Archive | 2020年01月
今日は写真多めです。先日ご紹介したアーティゾン美術館を観た後、少し歩いた所にあるポーラミュージアム アネックス(POLA MUSEUM ANNEX)でポーラ伝統文化振興財団40周年記念展「無形にふれる」を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

【展覧名】
ポーラ伝統文化振興財団40周年記念展
「無形にふれる」
【公式サイト】
https://www.mukei.art/
https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/index.html
【会場】ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX
【最寄】銀座駅・京橋駅
【会期】2020年1月18日(土)~2月16日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_②_3_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
思ったより多くのお客さんで賑わっていましたが、混んでいるというほどでもありませんでした。
さて、この展示は「ポーラ伝統文化振興財団」の設立40周年を記念したもので、財団が支えてきた伝統芸能・伝統工芸・民俗芸能の3つの無形伝統文化を紹介する内容となっています。過去の財団の顕彰事業や保存記録作成事業の対象者から各分野2件ずつを取り上げ、思想家ルドルフ・シュタイナーの唱える「12感覚」(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚、熱感覚、運動感覚、平衡感覚、生命感覚、言語感覚、思考感覚、自我感覚)を手掛かりに複数の感覚で「体感」できる構成を目指したようでした。詳しくは写真と共にご紹介していこうと思います。
まずは能の二十六世観世宗家/観世清和 氏に関するコーナーです。何と室町時代の観阿弥・世阿弥の子孫二十六世宗家なのだとか。

この仕草1つ1つに意味があるようです。この手は「しまった!」という思いを表すそうですが、どうしてこの型がそれを表しているのかちょっと分かりませんねw
こちらは息子さんで観世清和 氏に師事している観世三郎太 氏。

5歳の頃には初舞台に立っていたそうです。謡を身体で浴びてそれを真似、頭で考えるのではなく身体に覚え込ませるように反復するのだとか。一般人には分からない険しい道ですね…
こちらは伯水 作「若女」という面

熊野、船弁慶 前シテ等に使用するそうです。能面は若干怖いですが、若く気品ある女性役の面です。
能装束もありました。

能装束や面はしょっちゅう観ていますが、肝心の能を観たことがないので機会があったら観てみたい所です。
続いてこちらは京舞井上流の井上安寿子 氏。江戸中期に生まれ、白拍子舞や能、人形浄瑠璃なども取り入れた流派のようです。

こちらも様々なポーズを紹介していました。こちらは割と何のポーズか見て分かるw ここには無いですが「ユウケン」という能からのポーズは絵画でも見覚えがありました。
続いては加賀象嵌の中川衛 氏のコーナーです。

作業工程と共に仕事の様子が紹介されていました。素材や道具が使いやすいように工房の間取りまで設計したこだわりぶりのようです。
こちらは金属パーツを嵌め込む時に使う鏨(タガネ)

虫眼鏡の大きさでお察しの通り小さいですw 先端はかなりの細かさで忍耐と器用さが求められるのが見て取れます。
こちらは中川衛 氏による象嵌朧銀花器「夕映のイスタンブール」

側面にイスタンブールの町並みが表され、モスクなども見えています。伝統工芸に外国の風景という取り合わせが新鮮な感じです。
こちらは「夕映のイスタンブール」の象嵌パーツ

もはや点みたいなパーツばかりで米粒より小さいw まさに超絶技巧です。
続いては九谷赤絵の見附正康 氏のコーナーです。

ブースのようになっていて可憐な赤絵の模様が暖簾状に展示されていました。
こちらは見附正康 氏の赤絵細描大皿

透き通るような透明感のある素地に華やかな模様が描かれています。よく観ると模様の中に模様があったりw これだけ複雑なのにリズミカルで軽やかな印象を受けました
続いては島根県の有福神楽保持者会についてのコーナーです。

1764年ころから続く神事だそうで、その衣装が展示されています。これは演目「人倫」の衣装で、派手さに驚きました。ちょっと中国っぽいセンスに思えます。
こちらは神事で使う大蛇の模型かな。

本物は目が光る18mもの長さの大蛇が4体も出てくるそうです。迫力ある神事らしいので、これも一度は観てみたい。
最後にこちらは岩手の北上に伝わる岩崎鬼剣舞保存会のコーナー

結構激しい動きをする剣舞のようです。鬼滅の刃を思い起こしたのは私だけではないはずw
最後に体験コーナーがありました。

私はやりませんでしたが、身につけて撮影している方もいました。何故か怖い面ばかりw
ということで、パネル多めで実際の作品はそれほどありませんでしたが、それぞれの無形文化財の歴史の重みが伝わってくるような展示でした。ここは無料で観られますので、銀座に行く機会がある方は立ち寄ってみるのもよろしいかと思います。

【展覧名】
ポーラ伝統文化振興財団40周年記念展
「無形にふれる」
【公式サイト】
https://www.mukei.art/
https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/index.html
【会場】ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX
【最寄】銀座駅・京橋駅
【会期】2020年1月18日(土)~2月16日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_②_3_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
思ったより多くのお客さんで賑わっていましたが、混んでいるというほどでもありませんでした。
さて、この展示は「ポーラ伝統文化振興財団」の設立40周年を記念したもので、財団が支えてきた伝統芸能・伝統工芸・民俗芸能の3つの無形伝統文化を紹介する内容となっています。過去の財団の顕彰事業や保存記録作成事業の対象者から各分野2件ずつを取り上げ、思想家ルドルフ・シュタイナーの唱える「12感覚」(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚、熱感覚、運動感覚、平衡感覚、生命感覚、言語感覚、思考感覚、自我感覚)を手掛かりに複数の感覚で「体感」できる構成を目指したようでした。詳しくは写真と共にご紹介していこうと思います。
まずは能の二十六世観世宗家/観世清和 氏に関するコーナーです。何と室町時代の観阿弥・世阿弥の子孫二十六世宗家なのだとか。

この仕草1つ1つに意味があるようです。この手は「しまった!」という思いを表すそうですが、どうしてこの型がそれを表しているのかちょっと分かりませんねw
こちらは息子さんで観世清和 氏に師事している観世三郎太 氏。

5歳の頃には初舞台に立っていたそうです。謡を身体で浴びてそれを真似、頭で考えるのではなく身体に覚え込ませるように反復するのだとか。一般人には分からない険しい道ですね…
こちらは伯水 作「若女」という面

熊野、船弁慶 前シテ等に使用するそうです。能面は若干怖いですが、若く気品ある女性役の面です。
能装束もありました。

能装束や面はしょっちゅう観ていますが、肝心の能を観たことがないので機会があったら観てみたい所です。
続いてこちらは京舞井上流の井上安寿子 氏。江戸中期に生まれ、白拍子舞や能、人形浄瑠璃なども取り入れた流派のようです。

こちらも様々なポーズを紹介していました。こちらは割と何のポーズか見て分かるw ここには無いですが「ユウケン」という能からのポーズは絵画でも見覚えがありました。
続いては加賀象嵌の中川衛 氏のコーナーです。

作業工程と共に仕事の様子が紹介されていました。素材や道具が使いやすいように工房の間取りまで設計したこだわりぶりのようです。
こちらは金属パーツを嵌め込む時に使う鏨(タガネ)

虫眼鏡の大きさでお察しの通り小さいですw 先端はかなりの細かさで忍耐と器用さが求められるのが見て取れます。
こちらは中川衛 氏による象嵌朧銀花器「夕映のイスタンブール」

側面にイスタンブールの町並みが表され、モスクなども見えています。伝統工芸に外国の風景という取り合わせが新鮮な感じです。
こちらは「夕映のイスタンブール」の象嵌パーツ

もはや点みたいなパーツばかりで米粒より小さいw まさに超絶技巧です。
続いては九谷赤絵の見附正康 氏のコーナーです。

ブースのようになっていて可憐な赤絵の模様が暖簾状に展示されていました。
こちらは見附正康 氏の赤絵細描大皿

透き通るような透明感のある素地に華やかな模様が描かれています。よく観ると模様の中に模様があったりw これだけ複雑なのにリズミカルで軽やかな印象を受けました
続いては島根県の有福神楽保持者会についてのコーナーです。

1764年ころから続く神事だそうで、その衣装が展示されています。これは演目「人倫」の衣装で、派手さに驚きました。ちょっと中国っぽいセンスに思えます。
こちらは神事で使う大蛇の模型かな。

本物は目が光る18mもの長さの大蛇が4体も出てくるそうです。迫力ある神事らしいので、これも一度は観てみたい。
最後にこちらは岩手の北上に伝わる岩崎鬼剣舞保存会のコーナー

結構激しい動きをする剣舞のようです。鬼滅の刃を思い起こしたのは私だけではないはずw
最後に体験コーナーがありました。

私はやりませんでしたが、身につけて撮影している方もいました。何故か怖い面ばかりw
ということで、パネル多めで実際の作品はそれほどありませんでしたが、それぞれの無形文化財の歴史の重みが伝わってくるような展示でした。ここは無料で観られますので、銀座に行く機会がある方は立ち寄ってみるのもよろしいかと思います。
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先週の金曜日のレイトショーで映画「パラサイト 半地下の家族」を観てきました。この記事はネタバレを含んでいますので、ネタバレなしで観たい方はご注意ください。

【作品名】
パラサイト 半地下の家族
【公式サイト】
http://www.parasite-mv.jp/
【時間】
2時間10分程度
【ストーリー】
退屈_1_2_3_④_5_面白
【映像・役者】
不足_1_2_③_4_5_充実
【総合満足度】
駄作_1_2_③_4_5_名作
【感想】
思ったよりお客さんが多くて注目を集めているようでした。
さて、この映画は韓国映画で、2019年の第72回カンヌ国際映画祭で韓国初のパルムドール(最高賞)を受賞した作品です。早速ネタバレになりますが、韓国には半地下となっている物件が結構あるようで、そこに住む貧しい一家が主人公となっています。その一家が詐欺まがいの手段で富豪一家に寄生していく…という意味でパラサイトというタイトルになっているようです。一家で犯罪行為をする話と言えば2018年のパルムドールの「万引き家族」を思い起こすけど、この映画はコメディ的な所もありつつ割と胸くそ悪いw さらに核心のネタバレとなりますが、後半以降はシリアスな展開となり一層に貧富の格差が色濃く描写されてきます。つい最近観た「ジョーカー」もそんなテーマでしたが、このテーマになった場合、救いが無く不幸描写の投げっぱなしになりがちなので、どう収集するのかな?と思っていたけど、結局は予想の範疇でした…。所々に象徴的なシーンがあり、何故?と考えさせる行動もあるので その辺が評価に繋がったのだろうと思いますが、とにかく主人公家族がクズ揃いで感情移入できないw 貧困なのも自業自得みたいな感じの描写しかないので同情しづらいし、苦難を助け合うような家族の絆を感じさせる描写も無い… その辺の描き方がどうなんだ?と疑問でした。(そもそもあんなに優しい一家相手なら騙す必要も無かったのでは…??) ただ、1つ印象に残ったシーンがあり「お金が心の皺を伸ばす」という言葉がこの映画を通じて描かれていたようにも思えました。
映像や役者に関しては特に派手なシーンがある訳ではないので普通かな。後半に出てくる人物の役者さんだけは異様な迫力で印象的でしたw
と、つまらないという程ではないものの、これでパルムドールか…となったので、あまり期待しすぎない方が良いかもしれません。貧富の格差は今後の映画でもテーマになると思うけど、話としてはパターン化してるような気がします。不幸の投げっぱなしを観ても何の解決もなく暗い気持ちになるので、同じ貧困でもカイジを観に行ったほうがスカっとしたかもw まあ、好みではないけど記憶には残りそうな作品です。

【作品名】
パラサイト 半地下の家族
【公式サイト】
http://www.parasite-mv.jp/
【時間】
2時間10分程度
【ストーリー】
退屈_1_2_3_④_5_面白
【映像・役者】
不足_1_2_③_4_5_充実
【総合満足度】
駄作_1_2_③_4_5_名作
【感想】
思ったよりお客さんが多くて注目を集めているようでした。
さて、この映画は韓国映画で、2019年の第72回カンヌ国際映画祭で韓国初のパルムドール(最高賞)を受賞した作品です。早速ネタバレになりますが、韓国には半地下となっている物件が結構あるようで、そこに住む貧しい一家が主人公となっています。その一家が詐欺まがいの手段で富豪一家に寄生していく…という意味でパラサイトというタイトルになっているようです。一家で犯罪行為をする話と言えば2018年のパルムドールの「万引き家族」を思い起こすけど、この映画はコメディ的な所もありつつ割と胸くそ悪いw さらに核心のネタバレとなりますが、後半以降はシリアスな展開となり一層に貧富の格差が色濃く描写されてきます。つい最近観た「ジョーカー」もそんなテーマでしたが、このテーマになった場合、救いが無く不幸描写の投げっぱなしになりがちなので、どう収集するのかな?と思っていたけど、結局は予想の範疇でした…。所々に象徴的なシーンがあり、何故?と考えさせる行動もあるので その辺が評価に繋がったのだろうと思いますが、とにかく主人公家族がクズ揃いで感情移入できないw 貧困なのも自業自得みたいな感じの描写しかないので同情しづらいし、苦難を助け合うような家族の絆を感じさせる描写も無い… その辺の描き方がどうなんだ?と疑問でした。(そもそもあんなに優しい一家相手なら騙す必要も無かったのでは…??) ただ、1つ印象に残ったシーンがあり「お金が心の皺を伸ばす」という言葉がこの映画を通じて描かれていたようにも思えました。
映像や役者に関しては特に派手なシーンがある訳ではないので普通かな。後半に出てくる人物の役者さんだけは異様な迫力で印象的でしたw
と、つまらないという程ではないものの、これでパルムドールか…となったので、あまり期待しすぎない方が良いかもしれません。貧富の格差は今後の映画でもテーマになると思うけど、話としてはパターン化してるような気がします。不幸の投げっぱなしを観ても何の解決もなく暗い気持ちになるので、同じ貧困でもカイジを観に行ったほうがスカっとしたかもw まあ、好みではないけど記憶には残りそうな作品です。
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前々回・前回とご紹介したアーティゾン美術館の展示を観た後、館内にあるMUSEUM CAFE(ミュージアムカフェ)でお茶してきました。

【店名】
MUSEUM CAFE
【ジャンル】
カフェ・レストラン
【公式サイト】
https://www.artizon.museum/general_info/floorguide
retty:https://retty.me/area/PRE13/ARE15/SUB1501/100001531118/
【最寄駅】
東京駅・京橋駅・日本橋駅・宝町駅など
【近くの美術館】
アーティゾン美術館(館内のお店です)
【この日にかかった1人の費用】
1400円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
結構混んでいて、お店の前で10分くらい待ちました。名簿に記入しておくと呼ばれる形式です。
さて、このお店はアーティゾン美術館の1階のカフェで名前もMUSEUM CAFEとストレートな名前となっています。ブリヂストン美術館の時代にはジョルジェットというルノワールの作品名に因んだお店があったので てっきりそれがリニューアルしてるのかと思ったらどうやら違っていました。
参考記事:Tearoom Georgette (ジョルジェット) 【京橋界隈のお店】
開館1週間時点では公式サイトも無く各種グルメサイトにも載っていない状態ですが、洒落た雰囲気なので期待できそうだと思って寄ってみました。外観はこんな感じ

ミュージアムショップなどと仕切りの無い連続した空間で、開放的な雰囲気です。
テーブル席とカウンター席があり、この日はカウンター席につきました。

先程とは逆方面(入口方向)を観るとこんな感じです。シンプルですっきりしています。
メニューはランチメニューやガレットなど軽い食事も出来るようでした。しかし私はデザートとドリンクのセット(1300円+税)のみを頼みました。
選んだのはブランマンジェとスペシャルコーヒー。

デザートと飲み物もいくつかの種類があり選べるようになっていますが、メニューは撮りませんでしたw
まずはブランマンジェ。

この円形のサクサクした部分の下にプリンのような白い流体が入っています。中には夏みかん?やキウイフルーツもあり、カラメルも少しあります。ブランマンジェは甘さはあまりなく、ミルクっぽい香りがしました。カラメルも甘くなくてほんのり苦めで上品な味です。(上に載ってるのも甘くないw)
続いてスペシャルコーヒー。

こちらは酸味強めで、複雑で爽やかな味わいとなっています。これは高級な味だ…w 苦味はそれほどなく、これまた洒落た雰囲気。
ということで、予想以上に本格的なカフェで洗練された雰囲気となっています。昔ながらの喫茶店みたいなのが好きな私にはお洒落過ぎるようにも思えましたが、美味しかったので次の機会にはランチメニューも試してみたいと思います。

【店名】
MUSEUM CAFE
【ジャンル】
カフェ・レストラン
【公式サイト】
https://www.artizon.museum/general_info/floorguide
retty:https://retty.me/area/PRE13/ARE15/SUB1501/100001531118/
【最寄駅】
東京駅・京橋駅・日本橋駅・宝町駅など
【近くの美術館】
アーティゾン美術館(館内のお店です)
【この日にかかった1人の費用】
1400円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_3_④_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
結構混んでいて、お店の前で10分くらい待ちました。名簿に記入しておくと呼ばれる形式です。
さて、このお店はアーティゾン美術館の1階のカフェで名前もMUSEUM CAFEとストレートな名前となっています。ブリヂストン美術館の時代にはジョルジェットというルノワールの作品名に因んだお店があったので てっきりそれがリニューアルしてるのかと思ったらどうやら違っていました。
参考記事:Tearoom Georgette (ジョルジェット) 【京橋界隈のお店】
開館1週間時点では公式サイトも無く各種グルメサイトにも載っていない状態ですが、洒落た雰囲気なので期待できそうだと思って寄ってみました。外観はこんな感じ

ミュージアムショップなどと仕切りの無い連続した空間で、開放的な雰囲気です。
テーブル席とカウンター席があり、この日はカウンター席につきました。

先程とは逆方面(入口方向)を観るとこんな感じです。シンプルですっきりしています。
メニューはランチメニューやガレットなど軽い食事も出来るようでした。しかし私はデザートとドリンクのセット(1300円+税)のみを頼みました。
選んだのはブランマンジェとスペシャルコーヒー。

デザートと飲み物もいくつかの種類があり選べるようになっていますが、メニューは撮りませんでしたw
まずはブランマンジェ。

この円形のサクサクした部分の下にプリンのような白い流体が入っています。中には夏みかん?やキウイフルーツもあり、カラメルも少しあります。ブランマンジェは甘さはあまりなく、ミルクっぽい香りがしました。カラメルも甘くなくてほんのり苦めで上品な味です。(上に載ってるのも甘くないw)
続いてスペシャルコーヒー。

こちらは酸味強めで、複雑で爽やかな味わいとなっています。これは高級な味だ…w 苦味はそれほどなく、これまた洒落た雰囲気。
ということで、予想以上に本格的なカフェで洗練された雰囲気となっています。昔ながらの喫茶店みたいなのが好きな私にはお洒落過ぎるようにも思えましたが、美味しかったので次の機会にはランチメニューも試してみたいと思います。
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今日も写真多めで、前回に引き続きアーティゾン美術館の開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」についてです。前編では6階の内容をご紹介しましたが、後編は残りの5階・4階の内容について写真と共にご紹介していこうと思います。まずは概要のおさらいです。
→ 前編はこちら

【展覧名】
開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」
【公式サイト】
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/emerging_artscape/
https://www.artizon.museum/collection-museum/exhibition/detail/1
【会場】アーティゾン美術館
【最寄】東京駅・京橋駅・日本橋駅・宝町駅など
【会期】2020年1月18日(土)~3月31日(火)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
私は観るのが人より遅いので、後半辺りになると同じタイミングで入った人も減ってきて快適に鑑賞できるようになってきました。今度行く時は入場タイミングも少し遅くしてみようと思っています。
6階から4階まで吹き抜けとなっていました。

開放感はあるけどちょっと怖いw エスカレーターの前にあるのが前編でご紹介したFOAMです。
こちらは5階の外周部のビューデッキ

と言っても隣の工事現場とビルしか見えないのが残念w ソファもあって人通りが少ないのでゆっくり休めるポイントでもあります。
<Part 2 アートをさぐる>
5階からは「アートをさぐる」という章となっていました。こちらは作品のモチーフによっていくつかの節に分かれていました。
[装飾]
こちらは装飾をテーマにした作品が集められた節です。
佐伯祐三 「テラスの広告」

こちらは好きな作品だったので久々に観られて嬉しい。強い色彩と看板の文字が佐伯の特徴だと思います。
「ラスター彩草花文輪花鉢」 イラン イル・ハーン朝 13世紀後半

陶磁器もいくつかありました。こちらは虹色に輝くラスター彩。不思議な質感と共に植物を思わせる形も優美さがありました。
アンリ・マティス 「石膏のある静物」

こちらは強い色彩と装飾的な画面が目を引く作品。マティスは赤い絨毯や室内装飾をよく用いますが、これは特に赤が鮮やかに思えます。
[古典]
続いては古典のコーナー。
ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル 「若い女の頭部」

新古典主義の巨匠で後世に大きな影響を与えたアングルの作品。恐らく習作じゃないかと思いますが、血色がよく生き生きした雰囲気があります。特に眼差しが印象的。
安井曾太郎 「水浴裸婦」

とってもセザンヌっぽい雰囲気の作品。セザンヌにどっぷり浸かり過ぎて自分を見失ったこともあった画家なので、その傾倒ぶりが伺えます。裸婦の配置が三角になってるのもセザンヌっぽいように思えました。
小杉未醒(放庵、放菴) 「山幸彦」

こちらは大型作品で、日本神話を元にした作品。日本画のようでもあり平面的でナビ派のようでもある不思議な画風が魅力かな。静かな色彩の中、物語の一場面が展開されていました。
[原始]
続いては原始を感じさせる作品のコーナーです。
青木繁 「輪転」

実に象徴的で神秘的な雰囲気の作品。女性たちの舞い踊る様子が何かの儀式のように思えます。青木繁の傑作の数々が観られるのは本当に嬉しい。
柄澤齊 「放散虫(『古生代の夢』より)」

こちらは初めて観ました。女性の顔がついたウニかと思ったら放散虫でしたw 暗く幻想的で古代のミステリアスな雰囲気がよく出ています。このシリーズは他にも歯朶や海百合花、アンモナイトなどもあり、いずれもファム・ファタール的な妖しさの女性像となっています。
参考記事:「放散虫(ほうさんちゅう)」~ 小さな ふしぎな 生き物の 形 ~ (FUJIFILM SQUARE フジフイルム スクエア)
[異界]
続いては異界を思わせるモチーフのコーナーです。
パウル・クレー 「島」

抽象なのか具象なのかも判別が難しいけどタイトルを観ると夕日に染まる海と島のようにも見えるかなw 色彩と輪郭が柔らかくどことなく郷愁を誘われました。ちなみに2020年4月18日~6月21日の期間でクレーの新収蔵作品の特別展示も行われるようです。そちらも楽しみ。
ピエール・ボナール 「灯下」

こちらは寛いだ室内を思わせるかな。温かく観ていて安らぐような場面でした。
続いて4階へと進みます。
クリスチャン・ダニエル・ラウホ 「勝利の女神」

ホールにもこんな感じで彫刻作品が置かれています。みんなお久しぶりですねw それにしてもこの辺りは導線から外れるので気が付かない人もいるんじゃないかな??
[聖俗]
続いては神や人の暮らしをテーマにしたコーナーです。
グレゴリオ・ラッザリーニ 「黄金の子牛の礼拝」

これは出エジプト記の偶像崇拝のシーンを描いたものではないかと思います。だとすると、神の怒りを買い モーセも無茶苦茶怒って十戒の石版をぶっ壊すちょっと前辺りかな。絵だけ観ると優美な雰囲気すらあるんですけどね。
「ハヤブサ神像」 エジプト プトレマイオス朝─ローマ属領時代初期

こちらはデフォルメ具合が非常に洗練された神像。黒玄武岩で黒光りしているのもカッコいい。
「洛中洛外図屏風」 江戸時代 17世紀

こちらは新収蔵品で、まさか屏風があるとは思いませんでしたw 六曲一双のうちの左隻で、恐らく二条城と思われる城なども描かれています。当時の賑わいが伝わってきそうですね。
[記録]
続いては出来事の記録や作者の内面世界を記録をテーマにしたコーナーです。
ベルト・モリゾ 「バルコニーの女と子ども」

こちらは新収蔵品で、モリゾは印象派の女性画家でマネの弟の妻でもあります。娘と2人でバルコニーから外を観ていて、やや疲れた感じにも見えるかな。もしかしてモリゾ母子なのかな?と思ったり。
ラウル・デュフィ 「ポワレの服を着たモデルたち、1923年の競馬場」

私が最も好きな洋画家はマティスかデュフィのどちらかですw この水彩のような明るく透明感のある色彩が華麗な印象となっています。ポール・ポワレとデュフィは協業することもあった盟友です。
[幸福]
最後は幸福というテーマになっていましたが、あまりテーマに関係なさそうな絵が多かったかもw
藤島武二 「浪(大洗)」

打ち寄せる波と飛沫が臨場感ある作品。海の色が明るく淡いので爽やかな印象を受けました。
ザオ・ウーキー 「風景 2004」

中国の山と雲を望む風景にも見えなくもないけど、抽象的な作品。明るい色のグラデーションでこちらも軽やかで清廉な雰囲気となっていました。
4階の最後にライブラリーがありました。

過去の展示の図録なども置いてあります。館内でお連れ様とハグレたらここで集合かなw
ということで、後半も豪華なラインナップを楽しむことができました。年代や流派がバラバラに展示されているのが以前の展示方法と異なる特徴かも知れません。時代を越えて響き合うような面白いキュレーションです。まだ常設と特別展の区切りがどうなるのか分かりませんが、今後も楽しみな美術館です。チケット取りが面倒ですがオススメです。
→ 前編はこちら

【展覧名】
開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」
【公式サイト】
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/emerging_artscape/
https://www.artizon.museum/collection-museum/exhibition/detail/1
【会場】アーティゾン美術館
【最寄】東京駅・京橋駅・日本橋駅・宝町駅など
【会期】2020年1月18日(土)~3月31日(火)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
私は観るのが人より遅いので、後半辺りになると同じタイミングで入った人も減ってきて快適に鑑賞できるようになってきました。今度行く時は入場タイミングも少し遅くしてみようと思っています。
6階から4階まで吹き抜けとなっていました。

開放感はあるけどちょっと怖いw エスカレーターの前にあるのが前編でご紹介したFOAMです。
こちらは5階の外周部のビューデッキ

と言っても隣の工事現場とビルしか見えないのが残念w ソファもあって人通りが少ないのでゆっくり休めるポイントでもあります。
<Part 2 アートをさぐる>
5階からは「アートをさぐる」という章となっていました。こちらは作品のモチーフによっていくつかの節に分かれていました。
[装飾]
こちらは装飾をテーマにした作品が集められた節です。
佐伯祐三 「テラスの広告」

こちらは好きな作品だったので久々に観られて嬉しい。強い色彩と看板の文字が佐伯の特徴だと思います。
「ラスター彩草花文輪花鉢」 イラン イル・ハーン朝 13世紀後半

陶磁器もいくつかありました。こちらは虹色に輝くラスター彩。不思議な質感と共に植物を思わせる形も優美さがありました。
アンリ・マティス 「石膏のある静物」

こちらは強い色彩と装飾的な画面が目を引く作品。マティスは赤い絨毯や室内装飾をよく用いますが、これは特に赤が鮮やかに思えます。
[古典]
続いては古典のコーナー。
ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル 「若い女の頭部」

新古典主義の巨匠で後世に大きな影響を与えたアングルの作品。恐らく習作じゃないかと思いますが、血色がよく生き生きした雰囲気があります。特に眼差しが印象的。
安井曾太郎 「水浴裸婦」

とってもセザンヌっぽい雰囲気の作品。セザンヌにどっぷり浸かり過ぎて自分を見失ったこともあった画家なので、その傾倒ぶりが伺えます。裸婦の配置が三角になってるのもセザンヌっぽいように思えました。
小杉未醒(放庵、放菴) 「山幸彦」

こちらは大型作品で、日本神話を元にした作品。日本画のようでもあり平面的でナビ派のようでもある不思議な画風が魅力かな。静かな色彩の中、物語の一場面が展開されていました。
[原始]
続いては原始を感じさせる作品のコーナーです。
青木繁 「輪転」

実に象徴的で神秘的な雰囲気の作品。女性たちの舞い踊る様子が何かの儀式のように思えます。青木繁の傑作の数々が観られるのは本当に嬉しい。
柄澤齊 「放散虫(『古生代の夢』より)」

こちらは初めて観ました。女性の顔がついたウニかと思ったら放散虫でしたw 暗く幻想的で古代のミステリアスな雰囲気がよく出ています。このシリーズは他にも歯朶や海百合花、アンモナイトなどもあり、いずれもファム・ファタール的な妖しさの女性像となっています。
参考記事:「放散虫(ほうさんちゅう)」~ 小さな ふしぎな 生き物の 形 ~ (FUJIFILM SQUARE フジフイルム スクエア)
[異界]
続いては異界を思わせるモチーフのコーナーです。
パウル・クレー 「島」

抽象なのか具象なのかも判別が難しいけどタイトルを観ると夕日に染まる海と島のようにも見えるかなw 色彩と輪郭が柔らかくどことなく郷愁を誘われました。ちなみに2020年4月18日~6月21日の期間でクレーの新収蔵作品の特別展示も行われるようです。そちらも楽しみ。
ピエール・ボナール 「灯下」

こちらは寛いだ室内を思わせるかな。温かく観ていて安らぐような場面でした。
続いて4階へと進みます。
クリスチャン・ダニエル・ラウホ 「勝利の女神」

ホールにもこんな感じで彫刻作品が置かれています。みんなお久しぶりですねw それにしてもこの辺りは導線から外れるので気が付かない人もいるんじゃないかな??
[聖俗]
続いては神や人の暮らしをテーマにしたコーナーです。
グレゴリオ・ラッザリーニ 「黄金の子牛の礼拝」

これは出エジプト記の偶像崇拝のシーンを描いたものではないかと思います。だとすると、神の怒りを買い モーセも無茶苦茶怒って十戒の石版をぶっ壊すちょっと前辺りかな。絵だけ観ると優美な雰囲気すらあるんですけどね。
「ハヤブサ神像」 エジプト プトレマイオス朝─ローマ属領時代初期

こちらはデフォルメ具合が非常に洗練された神像。黒玄武岩で黒光りしているのもカッコいい。
「洛中洛外図屏風」 江戸時代 17世紀

こちらは新収蔵品で、まさか屏風があるとは思いませんでしたw 六曲一双のうちの左隻で、恐らく二条城と思われる城なども描かれています。当時の賑わいが伝わってきそうですね。
[記録]
続いては出来事の記録や作者の内面世界を記録をテーマにしたコーナーです。
ベルト・モリゾ 「バルコニーの女と子ども」

こちらは新収蔵品で、モリゾは印象派の女性画家でマネの弟の妻でもあります。娘と2人でバルコニーから外を観ていて、やや疲れた感じにも見えるかな。もしかしてモリゾ母子なのかな?と思ったり。
ラウル・デュフィ 「ポワレの服を着たモデルたち、1923年の競馬場」

私が最も好きな洋画家はマティスかデュフィのどちらかですw この水彩のような明るく透明感のある色彩が華麗な印象となっています。ポール・ポワレとデュフィは協業することもあった盟友です。
[幸福]
最後は幸福というテーマになっていましたが、あまりテーマに関係なさそうな絵が多かったかもw
藤島武二 「浪(大洗)」

打ち寄せる波と飛沫が臨場感ある作品。海の色が明るく淡いので爽やかな印象を受けました。
ザオ・ウーキー 「風景 2004」

中国の山と雲を望む風景にも見えなくもないけど、抽象的な作品。明るい色のグラデーションでこちらも軽やかで清廉な雰囲気となっていました。
4階の最後にライブラリーがありました。

過去の展示の図録なども置いてあります。館内でお連れ様とハグレたらここで集合かなw
ということで、後半も豪華なラインナップを楽しむことができました。年代や流派がバラバラに展示されているのが以前の展示方法と異なる特徴かも知れません。時代を越えて響き合うような面白いキュレーションです。まだ常設と特別展の区切りがどうなるのか分かりませんが、今後も楽しみな美術館です。チケット取りが面倒ですがオススメです。
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今日は写真多めです。前回ご紹介した展示を観る前に京橋にリニューアルオープンしたアーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)で開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」を観てきました。この展示は撮影可能でボリュームもかなりありましたので、前編・後編に分けて写真を使ってご紹介していこうと思います。

【展覧名】
開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」
【公式サイト】
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/emerging_artscape/
https://www.artizon.museum/collection-museum/exhibition/detail/1
【会場】アーティゾン美術館
【最寄】東京駅・京橋駅・日本橋駅・宝町駅など
【会期】2020年1月18日(土)~3月31日(火)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
予約制となっているのですんなりと入場することができましたが、中が結構混み合っていました。14時~15時半の回の場合、15時くらいに行ったほうが空いていそうです。
さて、この展示はブリヂストン美術館からアーティゾン美術館へと変わった最初の展示で、建物自体も立派なビルに建て変わりました。2015年5月から休館していたので実に4年半も休んでいた訳ですが、その間に久留米の姉妹館とも言える石橋美術館も2016年8月28日に閉館し、そのコレクション全960点をこのアーティゾン美術館へと移管しています。(残された久留米の美術館は2016年11月19日に「久留米市美術館」としてオープンし、一からコレクションを再構築していっているようです) この展示はそうした以前からのコレクションに加え、休館中も集められた新収蔵品が31点も初公開されるという豪華な内容となっていました。今回の展示は撮影可能となっていましたので、撮ってきた写真と共にご紹介していこうと思います。
新しい美術館になって予約制へと変わりました。事前に公式サイトで時間帯を選んでクレジットカードで支払いを済まし、QRコードを発行されるのでスマフォ等で受付でスキャンして貰う形式です。受付ではセキュリティチェックも受けます。

海外だと割と普通なので、これから日本でもこうした設備が増えるかもしれませんね。解説機は無く、スマフォでアプリをDLすると無料で聴けるようです。(私は入れてないので未確認です)
展示室は4~6階で、6階から下っていきます。旧美術館の約2倍もの面積があるにも関わらず所狭しと約200点も作品が並んでいます。今日はそのうちの6階の展示をご紹介して参ります。
<Part 1 アートをひろげる>
1章は近代から現代までの作品の傑作が並ぶコーナーです。1870年代から2000年代まで140年間の作品が並んでいました。
エドガー・ドガ 「レオポール・ルヴェールの肖像」

こちらは久々の再会となるドガによる肖像。毎回、背景の赤い模様が気になりますw 都会的なセンスを感じる1枚
この近くにはマネの自画像などブリヂストン美術館を代表するコレクションも並んでいました。どれも久々です。
ピエール=オーギュスト・ルノワール 「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」

こちらはこの美術館のシンボル的な作品。可愛らしくもちょっとマセた感じするかな。幸せそうな雰囲気です。
ポール・セザンヌ 「帽子をかぶった自画像」

こちらはセザンヌの自画像。描きかけの部分がる点にセザンヌらしさを感じたりw 近くで観るとタッチの大胆さにも驚きます。
アルフレッド・シスレー 「サン=マメス六月の朝」

シスレーが住んだモレ=シュル=ロワンの近くでこの川は恐らくロワン河じゃないかな。川沿いの並木が爽やかな印象です。最も印象派らしい画家と言われただけあって、その特徴がよく現れています。
この近くにはメアリー・カサットの新収蔵品などもありました。これがかなり良いので、是非多くの人に観て欲しい。(と言いつつ出し惜しみ)
青木繁 「海の幸」

こちらは久留米ゆかりの画家で、元は久留米の石橋美術館にあった作品。プリミティブで英雄のような雰囲気が見事。今後はこれを頻繁に観られるというのは嬉しいけど、久留米の人たちにはちょっと申し訳ない気分。
参考記事:没後100年 青木繁展ーよみがえる神話と芸術 (ブリヂストン美術館)
ウンベルト・ボッチョーニ 「空間における連続性の唯一の形態」
こちらは新収蔵品。イタリアの未来派の画家でもあった人物です。ブロンズで同じ作品が海外にもいくつかあるようですが、非常に見事な傑作で一際目を引きました。キュビスム的な要素もありつつ、疾走感や流体のような滑らかさも感じます。
フアン・グリス 「新聞と開かれた本」

こちらも新収蔵品。キュビスムの画家で多面的な場面となっていて、新聞と本が描かれているはずw どちらかというと背景の明るい黄色や青など色彩のリズムのほうが好みでした。
ヴァシリー・カンディンスキー 「自らが輝く」

こちらも新収蔵品。カンディンスキーらしいリズミカルで音楽的な抽象絵画です。それにしてもよくこれだけ良い絵をこの数年で集めたものだと感心するばかりです。軽やかな色彩と形態が見事な作品でした。
堂本尚郎 「集中する力」

こちらも新収蔵品でアンフォルメルの画家によるダイナミックな逸品。絵の具が盛り上がっていて、近づくと波濤のような勢いが感じられます。
この美術館は結構アンフォルメルのコレクションに力が入っていて、過去にアンフォルメルの展示を行ったこともあります。今回の展示でも数多く観ることができました。
参考記事:アンフォルメルとは何か?-20世紀フランス絵画の挑戦 (ブリヂストン美術館)
ジャン・フォートリエ 「人質の頭部」

こちらもタシスム(アンフォルメルとほぼ同じ)の画家による作品。タイトルが不穏な感じだけど人の顔なのかな?w こちらもマチエールが見どころとなっていると思います。
近くにはヴォルスやデュビュッフェなどもありました。また、この辺で小部屋がありアーティゾン美術館の建築・デザインに関するコーナーとなっていました。
「空間概念模型 scale=1:40」

アーティゾンとはアートとホライゾン(地平)をかけ合わせた造語らしく、この美術館の要件には美術館内部の様子を外部に見せ、美術との新たな関わりを体現することが含まれていたようです。あちこちに外が見える場所があったりします。
「FOAM模型 scale=1:3」

こちらは入口の辺りに立っているFOAM(泡)というオブジェクトの模型。不揃いな構造で受けての想像力に委ねて感情に訴えるといった意味合いがあるようです。
他にも素材に関する展示などもありました。再び展示室へ戻ります。
ジョルジュ・マチュー 「10番街」

こちらは新収蔵品で、赤と黒が印象的なタシスム・アンフォルメル作品。飛び散るような勢いがあり色も強くて迫りくるような感じでした。
マリア=エレナ・ヴィエラ・ダ・シルヴァ 「入口、1961」

こちらも新収蔵品で、アンフォルメル的な要素のある抽象絵画。何処と無く海を思わせる青や 街のような模様が超現実的な雰囲気にも思えます。色彩と形態のリズムが心地よい作品でした。
岡鹿之助 「群落B」

こちらも新収蔵品。素朴さと幾何学的な構成が融合した作品。ブリヂストン美術館の頃から岡鹿之助にも力を入れていて、こんな傑作が増えるとは驚き。逆に今回の展示では発電所の絵は無かったので、控えているコレクションの層も厚そうですw
田中敦子 「1985 B」

こちらは具体美術協会の女性画家による作品。描かれているのは恐らく電球と電線だと思われます。グニャグニャとした有機的な形と強烈な色彩で圧倒的な個性を感じます。一度観たら忘れない画風です。
この近くには具体美術協会の白髪一雄の作品などもありました。
ということで、ブリヂストン美術館・石橋美術館の名品に加えて新収蔵品まであり、いずれも素晴らしいコレクションとなっていました。これだけでも凄いのに、更に5階・4階へと展示は続きますw 後半はテーマごとに章・節分けされていましたので、次回は残りについてご紹介予定です。


【展覧名】
開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」
【公式サイト】
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/emerging_artscape/
https://www.artizon.museum/collection-museum/exhibition/detail/1
【会場】アーティゾン美術館
【最寄】東京駅・京橋駅・日本橋駅・宝町駅など
【会期】2020年1月18日(土)~3月31日(火)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
予約制となっているのですんなりと入場することができましたが、中が結構混み合っていました。14時~15時半の回の場合、15時くらいに行ったほうが空いていそうです。
さて、この展示はブリヂストン美術館からアーティゾン美術館へと変わった最初の展示で、建物自体も立派なビルに建て変わりました。2015年5月から休館していたので実に4年半も休んでいた訳ですが、その間に久留米の姉妹館とも言える石橋美術館も2016年8月28日に閉館し、そのコレクション全960点をこのアーティゾン美術館へと移管しています。(残された久留米の美術館は2016年11月19日に「久留米市美術館」としてオープンし、一からコレクションを再構築していっているようです) この展示はそうした以前からのコレクションに加え、休館中も集められた新収蔵品が31点も初公開されるという豪華な内容となっていました。今回の展示は撮影可能となっていましたので、撮ってきた写真と共にご紹介していこうと思います。
新しい美術館になって予約制へと変わりました。事前に公式サイトで時間帯を選んでクレジットカードで支払いを済まし、QRコードを発行されるのでスマフォ等で受付でスキャンして貰う形式です。受付ではセキュリティチェックも受けます。

海外だと割と普通なので、これから日本でもこうした設備が増えるかもしれませんね。解説機は無く、スマフォでアプリをDLすると無料で聴けるようです。(私は入れてないので未確認です)
展示室は4~6階で、6階から下っていきます。旧美術館の約2倍もの面積があるにも関わらず所狭しと約200点も作品が並んでいます。今日はそのうちの6階の展示をご紹介して参ります。
<Part 1 アートをひろげる>
1章は近代から現代までの作品の傑作が並ぶコーナーです。1870年代から2000年代まで140年間の作品が並んでいました。
エドガー・ドガ 「レオポール・ルヴェールの肖像」

こちらは久々の再会となるドガによる肖像。毎回、背景の赤い模様が気になりますw 都会的なセンスを感じる1枚
この近くにはマネの自画像などブリヂストン美術館を代表するコレクションも並んでいました。どれも久々です。
ピエール=オーギュスト・ルノワール 「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」

こちらはこの美術館のシンボル的な作品。可愛らしくもちょっとマセた感じするかな。幸せそうな雰囲気です。
ポール・セザンヌ 「帽子をかぶった自画像」

こちらはセザンヌの自画像。描きかけの部分がる点にセザンヌらしさを感じたりw 近くで観るとタッチの大胆さにも驚きます。
アルフレッド・シスレー 「サン=マメス六月の朝」

シスレーが住んだモレ=シュル=ロワンの近くでこの川は恐らくロワン河じゃないかな。川沿いの並木が爽やかな印象です。最も印象派らしい画家と言われただけあって、その特徴がよく現れています。
この近くにはメアリー・カサットの新収蔵品などもありました。これがかなり良いので、是非多くの人に観て欲しい。(と言いつつ出し惜しみ)
青木繁 「海の幸」

こちらは久留米ゆかりの画家で、元は久留米の石橋美術館にあった作品。プリミティブで英雄のような雰囲気が見事。今後はこれを頻繁に観られるというのは嬉しいけど、久留米の人たちにはちょっと申し訳ない気分。
参考記事:没後100年 青木繁展ーよみがえる神話と芸術 (ブリヂストン美術館)
ウンベルト・ボッチョーニ 「空間における連続性の唯一の形態」


こちらは新収蔵品。イタリアの未来派の画家でもあった人物です。ブロンズで同じ作品が海外にもいくつかあるようですが、非常に見事な傑作で一際目を引きました。キュビスム的な要素もありつつ、疾走感や流体のような滑らかさも感じます。
フアン・グリス 「新聞と開かれた本」

こちらも新収蔵品。キュビスムの画家で多面的な場面となっていて、新聞と本が描かれているはずw どちらかというと背景の明るい黄色や青など色彩のリズムのほうが好みでした。
ヴァシリー・カンディンスキー 「自らが輝く」

こちらも新収蔵品。カンディンスキーらしいリズミカルで音楽的な抽象絵画です。それにしてもよくこれだけ良い絵をこの数年で集めたものだと感心するばかりです。軽やかな色彩と形態が見事な作品でした。
堂本尚郎 「集中する力」

こちらも新収蔵品でアンフォルメルの画家によるダイナミックな逸品。絵の具が盛り上がっていて、近づくと波濤のような勢いが感じられます。
この美術館は結構アンフォルメルのコレクションに力が入っていて、過去にアンフォルメルの展示を行ったこともあります。今回の展示でも数多く観ることができました。
参考記事:アンフォルメルとは何か?-20世紀フランス絵画の挑戦 (ブリヂストン美術館)
ジャン・フォートリエ 「人質の頭部」

こちらもタシスム(アンフォルメルとほぼ同じ)の画家による作品。タイトルが不穏な感じだけど人の顔なのかな?w こちらもマチエールが見どころとなっていると思います。
近くにはヴォルスやデュビュッフェなどもありました。また、この辺で小部屋がありアーティゾン美術館の建築・デザインに関するコーナーとなっていました。
「空間概念模型 scale=1:40」

アーティゾンとはアートとホライゾン(地平)をかけ合わせた造語らしく、この美術館の要件には美術館内部の様子を外部に見せ、美術との新たな関わりを体現することが含まれていたようです。あちこちに外が見える場所があったりします。
「FOAM模型 scale=1:3」

こちらは入口の辺りに立っているFOAM(泡)というオブジェクトの模型。不揃いな構造で受けての想像力に委ねて感情に訴えるといった意味合いがあるようです。
他にも素材に関する展示などもありました。再び展示室へ戻ります。
ジョルジュ・マチュー 「10番街」

こちらは新収蔵品で、赤と黒が印象的なタシスム・アンフォルメル作品。飛び散るような勢いがあり色も強くて迫りくるような感じでした。
マリア=エレナ・ヴィエラ・ダ・シルヴァ 「入口、1961」

こちらも新収蔵品で、アンフォルメル的な要素のある抽象絵画。何処と無く海を思わせる青や 街のような模様が超現実的な雰囲気にも思えます。色彩と形態のリズムが心地よい作品でした。
岡鹿之助 「群落B」

こちらも新収蔵品。素朴さと幾何学的な構成が融合した作品。ブリヂストン美術館の頃から岡鹿之助にも力を入れていて、こんな傑作が増えるとは驚き。逆に今回の展示では発電所の絵は無かったので、控えているコレクションの層も厚そうですw
田中敦子 「1985 B」

こちらは具体美術協会の女性画家による作品。描かれているのは恐らく電球と電線だと思われます。グニャグニャとした有機的な形と強烈な色彩で圧倒的な個性を感じます。一度観たら忘れない画風です。
この近くには具体美術協会の白髪一雄の作品などもありました。
ということで、ブリヂストン美術館・石橋美術館の名品に加えて新収蔵品まであり、いずれも素晴らしいコレクションとなっていました。これだけでも凄いのに、更に5階・4階へと展示は続きますw 後半はテーマごとに章・節分けされていましたので、次回は残りについてご紹介予定です。
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日付が変わって昨日となりましたが、日本橋タカシマヤで「QUEEN EXHIBITION JAPAN ~Bohemian Rhapsody~(クイーン展ジャパン)」を観てきました。

【展覧名】
QUEEN EXHIBITION JAPAN ~Bohemian Rhapsody~
【公式サイト】
https://www.queen-exhibition.jp/
【会場】日本橋タカシマヤ
【最寄】日本橋駅
【会期】2020年1月15日(水)~1月27日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
会期末ということもあって非常に混んでいてチケットで10分待ち、中もぎっしりという感じでした。この記事を書いている時点で最終日ですので、一層の混雑が予想されます(今日も入場規制してました) しかし、東京の展示が終わっても横浜でもアソビルで開催されますので、そちらで観ると言うのも手かもしれません。
横浜の会期:2020年1月30日(木)~3月22日(日)
さて、こちらは伝説のロックバンド「QUEEN」に関する展示で、ちょうど さいたまスーパーアリーナで「クイーン+アダム・ランバート ラプソディ ツアー」を行っているタイミングで開催されています。2018年には映画「ボヘミアン・ラプソディ」が日本でも大ヒットして再びブームになったQUEENですが、黎明期は本国以上に日本のファンたち(特に女性ファン)が支えていたというのは有名な話です。 この展示はそうした日本との深い絆を感じさせる品と共にバンドの歴史を紹介していました。詳しくは各章(ステージ)ごとにご紹介していこうと思います。なお、この記事はQUEENのことを知っている前提となっています。完全にファン向けの展示です。
参考記事:映画「ボヘミアン・ラプソディ」(ややネタバレあり)
<STAGE1 FROM 1970 TO 1975 強い信念と日本の熱狂が支えた苦難の草創期>
まずは前身のスマイルからQUEENへと変わった頃からのコーナーです。この辺の経緯は映画「ボヘミアン・ラプソディ」でも描かれていた通りだと思いますが、キラー・クイーンとシアーハートアタックで認知がそこそこ出たものの高い評価は得られずメンバーは悶々とした日々を送っていました。しかし1975年に来日すると熱狂的な出迎えを受け、メンバーの自信とモチベーションとなっていきました。
ここには初来日時の映像や、4人の経歴紹介ボードなどがありました。ブライアン・メイは天文学者なのは知っていましたが、何と日本の はやぶさ2のプロジェクトにも関わっているそうです。そして少し進むとブライアン・メイによる挨拶映像がありました。「クイーン展 イン ジャパンにようこそ。こんにちは」と日本語を使って挨拶してくれます。この辺のサービスは日本との絆を大事にしている感があって嬉しい限りですね。
その先には1975年の頃の直筆のバイオグラフィーがありました。アンケート用紙みたいなのに音楽的ルーツや好きな車や食べ物を訊いているもので、フレディとブライアンは好きなグループや影響を受けたアーティストにビートルズを挙げていました。まあこの辺は納得ではないでしょうか。 また、ジョンとロジャーの好物は日本食、フレディはテリヤキを挙げてましたw
その先は小さなステージがあり、2体のステージ衣装を挟んで当時の武道館でのライブ映像を流していました。衣裳はブライアン・メイとフレディのもので、白鷺ルックと呼ばれた白くヒラヒラした感じの衣裳です。初期のイメージはこういう少女漫画のキャラみたいな感じかな。映像では「炎のロックンロール(Keep Yourself Alive)」、「輝ける7つの海(Seven Seas of Rhye)」、「ナウ・アイム・ヒア(Now I'm Here)」「キラー・クイーン(Killer Queen)」「神々の業 (リヴィジテッド)(In The Lap Of The Gods...Revisited)」など初期の曲を流していました。神々の業とか結構レアかも。この頃から既に圧巻のライブ・パフォーマンスを見せていました。
近くには日本公演の際の写真があり、東京タワーをバックにしたものや京都や名古屋での観光の様子が写っていました。正座には難儀したそうですw
<STAGE2 FROM 1975 TO 1976 ボヘミアン・ラプソディの衝撃 つかみ取った成功>
続いては代表曲「ボヘミアン・ラプソディ」が生まれた頃のコーナーです。この頃、新しいマネージャーと契約し、1975年10月に「ボヘミアン・ラプソディ」が完成しました。6分もある長尺なのでラジオで流せないと反対されましたが、友人でコメディアンの人気DJであるケニー・エヴァレットが週末だけで14回もプレイして人気の火付け役となりました。この曲はオペラパートが印象的で、映画でもガリレオ~っと何テイクも録っているシーンがありますが、オペラパートはブライアンが低音、フレディが中音、ロジャーが高音を担当して1週間もかかったというエピソードも紹介されていました。
ここにはレコーディング写真や、メンバーによる当時を振り返るインタビュー映像(グレイテスト・ビデオ・ヒッツに収録の映像)が流れていました。当時の衝撃と興奮が伝わってくるようです…。
その先にはフレディのボディガードを務めた「東パトの伊丹さん」こと東京パトロールの伊丹久夫 氏についてのコーナーがありました。フレディから絶大な信頼を寄せられいたそうで、フレディから贈られたカルティエの時計や日本刀と共に伊丹氏が撮ったメンバーの写真なども展示されています。いたみ が発音しづらくHitami(ヒターミ)と呼ばれていたというエピソードもありました。
この章もステージがあり(各章にあります)、ここでは1976年の2度目の来日公演の際のステージ衣装が展示されていました。フリルがついた白い衣装で、まだフレディが細身の印象だった頃かな。華やかさがあります。映像は1976年のハイド・パークでのボヘミアンラプソディのライブ映像となっていました。起伏のある楽曲に合わせてスモークとライトで演出していて、見ごたえがあります。2周くらい観てしまったw
<STAGE3 FROM 1977 TO 1979 順風満帆に見えるバンドに襲った見えない不安>
続いては絶頂期のコーナーです。1977年にはエリザベス女王の即位25周年の行事の一環でコンサートを開くなど国民的な存在となっていましたが、著作権の取り決めが拙かったこともあり報酬の不公平感でトラブルになることもあったようです。また、映画でも悪どい感じで描かれていたポール・プレンターがフレディのマネージャーになると他メンバーやファンから好ましく思われないなど、不安の種も出てきたようです。さらにこの頃にはセックス・ピストルズのようなパンクが台頭してくると、QUEENは傲慢な排他主義のエリート集団と決めつけられて非難されたりしたようです(何せ高学歴集団なのでパンクとは対極かも) それでもこの時期には「We Will Rock You」「伝説のチャンピオン( We Are the Champions)」など代表曲も出していますが、「バイシクル・レース(Bicycle Race)」のPVで全裸女性を数十人起用したり、ニューオーリンズで乱痴気ハロウィンパーティーをするなど過剰な逸話が続きました。そして「ジャズ」がヒットする訳ですが、メンバーから深く愛されることはなかったのだとか…。「ドント・ストップ・ミー・ナウ(Don't Stop Me Now)」が入ってるけど他の曲はあまり紹介されないアルバムだったりします。
ここには日本の少女漫画が並んでいました。QUEENは少女漫画との親和性があり、ファンが重なるところもあった為か漫画の中で取り上げられることもあったようです。『8ビート』『イブの息子たち』という作品でメンバーに似た人物が登場していました。
この章のステージには1977年のアールズ・コートでのライブ映像と1976~77年頃のフレディとブライアンの衣装が並んでいました。特に目を引くのはフレディのレオタードで、オレンジ・白・黄緑のひし形が連なるピエロ(ハーレクイン)のような衣装です。ピッチピチでフレディの趣味が顕在化しているような気がするけど、これは著名なバレエダンサーのニジンスキーからの影響なのだとか。 ライブ映像は「キラー・クイーン」「テイク・マイ・ブレス・アウェイ(You Take My Breath Away)」「デス・オン・トゥー・レッグス(Death on Two Leds (Dedicated to...))」が流されていました。この映像でもやはりフレディの衣装が目を引きますw
少し先にはQUEENを長年撮ったカメラマン長谷部宏 氏の写真が並んでいました。長谷部氏は「ライブ キラーズ」のジャケットも撮ったり写真集も出していたようで、そうした写真が展示されています。
この章の最後には歴代のジャパンツアーのコレクションが並んでいました。ポスター、パンフレット、チケット、各種パスなどがあります。ポスターの下の方に映画「フラッシュ・ゴードン」の宣伝も入ってるのがツボw 初めて「フラッシュのテーマ」を聴いた時はなんちゅう曲じゃ?と驚いたのを思い出しましたw
<STAGE4 FROM 1980 TO 1982 音楽性不一致やアルバム不振、長期ツアーで深まる溝>
続いては不協和音が流れていた頃のコーナーです。映画でもこの辺の事情を詳しくやってましたが、フレディが髭をたくわえマッチョになったのはこの頃からです。1980年の「ザ・ゲーム」で初の英米チャート1位を取り、フラッシュ・ゴードンの映画に曲を提供したりしていましたが、この頃から音楽性の不一致による不和が顕在化してきました。また、絶え間ないツアーによってメンバーは疲弊し、1982年秋の5度目の来日公演が終わるとバンド活動の休止を発表しました。
ここにはブライアン・メイの手作りの愛用ギター「レッド・スペシャル」を模して作ったケイズギターワークスの伊集院香崇尊 氏のギターがありました。レントゲン写真で中身を撮ったものなどもあり、遂には本人公認の「ブライアン・メイ スーパー」を制作し、2008年のライブで使われたようです。私はそれを聴いたことがないですが、あの独特の音色を再現できるのか興味を引かれました。
この章のステージは1982年の西武球場のライブ映像とホットスペースツアーでのフレディの衣装となっていました。白い革製の豪華な雰囲気ですが、映像では最早パンツ一丁になっているような…w 曲は「手をとりあって(Teo Torriatte (Let Us Cling Together)」「地獄へ道づれ(Another One Bites the Dust)」「愛という名の欲望(Crazy Little Thing Called Love)」「ボディ・ランゲージ(Body Language)」となっていました。近くにあった1981年と1982年の来日セットリストを観るとメドレーを含めてかなり代表曲が多くて非常に羨ましいツアーです。
この章の最後にはQUEENが表紙の音楽雑誌も並んでいました。やはりQUEENと『ミュージックライフ』誌の関係は深く、『ミュージックライフ』が多かったように思います。人気の火付け役として名高い雑誌です。
<STAGE5 FROM 1983 TO 1985 ライヴ・エイドのもたらした奇跡>
続いては映画「ボヘミアン・ラプソディ」のラストシーンを飾ったライヴ・エイドの頃のコーナーです。この頃、フレディはソロでマイケル・ジャクソンとコラボし、一方のブライアンもヴァン・ヘイレンをゲストに迎えるなどソロ活動が充実したことによって解散説が囁かれたようです。しかし1983年7月に久々にメンバーが集まってバンドの意思を確認し活動が再開されます。1984年に「レディオ・ガガ(RADIO GA GA)」とアルバム「ザ・ワークス(THE WORKS)」を発表し、アメリカでは振るわなかったもののイギリス・欧州・日本・南米で再び脚光を浴びました。 すると今度はアパルトヘイト政策を続ける南アでのコンサートが強い批判を受けて窮地に立たされます。そんな時、1985年7月にチャリティコンサートのライヴ・エイドの話があり、それに参加し伝説となるパフォーマンスで奇跡とまで呼ばれるようになりました。20分間に代表曲を詰め込み、7万5000人もの観客とのコール&レスポンスを成立させて世界中の感動を呼びました。
ここにはフレディが晩年に住んだガーデン・ロッジの写真が並んでいました。一画に日本庭園があり高原竜太朗 氏がそれを手掛けたそうです。朝早くから遅くまで働いたことにフレディも信頼を寄せて通用口の鍵をくれたそうで、それが展示されています(もう使えないようです) また、庭の石やフレディのサイン、見取り図などもあり 見事な日本庭園ぶりです。錦鯉が住む池や滝まであったのだとか。
ここのステージはレディオ・ガガの宣伝写真で身につけたジョンの衣装と、PVでフレディが身につけていた赤いパンツ、ザ・ワークスツアーの際のフレディの衣装(白いレギンス)がありました。一方、映像は「レディオ・ガガ」と「永遠の誓い(It's A Hard Life)」でした。「レディオ・ガガ」はフレディ在籍時後期の中でも特に好きな曲です。
<STAGE6 FROM 1986 TO 1992 SHOW MUST GO ON 終わらないクイーン伝説>
最後はフレディが逝去するまでのコーナーです。QUEENはライブエイドで命を吹き替えし、1986年6月には「カインド・オブ・マジック」を発表し、10万人以上集めた公演を行うなど人気が戻ったようです。しかし1986年8月9日のネブワースでのコンサートがフレディ在命時の最後のステージとなり、この頃から体調に関する噂が流れるようになりました。そして1991年11月24日に帰らぬ人となると、残されたメンバーのうちジョン・ディーコンは引退を決意し、残されたブライアン・メイとロジャー・テイラーは今でもQUEENを守っています。2012年からはクイーン+アダム・ランバートとして活動していて、この日も さいたまスーパーアリーナでライブが行われていました。ちなみに、映画でも出ていたマイアミことジム・ビーチ氏も健在なのだとか。
ここにはフレディ最後のマジック・ツアーでの衣装が展示されていました。白いジャケットで公演ごとで色違いのバージョンがあるようです。
こちらは同じくマジック・ツアーでの姿を再現したフレディ像。(もうちょっと前の章にありました。これは撮影可能)

こちらは黄色の服ですがデザインは同じ。躍動感溢れるポーズで、フレディのイメージそのものです。最後にしてこの勇姿。
ここでは現在QUEENと共に活動しているアダム・ランバートも紹介されていました。1982年のインディアナ生れで、「アメリカン・アイドル シーズン8」というオーディション番組でブライアンとロジャーがゲストで出た際に 最終選考でQUEENの曲を歌い、2人に声をかけられたようです。ライブは観たことがないので、どういうパフォーマンスを見せてくれるのか興味が湧く所ですね。
その先には日本でのシングルレコードのジャケットなどがありました。また、メンバーによる手書きの歌詞があって、フレディは「手を取り合って」の歌詞のメモでした。破れていて独特の洒落た字となっています。一方のブライアンは「machines」や「ハンマートゥフォール」などでjが小さく整っていて几帳面な性格が出ていました。 ロジャーは「the loser in the end」、ジョンは「I Want to Break Free」の歌詞があり、4人とも才能豊かなチートバンドですw
そしてこの章には8分のライブ映像があり、1986年のウェンブリーでのマジックツアーを観ることができます。「ボヘミアンラプソディ」「伝説のチャンピオン」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」という代表曲3曲を大音量で聴けてこれだけでも満足感が高まりました。最後の輝きが心を打ちます。
こちらは最後にあったサイン。これも撮影可能

ブライアンとロジャーだと思いますが読めないw ちょうどツアーも来ているのでプライベートで1/23にこの会場に来場したようです。
ということで、貴重な展示品としてはステージ衣装くらいだったものの 映像や当時の資料などを観ることが出来て満足感がありました。QUEENが好きな人には自分だけのエピソードもあると思うので、観ているうちに記憶が蘇るかもしれません。この展示は今日で終わりますが、横浜にも巡回するので気になる方はチェックしてみてください。

【展覧名】
QUEEN EXHIBITION JAPAN ~Bohemian Rhapsody~
【公式サイト】
https://www.queen-exhibition.jp/
【会場】日本橋タカシマヤ
【最寄】日本橋駅
【会期】2020年1月15日(水)~1月27日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
会期末ということもあって非常に混んでいてチケットで10分待ち、中もぎっしりという感じでした。この記事を書いている時点で最終日ですので、一層の混雑が予想されます(今日も入場規制してました) しかし、東京の展示が終わっても横浜でもアソビルで開催されますので、そちらで観ると言うのも手かもしれません。
横浜の会期:2020年1月30日(木)~3月22日(日)
さて、こちらは伝説のロックバンド「QUEEN」に関する展示で、ちょうど さいたまスーパーアリーナで「クイーン+アダム・ランバート ラプソディ ツアー」を行っているタイミングで開催されています。2018年には映画「ボヘミアン・ラプソディ」が日本でも大ヒットして再びブームになったQUEENですが、黎明期は本国以上に日本のファンたち(特に女性ファン)が支えていたというのは有名な話です。 この展示はそうした日本との深い絆を感じさせる品と共にバンドの歴史を紹介していました。詳しくは各章(ステージ)ごとにご紹介していこうと思います。なお、この記事はQUEENのことを知っている前提となっています。完全にファン向けの展示です。
参考記事:映画「ボヘミアン・ラプソディ」(ややネタバレあり)
<STAGE1 FROM 1970 TO 1975 強い信念と日本の熱狂が支えた苦難の草創期>
まずは前身のスマイルからQUEENへと変わった頃からのコーナーです。この辺の経緯は映画「ボヘミアン・ラプソディ」でも描かれていた通りだと思いますが、キラー・クイーンとシアーハートアタックで認知がそこそこ出たものの高い評価は得られずメンバーは悶々とした日々を送っていました。しかし1975年に来日すると熱狂的な出迎えを受け、メンバーの自信とモチベーションとなっていきました。
ここには初来日時の映像や、4人の経歴紹介ボードなどがありました。ブライアン・メイは天文学者なのは知っていましたが、何と日本の はやぶさ2のプロジェクトにも関わっているそうです。そして少し進むとブライアン・メイによる挨拶映像がありました。「クイーン展 イン ジャパンにようこそ。こんにちは」と日本語を使って挨拶してくれます。この辺のサービスは日本との絆を大事にしている感があって嬉しい限りですね。
その先には1975年の頃の直筆のバイオグラフィーがありました。アンケート用紙みたいなのに音楽的ルーツや好きな車や食べ物を訊いているもので、フレディとブライアンは好きなグループや影響を受けたアーティストにビートルズを挙げていました。まあこの辺は納得ではないでしょうか。 また、ジョンとロジャーの好物は日本食、フレディはテリヤキを挙げてましたw
その先は小さなステージがあり、2体のステージ衣装を挟んで当時の武道館でのライブ映像を流していました。衣裳はブライアン・メイとフレディのもので、白鷺ルックと呼ばれた白くヒラヒラした感じの衣裳です。初期のイメージはこういう少女漫画のキャラみたいな感じかな。映像では「炎のロックンロール(Keep Yourself Alive)」、「輝ける7つの海(Seven Seas of Rhye)」、「ナウ・アイム・ヒア(Now I'm Here)」「キラー・クイーン(Killer Queen)」「神々の業 (リヴィジテッド)(In The Lap Of The Gods...Revisited)」など初期の曲を流していました。神々の業とか結構レアかも。この頃から既に圧巻のライブ・パフォーマンスを見せていました。
近くには日本公演の際の写真があり、東京タワーをバックにしたものや京都や名古屋での観光の様子が写っていました。正座には難儀したそうですw
<STAGE2 FROM 1975 TO 1976 ボヘミアン・ラプソディの衝撃 つかみ取った成功>
続いては代表曲「ボヘミアン・ラプソディ」が生まれた頃のコーナーです。この頃、新しいマネージャーと契約し、1975年10月に「ボヘミアン・ラプソディ」が完成しました。6分もある長尺なのでラジオで流せないと反対されましたが、友人でコメディアンの人気DJであるケニー・エヴァレットが週末だけで14回もプレイして人気の火付け役となりました。この曲はオペラパートが印象的で、映画でもガリレオ~っと何テイクも録っているシーンがありますが、オペラパートはブライアンが低音、フレディが中音、ロジャーが高音を担当して1週間もかかったというエピソードも紹介されていました。
ここにはレコーディング写真や、メンバーによる当時を振り返るインタビュー映像(グレイテスト・ビデオ・ヒッツに収録の映像)が流れていました。当時の衝撃と興奮が伝わってくるようです…。
その先にはフレディのボディガードを務めた「東パトの伊丹さん」こと東京パトロールの伊丹久夫 氏についてのコーナーがありました。フレディから絶大な信頼を寄せられいたそうで、フレディから贈られたカルティエの時計や日本刀と共に伊丹氏が撮ったメンバーの写真なども展示されています。いたみ が発音しづらくHitami(ヒターミ)と呼ばれていたというエピソードもありました。
この章もステージがあり(各章にあります)、ここでは1976年の2度目の来日公演の際のステージ衣装が展示されていました。フリルがついた白い衣装で、まだフレディが細身の印象だった頃かな。華やかさがあります。映像は1976年のハイド・パークでのボヘミアンラプソディのライブ映像となっていました。起伏のある楽曲に合わせてスモークとライトで演出していて、見ごたえがあります。2周くらい観てしまったw
<STAGE3 FROM 1977 TO 1979 順風満帆に見えるバンドに襲った見えない不安>
続いては絶頂期のコーナーです。1977年にはエリザベス女王の即位25周年の行事の一環でコンサートを開くなど国民的な存在となっていましたが、著作権の取り決めが拙かったこともあり報酬の不公平感でトラブルになることもあったようです。また、映画でも悪どい感じで描かれていたポール・プレンターがフレディのマネージャーになると他メンバーやファンから好ましく思われないなど、不安の種も出てきたようです。さらにこの頃にはセックス・ピストルズのようなパンクが台頭してくると、QUEENは傲慢な排他主義のエリート集団と決めつけられて非難されたりしたようです(何せ高学歴集団なのでパンクとは対極かも) それでもこの時期には「We Will Rock You」「伝説のチャンピオン( We Are the Champions)」など代表曲も出していますが、「バイシクル・レース(Bicycle Race)」のPVで全裸女性を数十人起用したり、ニューオーリンズで乱痴気ハロウィンパーティーをするなど過剰な逸話が続きました。そして「ジャズ」がヒットする訳ですが、メンバーから深く愛されることはなかったのだとか…。「ドント・ストップ・ミー・ナウ(Don't Stop Me Now)」が入ってるけど他の曲はあまり紹介されないアルバムだったりします。
ここには日本の少女漫画が並んでいました。QUEENは少女漫画との親和性があり、ファンが重なるところもあった為か漫画の中で取り上げられることもあったようです。『8ビート』『イブの息子たち』という作品でメンバーに似た人物が登場していました。
この章のステージには1977年のアールズ・コートでのライブ映像と1976~77年頃のフレディとブライアンの衣装が並んでいました。特に目を引くのはフレディのレオタードで、オレンジ・白・黄緑のひし形が連なるピエロ(ハーレクイン)のような衣装です。ピッチピチでフレディの趣味が顕在化しているような気がするけど、これは著名なバレエダンサーのニジンスキーからの影響なのだとか。 ライブ映像は「キラー・クイーン」「テイク・マイ・ブレス・アウェイ(You Take My Breath Away)」「デス・オン・トゥー・レッグス(Death on Two Leds (Dedicated to...))」が流されていました。この映像でもやはりフレディの衣装が目を引きますw
少し先にはQUEENを長年撮ったカメラマン長谷部宏 氏の写真が並んでいました。長谷部氏は「ライブ キラーズ」のジャケットも撮ったり写真集も出していたようで、そうした写真が展示されています。
この章の最後には歴代のジャパンツアーのコレクションが並んでいました。ポスター、パンフレット、チケット、各種パスなどがあります。ポスターの下の方に映画「フラッシュ・ゴードン」の宣伝も入ってるのがツボw 初めて「フラッシュのテーマ」を聴いた時はなんちゅう曲じゃ?と驚いたのを思い出しましたw
<STAGE4 FROM 1980 TO 1982 音楽性不一致やアルバム不振、長期ツアーで深まる溝>
続いては不協和音が流れていた頃のコーナーです。映画でもこの辺の事情を詳しくやってましたが、フレディが髭をたくわえマッチョになったのはこの頃からです。1980年の「ザ・ゲーム」で初の英米チャート1位を取り、フラッシュ・ゴードンの映画に曲を提供したりしていましたが、この頃から音楽性の不一致による不和が顕在化してきました。また、絶え間ないツアーによってメンバーは疲弊し、1982年秋の5度目の来日公演が終わるとバンド活動の休止を発表しました。
ここにはブライアン・メイの手作りの愛用ギター「レッド・スペシャル」を模して作ったケイズギターワークスの伊集院香崇尊 氏のギターがありました。レントゲン写真で中身を撮ったものなどもあり、遂には本人公認の「ブライアン・メイ スーパー」を制作し、2008年のライブで使われたようです。私はそれを聴いたことがないですが、あの独特の音色を再現できるのか興味を引かれました。
この章のステージは1982年の西武球場のライブ映像とホットスペースツアーでのフレディの衣装となっていました。白い革製の豪華な雰囲気ですが、映像では最早パンツ一丁になっているような…w 曲は「手をとりあって(Teo Torriatte (Let Us Cling Together)」「地獄へ道づれ(Another One Bites the Dust)」「愛という名の欲望(Crazy Little Thing Called Love)」「ボディ・ランゲージ(Body Language)」となっていました。近くにあった1981年と1982年の来日セットリストを観るとメドレーを含めてかなり代表曲が多くて非常に羨ましいツアーです。
この章の最後にはQUEENが表紙の音楽雑誌も並んでいました。やはりQUEENと『ミュージックライフ』誌の関係は深く、『ミュージックライフ』が多かったように思います。人気の火付け役として名高い雑誌です。
<STAGE5 FROM 1983 TO 1985 ライヴ・エイドのもたらした奇跡>
続いては映画「ボヘミアン・ラプソディ」のラストシーンを飾ったライヴ・エイドの頃のコーナーです。この頃、フレディはソロでマイケル・ジャクソンとコラボし、一方のブライアンもヴァン・ヘイレンをゲストに迎えるなどソロ活動が充実したことによって解散説が囁かれたようです。しかし1983年7月に久々にメンバーが集まってバンドの意思を確認し活動が再開されます。1984年に「レディオ・ガガ(RADIO GA GA)」とアルバム「ザ・ワークス(THE WORKS)」を発表し、アメリカでは振るわなかったもののイギリス・欧州・日本・南米で再び脚光を浴びました。 すると今度はアパルトヘイト政策を続ける南アでのコンサートが強い批判を受けて窮地に立たされます。そんな時、1985年7月にチャリティコンサートのライヴ・エイドの話があり、それに参加し伝説となるパフォーマンスで奇跡とまで呼ばれるようになりました。20分間に代表曲を詰め込み、7万5000人もの観客とのコール&レスポンスを成立させて世界中の感動を呼びました。
ここにはフレディが晩年に住んだガーデン・ロッジの写真が並んでいました。一画に日本庭園があり高原竜太朗 氏がそれを手掛けたそうです。朝早くから遅くまで働いたことにフレディも信頼を寄せて通用口の鍵をくれたそうで、それが展示されています(もう使えないようです) また、庭の石やフレディのサイン、見取り図などもあり 見事な日本庭園ぶりです。錦鯉が住む池や滝まであったのだとか。
ここのステージはレディオ・ガガの宣伝写真で身につけたジョンの衣装と、PVでフレディが身につけていた赤いパンツ、ザ・ワークスツアーの際のフレディの衣装(白いレギンス)がありました。一方、映像は「レディオ・ガガ」と「永遠の誓い(It's A Hard Life)」でした。「レディオ・ガガ」はフレディ在籍時後期の中でも特に好きな曲です。
<STAGE6 FROM 1986 TO 1992 SHOW MUST GO ON 終わらないクイーン伝説>
最後はフレディが逝去するまでのコーナーです。QUEENはライブエイドで命を吹き替えし、1986年6月には「カインド・オブ・マジック」を発表し、10万人以上集めた公演を行うなど人気が戻ったようです。しかし1986年8月9日のネブワースでのコンサートがフレディ在命時の最後のステージとなり、この頃から体調に関する噂が流れるようになりました。そして1991年11月24日に帰らぬ人となると、残されたメンバーのうちジョン・ディーコンは引退を決意し、残されたブライアン・メイとロジャー・テイラーは今でもQUEENを守っています。2012年からはクイーン+アダム・ランバートとして活動していて、この日も さいたまスーパーアリーナでライブが行われていました。ちなみに、映画でも出ていたマイアミことジム・ビーチ氏も健在なのだとか。
ここにはフレディ最後のマジック・ツアーでの衣装が展示されていました。白いジャケットで公演ごとで色違いのバージョンがあるようです。
こちらは同じくマジック・ツアーでの姿を再現したフレディ像。(もうちょっと前の章にありました。これは撮影可能)

こちらは黄色の服ですがデザインは同じ。躍動感溢れるポーズで、フレディのイメージそのものです。最後にしてこの勇姿。
ここでは現在QUEENと共に活動しているアダム・ランバートも紹介されていました。1982年のインディアナ生れで、「アメリカン・アイドル シーズン8」というオーディション番組でブライアンとロジャーがゲストで出た際に 最終選考でQUEENの曲を歌い、2人に声をかけられたようです。ライブは観たことがないので、どういうパフォーマンスを見せてくれるのか興味が湧く所ですね。
その先には日本でのシングルレコードのジャケットなどがありました。また、メンバーによる手書きの歌詞があって、フレディは「手を取り合って」の歌詞のメモでした。破れていて独特の洒落た字となっています。一方のブライアンは「machines」や「ハンマートゥフォール」などでjが小さく整っていて几帳面な性格が出ていました。 ロジャーは「the loser in the end」、ジョンは「I Want to Break Free」の歌詞があり、4人とも才能豊かなチートバンドですw
そしてこの章には8分のライブ映像があり、1986年のウェンブリーでのマジックツアーを観ることができます。「ボヘミアンラプソディ」「伝説のチャンピオン」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」という代表曲3曲を大音量で聴けてこれだけでも満足感が高まりました。最後の輝きが心を打ちます。
こちらは最後にあったサイン。これも撮影可能

ブライアンとロジャーだと思いますが読めないw ちょうどツアーも来ているのでプライベートで1/23にこの会場に来場したようです。
昨日、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラーのお2人がプライベートでクイーン展を訪問しました。
— クイーン展ジャパン@東京➡︎横浜➡︎大阪➡︎名古屋 (@QUEEN_exh) January 24, 2020
その際、お2人からサインをいただきました。
本日より会場内にて展示しておりますので、ぜひご覧くださいませ。(横浜以降の展覧会場でも展示します)#クイーン展 #QUEEN展 pic.twitter.com/CvHTKBEohn
ということで、貴重な展示品としてはステージ衣装くらいだったものの 映像や当時の資料などを観ることが出来て満足感がありました。QUEENが好きな人には自分だけのエピソードもあると思うので、観ているうちに記憶が蘇るかもしれません。この展示は今日で終わりますが、横浜にも巡回するので気になる方はチェックしてみてください。
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今日は前回に引き続きBunkamura ザ・ミュージアムの「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」についてです。前編は1章についてでしたが、後編は残りの2章についてご紹介していこうと思います。まずは概要のおさらいです。
→ 前編はこちら

【展覧名】
ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター
【公式サイト】
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/20_saulleiter/
【会場】Bunkamura ザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅
【会期】2020/1/9(木)~3/8(日) → 2/27で中止に
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
後半も前半同様に快適に鑑賞することができました。後半には1箇所だけ撮影可能な場所がありましたので、その写真と共に引き続き各コーナーごとに簡単に振り返っていこうと思います。
参考記事:
ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展 (Bunkamura ザ・ミュージアム)
映画 「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」
<Part2 ソール・ライターを探して>
2章は未発表作品、セルフ・ポートレート、妹のデボラ、40年以上共にした最愛の女性ソームズ・バントリーのポートレートなどをテーマにした作品が並んでいました。後半には絵画作品もあります。
[1.セルフ・ポートレート]
こちらは自分を撮ったセルフ・ポートレートのコーナーです。と言っても、単に自分の姿を撮ったものは少なくちょっと変わったものが多いように思います。
135 ソール・ライター 「セルフ・ポートレート」
こちらはテーブルに向かってうつむく帽子姿のセルフ・ポートレートです。画面の真ん中に大きな亀裂のようなものがあり、画面が2つに分かれているように思えます。恐らく鏡か加工したかだと思いますが、まるで引き裂かれているような感じで驚きました。まだ若い頃の姿ですが、気難しそうな雰囲気もします…w
ソール・ライター 「無題」
こちらは写真を撮るポーズをした自分の影を撮った白黒写真です。その影の真中を白く太い線が通っていて、そこだけ影が薄くなっています。 白い線は光の筋なのかな? シンプルな構図ですが絵画的な面白さを感じる構図となっていました。
ソール・ライター 「鏡」
こちらは鏡が並ぶ屋内を外からガラス越しに撮った白黒写真です。一番右にある円形の鏡にはカメラを構えるソール・ライターの姿があり、セルフ・ポートレートとも言えますが、全体的にはガラスの反射と鏡の反射が複雑な多層構造になっている画面です。この近くのセルフ・ポートレートでも同様にガラスの反射を使った作品がいくつかあり、お得意の技法を自在に活用しているように思えました。
この辺に小部屋が設けられていて、スライドショーで作品を上映していました。3つの画面で流していて、アトリエの風景らしき写真もありました。
[2.デボラ]
続いては2歳下の妹のデボラを撮った写真です。ソール・ライターの家は厳格な家だったようで、感受性豊かでユーモアがある兄の唯一の理解者だったのがデボラでした。兄弟の中で最も仲が良くソール・ライターのミューズとなって何枚も写真を撮っていたようで、ここにはそうした写真が並んでいます。
ソール・ライター 「デボラ」
こちらは1940年代頃の白黒の写真で、白い壁を背に木箱のような椅子?に腰掛けているデボラを撮ったものです。上目遣いでこちらをじっと観る目は強く、ちょっと異様な雰囲気もあるかな。20代で精神障害を患って施設に入っていたようですが、愛情を込めて撮影している様子も伺えました。
この先にはスナップみたいな名刺サイズの写真もありました。年齢もまちまちで頻繁に撮っていたのだろうと推測できます。兄妹だけあって兄のソール・ライターに似てるかな。
ソール・ライター 「デボラ」
こちらはデボラが窓辺で肘をついて外を眺めている様子を撮った写真。ややボヤけて光が入っているような感じにも観えますが、日常の様子をそっと覗き込んだような印象を受けます。物思いに耽るようでやや憂鬱そうな印象でした。
この近くには撮られているのを意識しているように見える写真もいくつかあり、視線を向けているものもありました。
[3.絵画]
続いては絵画のコーナーです。ここにはスケッチブックと水彩作品があり、カラフルな画風となっています。ソール・ライターは正式な美術教育は受けておらず独学で学んだようですが、この時代のアートシーンの中心だったデ・クーニングら抽象表現主義の一員と考えられていたこともあるようです。ここにあったのは数点でしたが、いずれも風景とも抽象とも捉えることができるような感じなので、確かに抽象表現主義と共通するものもあるかも知れません。滲みを生かしたザラついた質感で強めの色使いとなっていて、表面的には写真作品と異なる印象を受けます。しかし写真で水滴やぼんやりした技法を使うのと共通したものも感じられて、ルーツが垣間見えたように思います。セザンヌやナビ派を敬愛していたのも頷けました。
[4.ソームズ]
続いては最愛のソームズに関するコーナーです。ソームズとは1950年代にファッションモデルと写真家として出会い、その後40年以上に渡って共に過ごしました。ソームズも絵を描いていたようで、ナビ派に影響を受けていたようです。
ソール・ライター 「ソームズ」
こちらは柱が立ち並ぶ回廊状の場所で黒い帽子と黒い服でバイオリンを弾く姿のソームズです。振り返ってちらりとこちらを見る目は気だるそうで、妖しい雰囲気があります。モデルだけあってポーズを取るとサマになっていてファッション誌の1ページと言った雰囲気となっていました。
ソール・ライター 「ソームズ」
こちらは布をかぶり買い物袋を抱えて歩道を歩くソームズを撮った写真です。全体的にモヤがかかったような感じで雨なのかな? ここでのソームズは日常の素の姿となっていて、生活感があります。背景も含めて何気ない日々を撮った写真のように思えました。
この近くにはヌード写真もあり、結構ロックな退廃感が漂う作品もありました。一方、爽やかな笑顔を見せている写真もあって、様々な表情を見せてくれます。これだけ親密な写真はパートナーならではでしょうね。
この先の一画だけ撮影可能となっていました。

左半分くらいはソームズの絵で、右の辺りにソール・ライターの絵が並んでいます。
こちらはソームズの作品。

パッと見てボナールっぽい雰囲気なので影響を受けているのだと思います。平坦で明るい色彩で、日常の穏やかな光景を描いている辺りもそう感じさせました。
こちらもソームズの描いた猫ちゃん。

何かを狙ってるのか警戒しているのか… やや怪訝そうな感じがするかなw シンプルながらも壁の向こうから覗いているように見えるのが面白い。
こちらはソール・ライターの絵画作品

岩が並んでいるような抽象のような… このくすんだ色合いはカラー写真の色合いと共通するものがあるように思えました。
こちらもソール・ライターの作品。

風景のような抽象のような…w マチエールがお得意の水滴と似ているようにも観えました。絵画作品ももうちょっと見てみたい。
[5.その他]
最後は数点でした。ソームズと猫の写真とかだったかな。
ということで、後半は自身や家族に関する内容が多めとなっていました。前半に比べると私的な感じで、ソール・ライターのことを詳しく知れたように思います。勿論、今回も図録を購入したのですが何故か図録に載っていない作品もあったりするのが玉に瑕。それでも大満足で、何度も図録を観て反芻しています。今季オススメの展示です。
おまけ:
帰りは雨が降っていてソール・ライターが好きそうな光景でしたw

臆面もなくパクってみたけど、まあご愛嬌でw
→ 前編はこちら


【展覧名】
ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター
【公式サイト】
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/20_saulleiter/
【会場】Bunkamura ザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅
【会期】2020/1/9(木)~
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
後半も前半同様に快適に鑑賞することができました。後半には1箇所だけ撮影可能な場所がありましたので、その写真と共に引き続き各コーナーごとに簡単に振り返っていこうと思います。
参考記事:
ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展 (Bunkamura ザ・ミュージアム)
映画 「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」
<Part2 ソール・ライターを探して>
2章は未発表作品、セルフ・ポートレート、妹のデボラ、40年以上共にした最愛の女性ソームズ・バントリーのポートレートなどをテーマにした作品が並んでいました。後半には絵画作品もあります。
[1.セルフ・ポートレート]
こちらは自分を撮ったセルフ・ポートレートのコーナーです。と言っても、単に自分の姿を撮ったものは少なくちょっと変わったものが多いように思います。
135 ソール・ライター 「セルフ・ポートレート」
こちらはテーブルに向かってうつむく帽子姿のセルフ・ポートレートです。画面の真ん中に大きな亀裂のようなものがあり、画面が2つに分かれているように思えます。恐らく鏡か加工したかだと思いますが、まるで引き裂かれているような感じで驚きました。まだ若い頃の姿ですが、気難しそうな雰囲気もします…w
ソール・ライター 「無題」
こちらは写真を撮るポーズをした自分の影を撮った白黒写真です。その影の真中を白く太い線が通っていて、そこだけ影が薄くなっています。 白い線は光の筋なのかな? シンプルな構図ですが絵画的な面白さを感じる構図となっていました。
ソール・ライター 「鏡」
こちらは鏡が並ぶ屋内を外からガラス越しに撮った白黒写真です。一番右にある円形の鏡にはカメラを構えるソール・ライターの姿があり、セルフ・ポートレートとも言えますが、全体的にはガラスの反射と鏡の反射が複雑な多層構造になっている画面です。この近くのセルフ・ポートレートでも同様にガラスの反射を使った作品がいくつかあり、お得意の技法を自在に活用しているように思えました。
この辺に小部屋が設けられていて、スライドショーで作品を上映していました。3つの画面で流していて、アトリエの風景らしき写真もありました。
[2.デボラ]
続いては2歳下の妹のデボラを撮った写真です。ソール・ライターの家は厳格な家だったようで、感受性豊かでユーモアがある兄の唯一の理解者だったのがデボラでした。兄弟の中で最も仲が良くソール・ライターのミューズとなって何枚も写真を撮っていたようで、ここにはそうした写真が並んでいます。
ソール・ライター 「デボラ」
こちらは1940年代頃の白黒の写真で、白い壁を背に木箱のような椅子?に腰掛けているデボラを撮ったものです。上目遣いでこちらをじっと観る目は強く、ちょっと異様な雰囲気もあるかな。20代で精神障害を患って施設に入っていたようですが、愛情を込めて撮影している様子も伺えました。
この先にはスナップみたいな名刺サイズの写真もありました。年齢もまちまちで頻繁に撮っていたのだろうと推測できます。兄妹だけあって兄のソール・ライターに似てるかな。
ソール・ライター 「デボラ」
こちらはデボラが窓辺で肘をついて外を眺めている様子を撮った写真。ややボヤけて光が入っているような感じにも観えますが、日常の様子をそっと覗き込んだような印象を受けます。物思いに耽るようでやや憂鬱そうな印象でした。
この近くには撮られているのを意識しているように見える写真もいくつかあり、視線を向けているものもありました。
[3.絵画]
続いては絵画のコーナーです。ここにはスケッチブックと水彩作品があり、カラフルな画風となっています。ソール・ライターは正式な美術教育は受けておらず独学で学んだようですが、この時代のアートシーンの中心だったデ・クーニングら抽象表現主義の一員と考えられていたこともあるようです。ここにあったのは数点でしたが、いずれも風景とも抽象とも捉えることができるような感じなので、確かに抽象表現主義と共通するものもあるかも知れません。滲みを生かしたザラついた質感で強めの色使いとなっていて、表面的には写真作品と異なる印象を受けます。しかし写真で水滴やぼんやりした技法を使うのと共通したものも感じられて、ルーツが垣間見えたように思います。セザンヌやナビ派を敬愛していたのも頷けました。
[4.ソームズ]
続いては最愛のソームズに関するコーナーです。ソームズとは1950年代にファッションモデルと写真家として出会い、その後40年以上に渡って共に過ごしました。ソームズも絵を描いていたようで、ナビ派に影響を受けていたようです。
ソール・ライター 「ソームズ」
こちらは柱が立ち並ぶ回廊状の場所で黒い帽子と黒い服でバイオリンを弾く姿のソームズです。振り返ってちらりとこちらを見る目は気だるそうで、妖しい雰囲気があります。モデルだけあってポーズを取るとサマになっていてファッション誌の1ページと言った雰囲気となっていました。
ソール・ライター 「ソームズ」
こちらは布をかぶり買い物袋を抱えて歩道を歩くソームズを撮った写真です。全体的にモヤがかかったような感じで雨なのかな? ここでのソームズは日常の素の姿となっていて、生活感があります。背景も含めて何気ない日々を撮った写真のように思えました。
この近くにはヌード写真もあり、結構ロックな退廃感が漂う作品もありました。一方、爽やかな笑顔を見せている写真もあって、様々な表情を見せてくれます。これだけ親密な写真はパートナーならではでしょうね。
この先の一画だけ撮影可能となっていました。

左半分くらいはソームズの絵で、右の辺りにソール・ライターの絵が並んでいます。
こちらはソームズの作品。

パッと見てボナールっぽい雰囲気なので影響を受けているのだと思います。平坦で明るい色彩で、日常の穏やかな光景を描いている辺りもそう感じさせました。
こちらもソームズの描いた猫ちゃん。

何かを狙ってるのか警戒しているのか… やや怪訝そうな感じがするかなw シンプルながらも壁の向こうから覗いているように見えるのが面白い。
こちらはソール・ライターの絵画作品

岩が並んでいるような抽象のような… このくすんだ色合いはカラー写真の色合いと共通するものがあるように思えました。
こちらもソール・ライターの作品。

風景のような抽象のような…w マチエールがお得意の水滴と似ているようにも観えました。絵画作品ももうちょっと見てみたい。
[5.その他]
最後は数点でした。ソームズと猫の写真とかだったかな。
ということで、後半は自身や家族に関する内容が多めとなっていました。前半に比べると私的な感じで、ソール・ライターのことを詳しく知れたように思います。勿論、今回も図録を購入したのですが何故か図録に載っていない作品もあったりするのが玉に瑕。それでも大満足で、何度も図録を観て反芻しています。今季オススメの展示です。
おまけ:
帰りは雨が降っていてソール・ライターが好きそうな光景でしたw

臆面もなくパクってみたけど、まあご愛嬌でw
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前回ご紹介したお店で食事を済ませた後、Bunkamura ザ・ミュージアムで「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」を観てきました。かなり素晴らしい展示でしたので、前編・後編に分けてご紹介していこうと思います。

【展覧名】
ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター
【公式サイト】
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/20_saulleiter/
【会場】Bunkamura ザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅
【会期】2020/1/9(木)~3/8(日) → 2/27で中止に
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
意外と空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は再評価され注目度が高まっているニューヨークの写真家ソール・ライターの個展となっています。2017年にも同じbunkamuraで個展が開かれ、非常に素晴らしい内容だったので私は2017年の年間ベスト展示として挙げていたのですが、早くも再来ということで楽しみにしていました。ソール・ライターは売れることを考えていなかったこともあり、忘れ去られた存在だったのですが、83歳の2006年にドイツのシュタイデル社が出版した作品集『Early Color』で世界に衝撃を与え、写真界に再発見されました。2012年にはドキュメンタリー映画も作られましたが、惜しくも2013年に亡くなってしまいました。しかし未だに現像されていない写真もあり、今回の展示では前回観られなかった作品も出品されていて、前回同様に満足度の高い内容となっていました。2章構成となっていましたので、各章ごとに簡単にその様子を振り返ってみようと思います。
参考記事:
ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展 (Bunkamura ザ・ミュージアム)
映画 「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」
<Part1 ソール・ライターの世界>
1章は、モノクロによるストリートスナップ、『ハーパースバザー』をはじめ生活の糧として従事していたファッション写真、再評価の大きな契機となったカラー写真 という3つの主題から成っていました。それぞれ節に分かれています。
[1.Black & White]
このコーナーはモノクロでハガキサイズくらいの小さめの写真が並んでいました。
18 ソール・ライター 「尼僧」
こちらは街角の歩道を歩くシスターの後ろ姿を撮った白黒写真です。黒いマントを翻すような感じで、綺麗な三角形のシルエットとなっているのが印象的です。一方、背景は光で飛んだように細部が分からないくらい白っぽくなっていて、明暗が強くて一層にシスターの存在感を強めていました。
15 ソール・ライター 「安雑貨店」
こちらはショーウィンドウの中を覗く帽子の紳士や行き交う人々が撮られた白黒写真です。ふと足を止めて雑貨を眺めているといったところだと思いますが この写真の面白いのはガラスの反射で、ガラスの内外の風景が混じったような光景となっています。多分、店の内側から撮ったと思うけど、内側に反射して見える人もいて、観ていて混乱しましたw
この近くには「コンタクトシート」と呼ばれるフィルムを印画紙に密着させてそのままプリントした写真が並んでいました。1本分をプリントして確認する為のものらしく、連続した似たような写真となっています。割と何度も似たような構図を撮っていて、製作の様子が伺えました。
47 ソール・ライター 「高架鉄道から」
こちらは2階くらいの高さの高架から下の道にいる人を撮った白黒写真です。ピントが離れた所にあるので手前の柵や柱?はボヤけているわけですが、それが大きく画面を塞いでいて大胆な構図です。また、撮られている人は全く気づいていないようで、ふとした日常の光景そのものといった感じで生き生きとした印象を受けました。
この辺にはソール・ライターが「スニペット」と呼んだ名刺サイズの写真がありました。これらは自らプリントしたもので、家族・恋人・知り合いの女性などが撮られ、慈しんでいたようです。これは割と普通のポートレートっぽい感じでした。
9 ソール・ライター 「5番街」
こちらは縦長の画面一杯に夜の濡れた路面が広がり、上の方に横切るバスが撮られた白黒写真です。バスは横方向にブレていてスピード感があり、その車体の下にはバスの向こう側からの光が反射しています。路面の光が叙情的で、都会の中の侘しさが感じられました。
[2.カラー(1)]
続いては評価を高めたカラー写真のコーナーです。期限切れのフィルムを使った褪せた色合いが特徴となっています。
70 ソール・ライター 「夜のバス」
こちらはバスの車内で前に座る2人を撮った写真です。後ろ姿で2人とも黒っぽい服を着ていてシルエットのような感じになっていて、後ろに置かれた荷物に光があたっています。また、女性のシルエットの奥からは町の光が差し込んでいて強い明暗です。2人の姿は何処か疲れているようにも思えて、夜のバスの独特の空気感まで伝わってきそうでした。
54 ソール・ライター 「薄紅色の傘」 ★こちらで観られます
こちらは今回のポスターにもなっている作品です。画面上部に薄紅色の傘の端っこが写っていて、その下には濡れた路面がボヤけて写っています。ソール・ライターは傘が大好きで、雨の反射もよく題材にしているので この写真は作風がよく現れているように思います。一際明るい薄紅色と大胆な構図も魅力的な作品でした。
63 ソール・ライター 「帽子」 ★こちらで観られます
こちらも今回のポスターになっている作品です。びっしりと水滴がついたガラス越しに男性がキャップに手を当てて立っている姿が写され、背景はボヤけています。恐らく雪が積もった所にタクシーが走ってるのかな? こちらもお得意のガラス越し&水滴を組み込んでいて、ソール・ライターの特徴が端的に分かると思います。何処か寂しげな雰囲気がエモい。雪や雨の情景は特に素晴らしい作品ばかりです。
62 ソール・ライター 「CANAL」
こちらは青い円形に白字で「CANAL」と書かれた標識が大きく写され、背景に運河らしきものが写っている作品です。標識にクローズアップしているので背景はボケ気味で、標識は風化した質感までも克明に見て取ることができます。その風化っぷりが日本の侘び寂びの感覚に近いように思えました。青だけ目を引くシンプルな色彩感覚も素晴らしい。
[3.ファッション]
続いてはファッション誌の仕事に関するコーナーです。誌面を飾った写真の他に、モデルが気を抜いた時の写真などもありました。
88 ソール・ライター 「『ハーパース バザー』1960年代」
こちらは顔を横に向けたモデルの後ろ姿を撮ったカラー写真です。画面は枠のようなもので3つに区切られていて、モデルの顔も3つに分かれています。それぞれ角度が違うので、向きの異なる鏡じゃないかな? その発想が面白く、写真なのにキュビスム的な印象を受けました。有名誌でこんなに面白い写真を撮っていたのに存在を忘れられてしまったというのが不思議で仕方ないw
この近くにはモデルたちの撮影風景まで撮ったコンタクトシートもありました。立って何かを食べている様子など、素の姿が垣間見られますw
[4.カラー(2)]
続いては再びカラー写真のコーナーです。
117 ソール・ライター 「バス」
こちらはバスの前の方の席から雨の降るニューヨークの街角を撮った写真です。傘をさす人、車、信号、お店の屋根… 様々なものが所狭しと並んでいて、手前はバスの手すりや窓枠が覆っています。これは2004年の作品なのですが、1950年代の写真と言われても信じてしまいそうな風合いと光景です。こちらもガラスに水滴がついていて雨の日の雰囲気がよく出ていました。
122 ソール・ライター 「ハーレム」
こちらは赤い車、赤地に白のBARの文字の看板、手前に赤いネクタイの黒人紳士などが撮られた作品です。所々に鮮やかな赤が配置されていて、赤・白・黒のコントラストが目に鮮やかです。文字が多いのも雑多な感じで面白い作品でした。何故か図録に掲載されてないのが残念。。。
112 ソール・ライター 「モンドリアンの労働者」
こちらは壁の板がモンドリアンの抽象画のように組み合わさっている様子が撮られた作品です。左下では働いている人の姿もあり、ちょっとうらぶれた工場みたいな雰囲気があるかな。色合いはむしろモランディのような印象で、静かな色彩でした。これも何故か図録に載ってない。。。
この近くにはローマやパリを撮った写真もありました。
94 ソール・ライター 「無題」
こちらは画面の真ん中にガラスの仕切りのような縦線があり、窓の外には雨のニューヨークの光景が広がっています。ガラスには水滴がついているのはお得意の主題かな。手前に床屋さんの3色の看板があるのと 中央辺りに赤信号が灯っているのが色彩のアクセントになっているように思えました。
1章はこの辺までなので今日はここまでにしようと思います。今回も素晴らしい作品ばかりで、現時点で今年のベスト展示候補となっていますw 後半は絵画作品やセルフ・ポートレートなどもありましたので、次回は残りの2章の内容をご紹介予定です。
→ 後編はこちら

【展覧名】
ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター
【公式サイト】
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/20_saulleiter/
【会場】Bunkamura ザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅
【会期】2020/1/9(木)~
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
意外と空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は再評価され注目度が高まっているニューヨークの写真家ソール・ライターの個展となっています。2017年にも同じbunkamuraで個展が開かれ、非常に素晴らしい内容だったので私は2017年の年間ベスト展示として挙げていたのですが、早くも再来ということで楽しみにしていました。ソール・ライターは売れることを考えていなかったこともあり、忘れ去られた存在だったのですが、83歳の2006年にドイツのシュタイデル社が出版した作品集『Early Color』で世界に衝撃を与え、写真界に再発見されました。2012年にはドキュメンタリー映画も作られましたが、惜しくも2013年に亡くなってしまいました。しかし未だに現像されていない写真もあり、今回の展示では前回観られなかった作品も出品されていて、前回同様に満足度の高い内容となっていました。2章構成となっていましたので、各章ごとに簡単にその様子を振り返ってみようと思います。
参考記事:
ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展 (Bunkamura ザ・ミュージアム)
映画 「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」
<Part1 ソール・ライターの世界>
1章は、モノクロによるストリートスナップ、『ハーパースバザー』をはじめ生活の糧として従事していたファッション写真、再評価の大きな契機となったカラー写真 という3つの主題から成っていました。それぞれ節に分かれています。
[1.Black & White]
このコーナーはモノクロでハガキサイズくらいの小さめの写真が並んでいました。
18 ソール・ライター 「尼僧」
こちらは街角の歩道を歩くシスターの後ろ姿を撮った白黒写真です。黒いマントを翻すような感じで、綺麗な三角形のシルエットとなっているのが印象的です。一方、背景は光で飛んだように細部が分からないくらい白っぽくなっていて、明暗が強くて一層にシスターの存在感を強めていました。
15 ソール・ライター 「安雑貨店」
こちらはショーウィンドウの中を覗く帽子の紳士や行き交う人々が撮られた白黒写真です。ふと足を止めて雑貨を眺めているといったところだと思いますが この写真の面白いのはガラスの反射で、ガラスの内外の風景が混じったような光景となっています。多分、店の内側から撮ったと思うけど、内側に反射して見える人もいて、観ていて混乱しましたw
この近くには「コンタクトシート」と呼ばれるフィルムを印画紙に密着させてそのままプリントした写真が並んでいました。1本分をプリントして確認する為のものらしく、連続した似たような写真となっています。割と何度も似たような構図を撮っていて、製作の様子が伺えました。
47 ソール・ライター 「高架鉄道から」
こちらは2階くらいの高さの高架から下の道にいる人を撮った白黒写真です。ピントが離れた所にあるので手前の柵や柱?はボヤけているわけですが、それが大きく画面を塞いでいて大胆な構図です。また、撮られている人は全く気づいていないようで、ふとした日常の光景そのものといった感じで生き生きとした印象を受けました。
この辺にはソール・ライターが「スニペット」と呼んだ名刺サイズの写真がありました。これらは自らプリントしたもので、家族・恋人・知り合いの女性などが撮られ、慈しんでいたようです。これは割と普通のポートレートっぽい感じでした。
9 ソール・ライター 「5番街」
こちらは縦長の画面一杯に夜の濡れた路面が広がり、上の方に横切るバスが撮られた白黒写真です。バスは横方向にブレていてスピード感があり、その車体の下にはバスの向こう側からの光が反射しています。路面の光が叙情的で、都会の中の侘しさが感じられました。
[2.カラー(1)]
続いては評価を高めたカラー写真のコーナーです。期限切れのフィルムを使った褪せた色合いが特徴となっています。
70 ソール・ライター 「夜のバス」
こちらはバスの車内で前に座る2人を撮った写真です。後ろ姿で2人とも黒っぽい服を着ていてシルエットのような感じになっていて、後ろに置かれた荷物に光があたっています。また、女性のシルエットの奥からは町の光が差し込んでいて強い明暗です。2人の姿は何処か疲れているようにも思えて、夜のバスの独特の空気感まで伝わってきそうでした。
54 ソール・ライター 「薄紅色の傘」 ★こちらで観られます
こちらは今回のポスターにもなっている作品です。画面上部に薄紅色の傘の端っこが写っていて、その下には濡れた路面がボヤけて写っています。ソール・ライターは傘が大好きで、雨の反射もよく題材にしているので この写真は作風がよく現れているように思います。一際明るい薄紅色と大胆な構図も魅力的な作品でした。
63 ソール・ライター 「帽子」 ★こちらで観られます
こちらも今回のポスターになっている作品です。びっしりと水滴がついたガラス越しに男性がキャップに手を当てて立っている姿が写され、背景はボヤけています。恐らく雪が積もった所にタクシーが走ってるのかな? こちらもお得意のガラス越し&水滴を組み込んでいて、ソール・ライターの特徴が端的に分かると思います。何処か寂しげな雰囲気がエモい。雪や雨の情景は特に素晴らしい作品ばかりです。
62 ソール・ライター 「CANAL」
こちらは青い円形に白字で「CANAL」と書かれた標識が大きく写され、背景に運河らしきものが写っている作品です。標識にクローズアップしているので背景はボケ気味で、標識は風化した質感までも克明に見て取ることができます。その風化っぷりが日本の侘び寂びの感覚に近いように思えました。青だけ目を引くシンプルな色彩感覚も素晴らしい。
[3.ファッション]
続いてはファッション誌の仕事に関するコーナーです。誌面を飾った写真の他に、モデルが気を抜いた時の写真などもありました。
88 ソール・ライター 「『ハーパース バザー』1960年代」
こちらは顔を横に向けたモデルの後ろ姿を撮ったカラー写真です。画面は枠のようなもので3つに区切られていて、モデルの顔も3つに分かれています。それぞれ角度が違うので、向きの異なる鏡じゃないかな? その発想が面白く、写真なのにキュビスム的な印象を受けました。有名誌でこんなに面白い写真を撮っていたのに存在を忘れられてしまったというのが不思議で仕方ないw
この近くにはモデルたちの撮影風景まで撮ったコンタクトシートもありました。立って何かを食べている様子など、素の姿が垣間見られますw
[4.カラー(2)]
続いては再びカラー写真のコーナーです。
117 ソール・ライター 「バス」
こちらはバスの前の方の席から雨の降るニューヨークの街角を撮った写真です。傘をさす人、車、信号、お店の屋根… 様々なものが所狭しと並んでいて、手前はバスの手すりや窓枠が覆っています。これは2004年の作品なのですが、1950年代の写真と言われても信じてしまいそうな風合いと光景です。こちらもガラスに水滴がついていて雨の日の雰囲気がよく出ていました。
122 ソール・ライター 「ハーレム」
こちらは赤い車、赤地に白のBARの文字の看板、手前に赤いネクタイの黒人紳士などが撮られた作品です。所々に鮮やかな赤が配置されていて、赤・白・黒のコントラストが目に鮮やかです。文字が多いのも雑多な感じで面白い作品でした。何故か図録に掲載されてないのが残念。。。
112 ソール・ライター 「モンドリアンの労働者」
こちらは壁の板がモンドリアンの抽象画のように組み合わさっている様子が撮られた作品です。左下では働いている人の姿もあり、ちょっとうらぶれた工場みたいな雰囲気があるかな。色合いはむしろモランディのような印象で、静かな色彩でした。これも何故か図録に載ってない。。。
この近くにはローマやパリを撮った写真もありました。
94 ソール・ライター 「無題」
こちらは画面の真ん中にガラスの仕切りのような縦線があり、窓の外には雨のニューヨークの光景が広がっています。ガラスには水滴がついているのはお得意の主題かな。手前に床屋さんの3色の看板があるのと 中央辺りに赤信号が灯っているのが色彩のアクセントになっているように思えました。
1章はこの辺までなので今日はここまでにしようと思います。今回も素晴らしい作品ばかりで、現時点で今年のベスト展示候補となっていますw 後半は絵画作品やセルフ・ポートレートなどもありましたので、次回は残りの2章の内容をご紹介予定です。
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前回ご紹介した松濤美術館の展示を観た後、Bunkamuraザ・ミュージアムに向かったのですが その前にbunkamuraのある東急本店4階でカフェ シェ・ダイゴというお店で食事を摂りました。

【店名】
カフェ シェ・ダイゴ
【ジャンル】
カフェ・レストラン
【公式サイト】
https://www.tokyu-dept.co.jp/honten/shop/detail.html?shopcode=cafechezdaigo
食べログ:https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13151668/dtlrvwlst/B111713906/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
渋谷駅/神泉駅
【近くの美術館】
Bunkamuraザ・ミュージアム
戸栗美術館
松濤美術館
など
【この日にかかった1人の費用】
2000円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_③_4_5_名店
【感想】
割と混んでいてちょうど満席くらいでした。
さて、このお店は東急本店4階の売り場の一角にあるお店で、見た目も中身も昔ながらの喫茶店のような雰囲気となっています。3階に用があったのでたまたま近かったので入ってみました。
この日はナポリタン、ガレット、ケーキセット、紅茶を頼みました。
まずはナポリタンの付け合せのトマトが来ました。

玉ねぎと中華風?のソースがかかっていて意外な組み合わせ。しかしこれがよく合って予想外の美味しさでした。
続いて奥さんが頼んだナポリタン。少し貰いました。

こちらは昔ながらの味で、ケチャップの味がマイルドなのでバターかミルクが入ってるんじゃないかな。懐かしさを覚えてこれも満足できる美味しさでした。
私はハムとチーズのガレットを頼みました。

綺麗に折りたたまれています。黒っぽいので挽きぐるみの蕎麦でしょうか?
中にはハムとチーズがたっぷり入っています。

絶妙な塩梅でほんのりと香ばしい。蕎麦はややボソボソした食感だったものの野趣ある風味で美味しかったです。
食後はケーキセットのガトーショコラを頼みました。

柔らかくて滑らかで、甘さは控えめでまったりしていました。まあ普通っぽいかな。
奥さんはケーキは無しで紅茶を頼んでいました。

いい香りがしていましたが、これもまあ普通w
私は飲み物はコーヒーにしました。

香り高く、苦味・酸味・コクは控えめで まろやかです。こちらもまあまあ。
ということで、食事は予想以上の満足 カフェメニューは普通といった感じで、特にナポリタンが好みでした。ここはbunkamuraに近くジュンク堂のすぐ下にあるので、いずれまた利用してみようと思います。

【店名】
カフェ シェ・ダイゴ
【ジャンル】
カフェ・レストラン
【公式サイト】
https://www.tokyu-dept.co.jp/honten/shop/detail.html?shopcode=cafechezdaigo
食べログ:https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13151668/dtlrvwlst/B111713906/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
渋谷駅/神泉駅
【近くの美術館】
Bunkamuraザ・ミュージアム
戸栗美術館
松濤美術館
など
【この日にかかった1人の費用】
2000円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_③_4_5_名店
【感想】
割と混んでいてちょうど満席くらいでした。
さて、このお店は東急本店4階の売り場の一角にあるお店で、見た目も中身も昔ながらの喫茶店のような雰囲気となっています。3階に用があったのでたまたま近かったので入ってみました。
この日はナポリタン、ガレット、ケーキセット、紅茶を頼みました。
まずはナポリタンの付け合せのトマトが来ました。

玉ねぎと中華風?のソースがかかっていて意外な組み合わせ。しかしこれがよく合って予想外の美味しさでした。
続いて奥さんが頼んだナポリタン。少し貰いました。

こちらは昔ながらの味で、ケチャップの味がマイルドなのでバターかミルクが入ってるんじゃないかな。懐かしさを覚えてこれも満足できる美味しさでした。
私はハムとチーズのガレットを頼みました。

綺麗に折りたたまれています。黒っぽいので挽きぐるみの蕎麦でしょうか?
中にはハムとチーズがたっぷり入っています。

絶妙な塩梅でほんのりと香ばしい。蕎麦はややボソボソした食感だったものの野趣ある風味で美味しかったです。
食後はケーキセットのガトーショコラを頼みました。

柔らかくて滑らかで、甘さは控えめでまったりしていました。まあ普通っぽいかな。
奥さんはケーキは無しで紅茶を頼んでいました。

いい香りがしていましたが、これもまあ普通w
私は飲み物はコーヒーにしました。

香り高く、苦味・酸味・コクは控えめで まろやかです。こちらもまあまあ。
ということで、食事は予想以上の満足 カフェメニューは普通といった感じで、特にナポリタンが好みでした。ここはbunkamuraに近くジュンク堂のすぐ下にあるので、いずれまた利用してみようと思います。
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この前の土曜日に神泉の松濤美術館で「パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展」を観てきました。

【展覧名】
パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展
【公式サイト】
https://shoto-museum.jp/exhibitions/186sara/
【会場】松濤美術館
【最寄】渋谷駅・神泉駅
【会期】2019年12月7日(土)~2020年1月31日(金)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
さて、この展示はフランスのベル・エポック(良き時代)を象徴するサラ・ベルナールをテーマにしたもので、以前ご紹介した横須賀美術館の展示の巡回展となっています。巡回展なので中身はほぼ同じとなっていて、サラ・ベルナールの肖像、セルフプロデュースの一環としてミュシャやラリックの才能を見出した話、自らの著書や彫刻などが並ぶ内容となっています。同じ内容なので詳しくは横須賀美術館の時の記事をご参照頂ければと思いますが、章構成がやや異なっていましたので補足的に簡単にご紹介しておこうと思います。
参考記事:サラ・ベルナールの世界展 (横須賀美術館)
<1章:サラ・ベルナールの肖像―女優、時代の寵児として>
まずは上階で、サラ・ベルナールの写真や肖像のコーナーです。
ここには58歳の時の写真とはとても思えないW.& D. ダウニー「街着姿のサラ・ベルナール」(★こちらで観られます)を始め、吸血鬼のようだと言って受け取りを拒否したナポレオン・サロニー「街着姿のサラ・ベルナール」、透き通るようなパステルで瑞々しい印象を受けるルイーズ・アベマの肖像画「サラ・ベルナール」(★こちらで観られます)、ファム・ファタール的な雰囲気で描かれたウォルター・スピンドラーの「サラ・ベルナールの横顔」などが並んでいます。基本的に美しい姿となっているのに異彩を放っているのがロートレックの「サラ・ベルナール」で、こちらは口をへの字にして老けた感じがあります。手を広げて何かの儀式のようにすら観えましたw
部屋の中央あたりには舞台で身につけていた装飾品が並び、ドレスの他に胸飾りや胸当てがありました。イミテーションを使っているように見えるけど、遠くからは分からないような細部までしっかりと細工が施されています。また、ルイーズ・アベマの「扇子 サラ・ベルナール」が2点あり、こちらは大きめの扇子で一方はフランスを国旗を持ったサラ・ベルナールが描かれ女神のような雰囲気となっています。愛国的なモチーフに囲まれているのでそうした意図がありそうです。また、もう一方は子供の日の記念扇子らしく裏面に著名人の名前が書いてありました。
その先も写真や肖像で、椿姫とテオドラに関するものが多かったように思います。ここはミュシャにも影響を与えたウジェーヌ・サミュエル・グラッセの「ジャンヌ・ダルク」があり、修正前後を見比べることができるようになっていて この展示の見どころの1つとなっています。
奥の部屋は私生活やプライベートに関する品が並んでいました。サラ・ベルナールはユダヤ人で高級娼婦の母を持ち、父はよく分かっていません。また、息子がいてポーランド貴族の娘(王女?)と結婚したようです。しかしこの息子が賭博で借金を作ってはサラ・ベルナールに返済させていたのでお金に余裕があるというわけでも無かったようです。お金に困って銀器のセットを売った話と共に銀器が紹介されていました。
こちらはサラ・ベルナールの私邸の写真(記念撮影のコーナーにあった拡大コピーです)

これだけ観ると大女優らしい感じですが、苦労も絶えなかったようですね。
その後は舞台のブロマイド、友人、家族(夫。異父妹2人、息子)、戯曲家、恋人たちの写真もありました。
<2章:パトロンとしてのサラ・ベルナール―ミュシャ、ラリックとの関係>
この章からは地下で、ここにはミュシャやラリックの作品が並んでいました。
ここで面白いのがアルフォンス・ミュシャの『ル・ゴロワ』誌 1894年クリスマス特別号『ジスモンダ』特集 付録紙面 で、これはまだ無名のポスター作家だった時に描いたものらしく、読者に大好評だったので これがきっかけでサラ・ベルナールの公演のポスター製作の依頼を受けるようになったそうです。締め切りがわずか5日だったというのは有名な話通りですが、クリスマスで他の人がいなかったからミュシャが引き受けた…というよく聞く話は誇張されているのかもしれませんね。
ここにはミュシャの出世作「ジスモンダ」(★こちらで観られます)を始め、夫と子を殺した狂気の女の舞台「メディア」、男装の「ロレンザッチオ」などお馴染みの作品が並んでいました。少し先にはミュシャに帰属となる衣裳案のスケッチもあります。
このコーナーの見どころはミュシャがデザインしルネ・ラリックが製作したとされる「舞台用冠 ユリ(エドモン・ロスタン作『遠国の姫君』にて使用)」(★こちらで観られます)で、2人の共作はこの1作のみとされるので貴重な品と言えます。
今回はラリックの作品は若干少なかったかな? 香水瓶、ガラス壺などがありますが点数はあまりありません。いずれもアール・ヌーヴォー的な動植物の文様となっていて優美な雰囲気となっていました。
<3章:サラ・ベルナールとその時代-ベル・エポック>
続いてはサラ・ベルナールが活躍したベル・エポックの時代のポスターなどが並ぶコーナーです。
ここにはミュシャの代表作「黄道十二宮」「夢想」「JOB」などが並び、油彩で祖国チェコに帰った頃の「巫女」もありました。また、テオフィール=アレクサンドル・スタンランの描いた「シャ・ノワール」(黒猫が描かれたポスター)やジュール・シェレの「カルナバル 1894年」といったこの時代の有名なポスターもあり、見所となっています。
ここでちょっと面白いのが長い衣を回転させて踊るロイ・フラーに関するポスターで、サラ・ベルナールとは違った方向で一世を風靡した様子が伺えました。他にロートレックやボナールのポスターなどもあります。
<4章:サラ・ベルナール伝説>
最後は再びサラ・ベルナールについてで、ここには自著や彫刻など女優以外の仕事などを紹介していました。
アンドレ・ジルによる「サラ・ベルナール」という風刺画では左手にパレット、右手に彫刻用の道具を持って白い仮面を頭に付けた姿で描かれ、虎の尻尾と獣の足がつけられていました。ここではサラ・ベルナールは芸術家=オーケストラとして描いているようですが、獣の足は彼女の悪魔的とされる趣味に基づいているようです。さらに青い蝶が無数に描かれていて、これは電報(プチ・ブルー)を表しているとのことで、当時のサラ・ベルナールの多才さや幅広い社交を逆に皮肉っているように観えました。
少し先には自著の『雲の中で ある椅子の印象』があり、これは気球に乗って雲の中に飛び立つ話のようです。翌日に報告書を書くものの、その中ではあえて椅子が印象を語る… というちょっと変わった形式の脚色になっているようです。また、自作の戯曲『告白』もあり、これは今でも上演される演目なのだとか。女優だけでなく戯曲にも才があったんですね。
最後に彫刻に関する品があって、サロンに出品した「嵐の後」の石膏原型の写真がありました。また、キメラのような自刻像もあり 悪魔的な趣味というのも頷けるかなw 何度観ても彫刻は上手すぎて怪しい気はしますw
他にサラ・ベルナールの日に関する品などもありました。
ということで、内容的には同じでしたが 忘れていた部分もあって再度楽しむことが出来ました。ミュシャをはじめ多くの芸術家にインスピレーションを与えた女優だけに、知っておくと今後の美術鑑賞の際に見識が広がると思います。

【展覧名】
パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展
【公式サイト】
https://shoto-museum.jp/exhibitions/186sara/
【会場】松濤美術館
【最寄】渋谷駅・神泉駅
【会期】2019年12月7日(土)~2020年1月31日(金)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
さて、この展示はフランスのベル・エポック(良き時代)を象徴するサラ・ベルナールをテーマにしたもので、以前ご紹介した横須賀美術館の展示の巡回展となっています。巡回展なので中身はほぼ同じとなっていて、サラ・ベルナールの肖像、セルフプロデュースの一環としてミュシャやラリックの才能を見出した話、自らの著書や彫刻などが並ぶ内容となっています。同じ内容なので詳しくは横須賀美術館の時の記事をご参照頂ければと思いますが、章構成がやや異なっていましたので補足的に簡単にご紹介しておこうと思います。
参考記事:サラ・ベルナールの世界展 (横須賀美術館)
<1章:サラ・ベルナールの肖像―女優、時代の寵児として>
まずは上階で、サラ・ベルナールの写真や肖像のコーナーです。
ここには58歳の時の写真とはとても思えないW.& D. ダウニー「街着姿のサラ・ベルナール」(★こちらで観られます)を始め、吸血鬼のようだと言って受け取りを拒否したナポレオン・サロニー「街着姿のサラ・ベルナール」、透き通るようなパステルで瑞々しい印象を受けるルイーズ・アベマの肖像画「サラ・ベルナール」(★こちらで観られます)、ファム・ファタール的な雰囲気で描かれたウォルター・スピンドラーの「サラ・ベルナールの横顔」などが並んでいます。基本的に美しい姿となっているのに異彩を放っているのがロートレックの「サラ・ベルナール」で、こちらは口をへの字にして老けた感じがあります。手を広げて何かの儀式のようにすら観えましたw
部屋の中央あたりには舞台で身につけていた装飾品が並び、ドレスの他に胸飾りや胸当てがありました。イミテーションを使っているように見えるけど、遠くからは分からないような細部までしっかりと細工が施されています。また、ルイーズ・アベマの「扇子 サラ・ベルナール」が2点あり、こちらは大きめの扇子で一方はフランスを国旗を持ったサラ・ベルナールが描かれ女神のような雰囲気となっています。愛国的なモチーフに囲まれているのでそうした意図がありそうです。また、もう一方は子供の日の記念扇子らしく裏面に著名人の名前が書いてありました。
その先も写真や肖像で、椿姫とテオドラに関するものが多かったように思います。ここはミュシャにも影響を与えたウジェーヌ・サミュエル・グラッセの「ジャンヌ・ダルク」があり、修正前後を見比べることができるようになっていて この展示の見どころの1つとなっています。
奥の部屋は私生活やプライベートに関する品が並んでいました。サラ・ベルナールはユダヤ人で高級娼婦の母を持ち、父はよく分かっていません。また、息子がいてポーランド貴族の娘(王女?)と結婚したようです。しかしこの息子が賭博で借金を作ってはサラ・ベルナールに返済させていたのでお金に余裕があるというわけでも無かったようです。お金に困って銀器のセットを売った話と共に銀器が紹介されていました。
こちらはサラ・ベルナールの私邸の写真(記念撮影のコーナーにあった拡大コピーです)

これだけ観ると大女優らしい感じですが、苦労も絶えなかったようですね。
その後は舞台のブロマイド、友人、家族(夫。異父妹2人、息子)、戯曲家、恋人たちの写真もありました。
<2章:パトロンとしてのサラ・ベルナール―ミュシャ、ラリックとの関係>
この章からは地下で、ここにはミュシャやラリックの作品が並んでいました。
ここで面白いのがアルフォンス・ミュシャの『ル・ゴロワ』誌 1894年クリスマス特別号『ジスモンダ』特集 付録紙面 で、これはまだ無名のポスター作家だった時に描いたものらしく、読者に大好評だったので これがきっかけでサラ・ベルナールの公演のポスター製作の依頼を受けるようになったそうです。締め切りがわずか5日だったというのは有名な話通りですが、クリスマスで他の人がいなかったからミュシャが引き受けた…というよく聞く話は誇張されているのかもしれませんね。
ここにはミュシャの出世作「ジスモンダ」(★こちらで観られます)を始め、夫と子を殺した狂気の女の舞台「メディア」、男装の「ロレンザッチオ」などお馴染みの作品が並んでいました。少し先にはミュシャに帰属となる衣裳案のスケッチもあります。
このコーナーの見どころはミュシャがデザインしルネ・ラリックが製作したとされる「舞台用冠 ユリ(エドモン・ロスタン作『遠国の姫君』にて使用)」(★こちらで観られます)で、2人の共作はこの1作のみとされるので貴重な品と言えます。
今回はラリックの作品は若干少なかったかな? 香水瓶、ガラス壺などがありますが点数はあまりありません。いずれもアール・ヌーヴォー的な動植物の文様となっていて優美な雰囲気となっていました。
<3章:サラ・ベルナールとその時代-ベル・エポック>
続いてはサラ・ベルナールが活躍したベル・エポックの時代のポスターなどが並ぶコーナーです。
ここにはミュシャの代表作「黄道十二宮」「夢想」「JOB」などが並び、油彩で祖国チェコに帰った頃の「巫女」もありました。また、テオフィール=アレクサンドル・スタンランの描いた「シャ・ノワール」(黒猫が描かれたポスター)やジュール・シェレの「カルナバル 1894年」といったこの時代の有名なポスターもあり、見所となっています。
ここでちょっと面白いのが長い衣を回転させて踊るロイ・フラーに関するポスターで、サラ・ベルナールとは違った方向で一世を風靡した様子が伺えました。他にロートレックやボナールのポスターなどもあります。
<4章:サラ・ベルナール伝説>
最後は再びサラ・ベルナールについてで、ここには自著や彫刻など女優以外の仕事などを紹介していました。
アンドレ・ジルによる「サラ・ベルナール」という風刺画では左手にパレット、右手に彫刻用の道具を持って白い仮面を頭に付けた姿で描かれ、虎の尻尾と獣の足がつけられていました。ここではサラ・ベルナールは芸術家=オーケストラとして描いているようですが、獣の足は彼女の悪魔的とされる趣味に基づいているようです。さらに青い蝶が無数に描かれていて、これは電報(プチ・ブルー)を表しているとのことで、当時のサラ・ベルナールの多才さや幅広い社交を逆に皮肉っているように観えました。
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