関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

Bubby's (バビーズ) 【桜木町界隈のお店】

先日、横浜美術館の展示を観に行った際、帰りにランドマークプラザの中にあるBubby's (バビーズ)というお店でお茶をしてきました。横浜美術館の展示の記事を準備中なので、先にこちらをご紹介しておこうと思います。

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【店名】
 Bubby's (バビーズ)

【ジャンル】
 レストラン・カフェ

【公式サイト】
 http://bubbys.jp/menu_landmark.html
 食べログ:http://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140102/14029226/
 ※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【最寄駅】
 桜木町駅/みなとみらい駅など

【近くの美術館】
 横浜美術館
 横浜みなと博物館 など


【この日にかかった1人の費用】
 1100円程度

【味】
 不味_1_2_3_④_5_美味

【接客・雰囲気】
 不快_1_2_③_4_5_快適

【混み具合・混雑状況(日曜日17時頃です)】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【総合満足度】
 地雷_1_2_3_④_5_名店

【感想】
遅い時間に行ったのですが、結構混んでいてほぼ満席でした。帰る頃には外で待っている人もいたので人気のお店なのかも。混んでいたので長テーブルの席に着きました。

さて、このお店はランドマークプラザの地下にあるのですが、本店はニューヨークにあるそうで、アメリカっぽい雰囲気の内装となっています。
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元々はパイの専門店だったらしく、「おばあちゃん手作りの味」をコンセプトとしているそうです。店内も陽気な音楽が流れるどこかアットホームな感じで、お客さんが多いので賑やかでした。

この日、私はチェリーパイ(650円)とオーガニックコーヒー(450円)を頼みました。混んでいたけど頼んだらすぐに出てきました。

まずはチェリーパイ。
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こちらは濃厚なソースが酸っぱくて爽やかでした。ちょっと冷たいですが、クリームや甘いパイ生地とよく合って美味しいです。生地部分は少なめでチェリー多めです、

続いてオーガニックコーヒー。
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こちらは苦味が強めでやや酸味があるかな。コクと香りもあって美味しかったです。


ということで、美味しいパイとコーヒーを頂くことが出来ました。ランドマークプラザの辺りは美味しいカフェが多いので目移りしますが、こちらもアメリカのパイが堪能できて良いお店でした。人気すぎてちょっと混むかもしれませんが、お勧めできます。



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映画「かぐや姫の物語」(ややネタバレあり)

今週の平日の帰りに、レイトショーでスタジオジブリの映画「かぐや姫の物語」を観てきました。

【作品名】
 かぐや姫の物語

【公式サイト】
 http://kaguyahime-monogatari.jp/

【時間】
 2時間30分程度

【ストーリー】
 退屈_1_2_3_④_5_面白

【映像・役者】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【総合満足度】
 駄作_1_2_3_④_5_名作

【感想】
先週の土日に行こうとしたら満席ばかりでしたが、平日のレイトショーは空いていてゆったり観ることができました。

さて、この映画はスタジオジブリの高畑勲監督の14年ぶりの新作で、構想から8年 制作費50億円ということでも話題になっている作品です。ストーリー自体は日本人なら誰もが知っている竹取物語(かぐや姫)がベースになっているのですが、脚本やアニメーションでそれをどう見せるかが気になって観に行ってきました。

ここから先はややネタバレを含んでいます。まず登場人物については、主人公のかぐや姫は竹取物語や童話のかぐや姫ではあまり本人の内面は伺えず、結婚を嫌がり月に帰る頃に泣いているくらいしか印象になかったのですが、このアニメではかなり物事の好き嫌いがハッキリした女性として描かれています。 その主義や嗜好などはいかにもジブリのヒロインといった感じかな。 この辺りがどうして月から来たのかという話の核心にも繋がっていて、自然賛歌などにも結びついています。 また、捨丸という幼なじみの兄貴分がオリジナルキャラクターとして出ているのですが、この人物を通じて平安時代の庶民の暮らしを見せてくれて、リアリティやかぐや姫への共感性も増しているように思いました。

かぐや姫は随所で葛藤している様子が伺える一方で、全編を通して笑える要素があり、ちょくちょくお客さんから笑いも出ていました。翁や公達の間の抜けた感じのやり取りや、侍女のゆるキャラ的な可愛らしさなど、脇を固めるメンバーも魅力的です。この翁役は先日亡くなられた地井武男氏のプレスコ(先に声の収録をしていく方式)となっていて遺作となったのですが、6シーンほど声が足りない部分が生じて一部を三宅裕司 氏が埋めているそうです。 しかし、まったく違和感がなく、そのシーンを言われても気が付かないほどでした。
今回の画風については、昔話のようなジブリらしいような独特の味わいがあり、かぐや姫とは思えないほど疾走感のあるシーンなどもありました。…とは言え、50億円はどこに使ったのか素人の私にはいまいち分かりませんでしたw プロデューサーの鈴木敏夫氏は無駄なことには一切使っていないと言っていたようなので、分かる人には分かるのかな??

ということで、期待以上に楽しめました。最後の終わり方は若干あれ??っと思いましたが、考えてみれば原作通りかな。今年は大ヒットした「風立ちぬ」もありましたが、こちらも負けず劣らずの作品だったと思います。
 参考記事:映画「風立ちぬ」(ややネタバレあり)



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東京国立博物館の案内 【2013年12月】

前回ご紹介した展示を観た後、同じ東京国立博物館の本館の常設も観てきました。今回も写真を撮ってきましたので、気に入った作品を何点かご紹介していこうと思います。

 ※ここの常設はルールさえ守れば写真が撮れます。(撮影禁止の作品もあります)
 ※当サイトからの転載は画像・文章ともに一切禁止させていただいております。

公式サイト:
 http://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=hall&hid=12

 参考記事:
   東京国立博物館の案内 【建物編】
   東京国立博物館の案内 【常設・仏教編】
   東京国立博物館の案内 【常設・美術編】
   東京国立博物館の案内 【2009年08月】
   東京国立博物館の案内 【2009年10月】
   東京国立博物館の案内 【2009年11月】
   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】 その2
   東京国立博物館の案内 【2010年02月】
   東京国立博物館の案内 【2010年06月】
   東京国立博物館の案内 【2010年11月】
   博物館に初もうで (東京国立博物館 本館)
   本館リニューアル記念 特別公開 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2011年02月】
   東京国立博物館の案内 【2011年07月】
   東京国立博物館の案内 【2011年11月】
   博物館に初もうで 2012年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館140周年 新年特別公開 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2012年03月】
   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放 2012】
   東京国立博物館の案内 【2012年11月】
   博物館に初もうで 2013年 (東京国立博物館 本館)
   東洋館リニューアルオープン (東京国立博物館 東洋館)
   東京国立博物館の案内 【2013年04月】
   東京国立博物館 平成25年度 秋の特別公開 (東京国立博物館)


まず最初に2階の特集展示「描かれた風景-憧れの真景・実景への関心-」から観て行きました。

展覧会名:描かれた風景-憧れの真景・実景への関心-
期間:2013年10月29日(火) ~ 2013年12月8日(日)

池大雅 「那智濺瀑図」
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文人画は現在の我々が観ると実景といった感じはしませんが、柔らかい空気感まで出しているような感じです。

谷文晁 「彦山真景図」
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これは結構大きな作品で、まるで雲のように伸びた山が圧巻でした。正面性の強い構図は東アジアに共通するもので、朝鮮絵画との関連も指摘できるそうです。

谷文晁 「公余探勝図巻 巻上」
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これは老中の松平定信の相模・伊豆巡検に随行した際の風景画で、数枚セットで展示されていました。西洋風の遠近法なども使われて、かなり写実的です。
 参考記事:
  生誕250周年 谷文晁 感想前編(サントリー美術館)
  生誕250周年 谷文晁 感後前編(サントリー美術館)

亜欧堂田善 「浅間山図屏風」
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これは見るからに西洋風の作品。江戸時代にもこうした西洋風の陰影や遠近法を研究した作品が描かれていました。

歌川広重 「六十余州名所図会・越中 富山船橋」
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これは構図や題材が面白い作品。その名の通り船で橋ができてます。

この後は2階を反時計回りに観て行きました。

「金銅製沓」
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これは熊本県の江田船山古墳(5~6世紀)から出土した葬送用の靴(国宝)で、朝鮮半島伝来の品のようです。人が履くには大型で、装飾なども見事でした。

「浜松図屏風」
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これは室町時代の作品で、連続した松が金泥・銀泥などが使われ重厚かつ絢爛な雰囲気となっていました。この松のリズム感も心地良い。

狩野永徳 「許由巣父図」
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右は堯帝から天下を譲ると言われ、耳が汚れたといって耳をそそいでいる許由、左はその汚れた水を牛に飲ませず帰った巣父が描かれた作品。永徳といえば豪快な画風のイメージがありますが、こちらからは幽玄な印象を受けました。

「四季草花小禽図屏風」
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これは恐らく狩野派の画家の作品と思われる屏風。安土桃山時代の作品らしく、金地に青や緑が映える絢爛豪華な雰囲気です。とは言え、草花は可憐で優美な印象も受けました。

「色絵菊文手鉢」
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これは三代 高橋道八の讃窯(香川)で作られた色絵の鉢で、パッと見て仁清や尾形乾山の作風に似ているように思いました。側面に穴が空いていて簡略化された文様があるからかな。洒脱な雰囲気です。

長沢芦雪 「蝦蟇仙人図」
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中国の仙人で一番覚えやすいのがこの蝦蟇仙人w 背中の蝦蟇の手を引っ張っているのかなちょっと奇妙で面白い。

円山応挙 「青松白鶴図」
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対になって並んだ掛け軸ですが、どこかポーズが似ているように見えましたw ちょうど松の枝に沿って対角線上に流れているような構図が観ていて心地良かったです。

住吉如慶 「東照宮縁起絵巻 巻第1」
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これは長い絵巻の一部分。家康の生涯と東照宮の成り立ちに関して描かれています。こちらは大和絵風で雅な雰囲気となっていました。

柴田義董 「鹿図屏風」
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こちらは四条派の画家のかなり横長な作品。写実的な感じもありつつ、写意を重視した四条派らしく、どこか寂しいようなのんびりしているような独特の情感があるように思えました。空白の使い方がそう感じさせるのかな。

尾形光琳 筆 「小袖 白綾地秋草模様」
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これは尾形光琳が描いた模様の小袖。色合いや秋草がなんとも涼しげで、気品を感じさせます。

歌川広重 「江都名所・両国橋納涼」
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こちらは画面を覆うような橋と橋桁が面白い構図を生み出している作品。大勢で花火を見学しているのかな。夏の情緒も漂い、素晴らしい作品です。

亜欧堂田善 「三囲の図」
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これは珍しい銅版画で、どう見ても外国の光景に見えますが隅田川の付近を描いたものです。西洋画の研究の成果が見て取れます。

続いては根付のコーナー。

福山恒山 「春乙女」
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これは1997年の作品なので割りと最近作られたようですが、非常に個性的な根付で目を引きました。足が長くてシュール。タイトルも何故?w

マイケル・バーチ 「髪の長い幽霊」
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こちらも1978年と近年の作品。外国人の根付作家が作ったというのも驚きですが、この宇宙人のような幽霊像のインパクトはこの日一番でしたw

続いては1階の明治以降の日本画/洋画のコーナーです。

浅井忠 「少女立像(巴里にて)」
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これは遠目で観た時に浅井忠にしては軽やかな色合いに思えたのですが、水彩の作品でした。パリで描いたみたいですが、日本人に見えます。

浅井忠 「永観堂庭内」
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こちらは京都の永観堂を描いた作品。のんびりとしていて明るい色合いが爽やかです。氷屋も出ていて夏かな。

今回はこの他にも何点か浅井忠の作品がありました。

河鍋暁斎 「龍頭観音像」
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龍の頭の上に乗った龍頭観音像。狩野派で学んだことのある河鍋暁斎だけあり力強い輪郭で描かれています。龍の顔がちょっとユーモラスw

柴田是真 「四季花鳥」
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こちらはよく漆絵を手がけた柴田是真の作品ですが、これは漆絵ではなさそうです。軽やかな色合いで遠近感や立体感のある洒落た雰囲気となっていました。


ということで、今回の常設も楽しんできました。ここの常設には数え切れないほど通っていますが、まだまだ観たことがない品が展示されていてその質と量には毎回驚かされます。かなり見応えがありますので、この美術館に行く際には常設も観てみることをお勧めします。




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京都―洛中洛外図と障壁画の美 【東京国立博物館 平成館】

この前の土曜日に、上野の東京国立博物館 平成館で会期末となった「京都―洛中洛外図と障壁画の美」を観に行ってきました。この展示は既に終了していますが、今後の参考として記事にしておこうと思います。期間によって前期・後期に分かれていて、私が行ったのは後期の内容でした。

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【展覧名】
 日本テレビ開局60年 特別展「京都―洛中洛外図と障壁画の美」
【公式サイト】
 http://www.ntv.co.jp/kyoto2013/
 http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1610

【会場】東京国立博物館 平成館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)


【会期】
 前期展示:2013年10月8日(火)~11月4日(月・休)
 後期展示:2013年11月6日(水)~12月1日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
 混雑_①_2_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
会期末だったこともあり、非常に混み合っていて何処でも人だかりができていました。特に岩佐又兵衛の「洛中洛外図屏風 舟木本」は人の頭しか見えないくらいで、見るのに苦労しましたw

さて、今回の展示は室町時代から江戸時代に渡り京都の賑わいが描かれた「洛中洛外図」の作品群と、京都御所、龍安寺、二条城の障壁画が並ぶ展示となっていました。ちょっと無理矢理1つの展示にまとめられた感じもしましたが、それぞれ章ごとに優品が並んでいましたので、気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。


<第1部 都の姿─黄金の洛中洛外図>
今回のテーマである洛中洛外図は、京都のパノラマの中に四季を巡らせ武家の屋敷や名高い寺社、観光名所を取り上げ、そこに生活する人々を描き出した風景画のことで、その始まりは応仁の乱によって荒廃した京都の街が復興し、長らく途絶えていた祇園祭が復活した1500年頃に生まれたそうです。室町時代に描かれた洛中洛外図は3作品のみ知られていて、上京と下京を中心とする画面となっていたようですが、江戸時代には新たな姿となり、徳川家康の建てた二条城を中心とした洛西地域と、京都御所と洛東(つまり豊臣秀吉が築いた方広寺大仏殿)が対になって描かれるようになったそうです。これは徳川幕府が朝廷を飲み込み京都を支配する立場が表されたものらしく、洛中洛外図はその時代の政治的な意図を反映していたようです。ここにはそうした各時代の洛中洛外図が並んでいました。

まず最初に岩佐又兵衛「洛中洛外図屏風 舟木本」を4面の大画面で映すコーナーがありました。これは分かりやすいけど無駄にでかいw 日テレの開局記念の展示だけあってこうした映像技術を駆使した展示となっていますが、正直このスペースにもっと作品を展示して欲しかった。映像技術とかどうでもいいや。

4 岩佐又兵衛 「洛中洛外図屏風 舟木本」 ★こちらで観られます
こちらは6曲1双の屏風で、右隻は大仏殿や秀吉を祀る豊國神社、三十三間堂など四条河原付近の様子が描かれ、左隻には祇園祭の山車や御所、二条城などが描かれています。解説によると、これは東寺の五重塔から描いたと考えられるようで、かなり詳細かつ緻密に京都の様子が描かれています。人々の感情までも伝わってくるような描写で、賑わいと共に生活感もよく表されていました。
 参考記事:
  番外編 京都旅行 祇園~清水寺エリアその2
  番外編 教王護国寺 (東寺)の写真

1 「洛中洛外図屏風 歴博甲本」
これは室町時代に作られた最古の洛中洛外図屏風で、右隻は上京 左隻は下京が描かれています。上京は雪景色の愛宕山、金閣寺、龍安寺、中央に足利将軍邸があり、下京は比叡山、鴨川、御所などが描かれているようで、それぞれに名前がついています。解説によると、これは上京の幕府と下京の御所を対比することで公武の均衡した力関係を示しているようです。また、相国寺で描かれたとのことでしたが、左右の位置関係が東西逆に思えるのは現代人の感覚かなw 街には金泥の雲がたなびき、のんびりした雰囲気がありました。

7 「洛中洛外図屏風 池田本」
こちらは6曲1双の屏風で、右隻に方広寺 左隻に二条城が描かれた江戸時代の典型的な構図となっています。鮮やかな緑と立体的な厚みのある金雲が華やかな印象で、街路をジグザグに描き町家を多く描くなど、その繁栄ぶりを強調しているそうです。また、右隻には山鉾巡行らしきものが練り歩き、右隻の左のほうには東福院和子の入内の行列があるなど、人々もぎっしり描き込まれていました。豪華絢爛で重厚な作品です。


<第2部 都の空間装飾─障壁画の美 1 王権の象徴─京都御所>
続いては洛中洛外図に描かれた建物の中を飾った障壁画についてで、御所、龍安寺、二条城について章分けされていました。戦国時代の織田信長・豊臣秀吉・徳川家康といった天下人たちは京都御所を始め公家たちの屋敷を建て、金銀を朝廷に贈ることで京都支配の正当性を認めさせていたようです。さらに政治的な影響力を持った寺院への後援となり、自らは安土城・聚楽第・二条城といった巨大な城を築くなど稀に見る建築ブームと言える状態だったようで、建物の内部は天下人の意向を表すように金箔を張り巡らせた豪壮で華麗な障壁画で飾りたてました。建物や各部屋は機能や役割によって序列が定められ、障壁画はその序列に応じた画題や技法が使われたそうで、これらの障壁画に絵筆をふるったのは信長・秀吉に仕えた狩野永徳や、家康に使えた狩野探幽など狩野一門の一流の絵師たちだったようです。ここにはまず御所の障壁画が展示されていました。
 参考記事:番外編 京都旅行 京都御所

8 狩野孝信 「賢聖障子絵」 ★こちらで観られます
これは10枚の障壁画で、前期後期で半分ずつ?展示されていたようで全体ではもう少し枚数が多いセットのようです。ここには全部で32人の中国の賢人・聖人(展示で観たのは20人くらい)が描かれていて、後水尾天皇の御所の紫宸殿(最も重要な儀式を行う建物)に飾られていたそうで、太い輪郭で描かれた人物像が並びます。不思議と皆右向きの立ち姿で描かれているのですが、これは20人の目線の先に天皇の玉座があった為のようです。ずらりと並ぶ姿は壮観で、狩野派らしい作風に思えました。

9 狩野永徳 「群仙図」 ★こちらで観られます
これは秀吉の命によって建てられた仙洞御所(天皇退位後の御所)の寝殿を飾った襖絵で、17面がずらりと並んでいました。仙洞とは世俗を離れた仙人の住む場所のことで、ここには沢山の仙人たちが描かれ、膝の上に蛙を載せる蝦蟇仙人や口から何か(己の分身)を飛ばす鉄拐仙人、鶴に乗った仙人(控鶴仙人?)などユニークな仙人たちがのんびりと暮らしている様子が描かれています。輪郭は太めで、永徳といえば豪放なイメージですが、こちらの作品では穏やかな雰囲気がありました。結構ボロボロなのがちょっと残念。


<第2部 都の空間装飾─障壁画の美 2 仏法の荘厳─龍安寺>
続いては龍安寺についてのコーナーです。まず大きな部屋に4Kの映像で有名な枯山水庭園の四季の様子が流されていました。いずれの季節も見応えがありますが、私が好きなのは秋かな。これもやけに映像に力が入っていましたが、このスペースがあったらもっと作品を…w
 参考記事:番外編 京都旅行 金閣寺エリアその2

15-16 「琴棋書画図襖」
これは龍安寺の方丈の間の旧襖絵をその場を再現するように部屋を囲う形で展示されていたもので、文人が嗜むべきとされていた琴、棋(囲碁)、書、画の4つを題材にしていて、そのうち「書」の襖絵は失われてしまっているようです。金地を背景に中国風の人々が巻物を広げていたり、従者が琴を持っていたり、碁に興じていたりとのんびりとした光景です。いずれも太い輪郭で岩などは力強く描かれている一方で、花などは可憐な印象を受けます。恐らく狩野派の作風だと思いますが、全体的に雅な作品となっていました。

14 「列子図襖」 ★こちらで観られます
これは4面の襖絵で、金地を背景に中国風の人々が右から2番めの襖に描かれた人を見ているようです。これは風を操って空を飛んでいる列子の姿らしく、人々は列子に指をさしていたり お互いに話しているような動きのあるポーズをしています。解説によると、この作品は明治維新の頃の廃仏毀釈によって海外に流出したようで、今はメトロポリタン美術館の所蔵となっているそうです。また、この隣には同様に海外に流出した「群仙図襖」(★こちらで観られます)もありましたが、こちらは英国人の尽力によって龍安寺の元へ戻ったそうです。この2作品はそれ以来久々の顔合わせということで1つの見どころとなっていました。


<第2部 都の空間装飾─障壁画の美 3 公儀の威光─二条城>
最後は二条城の障壁画のコーナーで、ここが一番圧巻の展示方法となっていました。二条城は狩野探幽をリーダーに3000枚にも及ぶ障壁画・襖絵を描いたそうで、ここにはその一部を再現して展示していました。
 参考記事:
  二条城展 (江戸東京博物館)
  番外編 京都旅行 二条城

19-1 狩野尚信 「桜花雉子図 二の丸御殿 黒書院二の間」 ★こちらで観られます
19-2 狩野尚信 「楼閣山水図 二の丸御殿 黒書院二の間」
これは15代将軍慶喜が大政奉還の考えを発表する前に近臣に述べたと言われる黒書院二の間の障壁画で、部屋全体に金地を背景とした白い桜が描かれています。上下2段となっていて、上は水辺の建物や松などを描いた楼閣山水図なのですが、上は遠近感がある一方で下段は大和絵風の平面的な画面に思えました。金地に白い花は非常に可憐で、雅な雰囲気の空間となっていて、この展示方法には驚きました。

18-1 狩野尚信 「松桜柴垣禽鳥図 二の丸御殿 黒書院一の間」
18-2 狩野尚信 「楼閣山水図 二の丸御殿 黒書院一の間」
こちらは将軍が執務を行う黒書院一の間の障壁画で、やはり上下2段の構成となっています。上段は桜や舞い飛ぶ燕が描かれ、下段は水辺の桜や、正面に描かれた雪を被った堂々たる松、左側には楼閣と水辺の風景なども描かれていました。つまり黒書院の障壁は雪解けの早春から始まり、春爛漫、夏へと向かう時期といった感じに季節の移り変わりまでもが描かれているようです。 こちらも先ほどの二の間と同じく雄大ながら雅な感じがして、戦国時代の荒々しい絵に比べて太平の世に相応しい表現に思えました。

20 狩野探幽 「松鷹図 二の丸御殿 大広間四の間」 ★こちらで観られます
最後は大広間四の間の障壁画で、ここは大名が揃って将軍に謁見する部屋です。緑鮮やかな巨大な松が描かれ、松には大きな鷹がとまっていて威厳を感じさせます。解説によると、鷹は武家を象徴する鷹狩を題材としているようで、支配者の権威を示しているようです。圧倒されるような松のボリュームと共に鷹の緊張感が将軍との謁見の場所に相応しい雰囲気でした。


ということで、作品数は少ないですが貴重な作品を見ることができました。とは言え映像コーナーが無駄に広いので、ちょっとそこは残念だったかな。後半の黒書院の再現などは見事だっただけに惜しい感じです。かなり混雑していましたが参考になる内容でした。


 参照記事:★この記事を参照している記事


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トスカーナと近代絵画 もうひとつのルネサンス 【損保ジャパン東郷青児美術館】

最近忙しくて間があきました。もう20日くらい前のことですが、新宿の損保ジャパン東郷青児美術館で会期末となった「トスカーナと近代絵画 もうひとつのルネサンス」を観てきました。この展示は既に終了しましたが今後の参考として記事にしておこうと思います。

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【展覧名】
 フィレンツェ ピッティ宮近代美術館コレクション
 トスカーナと近代絵画 もうひとつのルネサンス

【公式サイト】
 http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/index_pitti.html

【会場】損保ジャパン東郷青児美術館
【最寄】新宿駅


【会期】2013年9月7日(土)~11月10日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日15時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
会期末でしたがそれほど混んでおらず、自分のペースで観ることができました。

さて、この展示はイタリアのフィレンツェにあるピッティ宮近代美術館のコレクション展で、ロマン主義から20世紀初頭までの2世紀渡るイタリアの絵画の歴史を回想するものとなっていました。イタリアは19世紀初頭に半島を征服していたナポレオンが失脚し、1815年にオーストリア帝国がイタリア半島の大部分を傘下に置く体制が復活しました。フランス統治は短命でしたが、長らく諸大国に分割統治されてきたイタリア半島の人々に文化を共有し、同一民族としての自覚を促したそうです。1820年代には文学や美術にイタリア中世やルネサンス時代の主題が表されるようになり、1840年代から幾多の戦争を経て1861年にトリノを首都とするイタリア王国が誕生しました。一連の統一運動は過去の栄光を摂り戻る願いを込めてリソルジメント(再起)と呼ばれたそうで、この間トスカーナ大公国の首都フィレンツェは進歩的な思想家や芸術家が集まる国際文化都市の華やぎを取り戻し、新王国政府は統一記念の博覧会をフィレンツェに選び、初めてイタリア各地の美術が一同に会したそうです。
展覧会はそうした時代に沿って章分けされていたので、詳しくは各章ごとにご紹介していこうと思います。
 参考記事:
  イタリアの印象派 マッキアイオーリ展 (東京都庭園美術館)
  ウフィツィ美術館自画像コレクション (損保ジャパン東郷青児美術館)


<第1章 トスカーナのロマン主義絵画にみる歴史と同時代性>
フランスから伝わったロマン主義は19世紀前半にはイタリアの主要都市に浸透していたそうですが、アカデミーではギリシア・ローマの芸術を理知的に模倣する新古典主義が主流だったそうです。その反動であるロマン主義は個人の内発的な感情、自然への憧れ、民族意識などを特徴としていたようで、イタリアのロマン主義の画家は自然から得た素材を、祖国の文化である16世紀ルネサンス絵画に倣った理知的な人物表現と融合させていたそうです。ここにはそうした時代の作品が並んでいました。

3 ガエターノ・サパテッリ「チマブーエとジェット」
道端で石版に羊の絵を描いている少年と、その後ろで馬にもたれかかってそれを観て立つ白い服の男性が描かれた作品です。これは13世紀にルネサンスの先駆けとなったジョットの少年時代を描いたもので、高名な画家チマブーエが通りがかりジョットの才能を見出したという逸話を題材にしているようです。鮮やかで柔らかい色合いでいかにも歴史画といった感じの画風かな。大型で見応えがあり、物語性を感じさせました。

4 エンリコ・ポッラストリーニ 「ピーア・デ・トロメイの墓にきたネッロ」
これは墓穴に横たわる白い服の若い女性と、その傍らにいる夫が目を見開いて抱きつこうとしている様子が描かれた作品です。夫の後ろには2人の人物が制止していて、横にはそれを見ている男性、その側には抱き合って悲しむ女性などの姿もあります。解説によると、これはイタリアの小説のクライマックスを描いたものらしく、ロミオとジュリエットの話に似ているそうです。非常に心情表現が劇的で、ロマン主義的な作風でした。

この近くにはダンテの神曲を題材にした作品もありました。

10 アントニオ・フォンタネージ 「サンタ・トリニタ橋付近のアルノ川」
これはフィレンツェ近くの川とその背景の町が描かれた作品で、空は赤く染まり川には船が浮かんでいます。その色合いが何とも神々しく、美しい光景です。 作者のフォンタネージはフランスのバルビゾン派やイギリスのターナー、フィレンツェのマッキアイオーリなどを研究した画家で、1876~78年には明治政府の招きによって東京で西洋画を教えていたそうです。 浅井忠などはその系譜などで作風も似ているように思いました。


<第2章 新たなる絵画 マッキアオーリ>
続いてはイタリアの印象派とも言えるマッキアイオーリについてのコーナーです。イタリアのリソルジメントが高揚した1850年代に、急進的な思想家のたまり場だったカフェ・ミケランジェロ(フィレンツェ大聖堂の近く)には絵画にも革新を求める若い画家も集まったそうです。フィレンツェ滞在中のドガも常連だったそうですが、ここに集まった画家たちはバルビゾン派の影響を受けていたようで、現実の実観を描こうとして現場での写生を重視したそうです。そして彼らは次第に現実らしさをその場限りの色彩と明暗の調和に見出していったようで、移ろう光景の全容を素早く描くために形態を大まかな色斑(マッキア)で捉える方法を生み出したそうです。ここではそうした運動の革新を象徴する実験的な作品なども並んでしました。

11 ジョヴァンニ・ファットーリ 「従姉妹アルジアの肖像」
これは今回のポスターの作品で、手を組んで座る女性がこちらを見ている姿が描かれています。少し離れて観ると写実的に描かれているように見えますが、近寄って観ると服などは粗いタッチで描かれているのが分かり面白いです。確かに印象派に通じるタッチかな。知的な雰囲気の女性像で、色合いのせいか静かな画面となっていました。 なお、「マッキアイオーリ」も印象派と同じく最初は侮辱的な意味で使用されていた言葉とのことでした。その辺も含めて印象派と比較されるのもうなずけます。

36 テレマコ・シニョリーニ 「フィレンツェの旧市街の通り」
これは縦長の画面にフィレンツェの裏通りが描かれた作品で、手前は暗く上の方の建物に光が当たっているようです。タッチは粗く印象派風で、明暗の強さのせいか一層に光が明るく感じられました。

40 セラフィーノ・デ・ティボリ 「立木のある土地」
これは縦長の作品で林の間から家が見える光景が描かれています。かなりぼんやりとしていて、バルビゾン派のコローから影響を受けているようです。しかしコローよりもタッチは大胆に見えるかな。解説によると、この画家はパリ万博でバルビゾン派の作品を実際に見たそうで、印象派も学んだそうです。その研究の成果が伺える作品でした。

31 クリスティアーノ・バンティ 「夕焼け」
これは木の側に立つ2人の女性と木にもたれる少女が描かれた作品で、2人の女性は話し合っているのかな。背景は赤く染まる空で郷愁を誘われる風景です。解説によると、この画家はカフェ・ミケランジェロでパトロン的な立場だった人物で、コローから影響を受けているようです。その影響はこの作品でも顕著に見られ、空気感はコローの表現の特徴に似ているように思いました。

17 ジョヴァンニ・ファットーリ 「止まれ」
こちらは道端で沢山の兵士や馬が立ち止まっている様子を描いた作品で、これは統一戦争を題材にしているようです。解説によると、この画家は統一戦争の絵で評価を受けた画家のようですが、実際に戦闘には参加しておらず、こうした野営地などをよく描いていたようです。背景の人々や馬は簡素に描かれていますが、離れて観ると躍動感があるように思えるのが面白いです。明るく軽やかな色合いで、これも印象派に近いものを感じました。


<第3章 トスカーナにおける19世紀と20世紀絵画の諸相>
続いてはトスカーナの19世紀~20世紀の画家のコーナーです。王宮のあるフィレンツェは20世紀にもアカデミックな絵画に需要があったそうで、上流階級や公的機関の注文に応じる画家がいたようです。また、革新的な美術運動の舞台はローマやミラノ、トリノへ移り、トスカーナでは穏健な描写で田園生活を讃えた作品が描かれたようです。1880年代の若手はフランスのポスト印象主義やナビ派、さらにミラノ発の分割主義に触発され色彩やタッチの造形に関心を移し、スタイルを発展させた画家たちはポストマッキアイオーリと呼ばれるそうです。
19世紀末には美と内面の神秘を探求する耽美主義者や象徴主義者が各国から集まったそうで、20世紀になると伝統の打破を唱える未来派の抽象絵画が伝播したそうです。しかし第一次世界大戦後には秩序と安定を求める世相を反映し、端正な具象絵画が息を吹き返しました。 ここにはそうした時代の様々な作品が並んでいました。

49 アントニオ・チゼーリ 「キリストの埋葬」
これは処刑されて ぐったりしたキリストを埋葬しようと運ぶ聖人や聖女・聖母を描いた作品です。3人の弟子がキリストを持ち、女性たちは悲しみに暮れていて、青白い顔のキリストは力ない感じがします。解説によると、この画家は実証主義の影響を受けて迫真描写で表現しているようです。また、カラヴァッジョからの影響も受けているようで、光の使い方などからそれが伺えるようでした。

56 ヴィットーリオ・マッテオ・コルコス 「フランカ・ヴィヴィアーニ・デッラ・ロッビアの肖像」
こちらを見つめるショートヘアの若い女性を描いた作品で、唇の赤が鮮やかに見えます。 全体的にも明るめに見えるかな。 背景には葉っぱのような紋章のようなものも描かれていて、このモデルは国王の血筋を引いているそうです。そのためか気品があるように思えました。解説によると、この作者は前章でご紹介したファットーリの弟子で、パリで学び帰郷後に上流層の肖像画家として成功した人物だそうです。古代彫刻の造形と近代的な容貌を結びつけているようで理想的な美しさに思えました。

61 オットーネ・ロザイ 「山と農家」 ★こちらで観られます
山を背景に水辺の農家が描かれた作品で、ぼんやりとして重厚な色合いで描かれています。1人も人物が描かれておらず、素朴な画風と相まって寂しいようなシュールなような不思議な感覚を覚えます。解説によると、この画家はセザンヌの影響を受けているそうで、家は簡潔な形をしているのでそれっぽいかな。また、未来派にも参加していたようですが、その要素は感じられませんでした。


<第4章 20世紀の画家たち:イタリア絵画の立役者たちとその傾向>
最後は20世紀についてのコーナーです。文化大国を目指したファシスト政権の政策はイタリアの芸術界に活気をもたらせたそうで、政府が展覧会や販売の制度を支援し、建築装飾事業を支援したため、美術品の流通は10年で10倍以上となったそうです。前衛芸術を退廃とみなしたナチスとは異なりファシスト党内の有識者は多様な表現に理解があったようですが、地方の国粋的な統治者は国際的なスタイルに批判的だったようです。ここにはそうした激動の20世紀の画家の作品が並んでいました。

68 ジョルジョ・デ・キリコ 「南イタリアの歌」
ギターを弾く人物とその後ろから頬を寄せる人物が描かれた作品です。しかし2人とも顔はなくマネキン人形のような感じで、シュールな雰囲気となっています。これは個性を奪われた近代人を表すとも解釈できるそうで、言い知れぬ不安を感じました。解説によると、デ・キリコは象徴主義に惹かれ目に見えない本質を「形而上」とし形而上派を作ったそうです。形而上派はイタリアの過去の絵画を再評価し、その彩色技術・遠近法・明暗法・主題や図像を現代的な感覚で再制作し、こうした作品を産んだようでした。

76 アルベルト・サヴィニオ 「オルフェウスとエウリュディケ」
これはデ・キリコの弟の作品で、サヴィニオはバレエ音楽の作曲家としてのペンネームで本名はアンドレア・デ・キリコという名前だそうです。この絵にはオルフェウスと妻のエウリュディケが描かれているのですが、見た目はセーターを着た現代人といった感じかな。独特のざらついたマチエールで大胆かつ内面的な雰囲気があります。解説によると、これは古代神話を自分自身と重ねて表す手法だったそうで、兄の作品とはまた違った面白さがありました。

この近くにはローマ派と呼ばれた一派の作品もありました。


ということで、参考になる展示でしたが「これ!」という作品は少なかったようにも思いました。とは言え、イタリアのルネサンス期以降の絵画の流れは興味深いので、こうした展覧会があったらまた行ってみたいと思います。


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