Archive | 2013年09月
この前の土曜日に国立西洋美術館で「システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展―天才の軌跡」を観てきました。メモを多めに取ってきましたので、前編・後編に分けてご紹介しようと思います。

【展覧名】
システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展―天才の軌跡
【公式サイト】
http://www.tbs.co.jp/michelangelo2013/
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2013michelangelo.html
【会場】国立西洋美術館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2013年9月6日(金)~11月17日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日11時半頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
始まって2週目に行ったのですが、意外と混雑もなく自分のペースで観ることができました。
さて、今回の展示はルネサンス期の巨匠ミケランジェロに関する内容で、カーサ・ブオナローティが所蔵する素描や資料などが中心となっています。カーサ・ブオナローティはミケランジェロが1508年に購入して9年間住んだ後に甥のレオナルドに譲った家で、19世紀まではブオナローティ家が住んでいたようですが、現在ではフィレンツェ市に譲られ美術館になっていて、ミケランジェロの素描と書簡のコレクションは世界一だそうです。
今回の展示品には門外不出とされていた初期の傑作「階段の聖母」(彫刻作品)なども含まれていましたので、詳しくは各章ごとにご紹介していこうと思います。
<第1章─伝説と真実:ミケランジェロとカーサ・ブオナローティ>
まずはミケランジェロの偉業に関する資料や素描についてのコーナーです。建築家・彫刻家・画家、そして詩人だったミケランジェロ・ブオナローティはトスカーナの小さな村に生まれました。ブオナローティ家は13世紀からフィレンツェの行政官を勤めた家柄で、ミケランジェロもそれに誇りを持っていたらしく、メディチ家のロレンツォ・イル・マニフィコが統治していたフィレンツェで育ちました。
13歳でドメニコ・ギルランダイオに弟子入りした後、ロレンツォ・イル・マニフィコの庇護を受けて彼を取り巻く芸術家・哲学者・文学者等と親交を結んでいったようです。その後のミケランジェロは波乱に満ちた長い芸術的生涯において、ボローニャやヴェネツィアを経てローマに住んで活動を続けましたが、最後はフィレンツェのサンタ・クローチ聖堂でガリレオ・ガリレイの向かいに埋葬されたようです。
ミケランジェロの神格化については存命中から親交していた画家で伝記作家でもあるヴァザーリの「美術家列伝」で既に行われていたようで、チマブーエ以来のイタリア美術の「発展」の頂点としてミケランジェロを位置づけ、「我々芸術に携わる者たちへ神が使わされた模範」とまで宣言されていたようです。一方でこの伝記では、自信家で傲慢でもあるが孤独を好み質素な生活を送ったともあるようで、ミケランジェロを描いた肖像などにもその性格が現れているようです。ここにはそうしたミケランジェロの人物像に迫るような品々が並んでいました。
1 マルチェッロ・ヴェヌスティに帰属 「ミケランジェロの肖像」
これは親しい弟子が描いたミケランジェロの肖像の模写で、ミケランジェロが60歳くらいの頃の姿で描かれています。おでこと眉間にかなりの皺を寄せてこちらをじっと見ています。やや白髪交じりで、イメージ通りの厳しそうな雰囲気かな。解説によると、修行時代に仲間の素描にケチをつけて殴られたことがあるそうで、一生鼻が曲がったままだったそうです。しかしこの肖像ではそれはあまり強調されていないようで、見ていてもそれは分かりませんでした。ちなみにミケランジェロは肖像を描かれるのは好きではなかったのだとか。やはり頑固なイメージが…w
この辺にはミケランジェロ宛の手紙や、ブオナローティ家の紋章入の皿、ミケランジェロを象ったメダルなどがありました。この辺は貴重だとは思いますが観てもピンとこないかなw
その少し先にはミケランジェロが食べ物をごく簡素にスケッチしたメモ帳のようなものもあり、そこにはパン・ワイン・魚くらいしか描かれていませんでした。ミケランジェロは必要以上の楽しみのための食事は摂らなかったらしく、確かに質素な感じです。肉が無いのは復活祭前だからではないかとも考えられるようでした。
7 ミケランジェロ・ブオナローティ 「甥レオナルド宛ての手紙[1554年4月21日]」
こちらはミケランジェロから甥のレオナルドに当てた手紙です。ミケランジェロは甥を自分の子供のように可愛がっていたそうで、この手紙は甥の子供が生まれたという報告への返答らしく、一族の繁栄を願っているようです。きっちりした文字で書かれて読みやすそうかな。甥と一族を思いやるという一面が伺える品でした。
この辺はミケランジェロの手紙が中心でした。貴重なものですが研究家でもなければこの辺を観て感激する人はあまりいないかも…。
11 ミケランジェロ・ブオナローティ 「詩 [もし不滅への願望が…]」
これは詩の草稿で、カヴァリエーリという上流階級の青年との出会いとその想いを詩にしたものです。 …って、相手は男です。ミケランジェロは同性愛者だったとする説は有名ですが、当時は同性愛は今以上にスキャンダルだったらしく、低俗な肉欲と批判されたことへの反論として書かれ、魂に対する憧れであることを詠っているようです。裏面が透けていて読みづらいですが、A4くらいの紙に細かい字で書かれ、右側の方は横書きになっていました。 …これもある意味イメージ通りの一面かな。ダ・ヴィンチも同性愛(もしくは両性愛)の疑いがあったみたいだし、芸術家には多いのかも。
この近くにはカーサ・ブオナローティの外観を描いた後世の画家の作品もありました。ブオナローティ家を立派にするのがミケランジェロの望みでもあったようです。
15 ミケランジェロ・ブオナローティ 「レダの頭部習作」 ★こちらで観られます
これはミケランジェロの素描の中でももっとも美しく重要な作品の1つと言われているそうで、「レダと白鳥」という作品の為の習作となります。レダと白鳥は、白鳥に化けた全能神ゼウスが美しいレダ(スパルタ王の妻)を誘惑するという話で、数多くの画家が挑んだ題材です。ミケランジェロもこの主題に取り組んだのですが、本作は既に失われているらしく、模写やこうした素描で当時の様子を伺うことになります。この素描にはレダの頭部のみが描かれているのですが、当時の慣習に従ってモデルは男性の弟子のアントニオ・ミーニが務めたと考えられるようです。陰影の表現が絶妙で、目の上や頬の辺り、唇など褐色の濃淡で表現していました。解説によると、これらは指でぼかしたとも、水で濡らしたチョークを使ったとも言われているそうです。 また、この素描の左下には目と鼻だけを描いたものもあり、そちらはまつ毛が長く女性っぽく描かれていました。
16 フランチェスコ・ブリーナに帰属 「レダと白鳥」
これは失われたミケランジェロの作品を模写したもので、裸婦(レダ)が大きな白鳥(ゼウス)を抱いて俯いている様子が描かれています。非常に優美で官能的な雰囲気があり、元々の作品の美しさを伺わせます。解説によると、ミケランジェロの「レダと白鳥」は行き違いが重なり注文主に渡ることはなく、弟子によってフランスに運ばれたものの、17世紀に猥褻であるとされて焼却されてしまったそうです。…何とも勿体無い話です。
<第2章─ミケランジェロとシスティーナ礼拝堂>
続いての2章はミケランジェロが手がけたシスティーナ礼拝堂の天井画と祭壇画についてのコーナーです。ミケランジェロは、1483年に献堂されたシスティーナ礼拝堂に教皇ユリウス2世の委託で1508年(ミケランジェロ30代)から12年間に「創世記」の天井画を手がけ、さらに1536年から41年(ミケランジェロ60代)の間に「最後の審判」の祭壇正面壁画を描きました。
天井画は40m×13mにも及ぶ超大作で、4年の月日を費やして完成したそうで、天井中央には旧約聖書の天地創造の3場面、アダムとエバの創造と堕天の3場面、ノアの物語から3場面の合計9場面から成っているそうです。さらにその周囲には救済者の到来を予告した旧約聖書の預言者と異教の巫女、その下にキリストの祖先、四隅にはユダヤの民の物語なども描かれているらしく、こうした各場面は神学者の選定に基いているようですが、具体的な説得力を持って描いたのはミケランジェロの教養と手腕あってのもののようです。そしてそれ以外にも一見した限り物語の伝達において副次的な役割しか持たない人物像も沢山描かれていますが、同時代や後世の芸術家の想像力を刺激したのはこうした人物像の卓抜さや短縮法の完璧さ、輪郭線の驚くべき柔和さなどだったそうです。
一方、最後の審判はこの世の終わりにキリストが再臨し、生前の行いと信仰に応じて天国と地獄に振り分けられるという題材で、教皇パウルス3世によってこの主題が選ばれたそうです。当時はルターの宗教改革が吹き荒れ、イギリスでは国教会が設立され、ローマにおいても「ローマ却掠」(神聖ローマ皇帝の軍がローマで殺戮や略奪などを行った事件)が起こるなど、教皇の権威が失墜していたそうです。その為、対抗宗教改革を行うこととなり、キリスト者の正しい救済のありかたを示し、カトリック以外に救済を求めるものへの警告として「最後の審判」が相応しいと考えられたようです。
ここにはその素描などが並び、素描を通じて構想過程を観るという内容となっています。しかし、ミケランジェロは数度に渡って部分的に素描を処分していたそうで、天井画の場面構想を示す素描は一切ないそうです。(1518年に自ら燃やしたと考えられる) その為、ここでは残された人物習作などが中心となっていました。
18 19 ミケランジェロ・ブオナローティ 「システィーナ礼拝堂天井画《楽園追放》のアダムのための習作」
これは天使に剣で突かれそうになりながら楽園から追放されるアダムとエバを描いた部分の素描で、No.18の作品では首から下が簡素に描かれています。一方No.18の作品では特に左腕と左手、右手の掌などが描かれ、完成作で嫌がって手を出して身を守っているアダムの様子とそっくりに描かれています。腕と手がリアルに描かれていて、これを何度も構想している様子が伺えました。
この辺は人物素描が中心で、結構簡潔なものもありますが、こんなところまで?!と驚くような素描もありました。ミケランジェロは天井画を経験がないと断ろうとしていたようですが、やるとなったらとことんやる人だったのかも。
この近くには天井画を模したテーブルなどもありました。
28 ミケランジェロ・ブオナローティ 「《最後の審判》のための習作」 ★こちらで観られます
これは最後の審判の壁画全体の構想の習作で、先述の通り構図の習作はほとんど燃やされてしまったのでこうして残っているんは貴重なようです。上の方にいるキリストを中心に、上は天国 下は地獄となっていて、人物はかなり薄っすらと簡素に描かれています。とは言え、その構成は非常に複雑で、入念な構想を練っていたことが伺えました。
なお、最後の審判は公開されると大きな評判になったそうで、肌を顕にした裸体が物議を醸し、「神聖なる礼拝堂より風呂屋か宿屋に相応しい」とまで辛辣に批判されたそうです。そして1564年にはトリエント公会議の決定に従い、別の画家によって腰布が加筆されいくつかの人物像には手直しが加えられたそうです。…レダと白鳥の話もそうですが、今では考えられないくらいに保守的な世界だった為、ミケランジェロはだいぶ憂き目をみてますね…。
この後には最後の審判のコピー(かなり大きい)もありました。また、ジョルジョ・ギージによる31-40「《最後の審判》ミケランジェロに基づく)」という後世に銅版画にされた作品も並んでいて、人物に腰布が付いているのが確認できました。
ということで、今日はここまでにしておこうと思います。前半は素描と資料が中心といった感じかな。ルネサンス期の展示はこういう内容になりがちだし貴重なのは分かっても、若干物足りないと感じる人も多いと思います。しかし、後半には見どころとなる品もありましたので、次回はそれについてご紹介しようと思います。
→ 後編はこちら
おまけ:
今年はルネサンス期の巨匠の展示が揃い踏みだと話題になっていました。これだけのものが日本で観られるのは幸せなことですね。
参考記事:
レオナルド・ダ・ヴィンチ展-天才の肖像 感想前編(東京都美術館)
レオナルド・ダ・ヴィンチ展-天才の肖像 感想後編(東京都美術館)
ラファエロ 感想前編(国立西洋美術館)
ラファエロ 感想後編(国立西洋美術館)
参照記事:★この記事を参照している記事

【展覧名】
システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展―天才の軌跡
【公式サイト】
http://www.tbs.co.jp/michelangelo2013/
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2013michelangelo.html
【会場】国立西洋美術館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2013年9月6日(金)~11月17日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日11時半頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
始まって2週目に行ったのですが、意外と混雑もなく自分のペースで観ることができました。
さて、今回の展示はルネサンス期の巨匠ミケランジェロに関する内容で、カーサ・ブオナローティが所蔵する素描や資料などが中心となっています。カーサ・ブオナローティはミケランジェロが1508年に購入して9年間住んだ後に甥のレオナルドに譲った家で、19世紀まではブオナローティ家が住んでいたようですが、現在ではフィレンツェ市に譲られ美術館になっていて、ミケランジェロの素描と書簡のコレクションは世界一だそうです。
今回の展示品には門外不出とされていた初期の傑作「階段の聖母」(彫刻作品)なども含まれていましたので、詳しくは各章ごとにご紹介していこうと思います。
<第1章─伝説と真実:ミケランジェロとカーサ・ブオナローティ>
まずはミケランジェロの偉業に関する資料や素描についてのコーナーです。建築家・彫刻家・画家、そして詩人だったミケランジェロ・ブオナローティはトスカーナの小さな村に生まれました。ブオナローティ家は13世紀からフィレンツェの行政官を勤めた家柄で、ミケランジェロもそれに誇りを持っていたらしく、メディチ家のロレンツォ・イル・マニフィコが統治していたフィレンツェで育ちました。
13歳でドメニコ・ギルランダイオに弟子入りした後、ロレンツォ・イル・マニフィコの庇護を受けて彼を取り巻く芸術家・哲学者・文学者等と親交を結んでいったようです。その後のミケランジェロは波乱に満ちた長い芸術的生涯において、ボローニャやヴェネツィアを経てローマに住んで活動を続けましたが、最後はフィレンツェのサンタ・クローチ聖堂でガリレオ・ガリレイの向かいに埋葬されたようです。
ミケランジェロの神格化については存命中から親交していた画家で伝記作家でもあるヴァザーリの「美術家列伝」で既に行われていたようで、チマブーエ以来のイタリア美術の「発展」の頂点としてミケランジェロを位置づけ、「我々芸術に携わる者たちへ神が使わされた模範」とまで宣言されていたようです。一方でこの伝記では、自信家で傲慢でもあるが孤独を好み質素な生活を送ったともあるようで、ミケランジェロを描いた肖像などにもその性格が現れているようです。ここにはそうしたミケランジェロの人物像に迫るような品々が並んでいました。
1 マルチェッロ・ヴェヌスティに帰属 「ミケランジェロの肖像」
これは親しい弟子が描いたミケランジェロの肖像の模写で、ミケランジェロが60歳くらいの頃の姿で描かれています。おでこと眉間にかなりの皺を寄せてこちらをじっと見ています。やや白髪交じりで、イメージ通りの厳しそうな雰囲気かな。解説によると、修行時代に仲間の素描にケチをつけて殴られたことがあるそうで、一生鼻が曲がったままだったそうです。しかしこの肖像ではそれはあまり強調されていないようで、見ていてもそれは分かりませんでした。ちなみにミケランジェロは肖像を描かれるのは好きではなかったのだとか。やはり頑固なイメージが…w
この辺にはミケランジェロ宛の手紙や、ブオナローティ家の紋章入の皿、ミケランジェロを象ったメダルなどがありました。この辺は貴重だとは思いますが観てもピンとこないかなw
その少し先にはミケランジェロが食べ物をごく簡素にスケッチしたメモ帳のようなものもあり、そこにはパン・ワイン・魚くらいしか描かれていませんでした。ミケランジェロは必要以上の楽しみのための食事は摂らなかったらしく、確かに質素な感じです。肉が無いのは復活祭前だからではないかとも考えられるようでした。
7 ミケランジェロ・ブオナローティ 「甥レオナルド宛ての手紙[1554年4月21日]」
こちらはミケランジェロから甥のレオナルドに当てた手紙です。ミケランジェロは甥を自分の子供のように可愛がっていたそうで、この手紙は甥の子供が生まれたという報告への返答らしく、一族の繁栄を願っているようです。きっちりした文字で書かれて読みやすそうかな。甥と一族を思いやるという一面が伺える品でした。
この辺はミケランジェロの手紙が中心でした。貴重なものですが研究家でもなければこの辺を観て感激する人はあまりいないかも…。
11 ミケランジェロ・ブオナローティ 「詩 [もし不滅への願望が…]」
これは詩の草稿で、カヴァリエーリという上流階級の青年との出会いとその想いを詩にしたものです。 …って、相手は男です。ミケランジェロは同性愛者だったとする説は有名ですが、当時は同性愛は今以上にスキャンダルだったらしく、低俗な肉欲と批判されたことへの反論として書かれ、魂に対する憧れであることを詠っているようです。裏面が透けていて読みづらいですが、A4くらいの紙に細かい字で書かれ、右側の方は横書きになっていました。 …これもある意味イメージ通りの一面かな。ダ・ヴィンチも同性愛(もしくは両性愛)の疑いがあったみたいだし、芸術家には多いのかも。
この近くにはカーサ・ブオナローティの外観を描いた後世の画家の作品もありました。ブオナローティ家を立派にするのがミケランジェロの望みでもあったようです。
15 ミケランジェロ・ブオナローティ 「レダの頭部習作」 ★こちらで観られます
これはミケランジェロの素描の中でももっとも美しく重要な作品の1つと言われているそうで、「レダと白鳥」という作品の為の習作となります。レダと白鳥は、白鳥に化けた全能神ゼウスが美しいレダ(スパルタ王の妻)を誘惑するという話で、数多くの画家が挑んだ題材です。ミケランジェロもこの主題に取り組んだのですが、本作は既に失われているらしく、模写やこうした素描で当時の様子を伺うことになります。この素描にはレダの頭部のみが描かれているのですが、当時の慣習に従ってモデルは男性の弟子のアントニオ・ミーニが務めたと考えられるようです。陰影の表現が絶妙で、目の上や頬の辺り、唇など褐色の濃淡で表現していました。解説によると、これらは指でぼかしたとも、水で濡らしたチョークを使ったとも言われているそうです。 また、この素描の左下には目と鼻だけを描いたものもあり、そちらはまつ毛が長く女性っぽく描かれていました。
16 フランチェスコ・ブリーナに帰属 「レダと白鳥」
これは失われたミケランジェロの作品を模写したもので、裸婦(レダ)が大きな白鳥(ゼウス)を抱いて俯いている様子が描かれています。非常に優美で官能的な雰囲気があり、元々の作品の美しさを伺わせます。解説によると、ミケランジェロの「レダと白鳥」は行き違いが重なり注文主に渡ることはなく、弟子によってフランスに運ばれたものの、17世紀に猥褻であるとされて焼却されてしまったそうです。…何とも勿体無い話です。
<第2章─ミケランジェロとシスティーナ礼拝堂>
続いての2章はミケランジェロが手がけたシスティーナ礼拝堂の天井画と祭壇画についてのコーナーです。ミケランジェロは、1483年に献堂されたシスティーナ礼拝堂に教皇ユリウス2世の委託で1508年(ミケランジェロ30代)から12年間に「創世記」の天井画を手がけ、さらに1536年から41年(ミケランジェロ60代)の間に「最後の審判」の祭壇正面壁画を描きました。
天井画は40m×13mにも及ぶ超大作で、4年の月日を費やして完成したそうで、天井中央には旧約聖書の天地創造の3場面、アダムとエバの創造と堕天の3場面、ノアの物語から3場面の合計9場面から成っているそうです。さらにその周囲には救済者の到来を予告した旧約聖書の預言者と異教の巫女、その下にキリストの祖先、四隅にはユダヤの民の物語なども描かれているらしく、こうした各場面は神学者の選定に基いているようですが、具体的な説得力を持って描いたのはミケランジェロの教養と手腕あってのもののようです。そしてそれ以外にも一見した限り物語の伝達において副次的な役割しか持たない人物像も沢山描かれていますが、同時代や後世の芸術家の想像力を刺激したのはこうした人物像の卓抜さや短縮法の完璧さ、輪郭線の驚くべき柔和さなどだったそうです。
一方、最後の審判はこの世の終わりにキリストが再臨し、生前の行いと信仰に応じて天国と地獄に振り分けられるという題材で、教皇パウルス3世によってこの主題が選ばれたそうです。当時はルターの宗教改革が吹き荒れ、イギリスでは国教会が設立され、ローマにおいても「ローマ却掠」(神聖ローマ皇帝の軍がローマで殺戮や略奪などを行った事件)が起こるなど、教皇の権威が失墜していたそうです。その為、対抗宗教改革を行うこととなり、キリスト者の正しい救済のありかたを示し、カトリック以外に救済を求めるものへの警告として「最後の審判」が相応しいと考えられたようです。
ここにはその素描などが並び、素描を通じて構想過程を観るという内容となっています。しかし、ミケランジェロは数度に渡って部分的に素描を処分していたそうで、天井画の場面構想を示す素描は一切ないそうです。(1518年に自ら燃やしたと考えられる) その為、ここでは残された人物習作などが中心となっていました。
18 19 ミケランジェロ・ブオナローティ 「システィーナ礼拝堂天井画《楽園追放》のアダムのための習作」
これは天使に剣で突かれそうになりながら楽園から追放されるアダムとエバを描いた部分の素描で、No.18の作品では首から下が簡素に描かれています。一方No.18の作品では特に左腕と左手、右手の掌などが描かれ、完成作で嫌がって手を出して身を守っているアダムの様子とそっくりに描かれています。腕と手がリアルに描かれていて、これを何度も構想している様子が伺えました。
この辺は人物素描が中心で、結構簡潔なものもありますが、こんなところまで?!と驚くような素描もありました。ミケランジェロは天井画を経験がないと断ろうとしていたようですが、やるとなったらとことんやる人だったのかも。
この近くには天井画を模したテーブルなどもありました。
28 ミケランジェロ・ブオナローティ 「《最後の審判》のための習作」 ★こちらで観られます
これは最後の審判の壁画全体の構想の習作で、先述の通り構図の習作はほとんど燃やされてしまったのでこうして残っているんは貴重なようです。上の方にいるキリストを中心に、上は天国 下は地獄となっていて、人物はかなり薄っすらと簡素に描かれています。とは言え、その構成は非常に複雑で、入念な構想を練っていたことが伺えました。
なお、最後の審判は公開されると大きな評判になったそうで、肌を顕にした裸体が物議を醸し、「神聖なる礼拝堂より風呂屋か宿屋に相応しい」とまで辛辣に批判されたそうです。そして1564年にはトリエント公会議の決定に従い、別の画家によって腰布が加筆されいくつかの人物像には手直しが加えられたそうです。…レダと白鳥の話もそうですが、今では考えられないくらいに保守的な世界だった為、ミケランジェロはだいぶ憂き目をみてますね…。
この後には最後の審判のコピー(かなり大きい)もありました。また、ジョルジョ・ギージによる31-40「《最後の審判》ミケランジェロに基づく)」という後世に銅版画にされた作品も並んでいて、人物に腰布が付いているのが確認できました。
ということで、今日はここまでにしておこうと思います。前半は素描と資料が中心といった感じかな。ルネサンス期の展示はこういう内容になりがちだし貴重なのは分かっても、若干物足りないと感じる人も多いと思います。しかし、後半には見どころとなる品もありましたので、次回はそれについてご紹介しようと思います。
→ 後編はこちら
おまけ:
今年はルネサンス期の巨匠の展示が揃い踏みだと話題になっていました。これだけのものが日本で観られるのは幸せなことですね。
参考記事:
レオナルド・ダ・ヴィンチ展-天才の肖像 感想前編(東京都美術館)
レオナルド・ダ・ヴィンチ展-天才の肖像 感想後編(東京都美術館)
ラファエロ 感想前編(国立西洋美術館)
ラファエロ 感想後編(国立西洋美術館)
参照記事:★この記事を参照している記事
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今日は前回の記事に引き続き、Bunkamuraザ・ミュージアムの「レオナール・フジタ ― ポーラ美術館コレクションを中心に」の後編をご紹介いたします。前編には混み具合なども記載しておりますので、前編を読まれていない方は前編から先にお読み頂けると嬉しいです。
前編はこちら

まずは概要のおさらいです
【展覧名】
レオナール・フジタ ― ポーラ美術館コレクションを中心に
【公式サイト】
http://www.tbs.co.jp/leonardfoujitaten/
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_fujita.html
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_fujita/index.html
【会場】Bunkamuraザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅/京王井の頭線神泉駅
【会期】2013/8/10(土)~10/14(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日16時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
前編では乳白色の時代の作品などをご紹介しましたが、後半は主に戦後の作品が並んでいました。
参考記事:
ポーラ美術館の常設(2010年秋)
ポーラ美術館コレクション展 印象派とエコール・ド・パリ 感想前編(横浜美術館)
ポーラ美術館コレクション展 印象派とエコール・ド・パリ 感想後編(横浜美術館)
ポーラ美術館の常設
藤田嗣治と愛書都市パリ -花ひらく挿絵本の世紀- (松濤美術館)
藤田嗣治-東京・ニューヨーク・パリ (目黒区美術館)
よみがえる幻の壁画たち レオナール・フジタ展 (そごう美術館)
<2 フジタの子どもたち-アトリエのなかの物語>
第二次世界大戦の際、戦争画を積極的に描いた藤田は戦後に戦争協力をしたと誹謗中傷を受け、その責任を取る形で日本を去りニューヨーク経由でパリに戻り、2度と日本に帰らないと決心したそうです。藤田はパリを拠点をして子供を主題とした絵画を数多く手がけ、ここにはそうした作品が並んでいました。
2-20 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「朝の買い物」
長いフランスパンとミルクの入った容器を持つ少女が描かれた作品です。顔は白いけど乳白色の頃とは違い、デフォルメされた感じかな。晩年の画風がよく出ていると思います。 解説によると、着ているものは年配が着るような服らしく、顔つきもパリの子どもとは違っているようで、これは憧れの空想の世界を描いているとのことです。この頃にはかつて親しくしていた画家たちは亡くなったか亡命してパリには姿がなく、エコール・ド・パリの時代も幻影となっていたようで、(その反動で?)空想の世界を描いているのではないかとのことでした。また、裏には君代(夫人)のためにとあるらしく、子供のできなかった2人の子供なのではないかと考えられるようです。見た目は結構可愛らしいですが、藤田の苦難も反映されているのかな…。ちょっと寂しいエピソードでした。
2-17 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「誕生日」 ★こちらで観られます
これは今回のポスターにもなっている作品で、丸いテーブルに向かう子どもたちが描かれ、中央にはケーキが置かれ誕生会のようです。奥には花飾りをつけておめかししている子がいて、このパーティーの主役かな? 窓の外には入りきれなかった子どもたちが中の様子を伺っている様子も描かれています。何故かテーブルの子たちはバラバラな視線で無表情に見えるのですが、これはフランスの個人主義の特徴が描かれているとのことでした。見た目は子供だけど、憮然とした感じであまり可愛くない…w
2-1 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「私たちの家」 ★こちらで観られます
2-2 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「私のアトリエ」
これらは藤田が作った箱のような形の家の模型で、「私たちの家」はフランスの田舎を思い出しながら作ったものです。細かい家具なども作られていて藤田の器用さが伺えます。こういう家に住みたいという理想の家のようで、素朴ながらも洒落ていて暖かみがある家となっていました。一方、「私のアトリエ」は現実のアトリエを模したものらしく、こちらも精巧に出来ていました。
2-10 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「室内」 ★こちらで観られます
これは先ほどの「私たちの家」とそっくりの室内を描いた作品です。窓の位置、階段、暖炉など模型を描いたのではないかと思います。これと似た作品をいくつか観たことがあるので、もしかしたら何枚も描いているのかも??
この近くには猫を描いた作品もありました。藤田は猫をよく描いていましたが、戦後は猫を描く機会は減っていたようです。その理由は分からないようですが、一説によると君代夫人が犬派だったのが理由では?とのことでしたw
2-3 2-4 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「植物のなかの裸婦」
これは2枚対の作品で、右は正面を向いて立つ裸婦、左は胸に手を当てて微笑む裸婦のやや横向きの姿が描かれています。正面を向く裸婦は若干固い表情に見えるかな。両方とも乳白色ではなく伝統的な西洋画の陰影がつけられていて、植物が巻き付いていて、周りにも沢山の植物があります。解説によると、左の裸婦の植物は枯れかけていて、自由を縛っていたしがらみから開放されることを願っているのではないかとのことです。結構この時期の作品には戦争画を批判されたことへの苦悩や、空想・憧れのようなものが伺えるようです…。
この近くにはカトリックに改宗した後に作った十字架などもありました。また少し先には阿部徹雄による1952年の藤田の写真もありました。阿部はその10年前に戦争記録画を描く藤田を手厚くもてなしていたそうで、藤田はその恩を感じていたそうです。パリでの活動の様子が展示されていました。
<3 小さな職人たち-フランスへの讃歌>
最後の3章は「小さな職人たち」という晩年に描いた職人尽とも言える子どもたちを描いた作品が並ぶコーナーです。15cm四方のタイル上のパネルに描かれ、200枚以上あるそうです。ここは個別ではなく簡単にご紹介すると、メジャーな職業は勿論、結構マイナーな職業も描かれていて、コルセット職人などフランスならではの職業もあります。
少し進むと路上の職業があり、風船売りや屑拾い、スリ、浮浪者など生活の苦しそうなものもあります。子供の姿で描かれているけど、哀しみとも慈しみとも取れるような雰囲気でした。
その後には守銭奴や噂好き、囚人、狂気などこれは職業なのか?というものもありますw 裸で傘をさしている絵があり、これは何だろ??と思ったら「億万長者」でしたw 変態にしか見えない…。
更に進むと詩人やモデル、天才といったアーティストたちが描かれた作品が並んでいました。また、スペイン製のアンティークの扉にはめ込まれているパネルを再現したものがあり、藤田は扉に自分の作品をはめ込んでいたようです。最後にはそうしたパネルらしき作品が並び、縦長・横長に様々な子どもたちがまた違ったデフォルメで描かれていました。
ということで、藤田の代表的な作風と晩年の作品を楽しむことができました。特に3章は中々観る機会がないので貴重だと思います。藤田が好きな方は是非どうぞ。
参照記事:★この記事を参照している記事
前編はこちら

まずは概要のおさらいです
【展覧名】
レオナール・フジタ ― ポーラ美術館コレクションを中心に
【公式サイト】
http://www.tbs.co.jp/leonardfoujitaten/
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_fujita.html
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_fujita/index.html
【会場】Bunkamuraザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅/京王井の頭線神泉駅
【会期】2013/8/10(土)~10/14(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日16時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
前編では乳白色の時代の作品などをご紹介しましたが、後半は主に戦後の作品が並んでいました。
参考記事:
ポーラ美術館の常設(2010年秋)
ポーラ美術館コレクション展 印象派とエコール・ド・パリ 感想前編(横浜美術館)
ポーラ美術館コレクション展 印象派とエコール・ド・パリ 感想後編(横浜美術館)
ポーラ美術館の常設
藤田嗣治と愛書都市パリ -花ひらく挿絵本の世紀- (松濤美術館)
藤田嗣治-東京・ニューヨーク・パリ (目黒区美術館)
よみがえる幻の壁画たち レオナール・フジタ展 (そごう美術館)
<2 フジタの子どもたち-アトリエのなかの物語>
第二次世界大戦の際、戦争画を積極的に描いた藤田は戦後に戦争協力をしたと誹謗中傷を受け、その責任を取る形で日本を去りニューヨーク経由でパリに戻り、2度と日本に帰らないと決心したそうです。藤田はパリを拠点をして子供を主題とした絵画を数多く手がけ、ここにはそうした作品が並んでいました。
2-20 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「朝の買い物」
長いフランスパンとミルクの入った容器を持つ少女が描かれた作品です。顔は白いけど乳白色の頃とは違い、デフォルメされた感じかな。晩年の画風がよく出ていると思います。 解説によると、着ているものは年配が着るような服らしく、顔つきもパリの子どもとは違っているようで、これは憧れの空想の世界を描いているとのことです。この頃にはかつて親しくしていた画家たちは亡くなったか亡命してパリには姿がなく、エコール・ド・パリの時代も幻影となっていたようで、(その反動で?)空想の世界を描いているのではないかとのことでした。また、裏には君代(夫人)のためにとあるらしく、子供のできなかった2人の子供なのではないかと考えられるようです。見た目は結構可愛らしいですが、藤田の苦難も反映されているのかな…。ちょっと寂しいエピソードでした。
2-17 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「誕生日」 ★こちらで観られます
これは今回のポスターにもなっている作品で、丸いテーブルに向かう子どもたちが描かれ、中央にはケーキが置かれ誕生会のようです。奥には花飾りをつけておめかししている子がいて、このパーティーの主役かな? 窓の外には入りきれなかった子どもたちが中の様子を伺っている様子も描かれています。何故かテーブルの子たちはバラバラな視線で無表情に見えるのですが、これはフランスの個人主義の特徴が描かれているとのことでした。見た目は子供だけど、憮然とした感じであまり可愛くない…w
2-1 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「私たちの家」 ★こちらで観られます
2-2 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「私のアトリエ」
これらは藤田が作った箱のような形の家の模型で、「私たちの家」はフランスの田舎を思い出しながら作ったものです。細かい家具なども作られていて藤田の器用さが伺えます。こういう家に住みたいという理想の家のようで、素朴ながらも洒落ていて暖かみがある家となっていました。一方、「私のアトリエ」は現実のアトリエを模したものらしく、こちらも精巧に出来ていました。
2-10 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「室内」 ★こちらで観られます
これは先ほどの「私たちの家」とそっくりの室内を描いた作品です。窓の位置、階段、暖炉など模型を描いたのではないかと思います。これと似た作品をいくつか観たことがあるので、もしかしたら何枚も描いているのかも??
この近くには猫を描いた作品もありました。藤田は猫をよく描いていましたが、戦後は猫を描く機会は減っていたようです。その理由は分からないようですが、一説によると君代夫人が犬派だったのが理由では?とのことでしたw
2-3 2-4 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「植物のなかの裸婦」
これは2枚対の作品で、右は正面を向いて立つ裸婦、左は胸に手を当てて微笑む裸婦のやや横向きの姿が描かれています。正面を向く裸婦は若干固い表情に見えるかな。両方とも乳白色ではなく伝統的な西洋画の陰影がつけられていて、植物が巻き付いていて、周りにも沢山の植物があります。解説によると、左の裸婦の植物は枯れかけていて、自由を縛っていたしがらみから開放されることを願っているのではないかとのことです。結構この時期の作品には戦争画を批判されたことへの苦悩や、空想・憧れのようなものが伺えるようです…。
この近くにはカトリックに改宗した後に作った十字架などもありました。また少し先には阿部徹雄による1952年の藤田の写真もありました。阿部はその10年前に戦争記録画を描く藤田を手厚くもてなしていたそうで、藤田はその恩を感じていたそうです。パリでの活動の様子が展示されていました。
<3 小さな職人たち-フランスへの讃歌>
最後の3章は「小さな職人たち」という晩年に描いた職人尽とも言える子どもたちを描いた作品が並ぶコーナーです。15cm四方のタイル上のパネルに描かれ、200枚以上あるそうです。ここは個別ではなく簡単にご紹介すると、メジャーな職業は勿論、結構マイナーな職業も描かれていて、コルセット職人などフランスならではの職業もあります。
少し進むと路上の職業があり、風船売りや屑拾い、スリ、浮浪者など生活の苦しそうなものもあります。子供の姿で描かれているけど、哀しみとも慈しみとも取れるような雰囲気でした。
その後には守銭奴や噂好き、囚人、狂気などこれは職業なのか?というものもありますw 裸で傘をさしている絵があり、これは何だろ??と思ったら「億万長者」でしたw 変態にしか見えない…。
更に進むと詩人やモデル、天才といったアーティストたちが描かれた作品が並んでいました。また、スペイン製のアンティークの扉にはめ込まれているパネルを再現したものがあり、藤田は扉に自分の作品をはめ込んでいたようです。最後にはそうしたパネルらしき作品が並び、縦長・横長に様々な子どもたちがまた違ったデフォルメで描かれていました。
ということで、藤田の代表的な作風と晩年の作品を楽しむことができました。特に3章は中々観る機会がないので貴重だと思います。藤田が好きな方は是非どうぞ。
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前回ご紹介したお店でお茶した後、渋谷へ移動してBunkamuraザ・ミュージアムで「レオナール・フジタ ― ポーラ美術館コレクションを中心に」を観てきました。メモを多めに取ってきましたので、前編・後編にわけてご紹介しようと思います。

【展覧名】
レオナール・フジタ ― ポーラ美術館コレクションを中心に
【公式サイト】
http://www.tbs.co.jp/leonardfoujitaten/
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_fujita.html
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_fujita/index.html
【会場】Bunkamuraザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅/京王井の頭線神泉駅
【会期】2013/8/10(土)~10/14(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日16時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
意外と空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、今回の展示は1920年代のパリに集まったエコール・ド・パリと呼ばれる画家たちの中で、日本の技法を応用した独自の画風で人気画家となった藤田嗣治(後にフランスに帰化・カトリックの洗礼を受けてレオナール・フジタになる)に関する展示です。藤田嗣治は東京美術学校(現在の東京芸術大学)を卒業するとパリで画家として成功するのを夢見て1913年に渡仏し、最初はピカソのキュビスムやアンリ・ルソーの絵画に傾倒したそうです。しかし次第にパリの画壇で注目を集めていた画家との交流を通して独自の芸術を模索するようになったようで、1920年代始めには乳白色のカンヴァスに日本の筆と墨を用いて描く独自の手法を完成させました。これは後に「素晴らしき乳白色」と賞賛される画風で、裸婦像をサロン・ドートンヌなどに出品しやがて人気画家へとなっていきました。
今回の展覧会は主に箱根のポーラ美術館の所蔵品で構成され、3つの章に分かれていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
参考記事:
ポーラ美術館の常設(2010年秋)
ポーラ美術館コレクション展 印象派とエコール・ド・パリ 感想前編(横浜美術館)
ポーラ美術館コレクション展 印象派とエコール・ド・パリ 感想後編(横浜美術館)
ポーラ美術館の常設
藤田嗣治と愛書都市パリ -花ひらく挿絵本の世紀- (松濤美術館)
藤田嗣治-東京・ニューヨーク・パリ (目黒区美術館)
よみがえる幻の壁画たち レオナール・フジタ展 (そごう美術館)
<1 モンパルナスのフジタ-「素晴らしき乳白色」の誕生>
まずはパリで人気を博した「素晴らしき乳白色」の作品などが並ぶコーナーです。他にもパリのモンパルナスで活躍したモディリアーニやキスリングといった仲間の作品、影響を受けたアンリ・ルソーの作品などもありました。
1-2 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「巴里城門」
荷馬車がパリの城門に向かう光景を描いた作品で、褐色がかっていて単純化された画風となっています。まだパリに来たばかりの頃に描かれたようで、アンリ・ルソーの素朴な作品から影響を受けているのがよく分かり、郷愁を感じさせます。解説によると、藤田はこの光景を東京を思わせると言って描いていたようで、この作品が出来た際に大傑作だと喜んだそうですが、後に生活が苦しくなった時期に僅かな値段(1円足らず)で売ってしまいました。しかし、その19年後にアルゼンチンの画廊で偶然この作品を見つけ、850円(今の価値で600万円)で買い戻し、生涯大切にしたそうです。中々数奇な運命の作品のようです。
この近くには藤田の自画像もありました。おかっぱに丸眼鏡がトレードマークで、手先の器用さも特徴かな。
1-5 アンリ・ルソー 「廃墟のある風景」
これは藤田が影響を受けた独学の日曜画家アンリ・ルソーの作品で、壁だけ残っている廃墟と教会、手前に道行く人などが描かれています。歩いている人はおもちゃの人形みたいにちょこんとしていて素朴な印象を受けます。色は明るめでどこか温かみを感じるような作品でした。
参考記事:アンリ・ルソー パリの空の下で ルソーとその仲間たち (ポーラ美術館)
なお、藤田はアンリ・ルソーの自由なスタイルを観て、「絵画とはかくまで自由なものだ」と言って衝撃を受けていたそうで、それまで使っていた絵の具の箱を床に叩きつけて再出発を誓ったそうです。ルソーは計算ではなく天然な人なので、東京美術学校できっちり学んだ人には驚きの世界だったでしょうねw
1-15 アメデオ・モディリアーニ 「ルニア・チェホフスカの肖像」 ★こちらで観られます
こちらはモンパルナスで知り合って親友となったモディリアーニの作品で、白いブラウスを着た女性が描かれています。首が非常に長く、目は青目となっていてアフリカの彫刻を思わせる風貌はモディリアーニならではの作風です。この女性は親しくしていたようで気品ある雰囲気に描かれていました。
この近くにはモディリアーニの「婦人像(C.D.婦人)」や「ルネ」などもあって得した気分です。 他にも、早くから知り合っていたモイーズ・キスリングの裸婦像や、シテ・ファルギエールという共同アトリエで貧乏画家時代を共にし弟のように可愛がっていたシャイム・スーティンの子供の肖像、パリの一流の画家とみなして友人となったジュール・パスキンの少女像などもありました。予想以上に周辺画家の作品も豪華です。
1-9 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「座る女性と猫」
左手を頭の上に上げて座っている女性と、その脇で横たわりこちらをじっと見ている猫を描いた作品です。乳白色の下地に極細の輪郭線で描かれ、これぞエコール・ド・パリの藤田といった感じかな。髪の生え際や猫の毛も丁寧に描かれ、優美な印象を受けました。藤田が名声を不動にしていった頃に描かれた作品のようでした。
1-8 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「タピスリーの裸婦」 ★こちらで観られます
これは先ほどの作品とよく似た裸婦像で、隣り合って展示されていました。頭の上に手を挙げてベッドに座る裸婦と、脇に寝ている猫が描かれていて、違う点を挙げると背景が花がらのタピスリーになっているのが華やかで目立ちます。また、こちらは女性の肌が乳白色で、対角線上に足を伸ばすような感じで、より艶かしい雰囲気に思えました。
この近くには同様の乳白色の裸婦像が2点展示されていました。
続いては写真家の土門拳が藤田を撮った写真が並ぶコーナーです。藤田は自分の乳白色の技法を秘密にしていたのですが、土門拳は乳白色の秘密を知りたいと思い撮影許可をお願いした所、「君には手法を盗まれる心配はない」(画家ではなく写真家だから)と許したそうです。しかし後に土門拳が撮った写真によって、技法が明らかになったらしく、写真の中に当時ベビーパウダーとして商品化されていたシッカロールの缶が写っていたようです。藤田はそのシッカロールを下地の表面に使い、それによって柔らかな線が描けるようになったらしく、「面相筆で猫を描くフジタ」という写真には確かに缶が写り込んでいるのが確認できました。
この辺には他にも面相筆で絵を描いているところや脱脂綿で画面をする様子の写真などがあり、写真に写っていたのと同じ缶のシッカロールも展示されていて、タルク(ベビーパウダーの主成分)を施した場合と施さない場合を比較して描いた例もありました。その有無でだいぶ印象が違って見え、使用することで光沢がある滑らかな線が描けるのが分かり、藤田の秘密の一端を垣間見た感じがしました。
参考記事:
よみがえる不朽の名作 土門拳の『古寺巡礼』 (FUJIFILM SQUARE フジフイルム スクエア)
土門拳 作品展「室生寺」 (FUJIFILM SQUARE フジフイルム スクエア)
1-13 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「仰臥裸婦」
これは裸婦がベッドの上で仰け反るような感じで両手をベッドの下に投げ出し、髪を垂らして寝ている様子を描いた作品です。足元には猫の姿もあり、乳白色を下地に細い線で輪郭をつけています。このモデルは4番目の妻リュシュー・バドゥー(通称ユキ)らしく、ドラマチックなポーズが優美で、透き通るような気品を感じました。
1-10 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「女眠る」
こちらは先ほどの「仰臥裸婦」の隣にあった作品で、全く同じポーズの女性が描かれ、一見すると同じ人物を描いた習作のように思えます。しかしよくよく観ると顔が違っていて、実はこちらは3番目の妻マドレーヌ・ルクーを描いたもののようです。この妻はシュルレアリスムの芸術家との恋を選び藤田の元を去ったそうで、同じような作品2枚の間にそうした人間ドラマがあったようです…。近くで見ると面相筆で描かれた輪郭はかなりくっきりしていて、しなやかな感じを受けました。
この近くには「小児」と呼ばれる様々な少女像を描いた版画集が展示されていました。乳白色を再現したもので、見た感じだと油彩と同じような再現性で驚きました。
ということで、前半は有名な乳白色の作風を堪能することができました。意外な周辺画家の名作も観ることができて満足な内容です。後半はまた違った晩年の藤田の魅力について取り上げていましたので、次回はそれについてご紹介しようと思います。
→ 後編はこちら
参照記事:★この記事を参照している記事

【展覧名】
レオナール・フジタ ― ポーラ美術館コレクションを中心に
【公式サイト】
http://www.tbs.co.jp/leonardfoujitaten/
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_fujita.html
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_fujita/index.html
【会場】Bunkamuraザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅/京王井の頭線神泉駅
【会期】2013/8/10(土)~10/14(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日16時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
意外と空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、今回の展示は1920年代のパリに集まったエコール・ド・パリと呼ばれる画家たちの中で、日本の技法を応用した独自の画風で人気画家となった藤田嗣治(後にフランスに帰化・カトリックの洗礼を受けてレオナール・フジタになる)に関する展示です。藤田嗣治は東京美術学校(現在の東京芸術大学)を卒業するとパリで画家として成功するのを夢見て1913年に渡仏し、最初はピカソのキュビスムやアンリ・ルソーの絵画に傾倒したそうです。しかし次第にパリの画壇で注目を集めていた画家との交流を通して独自の芸術を模索するようになったようで、1920年代始めには乳白色のカンヴァスに日本の筆と墨を用いて描く独自の手法を完成させました。これは後に「素晴らしき乳白色」と賞賛される画風で、裸婦像をサロン・ドートンヌなどに出品しやがて人気画家へとなっていきました。
今回の展覧会は主に箱根のポーラ美術館の所蔵品で構成され、3つの章に分かれていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
参考記事:
ポーラ美術館の常設(2010年秋)
ポーラ美術館コレクション展 印象派とエコール・ド・パリ 感想前編(横浜美術館)
ポーラ美術館コレクション展 印象派とエコール・ド・パリ 感想後編(横浜美術館)
ポーラ美術館の常設
藤田嗣治と愛書都市パリ -花ひらく挿絵本の世紀- (松濤美術館)
藤田嗣治-東京・ニューヨーク・パリ (目黒区美術館)
よみがえる幻の壁画たち レオナール・フジタ展 (そごう美術館)
<1 モンパルナスのフジタ-「素晴らしき乳白色」の誕生>
まずはパリで人気を博した「素晴らしき乳白色」の作品などが並ぶコーナーです。他にもパリのモンパルナスで活躍したモディリアーニやキスリングといった仲間の作品、影響を受けたアンリ・ルソーの作品などもありました。
1-2 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「巴里城門」
荷馬車がパリの城門に向かう光景を描いた作品で、褐色がかっていて単純化された画風となっています。まだパリに来たばかりの頃に描かれたようで、アンリ・ルソーの素朴な作品から影響を受けているのがよく分かり、郷愁を感じさせます。解説によると、藤田はこの光景を東京を思わせると言って描いていたようで、この作品が出来た際に大傑作だと喜んだそうですが、後に生活が苦しくなった時期に僅かな値段(1円足らず)で売ってしまいました。しかし、その19年後にアルゼンチンの画廊で偶然この作品を見つけ、850円(今の価値で600万円)で買い戻し、生涯大切にしたそうです。中々数奇な運命の作品のようです。
この近くには藤田の自画像もありました。おかっぱに丸眼鏡がトレードマークで、手先の器用さも特徴かな。
1-5 アンリ・ルソー 「廃墟のある風景」
これは藤田が影響を受けた独学の日曜画家アンリ・ルソーの作品で、壁だけ残っている廃墟と教会、手前に道行く人などが描かれています。歩いている人はおもちゃの人形みたいにちょこんとしていて素朴な印象を受けます。色は明るめでどこか温かみを感じるような作品でした。
参考記事:アンリ・ルソー パリの空の下で ルソーとその仲間たち (ポーラ美術館)
なお、藤田はアンリ・ルソーの自由なスタイルを観て、「絵画とはかくまで自由なものだ」と言って衝撃を受けていたそうで、それまで使っていた絵の具の箱を床に叩きつけて再出発を誓ったそうです。ルソーは計算ではなく天然な人なので、東京美術学校できっちり学んだ人には驚きの世界だったでしょうねw
1-15 アメデオ・モディリアーニ 「ルニア・チェホフスカの肖像」 ★こちらで観られます
こちらはモンパルナスで知り合って親友となったモディリアーニの作品で、白いブラウスを着た女性が描かれています。首が非常に長く、目は青目となっていてアフリカの彫刻を思わせる風貌はモディリアーニならではの作風です。この女性は親しくしていたようで気品ある雰囲気に描かれていました。
この近くにはモディリアーニの「婦人像(C.D.婦人)」や「ルネ」などもあって得した気分です。 他にも、早くから知り合っていたモイーズ・キスリングの裸婦像や、シテ・ファルギエールという共同アトリエで貧乏画家時代を共にし弟のように可愛がっていたシャイム・スーティンの子供の肖像、パリの一流の画家とみなして友人となったジュール・パスキンの少女像などもありました。予想以上に周辺画家の作品も豪華です。
1-9 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「座る女性と猫」
左手を頭の上に上げて座っている女性と、その脇で横たわりこちらをじっと見ている猫を描いた作品です。乳白色の下地に極細の輪郭線で描かれ、これぞエコール・ド・パリの藤田といった感じかな。髪の生え際や猫の毛も丁寧に描かれ、優美な印象を受けました。藤田が名声を不動にしていった頃に描かれた作品のようでした。
1-8 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「タピスリーの裸婦」 ★こちらで観られます
これは先ほどの作品とよく似た裸婦像で、隣り合って展示されていました。頭の上に手を挙げてベッドに座る裸婦と、脇に寝ている猫が描かれていて、違う点を挙げると背景が花がらのタピスリーになっているのが華やかで目立ちます。また、こちらは女性の肌が乳白色で、対角線上に足を伸ばすような感じで、より艶かしい雰囲気に思えました。
この近くには同様の乳白色の裸婦像が2点展示されていました。
続いては写真家の土門拳が藤田を撮った写真が並ぶコーナーです。藤田は自分の乳白色の技法を秘密にしていたのですが、土門拳は乳白色の秘密を知りたいと思い撮影許可をお願いした所、「君には手法を盗まれる心配はない」(画家ではなく写真家だから)と許したそうです。しかし後に土門拳が撮った写真によって、技法が明らかになったらしく、写真の中に当時ベビーパウダーとして商品化されていたシッカロールの缶が写っていたようです。藤田はそのシッカロールを下地の表面に使い、それによって柔らかな線が描けるようになったらしく、「面相筆で猫を描くフジタ」という写真には確かに缶が写り込んでいるのが確認できました。
この辺には他にも面相筆で絵を描いているところや脱脂綿で画面をする様子の写真などがあり、写真に写っていたのと同じ缶のシッカロールも展示されていて、タルク(ベビーパウダーの主成分)を施した場合と施さない場合を比較して描いた例もありました。その有無でだいぶ印象が違って見え、使用することで光沢がある滑らかな線が描けるのが分かり、藤田の秘密の一端を垣間見た感じがしました。
参考記事:
よみがえる不朽の名作 土門拳の『古寺巡礼』 (FUJIFILM SQUARE フジフイルム スクエア)
土門拳 作品展「室生寺」 (FUJIFILM SQUARE フジフイルム スクエア)
1-13 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「仰臥裸婦」
これは裸婦がベッドの上で仰け反るような感じで両手をベッドの下に投げ出し、髪を垂らして寝ている様子を描いた作品です。足元には猫の姿もあり、乳白色を下地に細い線で輪郭をつけています。このモデルは4番目の妻リュシュー・バドゥー(通称ユキ)らしく、ドラマチックなポーズが優美で、透き通るような気品を感じました。
1-10 レオナール・フジタ(藤田嗣治) 「女眠る」
こちらは先ほどの「仰臥裸婦」の隣にあった作品で、全く同じポーズの女性が描かれ、一見すると同じ人物を描いた習作のように思えます。しかしよくよく観ると顔が違っていて、実はこちらは3番目の妻マドレーヌ・ルクーを描いたもののようです。この妻はシュルレアリスムの芸術家との恋を選び藤田の元を去ったそうで、同じような作品2枚の間にそうした人間ドラマがあったようです…。近くで見ると面相筆で描かれた輪郭はかなりくっきりしていて、しなやかな感じを受けました。
この近くには「小児」と呼ばれる様々な少女像を描いた版画集が展示されていました。乳白色を再現したもので、見た感じだと油彩と同じような再現性で驚きました。
ということで、前半は有名な乳白色の作風を堪能することができました。意外な周辺画家の名作も観ることができて満足な内容です。後半はまた違った晩年の藤田の魅力について取り上げていましたので、次回はそれについてご紹介しようと思います。
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前回ご紹介した写美の展示を見た後、恵比寿駅のアトレの中にある千疋屋でお茶をしてきました。

【店名】
千疋屋 アトレ恵比寿店
【ジャンル】
カフェ
【公式サイト】
http://www.senbikiya.co.jp/ebisu.html
食べログ:http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13014282/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
JR・東京メトロ 恵比寿駅
【近くの美術館】
山種美術館
東京都写真美術館
【この日にかかった1人の費用】
1500円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日15時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
混んでいて店の前で15分くらい待ちました。ここはいつも混んでいるように思います。
さて、このお店は高級フルーツで有名な千疋屋のカフェです。千疋屋さんは都内に20店程度の支店があるのですが、ここは特に混んでいるイメージがあったのでかなり久々に訪れました(ブログを始める前以来かな??)
参考記事:
千疋屋 原宿店 (原宿界隈のお店)
千疋屋 京橋本店 (京橋界隈のお店)
Caffe di FESTA (三越前界隈のお店)
店内はこんな感じ

決して狭くはないのですが、人気で満席です。アトレの中なので若干ガヤガヤした感じが聞こえてきます。
この日は連れと一緒に季節のアフタヌーンティーセット(2200円)を1つ頼み、それとは別にコーヒー(600円)を頼みました。
これがアフタヌーンティーセット。原宿で食べた時とだいぶ違っています。

上段:季節のカットフルーツ盛り合わせ
中段:千疋屋特製プリンとアイスクリーム又は本日のデザート
下段:季節のワッフル(又は季節のサンドイッチ)
これに飲み物(コーヒーまたは紅茶)がつきます。2人でちょうど良いくらいの量でしたw
まずはカットフルーツ。

どれも上品で爽やかな甘味があり、美味しいです。特にキウイが好みでした。
続いて中段。

ベリー系が大好物なのでこちらも楽しめたのですが、一番美味しかったのはちょこっと写っているぶどうでしたw ルビーロマンだったかな。
最後に下段。

こちらのワッフルは甘さ控えめでした。桃は香りも良くジューシーで美味しかったです。
私の飲み物は別で頼んだコーヒー。

軽い苦味と若干強めのコクがあり、好みでした。甘いものが多いのでちょうど良かった。
連れは紅茶でした。

こちらも香りが良く美味しかったそうです。
ということで、美味しいフルーツを堪能することができました。人気過ぎて混むのが難点ですが、安定して美味しいものが頂けるので千疋屋は重宝します。場所も便利なので、様々な時に使えそうなお店です。

【店名】
千疋屋 アトレ恵比寿店
【ジャンル】
カフェ
【公式サイト】
http://www.senbikiya.co.jp/ebisu.html
食べログ:http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13014282/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
JR・東京メトロ 恵比寿駅
【近くの美術館】
山種美術館
東京都写真美術館
【この日にかかった1人の費用】
1500円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日15時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
混んでいて店の前で15分くらい待ちました。ここはいつも混んでいるように思います。
さて、このお店は高級フルーツで有名な千疋屋のカフェです。千疋屋さんは都内に20店程度の支店があるのですが、ここは特に混んでいるイメージがあったのでかなり久々に訪れました(ブログを始める前以来かな??)
参考記事:
千疋屋 原宿店 (原宿界隈のお店)
千疋屋 京橋本店 (京橋界隈のお店)
Caffe di FESTA (三越前界隈のお店)
店内はこんな感じ

決して狭くはないのですが、人気で満席です。アトレの中なので若干ガヤガヤした感じが聞こえてきます。
この日は連れと一緒に季節のアフタヌーンティーセット(2200円)を1つ頼み、それとは別にコーヒー(600円)を頼みました。
これがアフタヌーンティーセット。原宿で食べた時とだいぶ違っています。

上段:季節のカットフルーツ盛り合わせ
中段:千疋屋特製プリンとアイスクリーム又は本日のデザート
下段:季節のワッフル(又は季節のサンドイッチ)
これに飲み物(コーヒーまたは紅茶)がつきます。2人でちょうど良いくらいの量でしたw
まずはカットフルーツ。

どれも上品で爽やかな甘味があり、美味しいです。特にキウイが好みでした。
続いて中段。

ベリー系が大好物なのでこちらも楽しめたのですが、一番美味しかったのはちょこっと写っているぶどうでしたw ルビーロマンだったかな。
最後に下段。

こちらのワッフルは甘さ控えめでした。桃は香りも良くジューシーで美味しかったです。
私の飲み物は別で頼んだコーヒー。

軽い苦味と若干強めのコクがあり、好みでした。甘いものが多いのでちょうど良かった。
連れは紅茶でした。

こちらも香りが良く美味しかったそうです。
ということで、美味しいフルーツを堪能することができました。人気過ぎて混むのが難点ですが、安定して美味しいものが頂けるので千疋屋は重宝します。場所も便利なので、様々な時に使えそうなお店です。
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この前の土曜日に、恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館で、「岩合光昭写真展 ネコライオン」を観てきました。

【展覧名】
岩合光昭写真展 ネコライオン
【公式サイト】
http://syabi.com/contents/exhibition/index-1935.html
【会場】東京都写真美術館
【最寄】恵比寿駅
【会期】2013年8月10日(土)~10月20日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_4_⑤_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
お客さんは多めでしたが、混んでいるわけでもなく自分のペースで鑑賞することができました。つい先日のヒカリエの展示と比べると落ち着いている感じです。
さて、今回の展示は最近 個展が相次いで開催されている岩合光昭 氏の写真展で、「ネコは小さなライオンだ。ライオンは大きなネコだ。」をテーマに猫とライオンの写真を比較しながら見ていくという趣向となっています。岩合光昭 氏はNHK BSの「世界ネコ歩き」という番組で人気を博している方で、猫の他にも様々な野生動物を世界中を舞台に撮り続けているようです。
展示は五感を元に章が分かれていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
参考記事:
ねこ歩き 岩合光昭写真展 (日本橋三越)
岩合光昭写真展 ~ねこ~ (渋谷ヒカリエ)
<視>
まずは視覚に関する写真が並ぶコーナーです。基本的に猫の写真とライオンの写真が1枚ずつセットで対になるように展示されています(この章以降も同様)
3 岩合光昭 ネコ「ヒトの暮らしには扉というものが存在します。」
4 岩合光昭 ライオン「暮らしには隠れる場所も必要です。」
扉から顔をひょこっと出す白猫の写真と、岩場の影から覗いている子供のライオンの写真が並んで展示されています。どちらもじっとこちらを見る様子で、鏡合わせのようなポーズになっています。この2枚だけでも猫とライオンの共通点が垣間見られるように思えました。
13 岩合光昭 ネコ「母親は子の隠し場所をたびたび移します。」 ★こちらで観られます
14 岩合光昭 ライオン「子は母親にくわえられると全身の力を抜きます。」 ★こちらで観られます
子供をくわえて道を歩くしましまの猫の写真と、子供をくわえてサバンナを歩く雌ライオンの写真が並んで展示されています。両者共に首の辺りをかぷっと噛んで運んでいる姿が微笑ましく、子供は力を抜いてぬいぐるみのようにぶら~っとしているのが何とも可愛らしいです。解説によると、親猫は慎重に噛む場所を選んでいるのだとか。
この近くには親子で移動する様子、伸びをする様子、群れている様子、ジャンプする様子、高いところで寝てる様子、喧嘩している様子 などの写真もセットで並んでいました。
43 岩合光昭 ネコ「全身の感覚で周囲を確かめています。」
44 岩合光昭 ライオン「獲物へと導くひとつにアフリカハゲコウの動きがあります。」
犬の散歩をじっと見ている猫の後ろ姿の写真と、奥にいるアフリカハゲコウ(大きな鳥)をじっと見ているライオンの後ろ姿の写真が並んで展示されています。どちらも犬のお座りみたいなポーズに見えますが、緊張しているようです。アフリカハゲコウは肉食なので追いかけると肉にありつける時もあるらしく、じっと様子を伺っているようでした。
<触>
続いては五感のうちの触覚に関するコーナーです。
45 岩合光昭 ネコ「いつもの場所で爪を研ぎます。」
46 岩合光昭 ライオン「爪を研ぐ場所は決まっていません。」
うつ伏せで猫が爪を立てて爪とぎしている写真と、ライオンが同じポーズで爪とぎをしている写真が並んでいます。仕草自体は似ていますが、猫はいつも決まった場所で爪とぎをする一方でライオンは場所は決まっていないとのことでした。これも何かを見つめていて緊張感があるように思いました。
この辺には遊んでいる様子、集まって寝ている様子、母親の尻尾で遊ぶ様子、仰向けになっている様子、ぶるぶるしている様子など、やはり似た仕草をしている猫とライオンの写真がありました。子猫・子ライオンの写真は特に可愛いです。
67 岩合光昭 ネコ「後ろ脚の動きが刺激になって舌が出ます。」
68 岩合光昭 ライオン「タテガミを舌で整えることもあります。」
後ろ脚で首をかいている猫が目を細めて舌をぺろっと出している写真と、後ろ脚で首をかくライオンが同じように舌をべろりと出している写真が並んでいます。猫は何とも気持よさそうな顔で可愛らしいです。ライオンのほうも本当に大きな猫みたいに見えました。 そう言えば犬もこういう仕草をするような…。
75 岩合光昭 ネコ「親がいるから子は安心しています。」
76 岩合光昭 ライオン「子の動きには満足感がうかがえます。」
親猫の上に乗っかる2匹の子猫の写真と、雌ライオンの上に乗る子ライオンの写真が並んでいます。子猫はみんな茶色でこっちをじっと見ている目が可愛すぎですw ライオンの方も子供は無邪気な感じですが、母は周囲を警戒しているようでした。仲睦まじい姿にほっこりします。
この辺は親子や子供同士の写真が多く、親が躾をしたり、子猫同士で遊んだり、子ライオンが仲良くしている写真が並んでいました。
<味>
続いては食べたり獲物を狙ったりする写真のコーナーです。
97 岩合光昭 ネコ「漁師がくれた魚を我が家に持ち帰ります。」
98 岩合光昭 ライオン「獲物のトムソンガゼルを子たちのところに運びます。」
海辺で魚をくわえて歩く三毛猫の写真と、小さなガゼルの子供をくわえているライオンの写真が並んでいます。どちらも同じポーズで、猫は夕日を背景にしていてちょっと凛々しく見えるかな。ライオンはさらに威厳を感じさせる風格でした。
115 岩合光昭 ネコ「食への執着は瞳孔が大きくなっていることでもうかがえます。」
116 岩合光昭 ライオン「オスの夜明け前。ハイエナから獲物のヌーを奪い取って力尽で押さえ込みます。」
これはお互いに違うポーズの写真ですが、狩りのシーンを捉えているセットです。(猫の方は他の展示で見た覚えがあるかな。)猫の写真は白黒の猫が赤い漁網にかかった魚を引っ張っている様子で、目を見開いて物凄い形相となっていて、猫の中の野生が強く出ているように思います。一方、ライオンの写真は角の生えたヌーを前足で押さえつけて噛み付いているようすで、荒々しい雰囲気です。解説によると、このヌーは元々ハイエナが狩りしていたのをライオンが奪いとったそうです。迫力ある場面となっていました。
111 岩合光昭 ネコ「食に集中しています。」
112 岩合光昭 ライオン「うなり声が闇に響きます。」
12~13匹くらいの猫が輪になって中央の餌に群がっている様子の写真と、ライオンも同じように輪になってヌーを食べている様子の写真が並んでいます。猫はこういう姿を見たことがありますが、上下関係がありそうなライオンもこうして食べているのは意外に思いました。解説によると、どうやら家族のようで雄も雌も一緒に食べていました。こういう生態を知ることができるのも面白いです。
<嗅>
続いては匂いに関する仕草に関するコーナーです。
125 岩合光昭 ネコ「がっちゃんの得意なポーズです。」 ★こちらで観られます
126 岩合光昭 ライオン「あくびをして緊張を解こうとしています。」 ★こちらで観られます
茶色と白の猫があくびをしている写真と、雌ライオンがあくびをしている写真が並んでいます。この猫は「がっちゃん」という名前らしく、山で武者修行?をしてきたという武勇伝の持ち主だそうです。目を細めて舌を出し牙が見えているのが可愛いような、ちょっとふてぶてしいような風格のある猫でした。一方の雌ライオンは雄のおしっこの匂いをかいでリラックスしているようでした。奇跡的なまでに両者が似た表情をしていて面白かったです。
この近くにも同じくあくびをしている写真が並んでいました。
135 岩合光昭 ネコ「恍惚としているのでしょうか。」
136 岩合光昭 ライオン「メスが動けばオスも動きます。」
雌のお尻を嗅いでいる猫と、雌のお尻を嗅いでいる雄ライオンの写真が並んでいます。これは求愛の様子なのかな? その結果は雌の機嫌次第のようです。こうした行動まで似ていて、ますます猫とライオンの共通性が感じられました。
<聴>
最後は聴覚に関する写真のコーナーです。
163 岩合光昭 ネコ「鳴いてうったえる効果を知っています。」
164 岩合光昭 ライオン「大きな鳴き声が太く吠える声を育てるようです。」
子猫が口を大きく開けて鳴いている様子の写真と、子ライオンが鳴いている様子の写真が並んでいます。猫のほうは目が黒目だけで、訴えかけているような感じが何とも可愛らしいです。一方の子ライオンはお留守番中に撮ったものらしく、岩合さんに対して甘えているのか怒っているのかわからないようです。近づいて撮るのに夢中になっていたら母ライオンが帰ってきて、ちょっと危なかったようですw 危害を与えていないのが分かると大目に見てくれたようで何より。
この近くにはお昼寝している子と見張る母の写真などもありました。
174 岩合光昭 ネコ「待ち侘びるヒトがいます。」
175 岩合光昭 ライオン「なわばりの境界線に立ちます。」
夕日の水辺を歩く猫の写真と、夕暮れを背景にした雌ライオンの写真が並んでいます。猫の方は優しい人が近くにいるらしく、スタスタと向かっていっているようです。一方でライオンは獲物の動きをじっと聴いて探っているとのことでした。両方とも夕暮れが背景のせいかちょっと哀愁があるように見えました。
ということで、非常に可愛らしい写真が多く並ぶ展示でした。可愛いだけでなく、生態をよく観察し熟知していることも伺えて興味深い内容です。これだけ証拠を出されると確かに猫とライオンは似ている…と思うようになりましたw この展示もさらに人気が出てくると思いますので、気になる方はお早めにどうぞ。
参照記事:★この記事を参照している記事

【展覧名】
岩合光昭写真展 ネコライオン
【公式サイト】
http://syabi.com/contents/exhibition/index-1935.html
【会場】東京都写真美術館
【最寄】恵比寿駅
【会期】2013年8月10日(土)~10月20日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_4_⑤_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
お客さんは多めでしたが、混んでいるわけでもなく自分のペースで鑑賞することができました。つい先日のヒカリエの展示と比べると落ち着いている感じです。
さて、今回の展示は最近 個展が相次いで開催されている岩合光昭 氏の写真展で、「ネコは小さなライオンだ。ライオンは大きなネコだ。」をテーマに猫とライオンの写真を比較しながら見ていくという趣向となっています。岩合光昭 氏はNHK BSの「世界ネコ歩き」という番組で人気を博している方で、猫の他にも様々な野生動物を世界中を舞台に撮り続けているようです。
展示は五感を元に章が分かれていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
参考記事:
ねこ歩き 岩合光昭写真展 (日本橋三越)
岩合光昭写真展 ~ねこ~ (渋谷ヒカリエ)
<視>
まずは視覚に関する写真が並ぶコーナーです。基本的に猫の写真とライオンの写真が1枚ずつセットで対になるように展示されています(この章以降も同様)
3 岩合光昭 ネコ「ヒトの暮らしには扉というものが存在します。」
4 岩合光昭 ライオン「暮らしには隠れる場所も必要です。」
扉から顔をひょこっと出す白猫の写真と、岩場の影から覗いている子供のライオンの写真が並んで展示されています。どちらもじっとこちらを見る様子で、鏡合わせのようなポーズになっています。この2枚だけでも猫とライオンの共通点が垣間見られるように思えました。
13 岩合光昭 ネコ「母親は子の隠し場所をたびたび移します。」 ★こちらで観られます
14 岩合光昭 ライオン「子は母親にくわえられると全身の力を抜きます。」 ★こちらで観られます
子供をくわえて道を歩くしましまの猫の写真と、子供をくわえてサバンナを歩く雌ライオンの写真が並んで展示されています。両者共に首の辺りをかぷっと噛んで運んでいる姿が微笑ましく、子供は力を抜いてぬいぐるみのようにぶら~っとしているのが何とも可愛らしいです。解説によると、親猫は慎重に噛む場所を選んでいるのだとか。
この近くには親子で移動する様子、伸びをする様子、群れている様子、ジャンプする様子、高いところで寝てる様子、喧嘩している様子 などの写真もセットで並んでいました。
43 岩合光昭 ネコ「全身の感覚で周囲を確かめています。」
44 岩合光昭 ライオン「獲物へと導くひとつにアフリカハゲコウの動きがあります。」
犬の散歩をじっと見ている猫の後ろ姿の写真と、奥にいるアフリカハゲコウ(大きな鳥)をじっと見ているライオンの後ろ姿の写真が並んで展示されています。どちらも犬のお座りみたいなポーズに見えますが、緊張しているようです。アフリカハゲコウは肉食なので追いかけると肉にありつける時もあるらしく、じっと様子を伺っているようでした。
<触>
続いては五感のうちの触覚に関するコーナーです。
45 岩合光昭 ネコ「いつもの場所で爪を研ぎます。」
46 岩合光昭 ライオン「爪を研ぐ場所は決まっていません。」
うつ伏せで猫が爪を立てて爪とぎしている写真と、ライオンが同じポーズで爪とぎをしている写真が並んでいます。仕草自体は似ていますが、猫はいつも決まった場所で爪とぎをする一方でライオンは場所は決まっていないとのことでした。これも何かを見つめていて緊張感があるように思いました。
この辺には遊んでいる様子、集まって寝ている様子、母親の尻尾で遊ぶ様子、仰向けになっている様子、ぶるぶるしている様子など、やはり似た仕草をしている猫とライオンの写真がありました。子猫・子ライオンの写真は特に可愛いです。
67 岩合光昭 ネコ「後ろ脚の動きが刺激になって舌が出ます。」
68 岩合光昭 ライオン「タテガミを舌で整えることもあります。」
後ろ脚で首をかいている猫が目を細めて舌をぺろっと出している写真と、後ろ脚で首をかくライオンが同じように舌をべろりと出している写真が並んでいます。猫は何とも気持よさそうな顔で可愛らしいです。ライオンのほうも本当に大きな猫みたいに見えました。 そう言えば犬もこういう仕草をするような…。
75 岩合光昭 ネコ「親がいるから子は安心しています。」
76 岩合光昭 ライオン「子の動きには満足感がうかがえます。」
親猫の上に乗っかる2匹の子猫の写真と、雌ライオンの上に乗る子ライオンの写真が並んでいます。子猫はみんな茶色でこっちをじっと見ている目が可愛すぎですw ライオンの方も子供は無邪気な感じですが、母は周囲を警戒しているようでした。仲睦まじい姿にほっこりします。
この辺は親子や子供同士の写真が多く、親が躾をしたり、子猫同士で遊んだり、子ライオンが仲良くしている写真が並んでいました。
<味>
続いては食べたり獲物を狙ったりする写真のコーナーです。
97 岩合光昭 ネコ「漁師がくれた魚を我が家に持ち帰ります。」
98 岩合光昭 ライオン「獲物のトムソンガゼルを子たちのところに運びます。」
海辺で魚をくわえて歩く三毛猫の写真と、小さなガゼルの子供をくわえているライオンの写真が並んでいます。どちらも同じポーズで、猫は夕日を背景にしていてちょっと凛々しく見えるかな。ライオンはさらに威厳を感じさせる風格でした。
115 岩合光昭 ネコ「食への執着は瞳孔が大きくなっていることでもうかがえます。」
116 岩合光昭 ライオン「オスの夜明け前。ハイエナから獲物のヌーを奪い取って力尽で押さえ込みます。」
これはお互いに違うポーズの写真ですが、狩りのシーンを捉えているセットです。(猫の方は他の展示で見た覚えがあるかな。)猫の写真は白黒の猫が赤い漁網にかかった魚を引っ張っている様子で、目を見開いて物凄い形相となっていて、猫の中の野生が強く出ているように思います。一方、ライオンの写真は角の生えたヌーを前足で押さえつけて噛み付いているようすで、荒々しい雰囲気です。解説によると、このヌーは元々ハイエナが狩りしていたのをライオンが奪いとったそうです。迫力ある場面となっていました。
111 岩合光昭 ネコ「食に集中しています。」
112 岩合光昭 ライオン「うなり声が闇に響きます。」
12~13匹くらいの猫が輪になって中央の餌に群がっている様子の写真と、ライオンも同じように輪になってヌーを食べている様子の写真が並んでいます。猫はこういう姿を見たことがありますが、上下関係がありそうなライオンもこうして食べているのは意外に思いました。解説によると、どうやら家族のようで雄も雌も一緒に食べていました。こういう生態を知ることができるのも面白いです。
<嗅>
続いては匂いに関する仕草に関するコーナーです。
125 岩合光昭 ネコ「がっちゃんの得意なポーズです。」 ★こちらで観られます
126 岩合光昭 ライオン「あくびをして緊張を解こうとしています。」 ★こちらで観られます
茶色と白の猫があくびをしている写真と、雌ライオンがあくびをしている写真が並んでいます。この猫は「がっちゃん」という名前らしく、山で武者修行?をしてきたという武勇伝の持ち主だそうです。目を細めて舌を出し牙が見えているのが可愛いような、ちょっとふてぶてしいような風格のある猫でした。一方の雌ライオンは雄のおしっこの匂いをかいでリラックスしているようでした。奇跡的なまでに両者が似た表情をしていて面白かったです。
この近くにも同じくあくびをしている写真が並んでいました。
135 岩合光昭 ネコ「恍惚としているのでしょうか。」
136 岩合光昭 ライオン「メスが動けばオスも動きます。」
雌のお尻を嗅いでいる猫と、雌のお尻を嗅いでいる雄ライオンの写真が並んでいます。これは求愛の様子なのかな? その結果は雌の機嫌次第のようです。こうした行動まで似ていて、ますます猫とライオンの共通性が感じられました。
<聴>
最後は聴覚に関する写真のコーナーです。
163 岩合光昭 ネコ「鳴いてうったえる効果を知っています。」
164 岩合光昭 ライオン「大きな鳴き声が太く吠える声を育てるようです。」
子猫が口を大きく開けて鳴いている様子の写真と、子ライオンが鳴いている様子の写真が並んでいます。猫のほうは目が黒目だけで、訴えかけているような感じが何とも可愛らしいです。一方の子ライオンはお留守番中に撮ったものらしく、岩合さんに対して甘えているのか怒っているのかわからないようです。近づいて撮るのに夢中になっていたら母ライオンが帰ってきて、ちょっと危なかったようですw 危害を与えていないのが分かると大目に見てくれたようで何より。
この近くにはお昼寝している子と見張る母の写真などもありました。
174 岩合光昭 ネコ「待ち侘びるヒトがいます。」
175 岩合光昭 ライオン「なわばりの境界線に立ちます。」
夕日の水辺を歩く猫の写真と、夕暮れを背景にした雌ライオンの写真が並んでいます。猫の方は優しい人が近くにいるらしく、スタスタと向かっていっているようです。一方でライオンは獲物の動きをじっと聴いて探っているとのことでした。両方とも夕暮れが背景のせいかちょっと哀愁があるように見えました。
ということで、非常に可愛らしい写真が多く並ぶ展示でした。可愛いだけでなく、生態をよく観察し熟知していることも伺えて興味深い内容です。これだけ証拠を出されると確かに猫とライオンは似ている…と思うようになりましたw この展示もさらに人気が出てくると思いますので、気になる方はお早めにどうぞ。
参照記事:★この記事を参照している記事
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この前の日曜日に、上野公園の上野の森美術館で「光のイリュージョン 魔法の美術館」を観てきました。

【展覧名】
光のイリュージョン 魔法の美術館
【公式サイト】
http://www.mahou-museum.com/
【会場】上野の森美術館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2013年9月6日(金) ~ 10月6日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
予想以上に混んでいて、チケットを買うのに30分くらい並んでいました。
チケット売り場の前はこんな感じ。始まったばかりなのに凄い行列でした。

この日は他の展示にハシゴしようと思っていましたが、この光景を見て諦めましたw
さて、この展示はすでに全国22箇所を周ってきた人気の巡回展で、東京ではわずか1ヶ月間の開催となっています。その内容は光をモチーフにした体験型の現代アートで、国内外で評価されている11組のアーティストの19点の作品が並んでいました。
この展覧会では写真・動画を撮ることもできましたので、何枚か撮ってきた写真を使って気に入った作品をご紹介しようと思います。

(参加者自身が作品の一部となるものも多めだったので、それはちょっと除外しています。)
森脇裕之 「光の波紋」

こちらは入り口付近にあった作品。近づくとセンサーが反応してチカチカと光ります。結構近寄らないと光らなかったですが、綺麗な色合いの光が波紋のように広がりました。
小松宏誠 「secret garden/his philosophy/Lifelog_mobile」

こちらは風と羽のようなものを使ったモビール(動く作品)で、空中をくるくる回りながら浮かぶ羽や、風見鶏のような羽などが展示されていました。特に浮いているのは不思議な光景で、見ていて飽きませんでした。
参考記事:ストリートミュージアム (東京ミッドタウン)
アトリエオモヤ 「光であそぶ」

こちらは布のようなものがかぶっていて、下から覗いて鑑賞します。
下から見るとこんな感じ。

沢山のビー玉が入っていて、底の方に集まってきます。これを下から叩くとまた散らばっていくのですが、その際に力の伝わり方が見られるのが面白かったです。
この近くは真鍋大度/比嘉了の「Happy halloween!」という作品にすごい行列ができていました。これは壁に自分たちの映像が出てくる作品で、自動的に顔を認識して顔の上に仮装を施した映像となるというものでした。顔の前で手をかざすと別の顔に変わるので、色々と仮装して写真を撮って楽しんできました。人が多いので、1組あたり1分程度の鑑賞(2組ずつ)となっています。
パーフェクトロン (クワクボリョウタ/山口レイコ)「inside-out」

こちらは2010年に初台のICCで常設されていた作品(の小型版)かな。この写真だと分かりづらいですが、光源にはゆっくり走る模型の汽車があり、その光によって壁に映る建物の影が動いていきます。
参考記事:オープン・スペース 2010 (NTTインターコミュニケーション・センター ICC)
中央にあるのはこんな感じ。

この作品はかなり面白い発想なので、また観られて嬉しい限り。
森脇裕之 「台風の夜-記憶と想像の世界-」

こちらはキャンドルのようなものと、吊り下げられた風鈴がセットになった作品で、このキャンドルには風のセンサーがついていて、息を吹きかけるとチカチカと点滅します。また、風鈴の音にも反応するようで、風鈴を鳴らすと一斉にチカチカと光っていました。中々幻想的な光景です。
この辺で1階は終わりで続いて2階の展示です。
児玉幸子 「そらだま」

これは光る玉を転がすと下の文字が散っていくというもの。若干わかりづらいのか、子供が玉を投げてはよく分からないというようなリアクションをしていましたw
プラプラックス(近森基/久納鏡子/筧康明/小原藍) 「Cage for Kage(ケージ・フォー・カゲ)」

こちらはケージ(Cage)と影(Kage)をかけ合わせた言葉遊びみたいな発想の作品。この作品の前を通ると、こうした象やくじらの影が現れるという仕組みでした。
今回は結構、こうした影を使った作品も多めでした(これも参加者が映り込みやすいので写真掲載は見送ります…)
こちらは作品名を忘れましたが、手をかざすとその場所が光る作品。

最初にあったのと発想は似ているかも。
宮本和奈 「ミラボン」

こちらは部屋全体が作品のような感じで、真ん中にあるミラーボールを回すと、部屋全体にその模様が映るというものです。
これがミラーボール。

高速で回転させると光が動いて酔いそうw 球の半分は光を反射しないようになっていました。
2階の出口付近には再び小松宏誠 氏の作品がありました。

こちらは影と一体になっていてより複雑で繊細な印象を受けました。
こちらも作品名を失念しましたが、壁に不思議な虫のようなものが動き回る映像が映されていました。

この作品は壁の前に石が転がっているところがあり、それを拾って引き出しに入れると、その石に合わせた虫のような生き物が生成させるという仕組みになっています。

私は巨大なたまご型の石にしました。
フニザロンという生き物となって舞飛んでいきました。

これは結構色々な種類があるようでした。よくこれだけのパターンを認識するものだと感心。
ということで、かなり混んでいて大変でしたが体験しながら楽しめる展覧会となっていました。アートというと敷居が高そうなイメージを持つ方もいるかと思いますが、これなら直観的に楽しめるのではないかと思います。子供も多く家族連れにも嬉しい展覧会のようでした。
参照記事:★この記事を参照している記事


【展覧名】
光のイリュージョン 魔法の美術館
【公式サイト】
http://www.mahou-museum.com/
【会場】上野の森美術館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2013年9月6日(金) ~ 10月6日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
予想以上に混んでいて、チケットを買うのに30分くらい並んでいました。
チケット売り場の前はこんな感じ。始まったばかりなのに凄い行列でした。

この日は他の展示にハシゴしようと思っていましたが、この光景を見て諦めましたw
さて、この展示はすでに全国22箇所を周ってきた人気の巡回展で、東京ではわずか1ヶ月間の開催となっています。その内容は光をモチーフにした体験型の現代アートで、国内外で評価されている11組のアーティストの19点の作品が並んでいました。
この展覧会では写真・動画を撮ることもできましたので、何枚か撮ってきた写真を使って気に入った作品をご紹介しようと思います。

(参加者自身が作品の一部となるものも多めだったので、それはちょっと除外しています。)
森脇裕之 「光の波紋」

こちらは入り口付近にあった作品。近づくとセンサーが反応してチカチカと光ります。結構近寄らないと光らなかったですが、綺麗な色合いの光が波紋のように広がりました。
小松宏誠 「secret garden/his philosophy/Lifelog_mobile」



こちらは風と羽のようなものを使ったモビール(動く作品)で、空中をくるくる回りながら浮かぶ羽や、風見鶏のような羽などが展示されていました。特に浮いているのは不思議な光景で、見ていて飽きませんでした。
参考記事:ストリートミュージアム (東京ミッドタウン)
アトリエオモヤ 「光であそぶ」

こちらは布のようなものがかぶっていて、下から覗いて鑑賞します。
下から見るとこんな感じ。

沢山のビー玉が入っていて、底の方に集まってきます。これを下から叩くとまた散らばっていくのですが、その際に力の伝わり方が見られるのが面白かったです。
この近くは真鍋大度/比嘉了の「Happy halloween!」という作品にすごい行列ができていました。これは壁に自分たちの映像が出てくる作品で、自動的に顔を認識して顔の上に仮装を施した映像となるというものでした。顔の前で手をかざすと別の顔に変わるので、色々と仮装して写真を撮って楽しんできました。人が多いので、1組あたり1分程度の鑑賞(2組ずつ)となっています。
パーフェクトロン (クワクボリョウタ/山口レイコ)「inside-out」

こちらは2010年に初台のICCで常設されていた作品(の小型版)かな。この写真だと分かりづらいですが、光源にはゆっくり走る模型の汽車があり、その光によって壁に映る建物の影が動いていきます。
参考記事:オープン・スペース 2010 (NTTインターコミュニケーション・センター ICC)
中央にあるのはこんな感じ。

この作品はかなり面白い発想なので、また観られて嬉しい限り。
森脇裕之 「台風の夜-記憶と想像の世界-」

こちらはキャンドルのようなものと、吊り下げられた風鈴がセットになった作品で、このキャンドルには風のセンサーがついていて、息を吹きかけるとチカチカと点滅します。また、風鈴の音にも反応するようで、風鈴を鳴らすと一斉にチカチカと光っていました。中々幻想的な光景です。
この辺で1階は終わりで続いて2階の展示です。
児玉幸子 「そらだま」

これは光る玉を転がすと下の文字が散っていくというもの。若干わかりづらいのか、子供が玉を投げてはよく分からないというようなリアクションをしていましたw
プラプラックス(近森基/久納鏡子/筧康明/小原藍) 「Cage for Kage(ケージ・フォー・カゲ)」

こちらはケージ(Cage)と影(Kage)をかけ合わせた言葉遊びみたいな発想の作品。この作品の前を通ると、こうした象やくじらの影が現れるという仕組みでした。
今回は結構、こうした影を使った作品も多めでした(これも参加者が映り込みやすいので写真掲載は見送ります…)
こちらは作品名を忘れましたが、手をかざすとその場所が光る作品。

最初にあったのと発想は似ているかも。
宮本和奈 「ミラボン」

こちらは部屋全体が作品のような感じで、真ん中にあるミラーボールを回すと、部屋全体にその模様が映るというものです。
これがミラーボール。

高速で回転させると光が動いて酔いそうw 球の半分は光を反射しないようになっていました。
2階の出口付近には再び小松宏誠 氏の作品がありました。

こちらは影と一体になっていてより複雑で繊細な印象を受けました。
こちらも作品名を失念しましたが、壁に不思議な虫のようなものが動き回る映像が映されていました。

この作品は壁の前に石が転がっているところがあり、それを拾って引き出しに入れると、その石に合わせた虫のような生き物が生成させるという仕組みになっています。

私は巨大なたまご型の石にしました。
フニザロンという生き物となって舞飛んでいきました。

これは結構色々な種類があるようでした。よくこれだけのパターンを認識するものだと感心。
ということで、かなり混んでいて大変でしたが体験しながら楽しめる展覧会となっていました。アートというと敷居が高そうなイメージを持つ方もいるかと思いますが、これなら直観的に楽しめるのではないかと思います。子供も多く家族連れにも嬉しい展覧会のようでした。
参照記事:★この記事を参照している記事
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ここ3記事ほど岩手・秋田の旅行をご紹介してきましたが、今日で番外編も最終回です。前回ご紹介した角館から、30~40kmくらい離れたところにある乳頭温泉の鶴の湯というところで日帰り温泉を楽しんできました。
乳頭温泉 公式サイト:http://www.nyuto-onsenkyo.com/
鶴の湯 公式サイト:http://www.tsurunoyu.com/

温泉の素などにも名前が使われているなど乳頭温泉は全国的にも有名だと思いますが、実際に行ってみると「秘湯」という名前が相応しいくらい山奥にありました。特に有名な「鶴の湯」は車でひたすら曲がりくねった山道を進んで行くのですが、道も狭いし本当にこんなところに温泉があるのか?というような秘境ですw
ようやく着いた!と思ったらこちらは別館。別館は日帰り客の受付はしていないようです。

さらにどんどん奥地へと進みます。別館と本館も結構離れていますw
そしてやってきました。乳頭温泉の鶴の湯! 駐車場そこそこ台数が止まれるにも関わらずほぼ満車でした。道中ほとんど車に会わなかったのにどこから皆来たのだろうw

この鶴の湯は乳頭温泉の中でも最古の湯で、千年前に坂上田村麻呂が効能を認めたという伝説があるようです。その後、猟師の勘助という人物が傷が癒えて飛び立つ鶴を見てこの地に湯小屋を建てたのが発祥らしく、秋田の佐竹氏も湯治に訪れていたそうです。硫黄の匂いが立ち込め、江戸時代さながらの建物が並びます。(一応、自動販売機とかはあります)
こちらが鶴の湯の地図。黒湯・白湯・中の湯・混浴露天・女性露天があります。

私は黒湯と白湯だけ入ってきました。どちらも洗い場やシャワーなどはなく、あまり広くもないですが抜群の泉質です。
黒湯は見た目は白いですw ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、不妊症や神経痛に効くそうです。
白湯は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉(硫化水素型)を含み、高血圧症や皮膚病・リウマチなどに効くそうです。前日にプールで擦り傷を作っていたのですが、これは結構効いた気がします。飲用すると糖尿や痛風、便秘にも効くようです。(ちょっと匂いが強くて飲む勇気はなかったw)
温泉の前を流れる小川。

非常にのどかな光景です。日本にまだこんな温泉があるとは驚きです。
こちらの建物の向こうに混浴露天があるようでした。

ということで、非常にレトロな雰囲気の温泉で驚きでしたが、泉質が良くて満足できました。夏でも結構涼しかったのも良かったです。帰りの車は硫黄の匂いが染み付いたのも良い思い出かなw 一度は訪れてみたい秘湯です。
おまけ:
帰りに車で近く(というほどでもないけど…)の田沢湖を1周してきました。

非常に水の綺麗な湖で、その深さは日本一だそうです。右の写真は車内から撮ったのでちょっと微妙ですが、岩手の彫刻家 舟越保武が作った「辰子像」です。辰子はこの田沢湖の伝説で、永遠の若さを願った末に龍へと変身した女性が、後に同じく八郎潟で龍となった八郎の想いを受け入れ、2人は田沢湖で暮らしたという話です。そんなに大きな像ではないですが、田沢湖の代名詞的な存在です。
乳頭温泉 公式サイト:http://www.nyuto-onsenkyo.com/
鶴の湯 公式サイト:http://www.tsurunoyu.com/

温泉の素などにも名前が使われているなど乳頭温泉は全国的にも有名だと思いますが、実際に行ってみると「秘湯」という名前が相応しいくらい山奥にありました。特に有名な「鶴の湯」は車でひたすら曲がりくねった山道を進んで行くのですが、道も狭いし本当にこんなところに温泉があるのか?というような秘境ですw
ようやく着いた!と思ったらこちらは別館。別館は日帰り客の受付はしていないようです。

さらにどんどん奥地へと進みます。別館と本館も結構離れていますw
そしてやってきました。乳頭温泉の鶴の湯! 駐車場そこそこ台数が止まれるにも関わらずほぼ満車でした。道中ほとんど車に会わなかったのにどこから皆来たのだろうw

この鶴の湯は乳頭温泉の中でも最古の湯で、千年前に坂上田村麻呂が効能を認めたという伝説があるようです。その後、猟師の勘助という人物が傷が癒えて飛び立つ鶴を見てこの地に湯小屋を建てたのが発祥らしく、秋田の佐竹氏も湯治に訪れていたそうです。硫黄の匂いが立ち込め、江戸時代さながらの建物が並びます。(一応、自動販売機とかはあります)
こちらが鶴の湯の地図。黒湯・白湯・中の湯・混浴露天・女性露天があります。

私は黒湯と白湯だけ入ってきました。どちらも洗い場やシャワーなどはなく、あまり広くもないですが抜群の泉質です。
黒湯は見た目は白いですw ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、不妊症や神経痛に効くそうです。
白湯は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉(硫化水素型)を含み、高血圧症や皮膚病・リウマチなどに効くそうです。前日にプールで擦り傷を作っていたのですが、これは結構効いた気がします。飲用すると糖尿や痛風、便秘にも効くようです。(ちょっと匂いが強くて飲む勇気はなかったw)
温泉の前を流れる小川。

非常にのどかな光景です。日本にまだこんな温泉があるとは驚きです。
こちらの建物の向こうに混浴露天があるようでした。

ということで、非常にレトロな雰囲気の温泉で驚きでしたが、泉質が良くて満足できました。夏でも結構涼しかったのも良かったです。帰りの車は硫黄の匂いが染み付いたのも良い思い出かなw 一度は訪れてみたい秘湯です。
おまけ:
帰りに車で近く(というほどでもないけど…)の田沢湖を1周してきました。


非常に水の綺麗な湖で、その深さは日本一だそうです。右の写真は車内から撮ったのでちょっと微妙ですが、岩手の彫刻家 舟越保武が作った「辰子像」です。辰子はこの田沢湖の伝説で、永遠の若さを願った末に龍へと変身した女性が、後に同じく八郎潟で龍となった八郎の想いを受け入れ、2人は田沢湖で暮らしたという話です。そんなに大きな像ではないですが、田沢湖の代名詞的な存在です。
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前々回、前回と岩手の旅行をご紹介しましたが、旅行2日目はさらに西に移動して、秋田県の小京都と呼ばれる角館の武家屋敷を観に行ってきました。
公式サイト:http://kakunodate-kanko.jp/

この武家屋敷は秋田新幹線の角館駅から1~2kmくらい離れた所にあり、江戸時代はじめに芦名氏によって計画され、芦名氏が絶えた後は佐竹家の城下町となりました。北側の山に城があった(今はない)ようで、北側ほど上級武士の屋敷で、南側に行くにつれて中級武士となっていくようです。
参考リンク:角館の観光マップ(pdf)
武家屋敷の通りに沿って多くのしだれ桜が並んでいるのも春は目玉となるらしく、こんな感じの巨木が並んでいます。

これは佐竹家の2代目 義明の妻がお輿入れの際に京都三条西家から持ってきた3本の桜の苗木が始まりだそうで、やがて家臣たちに分け与えられ大事に育てられてきたそうです。お殿様から貰った木なので、枯らせたりしたら大変だったでしょうねw 今では約200本あり、そのうち162本が天然記念物に指定されているようです。
いくつかの武家屋敷は中に入ることができます。こちらは青柳家の入口。

この門は薬医門と言い、昔は矢を食い止める門で矢食門と呼んでいたという説もあるそうです。
青柳家は350年ほど前から現在の場所に屋敷を構えているそうで、江戸末期には100石を超えるほどの家だったそうです。

こちらは屋敷の中にあった角館黄春慶(黄色っぽい漆塗り)と溜塗り。

江戸時代に良質の漆が産出され、他にも移出されていたようですが現在では途絶えてしまったようです。
角館の武家屋敷の中でも最も豪華で、予想以上に広くて建物も多いです。

ぐるっと一周してきた辺り。

縁側が奥まっているように思いました。何とも美しい建物です。
この青柳家か続いての石黒家のどちらか失念してしまいましたが、江戸時代の西洋風絵画で名を馳せた秋田蘭画についての展示があり、小田野直武や藩主の佐竹曙山に関する品などもありました。
続いてこちらは財政関係の役職についていた石黒家。

こちらは角館の武家屋敷の中で格式が一番高い家柄のお屋敷だそうです。
中に入ると係員の方に説明を受けることができました。

今でも非公開部分には直系の家族の方が住まれているそうです。
欄間には亀が透かし彫りにされていました。

ここは床の間だったかな。落ち着いた佇まいです。

こちらの石黒家には立派な蔵がありました。

奥のほうは展示室となっていました。これは杉田玄白・前野良沢らが編纂した解体新書(ターヘル・アナトミア)

実はこの解剖図を原書から模写したのが秋田蘭画の小田野直武で、非常に精密に描かれていました。
石黒家を見た後、一番端にある一風変わった建物に寄ってみました。

実はここは仙北市立角館町平福記念美術館で、武家屋敷とは趣が異なるのでちょっと奥まった所にありました。
参考リンク:仙北市立角館町平福記念美術館

メモをとらずにさらっと見てきたのですが、常設では平福穂庵と平福百穂(川端玉章の弟子)の作品が並び、企画展では現代の女性画家たちの作品(女流画家協会秋田角館展 2013/7/13~9/17)が並んでいました。静かで建物も面白い美術館でした。
この角館の武家屋敷にはもう1つ大村美術館という所もあり、そちらは残念ながら寄らなかったのですが、ルネ・ラリックのガラス作品などが並んでいるようです。
参考リンク:大村美術館
美術館を見た後、今度は逆方向に戻って行きました。先ほどの2軒をさらに越えて進んでいきます。
こちらは岩橋家。芦名家の重臣だった家系で、その後は佐竹北家に使えたそうです。

昔は茅葺きだったそうですが、江戸時代末期に木羽葺に変わったそうです。中級武士の典型的な家なのだとか。
こちらは河原田家の庭

苔むしていて風情があります。
河原田家は江戸時代の武家屋敷の様式をそのまま残されているそうで、表座敷にはこの地方の書院作りの様式が残っているそうです。

これは通りが違うところにあった松本家。

こちらは茅葺きの家となっていました。
ということで、江戸時代にタイムスリップしたような感じで凛とした雰囲気の屋敷群でした。ここは屋敷だけでなく四季の移ろいも楽しめるようで、特に桜の季節は武家屋敷のしだれ桜や近くの川沿いに並ぶ千本桜が有名だそうです。東京駅から角館駅まで秋田新幹線で片道3時間程度なので、上手く予定を組めば日帰りもできるかも?? 歴史や建物が好きな方にお勧めのスポットです。
公式サイト:http://kakunodate-kanko.jp/

この武家屋敷は秋田新幹線の角館駅から1~2kmくらい離れた所にあり、江戸時代はじめに芦名氏によって計画され、芦名氏が絶えた後は佐竹家の城下町となりました。北側の山に城があった(今はない)ようで、北側ほど上級武士の屋敷で、南側に行くにつれて中級武士となっていくようです。
参考リンク:角館の観光マップ(pdf)
武家屋敷の通りに沿って多くのしだれ桜が並んでいるのも春は目玉となるらしく、こんな感じの巨木が並んでいます。

これは佐竹家の2代目 義明の妻がお輿入れの際に京都三条西家から持ってきた3本の桜の苗木が始まりだそうで、やがて家臣たちに分け与えられ大事に育てられてきたそうです。お殿様から貰った木なので、枯らせたりしたら大変だったでしょうねw 今では約200本あり、そのうち162本が天然記念物に指定されているようです。
いくつかの武家屋敷は中に入ることができます。こちらは青柳家の入口。

この門は薬医門と言い、昔は矢を食い止める門で矢食門と呼んでいたという説もあるそうです。
青柳家は350年ほど前から現在の場所に屋敷を構えているそうで、江戸末期には100石を超えるほどの家だったそうです。

こちらは屋敷の中にあった角館黄春慶(黄色っぽい漆塗り)と溜塗り。

江戸時代に良質の漆が産出され、他にも移出されていたようですが現在では途絶えてしまったようです。
角館の武家屋敷の中でも最も豪華で、予想以上に広くて建物も多いです。

ぐるっと一周してきた辺り。

縁側が奥まっているように思いました。何とも美しい建物です。
この青柳家か続いての石黒家のどちらか失念してしまいましたが、江戸時代の西洋風絵画で名を馳せた秋田蘭画についての展示があり、小田野直武や藩主の佐竹曙山に関する品などもありました。
続いてこちらは財政関係の役職についていた石黒家。

こちらは角館の武家屋敷の中で格式が一番高い家柄のお屋敷だそうです。
中に入ると係員の方に説明を受けることができました。

今でも非公開部分には直系の家族の方が住まれているそうです。
欄間には亀が透かし彫りにされていました。

ここは床の間だったかな。落ち着いた佇まいです。

こちらの石黒家には立派な蔵がありました。

奥のほうは展示室となっていました。これは杉田玄白・前野良沢らが編纂した解体新書(ターヘル・アナトミア)

実はこの解剖図を原書から模写したのが秋田蘭画の小田野直武で、非常に精密に描かれていました。
石黒家を見た後、一番端にある一風変わった建物に寄ってみました。

実はここは仙北市立角館町平福記念美術館で、武家屋敷とは趣が異なるのでちょっと奥まった所にありました。
参考リンク:仙北市立角館町平福記念美術館

メモをとらずにさらっと見てきたのですが、常設では平福穂庵と平福百穂(川端玉章の弟子)の作品が並び、企画展では現代の女性画家たちの作品(女流画家協会秋田角館展 2013/7/13~9/17)が並んでいました。静かで建物も面白い美術館でした。
この角館の武家屋敷にはもう1つ大村美術館という所もあり、そちらは残念ながら寄らなかったのですが、ルネ・ラリックのガラス作品などが並んでいるようです。
参考リンク:大村美術館
美術館を見た後、今度は逆方向に戻って行きました。先ほどの2軒をさらに越えて進んでいきます。
こちらは岩橋家。芦名家の重臣だった家系で、その後は佐竹北家に使えたそうです。

昔は茅葺きだったそうですが、江戸時代末期に木羽葺に変わったそうです。中級武士の典型的な家なのだとか。
こちらは河原田家の庭

苔むしていて風情があります。
河原田家は江戸時代の武家屋敷の様式をそのまま残されているそうで、表座敷にはこの地方の書院作りの様式が残っているそうです。

これは通りが違うところにあった松本家。

こちらは茅葺きの家となっていました。
ということで、江戸時代にタイムスリップしたような感じで凛とした雰囲気の屋敷群でした。ここは屋敷だけでなく四季の移ろいも楽しめるようで、特に桜の季節は武家屋敷のしだれ桜や近くの川沿いに並ぶ千本桜が有名だそうです。東京駅から角館駅まで秋田新幹線で片道3時間程度なので、上手く予定を組めば日帰りもできるかも?? 歴史や建物が好きな方にお勧めのスポットです。
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今日も引き続き番外編の岩手旅行の記事です。前回ご紹介した小岩井農場に行った後、車で20分もかからない所にある盛岡手づくり村という所で、手作り体験をしてきました。
公式サイト:http://tezukurimura.com/main/

結構お客さんは多かったですが、混んでいるわけではなく自由に見て回ることができました。
さて、この施設は盛岡近隣の市町村の商工会や組合が集まり14の工房が置かれている観光地です。様々な体験ができるようで、陶器、陶器絵付、藍染、竹細工、わら細工、木の実細工、木工(チャグチャグ馬コ)、こけし絵付、こま絵付、はたおり花瓶敷き、冷麺、南部鉄器(焼き型)、盛岡煎餅、もち菓子などができるようです。特にお客さんが集まっていたのは煎餅と冷麺の工房だったかな。冷麺は東京にも支店があるぴょんぴょん舎がやっている工房でした。
参考記事:ぴょんぴょん舎 銀座百番 (銀座・有楽町界隈のお店)
施設の中に入ると南部曲り家がありました。

この地を収めた南部氏が馬産に力を入れていたそうで、母屋と馬屋が一緒になった曲がり家が作られました。この曲がり家は岩手北部の松尾村から移築してきたものとのことですが、少し離れた遠野などにもこうした曲がり家は残されています。
参考記事:遠野の写真 (番外編 岩手)
施設はこんな感じで結構綺麗です。

ショッピングモールみたいな雰囲気。
色々工房の中に入ってどれを体験しようか考えたのですが、実用性重視で陶器作りにしました。

陶器の工房の中はこんな感じ。

いくつかサイズや形が選べたので700g(2100円)のお皿にしました。
工房の方が道具と材料を用意してくれました。

陶器といえばろくろを思い出しますが、平皿なのでろくろは使いませんw
最初はこんな感じで粘土の塊が置かれます。

まずこれを手のひらの底でバンバンと叩いて平たくしていきます。
どんどん平たくしてこんな感じで楕円形にしたら次のフェーズに進みます。

今度はちょっとずつ縁を立てていきます。

縁を立てたら竹ひごみたいなものを使って軽く削って絵を描いていきます。

これは前回ご紹介した小岩井農場の一本桜をイメージして描いています。 私の絵心はこの程度なんですw
連れは眠り猫を描いていました。

とりあえずはこれで体験終了で、焼き上がりまでは数週間かかるので配送を頼んでおきました。
2~3週間後に焼きあがりが届くとこんな感じ。大体彫った通りの仕上がりになっていました。

連れのはこんな感じ。彫りを深くするとハッキリした輪郭が出るようです。

こうして作った陶器ですが、全工程で1時間くらいだったかな。この他にも魅力的な体験工房が多かったので、できればいくつか試したかったのですが、この後も行く場所があったので1つで諦めました。
お土産屋さんもあり、2013年8月現在放送中のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」関連の品もありましたw

今回の旅行であまちゃん押しは何度も目にしたので、2013年の岩手はあまちゃんに乗っかりまくっていたのかもw
と、いうことでものづくりの楽しさを味わってきました。ここは小岩井牧場からもそれほど離れていない(車なら)ので、2箇所セットで見て回ると一層楽しめるのではないかと思います。特に家族連れにお勧めのスポットです。
おまけ:
この日はこの盛岡手づくり村からさらに西に行った鶯宿温泉の「森の風鶯宿」というところに泊まりました。私が行く数日前に記録的な豪雨があってニュースにもなっていたのですが、あちこちで崖崩れが起きていて道路が半分なくなっている所もありました…。
そしてこの「森の風鶯宿」にはもう1つニュースになったものがあり、それは2013/8/25に閉館となった併設の「けんじワールド」という屋内プールでした。(ここに行くために手作り村を早めに切り上げましたw)
参考リンク:
森の風鶯宿
けんじワールド (2013/8/25で閉館)
けんじワールドの中で写真を撮ることはありませんでしたが、かなり混んでいて流れるプールや波の出るプール、ウォータースライダーなどで楽しんできました。ちょっと老朽化していましたが楽しい施設だっただけに閉館してしまったのが残念です。
森の風鶯宿のほうは中々高級感のあるホテルで、温泉も気持ちよくて夜には盛岡さんさ踊りを披露してくれました。可愛らしい少女たちもキレのある踊りをみせていて大いに盛り上がっていました。ご飯も美味しかったし、お勧めのホテルです。
…そう言えば3年前に花巻に行った時にはホテルで鹿踊りを見たし、岩手のホテルはサービスが良い所が多い気がします。
参考記事:鹿踊りと花巻周辺の写真 (番外編 岩手)
公式サイト:http://tezukurimura.com/main/

結構お客さんは多かったですが、混んでいるわけではなく自由に見て回ることができました。
さて、この施設は盛岡近隣の市町村の商工会や組合が集まり14の工房が置かれている観光地です。様々な体験ができるようで、陶器、陶器絵付、藍染、竹細工、わら細工、木の実細工、木工(チャグチャグ馬コ)、こけし絵付、こま絵付、はたおり花瓶敷き、冷麺、南部鉄器(焼き型)、盛岡煎餅、もち菓子などができるようです。特にお客さんが集まっていたのは煎餅と冷麺の工房だったかな。冷麺は東京にも支店があるぴょんぴょん舎がやっている工房でした。
参考記事:ぴょんぴょん舎 銀座百番 (銀座・有楽町界隈のお店)
施設の中に入ると南部曲り家がありました。

この地を収めた南部氏が馬産に力を入れていたそうで、母屋と馬屋が一緒になった曲がり家が作られました。この曲がり家は岩手北部の松尾村から移築してきたものとのことですが、少し離れた遠野などにもこうした曲がり家は残されています。
参考記事:遠野の写真 (番外編 岩手)
施設はこんな感じで結構綺麗です。

ショッピングモールみたいな雰囲気。
色々工房の中に入ってどれを体験しようか考えたのですが、実用性重視で陶器作りにしました。

陶器の工房の中はこんな感じ。


いくつかサイズや形が選べたので700g(2100円)のお皿にしました。
工房の方が道具と材料を用意してくれました。

陶器といえばろくろを思い出しますが、平皿なのでろくろは使いませんw
最初はこんな感じで粘土の塊が置かれます。

まずこれを手のひらの底でバンバンと叩いて平たくしていきます。
どんどん平たくしてこんな感じで楕円形にしたら次のフェーズに進みます。

今度はちょっとずつ縁を立てていきます。

縁を立てたら竹ひごみたいなものを使って軽く削って絵を描いていきます。

これは前回ご紹介した小岩井農場の一本桜をイメージして描いています。 私の絵心はこの程度なんですw
連れは眠り猫を描いていました。

とりあえずはこれで体験終了で、焼き上がりまでは数週間かかるので配送を頼んでおきました。
2~3週間後に焼きあがりが届くとこんな感じ。大体彫った通りの仕上がりになっていました。

連れのはこんな感じ。彫りを深くするとハッキリした輪郭が出るようです。

こうして作った陶器ですが、全工程で1時間くらいだったかな。この他にも魅力的な体験工房が多かったので、できればいくつか試したかったのですが、この後も行く場所があったので1つで諦めました。
お土産屋さんもあり、2013年8月現在放送中のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」関連の品もありましたw

今回の旅行であまちゃん押しは何度も目にしたので、2013年の岩手はあまちゃんに乗っかりまくっていたのかもw
と、いうことでものづくりの楽しさを味わってきました。ここは小岩井牧場からもそれほど離れていない(車なら)ので、2箇所セットで見て回ると一層楽しめるのではないかと思います。特に家族連れにお勧めのスポットです。
おまけ:
この日はこの盛岡手づくり村からさらに西に行った鶯宿温泉の「森の風鶯宿」というところに泊まりました。私が行く数日前に記録的な豪雨があってニュースにもなっていたのですが、あちこちで崖崩れが起きていて道路が半分なくなっている所もありました…。
そしてこの「森の風鶯宿」にはもう1つニュースになったものがあり、それは2013/8/25に閉館となった併設の「けんじワールド」という屋内プールでした。(ここに行くために手作り村を早めに切り上げましたw)
参考リンク:
けんじワールド (2013/8/25で閉館)
けんじワールドの中で写真を撮ることはありませんでしたが、かなり混んでいて流れるプールや波の出るプール、ウォータースライダーなどで楽しんできました。ちょっと老朽化していましたが楽しい施設だっただけに閉館してしまったのが残念です。
森の風鶯宿のほうは中々高級感のあるホテルで、温泉も気持ちよくて夜には盛岡さんさ踊りを披露してくれました。可愛らしい少女たちもキレのある踊りをみせていて大いに盛り上がっていました。ご飯も美味しかったし、お勧めのホテルです。
…そう言えば3年前に花巻に行った時にはホテルで鹿踊りを見たし、岩手のホテルはサービスが良い所が多い気がします。
参考記事:鹿踊りと花巻周辺の写真 (番外編 岩手)
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最近忙しくて記事更新も滞り気味ですが、久々に番外編の記事を書いておこうと思います。今年のお盆も東北に行って、岩手県雫石町にある小岩井農場を見学してきました。
公式サイト:https://www.koiwai.co.jp/

車で行ったのですが、お盆時だったこともあって駐車場もほぼ埋まるくらいの人気ぶりでした。
さて、この小岩井農場は関東に住む人も牛乳や乳製品などで馴染みがある人も多いのではないかと思いますが、盛岡の北西あたりに位置し、東京ドーム640個分もの広さを持つ大規模な農場です。その歴史は明治にさかのぼり、鉄道の父と呼ばれる井上勝が構想し、小野義眞(岩崎彌太郎のもとで働いていた)の助力を得て三菱2代目社長 岩崎彌之助から出資を受けて作られました。「小岩井」とはこの3人の頭1文字をとって作られた言葉で、その誕生には井上の熱い想いが込められているようです(後述します)
とりあえず、入口でチケットを買おうと思ったら、「小岩井農場めぐり」というバスツアーがセットになっている券があったのでそれにしました。

バスの集合時間まで1時間以上あったので、まずは「まきば園」という広い野原のテーマパークで遊んできました。
まきば園の地図。

結構広いですが歩いて回れるくらいでした。子供向けの遊具も多く、親子連れが多く遊びにきていました。
参考リンク:小岩井農場まきば園
まきば園の正面には岩手山がそびえています。

中々雄大な景色です。左奥のほうに見える球体は、中に人が入ってごろごろ転がす遊具でした。やってみたかったけどかなり人気で並んでいました。
私はまずおみやげ屋さんでチーズセットやギフトセットを買って発送しまくりましたw 写真を撮り忘れましたが、小岩井の乳製品などを豊富にそろえているので乳製品大好きな私はテンションがあがります。ついでに濃厚なアイスクリームも食べて、乳製品三昧です。
その後、少し離れたところでアーチェリーができるところがあったので、遊んでみました。10本400円。

私は弓をひくのは初めてでしたが、弓が結構扱いやすくてぽんぽん当たるのが快感でしたw 逆に外れるとストレスが貯まりますw
農場なので動物もいます。こちらはミニチュアホース。

何とも可愛らしく、子供を乗せる乗馬馬のようでした。
大人も乗馬できるので私も乗ってみました。トラック1周で約1分くらいかな。(500円)

私が乗ったのはJRAでも走ったことがあるサラブレッドだったようです。他にもかなり大きな馬(ばん馬?)などもいましたが、どの馬もおとなしくて賢かったです。
乗馬の近くにはひまわり畑もありました。

お盆の時期だったので、花も満開でした。これぞ夏!って感じ。
時間になったので、バスに乗ってガイドツアーに出ました。ツアー中は特にメモを取らなかったので簡単にかいつまんでご紹介していきます。
こちらは1903年に建てられた本部事務所。

2階建ての小さな建物に見えますが、昔はここから農場を一望できたそうです。というのも、昔はこのあたり一帯には高い木も無かったようで、かなり土地の良くないところだったそうです。地道に木を植えて今のようになったのだとか。
こちらは昔の街道の跡。

東北本線の視察でここを井上勝が通った時、目の前に広がる荒野を見てここは誰の土地か聞くと、国の土地だと答えが返ってきたそうです。そして、これだけ広い土地を国が持て余しているということと、これまで鉄道を作るために潰してきた美田良圃への償いの気持ちから、ここに農場を作ろうと決心したそうです。こうした考えに賛同した岩崎彌之助の出資で農場は実現したわけですが、その歩みは厳しかったようで、風が強い土地なので防風林を作り、酸性が強い土壌なので石灰を混ぜるなど、根気強い取り組みが行われていました。それでも当時の経営は困難で、井上は鉄道事業が多忙ということもあり経営者を岩崎久彌(岩崎彌太郎の長男の)に委ねました。岩崎久彌が経営を始めると、それまで蚕の餌となる桑の木を商品としていたのを畜産へと方向転換し、様々な品種を調べてブリーダー業でも成功していったようです。 今ではこんなに木が生えていますが、それは長い歴史と人々の苦労の結晶のようです。
こちらは牛の餌を作っているところ。

昔はサイロの中で作っていましたが、今では屋外で圧縮することができるようになったそうです。
こちらは牛舎。なんだかのんびりしています。 疫病が入らないようにバスの中からの見学です。

小岩井では牛を繋いだりしていないそうです。というのも、ストレスを感じさせると牛乳の味が落ちるそうで、のびのびと育っていました。
遠くから見た時、この建物は何の施設かまったく分からなかったw

これは昔の冷蔵庫だそうで、地中に鉄の柱を打って地中の冷気を取り込んで冷やすという仕組みになっているそうです。昔は電気の冷蔵庫が無かったのでそうやって知恵を絞って冷蔵していたのですね。
この他に、牛達の糞尿を使って発電する施設や、1年毎に植林している地域など様々な場所を巡っていきました。
最後に小岩井農場の有名なスポットで撮影しました。

2013年はあまちゃんがブームですが、2007年の連続テレビ小説「どんど晴れ」も岩手が舞台で、この地も出てきたそうです。1本だけ残った桜が何とも風情があります。
ということで、観て食べて遊んで楽しんできました。バスツアーは若干大人向けだと思いますが、牧場経営の奥の深さを知ることが出来てかなり面白かったです。もし岩手に旅行に行く機会があったら、小岩井農場も候補としてみるのもよろしいかと思います。
公式サイト:https://www.koiwai.co.jp/

車で行ったのですが、お盆時だったこともあって駐車場もほぼ埋まるくらいの人気ぶりでした。
さて、この小岩井農場は関東に住む人も牛乳や乳製品などで馴染みがある人も多いのではないかと思いますが、盛岡の北西あたりに位置し、東京ドーム640個分もの広さを持つ大規模な農場です。その歴史は明治にさかのぼり、鉄道の父と呼ばれる井上勝が構想し、小野義眞(岩崎彌太郎のもとで働いていた)の助力を得て三菱2代目社長 岩崎彌之助から出資を受けて作られました。「小岩井」とはこの3人の頭1文字をとって作られた言葉で、その誕生には井上の熱い想いが込められているようです(後述します)
とりあえず、入口でチケットを買おうと思ったら、「小岩井農場めぐり」というバスツアーがセットになっている券があったのでそれにしました。

バスの集合時間まで1時間以上あったので、まずは「まきば園」という広い野原のテーマパークで遊んできました。
まきば園の地図。

結構広いですが歩いて回れるくらいでした。子供向けの遊具も多く、親子連れが多く遊びにきていました。
参考リンク:小岩井農場まきば園
まきば園の正面には岩手山がそびえています。

中々雄大な景色です。左奥のほうに見える球体は、中に人が入ってごろごろ転がす遊具でした。やってみたかったけどかなり人気で並んでいました。
私はまずおみやげ屋さんでチーズセットやギフトセットを買って発送しまくりましたw 写真を撮り忘れましたが、小岩井の乳製品などを豊富にそろえているので乳製品大好きな私はテンションがあがります。ついでに濃厚なアイスクリームも食べて、乳製品三昧です。
その後、少し離れたところでアーチェリーができるところがあったので、遊んでみました。10本400円。

私は弓をひくのは初めてでしたが、弓が結構扱いやすくてぽんぽん当たるのが快感でしたw 逆に外れるとストレスが貯まりますw
農場なので動物もいます。こちらはミニチュアホース。

何とも可愛らしく、子供を乗せる乗馬馬のようでした。
大人も乗馬できるので私も乗ってみました。トラック1周で約1分くらいかな。(500円)

私が乗ったのはJRAでも走ったことがあるサラブレッドだったようです。他にもかなり大きな馬(ばん馬?)などもいましたが、どの馬もおとなしくて賢かったです。
乗馬の近くにはひまわり畑もありました。


お盆の時期だったので、花も満開でした。これぞ夏!って感じ。
時間になったので、バスに乗ってガイドツアーに出ました。ツアー中は特にメモを取らなかったので簡単にかいつまんでご紹介していきます。
こちらは1903年に建てられた本部事務所。

2階建ての小さな建物に見えますが、昔はここから農場を一望できたそうです。というのも、昔はこのあたり一帯には高い木も無かったようで、かなり土地の良くないところだったそうです。地道に木を植えて今のようになったのだとか。
こちらは昔の街道の跡。

東北本線の視察でここを井上勝が通った時、目の前に広がる荒野を見てここは誰の土地か聞くと、国の土地だと答えが返ってきたそうです。そして、これだけ広い土地を国が持て余しているということと、これまで鉄道を作るために潰してきた美田良圃への償いの気持ちから、ここに農場を作ろうと決心したそうです。こうした考えに賛同した岩崎彌之助の出資で農場は実現したわけですが、その歩みは厳しかったようで、風が強い土地なので防風林を作り、酸性が強い土壌なので石灰を混ぜるなど、根気強い取り組みが行われていました。それでも当時の経営は困難で、井上は鉄道事業が多忙ということもあり経営者を岩崎久彌(岩崎彌太郎の長男の)に委ねました。岩崎久彌が経営を始めると、それまで蚕の餌となる桑の木を商品としていたのを畜産へと方向転換し、様々な品種を調べてブリーダー業でも成功していったようです。 今ではこんなに木が生えていますが、それは長い歴史と人々の苦労の結晶のようです。
こちらは牛の餌を作っているところ。

昔はサイロの中で作っていましたが、今では屋外で圧縮することができるようになったそうです。
こちらは牛舎。なんだかのんびりしています。 疫病が入らないようにバスの中からの見学です。

小岩井では牛を繋いだりしていないそうです。というのも、ストレスを感じさせると牛乳の味が落ちるそうで、のびのびと育っていました。
遠くから見た時、この建物は何の施設かまったく分からなかったw

これは昔の冷蔵庫だそうで、地中に鉄の柱を打って地中の冷気を取り込んで冷やすという仕組みになっているそうです。昔は電気の冷蔵庫が無かったのでそうやって知恵を絞って冷蔵していたのですね。
この他に、牛達の糞尿を使って発電する施設や、1年毎に植林している地域など様々な場所を巡っていきました。
最後に小岩井農場の有名なスポットで撮影しました。

2013年はあまちゃんがブームですが、2007年の連続テレビ小説「どんど晴れ」も岩手が舞台で、この地も出てきたそうです。1本だけ残った桜が何とも風情があります。
ということで、観て食べて遊んで楽しんできました。バスツアーは若干大人向けだと思いますが、牧場経営の奥の深さを知ることが出来てかなり面白かったです。もし岩手に旅行に行く機会があったら、小岩井農場も候補としてみるのもよろしいかと思います。
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