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《野口哲哉》 作者別紹介

今日は2000年代後半から現在にかけて鎧武者をテーマにした作品で人気を博している野口哲哉 氏を取り上げます。野口哲哉 氏は鎧を着た武者の彫像や絵画作品を多く制作していますが、ただの武者像ではありません。無邪気な姿だったり 現代の人がよくやるような姿や、喜怒哀楽を顕にする姿など、茶目っ気と人間性を感じさせる独特の作風となっています。中には現代の品を持っていたりする者もいる反面、昔の西洋絵画を思わせるタッチで描きあげるなどユニークな世界観となっています。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


野口哲哉 氏は1980年に香川県高松市で生まれ、2003年に広島市立大学芸術学部油絵科を卒業し2005年には同大の大学院を修了しています。2008年には早くも個展を開いていて、主に「鎧と人間」をモチーフに絵画や彫刻作品を手掛けています。その他にも作品集などの著書や、CHANELやAudi Japan等の企業とのコラボレーション、2015年の羽田空港国際線ターミナルでアートディレクションなど幅広く活躍されています。(ちょうどこの記事を書いている2021年5月にも山口県立美術館で個展を開催しています)

作品の制作年代が分からないものばかりなので、ここからは2018年にポーラミュージアム アネックスの個展で撮った写真の中から、当時の記事に載せなかった作品を中心に私の簡単なコメントと共にご紹介していこうと思います。
 参考記事:野口哲哉「~中世より愛をこめて~ From Medieval with Love」(ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX)

野口哲哉 「アクションマン・シリーズ」
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まずこちらを観れば、その独特の作風が分かるのではないかと思います。戦隊モノのポーズみたいなはっちゃけた侍達w 躍動感に溢れているけどちょっと間抜けな感じが面白い。こうした古い鎧を着ているけど中身は現代的でシュールな雰囲気が好きですw

野口哲哉 「STRIPE」
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こちらはめちゃくちゃ落ち込んでる侍。ここまで項垂れてると声を掛けない方が良さそうな…。侍=強いという固定観念がある為か、一層に喜怒哀楽が感じられるように思えます。

野口哲哉 「NIGHT HEAD」
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なぜこのタイトルにしたのか本人も記憶がないようですが、夜の精(コウモリとか悪魔とか)の姿を鎧兜に求めて作ったようです。ハンドシグナル送ってるような仕草に見えるかな。工事現場のおっちゃんみたいに見えるw

実際、鎧兜には奇抜なものがあったりするわけですが、野口哲哉 氏は「[サムライは私達と違うから奇妙な格好をしていた] のではなくて、[私達と同じ人間がなぜ奇妙な姿で戦っていたのだろう]と思うことが歴史や人間のみかたを大きく転換させてくれるキッカケになります。武人論に酔うのではなく、合理的に真実に迫ることで見えてくる人間の本当の強さや優しさがあるはずです。」と語っています。

野口哲哉 「IRON ARMOUR -雑賀風-」
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こちらは地方色の強い「雑賀風」という種類の甲冑をモチーフにしたもの。三重の伊勢あたりのもので、リベットを装飾的に使っているのが特徴的です。これは割と普通の武者像ぽいけど中の人はリアリティある顔つきですね。

野口哲哉 「OLD MAN」
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まるで昆虫の標本のようなサムライw 装備品が大きな昆虫のようなのが面白い。なんか妙にちょこんとしていて可愛いし。

野口哲哉 「ClEVER BIRD」
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こちらは野口哲哉 氏がドキュメンタリー映画で目にしたナショナル・ギャラリーの館長のニコラス・ペニー氏をモデルにしたサムライ。鋭い眼差しがフクロウなどの鳥を彷彿とさせますね。

野口哲哉 「小武人 肘掛様態像」
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こちらは都会のカフェで立ち飲みしているのをイメージした作品。じっと横目で観て何かを待ってるんでしょうか。たまにこういう方を見かけますよねw

野口哲哉 「ヒューマン・レース」
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こちらは腰に手を当ててじっと考え込んでいるような姿。昔のサムライもきっと我々と同じように苦悩したり困ったりしていたんでしょうね。野口哲哉 氏の作品を観ているとサムライたちへの親近感というか、彼らも我々と同じく人間として生きていたというのを当たり前ながら再認識させられます。

野口哲哉 「SMILE」
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こちらは鎧にスマイルマークの入った作品。組み合わせの妙に驚くけど質感には違和感がないw そう言えば野口哲哉 氏はシャネル侍って作品も作っていたのを思い出しました。

野口哲哉 氏は彫刻作品だけでなく絵画作品も手掛けています。
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こちらは西洋絵画と日本の歴史を同じ年代でリンクさせるように、各時代ごとの作風に似せた絵のシリーズとなっています。

野口哲哉 「AD1230 ~紫裾濃白妻取の鎧と雀~」
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こちらはジョットと同時代の鎌倉時代の元寇の頃を合わせた作品。まるで当時の作品のように画風だけでなく質感の再現も凄い。日欧双方のかなり詳細な知識を持っていないとできない芸当ですね。

野口哲哉 「AD1510 ~美食の寓意~」
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アイスクリームを手に持つ武者w アイスクリームは中世終盤にメディチ家の晩餐で供されたのが最古の記録とのことで、当時の寓意画っぽく描かれています。美女とかではなく武者ってのがミスマッチで面白い。

野口哲哉 「AD1530 ~鹿角の立物と水玉紋入りのカフタン~」
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やけに鮮やかなオレンジの服(カフタン)を着た武者の後ろ姿。カフタンはトルコの衣装ですが日本の陣羽織に似ていて、その影響があるのかも?? ちょっと背中に哀愁を感じる。

野口哲哉 「AD1555 ~三日月の兜と釣鐘草~」
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ハンス・ホルバインと毛利元就は同い年だそうで、1555年頃の画風と人物をかけ合わせています。手に摘んだ花が可憐で、むしろデューラーっぽく感じたかな。

野口哲哉 「AD1585 ~赤母衣と空~」
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こちらはなんともシュールな作品。AD1585は戦国末期の頃ですが、穏やかな雰囲気で爽やかにすら感じられます。

野口哲哉 「AD1637 ~大波の前立兜~」
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江戸時代初期の島原の乱が起きた時、オランダのレンブラントは31歳だったそうでレンブラント風の肖像となっています。まだ破産する前のイケイケの時期かな。日本とヨーロッパの同じ時代の出来事を比べると意外なことって結構ありますね。。。 

最後にこちらは横須賀美術館で行われた展覧会のイメージキャラクター
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絵柄はこれまでとだいぶ異なるゆるい感じだけど、弁慶みたいなスーツ姿の男性や旗を持った鎧の猫など野口哲哉 氏らしいアイディアが詰まってますね。


ということで、鎧や西洋絵画の深い理解を下敷きに、自由奔放な武者たちを作り上げています。以前にギャラリーが集まるアートフェアで販売していたのを観た(2010年のギャラリー玉英)のですが、かなりの人気ぶりでした。熱心なコレクターもいるようだし、個展も盛んに行われているのでますます人気が高まっていると思われます。今後も熱く注目したアーティストです。


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《フィリップ・パレーノ》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、アルジェリア生まれでパリを拠点に活動している現代アーティストのフィリップ・パレーノ氏を取り上げます。フィリップ・パレーノ氏は展覧会を1つのメディアとして捉えているのが特徴で、パリのパレ・ド・トーキョーやロンドンのテートモダン・タービンホールといった大規模な会場を劇的に変化させ、高い評価を得ました。他の作家とのコラボレーションも多く、共同で映画を制作するなど幅広く活躍されています。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


フィリップ・パレーノ氏は1964年にアルジェリアのオランで生まれ、1983年から1988年までフランス南西部のグルノーブルの美術学校で学び、さらに1988年から1989年までパリのパレ・ド・トーキョーの視覚芸術高等専門学校で学びました。そして1990年代初頭から作品を発表し、高い評価を受けることになります。先述の通りフィリップ・パレーノ氏の特徴は映像、彫刻、ドローイング、テキストなど多様な手法を用いて展覧会を一種のメディアとして捉えることで、個々の作品の意味ではなく独特のコンセプトを通して、時間と持続性のアイデアを広げることに焦点を当てています。1990年代に物語と表現に対する独自のアプローチを検討し始め、以来、国際的に展示を行っています。
そのため、今回は2019年にワタリウム美術館で行われた展示を振り返る形でご紹介していこうと思います。

フィリップ・パレーノ 「花嫁の壁」「ハッピー・エンディング」
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こちらは2018年の作品。前者はアクリル板とLED証明、プラグから成る作品で、後者は電気スタンドのように観えている作品です。「花嫁の壁」は元々はフィラデルフィア美術館でのグループ展「花嫁のまわりで踊る」(2012年)のために構想されたもので、マルセル・デュシャンのガラス作品の「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」に由来します。この展示において「準客体」という存在であるとのことで、、準客体というのはサッカーで言えばボールのようなもので、自ら主体的に動くわけではないけど状況を導くのでただの客体ではないものを指すそうです。意図を聞いても難解ですが、透明な板を使ってる点はデュシャンからの着想というのは何となく納得かなw また、「ハッピー・エンディング」の方はたまにチカチカしていてややシュールな雰囲気を漂わせていました。このスタンドはちょっとずつネックと電気コードの形が違うのだとか。

フィリップ・パレーノ氏は、あらゆるメディアで他のアーティストと共同作業を行ってきたそうで、伝説のキュレター、ヤン・フートがコラボレートした展覧会「水の波紋展」や、現代アーティストのダグラス・ゴードン氏と共同で『ジダン:神が愛した男』(2006年)という映画なども制作しています。サッカー選手の映画とかちょっと意外ですね。

フィリップ・パレーノ 「しゃべる石」
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こちらは2018年の作品。観た感じはただの石に観えますが、石の下から日本訳されたフィリップ・パレーノ氏のテキストの朗読が流れてきます。オリジナルはフィリップ・パレーノ氏自身が美学と認知科学における表現について映画監督のゴダールの声真似をしているそうで、むしろそれが聞いてみたかったw 延々と石が話しているような奇妙な空間となっています。

フィリップ・パレーノ氏は2015年にニューヨークのパークアベニュー・アーモリーのウェイド・トンプソン・ドリル・ホールで開催された展覧会「H {N)Y P N(Y} OSIS」で光、音、プロジェクション、パフォーマンス、リサイタルなどを使って没入的な空間を作り話題となったようです。時間の要素も重要で、鑑賞者の速度をゆるめ、ときに座らせ、それぞれの作品に集中するように促し、最後には各要素を互いに関係させていくという作風となっています。確かにしゃべる石の前では何を言っているのかじっと聞き入りましたw

フィリップ・パレーノ 「マーキー」
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こちらは2016年の作品で、フィリップ・パレーノ氏がプログラムした照明。これは明滅して、たまに激しく変化します。

光るとこんな感じ。
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こちらの動きに合わせて光っているのかと思ったらそうでもなかったw タイトルは20世紀初頭の映画館や劇場で映画のタイトルや役者を知らせた白熱光の庇のことだそうで、確かにそれを彷彿とさせます。これも部屋と作品が一体化するような感じとなっていて、SFの世界や実験所に足を踏み込んだような気持ちになりました。

このマーキーは2006年に始まったシリーズで、作品の数は現在までで50以上になるそうです。白熱電球やネオン管といった旧世代の照明技術と最新の機器を使っていて、作品によって形や光の動きは様々で、そのプログラムは作品を重ねるごとに発展しつづけているのだとか。

フィリップ・パレーノ 「吹き出し(白)」「壁紙 マリリン」
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前者は1997年、後者は2018年の作品。この部屋に入った時、驚きで思わず声が出ました。 「吹き出し」は漫画の吹き出し型の風船で、現代社会では語られない言葉と言語の象徴とのことですが、最初観た時はクラゲかと思ったw 一方、壁紙はアヤメの花をパターン化したもので、フィリップ・パレーノ氏の映像作品でマリリンモンローをテーマにした舞台の背景にも使われたそうです。と、そういう制作背景よりも圧倒的にシュールなこの光景がインパクト大w

逆側から観るとこんな感じ。
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やはりこちらもチカチカと明滅を繰り返します。しばらくいると慣れるけど、割と不安な気分になるw 

フィリップ・パレーノ氏にとって、展覧会と展覧会の作り方という概念は、中心的な側面となっていて、インタビューで「私が一般的に行っていることは、展覧会を開催する場所に合わせたものです。私は展覧会を『旅行』しません。それは不可能だからです」と話しています。その為、会場によって様々に変化するようで、オブジェクト、音楽、光、映像を使って空間を劇的に変えることで建物そのものを、生きた、進化しつづける有機体に変えると評されています。

ということで難解なところもありますが、その独特の空間の作りに驚くアーティストとなっています。今の所、日本ではこのワタリウム美術館の展示くらいでしか観たことはありませんが、世界的に活躍されている方なので名前と作風は知っておくと良いのではないかと思います。

 参考記事:フィリップ・パレーノ展 オブジェが語りはじめると (ワタリウム美術館)


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《三沢厚彦》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、着色した木彫りの動物像で人気を博す現代アーティストの三沢厚彦 氏を取り上げます。三沢厚彦 氏は1990年代から活動されていて、一時は母校の講師などでそれほど多くの個展を行わない時期がありましたが、2000年頃から動物をモチーフにしたシリーズを制作するようになり、2000年代半ば以降からは各地の美術館で展覧会が開かれるほどの人気となりました。その作風は素朴さと親しみを感じさせるもので、大人のみならず子供も楽しめる造形となっています。 今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


三沢厚彦 氏は1961年の京都生まれで、子供の頃から彫刻家を目指し、美術高校を経て東京藝術大学美術学部彫刻科に入学し1987年に卒業しました。1989年に東京藝術大学大学院 美術研究科 修士課程彫刻専攻を修了し、1995年頃には個展を開いていたようで、1997年には母校の東京藝術大学美術学部彫刻科で非常勤講師を務め、同様に武蔵野美術大学造形学部彫刻学科でも非常勤講師を務めていました。(この頃はちょっと個展少なめ) そして2000年頃から「ANIMALS(アニマルズ)」という動物を等身大に表現するシリーズを作り始め、2001年には第20回平櫛田中賞を受賞し、翌年には『三沢厚彦 アニマルズ』(求龍堂)を刊行するなど人気が高まっていきました。日本各地の美術館で展覧会が開かれ、2006年からは先述の武蔵野美術大学で客員教授、2011年からは特任教授となるなど着実にキャリアを積み上げられています。

今日は正確な名称および制作年代が分からない作品ばかりなので、私の感想のみとなります。

こちらは木彫りのシロクマ。
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クスノキを木彫りし着色したもので、独特の表情と量感ある身体の表現が特徴的です。可愛らしくてちょっと素朴

彫刻の中には木だけでなく粘土の作品もあるのですが、ちょっと写真がありませんでした。木彫りする前に粘土で構想してるのかも??

こちらはユニコーン
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本物の馬ほどではないですが、大型の像で立派です。どの動物でも一目で三沢氏の作品と分かる個性があります。ピカソの新古典主義の時代のような力強い雰囲気かな。

想像上の生物も制作されているようで、聖獣の麒麟やペガサスなども観たことがあります。実在の動物と共に並んでいると想像上の動物も同じ作風なので違和感がなく、実在していそうに思えてきます。

こちらは山羊
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先程のユニコーンにちょっと似てますね。このちょっとほのぼのするテイストが子供から大人まで人気の理由かもしれません。

三沢厚彦 氏は木彫りの動物の作品が有名ですが、それだけでなく様々な生活用品や廃品のようなものを使った作品などもあります。ちょっと縄文土器を思わせる作品なんかもあったり。また、絵画作品も手掛けています。

こちらが絵画作品。
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彫刻を絵画にしたような感じで、やや平坦で量感が減っているようにも思えるかな。彫り跡がマチエールになったような表現なので彫刻と共通する部分の方が多いように感じます。

三沢厚彦 氏は2005年には第15回タカシマヤ美術賞を受賞、2007年には第34回長野市野外彫刻賞を受賞しています。その頃から展覧会も増えて一気にブレイクした感じかな。

こちらは見落としそうな位小さいリス。
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どういうわけか、動物たちはよく手を前に出すポーズを取っているような気がしますw 目も共通している感じがするかな。

こちらは白ウサギ。
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ピンクの長い耳がキュート。この着色も独特の優しく素朴な雰囲気の要因に思えます。

三沢厚彦 氏は今では毎年のように各地で展覧会が開催されていて、私は2回(2014年の岩手県立美術館と2018年の横須賀美術館)観たことがあります。2017年には渋谷の渋谷区立松濤美術館、2020年には大阪の あべのハルカス美術館で個展が開催されているので、認知度も高いのでは?

こちらもウサギ。
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色違いでポーズや形は先程の白ウサギと似ています。柄のせいか表情が違うように思えて面白い。

展覧会に行くと単に彫像が並んでいるだけでなく、美術館のあちこちにいたり森のような部屋が作られていたりと、演出もワクワクするようなものとなっています。

最後に熊。
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野外に展示されると一層に生き生きして観えます。そこまでリアルじゃないんだけど、生命感があるんですよね。

ということで、動物のシリーズが特に人気となっています。素朴さと親しみがあり馴染みやすいと思いますので、機会があったら是非一度 展覧会で観て頂きたいアーティストです。
 参考記事:三沢厚彦 ANIMALS IN YOKOSUKA (横須賀美術館)


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《エルネスト・ネト》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、全世界で高く評価されているブラジル出身の現代アーティストであるエルネスト・ネト氏を取り上げます。エルネスト・ネト氏は2001年のヴェネチア・ビエンナーレでブラジル代表となった方で、作品に触れて鑑賞するスタイルが特徴的です。柔らかく伸縮性のある素材を使ったインスタレーションを作り、有機的かつ生き物を思わせるフォルムとなっています。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


エルネスト・ネト氏は1964年のリオデジャネイロ生まれで、パルケ・ラージ視覚芸術学校を卒業した後、リオデジャネイロ近代美術館で美術を学び、1980年代後半から作品の発表を始めました。1988年にスコットランドで展示を始め、1995年以降は海外で個展を開催しています。2001年のヴェネチア・ビエンナーレでは、ヴィック・ムニーズと共にブラジル代表として参加し、ブラジルのナショナル・パビリオンやアルセナーレでの国際グループ展でインスタレーション作品を発表しました。2006年のパリのパンテオンでの「Léviathan Thot」などが代表作とされています。
今回は2012年に行われたエスパス ルイ・ヴィトン東京での個展の様子を振り返る形でご紹介していこうと思います。

エルネスト・ネト 「Pedras(石群)1」
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こちらはネットにくるまれたボールが詰まった作品。既製品を使ったインスタレーションで、何かの実か幼虫みたいな造形に思えます。

近くで見るとこんな感じ。中はビニールボールで出来ています。
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エルネスト・ネト氏の作品は、「抽象的なミニマリズムを超えたもの」と評されています。単純な素材で不思議なフォルムを生むのが面白い。

エルネスト・ネト氏はこうした大きくて柔らかい素材を用いることが多いようで、伸縮性のある素材、発泡スチロールのペレットや、香りのよいスパイスが詰められることまであるのだとか。

エルネスト・ネト 「Pedras(石群)2」
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こちらはバリエーション作品。こうして置かれていると人工物を集めているのに自然物のようにも見えます。

これらの作品はいずれも、人間性を問題として取り上げていて、同じブラジルのエリオ・オイチシカやリジア・クラークといったポスト新具体主義アーティストから継承した、モノの重みを通じての現実認識として想定された人間性を「身体を通じての関係性の構築」と呼ぶそうです。エルネスト・ネト氏にとってパーツを組み合わせることは、頭の体操であるだけでなく身体的操作でもあるのだとか。

エルネスト・ネト 「TorusMacroCopula(トルスマクロボールト)」「Linhas, pontos e patas(線、点と脚)」
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手前にあるのが「トルスマクロボールト」、後ろの壁に張り付いているのが「線、点と脚」です。これらも同じくネットでボールをまとめたような感じで、「トルスマクロボールト」は「copula invertida」という1989年の作品の再現となっています。当時の「prumo(下げ振り)」と「peso(おもり)」という2つの作品を組み合わせ、卵や受精、精子などをイメージしているようです。確かにそうしたものをイメージさせる滑らかな形をしていますね。

エルネスト・ネト氏はこの作品についてたくさんの穴と、より大きなボールの「卵」で満たされた皮膚の空間の位相的逆転を伴った巨視的ビジョンであると語っています。ポスト具体主義/建設的提案を離れて静物具体主義的プロジェクトへと移行していたそうで、肉(生身)を感じることのできる作品を実現する方法を模索していたようです。

エルネスト・ネト 「A vida é um corpo do qual fazemos parte(われわれは生という体の一部)」
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こちらはかなり巨大なインスタレーションで、連作「Balanço(ブランコ)」に属する体験型の作品となっています。これも材質は他と同じ。

こちらは中に入った様子。
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中は通路になっていて、アスレチックのようです。結構沈みこんで足を取られるので、確かに自分の重みを感じます^^; たまに人とすれ違うと揺れて酔いそうw 奥にたどり着くと居住スペースのようになっていました。

実際にここで寝っ転がりながら体験している人もいました。
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これも宙に浮いているのでやや揺れますが、ハンモック的な感じかな。軽く酔いそうになったのを記憶していますw

エルネスト・ネト氏が来場者に味わって欲しかったのはこの身体的次元であり、空間と生に対する特有の思案と理解方法だったようです。確かにこの作品では自分の重みや浮遊するような感覚があって、空間によって感じ方が変わるように思えました。エルネスト・ネト氏は「生は人間よりも大きく、人間は生の一部に過ぎない」と語っていて、人間を宇宙の中心に捉える人間観に異議を唱えるという趣旨もあったようです。


ということで、コンセプトは深遠ですが馴染みやすい作風のアーティストとなっています。日本でも展示やアートフェスなどで観られる機会があり、新潟の大地の芸術祭(2006年)や東京国立近代美術館でのブラジル展(2004年)などにも出品されていました。今後も観られる機会があると思いますので、その際は是非 実際に体験して欲しいアーティストです。

 参考記事:MADNESS IS PART OF LIFE BY ERNESTO NETO (エスパス ルイ・ヴィトン東京)
 参考文献:エスパス ルイ・ヴィトン東京の当時のカタログ(pdf)


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《イチハラヒロコ》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、「愛と笑い」をテーマに独特のワードセンスで活躍する現代アーティストのイチハラヒロコ氏を取り上げます。イチハラヒロコ氏は1990年前後から言葉を書いた文字だけの作品を制作し、数多くの個展を開催しています。励ますような言葉もあれば あるあるネタのようなもの、共感を呼ぶものなど 常人では思いつかないような言葉が魅力です。1999年頃からは恋みくじという形でも表現されていて、大阪の布忍神社などで人気となっています。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。

イチハラヒロコ氏は1963年の京都生まれで、1983年に京都芸術短期大学(現・京都造形芸術大学)ビジュアルデザイン科を卒業、1985年に専攻科を修了しました。その年のうちに京都で個展を開催していたようで1989年には東京でも個展を行い、1991年の個展では「この人ゴミをかきわけて、はやく来やがれ、王子さま。」という現在の作風に通じるユーモラスなタイトルで注目を集め、それ以降は現在に至るまで毎年各地のギャラリーや美術館、アートフェスなどで活躍されています。
今日は作品の年代が分からないものばかりなので、経歴や年代については省略し、なるべく多くの写真と私の感想のみでご紹介していこうと思います。
 参考リンク:鎌倉ギャラリー

イチハラヒロコ 「君さえいれば、この世はヘブン。」
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まずこちらを見て思うことは、詩なのか呟きなのか分からないけど語感が面白いということではないでしょうかw 天国ではなくヘブンとするところに洒落っ気を感じます。イチハラヒロコ氏の作品はこうしたシンプルな文字の印刷でインパクトを与えてくれます。

今回ご紹介する作品の写真は以前見た展示で撮ったもので、その時のテーマは「ラブにまつわることばの展覧会」だったので、恋愛に関係ありそうな言葉が多くなっています。

イチハラヒロコ 「完売。」
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こちらは何が完売したのかわからないですが、文字と語感の存在感がすごいw この文字の圧も特徴で、押しが強そうな印象を受けますw

作品には主に写植、モリサワのゴシックMB101が用いられ、他の作品もこの字体となっています。

イチハラヒロコ 「あるだけ全部ください。」
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これも恋愛関連の言葉かな? 大人買いを連想しますがw 一度は言ってみたい言葉とか、あるあるネタとか、思わず笑ってしまう言葉のチョイスが独特です。

海外でも「万引きするで。」と書かれた紙バッグを商店の客に配るプロジェクトなどを行い、ドイツやオランダ、ベルギーなどでも個展を開催しています。

イチハラヒロコ 「出会うときは出会う。」
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割と意味深な言葉ですね。後述しますが、イチハラヒロコ氏の作品の中にはおみくじになっているものもあります。

イチハラヒロコ 「期待して当たり前なんだし。」
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バレンタインデーとホワイトデーに関する言葉かな?様々なものに期待を込めたメッセージのようです。

イチハラヒロコ 「おかげ様で天下無敵。」
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こちらは私のお気に入り。謙虚なのか尊大なのかw 言葉に勢いがあって豪快なイメージですね。

イチハラヒロコ 「何事も倍返し。」
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いい人なんだろうけど、怒らせたら怖そうw

イチハラヒロコ 「恋したいって思わせろよ。」
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多分、女性の共感を集めていそうな作品。割とこういう感じの要望なのか苛立ちなのかを表した作品も多いかな。

ちなみに2009年の鎌倉画廊での個展のタイトルは「王子さまが来てくれたのよ、世界でいちばんしあわせよ。」でした。良いことあったんですかね。

イチハラヒロコ 「芸術を日常にする。」
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これは深い言葉だと思いました。芸術は日々の中にあると思います。

イチハラヒロコ 「この世につまらん仕事なし。」
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こちらも中々良い言葉。落ち込んだ時に励まされそう。

イチハラヒロコ 「一生遊んで暮らしたい。」
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みんなそう思うw 直球すぎて面白いです。ってか、さっきのいい言葉は何だったのかw

イチハラヒロコ 「つないだこの手は離さない。」
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これも心洗われるような作品かな。 作品同士に繋がりがあるのか分かりませんが、いくつか並ぶとストーリー性があるようにも思えてきます。

イチハラヒロコ 「幸せは目の前。」
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こちらもポジティブで良い言葉ですね。面白いだけでなく勇気づけるような作品も結構あります。

イチハラヒロコ 「わたしには華がある。」
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自己肯定感高めの作品w ちょっと愛嬌が感じられて好感持てます。

イチハラヒロコ 「わたしはわたしの道をゆく。」
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こちらも自己肯定的な作品。ここまでの作品を見ても我道を行くタイプなんだろうなとw

イチハラヒロコ 「感動確実。」
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映画のキャッチコピーみたいなw ストレートかつシンプルで力強いワードセンスです。

イチハラヒロコ 「もう一度ふたりで始めよう。」
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喧嘩でもした後の言葉でしょうか。物語の始まりみたいな字面です。

イチハラヒロコ 「愛と笑いの日々。」
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これはイチハラヒロコ氏の制作方針を感じるかな。常に「愛と笑い」をテーマに作品を制作されているようです。

イチハラヒロコ 「いつでもどこでも誰とでも。」
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韻を踏んでいて語呂が良い。前向きな雰囲気がありますね。

イチハラヒロコ 「きみが好きでござる。」
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ござるって所に照れ隠しみたいなものを感じるかなw ダサいようなもどかしいような。

イチハラヒロコ 「ハッピー、ハッピー、ハッピー、と思い込む。」
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追い込まれてる時にやりそうな行動で、ちょっとシニカルなものも感じますw

イチハラヒロコ 「チャンスは一度のお約束。」
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意味深に思える作品。チャンスはたくさんある訳でも、全く無い訳でもない… 

イチハラヒロコ 「ひとりで決められない。ひとりに決められない。」
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恋人選びでしょうか?w 贅沢な悩みです

イチハラヒロコ 「ご自分最優先。」
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たまに来るこういう奔放な印象の作品が好きです。重要なことですよね。

イチハラヒロコ 「初めて会った、あの日のように。」
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昔を思い出させるような言葉かな。イチハラヒロコ氏の作品を見ていると、様々な思い出が蘇ってきます。

イチハラヒロコ 「ドリョクハムクワレル。」
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あえてカタカナで書いているのに何か意図がありそう。ちょっとおまじないの言葉みたいな雰囲気に思えます。

イチハラヒロコ 「おねがい週3。」
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週3で何かを頼まれるってのは結構大変なんじゃないかなw 我儘っぽい部分が面白い

イチハラヒロコ 「あなたに褒められたくて。」
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なんだか健気で可愛らしく思える一言。

イチハラヒロコ 「結婚したい。結婚したい。結婚したい。結婚したい。結婚したい。結婚したい。」
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こちらは布忍神社(大阪)とイチハラ氏のコラボレーションの「恋みくじ」の1枚。何だか切実な感じが出ていて可笑しみすら漂うw

イチハラヒロコ 「なんだかしつれいしちゃう」
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こちらもおみくじ。吉とか凶とか無いおみくじですが、その分 気持ちを代弁するような内容で面白いおみくじです。

布忍神社の恋みくじはgoogleのCMにも使われ話題になりました。布忍神社ではこのおみくじを家に持って帰って読み解いて欲しいと言ってます。他にも熊本の山崎菅原神社などでも恋みくじをやっているようです。


ということで、独特のワードセンスで笑いと深いサジェストを投げかけるような作風となっています。毎年のようにどこかしらで個展やイベントを開いているので、今後も観られる機会があると思います。出会ったら是非 ゆっくりとその言葉を味わってみてください。


 参考記事:
  六本木アートナイト2013 (前編)
  イチハラヒロコ展「期待して当たり前なんだし。」 (東京ミッドタウン)


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《楊福東(ヤン・フードン)》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、1990年代から活躍している中国人アーティストの楊福東(ヤン・フードン)氏を取り上げます。楊福東(ヤン・フードン)氏は発展していく中国を目の当たりにした世代で、都市と田舎の価値観の違いや変容などを感じさせる映像を作ってきました。絵画の正規の教育を受けているため絵画的な表現を活かし、中国の伝統文化や故事を取り入れるのも特徴となっています。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


楊福東(ヤン・フードン)氏は1971年の北京生まれで上海育ちの都会っ子で、発展していく中国に触れて育ちました。大学では油彩を勉強していましたが、現代アートに接してからは次第に絵画以上に自分の思いを表現できるメディアがあることを知り、特に映像・映画に魅了されていきました。前述の通り都会で育ったこともあり、急成長した社会の混沌とした気持ちや、中国の伝統も含めた映像作品が多いようです。

こちらが楊福東(ヤン・フードン)氏
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元々は絵画を目指していたので、映像にも絵画的なものを生かしていて、さらに映画監督のフェデリコ・フェリーニからの影響もあるようです。初期作品は観たことがないので、今日は2000年代以降の作品のご紹介となります。

やや馴染みの薄い中国の現代美術についてですが、1978年頃からの鄧小平が行った改革・開放路線によって、社会主義的リアリズムからの脱却が起こり1979年にはアイ・ウェイウェイ氏なども参加していた星星画会(せいせいがかい)が展覧会を開催し、個性を出していきました。この世代の中国のアーティストは、アイ・ウェイウェイ氏の他にも、北京五輪の花火を演出した蔡 國強(さいこっきょう)氏などもいて、絵画や彫刻だけではなく映像やインスタレーションなどで表現する人も多いようです。また、作品の方向性としてはシニカルリアリズムやポップなものが主流で、90年代までの作品は政治や経済について言及している作品が多く、中には過激な作品も含まれているます。今回ご紹介する楊福東(ヤン・フードン)氏はそれより若い次の世代となります。
 参考記事:《アイ・ウェイウェイ》  作者別紹介

楊福東(ヤン・フードン) 「将軍の微笑」
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こちらは2009年の作品。盲目の将軍の最後の誕生会を題材にした作品で、命の尊さをテーマにしています。普通の人と違って地位があり、信念を貫いてきた人間の象徴として将軍を取り上げていて、晩餐会のテーブルを真上から撮った映像なども流れます。また、将軍へのインタビューや、パーティの参加者?の若い女性や男性たちが戯れる映像や、若い女性たちと散歩する将軍の映像、まるで写真のように身動きしないでじっとしている女性の映像などが、展示会場のあちこちで流れていました。これらは年をとった将軍と対称的に、若さや女性といった生命を感じさせ 華やかというか、どこかバブルの頃のパーティみたいな感じもするかな。栄枯盛衰と言ったところでしょうか。

楊福東(ヤン・フードン)氏は映像作品の映写にマルチスクリーンを好んで用い、観る者をその世界に没入させる効果を生み出すのが特徴です。

楊福東(ヤン・フードン) 「The Coloured Sky: New Women II (彩色天空: 新女性 II)」
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こちらは2014年の作品で、複数のスクリーン映像の一部。馬と鹿の映像で背景がやけに鮮やかな色合です。これは中国の故事「鹿を指して馬と為す」を下敷きにしていて、権力で鹿を馬と言い張った故事なので虚実がごっちゃになった世界観に合ってるかも。

楊福東(ヤン・フードン)氏の作品には竹林の七賢人をテーマにしたシリーズなどもあり、中国の故事をふんだんにモチーフに取り入れています。そのため、現代アートではあるものの古典に通じるものを感じこともあるかな。

こちらも先程の作品の一部。謎のピラミッド。シュルレアリスムの世界に迷い込んだような光景です。
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この色合と共にブレードランナーの世界観を思い出しました。(効果音も何となく似てましたw) この作品が初のカラーフィルム作品ということもあって色へのこだわりも感じさせます。

こちらも同じ作品の一部で浜辺の美女の映像。
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背景はセットであるのが一目瞭然で逆にシュールさが際立ちます。無表情なのが怖い。

意図して人工的に作られた浜辺のセットを舞台にしていて、女性たちも時代を感じる水着を身に着けているなど独特の世界観です。この展示を観た時の解説によると「時代を超越したストーリーが、現代性と伝統の狭間に生きる世代が世界を問い、探る場となる、ノスタルジックな雰囲気に満ちた異世界へと観る者を引き込みます」とのことで、一種異様な雰囲気が未だに記憶に残っています。

こちらも同じ映像の一部の美女たち
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グラビアのようにも見えますが、マネキンのように精気がない雰囲気でこの女性たちがスローモーションで動くのも印象的です。こうしたところに絵画的なものを感じるかな。

こちらも同じ映像の一部で食べ物を映していますが、フランドル絵画の静物のようにも思えます。
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ナメクジ?がゆっくり這っていて、どこか死や老いをイメージさせました。西洋美術のメメント・モリも取り込んでいるのかも。


ということで、独特の映像作品で現代の中国を代表するアーティストとなっています。日本では2回ほど個展を観たことがあり、今後も活躍が期待される方だと思います。中国のアートは一層に盛り上がって来ているので、動向を知っておきたいところです。
 参考記事:
  ヤン フードン-将軍的微笑 (原美術館)
  YANG FUDONG THE COLOURED SKY:NEW WOMEN II (エスパス ルイ・ヴィトン東京)
  


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コロナウィルスによる各美術館の休館状況 (1都3県) 【2021年05月13日時点の情報】

今日は緊急事態宣言の延長に伴う各美術館の休館状況についてです。5月11日までとされていた中、どのような状況なのか1都3県の主な美術館の休館状況をまとめました。

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 ※下記はすべて2021/05/13時点で公式サイトに載っている情報となります。
・いずれの美術館も状況によって休館期間の延長や 開催中→休館にする場合があるようですので、詳細については公式サイトを御覧ください
 


<東京都現代美術館>
都の緊急事態措置による全館臨時休館延長のお知らせ(5/12~5/31)


東京都現代美術館は、令和3年5月7日の新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言延長に伴う都の緊急事態措置として、引き続き、5月12日(水)~5月31日(月)まで全館臨時休館となります。

休止となる展覧会(休止期間 ~5/31まで) 
■ライゾマティクス_マルティプレックス
■マーク・マンダース-マーク・マンダースの不在
■Tokyo Contemporary Art Award 2019-2021 受賞記念展
■MOTコレクション コレクションを巻き戻す

ご利用いただけない施設
美術図書室、カフェ&ラウンジ「二階のサンドイッチ」、レストラン「100本のスプーン」、ミュージアムショップについても、休室・休業となります。

今後の開館については、東京都現代美術館のウェブサイトや公式ツイッターで随時お知らせいたしますので、最新の情報をご確認くださいますようお願いいたします。
ご迷惑をお掛け致しますが、何卒ご理解のほど宜しくお願いいたします。



<すみだ北斎美術館>
臨時休館のお知らせ 2021年4月25日~5月31日の間休館いたします


すみだ北斎美術館は、新型コロナウイルス感染予防・拡大防止のため、墨田区の方針に従い、5月31日(月)まで、引き続き臨時休館いたします。
MARUGEN100(講座室)及び図書室、ミュージアムショップは休室・休業いたします。

その後の開館予定につきましては、すみだ北斎美術館ホームページにてあらためてお知らせいたします。
当館の展覧会を楽しみにして下さっている皆様には申し訳ありませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
なお、5月31日以降の状況を踏まえ、今後予告なしに休館期間を変更させていただく場合がございます。予めご了承ください。
 


<江戸東京博物館>
江戸東京博物館では、東京都の方針に則り、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止する観点から、引き続き2021年5月31日(月)まで、展覧会をはじめとする主催事業を休止または中止させていただきます。
 

休止となる展覧会
◇常設展
◇特別展「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」

中止となる催し物等
◇えどはくカルチャー
◇ミュージアムトーク

ご利用になれない施設
図書室、映像ライブラリー、カフェ、レストラン、ショップ
※ホール等の貸出施設はご利用になれます。催し物については主催者にお問い合わせください。

なお、今後の状況により、上記以外の事業についても予定が変更となる場合があります。
その際は公式ウェブサイトやツイッター等で随時お知らせいたしますので、最新の情報をご確認くださいますようお願いいたします。


<東京国立博物館>
臨時休館継続(2021年5月12日〈水〉~)のお知らせ


当館は、総合文化展を5月12日(水)、特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」を14日(金)より開館する予定でしたが、東京都の要請を受けて、新たに示された文化庁の方針により、当面の間、休館を継続いたします。

総合文化展及び特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」のチケットを事前予約された方には誠に申し訳ございませんが、予約されたチケットはすべてキャンセルとなり、代金を払い戻しいたします。

当館の展示を楽しみにして下さっている皆様には申し訳ありませんが、ご了承のほどよろしくお願いいたします。
なお、今後の最新情報やチケットの取り扱いにつきましては当館ウェブサイト及び展覧会公式サイトをご確認ください。


<国立西洋美術館>
休館中。【全館休館期間】2020年10月19日(月)~2022年春(予定)


<東京都美術館>
臨時休館延長のお知らせ(~2021年5月31日)


東京都美術館は、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言延長に伴う都の緊急事態措置として、5月31日(月)まで臨時休館を延長いたします。
ご来館を楽しみにされていた皆様には大変申し訳ございませんが、ご理解いただきますようお願いいたします。

特別展「イサム・ノグチ 発見の道」のチケットを予約/購入されたお客様は、展覧会公式ウェブサイト(https://isamunoguchi.exhibit.jp/)でのご案内をご確認ください。



<国立科学博物館>
国立科学博物館上野本館は5月12日(水)より再開の予定でしたが、東京都からの要請を受け、文化庁の方針が変更されました。
これにより、当館では、5月31日(月)まで臨時休館を継続します。
ついては、当面の間、新規の入館予約を停止いたします。


<東京藝術大学大学美術館>
【臨時休館継続のお知らせ】

緊急事態宣言の延長に伴い、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため「渡辺省亭―欧米を魅了した花鳥画―」は臨時休館を継続します。
なお、チケットの払い戻しにつきましては準備が整い次第、公式ホームページでご案内いたします。
本展を楽しみにしてくださっている皆様には申し訳ありませんが、 ご了承のほどよろしくお願いいたします。


<上野の森美術館>
上野の森美術館 6月1日(月)より再開のお知らせ

上野の森美術館は令和2年3月28日(土)より臨時休館しておりましたが、緊急事態宣言等が解除されたことを受け、6月1日(月)より開館いたします。開館にあたって、ご入館の際は引き続き感染防止等の対策を講じてまいりますので、皆様にはご不便をおかけすることもございますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
なお、政府の方針等の状況により今後の開館状況に変更が生じる場合がございますこと、ご了承ください。



<アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)>
臨時休館のお知らせ


緊急事態宣言の発出を受け、アーティゾン美術館は4月29日(木・祝)から5月9日(日)まで臨時休館いたします。なお、5月10日(月)より14日(金)まで一部展示替えのため全館休館し、5月15日(土)より再開する予定です。ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。詳しくはこちら。*2021年4月24日現在



<三井記念美術館>
臨時休館のお知らせ


政府の緊急事態宣言の発令に伴い、2021年5月31日(月)までの間、休館いたします。
6月1日(火)以降の開館状況につきましては、追って当館ホームページ、
ハローダイヤル(050-5541-8600)にてご案内いたします。



<出光美術館(東京本館)>
【重要】4月27日より臨時休館いたします


新型コロナウイルス感染症の状況に鑑み、4月27日(火)より当面の間、臨時休館いたします。再開時期を含む最新の情報は、当館ウェブサイトまたはハローダイヤルでご確認をお願いいたします。
来館をご予定いただいていた皆さまには大変申し訳ありません。何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。



<東京国立近代美術館>

【美術館】臨時休館延長のお知らせ(05.11更新)

東京国立近代美術館は5月12日(水)より再開の予定でしたが、東京都からの要請を受け、文化庁の方針が変更されることとなりました。これにより、当館では臨時休館の延長が決定いたしました。当面の間は休館し、今後の予定については決まり次第、改めてお知らせいたします。
これに伴い、展覧会「あやしい絵展」「MOMATコレクション」「幻視するレンズ」は終了いたします。皆様には度重なる変更によりご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。ご理解のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【臨時休館期間:4月25日(日)~当面の間】



<東京ステーションギャラリー>
【臨時休館】

政府による緊急事態宣言の発令をうけ、4月27日(火)から当面、臨時休館いたします。すでにご購入済の日時指定のローソンチケットの払い戻しについては決まり次第、当館ウェブサイトにてお知らせいたします。ご理解のほどお願いいたします。



<三菱一号館美術館>
全館臨時休館(Café1894含む)継続のお知らせ

新型コロナウイルス対応における緊急事態宣言の発令により4月25日より全館臨時休館しておりましたが、緊急事態宣言の延長に伴う東京都の休業要請をうけ、引き続き、当面の間、全館臨時休館とさせていただきます。
【臨時休館対象施設】
「テート美術館所蔵 コンスタブル展」
Café 1894
Store1894
三菱一号館歴史資料室
三菱センターデジタルギャラリー

再開の見込みが立つ場合は、当館WEBサイトの美術館ニュース欄にてお知らせいたします。

三菱一号館美術館サポーター制度(MSS)につきましては、臨時休館に伴い販売を中止します。
臨時休館中の対応として、既存のMSSサポーターカードの有効期限を延長いたします。
延長する期間については、決まり次第ご案内します。

なお、本サイトトップページの開館カレンダーについて、東京都の休業要請に従い、5月末日まで「休館」と表示しております。
皆様のご理解とご協力を賜りますよう、何とぞ宜しくお願い申し上げます。



<国立新美術館>
【国立新美術館 臨時休館延⻑のお知らせ 】(2021.5.11更新)


国立新美術館は5月12日(水)より再開の予定でしたが、東京都からの要請を受け、⽂化庁の⽅針が変更されることとなりました。
これにより、当館では臨時休館の延⻑が決定いたしました。
当面の間は休館し、今後の予定については決まり次第、改めてお知らせいたします。皆様には度重なる変更によりご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

臨時休館期間:4月25日(日)~ 当面の間



<サントリー美術館>
サントリー美術館 臨時休館のお知らせ(5/11更新)


サントリー美術館は、政府の緊急事態宣言発令延長および東京都の休業要請に伴い、新型コロナウイルスの感染予防・拡散防止のため、5月31日(月)まで臨時休館いたします。(shop×cafeも同様)
※6月1日(火)は休館日

それに伴い、以下のイベントも全て中止となります。
・5/13(木)、27(木) 呈茶席
・5/22(土) エデュケーターによる鑑賞ガイド
・5/23(日) 学芸員による展示レクチャー

今後も開館状況が変更となる可能性がありますので、本ウェブサイトにて最新情報をご確認ください。



<21_21 DESIGN SIGHT>
臨時休館のお知らせ

21_21 DESIGN SIGHTは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、2021年4月25日 - 6月1日の間、休館いたします。なお、状況により休館を延長させていただくこともございます。最新情報は当ウェブサイトでお知らせいたします。何卒ご理解いただけますようお願いいたします。(最終更新日:2021年5月11日)



<森アーツセンターギャラリー>
5月12日(水)以降の営業に関するお知らせ

森美術館、東京シティビュー、森アーツセンターギャラリーは、政府による緊急事態宣言発令を受け、新型コロナウイルスの感染予防および拡散防止のため、5月11日(火)まで臨時休館しておりますが、5月12日(水)より一部の施設にて、営業を再開いたします。

営業再開にあたっては、政府の緊急事態宣言および東京都の緊急事態措置等の要請に従い、十分な感染予防策を実施しながら、来館者の皆様、スタッフの健康と安全の確保に努めてまいります。

何卒、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
2021年5月11日



<六本木ヒルズ展望台東京シティビュー>
同上


<森美術館>
同上


<大倉集古館>
5月12日(水)以降、臨時休館を継続いたします。

再開館日はホームページ上等でご案内いたします。
ご来館予定の皆様には大変申し訳ありませんが、ご理解のほどお願い申し上げます。



<泉屋博古館 分館>
改修工事のため休館


<東京都庭園美術館>
【重要なお知らせ】休館期間の延長について(5/12~5/31)

緊急事態宣言の延長に伴う都の緊急事態措置として、休館期間を5月31日(月)まで延長いたします。ご不便、ご迷惑をおかけいたしますが、なにとぞご了承ください。
なお、今後の状況により、休館期間が変更となる場合は、公式ウェブサイトやツイッター等で随時お知らせいたしますのでご確認ください。
また、休館期間中に予定されている各種イベントについても公式ウェブサイトやツイッター等でお知らせいたしますので、あわせてご確認ください。



<目黒区美術館>
緊急事態宣言の延長に伴う全館休館のお知らせ


2021年5月11日(火)
目黒区美術館では緊急事態宣言の延長に伴う、東京都の方針及び目黒区の要請により、5月31日(月)まで全館休館いたします。6月1日(火)以降の予定につきましては、当館ウェブサイトにてあらためてお知らせします。ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力賜りますようお願い申し上げます。



<根津美術館>
全館臨時休館延長のお知らせ


緊急事態宣言の発出に伴う要請を受け、根津美術館は4月25日(日)から5月11日(火)まで庭園、NEZUCAFEを含む全館を臨時休館としておりましたが、 宣言の延長に伴い、引き続き休館いたします。 これにより5月16日(日)まで開催予定の特別展「国宝 燕子花図屏風-色彩の誘惑-」は、閉幕いたしました。
すでにご購入済みの上記期間の日時指定入館券の払い戻しについてはこちらをご覧ください。
ご来館予定の皆様には大変申し訳ありませんが、ご理解のほどお願い申し上げます。



<太田記念美術館>
臨時休館のお知らせ


太田記念美術館は、緊急事態宣言の発出に伴い、4月25日(日)より宣言が解除されるまで、臨時休館といたします。
その後の予定は、当ホームページやSNSで随時お知らせいたします。
ご来館を楽しみにしてくださっていた皆さまには誠に申し訳ございませんが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



<パナソニック 汐留ミュージアム>
臨時休館のお知らせ


新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、当面の間、臨時休館させていただきます。
予約サイトでの「日時指定予約」も当面の間、中止させていただきます。
再開につきましては緊急事態宣言が解除され次第、ホームページでご案内いたします。



<日本科学未来館>
臨時休館延長のお知らせ [2021年5月31日(月)まで]

日本科学未来館は、新型コロナウイルスの感染拡大による政府の緊急事態宣言の延長にあわせて、5月11日(火)までとしていた臨時休館の期間を5月31日(月)まで延長いたします。今後、予定が変更される場合は、当館のウェブサイト等で随時お知らせいたします。

なお、リアル脱出ゲーム×日本科学未来館『人類滅亡からの脱出』については、5月30日(日)までのイベント開催を取りやめます。中止期間中の購入チケットの取り扱いについては、特設サイト外部サイトへ移動しますのNEWS欄をご確認ください。

ご理解のほど、どうぞよろしくお願いします。

※6月1日(火)は通常の休館日のため、6月2日(水)より開館を予定しています。



<SOMPO美術館(旧名:東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館)>
臨時休館延長のお知らせ(Notice of extension of temporary closure)


SOMPO美術館は、緊急事態宣言の延長をうけ、12日以降も引き続き臨時休館いたします。再開に関する最新情報は、今後当館ホームページでご案内しますのでご確認ください。ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。



<東京オペラシティアートギャラリー>
【重要】アートギャラリー臨時休館延長のお知らせ

東京オペラシティアートギャラリーは、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止にかかる東京都からの要請をふまえ、5月12日[水]以降も、引き続き当面の間、臨時休館いたします。
再開の場合は、当ウェブサイトで改めてお知らせいたします。
皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2021年5月11日
東京オペラシティ アートギャラリー



<Bunkamuraザ・ミュージアム>
【重要】緊急事態宣言期間の臨時休館のお知らせ(5/11現在)


緊急事態宣言の延長、および東京都における緊急事態措置等により、ザ・ミュージアム「古代エジプト展」は当面の間、臨時休館を継続させていただきます。
ご来館をご予定されていらしたお客様には大変ご迷惑をお掛けいたしまして申し訳ございません。

なお、今後の状況によって営業内容を急遽変更する場合がございます。何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

最新の情報はホームページで随時ご案内いたしますので、ご来場の際には事前のご確認を重ねてお願い申し上げます。



<松濤美術館>
【臨時休館延長のお知らせ(2021.05.10更新)】
緊急事態宣言の延長を受け、渋谷区立松濤美術館は 5月31日(月)まで 臨時休館を延長いたします。

これに伴い、日時指定予約のサイトは引き続き運用を中断します。

また、以下のイベントは誠に申し訳ございませんが、中止といたします。
・5月15日(土)「学芸員による特別講座」
・5月16日(日)「ギャラリートーク」

美術教室にお申込みいただいた方々へは、別途当館からご連絡いたします。

臨時休館の期間は今後も変更となる可能性があります。
最新の情報は必ず当館ホームページや、twitter・facebook・Instagramをご確認ください。



<山種美術館>
休館中


「百花繚乱 ―華麗なる花の世界―」4/10(土)~6/27(日)

現在、臨時休館中です。
開館に向けて検討しております。決まり次第HPでご案内いたします。(5月11日(火)現在)
お客様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。



<板橋区立美術館>
ただいま臨時休館中です

緊急事態宣言を受け、4月26日(月曜日)より5月31日(月曜日)まで臨時休館いたします。
今後の開館情報はHPまたはSNSをご確認ください。



<練馬区立美術館>
【重要】臨時休館について(5月11日現在)


新型コロナウイルスの急速な感染拡大に対応するため、国の緊急事態宣言および東京都の緊急事態措置の延長を踏まえ、
引き続き5月31日(月)までの間、美術館は休館といたします。
(4月30日(金)から開幕を予定していた「8つの意表~絵を描く、絵に描く、画家たちのキセキ~」展についても引き続き開幕を延期します。)
今後、国・東京都の方針に変化が見られた際など、必要に応じて見直しを行います。



<世田谷美術館>
休館延長のお知らせ


新型コロナウイルス感染症拡大抑制のため、2021年5月31日(月)まで、世田谷美術館及び世田谷美術館分館(向井潤吉アトリエ館、清川泰次記念ギャラリー、宮本三郎記念美術館)は、休館を延長いたします。
レストランとカフェも休業いたします。
2021年6月1日(火)から再開を予定しています。
なお、休館中の期間に「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」展の日時指定予約制チケットをご購入された方については、払い戻しをさせていただきます。



<静嘉堂文庫美術館>
臨時休館を継続

美術館からのお知らせ
緊急事態宣言に伴う美術館休業要請に従い、当館は引き続き臨時休館を継続いたします。5月13日、29日の列品解説、および5月14日、22日、28日の文庫見学会は中止といたしますので何卒ご了承をいただけますよう、お願い申し上げます。
「旅立ちの美術」後期展示の開催予定については、追って当館ホームページにてお知らせいたします。



<府中市美術館>
緊急事態宣言の延長に伴う東京都からの要請により、5月31日まで臨時休館いたします。なお、「映えるNIPPON」展は、開館となり次第開幕予定です。(前期/後期の日程に変更はございません。)


<横浜美術館>
大規模改修のため休館中


<そごう美術館>
開催中

急遽変更となる可能性があります。最新情報はそごう横浜店ホームページでお知らせいたしております



<横須賀美術館>
開催中


・以下のお客様はご入館をお控えください。
*37.5度以上の発熱がある方
*風邪の症状(咳、のどの痛み、くしゃみ、鼻水など)がある方
*体調がすぐれない方
*過去14日以内に発熱や風邪の症状等で受診や服薬等をした方
*過去14日以内に感染拡大している地域や国への渡航歴がある方
・入館時に検温を実施しております。
 37.5度以上のお客様は入館をお断りいたしますので、ご了承ください。
・マスク着用と咳エチケットにご協力ください。
・こまめな手洗い・手指の消毒にご協力ください。
・他のお客様と2mを目安に十分な距離を保ってください。
・飛沫感染防止のため、会話はお控えください。
・大人数でのご来館はお控えください。
・混雑時は入館及び入場制限をいたしますのでご了承ください。
・ご来館中に体調を崩された場合は、無理をせずにお近くのスタッフまでお声かけください。
・万が一館内で感染者の発生が確認された場合、
 当館ホームページにてお知らせいたしますので、
 ご自身で来館日時の記録をお願いいたします。



<神奈川県立近代美術館 葉山館>
<神奈川県立近代美術館 鎌倉別館>
葉山館:4月24日から予約制で入場できます
鎌倉別館:改修工事のため休館中


葉山館
新型コロナウイルス感染拡大防止策として、2021年4月24日(土曜)より葉山館で開催する下記の展覧会についてはオンラインによる事前予約制で入場いただけます。
お手数をおかけしますが、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

企画展「開館70周年記念 空間の中のフォルム ―アルベルト・ジャコメッティから桑山忠明まで」
コレクション展「若林 奮 新収蔵作品」



<埼玉県立近代美術館>
現在、新型コロナウイルス感染防止対策を講じた上で開館しています。


ご来館の際は「お客様へのお願い」を必ずご確認ください。

新型コロナウイルスまん延防止等重点措置の適用を受け、北浦和公園を利用する場合は、以下の点について、徹底をお願いします。
一人ひとりの命を救うために、皆様のご理解とご協力をお願いします。
・マスクの着用を徹底してください。
・公園内で飲食を伴う宴会等は控えてください。
 ※1つの家族で軽食や飲み物を取る程度は除きます。

「コレクション 4つの水紋」は、会期を変更して開催しています。
 変更後:2021年3月23日(火) ~ 5月16日(日)
(変更前:2021年1月23日(土) ~ 3月21日(日))
※ ミュージアム・ショップにて、リーフレットを販売中です。

年間観覧券の有効期間に新型コロナ感染症防止に伴う臨時休館期間(2020.2.29~5.31又は2020.12.24~2021.3.21)が含まれている場合は、有効期間終了後にMOMASコレクション展の観覧料の免除を受けることができる場合があります。
詳しくは、当館(総務担当)までお問合せください。
また、ファムス会員の方は、こちらをご覧ください。https://pref.spec.ed.jp/momas/setting/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%A0%E3%82%B9



<うらわ美術館>
開館中


さいたま市は、5月31日(月)まで「まん延防止等重点措置」の適用が延長されることとなりましたが、うらわ美術館については、徹底した感染防止対策を講じたうえで、開館いたします。
 なお、ご来館の際は、「ご来館のお客様へ」を必ずご確認ください。



<DIC川村記念美術館>
7月2日(金)まで、美術館は改修工事のため休館中です。


<千葉市美術館>
開館中


まん延防止等重点措置の延長に伴う施設の利用制限について(5/31まで)

千葉市に対するまん延防止等重点措置区域の指定が延長されたことに伴い、以下のとおり施設の利用制限を延長して実施いたしますので、お知らせします。

【制限内容】
貸出施設の20:00以降の利用停止(5月31日まで)
なお、状況の変化によって変更となる場合がございます。

【レストラン「優雅亭 盛山 千葉市美術館店」】
令和3年5月31日(月)まで休業いたします。 
※6月1日(火)は定休

【地下1階ちょい呑み処「盛」】
令和3年5月31日(月)まで休業いたします。
※6月1日(火)は定休

なお、展覧会など混雑の状況により入場制限を行う場合があります。
ご来館にあたっては、引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止対策にご協力をお願いいたします。
https://www.ccma-net.jp/news/1882/





ということで、3県の美術館は開いていますが東京都は閉館していると考えて良さそうです。開いていても訪問するのをオススメできるような状況ではないので、しばらくはステイホームでしょうね。



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《宇治野宗輝》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、1990年代から活躍されている現代アーティストの宇治野宗輝 氏を取り上げます。宇治野宗輝 氏はサウンド・スカルプチャーと呼ばれる音を出す作品の制作で知られ、2000年代からは家具や家電などを使った大掛かりなインスタレーションを造られています。時には作品の素材に自動車やトラックまで使う大胆さで、アートフェスなどでは特に人気を集めます。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


宇治野宗輝 氏は1964年に東京都で生まれました。東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業し、1990年代より「LOVE ARM」シリーズをはじめとするサウンド・スカルプチャーの制作と作品を用いたパフォーマンスを行なうようになります。2004年からは20世紀後半の大量消費社会における「物質世界のリサーチ」として楽器・家具・家電製品・自動車など日常的なモノと技術を組み合わせたサウンド・スカルプチャーシリーズの「The Rotators(ザ・ローテーターズ)」を発表していきました。最近では映像作品に力を入れ、ドキュメンタリー的な映像作品などを手掛けているようです。 残念ながら初期作品の写真はありませんでしたので2010年代の作品をご紹介して参ります。


作家:宇治野宗輝 「TANSU ROBO」
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この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。
こちらは森美術館で行われた「六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?」への出品作品。家電製品などを組み合わせてテクノ風の音楽を鳴らす作品で、日用品が組み合わさってタンスとロボットの間の子みたいな感じかなw これはドンドコいう音を立ててた記憶がありますが、廃材を使って音楽を造るというのが1つの特徴となっています。

宇治野宗輝 氏は1997年に同じく現代アーティストの松蔭浩之 氏と「ゴージャラス(GORGEROUS)」というユニットを組んでロックの活動も行っています。私は映像でしか観たことがありませんが国内外でライブも行っているようです。

作家:宇治野宗輝 「CAR」
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88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。
こちらも2010年の展示の際の作品で、ロボットの隣にありました。この他に「TOWER」という作品もあり3つのセクションで1つの音楽を作っていたのですが、車自体を楽器にするような大胆さに驚きますw 

2003年には第6回岡本太郎記念現代芸術大賞特別賞を受賞されたそうで、2000年代には既に有力なアーティストとして認知されていました。

宇治野宗輝 「ヴァーティカル・プライウッド・シティ」
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こちらは2011年の作品。古いギターや掃除機、レコードなどが動き出して騒音とも音楽とも言えない音を出しますw どこまで意図的に設定されているか分かりませんが、不協和音のようで たまにちゃんと音楽っぽく感じたりするのが面白いw

プライウッドというのはベニアのことで、ベニアで構成され拡張された都市を表現しているらしく、着想源は出身地である練馬の新興住宅地なのだとか。大量生産・大量消費を象徴すると共に均質化されていく世界も表しています。

宇治野宗輝 「ライトアップフューチャー丸」
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こちらは六本木アートナイト2013で発表された作品。この年のアートナイトのテーマは「アートブネプロジェクト」だったので、各アーティストたちは船をモチーフにした作品を出品していました。宇治野宗輝 氏は家電などを組み合わせて作った強い照明の船で、この船では「渋さ知らズオーケストラ」とこコラボで「The Rotators」のパフォーマンスが行われました。

宇治野宗輝 氏の作品は美術館で観ることもありますが、アートフェスで見かける機会が多いように思います。最近だと「ヨコハマトリエンナーレ2017 島と星座とガラパゴス」や六本木アートナイト2018年にも出品されていました。

宇治野宗輝 「ライブズ・イン・ジャパン 電波街(Radiowave Quarter) ブライウッド・シティ・ストーリーズ」
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こちらは2017~2018年頃にICCに常設された作品で、「ライブズ・イン・ジャパン」は6台のディスプレイにそれぞれ家電やエレキギターが映され、電気のオンオフに合わせて駆動音が鳴って演奏のように聞こえてきます。また、「電波街」では短波ラジオ受信機がさまざまな国の放送を受信する様子を記録した映像を複数同期再生されます。そして「ブライウッド・シティ・ストーリーズ」では宇治野宗輝 氏が日本人英語の一人語りで進行するドキュメンタリー的手法の映像作品となっていて、「ライブズ・イン・ジャパン」に登場する家電や日本の住空間について本人の原風景と共に語られます。ただの廃材ではなくそれぞれの家電にも思い入れがあったんですね…。

この作品では実際の装置ではなく音を出す家電が映像化されている点が特徴で、物質から情報へといった社会の変化が表されているのではないかと考えられるようです。また、家電を説明する下りなどは戦後日本の欧米文化への憧れや、大量消費/大量廃棄社会、日本における輸入文化需要のあり方へのアイロニーや批評も込められているのだとか。

宇治野宗輝 「ドラゴンヘッド・ハウス」
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こちらは六本木アートナイト2018への出品作。再び車を丸ごと使っていて、下顎の部分はトラック、上顎はタクシー、歯は光るカラーコーンとなっています。その材料だけでも迫力がありますが、これが動く様子は圧巻です。

こちらはその時に撮った動画。

カラーコーンの明滅と共にまさにドラゴンの叫びのような感じです。この豪快さが好みw


ということで、身の回りの家電や廃材を使った作風となっています。先述の通りアートフェスに参加されることが多く、音楽活動などもされているので 今後もその活躍ぶりを目にする機会があると思います。是非、実際に体験してみて頂きたいアーティストです。



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《レアンドロ・エルリッヒ》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、1990年代から活躍しているアルゼンチンの現代アーティストであるレアンドロ・エルリッヒ氏を取り上げます。レアンドロ・エルリッヒ氏は鏡や錯覚を使って鑑賞者を驚かす作風が特徴で、知覚や空間といった難解なテーマをユーモア溢れるセンスで表現しています。体験型の作品が多く、金沢21世紀美術館の「スイミングプール」は観光地としても屈指の人気となっています。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


レアンドロ・エルリッヒ氏は1973年にアルゼンチン・ブエノスアイレスで生まれました。詳しい来歴は調べても分かりませんでしたが、1990年代半ば頃から評価が高まったようで、1998年から1999年にかけて、ヒューストン美術館のアーティスト・レジデンシー「コア・プログラム」に参加し、若くして美術界の注目を集めました。また、2001年にはヴェネツィア・ビエンナーレに自国代表として参加するほどの実力と知名度となっています。他にもイスタンブール(2001年)、上海(2002年)、サンパウロ(2004年)の各ビエンナーレに参加し、現在に至るまで世界中で活躍しています。
アーティスト自身の情報が少ないので、今日は作品の写真のみご紹介して参ります。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「エレベーター」
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こちらは1995年(2017年再制作)の作品。見た目は完全にエレベーターですが、黒い部分から中を覗くことができ、中の様子が右の写真です。鏡を使っているようで、無限に続いているようで怖いw 最初に作られた時はブエノスアイレスのフランス大使館が主催した「ブラック賞」に参加した時で、「展覧会場のエレベーターに入ることが条件」という規定に着想をえて制作されたそうで、創造や制作に対する制約への強い苛立ちを表現すると同時に、その苛立ちを新たな創造性へと転換したのだとか。規制を逆手に取ってユーモアで返すってところは歌川国芳と似た気骨かもw

レアンドロ・エルリッヒ 「スイミング・プール」
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こちらは1999年(2004年制作)の金沢21世紀美術館の中庭にある作品。遠くから見ると普通の小さなプールに見えますが、仕掛けがあります。

近づいてみるとこんな感じ。プールの中に人が!!
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実は水面の部分は僅かで、その下は透明のガラスになっています。

こちらは下から撮った様子。
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下から見ても騙し絵的な感じですw この不思議な光景に鑑賞者は泳いでいるフリをしたりして記念撮影をします。豊かな発想で直感的に面白さが分かるのがレアンドロ・エルリッヒ氏の特徴と言えるかも。

2008年にもスイミングプールのインスタレーションを制作し、ニューヨーク市クイーンズ区ロングアイランドシティにあるMoMA PS1に展示されました。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「建物」
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こちらは2004年の作品。地面に建物があり、そこで横になった人が鏡で映されると忍者のように建物の上で飛んだりしているように見えます。これは特に人気の作品で、みんなあり得ないポーズで建物にしがみついたりしている写真を撮って楽しめます。

こちらは「建物」の模型。これを観ると仕組みがよく分かるかも。右側は斜面の裏側部分です。
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この作品でも鏡を上手く使ってトリックアート的な楽しさがありますね。

レアンドロ・エルリッヒ氏の作品には体験型のものが多く存在します。この気軽にアートに触れられるところも人気の理由でしょうね。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「部屋(監視I)」
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こちらは2006年の作品。25台のモニタに様々な角度から監視カメラが捉えた1つの部屋が映し出された映像で、誰も出てこないし何も起きません。この一見無意味にも思える監視は、当時のイギリスで200万台以上のカメラを設置しているという発表に着想を得たもので、監視社会に対する警告のようなものかもしれません。

レアンドロ・エルリッヒ氏はインスタレーションだけでなくこうした映像作品も制作しています。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「黄金の額」
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こちらは2007年の作品。これはリアルで観ると手前のランプは本物で額の中は写真であることが分かるのですが、写真で撮ると現実との境目がかなり曖昧になるかも。若干奥のほうがカーブして見えるのがちょっと怖いw

レアンドロ・エルリッヒ氏の作品は、現実に見ているものが真実なのか分からなくなるような揺さぶりをかけてきます。知覚や認知という難しいテーマをユーモア溢れるセンスで体験させてくれるのが魅力です。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「試着室」
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こちらは2008年の作品で、試着室を模した作品。中はミラーハウスのようになっていますw まるで迷路のような作品で実際に体験すると一種のテーマパークみたいな面白さです。

レアンドロ・エルリッヒ氏は映画監督のアルフレッド・ヒッチコック、ロマン・ポランスキー、ルイス・ブニュエル、デヴィッド・リンチなどに憧れを抱いていることを公言しています。映画からのインスピレーションもあるのかな?

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「美容院」
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こちらも2008年(2017年に再制作)の美容室を模した作品。この鏡台の前に立つと、何故か自分の姿が映らないことに驚きます。 しかし実はこの窓の部分は単なる穴で、奥にまったく同じような部屋が用意されています。 先程のミラーハウスと似ていますが、先入観があるので中々気づくのが難しかったりします。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「エレベーターの迷路(模型)」
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こちらは2011年の作品。こちらも奥側に同じようなエレベーターがあり、右のエレベーターには人がいないのに鏡に人が写っているような感じになっています。発想は同じでも様々な身近なロケーションに展開するのが面白い。

2012年には、フランスのナントで記念碑的な屋外インスタレーション「Monte-Meuble, l'Ultime Déménagement」を制作し、2013年には、ヨーロッパ最大の芸術・会議場であるバービカンからの依頼で、イギリス・ロンドンのダルストン地区に新しいインスタレーションを制作しました。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「反射する港」
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こちらは2014年の作品。森美術館の一角に現れた光景で、こんな所に池を作ったのか!?と驚きましたが、実はここには水なんてありません。よ~く観ると、水面に反射しているようにみえるところも布のようなもので出来ていました。部屋を暗くしているのもそれに気づかせない為かも。気づいた所で水面にしか観えないレベルのリアルさで、ボートの揺れもコンピューターで計算して再現する凝りっぷりです。ボートは水の上に浮いているという固定観念があるので錯覚してしまうんですね。原題の「Port of Reflections」の「Reflection」には「熟考」という意味もあるそうで、鑑賞者の熟考を促すような作品です。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「雲」
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こちらは2014年の作品。幾層ものガラスを重ねてセラミックインクで雲のように見えるようにして日本の形をしています。これは数十万年単位では雲のように変化する地形に勝手に線を引いているのが国家であるという意味が込められているのだとか。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ 「溶ける家(私の子供たち)」
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こちらは2015年の作品。当時のパリ協定や第21回気候変動枠組条約締約国会議と関連して展示されたもので、温暖化をテーマにしています。南極や北極から遠く離れた都市の人々はエネルギーを使用し温暖化など気にしていないという思いから パリにありそうな家が溶けていくという形で表現しています。フランス語でのタイトルは「Maison Fond」(溶ける家)で、その発音が「Mes Enfants」(私の子供たち)と掛けられているようで、未来の世代への影響も提起しているようです。一見するとユーモアを感じますが、深刻なメッセージも込められていますね…。


ということで、深いテーマを直感的に楽しめるのが人気のアーティストです。2017年に森美術館で大規模な回顧展があったくらいで関東で見る機会は少ないものの、2014年の金沢21世紀美術館での個展や、2019年瀬戸内国際芸術祭など日本国内で観られる機会は割とあります。金沢21世紀美術館とそこから徒歩1分のKAMU kanazawaや、新潟の越後妻有里山現代美術館などで常設されているので、いつかは実際に観て体験して欲しいアーティストです。


 参考記事:
  レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル (森美術館)
  


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《隈研吾》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、現代日本を代表する建築家の隈研吾 氏を取り上げます。隈研吾 氏は1990年に独立して以降、20か国を超す国々で建築を設計し、日本建築学会賞、国際木の建築賞(フィンランド)、国際石の建築賞(イタリア)など国内外で様々な賞を受ける世界的な建築家です。各地の環境・文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案し続けていて、日本においては木材や竹などをよく使い、サントリー美術館や根津美術館、近年では新国立競技場や高輪ゲートウェイ駅など重要な建物を手掛けています。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


隈研吾 氏は1954年に横浜に生まれ、デザイン好きの父の影響で建築に興味を持つようになり1964年(9歳頃)の東京オリンピック時に見た丹下健三 氏の代々木屋内競技場に衝撃を受けて、建築家を目指すようになりました。東京大学工学部建築学科で学び、原広司 氏や内田祥哉 氏に師事し、大学院時代には、アフリカのサハラ砂漠を横断して集落の調査を行い、集落の美と力に目覚めたようです。その後、大手の日本設計に就職し、戸田建設やコロンビア大学客員研究員を経て、1990年に隈研吾建築都市設計事務所を設立し、建築家としての地位を高めて行きました。

手持ちに独立前の作品の写真はなかったので、今日は1990年以降の作品の模型などをご紹介して参ります。

隈研吾 「石の美術館」
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こちらは1996-2000年の「石の美術館」で使った芦野石の石組み。大正時代の石蔵を増改築した美術館で、石だけあって堅牢な印象を受けます。

実際の建物はこんな感じで、栃木県にあります。
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ここでは光を透かす大理石を厚さ6mmにして組み込んだりしているようです。同じ石でも特性によって使い分けるとは流石です。

隈研吾 氏はガウディの建築を観て石が好きになったそうで、石を塊として使おうと心がけるようになりました。そうすることで石には内部構造があり、方向性のある繊維も見えてきたようで、それに気づいて生物と生物以外との境界線も消滅するように感じたようです。

隈研吾 「Great (Bamboo) Wall」
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こちらは2000~2001年のコンクリートを流し込んだ竹を使った作品。スチールパイプにコンクリートを流し込む手法から着想を得て鎌倉の住宅で実験した後、万里の長城のすぐ脇に建つホテルの内外装で用いたようです。竹の寿命を伸ばすために炙ったり油を塗ったりしたのだとか。竹を使っているだけあってモダンなのにどこか古い家屋のような落ち着きが感じられます。

この他にも隈研吾 氏は竹を使う方法を研究していて、節を取ってコンクリートを流し込んだ「竹の家(2000)」や、南米のグアドゥアという肉厚で割れない竹を取り寄せて醤油蔵の再生に挑んだ「浜田醤油(2009)」といった作品があります。隈研吾 氏は幼い頃に家の近くに竹林があって竹に慣れ親しんで育ったそうです。竹は昔からル・コルビュジエの弟子の板倉準三や、数寄屋建築の巨匠吉田五十八、ドイツから来たブルーノ・タウトなども魅了されて使ってきた素材ですが、20世紀に竹を本格的に使った建築はありませんでした。それは乾燥すると割れる為、構造材として使いにくいのが理由で、隈研吾 氏を始めとした建築家たちはその限界に挑み続けています。

隈研吾 「織部の茶室」
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こちらは2005年の作品で、カットしたプラスティックダンボールを結束バンドで固定して作った茶室。歪んだ形が古田織部の茶碗に似ていることから敬意を表してこの名前にしたそうです。何かの繭のような温かみと近未来的なデザインが融合しているようにも思えます。現地で手に入る材料(ポリカーボネート樹脂)に変えて世界各国で再現されたようで、応用力や汎用性にも優れていそうでした。

樹脂は工業的なイメージがありますが、隈研吾 氏はその自由さを突き詰めれば木にも匹敵する優しさや暖かさを示すことができると考えたようです。この作品以外にもポリタンクみたいな素材を使ったブロックのようなもので、お互いを組合すことで自在に広がるという発想もされています。

隈研吾 「GCプロソミュージアム・リサーチセンター」
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こちらは2008~2010年頃の作品で、グリッド状の木組みが整然とした印象を受けます。こちらは釘も接着剤も使わずにくっつけているようです。この枠はそのまま展示ケースや家具にも使われ、実物は愛知県にあるそうですが実物はイメージしたほど大きくなさそう。

隈研吾 氏の設計ではよく木が使われるイメージがあります。かつて19世紀の建築理論家ゴットフリート・ゼンパーは建築は「地面の仕事」(基礎工事)、「火の仕事」(空調や電気設備等の設備工事)、「編む仕事」の3つの作業で作られると示しましたが、アジアやアフリカではまさに編むように家を造り、日本でも小径木を編んで造ります。木は最も編みやすい素材であり、日本では錆びやすい金属を使って固定することを避けてきた歴史があり、緩い木同士のジョイントによって自由に変化し形の変わる建築も作れるようです。隈研吾 氏はそうした歴史や土地に合う木の特性を活かした設計されています。

隈研吾 「新津 知・芸術館」
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こちらは2008~2011年の中国の道教の聖地に建つミュージアム。地元の野焼きで作られる粗くランダムな表情を持つ瓦をワイヤーに固定して使っています。瓦と言うと屋根のイメージですが、まさか側面に使うとはw

アジアでもヨーロッパでも家は木と瓦(タイル)との組み合わせで作られ、その土地の瓦はその家の建つ環境によって焼成温度や釉薬が決められるそうです。同じような素材でも土地に合わせたものを選ぶんですね。

隈研吾 「根津美術館」
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こちらは2009年の作品。和の殿堂とも言える美術館に相応しい佇まいで、落ち着いた印象を受けます。伝統を感じさせつつモダンなところが大好きな建物です。ここには写っていない正面入口の通路も竹が並んで美しい光景です

六本木のサントリー美術館も隈研吾 氏が設計されています。サントリーが酒造で使う樽材を使うなど、やはりその文化や歴史というのを大切にしつつ新しいものを作られています。

隈研吾 「浅草文化観光センター」
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こちらは2009~2010年の設計で、木造平屋建てを8層積層するというアイディアから生まれた作品です。家が斜めに乗っかっているようにも見えるw 格子が非常に洒落た雰囲気ですが、これは太陽光をカットする役目もあるようです。これはサントリー美術館にも似ているように思えます。

隈研吾 氏の建物は素材への挑戦も見どころで、中には紙を内装に使った建物などもあるようです。まあ、紙といっても塩化亜鉛によって強化された特殊な紙などだったりするわけですが、素材の持つ力を見極めて自由自在に使う発想に驚愕するばかりです。

隈研吾 「梼原木橋ミュージアム」
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こちらは2009~2010年頃の設計。山梨県の奇橋として有名な猿橋から着想を得た作品です。

幾重にも層を重ねて、短い木材だけで長い橋を造る構造となっています。
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この建築の特徴は何と言っても1本の柱で支えているところ! ヤジロベーみたいに絶妙なバランスで立っているようです。これは実物を観に行ってみたいけど高知なので関東からは遠いw

この「梼原木橋ミュージアム」は芸術選奨文部科学大臣賞(美術部門) にも選ばれています。先程の根津美術館は2010年に毎日芸術賞、2009年にはフランス芸術文化勲章も授与するなど2000年以降は特に様々な賞の受賞ラッシュとなっています。

隈研吾 「スターバックスコーヒー 太宰府天満宮表参道店」
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こちらは2011年の設計で何とスターバックスコーヒーの店舗。木が飛び出してくるような斜めの立体格子となっているようです。奥へ奥へと引き込むような流動性が狙いのようです。

こちらはスターバックスコーヒーの木組み
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直行のグリッドは3本の交わりですが、斜行グリッドは4本が交わるので欠き込みは複雑になるそうです。こうして一部分を観るだけでもかなり複雑な作りなのが分かります。

2018年には台湾のスターバックス花蓮湾ストアも手掛けています。そちらはリサイクルコンテナを使ったモバイル型カフェで、サステイナブル建築のプロトタイプとなっています。同じスタバでも土地が違えば全く異なる設計というのが流石ですね。

隈研吾 「ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム ダンディ」
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こちらは2010-2016年頃の設計。イギリスのスコットランドの建物で、横に無数にギザギザして見える部分は地層から着想を得たようです。水辺で形が逆の台形になっているので石舟のようにも見えるかな。陰影が見事なアクセントになっています。

隈研吾 氏は建築家としてだけでなく、東京大学教授(2020年からは特別教授・名誉教授)や東京藝術大学客員教授などの顔も持ちます。建物だけでなく家具や日用品のデザインも手掛けるようで、その仕事ぶりの幅広さと奥深さは驚異的です。

隈研吾 「木霊」
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こちらは2017年の設計で木片を組み合わせて釘を使わないで作られた作品。この木材の組み合わせ次第でどんな形にもできるのだとか。ジョイントが緩い方が木の伸び縮みや反りにも対応できるそうで、一種のパズルみたいですねw

ここまで観てきた仕事ぶりだけでも日本を代表する建築家に相応しいものですが、日本人なら誰もが知る建築家となったのはオリンピックのメイン会場として建てられた「新国立競技場」ではないでしょうか。

隈研吾 「新国立競技場整備事業」
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こちらは2019年竣工のスタジアム。色々な要件があったので冷房がないとか一抹の不安がありますが、スタジアムに風を取り入れる量をコントロールしようと試みているようです。ファサードが庇のようで日本らしさを感じる素晴らしいデザインなのは確かです。オリンピックをこのまま本当に開催するのか、まだ確実とは言えない状況ですが…

もう1つ、都民に馴染み深いのが2020年に開業した高輪ゲートウェイ駅ではないでしょうか。2019年の展示の時点ではまだ仮称となっていました。

隈研吾 「New Shinagawa Station 品川新駅(仮称)」
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こちらは2016-2020年の現在の高輪ゲートウェイ駅のデザイン。屋根が半透明の膜材となっているそうで、障子のような効果が得られるようです。駅の中でも天気が感じられるそうなので、天気がいい日は明るいのかも。って、ここが開業した時には既にコロナによるテレワーク時代に突入していたので、まだ行ったこと無いんです…w

横から観た構造。
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既に利用されている方にはもうお馴染みでしょうか。隈研吾 氏の作品はこうした身近なところにも及んでいます。


ということで、土地土地の文化や歴史を深く理解し設計し、素材への挑戦を続ける方です。美術好きでなくても名前を目にする存在となっていますので、是非詳しく知っておきたい建築家ではないかと思います。

 参考記事:
  くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質 感想前編(東京ステーションギャラリー)
  くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質 感想後編(東京ステーションギャラリー)


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