Archive | 2014年01月
もう2週間ほど前のことですが、竹橋の東京国立近代美術館で展示を観てきました。その際、常設を観てきましたので先にご紹介しておこうと思います。なおこの常設は期間があり既に終了しておりますが、写真を撮ってきましたのでそれを使ってご紹介していきます。
※ここの常設はルールさえ守れば写真が撮れます。(撮影禁止の作品もあります)
※当サイトからの転載は画像・文章ともに一切禁止させていただいております。
【展覧名】
所蔵作品展 MOMAT コレクション
【公式サイト】
http://www.momat.go.jp/Honkan/permanent20131022.html
【会場】
東京国立近代美術館 本館所蔵品ギャラリー
【最寄】
東京メトロ東西線 竹橋駅
【会期】2013年10月22日(火)~2014年1月13日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間45分程度
【感想】
今回は特別展が最終日1日前だったこともあって非常に混んでいました。今回も観てきた順にご紹介していきます。
参考記事:
東京国立近代美術館の案内 (2013年09月)
東京国立近代美術館の案内 (2013年03月)
東京国立近代美術館の案内 (2012年02月)
東京国立近代美術館の案内 (2011年12月)
東京国立近代美術館の案内 (2011年06月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年12月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年09月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年05月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年04月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年02月)
東京国立近代美術館の案内 (2009年12月)
平福百穂 「丹鶴青瀾」

これは大正天皇の結婚25周年の献上品として描かれた作品で、おめでたい鶴をモチーフに堂々たる雰囲気です。金の流れや翼を広げた鶴が動的な感じで、深い青にも目を奪われました。
この近くには同じく平福百穂の代表作「荒磯」もありました。
萬鉄五郎 「太陽の麦畑」

強烈な色彩が印象的で、いかにもゴッホから影響を受けた感じがします。しかし当時はモノクロの複製図しかなかったそうで、色彩の強さやマチエールまでも本家に近いものを感じるのには驚きます。力強い生命感が感じられました。
木村荘八 「虎の門付近」

これは先ほどの萬鉄五郎も参加していたヒュウザン会で発表された作品で、やはりゴッホからの影響を元に制作されているそうです。私にはゴッホというよりはフォーブに見えるかな。太い輪郭や単純化が面白い作品でした。
川瀬巴水 「[日本風景集II 関西篇]より 紀州 瀞(とろ)」

大好きな川瀬巴水の風景画。木版とは思えないほどの色彩と、叙情的な光景に郷愁を誘われました。
参考記事:馬込時代の川瀬巴水 (大田区立郷土博物館)
杉浦非水 「帝都復興と東京地下鉄道」

広告デザインの草分けともいえる杉浦非水の作品。関東大震災は1923年、銀座線開通は1927年でこの作品は1929年なので、いずれからも少し経ってからの時期かな。当時最先端のアール・デコの雰囲気が何とも好み。強調された遠近感が面白い作品でした。
長谷川利行 「カフェ・パウリスタ」

パウリスタとはサンパウロっ子という意味で、1911年の開店の当時から人気で今でも銀座で続いているカフェを描いたものです。これは長らく行方不明だったのがテレビで鑑定に出されて再び世に出たそうで、なんでも鑑定団かな?w 下宿の家賃代わりにおいて行ったそうです。やや抽象的ですが色合いや単純化が好みで、どことなく佐伯に近いものを感じました。
津田青楓 「ブルジョワ議会と民衆生活 下絵」

そびえる国会と小さな民家が描かれた作品。タイトルからして反体制的なニュアンスが感じられるかな。小さな家はセザンヌ風にも見えます。国会の上の辺りの空が区切られているのが謎でした。
津田青楓 「犠牲者」

これは蟹工船で有名な小林多喜二が虐殺されたことに触発されて描かれた作品。キリストの磔刑に匹敵するものを目指したそうですが、何とも無残で痛々しい感じです。津田はこうした作品を描いていたこともあって家宅捜索され一時勾留されていたこともあるのだとか。メッセージ性が強い作品でした。
植田正治 「少女四態」

これは先日ご紹介した植田正治の代表作。現実の風景なのにどこかシュールに感じられるのが面白い作品です。
参考記事:生誕100年!植田正治のつくりかた 感想前編(東京ステーションギャラリー)
中西利雄 「夏の海岸」

色鮮やかな水彩が爽やかな雰囲気の作品。デュフィのような軽やかさが感じられました。
中西利雄 「婦人帽子店」

こちらも中西利雄の作品で、華やかな作品。帽子の配置が流れるようで、帽子掛けの垂直や水平線、帽子の曲線など構図も見ていて面白く感じました。
鈴木誠 「皇土防衛の軍民防空陣」

終戦の年に描かれた作品。棒を持つ女性や指揮する兵隊が英雄的に描かれているので、末期の戦争画かな? こんな状況でもプロパガンダ的な作品が作られているというのは現代の感覚からすると異様な感じを受けました。
小野竹喬 「雨の海」

画面の高い位置に描かれた島が船のようにも見えるかな。手前の潮の流れの描き分けや雨の表現などがしんみりとした雰囲気に思えました。
参考記事:生誕120年 小野竹喬展 (東京国立近代美術館)
落合朗風 「浴室」

日本画とは思えないほどモダンな作品。裸婦はゴーギャンを彷彿とさせる豊満な雰囲気で、画面には幾何学的な構成があるように思えました。
榎本千花俊 「銀嶺」

何気ない一瞬の表情が何とも美しい作品。1942年の作品なので戦時中だと思いますがそうとは感じない優美な印象を受けました。点描のような背景も気になります。
ということで、今回もまだ観たことがない作品がいくつもありました。この美術館の常設も行く度に発見があるので、特別展などで足を運ぶ際には常設も観ることをお勧めします。
この日は特別展も観たので、次回はそれについてご紹介の予定です。
※ここの常設はルールさえ守れば写真が撮れます。(撮影禁止の作品もあります)
※当サイトからの転載は画像・文章ともに一切禁止させていただいております。
【展覧名】
所蔵作品展 MOMAT コレクション
【公式サイト】
http://www.momat.go.jp/Honkan/permanent20131022.html
【会場】
東京国立近代美術館 本館所蔵品ギャラリー
【最寄】
東京メトロ東西線 竹橋駅
【会期】2013年10月22日(火)~2014年1月13日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間45分程度
【感想】
今回は特別展が最終日1日前だったこともあって非常に混んでいました。今回も観てきた順にご紹介していきます。
参考記事:
東京国立近代美術館の案内 (2013年09月)
東京国立近代美術館の案内 (2013年03月)
東京国立近代美術館の案内 (2012年02月)
東京国立近代美術館の案内 (2011年12月)
東京国立近代美術館の案内 (2011年06月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年12月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年09月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年05月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年04月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年02月)
東京国立近代美術館の案内 (2009年12月)
平福百穂 「丹鶴青瀾」

これは大正天皇の結婚25周年の献上品として描かれた作品で、おめでたい鶴をモチーフに堂々たる雰囲気です。金の流れや翼を広げた鶴が動的な感じで、深い青にも目を奪われました。
この近くには同じく平福百穂の代表作「荒磯」もありました。
萬鉄五郎 「太陽の麦畑」

強烈な色彩が印象的で、いかにもゴッホから影響を受けた感じがします。しかし当時はモノクロの複製図しかなかったそうで、色彩の強さやマチエールまでも本家に近いものを感じるのには驚きます。力強い生命感が感じられました。
木村荘八 「虎の門付近」

これは先ほどの萬鉄五郎も参加していたヒュウザン会で発表された作品で、やはりゴッホからの影響を元に制作されているそうです。私にはゴッホというよりはフォーブに見えるかな。太い輪郭や単純化が面白い作品でした。
川瀬巴水 「[日本風景集II 関西篇]より 紀州 瀞(とろ)」

大好きな川瀬巴水の風景画。木版とは思えないほどの色彩と、叙情的な光景に郷愁を誘われました。
参考記事:馬込時代の川瀬巴水 (大田区立郷土博物館)
杉浦非水 「帝都復興と東京地下鉄道」

広告デザインの草分けともいえる杉浦非水の作品。関東大震災は1923年、銀座線開通は1927年でこの作品は1929年なので、いずれからも少し経ってからの時期かな。当時最先端のアール・デコの雰囲気が何とも好み。強調された遠近感が面白い作品でした。
長谷川利行 「カフェ・パウリスタ」

パウリスタとはサンパウロっ子という意味で、1911年の開店の当時から人気で今でも銀座で続いているカフェを描いたものです。これは長らく行方不明だったのがテレビで鑑定に出されて再び世に出たそうで、なんでも鑑定団かな?w 下宿の家賃代わりにおいて行ったそうです。やや抽象的ですが色合いや単純化が好みで、どことなく佐伯に近いものを感じました。
津田青楓 「ブルジョワ議会と民衆生活 下絵」

そびえる国会と小さな民家が描かれた作品。タイトルからして反体制的なニュアンスが感じられるかな。小さな家はセザンヌ風にも見えます。国会の上の辺りの空が区切られているのが謎でした。
津田青楓 「犠牲者」

これは蟹工船で有名な小林多喜二が虐殺されたことに触発されて描かれた作品。キリストの磔刑に匹敵するものを目指したそうですが、何とも無残で痛々しい感じです。津田はこうした作品を描いていたこともあって家宅捜索され一時勾留されていたこともあるのだとか。メッセージ性が強い作品でした。
植田正治 「少女四態」

これは先日ご紹介した植田正治の代表作。現実の風景なのにどこかシュールに感じられるのが面白い作品です。
参考記事:生誕100年!植田正治のつくりかた 感想前編(東京ステーションギャラリー)
中西利雄 「夏の海岸」

色鮮やかな水彩が爽やかな雰囲気の作品。デュフィのような軽やかさが感じられました。
中西利雄 「婦人帽子店」

こちらも中西利雄の作品で、華やかな作品。帽子の配置が流れるようで、帽子掛けの垂直や水平線、帽子の曲線など構図も見ていて面白く感じました。
鈴木誠 「皇土防衛の軍民防空陣」

終戦の年に描かれた作品。棒を持つ女性や指揮する兵隊が英雄的に描かれているので、末期の戦争画かな? こんな状況でもプロパガンダ的な作品が作られているというのは現代の感覚からすると異様な感じを受けました。
小野竹喬 「雨の海」

画面の高い位置に描かれた島が船のようにも見えるかな。手前の潮の流れの描き分けや雨の表現などがしんみりとした雰囲気に思えました。
参考記事:生誕120年 小野竹喬展 (東京国立近代美術館)
落合朗風 「浴室」

日本画とは思えないほどモダンな作品。裸婦はゴーギャンを彷彿とさせる豊満な雰囲気で、画面には幾何学的な構成があるように思えました。
榎本千花俊 「銀嶺」

何気ない一瞬の表情が何とも美しい作品。1942年の作品なので戦時中だと思いますがそうとは感じない優美な印象を受けました。点描のような背景も気になります。
ということで、今回もまだ観たことがない作品がいくつもありました。この美術館の常設も行く度に発見があるので、特別展などで足を運ぶ際には常設も観ることをお勧めします。
この日は特別展も観たので、次回はそれについてご紹介の予定です。
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今日は前回に続き、サントリー美術館の「天上の舞 飛天の美」についてです(この展示は既に終了しています。) 前編では飛天の伝来などについて書いておりますので、お読みになっていない方は前編から読んで頂けると嬉しいです。
前編はこちら
まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美
【公式サイト】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_5/index.html
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2013年11月23日(土・祝)~2014年1月13日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
前編は上階についてご紹介しましたが、後編は3章と下階の展示についてです。
<第3章 飛天の展開-来迎聖衆->
平安時代後半になると、極楽往生への強い願いのもと臨終時に阿弥陀如来と菩薩聖衆が浄土から迎えにやってくる来迎の思想が急速に普及し、それに伴い絵画・彫刻が作られるようになりました。本来、飛天と異なるはずの菩薩は浄土では同じく如来を讃美・供養して雲にのって飛来することで飛天の図像と共通するものとなって、飛天のイメージは来迎図の菩薩聖衆として来迎図に描かれるようになりました。ここではそうした来迎に関する作品が並んでいました。
61 「阿弥陀二十五菩薩来迎図」 ★こちらで観られます
これは掛け軸で、左上から右下に向かって勢至菩薩・観音菩薩を先頭に雲に乗った菩薩達が来迎する様子が描かれ、前から三番目くらいに大きな如来の姿があります。解説によると、来迎の後方には宮殿が描かれていることから九品往生の中で最上の上品上生の来迎の様子だそうです。九品往生の表現の違いは私には分かりませんが、楽器を鳴らし雲に乗っているのは来迎図らしい図様のように思います。また、ここでは確かに菩薩が飛天のようになっている姿も描かれているようでした。
66 「二十五菩薩及び飛天像」
これは菩薩聖衆を彫刻で表したもので、二十五菩薩のうちの残骸のようなものが展示されていました。来迎図の彫刻は作例が少なく、これもほとんど失われていて座っている足や体の半分しか残っていませんが、飛天の飛ぶ様子が優美で 衣の柔らかそうな質感などからは作者の技量の高さが伺えるようでした。
<第4章 平等院鳳凰堂-飛天舞う極楽浄土世界―>
続いては最も見どころとなっていた平等院鳳凰堂の飛天についてのコーナーです。1035年建立の平等院鳳凰堂は極楽浄土を再現した阿弥陀堂で、阿弥陀如来を中心に飛天のイメージが溢れる堂内は仏の空間に相応しいものとなっているそうです。この度、半世紀ぶりの修理に伴って普段は堂内でしか見られない品が特別に間近に展示されていました。
69 「阿弥陀如来坐像光背飛天」 ★こちらで観られます
これは鳳凰堂阿弥陀如来像の光背についている飛天で、雲の上座って踊るようなポーズをした姿で表されています。シンバルのような楽器を持っている飛天、片膝を立てている飛天など優美な姿で動きが感じられます。解説によると、これらは1つの木材から作られているそうで、薄い材の浮き彫り的な感じかな。頭上にも模品が並び、平等院の雰囲気を伝わるような展示となっていました。
この少し先の階段下の辺りでは飛天像(の模品)に実際に触れて結縁することができるコーナーがありました。本物の代わりに平等院の中に置かれるようで、この機会に結縁しておこうという人で凄い行列となっていました。私は40分待ちに心が折れて触れませんでしたw
続いては鳳凰堂の内部の壁にかかった全52体の飛天のうちの14体が展示されていて、いずれも雲にのって楽器を演奏したり旗を持つ姿で表されていました。仏師 定朝が率いた工房の作と考えられ、太鼓を叩くもの、琵琶を弾くもの、シンバルのような打楽器を持つもの、笙を吹くもの、琴を奏でるもの、旗を持ったものなど様々な姿となっています。これらの飛天の表情や作風は少しずつ違っているようで、それぞれの仏師の個性が観られるようです。しかしいずれも優美で動きがあり、雲は結構深く彫られているためか大胆な印象も受けました。また、解説によると、頭部を丸彫りで下半身にかけて浮き彫り風に表すのを基本としているそうで、堂内の壁にかけた状態で下から仰ぎ見ることを前提とした造形となっているとのことでした。ここでも飛天であると共に来迎の菩薩聖衆のイメージが感じられるのも面白かったです。
最後は阿弥陀如来像の修理の過程で台座から出てきたものや、頭上を荘厳する木造天蓋なども展示されていました。
ということで、普段は仏像といえば如来や菩薩が主役ですが、今回はバイプレーヤーとも言える飛天を主役にしていて非常に参考になりました。ヘレニズム文化からの影響もあったせいか、仏教美術における天使のような感じでもあり、菩薩のようでもあり、文化の融合が観られたのも面白かったです。もう終わってしまいましたが、今後の参考になる展示でした。
参照記事:★この記事を参照している記事
前編はこちら
まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美
【公式サイト】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_5/index.html
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2013年11月23日(土・祝)~2014年1月13日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
前編は上階についてご紹介しましたが、後編は3章と下階の展示についてです。
<第3章 飛天の展開-来迎聖衆->
平安時代後半になると、極楽往生への強い願いのもと臨終時に阿弥陀如来と菩薩聖衆が浄土から迎えにやってくる来迎の思想が急速に普及し、それに伴い絵画・彫刻が作られるようになりました。本来、飛天と異なるはずの菩薩は浄土では同じく如来を讃美・供養して雲にのって飛来することで飛天の図像と共通するものとなって、飛天のイメージは来迎図の菩薩聖衆として来迎図に描かれるようになりました。ここではそうした来迎に関する作品が並んでいました。
61 「阿弥陀二十五菩薩来迎図」 ★こちらで観られます
これは掛け軸で、左上から右下に向かって勢至菩薩・観音菩薩を先頭に雲に乗った菩薩達が来迎する様子が描かれ、前から三番目くらいに大きな如来の姿があります。解説によると、来迎の後方には宮殿が描かれていることから九品往生の中で最上の上品上生の来迎の様子だそうです。九品往生の表現の違いは私には分かりませんが、楽器を鳴らし雲に乗っているのは来迎図らしい図様のように思います。また、ここでは確かに菩薩が飛天のようになっている姿も描かれているようでした。
66 「二十五菩薩及び飛天像」
これは菩薩聖衆を彫刻で表したもので、二十五菩薩のうちの残骸のようなものが展示されていました。来迎図の彫刻は作例が少なく、これもほとんど失われていて座っている足や体の半分しか残っていませんが、飛天の飛ぶ様子が優美で 衣の柔らかそうな質感などからは作者の技量の高さが伺えるようでした。
<第4章 平等院鳳凰堂-飛天舞う極楽浄土世界―>
続いては最も見どころとなっていた平等院鳳凰堂の飛天についてのコーナーです。1035年建立の平等院鳳凰堂は極楽浄土を再現した阿弥陀堂で、阿弥陀如来を中心に飛天のイメージが溢れる堂内は仏の空間に相応しいものとなっているそうです。この度、半世紀ぶりの修理に伴って普段は堂内でしか見られない品が特別に間近に展示されていました。
69 「阿弥陀如来坐像光背飛天」 ★こちらで観られます
これは鳳凰堂阿弥陀如来像の光背についている飛天で、雲の上座って踊るようなポーズをした姿で表されています。シンバルのような楽器を持っている飛天、片膝を立てている飛天など優美な姿で動きが感じられます。解説によると、これらは1つの木材から作られているそうで、薄い材の浮き彫り的な感じかな。頭上にも模品が並び、平等院の雰囲気を伝わるような展示となっていました。
この少し先の階段下の辺りでは飛天像(の模品)に実際に触れて結縁することができるコーナーがありました。本物の代わりに平等院の中に置かれるようで、この機会に結縁しておこうという人で凄い行列となっていました。私は40分待ちに心が折れて触れませんでしたw
続いては鳳凰堂の内部の壁にかかった全52体の飛天のうちの14体が展示されていて、いずれも雲にのって楽器を演奏したり旗を持つ姿で表されていました。仏師 定朝が率いた工房の作と考えられ、太鼓を叩くもの、琵琶を弾くもの、シンバルのような打楽器を持つもの、笙を吹くもの、琴を奏でるもの、旗を持ったものなど様々な姿となっています。これらの飛天の表情や作風は少しずつ違っているようで、それぞれの仏師の個性が観られるようです。しかしいずれも優美で動きがあり、雲は結構深く彫られているためか大胆な印象も受けました。また、解説によると、頭部を丸彫りで下半身にかけて浮き彫り風に表すのを基本としているそうで、堂内の壁にかけた状態で下から仰ぎ見ることを前提とした造形となっているとのことでした。ここでも飛天であると共に来迎の菩薩聖衆のイメージが感じられるのも面白かったです。
最後は阿弥陀如来像の修理の過程で台座から出てきたものや、頭上を荘厳する木造天蓋なども展示されていました。
ということで、普段は仏像といえば如来や菩薩が主役ですが、今回はバイプレーヤーとも言える飛天を主役にしていて非常に参考になりました。ヘレニズム文化からの影響もあったせいか、仏教美術における天使のような感じでもあり、菩薩のようでもあり、文化の融合が観られたのも面白かったです。もう終わってしまいましたが、今後の参考になる展示でした。
参照記事:★この記事を参照している記事
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前回ご紹介したお店に行く前に、ミッドタウンの中にあるサントリー美術館で「天上の舞 飛天の美」を観てきました。この展示は既に終了していますが、参考になる展示でしたので記事にしておこうと思います。なお、このところ帰りが遅くブログを書ける時間が少ないので、前編・後編にわけてご紹介しようと思います。

【展覧名】
平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美
【公式サイト】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_5/index.html
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2013年11月23日(土・祝)~2014年1月13日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
最終日1日前に行ったこともあり、非常に混んでいました。
さて、この展示は平等院鳳凰堂の修理完成を記念したもので、仏像の中でも「飛天」と呼ばれる存在についてフォーカスした内容となっていました。飛天はインドから西域、中央アジア、中国、そして日本へと仏教伝来と共に浄土世界の表現として伝わり、寺院の壁や柱などに表されてきたそうで、この展示では日本の古代から中世を中心に、伝来過程の作例なども交えて展示していました。もちろん、平等院鳳凰堂に関する品も数多くあり、国宝の雲中供養菩薩像や、普段は平等院の堂内にある阿弥陀如来像後背飛天なども寺外での初公開となっていました。テーマごとに章分けされていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品をご紹介しようと思います。
<第1章 飛天の源流と伝播-インドから日本->
まず最初は飛天の伝来についてのコーナーです。飛天は本来 天人のことで、仏教の六道という煩悩世界の最上階である天道に存在し、飛翔しながら散華し、楽器を奏し、香を焚くなど仏である如来を讃え供養しているようです。 仏があるところに飛天が表されるのはこの為で、仏教が生まれたインドから西域、中央アジア、中国 と、仏像表現に伴う存在として伝わりました。ガンダーラでは西のヘレニズム文化の影響を受け、西域・中国では当地の伝統と融合しながら石窟寺院の壁画などに表されたそうで、日本に至るまでも遠くヨーロッパの要素を含めながらシルクロードを軸とした展開があったようです。ここにはそうした作品が並んでいました。
[インド・西域]
1 原品:クチャ 7-8世紀 「舎利容器 模造」
これは中国新疆のクチャ周辺から出土した舎利容器の模品で、円筒にとんがり帽子がついた形をしています。蓋には赤を地に裸の天使のようなものが4人描かれていて、側面には多くの人々が描かれています。飛天は天使のように見え、ヘレニズム・ローマからの影響を感じさせました。
この周りには石に浮き彫りになった仏像が並び、大体は仏の上に飛天が配置されていて、キリスト教美術の天使のような雰囲気でした。
[中国・朝鮮]
6 中国 北魏時代 6世紀 「飛天像」
これは笙を吹いて飛んでいる中国風の服を着た飛天で、背中に衣をなびかせ空をとんでいるような感じです。微笑みを浮かべ穏やかな雰囲気があり、解説によるとこれは飛鳥時代の日本にも通じるものがあるとのことでした。この辺の飛天になると何となく日本に近い顔立ちに思えました。
18 朝鮮 統一新羅時代 7-8世紀 「飛天文軒平瓦断片」
これは朝鮮の7~8世紀頃の瓦に表された飛天で、衣か雲のようなものが長く伸びて、片手をあげて飛んでいます。中国の品に比べると更にスピード感があり、飛びまわっている様子が感じられました。
この近くには装飾品や玉(ぎょく)に表された飛天などもありました。
[日本]
25 原品:奈良時代 天平2年〔730〕「東塔水煙 模造」
これは薬師寺東塔の先端にあった装飾の模品で、左右対称に6体の透かし彫りの飛天が表されています。逆さになって天から降りてくる飛天などが表され、周りには火炎のような雲があり、流れるような感じも出ています。塔の先端は近くで観ることができないのに、これだけ凝っているとは驚きでした。
<第2章 天上の光景-浄土図から荘厳具->
続いては飛天にまつわる様々な品を紹介するコーナーです。仏のいる浄土には飛天以外にも菩薩衆や迦陵頻伽、共命鳥などが舞い、樹木や大地には金銀瑠璃などの七宝が輝くとされています。その浄土の光景を具体的に表したのが浄土図で、そうした作品からは当代の人々が希求した理想の浄土世界を観ることができるようです。この章ではそうした浄土図と共に荘厳具など現世で浄土を再現するための品々が並んでいました。
31 「当麻曼荼羅」
中央に大きな阿弥陀如来が座り、その脇に2体の大きな菩薩像、周りには小さい菩薩衆や奏楽・舞踊する菩薩衆が描かれた作品です。上のほうには沢山の飛天が飛来する様子もあり、浄土の姿を伝えています。仏教の教えを分かりやすくビジュアライズした感じで、当時の人々がどのように極楽を捉えていたかが伺えるようでした。
36 「阿弥陀如来及び両脇侍像のうち脇侍像」
これはお腹の前で手を開いて重ねる菩薩?と手を合わせている菩薩?の仏像で、両方とも片足を背後にあげて体をひねるような変わったポーズをしています。解説によると、この2体は元々一対ではなかったと考えられるようで、舞を踊っている舞菩薩や供養菩薩を立体にしたものと思われるようです。躍動感のあるポーズが面白い作品でした。
53 「金銅宝相華唐草文幡頭」
これは透かし彫りに家のような形をした幡(仏堂内に描けられる荘厳具)で、唐草紋の中央に華籠を持つ飛天が表されています。背景の唐草紋が華やかなこともあり、優美な印象を受けました。
50 「阿弥陀三尊像」
これは中央に座った阿弥陀如来、両脇に観音菩薩と勢至菩薩が並んだ仏像で、いずれも金色に輝いています。柔らかく穏やかな体つきをして造形も優美なのですが、それ以上に面白いのが阿弥陀如来の光背で、音楽を奏でている飛天達が表されています。解説によると、これは鎌倉時代に神奈川で作られたそうで、この時期の関東における飛天光背の様相が伺えるとのことでした。なお、阿弥陀像の顔は改変されているそうで、目は象嵌されていてやや厳しい表情に見えました。体つきと顔つきで異なる印象を受ける像でした。
52 「文殊菩薩像光背(文殊菩薩騎獅像及び侍者立像のうち)」
これは旧興福寺の本尊の光背で、梵字や唐草文があり左右に翼の生えた笛を吹く飛天と笙を吹く飛天が表されています。非常に翼が力強く、躍動感が感じられるのですが、こうした飛天光背は脆いらしく現存している品は少ないようです。この近くには壊れた飛天光背の残りなどもあり、細工が精巧がゆえに強度が弱いことを物語っていました。
ということで、今日はここまでにしておこうと思います。前半も興味深い内容でしたが、後半は今回の目玉と言うべき作品がありましたので、次回はそれについてご紹介しようと思います。
参照記事:★この記事を参照している記事

【展覧名】
平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美
【公式サイト】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_5/index.html
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2013年11月23日(土・祝)~2014年1月13日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
最終日1日前に行ったこともあり、非常に混んでいました。
さて、この展示は平等院鳳凰堂の修理完成を記念したもので、仏像の中でも「飛天」と呼ばれる存在についてフォーカスした内容となっていました。飛天はインドから西域、中央アジア、中国、そして日本へと仏教伝来と共に浄土世界の表現として伝わり、寺院の壁や柱などに表されてきたそうで、この展示では日本の古代から中世を中心に、伝来過程の作例なども交えて展示していました。もちろん、平等院鳳凰堂に関する品も数多くあり、国宝の雲中供養菩薩像や、普段は平等院の堂内にある阿弥陀如来像後背飛天なども寺外での初公開となっていました。テーマごとに章分けされていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品をご紹介しようと思います。
<第1章 飛天の源流と伝播-インドから日本->
まず最初は飛天の伝来についてのコーナーです。飛天は本来 天人のことで、仏教の六道という煩悩世界の最上階である天道に存在し、飛翔しながら散華し、楽器を奏し、香を焚くなど仏である如来を讃え供養しているようです。 仏があるところに飛天が表されるのはこの為で、仏教が生まれたインドから西域、中央アジア、中国 と、仏像表現に伴う存在として伝わりました。ガンダーラでは西のヘレニズム文化の影響を受け、西域・中国では当地の伝統と融合しながら石窟寺院の壁画などに表されたそうで、日本に至るまでも遠くヨーロッパの要素を含めながらシルクロードを軸とした展開があったようです。ここにはそうした作品が並んでいました。
[インド・西域]
1 原品:クチャ 7-8世紀 「舎利容器 模造」
これは中国新疆のクチャ周辺から出土した舎利容器の模品で、円筒にとんがり帽子がついた形をしています。蓋には赤を地に裸の天使のようなものが4人描かれていて、側面には多くの人々が描かれています。飛天は天使のように見え、ヘレニズム・ローマからの影響を感じさせました。
この周りには石に浮き彫りになった仏像が並び、大体は仏の上に飛天が配置されていて、キリスト教美術の天使のような雰囲気でした。
[中国・朝鮮]
6 中国 北魏時代 6世紀 「飛天像」
これは笙を吹いて飛んでいる中国風の服を着た飛天で、背中に衣をなびかせ空をとんでいるような感じです。微笑みを浮かべ穏やかな雰囲気があり、解説によるとこれは飛鳥時代の日本にも通じるものがあるとのことでした。この辺の飛天になると何となく日本に近い顔立ちに思えました。
18 朝鮮 統一新羅時代 7-8世紀 「飛天文軒平瓦断片」
これは朝鮮の7~8世紀頃の瓦に表された飛天で、衣か雲のようなものが長く伸びて、片手をあげて飛んでいます。中国の品に比べると更にスピード感があり、飛びまわっている様子が感じられました。
この近くには装飾品や玉(ぎょく)に表された飛天などもありました。
[日本]
25 原品:奈良時代 天平2年〔730〕「東塔水煙 模造」
これは薬師寺東塔の先端にあった装飾の模品で、左右対称に6体の透かし彫りの飛天が表されています。逆さになって天から降りてくる飛天などが表され、周りには火炎のような雲があり、流れるような感じも出ています。塔の先端は近くで観ることができないのに、これだけ凝っているとは驚きでした。
<第2章 天上の光景-浄土図から荘厳具->
続いては飛天にまつわる様々な品を紹介するコーナーです。仏のいる浄土には飛天以外にも菩薩衆や迦陵頻伽、共命鳥などが舞い、樹木や大地には金銀瑠璃などの七宝が輝くとされています。その浄土の光景を具体的に表したのが浄土図で、そうした作品からは当代の人々が希求した理想の浄土世界を観ることができるようです。この章ではそうした浄土図と共に荘厳具など現世で浄土を再現するための品々が並んでいました。
31 「当麻曼荼羅」
中央に大きな阿弥陀如来が座り、その脇に2体の大きな菩薩像、周りには小さい菩薩衆や奏楽・舞踊する菩薩衆が描かれた作品です。上のほうには沢山の飛天が飛来する様子もあり、浄土の姿を伝えています。仏教の教えを分かりやすくビジュアライズした感じで、当時の人々がどのように極楽を捉えていたかが伺えるようでした。
36 「阿弥陀如来及び両脇侍像のうち脇侍像」
これはお腹の前で手を開いて重ねる菩薩?と手を合わせている菩薩?の仏像で、両方とも片足を背後にあげて体をひねるような変わったポーズをしています。解説によると、この2体は元々一対ではなかったと考えられるようで、舞を踊っている舞菩薩や供養菩薩を立体にしたものと思われるようです。躍動感のあるポーズが面白い作品でした。
53 「金銅宝相華唐草文幡頭」
これは透かし彫りに家のような形をした幡(仏堂内に描けられる荘厳具)で、唐草紋の中央に華籠を持つ飛天が表されています。背景の唐草紋が華やかなこともあり、優美な印象を受けました。
50 「阿弥陀三尊像」
これは中央に座った阿弥陀如来、両脇に観音菩薩と勢至菩薩が並んだ仏像で、いずれも金色に輝いています。柔らかく穏やかな体つきをして造形も優美なのですが、それ以上に面白いのが阿弥陀如来の光背で、音楽を奏でている飛天達が表されています。解説によると、これは鎌倉時代に神奈川で作られたそうで、この時期の関東における飛天光背の様相が伺えるとのことでした。なお、阿弥陀像の顔は改変されているそうで、目は象嵌されていてやや厳しい表情に見えました。体つきと顔つきで異なる印象を受ける像でした。
52 「文殊菩薩像光背(文殊菩薩騎獅像及び侍者立像のうち)」
これは旧興福寺の本尊の光背で、梵字や唐草文があり左右に翼の生えた笛を吹く飛天と笙を吹く飛天が表されています。非常に翼が力強く、躍動感が感じられるのですが、こうした飛天光背は脆いらしく現存している品は少ないようです。この近くには壊れた飛天光背の残りなどもあり、細工が精巧がゆえに強度が弱いことを物語っていました。
ということで、今日はここまでにしておこうと思います。前半も興味深い内容でしたが、後半は今回の目玉と言うべき作品がありましたので、次回はそれについてご紹介しようと思います。
参照記事:★この記事を参照している記事
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2週間ほど前のことですが、六本木に展覧会を見に行った際、ミッドタウンの地下にあるHENRI LE ROUX(アンリ・ルルー)というお店でお茶をしてきました。

【店名】
HENRI LE ROUX(アンリ・ルルー)
【ジャンル】
カフェ
【公式サイト】
http://www.henri-leroux.com/
食べログ:http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13108112/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
六本木駅/乃木坂駅
【近くの美術館】
サントリー美術館
21_21 DESIGN SIGHT
国立新美術館
など
【この日にかかった1人の費用】
1150円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日18時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
ここはいつも混んでいて中々入る機会がなかったのですが、夕方に行ったら席が空いていました。
さて、このお店はフランスの有名な菓子店の支店で、日本には今のところ4店あるうちの1つです。フランス ブルターニュ地方出身の創業者の名前を冠し、特にキャラメルとチョコレートが魅力のお店となっています。
お店の中はこんな感じ。非常に洗練された内装です。

地下道に面しているので若干ガヤガヤしていますが、落ち着けます。
注文すると、サービスで塩キャラメルをくれました。

アンリ・ルルー氏は世界で唯一のキャラメリエ(キャラメル職人)として知られているそうで、このキャラメルも非常に美味しく、少し塩気があるのが甘みを引き立てるようでした。柔らかくてとろけるような食感も好み。中に胡桃やナッツのようなものも入っています。
この日、ムース・オ・ショコラ・マダガスカルとコーヒーを頼みました。

まずはムース・オ・ショコラ・マダガスカル。

若干食べづらくてポロリと分解してしまいましたが、表面のねっとりしたチョコと生地部分がよく合い美味しかったです。
続いてコーヒー。

こちらも予想以上に美味しく、適度な苦味とコクがありチョコレートと一緒に頂くのに適していました。
ということで、流石は人気のお店だけあるといった感じでした。いつも混んでいるのが頷けます。 サービスで頂いたキャラメルも美味しかったので、お土産も買ってみました。
アソルティモン・ドゥ・キャラ・ポッド(1890円)

フランボワーズ風味など様々な味が楽しめるポッドとなっていて、こちらも楽しめました。ちょっと高いですが、贈り物にも良さそうです。(ホワイトデーのお返しに使えそうです)
このすぐ近くにはジャン=ポール・エヴァンもあるし、ミッドタウンはショコラ巡りもできて楽しいところです。今後はこちらの店と迷ってしまいますw
参考記事:ジャン=ポール・エヴァン (六本木界隈のお店)

【店名】
HENRI LE ROUX(アンリ・ルルー)
【ジャンル】
カフェ
【公式サイト】
http://www.henri-leroux.com/
食べログ:http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13108112/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
六本木駅/乃木坂駅
【近くの美術館】
サントリー美術館
21_21 DESIGN SIGHT
国立新美術館
など
【この日にかかった1人の費用】
1150円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日18時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
ここはいつも混んでいて中々入る機会がなかったのですが、夕方に行ったら席が空いていました。
さて、このお店はフランスの有名な菓子店の支店で、日本には今のところ4店あるうちの1つです。フランス ブルターニュ地方出身の創業者の名前を冠し、特にキャラメルとチョコレートが魅力のお店となっています。
お店の中はこんな感じ。非常に洗練された内装です。

地下道に面しているので若干ガヤガヤしていますが、落ち着けます。
注文すると、サービスで塩キャラメルをくれました。

アンリ・ルルー氏は世界で唯一のキャラメリエ(キャラメル職人)として知られているそうで、このキャラメルも非常に美味しく、少し塩気があるのが甘みを引き立てるようでした。柔らかくてとろけるような食感も好み。中に胡桃やナッツのようなものも入っています。
この日、ムース・オ・ショコラ・マダガスカルとコーヒーを頼みました。

まずはムース・オ・ショコラ・マダガスカル。

若干食べづらくてポロリと分解してしまいましたが、表面のねっとりしたチョコと生地部分がよく合い美味しかったです。
続いてコーヒー。

こちらも予想以上に美味しく、適度な苦味とコクがありチョコレートと一緒に頂くのに適していました。
ということで、流石は人気のお店だけあるといった感じでした。いつも混んでいるのが頷けます。 サービスで頂いたキャラメルも美味しかったので、お土産も買ってみました。
アソルティモン・ドゥ・キャラ・ポッド(1890円)

フランボワーズ風味など様々な味が楽しめるポッドとなっていて、こちらも楽しめました。ちょっと高いですが、贈り物にも良さそうです。(ホワイトデーのお返しに使えそうです)
このすぐ近くにはジャン=ポール・エヴァンもあるし、ミッドタウンはショコラ巡りもできて楽しいところです。今後はこちらの店と迷ってしまいますw
参考記事:ジャン=ポール・エヴァン (六本木界隈のお店)
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前回ご紹介したクリーブランド美術館展を見た後、そのまま隣の部屋で同時開催の「人間国宝展―生み出された美、伝えゆくわざ―」を観てきました。

【展覧名】
日本伝統工芸展60回記念「人間国宝展―生み出された美、伝えゆくわざ―」
【公式サイト】
http://www.nichibisai.jp/ningenkokuhou/about/index.html
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1625
【会場】東京国立博物館 平成館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2014年1月15日(水) ~ 2月23日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日16時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
閉館時間が迫りつつあったこともあり、こちらはクリーブランド美術館展よりは若干空いていました。
さて、この展示はその名の通り「人間国宝」に認定された工芸家の作品が一同に会した内容となっています。人間国宝とは重要無形文化財の保持者であり、歴史的または芸術的に価値の高いものが無形文化財とされ、より重要なものが重要無形文化財とされています。工芸では183件の指定があり、これまで166人が人間国宝とされてきたようです。この展示では数多くの人間国宝の作品が3つの章に分けて展示されていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品を通してご紹介しようと思います。
<第1章 古典への畏敬と挑戦>
まずは人間国宝の作品と、彼らが目指した古典の作品が並んで展示されているコーナーです。
4 増田三男 「金彩銀壺[山背]」
これは金属製の壺で、側面に簡略化された鹿が並んだ姿の細工が施されています。その鹿の文様や銀の色合いが雅な雰囲気で、軽妙なリズムも感じました。この隣には奈良時代の国宝「金銅唐花文鋺(興福寺鎮壇具のうち)」という興福寺の堂塔を立てる際の神を鎮める地鎮具があり、お互いに魚々子紋があるのが共通しているようでした。
8 秋山逸生 「輪花文縞黒檀印箱」
これは小さめの箱で、上面や側面に花のような円形の文様が象嵌されています。縞黒壇の地と共に金や象牙などで装飾され、美しさと格調高い雰囲気がありました。
続いては刀剣のコーナーです。
24 大隅俊平 「太刀 銘 大隅俊平作 平成十年七月十日」
これは長めの太刀で、直線的な刃紋である直刃の美を追求した作品です。刃紋が並行に並んでいるのがすっきりした印象で、解説では淡い金筋が入っているとのことでしたがちょっと遠目からはよく分かりませんでした。
この隣には刃紋がダイナミックな刀があり、比べると一口に刀と言っても色々と印象が違うことがよく分かりました。
31 三輪休和 「萩耳付水指 銘 岩波」
これは赤地に白い釉薬がかかった水差しで、釉薬は豪快にかかっていて垂れてるような印象を受けます。形もややひしゃげていて全体的に力強く、萩焼のイメージを越えたものを感じました。弟の三輪壽雪 氏の作品と共通するものがあるように思います。
参考記事:三輪壽雪・休雪 ― 破格の創造 展 (智美術館)
38 田畑喜八(三代) 「一越縮緬地鳳凰桐文振袖」 ★こちらで観られます
これは友禅染の着物で、桐の木の周りに2羽の鳳凰が色鮮やかに表されています。羽は金で刺繍され、尾羽根が着物の上を流れるように広がり絢爛かつ優美な印象を受けました。これは素人目にも凄さが分かった気がします。
39 上野為二 「縮緬地友禅訪問着[歓喜]」
これは鶏と木々の花が表された友禅染の着物で、その鶏たちは伊藤若冲の絵を彷彿とするような細かく鮮やかな色合で表現されています。一方、花は単純化され青や赤など幻想的かつ可憐な雰囲気でした。
この近くには浴衣などもありました。また、少し進むと染に使う型紙(恐ろしく緻密で針の穴より小さい)や漆芸作品、刀の鍔、染織などもありました。
62 濱田庄司 「白釉黒流掛大鉢」
これは白地の大皿に黒釉で縞状の模様が付いている作品で、大胆かつリズミカルな模様となっています。この作者は民藝運動に尽力された方らしく、民藝が持つ力強さを備えつつ流麗な雰囲気もあるように思えました。
この先は東博の名品コレクションといった感じで、火焔型土器や野々村仁清の壺、青磁の瓶、安土桃山時代の小袖や縫箔、蒔絵など、普段は常設に展示されている作品が並んでいました。
<第2章 現代を生きる工芸を目指して>
続いては現代に合った新たな技術、新たな表現を目指した作品が並ぶコーナーです。
125 平田郷陽 「抱擁」 ★こちらで観られます
これは赤ん坊を抱きかかえる座った女性を表した人形で、赤ん坊に顔を寄せお互いに安らかな表情を浮かべています。単純化され胴体は大きく、緩やかな造形がキュビスムなどを彷彿とさせるためか近代的な美しさを感じました。
95 藤本能道 「草白釉釉描加彩翡翠図四角隅切筥」
これは8角形の陶器の箱で、上面にカワセミの姿が描かれています。解説によると、この作者はそれまでタブーだった色絵釉薬の混合を展開し、輪郭を用いない没骨描法を使っているそうで、この作品でも背景は川のように見えますがぼんやりした感じで幻想的でした。形も含めて面白い作品です。
参考記事:藤本能道 命の残照のなかで (智美術館)
この辺には現代に伝わる伊万里や鍋島などもありました。
100 田村耕一 「鉄釉あやめ文大皿」 ★こちらで観られます
これは茶色の大きな皿に黒を塗り、塗られていない部分であやめが表された作品です。あやめというよりはまるで原始美術のような感じに見えるかな。解説では清々しいとのことでしたが、私には力強さとリズムが感じられました。
128 江里佐代子 「截金彩色飾筥[花風有韻]」 ★こちらで観られます
これは8角形の筒状の箱で、細い金の線で側面に幾何学的な模様が表されています。上面にも四角が回転して重なりあっているような模様があり、幾何学的な美しさと繊細かつ可憐な文様が好みです。この方は仏像や仏画に使う截金という技法を工芸に応用したとのことで、そうした高い技術と共に女性らしい華やかな雰囲気が感じられました。
この近くには着物や漆芸などもありました。
<第3章 広がる伝統の可能性>
最後は伝統を用いた現代的な作品のコーナーです。現代は個性や独創性が重んじられる時代となり、伝統的な技をベースに新たな創作性のあるデザインを重視した作品は広く受け入れられるようになりました。ここでは伝統に新たな枠組みを提示し、伝統の可能性を広げた作家の作品が並んでいます。
139 黒田辰秋 「朱漆捩紐文火鉢」 ★こちらで観られます
これは赤漆の大きな火鉢で、側面に深く太い波が重なるように彫られています。非常に力強く大胆な雰囲気で、漆の赤がまるでスポーツカーの色のように近未来的なフォルムに感じられました。
130 徳田八十吉(三代) 「耀彩壺[恒河]」 ★こちらで観られます
これは上に小さな口がついた円形の壺で、中央に縦に白い筋が入っていて、外側に向かって黄色、緑、青といった感じのグラデーションで色が付けられています。非常に斬新な色合いが宇宙空間を思わせ、白い筋がそれを貫いていくような印象を受けました。解説によると、これはイタリアのルーチェ・フォルタナという人の作品に影響を受けているそうです。
135 森口華弘 「友禅訪問着 [羽衣]」 ★こちらで観られます
これは友禅の着物で、背面の足元辺りから渦巻く放射線状に細い線が広がっている模様となっています。これは菊が花開くのをイメージしているそうですが、伝統的なモチーフでありながら斬新な表現となっていて、目を引きました。以前にご紹介した着物に似ているかな。多分これもあったと思います。
参考記事:クローズアップ工芸 (東京国立近代美術館 工芸館)
140 生野祥雲齋 「竹華器[怒濤]」 ★こちらで観られます
これはまるで巻き貝のようにくるりと巻かれた竹細工です。その竹の曲がり具合・しなり具合が非常に美しい曲線を描いていて、流麗な印象を受けます。竹の性質を知り尽くしているだけではなく、これだけの造形を生み出す創造性に驚きました。彫刻作品としても逸品だと思います。
129 松井康成 「練上嘯裂茜手大壺[深山紅]」
これはピンク色の丸い壺で、側面には無数のひび割れがあります。しかしそれがかえってモコモコした感じに見えるのが面白く、苔でも生えているような質感に思えました。硬い陶器なのに不思議ですw
ということで、人間国宝と聞くと堅苦しい印象を受けますが、実際に作品を観ると自由闊達かつ斬新な作品が多かったように思います。特に後半は現代美術としても面白かったので、工芸好きの方は楽しめると思います。
参照記事:★この記事を参照している記事

【展覧名】
日本伝統工芸展60回記念「人間国宝展―生み出された美、伝えゆくわざ―」
【公式サイト】
http://www.nichibisai.jp/ningenkokuhou/about/index.html
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1625
【会場】東京国立博物館 平成館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2014年1月15日(水) ~ 2月23日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日16時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
閉館時間が迫りつつあったこともあり、こちらはクリーブランド美術館展よりは若干空いていました。
さて、この展示はその名の通り「人間国宝」に認定された工芸家の作品が一同に会した内容となっています。人間国宝とは重要無形文化財の保持者であり、歴史的または芸術的に価値の高いものが無形文化財とされ、より重要なものが重要無形文化財とされています。工芸では183件の指定があり、これまで166人が人間国宝とされてきたようです。この展示では数多くの人間国宝の作品が3つの章に分けて展示されていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品を通してご紹介しようと思います。
<第1章 古典への畏敬と挑戦>
まずは人間国宝の作品と、彼らが目指した古典の作品が並んで展示されているコーナーです。
4 増田三男 「金彩銀壺[山背]」
これは金属製の壺で、側面に簡略化された鹿が並んだ姿の細工が施されています。その鹿の文様や銀の色合いが雅な雰囲気で、軽妙なリズムも感じました。この隣には奈良時代の国宝「金銅唐花文鋺(興福寺鎮壇具のうち)」という興福寺の堂塔を立てる際の神を鎮める地鎮具があり、お互いに魚々子紋があるのが共通しているようでした。
8 秋山逸生 「輪花文縞黒檀印箱」
これは小さめの箱で、上面や側面に花のような円形の文様が象嵌されています。縞黒壇の地と共に金や象牙などで装飾され、美しさと格調高い雰囲気がありました。
続いては刀剣のコーナーです。
24 大隅俊平 「太刀 銘 大隅俊平作 平成十年七月十日」
これは長めの太刀で、直線的な刃紋である直刃の美を追求した作品です。刃紋が並行に並んでいるのがすっきりした印象で、解説では淡い金筋が入っているとのことでしたがちょっと遠目からはよく分かりませんでした。
この隣には刃紋がダイナミックな刀があり、比べると一口に刀と言っても色々と印象が違うことがよく分かりました。
31 三輪休和 「萩耳付水指 銘 岩波」
これは赤地に白い釉薬がかかった水差しで、釉薬は豪快にかかっていて垂れてるような印象を受けます。形もややひしゃげていて全体的に力強く、萩焼のイメージを越えたものを感じました。弟の三輪壽雪 氏の作品と共通するものがあるように思います。
参考記事:三輪壽雪・休雪 ― 破格の創造 展 (智美術館)
38 田畑喜八(三代) 「一越縮緬地鳳凰桐文振袖」 ★こちらで観られます
これは友禅染の着物で、桐の木の周りに2羽の鳳凰が色鮮やかに表されています。羽は金で刺繍され、尾羽根が着物の上を流れるように広がり絢爛かつ優美な印象を受けました。これは素人目にも凄さが分かった気がします。
39 上野為二 「縮緬地友禅訪問着[歓喜]」
これは鶏と木々の花が表された友禅染の着物で、その鶏たちは伊藤若冲の絵を彷彿とするような細かく鮮やかな色合で表現されています。一方、花は単純化され青や赤など幻想的かつ可憐な雰囲気でした。
この近くには浴衣などもありました。また、少し進むと染に使う型紙(恐ろしく緻密で針の穴より小さい)や漆芸作品、刀の鍔、染織などもありました。
62 濱田庄司 「白釉黒流掛大鉢」
これは白地の大皿に黒釉で縞状の模様が付いている作品で、大胆かつリズミカルな模様となっています。この作者は民藝運動に尽力された方らしく、民藝が持つ力強さを備えつつ流麗な雰囲気もあるように思えました。
この先は東博の名品コレクションといった感じで、火焔型土器や野々村仁清の壺、青磁の瓶、安土桃山時代の小袖や縫箔、蒔絵など、普段は常設に展示されている作品が並んでいました。
<第2章 現代を生きる工芸を目指して>
続いては現代に合った新たな技術、新たな表現を目指した作品が並ぶコーナーです。
125 平田郷陽 「抱擁」 ★こちらで観られます
これは赤ん坊を抱きかかえる座った女性を表した人形で、赤ん坊に顔を寄せお互いに安らかな表情を浮かべています。単純化され胴体は大きく、緩やかな造形がキュビスムなどを彷彿とさせるためか近代的な美しさを感じました。
95 藤本能道 「草白釉釉描加彩翡翠図四角隅切筥」
これは8角形の陶器の箱で、上面にカワセミの姿が描かれています。解説によると、この作者はそれまでタブーだった色絵釉薬の混合を展開し、輪郭を用いない没骨描法を使っているそうで、この作品でも背景は川のように見えますがぼんやりした感じで幻想的でした。形も含めて面白い作品です。
参考記事:藤本能道 命の残照のなかで (智美術館)
この辺には現代に伝わる伊万里や鍋島などもありました。
100 田村耕一 「鉄釉あやめ文大皿」 ★こちらで観られます
これは茶色の大きな皿に黒を塗り、塗られていない部分であやめが表された作品です。あやめというよりはまるで原始美術のような感じに見えるかな。解説では清々しいとのことでしたが、私には力強さとリズムが感じられました。
128 江里佐代子 「截金彩色飾筥[花風有韻]」 ★こちらで観られます
これは8角形の筒状の箱で、細い金の線で側面に幾何学的な模様が表されています。上面にも四角が回転して重なりあっているような模様があり、幾何学的な美しさと繊細かつ可憐な文様が好みです。この方は仏像や仏画に使う截金という技法を工芸に応用したとのことで、そうした高い技術と共に女性らしい華やかな雰囲気が感じられました。
この近くには着物や漆芸などもありました。
<第3章 広がる伝統の可能性>
最後は伝統を用いた現代的な作品のコーナーです。現代は個性や独創性が重んじられる時代となり、伝統的な技をベースに新たな創作性のあるデザインを重視した作品は広く受け入れられるようになりました。ここでは伝統に新たな枠組みを提示し、伝統の可能性を広げた作家の作品が並んでいます。
139 黒田辰秋 「朱漆捩紐文火鉢」 ★こちらで観られます
これは赤漆の大きな火鉢で、側面に深く太い波が重なるように彫られています。非常に力強く大胆な雰囲気で、漆の赤がまるでスポーツカーの色のように近未来的なフォルムに感じられました。
130 徳田八十吉(三代) 「耀彩壺[恒河]」 ★こちらで観られます
これは上に小さな口がついた円形の壺で、中央に縦に白い筋が入っていて、外側に向かって黄色、緑、青といった感じのグラデーションで色が付けられています。非常に斬新な色合いが宇宙空間を思わせ、白い筋がそれを貫いていくような印象を受けました。解説によると、これはイタリアのルーチェ・フォルタナという人の作品に影響を受けているそうです。
135 森口華弘 「友禅訪問着 [羽衣]」 ★こちらで観られます
これは友禅の着物で、背面の足元辺りから渦巻く放射線状に細い線が広がっている模様となっています。これは菊が花開くのをイメージしているそうですが、伝統的なモチーフでありながら斬新な表現となっていて、目を引きました。以前にご紹介した着物に似ているかな。多分これもあったと思います。
参考記事:クローズアップ工芸 (東京国立近代美術館 工芸館)
140 生野祥雲齋 「竹華器[怒濤]」 ★こちらで観られます
これはまるで巻き貝のようにくるりと巻かれた竹細工です。その竹の曲がり具合・しなり具合が非常に美しい曲線を描いていて、流麗な印象を受けます。竹の性質を知り尽くしているだけではなく、これだけの造形を生み出す創造性に驚きました。彫刻作品としても逸品だと思います。
129 松井康成 「練上嘯裂茜手大壺[深山紅]」
これはピンク色の丸い壺で、側面には無数のひび割れがあります。しかしそれがかえってモコモコした感じに見えるのが面白く、苔でも生えているような質感に思えました。硬い陶器なのに不思議ですw
ということで、人間国宝と聞くと堅苦しい印象を受けますが、実際に作品を観ると自由闊達かつ斬新な作品が多かったように思います。特に後半は現代美術としても面白かったので、工芸好きの方は楽しめると思います。
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先日の土曜日に、上野の東京国立博物館で始まったばかりの「クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美」を観てきました。

【展覧名】
クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美
【公式サイト】
http://www.nichibisai.jp/cleveland/about/index.html
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1624
【会場】東京国立博物館 平成館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2014年1月15日(水) ~ 2014年2月23日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
結構混んでいて、特に1~2章あたりは人だかりができるくらいでした。しかし3章以降は大きめの作品が多いこともあってか、それほど気になりませんでした。
さて、今回はアメリカのオハイオ州にあるクリーブランド美術館が誇る日本美術(と中国美術など)のコレクションの里帰りとも言える展示で、同時開催の「人間国宝展」と、1/25からの東京都美術館の「世紀の日本画」とセットで日本美術の祭典と位置づけて開催されています。 クリーブランド美術館は1913年に開設され、体系的に作品収集された日本・東洋美術の他、中世ヨーロッパから近代の印象派など現代に至るまで45000点ものコレクションを誇る総合美術館だそうで、今回は選りすぐりの日本美術を中心に、ルーツが分かる中国の品なども特別展示として出品されていました。 テーマごとに章分けされていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品を通してご紹介しようと思います。なお、作品番号に特別と書いてある作品は日本以外で作られた作品です。
<第1章 神・仏・人>
まず最初は神仏や人物を描いたコーナーです。展示されている作品同士の関係は特になく、時代も様々なので主題くらいしか接点はないかも。
15 伊年 印 「雷神図屏風」
これは6曲1隻の屏風で、有名な俵屋宗達の風神雷神図屏風を模したものです。ここには雷神しかいませんが、元は6曲1双だったんじゃないかな。左下には「伊年」の印があり、宗達の工房で作られたことがわかりますが、宗達に比べると雷神の顔は龍のようで、よりコミカルな感じになっています。太い輪郭でゴツゴツした感じもして、宗達に比べると数段見劣りするかもw とは言え、宗達からの影響がよく分かりました。
特別1 「釈迦如来像」
これは京都の東福寺にあった掛け軸で、元々は3幅対だったうちの中央で、残りの右幅と左幅(文殊菩薩と普賢菩薩)は静嘉堂文庫に残っているようです。こちらには正面を向いて座る釈迦と2人の弟子が描かれ、印を組む釈迦の爪はかなり長く描かれています。下に描かれた弟子は阿難と迦葉(かしょう)で、釈迦に比べて小さめとなっています。経年によって劣化していますが、釈迦の赤い服と緑の台座など、色の対比が鮮やかな作品となっていました。
5 「二河白道図」 ★こちらで観られます
これは浄土信仰の説話を描いた掛け軸で、中央の白い橋を境に向こう側に極楽浄土、こちら側には現世が描かれています。現世側には武装したならず者や悪獣たちが追いかけてくるように描かれていて、後戻りは出来なそうな雰囲気です。また、橋の左右には赤と青の川があり、これは憎しみの火の河と俗世の執着の水の河で、火の河には取っ組み合いをしている人々、水の川には男女の姿がありました。この主題の作品は浄土信仰を説明するためによく描かれたらしく、これは鎌倉時代の作品ですが火の河などは色鮮やかに残っていて、保存状態が良さそうでした。
13 「朝陽補綴図」
これは崖の下で片膝をついて縫い物をしている僧侶を描いた作品です。細い糸と針が横に伸びていて繊細な表現となっている一方で、僧侶の服や持っている衣は大胆な簡略化となっているなど、表現の強弱が対比的となっています。解説によると、これは禅宗の「日常の中の修行」を表しているそうで、面白い主題となっていました。
16 伝 岩佐又兵衛 「琴棋書画図」
これは掛け軸で、文人が嗜むべきと言われていた4つの教養を題材としています。上から順に、琴を弾く女性、囲碁をする男女、樹の下で本を読む男性、庭に広げた絨毯のようなものの上で肘をついて寝そべって筆を取る男性が描かれています。いずれも江戸時代くらいの人物のようで、人物がジグザグに流れるように配置された構図が面白く感じられました。
22 渡辺崋山 「大空武左衛門像」
これは大きな掛け軸に描かれた熊本藩お抱えの力士だった人物で、かなり巨大に描かれているのですが、なんと221cmもあったらしく ほぼ実寸となっているようです。牛を跨げるほど足が長いことから牛跨ぎという愛称があったそうで、江戸でも評判となり絵画にもよく描かれたようです。その大きさから誇張されて描かれることも多かったそうですが、この絵では写実的となっていて、その理由としてピンホールカメラの要領を用いた手法が用いられているようです。 とにかく大きくて迫力があるのですが、結構良い人そうな柔和な雰囲気に見えるかも。この絵の隣には実寸代のコピーと手形があったのですが、180cmの私が子供に見えるくらい圧倒的な大きさでした。江戸時代にこんな人がいたら巨人そのものですねw
20 山本梅逸 「群舞図」
これは障子が並ぶ屋敷の軒先を描いた作品で、その障子には夜の宴会で踊る人の影が写っています。横にずらっとならんでいる踊り姿は軽妙で、リズミカルかつ楽しげな雰囲気です。1~2人ほどは障子がない所で踊っている姿もあり、華やかな様子が伺えます。 一方、庭には川が流れ静かな夜の光景となっていて、室内と対照的になっていました。面白い題材の作品です。
23 河鍋暁斎 「地獄太夫図」 ★こちらで観られます
室町時代の伝説的な遊女である地獄太夫を描いた作品で、彼女は山賊にさらわれて遊女にさせられたのですが、それを前世の報いとして受け入れ、自ら地獄を名乗って地獄絵図を描いた着物をまとっていたと言われています。ここでは草木と月が描かれた屏風に向かって立ち振り返るような姿で描かれ、極彩色の紺を地に地獄が描かれた着物を着ています。お腹辺りには賽の河原と地蔵に扮する布袋、右袖の辺りには閻魔大王と福禄寿、裾には大黒と恵比寿の姿もあり、地獄と七福神が混じったような文様となっているのが面白いです。地獄太夫は美人絵のように切れ目の色っぽい表情で描かれ、妖艶な雰囲気です。河鍋暁斎らしいモチーフと強烈な色彩感覚が印象に残る作品でした。
<第2章 花鳥風月>
続いては動物や植物などを描いた作品のコーナーです。ここは点数少なめ。
24 伝 没倫紹等 「南瓜図」 ★こちらで観られます
これは水墨の掛け軸で、カボチャに綱を巻いて大勢の蟻の擬人像のような者たちが引っ張って運んでいる様子が描かれています。カボチャの上では笹を持って応援(指揮?)していたり、後ろからテコを入れたり、周りで太鼓を鳴らして鼓舞したりと何とも楽しげな雰囲気です。蟻人間は若干キモいけど、生き生きとした面白い作品でした。
28 雪村周継 「龍虎図屏風」 ★こちらで観られます
これは水墨の6曲1双の屏風で、右隻に雲間から現れた龍、左隻に岩の上の虎が描かれています。龍は上を向いて手を開き、周りの雲は渦を巻いて 波は飛沫を上げるなど 力強い風と勢いを感じさせます。一方の虎は岩の上で前足を揃えて右を見ていて、周りの竹は風になびているようです。こちらは小首をかしげて猫みたいに見えるかなw どちらも怖いというよりはユーモラスな雰囲気があり、勢いとのギャップが面白かったです。
<第3章 物語世界>
続いては物語を主題にした作品のコーナーで、特に伊勢物語に関する作品が並んでいました。
41 渡辺始興 「燕子花図屏風」 ★こちらで観られます
これは6曲1双の金屏風で、伊勢物語9段「東下り」をテーマにして沢山の燕子花(かきつばた)が描かれています。渡辺始興は尾形光琳に画を学んだとされ、この主題も光琳の作品から発想を得ているようです。花や草は上のほうだけ描かれているものが多く金の水面から顔を出しているような感じに見え、連続的に並んでいます。1つ1つの花の単純化は細やかで、金で葉っぱの線を入れるなど優美な雰囲気がありました。しかし、構図にあまりリズムを感じないというか、雑多な印象の花の配置が面白くないかなw 解説では褒めていましたがどうしても光琳の作品と比べてしまうので、イマイチ感は否めないかもw
42 深江蘆舟 「蔦の細道図屏風」 ★こちらで観られます
こちらも東下りをテーマにした6曲1双の小さめの屏風で、金地に川や山道、赤く染まる草木などが描かれています。川岸にいる人物(恐らく主人公の在原業平)は山道を下ってくる僧侶を見つめていて、これは敦賀の宇都山で知り合いの修行僧に出会い 都に残した恋人への手紙を託すシーンのようです。全体的に単純化が面白く、金や赤が響きあって静けさと華やかさが同居するような感じでした。
<特別展示 近代西洋の人と自然>
続いてはやや唐突にクリーブランド美術館が誇る近代西洋画のコーナーです。アンリ・ルソー、クロード・モネ、ベルト・モリゾ、パブロ・ピカソの4人の作品が並んでいました。
特別9 アンリ・ルソー 「トラとバッファローの戦い」 ★こちらで観られます
鬱蒼としたジャングルの中で、虎がバッファローに飛びかかっている様子が描かれた作品です。周りにはバナナの木らしきものも描かれているのですが、全体的にやや奇妙な感じを受けます。虎は犬みたいだし、バナナは逆さになっている等、一部はルソーの想像で補っているのでこんな感じに仕上がったのだと思いますが、それが妙な味わいになっています。大画面に色鮮やかに描かれているので、一際目を引く作品でした。
特別7 クロード・モネ 「アンティーブの庭師の家」
これはフランスの地中海沿岸を描いた作品で、手前に木とオレンジ色の屋根の家が描かれ、奥に海が見えています。全体的に明るい色彩となっていて、特に屋根は陽が当たっている様子が強く表現されています。 南フランスの暖かな気候まで伝わってきそうな作品でした。
この隣にはモリゾの作品もありました。また、ピカソは写実的な女性の肖像画でした。
<第4章 山水>
最後は山水画が並ぶコーナーでした。
特別5 呂文英 「江村風雨図」
これは掛け軸で、崖下の水辺にある家と船が描かれています。しかし目を引くのはそれより上の方で、右上から対角線上に幾重にも風の流れが表され、木々が揺れています。嵐なのか、風の強さが感じられ、大胆な印象を受けました。
33 狩野秀頼 「四季山水図 夏景・秋景・冬景」
これは3幅対の掛け軸で、いずれも川と山の風景を描いたものです。右幅は木々が生い茂る夏、中央は渡り鳥が来る秋、左幅は雪景色の冬となっていて、元々は春も揃いで4幅だったようです。非常に細かく描かれていて、葉っぱや山肌の点描は中国宋代の米法山水の影響が観られるとのことでした。16世紀の作品ですが、遠近感や大気の表現が観られるのも驚きでした。
この近くには米法山水の手本となった中国の米友仁の作品もありました。
36 曽我蕭白 「蘭亭曲水図」 ★こちらで観られます
これは王羲之の曲水の宴を題材にした作品で、切り立つ岩山と滝、川などが描かれています。かなり小さめの人の姿もあり、大自然と人の小ささが誇張されている感じです。蕭白らしい極端な濃淡や密度の濃さで、霞む背景とカクカクした太い輪郭の手前ではだいぶ印象が異なりました。
参考記事:書聖 王羲之 感想後編(東京国立博物館 平成館)
ということで、日本美術だけかと思ったらそれ以外の作品も楽しむことができました。正直、国内の(特に東博の)作品などと比べると地味な印象も受けましたが、海外でこれだけ幅広いコレクションを集めているのは驚きだと思います。今季は日本美術の祭典と銘打っていますので、他の2つと合わせて観ておきたい展示です。
参照記事:★この記事を参照している記事

【展覧名】
クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美
【公式サイト】
http://www.nichibisai.jp/cleveland/about/index.html
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1624
【会場】東京国立博物館 平成館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2014年1月15日(水) ~ 2014年2月23日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
結構混んでいて、特に1~2章あたりは人だかりができるくらいでした。しかし3章以降は大きめの作品が多いこともあってか、それほど気になりませんでした。
さて、今回はアメリカのオハイオ州にあるクリーブランド美術館が誇る日本美術(と中国美術など)のコレクションの里帰りとも言える展示で、同時開催の「人間国宝展」と、1/25からの東京都美術館の「世紀の日本画」とセットで日本美術の祭典と位置づけて開催されています。 クリーブランド美術館は1913年に開設され、体系的に作品収集された日本・東洋美術の他、中世ヨーロッパから近代の印象派など現代に至るまで45000点ものコレクションを誇る総合美術館だそうで、今回は選りすぐりの日本美術を中心に、ルーツが分かる中国の品なども特別展示として出品されていました。 テーマごとに章分けされていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品を通してご紹介しようと思います。なお、作品番号に特別と書いてある作品は日本以外で作られた作品です。
<第1章 神・仏・人>
まず最初は神仏や人物を描いたコーナーです。展示されている作品同士の関係は特になく、時代も様々なので主題くらいしか接点はないかも。
15 伊年 印 「雷神図屏風」
これは6曲1隻の屏風で、有名な俵屋宗達の風神雷神図屏風を模したものです。ここには雷神しかいませんが、元は6曲1双だったんじゃないかな。左下には「伊年」の印があり、宗達の工房で作られたことがわかりますが、宗達に比べると雷神の顔は龍のようで、よりコミカルな感じになっています。太い輪郭でゴツゴツした感じもして、宗達に比べると数段見劣りするかもw とは言え、宗達からの影響がよく分かりました。
特別1 「釈迦如来像」
これは京都の東福寺にあった掛け軸で、元々は3幅対だったうちの中央で、残りの右幅と左幅(文殊菩薩と普賢菩薩)は静嘉堂文庫に残っているようです。こちらには正面を向いて座る釈迦と2人の弟子が描かれ、印を組む釈迦の爪はかなり長く描かれています。下に描かれた弟子は阿難と迦葉(かしょう)で、釈迦に比べて小さめとなっています。経年によって劣化していますが、釈迦の赤い服と緑の台座など、色の対比が鮮やかな作品となっていました。
5 「二河白道図」 ★こちらで観られます
これは浄土信仰の説話を描いた掛け軸で、中央の白い橋を境に向こう側に極楽浄土、こちら側には現世が描かれています。現世側には武装したならず者や悪獣たちが追いかけてくるように描かれていて、後戻りは出来なそうな雰囲気です。また、橋の左右には赤と青の川があり、これは憎しみの火の河と俗世の執着の水の河で、火の河には取っ組み合いをしている人々、水の川には男女の姿がありました。この主題の作品は浄土信仰を説明するためによく描かれたらしく、これは鎌倉時代の作品ですが火の河などは色鮮やかに残っていて、保存状態が良さそうでした。
13 「朝陽補綴図」
これは崖の下で片膝をついて縫い物をしている僧侶を描いた作品です。細い糸と針が横に伸びていて繊細な表現となっている一方で、僧侶の服や持っている衣は大胆な簡略化となっているなど、表現の強弱が対比的となっています。解説によると、これは禅宗の「日常の中の修行」を表しているそうで、面白い主題となっていました。
16 伝 岩佐又兵衛 「琴棋書画図」
これは掛け軸で、文人が嗜むべきと言われていた4つの教養を題材としています。上から順に、琴を弾く女性、囲碁をする男女、樹の下で本を読む男性、庭に広げた絨毯のようなものの上で肘をついて寝そべって筆を取る男性が描かれています。いずれも江戸時代くらいの人物のようで、人物がジグザグに流れるように配置された構図が面白く感じられました。
22 渡辺崋山 「大空武左衛門像」
これは大きな掛け軸に描かれた熊本藩お抱えの力士だった人物で、かなり巨大に描かれているのですが、なんと221cmもあったらしく ほぼ実寸となっているようです。牛を跨げるほど足が長いことから牛跨ぎという愛称があったそうで、江戸でも評判となり絵画にもよく描かれたようです。その大きさから誇張されて描かれることも多かったそうですが、この絵では写実的となっていて、その理由としてピンホールカメラの要領を用いた手法が用いられているようです。 とにかく大きくて迫力があるのですが、結構良い人そうな柔和な雰囲気に見えるかも。この絵の隣には実寸代のコピーと手形があったのですが、180cmの私が子供に見えるくらい圧倒的な大きさでした。江戸時代にこんな人がいたら巨人そのものですねw
20 山本梅逸 「群舞図」
これは障子が並ぶ屋敷の軒先を描いた作品で、その障子には夜の宴会で踊る人の影が写っています。横にずらっとならんでいる踊り姿は軽妙で、リズミカルかつ楽しげな雰囲気です。1~2人ほどは障子がない所で踊っている姿もあり、華やかな様子が伺えます。 一方、庭には川が流れ静かな夜の光景となっていて、室内と対照的になっていました。面白い題材の作品です。
23 河鍋暁斎 「地獄太夫図」 ★こちらで観られます
室町時代の伝説的な遊女である地獄太夫を描いた作品で、彼女は山賊にさらわれて遊女にさせられたのですが、それを前世の報いとして受け入れ、自ら地獄を名乗って地獄絵図を描いた着物をまとっていたと言われています。ここでは草木と月が描かれた屏風に向かって立ち振り返るような姿で描かれ、極彩色の紺を地に地獄が描かれた着物を着ています。お腹辺りには賽の河原と地蔵に扮する布袋、右袖の辺りには閻魔大王と福禄寿、裾には大黒と恵比寿の姿もあり、地獄と七福神が混じったような文様となっているのが面白いです。地獄太夫は美人絵のように切れ目の色っぽい表情で描かれ、妖艶な雰囲気です。河鍋暁斎らしいモチーフと強烈な色彩感覚が印象に残る作品でした。
<第2章 花鳥風月>
続いては動物や植物などを描いた作品のコーナーです。ここは点数少なめ。
24 伝 没倫紹等 「南瓜図」 ★こちらで観られます
これは水墨の掛け軸で、カボチャに綱を巻いて大勢の蟻の擬人像のような者たちが引っ張って運んでいる様子が描かれています。カボチャの上では笹を持って応援(指揮?)していたり、後ろからテコを入れたり、周りで太鼓を鳴らして鼓舞したりと何とも楽しげな雰囲気です。蟻人間は若干キモいけど、生き生きとした面白い作品でした。
28 雪村周継 「龍虎図屏風」 ★こちらで観られます
これは水墨の6曲1双の屏風で、右隻に雲間から現れた龍、左隻に岩の上の虎が描かれています。龍は上を向いて手を開き、周りの雲は渦を巻いて 波は飛沫を上げるなど 力強い風と勢いを感じさせます。一方の虎は岩の上で前足を揃えて右を見ていて、周りの竹は風になびているようです。こちらは小首をかしげて猫みたいに見えるかなw どちらも怖いというよりはユーモラスな雰囲気があり、勢いとのギャップが面白かったです。
<第3章 物語世界>
続いては物語を主題にした作品のコーナーで、特に伊勢物語に関する作品が並んでいました。
41 渡辺始興 「燕子花図屏風」 ★こちらで観られます
これは6曲1双の金屏風で、伊勢物語9段「東下り」をテーマにして沢山の燕子花(かきつばた)が描かれています。渡辺始興は尾形光琳に画を学んだとされ、この主題も光琳の作品から発想を得ているようです。花や草は上のほうだけ描かれているものが多く金の水面から顔を出しているような感じに見え、連続的に並んでいます。1つ1つの花の単純化は細やかで、金で葉っぱの線を入れるなど優美な雰囲気がありました。しかし、構図にあまりリズムを感じないというか、雑多な印象の花の配置が面白くないかなw 解説では褒めていましたがどうしても光琳の作品と比べてしまうので、イマイチ感は否めないかもw
42 深江蘆舟 「蔦の細道図屏風」 ★こちらで観られます
こちらも東下りをテーマにした6曲1双の小さめの屏風で、金地に川や山道、赤く染まる草木などが描かれています。川岸にいる人物(恐らく主人公の在原業平)は山道を下ってくる僧侶を見つめていて、これは敦賀の宇都山で知り合いの修行僧に出会い 都に残した恋人への手紙を託すシーンのようです。全体的に単純化が面白く、金や赤が響きあって静けさと華やかさが同居するような感じでした。
<特別展示 近代西洋の人と自然>
続いてはやや唐突にクリーブランド美術館が誇る近代西洋画のコーナーです。アンリ・ルソー、クロード・モネ、ベルト・モリゾ、パブロ・ピカソの4人の作品が並んでいました。
特別9 アンリ・ルソー 「トラとバッファローの戦い」 ★こちらで観られます
鬱蒼としたジャングルの中で、虎がバッファローに飛びかかっている様子が描かれた作品です。周りにはバナナの木らしきものも描かれているのですが、全体的にやや奇妙な感じを受けます。虎は犬みたいだし、バナナは逆さになっている等、一部はルソーの想像で補っているのでこんな感じに仕上がったのだと思いますが、それが妙な味わいになっています。大画面に色鮮やかに描かれているので、一際目を引く作品でした。
特別7 クロード・モネ 「アンティーブの庭師の家」
これはフランスの地中海沿岸を描いた作品で、手前に木とオレンジ色の屋根の家が描かれ、奥に海が見えています。全体的に明るい色彩となっていて、特に屋根は陽が当たっている様子が強く表現されています。 南フランスの暖かな気候まで伝わってきそうな作品でした。
この隣にはモリゾの作品もありました。また、ピカソは写実的な女性の肖像画でした。
<第4章 山水>
最後は山水画が並ぶコーナーでした。
特別5 呂文英 「江村風雨図」
これは掛け軸で、崖下の水辺にある家と船が描かれています。しかし目を引くのはそれより上の方で、右上から対角線上に幾重にも風の流れが表され、木々が揺れています。嵐なのか、風の強さが感じられ、大胆な印象を受けました。
33 狩野秀頼 「四季山水図 夏景・秋景・冬景」
これは3幅対の掛け軸で、いずれも川と山の風景を描いたものです。右幅は木々が生い茂る夏、中央は渡り鳥が来る秋、左幅は雪景色の冬となっていて、元々は春も揃いで4幅だったようです。非常に細かく描かれていて、葉っぱや山肌の点描は中国宋代の米法山水の影響が観られるとのことでした。16世紀の作品ですが、遠近感や大気の表現が観られるのも驚きでした。
この近くには米法山水の手本となった中国の米友仁の作品もありました。
36 曽我蕭白 「蘭亭曲水図」 ★こちらで観られます
これは王羲之の曲水の宴を題材にした作品で、切り立つ岩山と滝、川などが描かれています。かなり小さめの人の姿もあり、大自然と人の小ささが誇張されている感じです。蕭白らしい極端な濃淡や密度の濃さで、霞む背景とカクカクした太い輪郭の手前ではだいぶ印象が異なりました。
参考記事:書聖 王羲之 感想後編(東京国立博物館 平成館)
ということで、日本美術だけかと思ったらそれ以外の作品も楽しむことができました。正直、国内の(特に東博の)作品などと比べると地味な印象も受けましたが、海外でこれだけ幅広いコレクションを集めているのは驚きだと思います。今季は日本美術の祭典と銘打っていますので、他の2つと合わせて観ておきたい展示です。
参照記事:★この記事を参照している記事
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今日で番外編は最終回です。犬山の明治村からバスで名古屋の栄まで行き、栄にある松坂屋の中の「あつた蓬莱軒」で名物のひつまぶしを食べてきました。

【店名】
あつた蓬莱軒 松坂屋店
【ジャンル】
鰻
【公式サイト】
http://www.houraiken.com/
食べログ:http://tabelog.com/aichi/A2301/A230103/23000108/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
栄駅(名古屋)、矢場町駅
【近くの美術館】
松坂屋美術館
名古屋市美術館
など
【この日にかかった1人の費用】
4300円程度
【味】
不味_1_2_3_4_⑤_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(祝日19時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_4_⑤_名店
【感想】
非常に混んでいて、この時は30分待ちくらいでした。実はここには初日にも行ったのですが、連休のお昼時ということもあり、何と3時間半待ちと言われ、先日ご紹介した「矢場とん」へと流れて行きましたw このお店の開店は11時なのですが、その時に行ったとしても3時間待ちだったそうで、松坂屋が開く10時から待つのが一番早いと言われました。 この時は連休の最終日の夜だったのが幸いして30分で済んだのかも。
さて、このお店がそこまで人気なのは理由があり、その1つは名古屋名物の1つであるひつまぶしの発祥がこのお店であることです。このお店の本店は熱田神宮の近くにあるそうで、熱田は江戸時代から鰻の蒲焼きが名物だったようです。明治6年に本店が開業すると、当時から人気があり出前も多かったそうで、出前によって器が割れることも多かったので、お櫃に数名分のうな丼を入れて出前をするようになったのが、ひつまぶしの成り立ちのようです。その後、鰻だけすぐに無くならないよう細かく切ってご飯と混ぜたり、お茶漬けにして好評を得るなど現在のスタイルへと進化していきました。
お店の中はこんな感じ。至って普通のデパート内のお店といった感じ。

意外と席が空いてるのが不思議w
この日、私はひつまぶしの大盛り(4300円)を頼みました。

思った以上にボリュームがあります。ひつまぶしの食べ方が書かれていたので、それに沿って食べてみました。まず1杯目は盛ってそのまま食べます。炭火の香りと鰻の香りが混ざった豊かな風味と、とろりとして脂の乗った身が非常に美味しかったです。鰻マニアの私もこれには大満足でした。
2杯目は薬味を乗せて頂きます。

こちらは風味が変わって爽やかな感じ。とは言え、せっかくの鰻の風味が変わってしまのでノーマルの方が好きですw
そして3杯目は鰻のお茶漬け。

出汁がきいていて、鰻のタレと混ざってこれも美味しいです。あっさりしていながら鰻の香りも楽しめるのでこれも好み。残りはお茶漬けとノーマルを半々にして食べました。
ということで、半端無く混んでいましたが、並ぶだけの価値はあると思います。この時はたまたま早く入れましたが、混んでいたら閉店時間になってしまうリスクを覚悟していました。 旅行中は時間が惜しい所ではありますが、是非とも食べておきたい名物です。
【犬山編(2013年)】
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【名古屋編(2019年)】
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【犬山編(2019年)】
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博物館明治村の写真 後編 2019年01月

【店名】
あつた蓬莱軒 松坂屋店
【ジャンル】
鰻
【公式サイト】
http://www.houraiken.com/
食べログ:http://tabelog.com/aichi/A2301/A230103/23000108/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
栄駅(名古屋)、矢場町駅
【近くの美術館】
松坂屋美術館
名古屋市美術館
など
【この日にかかった1人の費用】
4300円程度
【味】
不味_1_2_3_4_⑤_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(祝日19時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_4_⑤_名店
【感想】
非常に混んでいて、この時は30分待ちくらいでした。実はここには初日にも行ったのですが、連休のお昼時ということもあり、何と3時間半待ちと言われ、先日ご紹介した「矢場とん」へと流れて行きましたw このお店の開店は11時なのですが、その時に行ったとしても3時間待ちだったそうで、松坂屋が開く10時から待つのが一番早いと言われました。 この時は連休の最終日の夜だったのが幸いして30分で済んだのかも。
さて、このお店がそこまで人気なのは理由があり、その1つは名古屋名物の1つであるひつまぶしの発祥がこのお店であることです。このお店の本店は熱田神宮の近くにあるそうで、熱田は江戸時代から鰻の蒲焼きが名物だったようです。明治6年に本店が開業すると、当時から人気があり出前も多かったそうで、出前によって器が割れることも多かったので、お櫃に数名分のうな丼を入れて出前をするようになったのが、ひつまぶしの成り立ちのようです。その後、鰻だけすぐに無くならないよう細かく切ってご飯と混ぜたり、お茶漬けにして好評を得るなど現在のスタイルへと進化していきました。
お店の中はこんな感じ。至って普通のデパート内のお店といった感じ。

意外と席が空いてるのが不思議w
この日、私はひつまぶしの大盛り(4300円)を頼みました。

思った以上にボリュームがあります。ひつまぶしの食べ方が書かれていたので、それに沿って食べてみました。まず1杯目は盛ってそのまま食べます。炭火の香りと鰻の香りが混ざった豊かな風味と、とろりとして脂の乗った身が非常に美味しかったです。鰻マニアの私もこれには大満足でした。
2杯目は薬味を乗せて頂きます。

こちらは風味が変わって爽やかな感じ。とは言え、せっかくの鰻の風味が変わってしまのでノーマルの方が好きですw
そして3杯目は鰻のお茶漬け。

出汁がきいていて、鰻のタレと混ざってこれも美味しいです。あっさりしていながら鰻の香りも楽しめるのでこれも好み。残りはお茶漬けとノーマルを半々にして食べました。
ということで、半端無く混んでいましたが、並ぶだけの価値はあると思います。この時はたまたま早く入れましたが、混んでいたら閉店時間になってしまうリスクを覚悟していました。 旅行中は時間が惜しい所ではありますが、是非とも食べておきたい名物です。
【犬山編(2013年)】
野外民族博物館 リトルワールドの写真 前編(2013年12月)
野外民族博物館 リトルワールドの写真 後編(2013年12月)
有楽苑と犬山城の写真
なり多 【愛知県犬山界隈のお店】
博物館明治村の写真 前編 2013年12月
博物館明治村の写真 後編 2013年12月
【名古屋編(2013年)】
矢場とん 三越ラシック店【名古屋 栄界隈のお店】
あつた蓬莱軒 松坂屋店【名古屋 栄界隈のお店】
【名古屋編(2019年)】
熱田神宮の写真
名古屋城周辺の写真
アール・ヌーヴォーの伝道師 浅井忠と近代デザイン (ヤマザキマザック美術館)
ヤマザキマザック美術館の案内 (名古屋編)
ウィリアム・モリスと英国の壁紙展 -美しい生活をもとめて- (松坂屋美術館)
リニア・鉄道館 前編
リニア・鉄道館 後編
徳川美術館の案内
徳川園の写真
文化のみち二葉館の写真
文化のみち橦木館と周辺の写真
【長島編(2019年)】
なばなの里のイルミネーション
【犬山編(2019年)】
博物館明治村の写真 前編 2019年01月
博物館明治村の写真 後編 2019年01月
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今日は前回ご紹介した愛知県犬山の明治村についての後編です。前編も数多くの写真をご紹介しておりますので、前編を読んでいない方はそちらからお読み頂けると嬉しいです。
前編はこちら
【公式サイト】
http://www.meijimura.com/
【会場】
博物館明治村
【最寄】
犬山駅(愛知県)など ※バスで30分程度
前編では明治村5丁目の途中までご紹介しましたが、今日はこの旅の最大の目的地である帝国ホテル中央玄関からご紹介します。
こちらが帝国ホテル中央玄関(大正12年)

20世紀の大巨匠フランク・ロイド・ライトによって設計されたホテルで、4年間の大工事を経て完成しました。元々はかなり大きな建物だったのですが、現在は玄関部分のみがこの明治村に移築されています(この建物は大正生まれですが…w)
ちょっと角度を変えた所。

まるで南米の神殿か遺跡のような風格に心躍りますw
一部は再現となっていますが、柱のレンガもこだわりを感じさせます。

大谷石や、常滑焼のスクラッチタイル/テラコッタが使われるなど、日本の素材を上手く組み入れています。その選定を行ったのもフランク・ロイド・ライトで、こだわりすぎて時間も予算もかかったという…w
中に入って正面。ちょうどクリスマスの時期に行きました。

この建物は落成式をとりおこなう直前に関東大震災に襲われたのですが、東京中が大混乱の中でもほぼ無傷という頑丈さを誇りました。柱も多くて見るからに堅固。
勿論、テーブルや椅子もこだわっています。

窓枠まで洒落ていて、何処に行ってもデザイン性の高さに感心するばかり。
2階はカフェになっていたので、こちらでちょっと休憩。

公式サイト:帝国ホテル喫茶室
非常に寒い日だったので、ホットの紅茶を頂きました(500円)

最高のムードの中で頂いたこともあり、美味しかったです。
このテーブルセットもフランク・ロイド・ライトのデザイン。

幾何学的な美しさが特徴です。
ついている照明も幾何学的。

アール・デコ調でかなり好みです。
一見してビリヤード台か?と思ったら、こちらはアメリカから寄贈された由緒あるテーブル。

なんとこのテーブルで日露戦争集結のポーツマス条約が締結されたそうです。帝国ホテルが建つ20年位前ですが、同時代ということで展示しているのかな。近くにはポーツマス条約関連の資料もありました。
再びホテル内を見て回りました。この柱も透かしになって間接照明のようになっているのが面白い。

お皿もフランク・ロイド・ライトがデザイン(これは復刻)

色使いが先進的でちょっとキュビスム的な印象を受けました。
この電気スタンドもデザインしたのかな?

この他にもかなり写真を撮って、多分1時間くらい帝国ホテルで過ごしました。ここが目的だったので満足できたのですが、閉園時間が迫りここから先は猛ダッシュで残りの建物を巡る羽目になりましたw (冬は16時までということを知らず、17時までだと思っていたという計算違いもありました)
帝国ホテル裏の汽車は時間が会わず、結局バスで3丁目まで行きました。これは3丁目付近に止まっていた汽車。

公式サイトには乗り物の時刻表もあるので、予め計画を立てるべきでした。本数は意外と少ないです。
参考リンク:乗り物の時刻表
こちらは京都市電。これには乗ることができました。

日本初の市電(明治28年)で、昔は注意喚起のために市電の前に告知人という人が走って市電が来ることを知らせていたそうです。
中はこんな感じ。

結構揺れます。市電を降りて、次は3丁目を観ることにしました。
これは品川燈台(明治3年)

その名の通り品川にあった燈台で、見た目は小さいですが18km先まで光が届いたという記録があるそうです。今でも入鹿池の水辺に立っています。
この辺で閉館を伝える蛍の光が流れてきて焦りましたw
神戸山手西洋人住居(明治20年代)

こちらの沿革は詳しく伝わっていないようですが、神戸で西洋人が住んでいたそうです。見た目ほど中は広くないようですが、柱やベランダの配置によって大きく見せているようです。とにかく洒落た雰囲気でした。
芝川又右衛門邸(明治44年)

関西建築界の父とも言われる武田五一による設計で、大阪の豪商の別荘だった建物です。ヨーロッパの様式と日本の数寄屋などを融合しているそうですが、住んでいた家族にはほとんど和風と思われていたようです。時間がなくて中には入れず…。
北里研究所本館・医学館(大正4年)

こちらは白金にあった北里柴三郎の研究所。北里柴三郎はドイツで学んだためかドイツバロック風を基調としているそうで、廊下が南面に面しているらしく、顕微鏡で観察する際に光の変化が少ない北面から採光しているそうです。
続いては2丁目。
札幌電話交換局(明治31年)

かなりどっしりした造りですが、側面の胴蛇腹花紋が有機的な雰囲気を出していました。
東松家住宅(明治34年)

こちらは名古屋にあった油屋さん。この家は3階部分を増築したそうですが、江戸時代は武家以外の3階建ては禁止で、大正時代にも木造3階は禁止された為、慶応~明治の50年間ほどしか3階建てにすることはできなかったようです。中は観られませんでしたが、見た目通りの和風の町家のようです。
東山梨郡役所(明治18年)

こちらは山梨にあった郡役所。2階建てと平屋部分があるため屋根が複雑にかけられているそうですが、ちょっと遠目では分かりませんでした。
続いては1丁目。村の出入口に一番近い辺りです。
三重県庁舎(明治12年)

非常に立派な建物で、明治村に来てすぐにこの村は尋常ではないと感じさせてくれましたw 内務省庁舎にならって作られているそうで、スッキリとした印象。ここも時間があれば中を見たかった…。
鉄道局新橋工場(明治22年)

意外と小さいように見えます。ちなみに、明治村にはもう1つ鉄道工場がありました。
明治天皇・昭憲皇太后御料車

こちらは御料車。5号と6号があったのですが、どっちがどっちか忘れましたw
非常に格調高い色合いで、中には橋本雅邦と川端玉章が描いた天井画もあるそうです。
中はちょこっとだけ外から観ることができます。

この角度なので天井画は見えませんでしたw
ということで、最後の方はかなり駆け足になった上、1丁目はほとんど見られませんでした。3時間や4時間では足りないくらいの広さなので、もし行く機会があったら丸々1日を予定したほうがじっくり見られるかと思います。 とは言え、帝国ホテルに行くことができたのは本当に満足でした。是非とも再訪したい所ですので、次に行くときは必ず時間を多めに取って行きたいと思います。建物好きの方には旅の目的地になる場所です。
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前編では明治村5丁目の途中までご紹介しましたが、今日はこの旅の最大の目的地である帝国ホテル中央玄関からご紹介します。
こちらが帝国ホテル中央玄関(大正12年)

20世紀の大巨匠フランク・ロイド・ライトによって設計されたホテルで、4年間の大工事を経て完成しました。元々はかなり大きな建物だったのですが、現在は玄関部分のみがこの明治村に移築されています(この建物は大正生まれですが…w)
ちょっと角度を変えた所。

まるで南米の神殿か遺跡のような風格に心躍りますw
一部は再現となっていますが、柱のレンガもこだわりを感じさせます。

大谷石や、常滑焼のスクラッチタイル/テラコッタが使われるなど、日本の素材を上手く組み入れています。その選定を行ったのもフランク・ロイド・ライトで、こだわりすぎて時間も予算もかかったという…w
中に入って正面。ちょうどクリスマスの時期に行きました。

この建物は落成式をとりおこなう直前に関東大震災に襲われたのですが、東京中が大混乱の中でもほぼ無傷という頑丈さを誇りました。柱も多くて見るからに堅固。
勿論、テーブルや椅子もこだわっています。

窓枠まで洒落ていて、何処に行ってもデザイン性の高さに感心するばかり。
2階はカフェになっていたので、こちらでちょっと休憩。

公式サイト:帝国ホテル喫茶室
非常に寒い日だったので、ホットの紅茶を頂きました(500円)

最高のムードの中で頂いたこともあり、美味しかったです。
このテーブルセットもフランク・ロイド・ライトのデザイン。

幾何学的な美しさが特徴です。
ついている照明も幾何学的。

アール・デコ調でかなり好みです。
一見してビリヤード台か?と思ったら、こちらはアメリカから寄贈された由緒あるテーブル。

なんとこのテーブルで日露戦争集結のポーツマス条約が締結されたそうです。帝国ホテルが建つ20年位前ですが、同時代ということで展示しているのかな。近くにはポーツマス条約関連の資料もありました。
再びホテル内を見て回りました。この柱も透かしになって間接照明のようになっているのが面白い。

お皿もフランク・ロイド・ライトがデザイン(これは復刻)

色使いが先進的でちょっとキュビスム的な印象を受けました。
この電気スタンドもデザインしたのかな?

この他にもかなり写真を撮って、多分1時間くらい帝国ホテルで過ごしました。ここが目的だったので満足できたのですが、閉園時間が迫りここから先は猛ダッシュで残りの建物を巡る羽目になりましたw (冬は16時までということを知らず、17時までだと思っていたという計算違いもありました)
帝国ホテル裏の汽車は時間が会わず、結局バスで3丁目まで行きました。これは3丁目付近に止まっていた汽車。

公式サイトには乗り物の時刻表もあるので、予め計画を立てるべきでした。本数は意外と少ないです。
参考リンク:乗り物の時刻表
こちらは京都市電。これには乗ることができました。

日本初の市電(明治28年)で、昔は注意喚起のために市電の前に告知人という人が走って市電が来ることを知らせていたそうです。
中はこんな感じ。

結構揺れます。市電を降りて、次は3丁目を観ることにしました。
これは品川燈台(明治3年)

その名の通り品川にあった燈台で、見た目は小さいですが18km先まで光が届いたという記録があるそうです。今でも入鹿池の水辺に立っています。
この辺で閉館を伝える蛍の光が流れてきて焦りましたw
神戸山手西洋人住居(明治20年代)

こちらの沿革は詳しく伝わっていないようですが、神戸で西洋人が住んでいたそうです。見た目ほど中は広くないようですが、柱やベランダの配置によって大きく見せているようです。とにかく洒落た雰囲気でした。
芝川又右衛門邸(明治44年)

関西建築界の父とも言われる武田五一による設計で、大阪の豪商の別荘だった建物です。ヨーロッパの様式と日本の数寄屋などを融合しているそうですが、住んでいた家族にはほとんど和風と思われていたようです。時間がなくて中には入れず…。
北里研究所本館・医学館(大正4年)

こちらは白金にあった北里柴三郎の研究所。北里柴三郎はドイツで学んだためかドイツバロック風を基調としているそうで、廊下が南面に面しているらしく、顕微鏡で観察する際に光の変化が少ない北面から採光しているそうです。
続いては2丁目。
札幌電話交換局(明治31年)

かなりどっしりした造りですが、側面の胴蛇腹花紋が有機的な雰囲気を出していました。
東松家住宅(明治34年)

こちらは名古屋にあった油屋さん。この家は3階部分を増築したそうですが、江戸時代は武家以外の3階建ては禁止で、大正時代にも木造3階は禁止された為、慶応~明治の50年間ほどしか3階建てにすることはできなかったようです。中は観られませんでしたが、見た目通りの和風の町家のようです。
東山梨郡役所(明治18年)

こちらは山梨にあった郡役所。2階建てと平屋部分があるため屋根が複雑にかけられているそうですが、ちょっと遠目では分かりませんでした。
続いては1丁目。村の出入口に一番近い辺りです。
三重県庁舎(明治12年)

非常に立派な建物で、明治村に来てすぐにこの村は尋常ではないと感じさせてくれましたw 内務省庁舎にならって作られているそうで、スッキリとした印象。ここも時間があれば中を見たかった…。
鉄道局新橋工場(明治22年)

意外と小さいように見えます。ちなみに、明治村にはもう1つ鉄道工場がありました。
明治天皇・昭憲皇太后御料車

こちらは御料車。5号と6号があったのですが、どっちがどっちか忘れましたw
非常に格調高い色合いで、中には橋本雅邦と川端玉章が描いた天井画もあるそうです。
中はちょこっとだけ外から観ることができます。

この角度なので天井画は見えませんでしたw
ということで、最後の方はかなり駆け足になった上、1丁目はほとんど見られませんでした。3時間や4時間では足りないくらいの広さなので、もし行く機会があったら丸々1日を予定したほうがじっくり見られるかと思います。 とは言え、帝国ホテルに行くことができたのは本当に満足でした。是非とも再訪したい所ですので、次に行くときは必ず時間を多めに取って行きたいと思います。建物好きの方には旅の目的地になる場所です。
【犬山編(2013年)】
野外民族博物館 リトルワールドの写真 前編(2013年12月)
野外民族博物館 リトルワールドの写真 後編(2013年12月)
有楽苑と犬山城の写真
なり多 【愛知県犬山界隈のお店】
博物館明治村の写真 前編 2013年12月
博物館明治村の写真 後編 2013年12月
【名古屋編(2013年)】
矢場とん 三越ラシック店【名古屋 栄界隈のお店】
あつた蓬莱軒 松坂屋店【名古屋 栄界隈のお店】
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熱田神宮の写真
名古屋城周辺の写真
アール・ヌーヴォーの伝道師 浅井忠と近代デザイン (ヤマザキマザック美術館)
ヤマザキマザック美術館の案内 (名古屋編)
ウィリアム・モリスと英国の壁紙展 -美しい生活をもとめて- (松坂屋美術館)
リニア・鉄道館 前編
リニア・鉄道館 後編
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文化のみち二葉館の写真
文化のみち橦木館と周辺の写真
【長島編(2019年)】
なばなの里のイルミネーション
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博物館明治村の写真 前編 2019年01月
博物館明治村の写真 後編 2019年01月
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今日も引き続き番外編の愛知県犬山への旅行の記事です。前回ご紹介したお店でお昼を済ませた後、バスで博物館明治村に行って、建物巡りをしてきました。

【公式サイト】
http://www.meijimura.com/
【会場】
博物館明治村
【最寄】
犬山駅(愛知県)など ※バスで30分程度
かなり広い敷地なので、何処へ行っても混んでいるという感じはしませんでした。
さて、この施設はその名の通り明治時代を中心とした貴重な歴史的建造物を移築/保存し展示している所で、昭和40年(1965年)の開村以来 建物が増え続け、今では全国各地(一部は海外)から集められた建物が67件も並んでいます。こちらでも写真を撮ることができましたので、詳しくは写真を使ってご紹介しようと思います。
こちらが地図。1~5丁目まであり、敷地は東京ドーム21個分というかなり広大な施設です。

縦長で元の入口に戻るのが大変そうなので、園内バスで4丁目まで行って、歩いて5丁目まで行き、そこから敷地内を走るSLと市電を使って3丁目に戻って、歩いて2丁目、1丁目と見ていく変則的なルートを考えました。(これが後々に悲劇を招きましたが…w) ちょっと変な順番でご案内していきます。
まず4丁目の工部省品川硝子製造所。(明治10年)

イギリス積みのレンガ造りが重厚な印象です。堅牢さと格調高さを感じます。
これはハワイ移民集会所(明治22年 ハワイ)

これはハワイにあった日本人牧師によって建てられた日本人のための教会。治水がままならなかったためか、床が高いのが特徴なのだとか。
こちらは第四高等学校武術道場「無声堂」(大正6年)

これは金沢にあった第四高等学校の武道場で、柔道、剣道、弓道三つの道場を兼ね備えていたそうです。
中はこうなっています。

小学校の体育館くらいはありそうな大きな建物です。柔道場には床の弾力を増すスプリング、剣道場には音が反響するための共鳴用の溝が床下に掘られているそうです。
これは日本赤十字社中央病院病棟(明治23年)

広尾にあった病院で、中庭を囲うように建っています。移築の際に南北を180度変えてしまったようで、この写真で見えている廊下は元々は北側だったそうです。
中はこんな感じ。

どういう基準かはわかりませんが、特等・上等・中等・下等の4ランクの病室があり、ベッドや調度が異なるようです。これは中等と下等だったかな。担架みたいなベッドはキツそう。
続いてこれは歩兵第六聯隊兵舎(明治6年)

旧幕府がフランス式の軍隊を学んでいたのが明治政府にも引き継がれたそうで、訓練方法だけでなく建物もフランス式になっているようです。
左は下士官の部屋。その隣には右の写真の事務室がありました。

まさか寝起きしている部屋の隣に事務室があったの??と思ったら、事務室は元々2階にあったのを1階で再現しているようです。
こちらは宇治山田郵便局舎(明治42年)

木造平家建銅板葺で中は結構広かったです。ここで未来の自分に手紙を出すこともできます。
郵便局の中には郵便ポストもありました。

結構最近の懐かしいのもちらほら。
これは本郷喜之床(明治末年)

本郷にあった理髪店で、かつて石川啄木が住んだ家です。2階に住んでいたらしく、若干幽霊みたいですが、啄木の写真がお出迎えしてくれました。
この隣には小泉八雲が住んだ家もありました。
こちらは呉服座(くれはざ 明治25年)

大坂にあった劇場で、木造二階建杉皮葺となっています。
中はこんな感じ。

思ったより広くて驚きでした。
これは半田東湯(明治末年)

昔のお風呂屋さんで、今は足湯を楽しむことができるようでした。
ここからは最も見どころの多い5丁目。まずは聖ザビエル天主堂(明治23年)がそびえ立っていました。

これは京都の河原町にあった教会で、フランス人神父が監督し、フランスからから取寄せた設計原案に基づいているものの、日本人の手で造られたそうです。
中はこんな感じ。

神聖な雰囲気が漂い、クリスマス時期だったこともあってか声楽コンサートをやっていました。
巨大な薔薇窓。

長らく取り付けられていたものを風雨から守るため、移築の際にこうして保管されたようです。間近でみても非常に精巧で美しい…。
教会側面にもステンドグラスがありました。

続いては打って変わって、金沢監獄正門(明治40年)。

要塞かっ!?w 絶対に逃げられなそうな重厚な作りです。でもカッコイイw
この先は監獄が待っています。Let's go to jail!
金沢監獄中央看守所・監房(明治40年)

八角形の看守所を中心に、5つの放射状に伸びる監房を持った監獄です。入口付近には書信室という手紙を書く場所の再現もありました。
これは放射状に伸びている監房の1つ。とは言え、現存は1つだけです。

中はかなり狭いです。

トイレは桶みたいなものだし、ご飯も粗末です。これぞ監獄といった感じ。
これは監獄の隣に並んでいた宮津裁判所法廷(明治19年)

上級審は洋風の建物だったようですが、この裁判所は和風です。
中の再現。

閻魔大王みたいな格好をしていて、近代なのか中世なのか何とも不思議な感じ。
続いて、少し進んで内閣文庫(明治44年)

ルネッサンス様式の立派な建物で、元々は明治政府の中央図書館だったようです。
正面からみると神殿みたいだと思ったら、古代ギリシャ・ローマの建築から影響を受けているようです。

この柱は高さ7mもあるのだとか。
その先に塔のような建物があるぞ??と思ったら、川崎銀行本店(昭和2年)の端っこだけ再現した建物がありました。

こちらもルネサンス様式を貴重とした建物で、御影石の壁に重厚さが感じられます。ここは今は展望台となっていて、すぐ隣りの入鹿池を眺めることができます。入鹿池は人口の溜池としては1位2位を競うほどの大きさです。
5丁目の奥にはSLの駅があります。

この汽車に乗って4丁目の南端辺りに戻る計画だったのですが、5丁目のある建物で長居してしまい時間が会わず乗ることができませんでしたw
ということで、4~5丁目は時間をかけて観てきました。時間をかけすぎて後半はかなりダッシュで観る羽目になったわけですが…w これだけ素晴らしい建物が多いと目移りしてしまいます。 次回はそんな明治村の中でも最大の見どころと言える建物と、1~3丁目についてご紹介しようと思います。
→ 後編はこちら
【犬山編(2013年)】
野外民族博物館 リトルワールドの写真 前編(2013年12月)
野外民族博物館 リトルワールドの写真 後編(2013年12月)
有楽苑と犬山城の写真
なり多 【愛知県犬山界隈のお店】
博物館明治村の写真 前編 2013年12月
博物館明治村の写真 後編 2013年12月
【名古屋編(2013年)】
矢場とん 三越ラシック店【名古屋 栄界隈のお店】
あつた蓬莱軒 松坂屋店【名古屋 栄界隈のお店】
【名古屋編(2019年)】
熱田神宮の写真
名古屋城周辺の写真
アール・ヌーヴォーの伝道師 浅井忠と近代デザイン (ヤマザキマザック美術館)
ヤマザキマザック美術館の案内 (名古屋編)
ウィリアム・モリスと英国の壁紙展 -美しい生活をもとめて- (松坂屋美術館)
リニア・鉄道館 前編
リニア・鉄道館 後編
徳川美術館の案内
徳川園の写真
文化のみち二葉館の写真
文化のみち橦木館と周辺の写真
【長島編(2019年)】
なばなの里のイルミネーション
【犬山編(2019年)】
博物館明治村の写真 前編 2019年01月
博物館明治村の写真 後編 2019年01月

【公式サイト】
http://www.meijimura.com/
【会場】
博物館明治村
【最寄】
犬山駅(愛知県)など ※バスで30分程度
かなり広い敷地なので、何処へ行っても混んでいるという感じはしませんでした。
さて、この施設はその名の通り明治時代を中心とした貴重な歴史的建造物を移築/保存し展示している所で、昭和40年(1965年)の開村以来 建物が増え続け、今では全国各地(一部は海外)から集められた建物が67件も並んでいます。こちらでも写真を撮ることができましたので、詳しくは写真を使ってご紹介しようと思います。
こちらが地図。1~5丁目まであり、敷地は東京ドーム21個分というかなり広大な施設です。

縦長で元の入口に戻るのが大変そうなので、園内バスで4丁目まで行って、歩いて5丁目まで行き、そこから敷地内を走るSLと市電を使って3丁目に戻って、歩いて2丁目、1丁目と見ていく変則的なルートを考えました。(これが後々に悲劇を招きましたが…w) ちょっと変な順番でご案内していきます。
まず4丁目の工部省品川硝子製造所。(明治10年)

イギリス積みのレンガ造りが重厚な印象です。堅牢さと格調高さを感じます。
これはハワイ移民集会所(明治22年 ハワイ)

これはハワイにあった日本人牧師によって建てられた日本人のための教会。治水がままならなかったためか、床が高いのが特徴なのだとか。
こちらは第四高等学校武術道場「無声堂」(大正6年)

これは金沢にあった第四高等学校の武道場で、柔道、剣道、弓道三つの道場を兼ね備えていたそうです。
中はこうなっています。

小学校の体育館くらいはありそうな大きな建物です。柔道場には床の弾力を増すスプリング、剣道場には音が反響するための共鳴用の溝が床下に掘られているそうです。
これは日本赤十字社中央病院病棟(明治23年)

広尾にあった病院で、中庭を囲うように建っています。移築の際に南北を180度変えてしまったようで、この写真で見えている廊下は元々は北側だったそうです。
中はこんな感じ。


どういう基準かはわかりませんが、特等・上等・中等・下等の4ランクの病室があり、ベッドや調度が異なるようです。これは中等と下等だったかな。担架みたいなベッドはキツそう。
続いてこれは歩兵第六聯隊兵舎(明治6年)

旧幕府がフランス式の軍隊を学んでいたのが明治政府にも引き継がれたそうで、訓練方法だけでなく建物もフランス式になっているようです。
左は下士官の部屋。その隣には右の写真の事務室がありました。


まさか寝起きしている部屋の隣に事務室があったの??と思ったら、事務室は元々2階にあったのを1階で再現しているようです。
こちらは宇治山田郵便局舎(明治42年)

木造平家建銅板葺で中は結構広かったです。ここで未来の自分に手紙を出すこともできます。
郵便局の中には郵便ポストもありました。

結構最近の懐かしいのもちらほら。
これは本郷喜之床(明治末年)

本郷にあった理髪店で、かつて石川啄木が住んだ家です。2階に住んでいたらしく、若干幽霊みたいですが、啄木の写真がお出迎えしてくれました。
この隣には小泉八雲が住んだ家もありました。
こちらは呉服座(くれはざ 明治25年)

大坂にあった劇場で、木造二階建杉皮葺となっています。
中はこんな感じ。

思ったより広くて驚きでした。
これは半田東湯(明治末年)

昔のお風呂屋さんで、今は足湯を楽しむことができるようでした。
ここからは最も見どころの多い5丁目。まずは聖ザビエル天主堂(明治23年)がそびえ立っていました。


これは京都の河原町にあった教会で、フランス人神父が監督し、フランスからから取寄せた設計原案に基づいているものの、日本人の手で造られたそうです。
中はこんな感じ。

神聖な雰囲気が漂い、クリスマス時期だったこともあってか声楽コンサートをやっていました。
巨大な薔薇窓。

長らく取り付けられていたものを風雨から守るため、移築の際にこうして保管されたようです。間近でみても非常に精巧で美しい…。
教会側面にもステンドグラスがありました。

続いては打って変わって、金沢監獄正門(明治40年)。

要塞かっ!?w 絶対に逃げられなそうな重厚な作りです。でもカッコイイw
この先は監獄が待っています。Let's go to jail!
金沢監獄中央看守所・監房(明治40年)

八角形の看守所を中心に、5つの放射状に伸びる監房を持った監獄です。入口付近には書信室という手紙を書く場所の再現もありました。
これは放射状に伸びている監房の1つ。とは言え、現存は1つだけです。

中はかなり狭いです。

トイレは桶みたいなものだし、ご飯も粗末です。これぞ監獄といった感じ。
これは監獄の隣に並んでいた宮津裁判所法廷(明治19年)

上級審は洋風の建物だったようですが、この裁判所は和風です。
中の再現。

閻魔大王みたいな格好をしていて、近代なのか中世なのか何とも不思議な感じ。
続いて、少し進んで内閣文庫(明治44年)

ルネッサンス様式の立派な建物で、元々は明治政府の中央図書館だったようです。
正面からみると神殿みたいだと思ったら、古代ギリシャ・ローマの建築から影響を受けているようです。

この柱は高さ7mもあるのだとか。
その先に塔のような建物があるぞ??と思ったら、川崎銀行本店(昭和2年)の端っこだけ再現した建物がありました。


こちらもルネサンス様式を貴重とした建物で、御影石の壁に重厚さが感じられます。ここは今は展望台となっていて、すぐ隣りの入鹿池を眺めることができます。入鹿池は人口の溜池としては1位2位を競うほどの大きさです。
5丁目の奥にはSLの駅があります。

この汽車に乗って4丁目の南端辺りに戻る計画だったのですが、5丁目のある建物で長居してしまい時間が会わず乗ることができませんでしたw
ということで、4~5丁目は時間をかけて観てきました。時間をかけすぎて後半はかなりダッシュで観る羽目になったわけですが…w これだけ素晴らしい建物が多いと目移りしてしまいます。 次回はそんな明治村の中でも最大の見どころと言える建物と、1~3丁目についてご紹介しようと思います。
→ 後編はこちら
【犬山編(2013年)】
野外民族博物館 リトルワールドの写真 前編(2013年12月)
野外民族博物館 リトルワールドの写真 後編(2013年12月)
有楽苑と犬山城の写真
なり多 【愛知県犬山界隈のお店】
博物館明治村の写真 前編 2013年12月
博物館明治村の写真 後編 2013年12月
【名古屋編(2013年)】
矢場とん 三越ラシック店【名古屋 栄界隈のお店】
あつた蓬莱軒 松坂屋店【名古屋 栄界隈のお店】
【名古屋編(2019年)】
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今回も引き続き番外編の愛知県犬山への旅行についての記事です。前回ご紹介した犬山城に行った後、城下町にある「なり多」というお店でお昼にしました。

【店名】
なり多
【ジャンル】
フレンチ
【公式サイト】
http://www.f-narita.com/
食べログ:http://tabelog.com/aichi/A2303/A230301/23003908/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
犬山駅など
【近くの美術館】
犬山城
犬山市文化史料館
有楽苑
どんでん館
など
【この日にかかった1人の費用】
4000円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_4_⑤_快適
【混み具合・混雑状況(祝日11時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
予約して行ったので、すんなりお店に入ることができました。
さて、このお店は文化財の旧奥村邸を改築して使っているそうで、まずは建物を見て回りました。こちらは庭園。

緑豊かな純和風で、落ち着きがあります。
庭の片隅にある井戸。

ここは銀明水とも呼ばれ、織田信長が武田勝頼を討ちに行く際にここの水を飲んだと言われているそうです。飲むと勝ち運がつくのだとか。
こちらはお店の入口のロビーのようなところ。ここは金庫室の前らしいです。

この建物は1842年の犬山大火の直後に建てられたそうで、家の前は旧中山道のようです。
私達は母屋の1階席に通されました。

アール・ヌーヴォー風の装飾もあり、内装も和とフレンチの融合といった感じ。他に2階や屋根裏の部屋もあるそうです。
先ほどの銀明水をお冷として飲むこともできました。

この日はランチコース(3000円)を頼みました。
白ワインと赤ワインを1つずつ頼みました。

どちらも香りがよく飲みやすいワインでした。
まずはオードブルの9点盛り。

それぞれちょっとずつですが色々と試せるのが嬉しいです。どれも美味しくて、器も洒落ていました。
付け合せのパン。

こちらも香りが良く、温かくて美味しかったです。
こちらはスープ。

メインは肉と魚を選べるので、私は魚にしました。

確か鰆だっかな。独特の風味が口の中に広がり、こちらも美味しかったです。
連れは肉でした。

サービスでミニカレーも頂けました。

まろやかであまり辛くはないですが、コクのある味でした。
最後にデザート。

これも5種類も楽しめる贅沢な内容でした。串が刺さっているミニ焼き芋など和風のものも美味しいです。
飲み物はコーヒーにしました。

こちらは食後にふさわしく飲みやすい感じ。
連れは紅茶でした。

アヒルの下からお茶がにじみ出てきていますw
ということで、歴史ある建物の中で美味しいフレンチを楽しむことができました。種類も豊富で量も結構あったので、かなり満足な内容でした。また犬山に観光に行くことがあったら是非とも再訪したいお店です。
この後、今回の旅の最大の目的である明治村に向かいました。次回はそれについてご紹介しようと思います。
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なり多
【ジャンル】
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【公式サイト】
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【味】
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【接客・雰囲気】
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【混み具合・混雑状況(祝日11時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
予約して行ったので、すんなりお店に入ることができました。
さて、このお店は文化財の旧奥村邸を改築して使っているそうで、まずは建物を見て回りました。こちらは庭園。

緑豊かな純和風で、落ち着きがあります。
庭の片隅にある井戸。

ここは銀明水とも呼ばれ、織田信長が武田勝頼を討ちに行く際にここの水を飲んだと言われているそうです。飲むと勝ち運がつくのだとか。
こちらはお店の入口のロビーのようなところ。ここは金庫室の前らしいです。

この建物は1842年の犬山大火の直後に建てられたそうで、家の前は旧中山道のようです。
私達は母屋の1階席に通されました。


アール・ヌーヴォー風の装飾もあり、内装も和とフレンチの融合といった感じ。他に2階や屋根裏の部屋もあるそうです。
先ほどの銀明水をお冷として飲むこともできました。

この日はランチコース(3000円)を頼みました。
白ワインと赤ワインを1つずつ頼みました。

どちらも香りがよく飲みやすいワインでした。
まずはオードブルの9点盛り。

それぞれちょっとずつですが色々と試せるのが嬉しいです。どれも美味しくて、器も洒落ていました。
付け合せのパン。

こちらも香りが良く、温かくて美味しかったです。
こちらはスープ。

メインは肉と魚を選べるので、私は魚にしました。

確か鰆だっかな。独特の風味が口の中に広がり、こちらも美味しかったです。
連れは肉でした。

サービスでミニカレーも頂けました。

まろやかであまり辛くはないですが、コクのある味でした。
最後にデザート。

これも5種類も楽しめる贅沢な内容でした。串が刺さっているミニ焼き芋など和風のものも美味しいです。
飲み物はコーヒーにしました。

こちらは食後にふさわしく飲みやすい感じ。
連れは紅茶でした。

アヒルの下からお茶がにじみ出てきていますw
ということで、歴史ある建物の中で美味しいフレンチを楽しむことができました。種類も豊富で量も結構あったので、かなり満足な内容でした。また犬山に観光に行くことがあったら是非とも再訪したいお店です。
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