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国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅 (感想後編)【東京国立博物館 平成館】

今日は平成最後の更新です。前回に引き続き東京国立博物館 平成館の特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」についてで、後編は3~4章についてご紹介して参ります。

 前編はこちら

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【展覧名】
 特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」

【公式サイト】
 https://toji2019.jp/
 https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1938

【会場】東京国立博物館 平成館
【最寄】上野駅

【会期】2019年3月26日(火) ~ 2019年6月2日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
前半は結構な混雑ぶりでしたが、後半は会場が広いこともあって若干快適に鑑賞できたと思います。

後半も各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
 参考記事:
  空海と密教美術 感想前編(東京国立博物館 平成館)
  空海と密教美術 感想後編(東京国立博物館 平成館)
  番外編 教王護国寺 (東寺)の写真 【京都】


<第3章 東寺の信仰と歴史>
3章は篤い信仰を物語る宝物のコーナーです。法要で使う品や神像まで様々な品が並んでいました。

60 「八部衆面[迦楼羅、摩虎羅、夜叉、緊那羅、阿修羅]」「八部衆面 [天、乾闥婆]」 ★こちらで観られます
こちらは八部衆の面がずらりと並んでいました。舎利会の行列で僧侶が乗る輿を担ぐ人たちが付けた面だそうで、目が飛び出していたりして伎楽面のような造形です。凹凸が深くボリューム感があるかな。特に阿修羅は牙が生えた真っ赤な顔で、目が鋭く威嚇するような表情が目を引きました。また、乾闥婆もちょっと困ったような顔をしているのが面白く、豊かな造形の面ばかりでした。

69 「女神坐像」
こちらは八幡三神像のうちの1体で、どっしりした体躯であぐらをかいた姿で表されています。蓮の蕾のようなものを手に持ち、印を組んでいるので密教の仏像のような様式となっているように思えます。解説によると、この女神は国を守る神様として仏教とも結びつきが強いらしく、東寺境内にある鎮守八幡宮に伝わったそうです。目も見通すような眼差しで仏像との共通点を多く感じました。(この像も2011年に出品されていたと思います)

この辺には文書などが並んでいました。また、「十二天面[梵天、帝釈天、日天、毘沙門天、自在天、風天、火天]」という面が八部衆の裏側のケースに並んでいましたが、こちらは穏やかな表情の面が多かったように思います。そして第一会場の最後辺りに後宇多天皇による直筆の「後宇多天皇宸翰東寺興隆条々事書」があり、天皇からの篤い信仰を伺わせました。

続いて第二会場です。

84 「兜跋毘沙門天立像」 ★こちらで観られます
こちらは羅城門にあった唐から伝わった毘沙門天像です。三叉になった槍と宝塔を持つのは毘沙門天らしい感じですが、見慣れた毘沙門天の様式とは違って足元には地天女がいて両手で支え、さらにその脇に十羅刹女の尼藍婆(にらんば)と毘藍婆(びらんば)の姿がある珍しい作例です。頭の冠には鳥が表され、鎖を編んだ裾の長い鎧や、エビの尻尾のように連なる小手を付けているなど、日本でよく観る像とは違いが多くて驚かされます。やや腰を捻って立って玉眼のような目で睨みを効かせていて迫力がありました。実際に人より大きいのも威厳を感じさせます。 (これも2011年に観た記憶がありました)

この近くには西寺にあった「地蔵菩薩立像」という一木造の仏像もありました。羅城門や西寺から伝わった品もいくつかあるようで、見るからに密教とは異なる様式となっています。


<第4章 曼荼羅の世界>
最後の4章は曼荼羅をテーマにした章で、今回の目玉となる仏像がずらりと並んでいました。曼荼羅とは仏の世界を分かりやすく図示したもので、インドで成立しアジアに普及しました。日本に初めて伝えたのは空海で、有名な両界曼荼羅の他に下記のような種類があるようです。
 別尊曼荼羅:個別の仏を取り上げた曼荼羅
 種子曼荼羅:仏の代わりに種子というインドの古代文字(しゅじ。梵字)を描く曼荼羅
 三昧耶曼荼羅(さんまやまんだら):仏の手の形や持ち物(どの仏か判別するもの)を描く曼荼羅
 敷曼荼羅:灌頂で使う台の上に敷く曼荼羅
 立体曼荼羅(羯磨曼荼羅):仏像を配した曼荼羅
となっています。この章では様々な曼荼羅を紹介していました。

95 「五大虚空蔵菩薩坐像」 ★こちらで観られます
こちらは中国で作られた立体曼荼羅で、中央で馬に乗った法界虚空蔵、東方で獅子に乗った金剛虚空蔵 南方で象に乗った宝光虚空蔵、西方で孔雀に乗った蓮華虚空蔵、北方で迦楼羅(見た目は鳳凰みたいな)に乗った業用虚空蔵が並んでいます。5つの知恵を象徴し五方を司る菩薩だそうで、空海の孫弟子の惠雲が中国から持ち帰ってきたそうです。それぞれの乗り物の上で杖を持って印を組み、割とほっそりした体躯で硬い姿勢に思えるかな。木造とのことでしたが、金属製のように思え、日本の仏像とはちょっと違った雰囲気がありました。

この他にも敷いて使う敷曼荼羅の「両界曼荼羅図 (敷曼荼羅)」や、梵字で仏を表す両界曼荼羅図 (種子曼荼羅)などもありました。

そしていよいよ仏像がずらりと並ぶ大部屋となります。東寺の講堂には21体の仏像が立体曼荼羅として配されていますが、今回はそのうち15体も展示されています。21体の内訳は。大日如来を中心とした如来が5体、その右に金剛波羅蜜菩薩を中心とした菩薩5体、如来達の左に不動明王を中心とした明王5体、部屋の四方に東西南北を司る四天王が4体、さらに帝釈天と梵天を加えて合計で21体となります。流石に各センターを務める巨大な大日如来や不動明王、金剛波羅蜜菩薩は来ていません(他に来ていないのは四天王のうち広目天と多聞天、それと梵天)が、それでも国宝と重要文化財ばかりの豪華な顔ぶれで、しかも普段は前からしか観られない仏像を360度から観ることができます。中には後ろにも顔がある仏像もいるので、それも見どころと言えそうです。(ここも2011年に来た仏像がありますが、今回は史上最多の展示となります)

110 「帝釈天騎象像」 ★こちらで観られます
帝釈天だけは撮影可能となっていました。やや斜めから観るとこんな感じ。
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象とあまり大きさが変わらない大きさですw

正面と側面も取ってみました。額にあるのは第三の目です。
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横から観る機会なんて中々無いのでじっくり堪能しました。帝釈天は元々はバラモン教(ヒンドゥー教の源流)のインドラ神で、仏教に取り入れられました。象に乗っていたりインド風なのは空海が持ち帰った密教に基づいているようです。静かだけど中々険しい表情に見えます。ヒンドゥー教だと結構やんちゃな神様なんですよね…。

104 「降三世明王立像」 ★こちらで観られます
こちらは胸の前で手をクロスする印を結び、8本の腕と前後左右の4つの顔を持つ姿で表された明王です。手には槍・剣・弓などを持ち、足元にはヒンドゥー教のシヴァ神とその妻パールヴァティを踏みつけています。これはヒンドゥー教に対する優位性を示す為のようですが、踏み出すような動きのある姿勢も生んでいて、牙のある恐ろしい形相と共に迫力を感じます。それにしても複雑な造形をしていて、絵や文章では伝わりづらい仏の姿を見事に立体表現していました。

この他に5つの目を持つ金剛夜叉明王や、牛に乗った大威徳明王、沢山の武器を持つ軍荼利明王なども近くにあります。明王たちは他の宗教の神の姿も取り込んでいて、密教ならではの面白さがあります。

108 「持国天立像」 ★こちらで観られます
こちらは邪鬼を踏みつけ、両手に刀と槍を持って構える四天王です。口を開けて目をひん剥くような怒りの形相で、仏達を護っています。若干、前かがみになっているようで、正面に立つと迫りくるような迫力がありました。複雑な造形で大きめですが、一木造となっているのだとか。

102 「金剛業菩薩坐像」 ★こちらで観られます
こちらは冠をかぶって装身具を身に着けた姿で表された菩薩です。菩薩はまだ悟りを開く前で、釈迦が王族だったことからこうした姿で表されるようです。悟りを開いた如来たちに比べて細身で優美な姿となっていて、座禅の時に左足が上に来るのはインドの習慣から来る密教ならではの表現だそうです。また、この像は一材で彫り出した上に木屎漆をかけた奈良時代の技法も使われているとのことでした。穏やかで静かな雰囲気があり、雅な仏像となっていました。

99 「阿閦如来坐像」(あしゅく) ★こちらで観られます
こちらの如来(5如来すべて)はかつての像が土一揆で燃えて、江戸時代末頃に造り直された仏像です。全体的に金色で、頭は螺髪で薄布を纏う姿は一般的な如来(大仏など)のイメージだと思います。右手を地面の方に伏せていて、これは瞑想中の釈迦が悪魔の誘惑から逃れる為にとった手の形だそうで、何者にも屈しない不動の決意を示しているそうです。また「阿閦」とは不動のことを指すそうで、他の如来に比べて心なしか意志の硬そうな顔に思えました。

この近くにあった「阿弥陀如来坐像」の頭は他の像の頭を付けたことなども紹介されていました。


ということで、やはり立体曼荼羅のコーナーが特に面白い展示となっていました。2011年の展示で観た仏像も結構ありましたが、間近で360度ぐるりと観ることが出来るのは貴重な機会だと思います。会期末には更なる混雑が予想されますので、気になる方はお早めにどうぞ。仏像好きにおすすめの展示です。



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国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅 (感想前編)【東京国立博物館 平成館】

前々回ご紹介した展示を観る前に東京国立博物館の平成館で「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」を観てきました。非常に見応えのある内容でしたので、前編・後編に分けてご紹介していこうと思います。なお、この展示には細かい会期があって、私が観たのは2019/4/19時点の内容となります。

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【展覧名】
 特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」

【公式サイト】
 https://toji2019.jp/
 https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1938

【会場】東京国立博物館 平成館
【最寄】上野駅

【会期】2019年3月26日(火) ~ 2019年6月2日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
金曜の午後でしたが結構お客さんがいて、場所によっては人だかりができていました。

さて、この展示は京都にある東寺(教王護国寺)と共に空海がもたらした真言密教について、仏教美術と共に紹介する内容となっています。後半に今回の目玉である仏像が並んでいて、前半はそれ以外の仏教美術や資料的な作品が中心となっています。2011年にこの会場で「空海と密教美術」という展示をやっていましたが、その時と割と中身は似ていて 東寺に関する部分にクローズアップしたような感じでした。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
 参考記事:
  空海と密教美術 感想前編(東京国立博物館 平成館)
  空海と密教美術 感想後編(東京国立博物館 平成館)
  番外編 教王護国寺 (東寺)の写真 【京都】


<第1章 空海と後七日御修法(ごしちにちみしほ)>
まずは空海と東寺の成り立ちについてのコーナーです。東寺は794年の平安京遷都の際に西寺と共に創建された寺で、都の正門である羅城門の東に位置していました。しかし長い歴史の中で大火や戦火を逃れ平安京の頃から残っているのは東寺だけで、西寺も羅城門も失われています。元々は密教寺院ではなかったようで、823年に嵯峨天皇から空海に東寺が託され、空海は講堂や21体の仏像などの整備を進めていき、真言密教の根本道場として人々の信仰の中心地となっていきました。
他に東寺の基本知識として、密教以前の本尊は残っていないものの今も本尊は薬師如来です。また、東寺のシンボルとも言える五重塔は空海の生前には完成していませんでしたが、その後4回の建て替えを経て今は江戸時代に建てられた5代目となっていて、54.8mもあります。東寺は教王護国寺と呼ばれることもありますが、この名前は鎌倉時代以降に使われるようになったのだとか。ここにはそうした東寺の歴史と関わりのある品々が並んでいました。

1 伝・後宇多天皇(賛) 「弘法大師像(談義本尊)」 ★こちらで観られます
こちらは空海の肖像で、台の上に座って左手に念珠、右手に五鈷杵を持った姿で描かれています。肖像の上部には見事な筆による賛があり、これは後宇多天皇による筆であると考えられるようです、台の前に靴を揃えていて、右下には水瓶があるのですが、これは瓶の水を漏らさないように他の瓶に移し替えるように教えを漏らさず伝えるという意味があるようです。空海の肖像は何回か観ているので結構顔で分かるようになったかなw 割と若い頃の姿のように見えました。
なお、簡単に空海の説明をすると、空海は774年に讃岐国で生まれ、23歳で仏教を志し31歳で遣唐使として中国へ留学しました。そして長安で恵果に師事して20年の予定が2年で密教の全てを修めて帰国し、帰国後は東寺や高野山を拠点に密教を布教していきます。835年に亡くなっていますが、死後も信仰の対象となって空海の住房があった場所に御影堂が建てられ、今も食事を備えているようです (空海についての説明は今回の展示は少なめなので前述の参考記事をご参照ください)

この辺には空海が唐から持ち帰った品々を記した空海(撰)・最澄(筆)の「御請来目録」もありました。真言宗と天台宗の開祖同士のコラボ作品な上、空海の密教の考えも乗っているという非常に貴重な品です。(以前の空海展にもありました)

6 空海 「風信帖」 ★こちらで観られます
こちらは最澄に宛てた3通の自筆の書状です。空海は三筆の一人として弘法大師の号で有名ですが、この書状は最も格調高い筆跡とされて今でも学ばれているほどの品のようです。3通それぞれ違った印象を受けるかな。すらすらと流れるようでありながら力強さを感じる書状が目を引きました。2人の交流や仏教史を示す上でも貴重な書状です。

その先には7幅セットの「真言七祖像」もありました。5幅は唐で恵果から賜った像、残り2幅は空海が追加した像となっています。大きくて迫力があるものの、保存状態がボロボロでした。(このボロボロなのも見覚えがありました)

この辺りから東寺で行われる「後七日御修法(ごしちにちみしほ)」という修法を紹介する内容となっていました。後七日御修法は元旦から1月7日まで行われる前七日節会の後に行われるため後七日と呼ばれるようで、国家安泰や天皇の健康を祈る真言宗で最も重要で固く秘された修法となります。ここでは後七日御修法が行われる道場の内部を再現していて、大きな曼荼羅に向かって修法をするようです。この曼荼羅は胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅から成る両界曼荼羅で、毎年交互に使われるらしく、2019年は胎蔵界曼荼羅が使われたとのことでした。

17 「十二天像」 ★こちらで観られます
こちらは1124年に描かれた道場守護の為の12柱の神々のうち、毘沙門天・伊舎那天・帝釈天・火天の4柱が展示されていました(展示替えで12柱全て揃うようです) これは8つの方角の神に加え天・地、太陽・月を加えたもので、破損して作り直したのですが、それも火災で燃えてさらに作り直しました。しかし時の権力者であった鳥羽上皇が気に入らなかったようで、さらに描き直したのがこの作品です。私が観た中では特に火天が面白く、渦巻く炎の光背と痩せた4本の腕が異様な存在感となっていました。

16 「五大尊像」
こちらも後七日御修法の為に用いる仏画で、5幅対で五大明王が描かれています。ここでも文様化した炎の光背が目を引き、明王らしい威厳が感じられます。こちらも十二天像と同じように鳥羽上皇の一声で描き直したそうで、装飾的で優美な感じになっているのは当時の流行を反映している為のようでした。とは言え、力強い印象の方が強いようにも思えました。


<第2章 真言密教の至宝>
続いては密教儀式に用いる絵画や工芸品のコーナーです。密教の宇宙観・世界観を表現して伝える品が並んでいて、ここも国宝や重要文化財が目白押しです。

39 「蘇悉地儀軌契印図」 ★こちらで観られます
こちらは印の結び方をイラスト化した作品です。90種類も図解していて、経典には詳しく描いていないものを図にすることで分かりやすく伝えているようです。結構似たものも多くて、素人にはこれでも覚えられる気がしません…w 密教の奥深さと、それを後世に正しく伝えようとする意図が感じられました。

この辺りで金剛界曼荼羅の出来るまでという映像が流れていました。格子状に大きく9つに分割し、中央に大日如来を配してその周りに四如来、さらにその周りを菩薩たちというように広がっていきます。金剛界曼荼羅は金剛頂経が説く悟りへの道を示し、胎蔵界曼荼羅は大日如来の慈悲が周りに伝わっていく様子を表しているそうです。

26 「両界曼荼羅図(甲本)」
こちらは空海が持ち帰った両界曼荼羅の写しをさらに写したものと思われる品で、私が観た時は金剛界曼荼羅が展示されていました。(会期で胎蔵界曼荼羅と入れ替え) かなりボロボロで上部の3ブロック分くらいしか見えませんが、縦5m以上はありそうなのに端っこまで超細密に描かれて驚きです。曼荼羅を観ていると宇宙の物理法則の話が思い浮かんで来る…。密教の教えを絵画化することで分かりやすく伝えているようでした。


ということで、前半の内容は2011年の展示のデジャブみたいな感じもありましたが、ざっと弘法大師や東寺、密教の修法について知ることができました。国宝・重文の貴重な品が多く日本の歴史を目の当たりにできるような内容です。後半は今回の見所である立体曼荼羅の仏像郡が並んでいましたので、次回はそれについてご紹介の予定です。


 → 後編はこちら



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両陛下と文化交流―日本美を伝える― 【東京国立博物館 本館】

前回に引き続き東京国立博物館についてです。東京国立博物館の本館で「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」という展示を観てきました。こちらは前期・後期に会期が分かれていて、私が観たのは後期の内容となっていました。

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【展覧名】
 特別展 御即位30年記念「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」

【公式サイト】
 https://tsumugu-exhibition2019.jp/culturalexchange/index.html
 https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1943

【会場】東京国立博物館 本館
【最寄】上野駅

【会期】2019年3月5日(火)~ 4月29日(月)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
思ったより空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は天皇陛下 御即位30年に合わせて天皇皇后両陛下が担われた文化交流について紹介する内容となっています。本館1階の階段裏にある特別4室とミュージアムショップ裏の特別5室で開催されていて、点数もリスト上で20点に満たない程度ですが別料金で音声ガイドも用意されていました。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。


<プロローグ 御即位>
まずは御即位された頃に関するコーナーです。1989年1月8日に平成の御代が始まったわけですが、即位の礼、大嘗祭、大饗の儀などの一連の儀式は昭和天皇の喪が明けた翌年以降に行われました。ここでは大饗の儀(だいきょうのぎ)の為に作られた2点の屏風を会期別に1点ずつ展示していました。

東山魁夷(悠紀)・高山辰雄(主基)「悠紀・主基地方風俗歌屏風」 ★こちらで観られます
こちらは六曲二双の屏風で、私が観た時は高山辰雄(主基)の一双のみ展示されていました。いずれも大饗の儀の際に両陛下の御座の左右に飾られた屏風で、悠紀地方・主基地方というのは大嘗祭で神に供えるための新穀を献上する地域です。明治以降は悠紀地方は京都以東の斎田、主基地方は西の斎田が選ばれるようになったそうで、平成の際の主基地方は大分県が選ばれました。
かなり大きな画面に青い雲がたなびき、右から左へと季節が変わっていくようで右隻は春夏・左隻は秋冬の場面となっています。右隻にはビルや工場が建ち並び、車が行き交う様子など現代的な光景なども混じっているのが面白く、他は大分の景勝地のようです。やや風化したような色彩で落ち着いて雅な雰囲気がありました。
 参考記事:人間・髙山辰雄展――森羅万象への道 (世田谷美術館)

この近くには当時の両陛下の装束の写真や儀式の写真などもありました。


<外国ご訪問と文化交流>
続いては両陛下の外国訪問と文化交流についてのコーナーです。陛下は即位後に28ヶ国(皇太子時代を含むと51ヶ国)に公式訪問されているそうで、ここでは特に平成10年(1998年)のイギリス、平成19年(2007年)のノルウェー、平成21年(2009年)のカナダ訪問の折に紹介された日本美術の優品と、皇后陛下の養蚕をテーマにしたパリでの展覧会(平成26年 2014年)で紹介された品などが並んでいました。

酒井抱一 「花鳥十二ヶ月図」 ★こちらで観られます
こちらはカナダご訪問の際に紹介された12幅対の掛け軸で、1幅に1ヶ月ずつその月に合わせた花鳥や禽獣が描かれています。1幅1幅どれを取っても素晴らしい作品ばかりで、いずれも伸びやかな動きを感じさせる画面構成となっています。写実性もありながら 滲みを使った「たらし込み」が使われるなど風情溢れる表現となっていて、これぞ酒井抱一と言った江戸琳派の典型と言える作品だと思います。特に燕子花や朝顔などが好みで、生き物たちも伸び伸びとした姿となっていました。
正直、この作品を目当てにこの展示を見に行った感じですw

「塩山蒔絵十種香道具」
こちらもカナダご訪問の際に紹介された金の蒔絵箱で、組香(香木を聞き分ける遊び)に使う道具類とセットで展示されていました。古今和歌集の「しほの山 さしでの磯に すむ千鳥 君が御代をば 八千代とぞ鳴く」という歌に取材しているそうで、細密で優美な紋様が見事です。1つ1つの道具にまで雅が感じられる逸品でした。

岩佐又兵衛 「小栗判官絵巻」 ★こちらで観られます
こちらはイギリス・ノルウェーで紹介された作品で、小栗判官と照手姫の波乱万丈の恋愛物語を描いた全15巻もある大作です。照手姫との出会い、照手姫の父による小栗判官の毒殺、小栗判官の復活、照手姫との再会、2人が没して神として祀られる といったシーンがあるようで、全部合わせると320mにも及ぶのだとか。私が観たときは巻15のクライマックスシーンで、天上世界と思われる所で仏や明王に囲まれて往生する小栗判官が描かれていました。(その後に地上で神社を作っている人々も描かれています) 極彩色が鮮やかで緻密な描写となっていて、異様なまでの迫力があります。もちろん大和絵っぽさもあって、非常に見事な絵巻でした。


<皇后陛下とご養蚕>
続いては皇后陛下のご養蚕に関するコーナーです。明治の頃、日本の主要産業だった絹の生産を奨励するために明治天皇の皇后である昭憲皇太后が宮中で養蚕を始めたのが始まりだそうで、昭和後半に急速に養蚕が衰退しても連綿と続けられているようです。中でも皇后陛下は小石丸という純国産の貴重な蚕種を守り育てられたことで、その糸が正倉院古代裂の復元や、鎌倉時代の絵巻修復事業に寄与するなどご養蚕で功績を残されているようです。また、ここでは皇室ゆかりの絹の衣装も紹介されていました。

「黒紅綸子地吉祥文様振袖」
こちらはフランスで展示された(平成の御代の)今上天皇が幼少期に着たお祝い用の振り袖です。鶴が舞い飛び、海の岩場に亀が乗っている様子が刺繍されていて、おめでたい吉祥紋様となっています。黒をベースにしているので鮮やかな色合いにも見えます。これを着たのは3歳の頃らしく結構小さいのが可愛らしい。当時の写真も残っていて、凛々しい雰囲気となっていました。

「イヴニングドレス」 ★こちらで観られます
こちらは平成10年(1998年)にデンマーク、平成12年(2000年)にスウェーデンをご訪問された際にお召になったドレスで、花模様が散らされた気品ある趣となっています。この紋様は佐賀錦によって表されているそうで、経糸に金箔系、緯糸に絹糸を用いてマーガレットと百合を表しています。そのためか花がキラキラと輝くように見えて、落ち着きの中に華やかさがありました。

この近くには香を焚きしめる道具などもあって興味深い品でした。


<第二会場>
最後はボンボニエールと呼ばれる小さな菓子器と、両陛下の文化交流に関する写真のコーナーです。ボンボニエールは折々の記念に作られるもので、ここには3つのケースに系統ごとに分かれて展示されていました。最初のケース(両陛下御記念のボンボニエール)は円形の銀色のボンボニエールが多く、いくつか多角形のもあるかな。いずれも天皇陛下の印の桐や、皇后陛下の印の白樺が表され、小さな菊の御紋が金色に輝いていました。(★こちらで観られます

次のケース(「着袴の儀」のボンボニエール)で面白かったのが昭和8年の皇太子(今上天皇)の誕生記念のボンボニエールで、犬の形をしていて非常に可愛らしいです。他にもこのケースには扇や碁盤などの形もあり、意匠を楽しめました。

3つ目のケースはさらにバラエティ豊かで舟や兎、鳥かごのようなボンボニエールなどもあって ちょっと根付みたいな遊び心がありました。これは食玩で出たら集めたくなりそうw

この部屋の壁には写真があり、東博や三の丸尚蔵館に訪れたときの写真もありました。2008年の大琳派展、2009年の皇室の名宝展、2011年の幻の室内装飾展(三の丸尚蔵館)、2012年の北京故宮博物院展などで、実は私も皇后陛下を2回くらい目撃しています。多分、琳派展の時か名宝展の時だと思いますが閉館間際にSPに囲まれて周りに手を振りながら会場に来る姿を思い出しました。
 参考記事:皇室の名宝―日本美の華 <1期> 感想前編(東京国立博物館 平成館)

ということで、それほど点数は多くなく特別展というほどの規模でもなかったように思いますが、美術品と共に両陛下の歩みなども知ることができました。既に会期末となっていますので気になる方はすぐにでもどうぞ。この展示が終わると間もなく令和の時代に突入です。



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親と子のギャラリー ツノのある動物 【東京国立博物館 平成館】

今日は写真多めです。先週の金曜日に午後休を取って上野の東京国立博物館の展示を観てきました。その際、平成館の一角で「親と子のギャラリー ツノのある動物」という展示もやっていたのでそちらも観てきました。

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【展覧名】
 親と子のギャラリー ツノのある動物

【公式サイト】
 https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1961

【会場】東京国立博物館 平成館
【最寄】上野駅

【会期】2019年4月16日(火) ~ 5月26日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は上野動物園・国立科学博物館と共に「上野の山で動物めぐり」という企画の一環として行われているもので、今回で13回目となっています。今回のテーマは「ツノのある動物」で、それに因んだ作品の数々が並んでいました。全37点なので短時間で観られましたが、様々な生き物をモチーフとしていましたので、詳しくは写真を使ってご紹介していこうと思います。


<「ツノ」を見比べてみよう!>
まずは各動物のツノを比較しながら観るコーナーです。

中国・景徳鎮窯 「五彩百鹿文大壺」
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こちらは鹿が群れている様子が描かれた壺。鹿は富を意味する「禄」と中国語の発音が似ているので縁起が良い動物とされています。これと似た壺を何度か目にしているので定番のモチーフのようです。色も鮮やかで白地に生える美しさでした。

田中芳男(撰)、服部雪斎(画) 「動物一覧図」
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こちらは明治6年にまとめられた博物学的な動物図。割と写実的に描かれていますが、キリンだけちょっと微妙かもw ちなみにキリンは5本のツノを持ってるので、このページの動物は全部ツノのある生き物となっています。

「水牛水滴」「牛水滴」
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いずれも江戸時代の水滴で、硯に水を注ぐためのものです。左が水牛、右が牛らしくツノの形に違いがあります。それにしてもどこから水が出るのか気になりますねw

酔墨 印 「許由巣父図」
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こちらは室町時代に描かれた作品で、出世を嫌った許由と巣父をテーマにしています。中央下のあたりに2頭の牛がいて、中国では牛は力強さや勤勉さのシンボルとされたのだとか。ちなみにこの話は頻出のテーマで、尭帝から天下を譲ろうと言われた許由は耳が汚れると潁水(えいすい)で耳を洗い、同じく誘いを受けた巣父は許由を見て、そんな汚れた水は牛に飲ませることはできないと言って連れ去ったという故事です。よく観ると許由が耳を洗っているのが分かります。

服部雪斎(模写) 「犀牛」
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こちらは明治5年に模写されたインドサイ。緻密に正確にその姿を伝えると共に 文字でその生体なども書いているようです。鎧のような体つきが印象的。

「山羊頭形リュトン」
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こちらは紀元前6世紀~前5世紀頃のイランで作られたリュトン。お酒を注ぐ為の器なので先端に小さい穴が空いているのだとか。これもよく観る作例なので、当時多く作られたのだと思います。他に鹿や牛もあるようです。


<「ツノ」が○○に大変身!>
続いてはツノを使った作品のコーナー。ツノに特別な力を感じた人々が様々なものに加工しています。

「鹿角製鈎針」
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こちらは縄文時代(晩期)の品で、青森県つがる市木造亀ヶ岡から出土した品です。鹿の角を使ったアクセサリーらしく、深々と刻まれた紋様が呪術的な雰囲気に見えました。素朴な力強さを感じます。

「ワヤン・クリ ブトロ・グル」
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こちらは20世紀後半にインドネシアの中部ジャワで作られた影絵人形芝居用の伝統的な工芸品で、操作棒の部分に牛のツノが使われているそうです。影絵なのにかなり細かい装飾でエキゾチックな雰囲気が面白い
 参考記事:東京国立博物館の案内 【2010年11月】

「蓮華葡萄彫犀角杯」
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こちらは中国の清時代につくられたサイのツノで作られた杯。サイのツノは漢方薬であると共に深い色合いから清時代には彫刻の材料としても好まれたのだとか。実に緻密で繊細な作りとなっていて右側は蓮華のようにも見えるなど全体の意匠も見事でした。これは今回の展示でも特に凄い品です。

「煙草入」
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こちらは19世紀に樺太のアイヌが作った煙草入れです。これは鹿の角が使われていて、透かし彫りの飾りが施されていました。


<神さまの使いのツノ>
こちらは信仰と結びつきのある生き物のコーナーです。

「春日鹿曼荼羅図」
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春日大社といえばやはり鹿がシンボルです。神様が白い鹿に乗って降り立ったとされていて、鹿も神聖とされています。絵の中の鹿も立派で堂々たる雰囲気です。

円山応挙 「臥牛図」
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こちらは菅原道真公をテーマにした作品。菅原道真は死後に運ばれた際、牛が臥して動かなくなった場所をお墓にしたとされ、牛は天神様(菅原道真が神様として祀られた)の使いとなりました。墨の濃淡でどっしりした牛の肉付きまで分かるのが凄い。尻尾のカスレなど単純なようで特徴がよく表れていました。

出目甫閑 印 「能面 一角仙人」
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むちゃくちゃ怖い能面を発見!w 鹿から生まれた天竺の仙人だそうで、龍神を閉じ込めて雨が降らなくなり、それを天皇が作戦で力を失わせる話のようです。 表情が不気味で非常に豊かな表現となっていました。


<空想動物のツノ>
最後は実在しない空想動物のコーナー。ツノへの畏怖の念が様々な空想動物を生み出しました。

鶴沢守保(模写) 「風神雷神図(模本)」
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荒れ狂う雲の中の風神と龍(雷神) 目が金色に光って恐ろしい表情を浮かべます。ツノも大きめで威厳を感じさせました。ダイナミックで迫力ある作品です。

博物局(編) 「博物館図譜 百鳥図・異獣類」
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ユニコーンが描かれた図譜。ユニコーンのツノには毒を消す働きがあると信じられて、「一角」入りの薬が江戸時代に売られていたのだとか。実在の生物のように見えますねw


ということで、ツノをテーマに古今東西様々な作品が並んでいました。ここは常設扱いなので、トーハクの特別展を観に行く場合は合わせて観るとお得だと思います。親子連れで観るのにも向いている展示でした


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【アクアパーク品川】(2019年04月)

今日も写真多めです。前回ご紹介した建物探訪の後、品川駅前にある水族館「アクアパーク品川」を観てきました。写真と動画を撮ってきましたのでそれを使ってご紹介していこうと思います。

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【公式サイト】
 http://www.aqua-park.jp/aqua/index.html

【会場】アクアパーク品川 ※ネーミングライツで変更することがあります
【最寄】品川駅など
 ※営業時間・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間】
 1時間30分程度

【感想】
かなり混雑していてどこに行っても人だかりでした。結構入場料が高いのに大人気です。

さて、この水族館は品川駅前の品川プリンスホテルの中にあり、2005年の開業時は「エプソン 品川アクアスタジアム」、2015年のリニューアル後に「エプソン アクアパーク品川」という名前でしばらくエプソンの名前を冠していました。しかし2016年にネーミングライツの期間が満了し、「アクアパーク品川」となった後、2017年にマクセルが3年契約で「マクセル アクアパーク品川」という名前にしましたので、少なくとも2019年はマクセルの名前となっています(また変わるかもしれません) ちなみに品川駅前にあるので「しながわ水族館」と勘違いする人もいますが、それは別の施設となります。結構、名前がややこしい水族館ですw
館内は少しだけ屋外もありますが ほぼ屋内の展示となっていて、イルカショーなども観ることができます。様々な技術や仕掛けが使われていましたので、詳しくは写真を使ってご紹介して参ります。

まず入口を抜けると最初に海賊船のアトラクションがありますw 水族館じゃないの?と言ってる人もいて同感w
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こちらは入場料とは別料金となっていました。乗ってる人が少ないのは120cm未満の子供は乗れないからでしょうね…。

さらにメリーゴーラウンドもあります。
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こちらは海の生き物をテーマにしていました。結構回転が早いですが、親御さんがついていれば子供も楽しめます。

その後がようやく魚の展示エリアです。ここの水槽は表面がタッチパネルとなっていました。
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これを操作すると魚の説明なんかが読めます。世界初の試みらしく なかなか興味深いですがこの辺りは2019年夏にリニューアルしてデジタル演出のコーナーになるそうです。

この辺はアトリウムのように水槽を配したコーナー
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割と地味な魚が多いかもw この辺は水族館としては見どころ少なめです。

その先に見えてくるのがコーラルカフェバーという飲食コーナー
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アルコールも売っていて、値段もそんなに高くありません。しかし座って飲むことが出来ないし、まだ入館して間もないので私は寄りませんでした。

コーラルカフェバーの隣にはその名の通り珊瑚のコーナーがあります。
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珊瑚は硬いイメージだけど、水中でゆらゆらと揺らめいていました。幻想的な光景。

これはイソギンチャクかな?
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あまりじっくり見る機会が無いので、これはこれで面白い

その後はクラゲのコーナーです。
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かなり人で一杯ですw この発光しているチューブの中にクラゲがいます。

こちらは長い足を持つクラゲ
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光を当てて一層に幻想性を高めています。舞っているような優美さがありました。

こちらは密集して漂うクラゲ
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一口にクラゲと言っても様々な種類があって、形も異なっています。

たまに色が変わって印象も違って見えます。
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クラゲ好きなのでこのコーナーはかなり楽しめました。

その先を進むと大きな「ザ スタジアム」という360度どこからでも観られるショー用のプールがあります。
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1日に7~8回くらい公演があるようです。イルカたちは交代で出るのかな?

このショーの大きな特徴は、前の方の席にはイルカの水飛沫が飛んでくることです。全身ずぶ濡れになると言っても大袈裟ではないくらい飛んできます。
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対策として、100円でビニールポンチョを売っていました。それほど大きくないので身長が180cmある私は足まで覆うことができずに多少濡れました…w

せっかくなので動画も撮ってきました。

可愛らしい上に見事な芸で、これだけでも見に行った甲斐がありました。ウォーターカーテンなどの技術も使って盛り上げていました。

ショーの後は一気にお客さんが展示に押し寄せるので、あえて最後の方から観ることにしました。

こちらはコツメカワウソ。
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2匹いて、どういう訳か2匹で取っ組み合いをしていましたw

こちらも動画を撮ってみました。

ガチの喧嘩なのかじゃれ合いなのか私には判別はつきませんが、可愛らしい顔をしています。

コツメカワウソの水槽の前にはペンギンのコーナーもあります。
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ケープペンギンやキングペンギンを始め、少しずつですが様々なペンギンが同居しています。ここは人だかりであまり長居できなかったけど、じっくり観たかった…

この近くにアジアジャングルというカピバラなどがいるコーナーもありました。

続いてこちらはワンダーチューブ。長さ20mの海中トンネルです。
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ここもヤバいくらい混んでいて中を歩くのは至難ですが、真上をマンタなどが通り過ぎる様子を眺めることができて楽しいところです。


少し先にはチンアナゴ(ニシキアナゴかも)もいました。
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たまにヒョコヒョコ動くのがキモ可愛いw 今ではすっかり人気者ですね。

チンアナゴも撮ってみました。

クマノミとかもいてこれぞ水族館といった光景でした。

最後にハナゴイという沖縄の珊瑚などにいる魚。
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色も形も美しい魚で、沖縄では「ジュリグワーイユ」(遊女)と呼ばれるそうです。

この他にフレンドリースクエアという屋外のコーナーもあり、そこではオットセイやペンギンのパフォーマンスが観られるようです。ここは混雑ぶりが尋常でなかったので諦めました…w


ということで、予想以上に人気の水族館となっていました。正直、魚の種類はそれほど多くなかったように思いますが、ペンギンやコツメカワウソのような人気者もいたり、都心の真ん中でイルカのショーを観られるのが魅力だと思います。新しい技術を取り入れていたり色々と試行錯誤しているのが印象的でした。



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ジョサイア・コンドル 「旧島津公爵邸」(2019年04月)

今日は写真多めです。先週、東五反田の清泉女子大学構内にあるジョサイア・コンドル設計「旧島津公爵邸」を見学してきました。

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【公式サイト】
 https://www.seisen-u.ac.jp/shimadzu/

【会場】旧島津公爵邸
【最寄】五反田駅、品川駅、高輪台駅、大崎駅など
 ※営業時間・公開日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間】
 0時間20分程度

【感想】
この建物は大学の敷地内にあるので普段は見学できませんが、年に何回か見学ツアーや公開日が設けられていてそのタイミングで見学することができました。見学ツアーには事前予約が必要で、抽選も行われます。また、見学・訪問方法にはルールがあり撮影については許可が必要な場合もありますので、もし訪れたいと考えている方はweb等で事前に条件・内容を十分に確認しておくことをオススメします。
 参考リンク:見学ツアー

さて、この建物は1915年(大正4年)にジョサイア・コンドルの設計で建てられたもので、島津公爵の邸宅として使われていました。(それ以前はこの地は仙台藩伊達家の下屋敷だったそうで、この洋館が建てられる前は伊達家の日本家屋をそのまま使用していたそうです。) 戦時中の1944年に日本銀行に売却された後、戦後の1946年にはGHQに接収され将校クラブとして使用されています。そして1954年に接収が解除されると日本銀行の所有に戻りますが、清泉女子大学が1961年に建物を購入し今に至ります。清泉女子大学ではこの建物を実際に校舎として活用していて、2009年には耐震補修工事を行うなど、この歴史的な価値の高い建物を大切にしているようです。

ちなみにジョサイア・コンドル設計の主な現存建物は現在こんな感じ。
 旧岩崎邸:見学可能 (訪問済み)
 旧古河庭園:見学可能 (訪問済み)
 岩崎弥之助家廟:見学可能 (訪問済み)
 ニコライ堂:見学可能 (訪問済み)
 三菱一号館:レプリカ再建 (訪問済み)
 旧岩崎家高輪別邸:一般公開無し
 綱町三井倶楽部:一般公開無し
 六華苑:三重県
私は関東にあるジョサイア・コンドルの建築で見学可能な所はほぼ制覇していたので、この旧島津公爵邸の見学は悲願でしたw

ジョサイア・コンドルについては何度も取り上げているので詳しくは下記の記事などを参考にして頂ければと思いますが、お雇い外国人として日本の近代建築の基礎を築き、その弟子には東京駅を作った辰野金吾や現在の迎賓館を作った片山東熊などがいます。お雇いの契約期間が終わっても日本に滞在し、河鍋暁斎に弟子入りして日本画を学んだり、日本舞踊家の奥さんを貰うなど日本を愛した人でした。1920年に亡くなるまで貴族の屋敷などを手がけていて、この島津公爵邸は1915年なのでなので晩年の作と言えそうです。

 参考記事:
  旧岩崎邸の写真 2010年10月
  旧岩崎邸の写真 その2
  旧岩崎邸の写真 その1
  旧古河庭園 外観の写真
  旧古河庭園 内部見学
  ニコライ堂と神田明神の写真
  三菱一号館竣工記念「一丁倫敦と丸の内スタイル展」 (三菱一号館美術館)
  静嘉堂文庫美術館の建物と庭園
  山のホテルと箱根神社の写真 (箱根編)
  旧英国大使館別荘 日光編
  河鍋暁斎 その手に描けぬものなし 感想後編(サントリー美術館)
  片山東熊 (迎賓館赤坂離宮)(外観の写真 2018年9月)

前置きが長くなったので、ここからは写真を使って行きます。

こちらが外観。堅牢な印象を受けます。当時の玄関はここですが、ここから入ることはできません。
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この建物自体が急坂の上にあって、建物自体も高いので当時は2階から品川の海も見えたそうです。この大学の周りは急坂が多いので4年通ったら足腰が丈夫になりそうw

庭に面した外観。ルネサンス様式を基調としていて岩崎邸と似た雰囲気です。
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バルコニーが特に美しく、中央部分が円形にせり出しているのが特徴かな。1階は公式空間、2階がプライベート空間となっていたようです。

こちらは先程の庭から入ってすぐにある泉の間(元応接室)
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人がいたので角度が妙な感じで撮ってますが、ここには大型の鏡があって、部屋を広く見せる効果があるようです。白壁に気品があり、天井や暖炉にバラの紋様が多用されていました。内装には黒田清輝が関わっているそうで、薩摩の生まれだけに島津公爵とは縁が深そうですね。

泉の間には模型もありました。
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第30代当主 島津忠重 公が主でした。忠重 公は篤姫の甥で平成の今上天皇の大叔父にあたる血筋です。

この隣は立派な聖堂がありますが、聖堂は撮影禁止でした。元々は食堂だったそうで、壁の横に配膳室に繋がる窓があります。この仕掛けは旧古河邸と同じだと思います。

聖堂の脇から玄関方面の廊下を撮ったもの。
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右側に写っている応接室・会議室(元書斎)は今回入れませんでした。カーペットなども改修時に張り替えたらしく非常に綺麗です。

玄関の手前の扉にステンドグラスがありました。
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格子の隅にイチョウのような形の紋様が並ぶ面白い形式です。

こちらは玄関。隣にクロークと待合室もありますが、入れませんでした。
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十字があるのはミッション系の大学だから… ではなく、丸に十字は島津家の家紋です。幾何学性・装飾性が合わさって優美な雰囲気。

こちらも玄関脇のステンドグラス。
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リズミカルな紋様となっていて、シンプルでも飽きません。

こちらは1階ホールにある階段。光っている部分はステンドグラスで、明るすぎて真っ白になってしまったw
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階段は同じくジョサイア・コンドルが設計した鹿鳴館に似ていたそうです。手すりの下の柵まで彫刻が施されています。

踊り場から1階ホールを観た様子。
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右側に奥の棟に行けそうな通路がありますが、見学は出来なそうでした。広いホールなので暖炉が二箇所あります。この先の2階ホールも1階ホールに似てました。

こちらは階段のステンドグラス。
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ステンドグラスは当時のもので、こちらは特に大型です。こちらも幾何学模様が美しく、階段から見上げた時が最も豪華に見えました。

最後に2階の通路。奥は大学の隣の棟と繋がっていました。
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この左側は浴室・公爵居室・夫人居室・子供部屋・バルコニー等がありますが、この日は入れませんでした。居室は今は教室になってるそうです。

また、庭も撮影しませんでしたが、ここは古くからツツジの名所だったそうで、庭のツツジが満開で非常に美しかったです。この時期に見学ツアーが組まれているのもツツジが見頃だからかな?


ということで、念願かなってジョサイア・コンドル設計の建物を観ることができました。 大学の教室として現役で使われているだけに他に比べて見学のハードルは高めですが、他のジョサイア・コンドルの設計との共通点なんかも見つけることができて満足でした。観られなかった部屋もあるので、いずれまた再訪できればと考えています。



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ジョン・ルーリー展 Walk this way 【ワタリウム美術館】

今日は写真多めです。先週の水曜日の会社帰りにワタリウム美術館で「ジョン・ルーリー展 Walk this way」を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

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【展覧名】
 ジョン・ルーリー展 Walk this way

【公式サイト】
 http://www.watarium.co.jp/exhibition/1904john/index.html

【会場】ワタリウム美術館
【最寄】外苑前駅

【会期】2019年4月5日(金)~7月7日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】
平日の夜ということもあって空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、今回の展示は画家でありミュージシャンであり俳優でもあった、ジョン・ルーリーという1952年生まれのアメリカのアーティストの個展となっています。1990年代後半に「ライム病」という難病を患ったことで映画と音楽の世界を去り、自由な時間にできる絵画制作へと活動の場を写したそうで、バスキアなどとも一緒に描いていたそうです。ワタリウム美術館では2010年にもジョン・ルーリー展をやっていて今回が2度目らしく、つい最近描かれた作品も並んでいました。(私は2010年のは見逃しました) 2~4階に渡って多くの水彩・油彩が並んでいて撮影可能となっていましたので、気に入った作品をいくつかご紹介していこうと思います。なお、キャプションは少ないので、私のてきとーな感想が中心となります。予めご容赦のほどを。


<2階>
まずは2階からです。展示風景はこんな感じ
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絵画の他に映像も2点ありました。ミュージシャンとしてのジャズ?も聞くことができます。

ジョン・ルーリー 「お尻みたいな花を咲かせた木、また満開」
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今回のポスターにもなってる作品。タイトルの付け方が独特ですw 手前に花のような人のような姿があって、タイトルと共にストーリーを考えさせられるかな。

ジョン・ルーリー 「この人、なんでもやっちゃいます」
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何をする気だ?w この色彩感覚はジョン・ルーリーの作風と言えるかも。黄色を使った作品が結構ありました。

ジョン・ルーリー 「21のバスキア作品」
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どれが21の作品か数えたけど分からずw 美術館かアトリエの光景でしょうか。

ジョン・ルーリー 「梨を崇拝」
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タイトルと唐突に現れる梨を観て笑いましたw 何処か皮肉めいたものを感じます。

ジョン・ルーリー 「少年と犬、犬と少年、それ以外は歴史」
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こちらは犬と少年らしきものと、周りは花かな? 滲みを上手く使っていて、ちょっと琳派の色彩感覚に通じているように思えて好みでした。

ジョン・ルーリー 「こいつ、ガンジーを嫌っていたから消してやった」
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タイトルのセンスに爆笑しましたw これも染みのようなぼんやりとした滲みと明るい背景の取り合わせが非常に面白い。

ジョン・ルーリー 「考えようとしてるんだ、静かにしてくれ」
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物思いに耽るアヒルのような生物でしょうか。周りの植物らしきものの表現方法が目を引きました。

ジョン・ルーリー 「森の中の箱に住む魚がこれ」
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草木の生える風景に見えますが、ちょっと謎のタイトルになっています。

右上部分にこの作品のタイトルと、詩のようなものが書いてあります。
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キャプションの翻訳は、
こいつはみんなが特別な人であること、そして変わらないことを望んでいる。
(エディターズノート-われわれは魚の最初のメッセージを誤解している。こいつはわれわれの誰かにすぐに変わってほしいと思っているのだ。)
となっていました。何となく意味が分かるような分からないような…。

ジョン・ルーリー 「錨を引き上げられない、そして動けない。サンドイッチでも食うか。」
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こちらは油彩。軽やかな色彩と舞うような花が爽やかですが、湖面のボートのようなものも薄っすらと見えているので、これがタイトルに関係している主題なのかな。タイトルそのまま受け取るとちょっと怖い状況ですw

ジョン・ルーリー 「信心深い人嫌い」
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こちらも色彩が非常に好みでした。何だかつまらなそうな顔してる人の横顔も面白いw

ジョン・ルーリー 「人は自然を破壊などできない、自然はあまりに手ごわい」
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鳥なのか、人間なのか、ぽつんと自然の中に取り残されている感があります。自然は手強いという発想もユニークだけど確かにそうかも。


<3階>
続いて3階。ここも絵画作品がずらりと並んでいました。

ジョン・ルーリー 「ハミングバード」
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滲みを上手く使って鳥の羽と骨格を表現しているように思います。動きもあるし、シンプルながらも目を引きました。

ジョン・ルーリー 「鳥とひな9羽」
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こちらは割と色が強めの作品。塗り重ねた地の風合いが面白い。鳥っぽいのは分かるけど9つのTの字みたいなのが雛でしょうか? 

ジョン・ルーリー 「一頭のヤギと二つの墓」
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対比的な色づかいとなっていて、全体的に明るく感じる一方でヤギなどは力強いシルエットとなっています。これも意図は分かりませんが印象的。

ジョン・ルーリー 「エイブラハム・ザプルーダーが撮った写真のような家の外にいるパンサー」
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エイブラハム・ザプルーダーというのはジョン・F・ケネディの暗殺場面をカラーフィルムで撮った人だそうです。パンサーというよりは亡霊のように浮かび上がっていて、赤い窓と引き立て合っているように思えました。

ジョン・ルーリー 「サルのせいでこの絵は台無し」
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右下にいるサルだけ浮かんで見えますが、台無しにしていると自虐するほど悪くないと思いますw ちょっとテイストが違う取り合わせですね。


<4階>
最後の4階も壁一面に作品が並んでいました。

展示風景はこんな感じ。
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ここも映像作品を流していました。

ジョン・ルーリー 「ストーンヘンジに行ったなら、ぜったいに見ろよ、浮遊する牛を」
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牛が宙に浮かんで、その背景に謎の赤いものがあります。パッと見でUFOのアブダクションに見えたw 下にあるのがストーンヘンジかな。オカルト好きには面白い題材です。

ジョン・ルーリー 「魂の進化、失敗」
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顔が黒く覆われていて不吉な感じ。暗黒面に落ちたような怖さがありましたw

ジョン・ルーリー 「ハゲタカたち」
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モチーフは具象なんだけど、現実感が無いというか何かのストーリーを思わせるシーンとなっています。砦みたいなものをじっと見て、何か狙っているのでしょうか…。

この辺には性的な作品なんかもありました。

ジョン・ルーリー 「みんな嫌っていた将軍のおぞましい記念碑、だれも見ないだろう所に設置される。」
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むちゃくちゃ寂しい風景の中にぽつんとあるカラフルな記念碑が滑稽に思えます。素朴なのにシニカルに見える面白さがありました。

ジョン・ルーリー 「ルーリ・イン・ベルリン」
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こちらはインタビューの映像。演奏している様子なども映し出されていて、ジョン・ルーリーのコメントも多めです。


ということで、意図を汲むのは難しかったですが、個性的な作品が沢山観られて非常に満足です。具象のようで心象風景のような油彩・水彩が並んでいて、色彩の軽やかさが好みでした。素朴さがありつつタイトルと共に皮肉もあったりして意味を考えさせるのが多いかな。撮影可能なのも嬉しい展示でした。


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映画「キングダム」 (ややネタバレあり)

先日、会社帰りに映画「キングダム」を観てきました。この記事にはややネタバレが含まれていますので、ネタバレなしで観たい方はご注意ください。

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【作品名】
 キングダム

【公式サイト】
 https://kingdom-the-movie.jp/

【時間】
 2時間15分程度

【ストーリー】
 退屈_1_2_3_④_5_面白

【映像・役者】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【総合満足度】
 駄作_1_2_3_④_5_名作

【感想】
公開初日ということもあってレイトショーでも満席でした。これはGWに更に人気になりそうな予感です。

さて、この映画は同名の漫画を実写映画化したもので、後に始皇帝となる秦王の嬴政が中華統一を目指すという話です。早速簡単なネタバレですが、原作はまだまだ統一する気配はないので、映画化と聞いた時にどこまでやるんだろ??と思ったら映画版は弟の反乱の辺りまでとなっていました。かなり序盤で映画1本なので、この先どこまでやるのか気になる所ではありますw

まず、ストーリーについてですが、これはほぼ原作通りだと思います。多少の脚色があったりしますが特に気にならないレベルです。各キャラクターも概ねイメージ通りで、原作ファンは安心して観ることができるのではないかと思います。ただ、映画の中では主要キャラ以外は一度も会話シーンが無いのに急に名前を呼んだりするので、この辺は原作を読んでいないと誰?となる可能性があるかもしれませんw (壁とか いつの間にか仲間っぽくなってたりw)
次にキャストですが、これが結構ハマっていました。信役の山﨑賢人は少々過剰気味な演技に思えるものの、それも含めて信っぽかったし、政と漂役の吉沢亮も意志の強さを感じさせるような演技でした。勿論、他のメンバーもレベルが高くて見応えありました(ランカイは流石にあれでしたが…w) 予告編でコスプレ大会になるのではと懸念してたので、これは嬉しい誤算です。映像面に関しても違和感無くて良かったかな。まあハリウッドなんかと比べると普通ですが、日本の映画でここまで出来るようになったのは凄いことだと思います。

ということで、予想以上に良い出来となっていて楽しめました。原作を知らない方でもこの映画から物語が始まるので安心して観ることができると思います。勿論、終わり方も今後に繋がる感じでしたので、次回作も楽しみです。原作ファンも納得できる作品でした。


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荒木悠展 : LE SOUVENIR DU JAPON ニッポンノミヤゲ 【資生堂ギャラリー】

今日は写真多めです。前回ご紹介した展示を観た後、銀座の資生堂ギャラリーで「荒木悠展 : LE SOUVENIR DU JAPON ニッポンノミヤゲ」という展示を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

DSC04248_20190421001220d3c.jpg DSC04245_20190421001218269.jpg

【展覧名】
 荒木悠展 : LE SOUVENIR DU JAPON ニッポンノミヤゲ

【公式サイト】
 https://www.shiseidogroup.jp/gallery/exhibition/

【会場】資生堂ギャラリー
【最寄】銀座駅 新橋駅など

【会期】2019年4月3日(水)~6月23日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_②_3_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は1985年生まれの気鋭のアーティストである荒木悠 氏の個展となっています。国際的に評価されている映像作家であり、世界各地で滞在制作し文化の伝播と誤訳、その過程で生じる差異や類似などに着目して社会・歴史を背景にした映像作品を制作していうそうです。一方、タイトルにある「 LE SOUVENIR DU JAPON」はフランス語で「日本のお土産」という意味のようで、今回の展示では明治18年に日本の鹿鳴館の舞踏会に参加し、その様子を紀行文に書いたフランスのピエール・ロティという作家をテーマにした作品が展示されています。ピエール・ロティは『秋の日本』という著作で日本の自然や美意識を著し、鹿鳴館での舞踏会は「江戸の舞踏会」という章で紹介されているようです。そしてその著作を参考にして、芥川龍之介が1920年に『舞踏会』を書いたそうで、そちらもモチーフとして使われていました。 冒頭に書いたように撮影可能となっていましたので、詳しくは写真と共にご紹介していこうと思います。

こちらは入り口にあった「Product Placement II シャンデリア」「Product Placement IV赤い絨毯 」「Product Placement III 鏡」
DSC04249.jpg
メビウスの輪のようなシャンデリアが鏡に写っているという作品。キャプションもないのでちょっと意図は分かりませんが、舞踏会と関係があるのかな?

今回のメインホールは「The Last Ball」という2画面から成る映像作品となっていました。
DSC04254_20190421001223222.jpg
片方はピエール・ロティが紀行文で書いた視点と芥川龍之介の『舞踏会』のヒロインである明子の視点が混じったような映像、もう片方は3種類の映像となっていました。

大型の画面はこんな感じ。ちょっとシュールw ヨハン・シュトラウス2世の「美しく青きダニューブ(ドナウ)」が流れます
DSC04260.jpg
舞踏会の2人はお互いにiphoneを持っていて、お互いを撮りあうようにクルクル回っていました。

相手を撮ろうとするけど自分は撮られないようにしているのか、まるで追っかけっこしてるようで可笑しいw 右側の映像がちょっと色味が変わってると思ったら2人の瞳の色の違いで見え方が違うのを表しているようです。明子はグリーン、ロティはマゼンダの色彩設定にしているのだとか。
DSC04263.jpg
たまに映像が重なるように見えます。片方はドキュメンタリー、片方はフィクションの存在であり、相対するものが一致するような面白さがありました。

続いては小ホール。

こちらは階段箪笥
DSC04266.jpg
これも突拍子もなく置いてありましたが、やはり紀行文と関係があるのかな?

壁際には3種類の映像作品が並んでいました。
DSC04271_20190421001228ac1.jpg
それぞれ東京、日光、京都の現代の様子と、ピエール・ロティの『秋の日本』を訳した(原作には忠実ではない戯訳とのこと)字幕がセットになっています。

こちらは日光の様子
DSC04273.jpg
ちょっと字幕を撮り忘れましたが、現代でも外国人に人気のところですね。

東京はこの会場のすぐ近くも写していました。
DSC04275.jpg
ここ以外も様々な場所が出てきます

当時は鉄道馬車だったんでしょうか。
DSC04276_2019042100141331c.jpg
今は地下鉄ですw 130年の隔たりが感じられて面白い映像でした。

京都の辺りはそれほど変わっていないように思えました。
DSC04283_20190421001416798.jpg

最後にこちらは資生堂の創業者であり写真家でもあった福原信三による「ヘルン旧居(松江風景)より」
DSC04280.jpg
小泉八雲の旧居を取ったものらしく、西洋から帰った後に日本の風景 しかも日本国籍を取った小泉八雲の家を撮ったこの写真が今回の展示のテーマと深い繋がりがあるようでした。


ということで、恐らく私は半分も理解できていないと思いますが、現在と過去、史実とフィクションといったものが混ざり合う映像が面白く感じられました。今後ますます活躍が期待される方だと思いますので、映像系の作品がお好きな方は是非どうぞ。無料で観ることができます。



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貨物ステーション カモツのヒ・ミ・ツ 【旧新橋停車場 鉄道歴史展示室】

前回ご紹介したパナソニック汐留美術館の展示を観た後、すぐ近くの旧新橋停車場 鉄道歴史展示室で「貨物ステーション カモツのヒ・ミ・ツ」という展示を観てきました。

DSC04237_201904200306517db.jpg

【展覧名】
 貨物ステーション カモツのヒ・ミ・ツ

【公式サイト】
 http://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/

【会場】旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
【最寄】新橋駅

【会期】2019年3月19日(火)~6月23日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間40分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_②_3_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は旧新橋停車場が1914年に汐留駅(国鉄時代末期の1986年まで)になった際に貨物ターミナルとして使われていたという歴史に因んだもので、日本の貨物列車の歴史や現在の様子を紹介するものとなっています。大半はパネル展示なので珍しい品はそれほど無いですが、鉄道好きとしては普段接する機会の少ない貨物について知る機会として楽しみにしていましたw いくつかの章に分かれて展示されていましたので、簡単に各章ごとに振り返ってみようと思います。


<災害と鉄道貨物輸送>
こちらは災害からの復興で活躍する鉄道貨物についてのコーナーです。311の際も日本海側を経由して被災地に緊急石油輸送していたそうで、普段貨物が通らないような場所も使って対応した様子が紹介されていました。その際、貨物を牽引した機関車に付けられていた「立ち上がろう東北」のヘッドマークなども展示されています。
さらに記憶に新しい2018年7月の西日本豪雨の際には一部区間が寸断されるほどでした。この際にも「頑張ろう岡山」「頑張ろう広島」のヘッドマークをつけて走ったようで、それも観ることができました。

<鉄道による貨物輸送の始まり>
続いては貨物の歴史のコーナーです。1873年9月15日に新橋~横浜観で日本初の定期・不定期1往復の貨物列車が運転開始されたそうですが、当時は舟運や馬に比べて高い上に横浜との間しか運べないので大して使われることは無かったようです。
やがて1900年頃になって鉄道網が張り巡らせると、私設鉄道が買収され全国一体の貨物輸送ネットワークが形成されていきます。そして第一次世界大戦の頃から日本は重工業を中心に一気に発展すると、輸出が激増し国内産業・工業生産の為の貨物輸送の需要も高まり、貨車の行き先が複雑化して滞留するのが問題となっていきました。そこで「貨物集結輸送方式」が全国で本格化し、操車場の整備が進められていきます。この新橋の地も1914年に汐留駅となって貨物専用の駅として再出発することとなりました。
戦時中の1937年になると戦局が悪化し制海権を失ったことで貨物が増え、旅客を削減して貨物を増発していたようです。更に戦局が悪化すると輸送能力が下がったようですが、戦後には物不足の中で輸送量も急速に回復し、復興を牽引する役割を担うことになります。
ここはそうした歴史を示すパネルなどが並んでいました。この頃の貨物は国力と連動しているように思えます。

<操車場の仕組み>
ここでは操車場の仕組みを紹介していました。複数の線路に大まかな行き先別に貨車が並んでいて、1両ずつ仕分けして同じ方向の編成を作っていきます。これで効率良く運べる… と、思ったけどこれが後々に問題となっていきますw 1960年代になると高度成長期を迎え貨物輸送のピークを迎えるのですが、1970年には急激に取扱量が減ります。というのも、エネルギー革命によって石炭輸送が減ったのに加え、道路網が整って自動車貨物輸送が増えたことが原因で、列車からの積み替え不要で時間のロスが少ないので自動車の方が優位となってしまいました。所要時間が競争力となっていくと、ターミナルで仕分けしたり積み替えとか時間が掛かって駄目と判断されたようです。それは国鉄も自覚していたようで1959年には操車場を経由せず直行で運ぶコンテナ特急「たから」が登場したり、1969年にはトラックとの協同一貫輸送「フレートライナー」方式なども登場していったようです。しかし、先述の貨車集結輸送方式は根本的な時間の短縮ができないので、1984年2月に操車場を全廃して拠点間直行方式へと転換を図ることになります。

ここには「たから」のテールマークや、1967年のEF90のポスターがありました。EF66 901は時速100m出るらしいので相当なスピードアップです。また、フォークリフトで積み替え可能な国鉄コンテナのポスターもありました。中身を出さずにコンテナ丸ごとトラックに積み替えるだけで運べるので、これも時間の短縮に繋がります。到着時間も分かるのも売りだったようです。

その先にはTOMIXの模型があり、操車場を再現していました。現在でも全国に貨物駅は242駅あるそうで、コンテナの扱いはそのうち125駅だそうです。いくつもの線路が枝分かれしていて、線路脇でコンテナの積み替えしているのも再現されています。

<築地に鮮魚を運んだ冷蔵車>
ここには冷蔵機能を持つレサ10000形の1/15の模型がありました。長崎~東京間の「とびうお」や博多~大阪間の「ぎんりん」などで活躍したそうです。真っ白な車体となっていて、白くすることで冷蔵庫内の温度上昇を防いでいるのだとか。

<東海道新幹線 貨物電車>
こちらは実現しなかった東海道新幹線の貨物列車の計画に関するコーナーです。夜間に走らせる予定でしたが、保守作業の時間が確保できないので実現できませんでした。この計画を観る限り、新幹線には見えないかなw 機関車の動力部がどこにあるのか謎の車体となっていました。

<貨物駅の写真>
最後は貨物駅の写真のコーナーです。客車と違ってプラットフォームがないので普通の道路に貨物列車が止まっているように見えますが、この道路を使って作業するようです。最長550mにも及ぶそうで一般の駅とは全く異なる光景となっていました。


ということで、貨物の歴史や仕組みを知ることが出来ました。時代と共に技術や運用方法も変わってきているので、今後も貨物列車は形を変えつつ活躍していくのではないかと思います。展示品は少ないですが、鉄道好きには楽しい展示だと思います。


おまけ:
私が知っている汐留駅はカートレインの発着駅だったことです。 子供の頃、いつか乗りたいと思っていましたが大人になる前に駅自体が無くなってしまいましたw


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多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。

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