関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

子どものための建築と空間展 【パナソニック 汐留ミュージアム】

前回ご紹介した展示を観る前に汐留のパナソニック 汐留ミュージアムで「子どものための建築と空間展」を観てきました。

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【展覧名】
 子どものための建築と空間展

【公式サイト】
 https://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/19/190112/

【会場】パナソニック 汐留ミュージアム
【最寄】新橋駅/汐留駅

【会期】2019年1月12日(土)~3月24日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
子供連れが多くて場所によっては人だかりができるくらいの混雑具合でしたが概ね自分のペースで観ることができました。

さて、この展示は明治から現代に至るまで 学校などの子供を対象にした建築をテーマに、模型・設計図・写真が並ぶ内容となっています。思ったよりも模型が少なく、写真や設計図が中心なので あまりピンとこないものもありますが、建築だけでなく子供の教育に関する考え方の変遷なども観ることができました。6章構成で時代順となっていましたので、各章ごとに簡単に振り返ってみようと思います。


<1.子どもの場の夜明け 明治時代>
まずは明治時代のコーナーです。1872年に「学制」が発布されると、その5年後の1877年には全国で25000校にのぼる小学校が開校されていたようです。当初は寺子屋や寺院を転用した学校が多かったようですが、やがて新築の校舎が次々と建設されるようになりました。初期の頃は洋風を取り入れた擬洋風や、入母屋造で唐破風の「御殿風」と称される和風の様式が数多く建てられましたが、1891年の小学校設備準則と1895年の学校建築図説明及設計大要が公布されると教室の標準的な大きさや設備の具体的な様子が提示されたそうで、それは戦後に至るまで100年に渡って受け継がれていくことになります。ここではそうした時代の様子が紹介されていました。

ここで目を引いたのは旧開智学校に関する品々でした。擬洋風で真ん中に塔のような部分があり、その下は唐破風や龍の彫刻があるなど部分的に和風となっています。表面はあまり学校という印象は受けませんが、その背後に長い校舎と校庭のようなところがあるようです。近くには模型や設計図もあって、かつての様子を伝えていました。
この写真は同じ建物の地下で開催されているレゴの展示にあったコラボ作品です。
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洋風のようで和風的な部分もある様子がよく出ていました。

ここには他にも書院がある最も和風色の強い岩科学校や、日本最初の幼稚園の東京女子師範学校附属幼稚園(現在のお茶の水女子大学附属幼稚園)などの写真もありました。

その後は子供の教育に関する品が並ぶコーナーで、フリードリヒ・フレーベルの考案した「恩物(ドイツ語の「神からの賜り物」を意味する「ガーベ」の訳語)」という幼児教育で使われた玩具が展示されていました。積み木や棒刺しというパズル的な玩具を観ていると割と最近と似たような意図が感じられます。明治からこのような品があったのかと驚きました。
また、それ以外にも体操で使っていた棍棒や授業で使った幻灯機、錦絵などで当時の教育現場の様子を伝えていました。
 参考記事:マジック・ランタン 光と影の映像史 (東京都写真美術館)


<2.子どもの世界の発見、大正時代>
続いては大正時代のコーナーです。19世紀末から国際的に「新教育」運動が興り、子供の興味や関心に基づいた子供中心の自由度の高い教育を目指すムーブメントがあったようです。この動きは大正デモクラシーの元で大正自由教育と呼ばれる教育運動に発展していき、1921年に創立された自由学園など特色ある教育理念の学校も続々と登場していきました。また、『赤い鳥』をはじめとした児童雑誌も生まれ子供関連の市場(しじょう)と言える消費システムも生まれたようです。一方、建築においては1923年の関東大震災からの復興の際に鉄筋コンクリートの学校が竣工していきました。東京や横浜では避難誘導を考慮した廊下の配置や、防災拠点としての講堂 兼 屋内運動場などの特徴も生まれていったようです。この章ではそうした時代について取り上げていました。

ここでは自由学園の明日館の設計図や100分の1サイズの模型が目を引きました。遠藤新による食堂の椅子なども展示されています。つい2ヶ月ほど前に実物を観てきたばかりなので、この辺はイメージしやすかったかな。池袋に現存するフランク・ロイド・ライトによる設計です。
 参考記事:
  フランク・ロイド・ライト 「自由学園明日館」(2018年12月)
  自由学園明日館のカフェ 【自由学園明日館 館内のお店】
  遠藤新 「自由学園明日館 講堂」(2018年12月)

他には現存しない東京市立日比谷図書館の写真や、鉄筋コンクリート4階建てで日本一豪華な小学校と呼ばれた汎愛尋常高等小学校の写真などもあり 明治までの擬洋風とは全く趣の異なる建物となっていました。

また、この章にも子供を取り巻く環境や教材・雑誌についてのコーナーがあります。第5回内国勧業博覧会のチラシには高い櫓のような所から舟ごと滑り降りるウォータースライダーが描かれていて、ちょっと驚きです。こんな昔からウォータースライダーってあったのか…w 少し先には竹久夢二の絵があり、水族館のような水槽の中にいる魚を観る子供たちの様子が描かれていて、こうしたものを観ると子供が喜ぶもの自体は今も昔も変わらないのかもしれません。

他には『赤い鳥』や『コドモノクニ』などの雑誌が並び、付録のカルタなんかも展示されていました。赤い鳥は中産階層の親たちが子供に読み聞かせるべき本として支持され、赤い鳥運動として広く普及したことなども紹介されています。

この章の最後あたりは資生堂化粧部による子供服なんかもあって、十字状の帯がある洋服がシックで洒落ていました。当時の裕福な都会っ子はかなりモダンな生活をしていたのが伺えました。


<インターミッション 戦争前夜に咲いた花>
続いては第2次大戦前の頃のコーナーです。1934年の室戸台風で学校も校舎が倒壊するなど多くの被害が出たようですが、鉄筋コンクリートの校舎はほとんど被害を受けなかったことから都市部を中心に校舎の鉄筋コンクリート化が進んだようです。一方、地方では木造が依然として建てられたようですが、満州事変などによって大戦景気がおこると豪華で壮麗な校舎が建てられたようです。
また、この時代も多くの児童雑誌が創刊され子供たちに愛読されたのですが、戦争に向かう時代であり その影響も雑誌などに現れてきたようです。ここにはそうした不穏な時代の様子が紹介されていました。

ここで目を引いたのは慶応幼稚舎の鉄筋3階建ての写真で、いかにも学校という造りとなっています。1937年に作られたので室戸台風の状況も加味されたのかな? 関東大震災の時もそうだったように、日本の建物は大きな災害を経験する度に進化している感じがします。
他に目についたのは萩の明倫館で、こちらは木造2階建てでフランス瓦が特徴となっています。破風があって和風に見えるけど赤い屋根が何とも洒落ていました。この辺が地方の壮麗な校舎の代表格なのかも。 この辺には未だに現存する建物が多く紹介されていました。

ここにも雑誌の付録が展示されていて、エンパイア・ステート・ビルを紙を折って作る付録が置かれていました。高さは80cmくらいあるんじゃないかというくらいの大きさで、折り方も含めて非常によく出来ています。これは現代でもペーパークラフトとして売ったら売れそうなくらいのクオリティでした。


<3.新しい時代の到来、子どもたちの夢の世界を築く 1950-1970>
続いての3章は戦後から1970年頃のコーナーです。戦後になって義務教育は9年となり、幼稚園と保育園は別々の法で規定されるなど現在に続くシステムになったようです。戦争で被災した東京の学校では 東京大学の吉武研究室によって寸法や付属品が規格化されたモデルスクールが作られ、全国的に同一タイプの校舎が広がって行きました。しかし地方では標準設計を打破する試みもあったようで、それについてもここで取り上げています。
また、児童文学は1950年代から欧米の児童作品の翻訳や日本人作家による絵本などが次々と出版されていったようです。一方で1960年代には車社会になり団地が生まれるなど子供の遊び場が減ってしまったようですが、児童館や遊園地が各地に整備され 大阪万博なども盛り上がりを見せました。 ここにはそうした戦後20年間くらいの様子が紹介されていました。

この章で目を引いたのは新宿区立西戸山小学校の模型で、これは先述のモデルスクールとなった学校です。3階建ての鉄筋コンクリートで、不燃化され台風に強く、RC構法を採用しています。中の写真なんかもこれぞ学校!といった感じで、初めて観たけどちょっと懐かしいようなw ここから全国に広がったと思うと、それも当然なのかもしれません。

それとは逆に個性的で目立っていたのが八幡浜市立日土小学校の模型です。こちらは校舎から川の上にテラスが突き出しているという 驚きの建物です。他にも廊下の屋根の上から光が入るようになっているなど、時代を先取りしたような先進性があります。中の映像などを観ると子供のことをよく考えている様子も伺えて、美しいだけでなく機能面も素晴らしい建物でした。 

この近くには丹下健三による「広島こどもの家」やイサム・ノグチの「こどもの国児童遊園」の写真などもありました。この辺は各建築化の特徴がよく出ていて面白い建物です。 また、絵本のコーナーには「スーホの白い馬」があってちょっと懐かしい気分になりました。こんな昔からあったんですね…。


<4.おしゃべり、いたずら、探検-多様化と個性化の時代 1971-1985>
続いては70年代からバブルの前頃までのコーナーです。この時代には画一的な授業への反省や 欧米の教育改革によって個性や適性を重視した教育が行われるようになったようです。その流れがオープンスクールのメソッド導入に繋がり、建築においてはフレキシブルな教育空間を生むきっかけとなったようです。ここにはそうしたオープンスペースや多目的ホールの導入が広がった頃の様子が紹介されていました。

ここには象設計集団による宮代町立笠原小学校などが展示されていました。象設計集団は名護市市庁舎のような個性的な建物のイメージがあるので、個別化・個性化を標榜する学校の設計にはぴったりかもw ちょっと模型では分かりづらかったですが、内部にオープンスペースがあることなどが紹介されていました。

他に目を引いたのは「黒石ほるぶ子ども館」で、こちらは児童書の会社が寄付した施設です。屋根の広い民家のような図書館で、屋根裏部分に子供が入って遊んでいる写真なんかが並んでいます。そのためか秘密基地で遊ぶような楽しさのある建物に見えました。

少し先には昭和記念公園やモエレ沼公園の写真や設計図もありました。また、成田亨によるウルトラマンのスケッチがいくつかありゼットン、ゾフィー、ウルトラセブン、メトロン星人などが展示されていました。全部この時代に作られたものですね。
 参考記事:
  国営昭和記念公園
  【番外編】青森県立美術館の常設(2012年8月)と「没後10年特集展示:成田亨」 (青森県立美術館)
  ウルトラマン・アート! 時代と創造-ウルトラマン&ウルトラセブン- (埼玉県立近代美術館)


<5.今、そしてこれからの子どもたちへ 1987~>
最後は1980年代後半以降のコーナーです。この時代になると空間の豊かさが考慮され、デン(隠れ家みたいな)やアルコーブ(壁の凹んだ部分)、ロフトなどの小空間を設置する小学校もできるようになったようです。また、食事・水飲み・トイレ・更衣などの場にも楽しさと美しさを配慮するようになったようで、ここではそれまでと一線を画する個性的な建物が紹介されていました。

ここで目を引いたのは出石町立弘道小学校の模型で、これは斜面に転々と建物が並び渡り廊下で繋がっているような構造となっています。赤レンガでシックな雰囲気もあって非常に個性的です。上り下りは大変そうだけど画一的な学校の概念を打ち破るような建物で驚きでした。

この章で紹介されているのはどれも個性的です。宇宙船のような建物なんかもありましたw

もう1つ気になったのが「ふじようちえん」で、これは上から見ると穴が空いた楕円形のような建物です。1階が教室で2階(屋上)がぐるっと周回できる外周183mのデッキとなっています。さらに驚きなのがデッキの一部には3本のケヤキが貫いていることで、自然と一体化している感じです。庭に面した建具は全開放できるようになっているというのも面白い造りとなっていました。

他にも箱根彫刻の森美術館のネットの森なども紹介されていて、建設当時の映像なども展示されていました。
 参考記事:箱根 彫刻の森美術館 その2

これは最後にあった「ペタボーの空」というマジックテープのようなものを使った玩具。これは体験可能で撮影もできます。
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この下に入って上に向かってペタボーを投げるというのが遊び方のようです。(多分)

こんな感じでくっついています。
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構造体みたいで面白い


ということで、もはや建築とは関係ないものも多かったですが子供の教育の歴史なんかも知ることができて楽しめました。子供にはちょっと難しい内容だと思いますが、小学校時代を思い出すような内容なので大人はノスタルジーにも浸れるかもしれません。ぐるっとパスなら提示だけで入れてお得な展示です。



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ポーラ ミュージアム アネックス展2019-捨象と共感- 【ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX】

今日は写真多めです。この前の日曜日に銀座のポーラ ミュージアム アネックスで「ポーラ ミュージアム アネックス展2019-捨象と共感-」を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

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【展覧名】
 ポーラ ミュージアム アネックス展2019-捨象と共感-

【公式サイト】
 https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/index.html

【会場】ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX
【最寄】銀座駅・京橋駅

【会期】2019年2月22日(金)~3月17日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_②_3_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示はポーラミュージアムアネックスが毎年行っている若手芸術家の在外研究助成の研究成果を発表するもので、今年は8人のアーティストを紹介するようです。会期が2期あり前期は「捨象と共感」というタイトルで4人の作品が並んでいました。とは言え、タイトルに沿って出品作が選ばれているわけでもないようで、個性的な作品ばかりです。詳しくは写真を使ってご紹介していこうと思います。

佐伯洋江 「Untitled」
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こちらはシャーペン、色鉛筆、アクリル絵具、グラファイト、墨などを使った4枚セットのモノクロームな作品。以前に国立新美術館の「DOMANI・明日展」にも出品されてた方なので記憶にありました。

4枚のうちの1枚のアップ。
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滲みや飛び散った中に花のような集合体があって何とも静かで幽玄な雰囲気です。

佐伯洋江 「Untitled」
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こちらも4枚似た作品が並んでいました。下の方にツブツブ状の花のようなものが描いてあります。

粒状のアップ
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よく観るとかなり細かい描写で微妙に色も使われているのが面白い。菌類の世界のようにも思えたかな。近くで見ると生き生きしたものを感じます。

中嶋浩子 ※多数の作品がありタイトルがどれか分かりませんでした…
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この方は世界は多数のパターンから成り立っていて、その法則を見つける学問が数学であると考えているようで、作品も幾何学的な模様が織りなすリズムを感じさせます

こちらも中嶋浩子 氏の作品。壁一面に模様が描かれています。
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似た組み合わせはいくつかあるのですが、ちょっとずつズレていて複雑な形となっています。パターンを解読しようとすると面白いです

滝沢典子 「a few years ago,this guy would have been getting us coffee」(これはタイトルと作品が合っているか分かりません…)
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この方の作品は3枚の布状の絵と石や銅板で出来た彫刻のようなものがあったのですが、全く分かりませんでした。

松岡圭介 「白の時代」
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こちらは蝋に拾い集めた針金をつけた作品。ちょっと近未来的なものを感じつつ どこか不安を覚えるような像に思えました。キャプションによるとこの方はイタリアに研修に行っていたそうで、その際の制作テーマは難民だったそうです。この作品にもそれが表れているのかな?

松岡圭介 「いつか来る破壊のために」
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こちらは壁一面に木材を貼って作った作品。右の彫刻の黒っぽい部分は手のようになっていました。これもちょっと難解で分かりませんが、何かの流れのようにも見えるかな。


ということで、私には難解で理解できない所もありましたが、4人共独自の世界観を持っていて個性が感じられる内容となっていました。せめてもうちょっと説明があると理解できるかもしれないのですが…w ここは無料で観られるので、銀座に行く機会があったら気軽に立ち寄ってみるのも良いかと思います。



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COTTON CLUB(コットンクラブ)  【丸の内界隈のお店】

10日ほど前の土曜日に有楽町のTOKIAの中にあるCOTTON CLUB(コットンクラブ)でジャズのライブとお食事を楽しんできました。

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【店名】
 ライブレストランCOTTON CLUB(コットンクラブ)

【ジャンル】
 ジャズ倶楽部

【公式サイト】
 http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/
 食べログ:https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130201/13020121/
 ※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【最寄駅】
 東京駅・有楽町駅 

【近くの美術館】
 三菱一号館美術館

【この日にかかった1人の費用】
 5,000円程度 + ミュージックチャージ1人7000円程度

【味】
 不味_1_2_3_4_⑤_美味

【接客・雰囲気】
 不快_1_2_3_4_⑤_快適

【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【総合満足度】
 地雷_1_2_3_4_⑤_名店

【感想】
ほぼ満席の盛況ぶりでしたが、クロークや会計はあまり並ぶこともなく快適でした。ブルーノートだと結構入る時と出る時に並ぶのでちょっと意外なくらいです。

さて、このコットンクラブはジャズが好きな方なら名前を知っているであろうジャズクラブで、コンサートを観ながら食事のできるお店となっています。かつて1920年代に同名のクラブがニューヨークにあって伝説的な存在となっていますが、そのクラブを目指すということで名付けられたようです。(このお店自体が出来たのは2005年です)

私は表参道のブルーノートにはちょくちょく行っているのですが、コットンクラブは今回が初めてでバレンタインの贈り物ということで奥さんが招待してくれました。
 参考記事:ブルーノート東京(Blue Note Tokyo) 【南青山界隈のお店】

お店のシステムは公式サイトでチケットを予約して行きます。ミュージックチャージ料はアーティストによって異なりますが、この日は自由席は7000円くらいでした。席の種類によって+○円といった感じで上乗せされる点などもブルーノートと同じかな。

入口にクロークがあり、まずはそこで荷物を預けます。

その先に受付があり、ここで予約番号などを伝えてチェックインします。
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チェックインすると番号札を貰い、この場所で順番に案内されるのを待つという流れです。開場時間のちょっと後に行ったら5分程度で通されました。

フロアはこんな感じ。予約席と自由席があり、この日は自由席でした。
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自由席と言ってもアーティストの目の前あたりの席もあって、今回は早めに行ったこともあって見やすい位置で鑑賞することができました。

開演まではしばらく時間があるので、その間に食事を摂ります。開演すると暗くて食べづらいのでw

こちらは飲み物。
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奥さんはジン・トニックだったかな。私はお酒が飲めないのでノンアルコールのフルーツカクテルにしました。香りの良い爽やかなドリンクですが、そんなに量はないのであっという間に飲んでしまいましたw

ここのメニューは多彩で、チーズバーガーなんかもあったので頼んでみました。メニューはいつも一緒か分かりません。
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結構ボリュームがあって、肉もチーズも味の濃いハンバーガーでした。

こちらはパテのサラダ
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これが非常に美味しくて、周りのマスタードとよく合います。パテが濃厚で滑らかで、サラダはドレッシングが軽やかでした。

こちらは本日のパスタ。この日はカラスミのパスタでした。
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これが無茶苦茶美味しかった!w ソースにカラスミが混ぜ込んであって、濃厚な味と風味になっていました。ハンバーガーも美味しかったけど、これに全振りすべきだった…w

一通りお腹が溜まったら、コンサートの間のお供でナッツの盛り合わせを頼んでおきました。
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このナッツも結構な量があるので2人で食べても1時間くらいは持つんじゃないかな。スモークされたフレーバーが香ばしくて、たまに おかきのようなナッツもあって味にバリエーションがあって美味しかったです。

ナッツで喉が渇くのでペリエも頼みました。
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これで800円なので他のジュース等でも良かったのですが、一応はダイエット中なのでw

食事が済んだ頃にライブが始まりました。この日はアリシア・オラトゥージャというソロの女性歌手のコンサートで、予習も無しに行ってみました。
 参考リンク:公演詳細
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オリジナルとカバー曲で1時間20分程度だったかな。非常に声量があるのですが、パワフル一辺倒という訳ではなく 甘い歌声や楽しげなノリなど多彩な表現を聴かせてくれました。ピアノ・ベース・ドラムも軽快かつ開放的で、メロウな曲から明るい曲まで見事です。たまに日本語のMCも交えながら親近感のあるところもあって、楽しい時間を過ごすことができました。


ということで、初めてのコットンクラブでしたが食事も美味しいし音楽も良くて予想以上に楽しめました。(ブルーノートと大体同じ感じだけど、こちらのほうが手続きがスムーズだったように思います。) ここは東京駅からも徒歩で行けるアクセスの良さに加え、近くには三菱一号館美術館もあるので 美術館で展示を観てからライブというのも良いかもしれません。誕生日などの記念に訪れるのもオススメのお店です。



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浅野忠信 TADANOBU ASANO 3634展 【ワタリウム美術館】

今日は写真多めです。2週間ほど前の水曜日の会社帰りにワタリウム美術館で「TADANOBU ASANO 3634展」を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

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【展覧名】
 TADANOBU ASANO 3634展

【公式サイト】
 http://www.watarium.co.jp/exhibition/1812_asano/index.html

【会場】ワタリウム美術館
【最寄】外苑前駅

【会期】2018年12月7日(金)~2019年3月31日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
平日の夜間開催の時に行ったこともあり、空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は俳優として有名な浅野忠信 氏が描いたドローイングが700点も並ぶ内容となっています。浅野忠信は2013年に中国で撮影した映画「羅曼蔕克消亡史」の長い待ち時間の時にドローイングを描き始めたようで、たった5年で3,634枚という膨大な量を描いたそうです。その画風は落書きのようなものからアメコミ調や模写的なものまで幅広く、ボールペンで台本や封筒に描いてしまうなど所構わず描くようです。先日の「タモリ倶楽部」でも取り上げていたので観た方もいらっしゃるかもしれませんが、かなり独特の世界観となっていましたので、詳しくは写真を使ってご紹介して参ります。

こんな感じで初っ端から所狭しと段組みされて展示されています。特に作品名はありません。
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大体は白黒で、たまにカラーがある感じです。基本的に人物が描かれているのも特徴かもしれません。

にげろ!!にげろー!!と言うセリフが付いた作品
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吹き出しがあって漫画っぽいけど、下にある怪物の手みたいなのでストーリーを想像してしまいます。ストーリー性のありそうな作品の割合が高いように思いました。人物像のバランスは素人っぽさを感じますが良い味わいです。

ヴィトンとシャネルの紙袋を持った人物像。
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ホームレスが高級ブランドの紙袋を持っているのかと思いました。皮肉めいた感じもしますが、そんな意図があるかは分かりません。

こちらはちょっと分かりづらいですがギターなどの楽器を弾いている人物像が並んでいた辺り。
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浅野忠信 氏はSODA!というバンドの活動もしているようで、音楽をモチーフにした絵も多いようです。SODA!と描かれた絵もあちこちで出てきます。部屋の絵に律儀にコンセントが描かれているのはタモリ倶楽部でもネタにされていましたw

こちらは封筒の裏に描かれた作品。
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イタリア語で風が強いと言ってるようです。確かに風が吹いている感じがしますw

たまに漫画仕立ての作品もあります。
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何となく分かるけどシュールw 思いついたことを取り留めなく描いているように思えました。一種のオートマティスムみたいな。

これは高木ブーでしょうかw
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何も見ないで描いているとしたら結構凄いかも。

この辺は音楽関係の作品が多かったように思います。
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裸で演奏して背景に縄文土器や土偶が描かれているのが何ともシュールで、奇妙な面白さがあります。

こちらは漫画仕立ての作品。
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この勢いに爆笑してしまいましたw GETPOWER!w

こちらはアンディー・ウォーホルの模写
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ひと目で分かるくらいしっかり描かれていますが、手書きの感じがして独特の味わいがあります。

こちらはゴッホの黄色い家の模写
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これも色はないけどかなり上手い模写です。他にもピカソやキース・ヘリングの模写もあって、美術に対する関心が伺えました。

こちらは浅野忠信 氏オリジナルのキャラクターのディグマン。穴掘り男です。
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アメコミヒーローが好きなようで、アメコミ風が上手く表現されているのが面白いw このキャラクターは上の階でも観ることができます。

こちらは白黒の対比が強い作品のコーナー。
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プロレスのキャラクターかな? 落書きのようでも生き生きした雰囲気が出ています。

近くには袋で出来たお面がたくさん吊り下がっていました。
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表情豊かで妙にプリミティブな力強さがあります。

この辺はこんな感じの密度です。
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映像ではテクノっぽい音楽も流れていました。これも自作なのかな? 奇妙で耳に残る独特の雰囲気がありました。

こちらは建物を描いた作品のシリーズ
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人物と建物の大きさがちぐはぐなのが面白い。観ていて不安を覚えるような風景でかなり気に入りました。

上の階はダンボールで区切った通路がありました。
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会期中にこの辺りも変わっていくそうです。この裏側にも作品が展示されていました。

さらに上の階はこんな感じ。
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正面に見えているのはDIG MANなどのコミック的な作品です。

浅野忠信 氏は作業をする人を描くのが好きなようです。この辺はミレーやゴッホ、ムンクに通じるものを感じるかな。
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躍動感と寡黙な雰囲気が見事に出ています

こちらはDIG MANのコーナー。
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穴を掘るヒーローだけどスコップは友達に借りているとか謎の設定となっていますw タモリ倶楽部でもいじられていた設定ですw

他にもいくつかアメコミ風キャラがいました。
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ゾンビマンとか本当にアメコミキャラにいそうw 


ということで、独特の世界観を持った楽しい展示となっていました。芸能人のアート作品というと天才気取りのつまらない作品ばかりですが、浅野忠信 氏は描きたいものを描いている感じがあり、個性が光っていて非常に楽しめました。ツッコミ所があったり驚きも多いので、絵画に詳しくない人でも楽しめると思います。今後人気が出るかも。


おまけ:
奥さんも大いに気に入ったようで、Tシャツを買ってくれましたw
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たまに美術館に着て行ったりしています。結構良い生地しているしお気に入りです。



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モダン亭太陽軒 【川越界隈のお店】

ここ数日に渡って川越の美術館をご紹介してきましたが、美術館に行く前に建物が国登録有形文化財となっている「モダン亭太陽軒」というお店でお昼を食べていました。

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【店名】
 モダン亭太陽軒

【ジャンル】
 レストラン

【公式サイト】
 https://www.kawagoe.com/taiyoken/
 食べログ:https://tabelog.com/saitama/A1103/A110303/11010929/
 ※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【最寄駅】
 本川越駅・川越市駅・川越駅

【近くの美術館】
 山崎美術館
 川越市立美術館
 川越市立博物館
 ヤオコー川越美術館 三栖右嗣記念館
  など

【この日にかかった1人の費用】
 2500円程度

【味】
 不味_1_2_3_④_5_美味

【接客・雰囲気】
 不快_1_2_3_④_5_快適

【混み具合・混雑状況(日曜日13時頃です)】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【総合満足度】
 地雷_1_2_3_④_5_名店

【感想】
この日は少し空席もあるくらいの混雑度でした。以前言った時は満員だったので日によって違うのかも。

さて、このお店は建物が国登録有形文化財となっているレストランで、大正11年に創業して今の建物は昭和4年に建てられたそうです。昼は洋食ランチ、夜は洋風懐石となっていて、お値段も周りよりやや高めの設定になっているようです。中で写真を撮ることもできたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

こちらがお店の中。シンプルな幾何学模様のステンドグラスやドアがモダンな印象です。
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木造漆喰塗り2階建ての表現主義様式となっていて、1階は洋風。2階は和洋折衷の部屋です。(残念ながらこの日は2階は貸し切りか何かで入れませんでした。)

お店の中には当時を思わせる品も飾られています。
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モボ・モガの雰囲気が漂っていて洒落ていますね。

1階は大きく分けて2つのフロアがあり、この日はこちらの部屋でランチを頂きました。
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こちらも白壁とシンプルで優美な装飾となっています。

この日はモダン亭洋食セット(2500円)を頂きました。

まずはオードブル。
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これは恐らく日によってメニューは変わると思われます。 ちょっと詳しい味は忘れてしまったw

メインはこちら。特大エビフライ・カツレツ・ホワイトシチュー・ポトフで、ご飯またはパンが付きます。
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特にエビフライが濃密な味で、衣もサクサクして美味しかったです。他の品も期待以上の内容で満足でした。

こちらは食後のデザートとコーヒー(紅茶も選べます)
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アイスがウエハース付きの昔ながらのスタイルでちょっと驚きw 結構甘めなのも昭和っぽさを感じました。コーヒーはコクがあって美味しかったです。

セットを頼んだら何故かおみくじが付いてきましたw
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見事に大吉。願い事 すべて叶う!w 最近、やたらおみくじで良いのが出ますw


ということで、大正~昭和初期のモダンな雰囲気を味わいながら美味しい洋食を楽しむことができました。和洋折衷の2階を観られなかったのは残念ですが、またいずれ訪れてみたいお店です。川越には色々と美味しいお店がありますが、ここは建物も素晴らしいので建物好きの方はチェックしてみてください。

おまけ
 川越はここ以外にも多くの歴史的建物があり、カフェや食事処になっているところもあります。古カフェめぐりにも良い場所です。
 参考記事:
  川越の写真(2017年5月)
  川越の写真(2014年3月)


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【川越市立博物館】の案内(2019年02月)

今日も写真多めです。前回ご紹介した川越市立博物館の企画展を観た後、常設展も観てきました。こちらも撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

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【公式サイト】
 http://museum.city.kawagoe.saitama.jp/ippan/joten.html

【会場】川越市立博物館
【最寄】本川越駅・川越市駅・川越駅

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【感想】
こちらも空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この川越市立博物館はその名の通り川越に関する歴史的な品々を常設しています。川越は室町時代に太田道灌によって川越城が築かれ、江戸時代には川越藩の中心として栄えて小江戸と称されるなど歴史ある町なので、その展示内容も多岐に渡っていました。構成はいくつかの章に分かれていたのですが、どういう訳か時代順に周るのは難しい配置だったので、観てきた順にご紹介していこうと思います。


<近世 小江戸 川越>
まずは譜代大名・親藩大名が統治し小江戸として栄えた頃のコーナーです。

こちらは幕末頃の川越の1/500の模型
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精巧に作られていて、かなり大きな町だったことが伺えます。しかし明治の頃に大火が出てかなり燃えたようで、その後に蔵の町として蘇った歴史もあります。

こちらは紺糸威二枚胴具足
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二枚胴というのは胴を前後に分けたものです。黒漆が施されて渋くてカッコいい。中級武士の甲冑なのだとか。

こちらは「三芳野天神縁起」という絵巻
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川越の三芳野神社(みよしのじんじゃ)の縁起を描いたもので、本多忠勝によって再建されたそうです。さらに童謡の「通りゃんせ」が歌っている天神様はこの神社のことなのだとか。色々凄い神社なのに全国区ではない不思議。

こちらも川越の喜多院に関するもので、「木造天海僧正坐像」
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喜多院を再興したのが天海とのことで、玉眼までして非常にリアル。江戸時代初期の有名人のオンパレードですね。

こちらは川越藩工の藤枝英義という人物が鍛えた脇差。
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相州伝の古作に倣ったものということで正宗なんかに似てるんじゃないかな。ちょっと分かりづらいですが刃紋が特に特徴的で見事でした。


<近・現代 近代都市川越の発展>
続いては近現代のコーナーです。

展示室風景はこんな感じ。部屋の中に蔵の町がありますw
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前述の通り、明治の頃に大火で燃えたのですが、今度は燃えないようにと防火性の高い蔵が作られて蔵の町となりました。

こちらは明治35年頃の町並みの様子。(大火の9年後)
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大火があったとは思えないほどに復興していて家がぎっしりです。一部はまだ残っているし、現在の川越に繋がっている感じがしますね。

こちらは明治31年に出された特許図面から復元した「高林式茶葉粗揉機」
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粗揉は茶葉を柔らかくして水分を取る工程です。川越はお茶も有名なのかな?と思っていたら、後の方の展示で有名な狭山茶の元は河越茶であると書いてありました(室町時代のコーナーにありました) 川越はかつてお茶も名産だったんですね。

こちらは川越の米穀市に関するコーナー。
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昭和10年頃まで月9回ほど市が開かれて周辺の農家がこうした荷車で米を運んできたのだとか。むちゃくちゃ重そうだけど馬とか牛に引かせるのかな??


<民俗 川越の職人とまつり>
続いては川越の職人と祭についてのコーナーです。

唐突に石焼き芋の屋台がありました。川越の名物といえばサツマイモですw
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昭和40年代頃に青森から出稼ぎに来ていた人のリアカーだそうです。私は石焼き芋屋さんを見つけるとついつい買ってしまいます…w

こちらは芋せんべいを作る道具一式。
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これは知りませんでしたが、日露戦争の頃には川越で知られていたせんべいなのだとか。そんな昔から川越は芋好きだったとは驚き。

こちらは蔵を建てる様子と構造を紹介する展示。
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鳶職・大工・左官を中心にした職人たちが30以上の工程で3年ほどかけて作るそうで、ここには「地形」「建前」「木舞からノロかけ」という3つの工程の再現がありました。川越の蔵への愛を感じる展示ですw

こちらは川越まつり で使われる面のコーナー。
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毎年10月の第3土曜日・日曜日の開催らしく、1648年から370年くらい続いているというのも驚きです。


<原始・古代 川越のあけぼの>
続いて一気に時代が戻って原始・古代のコーナー。

こちらは長すぎて写真に入りきっていませんが、丸木舟
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川越の出土で、縄文後期の品のようです。川越って縄文の頃から人が住んでいたんですね… 本当に歴史の古い町ですw

こちらも縄文の頃の品。
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川越の辺りは自然のめぐみが豊かだったようで、古くから栄えていたようです。近くには弥生時代の品や古墳時代の埴輪なんかもありました。


<中世 武士の活躍と川越>
最後に中世の頃のコーナーがありました。

こちらは板碑という鎌倉から室町時代にかけて追善や供養の目的で建てられた石製の塔婆
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死後の安楽を願う気持ちが込められていると同時に、当時の社会や文化を知る貴重な資料にもなるようです。

こちらは太田道灌の像の複製。
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太田道灌は入間郡越生町の辺りに砦を築いたそうで、川越にもゆかりのある人物です。川越と江戸に城を築いたので、川越が小江戸と呼ばれるのも納得ですね。

こちらは明治8年頃の上・下新河岸と牛子河岸という河岸場。
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陸路と水路の荷物を取り扱った河岸問屋がたくさん集まっていたようです。川幅もあるし船着き場も結構大きいように思えます。


ということで、川越の町の歴史にフォーカスした展示となっていました。川越は観光地としてのポテンシャルがかなりあるはずなのに いまいち知られていないのが不思議なくらいです。歴史を知るとさらなる驚きもあったので、川越に観光に行かれる際などに寄ってみると楽しいかと思います。



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「むかしの勉強・むかしの遊び」展 【川越市立博物館】

今日は写真多めです。前々回、前回とご紹介した川越市立美術館の展示を観た後、すぐ隣にある川越市立博物館で「むかしの勉強・むかしの遊び」展を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

【展覧名】
 「むかしの勉強・むかしの遊び」展

【公式サイト】
 http://museum.city.kawagoe.saitama.jp/ippan/tokuten.html

【会場】川越市立博物館
【最寄】本川越駅・川越市駅・川越駅

【会期】2019年1月19日(土)~3月3日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
お客さんは結構いましたが快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は少し前の昭和の頃の子供の生活を紹介するもので、当時の玩具や勉強道具など様々な品が展示されていました。キャプションや章構成は特にありませんでしたが、大まかに時代ごとにまとまって並んでいる感じだったかな。詳しくは写真を使ってご紹介していこうと思います。

なんと展示室の中に駄菓子屋が作られていました。
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オロナミンCの看板まであってリアルな感じw 中に入ることも出来ます。

こちらが中の様子。
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私も子供の頃にこういう駄菓子屋さんによく行きましたw 置いてあるものは昔ながらのものと割と最近のものが混じっている感じでした。

こちらは洗濯機の変遷の様子。
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左の銀の玉みたいなのは手回し式の洗濯機のようです。容量がかなり少ないので大変だったんじゃないかなあ。

続いてこちらは昭和の頃の住宅。まずは台所です。
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今でもこういう台所ありそう。 おばあちゃんの家に来たような感覚になりました。

こちらは居間。
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足踏み式のミシンとテレビは古いけど、こちらも今でも残ってそうな部屋に思えました。

続いてこちらは昭和のコレクションのコーナー
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ペナントと提灯に爆笑!w 最近は観ませんが 昔はお土産の定番として友達の家に行くと必ずと言っていいほどありました。

こちらは子供たちが集めたカードやシール
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私もビックリマンシールを集めた世代なので全部見覚えがありました。野球のカードはプロ野球チップスかな? こちらも集めてる人いましたねえ。

こちらはキン消しやカー消し
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カー消しの隣にボールペンを置いているのが面白い。このペンそのものを持ってました…。ノックの部分を使ってカー消しを弾いて相手にぶつけるという素朴な遊びが流行っていました。

こちらは切手。ご多分に漏れずこれも集めていましたw
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ハガキの切手部分だけ切り取ってお湯につけて糊を剥がすという地道な作業をしていました。並べて眺めるのが楽しかったものです。 絵画の絵葉書を集めている現在も子供の頃から変わってないのかも…w

こちらは教室の再現
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流石に全て木製の机を使っていた世代ではないですが、金属製のパイプ(暖房の排気口)とか懐かしい。

こちらは昭和の日用品のコーナー。
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時代に幅があるようで、こちらはお爺さんやお婆さん達が子供だった頃と説明されていました。まだ電気が少なかったので炭火アイロンなんてものもあったようです。

こちらは昭和30年代くらいの玩具
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ベーゴマはやったことなかったですが、けん玉なんかは今でも人気ですね。百人一首も時代を超えた品ですね。

こちらは昭和50~60年代頃かな。
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ダイヤル式の電話が懐かしい。最近の子供はダイヤル式のかけ方を知らないと聞いたことがありますが、時代の移り変わりは早いですね。掃除機なんかは見た目ではそれほど変わってない気がします。

こちらは蚊取り線香
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今でも使ってるんじゃないの?と思ったけど、最近カートリッジ式はあまり見ないかも

こちらは電化製品。
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カセット懐かしいですね。ラジオのチューニングもつまみを捻ったりしていました。右の方にある写ルンですは最近また売れているというのが面白い現象だったりしますw

こちらも昭和末期に流行ったローラースケート
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これの色違いで遊んでいましたw 光GENJIとか流行ったし、昔はポピュラーな遊びでした。

最後にみんな大好きなファミコンもありました。ちょっと黄ばんできているのがリアルw
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スーパーマリオブラザーズは今なお愛されるゲームの代表的な存在ですね。アートにも多大な影響を与えています。


ということで、平成最後の年に昭和の生活を振り返ることができました。自分の身の回りにあった品が多かったので懐かしさもあって予想以上に楽しめました。特に昭和に子供時代を過ごした人には面白い展示だと思います。この博物館の近くには川越の名所も色々あるので、川越観光の際に寄ってみるのもよろしいかと思います。



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相原求一朗とその周辺 【川越市立美術館】

前回ご紹介した川越市立美術館の相原求一朗展を観た後、常設展も観てきました。今回は「第4期 小特集 相原求一朗とその周辺」というタイトルで企画展に合わせた内容となっていました。

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【展覧名】
 第4期 小特集 相原求一朗とその周辺 

【公式サイト】
 http://www.city.kawagoe.saitama.jp/artmuseum/josetsuten/jo-index.html

【会場】川越市立美術館 常設展示室
【最寄】本川越駅・川越市駅・川越駅

【会期】2018年12月20s日(木)~2019年3月24日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は川越市立美術館が年に4回の入れ替えをする常設の第4期で、相原求一朗の企画展に合わせて新制作協会を中心にした芸術家の作品が並ぶ内容となっていました。点数はそれほど多くはありませんでしたが、気に入った作品をいくつかご紹介していこうと思います。

大國章夫 「ルーアンの家」
大國章夫は相原求一朗と同様に猪熊弦一郎の元で学んだ画家です(この画家が猪熊弦一郎に相原求一朗を紹介しました) この絵はフランスのルーアンにある街角の古い建物を描いたもので、濃厚な色彩でフォーヴ的な雰囲気で描かれています。縦に無数の柱のある3階建くらいの家で、町の歴史ある光景と共に力強くリズミカルな構成となっていました。

大國章夫 「エトルタの風」
こちらはモネやクールベなども描いたエトルタのアヴァルの門が描かれた風景画です。突き出た断崖がアーチ状に削れている奇岩で、その周りに波が幾重にも押し寄せている様子を厚塗りで描いています。浜辺の人と比べるとかなり大きな波のようで、絵肌と共に荒々しい雰囲気となっていました。この絵を観ているとやはり同門だけあって相原求一朗のフォーヴ時代の作風と似ているものを感じます。

相原求一朗 「丘(襟裳厳冬)」
こちらは曇天の襟裳の丘を描いた作品で、遠くに海が見え手前には雪原に枯れ草が広がっている様子となっています。まさに厳冬を思わせる寂しい光景なのは相原求一朗らしさを感じるかな。枯れ草は細く1本1本描かれているなど細密描写も観られ、北海道をよく描いた時期の作風に思えました。暗く寒々とした作風がよく表れた作品です。

猪熊弦一郎 「都市構成」
猪熊弦一郎は相原求一朗の先生で、こちらは恐らく抽象的な画風の頃の作品じゃないかな?(ニューヨークの頃?) 縞模様のようなざらついた長方形が斜めにいくつも重なるように並び、右下のほうに青空らしきものが見えます。抽象画のようにも見えますが、ビルに埋め尽くされた都会の空を描いているようにも思えます。猪熊弦一郎はいのくまさん の愛称で親しみやすい作品を残しましたが、それ以前の作風の変遷の一端を伺わせる作品です。
 参考記事:猪熊弦一郎展 猫たち (Bunkamura ザ・ミュージアム)

この辺には猪熊弦一郎が作風が異なる絵が7点ほどありました。これは中々嬉しいサプライズです。

荻太郎 「白い部屋」
この人も猪熊弦一郎に師事した画家で、新制作協会で活躍したようです。この絵には褐色の肌の女性が真っ白なバレエの服を着て座っている様子が描かれています。すらっとした等身で、こちらをじっとみる顔も引き締まった感じに見えるかな。褐色の肌と白い服の組み合わせが強く感じられ、全体的に凛々しい雰囲気が漂っていました。

古茂田守介 「貝と干魚」
こちらはやけに四角くなった貝殻と、干し魚が縦に並んでいる静物画です。ざらついて静かな色彩となっていて、2つとも単純化されていることもあって化石のようにも見えました。侘びた雰囲気で時間が止まったような作品です。

久保提多 「聖尼格刺図」
この人は川越高校で図画を教えていた画家だそうです。この作品は3幅対の掛け軸となっていて、真ん中に長い白髭の頭巾をかぶった老人、左右の幅には切り立った岩山が描かれています。老人は目が青く微笑む顔をしていて、目の青い仙人のように見えます… が、何とこの人はサンタクロースのようですw 言われてみれば袋とプレゼントのようなものあります。堅牢な輪郭で力強くも温かみがあるのはそのせいだったんですねw 中々意表を突かれる画題と表現方法の組み合わせでした。

小泉智英 「時雨去る」
この人は加山又造や横山操に師事した画家で、新制作協会日本画部で活躍したそうです。海を見渡す棚田が描かれ、全体的には灰色がかっていて細かい砂のような絵肌となっています。これは時雨の去った後の光景らしく、その余韻が残っているような寂しい風景となっていました。雨後の独特な心情も表れているような作品です。

小泉智英も寂しげな風景の作品ばかりでした。新制作協会はそういう傾向だったのでしょうか?w


ということで、小展ながらも楽しめる内容となっていました。特に猪熊弦一郎の抽象時代の作品などは貴重な品ではないかと思います。もし川越市立美術館に行く機会があったら企画展だけでなく常設展も観ることをお勧めします。


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相原求一朗の軌跡 ―大地への挑戦― 【川越市立美術館】

3週間ほど前に川越の川越市立美術館で「生誕100年 歿後20年 相原求一朗の軌跡 ―大地への挑戦―」を観てきました。この展示は第1部/第2部に会期が分かれていて、私が観たのは第1部の内容でした(この記事を書いている時点で既に第1部は終了しています)

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【展覧名】
 生誕100年 歿後20年 相原求一朗の軌跡 ―大地への挑戦―

【公式サイト】
 http://www.city.kawagoe.saitama.jp/artmuseum/tokubetutenji/2018-04.html

【会場】川越市立美術館
【最寄】本川越駅・川越市駅・川越駅

【会期】
 第1部:2018年12月1日(土)~2019年1月27日(日)
 第2部:2019年1月31日(木)~2019年3月24日(日)
  ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
結構お客さんが多くて場所によっては人だかりもできていましたが、概ね自分のペースで観ることができました。

さて、この展示は川越にゆかりのある洋画家の相原求一朗の個展となっています。相原求一朗は川越に生まれ猪熊弦一郎に師事した画家で、新制作協会を拠点に北海道の自然を描き続けました。その作風はモノクロームでやや寂しげなもので、戦時中に過ごした満州の大地を思わせるモチーフが多いようです。展覧会は5つの章に分かれていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。


<1.出発-画家を志して->
まずは画家を志した初期から1959年頃までのコーナーです。相原求一朗は子供の頃から絵が好きだったようですが、家業を継ぐために美術学校への進学は諦めていたようです。しかし兵役で訪れた満州でも絵筆を取り続けるなど制作を続けていたようで、戦後になると1948年に大國章夫(後に新制作協会で共に活躍する画家)と知り合い、その紹介で猪熊弦一郎に師事することとなりました。その影響で画風はフォーヴ的なものへと変わったようで、新制作協会で入選して画壇デビューを果たしました。その後、キュビスムを取り入れたりして画風を発展させて行くのですが、アンフォルメルやアクション・ペインティングが日本でも紹介されると「絵画とは何か」と描きたいもののギャップに混乱し、抽象画に挑戦するものの入選を逃すなどの時期もあったようです。ここにはそうした初期の作品が並んでいました。

9 相原求一朗 「線路のある風景」 ★こちらで観られます
こちらは猪熊弦一郎の元に通っていた頃の作品で、線路や送電線、建物などが並ぶ光景が描かれています。幾何学的な構成となっているので、キュビスム的要素が強めに見えます。青を基調としていて色合いなどは松本竣介に通じるものを感じるかな。静かで寂しげな色彩感覚です。1人だけ影のような人の姿があるのも物悲しい雰囲気を強めているように思いました。

この辺は画風が色々なので一概にこういう作風と言えない感じでした。まだ発展途上と言った所でしょうか。


<2.覚醒-厳然と形のある抽象->
続いては抽象画のコーナーです。相原求一朗は制作に疑問を抱き情熱を失いかけていた頃(1961年の秋)、北海道に旅立ちました。その際、札幌から帯広に向かう列車がトンネルを抜けた時に広がった狩勝峠の展望を観て、この風景は抽象そのものだと感じたようです。そして抽象・具象を超えて自らの道を悟ると この体験を絵画化した「風景」を制作し、3年ぶりの入選を果たしました。さらに翌年も釧根原野を取材した作品で新作家賞を受賞するなど見事に再生を果たしたようで、ここにはそうした時期の作品が並んでいました。

14 相原求一朗 「風景」
こちらが再生のきっかけとなった作品で、大型の画面となっています。縦に厚塗りされた画面で一見すると茶色や灰色の層が連なる抽象のようにも見えます。ゴツゴツしていて岩肌っぽいのが何となくわかる程度かな。アンフォルメル的な部分も残っているように思えます。しかしこれが感銘を受けた狩勝峠の心象のようで、寒々しくも力強い雰囲気を漂わせていました。

この近くには似た作風の作品もありました。かなり厚塗りで筆跡が残っているのが印象的で、力強いリズムが感じられます。

18 相原求一朗 「湖(箱根)」
こちらは晩秋の芦ノ湖を描いたと思われる作品です。黒い湖と茶色く引っ掻いたような質感で描かれた岸が静かな雰囲気です。建物も人もいない光景なのですが、寂しさよりも大地や自然の力強さを感じるような風景となっていました。


<3.探索-ヨーロッパ・南アメリカの旅->
続いては1964~1979年頃の海外の風景作品が並ぶコーナーです。この時期、相原求一朗はヨーロッパや南アメリカを相次いで訪れていたようで、その成果を個展で発表していたそうです。海外風景の作風は北海道を主題とした作品よりも色彩が豊かになっていて、絵肌も落ち着いてデフォルメと実景のバランスがとれたものとなっていったようです。ここにはそうした充実した時期の作品が並んでいました。

20 相原求一朗 「コロセアム」
こちらはローマのコロッセオを描いた作品です。色ムラによって重厚な質感を出していて、実際のコロッセオよりも古びて見える感じの色彩となっています。また、遠近感があまりないので建物というよりは置物に見えるような気もしますw こちらも一人もいない光景で寂しげですが、堅牢で超然とした雰囲気も感じられました。

27 相原求一朗 「白い建物と舟」
こちらは曇天のフランスのブルゴーニュ地方の浜辺を描いた作品です。浜辺には天日干ししているボートがいくつも無造作に転がり、背景には白壁の建物が立ち並んでいます。色彩はかなり静かですが、割と写実性が戻ってきているように思えるかな。ボートの配置がリズミカルなのが面白く、岩や石垣の重厚さと対比的な構図となっていました。


<4.原風景-北海道を描く->
続いては1968~1979年頃の北海道をテーマにした作品のコーナーです。前章の海外風景と平行して再び北海道の風景に取り組んでいたようで、若い日の満州の原野に似た光景を愛してやまなかったようです。この頃の作風は60年代に試みていた厚塗りに疑問を持つようになり、細部描写へと移っていったようで、写実性も増したようです。ここには相原求一朗の代表的な作風の品々が並んでいました。

36 相原求一朗 「すけとうだらの詩(ノサップ)」
こちらは手前に すけとうだらが吊るされて天日干し担っている様子、その奥はガランとした空間、背景にはノサップの家々が立ち並んでいるのが描かれた作品です。荒涼としていて曇天が重苦しいほどの色彩の中で すけとうだらが白く輝いて見えます。大型なので画面が眼前に広がるようで、筆致は荒々しいものの妙なリアリティが感じられました。この作品によって新制作協会会員に推挙されたとのことで、代表作の1つのようでした。 

40 相原求一朗 「岬の家」
こちらは襟裳岬の断崖を描いた大型作品です。手前には小さな家が描かれていて、それによって岬の雄大さが一層に感じられます。枯れ草が広がる暗く寒々しい光景で、打ち寄せる波の音や風の音しか無いような厳しい北海道の自然を感じさせました。

41 相原求一朗 「道-広い道」
こちらは広く硬そうな土の道と、その両脇の家々を描いた作品です。こちらも色が少なめで灰色っぽい画面となっていて寂しさが漂います。まるでゴーストタウンのように静まり返っているのが相原独特の感性に思えます。地平線が高く視線が低い位置になっていることもあって道の広さが強調されているようにも思いました。

46 相原求一朗 「斜里」
こちらは斜里岳という山に雪が降り積もった様子を描いたもので、手前には黒々とした枯れ木の森が広がります。木の枝は1本1本描いているなど写実性の高い画風となっていて、雪も一様ではなく地面が見えている部分もあって細密な表現となっています。ここまで観てきた画風から変わったのが見て取れて、新しい境地になったことが感じられます。相原自身はこの作品を気に入っていたようで、買い手が決まったときも手元から離れるのを惜しんだとのことでした。

48 相原求一朗 「午後の厨房」
こちらは珍しい人物画で、台所で作業している奥さんの後ろ姿を描いています。題材が変わっても静かな画風は健在で、モノクロで静止したような雰囲気が漂います。後ろ姿でモノクロなのでヴィルヘルム・ハンマースホイの絵なんかを想起しました。

地下の展示は以上で、1階に少しだけ続きがあります。


<小特集 北の十名山(相原求一朗記念室)>
1階の相原求一朗記念室も今回の企画展の一部となっていて、北の十名山を取り上げた作品が並んでいました。

相原求一朗 「春宵 斜里岳」
こちらは手前に水辺、奥に真っ白な斜里岳が描かれた作品です。中腹くらいは雪がないのでもう春なのかな? 相変わらず曇天ですがやや明るい空となっているようにも思えます。斜里岳は相原が最も好きな山で、セザンヌにとってのサント・ヴィクトワール山のようだと言われたというエピソードもあるようでした。

この部屋には山々を描いた大型作品が並び、壮観な光景となっていました。


ということで、相原求一朗のモノクロームな世界を楽しむことができました。自然の厳しさを感じさせたり 寂しげで叙情性のある画風が気に入ったので図録も買いました。(図録が人気のようで入荷1週間待ちの上 郵送という盛況ぶりです) この記事を書いている時点で既に2部の内容となっていますが、2部も観に行こうかというくらい満足度の高い展示でした。



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映画「劇場版シティーハンター 」(ネタバレあり)

先週の金曜日の会社帰りに、レイトショーで映画「劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>」を観てきました。この記事にはネタバレが含まれていますので、ネタバレなしで観たい方はご注意ください。

DSC02094.jpg

【作品名】
 劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>

【公式サイト】
 https://cityhunter-movie.com/

【時間】
 1時間40分程度

【ストーリー】
 退屈_1_2_③_4_5_面白

【映像・役者】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【総合満足度】
 駄作_1_2_3_④_5_名作

【感想】
結構混んでいて、予想以上の盛況ぶりでした。年齢層はやや高めだったかなw

さて、この映画は週刊少年ジャンプで連載されアニメでも人気を博した『シティーハンター』の劇場版で、基本的にはアニメ版を踏襲した設定となっています。アニメ自体は1987年~91年に放送されたので、もう約30年前というのだから月日の流れるのは早いものです…。(この映画に合わせてアニマックスなどでは連日アニメ版を放送していて、このブログもそれを観ながら書いていたりします) 主人公の冴羽獠を始め槇村香や海坊主などシティーハンターのお馴染みのメンバーが軒並み出くるのですが、各キャラの設定についての説明はあまり無いので、基本的にはこの作品を知っている人向けの内容ではないかと思います。

ここからはネタバレとなりますが、舞台は2019年時点の新宿となっています。30年前と歳が変わっていないというツッコミは野暮ですが、エンジェル・ハート(あれはパラレルワールドらしいですが)で死んだ設定になっている香も健在ですw テクノロジーの進化にも対応していて、普通にスマフォやネットも出てくるなど、古臭さはありません。たまに今の時代を考えろ!なんてメタ的な発言をしたりするのも面白いかなw  一方で各キャラの魅力は全く変わりなく、声優陣も当時と同じ人が多くてすんなり入れます。さすがに声が老けた感は否めないものの、違和感は無いレベルでした。 また、よく知られているゲストキャラもいて、意外な繋がりなんかも判明して往年のファンにはちょっと驚きもあったりして楽しめます。

ストーリー本編に関してはあまり触れないようにしようと思いますが、基本的にはいつも通り美女の依頼が来て騒動に巻き込まれるという流れです。ややミステリー的の要素がありつつ アクションシーンがたっぷりあるのも定番なので、この作品が好きな方は安心して楽しめると思います。悪役があまり魅力が無くてツッコミどころが多かったのがちょっと残念。しかし、冴羽獠のスケベだけど決める時は決めるカッコよさは健在です。アニメーションも昔に比べて滑らかになっていて、アクションシーンに力が入っていました。

そしてこの作品のもう1つの魅力がBGMです。序盤からアニメ版のOP曲やED曲、挿入曲が随所で流れます。TM NETWORKや小室哲哉のソロ曲だけでなく、こんなのあったな~なんて思う往年の曲の数々が盛り上げてくれました。(3の「熱くなれたら」は無かった気がするけどこれも入れて欲しかった。) この辺も昔からのファンには嬉しい点ではないかと思います。


ということで、シティーハンターのアニメ版のテイストを上手く活かしていて、ファンであるほど楽しめる内容だったと思います。シティーハンターの映画版というとジャッキー・チェン版など これは違うわ…というのがありましたが、この作品は大丈夫ですw 出来が良かったし、シティーハンターは今でもこんなに人気なのかというのを再確認できました。この勢いでTVスペシャル版も復活させて欲しいくらいですw シティーハンターが元々好きな方にはおすすめできる映画でした。

おまけ:
同時期にフランスでは「ニッキー・ラルソン」という実写をやっているそうで、現地で大ヒットになっているようです。(ニッキー・ラルソンは冴羽獠のフランス語版の名前) これも観てみたい


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