Archive | 2019年06月
この間の土曜日に恵比寿の東京都写真美術館で「TOPコレクション イメージを読む 場所をめぐる4つの物語」を観てきました。

【展覧名】
TOPコレクション イメージを読む 場所をめぐる4つの物語
【公式サイト】
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3410.html
【会場】東京都写真美術館
【最寄】恵比寿駅
【会期】2019年5月14日(火)~8月4日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間45分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は東京都写真美術館のコレクション展で、今年は「イメージを読む」をテーマに視覚的なイメージとその読み解き方を考えるという趣旨となっています。今回はその1期で、「場所をめぐる4つの物語」というタイトルで4人の写真家を取り上げていて、「場所」と密接に関わる作品を紹介していました。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<W.ユージン・スミス〈カントリー・ドクター〉 1948年>
まずはユージン・スミスの「カントリー・ドクター」シリーズのコーナーです。「カントリー・ドクター」は田舎町でたった1人の開業医であるアーネスト・セリアーニの多忙な生活と仕事をテーマにした作品で、写真雑誌『LIFE』の1948年9月20日号に掲載されました。28点の写真とテキストのフォトエッセイとなっていて、ユージン・スミスの代表作といえる名作らしくこの美術館では32カット34枚を所蔵しているそうです。いずれも本人が所蔵していたプリントということで貴重な品々が並んでいました。
1 W.ユージン・スミス 「遠くの村へ往診に向かうセリアーニ医師、コロラド州クレムリング、1948年」
こちらは帽子をかぶり往診鞄を持っている背広の男性を撮った写真で、アーネスト・セリアーニ医師の姿のようです。やつれた感じの顔と、背景に立ち込める黒雲が相まって、何だか人生の どん底みたいな雰囲気があります。この後に出てくる話を観ると、この医師の境遇を端的に表している写真に思えました。
この近くには「セリアーニ医師はクレムリングの町とその周囲400マイルの全住人の医療を担っている」という作品がありました。タイトルでヤバさが伝わるw 周囲400マイルって東京~大阪くらいあるんですけど…。
[彼は沢山の医療分野の専門家でなくてはならない]
この節には、子供を看たり、目を診察したり、出産を手伝ったり、予防接種をしたり…と様々な分野の診察をしている様子の写真が並んでいました。
12 W.ユージン・スミス 「無題」
こちらは白衣とマスク、帽子をかぶり 手術を行っている様子を撮った写真です。下から表情を仰ぎ見る感じの構図で、真剣な目つきをしていて緊張感漂っています。近くにも同様に手術の写真があり、結構な頻度で手術していたのかも? 手術台の上でぐったりとうつ伏せで仮眠している様子の写真もあり、かなりお疲れな感じも出ていました。 1人で手術ってだけでも相当大変でしょうね。
[一つの事故が彼の休暇を妨げる]
こちらは3時間の休暇ができてマス釣りを始めたら、30分で呼び出されたという時の写真。女の子が馬に蹴られて目を治療する写真が並んでいました。
16 W.ユージン・スミス 「セリアーニ医師が娘を治療するのを見守る両親、コロラド州クレムリング、1948年」
カウボーイ風の帽子を被った男性が奥さんを抱きしめながら、子供の治療を見守る様子が撮られた写真です。家族の不安感や緊張がよく伝わり、奥さんはちょっと取り乱す感じにも見えました。これは観ていて辛くなるくらいの臨場感です。まさにセリアーニ医師が頼みの綱なんでしょうね。
この辺は生々しい治療の様子となっていました。
[彼はひどい肘の脱臼を固定し …壊疽の足を切断する]
こちらは老人の手術の様子を撮った写真が7枚ありました。目を見開いた老人の顔が印象的です。
[夜に老人が亡くなる]
こちらは心臓発作で亡くなった男性に聴診器を当てたり、目の瞳孔を検査している写真が並んでいました。死んだ時も呼ばれるから昼も夜もあったもんじゃないようです。
[町の人々が彼の時間のほとんどを奪う]
セリアーニ医師にも妻と3歳と11ヶ月の子供がいるそうですが、家族と一緒に過ごす時間は少なそうです。
32 W.ユージン・スミス 「夜通しで手術を行った後、台所で休むセリアーニ医師、コロラド州クレムリング 1948年」 ★こちらで観られます
こちらは白衣のまま台所の調理台に立って寄りかかってコーヒーを飲んでいるアーネスト医師の像です。ぼーっとして遠くを観るような顔つきで疲れきった顔をしています。深刻な医師不足を感じさせる1枚でした。
この近くには当時の『LIFE』誌もありました。スライドで今回の展示では並んでいない写真も流していました。
<奈良原一高〈人間の土地 緑なき島ー軍艦島〉 1954-57年>
続いては奈良原一高 氏の代表作で出世作である『人間の土地』のコーナーです。この作品について奈良原一高 氏は「閉ざされた世界に隔絶されたその場から逃げることなく限界状況を生き続ける人間の生を観た」と言っていたそうで、今回はその中から「緑なき島ー軍艦島」のパートの44点が並んでいました。
34 奈良原一高 「軍艦島全景」
こちらは見事に軍艦っぽい形をした軍艦島の全景です。中央上に太陽があり、島はシルエットとなっているのが一層に軍艦のように見えます。隣には影になっていない写真もあり、それと比べるとだいぶ印象が違いました。
45 奈良原一高 「立坑のリフトに乗る坑夫達」
こちらはライト付きヘルメットを被った坑夫達を撮った写真です。真っ黒な顔に汚れた作業着となっていて、目の白さが目立ちます。労働環境の過酷さを感じさせる1枚でした。
48 奈良原一高 「浴場」
こちらは真っ黒な顔でヘルメットを被った男たちが脱衣場らしき所で服を脱いでいる様子です。顔だけ黒いようで、体は汚れておらず がっしりした肉付きとなっていました。こんな環境でも逞しく生きていて、一種の生命力を感じました。
近くには風呂に入っている様子もありました。混雑していて芋洗状態ですw
54 奈良原一高 「アパート俯瞰、夜景」
こちらはお互い向き合う感じで建てられた集合住宅の様子で、階段で繋がっています。かなりゴチャゴチャした雰囲気で、九龍城にも似た 密集感があります。軍艦島の立地の狭さを伺わせる写真でした。
この辺はアパートの暮らしの様子の写真が並んでいました子供や老人もいて、意外とのんびりした光景もあります
74 奈良原一高 「葬式船を見送る人々」
こちらは桟橋を撮った写真で、船は見えませんが喪服の女性たちが葬式の船を見送った後のようです。うなだれていて、1人はハンカチで涙を抑えているように見えます。近くには2人の女の子が柵にもたれ掛かっていて、大人と違ってピンと来てない感じかな。
軍艦島にはお墓が無いらしく、亡くなると船で沖合の無人島の中ノ島に運んで焼かれたそうです。厳しい生活環境を改めて認識するような写真でした。
70 奈良原一高 「端島神社」
こちらは切り立った崖のてっぺんにある神社を撮った写真です。土台の部分も急斜面で、よくこんな所に建てたな…という感想が真っ先に出てきましたw 狭い島でも神社は大事だったんでしょうね。
<内藤正敏〈出羽三山〉 1980年>
続いては内藤正敏 氏の出羽三山に関するコーナーです。内藤正敏 氏は28歳の時に東北の民俗世界に深く入り込むきっかけとなった即身仏を発表し、その直後の頃に山伏の修行を行ったそうです。そしてその体験を写真にするために10年以上かけて制作したそうで、ここにはそうした作品が並んでいました。(ここは主にカラー写真です)
参考記事:内藤正敏 異界出現 (東京都写真美術館)
79 内藤正敏 「秋の峰 紫燈護摩」 ★こちらで観られます
こちらは山伏の格好をした男性が藁で出来た棒状の物を振り回している様子が撮られた写真です。火がついていたようで、炎の軌跡が「の」の字のように残り、勢いを感じさせます。神秘的な光景でもあり、祭事の一場面のようでした。
この近くにはウサギの格好をした神事など、独特の祭礼の写真もありました。
85 内藤正敏 「湯殿山 御瀧の行者」
こちらは滝に打たれている男性を撮った写真で、滝はかなりの水の勢いです。つらそうな顔で叫ぶような表情なので、修行の厳しさは推して知るべしかな。荒々しい水の流れもダイナミックでした。
87 内藤正敏 「羽黒山」
こちらは霧の漂う森の中を撮った写真です。暗く静かな雰囲気で、神秘的な光景となっていました。
90 内藤正敏 「心浄坊勝尊像 正善院」
こちらは真っ赤な顔の仏像らしきものを撮った写真で、目と鼻だけアップにしていて非常に迫力があります。特に◎状になった見開いた目は圧倒的な眼力となっていました。
この辺は各お寺の仏像のアップの写真が並んでいました。結構インパクトがあるので、見覚えがあるのもチラホラありました。
103 内藤正敏 「鉄龍海上人 南岳寺」
こちらは即身仏を撮った写真です。袈裟を着て帽子を被り、祈るポーズでミイラ化しています。意外と表情が分かるような気がするかな。静かで存在感のある即身仏となっていました。
この辺も以前の展示で見覚えある仏像の写真が多かったかな。炎と仏像を組み合わせた写真などがありました。
<山崎博〈10 POINTS HELIOGRAPHY〉 1982年>
最後は山崎博 氏のコーナーで、ここは撮影可能でした。
こんな感じで調布で太陽と風景を撮った写真が並びます。

「太陽が描く画」というコンセプトで、長時間露光で撮った写真のようです。20カットのうち前半が1982年9月13日、後半がその翌日に撮ったようです。
山崎博 「13/9/82」

光が線上になっていて普段観ているけど観られない光景です。何だか神々しい雰囲気があります。
山崎博 「14/9/82」

こちらは沢山の電柱を配した構図も面白く感じました。いくつも並んで一種の圧迫感があります。
ということで、いずれも場所に関わる面白い作品となっていました。時代も作風も異なりますが4人とも個性的な写真家です。こちらはぐるっとパスの提示で観ることが出来るので、お得な展示です。

【展覧名】
TOPコレクション イメージを読む 場所をめぐる4つの物語
【公式サイト】
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3410.html
【会場】東京都写真美術館
【最寄】恵比寿駅
【会期】2019年5月14日(火)~8月4日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間45分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は東京都写真美術館のコレクション展で、今年は「イメージを読む」をテーマに視覚的なイメージとその読み解き方を考えるという趣旨となっています。今回はその1期で、「場所をめぐる4つの物語」というタイトルで4人の写真家を取り上げていて、「場所」と密接に関わる作品を紹介していました。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<W.ユージン・スミス〈カントリー・ドクター〉 1948年>
まずはユージン・スミスの「カントリー・ドクター」シリーズのコーナーです。「カントリー・ドクター」は田舎町でたった1人の開業医であるアーネスト・セリアーニの多忙な生活と仕事をテーマにした作品で、写真雑誌『LIFE』の1948年9月20日号に掲載されました。28点の写真とテキストのフォトエッセイとなっていて、ユージン・スミスの代表作といえる名作らしくこの美術館では32カット34枚を所蔵しているそうです。いずれも本人が所蔵していたプリントということで貴重な品々が並んでいました。
1 W.ユージン・スミス 「遠くの村へ往診に向かうセリアーニ医師、コロラド州クレムリング、1948年」
こちらは帽子をかぶり往診鞄を持っている背広の男性を撮った写真で、アーネスト・セリアーニ医師の姿のようです。やつれた感じの顔と、背景に立ち込める黒雲が相まって、何だか人生の どん底みたいな雰囲気があります。この後に出てくる話を観ると、この医師の境遇を端的に表している写真に思えました。
この近くには「セリアーニ医師はクレムリングの町とその周囲400マイルの全住人の医療を担っている」という作品がありました。タイトルでヤバさが伝わるw 周囲400マイルって東京~大阪くらいあるんですけど…。
[彼は沢山の医療分野の専門家でなくてはならない]
この節には、子供を看たり、目を診察したり、出産を手伝ったり、予防接種をしたり…と様々な分野の診察をしている様子の写真が並んでいました。
12 W.ユージン・スミス 「無題」
こちらは白衣とマスク、帽子をかぶり 手術を行っている様子を撮った写真です。下から表情を仰ぎ見る感じの構図で、真剣な目つきをしていて緊張感漂っています。近くにも同様に手術の写真があり、結構な頻度で手術していたのかも? 手術台の上でぐったりとうつ伏せで仮眠している様子の写真もあり、かなりお疲れな感じも出ていました。 1人で手術ってだけでも相当大変でしょうね。
[一つの事故が彼の休暇を妨げる]
こちらは3時間の休暇ができてマス釣りを始めたら、30分で呼び出されたという時の写真。女の子が馬に蹴られて目を治療する写真が並んでいました。
16 W.ユージン・スミス 「セリアーニ医師が娘を治療するのを見守る両親、コロラド州クレムリング、1948年」
カウボーイ風の帽子を被った男性が奥さんを抱きしめながら、子供の治療を見守る様子が撮られた写真です。家族の不安感や緊張がよく伝わり、奥さんはちょっと取り乱す感じにも見えました。これは観ていて辛くなるくらいの臨場感です。まさにセリアーニ医師が頼みの綱なんでしょうね。
この辺は生々しい治療の様子となっていました。
[彼はひどい肘の脱臼を固定し …壊疽の足を切断する]
こちらは老人の手術の様子を撮った写真が7枚ありました。目を見開いた老人の顔が印象的です。
[夜に老人が亡くなる]
こちらは心臓発作で亡くなった男性に聴診器を当てたり、目の瞳孔を検査している写真が並んでいました。死んだ時も呼ばれるから昼も夜もあったもんじゃないようです。
[町の人々が彼の時間のほとんどを奪う]
セリアーニ医師にも妻と3歳と11ヶ月の子供がいるそうですが、家族と一緒に過ごす時間は少なそうです。
32 W.ユージン・スミス 「夜通しで手術を行った後、台所で休むセリアーニ医師、コロラド州クレムリング 1948年」 ★こちらで観られます
こちらは白衣のまま台所の調理台に立って寄りかかってコーヒーを飲んでいるアーネスト医師の像です。ぼーっとして遠くを観るような顔つきで疲れきった顔をしています。深刻な医師不足を感じさせる1枚でした。
この近くには当時の『LIFE』誌もありました。スライドで今回の展示では並んでいない写真も流していました。
<奈良原一高〈人間の土地 緑なき島ー軍艦島〉 1954-57年>
続いては奈良原一高 氏の代表作で出世作である『人間の土地』のコーナーです。この作品について奈良原一高 氏は「閉ざされた世界に隔絶されたその場から逃げることなく限界状況を生き続ける人間の生を観た」と言っていたそうで、今回はその中から「緑なき島ー軍艦島」のパートの44点が並んでいました。
34 奈良原一高 「軍艦島全景」
こちらは見事に軍艦っぽい形をした軍艦島の全景です。中央上に太陽があり、島はシルエットとなっているのが一層に軍艦のように見えます。隣には影になっていない写真もあり、それと比べるとだいぶ印象が違いました。
45 奈良原一高 「立坑のリフトに乗る坑夫達」
こちらはライト付きヘルメットを被った坑夫達を撮った写真です。真っ黒な顔に汚れた作業着となっていて、目の白さが目立ちます。労働環境の過酷さを感じさせる1枚でした。
48 奈良原一高 「浴場」
こちらは真っ黒な顔でヘルメットを被った男たちが脱衣場らしき所で服を脱いでいる様子です。顔だけ黒いようで、体は汚れておらず がっしりした肉付きとなっていました。こんな環境でも逞しく生きていて、一種の生命力を感じました。
近くには風呂に入っている様子もありました。混雑していて芋洗状態ですw
54 奈良原一高 「アパート俯瞰、夜景」
こちらはお互い向き合う感じで建てられた集合住宅の様子で、階段で繋がっています。かなりゴチャゴチャした雰囲気で、九龍城にも似た 密集感があります。軍艦島の立地の狭さを伺わせる写真でした。
この辺はアパートの暮らしの様子の写真が並んでいました子供や老人もいて、意外とのんびりした光景もあります
74 奈良原一高 「葬式船を見送る人々」
こちらは桟橋を撮った写真で、船は見えませんが喪服の女性たちが葬式の船を見送った後のようです。うなだれていて、1人はハンカチで涙を抑えているように見えます。近くには2人の女の子が柵にもたれ掛かっていて、大人と違ってピンと来てない感じかな。
軍艦島にはお墓が無いらしく、亡くなると船で沖合の無人島の中ノ島に運んで焼かれたそうです。厳しい生活環境を改めて認識するような写真でした。
70 奈良原一高 「端島神社」
こちらは切り立った崖のてっぺんにある神社を撮った写真です。土台の部分も急斜面で、よくこんな所に建てたな…という感想が真っ先に出てきましたw 狭い島でも神社は大事だったんでしょうね。
<内藤正敏〈出羽三山〉 1980年>
続いては内藤正敏 氏の出羽三山に関するコーナーです。内藤正敏 氏は28歳の時に東北の民俗世界に深く入り込むきっかけとなった即身仏を発表し、その直後の頃に山伏の修行を行ったそうです。そしてその体験を写真にするために10年以上かけて制作したそうで、ここにはそうした作品が並んでいました。(ここは主にカラー写真です)
参考記事:内藤正敏 異界出現 (東京都写真美術館)
79 内藤正敏 「秋の峰 紫燈護摩」 ★こちらで観られます
こちらは山伏の格好をした男性が藁で出来た棒状の物を振り回している様子が撮られた写真です。火がついていたようで、炎の軌跡が「の」の字のように残り、勢いを感じさせます。神秘的な光景でもあり、祭事の一場面のようでした。
この近くにはウサギの格好をした神事など、独特の祭礼の写真もありました。
85 内藤正敏 「湯殿山 御瀧の行者」
こちらは滝に打たれている男性を撮った写真で、滝はかなりの水の勢いです。つらそうな顔で叫ぶような表情なので、修行の厳しさは推して知るべしかな。荒々しい水の流れもダイナミックでした。
87 内藤正敏 「羽黒山」
こちらは霧の漂う森の中を撮った写真です。暗く静かな雰囲気で、神秘的な光景となっていました。
90 内藤正敏 「心浄坊勝尊像 正善院」
こちらは真っ赤な顔の仏像らしきものを撮った写真で、目と鼻だけアップにしていて非常に迫力があります。特に◎状になった見開いた目は圧倒的な眼力となっていました。
この辺は各お寺の仏像のアップの写真が並んでいました。結構インパクトがあるので、見覚えがあるのもチラホラありました。
103 内藤正敏 「鉄龍海上人 南岳寺」
こちらは即身仏を撮った写真です。袈裟を着て帽子を被り、祈るポーズでミイラ化しています。意外と表情が分かるような気がするかな。静かで存在感のある即身仏となっていました。
この辺も以前の展示で見覚えある仏像の写真が多かったかな。炎と仏像を組み合わせた写真などがありました。
<山崎博〈10 POINTS HELIOGRAPHY〉 1982年>
最後は山崎博 氏のコーナーで、ここは撮影可能でした。
こんな感じで調布で太陽と風景を撮った写真が並びます。

「太陽が描く画」というコンセプトで、長時間露光で撮った写真のようです。20カットのうち前半が1982年9月13日、後半がその翌日に撮ったようです。
山崎博 「13/9/82」

光が線上になっていて普段観ているけど観られない光景です。何だか神々しい雰囲気があります。
山崎博 「14/9/82」

こちらは沢山の電柱を配した構図も面白く感じました。いくつも並んで一種の圧迫感があります。
ということで、いずれも場所に関わる面白い作品となっていました。時代も作風も異なりますが4人とも個性的な写真家です。こちらはぐるっとパスの提示で観ることが出来るので、お得な展示です。
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ここ数日、京橋~銀座のギャラリーなどをご紹介してきましたが、その際にGINZA SIXまで足を伸ばして4階にあるジョウタロウ・サイトウ・カフェ 銀座店でお茶してきました。

【店名】
ジョウタロウ・サイトウ・カフェ 銀座店
【ジャンル】
カフェ
【公式サイト】
http://www.jotaro.net/ginza/
食べログ:https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13208019/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
銀座駅・東銀座駅など
【近くの美術館】
パナソニック汐留美術館など
【この日にかかった1人の費用】
1080円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
テーブル席は埋まっていましたがテーブル席は空いてるくらいの混み具合でした。
さて、このお店はGINZA SIXの中にある着物ブランドのジョウタロウ サイトウ(JOTARO SAITO)の一角にあるお店で、スイーツとカフェメニューが楽しめるようになっています。
こちらは着物屋さん側の入口

斉藤上太郎 氏のデザインした着物や帯などが並んでいます。現代風で洗練された雰囲気のデザインのようです。
こちらはカフェのカウンター席

カフェというよりバーのような雰囲気となっています。
このお店はパフェなども人気メニューのようですが、オリジナルアイスバーが沢山あるのが気になりました。

高いものだと1本648円もする高級アイスバーです。模様も色とりどりで細やかな美意識が感じられます。
早速、アイスバーセット(1080円)を頼みました。
飲み物はコーヒーにしました。京都のコーヒーだと言ってた気がします。

苦味はなくまろやかで、非常に濃厚で香り豊かでした。酸味も少なくコクが深くて美味しかったです。
続いてこちらはブルーベリーチーズのアイスバー。

ちょっと固いので少し待ってから食べました。来た時は割りとカチカチですw
中にベリーと少しオレンジが入っていました。

味はチーズケーキみたいな感じで、口溶けが滑らかで美味しかったです。流石は高級アイス。
ということで、着物屋さんが本業のはずですがカフェもかなりのクオリティとなっていました。GINZA SIX5階の奥まったところにあるので静かだし、雰囲気も良かったです。銀座に行く機会は多いので、再訪して他のアイスバーも試したいと思います。着物好きの方は着物屋さんと合わせて楽しめそうなお店です。
おまけ:
GINZA SIXに行ったのは塩田千春 氏の「6つの船」を観る為でした。

5mもある船が吹き抜けに浮かび、高さも様々で観る角度によって見え方も変わってきます。こちらは会期があるので、今だけ観られる作品です。
会期:2019年2月27日~10月31日

【店名】
ジョウタロウ・サイトウ・カフェ 銀座店
【ジャンル】
カフェ
【公式サイト】
http://www.jotaro.net/ginza/
食べログ:https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13208019/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
銀座駅・東銀座駅など
【近くの美術館】
パナソニック汐留美術館など
【この日にかかった1人の費用】
1080円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
テーブル席は埋まっていましたがテーブル席は空いてるくらいの混み具合でした。
さて、このお店はGINZA SIXの中にある着物ブランドのジョウタロウ サイトウ(JOTARO SAITO)の一角にあるお店で、スイーツとカフェメニューが楽しめるようになっています。
こちらは着物屋さん側の入口

斉藤上太郎 氏のデザインした着物や帯などが並んでいます。現代風で洗練された雰囲気のデザインのようです。
こちらはカフェのカウンター席

カフェというよりバーのような雰囲気となっています。
このお店はパフェなども人気メニューのようですが、オリジナルアイスバーが沢山あるのが気になりました。

高いものだと1本648円もする高級アイスバーです。模様も色とりどりで細やかな美意識が感じられます。
早速、アイスバーセット(1080円)を頼みました。
飲み物はコーヒーにしました。京都のコーヒーだと言ってた気がします。

苦味はなくまろやかで、非常に濃厚で香り豊かでした。酸味も少なくコクが深くて美味しかったです。
続いてこちらはブルーベリーチーズのアイスバー。

ちょっと固いので少し待ってから食べました。来た時は割りとカチカチですw
中にベリーと少しオレンジが入っていました。

味はチーズケーキみたいな感じで、口溶けが滑らかで美味しかったです。流石は高級アイス。
ということで、着物屋さんが本業のはずですがカフェもかなりのクオリティとなっていました。GINZA SIX5階の奥まったところにあるので静かだし、雰囲気も良かったです。銀座に行く機会は多いので、再訪して他のアイスバーも試したいと思います。着物好きの方は着物屋さんと合わせて楽しめそうなお店です。
おまけ:
GINZA SIXに行ったのは塩田千春 氏の「6つの船」を観る為でした。

5mもある船が吹き抜けに浮かび、高さも様々で観る角度によって見え方も変わってきます。こちらは会期があるので、今だけ観られる作品です。
会期:2019年2月27日~10月31日
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今日は写真多めです。前回ご紹介したLIXILギャラリーを観た後、隣りにある「ポリスミュージアム 警察博物館」を久々に観てきました。ここは一部撮影可能となっていますので、写真を使ってご紹介しようと思います。

【公式サイト】
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/welcome/welcome/museum_tour.html
【会場】警察博物館
【最寄】銀座線京橋駅 都営浅草線宝町 など
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【感想】
家族連れで結構混んでいました。体験系の展示は並ぶような所もある盛況ぶりです。
さて、この博物館は警察の活動を紹介する施設で、以前はかなり年季の入った雰囲気だったのですが2017年4月29日にリニューアルオープンして、名前も「警察博物館」から「ポリス・ミュージアム 警察博物館」と変わったようです。中身も幾分変わっていて、以前より体験コーナーが増えているような気がします。隣のリクシルによく行くのでリニューアルしたのはすぐ気がついたのですが、何となく2年ほど足を運ぶことがなく 今回ようやくリニューアル後に初訪問しました。1~3階は撮影可能となっていましたので、詳しくは写真と共にご紹介していこうと思います。
参考記事:警察博物館の案内(2009年)
<1階 ピーポくんホール>
まず1階は昔活躍した警察車両が置かれたコーナーです。白バイやヘリコプターには搭乗することも可能となっています。
こちらは2016年まで使われていたスポーツタイプのパトカー

高速道路交通警察隊で使われていたそうで、これなら超速度で逃げられても追いかけることができそうです。
こちらは白バイ。

その名の通り白い塗装になっています。こちらは実際に跨って記念撮影することもできるようです。
こちらは赤バイ。サイドカバーもついています。

大正の頃に導入されたそうで、アメリカ製の赤い車体から赤バイと呼ばれたのだとか。
他にも子供用の制服試着コーナーや、ヘリコプターの「はるかぜ」なども展示されています。ヘリコプターはリニューアル前もあったけど、試着コーナーはリニューアル後からじゃないかな?
<2階 人と街をともにまもる>
続いて2階は防犯・防災・事故防止などを学べるコーナーとなっています。
こちらは自転車のシミュレーター。

漕いでいると色々と出てくるので確認しながら進むようです。子供に大人気となっていました。
こちらはヘリコプターの救助活動の様子の人形。

あらゆる災害に備えて機動救助隊・水難救助隊・山岳救助隊・警察署救出救助部隊など万全の体制となっているようです。ニュースなどでも観る心強い存在ですが、お世話になる事態にならないのを祈りたい所です。
こちらはタッチパネルと連動したシステムで、街にある危険を教えてくれる感じかな。

ボタンを押すとこんな感じ。

最近、子供の列に車が突っ込む事件が多発しているので、通いなれた道でも警戒は欠かせませんね。
続いてこちらは防犯グッズで、家の鍵です。

鍵は1ドアに2箇所が良いようで、泥棒にこじ開けられるまでに5分以上「抵抗」できる鍵が重要なようです。今まで捕まった犯罪者の証言によると、7割は5分以上手間取る鍵だと侵入を諦めるのだとか。
こちらは空き巣の侵入手段の統計。

一戸建てはガラスが狙われ、集合住宅は無締りが狙われるようです。実家(戸建て)に入られたことがあるのですが、無締り(人がいるのに入ってくるパターン)でした…
泥棒が目をつけやすい家のチェックリスト。

チェックが多いおうちは警戒して防犯グッズを検討したほうが良いかもしれません。
<3階 事件・事故を解決する力>
続いて3階は事件が起きた時の対応や捜査を紹介するコーナーです。
部屋に入ると交番がありました。中に入ることも出来ます。

いつも思いますが、「KOBAN」は誰にも通じないので「Police Box」とかに変えたほうが良いのでは…w
こちらは現場を捜査する時の格好。ドラマや名探偵コナンなんかでおなじみですね。

自分の髪の毛や唾液が落ちないように防護しています。足までカバーをつけて細心の注意を払っているようです。
こちらは事故現場や逃走車両のタイヤ痕を調べる体験コーナー。

素人には結構難しいですが、これによって車の種類や事故の状況が分かるようです。
他にも足跡を調べる体験や、聞き込みの体験などのコーナーもありました。この辺りはリニューアルで新設された所だと思います。
こちらも昨今問題となっている特殊作業(振り込め詐欺)の統計。

圧倒的に高齢者の女性の被害が多いようです。おばあちゃん達の優しさに浸け込んでるんでしょうね…。最近は手の込んだ詐欺が多いので、知らない番号には出ないのが一番のようです。とは言え、子供の電話番号を装う手口もあるらしいので、家族内の合言葉を決めておくのも有効な防御策と聞いたことがあります。自分は大丈夫と思って過信すると、還付金詐欺や架空請求は現役世代でも引っかかるらしいので気は抜けませんね。
こちらは警察犬の模型かな。

警察犬は犯人追跡や証拠品の収集を行い、警備犬は爆発物の捜索や災害救助を行うようです。両方とも時には犯人に立ち向かうらしく、非常に頼れるワンちゃんたちです。首輪の違いで自分の任務が変わったことまで分かるのだとか。凄すぎます。
こちらは鑑識の使う道具類

これもドラマなんかでよく観ますが、協力者も指紋を取るみたいです。消去法で犯人を特定するのかな。
<4階 首都をまもる 警視庁の今とこれから>
4階は撮影禁止でした。ここには警察の制服や備品、警察組織の図、警察車両の模型などがありました。この辺は見覚えあるのも結構ありましたが、Pフォンと呼ばれる警察専用の携帯電話があることは初めて知りました。ミニシアターの映像では通報から出動の様子なども紹介されています。
<5階 時代とともに 警察の歩み>
5階も撮影禁止で、ここは明治時代の初代警視総監である川路利良 大警視の軌跡や警察制度の成り立ちなどを紹介していました。また、明治・大正・昭和・平成の事件史をダイジェスト的に取り扱っていて、西南戦争、関東大震災、2.26事件、3億円事件、あさま山荘事件、オウム事件、秋葉原無差別殺傷事件など世間に大きな影響を与えた事件に関する品もありました。あさま山荘事件で銃弾を受けたジェラルミンの盾はリニューアル後も健在ですw
また、未解決事件のコーナーもあり、柴又三丁目女子大生殺人・放火事件、八王子スーパー(ナンペイ大和田店)強盗殺人事件、世田谷一家4人強盗殺人事件などの情報や模型も展示されていました。一刻も早い解決が望まれますね…。
他に歴代の免許証のコーナーや、殉職者のコーナーもありました。驚くほどに殉職していて、警察官は大変で社会的に重要な仕事だと改めて認識できます。
6階はイベントホールで今回は撮影コーナーだけとなっていました。
ということで、久々に行ったらだいぶ綺麗になって体験コーナーが充実していたように思います。体験しながら防犯なども学べるので、子供連れには特に楽しめるスポットではないかと思います。ここは無料で観られますので、京橋・銀座に行くついでに寄ってみるのも良いかもしれません。

【公式サイト】
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/welcome/welcome/museum_tour.html
【会場】警察博物館
【最寄】銀座線京橋駅 都営浅草線宝町 など
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【感想】
家族連れで結構混んでいました。体験系の展示は並ぶような所もある盛況ぶりです。
さて、この博物館は警察の活動を紹介する施設で、以前はかなり年季の入った雰囲気だったのですが2017年4月29日にリニューアルオープンして、名前も「警察博物館」から「ポリス・ミュージアム 警察博物館」と変わったようです。中身も幾分変わっていて、以前より体験コーナーが増えているような気がします。隣のリクシルによく行くのでリニューアルしたのはすぐ気がついたのですが、何となく2年ほど足を運ぶことがなく 今回ようやくリニューアル後に初訪問しました。1~3階は撮影可能となっていましたので、詳しくは写真と共にご紹介していこうと思います。
参考記事:警察博物館の案内(2009年)
<1階 ピーポくんホール>
まず1階は昔活躍した警察車両が置かれたコーナーです。白バイやヘリコプターには搭乗することも可能となっています。
こちらは2016年まで使われていたスポーツタイプのパトカー

高速道路交通警察隊で使われていたそうで、これなら超速度で逃げられても追いかけることができそうです。
こちらは白バイ。

その名の通り白い塗装になっています。こちらは実際に跨って記念撮影することもできるようです。
こちらは赤バイ。サイドカバーもついています。

大正の頃に導入されたそうで、アメリカ製の赤い車体から赤バイと呼ばれたのだとか。
他にも子供用の制服試着コーナーや、ヘリコプターの「はるかぜ」なども展示されています。ヘリコプターはリニューアル前もあったけど、試着コーナーはリニューアル後からじゃないかな?
<2階 人と街をともにまもる>
続いて2階は防犯・防災・事故防止などを学べるコーナーとなっています。
こちらは自転車のシミュレーター。

漕いでいると色々と出てくるので確認しながら進むようです。子供に大人気となっていました。
こちらはヘリコプターの救助活動の様子の人形。

あらゆる災害に備えて機動救助隊・水難救助隊・山岳救助隊・警察署救出救助部隊など万全の体制となっているようです。ニュースなどでも観る心強い存在ですが、お世話になる事態にならないのを祈りたい所です。
こちらはタッチパネルと連動したシステムで、街にある危険を教えてくれる感じかな。

ボタンを押すとこんな感じ。

最近、子供の列に車が突っ込む事件が多発しているので、通いなれた道でも警戒は欠かせませんね。
続いてこちらは防犯グッズで、家の鍵です。

鍵は1ドアに2箇所が良いようで、泥棒にこじ開けられるまでに5分以上「抵抗」できる鍵が重要なようです。今まで捕まった犯罪者の証言によると、7割は5分以上手間取る鍵だと侵入を諦めるのだとか。
こちらは空き巣の侵入手段の統計。

一戸建てはガラスが狙われ、集合住宅は無締りが狙われるようです。実家(戸建て)に入られたことがあるのですが、無締り(人がいるのに入ってくるパターン)でした…
泥棒が目をつけやすい家のチェックリスト。

チェックが多いおうちは警戒して防犯グッズを検討したほうが良いかもしれません。
<3階 事件・事故を解決する力>
続いて3階は事件が起きた時の対応や捜査を紹介するコーナーです。
部屋に入ると交番がありました。中に入ることも出来ます。

いつも思いますが、「KOBAN」は誰にも通じないので「Police Box」とかに変えたほうが良いのでは…w
こちらは現場を捜査する時の格好。ドラマや名探偵コナンなんかでおなじみですね。

自分の髪の毛や唾液が落ちないように防護しています。足までカバーをつけて細心の注意を払っているようです。
こちらは事故現場や逃走車両のタイヤ痕を調べる体験コーナー。

素人には結構難しいですが、これによって車の種類や事故の状況が分かるようです。
他にも足跡を調べる体験や、聞き込みの体験などのコーナーもありました。この辺りはリニューアルで新設された所だと思います。
こちらも昨今問題となっている特殊作業(振り込め詐欺)の統計。

圧倒的に高齢者の女性の被害が多いようです。おばあちゃん達の優しさに浸け込んでるんでしょうね…。最近は手の込んだ詐欺が多いので、知らない番号には出ないのが一番のようです。とは言え、子供の電話番号を装う手口もあるらしいので、家族内の合言葉を決めておくのも有効な防御策と聞いたことがあります。自分は大丈夫と思って過信すると、還付金詐欺や架空請求は現役世代でも引っかかるらしいので気は抜けませんね。
こちらは警察犬の模型かな。

警察犬は犯人追跡や証拠品の収集を行い、警備犬は爆発物の捜索や災害救助を行うようです。両方とも時には犯人に立ち向かうらしく、非常に頼れるワンちゃんたちです。首輪の違いで自分の任務が変わったことまで分かるのだとか。凄すぎます。
こちらは鑑識の使う道具類

これもドラマなんかでよく観ますが、協力者も指紋を取るみたいです。消去法で犯人を特定するのかな。
<4階 首都をまもる 警視庁の今とこれから>
4階は撮影禁止でした。ここには警察の制服や備品、警察組織の図、警察車両の模型などがありました。この辺は見覚えあるのも結構ありましたが、Pフォンと呼ばれる警察専用の携帯電話があることは初めて知りました。ミニシアターの映像では通報から出動の様子なども紹介されています。
<5階 時代とともに 警察の歩み>
5階も撮影禁止で、ここは明治時代の初代警視総監である川路利良 大警視の軌跡や警察制度の成り立ちなどを紹介していました。また、明治・大正・昭和・平成の事件史をダイジェスト的に取り扱っていて、西南戦争、関東大震災、2.26事件、3億円事件、あさま山荘事件、オウム事件、秋葉原無差別殺傷事件など世間に大きな影響を与えた事件に関する品もありました。あさま山荘事件で銃弾を受けたジェラルミンの盾はリニューアル後も健在ですw
また、未解決事件のコーナーもあり、柴又三丁目女子大生殺人・放火事件、八王子スーパー(ナンペイ大和田店)強盗殺人事件、世田谷一家4人強盗殺人事件などの情報や模型も展示されていました。一刻も早い解決が望まれますね…。
他に歴代の免許証のコーナーや、殉職者のコーナーもありました。驚くほどに殉職していて、警察官は大変で社会的に重要な仕事だと改めて認識できます。
6階はイベントホールで今回は撮影コーナーだけとなっていました。
ということで、久々に行ったらだいぶ綺麗になって体験コーナーが充実していたように思います。体験しながら防犯なども学べるので、子供連れには特に楽しめるスポットではないかと思います。ここは無料で観られますので、京橋・銀座に行くついでに寄ってみるのも良いかもしれません。
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今日も写真多めです。前回ご紹介した展示を観た後、すぐ近くのLIXILギャラリーで「台所見聞録-人と暮らしの万華鏡-」を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

【展覧名】
台所見聞録-人と暮らしの万華鏡-
【公式サイト】
https://www.livingculture.lixil/topics/gallery/g-1903/
【会場】LIXILギャラリー
【最寄】京橋駅(東京)
【会期】2019年6月6日(木)~8月24日(土)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は台所をテーマにしたもので、その歴史や風土による違いなどを紹介する内容となっています。建築家の宮崎玲子 氏の調査によると、北緯40度を境にして南北で火と水の使い方に特徴があるそうで、寒い北では部屋の中央に火を置く生活、熱い南では火を遠ざけるような造りとなっているようです。また、北は細菌の繁殖が少なく 土も乾燥して落ちやすいので水の使用量は少なくて済むのに対して、南は調理に水を必要とし洗う頻度も高いので 水を多く必要とするようです。この展示ではそうした様々な台所を模型や絵などで解説していましたので、詳しくは写真と共にご紹介していこうと思います。
こちらは会場の様子。

手前は世界の家の模型が置かれていて、仕切りの奥は主に日本の台所の近代史となっていました。まずは世界の台所から観ていきました。
こちらはドイツのフランケン地方の家の模型です。小作人向けの家で20世紀初頭頃までは見られた家のようです。

寒い地方なので火を使う台所も家の中心に置かれています。
奥の部屋はこんな感じ。

クッキングストーブによって隣の部屋も暖められ、煙は煙突から排出されるようです。確かに火を使うのを前提として家を設計しているのが分かりますね。
こちらはロシアのカレリア地方の労働者の家の模型。

ペーチカと呼ばれる暖炉で部屋全体を温めるそうで、隣の家と二分して使っているようです。左端にあるのがそうかな? 台所に流しがない場合もあるそうで、水は汲み置きを使うのだとか。水がすぐに凍ってしまう極寒の地ならではの生活スタイルと言えそうでした。
この近くにはエスキモーの家なんかもありました。
壁には模型が無い様式のパネルなどもありました。こちらはイタリアのアルベルベッロ

犬山のリトルワールドで観た覚えがあります。今はガスで火を使っているのだとか。
参考記事:【番外編】野外民族博物館 リトルワールドの写真 後編(2013年12月)
こちらは日本の武蔵野の農家。

日本は囲炉裏に鍋を釣って調理する習慣が広がりましたが、南の地域ではかまどが使われたようです。こちらは囲炉裏とかまどが併設されています。やはり日本の中でも暑さ・寒さでスタイルが違うようですね。
こちらはインドのタミル地方の商人の家。

インドでは台所は神聖な神様の住まいで、履物を脱いで裸足で入るそうです。暑いので火の制御に神経を使うのだとか。
続いて近代日本の台所の歴史のコーナーです。
こちらは明治13年の『くりやのこころへ』

ここで注目なのは、調理を床の上で行っていることです。魚も床に近い所にあるし、衛生面が気になる所です。
明治後期以降に立って調理するスタイルになっていったようで、台所の近代化は「立働式」「衛生」「利便」の3つの理念があったようです。
こちらは『増補注釈 食道楽』春の巻という明治38年の小説の挿絵。

大隈重信の家の台所で、しっかり立って作業しています。イギリスから取り寄せたオーブンなんかもあるようで、流石は権力者のおうちです。
こちらは昭和5年の『新編 家事教科書 上巻』

日本の台所は広すぎて無駄な動きが多かったと解説しているようです。確かにさっきの明治の頃の様子を観ると、昔はリビングの真ん中で家事するのと変わらないようなw 徐々に今のスタイルに近づいてきています。
こちらは『婦人之友』の昭和23年10月号

収まりが良くて機能的な構成になっているように思えます。この頃になるとだいぶ効率化されている感じがします。
こちらは立って調理するに当たって、人間の稼働を考えた上で設計する人間工学を示したもの

日本の平均的な女性の身長を元に作るという発想は非常に近代的かつ利便性を感じさせます。
こちらは台所の素材に関するコーナー。

明るく清潔な状態、耐水性・耐火性、美的な印象などを求めて新しい材料が採用されていった歴史があるようです。ステンレスはちょっと安っぽい見た目に思えますが、錆びにくいし耐久性は高いですね。
最後に建築家による台所の設計のコーナーがありました。
こちらはル・コルビュジエの集合住宅であるユニテ・ダビタシオンの台所。

台所と居間を一続きの部屋としているらしいので、かなり現代に近いデザインかも。ユニテは色々と先進的で流石は世界遺産です。
参考記事:ル・コルビュジエ 「ラ・シテ・ラディユーズ(ユニテ・ダビタシオン)」 【南仏編 マルセイユ】
こちらはル・コルビュジエの弟子のである前川國男の自邸

今は たてもの園にありますが、台所は入った記憶がない…w 白くコンパクトにまとまっている点がル・コルビュジエと共通するのだとか。
参考記事:江戸東京たてもの園 の写真 その1 (江戸東京たてもの園)
他にもミース・ファン・デル・ローエやフランク・ロイド・ライトなど名だたる建築家の設計も紹介されていました。
ということで、様々な台所にまつわる事柄を知ることができました。気候や宗教と相まって進化した各地の台所や、合理化していく過程なども観ることが出来て予想以上に面白かったです。ここは無料で観ることができますので、京橋~銀座付近に行く機会があったら気軽に覗いてみるとよろしいかと思います。

【展覧名】
台所見聞録-人と暮らしの万華鏡-
【公式サイト】
https://www.livingculture.lixil/topics/gallery/g-1903/
【会場】LIXILギャラリー
【最寄】京橋駅(東京)
【会期】2019年6月6日(木)~8月24日(土)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は台所をテーマにしたもので、その歴史や風土による違いなどを紹介する内容となっています。建築家の宮崎玲子 氏の調査によると、北緯40度を境にして南北で火と水の使い方に特徴があるそうで、寒い北では部屋の中央に火を置く生活、熱い南では火を遠ざけるような造りとなっているようです。また、北は細菌の繁殖が少なく 土も乾燥して落ちやすいので水の使用量は少なくて済むのに対して、南は調理に水を必要とし洗う頻度も高いので 水を多く必要とするようです。この展示ではそうした様々な台所を模型や絵などで解説していましたので、詳しくは写真と共にご紹介していこうと思います。
こちらは会場の様子。

手前は世界の家の模型が置かれていて、仕切りの奥は主に日本の台所の近代史となっていました。まずは世界の台所から観ていきました。
こちらはドイツのフランケン地方の家の模型です。小作人向けの家で20世紀初頭頃までは見られた家のようです。

寒い地方なので火を使う台所も家の中心に置かれています。
奥の部屋はこんな感じ。

クッキングストーブによって隣の部屋も暖められ、煙は煙突から排出されるようです。確かに火を使うのを前提として家を設計しているのが分かりますね。
こちらはロシアのカレリア地方の労働者の家の模型。

ペーチカと呼ばれる暖炉で部屋全体を温めるそうで、隣の家と二分して使っているようです。左端にあるのがそうかな? 台所に流しがない場合もあるそうで、水は汲み置きを使うのだとか。水がすぐに凍ってしまう極寒の地ならではの生活スタイルと言えそうでした。
この近くにはエスキモーの家なんかもありました。
壁には模型が無い様式のパネルなどもありました。こちらはイタリアのアルベルベッロ

犬山のリトルワールドで観た覚えがあります。今はガスで火を使っているのだとか。
参考記事:【番外編】野外民族博物館 リトルワールドの写真 後編(2013年12月)
こちらは日本の武蔵野の農家。

日本は囲炉裏に鍋を釣って調理する習慣が広がりましたが、南の地域ではかまどが使われたようです。こちらは囲炉裏とかまどが併設されています。やはり日本の中でも暑さ・寒さでスタイルが違うようですね。
こちらはインドのタミル地方の商人の家。

インドでは台所は神聖な神様の住まいで、履物を脱いで裸足で入るそうです。暑いので火の制御に神経を使うのだとか。
続いて近代日本の台所の歴史のコーナーです。
こちらは明治13年の『くりやのこころへ』

ここで注目なのは、調理を床の上で行っていることです。魚も床に近い所にあるし、衛生面が気になる所です。
明治後期以降に立って調理するスタイルになっていったようで、台所の近代化は「立働式」「衛生」「利便」の3つの理念があったようです。
こちらは『増補注釈 食道楽』春の巻という明治38年の小説の挿絵。

大隈重信の家の台所で、しっかり立って作業しています。イギリスから取り寄せたオーブンなんかもあるようで、流石は権力者のおうちです。
こちらは昭和5年の『新編 家事教科書 上巻』

日本の台所は広すぎて無駄な動きが多かったと解説しているようです。確かにさっきの明治の頃の様子を観ると、昔はリビングの真ん中で家事するのと変わらないようなw 徐々に今のスタイルに近づいてきています。
こちらは『婦人之友』の昭和23年10月号

収まりが良くて機能的な構成になっているように思えます。この頃になるとだいぶ効率化されている感じがします。
こちらは立って調理するに当たって、人間の稼働を考えた上で設計する人間工学を示したもの

日本の平均的な女性の身長を元に作るという発想は非常に近代的かつ利便性を感じさせます。
こちらは台所の素材に関するコーナー。

明るく清潔な状態、耐水性・耐火性、美的な印象などを求めて新しい材料が採用されていった歴史があるようです。ステンレスはちょっと安っぽい見た目に思えますが、錆びにくいし耐久性は高いですね。
最後に建築家による台所の設計のコーナーがありました。
こちらはル・コルビュジエの集合住宅であるユニテ・ダビタシオンの台所。

台所と居間を一続きの部屋としているらしいので、かなり現代に近いデザインかも。ユニテは色々と先進的で流石は世界遺産です。
参考記事:ル・コルビュジエ 「ラ・シテ・ラディユーズ(ユニテ・ダビタシオン)」 【南仏編 マルセイユ】
こちらはル・コルビュジエの弟子のである前川國男の自邸

今は たてもの園にありますが、台所は入った記憶がない…w 白くコンパクトにまとまっている点がル・コルビュジエと共通するのだとか。
参考記事:江戸東京たてもの園 の写真 その1 (江戸東京たてもの園)
他にもミース・ファン・デル・ローエやフランク・ロイド・ライトなど名だたる建築家の設計も紹介されていました。
ということで、様々な台所にまつわる事柄を知ることができました。気候や宗教と相まって進化した各地の台所や、合理化していく過程なども観ることが出来て予想以上に面白かったです。ここは無料で観ることができますので、京橋~銀座付近に行く機会があったら気軽に覗いてみるとよろしいかと思います。
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今日は写真多めです。先週の日曜日に銀座でギャラリーめぐりをした際、ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEXでRyu Itadani「ENJOY the VIEW」を観てきました。この展示は撮影可能でしたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

【展覧名】
Ryu Itadani「ENJOY the VIEW」
【公式サイト】
https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/index.html
【会場】ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX
【最寄】銀座駅・京橋駅
【会期】2019年6月7日(金)~6月30日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
結構お客さんは多かったですが、快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は2010年にポーラ美術振興財団・在外研修員に選ばれ、現在は国内外で活躍する板谷龍一郎(いただに りゅういちろう)氏の個展となっています。板谷龍一郎 氏は街や植物、愛用の文房具など身の回りのものをアクリルで色鮮やかに描いている方のようで、近年では青山のIntersect By Lexusなどに作品提供を行ったりもしているようです。この展示でも独特の画風の作品が並んでいましたので、詳しくは写真を使ってご紹介していこうと思います。
板谷龍一郎 「Wasser Taxi」

こちらは水上タクシーを描いたもの。非常に濃厚な色面と輪郭を使って鮮やかな画風となっています。やや素朴な雰囲気もありつつ、どこかワクワクするような気持ちが伝わってくるような楽しげな絵に見えました。
板谷龍一郎 「Cabo da Roca(02)」

こちらはポルトガルのロカ岬を描いた作品。3枚連続で1つの光景となっています。うねるような色面の組み合わせがリズミカルで、流れを感じさせるかな。
こちらは先程の作品のつなぎ目のアップ。

板谷龍一郎 氏はキャンバスの側面にまで彩色されているようで、横から見ると立体的な感じもありました。
板谷龍一郎 「Tokyo2018」

こちらは東京を描いた作品。東京タワーや六本木あたりのビルが見える公園なので有栖川宮記念公園あたりでしょうか? 木々やビルの色が多彩ですが、調和も感じられるように思います。フリーハンドで描いたような味わいがあって無機質なモチーフでもどこか温かみを感じました。
他にも名所などを描いた作品がいくつかありました。
板谷龍一郎 「On The Table」

こちらは静物画。ここまで観てきた絵に共通するのですが、割と表面が盛り上がっていて色面の中にも凹凸のあるマチエールとなっています。この絵ではそれが紫陽花の花によく合った表現のように思えました。
この辺には文房具をモチーフにした小品が並んでいました。

モチーフの選び方がウォーホルのキャンベル・スープ缶みたいな感じw
板谷龍一郎 「GOLDEN FLUID ACRYLICS」

こちらはアクリル絵の具を描いています。これを使って作品を描いているのかも?? よく観ると微妙に角度を変えて描いているようです。手描きの感じに味わいがありますね。
板谷龍一郎 「Zoo」

青空を見上げるペンギン。物思いに耽っているのか、背中が若干寂しげに見えるかな。左上の塊は何か分からずちょっと気になるw
板谷龍一郎 「Tsuta(012)」「Rose #06」「Monstera」「Tulip」

こちらは植物を描いたキューブ状の作品。
横から観るとこんな感じで、側面にも絵が描かれています。

画風は平面的だけど、全体的には立体的になっているのが面白い発想です。
何と下にも絵が繋がっていますw もちろん、上にも描かれていました。

下から観る人なんて滅多にいないと思いますが、もし実際に観る機会があったら覗いて観てくださいw
他にも草花を描いた小品がいくつかありました。

いずれも鮮やかな色彩と相まって華やかな雰囲気でした。
ということで、独特のアクリル画を堪能することができました。解説などが無いので実際の制作意図などは分からないですが、画風だけでも楽しめる画家ではないかと思います。今後も活躍が期待される方ですので、気になる方はこの機会に是非どうぞ。ここは無料なので気軽に観ることができます。
おまけ:
ビルの1Fにも作品がありました。


【展覧名】
Ryu Itadani「ENJOY the VIEW」
【公式サイト】
https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/index.html
【会場】ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX
【最寄】銀座駅・京橋駅
【会期】2019年6月7日(金)~6月30日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
結構お客さんは多かったですが、快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は2010年にポーラ美術振興財団・在外研修員に選ばれ、現在は国内外で活躍する板谷龍一郎(いただに りゅういちろう)氏の個展となっています。板谷龍一郎 氏は街や植物、愛用の文房具など身の回りのものをアクリルで色鮮やかに描いている方のようで、近年では青山のIntersect By Lexusなどに作品提供を行ったりもしているようです。この展示でも独特の画風の作品が並んでいましたので、詳しくは写真を使ってご紹介していこうと思います。
板谷龍一郎 「Wasser Taxi」

こちらは水上タクシーを描いたもの。非常に濃厚な色面と輪郭を使って鮮やかな画風となっています。やや素朴な雰囲気もありつつ、どこかワクワクするような気持ちが伝わってくるような楽しげな絵に見えました。
板谷龍一郎 「Cabo da Roca(02)」

こちらはポルトガルのロカ岬を描いた作品。3枚連続で1つの光景となっています。うねるような色面の組み合わせがリズミカルで、流れを感じさせるかな。
こちらは先程の作品のつなぎ目のアップ。

板谷龍一郎 氏はキャンバスの側面にまで彩色されているようで、横から見ると立体的な感じもありました。
板谷龍一郎 「Tokyo2018」

こちらは東京を描いた作品。東京タワーや六本木あたりのビルが見える公園なので有栖川宮記念公園あたりでしょうか? 木々やビルの色が多彩ですが、調和も感じられるように思います。フリーハンドで描いたような味わいがあって無機質なモチーフでもどこか温かみを感じました。
他にも名所などを描いた作品がいくつかありました。
板谷龍一郎 「On The Table」

こちらは静物画。ここまで観てきた絵に共通するのですが、割と表面が盛り上がっていて色面の中にも凹凸のあるマチエールとなっています。この絵ではそれが紫陽花の花によく合った表現のように思えました。
この辺には文房具をモチーフにした小品が並んでいました。

モチーフの選び方がウォーホルのキャンベル・スープ缶みたいな感じw
板谷龍一郎 「GOLDEN FLUID ACRYLICS」

こちらはアクリル絵の具を描いています。これを使って作品を描いているのかも?? よく観ると微妙に角度を変えて描いているようです。手描きの感じに味わいがありますね。
板谷龍一郎 「Zoo」

青空を見上げるペンギン。物思いに耽っているのか、背中が若干寂しげに見えるかな。左上の塊は何か分からずちょっと気になるw
板谷龍一郎 「Tsuta(012)」「Rose #06」「Monstera」「Tulip」

こちらは植物を描いたキューブ状の作品。
横から観るとこんな感じで、側面にも絵が描かれています。

画風は平面的だけど、全体的には立体的になっているのが面白い発想です。
何と下にも絵が繋がっていますw もちろん、上にも描かれていました。

下から観る人なんて滅多にいないと思いますが、もし実際に観る機会があったら覗いて観てくださいw
他にも草花を描いた小品がいくつかありました。

いずれも鮮やかな色彩と相まって華やかな雰囲気でした。
ということで、独特のアクリル画を堪能することができました。解説などが無いので実際の制作意図などは分からないですが、画風だけでも楽しめる画家ではないかと思います。今後も活躍が期待される方ですので、気になる方はこの機会に是非どうぞ。ここは無料なので気軽に観ることができます。
おまけ:
ビルの1Fにも作品がありました。

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前々回、前回とご紹介した さいたま市大宮盆栽美術館に行った後、すぐ近くにあるCafe and ... というお店でお茶してきました。

【店名】
Cafe and ...
【ジャンル】
カフェ
【公式サイト】
https://www.facebook.com/cafeand275/
https://twitter.com/cafe_cafeand
食べログ:なし
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
土呂駅
【近くの美術館】
さいたま市大宮盆栽美術館
【この日にかかった1人の費用】
700~800円程度
【味】
不味_1_2_③_4_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_③_4_5_名店
【感想】
空いていてゆっくりとお茶することができました。
こちらは さいたま市大宮盆栽美術館から土呂駅に向かう方向に50mくらい歩いた所にあるお店で、一見すると普通のアパートみたいな感じですが、1階部分がカフェとなっています。そこはかとなく香る昭和感が気になって入ってみましたw
お店の中はこんな感じ。

中も普通のご家庭みたいな見た目ですが、椅子などは洒落ていました。軽快な音楽が流れて落ち着いた雰囲気です。
この日はかぼちゃのプリンとコーヒーのセットを頼みました。うろ覚えですが700~800円くらいだったと思います。

まず かぼちゃのプリンは意外と硬めで、繊維までしっかり入ってカボチャの風味が強めでした。味は甘過ぎず軽やかで美味しかったです。コーヒーはコクがあってまろやかな感じかな。苦味はなく若干の酸味で飲みやすい感じでした。
ということで、落ち着いてお茶することができました。盆栽美術館には併設カフェがなく駅までもちょっと距離があるので、美術館のすぐ近くにあるこのお店は便利な所にあると思います。飲み物メニューの種類も結構あるので盆栽美術館に行く際に寄ってみるのもよろしいかと思います。

【店名】
Cafe and ...
【ジャンル】
カフェ
【公式サイト】
https://www.facebook.com/cafeand275/
https://twitter.com/cafe_cafeand
食べログ:なし
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
土呂駅
【近くの美術館】
さいたま市大宮盆栽美術館
【この日にかかった1人の費用】
700~800円程度
【味】
不味_1_2_③_4_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_③_4_5_名店
【感想】
空いていてゆっくりとお茶することができました。
こちらは さいたま市大宮盆栽美術館から土呂駅に向かう方向に50mくらい歩いた所にあるお店で、一見すると普通のアパートみたいな感じですが、1階部分がカフェとなっています。そこはかとなく香る昭和感が気になって入ってみましたw
お店の中はこんな感じ。

中も普通のご家庭みたいな見た目ですが、椅子などは洒落ていました。軽快な音楽が流れて落ち着いた雰囲気です。
この日はかぼちゃのプリンとコーヒーのセットを頼みました。うろ覚えですが700~800円くらいだったと思います。

まず かぼちゃのプリンは意外と硬めで、繊維までしっかり入ってカボチャの風味が強めでした。味は甘過ぎず軽やかで美味しかったです。コーヒーはコクがあってまろやかな感じかな。苦味はなく若干の酸味で飲みやすい感じでした。
ということで、落ち着いてお茶することができました。盆栽美術館には併設カフェがなく駅までもちょっと距離があるので、美術館のすぐ近くにあるこのお店は便利な所にあると思います。飲み物メニューの種類も結構あるので盆栽美術館に行く際に寄ってみるのもよろしいかと思います。
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前回ご紹介した さいたま市大宮盆栽美術館の常設を観た後、企画展「〈盆栽〉の物語~盆栽のたどった歴史」を観てきました。

【展覧名】
企画展〈盆栽〉の物語~盆栽のたどった歴史
【公式サイト】
http://www.bonsai-art-museum.jp/ja/exhibition/exhibition-4156/
【会場】さいたま市大宮盆栽美術館
【最寄】土呂駅
【会期】2019年5月18日(土)~7月3日(水)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_②_3_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は盆栽美術館の企画室で行われているもので、パネルを使って盆栽の歴史を紹介する内容となっています。浮世絵もいくつかあるものの基本的にはパネルのみなので作品充実度は低めにしましたが、知られざる盆栽の歴史を分かりやすく紹介していました。素人でもその成り立ちを理解できるようになっていましたので、簡単にその様子をご紹介していこうと思います。
まず「盆栽」という言葉自体は200年くらい前から使い始めたそうで、意外と歴史が浅い感じがします。しかし、鉢植えに植えて愛でるという文化は古代からあったようで、その始まりは1300年前(8世紀)の中国の壁画にまで遡るようです。この時代の李賢という王子の為の墓の内部に、浅い鉢に入った植物と石のような塊が描かれているようで、何と呼ばれていたか定かではないものの鉢に植物を入れて愛でる習慣があったことが確認できるようです。隣にはその絵のパネル(今回のポスターの絵)があり、聖徳太子のような格好で盆栽を両手に持って立つ人物が描かれていました。まあ日本の文化の雛形は大体は中国から来ているのでこれは予想通りかな。
次に日本における最も古い盆栽についてですが、700年程前(14世紀)の鎌倉時代の「春日権現験記」の中に描かれているのが確認できるようです。(この写真はロビーの映像を撮ったものです)

屋敷の軒先に砂を敷き詰めて樹木を植えた石付き盆栽の形式で描かれているそうで、その絵のコピーも展示されています。巻物を寝転んで観ている2人女性が描かれた長閑なシーンに確かに盆栽らしきものが描かれています。他にも鳥小屋とかもあって、裕福な屋敷の趣味の1つといった感じでした。
その後、500年前(16世紀)になると屏風絵などに盆栽が描かれていて、当時の辞書やイエズス会の日本辞書には盆山(ぼんさん)という名前となっているようです。見た目は完全に今の盆栽と同じように見えるので、この頃には既に形式的には現在と似たものになっていたのかもしれません。さらに桃山時代には能の演目「鉢木」が登場し、多くの絵や絵本、江戸時代には浮世絵として取り上げられるようになったそうです。この話は現在の佐野の佐野源左衛門常世が雪の夜に 旅の僧に一夜の宿を与えた内容で、その際に薪木も無い状態だったので せめてもの もてなしで愛蔵の梅・松・桜の鉢植えを切って薪として火にくべました。その後、 佐野源左衛門が いざ鎌倉の号令に従い馳せ参じた際、大将の北条時頼が実は自分が雪の晩の僧であったと明かし、恩賞を与えたというストーリーとなっていました。何処まで史実か私には分かりませんが、盆栽が価値のあるものという認識があってこその話だと思うので、桃山時代の頃にはそういう認識だったのかもしれませんね。近くにはそれを題材にした小林清親の作品なども展示してありました。
江戸時代に入ると大名庭園に盆栽が姿を表すようになり、徳川家にとって松は特別な意味がありました。一方、江戸時代後期には庶民にも鉢植えの愛好が広がり当時の浮世絵にもそれが描かれ、庶民も盆栽を愛でて四季の移ろいを身近に感じていたようです。ここには歌川国貞や歌川豊国の浮世絵なども展示されていて、盆栽や鉢植えと共に美人が描いてあるのが多かったかな。座敷に飾ってあったりして生活に溶け込んでいる感じがします。
また、江戸時代の「草木育種」という本に「盆栽」の記述があるようですが、ここでは「はちうへ」とわざわざルビが振られているので、読み方はまだ「ぼんさい」ではなかったと考えられるようです。
さらに江戸時代には中国文化に憧れた文人が茶の湯の席で座敷飾りに盆栽を使ったようで、茶器と同じ土で焼かれた鉢は現在に続く盆栽の鉢の典型となったようです。こうした茶会の出品目録に盆栽の文字が記されるようになっていったのだとか。
明治時代になると日清戦争の影響で煎茶の文化は退潮していきますが、政財界の盆栽愛好家が盆栽の担い手となっていったようです。中でも大隈重信はその代表格で屋敷の中に無数に盆栽が飾られている写真が展示されていました。他にも夏目漱石や正岡子規なども愛好していたようで、夏目漱石の『虞美人草』に盆栽の話が出てくると紹介されていました。
また、この時代は万国博覧会が盛んに行われていた頃で、1873年のウィーン万国博覧会や1878年の第3回パリ万国博覧会などで日本庭園が作られ、そこに盆栽も飾られました。1889年の第4回パリ万国博覧会でも盆栽は注目を集めたようで、当時の写真や目録、版画などを展示していました。この頃はジャポニスム全盛期なので盆栽もその一端を担った様子が伝わってきました。
また、明治時代には国内においても盆栽は女性の教養の1つとして奨励されていたようで、それも絵や写真と共に紹介されていました。お爺さんの趣味のイメージがあるので女性とは意外ですね。生花は女性のイメージですが。
昭和の1930年代頃になると、盆栽研究家の小林憲雄によって盆栽芸術運動が展開され、美術館での展覧会を求めたようです。その結果、現在の東京都美術館を会場に1934年には国風盆栽展が開催されることとなり、この展示は現在にまで毎年開催されています。これは盆栽が芸術として認識されたことを象徴する出来事と言えるかもしれません。ここには当時の会場の写真などが展示されていました。
その後は大宮の盆栽村の誕生について紹介されていました。関東大震災の後に盆栽業者が移住してきて盛んになった訳ですが、戦時中は贅沢品とみなされて影響を受けたようです。しかし戦後は盆栽界も復興を遂げ、東京オリンピックや大阪万博には盆栽村からの出品もあったようです。ここには吉田茂や佐藤栄作、西ドイツの大統領が盆栽村を訪れた写真などが並んでいて、政界や海外からも注目されていたことが伺えました。
最後に盆栽の国際化について紹介されていました。1980年に「世界盆栽水石展」が大阪で開かれ、諸外国の盆栽指導者に呼びかけて「世界盆栽会議」が開かれたそうです。この会議は今でも続いているそうで、1989年に大宮で開催された時の写真なども展示されていました。本当に日本より外国の方が盆栽に熱心だったりしますね。
ということで、盆栽の歴史を知ることができました。全く知らない世界でしたがこれを観ることで流れが分かったように思います。ここは予想以上に面白いところですので、ご興味ある方は是非どうぞ。


【展覧名】
企画展〈盆栽〉の物語~盆栽のたどった歴史
【公式サイト】
http://www.bonsai-art-museum.jp/ja/exhibition/exhibition-4156/
【会場】さいたま市大宮盆栽美術館
【最寄】土呂駅
【会期】2019年5月18日(土)~7月3日(水)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_②_3_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は盆栽美術館の企画室で行われているもので、パネルを使って盆栽の歴史を紹介する内容となっています。浮世絵もいくつかあるものの基本的にはパネルのみなので作品充実度は低めにしましたが、知られざる盆栽の歴史を分かりやすく紹介していました。素人でもその成り立ちを理解できるようになっていましたので、簡単にその様子をご紹介していこうと思います。
まず「盆栽」という言葉自体は200年くらい前から使い始めたそうで、意外と歴史が浅い感じがします。しかし、鉢植えに植えて愛でるという文化は古代からあったようで、その始まりは1300年前(8世紀)の中国の壁画にまで遡るようです。この時代の李賢という王子の為の墓の内部に、浅い鉢に入った植物と石のような塊が描かれているようで、何と呼ばれていたか定かではないものの鉢に植物を入れて愛でる習慣があったことが確認できるようです。隣にはその絵のパネル(今回のポスターの絵)があり、聖徳太子のような格好で盆栽を両手に持って立つ人物が描かれていました。まあ日本の文化の雛形は大体は中国から来ているのでこれは予想通りかな。
次に日本における最も古い盆栽についてですが、700年程前(14世紀)の鎌倉時代の「春日権現験記」の中に描かれているのが確認できるようです。(この写真はロビーの映像を撮ったものです)

屋敷の軒先に砂を敷き詰めて樹木を植えた石付き盆栽の形式で描かれているそうで、その絵のコピーも展示されています。巻物を寝転んで観ている2人女性が描かれた長閑なシーンに確かに盆栽らしきものが描かれています。他にも鳥小屋とかもあって、裕福な屋敷の趣味の1つといった感じでした。
その後、500年前(16世紀)になると屏風絵などに盆栽が描かれていて、当時の辞書やイエズス会の日本辞書には盆山(ぼんさん)という名前となっているようです。見た目は完全に今の盆栽と同じように見えるので、この頃には既に形式的には現在と似たものになっていたのかもしれません。さらに桃山時代には能の演目「鉢木」が登場し、多くの絵や絵本、江戸時代には浮世絵として取り上げられるようになったそうです。この話は現在の佐野の佐野源左衛門常世が雪の夜に 旅の僧に一夜の宿を与えた内容で、その際に薪木も無い状態だったので せめてもの もてなしで愛蔵の梅・松・桜の鉢植えを切って薪として火にくべました。その後、 佐野源左衛門が いざ鎌倉の号令に従い馳せ参じた際、大将の北条時頼が実は自分が雪の晩の僧であったと明かし、恩賞を与えたというストーリーとなっていました。何処まで史実か私には分かりませんが、盆栽が価値のあるものという認識があってこその話だと思うので、桃山時代の頃にはそういう認識だったのかもしれませんね。近くにはそれを題材にした小林清親の作品なども展示してありました。
江戸時代に入ると大名庭園に盆栽が姿を表すようになり、徳川家にとって松は特別な意味がありました。一方、江戸時代後期には庶民にも鉢植えの愛好が広がり当時の浮世絵にもそれが描かれ、庶民も盆栽を愛でて四季の移ろいを身近に感じていたようです。ここには歌川国貞や歌川豊国の浮世絵なども展示されていて、盆栽や鉢植えと共に美人が描いてあるのが多かったかな。座敷に飾ってあったりして生活に溶け込んでいる感じがします。
また、江戸時代の「草木育種」という本に「盆栽」の記述があるようですが、ここでは「はちうへ」とわざわざルビが振られているので、読み方はまだ「ぼんさい」ではなかったと考えられるようです。
さらに江戸時代には中国文化に憧れた文人が茶の湯の席で座敷飾りに盆栽を使ったようで、茶器と同じ土で焼かれた鉢は現在に続く盆栽の鉢の典型となったようです。こうした茶会の出品目録に盆栽の文字が記されるようになっていったのだとか。
明治時代になると日清戦争の影響で煎茶の文化は退潮していきますが、政財界の盆栽愛好家が盆栽の担い手となっていったようです。中でも大隈重信はその代表格で屋敷の中に無数に盆栽が飾られている写真が展示されていました。他にも夏目漱石や正岡子規なども愛好していたようで、夏目漱石の『虞美人草』に盆栽の話が出てくると紹介されていました。
また、この時代は万国博覧会が盛んに行われていた頃で、1873年のウィーン万国博覧会や1878年の第3回パリ万国博覧会などで日本庭園が作られ、そこに盆栽も飾られました。1889年の第4回パリ万国博覧会でも盆栽は注目を集めたようで、当時の写真や目録、版画などを展示していました。この頃はジャポニスム全盛期なので盆栽もその一端を担った様子が伝わってきました。
また、明治時代には国内においても盆栽は女性の教養の1つとして奨励されていたようで、それも絵や写真と共に紹介されていました。お爺さんの趣味のイメージがあるので女性とは意外ですね。生花は女性のイメージですが。
昭和の1930年代頃になると、盆栽研究家の小林憲雄によって盆栽芸術運動が展開され、美術館での展覧会を求めたようです。その結果、現在の東京都美術館を会場に1934年には国風盆栽展が開催されることとなり、この展示は現在にまで毎年開催されています。これは盆栽が芸術として認識されたことを象徴する出来事と言えるかもしれません。ここには当時の会場の写真などが展示されていました。
その後は大宮の盆栽村の誕生について紹介されていました。関東大震災の後に盆栽業者が移住してきて盛んになった訳ですが、戦時中は贅沢品とみなされて影響を受けたようです。しかし戦後は盆栽界も復興を遂げ、東京オリンピックや大阪万博には盆栽村からの出品もあったようです。ここには吉田茂や佐藤栄作、西ドイツの大統領が盆栽村を訪れた写真などが並んでいて、政界や海外からも注目されていたことが伺えました。
最後に盆栽の国際化について紹介されていました。1980年に「世界盆栽水石展」が大阪で開かれ、諸外国の盆栽指導者に呼びかけて「世界盆栽会議」が開かれたそうです。この会議は今でも続いているそうで、1989年に大宮で開催された時の写真なども展示されていました。本当に日本より外国の方が盆栽に熱心だったりしますね。
ということで、盆栽の歴史を知ることができました。全く知らない世界でしたがこれを観ることで流れが分かったように思います。ここは予想以上に面白いところですので、ご興味ある方は是非どうぞ。
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今日は写真多めです。先週の土曜日に埼玉県の土呂(大宮の隣の駅)にある さいたま市大宮盆栽美術館に行ってきました。一部で撮影可能となっていましたので写真を使ってご紹介していこうと思います。

【公式サイト】
http://www.bonsai-art-museum.jp/ja/
【会場】さいたま市大宮盆栽美術館
【最寄】土呂駅
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この美術館は盆栽をテーマにした展示を行っていて、常設だけでなく企画展も行われ盆栽に関する様々な事柄を紹介しています。この美術館のある一帯は盆栽町という名前で盆栽が盛んな地域で、関東大震災の後に多くの盆栽職人が移り住んできたことで盆栽の街になったようです。盆栽というと年寄りの趣味というイメージがありますが、むしろ海外で高い評価を得ているようで この日も多くの外国人観光客が訪れていました。むしろ聞こえてくる会話の半分以上は英語だったような…w 常設では一部が撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います
この美術館にはブログ休止中にも訪れたことがあるのですが、季節によって展示内容も変わるところがあるようです。

今回はさつきの盆栽の展示がありました。(2019年6月16日まで) ロビーのこの作品だけ撮影可能でしたが他にもいくつか常設内にあって、見事な花を咲かせていました。
こちらもロビーから観た光景。

この写真で見えている場所では撮影できないですが、見事な盆栽ばかりです。
こちらは2回のテラスから撮った光景。

それほど広くはないものの、多くの盆栽が展示されています。奥にあるのは企画展の部屋です。
常設に入ると、盆栽の見方についての解説がありました。私は盆栽について全くの無知なのでこれは中々嬉しい解説です。盆栽に関しては祖父の盆栽の松の葉っぱをむしって怒られた記憶しか無いので…w
まず盆栽は正面と裏があるようです。盆栽家は見所を見極めて正面に鉢を植えるので、正面が最も見栄えするようです。また、盆栽は下から見上げるように観るのもポイントらしく、盆栽は大樹の姿を凝縮しているので下から見ると大樹の威容を感じられるそうです。
続いて、根の張り具合(根張り)も見所で、あらゆる方向に根を張る「八方根張」が理想とされるようです。また、もみじ等は甲羅状に広がる「盤根」という根張りが良いらしく、写真付きで解説していました。
次に幹は「立ち上がり」という根本から最初の枝までの部分が重要らしく、そこから上に向かって伸び広がることで大木のような迫力を生むそうです。一方、枝は「枝ぶり」といってバランス良く見苦しい「忌み枝」が無いのが良いとされるようです。また、そこから伸びる葉っぱについても同じ品種でも個性があるとのことでした。後の方に盆栽の形の整え方の解説もあるのですが、針金などで整えているようで相当に手間がかかるようです。私が葉っぱを引っこ抜いて怒られたのも当然ですねw
他にも「ジン(神)」と「シャリ(舎利)」という木肌についての解説もありました。これは後ほど写真でご紹介しますが、幹や枝の一部が枯れたもので、松の真柏は白い肌を見せることがあるようです。それがコントラストを生むようで枝先の枯れをジン、幹の枯れをシャリと呼ぶのだとか。
盆栽の見方の後には盆栽村の歴史が紹介されていました。先述の通り関東大震災の後に団子坂の盆栽業者が移ってきたことなどが書かれています。そして、その後には3つの和室があり、真・行・草の格式それぞれの飾り方を示していました。やはり真が一番格式が高く感じられるかな。何となく盆栽にも格式に応じたものがあることが分かります。(ここは撮影禁止。外国人は撮りまくってましたがw)
その後は庭にある盆栽を見ていくことになります。この一角は撮影可能です。

割と近づいて観られるので先程学んだ見方を早速実践することができますw
「黒松」 (推定樹齢120年)

非常に立派な松で、こんもりして整った枝ぶりでした。それほど大きくないのに威厳が半端ないw
下から見るとこんな感じ。

背景次第では大木の写真に見えるのではないでしょうか。まさに大樹を感じさせますね。
「真柏」 (推定樹齢350年)

こちらは先程の「シャリ」の肌となっていました。白くなって何だか神々しい。白に緑が映えます。
「五葉松」 (推定樹齢120年)

こちらはもはや松林!w 大きさ以上に大きく見えるのが何とも不思議です。枝や幹の伸び方も勢いを感じさせました。
盆栽というと松のイメージですが、他にも色々ありました。
「山もみじ [紅陵]」 (推定樹齢120年)

こちらはもみじ。やはり大木みたいな形をしています。根張が甲羅状というのも何となく分かるかな? うねっていて迫力ありました。
「五葉松 [舞子]」 (推定樹齢350年)

こちらは横に広がった感じの松。樹齢は350年ということで江戸時代から作られてきたとは恐れ入りますね…。
「花梨」 (推定樹齢150年)

こちらは花梨。花梨の盆栽なんてあるのかという感じですが、幹や整った枝ぶりなんかは松とは味わいがありました。
「真柏 [寿雲]」 (推定樹齢800年)

こちらは何と樹齢800年! 800年かけて作り上げる芸術品なんて他にあるのでしょうか?? シャリが渦巻いていて何ともダイナミックで、圧巻の作品でした。
「津山檜」 (推定樹齢70年)

こちらは檜。段々になっている枝葉の重なり具合が重厚感ありました。檜の盆栽なんてあるんですね。
「いちょう」 (推定樹齢50年)

円形になったいちょう。これはちょっと可愛らしい印象を受けました。
この後、先程ロビーから見えていた撮影禁止エリアの盆栽も観てきました。松だけでなく楓や欅、杉などもありました。松もシャリの作品が結構あって見応えあります。
ということで、盆栽に関して全く無知な私でも見方を知って楽しむことができました。色々な角度で観たり もっと知見を身につけると一層楽しいのだろうと思います。盆栽は外国からも注目されている日本の伝統ですので、一度は訪れておきたい美術館ではないでしょうか。色々と発見がある所でした。
おまけ;
美術館の裏手では盆栽の販売も行っているようでした。

私はレモングラスとコスモスを育てているので精一杯なので買いませんでしたが、いつかはやってみようかな?w

【公式サイト】
http://www.bonsai-art-museum.jp/ja/
【会場】さいたま市大宮盆栽美術館
【最寄】土呂駅
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この美術館は盆栽をテーマにした展示を行っていて、常設だけでなく企画展も行われ盆栽に関する様々な事柄を紹介しています。この美術館のある一帯は盆栽町という名前で盆栽が盛んな地域で、関東大震災の後に多くの盆栽職人が移り住んできたことで盆栽の街になったようです。盆栽というと年寄りの趣味というイメージがありますが、むしろ海外で高い評価を得ているようで この日も多くの外国人観光客が訪れていました。むしろ聞こえてくる会話の半分以上は英語だったような…w 常設では一部が撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います
この美術館にはブログ休止中にも訪れたことがあるのですが、季節によって展示内容も変わるところがあるようです。


今回はさつきの盆栽の展示がありました。(2019年6月16日まで) ロビーのこの作品だけ撮影可能でしたが他にもいくつか常設内にあって、見事な花を咲かせていました。
こちらもロビーから観た光景。

この写真で見えている場所では撮影できないですが、見事な盆栽ばかりです。
こちらは2回のテラスから撮った光景。

それほど広くはないものの、多くの盆栽が展示されています。奥にあるのは企画展の部屋です。
常設に入ると、盆栽の見方についての解説がありました。私は盆栽について全くの無知なのでこれは中々嬉しい解説です。盆栽に関しては祖父の盆栽の松の葉っぱをむしって怒られた記憶しか無いので…w
まず盆栽は正面と裏があるようです。盆栽家は見所を見極めて正面に鉢を植えるので、正面が最も見栄えするようです。また、盆栽は下から見上げるように観るのもポイントらしく、盆栽は大樹の姿を凝縮しているので下から見ると大樹の威容を感じられるそうです。
続いて、根の張り具合(根張り)も見所で、あらゆる方向に根を張る「八方根張」が理想とされるようです。また、もみじ等は甲羅状に広がる「盤根」という根張りが良いらしく、写真付きで解説していました。
次に幹は「立ち上がり」という根本から最初の枝までの部分が重要らしく、そこから上に向かって伸び広がることで大木のような迫力を生むそうです。一方、枝は「枝ぶり」といってバランス良く見苦しい「忌み枝」が無いのが良いとされるようです。また、そこから伸びる葉っぱについても同じ品種でも個性があるとのことでした。後の方に盆栽の形の整え方の解説もあるのですが、針金などで整えているようで相当に手間がかかるようです。私が葉っぱを引っこ抜いて怒られたのも当然ですねw
他にも「ジン(神)」と「シャリ(舎利)」という木肌についての解説もありました。これは後ほど写真でご紹介しますが、幹や枝の一部が枯れたもので、松の真柏は白い肌を見せることがあるようです。それがコントラストを生むようで枝先の枯れをジン、幹の枯れをシャリと呼ぶのだとか。
盆栽の見方の後には盆栽村の歴史が紹介されていました。先述の通り関東大震災の後に団子坂の盆栽業者が移ってきたことなどが書かれています。そして、その後には3つの和室があり、真・行・草の格式それぞれの飾り方を示していました。やはり真が一番格式が高く感じられるかな。何となく盆栽にも格式に応じたものがあることが分かります。(ここは撮影禁止。外国人は撮りまくってましたがw)
その後は庭にある盆栽を見ていくことになります。この一角は撮影可能です。

割と近づいて観られるので先程学んだ見方を早速実践することができますw
「黒松」 (推定樹齢120年)

非常に立派な松で、こんもりして整った枝ぶりでした。それほど大きくないのに威厳が半端ないw
下から見るとこんな感じ。

背景次第では大木の写真に見えるのではないでしょうか。まさに大樹を感じさせますね。
「真柏」 (推定樹齢350年)

こちらは先程の「シャリ」の肌となっていました。白くなって何だか神々しい。白に緑が映えます。
「五葉松」 (推定樹齢120年)

こちらはもはや松林!w 大きさ以上に大きく見えるのが何とも不思議です。枝や幹の伸び方も勢いを感じさせました。
盆栽というと松のイメージですが、他にも色々ありました。
「山もみじ [紅陵]」 (推定樹齢120年)

こちらはもみじ。やはり大木みたいな形をしています。根張が甲羅状というのも何となく分かるかな? うねっていて迫力ありました。
「五葉松 [舞子]」 (推定樹齢350年)

こちらは横に広がった感じの松。樹齢は350年ということで江戸時代から作られてきたとは恐れ入りますね…。
「花梨」 (推定樹齢150年)

こちらは花梨。花梨の盆栽なんてあるのかという感じですが、幹や整った枝ぶりなんかは松とは味わいがありました。
「真柏 [寿雲]」 (推定樹齢800年)

こちらは何と樹齢800年! 800年かけて作り上げる芸術品なんて他にあるのでしょうか?? シャリが渦巻いていて何ともダイナミックで、圧巻の作品でした。
「津山檜」 (推定樹齢70年)

こちらは檜。段々になっている枝葉の重なり具合が重厚感ありました。檜の盆栽なんてあるんですね。
「いちょう」 (推定樹齢50年)

円形になったいちょう。これはちょっと可愛らしい印象を受けました。
この後、先程ロビーから見えていた撮影禁止エリアの盆栽も観てきました。松だけでなく楓や欅、杉などもありました。松もシャリの作品が結構あって見応えあります。
ということで、盆栽に関して全く無知な私でも見方を知って楽しむことができました。色々な角度で観たり もっと知見を身につけると一層楽しいのだろうと思います。盆栽は外国からも注目されている日本の伝統ですので、一度は訪れておきたい美術館ではないでしょうか。色々と発見がある所でした。
おまけ;
美術館の裏手では盆栽の販売も行っているようでした。

私はレモングラスとコスモスを育てているので精一杯なので買いませんでしたが、いつかはやってみようかな?w
記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。


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前回ご紹介したDIC川村記念美術館の敷地内のレストランで食事を楽しんだ後、常設と「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」を観てきました。(常設は今回はメモしなかったので割愛します)

【展覧名】
ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ
【公式サイト】
http://kawamura-museum.dic.co.jp/art/exhibition/
【会場】DIC川村記念美術館
【最寄】JR佐倉駅 または 京成佐倉駅
【会期】2019年3月23日(土) ~6月16日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
お客さんは結構いましたが、快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は川村記念美術館の人気作の作者であるジョゼフ・コーネルの個展で、多くの美術ファンの間では「箱」のアーティストとして知られていると思います。身近なものを加工して作る箱は一種の世界観を作り上げていて面白いのですが、最初から箱のアーティストであった訳ではなく、初期はコラージュ作品から手がけていたようです。箱制作に集中した時期はコラージュから遠ざかっていたようですが、後期にまた多彩なコラージュを制作した他、映画を愛して自らも映画制作しています。
この展示ではそうした多彩な活動を初期から晩年まで時系列的に観ることができました。各章ごとに簡単にメモしてきましたので、気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<第1章 初期コラージュ>
まずは初期のコーナーです。ジョゼフ・コーネルは1931年(27歳)の時に初めて制作した作品がコラージュだったそうで、その年にマンハッタンのジュリアン・レヴィ画廊でマックス・エルンストの小説『百頭女』を観たことがその直接のきっかけとなったようです。コーネルは独学の作家で専門の教育を受けた訳でなかったようですが、伝統美術の技法に頼らずとも コラージュによって新しい文脈のもとで組み直すことで芸術作品を生み出すことができました。しかし、エルンストのコラージュが異なるイメージがぶつかり合ってショックを生むような効果を意図しているのに対して、コーネルの画面は穏やかなリズムとバランスを伴って、自然に共存しロマンティックな雰囲気となっていて、両者の作風には違いがあるようです。また、シュルレアリスムの過激さや性を強調した内容には1930年代から抵抗感を示していたようで、シュルレアリストが集うジュリアン・レヴィ画廊で発表しつつも、自分はシュルレアリストではないと明言していたようです。ここにはそうした初期の頃の作品が並んでいました。
ジョゼフ・コーネル 「無題」
こちらは横たわる人、トウモロコシ、ミシンの一部に花が付いたものなどがコラージュされています。背景にはミシンに向かう女性たちもいて工場の光景のように見えるかな。何となく機械化への批判のように思えて、無意識のうちに物語やストーリーを探そうとしてしまいますw しかし実際の意図は分からず、奇妙な調和と不思議さを漂わせていました。
ジョゼフ・コーネル 「無題」
こちらは馬車や人々が行き交う街を見下ろす光景と、手前には大きな燭台が置かれていてロウソクが灯台のように輝いています。その側面には人が描かれていたり奇妙ですが、静かで落ち着いた雰囲気です。何処と無くデルヴォーの絵を観た時と似たようなものを感じるかな。この静かな世界感は後の箱作品にも繋がっているように思えました。
<第2章 箱制作のかたわらで>
続いては箱制作に集中した時期の箱以外の作品のコーナーです。1930年代後半以降は箱制作に集中していったそうで、再びコラージュの仕事をするのは1960年代となりますが、その間にも雑誌の誌面などでコラージュを扱うことがあったようです。『ハーパース・バザー』誌の為のレイアウトの仕事に携わって以降、『ヴュー』、『ダンスインデックス』、『ヴォーグ』などで仕事し、副収入を得ることで会社務めから解放されていったようです。また、親しい友人やあこがれのバレリーナであるタマラ・トゥマノヴァに宛てた手紙の中にはコラージュ作品が観られるそうで、特にタマラ・トゥマノヴァは自身の写真や衣装の一部をコーネルの作品の素材にして貰うために同封することもあったようです。ここにはそうした時期のコラージュなどが並んでいました。
ジョゼフ・コーネル 「踊るタマラ・トゥマノヴァのコラージュ」 ★こちらで観られます
こちらは今回のポスターになっているコラージュで、バレリーナのタマラ・トゥマノヴァが舞う様子が元になっています。背景は真っ暗で手前には無数の粒が川のように横切り、衣装と一体化するように見えます。まるで踊っている動きが花吹雪になっているように思えるかな。華麗な雰囲気の作品となっていました。
この隣にはタマラ・トゥマノヴァからコーネルに宛てた手紙がありました。何故か謝っているようですが、コーネルの作品が好きだと書いてあります。また、「トゥマノヴァ バレエスクラップブック」という冊子があり、切り抜いたバレエの女性像がいくつかありました。他にもここには『ヴュー』、『ダンスインデックス』などの雑誌がありました。
<第3章 箱作品を中心に 30-50年代>
続いては今回の展示で最も見どころとなっている箱作品のコーナーです。ジョゼフ・コーネルは1930年代前半には既に立体のオブジェも制作していたようで、1936年に最初の重要な箱作品と自身が認めるものが作られます。そして「幻想美術、ダダ・シュルレアリスム展」に出品した「無題(シャボン玉セット)」は、作家が最も長い期間に渡って取り組んだシリーズであり、箱の中に配置されるもの達と それらが帯びる象徴性は箱作品に共通する恒常的なテーマとなっていったようです。1940年代に入ると箱に集中して取り組み、1950年代にかけて優れた作品を生み出していきます。コーネルは鳥が好きで、箱作品にも鳥がよく出てくるようです。また、コーネルは生涯ニューヨークから離れることはなかったようですが、異なる国や時代に思いを馳せて想像力で旅し、ホテルもよく主題としたようで、それもコーネルにとって親密な意味があったと考えられるようです。
1950年代半ばから映画の制作も多くの時間を費やしていたようですが、到達点と言える重要な箱作品を作っていったようです。ここにはそうした箱作品が並んでいました。
ジョゼフ・コーネル 「シャボン玉セット(月の虹) 宇宙の物体」
こちらは箱の中の背景に地球の写真、上部に2本のレール上の鉄棒があり、その上に月のような球体が置かれた作品です。鉄棒には金属の輪っかもぶら下がっていて、下にはシャボン玉のパイプらしきものもあり、全体的には宇宙を表しているように思えます。静かでちょっと寂しげな感じもしますが、コラージュ以上に世界観が詰まっているように思えました。
他にもコペルニクスや宇宙をテーマにした箱はいくつかあり、宇宙好きだったのを伺わせました。
ジョゼフ・コーネル 「無題(オウムと蝶の住まい)」 ★こちらで観られます
こちらは箱の中に左右に分ける仕切りがあり、右に2羽のオウムが寄り添う彩色された木の彫刻と 虫取り網、左には蝶の標本のようなものがあります。仕切りは金網状になっていて、オウム達は蝶をじっと眺めているように見えます。どちらかが囚われているような、意味ありげな感じでした。
この近くには同様に川村記念美術館の所蔵品である「無題(ピアノ)」(★こちらで観られます)などもありました。これも好みの作品です
ジョゼフ・コーネル 「カシオペア #1」
こちらは国立国際美術館の所蔵品で、背景に牡牛座やカシオペアなどの星座図があり、上部にレール状の鉄棒に乗った白い球体、下にはパイプが置かれています。また、作品の裏に回ると2つの円形の星図と女神像、天体観測の人たち、彗星などをコラージュして貼っています。幻想的な雰囲気があり、宇宙の神秘への憧れやロマンティックなものを感じさせました。
ジョゼフ・コーネル 「無題(星ホテル)」
こちらは漆喰のような壁に顔のある太陽が描かれ、縦に円柱と円輪から垂れた鎖があり、側面には縦書きでHOTELと書かれた箱です。HOTELの文字の上には星図があったりして、風化した質感と共に欧米の寂れたホテルを再現しているように思えました。この作品は川村記念美術館の所蔵品の中でも特に好きな作品です。
この辺には似たような大原美術館所蔵の「無題(ホテル:太陽の箱)」や、国立国際美術館所蔵の「無題(北ホテル)」などもありました。
<第4章 後期コラージュ>
続いては再びコラージュのコーナーです。1960年代に入ると再び創作の中心は平面のコラージュとなったようです。しかし以前の1930年代の作品はヴィクトリア時代の版画の複製を用いたスタイルでしたが、この時代は同時代の雑誌を借用し、カラー写真が目立つようです。これはポップアートとの関連性を指摘されるようで、コーネルはアンディー・ウォーホルやロバート・インディアナ、ジェイムズ・ローゼンクイストらと交流があったらしく彼らが家に訪れてきたこともあったようです。ここにはそうした後期のコラージュが並んでいました。
ジョゼフ・コーネル 「気圧測定」
こちらは広い空に舞う2羽の鳥と、その下に羽のある女性像がコラージュされています。右の方に雲の気流を示す図のようなものがあり、これがタイトルに関連していそうです。奇妙な取り合わせですが爽やかなような寂しいような印象を受けました。
ジョゼフ・コーネル 「占星術の娘(カシオペア)」 ★こちらで観られます
こちらは本の目次を背景に裸婦と星図がコラージュされ、女性の股間の部分には北斗七星が貼り付けられています。また、裏には地球の地軸の傾きを説明した絵を使ってコラージュしているなど、両面で楽しむことができます。まるで星空を切り取ってまとうような姿がどこか色っぽく、神話的な雰囲気がありました。
箱作品と同じく、コラージュでも星座を使った作品がいくつかありました。
ジョゼフ・コーネル 「青く塗られた青のなかに(ヴォラーレ)」
こちらは何処かの海辺の断崖の写真を背景に、3体の子供の人形や岩山がコラージュされた作品です。岩山の上にはキューピットや空飛ぶ鳥の姿があり、岩からは何故かヤカンの口のようなものが出ていたり、人形の首が転がっています…。 これは今まで観てきたなかでも特に奇妙でシュルレアリスム的なものを感じるかな。それでも空が青いので爽やかな雰囲気もありました。
<第5章 日記・手紙>
続いては日記や手紙のコーナーです。コーネルは美術界や社交界から距離を取り、郊外に住んでいたため 内気で秘密主義者というレッテルを貼られたようですが、本人はこれを否定していたようです。実際には幅広い交友関係があったそうで、ここにはそれが伺える品が並んでいました。
まずいくつか展覧会の案内状や作品の素材の写真、手紙などが並んでいます。翻訳された内容を観ると、日本の道成寺の伝承を書いた手紙なんかもあって驚きます。たまにコラージュを使った手紙や日記などもあり、コーネルの人となりなども垣間見ることができました。
<第6章 モンタージュ 映画>
最後は映画のコーナーで、ここでは4部屋くらいの小部屋で短編映画を上映していました。コーネルは1930年代から映画黎明期の無声映画フィルムを集めて自宅や画廊でコレクション披露していたそうで、やがて自分でも実験作品を作るようになり、1936年に初めて手がけた「ローズ・ホバート」が高い評価を受けました(これも観られます) コーネルの映画はコレクションから選んだフィルムの短編をつなぎ合わせて制作したものがあるらしく、コラージュ映画と呼ばれるようです。一方で1950年代は映像作家との共同制作で コーネルが美しいと感じた人や物を映像にする試みが観られるようで、鳥・子供・少女など、箱やコラージュと共通するモチーフも登場するようです。
いくつか観てみましたが、ちょっとストーリーは理解できませんでしたw インドの物語のような作品やサーカスのような作品、最後の大きなスクリーンではアジアっぽい農村の様子を写した作品などもありました。
このコーナーの最後にはデュアン・マイケルズらによるコーネルの写真やアトリエの写真などもありました。
ということで、随分前から楽しみにしていた展覧会だっただけに、揃いも良くて満足できました。 この川村記念美術館は現代アートが充実していますが、コーネルは特に人気のアーティストなので、この機会に詳しく知ることができて良かったです。現代アートが好きな方にオススメの展示です。
おまけ;
図録も買ったのですが、3種類の表紙を選ぶ注文制作のようで、6月中旬(会期終了後)に届くということで、まだ来ていませんw ちょっと高かったのは送料でしょうかね…。

【展覧名】
ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ
【公式サイト】
http://kawamura-museum.dic.co.jp/art/exhibition/
【会場】DIC川村記念美術館
【最寄】JR佐倉駅 または 京成佐倉駅
【会期】2019年3月23日(土) ~6月16日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
お客さんは結構いましたが、快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は川村記念美術館の人気作の作者であるジョゼフ・コーネルの個展で、多くの美術ファンの間では「箱」のアーティストとして知られていると思います。身近なものを加工して作る箱は一種の世界観を作り上げていて面白いのですが、最初から箱のアーティストであった訳ではなく、初期はコラージュ作品から手がけていたようです。箱制作に集中した時期はコラージュから遠ざかっていたようですが、後期にまた多彩なコラージュを制作した他、映画を愛して自らも映画制作しています。
この展示ではそうした多彩な活動を初期から晩年まで時系列的に観ることができました。各章ごとに簡単にメモしてきましたので、気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<第1章 初期コラージュ>
まずは初期のコーナーです。ジョゼフ・コーネルは1931年(27歳)の時に初めて制作した作品がコラージュだったそうで、その年にマンハッタンのジュリアン・レヴィ画廊でマックス・エルンストの小説『百頭女』を観たことがその直接のきっかけとなったようです。コーネルは独学の作家で専門の教育を受けた訳でなかったようですが、伝統美術の技法に頼らずとも コラージュによって新しい文脈のもとで組み直すことで芸術作品を生み出すことができました。しかし、エルンストのコラージュが異なるイメージがぶつかり合ってショックを生むような効果を意図しているのに対して、コーネルの画面は穏やかなリズムとバランスを伴って、自然に共存しロマンティックな雰囲気となっていて、両者の作風には違いがあるようです。また、シュルレアリスムの過激さや性を強調した内容には1930年代から抵抗感を示していたようで、シュルレアリストが集うジュリアン・レヴィ画廊で発表しつつも、自分はシュルレアリストではないと明言していたようです。ここにはそうした初期の頃の作品が並んでいました。
ジョゼフ・コーネル 「無題」
こちらは横たわる人、トウモロコシ、ミシンの一部に花が付いたものなどがコラージュされています。背景にはミシンに向かう女性たちもいて工場の光景のように見えるかな。何となく機械化への批判のように思えて、無意識のうちに物語やストーリーを探そうとしてしまいますw しかし実際の意図は分からず、奇妙な調和と不思議さを漂わせていました。
ジョゼフ・コーネル 「無題」
こちらは馬車や人々が行き交う街を見下ろす光景と、手前には大きな燭台が置かれていてロウソクが灯台のように輝いています。その側面には人が描かれていたり奇妙ですが、静かで落ち着いた雰囲気です。何処と無くデルヴォーの絵を観た時と似たようなものを感じるかな。この静かな世界感は後の箱作品にも繋がっているように思えました。
<第2章 箱制作のかたわらで>
続いては箱制作に集中した時期の箱以外の作品のコーナーです。1930年代後半以降は箱制作に集中していったそうで、再びコラージュの仕事をするのは1960年代となりますが、その間にも雑誌の誌面などでコラージュを扱うことがあったようです。『ハーパース・バザー』誌の為のレイアウトの仕事に携わって以降、『ヴュー』、『ダンスインデックス』、『ヴォーグ』などで仕事し、副収入を得ることで会社務めから解放されていったようです。また、親しい友人やあこがれのバレリーナであるタマラ・トゥマノヴァに宛てた手紙の中にはコラージュ作品が観られるそうで、特にタマラ・トゥマノヴァは自身の写真や衣装の一部をコーネルの作品の素材にして貰うために同封することもあったようです。ここにはそうした時期のコラージュなどが並んでいました。
ジョゼフ・コーネル 「踊るタマラ・トゥマノヴァのコラージュ」 ★こちらで観られます
こちらは今回のポスターになっているコラージュで、バレリーナのタマラ・トゥマノヴァが舞う様子が元になっています。背景は真っ暗で手前には無数の粒が川のように横切り、衣装と一体化するように見えます。まるで踊っている動きが花吹雪になっているように思えるかな。華麗な雰囲気の作品となっていました。
この隣にはタマラ・トゥマノヴァからコーネルに宛てた手紙がありました。何故か謝っているようですが、コーネルの作品が好きだと書いてあります。また、「トゥマノヴァ バレエスクラップブック」という冊子があり、切り抜いたバレエの女性像がいくつかありました。他にもここには『ヴュー』、『ダンスインデックス』などの雑誌がありました。
<第3章 箱作品を中心に 30-50年代>
続いては今回の展示で最も見どころとなっている箱作品のコーナーです。ジョゼフ・コーネルは1930年代前半には既に立体のオブジェも制作していたようで、1936年に最初の重要な箱作品と自身が認めるものが作られます。そして「幻想美術、ダダ・シュルレアリスム展」に出品した「無題(シャボン玉セット)」は、作家が最も長い期間に渡って取り組んだシリーズであり、箱の中に配置されるもの達と それらが帯びる象徴性は箱作品に共通する恒常的なテーマとなっていったようです。1940年代に入ると箱に集中して取り組み、1950年代にかけて優れた作品を生み出していきます。コーネルは鳥が好きで、箱作品にも鳥がよく出てくるようです。また、コーネルは生涯ニューヨークから離れることはなかったようですが、異なる国や時代に思いを馳せて想像力で旅し、ホテルもよく主題としたようで、それもコーネルにとって親密な意味があったと考えられるようです。
1950年代半ばから映画の制作も多くの時間を費やしていたようですが、到達点と言える重要な箱作品を作っていったようです。ここにはそうした箱作品が並んでいました。
ジョゼフ・コーネル 「シャボン玉セット(月の虹) 宇宙の物体」
こちらは箱の中の背景に地球の写真、上部に2本のレール上の鉄棒があり、その上に月のような球体が置かれた作品です。鉄棒には金属の輪っかもぶら下がっていて、下にはシャボン玉のパイプらしきものもあり、全体的には宇宙を表しているように思えます。静かでちょっと寂しげな感じもしますが、コラージュ以上に世界観が詰まっているように思えました。
他にもコペルニクスや宇宙をテーマにした箱はいくつかあり、宇宙好きだったのを伺わせました。
ジョゼフ・コーネル 「無題(オウムと蝶の住まい)」 ★こちらで観られます
こちらは箱の中に左右に分ける仕切りがあり、右に2羽のオウムが寄り添う彩色された木の彫刻と 虫取り網、左には蝶の標本のようなものがあります。仕切りは金網状になっていて、オウム達は蝶をじっと眺めているように見えます。どちらかが囚われているような、意味ありげな感じでした。
この近くには同様に川村記念美術館の所蔵品である「無題(ピアノ)」(★こちらで観られます)などもありました。これも好みの作品です
ジョゼフ・コーネル 「カシオペア #1」
こちらは国立国際美術館の所蔵品で、背景に牡牛座やカシオペアなどの星座図があり、上部にレール状の鉄棒に乗った白い球体、下にはパイプが置かれています。また、作品の裏に回ると2つの円形の星図と女神像、天体観測の人たち、彗星などをコラージュして貼っています。幻想的な雰囲気があり、宇宙の神秘への憧れやロマンティックなものを感じさせました。
ジョゼフ・コーネル 「無題(星ホテル)」
こちらは漆喰のような壁に顔のある太陽が描かれ、縦に円柱と円輪から垂れた鎖があり、側面には縦書きでHOTELと書かれた箱です。HOTELの文字の上には星図があったりして、風化した質感と共に欧米の寂れたホテルを再現しているように思えました。この作品は川村記念美術館の所蔵品の中でも特に好きな作品です。
この辺には似たような大原美術館所蔵の「無題(ホテル:太陽の箱)」や、国立国際美術館所蔵の「無題(北ホテル)」などもありました。
<第4章 後期コラージュ>
続いては再びコラージュのコーナーです。1960年代に入ると再び創作の中心は平面のコラージュとなったようです。しかし以前の1930年代の作品はヴィクトリア時代の版画の複製を用いたスタイルでしたが、この時代は同時代の雑誌を借用し、カラー写真が目立つようです。これはポップアートとの関連性を指摘されるようで、コーネルはアンディー・ウォーホルやロバート・インディアナ、ジェイムズ・ローゼンクイストらと交流があったらしく彼らが家に訪れてきたこともあったようです。ここにはそうした後期のコラージュが並んでいました。
ジョゼフ・コーネル 「気圧測定」
こちらは広い空に舞う2羽の鳥と、その下に羽のある女性像がコラージュされています。右の方に雲の気流を示す図のようなものがあり、これがタイトルに関連していそうです。奇妙な取り合わせですが爽やかなような寂しいような印象を受けました。
ジョゼフ・コーネル 「占星術の娘(カシオペア)」 ★こちらで観られます
こちらは本の目次を背景に裸婦と星図がコラージュされ、女性の股間の部分には北斗七星が貼り付けられています。また、裏には地球の地軸の傾きを説明した絵を使ってコラージュしているなど、両面で楽しむことができます。まるで星空を切り取ってまとうような姿がどこか色っぽく、神話的な雰囲気がありました。
箱作品と同じく、コラージュでも星座を使った作品がいくつかありました。
ジョゼフ・コーネル 「青く塗られた青のなかに(ヴォラーレ)」
こちらは何処かの海辺の断崖の写真を背景に、3体の子供の人形や岩山がコラージュされた作品です。岩山の上にはキューピットや空飛ぶ鳥の姿があり、岩からは何故かヤカンの口のようなものが出ていたり、人形の首が転がっています…。 これは今まで観てきたなかでも特に奇妙でシュルレアリスム的なものを感じるかな。それでも空が青いので爽やかな雰囲気もありました。
<第5章 日記・手紙>
続いては日記や手紙のコーナーです。コーネルは美術界や社交界から距離を取り、郊外に住んでいたため 内気で秘密主義者というレッテルを貼られたようですが、本人はこれを否定していたようです。実際には幅広い交友関係があったそうで、ここにはそれが伺える品が並んでいました。
まずいくつか展覧会の案内状や作品の素材の写真、手紙などが並んでいます。翻訳された内容を観ると、日本の道成寺の伝承を書いた手紙なんかもあって驚きます。たまにコラージュを使った手紙や日記などもあり、コーネルの人となりなども垣間見ることができました。
<第6章 モンタージュ 映画>
最後は映画のコーナーで、ここでは4部屋くらいの小部屋で短編映画を上映していました。コーネルは1930年代から映画黎明期の無声映画フィルムを集めて自宅や画廊でコレクション披露していたそうで、やがて自分でも実験作品を作るようになり、1936年に初めて手がけた「ローズ・ホバート」が高い評価を受けました(これも観られます) コーネルの映画はコレクションから選んだフィルムの短編をつなぎ合わせて制作したものがあるらしく、コラージュ映画と呼ばれるようです。一方で1950年代は映像作家との共同制作で コーネルが美しいと感じた人や物を映像にする試みが観られるようで、鳥・子供・少女など、箱やコラージュと共通するモチーフも登場するようです。
いくつか観てみましたが、ちょっとストーリーは理解できませんでしたw インドの物語のような作品やサーカスのような作品、最後の大きなスクリーンではアジアっぽい農村の様子を写した作品などもありました。
このコーナーの最後にはデュアン・マイケルズらによるコーネルの写真やアトリエの写真などもありました。
ということで、随分前から楽しみにしていた展覧会だっただけに、揃いも良くて満足できました。 この川村記念美術館は現代アートが充実していますが、コーネルは特に人気のアーティストなので、この機会に詳しく知ることができて良かったです。現代アートが好きな方にオススメの展示です。
おまけ;
図録も買ったのですが、3種類の表紙を選ぶ注文制作のようで、6月中旬(会期終了後)に届くということで、まだ来ていませんw ちょっと高かったのは送料でしょうかね…。
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先週の土曜日にDIC川村記念美術館に行って展示を観てきました。その際、まずはレストラン「ベルヴェデーレ」で食事を摂りました。このお店は以前にもご紹介したことがありますが、9年前なので改めて記事にしてみようと思います。

【店名】
ベルヴェデーレ
【ジャンル】
レストラン/カフェ
【公式サイト】
http://kawamura-museum.dic.co.jp/restaurant/
食べログ:https://tabelog.com/chiba/A1204/A120402/12000601/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
JR佐倉駅 または 京成佐倉駅
【近くの美術館】
DIC川村記念美術館の敷地内です
【この日にかかった1人の費用】
3200円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日11時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_③_4_5_名店
【感想】
11時半前くらいに着いたものの、すでに入店待ちとなっていて10分くらい待ちました。最近は川村記念美術館には東京駅近くからの直行バスで行くことが多いのですが、この日はバスを降りてすぐにレストランに行きました。(毎年、この時期は屋台が出ている時を見計らっていたので、レストランの利用は久々でした)
参考記事:ベルヴェデーレ 【川村記念美術館のお店】
このお店は川村記念美術館の湖に面した所にあり、特にこの辺の席が一番見晴らしが良くなっています。

しかしこの日は残念ながら予約で埋まっていたので向かいの席になりました。
この日は3200円のランチコースにしました。コースの内容は冷前菜、スープまたは温前菜、パスタ(ハーフサイズ)、メイン(4種のうち1つ)、デザート盛り合わせ、ドリンクとなっています。
まずは冷前菜。

全部ちょっとずつですが、どれも美味しい前菜です。特に左下のチーズとトマトが美味しかったかな。
この後、結構待たされた上に出てきたのはまさかのパスタw しかもハーフでなくフルサイズで、前菜とスープは後から来るというドタバタぶり。これは完全にオーダーミスしたようですね…。まあ私は大食も出来るのでフルサイズで出てきたのはラッキーでしたw
こちらは船橋港ホンビノス貝のスパゲッティ(+100円)

いつもこのメニューとは限らないと思いますが、蛤に似た貝で旨味がありつつ意外とあっさりしていて美味しかったです。麺も味がよく絡んでいい感じ。
奥さんは佐倉きのこ園 長生き椎茸のペペロンチーノをチョイス。

キノコはこの辺の名産だそうで、こちらも期待通りの美味しさでした。細かく刻んであるので、これもソースによく合います。
パスタの後にスープがきましたw

こちらは私は頂かなかったのですが、人参のスープだったかな。
私は温前菜の鮎のコンフィを選びました。

これがこの日一番美味しかったかも。味の濃い身とほんのり苦い部分が鮎らしくて、ジューシーなのも良かったです。
メインは2人ともラム肉にしました。

柔らかくて、独特の香りとともに楽しめました。私はラム好きなのでもうちょっと香りがあっても良いけど、苦手な人にはこれくらいが良いのかも。
食後のドリンクは私はコーヒー、奥さんは紅茶でした。

ちょっとドリンクはいまいちかなw 特に紅茶はそれほどでもなかったようです。
こちらはデザート

デザートもメイン料理と比べるとちょっとどうかな…w まあ不味い訳ではないですが、取り立てて言うほどでもなかったです
ということで、久々に利用してみましたが何だかちょっと以前に比べてどうかなという部分もありました。オーダーミスは仕方ないとしても、全体的に接客がいまいちな感じがしたのは確かです。メイン料理は美味しいのにデザートがそうでもないというのも謎w とは言え、ここは湖を観ながら食事が出来るし、メイン料理は相変わらず美味しいので次回以降も利用していこうと思います。
おまけ:
この日の川村記念美術館の庭では蓮が咲いていました。

食後の庭の散策も楽しみの1つです

【店名】
ベルヴェデーレ
【ジャンル】
レストラン/カフェ
【公式サイト】
http://kawamura-museum.dic.co.jp/restaurant/
食べログ:https://tabelog.com/chiba/A1204/A120402/12000601/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
JR佐倉駅 または 京成佐倉駅
【近くの美術館】
DIC川村記念美術館の敷地内です
【この日にかかった1人の費用】
3200円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日11時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_③_4_5_名店
【感想】
11時半前くらいに着いたものの、すでに入店待ちとなっていて10分くらい待ちました。最近は川村記念美術館には東京駅近くからの直行バスで行くことが多いのですが、この日はバスを降りてすぐにレストランに行きました。(毎年、この時期は屋台が出ている時を見計らっていたので、レストランの利用は久々でした)
参考記事:ベルヴェデーレ 【川村記念美術館のお店】
このお店は川村記念美術館の湖に面した所にあり、特にこの辺の席が一番見晴らしが良くなっています。

しかしこの日は残念ながら予約で埋まっていたので向かいの席になりました。
この日は3200円のランチコースにしました。コースの内容は冷前菜、スープまたは温前菜、パスタ(ハーフサイズ)、メイン(4種のうち1つ)、デザート盛り合わせ、ドリンクとなっています。
まずは冷前菜。

全部ちょっとずつですが、どれも美味しい前菜です。特に左下のチーズとトマトが美味しかったかな。
この後、結構待たされた上に出てきたのはまさかのパスタw しかもハーフでなくフルサイズで、前菜とスープは後から来るというドタバタぶり。これは完全にオーダーミスしたようですね…。まあ私は大食も出来るのでフルサイズで出てきたのはラッキーでしたw
こちらは船橋港ホンビノス貝のスパゲッティ(+100円)

いつもこのメニューとは限らないと思いますが、蛤に似た貝で旨味がありつつ意外とあっさりしていて美味しかったです。麺も味がよく絡んでいい感じ。
奥さんは佐倉きのこ園 長生き椎茸のペペロンチーノをチョイス。

キノコはこの辺の名産だそうで、こちらも期待通りの美味しさでした。細かく刻んであるので、これもソースによく合います。
パスタの後にスープがきましたw

こちらは私は頂かなかったのですが、人参のスープだったかな。
私は温前菜の鮎のコンフィを選びました。

これがこの日一番美味しかったかも。味の濃い身とほんのり苦い部分が鮎らしくて、ジューシーなのも良かったです。
メインは2人ともラム肉にしました。

柔らかくて、独特の香りとともに楽しめました。私はラム好きなのでもうちょっと香りがあっても良いけど、苦手な人にはこれくらいが良いのかも。
食後のドリンクは私はコーヒー、奥さんは紅茶でした。


ちょっとドリンクはいまいちかなw 特に紅茶はそれほどでもなかったようです。
こちらはデザート

デザートもメイン料理と比べるとちょっとどうかな…w まあ不味い訳ではないですが、取り立てて言うほどでもなかったです
ということで、久々に利用してみましたが何だかちょっと以前に比べてどうかなという部分もありました。オーダーミスは仕方ないとしても、全体的に接客がいまいちな感じがしたのは確かです。メイン料理は美味しいのにデザートがそうでもないというのも謎w とは言え、ここは湖を観ながら食事が出来るし、メイン料理は相変わらず美味しいので次回以降も利用していこうと思います。
おまけ:
この日の川村記念美術館の庭では蓮が咲いていました。

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Author:21世紀のxxx者
多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。
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