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《福田美蘭》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、1990年頃から現在にかけて活躍されている福田美蘭 氏を取り上げます。福田美蘭 氏は世界的なグラフィック・デザイナーの福田繁雄 氏を父に持ち、父同様に機知に富む作品を多く手掛けています。過去の巨匠を模した作品に社会批判やパロディを組み込むことが多く、現代アートに疎い人にも面白いと思わせる作風です。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。

福田美蘭 氏は1963年に東京都世田谷区に生まれました。母方の祖父に童話画家の林義雄 氏、父に世界的なグラフィック・デザイナーの福田繁雄を持つという画家一家です。1981年に東京藝術大学に入学し、卒業制作展 及び 修了制作展を経て、現代日本美術展や日本国際美術展に出品するなど、上野や東京都美術館などを舞台にキャリアを積みました。1989年には史上最年少の安井賞(新人洋画家の登竜門)を受賞し、それ以降も現在に至るまで多彩で個性的な表現で活躍し続けています。福田美蘭 氏の主な作品は1990年以降となっていますが、写真を撮れる機会がほとんどありませんでしたので今回は2013年の東京都美術館で開催された福田美蘭展の出品作を中心にご紹介していこうと思います(2010年頃の作品のみとなります)


福田美蘭 「受胎告知」
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こちらは2010年の作品。一見すると古い宗教画のように見えます。元になるオリジナルがあるのか分かりませんが、腕を上げるガブリエルや驚いて身をそらすマリアなど動きのある劇的な雰囲気です。モチーフや色の選び方もこの主題の典型となっていて、深く理解されていることが伺えます。作者本人によると「言葉に置き換えずに視覚だけで理解できる絵画とは、感覚的で抽象的なものだ。想像力と知性で表現されたために本人しか意図がわからない絵画は肯定できないので、基地の具体的な場面を主題にする必要があった。動きの軌跡を描くことで、激しい心の動きを感覚的、抽象的に表現できると考えた」とのことです。複数人いる訳ではなく、動きの軌跡なんですね。

福田美蘭 氏にはいくつかの作例があり、これは西洋絵画をモチーフにしたものとなります。まるでその時代に描かれたかのようなクオリティが流石ですね。

福田美蘭 「聖ゲオルギウス」
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こちらも2010年の作品。竜退治で有名な聖人で、ここでは白馬の上から槍で竜を突き殺している様子が描かれています。こちらも聖ゲオルギウスと白馬は残像のようにいくつかの姿がダブっていて動きを感じさせます。画風は古い西洋絵画のようでありつつキュビスム的というか漫画的というか面白い表現です。

福田美蘭 氏は過去の巨匠の作風に似せて描くのもお手の物で、レオナルド・ダ・ヴィンチやレンブラント、モネ、セザンヌなど西洋の巨匠だけでなく日本画や宋元画などまで幅広く描くことができます。そこにパロディ要素があったり社会批判が込められたりと、ユーモアを感じさせる作風となっています。

福田美蘭 「アダムとイヴ」
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こちらも2011年の作品。これも同じシリーズと思われ、アダムとイヴそれぞれの動きが軌跡となっています。若干、順序が分かりづらいけど知恵の実を差し出すところまであって、一連の物語を感じさせます。

福田美蘭 氏の作品の中には1つの絵の中に複数の画風があるものや、ダブルイメージを使ったもの、時代が異なるものの組み合わせ等、自由闊達な表現が観られます。本当にアイディア豊富な方です。

福田美蘭 「磔刑図」
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こちらも2011年の作品。中央のキリストの磔刑の様子は古い西洋絵画を思わせる画風ですが、その周りの表現は現代的で血が滴り、嘆き悲しむマリアたちはコラージュされたような感じだったり歪んでいてこの場面の苦痛を象徴したような感じに思えます。作者本人によると「磔刑はキリストの生涯中最も劇的な場面で、動きのある構図や有機的な形によって感情や精神的なものを表現するにふさわしいモチーフだと思い、画面下にはいろいろな象徴的要素と多くの群衆で構成されていることを前提にそのイメージを具体的な対象物としないで描こうとした」とのことです。一見すると古い絵画のようだけど斬新なものを感じますね。

先述の通り福田美蘭 氏は上野の東京藝術大学で学び、その近くの東京都美術館などで作品発表していたこともあり上野の美術館にゆかりのある作品をモチーフにすることもよくあります。西洋絵画だけでなく東京国立博物館の収蔵品などもよくテーマになります。

福田美蘭 「紅白芙蓉図」
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こちらは2012年の作品。東京国立博物館のコレクションの中に南宋画の李迪(りてき)による同名の作品があり、それに着想を得ていると思われます。画風は南宋画のようですが、背景には上野公園の噴水が描かれ、遠くには東京国立博物館の本館の様子も見えるなど現代の要素も含まれています。作者本人によると「大学に通う6年間、上野公園を横切ると、噴水の向こうに東京国立博物館が見え、季節ごとの風景の中で周囲の木々は少しづつ成長していった。時間の移ろいとともに刻々変化する趣を《紅白芙蓉図》で酔芙蓉が一日のうちに白から紅へと変化するさまに重ね合わせた。そこに蕾から深紅の花まで二幅の前後の"時"を加え、繰り返す時間の中でこの公園に来る新しい人達が《紅白芙蓉図》に出会うだろうという想いで、改装した噴水広場に種を落とした」と語っています。1つの絵の中に色々な思いを込めていてロマンチックな印象を受けます。

上野の思い出と同様に、芸大にまつわる人物もテーマにすることがあり黒田清輝や狩野芳崖の名作をモチーフにした作品も制作しています。

福田美蘭 「秋-悲母観音」
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こちたは2012年の作品で、狩野芳崖の「悲母観音」に着想を得た作品。子供を抱きかかえる観音はオリジナル同様に慈愛に満ちていますが、注目は左下の背景で数多くの瓦礫が流されている様子が描かれています。これは制作の前年に起きた東日本大震災による津波被害と関連があるようで、作者本人によると「2012年、久しぶりに《悲母観音》を見た。人々の救済へ送り出される前に振り返る嬰児の姿は、震災の痛ましい状況から救済されたいという想いが連想され、母性への畏敬や子供への慈しみからは強い母子像が浮かぶ。狩野芳崖の独創性は仏画としての観音と童子を母と子に発想した点で、それをさらにストレートに表現するため、胸に抱き寄せる姿にした。背景は被災地の家、船、瓦礫が沖に流れていく光景」と語っています。痛ましい災害と慈愛の観音を結びつけて、祈りのようなものを感じますね。

今回はあまり写真がないのでご紹介できませんが、割と時事問題をテーマにした作品もあります。2001年の911をテーマにしたものや、東京のごみ問題をテーマにしたものなど、その範囲も広くなっています。

福田美蘭 「眠れる森の美女・オーロラ姫」
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こちらは2012年の作品。ウィリアム・モリスのテキスタイルを使ったソファとクッションで、よく見るとクッションに顔が付いていますw これは豊田市美術館の展覧会「カルペ・ディエム花として今日を生きる」の出品作で、カルペ・ディエムとは枯れゆく先の姿を意識させる摘み花を人の命の短さや儚さの象徴とした格言です。福田美蘭 氏はモリスの緻密な意匠と風格にイギリス美術全般に通じる抑制の美を感じ、眠れる森の美女で呪いをかけられ幽閉される話はカルペ・ディエムに通じると想い、花のパターンにアニメのキャラクターが潜むソファーや自らの姿を写す鏡を制作したそうです。ちょっと目と口がついただけで急に可愛らしくなりますねw

福田美蘭 氏は画風やモチーフだけでなく、もっと根本的な部分で思いも寄らない手法を使うことがあります。折りたたむ感じで開閉する絵や、キャンバスの裏面に描かれたような作品、ステッカーの絵など 絵というものの固定観念を打ち破るような発想が魅力です。

福田美蘭 「アカンサス」
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こちらは2013年の作品。ウィリアム・モリスのテキスタイルに東京藝術大学の微章であるアカンサスの葉のプリント生地を見つけたそうで、父親に撮ってもらった作者自身の写真を組み合わせています。手前の葉っぱと椅子は大学を去る時に持ち去ったものらしいので、大学の思い出が詰まった1枚ではないでしょうか。色もモノクロームで追憶の中のようなノスタルジックなものを感じます。

2013年の個展では、会場そのものをテーマにした作品もありました。

福田美蘭 「バルコニーに立つ前川國男」
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こちらは2013年の作品で、東京都美術館のギャラリーA(地下)にある明かり取りのバルコニーに、設計者の前川國男氏のパネルを置いた作品です。意外と違和感がないかなw この場所ならではの作品で、前川國男氏が設計した建物への敬意が感じられます。

このバルコニーは柔らかい光を受けているので人が出てきたら楽しいなと思ったそうで、リニューアルされた空間を設計者本人に見てもらうという設定でこの作品を作ったようです。この洒落っ気が福田美蘭 氏の作品の根底で共通しているように思えます。

福田美蘭 「山水図」
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こちらは2013年の作品。これは伝統的な北宋の山水画のような表現ですが、上空にジャンボジェット機が飛んでいますw 機体には787とあり、この頃にトラブル続きで世間を騒がせていたボーイング787を描いています。奇怪さと不気味さの魅力を持って描かれる北宋系山水画に飛行させることで、身近に存在する不安と狂気を描いているのだとか。一見すると違和感ないのが凄いw

福田美蘭 氏はこの翌年の2014年には第64回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞されています。また、1991年の第7回インドトリエンナーレ金賞をはじめ、日本のみならず世界的に活躍されているアーティストです。

福田美蘭 「風神雷神図」
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こちらは2013年の作品。俵屋宗達の同名の作品を元にしていて、ひと目でそれと分かるものの よく見ると抽象画というか分解したパズルのようにバラバラになっているのが分かります。これについて作者本人によると、「宗達の《風神雷神図屏風》は緊張感のある構図と動きを生み出すポーズ、おおらかな描線とユーモラスで親しみのある楽しさが生命感と躍動感を生んでいる。光琳作品に受け継がれなかった空間表現や感情といった絵画的要素を抽象的、感覚的にとらえようと思った。具体的なイメージを抽象で表現しようとする連作の1点」とのことです。確かに感覚的に観たほうが伝わってくるのが面白い。

福田美蘭 氏の作品はちょくちょく目にするもののしばらく個展は観ていなかったのですが、今年の10月には千葉市美術館で福田美蘭展が開催される予定らしく、江戸絵画コレクションをテーマにした内容となる模様です。

福田美蘭 「波上群仙図」
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こちらの2017年のドラえもんをテーマにした展示での作品。拡大して観ると分かりますが、タイトルの通り仙人が数人集まっている様子がドラえもんに見えるというダブルイメージとなっています。鼻のあたりが芭蕉扇になっていたり発想が凄い。福田美蘭 氏は他にもレンブラントとドラえもんを掛け合わせた作品なども制作されています。


ということで、卓越したアイディア、様々な画風で描ける技術、美術史への深い理解、を駆使して ウィットに富んだ作品を作り続けているアーティストとなっています。まだまだ現役で活躍されていますので、今後も観ることが多いと思います。是非 動向をチェックしておきたい方です。
 参考記事:福田美蘭展 (東京都美術館)


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コロナウィルスによる各美術館の休館状況 (1都3県) 【2021年04月27日時点の情報】

今日は久々に各美術館の休館状況についてです。私は自粛続行中で外出はオススメしない方針ではありますが、3度目となる緊急事態宣言が出されたのでどのような状況なのか1都3県の主な美術館の休館状況をまとめました。

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 ※下記はすべて2021/04/27時点で公式サイトに載っている情報となります。
・いずれの美術館も状況によって休館期間の延長や 開催中→休館にする場合があるようですので、詳細については公式サイトを御覧ください
 


<東京都現代美術館>
東京都現代美術館は、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言後の都の緊急事態措置として、4月25日(日)~5月11日(火)まで全館臨時休館となります。

休止となる展覧会(休止期間 4/25-5/11) 
■ライゾマティクス_マルティプレックス
■マーク・マンダース-マーク・マンダースの不在
■Tokyo Contemporary Art Award 2019-2021 受賞記念展
■MOTコレクション コレクションを巻き戻す

中止となるプログラム
美術”じゃない”専門家との鑑賞会

ご利用いただけない施設
美術図書室、カフェ&ラウンジ「二階のサンドイッチ」、レストラン「100本のスプーン」、ミュージアムショップについても、休室・休業となります。



<すみだ北斎美術館>
すみだ北斎美術館は、新型コロナウイルス感染予防・拡大防止のため、墨田区の方針に従い、4月25日(日)から5月11日(火)まで臨時休館いたします。
MARUGEN100(講座室)及び図書室、ミュージアムショップは休室・休業いたします。

その後の開館予定につきましては、すみだ北斎美術館ホームページにてあらためてお知らせいたします。
当館の展覧会を楽しみにして下さっている皆様には申し訳ありませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
なお、5月12日以降の状況を踏まえ、今後予告なしに休館期間を変更させていただく場合がございます。予めご了承ください。
 


<江戸東京博物館>
江戸東京博物館では、東京都の方針に則り、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止する観点から、2021年4月25日(日)より5月11日(火)までの間、展覧会をはじめとする主催事業を休止または中止させていただきます。
 

◇休止となる展覧会
・常設展
・特別展「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」
・企画展「市民からのおくりもの2020―令和元年度 新収蔵品を中心に―」(~5月9日)
◇中止となる催し物等
・えどはくカルチャー
・特別展記念企画「村治佳織ミニコンサート」
・日本舞踊公演
・ミュージアムトーク
◇ご利用になれない施設
 図書室、映像ライブラリー、カフェ、レストラン、ショップ、貸出施設(ホール、会議室等)

なお、今後の状況により、上記以外の事業についても予定が変更となる場合があります。
その際は公式ウェブサイトやツイッター等で随時お知らせいたしますので、最新の情報をご確認くださいますようお願いいたします。
ご利用の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。



<東京国立博物館>
この度新型コロナウイルス感染症拡大防止のために緊急事態宣言が発令され、政府からの要請により、当館は4月25日(日)より当面の間は休館致します。


総合文化展及び特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」のチケットを事前予約された方には誠に申し訳ございませんが、予約されたチケットはすべてキャンセルとなり、代金を払い戻しいたします。
なお今後の最新情報やチケットの取り扱いにつきましては当館ウェブサイト及び展覧会公式サイトをご確認ください。

特別展、総合文化展ならびにチケット、催し物、施設に関する状況は、それぞれ下記の通りです。
今後の状況を踏まえ、予告なしに変更させていただく場合がございます。予めご了承ください。

特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」
4月25日(日)より当面の間臨時休館致します。再開は未定です。 今後の予定、日時指定券の払い戻し方法等は、特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」公式サイトにて、お知らせいたします。

総合文化展
各展示作品の展示期間は変更せず、各展示室および年間スケジュールのページでご案内しているとおりとなります。
臨時休館中に展示期間が終了する展示室がございますが、ご了承ください。

チケットの取り扱い
特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」
日時指定券の払い戻し方法は、特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」公式サイトにてお知らせいたします。

総合文化展
4月25日(日)以降の日時指定券をお持ちの方には、自動でキャンセル・払い戻しをいたします。なお、払い戻しにかかる手数料は発生いたしません。4月24日(土)以降、順に、キャンセル・払い戻し完了メールが購入時にご入力いただいたアドレスに届きますので、ご確認ください。 当館窓口では払い戻しできかねますのでご注意ください。

会員制度、賛助会員制度、寄附
当面の間、会員制度のお申し込みの受付を休止いたします。 なお、友の会、メンバーズプレミアムパス、国立博物館メンバーズパスについては、有効期限を延長します。延長期間、手続き方法等は、再開が決まり次第、当館ウェブサイトにてご案内します。
その他詳細は以下のページでご確認ください。
臨時休館に伴う会員制度、賛助会員制度、寄附の取り扱いについて

催し物
TNM&TOPPAN ミュージアムシアターは、臨時休館に伴い、4月25日(日)から当面の間、休演とさせていただきます。
講演会やギャラリートークなどは「みどりのライオン オンライン」で公開していますので、そちらをご利用ください。

施設
資料館
当該期間中は窓口業務のみ中止し、電話やメールによるレファレンスサービス、ILL(図書館間相互利用サービス)による複写サービスは通常通り行います。



<国立西洋美術館>
休館中。【全館休館期間】2020年10月19日(月)~2022年春(予定)


<東京都美術館>
臨時休館のお知らせ(2021年4月25日~5月11日)


緊急事態宣言及び都における緊急事態措置等に基づき、新型コロナウイルス感染症拡大を防止する観点から、4月25日(日)より5月11日(火)まで臨時休館いたします。
ご来館を楽しみにされていた皆様には大変申し訳ございませんが、ご理解いただきますようお願いいたします。

特別展「イサム・ノグチ 発見の道」のチケットを予約/購入されたお客様は、展覧会公式ウェブサイト(https://isamunoguchi.exhibit.jp/)でのご案内をご確認ください。



<国立科学博物館>
緊急事態宣言の発出を受け、「4月25日(日)から5月11日(火)」の間、臨時休館いたします。
 4月24日(土)および5月12日(水)~の予約は可能ですが、臨時休館期間が延長される場合がございますこと、ご了承ください。


<東京藝術大学大学美術館>
【臨時休館のお知らせ】
緊急事態宣言に伴い新型コロナウィルスの感染拡大防止のため「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」は4月25日(日)から臨時休館いたします。
その後の予定につきましては、あらためてお知らせいたします。
本展を楽しみにしてくださっている皆様には申し訳ありませんが、ご了承のほどよろしくお願いいたします。


<上野の森美術館>
緊急事態宣言発出のため、 4月27日(火)から5月11日(火)まで臨時休館いたします。

今後の変更につきましては当館ホームページでご案内いたします。
ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
休館期間:2021年4月27日(火)− 5月11日(火)

*臨時休館:4月29日(木・祝)− 5月10日(日)
 『第39回上野の森美術館大賞展』
 『明日をひらくー受賞作家の現在』
 『第38回上野の森美術館大賞展 入賞者展』

*カフェ、ミュージアムショップも休業いたします。



<アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)>
政府による緊急事態宣言の発出を受け、アーティゾン美術館は4月29日から5月9日まで臨時休館いたします。なお、5月10日より14日まで一部展示替えのため全館休館し、5月15日より再開する予定です。ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。


休館期間:2021年4月29日[木・祝]− 5月14日[金]
・臨時休館:4月29日[木・祝]− 5月9日[日]
・展示替え休館:5月10日[月]− 14日[金]
*ミュージアムカフェ、ミュージアムショップも休業いたします。

ご予約頂いたお客様への払い戻しのお知らせ
臨時休館中のチケットをご購入済みのお客様には、メールにてご案内の上チケットの払い戻しをいたします。



<三井記念美術館>
三井記念美術館コレクション「茶箱と茶籠」(5月1日~6月27日)は予約なしでご入館いただけます。


新型コロナウイルス感染防止の観点から、当面の間、下記の通り営業を変更いたします。
またご入館に際してのお願いがございますので、ご来館のお客様には必ずご確認いただきますようお願い申し上げます。

開館時間を 11:00~16:00(入館は15:30まで)に短縮いたします。
金曜日のナイトミュージアム・およびナイト割引を中止いたします。
団体でのご来館お申込み受付および団体割引を中止いたします。
イベント(土曜講座・ワークショップ・鑑賞会など)を中止いたします。
「次回展前売券」の販売は中止いたします。
音声ガイドの貸出を中止いたします。



<出光美術館(東京本館)>
【重要】4月27日より臨時休館いたします


新型コロナウイルス感染症の状況に鑑み、4月27日(火)より当面の間、臨時休館いたします。再開時期を含む最新の情報は、当館ウェブサイトまたはハローダイヤルでご確認をお願いいたします。
来館をご予定いただいていた皆さまには大変申し訳ありません。何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。



<東京国立近代美術館>
【美術館】緊急事態宣言の発令に伴う臨時休館のお知らせ
東京国立近代美術館では、緊急事態宣言の発令及び政府からの要請を受け、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、2021年4月25日(日)より5月11日(火)まで、臨時休館いたします。
なお、5月12日(水)以降の予定につきましては、あらためてお知らせいたします。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力賜りますようお願い申し上げます。


臨時休館期間にあたる展覧会は以下のとおりです。

【美術館】
*企画展「あやしい絵展」 【会期:2021年3月23日(火) ~ 2021年5月16日(日)】
*所蔵作品展「MOMATコレクション」【会期:2021年3月23日(火) ~ 2021年5月16日(日)】
*コレクションによる小企画「幻視するレンズ」【会期:2021年3月23日(火) ~ 2021年5月16日(日)】
※チケットの払い戻し等の対応は決まり次第、当館ウェブサイトにてご案内いたします。



<東京ステーションギャラリー>
【臨時休館】
政府による緊急事態宣言の発令をうけ、4月27日(火)から当面、臨時休館いたします。すでにご購入済の日時指定のローソンチケットの払い戻しについては決まり次第、当館ウェブサイトにてお知らせいたします。ご理解のほどお願いいたします。


<三菱一号館美術館>
【緊急】4月25日から全館臨時休館(Café1894含む)のお知らせ


【臨時休館対象施設】
「テート美術館所蔵 コンスタブル展」
 Café 1894
 Store1894
 三菱一号館歴史資料室
 三菱センターデジタルギャラリー

再開の予定は、当館WEBサイトの美術館ニュース欄にてお知らせいたします。(お知らせ掲載の目途:5月11日前後)

現在Webketでは5月2日までの「テート美術館所蔵 コンスタブル展」事前予約チケットを販売しておりますが、4月25日~5月2日までのチケットをご購入されたお客様は、Webketの「マイページ」からご利用日までにキャンセルのお手続きをお願いいたします。「マイページ」内に「キャンセル」ボタンがございます。

三菱一号館美術館サポーター制度(MSS)につきましては、臨時休館に伴い販売を中止します。
臨時休館中の対応として、既存のMSSサポーターカードの有効期限を延長いたします。
延長する期間については、決まり次第ご案内します。

4月30日が有効期限の「期限つき鑑賞券」をお持ちの方は、会期中有効に変更させていただきます。
皆様のご理解とご協力を賜りますよう、何とぞ宜しくお願い申し上げます。



<国立新美術館>
【新型コロナウイルス感染症予防対策による臨時休館のお知らせ】


国立新美術館では4都府県に対する緊急事態宣言の発令および政府からの要請を受け、 新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、2021年4月25日(日)より5月11日(火)まで臨時休館いたします。 中止となる展覧会、イベント等については下記をご確認ください。
なお、5月12日(水)以降の予定につきましては、あらためてお知らせいたします。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

中止(会期変更)となる展覧会、イベント等
「佐藤可士和展」(~4/24まで開催)
「第107回 光風会展 (主催:一般社団法人 光風会)」(~4/24まで開催)
「第98回 春陽展 (主催:一般社団法人 春陽会)」(~4/24まで開催)
「第36回 全国公募書道展 (主催:現代日本書家協会)」(~4/24まで開催)
「第95回 国展 (主催:国画会)」(4/28~5/10)
「国立新美術館まで出かけて楽しむワークショップ「マイ・こいのぼりなう!2021」」:中止(4/25)
アートライブラリー:休室
レストラン、カフェ、ミュージアムショップ:休業



<サントリー美術館>
サントリー美術館 4/25~5/11臨時休館のお知らせ(4/24更新)


サントリー美術館は、政府の緊急事態宣言発令に伴い、新型コロナウイルスの感染予防・拡散防止のため、2021年4月25日(日)から5月11日(火)まで、臨時休館いたします。(shop×cafeも同様)

それに伴い、以下のイベントも全て中止となります。
・4/25(日) 学芸員による展示レクチャー
・4/27(火) メンバーズ貸し切り特別内覧会
・4/29(木・祝) 呈茶席
・5/8(土) エデュケーターによる鑑賞ガイド

今後も開館状況が変更となる可能性がありますので、本ウェブサイトにて最新情報をご確認ください。



<21_21 DESIGN SIGHT>
臨時休館のお知らせ



21_21 DESIGN SIGHTは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、2021年4月25日 - 5月11日の間、休館いたします。なお、状況により休館を延長させていただくこともございます。最新情報は当ウェブサイトでお知らせいたします。何卒ご理解いただけますようお願いいたします。(最終更新日:2021年4月24日)



<森アーツセンターギャラリー>
【臨時休館のお知らせ】
森アーツセンターギャラリーは2021年4月25日(日)から5月11日(火)まで休館いたします。


<六本木ヒルズ展望台東京シティビュー>
東京シティビューについて、2021年4月27日(火)のリニューアルオープンは延期となりました。


<森美術館>
【臨時休館のお知らせ】
森美術館は2021年4月25日(日)から5月11日(火)まで休館いたします。


<大倉集古館>
4/27(火)~5/11(火)臨時休館のお知らせ


緊急事態宣言の発出に伴う要請を受け、4/27(火)から5/11(火)まで、臨時休館することとなりました。
5/12(水)以降の開館予定につきましては、あらためて当館ウェブサイトでお知らせいたします。

ご来館予定の皆様には大変申し訳ありませんが、ご理解のほどお願い申し上げます。



<泉屋博古館 分館>
改修工事のため休館


<東京都庭園美術館>
【重要なお知らせ】4月25日(日)~5月11日(火)臨時休館いたします。


東京都庭園美術館は、緊急事態宣言の発出に伴う東京都の方針に則り、4月25日(日)から5月11日(火)まで臨時休館いたします。なお、今後の状況により、休館期間が変更となる場合があります。その場合は公式ウェブサイトやツイッター等で随時お知らせいたしますのでご確認ください。
ご利用の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。



<目黒区美術館>
国の緊急事態宣言に伴う全館休館のお知らせ


目黒区美術館では国の緊急事態宣言に伴う、目黒区の要請により4月25日(日)から5月11日(火)まで全館休館いたします。5月12日(水)以降の予定につきましては、当館ウェブサイトにてあらためてお知らせします。ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力賜りますようお願い申し上げます。



<根津美術館>
2021/4/25(日)~5/11(火) 全館臨時休館のお知らせ


緊急事態宣言の発出に伴う要請を受け、根津美術館は4月25日(日)から5月11日(火)まで、庭園、NEZUCAFEを含む全館を臨時休館といたします。 5月12日(水)以降の開館予定につきましては、あらためて当館ウェブサイトでお知らせいたします。



<太田記念美術館>
臨時休館のお知らせ


太田記念美術館は、緊急事態宣言の発出に伴い、4月25日(日)より宣言が解除されるまで、臨時休館といたします。
その後の予定は、当ホームページやSNSで随時お知らせいたします。
ご来館を楽しみにしてくださっていた皆さまには誠に申し訳ございませんが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



<パナソニック 汐留ミュージアム>
臨時休館のお知らせ


新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、4月28日(水)から当面の間、臨時休館させていただきます。
予約サイトでの「日時指定予約」も当面の間、中止させていただきます。
次回、5月12日(水)以降、ホームページをご確認ください。



<日本科学未来館>
臨時休館のお知らせ [2021年4月25日(日)~5月11日(火)]


日本科学未来館は、新型コロナウイルスの感染拡大による政府の緊急事態宣言の発令にともない、2021年4月25日(日)から5月11日(火)まで臨時休館いたします。
常設展やドームシアターの予約・購入済みのチケットについては以下をご参照ください。
今後、上記予定に変更等がありましたら、当館のウェブサイト等で随時お知らせいたします。ご不便、ご迷惑をおかけし申し訳ございませんが、ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

■チケットの払い戻しについて
・常設展・ドームシアター入館料について
ご登録いただきましたメールアドレスにご連絡差し上げますので、ご確認ください。お客様によるお手続きは必要ございません。

・リアル脱出ゲーム×日本科学未来館『人類滅亡からの脱出』について
特設サイト外部サイトへ移動します のNEWS欄更新をお待ちください。すでにチケットを購入された方には個別にご案内も差し上げます。



<SOMPO美術館(旧名:東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館)>
臨時休館のお知らせ


緊急事態宣言発出のため、 SOMPO美術館は4月25日(日)から5月11日(火)まで臨時休館いたします。再開につきましては今後当館ホームページでご案内いたします。
臨時休館にともない、休館中のチケットをお持ちの方へは払戻しを行います。追って、チケット販売会社よりご連絡をいたします。ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。



<東京オペラシティアートギャラリー>
【重要】アートギャラリー臨時休館のお知らせ
(2021年4月25日[日]─ 5月11日[火])


東京オペラシティアートギャラリーでは、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止にかかる緊急事態宣言の発令を受けた政府・東京都からの要請をふまえ、2021年4月25日[日]から5月11日[火]の予定で臨時休館いたします。その後の予定については、当ウェブサイトで改めてお知らせいたします。
皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2021年4月24日
東京オペラシティ アートギャラリー



<Bunkamuraザ・ミュージアム>
【重要】4月25日(日)~5月11日(火):緊急事態宣言期間の臨時休館のお知らせ(4/24現在)


このたびの緊急事態宣言および東京都における緊急事態措置の再発令を受け、4月25日(日)~5月11日(火)の期間におきまして「古代エジプト展」は臨時休館とさせていただきます。
5月12日(水)以降の予定につきましては改めてお知らせいたします。
なお、今後の状況によって営業内容を急遽変更する場合がございます。何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
最新の情報はホームページで随時ご案内いたしますので、ご来場の際には事前のご確認を重ねてお願い申し上げます。



<松濤美術館>
【臨時休館のお知らせ(2021.04.26更新)】
このたびの緊急事態宣言を受け、渋谷区立松濤美術館は4月27日(火)~5月11日(火)のあいだ、臨時休館することになりました。


特別展「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる リース・ミューズ7番地、アトリエからのドローイング、ドキュメント」は、5月12日(水)からふたたび開幕する予定ですが、今後の状況により休館期間が延長となる可能性があります。最新の情報は必ず当館ホームページや、twitter・facebook・Instagramをご確認ください。

*なお、これに伴い、毎週土・日曜日、祝日及び最終週を「日時指定制」としておりましたが、この予約サイトも当分の間、運用を中断させていただきます。
臨時休館中の土・日曜日、祝日につきまして、既に予約をされたお客様におかれましては、誠に申し訳ございませんが、すべてキャンセルとさせていただきます。(予約されたお客様には、改めてご連絡差しあげます) どうかご理解を賜りますよう、お願い申しあげます。

*また、以下のイベントは中止となります。
・5月8日(土) 「 ギャラリートーク 」

*展覧会図録は、当館オンラインストアよりお求めいただけます。



<山種美術館>
緊急事態宣言の発出に伴い、東京都から休業の協力依頼がございましたので、臨時休館いたします。


休館期間:4月27日(火)~5月11日(火)[4月26日(月)は定時休館日です]
※状況により休館期間を延長する場合がございます。予めご了承ください。

お客様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
なお、4月25日(日)は通常通り10時~17時まで開館いたします。(入館は閉館時間の30分前まで。)
オンラインでご購入済みのチケットにつきましては、個別にメールでご連絡いたします。



<板橋区立美術館>
4月26日(月曜日)より5月11日(火曜日)まで緊急事態宣言を受けて臨時休館いたします。
今後の開館情報はHPまたはSNSをご確認ください。


<練馬区立美術館>
【重要】臨時休館について(4月24日現在)


新型コロナウイルスの急速な感染拡大に対応するため、国の緊急事態宣言および東京都の緊急事態措置を踏まえ、
4月25日(日)から5月11日(火)までの間、美術館は休館といたします。
(4月30日(金)から開幕を予定していた「8つの意表~絵を描く、絵に描く、画家たちのキセキ~」展は5月12日(水)に開幕を延期します。)

今後、国・東京都の方針に変化が見られた際など、必要に応じて見直しを行います。



<世田谷美術館>
臨時休館のお知らせ


新型コロナウイルス感染症拡大抑制のため、2021年4月25日(日)から2021年5月11日(火)まで、世田谷美術館及び世田谷美術館分館(向井潤吉アトリエ館、清川泰次記念ギャラリー、宮本三郎記念美術館)は、臨時休館いたします。
レストランとカフェも休業いたします。
2021年5月12日(水)からの再開を予定しています。

なお、休館中の「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」展の日時指定予約制チケットをご購入された方については、払い戻しをさせていただきます。



<静嘉堂文庫美術館>
緊急事態宣言の発令に伴い、当館は4月25日(日)から宣言の解除まで休館いたします。5月3日(月祝)の文庫見学会は中止といたします。何卒ご了承をいただけますよう、お願い申し上げます。
今後の予定につきましては、随時当館ホームページにてお知らせいたします。


<府中市美術館>
緊急事態宣言発出に伴い、東京都からの要請により4月25日から5月11日まで臨時休館いたします。なお「与謝蕪村」展の会期延長はありません。


<横浜美術館>
大規模改修のため休館中


<そごう美術館>
開催中


急遽変更となる可能性があります。最新情報はそごう横浜店ホームページでお知らせいたしております



<横須賀美術館>
開催中


・以下のお客様はご入館をお控えください。
*37.5度以上の発熱がある方
*風邪の症状(咳、のどの痛み、くしゃみ、鼻水など)がある方
*体調がすぐれない方
*過去14日以内に発熱や風邪の症状等で受診や服薬等をした方
*過去14日以内に感染拡大している地域や国への渡航歴がある方
・入館時に検温を実施しております。
 37.5度以上のお客様は入館をお断りいたしますので、ご了承ください。
・マスク着用と咳エチケットにご協力ください。
・こまめな手洗い・手指の消毒にご協力ください。
・他のお客様と2mを目安に十分な距離を保ってください。
・飛沫感染防止のため、会話はお控えください。
・大人数でのご来館はお控えください。
・混雑時は入館及び入場制限をいたしますのでご了承ください。
・ご来館中に体調を崩された場合は、無理をせずにお近くのスタッフまでお声かけください。
・万が一館内で感染者の発生が確認された場合、
 当館ホームページにてお知らせいたしますので、
 ご自身で来館日時の記録をお願いいたします。



<神奈川県立近代美術館 葉山館>
<神奈川県立近代美術館 鎌倉別館>
葉山館:4月24日から予約制で入場できます
鎌倉別館:改修工事のため休館中


葉山館
新型コロナウイルス感染拡大防止策として、2021年4月24日(土曜)より葉山館で開催する下記の展覧会についてはオンラインによる事前予約制で入場いただけます。
お手数をおかけしますが、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

企画展「開館70周年記念 空間の中のフォルム ―アルベルト・ジャコメッティから桑山忠明まで」
コレクション展「若林 奮 新収蔵作品」



<埼玉県立近代美術館>
現在、新型コロナウイルス感染防止対策を講じた上で開館しています。


ご来館の際は「お客様へのお願い」を必ずご確認ください。

新型コロナウイルスまん延防止等重点措置の適用を受け、北浦和公園を利用する場合は、以下の点について、徹底をお願いします。
一人ひとりの命を救うために、皆様のご理解とご協力をお願いします。
・マスクの着用を徹底してください。
・公園内で飲食を伴う宴会等は控えてください。
 ※1つの家族で軽食や飲み物を取る程度は除きます。

「コレクション 4つの水紋」は、会期を変更して開催しています。
 変更後:2021年3月23日(火) ~ 5月16日(日)
(変更前:2021年1月23日(土) ~ 3月21日(日))
※ ミュージアム・ショップにて、リーフレットを販売中です。

年間観覧券の有効期間に新型コロナ感染症防止に伴う臨時休館期間(2020.2.29~5.31又は2020.12.24~2021.3.21)が含まれている場合は、有効期間終了後にMOMASコレクション展の観覧料の免除を受けることができる場合があります。
詳しくは、当館(総務担当)までお問合せください。
また、ファムス会員の方は、こちらをご覧ください。https://pref.spec.ed.jp/momas/setting/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%A0%E3%82%B9



<うらわ美術館>
開館中


さいたま市は、4月20日(火)から5月11日(火)まで「まん延防止等重点措置」が適用されることとなりましたが、うらわ美術館については、徹底した感染防止対策を講じたうえで、開館いたします。
 なお、ご来館の際は、「ご来館のお客様へ」を必ずご確認ください。

※5月1日が「市民の日」に制定されましたので、令和3年5月1日(土曜日)当日の観覧料(個人)が無料になります。



<DIC川村記念美術館>
7月2日(金)まで、美術館は改修工事のため休館中です。


<千葉市美術館>
開館中


千葉市は、令和3年4月28日(水)から、まん延防止等重点措置適用の対象地域に指定されたため、以下のとおり施設の利用制限を行いますのでお知らせします。

【制限内容】
貸出施設の20:00以降の利用停止(5月22日まで)※継続
なお、状況の変化によって変更となる場合がございます。

【地下1階ちょい呑み処「盛」】
令和3年4月28日(水)~5月11日(火)、休業いたします。 ※追加
※4月26日(月)、27日(火)は定休

ご来館にあたっては、引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止対策にご協力をお願いいたします。
https://www.ccma-net.jp/news/1882/




ということで、今回の緊急事態宣言は東京都の大きめの美術館は休館していると考えて良さそうです。フロア面積の小さい所はやってるかもしれませんが、おでかけ自体おすすめできない状況です。去年のGW以上に我慢して欲しいと言ってましたし、家で映画を観たり本を読んだり絵を描いたりして過ごそうと思います。


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《アルバート・ワトソン》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、1970年代以降に雑誌など活躍し1990年代からはアーティストとしても評価の高まった写真家のアルバート・ワトソン氏を取り上げます。アルバート・ワトソン氏はグラフィックデザインや映像を学んでいたものの、小学校の教師の職につき当初は趣味として写真を撮り始めました。しかし数年で音楽のジャケット写真でグラミー賞を取るほどの存在となり、それ以降多くのファッション誌で表紙を飾っていきました。時代を象徴するような著名人を多く撮りつつ、芸術性の高いシリーズでアーティストとしても認知されていき、「最も影響を与えた写真家20人」の1人に選ばれ、母国イギリスでは大英帝国勲章をエリザベス女王から授与されています。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


アルバート・ワトソン氏は1942年にイギリスのスコットランド エジンバラに生まれました。生まれつき片目(恐らく右目)が見えなかったようですが、ダンカン・オブ・ジョーダンストーン・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインでグラフィックデザインを、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで映画とテレビを学びました。1970年に妻のエリザベスとともにアメリカに渡り、ロサンゼルスで小学校の教師として働きながら趣味として写真を撮り始めます。そしてその年の終わりに、アルバートはマックスファクターのアートディレクターと出会い、彼に最初のテストセッションを提供し、会社は2枚の写真を購入しました。アルバート・ワトソン氏の作風は、『マドモアゼル』、『GQ』、『ハーパース・バザー』などのアメリカやヨーロッパのファッション誌の目に留まり、ファッション誌を中心に著名人を撮っていくことになります。

アルバート・ワトソン 「アルフレッド・ヒッチコック-コンタクト」
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こちらは1973年の『ハーパース・バザー』の表紙の為の写真で、有名な映画監督のヒッチコックを撮ったものです。ヒッチコックが鳥を持ってるというのも面白いですが、実はヒッチコックは料理人でもありこのガチョウのレシピも掲載されていたのだとか。ジョークかと思ったら雑誌の内容にもリンクしているとは驚きw

この2年後の1975年には、メイソン・プロフィットのアルバム「Come and Gone」のジャケット写真でグラミー賞を受賞しています。アート関連の専門の教育を受けていたとは言え、趣味で始めてから5年でグラミー賞とは凄過ぎますね。1976年には『Vogue』誌から初めての仕事を得て、同年にニューヨークに移住したことで、キャリアは飛躍的に伸びていきました。

アルバート・ワトソン 「マイク・タイソン」
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こちらは1986年のマイク・タイソンを撮った写真。首が太すぎてくびれた部分が無い! パンチを喰らっても頑丈そうですね…。後ろ姿だけで強さが伺えます。

長年に渡って、アルバート・ワトソン氏の写真は世界中の『Vogue』の100以上の表紙を飾り、『Rolling Stone』、『Time』、『Harper's Bazaar』など、数え切れないほどの出版物に掲載されてきました。その中には、ファッションを象徴する写真や、ロックスター、ラッパー、俳優などのセレブリティを撮影した写真も多く含まれています。

アルバート・ワトソン 「B.B.キング」
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こちらは1989年に撮ったブルースのギタリストのB.B.キング。演奏中にこのしかめっ面みたいな表情になるのが特徴で、この写真でもそれがよく捉えられているように思います。魂を籠めて演奏している雰囲気が伝わってきますね。

アルバート・ワトソン氏はこうしたミュージシャンもかなり多く撮っていて、大御所や最も勢いがあった頃の様子が伺えて、洋楽好きとしてはちょっと懐かしい気分になります。

アルバート・ワトソン 「坂本龍一」
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こちらは1989年当時の坂本龍一氏のポートレート。アルバム「Beauty」で使うために依頼されたもので、どこか象徴主義を思わせるような精神性が感じられる作品に思えます。

アルバート・ワトソン氏によると、坂本龍一 氏は不思議な魅力を持った人で、天才的な人物だけどカメラの前では自然体だったようです。最小限のディレクションをしただけで、頭を後ろに戻らせたり、目を閉じたり、その他のポーズも本人によるものなのだとか。その為か、心地よく一緒に仕事ができる人だったと振り返っています。

アルバート・ワトソン 「ヨウジヤマモトを着るレスリー・ウィナー」
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こちらは1989年の作品で、イタリア版『VOGUE』の為にレスリー・ウィナーに山本耀司 氏の服を着用させたものです。ちょっと異様で妖怪みたいな…w シュールな感じで一際異彩を放っています。 この時、アルバート・ワトソン氏は雑誌用に少し変わった珍しいテーマに挑むべく、画としてインアクトのある面白い写真を撮るように努めていたそうで、たしかにその成果が伺えますw

この写真は母校のロイヤル・カレッジ・オブ・アートで撮影したそうで、彫刻家のヘンリー・ムーアなど偉大なアーティストが制作活動していた場所で撮影するという発想も気に入っていたようです。この顔を覆うベルベットは学生が忘れていったものを偶然に気が付き、ヨウジヤマモトを引き立ててくれると考えてモデルの後ろに配置してみたようです。しかししっくり来なかったので顔を覆ったところ神秘でシュールなイメージだと感じてこの作品が生まれたようです。

アルバート・ワトソン 「黄金のサンダル」
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こちらは1990年の作品、ツタンカーメン王の墓から出土した黄金のサンダルを撮ったもので、白を背景に真正面から撮っています。これは博物学的な印象を受けますが、金のグラデーションなどがその美しさや妖しさを引き立てているように思えます。

アルバート・ワトソン氏は人物の割合が高いのは確かですが、こうした静物や風景を撮った写真も多く存在します。題材は変われど、本質を引き出すような部分は共通しているんじゃないかな。

アルバート・ワトソン 「ミック・ジャガー」
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こちらは1992年の頃のミック・ジャガー。デジタル処理ではなく多重露光でヒョウとミック・ジャガーの顔を混ぜているようです。ダジャレみたいなテーマですが、これほど完成度の高い合成をカメラのみで出来たというのは本当に凄い。絵としても完璧な出来栄えですね。

アルバート・ワトソン氏は、プラダ、ギャップ、リーバイス、レブロン、シャネルなど、大手企業の何百もの広告キャンペーンの写真を制作してきました。また、「キル・ビル」や「SAYURI(Memoirs of a Geisha)」など、何十ものハリウッド映画のポスターを撮影し、100本以上のテレビコマーシャルを監督しています。写真だけでなく元々学んでいた分野でも活躍されているんですね。

アルバート・ワトソン 「仮面をかぶったサル-グラフィック」
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こちらは1992年の作品。何かサイバーパンク的な要素と原初的な要素があって言い知れぬ怖さがあります。サルに仮面をつけるという発想自体に驚きました。

アルバート・ワトソン氏は常に仕事中毒らしく、マンハッタンにあるスタジオのアーカイブには、何百万枚もの画像やネガが保管されており、そこから世界的に有名な雑誌や企業の情報が読み取れるようになっているそうです。個人的なギャラリーとしても使われていて、主にラスベガスで撮影された非常に大きなフォーマットの写真がたくさんあるのだとか。

アルバート・ワトソン 「銃を握るサル」
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こちらも1992年の作品。ちょっと危うさを感じさせ、一種の皮肉や批判が込められているのかも?? 

アルバート・ワトソン氏は数多くの賞を受けていて、ルーシー賞、グラミー賞、3つのアンディ賞、デル・スタイガー賞、ハッセルブラッド・マスターズ賞、センテナリー・メダル(英国王立写真協会の生涯功労賞)などが挙げられます。2015年6月には母国イギリスで写真芸術への生涯にわたる貢献を称え、大英帝国勲章をエリザベス女王から授与されています。英国王室の公式写真を手がけたこともあるのだとか。

アルバート・ワトソン 「ナイン・インチ・ネイルズ」
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こちらは1994年のウッドストックでのNIN。雨の中、泥だらけのファンの群れに飛び込んで彼らも泥まみれになっています。このバンド、当時は本当にカッコ良かったです…。泥まみれなのが一層にワイルドな雰囲気になってますねw

これはウッドストックの25周年記念の野外コンサートの写真集のために撮ったもので、その時にアルバート・ワトソン氏はメインステージの真横に持ち運べるスタジオを作って撮影していたようです。NINの他にメタリカ、グリーン・デイ、サンタナなど錚々たる面々を撮ったのだとか。

アルバート・ワトソン 「カール・ルイス-虎」
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こちらは1995年頃のカール・ルイスの写真。未だに語り継がれる陸上競技のレジェンドですが、咆哮するような表情に迫力があります。現役時代ではないと思うけど圧巻です。

この前年に出した写真集『サイクロップス』でアーティストとしての評価も高まり、2000年代頃には世界各地でグループ展や個展が頻繁に開催されるようになっていました。ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリー、ニューヨークのメトロポリタン美術館、モスクワのプーシキン美術館、ニューヨークの国際写真センター、ブルックリン美術館、デイヒトルハーレンなど、多くの著名な美術館で開催されています。

アルバート・ワトソン 「羽根を纏う女」
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こちらは1997年の「失われた日々」というシリーズの1枚。3万年前の地球を訪れるというファンタジーを題材にしていて、どこかの部族のような原初的な格好をしているけど、モードのようでもある雰囲気かな。カラフルで現代アート的な要素があり確かにファッション誌のような写真に思えます。

アルバート・ワトソン氏は個展が開かれるだけでなく、世界各地の美術館のコレクションにも入っています。ナショナル・ポートレート・ギャラリー、メトロポリタン美術館、スミソニアン、スコットランド議会、デイヒトルハーレン、マルチメディア美術館、ドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館などに永久保存されているようです。

アルバート・ワトソン 「椰子の木」
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これは2000年の「インク」シリーズの1枚。椰子の木の一部を拡大した写真で、それぞれ赤・黄・青といった色調となっていて本物以上に質感が豊かに表されているように思えます。白黒だけでなくカラーも独自の色彩感覚が面白い方です。

アルバート・ワトソン氏はフォト・ディストリクト・ニュースが選ぶ「最も影響を与えた写真家20人」の1人に選ばれました。日本では2019年に京都文化博物館で「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」での日本初回顧展「Wild」を開催し、日本での知名度も高まりました。

アルバート・ワトソン 「ケランダ」
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こちらは2013年のスコットランドの風景写真。こんな光景があるのかと驚くような絶景で、切り立った崖と厚い雲が神々しい。撮影に際してロード・オブ・ザ・リングを読んだそうで、確かにそのイメージに近い光景に思えます。


ということで、著名人の魅力を引き出したり、シュールな写真を撮ったりと卓越したセンスを持ったアーティストとなっています。写真以外の仕事も多いので、気づかないうちに彼の作品を目にしているかも?? 現役50年に近づいてなおも旺盛な活動をされている方なので、今後も一層に名前を観る機会も増えそうです。
 参考記事:アルバート・ワトソン写真展「Wild」 (FUJIFILM SQUARE フジフイルム スクエア)


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《佐藤卓》 作者別紹介

今日は1980年代以降に活躍し、現代日本を代表するデザイナーである 佐藤卓(さとう たく)氏を取り上げます。佐藤卓 氏は商品デザインやポスターといったデザインだけでなく、コーポレート・アイデンティティ、ビジュアル・アイデンティティ、プロダクトデザイン、商品企画など幅広く手掛け、さらに美術館のディレクター/館長として展覧会を企画したり、テレビ番組のアートディレクションを務めるなど多岐に渡る活動をされています。そのため佐藤卓 氏のデザインは世の中に広く浸透していて、「ロッテキシリトールガム」や「明治おいしい牛乳」など は日本人なら目にしたことがあるのではないかと思います。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


佐藤卓 氏は1955年に東京都の杉並区に生まれました。 東京都立豊多摩高等学校を卒業後、御茶の水美術学院で浪人生活を送ってから東京芸術大学に入学し、1979年に同大のデザイン科を卒業、さらに1981年に同大学院を修了しています。その年に電通に入社し、3年ほど勤めた1984年に退職し、株式会社佐藤卓デザイン事務所を設立しました。それ以降、様々なプロダクトやデザインを手掛け、現在も幅広く活躍されています。

今日は残念ながら古い作品の写真がないので2000年代以降の作品ばかりとなりますので、順不同でご紹介していこうと思います。

佐藤卓 「金沢21世紀美術館のシンボルマーク」
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こちらは2004年に開館した金沢21世紀美術館のシンボルマーク。21の数字は美術館の名前、円形の中に大小の□や○があるのは美術館の建物を上から見た様子となっています。作者本人によると、「建築俯瞰図をそのままマークにしました。外側に開かれた美術館、正面のない美術館、多様な使い方が可能な美術館など、この美術館ならではのコンセプトがそのまま建築俯瞰図に表れているからです。このマークは、美術館や展覧会会場サインとしても使うことが可能です。象徴としてのみ存在するマークではなく、いろいろな使用環境で自然に多くの機能が発見されることを前もって想定しています。」とのことで、シンプルながらも多くの意味や用途が込められているようです。すっきりして現代アートの美術館の雰囲気によく合いますね。

佐藤卓 氏のデザインは商品デザインだけでなくこうしたVI・CIにも及んでいます。

佐藤卓 「国立科学博物館のシンボルマーク」
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こちらは2007年に130周年でリニューアルされた国立科学博物館のシンボルマーク。この時、キャッチコピーを「想像力の入口」と定め、それにふさわしい新しいシンボルマークとしてこちらになりました。公式サイトによると、このシンボルマークは「見方によって恐竜やサメの歯、門のように、また個々の形は、花びらや炎が揺らめきながら広がっていくようにも見え、様々なものを想像していただけるデザインとしました。」とのことで、やはり深い意味があるようです。確かに歯か葉っぱのように見えるかな。

国立科学博物館では展覧会の企画(2019年「風景の科学」など)も手掛けていて、単なるデザインの枠を超えた活躍をされています。

佐藤卓 「ガム」
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こちらは制作年が分かりませんが、代表作の1つの「ロッテ キシリトールガム」の包み紙。こんなにカラフルな種類があるんですね。下の方は結構ポップな印象を受ける色合いが好み。キシリトールの名前が大きくて、爽やかさが伝わってくるようなデザインです。

他に有名な所ではニッカウヰスキーの「ピュアモルト」の商品開発や明治乳業の「明治おいしい牛乳」のパッケージデザイン、「全国高等学校野球選手権大会」のシンボルマークなども手掛けています。美術館に行かなくてもかなり身近なところで佐藤卓 氏のデザインを観ることができます。

佐藤卓 「ヒロシマという重石」
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こちらは毎年開催される「ヒロシマ・アピールズ展」の2015年のポスター。原爆投下から70年だった年で、書類は理屈を象徴し広島という分銅がどんなことがあってもやってはいけないことがあると抑えているようです。分銅が人のようにも見えるのはダブルイメージでしょうか。

佐藤卓 氏は21_21 DESIGN SIGHTでディレクター/館長も務めていて、『water』『縄文人展』『デザインの解剖展』『デザインあ展』など多くの展示を手掛けています。

佐藤卓 「デザインの解剖展:身近なものから世界を見る方法」
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こちらは2016年に21_21 DESIGN SIGHTで行われた展示のポスターやチケット、バッチなどの展示に関する品々。きのこ派の私としてはこのポスターが好きでしたw 愛着のあるデザインを斬新な感じで展示していた展覧会です。

同じく21_21 DESIGN SIGHTでディレクターを務める三宅一生 氏とは繋がりが深く、イッセイミヤケのポスターを手掛けています。

佐藤卓 「デザイナーブランド」
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こちらは恐らく2018年頃のイッセイミヤケのポスター。バナナが服を着ているような雰囲気が秀逸ですね。黄色いシャツみたいに見えました。

佐藤卓 氏は数多くの賞を受賞していて、この2018年度には芸術選奨文部科学大臣賞も受賞されています。まさに現代日本を代表するデザイナーです。

佐藤卓 「デザイナーブランド」
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こちらもイッセイミヤケのポスター。布のようなタコのようなw 水玉模様が吸盤のように見えるのも面白い趣向です。ユーモアに富んでいるのが佐藤卓 氏の特徴ではないでしょうか。

佐藤卓 氏は武蔵野美術大学造形学部で客員教授も務めていて、先程の「デザインの解剖展」では授業での学生の成果も展示されていました。こんなに現役で活躍されている方に教えて貰えるなんて刺激的でしょうね。

佐藤卓 「ポスター PLEATS PLEASE ハッピーアニバーサリー」
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こちらは和菓子のポスターかと思ったらこれもイッセイミヤケのポスターでしたw よく観ると生地でできているのが分かりますが、佐藤卓 氏はこのブランドについて、出会った瞬間に「あ、美味しそう」「あ、着てみたい」と思えるような服だと考えてこうしたデザインにしたようです。

このシリーズは他にもワインやソフトクリームのもあって、どれも滑らかで洒落た雰囲気があり上質な印象を受けます。親しみやすいのも素晴らしい。

佐藤卓 「放送局の企画展」
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こちらは日本科学未来館で行われた「デザインあ展」のポスターと、「解散!」のフィルム。「デザインあ」はNHKの番組で、佐藤卓 氏はこの番組の総合指導を務めています。 右の写真の「解散!」はその番組の名物シリーズで、物を分解して部品を並べるという内容です。私も徹底した分解ぶりが好きなシリーズなのですが、これをアニメーションにして見せるのは途方もなく手間がかかりそう…。狂気に近い執念を感じますw

2013年には21_21 DESIGN SIGHTでもデザインあ展が開かれ、その際にも佐藤卓デザイン事務所として作品が出品されていました。
 参考記事:デザインあ展 (21_21 DESIGN SIGHT)

佐藤卓デザイン事務所+折形デザイン研究所 「おりがみ」
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こちらは2013年の「デザインあ展」での折り紙の体験コーナー。映像を見ながら実際に折り紙を折ることができました。他にも同じように風呂敷の体験コーナーもあり、簡潔かつ丁寧に伝えてくれます。こういうノウハウを上手く伝える技術もデザインですね。

ちなみに同じNHK(Eテレ)の「にほんごであそぼ」のアートディレクターも務めています。本当に多彩な仕事ぶりで目にする機会も多い方です。

佐藤卓デザイン事務所 「ペンギン物語」
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こちらも2013年の「デザインあ展」の出品作品。一見するとよく観るガムが置いてあるだけに見えますが、この側面のペンギンに注目です。実はこれは映像となっていて、ペンギンが動き出します。

少し経つとこんな感じで行進し始めて、周囲をぐるっと歩きます。
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よちよち歩きしたり、お腹で滑ってきたりと可愛らしい姿です。未来の包み紙はこうなると楽しいですね。


ということで、非常にアイディア豊富で楽しいデザインを世に送る方で、活動範囲も広いので今後もますます活躍が期待されます。佐藤卓 氏のデザインと分かると他の各種デザインとの繋がりも見えてきて面白いと思いますので、是非覚えておきたい方です。


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《ジャン=ミシェル・バスキア》 作者別紹介

今日は1980年代に彗星のように現れた新表現主義の画家ジャン=ミシェル・バスキアを取り上げます。バスキアは1970年代なかばから友人と「SAMO」というユニットを組み、ダウンタウンの建物や塀に塗装スプレーを使ったグラフィティ・アートを描いていましたが、その名が一躍有名になったのは1980~81年頃で、MoMAの「ニューヨーク・ニューウェーブ展」が大きなきっかけとなっています。それ以前に詩、映画、音楽と様々な活動を行っていたこともあり、画中に文字を散らす手法がよく用いられ、絵は一見すると落書きのような即興性や勢いを感じさせるものとなっています。しかしバスキアは美術史やアートの知識に長けていて絵の中には社会批判や皮肉が込められ、鑑賞者は正確に読み解くのが難しいけど何となく言いたいことは分かる…という画風となっています。27歳で亡くなったので活動期間が短いものの、1980年代アメリカの最も重要なアーティストの1人とされています。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


ジャン=ミシェル・バスキアは1960年にニューヨークのブルックリンに生まれました。父はハイチ系移民、母はプエルトリコ系移民という家庭でバスキアは子供の頃から絵が好きで、漫画家になりたかったそうです。そんなバスキアを母親は美術館に連れて行ったりして後押ししてくれたようで、7歳頃から芸術専門の私立学校に入学しています。また、7歳の時に交通事故で大怪我をし、その療養中に母親からヘンリー・グレイの『グレイの解剖学』という本を渡されると非常に関心を持ち、これが後のバスキアの大きなルーツとなっていきます。子供時代のバスキアは優秀だったようで、フランス語やスペイン語の本も読み、流暢に話せるほどだったようです。また、運動も得意なアスリートの側面もありました。しかし13歳の頃に母が精神病院に入院してしまうと、15歳の頃にバスキアは家出をし、それ以降 父親とも不仲で高校を中退したりホームレス同然の時期があったようです。やがて友人の家に居候しながら自作のTシャツやポストカードを売って生計を得るようになり、1976年からは友人のアル・ディアスとともに「SAMO」というユニットを組み、ダウンタウンの建物や塀に塗装スプレーを使ったグラフィティ・アートを数多く描くようになりました。ある時ユニーク・クロシングの社長がその様子を見つけ、その才能を見抜いて仕事を依頼するようになり、これによって新聞にも載ったりしたようですが、1978年にアル・ディアスとの関係が悪化しSAMOの活動は終了します。その後、1979年にバンド「Gray」を結成しクラリネット奏者としてナイトクラブで演奏したり、1980年には映画『ダウンタウン81』に出演するなどマルチな才能を見せます。そして1980年にはグループ展の「タイム・スクエア・ショー」で初の正式な作品発表をすると、多くの批評家の注目を集め転機を迎えました。

ジャン=ミシェル・バスキア 「無題」
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こちらは1982年の作品。前澤氏が購入したことで話題になった絵で、スプレーなどを使って人の顔を描いています。具象のような抽象のようなストリートの落書きのようでもあり、強烈な色彩と髑髏を思わせる顔で一度観たら忘れられないインパクトです。

バスキアはこうした髑髏をよくモチーフにしていますが、これは前述の『グレイの解剖学』からの影響のようです。バンドの名前も「Gray」(途中でこの名前に変えた)だし、その影響の大きさが伺えます。

ジャン=ミシェル・バスキア 「ナポレオン」
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こちらは1982年の作品。VERSUS PORK(対 豚肉?)、SHOE POLISH(靴磨き)の打ち消し、そして100万円…。どこがナポレオンなのかも含めて謎だらけですw しかしバスキアはこうした言葉を組み合わせて社会的な問題などを提起していたと考えられます。 意味を離れて色と文字のバランスだけ観るとリズムがあるようにも思えるかな。

1981年以前は詩を中心に活動していたようで、バスキアの絵の中にはよく詩のような言葉が描かれています。イメージや文字を散りばめるのは、サイ・トゥオンブリーやフランツ・クラインからの影響も指摘されています。

ジャン=ミシェル・バスキア 「フーイー」
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こちらは1982年の作品。タイトルを日本語訳するなら愚か者という意味ですが、左下の方にいる人がちょっとそれっぽいかなw 王冠のようなものがいくつかあって、王冠はバスキアのトレードマークとも言えるものです。まるでストリートの落書きみたいではありますねw

この前年の1981年にMoMAの「ニューヨーク・ニューウェーブ展」に参加し、美術雑誌で紹介されると一気にスターダムへとのし上がり、「新表現主義」のアーティストの1人として展示されるようになりました。ギャラリーとも契約しているので、1980~81年はバスキアにとって激動の時期となります。そして1982年には日本も訪れています。この頃の日本経済はバブルに向かって絶好調で、家電などのメイドインジャパンが旋風を巻き起こしていた時期で、日本をテーマにした作品も残されています。

ジャン=ミシェル・バスキア 「メイドインジャパン1」「メイドインジャパン2」
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こちらは1982年の作品。当時のメイドインジャパン旋風を題材にしたと思われ、電話らしきものを持って日本製品でしょうか。こちらも意図を探るのは難解な作品ですが、カリカチュア的な肖像で何か皮肉っぽいものを感じます。

この頃、バスキアはまだ無名だった歌手のマドンナと付き合っていて、ギャラリーにも連れてきたようです。また、正確な時期は分かりませんがバスキアが売れる前の18歳の時(1978年頃)、レストランでポップアートの巨匠のアンディ・ウォーホルと出会っていて、自作のポストカードを売ることに成功しました。バスキアが世に出てからはウォーホルと何度か共作を作っていて、2人展も開催しています。2人展のポスターは2枚あり、両方とも一見するとボクシングの試合のポスターみたいな感じで、1枚はウォーホルがバスキアの顔にパンチを入れていますw もう1枚は2人でファイティングポーズを取っているなどユーモアと仲の良さを感じさせるものでした。そのようにバスキアとウォーホルはお互いに才能を認め合い、その存在は大きくなっていきました。その敬愛の深さが逆に悲しい結果に繋がる訳ですが…。

ジャン=ミシェル・バスキア 「消防士」
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こちらは1983年の作品。右側は確かに消防士っぽい人物像かな。左側は何故か腹にパンチを入れてて「BOF」っと効果音までついているのがちょっと可笑しいw 塗り残しのような所があったりして、非常に大胆な構成に思えます。

時期は分かりませんが、バスキアは徐々にヘロインなどの薬物に溺れるようになり、妄想癖が出てくるようになりました。制作のプレッシャーや成功したことへの強迫観念から逃れようとした為に依存したようで、これがバスキアの孤独を深めていくことになります。

ジャン=ミシェル・バスキア 「オニオンガム」
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こちらは1983年の作品。「ONION GUM MAKES YOUR MOUHT TASTE LIKE ONIONS」(玉ねぎガムはあなたの口を玉ねぎ味にする)という言葉が3回繰り返し書かれ、舌を出して辛いものを食べたような顔をしています。右上にはメイドインジャパンの文字もあって、オニオンガムは日本製なのかな?w この頃アメリカにはメイドインジャパンの家電などが溢れていたので、行き渡り過ぎたことを皮肉っているのかも知れません。頭の上で操っているような人もいて日本製品の操り人形になっているイメージのようにも思えます。

日本に来た際には南青山のレストランCAYの壁に絵を残したり、各地で記念写真(大きな瓦屋根の写真など)なども撮っています。バスキアにとって日本は批判の対象でもありつつ親日家の側面もあったようです。また、当時の日本は金満だったこともあり、日本は世界的に見てバスキアの作品の所蔵数が多いのだとか

ジャン=ミシェル・バスキア 「プラスティックのサックス」
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こちらは1984年の作品。断片的に貼り付けたような画面で、いくつか人の顔があります。中央あたりの人が何か吹いているようにも見えるからそれがサックスなのかな? あちこちに日本語で「おりがみ」とあり、トーヨーの折り紙をトレースしたものと思われます。これも意図は分かりませんが、日本との関わりを感じさせますね。

前述の通りバスキア自身もミュージシャンとして活動していて、映像で観たことがあります。ラップ調の音楽で、「GRAY」の頃はノイズバンドと呼ばれていたようです。

ジャン=ミシェル・バスキア 「炭素/酸素」
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こちらは1984年の索引。都市や宇宙開発を想起させるモチーフが並んでいて、五重の塔らしきものもありますね。爆発音を示すKABOOMなど不穏な所もあるので、何らかの社会批判も含んでいるのかも。左のロケットの脇あたりに「炭素+酸素→一酸化炭素」といった化学式のようなものが描かれているのがタイトルの由来のようです。

生前、バスキアは黒人アーティストと呼ばれるのを非常に嫌っていたようです。一方で、当時は黒人の音楽とされたものや アフリカの歴史としてのエジプトを題材にするなど 黒人としてのアイデンティティを捨てる訳ではなく、その文脈のみで評価されるのを嫌っていたのではないかと思われます。

ジャン=ミシェル・バスキア 「自画像」
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こちらは1985年の作品。板のようなものに描かれていて、意地悪そうにニヤっと笑うシルエットが自画像となっていて、バスキアは実際にこういうドレッドヘアをしています。右側には恐らく拾ってきた王冠が無数に貼り付けられていて、アンディ・ウォーホルと仲が良かったのでポップアート的な表現にも思えます。

バスキアは子供の頃、アメリカのテレビ番組『リトル・ラスカルズ』に出てくるバックウィートという黒人の男の子の王冠のような髪型が大のお気に入りだったそうで、バスキア自身も似た髪型となっています。王冠のルーツはその髪型かもしれませんね。

ジャン=ミシェル・バスキア 「無題(ドローイング)」
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こちらは1986年の作品。かなり大きくて壁画のような感じです。これもかなり読み解くのは難しいけど、とにかくHEY!が目につくw その周りにも小さくHEY!HEY!HEY!HEY!と書いてあったり、たまにおかしくなってYEHになってるのがちょっと可笑しい。これは情報量が多いので色んな意図がありそうですね。

1986年以降、新しいスタイルに挑戦し ソ連のグラスノスチ(ゴルバチョフによる情報公開)を皮肉った作品ではかなりシンプルな色面と人物像を描いています。しかしその翌年の1987年にウォーホルが亡くなると、バスキアは孤独を深めてヘロインへの依存も進み、過剰摂取(オーバードース)で1988年に27歳の若さで亡くなりました。


ということで波乱万丈の人生となっています。名が売れてから亡くなるまで10年も無い短期間ですが、80年代アメリカの最も重要なアーティストの1人とされています。2019年に森アーツセンターギャラリーで大規模な展示があった他、たまに各地の美術館の所蔵品や展覧会で観ることがあります。人気もあるのでいずれまた大型展示が開かれるのでは?と密かに期待しています。
 参考記事:
  バスキア展 メイド・イン・ジャパン 感想前編(森アーツセンターギャラリー)
  バスキア展 メイド・イン・ジャパン 感想後編(森アーツセンターギャラリー)


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《森村泰昌》 作者別紹介

今日は1980年代初頭から現在にかけて活躍されている森村泰昌 氏を取り上げます。森村泰昌 氏は何と言っても名画の人物になりきるセルフポートレートが有名で、1985年にゴッホの自画像に扮して以来、様々な人物や名画に挑戦してきました。男性だけでなく女性は勿論、時には人間以外にも扮し、ユーモアを感じさせます。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


森村泰昌 氏は1951年に大阪市で生まれました。少年時代からアートに興味があったようで、京都市立芸術大学美術学部に入学しました。同大を卒業すると1980年から写真作品の制作を開始し、1983年にはシルクスクリーンによる初の個展を京都で開催しています。そして1985年にゴッホの自画像に扮するセルフポートレート写真「肖像(ゴッホ)」を制作し、それ以降は現在に至るまで一貫して「自画像的作品」をテーマに作品を作り続けています。

森村泰昌 「神とのたわむれI:昼下がり」 「神とのたわむれII:たそがれ」
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こちらはいずれも1991年の作品。キリストの磔刑図をパロディ化したような感じで、中世絵画風の画面の中に森村泰昌 氏が入り込んでいます。と言っても、右は江戸時代風の髪型に胸と股間がラッパになったような人物でシュールな感じですが…w

この3年前の1988年に第43回ヴェネチア・ビエンナーレのアペルト部門に選出され、世界的な注目を集めました。それ以降、国内外で多くの展示を開催しています。

森村泰昌 「神とのたわむれIII:夜」 「神とのたわむれIV:夜明け」
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こちらも先程の作品のシリーズ。タイトルは昼→夕→夜→朝となっている訳ですが、磔刑の構図以外はちょっと繋がりがよく分かりませんw とりあえず人形の首が怖い…w 自画像的な作風の森村泰昌 氏ですが、早い時期はこういう作風もあったんですね。

1989年にはレンブラントの作品をモチーフに、9つの自画像を同居させた「九つの顔」を制作しています。

森村泰昌 「表情研究III」
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こちらは1994年の作品。1994年に原美術館で開催された「レンブラントの部屋」展の時のもので、主にレンブラントの作品をモチーフに森村泰昌 氏が変装するという内容でした。まあ、これは森村泰昌 氏だなって顔で分かりますが、表情や雰囲気は確かにレンブラントの素描を思わせるものがあります。
 参考記事:森村泰昌-レンブラントの部屋 再び (原美術館)

原美術館では2001年にも「私の中のフリーダ」という個展を開催しています。

森村泰昌 「私の中のフリーダ(手の形をした耳飾り)」「私の中のフリーダ(骸骨の指輪)」「私の中のフリーダ(イバラの首飾り)」
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いずれも2001年の写真作品で、遠目だとフリーダ・カーロのように観えますw。目の辺りは森村泰昌 氏っぽさを感じるけどこれも結構本人に似ているんじゃないでしょうか。

こちらと冒頭の「神とのたわむれ」シリーズは横浜美術館の所蔵品で、横浜美術館も1996年に「美に至る病/女優になった私」を開催している他、ヨコハマトリエンナーレ2014ではアーティスティック・ディレクターを務めるなど森村泰昌 氏と縁のある美術館となっています。

森村泰昌 「なにものかへのレクイエム(独裁者を笑え スキゾフレニック)」
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88x31.png この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。
六本木クロッシング2010展:芸術は可能か? (森美術館)
こちらは2007年の作品で、2006年から開始されたシリーズ「なにものかへのレクイエム」からの映像。20世紀の政治的/芸術的に重要な人物になりきるシリーズで、ここではチャップリンの『独裁者』を真似して演技しています。ちょっと珍妙な感じもしますが割と本物に似ているように思えますね。

このシリーズで三島由紀夫に扮する「烈火の季節/なにものかへのレクイエム」ではパロディという感じではなく真剣な雰囲気で、ちょっと鬼気迫る勢いだったのを覚えています。なりきることで当時を検証するという意図もあるように思えます。

森村泰昌 「自画像としての[私](メデューサ)」
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こちらは2011年の作品。カラヴァッジョの作品を由来としたメデューサに扮する自画像で、怪物にだって変装しますw 目を見開いて口を開け、首から血が吹き出す様子が怖いような可笑しいような。

ゴッホ、フリーダ・カーロ、三島由紀夫など対象がバラバラに思えますが、いずれも傷みによってもたらされた感受性を芸術として昇華させた表現者で、カラヴァッジョもその流れと考えられるようです。確かに殺人者で逃亡してた人ですからね…。

森村泰昌 「ラス・メニーナス」
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こちらは2013年の作品で、17世紀スペイン絵画の巨匠、ディエゴ・ベラスケスの「ラス・メニーナス」をテーマにした一連の作品の1枚です。なんと総勢11人もの人物に変装していて、写っているのは全部本人です(犬だけは違うようですがw) よく見ると同じ顔なのが分かるかな。
 参考記事:森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る (資生堂ギャラリー)

こうした名画の再現をしているメイキング映像などを観たことがありますが、絵の中の人物の場所に立ったりすることで誰も気が付かなかったようなこと森村泰昌 氏が発見することもあるようです。特にこの絵は複雑な構成になっているので、各人物からの視点で何が見えるのか検証できそうですね。

森村泰昌 「第2幕 静寂のなかに小さな揺らぎを見つける」
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こちらは「ラス・メニーナス」を鑑賞している森村泰昌 氏。普通の姿の森村氏が写っているのは珍しいかも?? 構成などを考えているのでしょうか。

森村泰昌 氏は同じテーマに繰りかえし挑戦する傾向があるようで、「ラス・メニーナス」もその1つのようです。年をへだてて再挑戦していたり、ほぼ同時期に異なるバリエーションが作られたりします。

森村泰昌 「絵画の国に住む(王女)」
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こちらは「ラス・メニーナス」にも出ている王女マルガリータ。流石に違和感があるけど、こんなに身長が低いのにどうやって変装したのかと疑問がわきますw

森村泰昌「絵画の国に住む(画家)」
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こちらも「ラス・メニーナス」にも出ている画家(ベラスケス)。 一番しっくり来るのがこの姿かな。見事な再現ぶりです。

2018年には大阪に森村泰昌 氏の美術館「モリムラ@ミュージアム(M@M)」も出来るなど、現在も最前線で活躍されています。多方面で活動されているので、様々な展示でよく目にすると思います。

森村泰昌&ザ・モーヤーズ 「ドラス」
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こちらは2002年の作品。ドラえもんをテーマにした展覧会に出品したもので、ドラえもんのドレスでドラスとなっています。等身が人間なのでちょっと不気味w 流石にドラえもんにはなりきれなかったか??

森村泰昌 氏のなりきりは面白いだけでなく再現することで絵の構造や歴史的背景を検証したり、入念なリサーチを活かしてアレンジを加えたりしているようで、その意図や成果を調べると一層に楽しめると思います。

森村泰昌 「時を駆けるドラス」
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こちらは2017年の作品。再びドラえもんをテーマにした展覧会のために作られたもので、コイケジュンコ氏の作った原作漫画を印刷した服を着ています。タイムマシンは分かるけど、何のキャラクターかよく分かりませんねw なりきるという感じではないのが珍しいかも。
 参考記事:THE ドラえもん展 TOKYO 2017 (森アーツセンターギャラリー)

ということで、なりきりぶりが面白いアーティストとなっています。今回は写真がなくてご紹介しきれていませんが、凄い再現度の作品も数多くあり、目にすることも多々あると思います。今後も一層の活躍が期待される方ですので美術ファンは覚えておきたい人物です。



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《マイケル・ケンナ》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、1970年代から現代にかけて活躍する写真家マイケル・ケンナ氏を取り上げます。マイケル・ケンナ氏は長時間露光を使った幻想的な風景写真を得意とし、光の表現や構図の切り取り方にリズムや幾何学性が感じられる作風となっています。その評価は高く、ビクトリア&アルバート美術館やサンフランシスコ近代美術館など世界各国の著名な美術館に収蔵され、今も多くの美術ファンや写真家を魅了しています。日本での撮影も頻繁に行い、日本をテーマにした写真集も出しています。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。

マイケル・ケンナ氏は1953年にイギリス西北部のランカシャーで生まれました。London College of Printingで写真を学んだ後、1976年に高等国家免状を取得し、サンフランシスコに拠点を移して写真家として活動を続け、現在はシアトル在住です。
今回は調べても詳しい経歴などは分かりませんでしたので、作品の写真の羅列となります。簡単な感想と共に以前ご紹介した作品以外の未紹介の作品を取り上げてまいります。
 参考記事:マイケル・ケンナ写真展 (東京都写真美術館)

マイケル・ケンナ 「Ripples and Reflections, Banbury, Oxfordshire, England. 1973」
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こちらは1973年の作品。波紋と水面に映る木となっていて、ちょっと寂しげな印象かな。叙情的な雰囲気は初期から現在まで共通しているように思います。

マイケル・ケンナ 「Twin Towers, Study 1, New York, USA. 1976」
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こちらは1976年の作品。今はなきツインタワーですが、若干霧がかっていてビルというよりは山のような印象を受けます。やや冷たくて無機質な感じもしますね。こうした幾何学性も特徴の1つに思います。

マイケル・ケンナ 「Monterey Pine Forest, Pebble Beach, California, USA. 1978」
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こちらは1978年の作品。霧がかった林の光景で、木々がリズムを生んでいます。この湿気を感じるような柔らかい光の表現も得意の手法じゃないかな。

恐らくこの頃からカルフォルニアに移り住んだようで、カルフォルニアを撮った写真が増えます。

マイケル・ケンナ 「Wave, Scarborough, Yorkshire, England. 1981」
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こちらは1981年の作品。木なのかな?と思ったら波でしたw これは一瞬を捉えたものですがまるで生き物のような形状に観えます。道の静けさとの対比も面白い。

マイケル・ケンナ 「Tilted Poles, Rhyl, Clwyd, Wales. 1984」
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こちらは1984年の作品。白い杭が並ぶ寂しい光景で、暗い背景に異様なほどに明るく写っています。現実なのに異世界みたいな雰囲気が魅力的。

マイケル・ケンナ 「Conical Hedges, Versailles, France. 1988」
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こちらは1988年の作品。連続して並ぶモチーフは割合が多めに思えますが、これはシルエットと白い風景との対比が際立っていて面白い。先程の作品の白黒反転したような印象かな。

マイケル・ケンナ 「Golden Gate Bridge,Study 5. San Francisco, California, USA. 1989」
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こちらは1989年の作品。街頭が立ち並ぶよくある風景ですが、時間が止まったかのような静けさが叙情的。背景の絶妙な明暗がそう思わせるのかな。

マイケル・ケンナ 「Pier Remains, Bognor Regis, Sussex, England. 1990」
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こちらは1990年の作品。連続して並ぶモチーフが反転して浮かぶというのはこれまでと共通していますが、雲・空・海・反射が一体化したような光景がシュールさすら感じさせます。現実なのに超現実的です。

マイケル・ケンナ 「Frozen Fountain, Belle Isle, Detroi, Michigan, USA. 1994」
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こちらは1994年の作品。噴水が凍ったもので、隣に写っている木と比べると巨大な宮殿のように観えますね。モコモコした大樹のようにも思えるかな。冬の寒さが感じられます。

マイケル・ケンナ 「Boat Ramp, Lake Kawaguchi, Honshu, Japan. 2001」
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こちらは2001年の作品。日本にも毎年のように訪れて撮影していたようで、ここでは河口湖の桟橋が写っています。霞む山々が神々しく、日本画のような濃淡が見事。

マイケル・ケンナ 「Ratcliffe Power Station, stydy 68, Nottinghamshire, England. 2003」
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こちらは2003年の作品。発電所の煙突から出る水蒸気?越しに観る月でしょうか。 発電所もよく出てくるモチーフで、特に水蒸気の揺らめく様子などが主題になっているように思えます。

マイケル・ケンナ 「Winter Seascape, Wakkanai, Hokkaido, Japan. 2004」
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こちらは2004年の作品。恐らく防波堤だと思いますが水平方向にきっちり並んでいて、自然の中の人工物があるのが強く感じられます。それにしても曇天が好きですねw

マイケル・ケンナ 「Taushubetsu Bridge, Nulabira, Hokkaido, Japan. 2008」
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こちらは2008年の作品。鉄道ファンにはお馴染みの旧国鉄 士幌線のタウシュベツ川橋梁で、ボロボロになった姿が古代遺跡のような風格を出しています。まるで神話の世界みたいです。

マイケル・ケンナ 「Giza Pyramids, Study 5, Cairo, Egypt. 2009」
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こちらは2009年の作品。ギザのピラミッドがちょっとミニチュアのように見えるのは地面がボケ気味だからでしょうか。3つの三角と水平線のバランスも独特な視点で面白い。

マイケル・ケンナ 「Sadakichi's Docks, Otaru, Hokkaido, Japan. 2012」
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こちらは2012年の作品。小樽の波止場のようですが、自然の中の直線的な人工物というのはここまで観てきた特徴と共通しているかな。海が真っ平らで波がないのが不思議w

マイケル・ケンナ 「Distant Mountains, Pizzoli, Abruzzo, Italy. 2015」
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こちらは2015年の作品。山が幾重にも並び、それぞれにモヤが掛かっているのが面白い光景となっています。雲も呼応して重なってみるし、凄いタイミングw

この他に12年かけてナチスの強制収容所28ヶ所を撮影した「Impossible to Forget」や10年かけて日本の家屋で撮りためた人物の連作「RAFU-裸婦」などもあり、今までに70冊ほど写真集が出版されているようです。風景ばかりかと思ったら人物も撮っているようで、これもまた風景とは違った面白さがあります。モデルによってポーズや体つきが違って個性を感じたり、人体の一部分をトリミングしたような作品があり、抽象化されつつ柔らかさが感じられます。


ということで、神秘的かつ叙情性のある作風となっています。これまでに開催された個展は約450回もあるそうで、世界中で人気の写真家です。日本と馴染みが深い割に紹介される機会が少ない気がしますが、2019年の写美での展示で人気も高まったみたいだし、まだまだ現役なので今後も楽しみな方です。


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《伊東豊雄》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、1970年代から現在にかけて活躍している建築家の伊東豊雄 氏を取り上げます。伊東豊雄 氏は独立後に個人住宅から手掛け、当初は閉鎖性の際立つ家を設計していました。そしてそこから開放に向かっていき2000年には代表作となる「せんだいメディアテーク」で従来のラーメン構造の均質性を打ち破る画期的な工法を示し、世界的な注目を集めました。ヴェネツィア・ビエンナーレで2002年と2012年に金獅子賞を受賞、2013年には建築界の最高峰であるプリツカー賞を受賞するなど現代日本を代表する建築家となっています。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


伊東豊雄 氏は1941年に父親の仕事の影響で現在の韓国のソウル市で生まれました。しかし2歳ころから中学までは長野県の諏訪で過ごし、東京に移り日比谷高等学校を経て、1965年に東京大学工学部の建築学科を卒業しています。卒業後は1965~69年まで菊竹清訓建築設計事務所に勤務し、1971年に独立すると、株式会社アーバンロボット(URBOT)を設立し、代表取締役に就任しました。当初は個人住宅を中心に手掛け、1970年代の公害や都市化の進行による建て詰まりなど 家を取り巻く条件が悪化する中で閉鎖性の際立つ家を設計していきました。

伊東豊雄 「アルミの家」
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こちらは1971年の設計。アルミで覆われた2つのカプセルから成り、ちょっと異様な鈍い輝きを放っていますw  これは東京という年のヴァナキュラー(土着性)を表現するためにアルミを使ったもので、ここでのカプセルは1960年代の建築家たちが思い描いた工業化や標準化の夢から覚めた後のものとして表現しているそうです。内部はベニヤ張りらしいので住むのは大変でしょうねw 実際には東京というよりは鵠沼に近い所のようです。

1970年~80年代半ばの伊藤豊雄 氏は、まず閉鎖的な建物を作り、その後自己批判して倉庫のような(記号的な)建物を作ります。そしてさらに自己批判して柱を立てて屋根をつけるという開放的な建物を作っていきました。

伊東豊雄「中野本町の家」
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こちらは1976年の作品。夫をなくしたばかりの女性とその娘2人のために設計された平屋で、馬蹄状になっている独特な形となっています。

内部の写真を観ると部屋のような廊下のような空間になっていて近未来的な雰囲気です。
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この空間は広間で、幅3.6mもある円環状となっていて、影が大きく壁に映るなど人の動きがよく伝わるそうです。子供が走り回ってる様子からこの家の楽しさが伺えますね。

こちらは中庭の様子。
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柔らかな曲線が優美で、中庭がぽっかり開いているのも面白い。この中庭なら安心して遊べるし陽の光も取り込めそう。

こうして伊東豊雄 氏の設計は閉鎖から開放へと向かっていくことになります。建築が必ず引き起こしてしまう内と外との分離をどのように考えるか、家を通じて検証していたとも言えるようです。

伊東豊雄 「小金井の家」
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こちらは1979年の設計。予算がないから余計なものは一切いらないという施主の要求への回答として、構造は鉄骨造、外壁には当時工場で使われ始めていた押し出し成形セメント板(ECP)が選ばれています。かなりシンプルな造りだけど水平方向に連続した窓が開放感あって洒落た雰囲気に思えます。

この家が示した、フレームをつくればプランが自由に設計できるという可能性を展開するために、この後 伊東豊雄 氏は住宅の商品化を検討する研究会を事務所で定期的に開き、雑誌にクライアントを募集する記事を掲載したりしたそうです。

伊東豊雄 「花小金井の家」
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こちらは1982~1983年の設計。2種類の屋根があり、切妻屋根の舌の空間は閉じていて、ヴォールト屋根(かまぼこ型の屋根)の下の空間は開かれているのが特徴です。後者の二階には民家の土間のように様々な用途に使える空間があるそうで、切妻屋根の下とも階段で繋がっています。左の写真を観ると確かに土間っぽい広大な空間に思えます(特に階段からちょっと下がってる辺り) 天窓から光も入るし、かなり開放感ありそうですね。

伊東豊雄 氏の活動を精神的に支えていたのは思想家の多木浩二 氏(1928~2011)でした。1928年生まれの多木浩二 氏が「生きられた家」を世に問うたのは1976年で、1970年代は家が批評の対象であると同時に批評の主体でもある時代でした。

伊東豊雄 「シルバーハット」
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こちらは1984年の設計で伊東豊雄の自邸となっています。ハットというのは小屋(hut)のことで、3.6m感覚のグリッド状に柱を立てて、その上にスチールフレーム製の7つのヴォールトがふわりとかけられています。ちょっとビニールハウスみたいに見えるシンプルさですが工法はハイテックで、プリミティブな考え方と現代的な素材の統合となっています。確かに小屋っぽさもあって、外でもなく内でもない独特な空間に思えます。

この家が竣工してしばらくしてから中庭にスライド式のテントがかけられたようで、ここでの「小屋」は、住まい手の関与を誘発するものと実現していると評されています。

伊東豊雄 「せんだいメディアテーク」
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こちらは2000年竣工の代表作。6枚の床(プレート)と13本のチューブと呼ばれる鉄骨独立シャフトで作られていて、梁はなく床をチューブが貫通しているという斬新な設計となっています。従来のラーメン構造(柱と梁が一体化した枠の構造)の均質性を打破する工法として非常に高い評価を受け、世界的な名建築として名を馳せました。実際入ったことがありますが、全面ガラス張りで開放感があり、各階を突き抜けるチューブが外からも見えるのが印象的です。ちなみにこの建物はグッドデザイン大賞、日本建築学会賞作品賞、公共建築賞 国土交通大臣表彰など多くの賞を受賞しています。

これに先立って1986年には横浜駅西口にシンボルタワー兼地下街換気塔の「風の塔」を造り、金属板を風などの気象条件に合わせてカラフルな光が浮かび上がるような設計で注目を集めました。

伊東豊雄 「みなとみらい線 元町・中華街駅」
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こちらは2004年の設計。このかまぼこ型のヴォールト天井に今まで観てきた設計に近いものを感じるかな。地下鉄なのにこんなに開放感がある駅はめったに無いと思います。

この2年前の2002年にはヴェネツィア・ビエンナーレで「金獅子賞」を獲得し、2000年代以降は海外でも広く活躍されるようになり日本を代表する建築家の1人となっています。

伊東豊雄 「うちのうちのうち(inside in)」
建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション(東京国立近代美術館)
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こちらは2010年の東京国立近代美術館でのインスタレーション作品。幾何学的なデザインの白い部屋となっていました。

伊東豊雄 「うちのうちのうち(inside in) アーチの連続体で有機的な空間を作る」
建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション(東京国立近代美術館)
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こちらも同じ展覧会での作品。鏡とアーチを組み合わせた不思議な空間で、この写真だけみたら万華鏡みたいに見えるかも。

伊東豊雄 「うちのうちのうち(inside in)」
 左:円柱・円錐の連続体による波 右:3種類の多面体がつくるコスモス
建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション(東京国立近代美術館)
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こちらも同様。不定形の泡のようなものや直線・曲線・多面体など様々な模様があって、実験的な要素を感じます。

この年には今治市に今治市伊東豊雄建築ミュージアムが設立されました。この時点で既に大建築家ですが、この後もさらなる栄誉が待っています。

伊東豊雄 「ヤオコー川越美術館」
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こちらは2011年に開館した美術館。スッキリしたシンプルな外観ですが、展示室内は凹凸の屋根形状となっていて、素材も様々であるので光の明暗や雰囲気が部屋ごとに違うという特徴となっています。外は緑と池が囲んでいて清々しい美術館です。

この年に東北を中心に東日本大震災が起こり、伊東豊雄 氏は被災した岩手県陸前高田市に「みんなの家」を建てるプロジェクトに携わりました。

伊東豊雄、乾久美子、藤本壮介、平田晃久、畠山直哉 「みんなの家(陸前高田)」
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こちらは2012年の第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で金獅子賞を受賞した日本館の展示の一部で、東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市に「みんなの家」を建てるまでの制作過程を、スタディ模型などで紹介しています。この展示では「ここに、建築は、可能か」というテーマが持たれ、「このような状況において、このような場所でのみ、建築本来の姿を問うことが可能ではないのか、という想いの裏返しである。」という意味が込められました。

「みんなの家」は、伊東豊雄氏の呼びかけにより乾久美子 氏、藤本壮介 氏、平田晃久 氏 畠山直哉 氏らと共に作られたそうです。また、みんなの家は、仮設住宅に暮らす人たちにより人間的で居心地の良い空間を提供したいという思いがあるようで、各作品には東北の気候なども考慮して設計しています。ちなみに「みんなの家」は他の建築家の設計も含めて東北各地に結構あって、2012~17年頃に作られました。

陸前高田[みんなの家]チーム(伊東豊雄、乾久美子、藤本壮介、平田晃久、畠山直哉) 「[みんなの家]丸」
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こちらは2013年の六本木アートナイトでのインスタレーション。これは陸前高田に伝わる海上七夕の再現なのだとか。確かに七夕っぽい装飾で、東北への思いが伝わって来ますね。

このイベントの少し前の2013年に建築界の最高峰であるプリツカー賞を受賞しました。2018年には文化功労者にも選ばれ、日本建築界の第一人者となっています。現在でも重要な建物の設計を続けるだけでなく、展覧会の会場構成なども手掛けたりしています。
 参考記事:ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力 (東京都庭園美術館)


ということで、絶対に知っておきたい建築家の1人と言えます。先述の元町・中華街駅のように割と身近に伊東豊雄 氏の設計があるので、実際に体験してみるのも面白いと思います。


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《クリスチャン・ボルタンスキー》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、1970年頃から現代にかけて活躍するフランスを代表する作家クリスチャン・ボルタンスキーを取り上げます。クリスチャン・ボルタンスキーは死や記憶などをテーマにした作品を多く手がけ、時にユダヤ人としてホロコーストの記憶を感じさせる要素も持っています。しかし恐ろしいだけでなく宗教的・神秘的な雰囲気の作品もあり独特の死生観を持っているように思えます。空間演出にも長け、展覧会を自ら構成するなどマルチな才能を見せるアーティストです。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


クリスチャン・ボルタンスキーは1944年にパリのユダヤ人の医師の家庭に生まれ、1955年頃から独学で絵画制作をはじめました。当初は表現主義的な絵画作品だったようですが1968年頃から写真と映像の制作を始めました。最初の映像作品の1つである「咳をする男」(1969年)はミイラ男のような人物がひたすら咳き込む映像ような映像で、同じく初期の「なめる男」(1969年)は男が人形の体や顔を舐め回すという内容です。いずれも苦痛や猟奇的な雰囲気を感じる作風に思えます。1970年代に入ると写真を使って他者の記憶のまつわる作品を制作するようになり、家族写真やセルフポートレートを時系列に並べて人生を追体験するような作風となりました。さらに1980年代には光を用いた宗教的なテーマに取り組むようになり「モニュメント」(1986年)では1970年代のように人の顔の写真を用いつつ電球で教会の祭壇のようなものを作り、ユダヤ人であるボルタンスキーの両親が生きた時代のホロコーストととの関連を感じさせるなど、生死、宗教、人生などをテーマにした作風となっていきました。

残念ながら古い作品は撮影できなかったので、一気に2010年代まで飛びます。2019年にボルタンスキーの個展が東京で2つ開催されました。

クリスチャン・ボルタンスキー 「スピリット」
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こちらは2013年の作品。沢山の顔写真が垂れ幕のようになったもので、まさに魂が浮遊しているようにも見えます。 これらは作者が作品に使ってきた顔写真なのだとか。

ボルタンスキーの家族は戦時中、ユダヤ人として狩られることを恐れて2年間 床下に隠れて生活していたそうです。戦後になっても大虐殺の恐ろしさを語り継ぎ、その恐怖は消えることなく家族全員でひとつの部屋で寝て、ボルタンスキーは18歳になるまで1人で外の道を歩いたことがなかったほどなのだとか。そのため学校にも行かず、兄が描く絵を観てアーティストを目指すようになりました。初期の絵は表現主義的と言われますが、本人は「アウトサイダー的な、病理的な絵」と述べています。

クリスチャン・ボルタンスキー 「ぼた山」
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こちらは2015年の作品。沢山の黒い服が折り重なってできた山で、個人個人の思い出が消え失せ不定形な塊だけが残っているのを示しています。これも死や強制収容所などを想起させ、人が折り重なっているような不気味さがあります。

クリスチャン・ボルタンスキーはこの頃に「アニミタス」という映像シリーズを制作しています。このシリーズの1作目はチリの砂漠で作られ、そこは独裁化で消えていった人を偲ぶ霊廟・巡礼地でもあった場所だったらしく、「アニミタス」はチリの人々が死者の霊を祀るために路傍に置く小さな墓標を示します。

クリスチャン・ボルタンスキー 「アニミタス(ささやきの森)」
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こちらは2016年の作品。日本で撮られた映像で、チリチリとなる風鈴と、背後でセミの声が響いて 結構風情ある感じに思えます。 何と12時間もあるようで、日の出から日没までをワンカットで連続撮影しているようです。こちらは見慣れた日本の風土ということもあって、それほど死や寂しさは感じませんでした。

クリスチャン・ボルタンスキーは1990年に水戸芸術館で日本初の個展も開催しています。当時、作家自身も来館して前述の祭壇のような「モニュメント」や水戸市民の古着を使ったインスタレーションなども作りました。その後も大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレや瀬戸内国際芸術祭に参加するなど、日本とも長い縁があるようです。

クリスチャン・ボルタンスキー 「アニミタス(死せる母たち)」
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こちらは2017年の作品でイスラエルで撮られた映像。このバージョンは死海となっていて、300個の日本の風鈴が並んでいます。この風鈴はボルタンスキーの生まれた1944年9月6日の夜の星座の配置に置かれているそうで、短冊もついています。他に何も無い所で非常に寂しい光景に見えるかな。時の流れや哀悼の意味が込められているように思えました。

この映像が展示された際、映像の前に草が敷き詰められていました。会期中に時間と共に変化していくのも作品の一部だったようで、こうした手法は国立新美術館の展示でも行われていました。

クリスチャン・ボルタンスキー 「アニミタス(白)」
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こちらは2017年の作品。無数の風鈴がキラキラした音を鳴らしています。どこまでも真っ白な世界で、これも死を連想するかな。ちょっと賽の河原みたいというか…w 神聖に感じる一方で寂しい光景に思えます。

クリスチャン・ボルタンスキーは「空間のアーティスト」を自負しているようで、2019年の展示でも会場構成を自ら行いました。一種の宗教施設のような神聖さとお化け屋敷のような怖さ・ユーモアが混ざったような独特の空間となっていました。会場の始まりから終わりを人生に見立てる意図もあったようです。

クリスチャン・ボルタンスキー 「ミステリオス」
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こちらは2017年の作品。3つの映像から成り南米のパタゴニアでクジラとコミュニケーションをとる意図があるそうです。このラッパ状のオブジェの音が鳴り響き、錆びた金属が動くような音とラッパの音が混じったような感じかな。これをクジラに聞かせて反応があるのかは分かりませんが…。

ボルタンスキーはインタビューでドイツとの繋がり 特にカール・ヴァレンティン(喜劇役者)からの影響の強さを語っていたのを聞いたことがあります。割と暗いテーマが多いのに喜劇役者からの影響というのが意外です。

クリスチャン・ボルタンスキー 「白いモニュメント、来世」
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こちらは2018年の作品。先程の3面の映像の裏に回ると来世に続いていましたw 白いのはお墓かビルでしょうか。ちょっとチープなネオン文字に可笑しみすら感じます。

ユダヤ人が輪廻の概念を取り入れるのはちょっと不思議な気がしますが、クリスチャン・ボルタンスキーは「私は偶然20世紀のパリに生まれましたが、前世紀のアマゾンに生まれたらシャーマンに、ロシアならばユダヤ教のラビになっていたかもしれません。そういう私がつくろうとしているものは、各人がそれぞれの仕方で理解できるものです。たとえ疑問があったとしても、その答えはひとつとは限らないものです。」と語っています。生と死の考え方に正解は無いですもんね…。
 引用元:https://www.pen-online.jp/feature/art/boltanski_lifetime/4

クリスチャン・ボルタンスキー 「幽霊の廊下」
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こちらは2019年の作品。廊下の両側に影絵が揺らめく感じで、死を感じさせるモチーフが多いですが、ここまで来るとハロウィン的なちょっと楽しげなものにすら見えます。ボルタンスキーは死を必ずしも悲観的に捉えていないように思えるかな。本人はこの作品について、完全に表現主義的な作品で、ほとんど絵画のようだと語っています。


ということで、ちょっと不気味で 死や幽霊などを彷彿とさせる作品が多いものの、何故か惹かれる死生観のアーティストとなっています。まだ現役で活躍しているし日本でも活動することがあるようなのでまた展示を観られる機会を楽しみにしたいと思います。

 参考記事:
  クリスチャン・ボルタンスキー - Lifetime (国立新美術館)
  CHRISTIAN BOLTANSKI - ANIMITAS II (エスパス ルイ・ヴィトン東京)


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《安藤忠雄》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、1970年代から現代にかけて活躍されている建築家 安藤忠雄 氏を取り上げます。安藤忠雄 氏は驚くことに建築は独学で学んでいて、当初は住宅建築を手掛け1973年に「都市ゲリラ住居」という論文を書いてから注目を集めるようになり1976年設計の「住吉の長屋」で一躍有名になりました。1995年には建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞するなど現在では日本だけでなく世界的にも重要な人物となっています。打ちっぱなしコンクリートをよく用いる他、居住性よりも自然光を取り入れることや 周辺環境と一体化するような個性的な建築を旨としているのが特徴となっています。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。

安藤忠雄 氏は1941年に大阪市で生まれ、大阪で育ちました。高校在学時にプロボクサーのライセンスを取得しグレート安藤という名前で10試合(1年半)ほどリングに立っていたようです。建築には大工や教師の影響で興味を持っていたようですが、大学には通わず独学で建築を学んで、わずか1年で建築士試験に受かりました。その独学方法は本を読んだり実際に名建築を観てスケッチしたり体験することだったようで、日本全国(特に奈良・京都)を始め世界各国の建築を見て回ったようです。特に丹下健三の香川県庁舎を観て、建物はパブリックなものであるという考えを持ちました。また、世界放浪はインドやイスタンブール、欧州各国など様々な地を巡り、マルセイユではル・コルビュジエのユニテなども見て回ったそうです。その後、1969年に28歳で大阪に事務所を構えたものの、最初はあまり仕事が来なかったそうで、ようやく来た仕事も予算が無く場所も狭い…という状況でした。しかし1973年に「都市ゲリラ住居」という論文を書いてから注目を集めるようになり住宅建築が原点となっていきました。

安藤忠雄 「住吉の長屋」の模型
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こちらは出世作とも言える1976年の設計。今や安藤忠雄 氏の代名詞的な打放しコンクリートで出来た長屋で、家の真ん中に中庭と屋根のない通路があるので、私はてっきり集合住宅かと思っていたのですが、実はこれは一軒の家です。部屋と部屋の間を行き来するには一旦屋根のない通路に出る必要があり、設計時に「冬寒かったらどうするの?」と施主に聞かれた際に「寒かったらシャツをもう1枚着てください」と答え(2回くらい同じ質問をされたようです)、さらにそれでも寒かったら??と訊かれると「諦めてください」と答えたそうですw この回答に安藤忠雄の哲学があるように思います。安藤忠雄 氏はこの斬新な建物で1979年に日本建築学会賞を貰い世界的に有名になったのですが、ある人から この賞は施主さんにあげるべきなんてことも言われたそうですw 全くもってその通りだと思いますが、それでも40年くらい住んでいるのだから、施主さんも凄い!

この住吉の長屋もそうですが、安藤忠雄 氏は割と早いうちに打ちっぱなしのコンクリートを使い、開口部を大きくして自然光を取り入れるスタイルを確立しているように思います。普通の家でも、冬はスキーウェアで過ごすと言う話や、家の裏の公園に木が欲しいと言って勝手に木を植え替えて怒られたという話など、驚きのエピソードに事欠きません。

安藤忠雄 「光の教会」(原寸再現)
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こちらは1989年に竣工した教会の再現。3500万円という格安の費用で作られ、教会ぽさを感じるのは十字架だけかなw この十字架の部分から光が取り込まれるようになっています。

中はこんな感じ。十字の形の光が何とも神秘的。
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ちなみに、この十字の部分は実物ではガラスがはめ込まれているのですが、当初の設計では何も無く外に直結していたようで、この再現でも十字型に穴が開いてます。信者さんたちがガラスを入れてくれと頼んだので入れたそうですが、その気持ちは痛いほど分かりますw 安藤氏の哲学は快適さを求めるものではないのがよく分かるエピソードです。

1980年代には関西を中心に商業施設や教会なども手掛けるようになっていました。光の教会はその代表作ですが他の教会も神秘的な光の演出があり、打ちっぱなしのコンクリートなのに神聖な雰囲気となっているのが流石です。

こちらは現代アートの島として有名になった直島の再現模型。
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直島は元々は鉱山の島で環境破壊などで荒れ果ててしまったのですが、現在のベネッセの会長の福武總一郎 氏が現代アートの島とすべく尽力し、各建築の設計を安藤忠雄 氏に依頼して、現在のような美術館が点在する島となりました。ベネッセハウス ミュージアム(1992年)、地中美術館(2004年)、李禹煥美術館(李禹煥 氏のコラボレーション。2010年)、ANDO MUSEUM(2013年)などが安藤忠雄 氏による設計となっています。

安藤氏は設計をする際に徹底的にその場所を研究するそうで、周辺環境と一体化するような個性的な建築を旨として その思想が反映された設計を多く手掛けています。
1995年にはプリツカー賞を受賞し、イェール大学やコロンビア大学、ハーバード大学などの超名門校で客員教授を務め、ニューヨーク近代美術館やポンピドゥー・センターで個展を開催するなどまさに日本を代表する建築家となりました。

久留正道・安藤忠雄 「国立国会図書館国際子ども図書館」
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こちらは元々は明治39年に帝国図書館として建てられたもので、設計はジョサイア・コンドルの弟子である久留正道と真水英夫らです。ルネサンス様式で重厚な印象を受ける建物ですが、1990年代後半に改修の話が挙がり安藤忠雄 氏が古い建物を活かしつつ、現代的要素を取り入れた斬新な設計を行いました。
 参考記事:久留正道・安藤忠雄 「国立国会図書館国際子ども図書館」

こちらは内部(3階のラウンジ)何と、レンガ棟を囲うように新しいガラス張りの建物が増築されているという造りになっています。
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安藤忠雄 氏はこうした新旧の建物を融合させる設計をいくつか行っていて、ポンピドー・センターの隣にできた今春(2021年)オープン予定の美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」では古い円形の建物の中にコンクリート製の新しい建物を入れ子のように建てる設計となっています。まっさらな所に作るよりも難易度が高そうなので、安藤氏が単に型破りなだけでなく建物そのものへの深い理解があることが伺えます。

設計:株式会社 安藤忠雄建築研究所、株式会社 日建設計 監理:株式会社 フケタ設計
「国立国会図書館 国際子ども図書館アーチ棟」

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こちらは2015年に竣工した国際子ども図書館の新館のアーチ棟を横から見た所。この中には研修室や資料室、書庫などがあるようです。全面ガラス張りで先程の本館とは趣きが違っていますが、安藤忠雄 氏の幾何学的・直線的な特徴が出ているように思えます。

安藤忠雄 氏とその事務所はこうした大プロジェクトを年に10軒以上手掛けた年もあり、本当に驚異的です。身近なところでは表参道ヒルズや東急東横線の渋谷駅なども手掛けています。

安藤忠雄 「21_21 DESIGN SIGHT」
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こちらは2007年3月に開館したデザイン専門の美術館21_21 DESIGN SIGHT。打ちっぱなしのコンクリートで自然光を取り込む点などに安藤忠雄 氏の特徴が出ているように思います。この建築では21_21 DESIGN SIGHTのディレクターを務めた三宅一生 氏の「一枚の布」のコンセプトに倣って、「一枚の鉄板」というコンセプトで作られていて、日本一長い複層ガラスや大きな屋根にそれが表れています。幾何学的で無駄の少ない造りだし、見た目も美しい美術館です。

安藤忠雄 氏は多くの公共施設を手掛けていますが、2020年3月には大阪市北区中之島に「こども本の森 中之島」をオープンさせました。ここはなんと安藤忠雄 氏が建物を寄付した施設で、2017年に「本や芸術文化を通じて子どもたちが豊かな創造力を育む施設として活用するため、中之島公園内に「(仮称)こども本の森 中之島」を整備し、大阪市に寄附するとともに、運営費用については、広く賛同者を募り大阪市への寄附を呼びかけていきたい」という提案をしたそうです。もはや単なる建築家やアーティストを超えて偉人の域に達してますね。

安藤忠雄 「光の美術館」
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こちらは山梨県の長坂にある清春芸術村の建物で、2011年に作られました。中にはスペインの抽象画家アントニ・クラーベの作品が10点程度展示されていて、クラーベのアトリエから着想を得た設計となっています。

こちらは特別に許可を頂いて天井を撮ったもの(普段は撮影NGです)
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この美術館の特徴は何と言っても人口照明が全くないことで、降り注ぐ光のみで鑑賞する点がユニークです。まさに光の美術館。
 参考記事:清春芸術村の写真 後編 (山梨 北杜編)

安藤氏は建物を作って終わりというのではなく、緑化や植樹など旺盛な社会活動も行っています。大阪では桜の会という桜3000本を植樹するプロジェクトを立ち上げ、これには約5億円の資金が必要でした。そこで行ったのが1人1万円の市民の寄付を募ることだったのですが、これはかつて東大寺が作られた際、国民の力で作られたというのが参考になったそうです。単に寄付してくれといっても中々集まるものではないので、桜に名前を入れられるようにしたところ、瞬く間に寄付金が集まったようで、そうしたアイディアも流石です。(さらに小泉政権時代に小泉氏に直接交渉するなどの行動力も半端では無いエピソードもあります)

ということで、単なる建築家という枠では語りきれない人物となっています。今も続々と大型施設が竣工されていますので、美術ファンではない方も是非知っておくべきだと思います。
 参考記事:安藤忠雄展―挑戦― (国立新美術館)



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