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【番外編】没後90年 萬鐵五郎展 YORUZU Tetsugoro 1885-1927【萬鉄五郎記念美術館】

岩手編は今回で最後です。先日ご紹介した岩手県立美術館での「没後90年 萬鐵五郎展」と共同開催された萬鉄五郎記念美術館の「没後90年 萬鐵五郎展 YORUZU Tetsugoro 1885-1927」も合わせて観てきました。この展示は既に終了しておりますが、神奈川に巡回しておりますのでご紹介しておこうと思います。

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【展覧名】
 没後90年 萬鐵五郎展 YORUZU Tetsugoro 1885-1927
【公式サイト】
 https://www.city.hanamaki.iwate.jp/bunkasports/501/yorozutetsugoro/p007663.html

【会場】萬鉄五郎記念美術館
【最寄】土沢駅(岩手県花巻市)

【会期】2017年4月15日(土)~6月18日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
こちらは岩手県立美術館と共同開催となっていて、章立ても同じ構成となっていました。内容は油彩もありつつ、素描や日本画が多めとなっていて、特に南画風の日本画がメインと言えそうでした。萬鉄五郎はこの美術館の付近で生まれ育ち、一度帰郷して制作を手掛けたこともあり、この辺を描写した作品もあるので臨場感というか、ここで作品が生まれたのかという感慨深いものがあります。

まず、素描は割りとラフなものが多いですが、直接のインスピレーションを示すものとなっているので、独特の面白さがありました。若い頃の人体素描などは割りと硬めに思うのですが、晩年に向けて大胆で力強い線に変わっていっているのも油彩同様に思えます。そしてこの展示のメインは何と言っても日本画です。日本のフォーヴィスムを牽引した萬が日本画(水墨画)を描いていたというのもあまり知られていないと思いますが、元々は水彩などから始まり、晩年は南画研究を行っていたのでそれが如実にあらわれています。池大雅や与謝蕪村のような雰囲気もありながら、どこか禅画のような緩さもあって面白いです。また、確実に晩年の洋画での展開を伺わせるものとなっていて、大胆かつ強烈な線が駆け巡る様はまさに日本画版のフォーヴィスムといった感じでした。

この美術館には特別展の他に、萬鉄五郎の残した品々や簡単な変遷をたどるような展示が常設されているので、そちらも楽しむことができました。(ちなみにこの美術館は花巻にあるので、盛岡の岩手県立美術館とハシゴするのは車が無いとかなり厳しいところです。)

ということで、岩手県立美術館の展示と共に萬鉄五郎を詳しく知ることが出来る内容だったと思います。どちらかと言うと萬鉄五郎のことを元々知っている人向けの内容でしたがフォーヴやキュビスムといった洋画からの影響からだけでは語れない萬の魅力はここも源泉の1つのかな?と隠し味の正体を観たような展示でした。この記事を書いている時点で神奈川にも巡回しておりますので、萬鉄五郎が好きな方は是非どうぞ(神奈川の展示は岩手の2館分まとめるのかは不明です。) 

 巡回詳細:神奈川県立近代美術館(葉山館)
 2017年7月1日~2017年9月3日
 


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【番外編】岩手県立美術館の案内 (2017年6月)

前回ご紹介した萬鉄五郎の展示を観た後、常設も観てきました。ここは以前もご紹介しましたが、かなり内容が変わっていました。

参考記事:【番外編】岩手県立美術館の案内 (2010年8月)

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【公式サイト】
 http://www.ima.or.jp/exhibition/collection.html

【会場】
 岩手県立美術館

【最寄】
 盛岡駅

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
まずは岩手ゆかりの画家のコーナー。年4回の展示替えを行っているそうです。

佐藤醇吉 「猊鼻渓」
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この猊鼻渓は岩手の名所。土肌がリアルな質感で実際の岩のようです。

五味清吉 「ブリュッセル」
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大きく黒い木が画面を埋めているのが斬新で目を引きました。軽やかな筆使いも好み

澤田哲郎 「岩手公園の池」
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どことなくセザンヌ的なものを感じつつ濃淡と陰影が見事な色彩が好みでした。

これ以外にもたくさん素晴らしいコレクションがあったのですが、割りと最近の作品が多かったので写真掲載は控えておきます。
続いては萬鉄五郎の部屋。同時期に萬鉄五郎展に出品しているのに部屋を埋めるほどの作品があるのは流石。

萬鉄五郎 「静物(壺と瓶)」
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萬鉄五郎とは思えないくらい軽やかな色彩なのが面白い。影が少ない感じ。

萬鉄五郎 「静物」
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これは亡くなる1年前の作品。平面的で明るい色彩なので萬とは思えませんでした。

萬鉄五郎 「松と椿」
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あまり知られていませんが、萬は日本画も手がけていました。ちょっと南画風なところがあるかも。

続いて松本竣介・舟越保武の部屋

松本竣介 「郊外風景」
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青緑がかった画面が松本竣介らしさを感じる1枚。

松本竣介 「Y市の橋」
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これぞ名作! 幾何学的な面白さと落ち着いた色彩が好みです。

松本竣介 「議事堂のある風景」
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こちらも有名作。萬鉄五郎もそうですが、こうした落ち着いた色彩は岩手の画家独特のものかも。

舟越保武 「原の城」
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この人の代表作かな。島原の乱をテーマにした作品で、亡霊のように立ち尽くす姿が印象的。

舟越保武 「聖ヨアキム・サカキバラ、聖フランシスコ・デ・サン・ミゲル、聖フランシスコ・ブランコ、聖フェリッペ・デ・ヘスス」
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こちらは長崎で殉教した26聖人の像。一番左は侍の格好をしています。

舟越保武 「聖ベロニカ」
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ゴルゴタの丘に向かうキリストの額を拭った聖女ベロニカ。口を開けて何か話しかけてるような感じに見えるかな。慈悲の目をしています。

ということで、岩手県立美術館のコレクションを堪能してきました。ここは特に岩手ゆかりの画家・作家の作品が充実しているので、萬鉄五郎や松本竣介が好きな人にオススメです。




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【番外編】没後90年 萬鐵五郎展 【岩手県立美術館】

休暇を取っていたため少し間が空きました。6月の頭くらいに盛岡の岩手県立美術館で「没後90年 萬鐵五郎展」を観てきました。この展示は既に終わっていますが、入れ替わりで神奈川県立近代美術館(葉山館)で巡回展が始まりますのでご紹介しておこうと思います。

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【展覧名】
 没後90年 萬鐵五郎展

【公式サイト】
 http://www.ima.or.jp/exhibition/temporary/2017_01.html

【会場】岩手県立美術館
【最寄】盛岡駅

【会期】2017年4月15日(土)~6月18日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
この展示は萬鉄五郎の20年ぶりの大回顧展で、生家のある花巻の萬鉄五郎記念美術館との共同開催となっています。合わせて300点という質・量ともに萬鉄五郎の決定版と言える内容となっていました。
萬鉄五郎はアート好きにファンの多い画家であるものの一般的にはそれほど知られていないと思いますがこの展示では学生時代から晩年にかけて代表的な作品も含めて多彩な画風を楽しむことができました。年代ごとに章分けされていて、簡単にご紹介すると

<1885-1911年 出発>
水彩を学ぶ、白馬会に通う、渡米、東京美術学校で黒田清輝の影響を受ける、フォーヴィスムに傾倒する といった流れ。特に画風がよく変わっていて、初期の水彩は観ても萬の作品とは思えないかも。学生時代はデッサンなどもあります。

<1912-1913年 挑戦>
フュウザン会に参加。主に後期印象派・フォーヴィスムの影響が強く、代表作を多く排出した時期。かなり色彩が強くて筆使いも大胆。この展示でも特に見どころが多い章です。

<1914-1918年 沈潜>
郷里の土沢(今の花巻)に帰っていた頃。茶色が中心の静物や人体、風景など力強さと土の匂いまでしそうな作風の時期。こちらも萬の代表作が多いかな。

<1919-1927年 解放>
神経衰弱と肺結核で茅ヶ崎に療養移住してから亡くなるまで。色彩が多彩に戻り、南画やマティスに影響を受けた画風。素描がかなり大胆で躍動的。

といった感じでした。私は萬鉄五郎が非常に好きなので、これだけ網羅した内容にかなり満足して図録も買いました。
前述の通りこの展示は萬のゆかりの地である神奈川でも開催されますので、アートファンは是非どうぞ。

 巡回詳細:神奈川県立近代美術館(葉山館)
 2017年7月1日~2017年9月3日
 
おまけ;
中々クオリティの高い折り紙w
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【番外編】パティオ(岩手県立美術館内のお店)【盛岡界隈のお店】

6/4に岩手の盛岡まで行って、萬鉄五郎の展示を見てきたのですが、最初に併設のレストラン/カフェでお茶をしてきました。

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【店名】
 パティオ

【ジャンル】
 レストラン・カフェ

【公式サイト】
 https://www.melc-i.com/%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8%E3%83%91%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AA/
 食べログ:https://tabelog.com/iwate/A0301/A030101/3004223/ 
 ※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【最寄駅】
 盛岡駅(タクシーで10分程度)

【近くの美術館】
 岩手県立美術館の中のお店です。

【この日にかかった1人の費用】
 720円程度

【味】
 不味_1_2_3_④_5_美味

【接客・雰囲気】
 不快_1_2_3_④_5_快適

【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【総合満足度】
 地雷_1_2_3_④_5_名店

【感想】
空いていて落ち着いてお茶することができました。この美術館は何度も来ているのですが、意外にも今まで記事にしたことがなかったのでご紹介。中はこんな感じでスッキリして窓が大きく開放的です。
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ピアノがあるので、使うこともあるのかな? ちなみにこのお店は美術館内にありますが、展覧会のチケットを買わなくてもここには入れます。

こちらのお店はレストランメニューもあり、パスタやサンドイッチといった軽食だけでなく、ビーフシチューやランチセットなどしっかりしたランチも食べられるようで、毎回の企画展に合わせたメニューなんかもあるようです。しかし私は新幹線で駅弁を食べてきたので、軽くケーキセット(720円)だけ頼みました。

こちらがケーキセット。
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この日は白いチョコのモンブランとショコラズコットのどちらかが選べたので、モンブランにしました。飲み物はコーヒーと紅茶が選べました。
モンブランは濃厚なのに軽やかな栗の味がして美味しかったのですが、中にパリパリしているチョコが不意打ちの美味しさでそっちの方が印象に残っているかなw コーヒーは苦味はそれほど無く、軽い酸味とコクがあってケーキと合いました。飲みやすいコーヒーです。

ということで、慌ただしく訪れたのですがカフェで一息ついて落ち着くことができました。この後、勿論展覧会も見てきたので、次回ご紹介しようと思います。




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ピュアヴィレッジなぐらの郷 グランシャリオ 【東川口界隈のお店】

こちらのお店には5月末に行ってきました。久々に美食関連の記事ですが、今回の主役は寝台特急「北斗星」です。何と、北斗星の食堂車を引退後に移設してきたレストランです。

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【店名】
 ピュアヴィレッジなぐらの郷 グランシャリオ

【ジャンル】
 レストラン/カフェ

【詳細サイト】
 ホットペッパー:https://www.hotpepper.jp/strJ001147262/
 ※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【最寄駅】
 東川口駅(徒歩10分程度)

【近くの美術館】
 なし

【この日にかかった1人の費用】
 800円程度

【味】
 不味_1_2_3_④_5_美味

【接客・雰囲気】
 不快_1_2_3_4_⑤_快適

【混み具合・混雑状況(日曜8時頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【総合満足度】
 地雷_1_2_3_④_5_名店

【感想】
朝8時の開店ちょうどに合わせて行ったので、空いていて写真も取り放題でしたw 9時くらいになると家族連れとかも増えてきたので、やはり人気があるようです。

このお店は東川口駅から徒歩10分くらい(駅前から道を真っ直ぐ行ったところ)にあり、元々は「ピュアヴィレッジなぐらの郷」というレストランやパン屋さん等いくつかのお店が集まったところだったのですが、2016/5月に北斗星の食堂車「グランシャリオ」を移設してきて現在に至ります。この車両では「ピュアヴィレッジなぐらの郷」の各店舗のメニューを提供しているようで、時間帯によってメニューがだいぶ違います。私が行ったのはモーニングの時間帯でした。

こちらがメニュー。
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先に「乗車券(大人500円)」を買う必要があり、これは食事代とは別です。モーニングは乗車券付きモーニングセット800円となっていました。

モーニングはパン屋さんの時間帯なので、奥にあるパン屋さんでパンを買いました。モーニングにはスープと飲み物しか付かないので、ここで買わないと食べるものがありませんw モーニングはパン屋さんで乗車券も買います。
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朝ということもあって、焼き立てのパンもありました。

こちらが乗車券。
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割りとしっかりしている紙なので、記念としてとっておけそうです。

改めていざ車内へ!
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通路はこんな感じ。同じところを往復で撮っています。
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中間あたりに手を洗うところもありましたが、今も動くか試さなかったのがちょっと後悔w ここはこの光景よりも寝台列車の独特の匂いが残ってて懐かしかったw

そして車内。入口方向から奥に向かった光景
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こちらは奥から入口方向
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厨房の中も覗いてみました。
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今も使ってるっぽい

北斗星には乗ったことがあるけど、その時食堂車の予約は取れなかったのでこのテーブルと椅子がオリジナルなのか私には分からないですが、寝台車の雰囲気は凄く出ています。
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モーニングの飲み物はこの中から選びます。私はカモミールにしました。
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この急須もオリジナルなのかな?? 自分の知識ではどこまでオリジナルか分からないのが悔しいw
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良い香りで朝に相応しい清々しさでした。

こちらがモーニングセット。割りとシンプルですw 
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スープは見た目通りで普通な感じ

こちらはパン屋さんで買ってきたパン。詳しい金額は忘れましたが200~300円くらいだったかな。
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非常に美味しくて食べごたえもありました。連れの食べてたパンも美味しかったみたいなので、どれでも美味しいのかも。

パン屋さんではグランシャリオに見立てた箱に入った食パンも売っているようです。
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食べ終わってから、改めて外装を撮り鉄
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車体の番号のアップ。
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この車両は引退後に大宮のJRの車両工場から運ばれてきました。

私が行った頃にミニグランシャリオというお店の車もいましたw
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モーニングしている間にどっかに行ったので、配達でもしてるのかな??


ということで、グランシャリオを満喫してきました。この近所に住んでいる友達も全然気づいていなかったので、まだそれほど知名度は無いのかもしれませんが、鉄道ファンならずとも家族連れにも楽しめるお店だと思います。 時間帯によって全然メニューが違うし、貸し切りなんかもできるようです。できれば寝台特急らしくゆっくり夜にも来てみたいかなw 


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田園調布の写真

今日はちょっと変わった趣向で、街自体が1つの作品と言える田園調布に行ってきました。

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この日は生田緑地の帰りに変わり行く武蔵小杉の様子を見に行ってきたのですが、ついでに新丸子から橋を渡り田園調布まで散歩してきました。
田園調布は1918年に渋沢栄一によって作られた田園都市株式会社が計画した都市で、駅前広場を中心に放射状に道が伸びているのが有名です。これは当時のヨーロッパの特徴を取り入れたものだそうで、街路樹なども相まって高級感が当時から話題となり現在まで高級住宅地の代名詞存在となっています。
 参考記事:渋沢史料館 (王子 飛鳥山)

こちらが駅前広場(逆光で光が飛んでますがw)
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見事に円の中心になっています。

放射線状に伸びている道路は街路樹が植えられていて、周りはお屋敷ばかり。
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景観条例が厳しいらしくコンビニどころか自販機も無く、高級車はたくさんいるけど若者がいません。

放射線状の道に対して横切る道は弧を描いています。
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最初の写真を再掲。これが今回の目的の田園調布駅。聖徳記念絵画館の建設にも関わった矢部金太郎による設計です。
 参考記事:重要文化財指定へ わが国初期の美術館建設の軌跡 (聖徳記念絵画館)
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矢部金太郎は1924年に田園都市株式会社に籍をおいて田園調布の開発に参加したそうです。

こちらは駅側。ドイツ風の建物と言われています。
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やたら新しいのは鉄道の地下化に伴い、1990年に旧駅舎を解体し、現在の建物は2000年に復元された為です。
可愛らしい小さな駅舎ですが、現在の駅は地下にある現代的なものです。こちら側にはスーパーなんかもあります。(お店は駅前しか無いかも)

ということで、ちょっと住むのは大変かもしれないですが、瀟洒な雰囲気の街であることはよく分かりました。住民ではない私としてはこういう雰囲気の町並みが残ってくれると嬉しいけど、高齢化してそうなので今後はどうかな。



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「岡本太郎×建築」展 【川崎市岡本太郎美術館】

前回ご紹介した川崎市立日本民家園に行った際、隣接している川崎市岡本太郎美術館にも行ってきました。

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【展覧名】
 「岡本太郎×建築」展

【公式サイト】
 http://www.taromuseum.jp/exhibition/current.html

【会場】川崎市岡本太郎美術館
【最寄】向ヶ丘遊園駅

【会期】2017年4月22日(土)~7月2日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
この美術館は常設が先にあり、奥に企画展がある感じになっています。今回の企画展は岡本太郎の建築に関する仕事を紹介していました。基本的には下絵や写真、模型などが展示されていて以下のような構成です。

【坂倉準三/日本橋髙島屋地下通路壁画「創生」、岡本太郎邸】
ここには壁画の下絵などがありました。坂倉準三が手がけた地下道にあったタイル壁画だったのですが、現存していないようです。具象のような抽象のような作品です。また、表参道にある岡本太郎の家の写真などもありました。

【丹下健三/旧東京都庁舎 壁画「日の壁」、国立屋内総合競技場壁画】
ここは旧東京都庁舎 壁画「日の壁」の再現?などがありました。色はついてなかったのですが、太陽の塔の顔みたいなのを中心に有機体のようなものが取り囲んでいました。また、国立代々木競技場の工事の様子なども展示していて、岡本太郎はそこでも壁画を制作したそうです。

【アントニン・レーモンド/デッブス邸茶室 浴室設計、レーモンドの絵画・家具】
アントニン・レーモンドはフランク・ロイド・ライトに学び、帝国ホテル設計の際に助手として来日した建築家です。デッブス邸で岡本太郎がデザインした浴室でコラボしたようです。有機的な岡本太郎独特の造形のお風呂となっていました。

【いこい島、東京計画1960】
これは日本の建築運動「メタボリズム」の中で考案された東京湾を埋め立てて街を作る計画。岡本太郎が考える都市計画などがありました。公園とか美術館とか、公共施設が多いかも。
 参考記事:メタボリズムの未来都市展 (森美術館)

【磯崎新会場構成、1964年「岡本太郎」展再現展示】
ここはちょっと覚えてないw

【岡本太郎《明日の神話》「マミ会館」】
今回の展示で特に馴染み深いのはこちらのコーナーかな。渋谷駅構内にある「明日の神話」の下絵です。原爆をテーマにした強烈な色彩が印象的。元々はメキシコオリンピックに合わせて作られたホテルの壁画でしたが、その後メキシコの倉庫で眠っていたのを2004年から確認・修復を行い2006年に公開されました。

【日本万国博覧会/大屋根・太陽の塔・お祭り広場】
岡本太郎の建築として非常に有名なのはやはり大阪万博関連の作品で、太陽の塔と大屋根の模型などもありました。どこが調和やねん!と誰もがツッコミを入れたくなる突き抜けっぷりですが、岡本太郎は「進歩と調和」に対して、人間は進歩なんてしてないと言っていたようですw
 参考記事:生誕100年 岡本太郎展 (東京国立近代美術館)

ということで、意外と色々な所で建築に携わっていることが伺えました。ここは常設も充実しているので、両方合わせて岡本太郎とはどのような芸術家であったかがよく分かるのでオススメです。



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【川崎市立日本民家園】の写真 (2017年05月)

5/27に川崎市立日本民家園に行ってきました。

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【公式サイト】
 http://www.nihonminkaen.jp/

【会場】
 川崎市立日本民家園

【最寄】
 向ヶ丘遊園駅/登戸駅

【感想】
この施設は4年くらい前に行ったきりだったので久々でした。簡単に説明すると、ここは古民家を集めた建物園のようなもので1つの集落のように多くの民家が並んでいます。以前の記事で色々とご紹介したので、そちらも参考にして頂ければと思いますが、今回はなるべく以前の記事で紹介していない建物をご紹介しようと思います。

以前の記事
 【川崎市立日本民家園】の写真 (2013年10月)


園内はこんな感じ。宿場、信越の村、関東の村、神奈川の村、東北の村という区分けになっています。
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入ってすぐ右手にある建物がカフェになっていました。前回はこんなのあったかな??
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こちらは旧三澤家住宅。耐震工事をしているところでした。これは逆に貴重なものを観られた感じ。
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信越の村は合掌造りの建物が複数集まっています。
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こちらは富山の五箇山にあった旧野原家住宅。五箇山の他の地域と違って棟と平行方向に出入り口があるのが特徴なのだとか。
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幾何学的で機能的な美しさが好み

信州の村には休憩所 兼 お食事処があり、今回もお蕎麦を食べてきました。
 参考記事:そば処 白川郷  【日本民家園内のお店】
近くにあったお団子の屋台も美味しかったです。古民家お団子と蕎麦を食べるとタイムトラベルした感じw

これは関東の村の旧作田家住宅。イワシ漁で栄えた九十九里にあったそうで、格式高い民家のようです。(お風呂と便所も付いてる)
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旧作田家住宅の中。ここで作業や会合をしたそうで、かなりの広さでした。
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これは鹿児島の沖永良部島の高倉。急に南国の建物が来て違和感がw 屋根のように見える部分が倉になっていて、高床なので湿気対策になるようです。また、この木はイジュという毒のある木だそうで小動物の侵入を防いでいます。
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こちらは神奈川にあった旧北村家住宅。1687年に建てられたことがハッキリしているそうです。昔は板があまりなかったそうで、床が竹を敷き詰めたものになっていました。
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旧北村家住宅でボランティアの方に説明を聞いていたら、話している間に棕櫚をハサミで加工してバッタを作ってくれました。5分もかからず手際よく作ってこのクオリティ。凄すぎる!
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こちらは川崎にあった船頭小屋。何とお神輿のように棒をつけて運ぶことができるようです。
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ここから急な坂道を登って行くとこの民家園の目玉と言える船越の舞台などがあります(以前の記事参照)

こちらは岩手にあった旧工藤家住宅。曲がり屋と呼ばれる南部馬と共生する独特の作りです。
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馬は農作業の手伝いだけでなく、糞を肥やしにしたり重要な役割がありました。それ故、冬は水を温めて飲ませたりするなど大事にしてたようで、死んでしまった時はお墓に埋葬した上 藁の馬を作って煮豆を備えていたのだとか。
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ということで、今回も日本各地の民家を楽しんできました。写真だけではわかりづらいですが、ここは急坂が多いので軽い登山みたいな面もあるので晴れた日にはハイキングも兼ねて行くと一層楽しめると思います。


おまけ:
民家園の近くには狸注意の標識がありました
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川越の写真(2017年5月)

2回続けて川越の美術館の展示をご紹介したので、ついでに川越の町並みも写真で紹介しようと思います。
ブログをお休みする以前にも記事にしたことがあって、内容はかなり重複しています。
 以前の記事

以前の記事と比べると驚くほど似た場所で似た写真を撮ってきましたw 今回は寺社仏閣や本陣には全く寄らなかったので、量も少なめです。

こちらは地元の名産品などを売っているお土産屋さんみたいなところ。お弁当などもありました。
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こちらは大正浪漫夢通り。何度観ても風情のある看板が良い。特にフォントが良い
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大正浪漫夢通りの近くのお店。こんな感じの建物がこの辺には密集しています。昔、大火事を出したときの教訓で蔵造りみたいな建物になっています。
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川越商工会議所。昔は武州銀行川越支店でした。この写真とか以前の記事とかなり同じで自分でも驚きましたw
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左の建物はカフェ。右は何と歯医者さん。こんなオシャレな歯医者さんに通ってみたい。
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こちらは埼玉りそな銀行川越支店。帰り道に撮ったのでちょっと夕映えしていました。
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川越のシンボルである「時の鐘」
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この辺で平たくて薄いサツマイモのチップスを売るお店が出来たらしく、並んでいました。フォトジェニックでインスタやってる人に人気なのだとか。

時の鐘にほど近い モダン亭太陽軒。国登録有形文化財です。
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私が行ったのはお昼には遅い時間だったので閉まっていましたが、人気のレストランです。

相変わらず車通りが多いですが、観光のメインの通りはこんな感じで両側に古い家がズラッと並んでいます。
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この重厚感ある建物は西洋の伝統的な建築物にも負けない魅力です。
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こちらは菓子屋横丁 18時過ぎに行ったらみんな閉まってましたw
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最近火事が出たと聞きましたが、割りと以前と雰囲気は変わっていないように思いました。


ということで、今回も川越の街歩きを楽しんできました。以前に比べて外国人観光客がかなり増えていて驚きましたが、鎌倉などと比べても遜色ないくらい魅力的なところです(しかも交通の便が良い) ちょっと車通りが多いのが玉に瑕ですが、オススメの観光地です。今回は行きませんでしたが、寺社仏閣も多くて七福神めぐりなども出来るので、天気の良い日にウォーキングを兼ねて行くと良いかと思います。



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■2011/9/29
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■2009/10/28
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