぱの少女が鏡を持って座っていて、傍らにはその子の髪の毛を整えている赤と黄色の着物の女の子が描かれています。これは岸田劉生の作品によく出てくる娘の麗子と友達の松(鵠沼時代の近所の漁師の娘)だそうで、2人とも人形のように愛らしい顔をして微笑んでいます。解説によると、これは伝 顔輝の寒山拾得図を思い起こすとのことで、確かに寒山拾得のような卑近な雰囲気がありました。
梅原龍三郎 「北京長安街」
高い位置から見渡すように描かれた北京長安街の風景画です。緑の木々の間に赤い屋根や門がぽつぽつと並び、補色関係のためか色の対比が鮮やかに見えます。簡略化された感じの表現も独特で面白かったです。
梅原龍三郎は点数が多めで、風景画は4点ほどありました。
梅原龍三郎 「薔薇図」
画面いっぱいに花瓶に入った薔薇が描かれた作品です。赤、ピンク、白の花が、青地に花模様の花瓶に入っていて、右には1つ落ちた花?のようなものも描かれています。ややぼんやりしつつも、ボリュームがあり色の強いタッチで華やかな作品です。解説にもありますが、師のルノワールからの影響を感じさせました。
梅原龍三郎の花の静物は他にも3点ありました。
<魅惑の女性像(人物像)2>
最後は再び女性像のコーナーでした。とは言えそれ以外の主題も多かったかな。
坂本繁二郎 「二馬壁画」
壁画のような大きな作品で、岩場に2頭の馬が描かれています。1頭は後ろ向きで前足を上げて立ち上がるような姿勢をしていて、もう1頭は静かに直立しています。全体的に淡く水色や薄紫がかった色合いが幻想的で、いかにも繁二郎といった作品でした。これは繁二郎が好きな人には見応えがあると思います。
和田英作 「こだま」
暗い森の中、白い衣を身につけた裸婦が両手を両耳にあてて耳を澄ましている様子を描いた作品です。この女性は半人半獣だそうですが、人間っぽく見えます。自分の声のこだまに驚いているところだそうで、唇を開き眼を丸くしている感じでした。解説によると、これは和田英作がルーヴル美術館で反響する音を聞いた自分の体験に基いて描いたそうです。
藤島武二 「幸ある朝」 ★こちらで観られます
光の差し込む鎧戸の側に立ち、花の入った花瓶の隣で手紙を読む女性を描いた作品です。ぼんやりしているのでハッキリとはわかりませんが、心なしか女性は微笑むように見え、温かく優しい光と相まって幸福感が伝わってきました。
これも先述の「室戸遠望」と同じ展覧会でご紹介したかな。
この辺には小さな果実を描いたルノワールの「静物」などもありました。
岡鹿之助 「三色スミレ」
3つのスミレが花瓶に入った静物画です。白、緑、薄い青の花で、三角を描くように配置され背景は緑です。全体的にざらついた質感で静かな雰囲気に思えました。
この作品の隣にあった熊谷守一の作品も良かったです。
ということで、小点ながらも中々面白い作品が観られたと思います。ここはあまり近代洋画の展示をやっていない気がするので、コレクションを観る良い機会かもしれません。ぐるっとパスの券で展示を見られるのもお得な感じです。
参照記事:★この記事を参照している記事
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先週の土曜日に六本木一丁目周辺の美術館巡りをしてきたのですが、その前に六本木一丁目駅にあるPAUL(ポール)というお店でランチしてきました。

【店名】
PAUL 六本木一丁目店
【ジャンル】
カフェ/レストラン
【公式サイト】
http://www.pasconet.co.jp/paul/shop03.html
食べログ:http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13025589/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
六本木一丁目
【近くの美術館】
大倉集古館
智美術館
泉屋博古館分館
など
【この日にかかった1人の費用】
1500円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日12時半頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
お昼頃に行ったのですが、空いていてゆっくりランチを摂ることができました。この辺は土日は人通り自体も少ないからかな。
さて、このお店は以前ご紹介した、PAUL(ポール)というフランス風のカフェ&レストランの六本木一丁目店です。最近このお店にハマっているので、六本木一丁目のお店もチェックしてみようと思い行ってみました。
参考記事:PAUL [ポール] (東京駅界隈のお店)
お店の中はこんな感じ。簡素ながらも落ち着いた雰囲気です。

テラス席もありましたが、真夏に行ったので中の席にしました。
ちなみにここはパン屋さんでもあるので、パンを持ち帰りで買うこともできます。

パンを買って、カフェエリアで食べることもできるようです。
この日はタルティーヌ・シェーブル・ジャンボン・クリュ(1113円)にドリンクでコーヒー(+399円)をつけました。ポテトはサラダにすることもできます。

このタルティーヌはパン(パン・ド・カンパーニュ)の上に生ハムとシェーブルチーズ、トマトが載っています。彩りも綺麗で、トマトとチーズの組み合わせが美味しかったです。コーヒーもまろやかで他のお店と同じく美味しいです。
連れは今回もオムレット・コンプレ(1029円)とドリンクでマンゴージュースを頼んでいました。

こちらはキノコ、ハム、チーズといった定番の素材が使われている為か食べ飽きないようです。マンゴージュースは思った以上にマンゴーっぽくて、やや粘り気があり香りと味が濃厚だったようです。
また、こちらのお店でもランチのパンは食べ放題です。

いくつか種類があるのですが、3種のぶどうのパンが一番好みです。(選べるわけではないですが) お腹いっぱいになるまで食べてきましたw
ということで、こちらのお店も東京駅のお店とほぼ同じような感じでした。こちらの方は土日は空いているようなので、土日しか行く事の無い自分にとっては使いやすいです。駅からすぐというのも便利なので、今後も使っていきたいお店です。

【店名】
PAUL 六本木一丁目店
【ジャンル】
カフェ/レストラン
【公式サイト】
http://www.pasconet.co.jp/paul/shop03.html
食べログ:http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13025589/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
六本木一丁目
【近くの美術館】
大倉集古館
智美術館
泉屋博古館分館
など
【この日にかかった1人の費用】
1500円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日12時半頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
お昼頃に行ったのですが、空いていてゆっくりランチを摂ることができました。この辺は土日は人通り自体も少ないからかな。
さて、このお店は以前ご紹介した、PAUL(ポール)というフランス風のカフェ&レストランの六本木一丁目店です。最近このお店にハマっているので、六本木一丁目のお店もチェックしてみようと思い行ってみました。
参考記事:PAUL [ポール] (東京駅界隈のお店)
お店の中はこんな感じ。簡素ながらも落ち着いた雰囲気です。

テラス席もありましたが、真夏に行ったので中の席にしました。
ちなみにここはパン屋さんでもあるので、パンを持ち帰りで買うこともできます。

パンを買って、カフェエリアで食べることもできるようです。
この日はタルティーヌ・シェーブル・ジャンボン・クリュ(1113円)にドリンクでコーヒー(+399円)をつけました。ポテトはサラダにすることもできます。


このタルティーヌはパン(パン・ド・カンパーニュ)の上に生ハムとシェーブルチーズ、トマトが載っています。彩りも綺麗で、トマトとチーズの組み合わせが美味しかったです。コーヒーもまろやかで他のお店と同じく美味しいです。
連れは今回もオムレット・コンプレ(1029円)とドリンクでマンゴージュースを頼んでいました。


こちらはキノコ、ハム、チーズといった定番の素材が使われている為か食べ飽きないようです。マンゴージュースは思った以上にマンゴーっぽくて、やや粘り気があり香りと味が濃厚だったようです。
また、こちらのお店でもランチのパンは食べ放題です。

いくつか種類があるのですが、3種のぶどうのパンが一番好みです。(選べるわけではないですが) お腹いっぱいになるまで食べてきましたw
ということで、こちらのお店も東京駅のお店とほぼ同じような感じでした。こちらの方は土日は空いているようなので、土日しか行く事の無い自分にとっては使いやすいです。駅からすぐというのも便利なので、今後も使っていきたいお店です。
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