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資生堂パーラー サロン・ド・カフェ 銀座本店 【銀座界隈のお店】

前々回前回とご紹介した展示を観た後、ちょっと離れた銀座~新橋あたりで買い物をして、資生堂パーラー サロン・ド・カフェ 銀座本店に立ち寄ってお茶してきました。

P1080432.jpg

【店名】
 資生堂パーラー サロン・ド・カフェ 銀座本店

【ジャンル】
 カフェ

【公式サイト】※音が出ます
 http://parlour.shiseido.co.jp/ginza/index.html#/ginza3f
 http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13004937/
 ※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【最寄駅】
 銀座駅 新橋駅など

【近くの美術館】
 資生堂ギャラリー
 パナソニック 汐留ミュージアム
 旧新橋停車場 鉄道歴史展示室など


【この日にかかった1人の費用】
 1500円程度

【味】
 不味_1_2_3_④_5_美味

【接客・雰囲気】
 不快_1_2_3_④_5_快適

【混み具合・混雑状況(祝日18時半頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【総合満足度】
 地雷_1_2_3_④_5_名店

【感想】
お茶する時間にはちょっと遅かったこともあり、空いていてゆっくりすることができました。

さて、こちらは有名なお店なのでご存知の方も多いかと思いますが、私はこの本店は初めて訪れました。このブログでよくご紹介している資生堂ギャラリーと同じビルの中にあるお店で、3Fがこちらのカフェ、4F~5Fがレストランとなっています。その歴史は古く、1902年に日本で初めてソーダー水やアイスクリームの製造・販売を行うソーダファウンテンとして登場して以来続いているようで、ちょっと高級感漂うお店です。
 参考リンク:資生堂パーラーの歴史

中はこんな感じ。
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落ち着いた雰囲気で、ビルの外観と似た色合いの内装が洒落ています。

この日はケーキセット1500円を頼みました。その日のケーキの中から1つ選ぶ形式です。また、アイスも選べるようになっていました。

私はマロンのロールケーキにしました。見た目も綺麗です。
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口に入れるとマロンと洋酒の風味が良く、上品な甘さで美味しかったです。

連れはカシスとマロンのケーキにしていました。こちらも可憐です。
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こちらは酸味が爽やかで、ムースと生地自体も美味しかったです。

飲み物はいつもどおりコーヒー。
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軽い酸味があり、まろやかで深みがありました。こちらもとても美味しいです。

連れは紅茶。
P1080431.jpg
これも良い香りがしていました。


ということで、ちょっと高めですが落ち着いた雰囲気の中で洒落たティータイムを過ごすことができました。ケーキもコーヒーも美味しいので満足できました。ここは地下の資生堂ギャラリーにもよく行くので、また訪れたいと思います。今度は余裕のある時に上の階のレストランにも挑戦したいかな…。 ちなみにこの日はギャラリーは休館してましたw 残念。



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奇跡のクラーク・コレクション展-ルノワールとフランス絵画の傑作- (感想後編)【三菱一号館美術館】

今日は前回の記事に引き続き、三菱一号館美術館の「奇跡のクラーク・コレクション展-ルノワールとフランス絵画の傑作-」の後編をご紹介いたします。前編には混み具合なども記載しておりますので、前編を読まれていない方は前編から先にお読み頂けると嬉しいです。


 前編はこちら

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【展覧名】
 奇跡のクラーク・コレクション展-ルノワールとフランス絵画の傑作-

【公式サイト】
 http://mimt.jp/clark/

【会場】三菱一号館美術館
【最寄】東京駅・二十橋前駅・有楽町・日比谷駅

【会期】2013年2月9日(土)~2013年5月26日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況(祝日15時半頃です)】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】
前編でもルノワールを中心とした印象派のコレクションをご紹介しましたが、後半はアカデミズムを挟んで再び印象派の作品が並ぶ構成となっていました。


<伝統と革新 アカデミズムの画家たち>
こちらは日本ではあまり紹介されないアカデミズムの画家のコーナーです。

47 ジェームズ・ティソ 「菊」
上半分は白や赤、オレンジなどの菊が一面に咲いていて、下半分はしゃがんで植木鉢を直している黄色い帽子とドレスの女性が描かれています。女性はこちらを見上げていて、ちょっと怪訝そうに見えるかなw この画家は女性の華麗な服を繊細かつ鮮やかな色で描いて人気になったそうで、こちらの作品でも精緻に描かれています。また、菊はこの頃のロンドンで流行っていたそうで、大気汚染に負けない強さが人気だったそうです。アカデミスムらしい華やかな雰囲気がありました。

近くにはアンリ・ファンタン=ラトゥールのバラを描いた作品もありました。

42 ウィリアム=アドルフ・ブグロー 「座る裸婦」
洞窟のようなところで膝を曲げて座る(体育座りを崩したような感じ)女性が描かれた作品です。複雑な手足の組み方で、頭には青い布をかぶり、ちょっと物憂げな表情に見えます。非常に理想的な女性美で、解剖学的にも正しく描かれているらしく瑞々しい人体表現となっていました。

41 ジャン=レオン・ジェローム 「蛇使い」
青い装飾的な壁を背景に、身体に大蛇を巻きつけて芸をする裸の少年と、壁にもたれかかってそれを見ている男たち(兵士?)を描いた作品です。細やかに描かれていて実景のように見えますが、これは写真などの資料を参考にトプカプ宮殿の壁とエジプトのモスクの床を組み合わすなどして描かれているそうです。また、人々の着ている物や武器も様々な民族のもので、そもそもトルコには蛇使いの伝統もないとのことでした。とは言え、タイルの装飾の壊れかけた感じや色合いも見事で、異国趣味への憧れが感じられました。


この辺りで下の階へと移動します。


<光の絵画 印象派の画家たち>
続いては再び印象派のコーナーです。

24 カミーユ・ピサロ 「道、雨の効果」
奥へと続く道と、その両脇に建つ家々を描いた作品で、道には男性と犬、向こうからやってくる2人の人物(女性?)などの姿も描かれています。空はどんより暗く、路面は男の姿を反射して、雨が降った感じを受けます。さりげない表現ですが、雨の湿気まで感じられそうなところが好みでした。

この辺にはシスレーの作品などもありました。

28 カミーユ・ピサロ 「ルーアンの港、材木の荷下ろし」
港に停泊する大きな黒い蒸気船を描いた作品で、向かい側にも多くの船が停泊し、それぞれが煙を吐いています。遠くには煙突などもあり、手前の煙、奥の煙、白い蒸気などが揺らめき合っているのが面白い光景です。これだけ色々な煙を描くのは印象派ならではじゃないかな。風の流れまで表現しているような作品でした。

ピサロは新印象主義の点描の作品もありました。


<ドガ 古典と印象派を繋ぐ画家>
続いては、エドガー・ドガのコーナーです。ここは数点ですが、ドガらしい題材の作品が並んでいました。
 参考記事:ドガ展 (横浜美術館)
  
37 エドガー・ドガ 「稽古場の踊り子たち」
横長の作品で、右のほうではベンチに腰掛けてタイツを直す踊り子と、手足を投げ出して休んでいる踊り子が描かれています。左奥の方には窓際で足を挙げてバレエの練習をしている女性たちの姿があり、日常の練習風景といった感じです。やけにモチーフが上の方に寄っているような構図で、踊り子の配置が連続した流れのように見えました。また、華やかな舞台ではなく練習風景を描くという点がドガらしい感じを受けました。

この辺にはドガの自画像や競馬を題材にした作品も並んでいました。


<印象派からポスト印象派へ>
続いては印象派以降の画家のコーナーです。ここも点数は少なめですが、メアリー・カサットやロートレック、モリゾなどが並んでいました。

31 メアリー・カサット 「闘牛士にパナルを差し出す女」
赤いマント?と黒い帽子の闘牛士が、透明なグラスを持った女性と向い合っている様子が描かれた作品です。男性の顔は親しげな感じで、女性を見ているようです。解説によると、これはカサットがスペイン滞在中に描いたものだそうで、土地の風俗が描き表されているとのことです。筆致と暗い色調にベラスケスからの影響があるとのことで、確かに似た雰囲気があるかな。色の明暗が劇的に感じられました。

この辺にはロートレックの油彩や数少ないベルト・モリゾの静物などもありました。


<終章>
最後の章のタイトルはメモするのを忘れていました^^; 最後はルノワールの名品が並ぶコーナーでした。

58 ピエール=オーギュスト・ルノワール 「シャクヤク」 ★こちらで観られます
赤々した沢山の芍薬が花瓶に入っている様子を描いたもので、緑の葉っぱと共に溢れんばかりに生き生きと表現されています。花の赤とピンク、テーブルクロスの白、背景の青など色彩が軽やかかつ豪華で、華麗な印象を受けました。

68 ピエール・オーギュスト・ルノワール 「手紙」
赤いドレスの女性と、沢山の赤い花を乗せた帽子をかぶる白いドレスの女性が並んで座り、赤いドレスの女性は手紙を書いているようです。2人で相談しながら書いているのか、穏やかで仲がよさそうな感じを受けます。背景は赤い水玉に緑の壁で、女性たちの赤や白の服が一層明るく感じられました。

65 ピエール・オーギュスト・ルノワール 「鳥と少女(アルジェリアの民族衣装をつけたフルーリー嬢)」 ★こちらで観られます
これは今回のポスターにもなっている作品で、右手に隼をとめ、左手でカーテンをおさえる少女が描かれています。この子が着ている服はアルジェリアの民族衣装らしく、こちらを見て微笑む表情は非常に可憐でエキゾチックな感じを受けました。解説によると、こちらの少女のモデルはハッキリとはわかっていないようでした。

最後にはボナールも1点ありました。


ということで、見どころの多い展示でした。日本人の好きな印象派、しかも明るく色鮮やかな作品が多いので、美術のことはよく分からないという方にも楽しめる展示ではないかと思います。今季お勧めの展示です。


 参照記事:★この記事を参照している記事



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奇跡のクラーク・コレクション展-ルノワールとフランス絵画の傑作- (感想前編)【三菱一号館美術館】

この前の祝日に、丸の内の三菱一号館美術館で「奇跡のクラーク・コレクション展-ルノワールとフランス絵画の傑作-」を観てきました。充実した内容でメモも多めに取ってきましたので、前編・後編に分けてご紹介しようと思います。

P1080416.jpg P1080418.jpg

【展覧名】
 奇跡のクラーク・コレクション展-ルノワールとフランス絵画の傑作-

【公式サイト】
 http://mimt.jp/clark/

【会場】三菱一号館美術館
【最寄】東京駅・二十橋前駅・有楽町・日比谷駅


【会期】2013年2月9日(土)~2013年5月26日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況(祝日15時半頃です)】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】
始まって3日目に行ったのですが、多くのお客さんで混み合っていました。この美術館は結構狭いところがあるので、それほどの人数でなくても混雑感が出るのが難点です。狭い所では人だかりができて、中々観られないこともありました。

さて、今回の展示はアメリカ東海岸(ボストンから西へ車で3時間程度)にあるクラーク美術館の所蔵品の展覧会で、主に印象派とその前後の時代の絵画作品が並んでいました。クラーク美術館はミシン製造会社で財をなしたエドワード・クラークの孫であるスターリング・クラークとその妻のフランシーヌ・クラークによって1910年~1950年に集められた作品が中核になっているようで、欧米の絵画、オールドマイスターによる版画や素描、英国の銀器、陶磁器などのコレクションがあるそうです。1955年に一般公開され60年近くが経過しているわけですが、現在 クラーク美術館は日本人建築家の安藤忠雄氏が設計した新館の建設を含め、施設の改修工事が行われているそうで、それに伴ってコレクション展を北米・ヨーロッパ・アジアで数年に渡って巡回するようです。この展覧会では作者や画派によってコーナーが分かれていましたので、詳しくは各コーナーごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。


<冒頭>
最初に地図や写真が並びクラーク美術館の紹介がありました。私は誰が集めたとかはあまり興味がないのでその辺りの情報はほとんどメモしませんでしたが、このクラーク美術館のコレクションは明るく色彩豊かな作品が多かったように思います。2人で集めたらしいので好みが出ているのかもしれません。


<印象派への道 コローとバルビゾン派の画家たち>
まずは印象派に先立つバルビゾン派などのコーナーです。

04 カミーユ・コロー 「ボッロメーオ諸島の浴女たち」
森の中の入江のような所で2人の女性が水浴している様子が描かれた作品です。全体的にぼんやりとしていて、コローらしい空気感です。これはイタリアの風景を30年以上経って理想化したものらしく、幻想的な雰囲気がありました。

この辺はコローの作品が並んでいました。

08 コンスタン・トロワイヨン 「ガチョウ番」
長い棒を肩に担いで、目の前の沢山のガチョウと共に道を歩いている男性が描かれた作品です。ガチョウ達は群れて、鳴き声が聞こえそうなくらい表情豊かで可愛らしい姿です。全体的に陰影が大胆で、道の左の辺りが暗くなっている為か強い光に照らされているように見えました、

07 ジャン=フランソワ・ミレー 「羊飼いの少女、バルビゾンの平原」 ★こちらで観られます
杖を持った羊飼いの少女が、草原の上で編み物をしている様子が描かれた作品です、背景には沢山の羊の姿があり、黒い犬が少女の代わりに羊を見張っています。一心不乱に編み物をしているようで、微笑ましい光景でした。解説によると、これは勤勉な仕事ぶりをテーマにしているそうで、ミレーは実際に観察して素描を描いていたようですが、作品はアトリエで描いていたとのことでした。
 参考記事:番外編 フランス旅行 バルビゾン村とフォンテーヌブロー宮殿

この辺にはT・ルソーなどのバルビゾン派の作品が並んでいました。

11 ウジェーヌ・ブーダン 「港へ戻る帆船、トゥルーヴィル」
ブーダンはバルビゾン派ではないですが、印象派の先駆け的な画家で、マネに戸外制作を教えた人物でもあります。これは海の上に浮かぶ3隻の帆船と1隻の蒸気船?が描かれた作品で、左から強い風が吹いているようで煙がなびき、海は白波が立っています。その描写は目の前の様子を生き生きと再現しているようで、全体的に明るい色使いに思いました。


<光の絵画 印象派の画家たち>
続いては今回の展示の中心となっている印象派の作品が並ぶコーナーです。印象派は後の方の部屋でも再度登場するので、ここは前半部分といった感じでした。

26 カミーユ・ピサロ 「モンフーコーのピエットの家」
雪の降り積もる景色を描いた作品で、奥に家があり、中央辺りに男女の姿が描かれています。その周りは木々に雪がつもり、雪はやや青みがかって見えて爽やかな印象を受けます。筆跡が大胆に残っていて、同じ雪の色でもリズムがあるように思えました。

52 ピエール=オーギュスト・ルノワール 「シャトゥーの橋」
川とそこに架かる白い立派な橋を描いた作品です。川には船が浮かび、対岸には家々が立ち並んでいます。全体的に明るい色合いで、ややぼんやりしていますがルノワールらしい色彩感覚でした。

この辺には何点かルノワールの風景画がありました。日本にあるルノワールは人物画が多いので、この辺は念入りに観てきました。

15 クロード・モネ 「エトルタの海岸」 ★こちらで観られます
突き出した塔のような岩と断崖絶壁のある海岸を描いた作品です。朝日に照らされた岩の上の方はピンクがかっていますが、下の方は逆光で暗くなっているなど、光の表現は流石です。水面への反射や空の色など、その時の情景が目の前に広がっているかのようでした。解説によると、このエトルタはクールベやブーダンなども描いた土地で、当時円熟期を迎えていたモネは先達との比較やフランスの伝統の中に位置づける為に描いたのではないかとのことでした。この岩を描いた作品は何枚か観た覚えがあります。

この辺にはカイユボットの作品などもありました。

20 アルフレッド・シスレー 「籠のリンゴとブドウ」
シスレーにしては珍しい静物画で、シスレーの静物は9点しかないそうです。これは灰~銀色のテーブルクロスの上に置かれた、リンゴ、ナイフ、籠に入ったブドウとリンゴなどが描かれています。左の方は影で右の方は明るく、光の表現が巧みに思えます。また、こちらはセザンヌの静物との近似性もあるそうで、構成や主題などからそういった感じもあるように思えました。

48 ピエール=オーギュスト・ルノワール 「自画像」
横向きでこちらを見ているルノワールの30代なかばの若々しい自画像です。黒い服を着ていて背景も暗めなので、顔がくっきりした感じに見えるかな。意志の強そうな表情で、顔には緑色が使われるなど大胆な色合いとなっていました。解説によると、こちらは第2回印象派展に出品され、高い評価を得たそうです。

この辺にはルノワールの肖像画が並んでいました。晩年の知的な雰囲気の自画像もあります。

49 ピエール=オーギュスト・ルノワール 「若い娘の肖像(無邪気な少女)」
顎に指を当ててチラリと右の方を観る若い女性を描いた作品です。背景は緑で、青い服を着ているので爽やかな雰囲気です。何か思案しているのか、可憐で幼さの残る女性像でした。

54 ピエール=オーギュスト・ルノワール 「うちわを持つ少女」
日本の団扇を持ってこちらを向く、帽子をかぶった若い女性の肖像で、顔には微笑みを浮かべています。右の方には白と緑の縦縞の壁、左にはピンクや赤、白などの菊の花束が描かれていて、画面は大きく3分割されたような感じですが、お互いに調和していて華やかな雰囲気です。色の取り合わせも見事で、見栄えがしました。これは3年位前に観た覚えがありますが、改めて感動できました。
 参考記事:ルノワール-伝統と革新 感想前編 (国立新美術館)

57 ピエール=オーギュスト・ルノワール 「劇場の桟敷席(音楽会にて)」 ★こちらで観られます
こちらは今回のポスターにもなっている作品です。楽譜を右手に持ち、左手で頬杖する黒いイブニング・ドレスの女性が描かれ、その隣には花束を持った白いドレスに黒髪の女性の横向きの姿が描かれています。黒いドレスの女性はこちらを見る目が魅力的で、ポーズも優美な雰囲気です。色の取り合わせも良く、黒の服も非常に映えていました。解説によると、この絵は高級官僚が娘の肖像として依頼したようですが、作品の受け取りを拒否されたそうで、構図を修正して一般的な風俗画としたとのことでした。


ということで、今日はここまでにしておこうと思います。前半から素晴らしい作品や珍しい作品が多く、テンションがあがりました。後半にもルノワールをはじめとした傑作が並んでいましたので、次回は残り半分をご紹介します。


  → 後編はこちら


 参照記事:★この記事を参照している記事




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Baker Bounce(ベーカーバウンス) 【六本木界隈のお店】

前回ご紹介した国立新美術館の展示を観た後、ミッドタウンの中にあるBaker Bounce(ベーカーバウンス)というお店で軽い食事を摂りました。

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【店名】
 Baker Bounce

【ジャンル】
 アメリカンダイナー

【公式サイト】
 http://bakerbounce.com/index.html
 http://www.tokyo-midtown.com/jp/shop-restaurants/restaurant-bar/SOP0000043/index.html
 食べログ:http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13037373/
 ※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【最寄駅】
 六本木駅/乃木坂駅

【近くの美術館】
 サントリー美術館
 21_21 DESIGN SIGHT
 国立新美術館
  など


【この日にかかった1人の費用】
 1350円程度

【味】
 不味_1_2_3_④_5_美味

【接客・雰囲気】
 不快_1_2_③_4_5_快適

【混み具合・混雑状況(日曜日17時頃です)】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【総合満足度】
 地雷_1_2_3_④_5_名店

【感想】
中途半端な時間に行ったにも関わらず混んでいて、店の前で5分ほど待ってから入店しました。

さて、このお店はミッドタウンガレリアの地下1階にあるのですが、かなり端っこ(公園側)にあるため、今まで全く気が付きませんでした。元々は三軒茶屋の人気店らしく、ハンバーガーやステーキなどが楽しめるアメリカンダイナーとなっています。

お店の中はこんな感じ。
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ちょっと狭い感じはしますが、アメリカンな内装をしています。

この日はダイナーバーガー(976円)を頼みました。
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こちらは口に入れる前から炭火焼きのいい香りがしました。結構ジューシーで塩梅も良い感じです。パンやポテトも美味しく、人気の理由がわかった気がします。 ただ玉ねぎは生で、口に匂いが残りました。(帰ってからもずっと玉ねぎ臭いw) ボリュームもあるので1つで十分お腹いっぱいになりました。

飲み物はクランベリージュース(367円)にしました。
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こちらは普通。味が薄いかなw


ということで、美味しいハンバーガーを頂くことができました。ちょっと混んでいて落ち着かないのが難点ですが、持ち帰りもできるのは便利そうです。英語対応もしているので、外国の友人を連れて行くのも良いかもしれません。 またいずれ利用してみたいと思います。



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アーティスト・ファイル2013―現代の作家たち 【国立新美術館】

昨日(日曜)の午後に六本木の国立新美術館で「アーティスト・ファイル2013―現代の作家たち」を観てきました。

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【展覧名】
 アーティスト・ファイル2013―現代の作家たち

【公式サイト】
 http://artistfile2013.nact.jp/
 http://www.nact.jp/exhibition_special/2012/af2013/index.html

【会場】国立新美術館
【最寄】千代田線乃木坂駅/日比谷線・大江戸線 六本木駅


【会期】2013年1月23日(水)~4月1日(月)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日15時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていて自分のペースでゆっくり観ることができました。

さて、今回の展示は毎年恒例の現代アートのグループ展です。昨年は見忘れてしまったのですが、ほぼ毎回観ているので今年も楽しみにしていました。今年は海外作家3人を含む8人の展示で、1人ずつ部屋が分かれていましたので、入口から順に全アーティストの感想を書いていこうと思います。
 参考記事:
  アーティスト・ファイル2011―現代の作家たち (国立新美術館)
  アーティスト・ファイル2010―現代の作家たち (国立新美術館)
  アーティスト・ファイル2009 (国立新美術館)


<ヂョン・ヨンドゥ>
まずは韓国人のアーティストのコーナーです。この人は世界にはリアリティだけではなくファンタジーに満ち溢れていることを表現しているそうで、現実とファンタジーが混在する子供の世界を題材にした作品が展示されていました。それは5~7歳の子供が描いた絵を作家の解釈を入れながら出来る限り実写化するというもので、写真に写ったモデルは子供と大人の間である10代の人々のようでした。

ヂョン・ヨンドゥ 「[ワンダーランド]より お母さんの庭」
黄色や紫、青のフリルのようなものが付いた服を着て踊る少女の写真です。背景には家があり、右側には十字架が草むらに刺さっています。すぐ近くにこれの原画とも言える少女の描いた絵があったのですが、ポーズも含めてよく再現されています。まさに少女の想像の世界を実写化したような作品でした。

ヂョン・ヨンドゥ 「[ワンダーランド]より 白雪姫」 ★こちらで観られます
今回のポスターにもなっている作品で、数字の0のような形の大きなオブジェの中に裾の長いピンクのドレスの女性(等身もかなり長い)が収まるように立っています。その脇には青い服の男性が驚くようなポーズをしていて、周りには子供たちが女性を取り囲むような感じで女性を見ています。これは白雪姫の場面なのかな?? ファンタジー劇の一場面のような感じで、やはりこれも子供の絵をアーティストならではの解釈を入れて再現していました。

この部屋にはそうした原画と写真のセットの作品が並んでいました。また、次の部屋には老人たちにインタビューする映像作品もありましたが、こちらはいまいち理解出来ませんでしたw


<東亭順>
続いては東亭順(あずまていじゅん)という方のコーナーです。こちらには部屋に段組された大きな木枠があり、そこに中古のシーツを使った絵画?が嵌めこまれて並んでいました。ニスとオイルをたらしこんで滲みを作っているそうで、花がらのシーツなどにぼんやりとした色がつけられています。意外と明るい印象を受け、面白い発想です。しかし、それ以上に驚くのがその後ろにあった作品で、これは無数のピン(数万本?)が壁に刺さっているもので、先ほどのシーツの染みのない部分の形を表しているようです。壁のかなり上のほうにまでピンが打たれていて、恐ろしく手間がかかっているようでした。驚きの作品です。


<國安孝昌>
続いては國安孝昌(くにやすたかまさ)という方のコーナーです。こちらには部屋を覆うほどに細めの丸太と陶ブロックで出来たオブジェが並んでいます。規則正しく渦巻くように置かれ、その飛び出した丸太などから木で出来た龍のようにすら思えました。力強さのある圧巻の作品です。


<中澤英明>
続いては中澤英明(なかざわひであき)という方のコーナーで、このアーティストだけ後半に再登場します。ここには暖色系の無地を背景にした子供の顔を描いた絵画作品が並び、真正面を向いている姿が多いです。それぞれのタイトルは職業や表情、着ている服など端的に特徴を表すようなものとなっていました。

中澤英明 「子供の顔-兵隊さん」
赤いベレー帽と緑の軍服を着た子供を描いた作品です。確かに子供っぽさを感じるのですが、こちらを見る目はどこか落ち着きがあり結構威厳があるように思いました。

中澤英明 「子供の顔-おっさま」 ★こちらで観られます
青いシャツを着たふっくらした顔立ちの坊主頭の子供を描いた作品です。まっすぐこちらを見ているのですが、何故か目の周りにくまのようなものが…。タイトルのように、子供というよりはオッサンといった風貌かなw あまり可愛くないですが、面白い作品でした。


<利部志穂>
続いては(かがぶしほ)という方のコーナーです。ここは部屋全体が作品と言った感じで、頭上に鉄パイプが並び、そこに針金でできた作品が巻き付いていたり、足元には大きな髪を折って作ったような作品が並んでいます。工業製品や不要になったものを使って空間表現しているようで、意味はわかりませんが雑然とした感じに思いました。解説によると、この方は人間の生命よりもずっと長い時間の世界を表現しているそうで、鑑賞者の見つけた形が沢山のものの見え方の1つであるように、人間の存在も長い長い時間の中のほんの一部なのかもしれないとのことでした。


<ナリニ・マラニ>
続いてはインドを代表する女性アーティストのナリニ・マラニという方のコーナーです。この方は現代インドの政治的軋轢や女性の人権問題を始めとする社会問題をテーマにしているそうです。

ナリニ・マラニ 「内在する他者との分裂」 ★こちらで観られます
暗い部屋の中にあるオレンジ地を背景にした14枚のパネルから成る作品で、内蔵や骨、へその緒などの人体を思わせるモチーフと人々が浮遊するように無数に描かれています。ざらついた感じのタッチで生命をテーマにしているのかな? 解説によるとこちらにはインドのミニチュアールや浮世絵のモチーフ、現代の大衆文化的なイメージが描かれ、絵の中に登場する2人の巨大な女性は女神のように崇められたり、でなければ男性社会の中で虐げられ人権を無視される、女性の在り方に憤る作者の希望を託しているのではないかとのことでした。

ナリニ・マラニ 「消失した血痕を探して」
こちらは部屋の中央の頭上に5本の大きな透明のシリンダーが並び、そこに絵が描かれ回転している作品です。部屋の両脇にはプロジェクターがあり、光とアニメーションを映し出しています。インドの神や宗教的なモチーフ、謎の生き物などが登場し、重低音の不穏なBGMと相まって不気味な雰囲気でした。暴力や戦争をイメージしているのかな?


<中澤英明>
ここで再び中澤英明 氏のコーナーがありました。

中澤英明 「子供の顔-一つ目小僧(園児服)」
顔の真ん中に1つ目のある子供の肖像です。瞳は2つあり、白目の部分は赤くなっています。他の子供の肖像は普通の顔なのに、2点だけ1つ目の作品があって、ちょっと不気味w 何故か幼稚園児の服を着ているのも謎でした。何を意図しているのだろう??


<志賀理江子>
続いては志賀理江子(しがりえこ)という方の写真作品が並ぶコーナーです。この方は仙台空港に近い北釜という所で活動しているそうで、海岸で撮影された写真などが展示されていました。暗めの背景に石や人物を撮った大きな写真が、看板のような大きなパネルとなって並び、迷路のように林立する独特の展示方法となっています。それらの写真からは神秘的で土着のシャーマニズムのような雰囲気を感じ、自然と人間の営みを表しているように思いました。

<ダレン・アーモンド>
最後はイギリスのダレン・アーモンドという方のコーナーです。主に2部屋あり、1つ目は暗い部屋の中に映像作品が点在し、ピアノの悲しげな音楽が流れています。映像は老いた女性の顔、社交ダンス?をする人々の足元、噴水のようなものとなっていて、さらに光で風車を形作ったものも展示されています。一見すると何のことか分からなかったのですが、解説によるとこれは作者の祖母が入院している時に作ったものらしく、彼女は朦朧とした意識の中で、若いころに夫とダンスをしたことを思い出し、「早く死んで夫の元に行き、また一緒に踊りたい」と呟いたそうです。また、彼女は新婚旅行でリゾート地を訪れたようで、こちらにある噴水や風車の作品、ダンスなどはそうした思い出を表しているようでした。ダンスを見つめるように展示された祖母の顔の映像はちょっと悲しげで、思い出の中に紛れ込んだような部屋でした。

2つ目の部屋は写真の作品で、世界各地の風景を満月の光で捉えたシリーズが並んでいました。長時間露光で撮っているので結構明るく見えますが、幻想的な写真が並んでいました。

ということで、今年も個性的な作品が並んで楽しむことが出来ました。興味のある方は足を運んでみると面白いかと思います。国立新美術館では来週から第16回文化庁メディア芸術祭(2013年2月13日~2013年2月24日)も開催されますので、一緒に見に行くのも良いかもしれません。
 参考リンク:第16回文化庁メディア芸術祭


 参照記事:★この記事を参照している記事




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ポール・デルヴォー展 夢をめぐる旅 【埼玉県立近代美術館】

前回ご紹介した常設を観る前に、埼玉県立近代美術館の特別展「ポール・デルヴォー展 夢をめぐる旅」を観てきました。

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【展覧名】
 ポール・デルヴォー展 夢をめぐる旅

【公式サイト】
 http://momas.jp/exhibitionguide/exhibition/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC%E5%B1%95/

【会場】埼玉県立近代美術館
【最寄】北浦和駅


【会期】2013/1/22(火)~3/24(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日14時頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
お客さんは結構いましたが、特に混んでいるわけではなく快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は昨年に府中市美術館で開催された同名の展覧会の巡回で、ベルギーの幻想の画家ポール・デルヴォーの個展となっています。展示されている品も府中の時とほぼ同じで、府中に無かった品の1つは都合により展示延期となっていたのが残念でした。
構成も同じでしたので、今回は各章の詳しい説明は省略し、以前ご紹介しなかった作品を中心に書いていこうと思います。(府中の時の記事をお読み頂いていない場合はそちらを先に読んで頂けると嬉しいです)
 参考記事:ポール・デルヴォー 夢をめぐる旅 (府中市美術館)


<冒頭>
入口付近にはデルヴォーの筆や、作品のモチーフになった階段がついている鏡のオブジェが置いてありました。この階段のは府中には無かった気がします(忘れているだけかもしれませんが)

<第1章 写実主義と印象主義の影響>
まずは初期の写実主義と印象主義から影響が伺える作品のコーナーです。

3 ポール・デルヴォー 「アンジのムーズ川」
灰色がかった曇り空の下、流れる川と周りの家々が建ち並ぶ様子が描かれた作品です。高い煙突は煙を吐いていて、全体的に重めの色合いとなっていますが、印象派風のタッチに思えます。解説によるとこの時期は光の効果に関心を寄せていたようで、水面が揺らめき反射する様子や陰影を研究していたそうです。また、工業化が進んだ街の様子を捉えているようでした。

この近くには素描や以前ご紹介した描きかけの「リュクサンブール駅(未完)」などもありました。

6 ポール・デルヴォー 「河岸の帆船」
手前に大きな帆船があり、奥にも沢山の船が並ぶ様子を描いた作品です。全体的に褐色がかった落ち着いた雰囲気で、簡略化されています。厚塗りされ筆跡が見えるなど、やはりこれも後の作風とはだいぶ違っていて、作者名を見ないとデルヴォーの作品とは分からなそうですが、これはこれで好きな作風でした。


<第2章 表現主義の影響>
続いて2章は多様な作風の時代のコーナーです。セザンヌやモディリアーニからの影響を感じる作品などが並んでいます。また、1927年~1934年頃にかけてはフランドルの表現主義の影響を受け、ペルメーク、ド・スメット、ヴァン・デン・ベルグ、アンソールなどの名前が挙がっていました。

13 ポール・デルヴォー 「カエルのいる沼」
薄暗い森の中の真っ黒な池を描いた作品で、その畔には3人の女性がぼんやりと描かれています。この作品はデルヴォーの画業の転換点とも言えるそうで、目新しさはないものの、この女性たちは想像上の産物であり、写実主義から発展し、人物像と融和を遂げたと解釈できるようです。そしてこの後の画風への転換を予感させるとのことで、確かに神秘的な雰囲気は後の作風と共通しているように思えました。

この辺にはモディリアーニ風の人物群像の14「森の中の裸体群」や、セザンヌ風の19「ボワフォールの風景」などもありました。また、少し進むとデルヴォーの素描についての解説があり、それによるとデルヴォーは、素描は大切で油彩画に先立って習得すべきであると若い画家たちに薦めていたそうです。その言葉の通り、デルヴォーは60年間で油彩画を450点程度しか残していないものの、素描は膨大に残していて、入念な製作計画をしてから油彩に取り組んでいたようです。各油彩の準備スケッチや習作は数十点にもなることもあったようで、この後のコーナーには1つの油彩画にいくつもの下絵が展示され、それが実感できます。なお、デルヴォーには準備のための素描と即興的な素描の2つの種類があるようでした。

16 ポール・デルヴォー 「若い娘のトルソ」
上半身裸で座っている女性像で、やや左向きで描かれています。その背景には素描のように2人の女性がうっすら描かれていて、顔が似ているので同じ女性かな? 半身裸体のせいか何となくその後の作風を思わせる作品でした。


<第3章 シュルレアリスムの影響>
続いてはシュルレアリスムからの影響のコーナーです。デルヴォーの作品はシュルレアリスム的ですが、シュルレアリスムの思想や運動とは距離を置いていました。また、実在する事物を取り入れた自由な創造への道へと導いたのは、とりわけデ・キリコの作品と、スピッツネル博物館での経験だったそうです。スピッツネル博物館では解剖学的な蝋人形が展示されていて、中でも「眠れるヴィーナス」という品は体内に隠された機械によって呼吸が再現され、デルヴォーはそれに心を奪われたそうです。ここにはそうした時期の作品が並んでいまいた。

まずは24「夜明け」(★こちらで観られます)が展示されていました。描かれているものは実際にありそうなもので構成されていますが、超現実的な雰囲気の作品です。そしてその後は26「[レースの行列]に基づく舞台背景の習作」のような習作が並んでいました。たまにオイルランプなどモチーフになった品も一緒に展示されているのが面白い展示方法です。

25 ポール・デルヴォー 「[鏡の前のヴィーナス]のための習作」
これは水彩の素描で、左の方に鏡の前の椅子に腰掛けて手鏡を見ている?女性(ヴィーナス)が描かれ、右の方には胸をあらわにして横向きに立っている女性が描かれています。背景には暗い森があり、その中には走る男性?たちの姿もあります。一見して無関係そうなモチーフの取り合わせが奇妙に感じられ、ヴィーナスは手鏡を見ているのか分からないぼーっとした目つきをしています。これだけシュールな感じなのに、描かれているものは具象的である点も面白かったです。


<第4章 ポール・デルヴォーの世界>
続いては一番充実しているコーナーで、ここではデルヴォーの作品によく出てくるモチーフごとに小コーナーに分けられています。

[汽車、トラム、駅]
まずは汽車と路面電車(トラム)、駅といった鉄道関連の作品です。デルヴォーは子供の頃に駅長になるのが夢だったほどの鉄道好きです。

38 ポール・デルヴォー 「[トンネル]のための習作」
これはすぐ近くに以前ご紹介した「トンネル」という完成作と共に展示されていた習作です。トンネルに向かう汽車を背景に、手前で裸婦たちが寝そべったり棒立ちしている姿が描かれています。また、中央やや右下には鏡があり、その前には誰もいないのに鏡の中には少女が写っているという不思議な光景です。完成作と見比べてみるとモチーフの配置が変わっていて、左上の部分も建物だったのが完成作では階段になっているなど、よく似ているものの違いはいくつもあるようでした。こうした習作に入念な構図の推敲が感じられました。
この隣にも別の習作がありました。そちらには鏡の前に少女が立っています。

ポール・デルヴォー 「森」
これはこの埼玉近代美術館の所蔵品で、府中には展示されていなかった作品です。大きめの画面で、赤いカーテンのついた天蓋のある緑のベッド?に裸婦が横たわり右手で頭を触って首を曲げています。周りは鬱蒼とした暗い森で、左のほうには汽車の後ろ姿があるのですが、この隣に展示されていた鉄道模型の後姿とよく似ているように思いました。神秘的で、どこか妖しい気配の漂う作品です。

[建築的要素]
続いては建築物が描かれた作品のコーナーです。デルヴォーは高校卒業した後に親の意向で建築の学校に進学していたことがあります。ここには以前ご紹介した40「エペソスの集いⅡ」(★こちらで観られます)や 41「夜の使者」(★こちらで観られます)など見応えのある作品が並んでいました。(今回はそれについては省略)

49 ポール・デルヴォー 「[アテネの気まぐれ娘たち]のための習作」
満月の浮かぶ海辺の神殿を背景に、手前には沢山の裸の女性たちがポーズを取っている様子が描かれた作品です。女性たちはお互いに目を合わせることもなく虚ろな感じで、赤いドレスで胸だけ出している女性は何故か頭も赤い布を被っています。右の方には電車の後ろ姿もあり、奇妙で観ていて漠然とした不安を感じるような作品でした。

48 ポール・デルヴォー 「[エペソスの集い]のための習作」
これは完成作も近くに展示されている習作です。中央で赤いベッドに横たわる裸婦が描かれ、手前では座って手鏡を見ている女性、その後ろに鉄道と歩いている男性?、背景にはローマ神殿のようなものが描かれています。完成作と比べると要素は似ているものの構図はだいぶ違っていて、若干ごちゃごちゃした感じを受けました。完成作のほうがスッキリしてより一層謎めいているように思います。

[生命の象徴としての骸骨]
続いては骸骨を描いた作品のコーナーです。骸骨は死ではなく生命の本質として描かれています。ここには以前ご紹介した51「会話」(★こちらで観られます)などが並んでいました。

54 ポール・デルヴォー 「[磔刑]のための習作」
キリストのように磔刑にされている骸骨が描かれた作品です。周りには沢山の骸骨の兵士や、嘆き悲しむ人々が描かれています。こちらは描きかけの習作ですが、骸骨なのに表情豊かに感じるのが面白かったです。むしろいつも描いている女性のほうが無表情なのでは…w

この辺は骸骨を描いた作品が並んでしました。結構写実的に描かれています。

[欲望の象徴としての女性]
こちらは親によって引き離され、その後偶然の再開で結婚した妻のタム(再婚)をモチーフにした作品などが並ぶコーナーです。

66 ポール・デルヴォー 「高貴なバラ」
こちらは水彩で、胸をあらわにして赤い帽子をかぶった女性と、話しあうように集まる2人の女性たちが描かれた作品です。背景にもこちらを見ている女性や思案しているような赤い服の女性が描かれているのですが、やはり目が虚ろな感じを受けます。全体的に暗く、ランプや炎の光で照らしているような感じでした。女性への畏怖のようなものがあるのではないかと思います。

56 ポール・デルヴォー 「ローの婦人」 ★こちらで観られます
三日月と教会を背景に、本を読み白い衣を羽織る裸婦が描かれた作品です。解説によるとローというのはフランドルの小さな町の名前らしく、古代ギリシャ風に神格化された女性への賛美を感じさせるそうです。読んでいる本は恐らくホメロスのオデュッセイアではないかとのことで、背景の教会には古典建築に用いた円柱があり、ルネサンス風の雰囲気を引き立てているとのことでした。この作品は不思議さよりも明るい感じに見えるかな。

この辺には写実的な裸婦のスケッチや大作の55「行列」(★こちらで観られます)なども並んでいました。
少し進むとグリーティングカードがいくつか展示されていて、こちらにもデルヴォーらしい女性像が並んでいました。

[ルーツとしての過去のオブジェ]
ここは昔の自宅などを描いた作品が並ぶコーナーです。以前ご紹介した69「アンテイの台所」(★こちらで観られます)や、自宅の外観を描いた70「私の生まれた家」などが並んでいました。

[男性の居場所]
デルヴォーの作品にはたまに男性が描かれるそうで、ジュール・ベルヌの小説に出てくるリーデンブロック教授を自分が姿を変えたものとして描かれているそうです。

68 ポール・デルヴォー 「リーデンブロック教授の習作」
眼鏡を上げて単眼鏡で手にとったアンモナイト?を見ている博士風の立像で、これはジュール・ベルヌの「地底旅行」に出てくるリーデンブロック教授を描いたものです。スラっとした等身の紳士で、賢そうな容貌をしています。 すぐ近くにはアトリエにあった本も展示されていたのですが、ほぼ同じ姿の挿絵(エドゥアール・リウーの挿絵)があり、これを模写したもののようでした。

[フレスコ]
こちらは画家としての地位を築き依頼を受けるようになった壁画の下絵がありました。とは言え少数で、以前ご紹介した「リエージュ大学動物学研究所のフレスコ《創世記》(1960年)のための下絵」がメインとなっていました。


<第5章 旅の終わり>
最後は晩年のコーナーです。晩年は視力を失い、ぼんやりとした作風となっています。

84 ポール・デルヴォー 「無題」
緑っぽい背景に3人の女性が描かれた作品で、かなり曖昧な描写となっていて抽象画のようにすら見えます。既に以前の作風からは大きく変わっていますが、神秘性はまだ残っているように思いました。


ということで、今回も楽しむことが出来ました。デルヴォーは何度観ても飽きない不思議な魅力があります。素描と油彩を比べて観ることができるなど味わい深い展示となっていますので、デルヴォーがお好きな方は是非どうぞ。お勧めの展示です。

 参照記事:★この記事を参照している記事



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MOMASコレクションⅣ 2013 【埼玉県立近代美術館】

先週の日曜日に埼玉県立近代美術館で特別展を観てきたのですが、その際に常設も観てきました。今日も忙しくて記事を書く時間があまりなかったので、先に常設の方からご紹介しておこうと思います。

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【展覧名】
 MOMASコレクションⅣ 2013

【公式サイト】
 http://momas.jp/exhibitionguide/momascollection/2012-momas%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E7%AC%AC4%E6%9C%9F/

【会場】埼玉県立近代美術館
【最寄】北浦和駅


【会期】2013年1月26日(土)~3月31日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日16時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④ _5_満足

【感想】
いつも通り空いていて、ゆっくり観ることができました。

さて、この美術館の常設については何度か紹介していますが、今回も期間とテーマを設けて4つの章に分けて展示されていました。詳しくはいつもどおり、気に入った作品を通してご紹介しようと思います。(今までご紹介した作品については省略します。)

 参考記事:
  MOMASコレクションⅢ 2012 (埼玉県立近代美術館)
  MOMASコレクションⅡ 2012 (埼玉県立近代美術館)
  MOMASコレクションI 2012 (埼玉県立近代美術館)
  MOMASコレクションⅣ 2012 (埼玉県立近代美術館)
  MOMASコレクションIII 2011(埼玉県立近代美術館)
  MOMASコレクションIII (埼玉県立近代美術館)
  MOMASコレクションⅡ (埼玉県立近代美術館)
  MOMASコレクション3 (埼玉県立近代美術館)

 参考リンク:
  出品リスト


<旅への誘い-魅惑の絵画から>
まずは西洋絵画のコーナー。旅をテーマにしているようでした。

五月女幸雄 「Vision Fugitive」
砂浜に打ち寄せる波を写実的に描いた作品で、奥の方には大きな波が立っています。手前の水面は光を強く反射していて、画面の中にない月を感じさせ神秘的な印象を受けます。また、画面の周囲を枠のように一段暗い色にしているのがどこかシュールに感じました。

渡邊武夫 「カマレー」
桟橋と停泊する船を描いた作品で、奥にはヨーロッパ風の町並みが描かれています。印象派のような色合いで、色ムラのように見えるタッチが独特の味わいです。海と空の水色が爽やかに感じられました。

森田恒友 「イル・ブレア」
赤茶けた岩のある海辺に小舟が4艘浮かんでいる様子が描かれた作品です。細長い筆を重ねるタッチでゴツゴツした岩などを表現しているのですが、色や形はセザンヌを彷彿とさせました。色の色が強いためか、全体的にも力強い印象を受けます。

この辺にはコローのエッチングなど他にも初めて観る作品もありました。


<色彩・ゆらぎ・気配>
続いては現代アートのコーナーで、抽象画などが並びます。今回は新たに寄贈された作品も展示されていました。

安原竹夫 「ほどける風景シリーズ 『みんないっしょ-前兆』」
水色を背景に長方形の立方体の枠組みが無数に描かれ、その中にはそれぞれ人らしき姿が描かれています。それらの立方体は3箇所から吹き出すように飛び散っていて、勢いを感じます。また、意味はわかりませんが銀色の記号のような渦巻くものも一緒に飛び散っていました。中に描かれた人はちょっと苦しそうな表情に見えるかな。具象っぽいところもある抽象的な作品でした。

加納光於 「色身-未だ視ぬ波頭よ1」
壁一面に並んだ5つ?の面から成る壁画のような作品です。中央にシマシマの菱型があり、その両脇に深い青を背景にオレンジの絵の具が滴り落ちるような感じです。こちらも意味は分かりませんが、海の底を思わせる深い青色のせいか、色の取り合わせが強い割に落ち着いた印象を受けました。

狗巻賢二 「青い形質」
一見すると画面が1色だけの作品ですが、よく観ると正方形が組み合うような線が浮き上がっているのがわかります。色は青というよりは緑がかっているかな。大きな作品で幾何学的なリズムを感じました。

この辺は現代アートの作品が並んでいました。意図は見ただけではよく分かりません^^;


<自我のかけら-美術家たちのセルフ・イメージ>
続いては自画像など作家自身のイメージを表現した作品のコーナーです。

郭徳俊 「オバマと郭」
モノクロの写真作品で、TIME誌の表紙に写ったオバマ大統領の目から上の部分を切り取り、目から下の自分の顔と重ねて撮ったセルフ・ポートレートです。作家自身はサングラスをかけているのですが、それがちょうどサングラスがズレて目がのぞいている感じに写っています。この辺にはそうした作品が並んでいて、ブッシュ、クリントン、パパブッシュ、レーガンなど歴代の大統領のTIME表紙を使った作品もありました。モノクロなので違和感があまりなく、上半分が別の人になるとだいぶ印象が変わるのも見比べられて面白かったです。

佐藤時啓 「Breaht-graph1」
これは白黒の大きな写真で、地下のポンプ室に白く細い線が無数に浮かんでいる様子が写っています。まるで幽霊のような感じですが、これは長時間露光のカメラの前で作者がペンライトを持って移動したものらしく、光の軌跡が写っているようです(長時間露光なので作者は写らない) 光しか無いものの、作者の動きが写っているという発想が面白かったです。

この近くにはヘンリー・ムーアの自分の手を描いた作品などもありました。


<闇を刻む-日和崎尊夫>
最後は日和崎尊夫という超細密かつ独特な作風を持つ版画作家のコーナーです。日和崎尊夫は衰退していく木口木版の技法に着目して独自の芸術表現として高めた作家だそうで、精神を病んだ際に読んだ法華経からインスピレーションを得て、カルパというシリーズを作ったそうです。カルパとは「劫」のことで年数に換算すると43億2000万年が1カルパとなるようです(蛇足ですが、じゅげむの話の五劫の擦り切れというのはその5倍のことですね…w いずれにせよ途方も無い時間のことを指すようです。)

日和崎尊夫 「KALPA-68-B」
ミリ以下の超絶に細かい線で彫られた木版画です。花かインディアンの飾りを思わせるような有機的な模様が描かれ、曲線が優美に感じられます。何を表しているのか分かりませんが、曼荼羅のような雰囲気もあるかな? これだけ無茶苦茶細かい作品を作っていたら確かに気疲れしそうです。


ということで、今回も幅広いコレクションを観ることができました。もちろん今回紹介しなかった作品(特に近代絵画)も充実していますので、一度は観ておいて損はないと思います。


 参照記事:★この記事を参照している記事




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二川幸夫・建築写真の原点 日本の民家一九五五年 【パナソニック 汐留ミュージアム】

前回ご紹介した旧新橋停車場 鉄道歴史展示室の展示を観る前に、すぐ近くにあるパナソニック 汐留ミュージアムで「二川幸夫・建築写真の原点 日本の民家一九五五年」を観てきました。

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【展覧名】
 二川幸夫・建築写真の原点 日本の民家一九五五年

【公式サイト】
 http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/13/130112/index.html

【会場】パナソニック 汐留ミュージアム
【最寄】JR/東京メトロ 新橋駅  都営大江戸線汐留駅


【会期】2013年1月12日(土)~3月24日(日) 
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
招待客が結構いたようで、多くのお客さんで賑わっていました。また、ちょうどギャラリートークの時間だったこともあり、場所によっては人だかりができているくらいだったかな。とは言え、特に鑑賞に支障があるわけでもなくゆっくりと観ることができました。

さて、この展示は1957~1959年にかけて出版され世界の建築家に絶賛された写真集「日本の民家」をテーマにした内容です。この「日本の民家」は建築写真家で出版社や建築ギャラリーの主催者としても活躍する二川幸夫 氏(1932年~)が20代の頃に発表したデビュー作らしく、解説を執筆したのは後の工学院大学学長の伊藤鄭爾(いとうていじ)氏だったそうです。
二川氏はこれらの写真を撮った当時は大学生で、最初は勉強の為に撮っていたそうですが、友人が美術出版社に勤めるようになり、そこの社長が二川氏の写真に価値を見出したそうです。そして当時31歳だった新進気鋭の伊藤鄭爾 氏の解説をつけて出版したところ高い評価を受け、毎日出版社の賞を獲得し、海外からはポンピドゥー・センターやMomaからも展示のオファーがあるなど高い評価を受けました。(二川氏はこうしたオファーを断り続けていたようです) 写真を撮った1955年当時は戦後を脱して高度成長期に差し掛かる頃で、世間はアメリカに目が向いていたようですが、そうした時代に二川氏は日本の民家に目を向けていたようです。当時は今ほどの交通網もなく、情報も無いので歩いて自分で情報を集めて切り開いて行ったらしく、そうした旅はその後の二川氏の原点となったとのことです。
元々は280点の写真集のようですが、会場には二川氏と選んだ作品が72点(すべて白黒写真)ほど宙に浮かぶように展示されていて、日本の地域ごとに章分けされていました。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。なお、今回はギャラリートークを聞いてきましたので、メモした範囲でそれもご紹介しようと思います。


ギャラリートークの冒頭ではこの会場のデザインについても紹介していました。今回は台湾タワーのプロジェクトにも携わっている建築家の藤本壮介 氏のが手がけたそうです。また、今回の展示はキュレーターさんが1年前の「今和次郎採集講義」の展示で昔の日本の民家を観て驚いたことがきっかけで、素朴な美しさに惹かれ、その時にこの写真集を思い出して企画したとのことでした。


<京・山城>
まずは京都と山城の民家のコーナーです。京都は天皇の御所があるため江戸時代に幕府の制限をあまり受けなかったそうで、日本の原点とも言える町家が建ち、調和のとれた京都独自の町並みとなっているようです。

2 二川幸夫 「堀川べりに続く家並み」
画面の下半分が川べりの石垣、上半分が京都ならではの町家が写っている写真です。石畳と幾何学的な格子などが非常に美しく、凛とした佇まいです。構図も面白く、町家がより魅力的に感じました。


<大和・河内>
続いては大和と河内です。二川氏は大阪の生まれのためか、最初は近畿から始まりその後しばらく南下していきます。ここには高塀造(大和棟)という様式の民家や、また、チャーターした飛行機から撮った空撮写真があり、当時は建築は空から観るものではないと言われたというエピソードもトークで話していました。

5 二川幸夫 「空から見た天理の集落」
これがセスナから見た広々した風景写真です。豊かな田園が広がり、所々に島のように家々がまとまって立ち並んでいます。家と田のブロックが分かれていて、リズミカルな印象を受けました。展覧会の後の章にも関東の空撮写真がありますが、民家の点在の仕方も地域によってちょっと違っているのも面白いです。

9 二川幸夫 「南河内、羽曳野市、吉村要治郎家」
藁葺き屋根の民家を側面から撮った写真で、柱・格子・瓦など直線が多く規則正しい調和をみせています。「柱と壁の作り出す構成はモンドリアンの絵を見ているようである」との言葉がありましたが、まったく同感でした。

この辺には神聖な場所としての釜を撮った作品なども展示されていました。


<山陽路>
ここでは倉敷の写真のみの展示となっていました。倉敷には多くの古い建物が残っているそうですが、これは伊藤鄭爾 氏が後に文化財として推薦したため、重要文化財として残ったようです。

17 二川幸夫 「倉敷市本町、大原総一郎家」
こちらは大原美術館などを作った大原家の家を横から撮った写真です。瓦屋根で白壁の壮麗な雰囲気で、立派なお屋敷の風格があります。倉敷のイメージそのものといった感じでした。


<四国路>
こちらは四国のコーナーで、四国は台風が強いのでそれから家を守るための石垣なども撮られていました。

19 二川幸夫 「愛媛県南宇和郡西海町、外泊集落」 ★こちらで観られます
瓦屋根で高い石垣に囲まれた家が急な斜面にそびえるように並んでいる様子が撮られた写真です。この石垣は防風のためのものだそうですが、堅牢な印象を受け、家が鎧を着ているかのような重厚感がありました。よほど風が強いのかな。

23 二川幸夫 「徳島県つるぎ町、桑平の集落」
藁葺の家が斜面に横並びになっている様子を撮った写真です。この集落は険しい斜面にあるので、屋敷の奥行きはあまりなく、横一直線に母屋、納屋、牛小屋が並んでいるようです。家は素朴な造りで、自然とともに生きている感じを受けました。


<西海路>
こちらは九州のコーナーで、佐賀の「クド造り」という家や屋根に猫耳みたいなものがついている家の写真などがありました。

26 二川幸夫 「佐賀県、民家の草葺屋根」
これが草葺の屋根に猫耳のようなものがついている写真で、これは「みんのす」というものらしく、棟の部分を補強するために風にほぐれないよう萱束をまとめているそうです。そして写真の上半分には空が広がり、爽やかな雰囲気がありました。猫耳があると可愛らしいですが、用途はやはり補強。日本の家屋は雨風に負けない工夫が面白い進化を促しているようです。

28 二川幸夫 「クド造りの民家」
屋根の形がコの字になっているのを上から撮った写真です。屋根の頂上の棟の部分には筒瓦が載せてあり、竹を刺して固定しています。こうした特徴はクド造りと呼ばれるものだそうで、クドというのはカマドを指し、江戸時代に身分によって棟の長さに制限があったため曲げているのが起源のようです。こちらもかなり独特な雰囲気がありました。


<陸羽・岩代>
続いては一気に北上して東北のコーナーです。この地方には兜造りという建物があり、2階・3階の多層構造で、2~3階では養蚕をしているため蚕のための換気・採光の口が開くのが特徴のようでした。また、岩手の遠野は名馬の多い地方で、馬が一緒に住むほど馬が大事にされていたそうです。曲屋(まがりや)と呼ばれる民家の写真も展示されていました。

32 二川幸夫 「山形県鶴岡市、田麦俣の集落」
木々の中に沈み込むように建っている家々を撮った写真です。それぞれの家の屋根には小窓?があり、そこから養蚕のための採光をしているそうです。近くには1件だけを撮った作品もあり、兜のような形のところから兜造りと呼ばれるようでした。養蚕農家の造りはこの後の他の地方でも共通したものを感じます。

36 二川幸夫 「岩手県遠野市上綾織、曲屋の千葉哲雄家、遠景」
これは遠野の曲屋を横から撮ったもので、曲屋は平面がL字型になっていることからそう呼ばれているようです。この写真だとよく分かりませんでしたが、以前訪れた曲屋を思い出しました。
 参考記事:遠野の写真 (番外編 岩手)


<武蔵・両毛>
続いては関東のコーナーです。こちらにも土蔵や養蚕などの用途によって特徴のある民家の写真が並んでいました。

41 二川幸夫 「埼玉県川越市志義町、旧原田米穀店、店蔵の正面」
こちらは火事に強い土蔵のお店で、重厚な屋根瓦と 幾重にも重なるような扉の窓があり大きな金庫のような印象を受けます。火災の際には2階の扉を全部閉めて階下には戸をたてて目塗りするそうで、商品を守るのに適した造りになっているようでした。入口の看板に「主食は現金」と書いてあるのがますます金庫っぽいw

42 二川幸夫 「空から見る武蔵野の集落」
これは上空から見る農村の風景で、田畑の中にポツンポツンと雑木林に囲まれた1~2軒の家が点在しています。先ほどの河内の写真は家が密集しているところと田畑が区分けのように分かれていたので、こちらはだいぶ違う印象を受けました。この雑木林はカラっ風を防ぐもので、夏に取り払う小枝は燃料に、秋の落ち葉も燃料や肥料として使われるそうです。実に合理的な造りのように思えました。


<信州・甲州>
信州は山に囲まれ材木が取れるため、板葺きの家が多いそうです。その為、屋根の勾配がゆるく中は広い作りになっているのが特徴で、一番上に「雀踊り」というという飾りが付いているようです。

47 二川幸夫 「山形県塩山市の甘草屋敷(高野宅美家)、屋根裏の大黒柱」
これは屋根裏を撮った写真で、養蚕の道具らしきものも写っています。タイトルになっている大黒柱は、木をそのまま柱にしたような豪快なもので、民家の持つ力強さを感じさせました。

50 二川幸夫 「長野県塩尻市、本山宿を望む」
高いところから集落を撮った写真で、この街は宿場町らしく1本の街道の両脇に家がひしめきあっています。それぞれの家の屋根は勾配がなだらかで、板葺きのようでした。

この辺は確かに勾配のゆるい屋根の建物の写真が並んでいました。

52 二川幸夫 「長野県塩尻市、郷原宿、山城屋(赤羽家)の正面」
こちらもなだらかで広い屋根の民家で、頂上の部分に飾りがつけられています。この家は本棟造りというものだそうで、特権的な様式のようです。家自体も大きく、裕福そうな風格がありました。


<北陸路>
こちらには二川幸夫 氏の思い入れの強い今回のポスターの作品などが並んでいました。

56 二川幸夫 「石川県輪島市町野町、時国宏家の大黒柱」 ★こちらで観られます
これが今回のポスターで、どっしりとした柱の根本が写っています。その表面は時間の経過を思わせる風化した肌で、柱に威厳すら感じました。キュレーターさんがおっしゃるには、柱の下に石があるのにそこから生えているかのような逞しさがあり、日本の民家の象徴のように感じたそうです。

この隣にはこの家の外観写真もありました。平家の武将の末裔の家らしく、かなりのお屋敷です。

58 二川幸夫 「新潟県岩船郡関川村下関、渡辺万寿太郎家」
これは酒造や廻船業で財を成した家をやや上から撮った写真です。この辺も風が強いので板葺きの上に丸い石を並べるようで、漬物石のようなものが規則正しく無数に並んでいます。側面には格子があり、何処と無く京都の家を思い起こしました。

61 二川幸夫 「新潟県三島郡出雲崎町の漁師町」
海に面した家々?を撮った写真です。それぞれに舟を格納するらしく細長の建物となっていて、海っペリに密集するように並んでいました。生業がそのまま建物に直結しているようで面白い町並みでした。


<高山・白川>
続いては高山と白川です。二川幸夫 氏が最初に訪れた民家はこの地方で、学生の時に実家に帰省する際、沖縄建築の先生に挨拶しに行った所、どうせ帰るなら途中で高山に寄るように言われ、日下部 氏という人を紹介してもらって民家を観て周り、その民家に感銘を受けたそうです。山奥にこんなに美しい民家があるのだから日本にはもっと美しい民家があるのではと考えて旅をすることになったとのエピソードもトークで紹介していました。
高山といえばやはり合掌造りで、1950年代にはまだ見られたようですが1960年代あたりはダムの建設などで見られなくなったそうです。今はダムに沈んだ村の写真なども展示されていました。

64 二川幸夫 「岐阜県高山市、日下部礼一家、「おいえ」と「なかのおいえ」」
これは部屋の中の写真で、障子・柱・梁など水平垂直の直線の多い空間となっています。そのシンプルな構造が美しく、時計や電灯のレトロな雰囲気も好みでした。

この辺は立派な梁を上から撮った写真もありました。

69 二川幸夫 「岐阜県大野郡白川村、飛騨加須良集落」
これはダムに消えた合掌造りの家を撮ったもので、4~5階建てで急勾配の屋根をしています。山間の寂しい雰囲気で、まさに秘境といった感じでした。


<書籍>
最後は二川幸夫 氏の写真集などの書籍が並ぶコーナーです。その後の二川幸夫 氏の関心は近現代の名建築へと向かったようで、特にフランク・ロイド・ライトに関する著書が多いようでした。


ということで、日本全国でこれだけ個性的かつ用途に沿った民家があったことに驚きで、非常に興味深い内容でした。写真そのものも面白いものが多く、昔の民家の魅力が感じられました。建築好きの方にお勧めの展示です。


 参照記事:★この記事を参照している記事




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成田へ-江戸の旅・近代の旅- 【旧新橋停車場 鉄道歴史展示室】

この前の土曜日に新橋の旧新橋停車場 鉄道歴史展示室で「成田へ-江戸の旅・近代の旅-」を観てきました。

P1080371.jpg

【展覧名】
 成田へ-江戸の旅・近代の旅-

【公式サイト】
 http://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/

【会場】旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
【最寄】JR/東京メトロ 新橋駅  都営大江戸線汐留駅

【会期】2012年12月11日(火)~2013年3月17日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日16時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていてゆっくり観ることが出来ました。

さて、今回の展示は江戸時代から近現代にかけての成田詣を題材にしたものとなっています。ちょうど節分の頃なので今年も賑わったばかりだったと思いますが、成田山は江戸時代から人気のある旅行先だったらしく、人々は徒歩や船旅で様々な道筋を使って訪れ、そうした道は「成田道」と呼ばれるようになったそうです。この展示ではその歴史や当時の様子を伝える品などが並んでいて、テーマによって章分けされていました。とは言え展示品は少なめでしたので、各コーナーについてごく簡単にその様子をご紹介していこうと思います。

<北総の歴史>
まずは成田周辺の歴史のコーナーです。成田には100基を超える古墳から成る龍角寺古墳群と龍角寺があり、このお寺は7世紀後半には建立され、関東最古の瓦葺き寺院とされているようです。また、利根川を挟んだ辺りには東国三社と呼ばれる香取神宮、鹿島神宮、息栖神社など古い寺社も存在しています。

ここには成田山の龍角寺から出土した埴輪(模型)や瓦(★こちらで観られます)が並んでいました。これだけ観てもよくわかりませんが、それだけの勢力があったことを感じさせます。


<江戸時代の旅/成田山参詣>
続いては江戸時代のコーナーです。江戸時代になると一般庶民の旅が盛んになり、江戸から近い成田詣は人気を博したようです。また、市川團十郎家が成田山を信仰し屋号を「成田山」と称したこともその人気の要因だったそうです。

ここには、鹿島神宮の様子を描いた江戸後期の利根川図誌、江戸時代の成田名所図会、旅人の名前の入った宿帳のようなもの、広重の諸国名所百景「下総舟橋大神宮」(★こちらで観られます)、「下総成田山境内」、簡略化された地図、成田道の錦絵などが並んでいました。街道にぎっしり人がいる様子など成田の活況が伝わってくるようで、解説によると、利根川に接している北総地域は古くから内陸水運が発達していたそうですが、成田は江戸時代になると成田山新勝寺の門前町として賑わっていたとのことでした。舟にも多くの人が乗っていて、まるでお祭りのような賑わいです。


<近代・鉄道の旅>
その後は近代以降の鉄道に関してのコーナーでした。成田線や総武線といった鉄道網の歴史(明治39年に日本鉄道と総武鉄道が国に買収されてそれぞれ常磐線、総武線となった)や、当時の汽車の写真、絵葉書、人力車の運賃表、成田山名勝の絵葉書、割引乗車券などが並びます。その先も絵葉書などが並んでいたのですが、その中で変わっていたのは開運のお守り抽選券付きの切符で、これはちょっと買ってみたいかもw
さらにその先は昭和の頃の汽車や電車の写真があり、「開運号」という面白いネーミングの列車などが写されていました。

そして昭和53年に成田空港ができると、スカイライナーや国鉄の特急「あやめ」などが走り、一時は新幹線の構想もあったそうですが、国鉄の民営化で計画も失効してしまったそうです。 その後、JRとなってからは成田エクスプレス、京成もスカイライナーの新形を登場させ、乗り入れ運転や快速の増便などが行われたようです。そうした列車の写真や切符などが並び、当時のスカイライナーの写真は子供の頃に観た記憶があり懐かしく思いました。

部屋の中央には旅の友としての駅弁のコーナーがあり、掛紙やお茶の土瓶、醤油差しなどが並んでいました。江戸時代に佐倉は餅、大和田は団子、行徳はうどん などが名物だったそうで、明治になると成田は羊羹が代表的なおみやげになったそうです。ここにも栗羊羹の箱がありました。

その近くには成田山の初詣や豆まきの頃の臨時列車の時刻表や、案内パンフレット、成田エクスプレスの先頭車両の模型などもありました。


ということで、成田とそこへの鉄道に関する品々をざっと観ることができました。私は成田山詣に行ったことはないのですが、古今の人々の成田山への情熱が伝わってくるようでした。ここは無料で見られる上に交通の便も良いので、近くに行く際にはちょっと立ち寄ってみるのも面白いかと思います。


 参照記事:★この記事を参照している記事




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映画「テッド」(ごく軽いネタバレあり)

この前の日曜日に映画「テッド」を観てきました。

P1080387.jpg

【作品名】
 テッド

【公式サイト】
 http://ted-movie.jp/
 ※予告動画がかなりのネタバレとなっています

【時間】
 1時間40分程度

【ストーリー】
 退屈_1_2_③_4_5_面白

【映像・役者】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【総合満足度】
 駄作_1_2_③_4_5_名作

【感想】
公開3日目だったこともあってか意外と混んでいて多くのお客さんで賑わっていました。

さて、この映画は可愛らしい熊のぬいぐるみ(テッド)が主人公ですが、R-15指定の入った大人向けのコメディ映画です。少年(ジョン)がクリスマスの日に祈ったら熊のぬいぐるみに魂が宿った!という設定は心温まる話になりそうですが、それは冒頭だけで主にそれから27年後の、オッサンになったジョン&テッドがお下品でお馬鹿な日常を過ごすという内容となっています。2人とも素行が悪くかなりの駄目っぷりで、特にテッドの口の悪さはハートマン軍曹もびっくりなくらいで、この辺は下ネタが苦手な人は完全にアウトだと思いますw また、ちょいちょいとアメリカの芸能人が出てくるのですが、日本ではあまり知られていない人も出てくるので、その芸能人ネタがいまいち分からなかったりします。とは言え、この人が本人役でこんなことしていいの??というのもあってちょっと驚きますw

ストーリーは特に変わったところもなく、ジョンの恋愛を中心軸に様々な問題や事件が起きる感じです。友情や愛情に関してはしっかり描写しているので、その辺りがテッドを憎めないやつにしているように思いました。

ということで、アメリカではミッションインポッシブルを超えるヒットを記録したようですが、そこまで面白いかなあ?とちょっと首を傾げる作品でした。(つまらないというほどでもないです) コメディも結構好きなほうですが、そんなに笑いも起きなかったし、正直レンタルで十分な作品ではないかとw

おまけ:
劇場の前にテッドの実物大のぬいぐるみがありました。
P1080388.jpg
見た目は可愛いんですけどねw



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多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。

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■2011/9/29
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