関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年 【サントリー美術館】

前回ご紹介した展示を観る前に、同じ六本木ミッドタウンの中にあるサントリー美術館で「六本木開館10周年記念展 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」を観てきました。

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【展覧名】
 六本木開館10周年記念展
 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年

【公式サイト】
 https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2017_6/index.html

【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅

【会期】2017年11月22日(水)~2018年1月28日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
割と混んでいて所によっては人だかりができるような感じでした。少し待てば自分のペースで観られたので、それほど気にならない程度ではあります。

さて、この展示はフランスのパリ近郊にある「セーヴル陶磁都市」に関するもので、300年に渡る歴史を俯瞰できるような内容となっています。国立セーヴル陶磁美術館のコレクション展が日本で開催されるのは20年ぶりのことのことで、貴重で素晴らしい作品が多く並んでいました。4章構成となっていましたので、各章ごとに簡単に振り返ってみようと思います。


<第1章 18世紀のセーヴル>
まず最初はセーヴルの始まりの世紀についてのコーナーです。16~17世紀はヨーロッパに中国磁器がもたらされましたが、高価過ぎた為ヨーロッパ各国は自国内で作り出そうと試み始めました。そしてフランスでは1740年にパリ東端のヴァンセンヌに軟質磁器製作所が作られ、最初はザクセン公国のマイセンを手本としていたようです。しかし徐々にマイセン風を脱し、一流の宮廷芸術家が新しいフォルムや意匠を提案し独自の発展を遂げていきました。そして1756年になるとルイ15世の庇護を受け、パリ西端のセーヴルへと移転し王立磁器製作所へと成長しました。また、1773年になると耐久性が高く硬い硬質磁器の商業化に成功したそうで、そうした作品も展示されています。

ここにはまずヴァンセンヌ時代の作品が並んでいました。絵画的な絵付けがされている品や、鱗文様の中国趣味(シノワズリ)のカップなどもあります。また、有田焼のような品もあり、リスと垣根が描かれているのが日本風で面白かったです。
その先には王のブルーと言われたブルーセレスト(ターコイズブルー)の皿が並び、色の強さが目を引きました。この辺にはエカテリーナ二世の皿などもあり、フランス以外でも愛好されていた様子が伺えます。また、形も面白いものがあり、「煮込み肉用の容器と受け皿 小壺と花綱とデュバリー夫人のイニシャルのセルヴィス」では蓋が野菜の形になっていました。他にもジョウロや籠のような形の作品もあって驚きです。

その先には大理石のような質感の彫像もありました。これはパーツをくっつけて作ったもので、ビスキュイ(無釉白磁)と呼ばれる技法のようです。流石にパーツを繋げるだけでは細部は表現できないので手作業で仕上げるらしく、非常に手間がかかりそうですがその分生き生きとした姿になっている作品ばかりでした。

この章には模様に関しても色々あって、ロカイユやエトルリア風、アラベスク風など歴史的な雰囲気の品があります。この頃ちょうどポンペイが見つかったらしく古代ローマへの関心が高まっていたのも背景にあるようです。中には硬い石のような質感のだまし絵的な模様?の作品までありました。


<第2章 19世紀のセーヴル>
続いては19世紀のコーナーです。フランス革命後も国有の製作所であり続けたセーヴルですが、1800~1847年に所長を務めたアレクサンドル・ブロンニャールはセーヴルを更なる黄金期へと導いたようです。ブロンニャールは植物学、鳥類学、地形測量学などを取り込んだ新しいフォルムや装飾を生みだしただけでなく、画期的な製造技術を導入しステンドグラスや七宝など磁器以外にも挑戦しました。ブロンニャールから館長が変わった後もそうした新技術開発は続けられ、過去に考案されたフォルムや装飾を繰り返し組み合わせた装飾過剰なほどのスタイルに達したそうです。

ここには植物画で名を馳せたルドゥーテのグアッシュから着想を得た作品があり、リアルな植物の描写となっていました。
 参考記事:
  花の画家 ルドゥーテ『美花選』展 (Bunkamuraザ・ミュージアム)
  ルドゥーテの「バラ図譜」展 (上野の森美術館)

少し先には七宝の作品や、ナポレオンのエジプト遠征の際に作ったエジプト壁画の模様の皿(中央にその戦争の様子が描かれている)などもあります。また花や鳥といったモチーフ以外にも農園で働く人々や漁をする人など、割と同時代の出来事も題材として取り入れていたようです。いずれも緻密で博物学的な正確な描写になっているようでした。

その先には中世ゴシックを再発見したデザインや、違う様式を組み合わせた過剰なデザインもありました。中国風のモチーフに西洋のものを組み合わせるような感じです。まあ、ちょっと今の時代からみればごちゃまぜ感はあるかなw 確かに過剰でも気品はあるように思います。


<第3章 20世紀のセーヴル>
続いての20世紀のコーナーは撮影可能となっていました。20世紀に入り万国博覧会が行われ日本・中国・欧州の陶器が一同に会すると、お互いに刺激を受けてフランスではジャポニスムなどが盛り上がりました。1897年に芸術部長だったアレクサンドル・サンディエはアール・ヌーヴォー様式を取り入れパリ万博で成功を収め、その後 1904年には日本の彫刻家 沼田一雅を協力芸術家として初めて外国人に門戸を開くなど積極的に新しい取り組みを行っていたようです。さらに1920年に所長になったジョルジュ・ルシュヴァリエ=シュヴィニャールは著名な芸術家、建築家、室内装飾家に協力を求めアール・デコ様式の製品を発表し、大きな成功を収めたそうで、その後日本の朝香宮邸(現在の東京都庭園美術館)の仕事などを受注していきました。

ここにはそうしたアール・ヌーヴォーやアール・デコなどの様式の作品が並んでいました。

こちらは展示風景。
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階段を降りた辺りから撮影可能となっています。

アガトン・レオナール「ダンサー」
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15対のうちの2体で、これがビスキュイ(無釉白磁)の彫像です。1900年頃につくられたもので、非常に動きがあります。これは当時流行っていたロイ・フラーの踊りから着想を得て、ギリシア彫刻風に作っているようです。

この部屋の奥でロイ・フラーの踊りのフィルムも流しています。
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この踊りはロートレックの作品などにも描かれているので、この映像を観ておくと後々参考になると思います。

壺「ル・ブルジェB」
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アール・ヌーヴォーの作品。模様だけでなく形もかなり和風のように見えます。

壺「秋」
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紫陽花って秋なんだろうか?と思いますが、かなり日本からの影響が感じられる作品。

沼田一雅「七面鳥」「お菊さん」
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こちらが初の外国人作家となった沼田一雅の作品。大理石のようにすら見えます。ちなみに「お菊さん」は当時フランスでヒットしたちょっと誇張された日本観を書いた小説のタイトルでもあります。先日のゴッホ展ではゴッホがこの本から影響を受けたとも紹介されていました。
 参考記事:ゴッホ展 巡りゆく日本の夢 (東京都美術館)

「ラパンの壺No.12」
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朝香宮邸に携わったアンリ・ラパンが器の形を手がけた作品。シンプルながらも優美な雰囲気が漂います。

「煙草入れ」
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これは1925年のアール・デコ博のモニュメントを縮小して煙草入れにしたもの。アール・デコらしい美しさがあります。

「ダンサーNo.1」
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オートクチュールが流行った頃の作品。服もアール・デコ風で非常に華美な印象を受ける逸品。

「ラパンのブランケット灯 No.6」
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このシンプルでありながら豪華な印象を受けるのが最高に素晴らしい!

他にも素晴らしい作品ばかりで、この章はかなりの満足度でした。

<第4章 現代のセーヴル 1960-2016>
最後はつい昨年までに作られた品々のコーナーで、ここは1点だけ撮影可能でした。やはり現代でも有名作家に協力を求めるスタイルが続いているようで、様々なアーティストによる作品が並んでいました。

草間彌生「ゴールデン・スピリット」
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ビスキュイに鍍金した作品。キュクロプスを思わせる一つ目ですが、どこか可愛さがあるようなw 目が日の丸のようにも観えましたw

この章にはピエール・スラージュによる「スラージュの壺」という非常に美しい作品もありました。モダンなシンプルさがあり、好みです。また、エットレ・ソットサスの円筒と球を組み合わせた白と金の色合いの作品も先進的で建築のような造形が面白かったです。他にはダダの創始者の1人であるアルプが考案した「アルプの壺」も優美で見どころと言えそうです。
 参考記事:倉俣史朗とエットレ・ソットサス (21_21 DESIGN SIGHT)


ということで、まだまだ進化し続けているセーヴルを詳しく知ることができました。一番美味しいところを撮影できたのも満足です。磁器や陶器に興味がある方にお勧めの展示です。



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ハブとマングース 【東京ミッドタウン・デザインハブ】

先週の土曜日に六本木の東京ミッドタウン・デザインハブで、「ハブとマングース」という展示を観てきました。この展示は撮影することができましたので、写真を使ってご紹介しようと思います。

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【展覧名】
 東京ミッドタウン・デザインハブ 第70回企画展
 「ハブとマングース」

【公式サイト】
 http://designhub.jp/exhibitions/3382/

【会場】東京ミッドタウン・デザインハブ
【最寄】六本木駅

【会期】2017年11月27日(月)~12月24日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_②_3_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、今回の展示はこのデザインハブから着想を得た「ハブとマングース」というちょっとダジャレみたいなタイトルとなっていますが、武蔵野美術大学の「TYMOTE(ティモテ)」というクリエイティブチームによる作品が並んでいます。このTYMOTEはグラフィックデザインを中心に映像・CG・音楽・インターフェースデザイン・Webなどメンバーがいるようで、今回もそうした様々なメディアを組み合わせたな作品となっていました。その意図などは解説も含めて難解で、私は理解できていないのですが写真を撮ることが出来たので、それを使ってご紹介しようと思います。

<chapter1 departure -旅立ち->
こちらは最初にあった船を思わせる作品。
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白黒でちょっと海賊船みたいな感じでしょうか。

<chapter2 solitude -孤独->
展示室に入るとこんな感じの光景です。
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うねっているのは蛇っぽい感じを受けるかな。有機的なデザインでマティスやミロなんかを想起しました。

<chapter3 Encouunter -出会い->
この辺には映像作品もありました。
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ちょっとよく分かりませんが、章立ての名前を観ると物語になっているようです。

<chapter4 Puzzled -困惑->
これも観ただけではよく分からないですが、ハブとマングースが出会ってお互いに困惑しているというストーリーがあるようです。
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単純に、デザインとして商業広告などでこれが使われていたらカッコイイと思います。

<chapter5 Rebirth -新生->
ちょっと怖いですが、先程とはまた違った雰囲気の作品
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生まれ変わりを表しているようです。

こちらは展示風景。
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現代アートの展示らしい雰囲気かな。

<chapter6 Parting -別れ->
最後は映像がありました。
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この映像も意味はよく分かりませんが面白いデザインが動くので、しばらく観ていました。


ということで、作品の意味がよく分からないので難解な印象が強かったですが、近未来的な映像と写真を観ることができました。もうすぐ会期末ですが、無料で観られるのでミッドタウンに行く予定がある方はこちらを覗いてみるのも良いかと思います。



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バーニー・フュークス展 20世紀アメリカが生んだ伝説のイラストレーター 【代官山ヒルサイドフォーラム】

日付が変わりましたが、今日の夕方に代官山の代官山ヒルサイドフォーラムで「アメリカの感性  バーニー・フュークス 展 20世紀アメリカが生んだ伝説のイラストレーター」を観てきました。まだご紹介していない展示のストックが沢山ありますが、この展示は会期が非常に短いので先にご紹介しておこうと思います。

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【展覧名】
 アメリカの感性  バーニー・フュークス 展 20世紀アメリカが生んだ伝説のイラストレーター

【公式サイト】
 http://www.art-obsession.co.jp/c-current/2051

【会場】代官山ヒルサイドフォーラム
【最寄】代官山駅

【会期】2017年12月10日(日)~12月20日(水)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間40分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
結構お客さんはいましたが快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は先日「美の巨人」で原辰徳 氏が所蔵するバーニー・フュークスの「スプリングトレーニングマウンテンズ」が紹介されたのに合わせて開催された展示で、私もそれを観て気に入ったので観に行ってきました。
 参考リンク:美の巨人バックナンバー

展示は原画と共に一部はジクレ(高画質印刷)となっていますが、ジクレでも構図が面白いので楽しめます。まず、バーニー・フュークスについてですが、元々は広告などイラストレーションで成功した人物で29歳の若さでアーティストオブザイヤーとなりホワイトハウスの依頼でケネディを描き、一躍有名画家となりました。(ちょうどキューバ危機の頃に描いた) そして29歳の時に「スポーツ・イラストレイテッド」で絵を描くようになり、スポーツ選手を数多く描いていくことになります。現場に赴いて写真を撮り、それを使って描く手法をとっていたようですが、アメフト等では近づき過ぎて殺されるぞと怒られたこともあったそうですw

展示の最初にはゴルフ、野球、アメフト、テニス、オリンピックのマラソンなど沢山のスポーツの絵が並んでいます。野球の絵なんかは1981年にトゥーソンで描かれた阪神タイガースのトレーニング風景なんかもありますw しかし選手達はあまり目立たず、選手の後ろ姿や観客席が描かれていて、むしろ観客席のほうが占有面積大きい作品ばかりですw ゴルフプレーヤーの絵はちゃんとプレーヤーが主役になっているのもあるのですが、やはり誰もいない夕暮れのグリーンなど、ゴルフそのものよりも余韻のようなものを描いた作品があるように思います。 また、フュークスの作品の特徴としては赤や黄などが色の基盤となっていて全体的に夕暮れのように見える作品が多いように思います。そして何と言っても構図が独特で、その場に訪れた時に広がっている光景を描いたような構図です。美の巨人でも選手ではなく詩的な情景を描いていると言っていましたが、まさにそういった感じかな。消し取り技法という下絵の絵の具を拭き取って明暗をつける技法を使っているようで、それが叙情的な光景を強めているようです。

少し先の中二階は絵本の挿し絵コーナーで、フュークスは9冊の絵本を作っていたようです。絵本と言っても子供向けという感じはそれほどなく、西部劇のような作品やアメリカの人々の生活が感じられる作品などが並びます。この辺はイマジネーションなのか何かを参考にしているのか分かりませんが、どこか郷愁を誘う雰囲気がありました。

その先には肖像画のコーナーがあり、今回のポスターにもなっているケネディとエリザベス女王の絵もありました。特にケネディは苦悩の表情を浮かべ深い精神性を感じさせます。このケネディは特に見どころと言えそうです。

その先の二階では風景画が2点あり、コロラドの秋の紅葉とアリゾナの炭鉱の町の冬景色が描かれていました。両方とも叙情的で、特に冬景色は所々の灯りが郷愁を誘います。これも中々の傑作でした。

そしてその後には1950~60年代の広告が並びます。しかしそこでも既にスポーツの絵と同様にその場の雰囲気を捉えた絵が多く、劇場の絵ではショータイムを待つ観客が主役で男女の微妙な関係まで想像させましたw パーティーのレセプションの絵でも一人別のことを考えていそうな女性が描かれていて、奥にある物語を考えさせます。これが広告だったの?と、ちょっと違う意味でも驚きですがw

ぐるっと周って再び1階に戻ってくると今まで観てきた作品のジクレ版画が並んでいて、20~30万円程度で販売されていました。結構、買われていて流石は代官山!

1階の入口付近にはもう1部屋あり、イタリアの情景を描いた作品が並んでいます。1962年に初めてイタリアを訪れたフュークスですが、その景色に感銘を受けたようです。さらに娘がイタリア人と結婚すると毎年のように訪れて絵を描いていたのだとか。 展示されていたのはヴェネツィアやローマの街角を描いたものが中心で、誰もいない光景が多いかな。2匹の猫が門の前で寝ている光景など、旅の思い出を観ているような懐かしさを感じさせます。また、構図もやはり面白くてコロッセオの内部を描いた作品では大胆なトリミングをしたような構図となっていました。 


ということで、あまり日本で観る機会の無い画家の作品を観ることができました。色使いや構図など斬新さがありつつ、ホッパー等のアメリカ画家に共通する感性もあったように思います。原画ではない作品もありましたが、素晴らしい画家に出会えて嬉しい限りです。今回のこの展示のきっかけになった今年発刊の画集も売っていましたが7000円くらいして手が出ないので、絵葉書12枚入り1200円を買いましたw

なお、この展示は期間が短いのが難点ですがこの会場の後は巡回展をするようで、次は渋谷のbunkamuraのギャラリーでの開催となっています。
 会場:渋谷Bunkamura Gallery
 期間:2017年12月27日(水)~2018年1月8日(月) 
 公式サイト:http://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/171227bernie.html

他にも各地に巡回するようですので、気になる方は主催者の公式サイトをチェックしてみてください


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デンマーク・デザイン 【東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館】

2週間程前の土曜日に、新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で「日本・デンマーク国交樹立150周年記念 デンマーク・デザイン」を観てきました。

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【展覧名】
 日本・デンマーク国交樹立150周年記念
 デンマーク・デザイン

【公式サイト】
 http://www.sjnk-museum.org/program/current/5062.html

【会場】東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
【最寄】新宿駅

【会期】2017年11月23日(木・祝)~12月27日(水)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
結構混んでいましたが、特に気になることなく自分のペースで鑑賞することができました。

さて、この展示は日本とデンマークの国交樹立150周年記念としてデンマークの家具や日用品などを紹介する内容で、実に様々な品が並んでいます。この展示は今年のゴールデンウィークに横須賀美術館でも観ていたのですが、巡回で新宿にも来たので再度観に行ってきました。内容はほぼ同じでしたが、今回は章立てに従ってご紹介しようと思います。
 参考記事:デンマーク・デザイン (横須賀美術館)


<第1章 国際的評価を得た最初のデンマーク・デザイン>
まず最初は主にロイヤルコペンハーゲンの陶器が並ぶコーナーです。デンマークのデザインで20世紀以前に有名だったのはロイヤルコペンハーゲンだったようで、ここには青花のような白地に青の食器セットなどが展示されていました。草花文の優美なデザインが多く、統一感もあります。一方、20世紀に入ると薄っすらと色がついた可愛らしい鳥の絵柄や風景を描いた絵皿、アール・ヌーヴォー風の花瓶など時代と共に進化している感じも受けました


<第2章 古典主義から機能主義へ>
続いては1900年頃のコーナーです。この頃、ヨハン・ローゼは日本の工芸品を参考にシンプルな家具を設計し始め、後のデンマークデザインのあり方を示しました。また、その弟子のコーオ・クリントは古典主義時代から着想を得て、調和の撮れた機能的な家具を示したそうで、ここにはそうした作品が並びます。

コーオ・クリントの作品は肘掛け椅子やペンダントランプなどが並んでいましたが、幾何学性のあるスッキリしたデザインが特徴かな。王立美術アカデミーの家具専攻科を創立した人物でもあるそうで、デンマークデザインの基本的な方向性が見て取れます。一方のヨハン・ローゼはピッチャーが1点だけだったので、これだけでは方向性はよく分からなかったw
他にここにはアーネ・ヤコプソンという作家によるテキスタイルが壁を飾っていて目を引きました。カラフルで爽やかな印象を受けるテキスタイルで、これは生活の気分も明るくなりそうで欲しかったw


<第3章 オーガニック・モダニズム ―デンマーク・デザインの国際化>
続いての3章は最も作品数が多く全体の半分くらいを占めていました。いわゆる1950年代のミッドセンチュリーの有機的なデザインの品が並び、デンマークデザインの黄金期とも言えるコーナーです。特にアメリカでは熱狂的に受け入れられたそうです。

まずはハンス・ヴィーイナ(ウェグナー)の椅子がいくつか並んでいました。木を使った素朴な質感がある一方で幾何学的な編み込みをした椅子で、デザイン的にも生活に馴染みそうな雰囲気があります。 そしてその先にはアーネ・ヤコプソンによる曲げ木の合板を使った柔らかいフォルムの椅子や机が並びます。この辺は技術の革新を応用したもので、優美なデザインもさることながら大量生産できるのも強みと言えそうです。アーネ・ヤコプソンはSASロイヤルホテル向けの家具もあり、包み込むような椅子「スワンチェア」や「エッグチェア」などが特に気に入りました。

少し先にはフィン・ユールとい作家の「チーフテンチェア」という大きなオレンジの椅子がありました。これも曲線が滑らかなデザインで、柔らかく軽やかな雰囲気がありました。デンマークデザインはこうした明るい色使いや柔らかさを感じるのが特に好きです。

その先にはポウル・ヘニングスンによる松ぼっくりみたいな形をしたランプ「PHアーティチョーク」もありました(ってかアーティチョークだったんですねw) これも面白くて目を引きますが、それ以外にも同心円状のシンプルなデザインのランプなどもあり、センスが光る作品ばかりでした。

この章には部屋を再現したような展示方法の場所があり、庭の写真や壁に掛かった絵画などもありました。その先にはヴェルナー・パントンの作品を集めた一角があり、パントンチェアを始め半球を組み合わせた間接照明のようなもの、赤い壁面の装飾などSFの未来世界のような光景が広がっています。
 参考記事:ヴェルナー・パントン展 (東京オペラシティアートギャラリー)

他にはラジオやレコードなどの工業製品もあります。当時その分野を得意としていた日本人技術者たちが驚いて見入っている構図の広告などもあって面白いです。 また、イェンス・クヴィストゴーの作品を集めたコーナーも部屋のようになっていて、洗練されたシンプルさをもつ赤や黄色のキッチン用品が並んでいました。本当にこの章は満足度が高く驚きも多いと思います。


<第4章 ポストモダニズムと現代のデンマーク・デザイン>
続いては1970年以降のコーナーです。この頃になると世界からのデンマークへの関心は薄れたようですが、日用品の優れたデザインが生まれたそうです。この時代は合理性から脱却するポストモダンの趨勢があったようですが、デンマークはその流れには加わらなかったらしく、ここでもシンプルで使いやすい名品とされる品々が並んでいました。

ここで気に入ったのはウアスラ・モンク=ピーダスンの食器セットで、黄色・緑・赤といった鮮やかな色が使われています。くちばしみたいな形の注ぎ口があったりして、可愛らしい雰囲気もありました。
他には自転車やポスター、レゴなども並んでいました。


<撮影可能コーナー>
最後に、実際に椅子に座ったり写真を撮ったりできるコーナーもあります。

こちらはウェグナーの「サークルチェア」
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見た目通り作るのは大変みたいですが、この優雅さと座り心地は特筆すべき傑作だと思います。ちょっと座っただけで寝そうなくらい快適w

こちらはウェグナーの「パパベアチェア」
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この変わった作りは人間工学に基いて作られていて、職人たちの手仕事でも1週間はかかるそうです。中々座り心地も良かったです。

こちらはウェグナーのヴァレットチェア。
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デンマーク国王の為に作った椅子で、三本足となっています。変わった形の背もたれの部分はジャケット用のハンガーになるなど機能面でも優れた椅子です。座り心地は割と普通w

こちらはクヴァドラ社(ロナン&エルワン・ブルレック)による「クラウズ」という壁紙
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雲というより岩みたいに見えますが洒落ています。割と形も融通が効きそう。

こちらはウェグナーの「ラウンドチェア/ザ・チェア」
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これはデンマークデザインの中でも特に有名で、ウェグナーの最高傑作とまで言われる逸品。何度か座った覚えがあります。ケネディとニクソンのテレビ討論で使われて有名になったのだとか。

こちらはウェグナーの「ミニマルチェア」
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名前の通り最小限といった感じのシンプルさで、ダイニングルームに合うように作られたそうです。


ということで、非常に洗練されたデザインの数々を観ることができました。特に最後のコーナーでウェグナーの椅子を一気に体験できるのが良かったです。ここまで良いデザインが多いとそれぞれの作家の個展を観たいところですが、今回はデンマークデザインの流れも分かり楽しめました。椅子や日用品のデザインが好きな人にお勧めの展示です。


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ブルガリ セルペンティフォーム アート ジュエリー デザイン 【六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー】

前回と前々回にご紹介した森美術館の展示を観た後、同じチケットで六本木ヒルズ展望台 東京シティビューで「ブルガリ セルペンティフォーム アート ジュエリー デザイン」を観てきました。この展示も撮影することが可能でしたので、写真を使ってご紹介しようと思います。

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【展覧名】
 ブルガリ セルペンティフォーム アート ジュエリー デザイン

【公式サイト】
 https://www.serpentiform.bulgari.com/ja
 https://tcv.roppongihills.com/jp/exhibitions/442/index.html

【会場】六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
【最寄】六本木駅

【会期】2017/11/25(土)~ 12/25(月)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
金曜日の21時頃だったこともあり、空いていて快適に観ることができました。

さて、この展示は宝飾ブランドで有名なブルガリによるもので、ブルガリのシンボルとも言える蛇を題材にした作品を集めたものとなっています。昔から蛇は神だったり悪魔だったり特別な存在として様々なアートにも登場してきますが、この展示では20世紀半ばくらいから現在までの現代アートと蛇の関わりについての内容となっていました。冒頭に書いたように撮影可能となっていましたので、詳しくは写真を使ってご紹介しようと思います。

こちらは会場入口あたりにあった蛇の鱗のようなツリー。
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背景にうっすらと東京タワーも立ってます。ここは夜景が非常に綺麗なところですので、夜景目当ても良いかも


<THE SNAKE IN PHOTOGRAPHY>
まずは写真家の撮った蛇のコーナー。

操上和美 「欲望のダイヤモンド」
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蛇とダイヤモンドが混じって並んでいる写真。蛇のグロテスクさもありつつ透明なダイヤモンドの美しさがあって美醜の一体化が面白い。

これは誰の作品か失念。
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様々な蛇の写真。 私はあまり蛇は好きではないですが、この写真なら美しさが分かるかな。ちょっと紐みたいなw


<THE VIBRANT MANGA OF HIROHIKO ARAKI>
続いてはジョジョの奇妙な冒険で有名な荒木飛呂彦 氏による作品のコーナー。グッチだけでなくブルガリともコラボしてたんですね。
 参考記事:
  岸辺露伴 新宿へ行く 展 (グッチ新宿)
  Japan Original Beauty (『ジョジョの奇妙な冒険』とのコラボレーション)(資生堂銀座ビル 花椿ホール)
  ジョジョの奇妙な冒険25周年記念「荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展」 (森アーツセンターギャラリー)
  【番外編】荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展 in S市杜王町 (せんだいメディアテーク)
  
荒木飛呂彦 「康穂と由花子」
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ジョジョの康穂と由花子。この展示の為に描き下ろしたのだとか。背景に蛇が模様のようにうねっています。またちょっと画風が変わったかも。

こちらは吉良吉影のスタンド キラークイーンをテーマにした荒木飛呂彦デザインのバッグ
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キラークイーンは蛇というよりは猫みたいだけど、単純にファンとしては気になる逸品。


<LEGENDS REVIED>
ここは蛇にまつわる神話や伝説をモチーフにした作品のコーナー。

ジム・スター「Medusa」
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頭が蛇の魔女メデューサを描いたもの。ちょっとモデルみたいな佇まいなのが面白い。


<A SYMBOL OF POSITIVE ENERGY>
ここは蛇を活力と威力という肯定的な特性を強調した作品が並ぶコーナー。

ジョアン・ミロ 「La Serpentine」
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なんとジョアン・ミロまでありました。これくらい抽象化されてると不気味さは無くにょろにょろしてて可愛いかもw ミロらしい単純化で好みの作品でした。

<A METAPHOR FOR RENEWAL>
ここは伝統と従来の日本文化の概念に挑戦する日本人アーティストの作品が並ぶコーナー。

小谷元彦「SP2 "New Born"(Mouse A)」
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蛇のような骨のような作品。機械の部品のようでもあって特に上部が気になりました。タイトルはBoneとBornを掛けてるのかな。
 参考記事:小谷元彦展:幽体の知覚 (森美術館)

こちらも小谷元彦 氏の作品。
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ドラゴンのように絡み合っている様子が面白い。

ちょっとこの先は章立てがよくわからなかったので、まとめてご紹介していきます。

アレクサンダー・カルダー「Mois du Coeur」
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単純な色と形で表現されたデザイン的な作品。色の取り合わせが鮮やかで目を引きました。

こちらはニキ・ド・サンファルのコーナー。
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沢山のカラフルな蛇たちが楽しげな感じw ニキ・ド・サンファルは特に充実していて、この辺を観ただけでも満足できました。

キース・ヘリング 「無題」
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キース・ヘリングまでありました。確かに蛇が書いてある!w

キース・ヘリング 「無題」
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こちらはかなり大きめの壁画。宇宙人みたいな口から出た蛇が人間を飲み込んでいるように見えます。後ろにきのこ雲みたいなのもあるし、ちょっと不穏な感じがするかな。

ジェフ・ジマーマン 「Serpentine Candle holders」
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手吹きガラスによる蛇っぽいキャンドルホルダー。これはスタイリッシュでカッコイイ!


<ブルガリ 「セルペンティ」>
最後はブルガリのジュエリーが並ぶコーナーでした。ブルガリと言えば蛇ですね。

「セルペンティ」ミノディエール(クラッチ) 2013年
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白蛇の頭と鱗っぽい模様の胴体部が幾何学的で、洗練されたデザインとなっています。

蛇を模したジュエリー
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こうしたデザインは古代からありますが、ここまで色と形が美しいのはブルガリならではかな。

「セルペンティ フォーエバー」バッグ
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こちらは蛇の頭が留め金になっているバッグ。こちらもハイセンス。


ということで、蛇だらけの展示でしたが蛇が苦手な私でも楽しむことができました。こちらはもうすぐ終わってしまいますが、レアンドロ・エルリッヒ展とセットで見ることができるのもお得です。 夜景も綺麗なので、夜に行ったら一石三鳥でした。



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レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル 【森美術館】

今回は写真多めです。2週間ほど前の金曜日の会社帰りに森美術館で「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介しようと思います。なお、この展示はトリックアート的な側面があり一種のネタバレ要素がありますので、事前知識無しで観たいという方は観た後にでも読んでください。(この記事でガッツリとネタバレしています)

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【展覧名】
 レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル

【公式サイト】
 https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/LeandroErlich2017/index.html

【会場】森美術館
【最寄】六本木駅

【会期】2017/11/18(土)~ 2018/04/01(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】
金曜の夜8時過ぎくらいに行ったのでそれほどお客さんもいなくて快適に鑑賞することができました。

さて、今回の展示はアルゼンチン出身の現代アーティスト レアンドロ・エルリッヒ氏の個展です。その名前を聞いただけでは誰だろう?という人でも、美術好きの方なら金沢21世紀美術館の「スイミング・プール」の作者と言えばピンと来るのではないでしょうか。今回はそんな人気アーティストがこの展示の為に作った作品も含め、大型の体験型インスタレーションが多数並ぶ内容となっていました。詳しくは写真を使ってご紹介していこうと思います。
 参考記事:【番外編】金沢21世紀美術館の常設 (2012年02月)

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「反射する港」
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まず最初にあったのがこちら。こんな所に池を作ったのか!?と驚きましたが、実はここには水なんてありません。よ~く観ると、水面に反射しているようにみえるところも布のようなもので出来ていました。部屋を暗くしているのもそれに気づかせない為かも。気づいた所で水面にしか観えないレベルのリアルさでした。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「雲」
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こちらは幾層ものガラスを重ねてセラミックインクで雲のように見えるようにした作品。日本の形をしています。これは数十万年単位では雲のように変化する地形に勝手に線を引いているのが国家であるという意味が込められているのだとか

こちらも「雲」の1つ。フランスの形をしているものを横から観たもの。
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これが重なって、正面から観るとさっきの日本のように地図に見えます。他にはドイツなども展示されていました。

この先には電車の連結部のドアを模した作品や、ドアの覗き穴を使った作品、廃校になった教室を模した作品がありました。教室は反射を計算して自分が幽霊になったような写真を撮ることもできます。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「エレベーター」
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唐突に現れたエレベーター。黒い部分から中を覗くことができ、中の様子が右の写真です。…無限に続いているようで怖いw ヨコハマトリエンナーレでも別の作家の似たような作品がありましたがこの手の作品は好みです。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「試着室」
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こちらは試着室をモチーフにした作品。入口から中に入ることができます。

こちらは試着室の内部。
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ミラーハウスのようになっていますw レアンドロ・エルリッヒはこうした鏡を使った作品が得意なようで、これも鏡なのか奥に観えている空間なのか中々判別しづらかったです。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「失われた庭」
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こちらも鏡を使った作品。右の窓を覗くと左側に姿が映り、左の窓を覗くと右側に姿が映ります。単純なようで実際にここに部屋があるような現実感がありました。

こちらはタイトルを失念。
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自分が窓辺に立って向かいのマンションを観ているような感覚になる作品。これもまるで建物がそこにあるかのような錯覚を覚えます。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「夜間の黒い飛行」
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これは飛行機から夜景を撮ってきたみたいな光景になっていますが、窓型のモニタに映った映像ですw 他にも電車の車窓のような作品もあって、そちらも面白い作品でした。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「黄金の額」
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これはリアルで観ると手前のランプは本物で額の中は写真であることが分かるのですが、写真で撮ると現実との境目がかなり曖昧になるかも。若干奥のほうがカーブして見えるのがちょっと怖いw

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「美容院」
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会場内にできた美容院。この鏡台の前に立つと、何故か自分の姿が映らないことに驚きます。 しかし実はこの窓の部分は単なる穴で、奥にまったく同じような部屋が用意されています。 さっきミラーハウスを観たばかりなのに、気づくのに少し時間がかかりましたw

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「建物」
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これは今回のポスターにもなっている作品。地面に建物があり、そこで横になった人が鏡で映されると忍者のように建物の上で飛んだりしているように見えます。これは特に人気の作品で、みんなあり得ないポーズで建物にしがみついたりしている写真を撮っていました。非常に楽しい写真が撮れます。

こちらは「建物」の模型。これを観ると仕組みがよく分かるかも。右側は斜面の裏側部分です。
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流石にこういう模型をちゃんと作ってから実物を作るんですねw

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「階段」
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こちらは模型と写真で紹介されていた作品。階段を90度倒したような作品で、右の写真は上から覗き込んでるように見えますが、そうではなく横から撮っています。何が上で横なのかよく分からなくなる感覚が面白い。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「ファーニチャー・リフト」
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建物のいち部分だけ取り残されたような作品で、フランスのナントで実際に作られた時の写真と模型がありました。現実なのにシュルレアリスムみたいな光景です。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「スイミング・プール」
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金沢21世紀美術館のスイミングプールの模型もありました。まるで人がプールに入って立っているように見えます。

これはスイミングプールの写真。
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実際には水面の部分だけが水で、水面下は空間となっています。この発想の面白さが多くの美術ファンを金沢21世紀美術館へと誘いますw


ということで、トリックアート的な要素もありつつ、体験型の作品もあって非常に楽しめる内容でした。これだけ楽しい現代アートは滅多にないし面白い写真も沢山撮れるので、気になる方はカメラを持って是非どうぞ。今期お勧めの展示です。




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MAMプロジェクト024:デイン・ミッチェル 【森美術館】

今日は飲み会で遅くなったのでちょっと小さめの展示についてです。2週間ほど前に森美術館でレアンドロ・エルリッヒの展示を観たのですが、その際に「MAMプロジェクト024:デイン・ミッチェル」という小展示も合わせて観てきました。(レアンドロ・エルリッヒ展は次回ご紹介の予定です。) この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介しようと思います。

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【展覧名】
 MAMプロジェクト024:デイン・ミッチェル 

【公式サイト】
 https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamproject024/index.html

【会場】森美術館
【最寄】六本木駅

【会期】2017/11/18(土)~ 2018/04/01(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_②_3_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
金曜日の夜ということもあって空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、今回の展示は森美術館で毎回恒例のMAMプロジェクトで、デイン・ミッチェルという作家を紹介していました。小さめの部屋1室で点数も4~5点程度なので10分ちょっとで観られると思いますが、小展示ながらも中々インパクトのある展示です。というのも、部屋に入る前から香水のような良い香りが立ち込めていて、部屋に入るとその香りに包まれるような感じです。これは「アイリス」をテーマにした作品となっているようで、様々な「アイリス」を言葉や見た目で繋げているようでした。詳しくは写真を使ってご紹介していこうと思います。


作家名/作品名:デイン・ミッチェル《アイリス、アイリス、アイリス》 「アイリスの香水」
この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。
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こちらはアイリスの香水。アイリス日本でいうところの花菖蒲やあやめ、燕子花と同じアヤメ科の植物で、目立った香りではないとのことですがここでは爽やかでやや甘めの香りが漂っていました。

作家名/作品名:デイン・ミッチェル《アイリス、アイリス、アイリス》 「アイリスのお香」
この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。
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こちらは部屋の壁に立てかけてあった大きめのお香。京都の松栄堂の協力で作られたお香だそうで、多分部屋で漂っていた中でもこのお香の香りが強めだったのではないかと思います。この展示だけで500本、80キロ分もあるらしく、実際に炊くと5年分に相当するそうです。この5年というのはアイリスの生命の周期と言えるのだとか。

作家名/作品名:デイン・ミッチェル《アイリス、アイリス、アイリス》 「伏籠」
この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。
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伏籠というのは香炉から衣服に香りを炊き込むための籠のことで、ここでは先程の香水とお香を焚きこんでいるようです。この布の柄にも意味があるようで、目の虹彩の方の意味でのアイリス(作者の10歳の頃の虹彩)がプリントされているとのことでした。


作家名/作品名:デイン・ミッチェル《アイリス、アイリス、アイリス》
この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。
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こちらは謎の3つの品が並んでいる様子。ちょっと分かりづらいですが「アイリス」と呼ばれるカメラの明るさ調整の絞り機能を持つカメラレンズなどが置かれています。このレンズは虹の女神イリス(=アイリス)も属しているオリンポスの神々にちなんでオリンパス製なのだとか。言葉遊びというか連想ゲームみたいw

作家名/作品名:デイン・ミッチェル《アイリス、アイリス、アイリス》
この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。
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左の蛇の目の傘は作者の虹彩(アイリス)を模して作られたものだそうです。右の花は勿論アイリスです。

この他に匂いに関する資料などもありました。


ということで、小展示なので満足度はそれほど高くしませんでしたが、記憶に残りそうな内容でした。独特な作家を紹介するのがMAMプロジェクトの恒例となっていますが、今回は特に個性を感じたかな。レアンドロ・エルリッヒ展の会場の最後の辺りで観ることができますので、レアンドロ・エルリッヒ展に行く際にはこちらも寄ってみると良いかと思います。(さらに「MAMコレクション006:物質と境界―ハンディウィルマン・サプトラ+千葉正也」と「MAMスクリーン007:山本 篤」も合わせて観られます。そちらは今回は割愛致します) そして次回は大満足だったレアンドロ・エルリッヒ展についてご紹介を予定しています。



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没後60年記念 川合玉堂 ―四季・人々・自然― 【山種美術館】

2週間ほど前の日曜日に山種美術館で「没後60年記念 川合玉堂 ―四季・人々・自然―」を観てきました。

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【展覧名】
 【特別展】没後60年記念 川合玉堂 ―四季・人々・自然― 

【公式サイト】
 http://www.yamatane-museum.jp/exh/2017/kawaigyokudo.html

【会場】山種美術館
【最寄】恵比寿駅

【会期】2017年10月28日(土)~12月24日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
お客さんは結構いましたが混んでいる訳ではなく快適に鑑賞することができました。

さて、今回は日本画の大家の1人である川合玉堂に関する展示です。玉堂の展示は4年くらい前にもこの山種美術館で開催されたと記憶していますが、今回の展示でも初期から晩年までの代表的な作品を集め、魅力的な日本の原風景を描いてきたのがつぶさに分かる内容となっていました。展示は3章立てで構成されていましたので、各章ごとに簡単にその様子をご紹介していこうと思います。
 参考記事:生誕140年記念 川合玉堂 (山種美術館)


<第1章 若き日の玉堂 -修学の時代->
まずは修行時代から大正の始め頃にかけてのコーナーです。川合玉堂は1873年(明治6年)に愛知に生まれ、岐阜で育ちました。幼いときから絵が得意で、小学校卒業後には望月玉泉に入門し写生を通じて日本画の基礎を学んでいきます。その3年後の17歳で画壇にデビューすると、更なる高みを目指して円山四条派の幸野楳嶺の門下へと移りました。幸野楳嶺は優秀な弟子が多かった人ですが、中でも竹内栖鳳らと切磋琢磨していたようです。しかし幸野楳嶺は1895年に他界してしまいます。そしてちょうどその年の第4回内国勧業博覧会で玉堂の「鵜飼」が銅賞を受けたのですが、その際に会場にあった橋本雅邦の作品に出会い、大きな衝撃を受けたようです。そして玉堂は一から学ぶ覚悟で京都から東京の橋本雅邦の元に弟子入りし、更なる研鑽に励んでいきました。
 参考記事:三菱が夢見た美術館 - 岩崎家と三菱ゆかりのコレクション (三菱一号館美術館)

ここは明治期の作品が中心で、最初から代表作の「鵜飼」(銅賞を貰った作品)が並んでいました。岐阜出身の川合玉堂は鵜飼の絵をよく描いていて、これもその1枚です。この頃の作品は漢画のようなやや硬めの印象を受けるかな。近くにあった「渓山秋趣」は橋本雅邦に弟子入りした後の作品で、こちらは細かく写実的な画風ですが、木や岩には狩野派のような筆致が見受けられます。一方で、風や水、山肌などの表現には独自性が観られました。

この辺りには15歳の頃の「写生画巻」もありました。既に高い描写力があり、精緻な写生となっています。


<第2章 玉堂とめぐる日本の原風景 -四季・人々・自然->
続いては大正から昭和にかけての風景画のコーナーです。玉堂は日本画ならではの風景表現を追求していたようで、琳派や大和絵、漢画などを取り込み日本の実景と融合させていきました。70代の頃には奥多摩に疎開し、偶庵と名付けて終の棲家とし、周囲の自然を多く描いています。

[大正から昭和へ]
ここには様々な作風の作品が並びます。まず「悠紀地方風俗屏風(小下図)」は大和絵風の屏風下絵となっていて、伝統的な大和絵に倣いつつも画面の中には自転車という現代のモチーフが描き込まれているのが面白いです。一方で、漢画寄りの太い輪郭線を使った作品もあって、玉堂は線の重要性を説いていたようです。(明治期の「瀑布」なんかは濃淡で霞む感じなので、お互いかなり雰囲気が違います)
他にも文人画みたいな作品もあって、この頃は画風がコロコロ変わる印象がw とは言え、故事に取材した作品や、のんびりした風景が多いのは共通しているかもしれません。

この章の一番奥の辺りでは1枚だけ写真を撮ることができました。こちらも「鵜飼」というタイトルです。
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これも岩などは輪郭線があるけど、割と濃淡で表現している部分があるように見えました。ちなみに鵜飼を描いた作品は500点程度あるそうです。

鵜飼の少し作品は「紅白梅」という琳派風の金屏風もあります。左隻がピンク多めの梅、右隻が白梅となっていて、にじみを活かしたたらし込みの技法や、向き合うような構図など琳派からの直接的な影響が感じられます。一方で、遠近感があったりするのは独自かな。そのまま真似るのではなく、何かしら独自の要素が含まれているのが玉堂の特徴かも。

その先には私の好きな「彩雨」がありました。これは水車のある風景を描いたもので、輪郭は少なく色の濃淡で霧がかった雰囲気を出しています。この情感溢れる雨と水車の主題も玉堂が得意としたもので、どこか懐かしいような日本の原風景を感じさせます。 この頃には円熟期を迎えた感があるかな。


[奥多摩時代]
ここは戦争で奥多摩に疎開した頃の作品が並ぶコーナーで、今回のポスターにもなっている「早乙女」もありました。これは戦時中に描かれた作品ですが、非常にのどかな雰囲気で楽しげですらあります。よく見るとあぜ道には琳派風のたらし込みが使われているなど、今までの研究の成果も活かされています。この作品は俯瞰する構図も非常に面白く、まさに代表作と言える作品です。

この辺には自作の詩に絵を載せたもの等もありました。ちょっと面白いエピソードが紹介されていて、仲間だった竹内栖鳳の葬儀の帰りに特急かもめ号の展望車に乗ったらしく、その時の詩も残されていましたw 友達の葬儀の後に豪華列車で詩を作るってw  他にも斎藤茂吉との合作なんかもあります。

その後には「雨後山月」や「水声雨声」といった輪郭を使わない没骨法で描かれた作品が並んでいます。雨に烟る情景が見事に表されていて、むしろ私の玉堂のイメージはこうした画風です。湿度も感じられるような見事さで、奥多摩時代の作風が最も好みかも。画題も正に日本の原風景そのものといった感じで、傑作が続きます。


<第3章 素顔の玉堂>
最後は玉堂の人柄が伺える作品のコーナーです。自作の俳句や和歌を嗜んだそうで、人間的にも穏やかだったようです。
ここは章立てと並び順が違いますが、章立てに合わせてご紹介します。

[戦時下の玉堂]
玉堂も戦時中は戦意高揚の絵を求められたようですが、描いたのは荒々しい海を描いた作品だったようです。確かに玉堂には珍しい主題のようで、波や飛沫が力強い印象を与えます。とは言え、やはり直接的な英雄や戦闘を描かなかった所に人柄が表れているかもしれません。

[親しき人々]
ここは川合玉堂が描いた絵に斎藤茂吉が賛を書いた作品や、山種美術館の創始者の山崎種二の娘の結婚祝に描いた作品など、多くの人との交流から生まれた作品が並んでいました。茅葺き屋根の手入れを描いた「屋根草を刈る」という作品では自分の孫に足りないものはあるか?と尋ね、孫が「花があるのに蝶がいない 秋だから黄色が良い」と答えると即座に3羽の蝶を描き加えたというエピソードも紹介されていました。不思議とその蝶が軽やかなアクセントになっていて、孫の意見も凄いw それにしてもおじいちゃんの優しさが伝わる話ですね。

[松竹梅]
ここには戦後に横山大観と竹内栖鳳と共に1人1枚ずつ担当した松竹梅のセットから玉堂の描いたものが展示されていました。これは大変に人気だったようで、その後に大観・川端龍子・玉堂で描いたセットもあります。その頃、大観と川端龍子は疎遠になっていたのですが、温厚な人柄だった玉堂が仲を取り持ったそうです。絵そのものも生き生きとして見ごたえがありました。
 参考記事:川端龍子 -超ド級の日本画- (山種美術館)

[身近なものへのまなざし]
ここはスケートをする女性(オリンピック選手)や、兎、猫、熊、猿などちょっと緩い雰囲気の作品が並んでいました。初期の厳格な雰囲気なんてもう全然感じられませんw 親しみの湧く作品ばかりでした。


ということで、川合玉堂の魅力を存分に楽しむことができました。割と4年前の展示と内容が似ていたような気もしますが、再会出来て嬉しい作品が多かったので満足です。 もうすぐ会期が終わりますので、気になる方はお早めにどうぞ。


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猫カフェ「猫家 大宮店」の写真

今回は美術と関係なくひたすら猫の写真です。前回ご紹介した猫の彫像の展示を観た後、リアルな猫が観たくなったので埼玉県の大宮に移動して猫カフェ「猫家 大宮店」に行って猫ちゃん達と戯れてきました。

 公式サイト:http://www.nekoyacafe.com/oomiya/index.html


このお店は埼玉県で最初の猫カフェだったそうですが、私は1年くらい前からちょこちょこと通うようになりました。以前は都内の猫カフェによく行っていたのですが、ここは猫ちゃんの数と種類が多いのが魅力で、特に長毛種の猫が多いのが気に入っています。この日はちょうど大宮の氷川神社で十日町という酉の市があった為か、お店もかなり混んでいました。

細かいシステムなどは公式サイトをご確認頂ければと思いますが、フラッシュなしなら撮影が可能ですので写真も沢山撮ってきました。

こちらは新入りの子猫ちゃん
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真っ白な毛並みが非常に綺麗!

子猫だけあって遊びたい盛りなのか、玩具にもよく反応しています。

めちゃくちゃ元気で可愛かったです。

こちらは先程の子猫と似ていますが、半年くらい先輩の白子ちゃん
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この子も少し前まで子猫だったのですが、見違えるように大きくなりました。

こちらは今年の7月くらいに撮った白子ちゃん
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表情なんかは今も一緒に思えるけど、この頃はまだまだ子猫でした。猫が育つのって早い!

この子も幼く見えました。
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これ、クリスマスツリーの中に入ってますw

このたれ耳とモフモフ具合が非常にキュート。
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この子も懐っこい子でした。

猫鍋になっているのを発見!
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ちなみにこの写真にもう1匹猫ちゃんが映り込んでいます。おわかりだろうか…?

とにかく沢山の猫がいるのですが、半分くらいは寝てましたw
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この収まり具合がちょうどいいw

この子も寝起き。
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だら~んと脱力しているけどじっと何かを見つめています。この子はいつ行っても寝てるような…w

この子は凛々しい表情で見つめていました。
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白手袋が可愛い!

こちらはじっと外を見つめる猫。
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歌川国芳の絵の中に、窓の外を観る猫を描いたものがありますが、時代や種類が変わっても同じ仕草をしているのが面白い。

こちらは7月くらいに撮った写真ですが、自分で気に入った写真の1つ
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ちょっと黄昏を感じます。 哲学的な雰囲気すらしませんか?w

こちらは私の一番好きな菊一文字ちゃん
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大きくて優しい子です。

特技はスコ座りw オッサンみたいな座り方がギャップ萌えです。
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これは7月に撮った写真で、それ以外にも何回か観たことがありますが今回はやってくれませんでした。

お顔のアップ
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じーっと何を観てるんだろ?と観察していたら、クッションをモミモミし始めました。

こちらがモミモミする様子

これはお母さんのお乳を出す時の仕草で、リラックスした時などに子供の頃を思い出してやる行動と言われています。猫を飼ってる方はよく観るのでは?

今回は運良く、おやつタイムに立ち会うことができました。
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店員さんがおやつよー!と呼ぶと猫たちが一斉に集まってきました。

沢山の猫がそわそわして待っていますw

この日のおやつはチュールで、お客さんも指で舐めさせてあげることができました。猫のザラザラした舌で舐められてちょっとくすぐったかったですが、一心不乱に舐める猫ちゃんたちにもうメロメロですw


ということで、非常に可愛い猫ちゃん達と楽しい時間を過ごすことができました。美術品も良いけど、やはり生きている猫が一番可愛いかなw また新しい子猫もいるので、近いうちに再訪したいと思います。


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猫百態―朝倉彫塑館の猫たち― 【朝倉彫塑館】

今日、日暮里の朝倉彫塑館で開館50周年記念「猫百態―朝倉彫塑館の猫たち―」を観てきました。他の展示のネタも溜まっていますが、会期末が迫っているのでこの展示について先にご紹介しておこうと思います。

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【展覧名】
 開館50周年記念「猫百態―朝倉彫塑館の猫たち―」 

【公式サイト】
 http://www.taitocity.net/zaidan/asakura/exhibitions/e_special/

【会場】朝倉彫塑館
【最寄】日暮里駅

【会期】2017年9月2日(土)~12月24日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 時間分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
結構多くのお客さんで賑わっていましたが、混んでいるという訳ではなく快適に鑑賞することができました。


さて、今回の展示はこの朝倉彫塑館の主である彫刻家 朝倉文夫による猫のブロンズ像と石膏像を集めた展示となっています。この朝倉彫塑館は何度か来ているのですがブログでは紹介していなかったので簡単にご説明すると、朝倉文夫は東京美術学校を卒業し第2回文部省美術展覧会の2等を皮切りに「墓守」等の代表作を制作し、文展審査委員を務めるなど幅広い活動を行いました。
 参考リンク:墓守〈朝倉文夫作/石膏原型〉(文化遺産オンライン) 
その後、アトリエだったこの場所を朝倉塾として開放し、後進の育成に励んだようです。残念ながらここは撮影できないのですが、建物自体が素晴らしくアトリエの他に 中庭の池をぐるっと囲む日本家屋や、屋上の庭園などがあり建物自体も見どころと言えます。元々のアトリエはそれほど大きくなかったのがどんどん増築していったようで、個人の邸宅とは思えないくらい(塾でもありですが)の大邸宅です。

そんな朝倉文夫ですが、非常に猫が好きだったようで、猫に関する作品を多々残しています。たまに東近美などでも観られますが、猫つかみされてる「吊された猫」が特に有名じゃないかな。猫も沢山飼っていたようで、今回はそうした猫たちを彫像にした作品が並びます。
 参考リンク:「吊された猫」(朝倉彫塑館)

百態といっても数えると60点くらいですが、実に様々な猫の姿を彫像にしています。やはり寝ている様子が一番多いものの、蝶を追いかける猫、餌を食べる猫、獲物を狙う猫、伸びをする猫、産後の猫、お乳をあげる猫、子猫の群れ、覗き込む猫 病める猫 などなど普段中々観ることができないような姿まであります。いくつか同じポーズの作品があるものの、似てるだけで別物だったり、石膏像とブロンズ像で同じものだったりします。それらを比べて鑑賞するのも面白く、質感の違いによって印象も変わってくるように思えます。それにしてもポーズが変わってもこれはさっきと同じ猫だと分かるのが凄いです。似たような猫でも特徴をよく観察していたのが伺えます。猫以外の彫像もいくつかあるのですが、人物像に関しては筋肉隆々で割とロダンっぽい印象なのに猫になると一気にしなやかさがあるのも特徴かもw

作品の大半はアトリエと書庫にありますが、いくつか家に溶け込むように展示されているのも面白いです。日向ぼっこでもしているかのように展示されていたのが特に可愛かったです。

館内は1部屋しか撮影できませんが、こちらは裏手にある本来の玄関
DSC04779.jpg
この朝倉彫塑館は靴を持って鑑賞するのですが、屋上とこの玄関では靴を履いて散策することができます。ここに出られることに気づかない人も多いかも。

こちらは唯一 撮影可能な蘭の間。
DSC04794.jpg
元々は蘭の栽培のための温室で、西向きのサンルームみたいな感じ。

これは恐らく屋上の写真じゃないかな。沢山の植物に囲まれています
DSC04798.jpg
蘭の間の近くから屋上に出られるのですが、屋上にはオリーヴの木まである菜園となっています。朝倉文夫の塾では園芸を必須科目にしていたようで、園芸を通じて自然を学んでいたようです。

こちらは朝倉文夫と猫たち
DSC04803.jpg
沢山の猫に囲まれて嬉しそうな笑顔。作品にもその愛情がにじみ出ています。

ついでにこちらは玄関前にある「群れ」という作品。
DSC04804_201712102332190a0.jpg
猫の群れは可愛いのにこれはキモいw

玄関の上からは謎の人物像が見下ろしています。
DSC04811.jpg
この後ろあたりが菜園になっています。スカイツリーも間近に見えます。


ということで、可愛い猫たちの彫像をたっぷり観ることができました。朝倉文夫の猫への愛情と観察眼には驚かされるばかりですが、建物とのコラボぶりも素晴らしい展示でした。もうすぐ会期が終わってしまいますが、猫好きの方にお勧めの展示です。


おまけ:
この朝倉彫塑館からほど近い谷中は猫の街としても有名です。
DSC04818.jpg
猫グッズの専門店や、あちこちの店で猫をモチーフにした商品が売られているので、猫好きの方は一度は訪れてみると良いかも。


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