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《ヘンリー・ムーア》  作者別紹介

今日は作者別紹介で20世紀イギリスの彫刻家ヘンリー・ムーアを取り上げます。ムーアは有機的な形態の抽象彫刻で知られていて、自身によって『私の彫刻はすべて人体を基礎にしている。私の作品の場合、3つの主題がくり返される。「母と子」「横たわる像」「内なるかたちと外なるかたち」である。ある場合にはこのうちの2つの主題が重なっているし、3つ全部の組み合わせということすらある。』と語られています。一目観たら忘れられない特徴をもっていますので、今回はそういた作品の写真を使ってご紹介していこうと思います。
 引用参考:箱根彫刻の森美術館


ヘンリー・ムーア 「王と王妃」
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こちらは1952-53年頃の作品。ムーアにしてはほっそりした印象を受けるかな。元々ムーアは「ユニット・ワン」という前衛グループに参加してシュルレアリスムなどに影響を受けていたので、この作品にもそれを感じることができると思います。ちょっとキュビスム的な要素もあって優美な雰囲気です。

ちなみにムーアは第二次世界大戦の後、ロンドン大空襲の際に地下鉄に避難した人たちを描いた素描シリーズが国際的に高い評価を受け、さらにそれに続いて炭鉱労働者の素描シリーズも手掛けています。ストーンヘンジを描いた素描シリーズなどもあり、彫刻以外でも活躍していました。

ヘンリー・ムーア 「腰掛ける女」
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こちらは1957年頃の作品。これも細身な感じを受けるけど、ムーアならではの単純化だと思います。座る姿のモチーフは横たわる姿に比べて意図的でリアルな対象として表現されることが多いようです。

ヘンリー・ムーア 「ふたつに分けられた横たわる像 ポインツ」
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こちらは1959年頃の作品。横たわってるようには観えませんが…w ムーアは「立つ」「座る」「横たわる」の3つのポーズを比較し、「横たわる」は「最も自由かつ安定している」と語ったそうです。人体をモニュメンタルに見せるのが横たわる姿勢なのだとか。

ヘンリー・ムーア 「台に坐る母と子」
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こちらは1968-74年頃の作品。ムーアは母と子の主題は時代や地域を越えた永遠性を持ったものと考えていたようです。流れるようなフォルムで子供と一体化しているように見えますが、聖母子のような絆を感じさせます。後に父親も加わり「ファミリーグループ」の連作が展開されていくことになります。

ヘンリー・ムーア 「四つに分かれた横たわる人体」
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こちらは1972-1973年頃の作品。これももはや人体なのか分からないくらいデフォルメされているかなw こうした形態はシュメール、エジプト、アフリカ、オセアニア、古代メキシコ(マヤ)などの原始彫刻からからインスピレーションを受けているようで、小石や骨の構造研究なども行っていたのも下地にあるようです。キクラデスの彫刻なんかムーアっぽいと思うことが多いので、比べて観ると面白いと思います。

ヘンリー・ムーア 「横たわる像」
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こちらは1969-70年頃の作品。これも人体なのだろうか…w 角度が変わると全く別の観え方になるのも面白い点です。どっしりとしていてボリューム感があります。シュルレアリスムの絵画に出てきそうな感じですね。

ヘンリー・ムーア 「横たわる女、肘」
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こちらは1982年頃の作品。これはかなり人体っぽいw 点のような目があったり、滑らかな形態が近未来的な雰囲気すら出しています。頭部に比べて足が太かったり、絶妙なバランスの像ですね。

ヘンリー・ムーア 「ふたつに分けられた横たわる像:カット」
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こちらは1979-81年頃の作品。何となく腕を上げて膝を曲げている人物に観えるような。「横たわる人体像は、最も自由がきき、構成しやすく、また空間性を持っている。」と語っていたそうで、この作品でも遺憾なく自由な構成を発揮してますね。

ヘンリー・ムーア 「ブロンズの形態」
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こちらは晩年の1985年の作品。もはや何のモニュメントか分かりませんが、金属なのに柔らかく生き物を思わせる形態がムーアらしいと思います。川村記念美術館の菜の花に囲まれて立っている姿がとても素晴らしい。ムーアは「空は彫刻の背景に最も良い」とも語っていたようです。

他に「内なるかたちと外なるかたち」という二重構造になってる作品群もあるのですが、撮影できた作品がありませんでした。小型のものが多いからかな。パブリックアートとしてよく観るのは「母と子」「横たわる像」です。

ということで、改めてムーアの作品を観ると、人体をベースに様々な試みが行われていたことが伺えます。これまた最近大きな展覧会が無いアーティストではありますが、幸いブロンズ像は様々な場所に置かれているので目にする機会も多いと思います。美術館の庭などで見かけたら是非じっくり鑑賞してみてください。
 参考記事:ヘンリー・ムア 生命のかたち (ブリヂストン美術館)



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《加山又造》  作者別紹介

今日は新企画の第3段として現代日本画家の加山又造を取り上げます。加山又造は日本画と言って良いのか分からないくらい革新的な画家で、日本の伝統を学ぶ一方で西洋絵画を取り込んだり新しい技法を取り入れて驚くような作品が多くあります。幸い、東京国立近代美術館の常設などに代表作があるので、今回はそうした作品の写真を使ってご紹介していこうと思います。

加山又造 「月と犀」
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こちらは1953年の作品。この頃はキュビスムやシュルレアリスムを取り入れた動物モチーフの作品が結構あります。ぽつんと佇む犀が何とも寂しげ。これを観て日本画とは思わないですよねw

加山又造 「冬」
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続いてこちらは1957年の代表作。ブリューゲルの「雪中の狩人」を彷彿とするような寒々とした光景となっています。加山又造はカラスをよくモチーフにしていて、この絵でも寂寞とした雰囲気を強めてるかな。

加山又造 「火の島」(複製)
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こちらは複製の写真ですが、1961年の作品。この頃、「火の島」「奥入瀬」「渦潮」という三部作に取り掛かっていて、そのうちの最初の作品です。盟友の横山操に「君の作品は内向的だ」と指摘され、横山操の「炎炎桜島」に影響を受けて描かれました。空も山も真っ赤にそまって溶岩が流れ出てしまってるようなw 火山のエネルギーが凝縮された1枚です。

加山又造 「千羽鶴」
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こちらは1970年の作品。1960年代以降、日本工芸に興味を持ちこうした琳派的な作品を残しています。現代の琳派と呼ばれただけあって装飾性や単純化にその傾向を感じるかな。うねりのような千鳥がリズミカルで躍動感があります。

加山又造 「黒い薔薇の裸婦」
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こちらは1976年の作品。屏風仕立てだけど非常にモダンで妖艶な雰囲気のモデルとなっています。ポーズのとり方や衣装を含めてかなり斬新な印象を受ける傑作です。

加山又造 「群鶴図」
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こちらは1988年の作品。先日ご紹介した尾形光琳の同名の作品にも似ていますが、これは酒井抱一の群鶴図に着想を得ているようです。金地ではなく銀地な所に抱一の美意識を継承してるんじゃないかな。みんな左を向いて少しづつ姿勢が違うので、パラパラ漫画のように動いているかのように観えたり。

加山又造 「倣北宋寒林雪山」
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こちらは1992年の作品。加山又造は画風だけでなく手法の革新も行っていて、この絵ではマスキングやエアブラシを使って雪のふわっとした質感を表現しています。最晩年にはペンタブやCGなども試していたらしく、最後まで飽くなき挑戦者でした。

アップにするとこんな感じ
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迫力ある木々と雪の白さが相まって独特の緊張感があります。伝統的な山水画のようで現代的です。

加山又造 「猫」
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こちらは製作年は分かりませんが、割とこうした小品もあります。毛のふわふわ感が可愛いw


ということで、年代によってこれほど作風が変わっていますが、様々な絵画を取り入れても何処かに新しさがあるのが特徴じゃないかな。久しく大きな加山又造展が開かれていないですが、東京国立近代美術館の常設などで観られる機会もあるので コロナ騒動が収まったらまたご紹介していければと思います。


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《アンリ・マティス》  作者別紹介

今日は新企画の第2段で、フォーヴィスムの創始者のアンリ・マティスについてです。私は洋画家の中でも1位2位を争うくらいマティスが好きで、色彩とフォルムにその魅力を感じています。時代によって画風は結構変わっていますが、どれも素晴らしいw 今日はそんなマティスについて過去に撮ってきた写真と共にご紹介してみようと思います。

アンリ・マティス 「題名不明」
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こちらは1898年の作品。この絵では誰だか全然分かりませんがゴッホに影響を受けた頃で明暗は強めの色彩に思えます。絵画を学ぶ前のマティスは法律を勉強して法律事務所で働いていたそうで、盲腸で入院した時に母親に画材をもらって絵画に興味を持ちました。マティスのお母さんのプレゼントで世界の美術の流れが変わったと言えますw

アンリ・マティス 「題名不明」
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こちらもマティスと言われても全然ピンと来ませんが、1901年の作品でフォーヴィスムと呼ばれるより少し前の時代となります。まだ後の画風とはだいぶ違う感じがしますね。
ちなみにマティスは象徴主義の画家であるギュスターヴ・モローの教え子です。モローの画風と全然違うのはモローが各自の個性を伸ばす方針だったからと言われています。同じ教え子にジョルジュ・ルオーもいて、生涯の親交を結んでいたこともありこの三者を取り上げた展示なども開かれることもあります。

アンリ・マティス 「L'algerienne」
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こちらは1909年の作品。この頃は代表作の「ダンス」などを描いていた時期で、特に脂が乗ってた頃かなw 日本の着物みたいに観えますが、タイトルからしてアルジェリアの女性です。マティスは1906年にアルジェリアへ旅行していて、そこで現地プリミティブな美術に影響を受けています。さらに1910年頃からイスラム美術を学んだり、1912~1913年のモロッコ旅行などでイスラム文化に影響を受けていき、オダリスクやモロッコ風の室内画を描くようになりました。モロッコの世界遺産にマティスの室内画そのものって感じの建物もあったりします。

アンリ・マティス 「窓辺の女」
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こちらはニース時代の作品。この時代は以前のような派手な色彩ではなく落ち着いた雰囲気で、古典に回帰したと言われています。窓辺のある室内画を多く描いていて、海が見えるのも特徴かな。なお、マティスはニース市内でも何度も住居を変えていたせいか、窓の風景も違っていたりします。これはオテル・ド・ラ・メディテラネオというホテルの一室です。ホテルもいくつか拠点があります。

ニースのマティス関連地図
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海岸沿いと山側にいくつも住んでいた所があります。 窓があったら外の風景にも注目してみてください。

アンリ・マティス 「ソファーの女たち」
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これも落ち着いた感じで窓辺を描いたもの。ベッドの人物とか詳細は描かれていないし、結構単純化されてます。構図はキュビスム的なものも感じるかな。マティスはピカソと親しい友人でありライバルでもあったわけですが、「キュビスム」の名付け親はマティスとされています。単純化という方向では似てるし、お互いに影響もあったんではないでしょうか。

アンリ・マティス 「赤いキュロットのオダリスク」
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マティスが得意とした題材で、オダリスクとはイスラム世界のハレムの女奴隷のことです。これは1925年頃の作品で、色は鮮やかだけど不思議と落ち着いた雰囲気がありますね。この頃からまた色彩豊かな感じになってるように思えます。

アンリ・マティス 「石膏のある静物」
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こちらは1927年の作品。こちらは色彩はマティスだけど、静物はセザンヌっぽい雰囲気に思えます。主役の石膏像より周りのほうが鮮やかな色なのに、真っ先に目に入るのは白い石膏像なのが面白い。

アンリ・マティス 「La dance(ダンス)」
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こちらはパリ市立近代美術館の壁画の写真。実際に観ると写真で観た感じよりも大きく観えます。1932年のバーンズ財団の作品とよく似てるのでバリエーションかな? 色面と輪郭線でかなり単純化していますが、滑らかで躍動感溢れるフォルムです。同名の手を繋いで踊る人々の作品が有名だけど、こちらもかなり好きです。

アンリ・マティス 「JAZZ」
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晩年のマティスは病気となり油彩の代わりに切り絵を使った表現も生み出していきます。特に有名なのはこの「jazz」のシリーズで、いずれもこのように単純化されて色彩豊かな作品群となっています。

アンリ・マティス 「リュート」
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こちらはJAZZと同じ頃の1943年の作品。葉っぱの紋様がリズミカルで、リュートと共に音楽的なものが感じられます

アンリ・マティス 「顔をかたむけたナディア」
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こちらも晩年の1948年の作。これほど線が少ないのに個性と人柄が感じられます。シンプル故にマティスの凄さがわかりますね。

最後にこちらはヴァンスのロザリオ礼拝堂の模型
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マティスが手掛けた教会で、ステンドグラスや司祭の服などに至るまでマティスによるデザインとなっています。実際には訪れたことがないですが、いずれ行ってみたいですね…


ということで、マティスは名品の写真が結構ありましたw とは言えマティスは絵画だけでなく彫刻は装飾などもあるので、まだまだ魅力を伝えきれていないと思います。最近は大きなマティス展が無いですが、またそういう機会があって欲しいものです。



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《尾形光琳》  作者別紹介

今日から新しい企画として、過去にご紹介した美術作品の写真を使って作者別に編集していこうと思います。先日記載しました通り、私は少なくとも今月は自粛継続中ですので、まだ美術館巡りの記事は書けません。訪問できるようになっても予約制などが多いので以前のようなペースでは難しそうなので、しばらくはこうした企画を織り交ぜた形になると思います。

この企画でも著作権を考慮して今まで通り自分で撮った写真だけを使おうと思っています。だいぶ緩和されてきたものの未だに日本では撮影不可の展示が大半なので、貴重な機会で撮影許可されたものしかありません。その為、有名作が紹介できないことの方が多いと思いますが、そこは真作だけでなく複製やポスターなども交えてフォローしようかなとw 

ということで前フリが長くなってきましたので、そろそろ本題に。初回は私が最も好きな尾形光琳についてです。まず最初はこちら。

尾形光琳 「風神雷神図屏風」
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尾形光琳で最も有名なのはこちらの作品ではないでしょうか。と言ってもこの作品は俵屋宗達の作品を模したもので、オリジナルとよく似ているものの尾形光琳ならではの改変点もあります。宗達の雷神は太鼓の一部が絵の枠外に出ていて空間を感じさせる一方、光琳の作ではスッキリと枠に収まっています。また風神と雷神が視線を合わせているのも特徴です。この風神雷神図は酒井抱一など「琳派」と呼ばれるフォロワー画家たちも相次いで模倣していて、それぞれを見比べて観ると個性が感じられます。また、この作品の裏面には酒井抱一の「夏秋草図屏風」が銀地に描かれていて、風神雷神に呼応するような構図となっています。俵屋宗達→尾形光琳→酒井抱一の流れは弟子関係ではなくそれぞれ「私淑」と呼ばれる自主的な研究・学習を通して引き継がれていったもので、この作品からはそのリスペクトぶりも伺えます。
ちなみに、こちらは以前はお正月に東京国立博物館で展示されることもあったのですが、最近は展示されなくなりました。またこうした機会があると良いですが…

尾形光琳 「紅白梅図屏風」(再現複製)
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こちらはMOA美術館が所蔵している国宝を再現複製したもの。紅梅は大きくカーブした幹、白梅はカクカクした感じになって対照的な様子となっています。また、流水紋や単純化が面白く、独特のリズムが感じられると思います。尾形光琳は呉服商の雁金屋の息子であり、着物の意匠・デザインに大きく影響を受けて こうした表現になったと考えられます。また、この向き合う梅は先程の風神雷神図を意識しているという説もあり、確かにそう思える部分があるのではないでしょうか。この大きさでは観るのが難しいですが、琳派は「たらし込み」と呼ばれる滲みを利用した技法が有名で、ここでも木や苔にそれが使われています。質感を優美かつ重厚に感じさせてくれて見事な表現です。真作では川の部分が茶色く変色していますが、今でも色や配置、装飾性、単純化、構成のどれをとっても尾形光琳らしさが感じられる名作です。

根津美術館にも国宝の燕子花図屏風がありますが、こちらは1度も撮影できたことがないので断念w ポスターでも全景が見えるのは無かった…。

尾形光琳 「群鶴図屏風」(複製)
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こちらも複製ですが、オリジナルは日本では観ることのできないフリーア美術館(ワシントンDC)の所蔵品。創始者の遺言で持ち出しができないので永久に日本には来ないと思われます。鶴が向き合う様子がややシュールw 左隻の階段状に並ぶ鶴の頭などリズムを感じさせるのは流石です。ちなみにこちらは高精細コピー。素人目には本物に見えるクオリティです。

尾形光琳 「竹梅図屏風」
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こちらは一見すると色彩が少なく地味な印象を受ける作品。しかし、まっすぐ縦に並んでいる竹や曲がりくねった梅の幹の対比などが面白く、大胆な画面構成が目を引きます。竹林の中から見たらこんな光景なのではないでしょうか。煌びやかな作品だけでなく、こうした静けさ漂う作品も見事なのが光琳の凄さですね。

尾形光琳 「拾得図」
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光琳は屏風だけでなく様々な作品を作っていて、こちらは掛け軸。拾得は寒山といつも一緒に描かれるので、これには対になる幅も左にあるのかも? トレードマークの箒と共に素早い筆致で描かれていて軽やかな印象を受けます。ここまで見てきた作品ともまた違う魅力があるのではないでしょうか。

尾形光琳 「仕丁図扇面」
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光琳は工芸品にも絵付けしていて、こちらは扇に描かれたもの。左から右へと人々が踊るように向かっていく構成が面白く、絵の右側に何があるのか非常に気になるw 左の人も半分見切れてるし。 こちらも大胆な輪郭線で動きを感じさせ、楽しげな雰囲気です。

尾形光琳 筆 「小袖 白綾地秋草模様」
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工芸だけでなく小袖のデザインもしています。元々呉服屋の息子だけあって非常に洒落てますね。桔梗や菊のデザインが同時期の秋草図屏風の表現に通じるものがあり、涼し気で気品を感じます。色が寒色系なので落ち着いて見えるのかな。帯の辺りが空白多めになっている気配りも流石です。ちなみに着物には光琳の画風を取り入れた「光琳模様」と呼ばれる柄があります。江戸時代に小袖の雛形本(今で言うファッションカタログ)によって大流行しましたが、それらのデザインは光琳自身によるものではなく、直接デザインしたのは材木商の夫人のために描いたこの作品のみなのだとか。

尾形光琳 「八橋蒔絵螺鈿硯箱」
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最後に光琳の工芸品の最高傑作で国宝のこちらの作品。伊勢物語の第九段三河国八橋を題材にしたもので、在原業平が東下りの際に三河の八橋で見た光景を箱の各面で表現しています。螺鈿によってカキツバタの花を表していたり、鉛で出来た8つの板橋が表面や側面をぐるっと繋がっているなど遊び心と大胆なデザイン性に驚かされます。平面だけでなく立体でもずば抜けたセンスです。


ということで、初回からあまり代表作を並べることは出来なかったですが尾形光琳の魅力の一端は示せたような気がします(自画自賛w) まだ手探りではありますが、次回以降もこうした形式で様々なアーティストをご紹介していこうと思います。



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記事にしなかった美術館巡りルート

コロナの影響でここ3ヶ月ほど美術館巡りルートの案内をしてきましたが、思いつく国内のルートは大体書いてしまいましたw そこで、今回は記事にならなかったエリアをまとめてご紹介しようと思います。記事にしなかった理由としては、1:他の美術館が周りに無い・密集していない、2:当ブログ内に過去の記事がなかった(ブログ開始前や休止中に行ってたスポット) 3:多すぎて紹介が大変 といった感じです。コロナ収束後に訪れたら追加するかもしれませんが、記事化しなかった理由と共にご参考までに。

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【笠間】
笠間日動美術館と茨城県陶芸美術館あたりを中心にルートにして書こうかと思ったのですが、過去に記事化していないので保留中です。ブログ休止中に何度も行ってたのに不思議w 陶芸の町としても有名です。

【水戸】
同じく過去の記事がなかったけど、いつも笠間とセットで行く感じです。茨城県近代美術館、水戸芸術館、弘道館、茨城県立歴史館、偕楽園などなどかなり見所の多い町なので、また訪れる機会があると思います。その時まで保留。

【高崎】
高崎市タワー美術館、高崎市美術館、群馬県立近代美術館、群馬県立歴史博物館などをハシゴしたことがありますが、これも過去の記事がなかったので保留中です。

【日光】
歴史的建造物はかなりあるけど、美術館は小粒で訪れたことがないので保留。建造物だけでルート化するかも。

【佐原】
小江戸と呼ばれ多くの古民家が残る町ですが、目ぼしい美術館がなく記事にもしてなかった…。古い建物がお店になっている所もあって、建物好きは街歩きが楽しい所です。

【成田】
成田山の辺りを書こうと思ったのですが、いずれも小さな美術館なので上手く書けなかった…。ここも町並みを含めて面白いスポットではあります。

【土気】
ホキ美術館と公園しかないのでルートとして弱いかなと思い、ボツに。

【大多喜】
千葉県立中央博物館大多喜城分館を中心に考えてみたものの、他の見どころが自然や公園が中心になるのでボツに。いすみ鉄道を取り上げたかったw

【清澄白河】
両国の時にまとめて紹介しておけば良かった気がしますが、東京都現代美術館の周りは深川江戸資料館くらいしかないので、むしろバスでスカイツリー方面と一緒に訪れることが多いです。いずれその辺とまとめて記事にするかも。

【東京スカイツリー】
まだ展望台には行ったことがないので保留中。すみだ水族館、たばこと塩の博物館、郵政博物館などと共にいずれルート化したいと思います。

【品川】
原美術館、旧島津家本邸、アクアパークなどの記事もあるけど他のスポットがあまりないので検討中です。原美術館は今年で無くなるのでその前には書くかも。

【西高島平】
板橋区立美術館と板橋区郷土資料館が隣接しているものの、郷土資料館に行ったことがないので保留中。他の施設が周りに無いのでハシゴしたことがなく、記事にできないかも。

【中村橋】
練馬区立美術館にはよく行くものの、石神井か池袋まで行かないとハシゴできるところがないのでボツに。

【調布】
深大寺と神代植物公園を中心にルートを組むことはあるけど、目ぼしい美術館がないのでボツに。

【府中】
府中市美術館と東京競馬場内のJRA競馬博物館をよくハシゴするので府中市郷土の森博物館あたりと絡めてと考えましたが、交通機関が繋がらずに毎回苦労しているのでルートとして難易度が高いと判断しボツに。

【小金井(東京)】
江戸東京たてもの園があるものの、他に目ぼしい美術館がないのでボツに。府中市美術館と合わせて巡れるか試して、行けそうなら記事化するかも。

【八王子】
八王子市夢美術館、村内美術館、東京富士美術館あたりを巡ることがありますが、ルートに最適な交通機関の事情を忘れたので一旦保留に。恐らくいずれ記事化できると思います。

【所沢】
角川武蔵野ミュージアムが出来て注目されているので近いうちに行ってみたいと考えています。鉄道が入り組んでいて効率的にハシゴできる美術館や旧跡があるのか検討中

【浦和】
うらわ美術館と埼玉県立近代美術館はよくハシゴしているのでルート化できるけど、他のスポットがかなり離れているので検討中。

【鎌倉】
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館や鎌倉国宝館、鏑木清方記念美術館などハシゴしやすいルートはあるのですが、名所が多すぎて逆に紹介しづらく保留中です。(何故か記事化してないし…)

【横須賀】
横須賀美術館にはよく行きますが、近くの観音崎自然博物館の記事を書いたことがなかったので保留中です。猿島や観音崎といったスポットも素晴らしく、久里浜まで足を伸ばすと金谷までフェリーで行けるのも魅力です。金谷(千葉)の鋸山も記事にしてなかったのでまたいずれ…。

【平塚】
平塚市美術館には行ったことがあるけど平塚市博物館は無いので保留中。隣町の茅ヶ崎市美術館や大磯の明治偉人たちの別荘郡などと組み合わせて再訪したら記事化するかも。

【伊東】
歴史的建造物はあるけど目ぼしい美術館がないのでボツに。青春18切符で訪れて東海館で日帰り風呂に入るのがオススメ

【下田】
上原美術館と下田の町がかなり離れていてルート化しづらいので保留。(さらに記事化してなかった) 各種の記念館やペリーロードなど開国の歴史を感じさせる街並みも見どころ。

【三島】
今年の花の見頃にクレマチスの丘に行く予定だったのがコロナの影響で行けず…。来年こそは行きたい。

【沼津】
沼津御用邸や旧三輪善兵衛邸(沼津倶楽部)といった歴史的建造物はあるものの美術館には寄ったことがないのでボツに。御用邸の隣の沼津市歴史民俗資料館だけでは弱いかなと。

【甲府】
山梨県立美術館は素晴らしい美術館だけど、近くで思いつくのが山梨文化会館と甲府城くらいしかなかったので保留。昇仙峡なども記事化済なのでいずれルート化するかも。

【京都】
アートスポットだらけで大変なので保留中w

【奈良】
ここも大変なので保留中。入ったことない美術館も多いので…。

【猪苗代】
諸橋近代美術館は素晴らしいけど、周りに五色沼くらいしかないのでボツに。記事化もしてない…

【福島】
福島県立美術館しか行ったことがなく、実際にハシゴしたことがないのでボツに。

【花巻】
萬鉄五郎記念美術館や宮沢賢治記念館など見どころは多いけど効率的なルートが思いつかないので保留中。

【盛岡】
岩手県立美術館や旧盛岡銀行は何度か訪れたことがあるものの、他はあまり行ったことがないので保留中。

【角館】
美術館も歴史的建造物も見て回ったのに記事化していないため保留中。江戸時代の武家屋敷が残る風情ある町です。

【秋田】
秋田県立美術館、秋田市立赤れんが郷土館など見て回ったのに記事化していないため保留中。藤田嗣治の「秋田の行事」は圧巻です。


ということで、遠征は記事にしてないのが多くて保留になりがちですw また今後も訪れる機会があると思うので、いずれルート化してみたいと思います。




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【函館】 美術館巡りルート

今日は函館のアートスポット巡りについてのご紹介です。

ご紹介するのはこちらの地図のakamaru.pngでポイントした2箇所となります。また、kiiromaru.pngaomaru.pngで示した周辺で見どころになりそうな場所についてもご紹介していきます。

函館の美術館は<北海道立函館美術館>くらいしか目ぼしい所はありませんが、隣にも函館市北洋資料館という施設があります。すぐ近くには五稜郭があって五稜郭タワーや箱館奉行所跡といった一般的な観光地があるのでセットで訪れやすいと思います。一方、函館山の麓あたりには<旧函館区公会堂>を始め 函館市 旧イギリス領事館、旧相馬邸、旧北海道庁函館支庁庁舎、函館ハリストス正教会、カトリック 函館 元町教会、函館聖ヨハネ教会といった明治~大正の頃のレトロな建物が立ち並び、建物好きには特に面白い地区となります。また、そこからは少し離れますが函館駅近くには函館市青函連絡船記念館摩周丸があり、かつての青函連絡船の姿を残していて、こちらも見どころになりそうです。



まずは函館随一とも言える大きな美術館である北海道立函館美術館についてです。

<北海道立函館美術館>

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【公式サイト】
 http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/hbj/

【鑑賞時間目安】
 1時間30分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 企画展・常設ともにあり

【併設のカフェ】
 あり

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 あり

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 不参加

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 不可

【特徴】
こちらは道立の美術館で、「道南の美術」「東洋美術と書」「文字記号に関わる現代美術」を中心に近代以降のコレクションを収集しているそうです。常設には松前町出身の書家である金子鷗亭のコレクションを紹介するコーナーや「アートにタッチ!」という実際に彫刻を触れるコーナーなどがあり、独自性が感じられます。企画展も道南の作家紹介や文字に関する展示が多めとなっているようで、東京では観られない展示が大半のように思えます。建物も北海道を拠点として活躍した田上義也によるもので、地元に根ざした美術館と言えそうです。

この美術館の近くには様々な施設があり、隣は北洋漁業の歴史などを展示している函館市北洋資料館となっています。また、それ以上に有名なのは五稜郭で、五稜郭タワーもすぐ隣に立っています。

こちらが五稜郭タワー
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展望だけでなく五稜郭の歴史をミニチュアで展示するなど資料館的な要素もあるので、歴史好きにも面白い所です。

五稜郭タワーからみた五稜郭
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要塞として死角が少ないのでこういう形になったようです。五稜郭に行く前にここで知識をつけておくと一層楽しめると思います。

五稜郭の中には箱館奉行所跡という2010年に一部を復元した建物があります。
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こちらも中は当時の様子を示す資料館のような感じとなっています。

ということで、美術館の近くは普通に観光地なので、それらと組み合わせて寄ることが出来ると思います。ついでにこの辺にはラーメンの「あじさい」やハンバーガー屋の「ラッキーピエロ」といったご当地グルメのお店もあるので、色々一気に周れます。函館観光するなら抑えておきたいエリアです。



続いては函館山の麓あたりにある旧函館区公会堂についてです。

<旧函館区公会堂>

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【公式サイト】
 http://www.zaidan-hakodate.com/koukaido/

【鑑賞時間目安】
 1時間00分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 建物展示のみ

【併設のカフェ】
 なし

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 なし

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 不参加

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 ルールを守れば可能

【特徴】
こちらは1910年に建てられたコロニアル様式の建物で、大正天皇が宿舎としても使ったことがあるほど豪華な施設となっています。(2018年9月の地震の影響もあって耐震工事を行っているので2021年4月頃まで休館) 大火で燃えた施設を地元の豪商である相馬哲平が多額の寄付をして立て直したもので、海を望む小高い丘の上に建っています。

正面から観るとこんな感じ。
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金と青という西洋っぽい色合いとなっていて、ベランダが特徴的です。

中に入って撮影することもできます。こちらは御座所
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他にもダンスホールなどもあり、レトロな風情満点です。今後はどうなるか分かりませんが、レンタルでドレスの貸し出しなどもしていて、雰囲気を盛り上げてくれます。

と、この施設もすごい所ですが函館は街のあちこちに明治~大正頃の建物があって、建物巡りが楽しい所です。

こちらは旧函館区公会堂の坂の下にある函館市 旧イギリス領事館
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ここも中に入ることができ、資料館のようになっています。庭園もあってお洒落なスポットです。

こちらも旧函館区公会堂のすぐ近くにある旧相馬邸。(先程の豪商のおうちです)
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ここも内部見学可能となっていて、和室と洋室がある作りです。この目の前に古民家風のカフェもあります。

旧函館区公会堂から函館山のロープウェイ乗り場に向かう途中には3つの宗派の異なる教会もあります。

こちらはカトリック元町教会。
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現役の教会で中を見ることもできますが、祈りの場なのでマナー厳守です。ゴシック様式で1923年に建てられました。

こちらは聖公会(英国国教会)の函館ヨハネ教会
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何度も大火で燃えているので1979年に建てられたものですが、斬新なデザインが目を引きます。

続いてこちらはギリシア聖教の函館ハリストス正教会
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こちらも以前の建物は燃えて、1916年に建て直されたものです。丸みを帯びたデザインが優美。

他にも有名なレンガ倉庫なども含めて函館にはかなりの数の歴史的建造物があります。現役でお店や銀行などに使われている建物もあるので、それに入るのも楽しみの1つかな。函館は美術館は少ないけど建物巡りなら全国屈指のアートスポットと言えると思います。

函館駅の近くにも、函館市青函連絡船記念館摩周丸のような昭和の頃の施設もあるので、朝市などの観光地に行く際にチェックしてみると良いかと思います。(ついでに市内を走る路面電車もレトロな車両があっったりして魅力的です)

おまけで函館山からの夜景
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夏でも結構寒くなるのでご注意。


ということで、函館は文化財だらけの素晴らしい街です。東京から新幹線1本で行けるようになったので一気に身近になったように思います。コロナの騒動が収まったらまた訪れたいところです。


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【青森・十和田】 美術館巡りルート

今日は青森と十和田のアートスポット巡りについてのご紹介です。

ご紹介するのはこちらの地図のakamaru.pngでポイントした2箇所となります。また、kiiromaru.pngaomaru.pngで示した周辺で見どころになりそうな場所についてもご紹介していきます。

青森県で大きな美術館は<青森県立美術館>で、そのすぐ近くに縄文時代の三内丸山遺跡があり縄文時遊館も併設されています。他に青森市内には棟方志功記念館、青森県立郷土館、青森市森林博物館、あおもり北のまほろば歴史館といった施設があり、これらを巡るシャトルバスも運行されています。また、新青森駅から新幹線で1駅隣の七戸十和田駅に移動すると、そこからバスで30分くらいの所に<十和田市現代美術館>があります。交通の便は良くないものの、美術館だけでなく周辺にも作品が置かれた空間となっていて現代アート好きに人気のスポットとなっています。

今回は先に青森のアートスポット → 十和田市現代美術館の順でご紹介してまいります。



まずは青森県立美術館についてです。

<青森県立美術館>

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【公式サイト】
 http://www.aomori-museum.jp/ja/

【鑑賞時間目安】
 2時間00分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 企画展・常設ともにあり

【併設のカフェ】
 あり

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 あり

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 不参加

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 展示による

【特徴】
こちらは三内丸山遺跡の隣にある美術館で、建物も青木淳 氏によって遺跡の発掘現場から着想を得て設計されました。青森ゆかりの棟方志功、関野凖一郎、工藤甲人、寺山修司、成田亨、奈良美智といった幅広いジャンルのアーティストのコレクションを有していて、それに関する企画展もしばしば行われています。それ以外の企画展は巡回展も多めかな。一方、ここは常設や施設そのものが個性的で、常設の「アレコホール」にはマルク・シャガールによるバレエ「アレコ」の背景画を飾った縦9メートル、横15メートルもの背景画が展示されています。普段は3点ですが2021年3月頃までは全4点の完全展示が行われているので、期間限定の目玉と言えそうです。

そして、この美術館の一番の人気は奈良美智 氏の「あおもり犬」です。
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8.5mもある巨大な像です。スヌーピーじゃないですよw 想像以上に大きくて、ちょっと神聖な感じすらします。他にも奈良美智 氏に関するコレクションは充実しているので、ファンの方はいつかは訪れてみたい美術館なのではないかと思います。

また、前述の通り成田亨 氏のコレクションが他にはない特徴じゃないかな。ウルトラマン関連のデザインを手掛けたアーティストで、ちょくちょく怪獣やメカのデザイン画が展示される機会があります。怪獣のデザインの着想源も分かるので、ウルトラマン好きには特に楽しいと思います。

と、これだけでも普通の国公立の美術館よりも魅力的なのですが、裏手にある三内丸山遺跡も面白いので是非セットで訪れたい所です。

こちらが三内丸山遺跡の様子。
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約5500年前~4000年前の縄文時代の集落後が再現されていて、一部の建物は中に入ることができます。日本最大級の集落跡だけあって、竪穴式住居跡だけでも580棟も発見されたようです。

この遺跡で最も有名なのはこちらの大型掘立柱建物。
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縄文中期の建物の復元で、用途はわからず 宗教施設説、物見櫓説、天文台説など諸説あるようです。謎の巨大施設にはロマンを感じますね。

この遺跡には縄文時遊館という博物館もあり、当時の様子などを紹介しています。こちらも合わせて訪れるとこの遺跡について詳しく知ることができそうです。

この青森県立美術館・三内丸山遺跡を含め、青森市内には「ねぶたん号」というシャトルバスを利用するとルート上にある、あおもり北のまほろば歴史館、青森市森林博物館、棟方志功記念館、青森県立郷土館などを見て回ることができます。あおもり北のまほろば歴史館と青森県立郷土館は青森の風土や文化を紹介する地元の博物館と言った感じで、青森市森林博物館は青森営林局の旧庁舎を利用したレトロな建物が魅力です。また、棟方志功記念館では棟方志功の展示を常時行っているので、こちらも見どころとなりそうです。青森でアート巡りをするのであれば、是非抑えておきたいバスだと思います。

ついでに ねぶたん号は新青森駅にも止まります。本数が無茶苦茶少ないですが、新幹線で新青森駅から七戸十和田駅へは約15分で移動でき、そこからバスで30分くらいで十和田市現代美術館に行くことができます。まあ、時刻表が噛み合うことは無いのでその倍以上は待ったりしますがw



続いては人気の十和田市現代美術館についてです。

<十和田市現代美術館>

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【公式サイト】
 http://towadaartcenter.com/

【鑑賞時間目安】
 1時間00分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 企画展・常設ともにあり

【併設のカフェ】
 あり

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 あり

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 不参加

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 外の展示物は可能

【特徴】
こちらは元は官庁街だった跡地にアートで街づくりをするというプロジェクトで出来たもので、この美術館を含めて目の前の通りは現代アートの作品が並ぶ独特の空間となっています。通り全体をひとつの美術館に見立てる取り組みは世界でも稀だそうで、ここにしかない光景が広がります。建物も金沢21世紀美術館などを手掛けた西沢立衛 氏によるもので、開放的なガラス張りの部屋が回廊で繋がれるという面白い作りとなっています。

展示は特別展・常設ともに現代アートが中心となっています。38点の恒久設置作品があり、美術に詳しくない人でも直感的に面白いと思えるものが大半です。体験型のようなものもあり、楽しげでポップな印象の作品も多いのが人気の要因の1つじゃないかな。

前述の通り、美術館の周りにも作品があります。
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こちらはちょっとキモいですがw 

近くの公園は草間彌生 氏の作品群が並んでいます。
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かぼちゃの中にも入れたりして、ここも有名なスポットです。

他にも近くには点々と作品があり、街歩きしながら探すのも楽しい美術館です。とにかく交通の便が悪いのが難点ですが、数ある現代アート専門の美術館の中でも特に面白い所だと思います。

ということで、青森にも個性的な美術館があります。公共交通機関を使って一気に巡る場合は時間調整が重要となるので、その点だけは前もって計画しておいたほうが良いかと思います。




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【金沢】 美術館巡りルート

今日は金沢のアートスポット巡りについてのご紹介です。

ご紹介するのはこちらの地図のakamaru.pngでポイントした2箇所となります。また、kiiromaru.pngaomaru.pngで示した周辺で見どころになりそうな場所についてもご紹介していきます。

金沢は有名な兼六園と金沢城の近くにアートスポットが密集していて、特に<金沢21世紀美術館>が人気となっています。すぐ近くに金沢能楽美術館や石川県立美術館、<石川県立歴史博物館>、加賀本多博物館(いしかわ赤レンガミュージアム 石川県立歴史博物館・加賀本多博物館)、金沢市立中村記念美術館、金沢くらしの博物館があり、さらに東京国立近代美術館工芸館が引っ越して国立工芸館となる予定です。また、金沢は歴史的建造物も多く、しいのき迎賓館、石川四高記念文化交流館いった建物も見どころになりそうです。他にも文学や哲学も盛んであったので鈴木大拙館、金沢文芸館、泉鏡花記念館など数々の記念館や資料館が存在します。武家屋敷や茶屋街など定番の観光スポットも含めるとかなり見所の多い街となっています。



まずは一番人気の高い金沢21世紀美術館についてです。

<金沢21世紀美術館>

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【公式サイト】
 https://www.kanazawa21.jp/

【鑑賞時間目安】
 2時間00分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 企画展・常設ともにあり

【併設のカフェ】
 あり

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 あり

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 不参加

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 展示による

【特徴】
この美術館は現代アートを中心とした美術館で、1980年以降に制作された新しい価値観を提案する作品、その価値観に大きな影響を与えた1900年以降の歴史的参照点となる作品、金沢ゆかりの作家による新たな創造性に富む作品 といった観点でコレクションを形成しています。建物自体も妹島和世 氏+西沢立衛 氏(SANAA)による近未来的な設計となっていて、円形でガラス張りの部屋が多い開放的な作りが特徴となっています。展示は企画展と常設の両方があり、いずれも先述の傾向となっているわけですが恐らく観光客の大半は常設が目当てではないかと思います。

特に人気の作品がこちら。レアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」です。
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まるでプールの中に人が立っているような光景が不思議で面白い作品です。上からも中からも鑑賞することができて、人気の撮影スポットとなっています。

他にも建物そのものと融合したようなブルー・プラネット・スカイの作品や、トイレの中にもピピロッティ・リストの作品など この美術館に足を運ばなければ観られない作品が多いので、金沢観光の際には必ず立ち寄りたい美術館だと思います。

屋外(無料エリア)にも作品が置いてあります。LAR/ フェルナンド・ロメロの「ラッピング」です
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こちらは子供が中に入って遊べるようになっていて遊具的な感じです。

また、館内にはFusion21というレストランもあり、こちらも人気となっています。
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金沢の洋菓子店が経営しているお店で、メニューにも金沢名物なども取り入れています。開放感のある現代アート的な雰囲気も洒落ているので、こちらもオススメです。

と、現代美術というと観念的で取っつきづらいイメージがありますが、ここの作品は面白い驚きが詰まったものばかりだと思います。直感的に楽しめるのが人気の要因の1つじゃないかな。人気すぎて大混雑することもあるようですが、アフターコロナの時代はどうなるんでしょうかね…。美術ファンはここを目当てに旅行しても良いのではないかというくらい楽しい所です。

なお、この美術館の目の前には金沢能楽美術館もあります。その名の通り能楽をテーマにした美術館なので、金沢の文化に触れるのに良さそうです。



続いてはすぐ近くにある石川県立歴史博物館についてです。

<石川県立歴史博物館>

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【公式サイト】
 https://ishikawa-rekihaku.jp/

【鑑賞時間目安】
 1時間30分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 企画展・常設ともにあり

【併設のカフェ】
 なし

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 あり

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 不参加

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 展示による

【特徴】
こちらは金澤陸軍兵器支廠の兵器庫だったところを博物館にしたもので、隣接する加賀本多博物館(本多家の所蔵品の博物館)と共に2015年に「いしかわ赤レンガミュージアム」としてリニューアルしました。特別展・企画展と常設があり、いずれも加賀や金沢の歴史に関する内容が中心となっています。常設では原始時代から展示していますが、必然的に近世(特に江戸時代以降)がボリューム多めかなw 加賀や能登の祭りなどに庵するコーナーもあります。館内も結構広くて、じっくり観れば2時間以上かかるかもしれません。この辺は美術館・博物館が多いので時間配分が重要となってきます。

建物自体も魅力で、古い内装が残っています。
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リニューアル後も創建当時の姿を大事にしたようで、歴史ある街に相応しい博物館です。

と、ここをじっくり観れば金沢の歴史もよく理解できるのではないかと思います。雰囲気も良く他の美術館とハシゴしやすいので、金沢で美術館めぐりをする際には抑えておきたい所だと思います。

ちなみに隣には石川県立美術館もあります。
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さらにこの美術館と赤レンガの間に国立工芸館も出来る予定です。国立工芸館の建物は明治期に建てられた第九師団司令部庁舎と金沢偕行社(両方とも旧陸軍の施設)を移築してくるという大胆な計画です。2020年夏に開館予定ですが、昨今の情勢でどうなるか要注意かな。

他にも金沢くらしの博物館や金沢市立中村記念美術館などもすぐ近くにあります。金沢市立中村記念美術館は茶道具や工芸、近世絵画などを収蔵していて庭園まであるのでこちらも気になる方はチェックしてみてください。この辺の美術館の密集具合は東京で言えば上野と同じかそれよりも多いかもw



他にkiiromaru.pngで示した周辺で見どころになりそうな場所についてもご紹介していきます。


まずは金沢の代名詞的な兼六園です。
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日本三大名園の1つで、歴代の加賀藩主によって長い時間をかけて作られました。6つの景観の要素において素晴らしさを兼ね備えていると意味でこの名前となりました。特に冬の雪吊りが有名で、夜にはライトアップされることもあります。

続いては金沢城、やけに新しいお城ですw
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というのも2001年に復元されたもので、本丸もなく壁と門が続く感じです。時期によってはこうしてライトアップされます。まあ兼六園とセットで観ると丁度いいかな。

兼六園の近くには 石川県政しいのき迎賓館という旧石川県庁舎や石川四高記念文化交流館といった明治期の歴史的建造物が並んでいます。

こちらが石川県政しいのき迎賓館
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2つともイベントや展示会を行う施設なので、見学可能となっています。レトロな建物も集まっていて非常に楽しい地区です。

また、金沢は文学や哲学においても偉人を排出していて、特に泉鏡花は人気かな。観光地でもある ひがし茶屋街の近くに泉鏡花記念館があります。すぐ近くにはレトロな洋風建築の金沢文芸館もあるので、文学好きの方はこの辺はまとめて訪れると良さそうです。また、赤レンガの近くには哲学者の鈴木大拙に関する展示を行う鈴木大拙館もあります。金沢の文化はすごい質と量ですw

オマケで普通の観光スポットもいくつか。こちらは にし茶屋街
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この近くの西茶屋資料館には芸子さんのお座敷の再現などもあって、内部の様子を観ることもできます。

こちらは西茶屋街の近くの妙立寺。通称「忍者寺」
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別に忍者が住んでいたわけではないですが、様々な仕掛けのある作りで一種の軍事拠点です。こんな建築もあるのかと驚かされます。

武家屋敷などもあって、江戸時代以降の建物はあちこちでみることができます。

最後に金沢駅。
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世界で最も美しい駅の1つに選ばれた駅で、手前の門は鼓をイメージした柱となっています。新幹線も通って東京からも行きやすくなりましたね。


ということで、金沢は美術・建物・文芸などなど見どころだらけの街となっています。さらにご飯も美味しいので最強の観光地と言えそうw 平穏が戻ったらまた訪れたい街です。



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【仙台】 美術館巡りルート

今日は仙台のアートスポット巡りについてのご紹介です。

ご紹介するのはこちらの地図のakamaru.pngでポイントした2箇所となります。また、kiiromaru.pngaomaru.pngで示した周辺で見どころになりそうな場所についてもご紹介していきます。

仙台で一番大きな美術館は<宮城県美術館>で、近くには仙台城と仙台市博物館があります。距離的には<せんだいメディアテーク>も近いものの、川を挟んで迂回するので少し遠くなるかな。そこから仙台駅方向に向かうと2019年に新しく出来た島川美術館もあります。他にも美術館・博物館・記念館などはいくつかありますが、仙台駅の東側にある仙台市歴史民俗資料館はかつての陸軍歩兵第四連隊の兵舎を移築した古い洋風建築で貴重な存在となっています。



まずは一番大きな宮城県美術館についてです。

<宮城県美術館>

【公式サイト】
 https://www.pref.miyagi.jp/site/mmoa/

【鑑賞時間目安】
 2時間00分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 企画展・常設ともにあり

【併設のカフェ】
 あり

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 あり

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 不参加

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 不可

【特徴】
こちらは県立の美術館で、東北地方の作家や国内外の近代の巨匠の作品を約6800点収蔵しています。美術館自体は前川國男による設計で非常に貴重な建物ですが、移転・新築する方針となっているようで今後の動向が気になる所です。展示は特別展と常設企画展・常設があり、特別展は関東でも行っている大型展の巡回が多いようです。一方、常設はパウル・クレーやカンディンスキーなどの揃えが良く、特にエゴン・シーレをはじめとするウィーン分離派のコレクションは日本では珍しいと思います。また、地方独特の地元画家の作品なども特色を感じさせるかな。

と、企画展については関東で観れば良いような気はしますが、所蔵コレクションや建物に魅力を感じます。移築するのは勿体ない気がしてなりませんがどうなるんでしょうかね…。今の建物のうちにもう1度くらい行っておきたいものです。



続いては美術館というよりは多目的施設の せんだいメディアテークについてです。

<せんだいメディアテーク>

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【公式サイト】
 https://www.smt.jp/

【鑑賞時間目安】
 2時間00分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 企画展のみ

【併設のカフェ】
 あり

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 あり

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 不参加

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 展示による

【特徴】
こちらは映像音響ライブラリー、図書館、ギャラリー、スタジオなどが1つのビルに集まっている複合施設で、5~6階のギャラリーで展示が行われることがあります。ギャラリーなのでこれと言った方向性はなく様々な展示が行われるようですが、現代アートや地元の団体の公募展などが多いようです。また、ここは現代日本を代表する建築家である伊東豊雄 氏の設計で、傑作として名高い建物です。外観も先進的な雰囲気で、ラーメン構造による大胆な柱と梁が見て取れます。館内も洒落た雰囲気となっているので、展示だけでなく建物自体を目的に行ってみるのも良いかもしれません。割と無料で観られるところもあるのが嬉しいw



その他にkiiromaru.pngaomaru.pngで示した周辺で見どころになりそうな場所についてもご紹介していきます。


まず宮城県美術館の近くには仙台城(青葉城)があります。戦争の空襲で大半を焼失しているので城そのものを楽しめるわけではないですが、今でも仙台の人気スポットとなっています。

何と言っても伊達政宗の像が見どころです。
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これが結構大きくて実際に観ると写真よりかっこいいですw 独眼竜政宗のイメージはこれですよね。この目線の先には仙台の街が広がり、眺めの良い光景となっています。

すぐ近くには青葉城本丸会館という施設もあります。
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仙台藩に関する資料や当時の品があり、シアタールームでは成り立ちなどを映像で分かりやすく教えてくれます。

こちらはかつての仙台城の模型。
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天然の地形を生かした難攻不落の城だったようです。仙台の元の字は「仙臺」で、漢詩の「仙臺初見五城楼」に因んでいます。

さらに仙台城と宮城県美術館の間には仙台市博物館もあります。こちらでも仙台や伊達家の歴史を主に取り扱い、企画展と常設展を行っているのでハシゴするのも良さそうです。ここも佐藤武夫の設計の特徴的な建物なので、それも見どころかも。

一方、せんだいメディアテークの近くには島川美術館があります。こちらは2019年3月に新しく出来たばかりなのでまだ行ったことはありませんが、元々は蔵王にあったエール蔵王 島川記念館が移転してきたものです。横山大観・速水御舟・東山魁夷・加山又造・平山郁夫・森本草介など900点を超える所蔵品があり企画展も行われているようです。展示している点数も多そうなので、じっくり訪れてみたい美術館です。

他に仙台駅の東側にも仙台市歴史民俗資料館があり、こちらは明治7年に作られた陸軍歩兵第四連隊の兵舎を移築したものです。(県内最古の洋風建築だそうです)常設展示は「仙台地方の農具と農家のくらし」「仙台 町場のくらし」「旧四連隊コーナー」「体験学習室」「被災地関連展示」といった仙台の歴史や民俗に関するもので、企画展も同様の傾向にあります。他の美術館とは離れていますが、レトロな建物が好きな方は要チェックです。

おまけで、仙台は七夕が有名なのでその写真です。
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七夕の頃には繁華街のあちこちでこうした光景が広がります。2020年の七夕まつりは中止となったようですが、例年は8/6~8/8辺りに祭りが開催されるので、その頃が仙台に行く一番良いタイミングとなります(その分混んでますが) 


ということで、仙台も歴史を感じさせるスポットがあります。近現代の建物も面白いので、それも合わせて巡ってみると良いかと思います。


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【名古屋 後編】 美術館巡りルート

今日は前編に引き続き名古屋の今日は名古屋のアートスポット巡りについてのご紹介です。

ご紹介するのはこちらの地図のakamaru.pngでポイントした2箇所となります。また、kiiromaru.pngaomaru.pngで示した周辺で見どころになりそうな場所についてもご紹介していきます。

名古屋には何本もの地下鉄や私鉄が走っていて、アートスポットもその駅周辺に多く存在しています。矢場町駅の近くのデパートの中には<松坂屋美術館>があり、そこから少し西の白川公園には名古屋市美術館と名古屋市科学館があります。また、名城線に乗って北に行くと市役所駅の近くに名古屋城、名古屋市役所、愛知県庁などがあります。一方、名城線を南下すると熱田神宮もあり、定番の観光地はこの路線が便利です。他にもJR名古屋駅の近くにはノリタケの森ギャラリー、名鉄の栄生駅の近くにはトヨタ産業技術記念館といった企業系のミュージアムも存在します。そして名古屋駅からはかなり南下しますが、海辺に<リニア・鉄道館>があり、こちらも大きな博物館となっています。




<松坂屋美術館>

まずは前編でご紹介したエリアのすぐ近くの松坂屋美術館についてです

【公式サイト】
 https://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/museum/

【鑑賞時間目安】
 1時間30分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 企画展のみ

【併設のカフェ】
 なし(同じ建物内にカフェあり)

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 あり

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 不参加

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 展示による

【特徴】
こちらは百貨店の中にある美術館で、特別展のみを行っています。東京の百貨店の中の美術館と似たような感じで、大小様々な展示を行っていて巡回展も結構多いようです。中も普通でこれと言って特徴はないのですが、夜まで開いていたり繁華街の中心地にあるので遅くまで観光したい時に便利なところです。

この美術館にはカフェはないのですが、1つ上の階に名古屋名物「ひつまぶし」の発祥のお店「あつた蓬莱軒」の支店があります。
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私はこの美術館は何回か行ってますが むしろ目的はあつた蓬莱軒で、時間調整してピークタイムを避けるという用途だったりしますw めちゃくちゃ混むのでお持ち帰りのほうがオススメです。

と、百貨店の美術館ならではの使い方もあるかと思います。遅くまで開いているので美術館巡りをするなら最後に周ると良さそうです。



続いて、kiiromaru.pngaomaru.pngで示した周辺で見どころになりそうな場所について先にご紹介。

松坂屋美術館から少し西の白川公園には名古屋市美術館と名古屋市科学館があります。名古屋市美術館は特別展、常設企画展、常設があり、地元ゆかりのアーティストやエコール・ド・パリ、メキシコ・ルネサンス、現代美術と言ったコレクションを収集しています。特にメキシコにコレクションは貴重なので、ユニークなコレクションと言えそうです。企画展は巡回展やコレクションに関連する展示が多めのようです。ここも余裕があれば寄っておきたいところですね。名古屋市科学館は東京の科博や科学みらい館のような存在で、巡回展もそうした傾向となっています。名古屋市美術館と同じ公園内にあるので、セットで訪れるのも良さそうです。

また、松坂屋美術館のある矢場町駅から名城線に乗って北に行くと市役所駅の近くに名古屋城、名古屋市役所、愛知県庁などがあります。

名古屋の象徴とも言える名古屋城!
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天守閣は1945年に戦災で焼失しましたが再建されました。2020年現在は老朽化で閉館しています

一方、最近(2018年)公開されたのがこちらの本丸御殿
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豪華な内装を再現していて、名古屋の派手好きが反映されてますw こちらも再現ではありますが見応え十分です。

名古屋城の最寄りの駅には名古屋市役所(手前)と愛知県庁(奥)もあります。
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いずれも帝冠様式となっていて、和洋折衷となっています。前編でご紹介した「文化のみち」もこの辺りから続いているので、こうした建物も名古屋の魅力だと思います。

逆に矢場町駅から名城線に乗って南に行くと熱田神宮があります。
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創建は646年頃とのことで、由緒正しい神社です。名古屋で一番有名な所なので、寺社仏閣巡りには欠かせないスポットかな。

熱田神宮には文化殿・宝物殿もあります。
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国宝・重要文化財・愛知県文化財に指定された品が176点もあるそうで、全6000点の所蔵品の中から展示されるようです。刀剣の揃えが特に良いようなので、ここも見どころになりそうです

他にも名古屋には大小様々なアートスポットがありますが、名古屋駅から近いところにノリタケの森ギャラリーやトヨタ産業技術記念館といった企業系のミュージアムも存在します。名古屋は鉄道網が便利なので、上手く乗り継ぐことで美術館巡りも捗ります。




最後に一気に南下して埠頭にあるリニア・鉄道館についてです。

<リニア・鉄道館>

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【公式サイト】
 https://museum.jr-central.co.jp/

【鑑賞時間目安】
 3時間00分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 企画展・常設ともにあり

【併設のカフェ】
 あり

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
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【ミュージアムショップ】
 あり

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 不参加

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 ルールを守れば概ね可能

【特徴】
こちらは名古屋版の鉄博とも言える国鉄・JR専門の博物館で、過去の車両だけでなくリニアモーターカーの体験など未来についても取り上げている点に特徴があります。

象徴的な3両がお出迎えしてくれます。
DSC_1080_enc.jpg
機関車、新幹線の試験車、リニアとなっています。普通では観られない車両があるのが魅力です。

他にも沢山の車両がありますが、東海地区で活躍した車両が多いのも特徴です。
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中に入れる車両と、入れない車両があります。写真もOKです。

外にも車両がいて、こちらは中でお弁当を食べることができます。
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こうした仕組みも鉄博によく似てます。

お弁当は2階などで売っています。
DSC_0144_enc.jpg
ここで食べると駅弁みたいで旅情があります。

車両以外に、リニアモーターカーの体験シミュレーターなんかもあります。
DSC_0112_enc.jpg
一足早くリニアを体験した気分になれます。これ以外にもリニアの開発の歴史のコーナーなどもあり、来たるべき開業への期待も膨らみます。

こちらは鉄道模型のコーナー
DSC_0128_enc_201901240028562fb.jpg
鉄博に比べるとやや小さめですが、やはりこの地方ならではの車両が多いのが面白い


と、こんな感じで鉄道好きには非常に楽しい所です。名古屋の中心地からちょっと離れているのが難点ですが、近くにはレゴランドもあるので、子供連れの方はそうした施設と合わせて訪れてみるのも良いかと思います。

こちらがレゴランド
DSC_0159_enc_20190124003338a05.jpg
駅の反対側にあります。子供が喜びそうなエリアですね。


以上、2回に分けて名古屋をご紹介してきましたが、私は名古屋がかなり好きですw どういう訳か名古屋は観光に力を入れてる感じがしませんが、独自の文化圏で食べ物もユニークなので一度は旅行してみると楽しいと思います。



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