関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

【埼玉県こども動物自然公園】の写真 前編

今日は写真多めです。もう2ヶ月近く前になりましたが、5月末頃に埼玉県の川越の北にある埼玉県こども動物自然公園に行ってきました。予想以上に広くて写真を沢山撮ってきましたので、前編・後編に分けてご紹介していこうと思います。

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【公式サイト】
 http://www.parks.or.jp/sczoo/

【会場】
 埼玉県こども動物自然公園

【最寄】
 東武東上線 高坂駅

【感想】
この動物園には初めて行ったのですが、最寄りの駅からバスで10分くらいでした。駅前に人が全然いないので駅を間違ったかと焦りましたw

さて、この動物園は動物との触れ合いが充実しているのが特徴で、かなり広い施設となっています。しかも坂道の多い丘陵地帯にあるので、園内をぐるっと周るとウォーキングのような運動にもなります。また、動物は可愛い種類が中心となっていて、子供だけでなく大人も非常に癒やされる場所と言えそうです。今回ここに足を運んだのはマヌルネコという動物が目当てでした。先日、ダーウィンが来た!で特集していて、あまりの可愛さに実物を見に行きたくなりました。上野はパンダで混んでいるのでせっかくなのでこちらに足を運んだ次第。
 参考リンク:ダーウィンが来た! 第543回「まんまる!謎のマヌルネコ」 

こちらが園内の地図。大きく分けて北園と東園があります。今日は北園をご紹介していきます。
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この地図では分かりませんが、園内は起伏に富んでいます。しかも遮蔽物が無いところも多いので5月末の日差しでも結構暑かったw 夏休みに行く場合は帽子や日傘は必須です。

こちらはイベントや餌やりのスケジュール(2018年5月時点です)
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餌やりだけでなく、お話を聞けたり、触れ合いが出来たりと中々充実したラインナップです。私達は今回は行くのが遅かったので園内を周るのが精一杯でしたw(敷地の広さを甘くみてました…)
 参考リンク:遊ぶ・体験する

早速マヌルネコを観るルートにして反時計回りに園内を周ることにしました。

最初に見えてきたのはこの牛舎
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この牛舎だけでも結構な大きさです。

牛舎の前にはエアちちしぼり という謎の牛の模型がありましたw
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この牛の模型にはゴム製のお乳がついていて、それを揉んで乳搾り体験を擬似的にできます。私は実際の牛のお乳を絞ったこともありますが、確かに似た感触かもw

2018年5月時点で、この動物園には色んな赤ちゃんがいて、牛の赤ちゃんや子供も結構いました。
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この子は2018年4月4日生まれのモナカちゃん。まだ生後2ヶ月も経っていない頃だったので小さくて可愛い。それでもしっかり立っていて立派です。

こちらも子牛かと思いましたが、どうやら日本に昔からいる牛の種類のようです。
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いくらなんでも小さすぎるので、やはり子牛かも…。

他にも何種類か牛がいましたが、まだまだ先は長いので早めに切り上げました。

そして、やって来ましたマヌルネコの猫舎!? 地球上に15000頭ほどしかいない希少な野生の猫です。
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横から観ると普通の猫みたいですが、耳などに特徴があります。

恐らくこの子は2017年に生まれた子の中の1匹です。残念ながらお母さんはその後に亡くなってしまったようですが…。
 参考リンク:マヌルネコ 3年ぶりの繁殖!

マヌルネコが正面を向いてくれました。
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デリケートな猫の為フラッシュは勿論、補助光もすべて切って撮影したので、ちょっとボケた画像ですw 部屋は暗めなので、もし撮影される際にはフラッシュが付かないよう気をつけてください。

こちらはさっきと違う子です。私が行った時は2匹が遊んでいました。
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夏毛だと結構シュッとした顔になりますが、故郷の中央アジアでは丸々とした冬毛姿にもなります。岩の隙間などに住んでネズミなどの小動物を狩って生きています。

しばらく観てたら小首を傾げました。非常に可愛い顔をしています。
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こう見えて気性が荒いそうで、ワイルドなのも魅力です。

マヌルネコをたっぷり愛でて満足した後、再び園内を見て回りました。

こちらはプレーリードッグ
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立って何やらモグモグ食べていますw プレーリードッグのコーナーはのぞき穴から間近に見られたりします。

プレーリードッグの近くにはミーアキャットなんかもいました。

こちらもプレーリードッグのすぐ近くにいたレッサーパンダ
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こっちを向いてくれず高速でウロウロしてましたw ちなみにレッサーパンダは恋の季節になると鳥のようにヒュルルルル~~と鳴くのだとか。見た目からは想像できないですね。

この動物園の魅力の1つは動物の解説で、手作りのパネルで面白い生態を紹介してくれます。絵も可愛いので見ていてほっこりします。

こちらはシロフクロウ
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後ろ向いている子と寝ている子しかいなかったですが、寝顔がぬけてて可愛いw

こちらはプーズーというチリあたりに住む動物。
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小型の鹿で準絶滅危惧種になっているようです。雄には角があるらしいので、これは雌かな。

続いて、この動物園でも大きな見どころのペンギンヒルズ。名前の通り、丘のてっぺん辺りにあるのでここに行くのが一番大変でしたw
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水槽が目の前に広がり、泳ぐ姿を間近に観られます。

飛ぶようにスイスイ泳いでいきます。
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このペンギンはフンボルトペンギンです。

すぐ目の前あたりをよちよち歩くのが非常に可愛いです。
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暑くなければいつまでも観ていたいw 餌やりの時間なんかもあるようです。

ペンギンヒルズからは下り坂になっていて、外周に沿って鳥小屋がいくつかありました。

こちらは孔雀
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しばらく待っていましたが、一向に羽を広げる気配はありませんでしたw 一度観てみたい…。

こちらはちょっと名前は分かりませんが南方にいそうな鳥
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この鳥がいた鳥小屋は自分も中に入ることができるので、間近で観ることができました。割とでっかい鳥が目の前で滑空したりすると迫力があります。

北園の奥のほうには恐竜コーナーなんてのもあります。
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割と大きな恐竜像で、子どもたちが楽しそうに遊んでいました。

さらにこの奥には鹿とカモシカのコーナーもあったのですが、道が入り組んで後戻りするのが面倒なのでそこは飛ばしましたw


ということで、可愛い動物の割合が高い動物園となっています。特にマヌルネコに会えたのが嬉しい! 面白い解説があったり、体験コーナーが充実しているのも素晴らしいので、遠くまで足を運んだ甲斐がありました。園内を歩くだけでいい運動になるしw  さらにこの後もまだまだ動物がいましたので、次回は西園を中心にご紹介していこうと思います。

 → 後編はこちら



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映画「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(ややネタバレあり)

先週の金曜日の会社帰りに映画「ジュラシック・ワールド/炎の王国」を観てきました。この映画は2D、3D IMAX、4DXなどいくつかの種類がありますが、私が観たのは3D IMAXでの上映となります。この記事にはややネタバレが含まれていますので、ネタバレなしで観たい方はご注意ください。

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【作品名】
 ジュラシック・ワールド/炎の王国

【公式サイト】
 http://www.jurassicworld.jp/

【時間】
 2時間00分程度

【ストーリー】
 退屈_1_2_③_4_5_面白

【映像・役者】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【総合満足度】
 駄作_1_2_3_④_5_名作

【感想】
初日だったこともありレイトショーでも混んでいて大盛況となっていました。皆楽しみにしていたんですね。

さて、この映画はジュラシック・ワールドの第二弾で、古くはジュラシックパークから続くシリーズとなっています。ほんの軽いネタバレをすると、設定やストーリーは前作から繋がっているので、少なくてもジュラシック・ワールド(2015年)を観ておいたほうがよろしいかと思います。
と言いつつ、今作のストーリーは有って無いようなものかなw ピンチに継ぐピンチで、徹頭徹尾パニック映画みたいなものです。そのお陰でダレることは無いけど、それの繰り返しとも言えます。 前作はジュラシック・ワールドというテーマパークが舞台となっているのがワクワクする要素の1つだったのが、今回はあまりそれが無かったのがちょっと残念。ある意味、ホラー映画に近いような…w 

一方で、ストーリーを補って余りあるのが映像です。前作・今作共に3D IMAXで観たのですが、いずれも非常に立体感のある3Dで吸い込まれそうな奥行きがあります。もはや実写なのかCGなのか区別がつかないリアルな世界の中に没入するような感覚でした。 また、IMAXならではの多面的な音響も相まって、恐竜が不意に近づいてくるようなの臨場感があります。この映画を観るのであれば2Dよりも3D(できればIMAXや4D)で観るのがお勧めです。

キャストに関しては前作からの続投もいますので安定していますが、新キャラに関しては出てきた瞬間にストーリーが読めたw 主人公たちのカッコよさは変わらないけど、型にはまったストーリーなので ちょっと勿体無い気がします。恐竜のキャスト?に関しても魅力は損なわれていませんが、特に新鮮味は無いかも。


ということで、ストーリーや設定に関しては平凡だった(つまらない訳ではないです)と思う一方、映像に関しては非常に満足でアトラクションのような感覚で楽しんできました。やはりこの映画はテレビやホームシアターではなく映画館で観るものではないかな。前作に比べると感激は薄かったですが、それでも満足できる作品でした。



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【横浜美術館】の案内 (2018年07月)

今日は写真多めです。前回ご紹介した展示を観た後、横浜美術館の常設も観てきました。コレクション展は撮影可能でしたので写真を使ってご紹介していこうと思います。

公式サイト:
 http://yokohama.art.museum/collection/index.html

 ※常設展はフラッシュ禁止などのルールを守れば撮影可能です。
  掲載等に問題があったらすぐに削除しますのでお知らせください。


今回の展示ではモネ展に合わせて、同時代の作品やモネ展で取り上げられた現代の作家の作品なども展示されていました。いくつかの題材やジャンルごとに分かれて展示されていましたが、観た順に気に入った作品をいくつかご紹介していこうと思います。
 参考記事:横浜美術館の案内 (2018年04月)


チャールズ・ワーグマン 「御茶漬屋」
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幕末に来日したチャールズ・ワーグマンによる写実的な日本の風俗画。当時の様子がよく伝わってきます。子供を世話している母子などのんびりとした光景です。

初代宮川香山 「釉下彩白盛鶏図大花瓶」
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こちらは明治の帝室技芸員初代宮川香山による花瓶。鶏の毛並みが優美に表現されています。滑らかな色付けも見事です。

伝・五姓田芳柳 「外国人女性和装像(仮題)」
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日本洋画の先駆け的な画家による和装の外国人夫妻の肖像。日本の格好をした西洋人を日本人が洋風に描くというのが中々面白いw

渡辺文三郎 「松島内雄鳥より二児島」
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こちらは五姓田芳柳に学んだ渡辺文三郎の洋画。割と重厚感のある画風で、先生の先生であるフォンタネージからの流れを感じるかな。写実的ですが叙情的で好みの作風です。

井上安治 「霊岸島高橋の景」
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こちらは明治時代の浮世絵。いわゆる「光線画」で有名だけあって、明暗を使った表現に優れています。月明かりの幻想性が素晴らしい作品。

井上安治 「銀座商店夜景」
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ちょっとガラスの反射で分かりづらいですが、こちらも井上安治によるもの。光をよく研究していて、写実的なだけでなく何処か心休まるような明るさとなっていました。

白髪一雄 「梁山泊」
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色とりどりで力強い抽象画。多分、この作品はロープにぶらさがって足で描いているんだと思います。(そういう作風の方です) 絵の具がうねりのようで、動きが刻み込まれたようなマチエールが迫力あります。

中村一美 「連差-破房VII」
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こちらも動きを感じる抽象画。何を描いているのかタイトルを観てもピンと来ませんが、雲か海が荒れ狂っているように思えました。

パブロ・ピカソ 「ヴィーナスとキューピッド(クラナッハによる)I」  「ヴィーナスとキューピッド(クラナッハによる)III」
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こちらは4点ほど似た作品が並んでいて、そのうち2点をピックアップ。右はややクラナッハっぽい雰囲気がありますが、左は完全にキュビスムになってますねw 2年くらい前に観たクラナッハを思い出しながら観ていました。

篠原有司男 「ラブリー・ラブリー・アメリカ(ドリンク・モア)」
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もっと飲めとコーラを差し出して来る手が画面から飛び出している作品。きっと勧めてきているのは怖いオッサンでしょうねw 実際の意図は分かりませんが、アメリカの押し付けがましさを皮肉っているように思えました。

福田美蘭 「山水図」
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今回のモネ展にも出品していた福田美蘭は色んな画家の作風を模してユーモアを交えて描くのが得意です。この作品は一見すると漢画の山水に見えますが… 飛行機が飛んでいますねw

荒木経惟 「複写美人シリーズ」
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こちらは美人画を写真で撮って頭部だけ複写したアラーキーの作品。こうしてトリミングされると別の作品のように見えるのが面白かったです。

ロイ・リキテンスタイン 「夢想(版画集『11人のポップ・アーティスト』第2巻より)」
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コミック風の画風で知られるロイ・リキテンスタイン。遠くで観るとピンクっぽい顔色に見えますが、近くで観ると網点という規則正しい水玉模様のようになっているのが特徴です。是非、近くでも観て欲しい作品。

森村泰昌 「私の中のフリーダ(手の形をした耳飾り)」
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一見するとフリーダ・カーロのように見えますが、これは森村泰昌 氏を撮った写真です。様々な人物に変装(時には人間以外にも変装)する作家ですw これはかなり本人に近いのでは?

今村紫紅 「熱国の巻(小下絵)」
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こちらは同名のタイトルの下絵で、本画は東京国立博物館が所蔵しています。熱国は具体的に何処と言うわけではないですが、インド旅行の際に通ったどこかではないかな。椰子の木の密集が南国の雰囲気とリズムを生んでいるように思えました。

下村観山 「小倉山」
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この美術館の代表的なコレクションで、カフェの名前もこの作品から取っているほどです。小倉百人一首の藤原忠心(貞信公)が詠った歌の歌意を描いています。
 参考記事:生誕140年記念 下村観山展 感想後編(横浜美術館)

小倉山の右隻のアップ
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琳派風で風情ある背景の中、ポツンと座っている人物がちょっと不思議な感じ。一体何を観ているのかも分かりませんが、雅な雰囲気がありつつミステリアスな名作です。

伊藤彬 「イメージのなかの山水」
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こちらは壁画のように大型の画面が5枚も連なっていました。ちょっと抽象画のようですが雷雲のように暗く力強い雰囲気がありました。

藤田喬平 「飾筥 日輪」
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こちらはガラスで出来た「飾筥」シリーズの一品。蒔絵のような重厚で豪華な雰囲気がありつつ、模様などに先進性も感じられます。日輪の赤も目に鮮やかでした。

ポール・ゴーギャン 「ナヴェ・ナヴェ・フェヌア(かぐわしき大地)」
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こちらはゴーギャンによるタヒチを描いた版画。一種の楽園のような未開の様子が強調されているように思えます。
 参考記事:
  映画「ゴーギャン タヒチ、楽園への旅」(ややネタバレあり)
  ゴーギャン展2009 (東京国立近代美術館)

続いてはモネと同時代の写真家のコーナーです。

アンリ・カルティエ=ブレッソン 「サン=ラザール駅裏、パリ」
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こちらはアンリ・カルティエ=ブレッソンの代表作の1つじゃないかな。おじさんの疾走感が魅力ですw 

ロベール・ドマシー 「黒いベールの女」
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モデルにポーズを取らせて、まるで絵画作品のような雰囲気のある写真。優美な一方で緊張感のあるポーズに思えました。

ウジェーヌ・アジェ 「ヴェルサイユ、雷雨」
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昔のヴェルサイユを撮った作品。雷雨が近づいてくるちょっと不穏な雰囲気と合わせて当時の様子がよく伝わってきました。建物自体は現代と大差ないかも。
 参考記事:【番外編 フランス旅行】 ヴェルサイユ宮殿

アンドレ・ケルテス 「ピート・モンドリアン」
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有名画家のモンドリアンを撮ったポートレート。ちょっと気難しそうな顔していますねw 

アンドレ・ケルテス 「割れた板ガラス、1929年、パリ」
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アンドレ・ケルテスは大好きな写真家なのでもう1枚。ガラスが割れているのが目を引き、面白い効果となっています。これ、額縁が割れていると勘違いしないかなと毎回思ってしまいますw

ジャック=アンリ・ラルティーグ 「ルネ、パリ」
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スピード感溢れる自動車などを撮ったことで知られるラルティーグですが、上流階級の世界を撮った作品も非常に魅力的です。このエレガントなルネは現代でも通じる普遍的な美しさではないでしょうか。
 参考記事:植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ -写真であそぶ- (東京都写真美術館)


ということで、今回も見応えある内容となっていました。特に写真のコーナーが面白かったかな。ここはいつ来ても充実のコレクションとなっていますので、特別展示を観に行かれる際には常設もじっくり観ることをお勧めします。



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モネ それからの100年 (感想後編)【横浜美術館】

前回に引き続き横浜美術館の「モネ それからの100年」 についてです。前半は1~2章についてでしたが、今日は残りの3~4章についてです。まずは概要のおさらいです。

 前編はこちら

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【展覧名】
 モネ それからの100年

【公式サイト】
 http://monet2018yokohama.jp/exhibition/
 https://yokohama.art.museum/exhibition/index/20180714-499.html

【会場】横浜美術館
【最寄】JR桜木町駅/みなとみらい線みなとみらい駅

【会期】2018年7月14日(土)~9月24日(月・休)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
前半に比べると後半の方が展示スペースが広いので混雑感はやや薄れた感じがしました。

前編では筆触分割や移ろい行くモチーフについてご紹介しましたが、後半は主に「睡蓮」など晩年の作品に関する内容となっていました。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。


<Ⅲ モネへのオマージュ ― さまざまな「引用」のかたち>
3章はモネのオマージュのコーナーです。モネの有名作を再解釈した作品が並んでいました。

57-62 ロイ・リキテンスタイン 「積みわら#1~#6、#6第1ステート」
こちらは6点の連作で、水玉のような網点を使ってモネの「積みわら」を模しています。それぞれ色が違っていて、それもモネが時間ごとに異なる光景を描いたのをオマージュしているように見えます。筆触分割を工業的な網点に置き換えている発想はリキテンスタインらしさを感じるかな。連作をコピーのように作ってる点なども面白い作品でした。

この隣には国立国際美術館所蔵のロイ・リキテンスタインの「日本の橋のある睡蓮」(★こちらで観られます)もありました。こちらもモネの庭の池と太鼓橋を表現していて、絵の中に鏡を使っていたりする面白い作品です。

67 福田美蘭 「モネの睡蓮」 ★こちらで観られます
こちらは大原美術館所蔵の「睡蓮」の構図を借りつつ、大原美術館にあるジヴェルニーのモネの池から株分けされた睡蓮を描いた作品です。水面には大原美術館の建物も反射していて、モネと大原美術館へのオマージュとなっています。画風もモネ風に寄せていて、ユーモアを感じさせました。
 参考リンク:大原美術館のモネ「睡蓮」

この辺にはジヴェルニーの睡蓮の庭をモチーフにした作品が数点ありました。次の章でも睡蓮がよく出てきます。
 参考記事:
  【番外編 フランス旅行】 ジヴェルニー モネの家
  モネとジヴェルニーの画家たち 感想前編(Bunkamuraザ・ミュージアム)


<Ⅳ フレームを越えて ― 拡張するイメージと空間>
最後の章は睡蓮の連作を中心として、反復表現、イメージの重ね合わせ、空間の広がりといった 視覚的・身体的な拡張をキーワードに、モネと現代アートの接点を探すというテーマとなっていました。この章に入ると円形の部屋にぐるっと睡蓮関連の作品が並び、オランジュリー美術館のモネの部屋を彷彿とさせる作りとなっていました。
 参考記事:【番外編 フランス旅行】 オランジュリー美術館とマルモッタン美術館

73 クロード・モネ 「睡蓮」 (個人蔵)
こちらは最初に睡蓮を描いた作品のうちの1つで、ピンクの蓮華が2つといくつもの葉っぱが描かれています。割と形はハッキリしていて、水面も落ち着いた色彩で描かれています。軽やかで抑えめな印象で、静かな感じの作品でした。

75 クロード・モネ 「睡蓮」 (山形美術館)
こちらも無数の睡蓮が描かれていますが、どちらかというと水面が主題のように思える作品です。水面には木々が反射していて、水面と反射の境界が曖昧になって同居するような感じです。空の色も反射していて、明るく爽やかな印象を受けました。

解説によると、モネはオランジュリー美術館の部屋の為に12年かけて描いた200点を超える習作を描いたようです。この近くにあったナーマッド・コレクション [モナコ]の「睡蓮、水草の反映」(★こちらで観られます)などもそのうちの1枚のようです。他にもこの近くには鹿児島市立美術館の「睡蓮」もありました。

93 鈴木理策 「水鏡17、WM-734」
こちらは水面とそこに反射した周りの木々が一体化したような写真です。意図的にぼかしているような感じで水面と実際の風景の境目が曖昧になっているように見えます。これは先程のモネの睡蓮と同じ発想に見えて、写真でも表現可能であることに驚きました。イメージの重ね合わせの技法は反射の中の存在のおかげで画面以上に世界が広がっているようにも思えるのも面白いです。

79 クロード・モネ 「バラの小道の家」
こちらはモネの庭のバラのアーチをモチーフに描いた作品です。両脇に赤いバラが咲いているようですが、細部はあまりハッキリせず ぼんやりしていて抽象がかっているように見えます。この絵を描いた頃にはモネは失明の危険があったので、こういう表現になったのではないか?とも考えられるようですが、目が悪くても色彩の取り合わせの素晴らしさは失われずに、かえって面白い効果になっていました。絵は上手ければ良いという訳ではないとよく言いますが、細部が曖昧だからこそ出る情感もありますね。

この近くには国立西洋美術館の「柳」(★こちらで観られます)もありました。

85-89 児玉靖枝 「深韻 水の系譜-白(六、十二、十三、二十四、三十四)」
こちらは5枚セットの真っ白な抽象画です。遠目で観るとただ白いように見えますが、よく観れば木々に雪が積もってホワイトアウトしているのが分かります。5枚の配置も絶妙で、広い空間の情報が断片的に得られるような感じです。色彩は異なりますが、こうした空間の広がりはモネの連作に通じるものがあるように思えました。それにしても、よくこんな真っ白な画面をモチーフにしたなあと変な所に感心してしまいましたw

94 福田美蘭 「睡蓮の池」
こちらはこの展覧会の為に描かれた特別出品の作品で、高層ビルの上層階にあるガラス張りのレストランの客席が描かれています。外は夜景で、ガラスには室内の様子も反射して見えています。また、テーブルの上に灯火が置かれているのが睡蓮の見立てとなっていて、テーブルが葉っぱ、光を放つ灯火が蓮華のように見えました。モチーフは現代ですが、ガラスに映る2重の世界の表現なんかはモネと同じだし、とにかく発想の面白い作品です。

この隣にも同様に福田美蘭が睡蓮の池から着想を得た作品が並んでいました。

81 サム・フランシス 「Simplicity(WC00956)」 ★こちらで観られます
こちらは横長の白地に赤・黄色・緑・青などの線や色ムラが描かれた抽象画です。飛び散るような表現で流し込みの技法を使っているのではないか?と思いますが、何処と無く有機的で 生命感溢れるビビットな色彩となっています。画面を超えても広がっていくような力強さがあり、躍動的でリズムを感じさせました。

この隣にはアンディ・ウォーホルの「花」もありました。空間拡張の意識をここでも用いていて、確かにモネとの共通点があるように思えます。


ということで、モネの作品と現代絵画を対比させる展示となっていました。安易に新印象主義を始めとした近代絵画のフォロワーと比べるのではなく、ちょっと離れた現代絵画と比較するというのが目新しかったと思います。モネ自体の作品は割と見慣れたのが多かった気がしますが、展示構成が面白くモネの偉大さが再確認できる展覧会でした。


おまけ;
美術館の前に小さい睡蓮の鉢がありました。
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暑いのに可憐な花をつけていますね。



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モネ それからの100年 (感想前編)【横浜美術館】

一昨日の土曜日に横浜の横浜美術館で「モネ それからの100年」を観てきました。注目の展示ですので前編・後編に分けて早めにご紹介しておこうと思います。

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【展覧名】
 モネ それからの100年

【公式サイト】
 http://monet2018yokohama.jp/exhibition/
 https://yokohama.art.museum/exhibition/index/20180714-499.html

【会場】横浜美術館
【最寄】JR桜木町駅/みなとみらい線みなとみらい駅

【会期】2018年7月14日(土)~9月24日(月・休)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
初日の午後に行ったのですが、結構混んでいて場所によっては列ができるくらいでした。とは言え、少し待てばおおよそ自分のペースで観ることができたかな。

さて、今回の展示は印象派の代名詞的な存在であるクロード・モネの名前を冠していて、モネ25点とモネに影響を受けた後世代の26人の作家66点となっています。モネよりも他の作家の作品の方が多いのですが、割と現代絵画の割合が高くモネの先進性が浮き彫りになるような内容となっていました。展覧会は4章構成となっていましたので、各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
 参考記事:
  モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新 感想前編(国立西洋美術館)
  モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新 感想後編(国立西洋美術館)
  
  
<Ⅰ 新しい絵画へ ― 立ちあがる色彩と筆触>
まずは筆触分割の技法についてのコーナーです。モネを始めとした印象派はパレットの上で色を混ぜ合わせるのではなく、画面上で色の点を重ねる「筆触分割」を使うことで色が濁るのを避けて強い光を表現しました。この章ではモネの画業前半の作品と共にモネの技法を発展させた現代絵画なども並んでいました。
 参考記事:印象派を超えて-点描の画家たち 感想前編(国立新美術館)

78 クロード・モネ 「睡蓮」 (群馬県立近代美術館)
こちらは3章の作品ですが、冒頭にハイライトとして展示されていました。モネの代表作である睡蓮の連作のうちの1つで、池に浮かぶ睡蓮の花と葉が描かれています。葉っぱのフチは紫となっていたり、粗めの筆致となっていて、絵の右端には塗り残しがあるなど描きかけと言われても不思議じゃないくらい大胆です。画面全体の深い緑など色使いが強く感じられる作品でした。

1 クロード・モネ 「サン=シメオン農園前の道」
こちらは23歳頃の小型作品で、夕暮れの道と 道沿いの木々が描かれています。全体的に落ち着いた暗めの色調で写実的に描かれていて、割とコローの作風のような印象を受けるかな。遠近法などもしっかりしていて、まだ従来の絵画から脱していない感じもしました。

この辺には泉屋博古館の「モンソー公園」(★こちらで観られます)や上原美術館のクロード・モネ「わらぶき屋根の家」といった見覚えのある作品が並んでいました。
 参考記事:近代日本洋画の魅惑の女性像―モネ・印象派旗挙げの前後― (泉屋博古館分館)

6 クロード・モネ 「海辺の船」
こちらも見覚えある東京富士美術館の所蔵品。港に浮かぶ帆船を描いた作品で、縦長の画面に空が大きく取られていて爽やかな雰囲気です。船はやや傾いていて、周りの人と比べると結構大きそうに見えるかな。大胆なタッチで浜辺やマストに光が当たっている様子が表され、よく観ると部分的に下地が残っているようにも見えます。同じ印象派のシスレーなんかを思い起こす作品で、点々と色を置く印象派らしい技法が使われていました。

この辺はノルマンディー地方の断崖を描いた作品なども並んでいました。モネの作品は国内からの出品が大半なので過去のモネ展を観ている方には見覚えある作品が多いと思います。

14 ジョアン・ミッチェル 「紫色の木」
こちらは目の細かい金網のようなものの上に描かれた抽象画で、作者のジョアン・ミッチェルは1960年代に始まるシュポール/シュルファス(支持体/表面)を経て第一線で活動する画家です。黄色、緑、ピンク、オレンジなどの色が重ね合わせたり混じり合ったりしている感じで、モネの技法を発展させているとも解釈できるかな。透明感があって軽やかな印象を受ける作品でした。

この辺にはウィレム・デ・クーニングのアクション・ペインティングによる作品などもありました。1960~70年代頃の抽象画多めです。

8 クロード・モネ 「ヴァランジュヴィルの風景」
こちらは 手前に木立があり奥に海の見える風景画で、対岸には白い崖があるのも見えます。手前にあるヒョロ長い木々の合間から海が見える構図は浮世絵から学んだと考えられるようで、特に葛飾北斎の富嶽三十六景との類似が指摘されているようです。奥行きと日差しを強く感じられると共に、モネのルーツも垣間見られる作品でした。
 参考記事:北斎とジャポニスム―HOKUSAIが西洋に与えた衝撃 (国立西洋美術館)

22 丸山直文 「puddle in the woods 5」 ★こちらで観られます
こちらは ぼんやりとした色彩で木々が立ち並ぶ様子を描いた作品ですが、半ば抽象画のような雰囲気となっています。淡い黄色、ピンク、茶色などが使われ 木の幹の模様が斑点のように表されているのは筆触分割をさらに大胆にした感じです。この隣にはモネの「ヴィレの風景」(★こちらで観られます)も展示されていたのですが、即興的で色を置くような表現がこの作品と共通しているようにも思えました。とは言え、淡い色調なので優しく温かみを感じさせるのが独特でした。

この近くには岡崎乾二郎の非常にタイトルが長い2点の作品もありました。これも東京都現代美術館の好きな作品です。


<Ⅱ 形なきものへの眼差し ― 光、大気、水>
続いては形の無い移ろうものを主題としたコーナーです。モネや印象派は移ろい行く光、大気、水を表現するために様々な技法を新しく作ったので、印象派らしいコーナーとも言えそうです。

29 クロード・モネ 「ジヴェルニー近くのりメツの草原」
こちらは白っぽい緑の草原と、淡いピンクの中に溶け込んだような木々を描いた作品です。全体的に白みがかっていて、光に包まれてぼんやりしている感じの表現となっています。半ば抽象画のような作品で、当時としては先進的だったのではないかと思いました。
 参考記事:【番外編 フランス旅行】 ジヴェルニー モネの家

この辺にはポーラ美術館所蔵のクロード・モネ「セーヌ河の日没、冬」(★こちらで観られます)もありました。
 参考記事:ポーラ美術館の常設

34 クロード・モネ 「チャリング・クロス橋」 (メナード美術館)
こちらはモネがロンドンを訪れた際に描いた作品で、定宿のホテルから見下ろすようにロンドンのテムズ川に架かるチャリング・クロス橋を描いています。全体的に淡いオレンジがかった画面で、霧に包まれている光景となって、橋や遠くの塔の先端(ウェストミンスター宮殿?)もぼんやりしています。しかし、橋の上には煙が立ち上り 水面は光輝いている様子など微妙な色調の違いで表現しているのが見事です。モネは冬のロンドンの霧を好んで描いていて、今回の展覧会でもこちらを含めて3点ほど展示されていました。(山形美術館のクロード・モネ「テムズ河のチャリング・クロス橋」など)

近くにはアルフレッド・スティーグリッツやエドワード・スタイケンによる当時の写真もありました。2人とも印象派をはじめとした絵画の主題を写真に転用した写真家で、叙情的で確かに印象派を思い起こす構図となっています。

47 マーク・ロスコ 「赤の中の黒」
こちらは赤地の中に黒い長方形が描かれたような抽象画です。お互いの色のせいか赤地は明るく 黒地は力強く感じられるのですが、よく観ると赤にもちょっと色の違いがあって、フチはやや濃い目になっています。この色の大胆さと繊細さが同居するような表現はモネのロンドンの連作に通じるものがあるかな。 迫ってくるような色彩感覚でこれはロスコ好きには中々嬉しい不意打ちだと思います。

48 モーリス・ルイス 「ワイン」 ★こちらで観られます
こちらはロスコと同じくアメリカのカラーフィールド・ペインティングで活躍したモーリス・ルイスの作品で、台形を逆さにしたようなモチーフが描かれた抽象画となっています。画布にアクリル絵の具を垂れ流して画布に染み込ませる「ステイニング(滲み)」という技法を使い、大画面に茶色や赤などの帯状のいくつもの色が合わさって縦方向に層のようになっています。この隣にも「金色と緑色」という同様の作品がありましたが、そちらは色合いが異なっていました。いずれも、威厳すら感じられる不思議な作風です。

この近くには松本陽子「振動する風景的画面Ⅲ」もありました。この画家の温かみのある抽象画も好みです。
 参考記事:現代絵画の展望 24の時の瞳 前期:あの頃 (旧新橋停車場 鉄道歴史展示室)

休憩スペースには水野勝規による「photon」と「reflection」(★こちらで観られます)という映像作品がありました。「photon」は水面の光が瞬く様子の映像で、「reflection」は水面に写った木々が揺らめくの映像です。いずれもこの後の章のテーマに相応しい内容かな。真っ先にモネの睡蓮なんかを連想させました。


ということで、前半からモネの作品と共に現代絵画を楽しむような内容となっていました。正直、モネの作品はよく観るものが多くて最高級か?というと微妙ですが、頻繁に行われるモネ展の中では一風変わった趣向で面白い展示です。後半は睡蓮をテーマにしたオマージュなどもありましたので、次回は残りの章をご紹介していこうと思います。

 → 後編はこちら



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【旧朝倉家住宅】の写真

今日は写真多めです。前々回・前回とご紹介した東京都写真美術館の展示を観た後、代官山まで歩いて旧朝倉家住宅を見学してきました。こちらは撮影可能となっていますので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

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【公式サイト】
 https://www.city.shibuya.tokyo.jp/shisetsu/bunka/asakura.html

【会場】
 旧朝倉家住宅

【最寄】
 代官山駅・恵比寿駅・中目黒駅

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この施設は元々は東京府議会議長や渋谷区議会議長を歴任した朝倉虎治郎の邸宅で、朝倉家は享保の頃からの渋谷の大地主で、幕末の頃からは精米業を営んでいた家のようです。 この建物自体は大正8年に建てられ、広い庭園や会議室も備えた立派な屋敷で重要文化財にも指定されています。先述の通り、撮影することもできましたので、詳しくは写真と共にご紹介していこうと思います。

まず入口で入場券を買うのですが、大人はたった100円です! あまり知られていないのか空いていて、むしろ外国人観光客の方々によく会いました。

こちらは敷地内に入ってすぐにある附属屋。車庫として使われていたようです。
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建設当時からあるそうで、大正の頃から自動車に乗っていたというので偉い方だったんでしょうね。コンクリート製の丈夫そうな車庫です。何故か車庫の中には大谷石が置かれていましたが、屋敷の壁に使われていたそうです。
 参考記事:大谷資料館 坑道内の写真

続いては冒頭の写真の主屋に入りました。こちらは洗面所と廊下。
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直線と格子の多い昔ながらの日本の民家と言った趣です。このスッキリした幾何学製が美しい。

続いてこちらは応接間。
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書院造りで違い棚もありました。襖絵や小襖などにも装飾があって格式高い感じ。ここでお客さんを迎えていたようです。

応接間から廊下を観た様子。
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凛とした雰囲気が漂う邸宅です。外の緑もチラッと見えて清々しい。

まだ1階に入ったばかりですが、すぐに2階に上がるルートとなっています。

こちらは階段を上がった所。
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この近くに小部屋が2つありました。お互い繋がっていて使用用途は分かりませんが、控室みたいな部屋かな?

こちらは2階の広間。
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主の朝倉虎治郎が公職についていた時はここで会議することもあったようです。この写真だと分かりづらいですが、格天井となっていて格式の高い部屋となっています。

違い棚のアップ
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流水に扇面散らしという琳派的な襖絵が洒脱な印象となっています。

大広間に面した廊下と、そこから見える光景
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庭や建物が見えて清々しい雰囲気でした。

2階はここまでで、再び1階に戻りました。階段は2箇所あるようです。

こちらは中庭の様子と土蔵の入り口
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残念ながら中庭の向かいや土蔵は非公開エリアとなっています。中庭があるお陰か、屋内にいても明るくて 真夏なのに涼しい風が吹き抜けていきます。

こちらは杉の間と呼ばれる2つの部屋。
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数寄屋風の座敷で、特に右側の板張りの所に特徴があります。

板張り部分のアップ。踏み込み床という床の間で、松の一枚板を使用しています。
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この太さが一枚板と考えると、相当大きな松が使われたんでしょうね。

杉の間の隣には4畳半くらいの茶室もありました。
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中には入れませんが、立派な茶室です。

杉の間からは庭の緑がよく見えます。
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この庭園は時期によって様々な花が咲くようです。公式サイトには花ごよみも載っています。

こちらは杉の間のひさしの部分。
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幾何学的に組み合う様子が非常にリズミカルです。見つけて嬉しくなるポイントでしたw

杉の間から再び入口の方へと引き返す途中、仏間から縁側が見えました。
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この建物で一番美しかったのはここからの眺めじゃないかな。

こちらは仏間にあった引き戸の装飾。
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パッと観て河童か?と思いましたが河童ではないですw 八部衆の迦楼羅でした。阿修羅展で観た乾漆像を思い出しました。
 参考記事:
  阿修羅 天平乾漆群像展 (興福寺仮講堂)奈良編
  国宝 阿修羅展 (東京国立博物館)

続いては第一会議室(中の間) ここは洋間となっていました。
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中央官庁渋谷会議所として使われていた頃に洋風の会議室に改造されたようです。

第一会議室からの眺め。
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ここから庭をじっと見ていたのですが、時間がゆっくりと過ぎていく感覚でした。窓枠と景色がまるで額縁に入った絵のような世界です。

こちらも第一会議室からの眺めで、先程の仏間のほうを観た様子。
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この庭園は玄関前の前庭・主庭・中庭(坪庭)の3つに大別できるようで、主庭からは目黒川や富士山、田園風景も観られるようになっていたようです。今でも十分美しいですが、当時の風景が観てみたいですね。

入口付近に戻ってきて、こちらは洋間。
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この洋間は来客や執事の事務のスペースだったようです。家具がないのでガランとした印象。床張りなだけでなく、窓も上げ下げする洋風となっています。

こちらは内玄関。
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勝手口みたいなものかな。

建物は以上で、続いて庭園を散策してきました。結構広いです。

こちらが庭園の入り口
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この日は緑一色でしたが時期によっては花が咲いたり紅葉するみたいです。

先程の第一会議室を庭から観た所。2階の広間も見えています。
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日本家屋の美しさが凝縮されているような空間です。外国人の方たちはここの魅力に気づいているようで、写真を撮りまくっていましたw 代官山でアクセスも良いし、まだまだ人気が出そうなスポットです。

この先、アップダウンのある庭となっています。

こちらは入れなかった土蔵。
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関東大震災で外壁が崩落したらしく、今は鉄筋コンクリート造となっています。中々重厚な作りに見えました。この土蔵の裏あたりに裏門があるので、そこから出て見学終了となりました。


ということで、代官山の一等地にある大きな屋敷を堪能してきました。非常に静かで、蒸し暑い日だったのに涼風が感じられたのも良かったです。古き良き日本の建築を楽しむことができるので、建物好きの方は是非チェックしてみてください。


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TOPコレクション たのしむ、まなぶ イントゥ・ザ・ピクチャーズ 【東京都写真美術館】

前回ご紹介した東京都写真美術館の展示を観た後、3階に移動して「TOPコレクション たのしむ、まなぶ イントゥ・ザ・ピクチャーズ」も観てきました。

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【展覧名】
 TOPコレクション たのしむ、まなぶ
 イントゥ・ザ・ピクチャーズ 

【公式サイト】
 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3050.html

【会場】東京都写真美術館
【最寄】恵比寿駅

【会期】2018年5月12日(土)~8月5日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
こちらもお客さんは結構いましたが快適に鑑賞することができました。

さて、こちらの展示は東京都写真美術館が誇る34,000点以上の写真コレクションの中から「たのしむ、まなぶ」をテーマに古今東西の名品が並ぶ内容となっています。キャプションがほとんどなくて作品の隣には番号しかないようになっていたのですが、これは写真を観て自分がどう感じるか、何が見えてくるかを重視する趣向のようです。構成は題材ごとに7つの章に分かれていましたので、各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。


<1.まなざし>
まずは被写体となった人の視線が気になる作品のコーナーです。

1 ロベール・ドアノー 「ピカソのパン」 ★こちらで観られます
こちらはピカソを撮った有名な作品で、ピカソはテーブルに向かっていて、そこにはパンが置かれています。このパンが大きな指のように見えるのが面白い趣向です。ピカソは何故か右の方に視線を向けていて、何かを見つめているのかな? この写真は小学生の時に初めて観て、パンがでっかい手のように見えるのがちょっと不気味に思えたのですが、大人になって観るとピカソの作風(特に新古典主義の時代)の特徴も上手く取り込んでいるように思えました。

6 荒木経惟 「センチメンタルな旅より」
こちらはアラーキーの新婚旅行の時の写真で、新幹線の中で水玉の服の女性(奥さん)がじっと何かを見つめている様子が撮られています。視線の先が非常に気になる…w 何気ない日常を覗き込んだ感じもしますが、その鋭い眼光のせいか奥さんは芯の強そうな印象を受けました。
 参考記事:
  荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017- (東京都写真美術館)
  荒木経惟 写狂老人A (東京オペラシティアートギャラリー)

この近くには藤田嗣治を撮った写真もありました。

5 ウィリアム・クライン 「クリスマスの買い物、メイシーズ付近、ニューヨーク、1954年」
こちらニューヨークの人々が行き交う様子が撮られた作品で、3~4人のサングラスの婆さんたちがこちらをじっと伺うように観ています。目はサングラスで見えないけど、いぶかしげに観ているような…w それも3~4人もいると中々の圧を感じて面白かったです。
 参考記事:写真都市展 -ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち- (21_21 DESIGN SIGHT)

この近くにあった森山大道「新宿#4.5118」という作品は狭い壁の間で3匹の猫が一斉に振り返った様子が可愛かったです。


<2.よりそい>
続いては主にポートレートのコーナーです。

25 植田正治 「<童歴>より」
こちらは子猫を猫つかみしている少年を撮った作品です。少年は笑顔で立っていて、子猫もキョトンとした顔をしているのが非常に可愛らしいです。いずれも無垢な雰囲気で、素朴な幸せが感じられる作品でした。童歴の作品を観るのも久々だったので嬉しい限り。
 参考記事:
  植田正治写真展 写真とボク (埼玉県立近代美術館)
  生誕100年!植田正治のつくりかた 感想前編(東京ステーションギャラリー)
  植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ -写真であそぶ- (東京都写真美術館)
  
31 ダイアン・アーバス 「一卵性双生児、ローゼル、ニュージャージー州、1966」
こちらは白いヘアバンドに黒い服を着た双子の女の子を撮った写真です。一卵性双生児なのでよく似ていますが、よく観ると右の子はハツラツとした表情の一方で左の子はやや怪訝そうに見えるかな。眉と髪型のちょっとした違いでそう感じられるのが面白かったです。それにしても双子の女の子の写真を観るとシャイニングの双子を思い出してしまいます…w(完全にトラウマです)


<3.ある場面>
続いてはちょっと変わった光景などを撮った写真が並ぶコーナーです。

61 W.ユージン・スミス 「楽園への歩み <ファミリー・アンド・フレンド>より」 ★こちらで観られます
こちらは葉っぱでトンネルみたいになった所から出ていく幼い兄妹の後ろ姿を撮った写真です。お兄ちゃんの手に捕まって慎重に進んでいるように見えるかな。ちょっと異世界から抜け出すような光景に見えて、小さいけど勇気を持って踏み出すような印象を受けました。

38 奈良原一高 「トイレット <消滅した時間>より」
こちらは岩だらけの砂漠の真ん中に立つ縦長の個室トイレを撮った写真です。MENと書かれていて1人の男性がそこに近寄っていく様子となっています。こんな砂漠に何故トイレ?というシュールさが面白く、背景とミスマッチした感じが印象に残りました。

40 エリオット・アーウィット 「ヴェルサイユ、フランス」
こちらは多くの絵画が並ぶ部屋の中を撮った作品で、何故か絵のない額縁の前に3人の人物が並んでじっとそれを観ています。額縁の中には張り紙のようなものがあるので、それを観ているのかな? 周りにはちゃんとした絵もあるのに絵のない所にお客さんが集まっているのが不思議で気になりました。 こういて野次馬は集まっていくのだろうか…w たまに貸出中の作品とかこんな感じにしてある美術館もあるので、それを想像させました。
 参考記事:【番外編 フランス旅行】 ヴェルサイユ宮殿


<4.会話が聞こえる、音が聞こえる>
続いては写真の中から会話や音が聞こえそうな作品のコーナーです。

73 ダイアン・アーバス 「ユダヤ人の巨人とその両親」
こちらは背を屈めていないと天井に頭が付きそうな若者と、その両親らしき夫妻が向き合って何かを話している様子を撮った作品です。若者は杖で体を支えているので、巨人症みたいな体質の問題で大きいのかもしれません。それを見上げる夫人はちょっと驚いたような顔をしていて、感嘆が聞こえてきそうな感じでした。

62 田沼武能 「浅草寺 賽銭箱をのぞく子供<東京 下町Part1 No.5>より」
こちらは恐らく浅草寺に初詣に来た様子を撮ったものだと思います。浅草寺の賽銭を投げ入れる所(賽銭箱ではなく賽銭エリアになっている)を柵の上から沢山の子供がじっと見ている様子が撮られていて、目線の先の沢山のお札のお賽銭を数えているのかも…。 その気持は痛いほど分かるw 大人でも気になるくらいのお札の集まり具合で、凄い!という子どもたちの心の声が聞こえてきそうでした。


<5.けはい>
続いては人は写っていないけれども人の存在を感じさせる作品のコーナーです。

90 北井一夫 「フナバシストーリーより」
こちらは団地のキッチンらしき所を撮った作品で、昭和っぽい雰囲気が漂います。所狭しと食器や台所用品が並んでいるのですが、雑多で片付いていないので生活感溢れています。住人はいないのですが、このキッチンを観るだけで住人の気質まで伝わってくるような写真となっていました。

この近くには植田正治の「小さな工場」もありました。UFOみたいな形の工場の写真です。

98 小畑雄嗣 「池田 <二月>より」
こちらは大きな観覧車を背景に、雪が壁のようになっている道を撮ったカラーの作品です。人っ子一人いない寂しい雰囲気と観覧車のミスマッチが面白くてシュールさと共に、逆に春になれば人が来るのではないかという気配を感じさせました。

87 アンドレ・ケルテス 「パリの椅子、1927年、パリ」
こちらは細い金属製の椅子が広場に無数に置かれた様子を撮った作品です。奥に1人だけ足早に歩いている様子が写っていますが、椅子に座っている人の姿は無くガランとしています。しかし微妙に向き合うようになっていたりして、普段はここで沢山の人が会話を楽しんでいる名残があるように思えました。寂しいようで想像力を掻き立てる作品です。
アンドレ・ケルテスは古本屋めぐりをして写真集を買い集めているくらい大好きな写真家ですので、是非とも個展を開催して欲しい…


<6.むこうとこちら>
こちらは撮るものと撮られるものの関係性などをテーマにした作品のコーナーです。

104 NASA 「ミッション:アポロ(サターン)14号」
こちらは月面にアメリカの国旗を突き立てて記念撮影している宇宙飛行士が写った写真です。手前には影があって、撮影者の存在を感じるかな。強い明暗からは地球とは異なる月面の環境の様子も伝わってくるようでした。

108 アンリ・カルティエ=ブレッソン 「ニューヨーク、アメリカ」 ★こちらで観られます
こちらはガラスの向こうで笑っている帽子にメガネの紳士と、ガラスの反射でニューヨークの町並みが写っている様子が撮られています。手前には2人の男女も反射に写っていて、どうやら船からニューヨークを望む場面のようです。反射を使って夢をもたせるようなニューヨークの建物の大きさや、それを観る各人の心境などを1枚で表現しているのが凄い視点でした。
 参考記事:マグナムを創った写真家たち~キャパ、カルティエ=ブレッソン、ロジャー、シーモア~ (FUJIFILM SQUARE フジフイルム スクエア)

この辺は影や反射で撮影者の存在を感じる作品がいくつかありました。


<7.うかびあがるもの>
最後は写っていない何かが浮かび上がってくるような写真のコーナーです。

128-141 中平卓馬 「<日常>より」
こちらは2枚ずつ一見するとお互い無関係の写真がセットになって展示されている作品です。庭木 と シマウマ、象 と ベンチで寝る人、ライオン と ベンチで寝る人 など、それぞれ対になっているのは何かの隠喩なのか?と考えてしまいます。一方で、雨の道を走る自転車 と 洋食屋のショーウィンドウ の組み合わせは、雨が降って急いで洋食屋に向かっているのかも?というストーリーを想像させました。色々考えさせてくれる面白い趣向の作品です。

118-127 ルイジ・ギッリ 「モランディのアトリエ」
こちらは観た瞬間にモランディのアトリエだと分かるくらいモランディの絵そのものといった感じの写真です。モランディの静物に使われたモチーフなどは思った以上に忠実なようです。また、背景を くすんだ茶色にするために紙を貼っていた様子など、制作過程も伺えたのも良かったです。


ということで、豪華な面々の代表的な作品が並ぶ贅沢な内容となっていました。鑑賞者同士で話すのも推奨されていたので、それぞれの写真を観てどう思うか意見交換するのも楽しいかもしれません。まさに写真を楽しむと共に学べる内容なので、写真好きのみならず幅広い方にお勧めできる内容でした。

ちなみに写美の1階にあるカフェ メゾン・イチで2018年8月5日(日)まで「ピカソのパン」を販売しているようです。この日は普通にパイとケーキを食べましたが、メゾン・イチは何でも美味しいので写美に行ったら毎回寄りたいお店です。
 参考記事:メゾン・イチ 東京都写真美術館内のお店(恵比寿界隈のお店)



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内藤正敏 異界出現 【東京都写真美術館】

この前の日曜日に恵比寿の東京都写真美術館で「内藤正敏 異界出現」を観てきました。

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【展覧名】
 内藤正敏 異界出現

【公式サイト】
 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3052.html

【会場】東京都写真美術館
【最寄】恵比寿駅

【会期】2018年5月12日(土)~7月16日(月・祝)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
お客さんは結構いましたが、快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は異色の写真家とされる内藤正敏 氏の50年を振り返る個展となっています。初期は化学反応で生まれる現象を接写してSF的な作風となっていましたが、山形県の湯殿山麓で即身仏を観て以降、60年代後半から80年代にかけては主に東北地方で民間信仰をテーマにした作品を発表していきました。また、自らの写真に触発されて民俗学研究も手がけ、日本文化の思想体系を発見して研究論文を発表するなど写真に留まらない活躍をしています。さらに90年代以降はそうした研究と想像力を融合させて修験道の霊山を撮った「神々の異界」を手がけるなど、精力的に活動しているようです。展覧会は時期やテーマによって章分けされていて非常に点数が多かったので、章ごとに簡単にその様子をご紹介していこうと思います。


<初期作品>
まずは初期作品のコーナーです。ここにはSF小説の表紙にも使われた未来的な雰囲気の作品が並んでいました。

ここにはまず「トキドロレン」という時間泥棒連合という意味の作家の造語の作品があり、絵の具が混じり合うような感じで人の形になった写真とは思えないようなものがありました。エイリアン的な感じでちょっと不気味です。この辺にはそうした作風の化学反応を接写したような技法の作品があり、コラージュしたのか他の物体と一緒になっているものもあります。「キメラ」という作品なんかは暗闇の中に目がある表現で、バックベアードかハガレンのお父様みたいな…w 中々シュールで先進的な印象を受けます。 こうした作風はSF小説の表紙にも使われたようで、少し進むとSF小説が並んでいました。有名所では小松左京やレイ・ブラッドベリ、アーサー・クラークなんかもあって、名作揃いです。

<北海道開拓写真の発掘>
続いては北海道の開拓の様子を撮った写真のコーナーで、ここは4点のみです。これは内藤正敏 氏が撮ったものではなく武林盛一という写真家が1870~80年頃に撮ったもので、厳しそうな開拓風景が並びます。木材を運ぶ汽車など当時の様子がよく伝わるかな。内藤正敏 氏は写真の100年展の編集委員を務めた際にこの北海道開拓の写真について雑誌に載せたそうです。近未来的な作風の写真家だった人がこうした作品を研究するというのがちょっと意外に思えました。

<即身仏>
続いては運命の出会いとも言える即身仏の写真のコーナーです。内藤正敏 氏はこの出会いでSF写真をやめて民俗写真に切り替えたので、よほど衝撃を受けたのだろうと思います。ここにはミイラの顔のアップの白黒写真が並び、細かい陰影まで表されています、1体だけでなく複数体あって、厳かさというよりは強烈に訴えて来るような表情が確かに衝撃的です。写真家が感じたものが伝わってくるような力強い説得力がありました。

<東北の民間信仰>
ここからは主に東北の民間信仰をテーマにした作風となっていました。この章は3点のみで、「竈神 岩手県東和町」(★こちらで観られます)という作品は かまどの神様の顔らしきギョロっとした面のアップ写真となっています。ざらついた表面をしていて、岩のような質感です。シャーマニックな雰囲気もありプリミティブな力強さが印象的でした。題材自体がパワフルだけど表現方法がそれを倍増させているのがよく分かります。

<婆バクハツ!>
こちらは恐山のイタコ信仰をテーマにした写真シリーズです。イタコの婆さん達が顔を連ねた「お籠もりする老婆 高山稲荷」(★こちらで観られます)を筆頭に、生き生きとして まさに爆発するようなエネルギッシュなイタコたちの写真が並びます。入れ歯だらけで盲目で異形にも見える表情は山姥でも出たんじゃないかってくらいインパクトがありますw イタコで降霊しているシーンや、輪になっている様子など 独特の儀式も撮られていて民俗的な観点からも面白い作品じゃないかな。かなり高齢の婆さん達たちからこんなに力強い作品が撮れるというのには驚かされっぱなしでした。

<東京 都市の闇を幻視する>
こちらは1970~85年にかけて東京のアンダーグラウンドと言えるような場所を撮ったシリーズです。東京を歩いていると所々に江戸に通じているように感じたそうで、異界への入口の魅力として 狂ったような東京や帰る故郷の無い吹き溜まりなどを撮っています。ここには誰もいない街角をちょっと不気味な雰囲気で撮った作品や、はしゃいでいる若者、怪我して保護される人、街中で呑んだり寝ている浮浪者などを撮った作品が並びます。撮られた人は大概貧しそうに見えて駄目人間っぽさも漂っていますが、浮浪者の中には心底楽しそうな表情をしている人もいました。良くも悪くも、ありのままをさらけ出した人たちばかりなのかも。これも人の奥底まで捉えたような作品でした。

<遠野物語>
こちらは柳田国男の『遠野物語』を辿って訪れた岩手県の遠野を撮ったシリーズです。祭り、カッパ淵、墓、曲がり屋、神社、町の人々、面をかぶる人、遺影など、妖怪や風俗・宗教に纏わるモチーフが写し出されています。遠野物語の世界観に寄せているのか分かりませんが、ここでも信仰と人々が密接に関わっている様子が伺え、それが大切にされているのも伝わってきました。現実世界でありながら神秘的な雰囲気もあるシリーズです。
 参考記事:遠野の写真 (番外編 岩手)

<出羽三山>
こちらは修験道で名高い羽黒山、月山、湯殿山の出羽三山をテーマにしたシリーズです。(この辺からカラーもあったかな) ここでは仮面や仏像の顔をどアップで撮った作品などがあり、それらは剥落していたり やたらとリアルな面だったりします。私もこうした仏像等はよく観る方ですが、実物でもこれだけエネルギーが詰まった感じを受けることは それほど無いので、写真によって面の持つ力を引き出しているのだと思います。目をカッと見開いている顔が多いのも理由の1つかな。ここにも即身仏の写真があって、内藤正敏 氏の作風が凝縮されたような濃いシリーズでした。

<出羽三山の宇宙>
こちらは先程の出羽三山の写真と他の写真をコラージュしたようなコーナーです。炎を背景にした仏像や、地球を背景に仏像の目から上だけ撮った「びんずる尊と羽黒鏡、海向寺、出羽三山神社」(★こちらで観られます)など、一種異様でシュールさもありつつ、一層力を増すような表現となっていました。

<神々の異界>
こちらは信仰の対象となっている地を撮ったシリーズで、自然を撮った作品が多いかな。富士山から観た光景を星の軌跡と共に撮った写真(★こちらで観られます)や富士山頂の神秘的な光景を撮った作品が並びます。中には珍しいブロッケン現象(人に後光が差しているような山の現象)を撮ったものなどもあり、自然の神秘や不思議さ、畏敬の念などが込められているようでした。

<戦慄-東北芸術工科大学「内藤正敏の軌跡」展より 2004年>
こちらは2004年に開催された回顧展で使った大型プリントの写真が並んでいました。ここまで観てきた作品が順不同で並んでいる感じです。(いくつかここまでには無かった作品もあったかな) 大判で独特の世界観が迫ってくるように感じられて、ここだけで1つの展覧会が開催できるくらいの個性的な作品ばかりでした。

<聖地>
このコーナーはちょっとどの作品だか失念。リスト上では1点のみです。


ということで、民間信仰や都市のアンダーグラウンドなどまさに異界と言えるような世界観の作品が並んでいました。民俗的でエトスが凝縮されているので、強烈な印象と共に日本らしさも感じられると思います。もうすぐ終わってしまう展示ですが満足度高めだったので写真好きの方におすすめです。


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アートアクアリウム展2018 & ナイトアクアリウム 【日本橋三井ホール】

今日は写真多めです。先日、平日の会社帰りに三越前駅から直結のコレド室町1の中にある日本橋三井ホールで「アートアクアリウム展2018 & ナイトアクアリウム」を観てきました。この展示は撮影可能(動画不可)でしたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

【展覧名】
 アートアクアリウム展2018 & ナイトアクアリウム 

【公式サイト】
 http://artaquarium.jp/

【会場】日本橋三井ホール
【最寄】三越前駅

【会期】2018年7月6日(金)~9月24日(月・祝)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適
  ※7/9(平日)の19:30です。混雑予想は後述します

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_4_⑤_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
私が行ったのは会期が始まったばかりの平日の夜だったこともあって空いていて快適に鑑賞することができました。この展示は毎年やっていますが、土日や金曜の夜は混む傾向にあります。特に夏休みに入るとビルの外まで行列していた年もあったので、タイミングによっては激混みになることも予想されます。 平日でも結構夜遅くまでやっているので、狙い目は平日の夜じゃないかな。都心で働いている方は会社帰りに寄るというのも手だと思います。

さてこの展示は先述のように毎年恒例となった金魚のアクアリウムで、日本の伝統芸能もモチーフにしつつインスタレーション的な感じの見せ方が特徴となっています。今年のコンセプトは「真の日本」ということで、何のことだろうと思いましたが、展示自体はいつもとあまり変わらなかったような…w 一応、今年は新作が1つあったり金魚の種類が分かるような展示が復活しているなど、昨年との違いはあったかな。詳しくは写真を使ってご紹介していこうと思います。なお、この展示は時間ごとに呼び名が違うようで私が行ったのはナイトアクアリウムの時間帯でした。(夜はイベントとかお酒の販売があります)

参考記事:
 アートアクアリウム展2017 & ナイトアクアリウム (日本橋三井ホール)
 アートアクアリウム展2013 & ナイトアクアリウム (日本橋三井ホール)
 アートアクアリウム展2012 & ナイトアクアリウム (日本橋三井ホール)
 スカイ アクアリウム2011 (森アーツセンターギャラリー)
 スカイアクアリウムⅢ (TOKYO CITY VIEW)

入口から大部屋に伸びる廊下に早速 今回の新作が展示されていました。
DSC00565.jpg
これは天井を撮ったもので、「天井金魚」という作品のようです。時間の経過で色が変わっていくのが特徴で、幻想的な雰囲気の廊下となっていました。

こちらは屏風風の水槽。背景の映像も変わっていきます。
DSC00314_2018071100015191b.jpg
以前は風景なんかを写していましたが、今回はより抽象的な感じになったかな。淡い色彩のほうが涼しげな雰囲気に思えます。

屏風の下の水槽を覗くとこんな感じ。
DSC00326.jpg
様々な種類の金魚が泳いでいます。この金魚たちは1匹1匹大事にされているのだとか。光と音でストレスにならないかと毎年心配していたのですが、ちゃんと管理してるみたいです。

こちらは手毬をイメージした「手毬リウム」
DSC00568.jpg
ちょっと擦りガラスみたいになっていてアップが撮りづらかったですが、中には割と大きめの金魚が元気よく泳いでいました。

今回のメイン会場の雰囲気はこんな感じ。今回は今までで最も空いているタイミングで観られましたw
DSC00401_20180711000358e2a.jpg
お馴染みの水槽が並んでいて、すっかり定番化したように思います。

こちらは「超花魁」という作品。毎年恒例の「花魁」のパワーアップ版のようです。こちらも色が変わっていきます。
DSC00341_20180711000154517.jpg DSC00350_201807110001569d9.jpg
具体的には規模が3倍になったそうで、確かに大きくなった感じがします。会場でも特に目を引く作品です。

この辺の壁には切子が壁に嵌め込まれていました。
DSC00360_20180711000157129.jpg
こういう和テイストの演出がこのアートアクアリウムの特徴といえます。

こちらは「キリコリウム」という江戸切子をモチーフにした作品。
DSC00364.jpg
非常に豪華な印象を受ける台座となっています。水槽は上の方にある鉢の部分となります。

キリコリウムの鉢の中はこんな感じ。
DSC00365.jpg
ほっぺたが膨れた可愛い金魚がいました。水槽の色ともマッチしています。

こちらは「プリズリウム」という作品。ダイヤモンド状の形となっています。
DSC00370_20180711000202497.jpg
こちらも毎年定番の水槽で、色の移り変わりが楽しめます。

今回驚いたのはこちら。
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なんと、金魚じゃなく錦鯉がいましたw まあ似たようなものかもしれませんが…w

こちらは作品名がわかりませんが、水槽を段々に並べた作品。
DSC00380.jpg
これは水槽ごとに違う金魚がいて、割と見やすいのが良かったです。

続いて奥の小部屋へと進んでいきました。奥はこんな感じ。
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両脇に金魚の種類別の展示があり、中央には「九谷金魚品評会」という九谷焼に入った金魚がいます。

こちらはブロードテール琉金という金魚
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名前の通り太い尻尾が特徴で、ちょっと熱帯魚みたいな形に見えるかな。

こちらは丹頂
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真っ赤な鶏冠のような頭部が特徴的です。たまにリーゼントみたいな形のもいて面白いw

こちらは らんちゅう
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これも頭がモコモコした感じかな。変わった形をしているので、この辺は記憶に残っていました。

こちらは地金
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銀色の部分が多めの金魚なのかな? 赤い部分のほうが少ないように見えます。

こちらはオランダガシラ
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結構大型で、ゆっくりと泳いでいて優美な雰囲気でした。中々貫禄があります。

こちらが九谷焼の器を金魚鉢にしたもの
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スッキリとした形で、器も涼しげな印象を受けます。

九谷焼の中はこんな感じ。
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この金魚の種類はわかりませんでしたが、本当に金色がかっていてヒレも大きく豪華な雰囲気です。

こちらは「床掛け金魚飾り」という作品。金魚は掛け軸の中にいます。
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ちょっと金魚が遠くて見づらいですが、日本の文化をデフォルメしたような空間となっています。

こちらは「カレイドリウム」という作品。
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万華鏡をイメージしていて、側面に三角やひし形の窓のようなものがあります。

「カレイドリウム」のアップ。この三角で万華鏡のようになるはずなのですが、特に無くても綺麗かなw
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敷き詰めたビー玉が一層色鮮やかに見せているように思えました。

最後に、バーカウンターがありました。
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19時以降はお酒を飲みながら鑑賞することができるようです。また、日によってはライブイベントなんかもあるようです。


ということで、今年も概ね例年通りの内容となっていました。日本文化をステレオタイプ化しているような気もしますが、非常に華やかな演出となっているので 多くの人が綺麗で幻想的な光景を観ることができる内容だと思います。撮影したりお酒を飲んだりと人それぞれの楽しみ方もあるんじゃないかな。日によっては混雑も予想されますので、お出かけの際は時間に余裕を持っていくと良いかと思います。


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近代洋画の先駆者浅井忠7-浅井忠のドローイング- 【千葉県立美術館】

ここ1週間ほど千葉の展示をご紹介してきましたが今回で最終回です。前々回・前回の千葉県立美術館の展示とセットになっていた「近代洋画の先駆者浅井忠7-浅井忠のドローイング-」という展示を観てきました。

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【展覧名】
 明治150年記念 近代洋画の先駆者浅井忠7-浅井忠のドローイング- 

【公式サイト】
 http://www2.chiba-muse.or.jp/www/ART/contents/1523866842940/index.html

【会場】千葉県立美術館 第3展示室
【最寄】千葉みなと駅

【会期】2018年4月21日(土)~7月8日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。この展示も既に終わっていますが、今後の参考になると思いますので記事にしておこうと思います。

さて、この展示は明治時代に洋画の先駆者として活躍した浅井忠についてで、下絵やドローイングを集めた内容となっています。浅井忠はバルビゾン派に影響を受けたアントニオ・フォンタネージに本格的な西洋画を学び、同級生の仲間を中心に日本最初の本格的な美術団体「明治美術会」を設立し、後に東京美術学校の教授にもなっています。教授就任の後にはパリやバルビゾンにほど近いフォンテーヌブローやグレーを訪れ、明るい色彩で季節感豊かな作品を残しました。パリではアール・ヌーヴォーにも触れ、自らも装飾活動に取り込むようになったそうです。この展示はそうした洋画と共に、日本画や工芸図案、挿絵、大津絵など様々な作品のドローイングが並んでいました。6つの章に分かれていましたので、簡単に各章ごとにご紹介していこうと思います。


<1 最初のドローイング>
確認されている浅井忠の最初のドローイングは10歳前後の頃に日本画の指導を受けて描いた作品で、当時は「槐庭(かいてい)」という号だったようです。ここはその時代のコピーが展示されていました。

1 浅井忠 「槐庭時代画帳」 ★こちらで観られます
こちらは佐倉藩の御用絵師 黒沼槐山の指導の一環として描かれた作品です。と言ってもコピーで、絵葉書サイズの18枚ありました。松竹梅や小動物など簡潔に描かれていて、大人なら上手いというほどでもないとは思いますが、10歳の作品とは思えない程の完成度です。既に情趣ある表現となっているのは高い才能を感じさせました。ちなみに浅井忠は子供の頃から温厚で高い人格を持っていたようで、絵の才能も抜群だったそうです。黒沼槐山も敬慕の念を持って接し、もはや教えることは無いと人格も才能も評価していたのだとか。


<2 西洋画家としてのドローイング>
続いては上京してから本格的に西洋絵画を学び、活躍していった時期のドローイングのコーナーです。

3 浅井忠 「曳舟通り」 ★こちらで観られます
こちらは冒頭のポスターにもなっている作品です。かなり緻密に描かれたデッサンで、用水路のような細い川沿いの家と そこを行く舟や馬が描かれています。長閑な光景を線と濃淡で表現していて、写実的でありながらも情感溢れる作品となっていました。ペンなのでやり直しがきかない中でこれだけの作品が描けるのは高いデッサン力があった為だと思います。

6 浅井忠 「スケッチブック(7)」
こちらは従軍した際に描いた「金州城南門外」の下絵となったスケッチで、堅牢な城壁と橋を渡って入城する軍隊らしき人々が描かれています。これも簡潔な描写ですが、かなりその場の様子が伝わってきて、少ない線で表現する力量が伺えます。ドローイングだからこそ作者の実力がよく分かるように思えました。

この他にも同様に従軍画家として朝鮮半島に訪れた時のスケッチがありました。 また、在学中の作品や、房総半島へ写生旅行に行った際の作品、フランス留学中のスケッチなどもあり、結構幅広い時期のコーナーでした。


<3 墨と筆によるドローイング>
続いては墨によるドローイングのコーナーです。洋画家のイメージがある浅井忠ですが、幼少期に日本画の指導も受けていたので、墨によるドローイングも身近な技法だったようです。ここには意外な作品が並んでいました。

9 浅井忠 「田植之図」
こちらは「明治美術会」を立ち上げた年に描いたものですが、洋画家としてのスタートと相反して日本画風の掛け軸となっています。笠を被って田植えをしている人々が簡略化して描かれ、雨が降っているようで上から薄っすらと黒い線が刷毛で塗られています。人がジグザグに連なっていて、農夫の1人は立ち止まってじっと田んぼを観ているような仕草が目を引くかな。奥に行くほど うっすらと霞むようで奥行きも感じさせました。湿気が感じられるような叙情的な作品です。

11 浅井忠 「虎図」
こちらは7幅セットで並んでいました。所々破れたりしていて、描きかけのものも多々あります。描かれているのはいずれも虎なのですが、中にはヒョウみたいに見えるのもいましたw いくつも虎のスケッチを描いていて、仙人みたいな人(豊干禅師?)の顔の下書きもいくつも描かれています。(生首みたいに首だけいくつも並んでいますw) 何度も構想を練りながら描いている推敲の様子が伺えるかな。ドローイングはインスピレーションを直に観ることができるという楽しみ方があるのですが、これは制作過程がつぶさに観られた気がしました。

その先には小さめのスケッチが並んでいました。

15 浅井忠 「山賊(4人)」
こちらはタイトル通り4人の山賊が描かれた作品で、座って休んで話し込んでいる様子となっています。槍や剣を持っていて、出で立ちはステレオタイプなコテコテな山賊に見えますw 戯画的な感じもあり、やや漫画チックです。解説によると、これは実際にモデルを観ながら描いたのではなく、経験則で色々なポーズで描いているのだとか。何だか洋画の浅井忠のイメージとはだいぶかけ離れた雰囲気に思える作品でした。

この近くには「大津絵」というタイトルもあったので大津絵も研究していたのかも (大津絵とは、江戸時代にお土産として描かれたゆる~い戯画みたいな絵のことです)


<4 挿絵でのドローイング>
続いては挿絵に関するコーナーです。浅井忠は小説や旅行記の挿絵も手がけていたようで、特にフランス留学中に同宿だった国文学者 池辺義象とは度々共演していたようです。

22 浅井忠 「浅井忠 画 池辺義象 歌」
こちらが池辺義象と共演した作品で、4曲1双の屏風となっています。1曲ごとに絵と歌がセットになっていて、それぞれにウサギ・犬・馬・牛・人などが描かれ歌に合わせた内容となっているようです。こちらは簡潔かつ軽やかな表現となっていて、情趣ある作品となっていました。解説によると、人物や動物たちはほとんどが向こう側を向いていて、主題の歌よりも目を引かないように配慮されているとのことでした。そんなさりげない気遣いができるなんて、確かに人格者だったんでしょうね。


<5 装飾のためのドローイング>
こちらは1点だけでした。前述のようにフランス留学中に浅井忠は装飾美術にも興味を持ったようで、特に壁画に関心を持ったようです。ここには壁画装飾で最も注力した皇太子のためのタペストリーの下絵が展示されていました。

24 浅井忠 「武士山狩図下絵」
こちらが先述の作品の下絵で、下絵でも大型となっています。鷹狩のような格好で騎馬した3人と3頭の馬が描かれ、武士は弓を持って遠くを観ているようです。線で描かれたラフな下絵ですが、馬が連なっているためか動きが感じられます。解説によると、これは白描画とよばれる墨と筆だけで線を基調に描いたもので、油彩画を元にタペストリーとして織られる過程で、作品の主題が損なわれないように油彩とタペストリーの中間的なものとして調整のために用意したのではないかとのことでした。


<6 工芸品のためのドローイング>
最後は工芸品の為のドローイングのコーナーです。浅井忠は帰国後に京都に新設された京都高等工芸学校の教授となって、染色科でドローイングと、図案科で図画実習・図画描法を指導していたようです。陶芸図案では京都の陶芸家と交流し、自らも図案の研鑽もしていたらしく ここにもその交流を伺わせる作品が並んでいました。

25 浅井忠 「向付皿」
こちらは清水焼の清水六兵衛の原型に浅井忠が絵付けした作品です。長方形をズラして重ねたような形の5枚の器に、百合・鹿・鶏・アヒル・雁などが簡潔に描かれています。割とゆるい雰囲気があってどことなく尾形乾山を思い出すかな。墨一色ですが、黒を効果的に使って味わい深い作品となっていました。


ということで、浅井忠のドローイングを通じて様々な活動の様子を知ることができました。浅井忠は洋画のイメージが強かったので、結構意外な作品が多かったかも。もう終わってしまった展示ですが、今後の美術鑑賞に役立ちそうな内容でした。



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