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燕子花図と夏秋渓流図 【根津美術館】

この展示は5/3に見てきました。この記事を書いている時点で既に終了しています。

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【展覧名】
 燕子花図と夏秋渓流図

【公式サイト】
 http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/past2017_n03.html

【会場】根津美術館
【最寄】表参道駅

【会期】2017年4月12日(水)~5月14日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
GWで庭の花も見頃となっていたこともあり館内も結構混み合っていましたが、大型の作品がメインということもあってそれほど気になりませんでした。

さて、この展示は例年この時期に行われている尾形光琳の「燕子花図屏風」に関するもので、今回は鈴木其一の「夏秋渓流図屏風」と共に展示するという企画でした。内容としては伊年印(俵屋宗達の工房作)から琳派の流れを辿りつつ、メインの2点の周辺や同時代の作品を並べていました。
まず尾形光琳の「燕子花図屏風」は毎年観ていますが、何度観ても新しい発見があります。デザイン的で装飾的な雰囲気で反復を使ってる一方で、写実的な観察眼もあり、配置のリズムや伊勢物語からの着想など奥深いエピソードが満載です。今回じっくりと近くで観てると意外と傷んできているのが少し気になる…。非常に素晴らしい作品なので長く後世に残っていって欲しいものです。
続いて其一の「夏秋渓流図屏風」ですが、これもよく目にする機会のある作品であるものの毎回色彩の強さに驚かされます。ちょっとドギツいくらいの青と緑や、ウネりなど雅さというよりはシュールな方面に進んでいる感じすら受けますw 描写についても其一は中国からの影響もあるので師匠の酒井抱一の洒脱な雰囲気とはだいぶ違うと思っています。(なので、私はあまり好みではない)
他の作品は中村芳中など琳派の流れの絵師もいましたが、谷文晁などの文人画など同時代の他の系統などもありました。

ということで、元々私は光琳大好きな一方で其一はそれほどでもないので、今回の感想もそのままのものとなりましたw しかし両作品とも見栄えがするので、今後の展示でもまた話題になると思います。

展覧会を見る前に、根津美術館の見どころである庭も散策してきました。

こちらは藤。
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時期がズレてるかもと思いましたが丁度見頃でした。


そして、やはり目を引くのはカキツバタ!
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毎年この時期に光琳の燕子花図屏風を展示するのはこれに合わせているためです。


アップ。
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この日は天気も最高で、非常に綺麗でした。
もう展示も終わってしまいカキツバタの時期も過ぎつつありますが、ここでは毎年同じ時期に似た展示をやるので見逃した方は来年以降を楽しみにされるとよろしいかと思います。


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スケーエン:デンマークの芸術家村 【国立西洋美術館】

この展示は5/2に前回ご紹介したシャセリオー展の後に観てきました。

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【展覧名】
 日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念
 スケーエン:デンマークの芸術家村

【公式サイト】
 http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2017skagen.html

【会場】国立西洋美術館 新館展示室
【最寄】上野駅

【会期】2017年2月10日(金)~5月28日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
新館の常設展示の場所を使って行われていました。シャセリオー展のチケットで見られます。

さて、今回のテーマである「スケーエン」とはデンマークのユトランド半島の最北端にある小さな漁村で、1870年代からそこに多くの画家や詩人、作曲家などが集まって芸術村の様相となっていたそうです。今回はそこから7人の作品59点(半分くらいは素描)が並び、それぞれ違った個性がありましたので画家ごとに簡単に書いておこうと思います。

<ミカエル・アンカー>
この画家の作品が最も多かったかな。写実的でありつつ労働者を現実的に捉えた絵が数点あり、いずれも骨太な印象でした。しかし一方では浜辺を散歩する貴婦人たちを描いていたりして、スケーエンの様々な面を見せてくれます。人物像の陰影などから当時の人々の生活感がにじみ出ていました。

<アンナ・アンカー>
この人はミカエル・アンカーの奥さんで、旦那さんが労働者をよく描いてたのに対して女性像が多かったようです。作風としては印象派的なところもありつつ、どこか象徴主義的な静けさと神秘性が漂う感じが好みでした。

<ヴィゴー・ヨハンセン>
この画家は1点のみでした。浜辺の労働者という主題はミカエル・アンカーと共通するものの、印象派からの影響が強そうな筆致となっていました。

<ホルガー・ドラックマン>
この画家も1点のみ。浜辺の風景を描いていて、大胆な筆使いで明るめの画面となっていました。色が淡くて遠目では水彩かと思った。

<ペーダー・セヴェリン・クロヤー>
この人の作品はどこか北欧独特の陰と神秘性を感じさせる画風でした。色使いは決して暗くなくむしろ光輝主義のような幻想的な明るさがあるのですが、夜や暗い室内を描いているのでそう思えるのかも。柔らかくも強い陰影が非常に目を引きました。

<マリー・クロヤー>
この人はペーダー・セヴェリン・クロヤーの奥さんらしく、1点のみでした。室内で刺繍をしている女性を描いた作品で、フェルメールのような静謐さと柔らかい光を感じさせました。

<カール・ロッカー>
この人は2点のみでしたが、いずれも風景画で郷愁を誘う夕景でした。印象派的な作風で色使いが特に素晴らしく、非常に好みでした。


ということで、知らなかった画家ばかりでしたが好みの作品が多かったので図録も買ってきました。
こういうまだ日本では知られていないけど実力のある画家たちの展示は本当に嬉しいものです。それぞれ個展をやってほしいw


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シャセリオー展―19世紀フランス・ロマン主義の異才【国立西洋美術館】

この展示は5/2に見てきました、GW中でも平日だったこともあり割りと空いていました。
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【展覧名】
 シャセリオー展―19世紀フランス・ロマン主義の異才

【公式サイト】
 http://www.tbs.co.jp/chasseriau-ten/
 http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2017chasseriau.html

【会場】国立西洋美術館
【最寄】上野駅

【会期】2017年2月28日(火)~5月28日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
この展示は日本で初めてのテオドール・シャセリオーの個展となっていて、私もシャセリオーの作品はほとんどみたいことがない状態(記憶にあるのはこの前のランス美術館展程度)で観に行きました。
タイトルの通りロマン主義の画家のようですが、師匠は何と新古典主義の巨匠アングルで、シャセリオーを私淑した(影響を受けた)とも言える画家としてギュスターヴ・モローやピュヴィス・ド・シャヴァンヌ、オディロン・ルドンといった象徴主義のビッグネームが挙げられる等、思った以上に重要な画家でした。しかし若くして亡くなった上に、現在のオルセー美術館の場所にあった代表作の壁画がパリ・コミューンで失われるといった不運が重なり 知る人ぞ知る存在となってしまったようです。今回はそんな隠れた天才画家を回顧する貴重な機会となっています。

展覧会は5つの章に分かれていたので、ごく簡単にご紹介。

<第1章 アングルのアトリエからイタリア旅行まで>
ここはアングルの弟子になった子供の頃からロマン派に傾倒する前までの作品が並んでいました。師匠に「絵画のナポレオンになる」と言われるほどの才能があったらしく、ここは写実的かつ理想的な人物像が多かったかな。アングルの弟子として手伝いをしていた素描などもあり、2人の関係の強さもわかります。

<第2章 ロマン主義へ 文学と演劇>
師匠のアングルがフランス・アカデミー院長としてイタリアに行ってしまった後、新古典主義とは相反するロマン主義へと傾倒していく頃の作品が並んでいました。この頃、アカデミックな新古典主義に対してそれをぶち壊すの流れの1つがロマン派だったようで、滑らかな仕上がりの新古典主義に対してタッチも粗くなっているものの、ドラマチックで感情的な雰囲気が出ている作品が多くありました。ここはかなり充実していて、「アポロンとダフネ」や「泉のほとりで眠るニンフ」などが特に目を引きました。シェイクスピアを着想にするなどの動きも前の時代になかったもののようです。

<第3章 画家を取り巻く人々>
ここは親しい友人などを描いた肖像画が並んでいて、今回のポスターの作品もありました。表情などを観ると人柄がすごくよく伝わってくるので、理想化というよりはシャセリオーがどう思っているかよく分かるw 中には恋人と喧嘩別れする原因になった肖像画などもあって、シャセリオー自身の人となりも伝わってきます。
ちなみにシャセリオーは容姿に恵まれてはいなかったとのこと(自画像だと割りとイケメンだと思うけど…)ですが、恋人はパリで一番モテた女性でレ・ミゼラブルで有名なヴィクトル・ユーゴーは父子揃って魅了されていたり、ナポレオン3世と付き合っていたこともあるのだとか。そんな凄い彼女がいるってことはそれだけ凄い画家だったということでしょうね。

<第4章 東方の光>
ここはアルジェリア旅行などから着想を得た作品が並んでいました。異国趣味の格好をした女性像(イスラムの女性は顔を見せられないので主にユダヤ女性)やアフリカの風景、市井など生き生きとした描写となっています。ここは大胆な筆使いの作品もあって、後の時代を感じさせるものもあったかな。

<第5章 建築装飾 寓意と宗教主題>
最後はオルセー美術館の前(駅)の前にあった会計検査院に描かれたシャセリオーの壁画を中心に宗教画や壁画の素描などが並んでいました。前述の通り会計検査院の壁画はパリ・コミューンで失われたものの、モローを始めとして多くの画家の目に振れて触発していったそうです。
ここは素描とか当時を偲ぶ品などが多いのでちょっと地味ですが、影響を受けた画家たちの作品もあってシャセリオーの仕事が美術の流れに如何に重要であったかを実感できました。影響を受けて象徴主義の代表となったモローがいなければ生徒のマティスやルオーもどうなっていたのか…と考えると凄い重要な画家ですね。


ということで、思った以上に見ごたえのある展示でした。どちらかと言うと美術に詳しい人に嬉しい展示だと思いますが、単純に絵自体が素晴らしいので初心者も楽しめると思います。解説機の山田五郎氏の解説が分かりやすくて的を射ているのも良かった。


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N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅【森美術館】

この展示は5/1に行ってきました。平日だったので空いていました。
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【展覧名】
 N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅

【公式サイト】
 http://www.mori.art.museum/contents/n_s_harsha/

【会場】森美術館
【最寄】六本木駅

【会期】2017年2月4日(土)~6月11日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
こちらは前回ご紹介したMARVEL展の後にハシゴしてきました。
この展示はインドのN・S・ハルシャというアーティストの個展で、私はまったく知らずに行きましたが予想以上に面白い内容でした。
展覧会では写真を撮ることができたので、何枚か使ってみようと思います。

N・S・ハルシャはインドの人ということで、インドで今まさに起こっていることを題材にした作品が多かったように思います。
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これはインドでの開発を風刺したものかな。巨大なドクロと周りにいる西洋的な開発者、ヨガの修行をしている人?などインドの開発が綺麗事ではないような雰囲気でした。

こちらもインドの西洋化と開発をテーマにしたもの。
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蛇使いのインド人らしき人が乗った「魅力な国」という石碑をぶっ壊すブルドーザーが西洋の象徴のようです。

N・S・ハルシャは反復(コピーではない反復)を多様する絵をよく描くようで、これは様々な人が椅子に座ってる絵。
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ずらーっと並んで数百数千という人がいますが、1人として同じ人はいません。中には人じゃない神様とか色々混じってるけど、インドの多様性を感じました。

絵だけでなく立体作品もあります。
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これはミシンと国連参加国の国旗で、労働が国を成立させているという意味があるようです。

これは今回一番大きな作品。
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マクロ的な宇宙と、ミクロ的な星々の両面を表現しているのかな。メビウスの輪のような形をしているのも意味深でした。


ということで、普段あまり意識していないインドの現状を垣間見させてくれるような内容で、非常に示唆に富んでいたと思います。
もしエルミタージュ美術館展に行くのであれば、こちらも合わせて行くことをオススメします。



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マーベル展 時代が創造したヒーローの世界【六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー】

この展示は5/1に見てきました。GW中とは言え平日だったのでそんなに混んでいませんでした。(16時くらい)

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【展覧名】
 マーベル展 時代が創造したヒーローの世界(MARVEL展)

【公式サイト】
 http://www.tokyocityview.com/marvel-exhibition/

【会場】六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
【最寄】六本木駅

【会期】2017年4月7日(金)~6月25日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
こちらは前回ご紹介したエルミタージュ展の後にハシゴしてきました。
展示内容はその名の通り、昨今人気のアメリカンコミック雑誌「マーベル」のキャラクターが集まったもので、映画や漫画、ノベルティ、実寸大のフィギュアなどが並んでいました。
主に映画化されたorされる予定のヒーローを1タイトルずつストーリー概要とともに紹介していく形式で、特にアベンジャーズ関連のコンテンツが厚めで私の好きなX-MENは少なめですw 昔から人気のあったキャプテン・アメリカはWW2当時からナチスと戦う内容で戦意高揚の側面があったようで、他のヒーローも公民権運動が盛り上がれば黒人や女性のヒーローが生まれるといった感じで時代の変化に機敏なところがあるようでした。

スパイダーマン、アイアンマン、ハルク、マイティ・ソー、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、ドクター・ストレンジ、アントマン等、映画に出てきたコスチュームやアイテムが並んでいた中で特に目を引いたのがこれ!
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でかい!w 何故大きくしたか分からんけど迫力はあったw

その後は各種メディア展開したコーナーがあって、カプコンの格ゲーなど懐かしいものに混じって東映版スパイダーマンに出てきたレオパルドンのロボットの玩具がw 最近スパイダーマンのコミックで活躍しているようで黒歴史化されてなかったようです。

今回はショップも熱いんだけど、この展示の券がないと入店できないとのこと。私はトミカが作った1000円のフィギュアを買いました。本当はX-MENが欲しいんだよな。。。センチネルのフィギュアをどこか出してくれないものか。。。

店内にも実物大のフィギュアが。
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フィギュアはここ以外にも森ビルのお店の周りでもいくつか観ることができました。

ということで、思った通りの内容ではあったけどご贔屓のヒーローが少なめでちょっとガッカリ。
アイアンマンも好きだけど、次は単独でX-MENをやってほしいなあw


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大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち【森アーツセンターギャラリー】

テンプレートも復活させました。とは言え、細かくメモしてる訳ではないので感想は少なめです。
この展示は5/1に見てきました。GW中とは言え平日だったのでそんなに混んでいませんでした。(14時くらい)

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【展覧名】
 大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち

【公式サイト】
 http://hermitage2017.jp/outline.html

【会場】
 森アーツセンターギャラリー

【最寄】
 六本木駅

【会期】
 2017年3月18日(土)~6月18日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
5章構成で各国から集めたオールドマスターと呼ばれる巨匠たちの作品が並んでいたものの、ロシア絵画が無かったのが残念。
各章ごとに気に入ったのは以下の通り。

<第1章 イタリア:ルネサンスからバロックへ>
ここは良い作品が多かった。
特にカルロ・ドルチ「聖チェチリア」、ポンペオ・ジローラモ・バトーニ「聖家族」が見どころかな。どちらも精緻な筆致と高貴な雰囲気が出ていた。他にがフランチェスコ・フリーニの「アンドロメダ」も見事。

<第2章 オランダ:市民絵画の黄金時代>
ここはレンブラントを始めオランダ絵画展でよく出品される名前がズラっと並んでいたけど、気に入ったのは数点かな。ヤン・ステーン「怠け者」と ピーテル・デ・ホーホ「女主人とバケツを持つ女中」といった風俗画が面白い。オランダ絵画は読み解き要素もあるので、何を意味しているのか考えながら観ていた。何気なくライスダールの作品もあったのも良かった。


<第3章 フランドル:バロック的豊穣の時代>
ここもルーベンスやブリューゲルの一家、ヴァン・ダイクなど有名所が並んでいました。
ピーテル・ブリューゲル(子)「スケートをする人たちと鳥罠のある冬景色」は上野の西洋美術館にある作品に似てるかな。スケートをやってる所に穴があり、死と隣り合わせという寓意が込められてるのも面白い。近くにヤン・ブリューゲル(父)もあったけど花の絵ではなかったw ルーベンスは工房の作とかだった。

<第4章 スペイン:神と聖人の世紀>
ここは5点しか無かったけど、ムリーリョの「羊飼いの礼拝」が好みかな。ここは他の章に比べて手薄だった感じ。

<第5章 フランス:古典主義的バロックからロココへ>
ここは点数は多かったけど、ロココ自体が好みでは無いので気に入った作品は新古典主義のユベール・ロベールの廃墟の絵2点とクロード・ロランの「港」だった。ユベール・ロベールの運河の絵は傑作と思われ、何年か前の西洋美術館での展示を思い出した。
クロード・ロランもよく描いている夕日の港で叙情的な雰囲気が良い。
他にはジャン=バティスト・シメオン・シャルダンなどもあって、得意の静物ではないものの見応えがあった。

<第6章 ドイツ・イギリス:美術大国の狭間で>
ここも6点しか無いものの、クラーナハの「林檎の木の下の聖母子」は今回の展示の中でも特に目を引く作品。つい最近クラーナハの展覧会があったけど、これはそれらと比較しても好みの作品だった。聖母子なのにどこか妖艶な感じがクラーナハらしいというかw


ということで、中々見応えのある展示だったかな。もうちょっと目玉作品があっても良かった気はするけど、主な西洋美術の流れを俯瞰できるので美術初心者にも良い内容だったと思う。


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ヴォルス――路上から宇宙へ【DIC川村記念美術館】

公式サイト:http://kawamura-museum.dic.co.jp/exhibition/

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4/30に行ってきました。
全く知らない画家だったけどアンフォルメルの先駆者とされるそうで、絵画だけでなく写真なども展示されていました。
作風としてはパウル・クレーにちょっとだけ似てるかな。何を描いているのか分からない抽象的な作品も多いけど、やや暗めな色彩とやや狂気めいた素描が独特の世界観でした。ちなみにこの展示は写真撮影可能でした。
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川村美術館は1年ぶりくらいかな。ここの常設は見応えがあるのでじっくり観てきました。
また、ちょうどツツジが見頃で普段は入れないDICの敷地内のつつじ山にも入れました。
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2017年開放日
■ 4/15(土)、16(日)、22(土)、23(日)、29(土・祝)、30(日)
■ 5/3(水・祝)、4(木・祝)、5(金・祝)、6(土)、7(日)

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GWには庭園に移動販売ピザ屋さんも来るはずなんだけど、この日はタコス屋さんとコーヒー屋さんのみだったのがちょっと残念。
しかし敷物広げてタコスを食べているとピクニック気分も味わえました


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ブログ再開  第35回 明日をひらく絵画 上野の森美術館大賞展 【上野の森美術館】

facebookで再開したけど、編集できるところが少ないのでやはりブログで再開して、facebookは連携機能を使うことにしました。
以前ほど詳細に書く時間が無いので忘備録程度に書いていこうと思います。

こちらの展示は2017/4/29に伺いました。
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公式サイト:http://www.ueno-mori.org/exhibitions/main/taisho/

絵画の先輩からチケットを頂いたのですが、この公募展はレベルの高い作品が多かったように思いました。
二科展や二期展などでも観たことがある方が出品されているし、100号の作品がずらっと並ぶので見応えがあります。
最近の公募展は細かく描き込むのと夢の中みたいな光景の主題が多いような気がするけど、目を引くのはやはり人物像かな。
視点が散る作品よりも何を見せたいのかハッキリしている作品が好み。



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プロフィール

21世紀のxxx者

Author:21世紀のxxx者
 
多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。

関東の方には休日のガイドやデートスポット探し、関東以外の方には東京観光のサイトとしてご覧頂ければと思います。

画像を大きめにしているので、解像度は1280×1024以上が推奨です。

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メディア掲載
■2012/1/27
NHK BSプレミアム 熱中スタジアム「博物館ナイト」の収録に参加してきました
  → 詳細

■2011/11/21
海の見える杜美術館の公式紹介サイトに掲載されました
  → 詳細

■2011/9/29
「週刊文春 10月6日号」に掲載されました
  → 詳細

■2009/10/28
Yahoo!カテゴリーに登録されました
  → 絵画
  → 関東 > 絵画

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