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【佐野美術館】の案内 (2021年10月)[三島編]

今日も写真多めです。前回までご紹介していたクレマチスの丘の美術館群を巡った後、三島駅まで戻りそこからタクシーで三島の南にある佐野美術館に行ってきました。ここは池泉回遊式庭園も見どころとなっていますのでその写真を使ってご紹介していこうと思います。

タクシーで行ったら美術館の裏側で降ろされましたw 大した距離じゃないのでバスか歩きでも良かったかな。
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この入口の隣に日本料理のお店があって、美術館の庭園が借景みたいになってましたw

こちらが佐野美術館。ここに来るまでに庭園を突っ切ったのですが、それについては後ほど。
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【公式サイト】
 https://www.sanobi.or.jp/

【会場】佐野美術館
【最寄】三島駅 (タクシーで約10分)

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

佐野と言っても地名ではなく、三島出身の実業家の佐野隆一の名前を取ったものです。佐野隆一は合金を開発し電機事業で財をなし、昭和初期にこの地に両親のために邸宅を築きました。その敷地の一部にこの美術館が建っています

2階が展示室となっていて、私が行った時は「加守田章二 天極をさす」をやっていました(既に終了)
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近代陶芸の大家で、初期から晩年までの作品が並び益子や遠野といった土地でどのように表現が培われて行ったかがよく分かり、後半には斬新さと伝統が同居するような感じの作風で楽しめました。
 参考リンク:加守田章二 天極をさす
また、数点ですが常設コーナーがあり、佐野隆一が蒐集した刀や仏像などが展示されていました。佐野隆一は三島に文化施設をいくつも作った地元の名士だったようです。

と、美術館は30分くらいで足早に観てきたわけですが、ここに来たのは庭と建物が目的でした。先日の百年名家で観て行ってみたくなったw
 参考リンク:百年名家(様式美の極み 近代和風建築~静岡県三島市「佐野美術館 隆泉苑」~)

こちらが庭園の地図。
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一番最初の写真の裏口の辺りにあった地図です。美術館は右の方にあります。

庭園はこんな感じ
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まるで大名の屋敷のような豪華な庭園です。約二千坪も敷地となっています。

角度違い。
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池には鴨などもいて風情がありました。水が非常に綺麗で、三島は富士からの湧水で有名な街となっています。(湧水に関しては後日ご紹介予定です)

庭石や彫刻なども置かれています。
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5分もあればぐるっと廻れますが、絵になる光景が多い庭園で非常に美しかったです。

庭園の奥にあるこちらが両親のために作った「隆泉苑」 左が書院棟、中央が洋間、右が数寄屋棟となっています。屋根の形もそれぞれです。
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残念ながらこちらは一般公開されておらず、茶会や文化講座等の会場として利用されています。佐野美術館に問い合わせると利用できるようです。

こちらは数寄屋の間などがある棟。先程の写真の右側に見切れてる辺りですw
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雨戸が閉まっていて中は観られませんでしたが、広縁があったりしてかなり落ち着いた雰囲気の建物です。雨戸が開いていると、庭に向かってガラス張りとなっていて中からの眺めはかなり良いようです。

こちらは書院の間がある棟。こちらはギリギリ中を観ることができました。
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この右側には洋間もあり、洋間を挟んで数寄屋と書院という日本的な2つの様式が揃っている家となります。

書院棟の中のアップ。雨戸が閉められそうだったので急いで撮ったため変な構図ですw
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こちらもスッキリとした美しさで、欄間などもじっくり観てみたかった…

玄関は庭の裏側にあります。
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軒先が銅板となっていて、重厚さよりも軽やかさを感じます。

こちらは玄関前の門
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閉ざされていて通る事はできませんでしたw 一文字瓦を使った真っ直ぐな屋根となっているので幾何学的な印象が強いかな。

ということで、建物の中を観ることはできませんでしたが、美術館と庭園の両方を楽しめました。すぐ近くには伊豆箱根鉄道の駅もあるし、三嶋大社もそれほど遠くないので三島観光で足を伸ばすのにも良い所だと思います。

この後、百年名家で紹介していた三島のもう1つの古い建物を訪れました。次回はそちらの写真をご紹介予定です。



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【ヴァンジ彫刻庭園美術館】の案内 (2021年10月 後編)[三島編]

今日も写真多めです。前編に引き続き三島のクレマチスの丘にあるヴァンジ彫刻庭園美術館についてで、館内後半から裏庭についてご紹介してまいります。

こちらは館内の奥の部屋
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この美術館は建築家の宗本順三 氏が設計したそうで、日本の伝統的な回遊式庭園の要素を取り入れつつ庭園の景色・建築・彫刻が調和し、来館者の居心地を大切にしているようです。

ここまで彫刻ばかりでしたがジュリアーノ・ヴァンジは絵画作品も手掛けています。
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彫刻と同じく明快な解釈はできませんが、意味深で何かを象徴しているのかな。

こちらは「歩く女」(1993)
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モデルのようにスラっとした歩き方で動きも感じられます。この日の展示でも特に魅力的な女性像でした。

こちらは「横たわる女」(1981)
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足を組んで横たわっているようで、右半身と左半身で表現が違って観えます。

左半身はこんな感じ
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無数のドレープがあってかなり具象的で優美な雰囲気。

右半身はこんな感じ。
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抽象というかツルっとした仕上げになっています。かなり滑らかな雰囲気。ヴァンジの作品は多方向から観るのが醍醐味です

こちらは講演台
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表から観ると女性像に見えるけど、台に立つとちゃんと書見台みたいになって実用性もありました。

こちらは「コンポジション」(1987)
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テンペラ・鉛筆・木炭によるもので、ちょっと不安を覚えるような光景かな。

この辺にジュリアーノ・ヴァンジの略歴がありました。ジュリアーノ・ヴァンジは1931年にトスカーナのフィレンツェ近郊に生まれ、フィレンツェで彫刻を学びました。ルネサンス以降の人間表現の伝統から逃れるために1959年にブラジルに渡りますが、3年後にイタリアに戻り、それ以降は一貫して人間の姿形によって感情の複雑さを表す独自の彫刻を探求するようになりました。1967年のストロッツィ宮殿の個展で近代社会の人間が抱える閉塞感を表すと人々の称賛と共感を得て、それ以降イタリアのみならずヨーロッパ・アメリカ・日本などでも発表を重ねます。1995年のベルヴェデーレ要塞での大回顧展の成功以降、教会彫刻や公共彫刻の依頼が相次ぐようになったそうで、マリノ・マリーニやジャコモ・マンズーといった戦後現代イタリア彫刻の流れを継いだ巨匠と呼ばれています。

こちらは「チューブの中の女」(1967~68)
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どうしてこんな作品を作ろうと思ったんだろw 窮屈そうでねじ曲がっているのが何かを暗示しているようにも思えます。ヴァンジの作品はいろんな素材があって、色大理石や木材、ニッケル合金などを使って象嵌の技法なども用いているようです。

この辺で展示室を1周したので庭に進みました。

1階から裏手の庭に出ることができます。
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この美術館の庭園内には約250品種2000株以上のクレマチスが栽培されているそうで、春から初夏の最盛期のみならず夏咲きや冬咲きなども組み合わせているようです。後ろの方に沢山植え込みがあるのが観えますが、この日は時期が微妙で咲いてるのは僅かでしたw

あちこちに植物があり、その中に彫刻が溶け込むように配置されています。
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この辺で近くにいたはずの奥さんが見当たらなくなり、神隠しか?と一瞬焦りましたw

種明かしすると先程の像の脇に地下へと続く階段があります。
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こんな大掛かりな作品があるとは予想外でしたw

地下には壁画のような作品と、それを観る男女の像がありました。
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こういう鑑賞者がいるのかと思ったw 中々面白い趣向です。

こちらは先程の植え込みの葉っぱ
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コリウスワサビという種類でこんなに綺麗な葉っぱの鑑賞植物があるとは知りませんでした。他にも色とりどりの下草があり、花だけでなくこうした下草も見どころです。

裏庭から振り返って美術館を観た光景
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美術館の屋上あたりから入館して、館内を下ってここに来ます。まあ15分くらいあれば観て回れる広さです。

小高い丘になっているところにはブランコがありました。
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ハンモックもあって、晴れてたらここでのんびりするのも気持ちよさそう。この日はあいにくの小雨だったので私は試しませんでしたw

裏庭にも様々な彫刻作品が展示されています。
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こちらの像も目ヂカラが強いのは象嵌されているからでしょうね。

こちらは向き合うように展示されています。
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神話のワンシーンのような光景です。後ろには円形の池もあります。

池には非常に美しい蓮華が咲いていました。
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彫刻の森とフラワーガーデンを合わせたような空間で満足度高めです。

庭園の奥にはホワイトガーデンというエリアもあります。
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10月でも様々な花が咲いていて目を楽しませてくれます。春と秋にはローズガーデンも見どころになるそうです。

ホワイトガーデンの奥にはティーハウス ガーデナーズハウスというカフェとガーデン・ライブラリーというのがあります。
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 公式サイト:http://www.clematisgarden.jp/gardenhouse.html
この日は既に先日ご紹介したピッツェリア&トラットリア チャオチャオでデザートも頂いていたので立ち寄りませんでしたが、庭園を観ながらティータイムできるみたいなので、再訪の際には利用したいところです。

最後に坂を登ると、ピッツェリア&トラットリア チャオチャオの辺りに戻ってきます。

オマケでヴァンジ彫刻庭園美術館の入口の向かいにあるZU PHOTO MUSEUM
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 公式サイト:http://www.izuphoto-museum.jp/
残念ながら2021年10月時点では休館中でした、企画展を中心とした展示らしいのでコロナの影響でしょうか…


ということで、その名の通り彫刻と庭園を楽しめる美術館でした。クレマチスの丘にはビュッフェとヴァンジの2人の巨匠の専門美術館があるので、それだけでも遠征する価値があると思います。特にクレマチスの咲く頃に訪れてみては如何でしょうか。

この後、送迎バスで三島に戻って三島駅近郊で美術館・史跡を巡ってきました。次回も三島についてご紹介予定です。


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【ヴァンジ彫刻庭園美術館】の案内 (2021年10月 前編)[三島編]

今日は写真多めです。前回ご紹介したクレマチスの丘のレストランでお昼を摂った後、裏手にあるヴァンジ彫刻庭園美術館も観てきました。ボリュームがあるので前編・後編に分けてご紹介しようと思います。

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【公式サイト】
 https://www.clematis-no-oka.co.jp/vangi-museum/

【会場】ヴァンジ彫刻庭園美術館
【最寄】三島駅 (無料送迎バスで約25分)

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

この美術館はイタリアの現代具象彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジの作品を集めた美術館で、岡野喜之助 氏(先日ご紹介したベルナール・ビュフェ美術館の創始者の岡野喜一郎 氏の息子でスルガ銀行の副社長兼COOだった方)が集めた作品などが展示されています。その名の通り庭園も見どころとなっていて、美術館の前と後ろにそれぞれクレマチスやバラなどと共に彫刻が野外展示されています。

こちらが館内のマップ。
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高低差があって前庭から徐々に下って行く感じで、美術館の2階から入って1階の裏口から後庭に抜けるようになっています。

こちらは前庭にあった大型作品。
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箱根彫刻の森美術館を彷彿とするような大胆な展示方法となっています。ジュリアーノ・ヴァンジの作品は一方向からだけでは分からない要素が多いので、ぐるぐる回って観る感じになります。それにしても巨大で驚きます。

前庭はこんな感じでゆるいスロープになっています。
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ところどころにQRのようなものがあり、障害のある方にも楽しめる配慮となっています。

こちらは針状の林部分に立っていた作品。
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悩んでいるのかと思ったら笑っているように観えますw かなり目ヂカラ強めw

こちらは何やら壁を乗り越えようとしている作品。
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大きさもちょうど人間くらいでした。

裏から見るとこんな感じ。
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ちょっとユーモラスで面白い。先述のQR以外にはキャプションなどは特に無いので、感覚で見て回りました。

この作品は数あるコレクションの中でも特に複雑な形態をしていました。
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横たわる人に天使がお迎えに来てるような感じに見えるかな。

頭部の辺りには無数の人面があります。
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溶けかかっているように観えて若干怖いw

裏側の部分にも顔や人体らしきモチーフが浮かびます
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この作品は何度もぐるぐる回って観ないと全体像が分からないほどでした。

こちらは天使のような像の後ろ姿
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本当に見る角度によって印象が全然違うので、間近で観られることに価値がありますね。

こちらは「大きな人物像」(1994年)
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先程までの作品に比べると抽象的でややキュビスムのような単純化されているように思えました。

この近くに美術館の入口があり、館内も撮影可能でした。

こちらはエントランスホール辺りにあった女性像
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滑らかな曲線で単純化されていて優美な雰囲気です。縦に割れてるような表現の意図が知りたいところですが分かりませんでした。ちなみにヴァンジの立像の多くがこんな感じでやや窮屈に後ろに手を回していて、片手はグーで片手はパーにしていました。お気に入りの表現なのかも

こちらは館内の様子その1
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部屋の真ん中に橋のような部分があり、展示室を見渡すことができます。

こちらは館内の様子その2
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先程と同じ地点からの逆向きの光景です。この写真の左側に隣の部屋への通路があり、この部屋と同じくらい広い部屋につながっています。

こちらは「座る男」(1971)
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お腹に食い込んでいるのは縄でしょうか。助けを求めるような顔をしていて何かの事件のように思えました。ちょっと怖いw

こちらは「座っている人物」(1965)
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何点かこうした着色された作品もあったけど、少ないケースのように思えます。身振りして動き出しそうな実在感ありますね。ダウンタウンの浜ちゃんにしか観えないw 


ということで、かなりの点数があり彫刻と自然の両方が見どころとなっています。まだまだ面白い作品や後庭などがありますが長くなってきたので残りは後編でご紹介しようと思います。



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ピッツェリア&トラットリア チャオチャオ 【クレマチスの丘のお店】[三島編]

今日はかなり久々のミュージアムカフェについてです。前々回前回とご紹介した三島にあるクレマチスの丘の2つの施設を巡った後、クレマチスガーデンエリアの入口付近にあるピッツェリア&トラットリア チャオチャオというお店でお昼を摂りました。

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【店名】
 ピッツェリア&トラットリア チャオチャオ

【ジャンル】
 イタリアンレストラン/カフェ

【公式サイト】
 https://ciaociao.clematisnooka-restaurant.jp/
 食べログ:https://tabelog.com/shizuoka/A2204/A220402/22000134/
 ※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【最寄駅】
 なし(三島駅より無料送迎バスで25分程度)

【近くの美術館】
 ベルナール・ビュフェ美術館
 ヴァンジ彫刻庭園美術館
 長泉町井上靖文学館
 IZU PHOTO MUSEUM

【この日にかかった1人の費用】
 2000円程度

【味】
 不味_1_2_3_④_5_美味

【接客・雰囲気】
 不快_1_2_3_④_5_快適

【混み具合・混雑状況(土曜日12時頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【総合満足度】
 地雷_1_2_3_④_5_名店

【感想】
それほど混んではいませんでしたが、2021年10月時点はコロナの緊急事態宣言が明けたばかりということもあり、念入りな消毒を行うために数分ほど待ってからの入店となりました。(席数もそんなに詰まってなかったけど通常より少ないかどうかは分かりません)

このお店はクレマチスの丘にある3つの飲食店の1つで、南イタリアの料理が中心となっています。契約農家の野菜や地元静岡の食材にこだわっているとのことで、しっかりとしたランチを摂ることができます。

店内はこんな感じ
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ガラス張りで開放感があって綺麗なお店です。感染症対策もしっかりされているようで安心してお食事できました。

外にはテラス席もありました。
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この日は小雨が降っていたこともあってかお客さんはいませんでした。ここも今は使っているのか分かりませんが

アンティパスト、パスタ、ピザなどのメニューがあり、とりあえず店名にもなっているピザを頼むことにしました。これはマルゲリータ(1800円)
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ちょっと焦げたような香ばしさが本格的で、チーズも美味しくて期待以上でした。これはマルゲリータのお手本みたいな味。

オニオンオイルなどで味変もできますw
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ちょっとかけるだけでまた一味変わるので、二度美味しいw

こちらはミートソースパスタ(1500円)
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こちらも肉が香ばしくて結構存在感があって美味しかった。味付けの良さも素晴らしいお店です。

デザートでティラミスも頼みました(600円)
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こちらは意外とボリュームがあったので2人で分けて丁度良かったかな。リキュールの香りが強めで、しっとりして甘さ控えめの大人の味でした。


ということで、何を食べても美味しかったですw 外に見える景色は普通ですが、お洒落な店内で落ち着いた雰囲気なので美術館に行く前後に是非立ち寄りたいお店だと思います。ちなみにもう2つのお店は前々回ご紹介したビュフェ・エリアのカフェと、このお店の奥にある日本料理のお店となります。日本料理のお店は何かのパーティで貸し切りだったので、そういう日もあることは念頭に置いたほうが良いかも

この後、このお店の奥にあるヴァンジ彫刻庭園美術館を見て回りました。次回はそれをご紹介の予定です。



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【長泉町井上靖文学館】の案内 (2021年10月)[三島編]

前回ご紹介したベルナール・ビュフェ美術館を観た後、向かいにある長泉町井上靖文学館も観てきました。

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【公式サイト】
 https://www.town.nagaizumi.lg.jp/soshiki/syogai/3/2/inouemuseum/7695.html

【会場】長泉町井上靖文学館
【最寄】三島駅 (無料送迎バスで約25分)

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

長泉町井上靖文学館はベルナール・ビュフェ美術館の正面50mくらいのところにあります。
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ちょっと石段を登っていくのが大変かもw

最近リニューアルしたばかりらしく結構綺麗な外観です。
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ただ、リニューアルで長泉町が運営するようになったらしくクレマチスの丘の共通券には入っていないので別途200円の入場料がかかりました。

館内は入口だけが撮影可能です。
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1階が展示室、2階が図書室となっていて、長泉町の人は無料らしいので一種の図書館のような存在なのかも?
 
私が行った時は企画展「没後30年 井上靖 美をめぐる物語」 2021年7月17日(土)~2022年3月8日(火)をやっていました。
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正直、井上靖の作品を読んだことはありませんが、ここに並んだ画家の豪華なメンツに惹かれてちょっと入ろうという気になりましたw

展示としては井上靖の生涯の作品と、中学時代に沼津中学に通い三島などで過ごしたことが紹介されています。その後は自伝的小説『しろばんば』や『あすなろ物語』と共に子供時代の写真や、毎日新聞社の記者時代に美術・宗教欄を担当したことで様々なアーティストに触れ、それを作品に登場させたことなどが展示されています。ロートレックやデュフィ、上村松篁などの作品のコピーなどと共にそれが紹介されていて、さらにシルクロードをテーマにした『敦煌』や『楼蘭』といった作品もあり、平山郁夫などの名前も挙がっていました。美術批評家でもあり、そう言えば坂本繁二郎が亡くなった際に翌年の追悼展の際に作家の井上靖は坂本繁二郎について「氏の晩年のはなやぎ は美しいと思う」と述べていたという話を思い出しました。
 参考記事:《坂本繁二郎》 作者別紹介
ちょっと変わった所では登山中のザイルの切断事故をテーマにした『氷壁』という作品について、事故を起こしたナイロンのザイルと麻のザイルが展示されているなど作品にまつわる品もいくつかあります。とは言え、それほど広くないので30分もあれば十分な規模かな。 2階には実際の作品を読める図書スペースになっているので、時間に余裕があったらここでゆっくりするのも良いかもしれません。

私はこの後もびっしりと三島のアート旅の予定が詰まっていたので、早々に切り上げて次に向かいましたw クレマチスの丘は2つのエリアから成っていて、この長泉町井上靖文学館とベルナール・ビュフェ美術館のある「ビュフェ・エリア」と、クレマチスガーデン ヴァンジ彫刻庭園美術館とIZU PHOTO MUSEUM(2021年現在休館中)のある「クレマチスガーデンエリア」があります。両者の間はシャトルバスもあるのですが、時間が限られているので徒歩で行くことにしました。

徒歩だと10分程度で、途中に吊橋などがあります。
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結構、本格的な吊橋で歩くと揺れますw 

下には綺麗な川も流れています。
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この日は生憎の天気だったけど、軽いハイキング気分になれます。

吊橋を渡ったら次の吊橋が見えてきましたw
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一旦、階段を下ってから再度登ることになります。

吊橋の乗り換えの場所には休憩小屋もありました。
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天気のいい日はここも気持ちよさそう

2本目の吊橋はこんな感じ。
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季節が微妙な時期だったのでちょっと地味ではありますが、山奥に観えますw

吊橋を抜けると道なき道みたいになってましたw
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これだけ見るとめっちゃ山奥にあるような感じですが、この先には普通の民家が立ち並んで大きな道路もあります。

おまけで山道にいたカニ
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沢が近いので上まできたのかも。自然と触れ合えた気がします


ということで、この後はクレマチスの丘のクレマチスガーデンエリアの美術館などを見て回ってきました。次回も引き続きその様子をご紹介しようと思います。


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【ベルナール・ビュフェ美術館】の案内 (2021年10月)[三島編]

今日は久々に美術館めぐりの記事で、静岡県の三島(実際には長泉町)にあるベルナール・ビュフェ美術館についてです。コロナ禍もだいぶ落ち着きワクチンも2回摂取済ですので、注意しつつ久々に遠征してみました。

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【公式サイト】
 https://www.clematis-no-oka.co.jp/buffet-museum/

【会場】ベルナール・ビュフェ美術館
【最寄】三島駅 (無料送迎バスで約25分)

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【感想】
こちらは三島の北にある「クレマチスの丘」の一部を担っていて、その名の通り戦後の具象画壇を代表するフランスの画家ベルナール・ビュフェの作品を集めた美術館となっています。ベルナール・ビュフェについては以前に記事にまとめたのでそれを参照いただければと思いますが、第2次世界大戦直後の世相に呼応するような寂しげな画風が「悲惨主義(ミゼラビリスム)」と呼ばれた画家で、本国フランスでも若くして高く評価されました。
 参考記事:《ベルナール・ビュッフェ》 作者別紹介
 
そのベルナール・ビュフェの名前を冠した美術館がどういう訳か三島にあるわけですが、これは創設者の岡野喜一郎(スルガ銀行の創業一家で第三代頭取)が1953年の第二回日本国際美術展(東京都美術館)でベルナール・ビュフェの絵に感銘を受けて「ひとりの天才の才能を通じ、この大地に文化の花咲くことをのぞむ」という願い、1973年に地元に近いこの土地で美術館として実現しました。集めた作品数はなんと2000点(油彩画、水彩画、素描、版画、挿画本、ポスター等)を超え、世界一のビュフェコレクションとなっています。開館式にはビュッフェ自身は参加せずに奥さんが出席したようですが、その後に岡野喜一郎とビュッフェは懇意になっていき、亡くなるまでに8回も来日しています。それだけ本人と仲が良かったのでコレクションは質の面も驚くほど高いものとなっていて、遠征する価値のある美術館です。今回は詳細なメモは取っていませんが、簡単に美術館の様子などをご紹介して参ります。

こちらはバス停から降りた辺り
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ビュッフェの作品でタイトルは「Le Scarabée」 自宅の前にも飾っていたクワガタの彫刻かな。この美術館の所蔵作品の絵の中にも登場します

近くには野外演劇場のようなものもあります。
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振り返ると隣接する井上靖記念館もあるのですが、それはまた別の記事で。

美術館付近はこんな感じ。
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右にあるのはカフェとミュージアムショップです。どの施設もコロナ対策も万全で、検温や消毒も行われます。

こちらの彫刻は「Le Papillon」
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やはりこれもビュッフェの自宅前に飾っていたものと同じだと思います。ビュッフェは子供の頃に昆虫の絵をよく描いていたと回顧しています。

この日は「具象画家 ベルナール・ビュフェ―ビュフェが描いたものー」という展示をやっていました。
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どこまで企画展でどこからが常設か分かりませんでしたが、他の画家の展示もやったりするようです。この時は展示室の一部が準備中で入れず、コロナの関係で館内施設「ビュフェこども美術館」は休館していました。


そしてこの日に観た内容は、作風が固まる前の初期作から晩年近い1990年代まで 題材ごとに100点ほど並んでいました。まず初期作については、お金がなくてキャンバスの代わりにズボンを張って描いた作品や、スーティン/クールベといった先人から影響を受けた作品、模索段階の作品などが展示され、かなり貴重なものだと思います。当時の世相や肉親の喪失などのエピソードを交えながら詳細なキャプションもあるので、ビュッフェの精神状態なども察しながら鑑賞できます。その後は、静物、家族、建物、サーカス/闘牛士、昆虫などの生き物、風景、花、日本といったテーマごとに並んでいるわけですが、かなり巨大な作品(縦2m横6mなど)がいくつも並んでいて、その充実ぶりに驚かされます。典型的な作風のものから、更に進化を模索した作品などもあり、日本の相撲を描いた作品まであって流石は世界一のコレクションです。他に大展示室には3点の大型作品があり、ダンテの『神曲』の地獄篇をテーマにした作品やキリストの受難(笞刑、復活)の作品も見どころとなっていました。とにかくビュッフェについて詳しく知れる上に代表作と言えるような作品が目白押しなので、ビュッフェ好きにはたまらない美術館だと思います。知らない方でもイチからその魅力を知ることができるんじゃないかな。

ということで、ビュッフェが好きな私にとって非常に満足度の高い美術館でした。ミュージアムショップには1000円で買えるミニ図録もあったので卓上カレンダーと共に速攻で購入しましたw 唯一惜しいのが、三島には見どころが多すぎてあまりここに時間を割きすぎると後の時間配分がキツくなることかなw 駅からも遠いので行くのがちょっと大変ではありますが、それを考慮しても素晴らしい経験となりました。

次回は同じクレマチスの丘の施設をご紹介して参ります。


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《古代アンデス文明》 テーマ別紹介

今日はテーマ別紹介で、古代アンデス文明について取り上げます。アンデス文明と一口に言ってもその歴史は長く 地域も広いわけですが、15000年~13000年ほど前に南北アメリカに人類が入って5000年前頃から先土器時代が始まり、3500年頃前の先土器時代後期には農業に基づく定住生活となり社会と政治が複雑になっていきました。5000年前の紀元前3000年~2500年にはカラル遺跡など大規模な神殿も現れ、この頃から各地に祭祀センターが発達し、その後何千年もの間も保たれました。今回は2017年の国立科学博物館での古代アンデス文明展を再編集する形で、先土器時代、チャビン文明、モチェ文明、ナスカ文明、ティワナク文化、ワリ文化、シカン文化、チムー文化、インカ文化といったアンデス文明全体の流れをダイジェスト的にご紹介しようと思います。

 参考記事:
  古代アンデス文明展 前編(国立科学博物館)
  古代アンデス文明展 後編(国立科学博物館)

こちらはざっくりとしたアンデス文明の流れ
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時系列で観ると、B.C.3000年頃からカラル文化、B.C.1000年前後にチャビン文化、紀元頃からナスカが始まり、その後にモチェ、ティワナク、ワリ、シカン、チムーと続き、スペインに滅ぼされたインカまでとなっています。

南北アメリカにはおよそ15000年前に人類が入ったようで、23000年前に東アジアやヨーロッパ人を祖先とする人達が当時陸地だったベーリング海峡を渡ってアラスカ辺りで8000年ほど暮らし、その後新大陸に入って13000年ほど前に南北アメリカ大陸を分布する集団と北アメリカに住む集団の2つに分かれたようです。その後、5000年前頃から先土器時代が始まり、3500年頃前の先土器時代後期には農業に基づく定住生活となり社会と政治が複雑になっていきました。5000年前の紀元前3000年~2500年にはカラル遺跡など大規模な神殿も現れ、その後も各地に祭祀センターが発達していき、それは何千年もの間も保たれたようです。4000年前の起源2000年頃には身分の差が生まれたようで、副葬品にその違いが現れています。

先土器時代後期 「未焼成の小型男性人像(レプリカ)」
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こちらは紀元前3000年~前1500年頃のカラル文化の土偶。手が欠けているのは埋葬の儀式で壊されたのではないかと考えられているようで、これと同様の土偶も手が欠けていたのを観たことがあります。 ニット帽を被った子供にしか観えなくてちょっと親近感がw

この他にも北部高地にはコトシュ遺跡(紀元前2500~1800年頃)なども存在しました。

先土器時代後期 「線刻装飾のある骨製の笛2本(レプリカ)」
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これはレプリカですが、ペリカンの骨でできた笛。側面には猿や鳥、ネコ科の動物などが表されています。穴の塞ぎ方で音色を調整するようで、割と本格的な装飾付きの笛が早くも作られていたことに驚きます。

続いては紀元前1300年~500年頃にアンデスを文化的に統一したと考えられるチャビン文化(現在のペルーのリマの北辺り)についてです。アンデスは文化の統一と各地に個別の文化が育つ時代が交互に現れたと考えられているようで、このチャビンが初めての文化的統一となったようです。チャビンの美術や宗教はそれまでのアンデスのいくつもの宗教伝統を統合し、多様な祭祀センターとの交流によってできあがったようですが、贅をこらした遺物からは権力への関心も伺えるようです。

チャビン文化 形成期後期 「テノンヘッド」
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これは神殿の壁面に置かれた頭像。人間離れした異形をしていますが、神殿での儀式で幻覚剤を摂取した人がネコ科の動物に変容する感覚を体験したものを表していると考えられているようです。日本の鬼瓦みたいにも見えるけど、ちょっと意味合いは違いそう。

この文化の出土品にはには自分の首を切った人の像などもあります。不自然な方向に首が曲がっていて怖い像ですw

クピスニケ文化 形成期中期(前1200年~前800年) 「刺青またはフェイスペイントをした小像」
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何かのマスコットみたいな顔をした人物像。目や鼻、お腹に穴が開いているのは焼いた時に破裂しないようにするためのようですが、何とその穴を使ってオカリナとして吹くこともできるのだとか。私にはマワシを付けたお相撲さんの像に見えましたが意外な用途w

形成期後期(前800年~前500年) 「十四人面金冠(レプリカ)」
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こちらはチャビン文化と同時期のクントゥル・ワシ遺跡(チャビンより北。紀元前800~前550年頃)からの出土品のレプリカ。六角形の中に14の頭部が表されています。切断された首が多数詰められた籠を表現しているとのことで、その意味を知ると怖い文化があったのかも。アンデスは割とその手の話題が多い気がします。

何故チャビンの宗教が権威を失ったか理由は分かりませんが、チャビンが力を失ってからその影響から離れた各地の伝統が復活していったようです。ペルー北部でペルー芸術の古典となったモチェや、南部でチャビンと隣接のパラカスから文化を取り入れたナスカなどもこの時代に栄えていきました

ガイソナ文化 「ガイソナの双胴壺」
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ちょっと間が抜けたゆるキャラみたいな顔を持つ壺ですが、手には棍棒と盾を持っています。これも笛のようになるそうですが、それも意図して作ったのかな?? この表情がアンデスらしさなのかも。

モチェ文化 「アシカをかたどった鐙型単注口土器」
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これとか完全にゆるキャラでしょw モチェの人は棍棒でアシカを狩って食料や物づくりの材料にしていたそうですが、宗教美術にも登場するので単なる食料以上の存在だったのかもとのことです。それにしてもこのデフォルメぶりは現代的なものを感じます。

モチェ文明(紀元後200年~後750(800)年頃)は灌漑施設を発達させ、経済的発展によって文化も豊かだったようです。洗練された写実的な土器や黄金の装飾品など様々な出土品があります。

モチェ文化 「金地に象嵌だれた人形面の装飾品」
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こちらは胸飾りのパーツの1つだったと考えられている品。後ろからに紐を通す穴が2箇所あいているようです。目を見開いて歯が細かく表されていて中々迫力がある表情です。金地に象嵌する技術が見事。

モチェでは4つの世界を生きていたと考えられているようで、自然の世界、自然と隣合わせで生きる人間の世界、自然と人間に影響を与える神々の世界、そして死者や祖先の世界 の4つとなります。死者や自然を近くに感じてたのかもしれません。

後期モチェ文化 「ネコ科動物の毛皮を模した儀式用"ケープ"」
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ネコ科動物が具体的に何なのか分かりませんが、結構身近な存在だったのかもしれません。これは毛皮を模した儀式用の品なので、宗教的に意味のある動物だったんじゃないかな。金ピカで威圧感もありますが、抜けた顔と猫っぽい手が可愛いw

モチェ文化(古シパン王墓) 「擬人化したネコ科動物(レプリカ)」
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目のつり上がった鬼みたいな顔をしていますがネコ科動物を擬人化しているようです。頭の上の双頭の蛇はこの後のシカン時代にまで使われていくモチーフなのだとか。これも鋭い爪ですね。

続いてはモチェと同時期の地上絵で有名なナスカ文明(起源前200年頃~後650年頃)についてです。ナスカは北部に比べて農業には向かない干ばつの多い地域で、神へ願いを届けるために優れた芸術品を作りました。しかし気候変動の影響で近くの高地に移住して文化は途絶えてしまったのだとか。

ナスカ文化 「4つの首が描かれた土製内弩鉢」
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これは首級(斬られた首)をモチーフにした鉢。目が上を向いているのは死んでるからのようです。ちょっと変顔したパフィみたいと思ったけど、そんな可愛いものじゃなかったw

なお、アンデスでは首級に力が宿っているという信仰がどの文化でも共通してあったようですが、ナスカは特に好んで土器などに表していたようです。

ナスカ文化 「クモが描かれた土器」
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これもさっきの顔に似ていますが、クモを表しています。クモは豊穣と関連すると信じられていたそうで、そう言えば地上絵にもクモが描かれていますね。

ちなみにナスカの地上絵は水を求めた儀式に関係があると考えられているようです。宇宙人へのメッセージではなく神へのメッセージでしょうねw

ナスカ文化 「8つの顔で装飾された砂時計型土器」
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こういう顔のイラストって現代でも見かける気がしますw 上部はちょっとキュビスムを感じるし色使いもアーティスティック。

パラカス・ネクロポリス期、前300~後200年頃 「刺繍マント」
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こちらは高位者のミイラの包みの1枚。非常に緻密な模様となっています。

アップするとこんな漢字
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このクオリティで沢山織り込まれているのが凄い技術です。身分と権力がよく伝わってきます。

アンデスでは6世紀後半に干ばつや洪水などの深刻な気候変動によって社会が大きく変化したようで、人口の集中が顕著に現れました。北部海岸や中部海岸のモチェやリマには特に多くの人が集まり都市とみなすことができる街となったようです。一方、南部海岸のナスカでは多くの人が海岸部を離れて高地へと移り住みました。こうした中、中部高地南部のアヤクチョ地域の1つの集落が急速に都市化し、ワリという国家の首都になり、ワリはティワナクとナスカの要素を合わせた新しい宗教も生んだようです。同じ頃、ティワナクの人々も太平洋岸に近い谷に植民地を築き、10世紀にはペルー北部海岸に強力な国家シカンも成立するなど同時期にいくつかの国家が地域ごとに発生しました。

ティワナク文化 「かみ合う犬歯が生えた髑髏をかたどった銀の葬送用冠」
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これは葬送用の冠で、穴の部分が目になた髑髏をかたどっているようです。何故牙が生えているのか分かりませんが、よく見ると横向きの髑髏が表されているなど高度な加工技術が見て取れました。

ティワナク文化(紀元後500年~後1100年頃)は標高3800mにある巨大なティティカカ湖の湖畔にある盆地で繁栄した文化で、巨大な石造建造物が並び石の文化・石の文明と呼ばれるようです。15000~30000人ほどの人口があったようで、7世紀頃から周囲に宗教的・経済的に影響力をもったようですが、11世紀頃に衰退していきました。

ティワナク文化 「2人の男性の顔が彫られたティワナク様式の石のブロック」
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石の文化と呼ばれるだけあって、こうした石造が出土しています。これはコカの葉を噛んでいる像と考えられるそうで、わずかに右の頬が膨れています。

ティワナクは標高3800mという富士山の頂上くらいの所にあるのですが、こんな所でどうやって都市が繁栄できたのか疑問に思われていたようです。しかしジャガイモの農法を工夫したり、寒さに強いリャマを飼って標高の低い土地までキャラバンを組んで遠征するなどして生活を維持していたと考えられているのだとか。

ティワナク文化 「カラササヤで出土した金の儀式用装身具」
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ネコ科の動物やラクダ科の動物などを模した装身具。権力者が金で装飾するのは洋の東西問わず共通の文化なのかも。祭祀や葬送用に使われたそうです。

パリティ島はティティカカ湖の小島で、精巧に作った土器をわざわざ粉々にして生贄のリャマの骨と共に収めたりしていました。遠くはなれたアマゾン低地の住民の肖像が何故か出てきたり不明な点もあるようですが、交流があったことが伺えます。

ティワナク文化 「パリティ島で出土した肖像土器」
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耳飾りと口にピアスのようなもの(テンベタ)をしたアマゾン低地の住民と思われる肖像土器。かなり写実的に作られていて当時の人々の顔が想像できそう。 それにしてもアマゾンとティワナクの間に交易でもあったんでしょうか??

続いてはワリ(紀元後650年~後1000年頃)の文化についてです。図像や建築技術が似ていることなどから以前はティワナクの一部と考えられていたようですが、今では武力で広い範囲を領土として他民族を統治した帝国と考えられているようです。ナスカとティワナクの要素を融合した新しい宗教を持ち、ペルー海岸部に飛び地の植民地を持つなど海と高地の覇権を握った国だったようです。

ワリ文化 「人間の顔が描かれた多彩色鉢」
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様々な種族の人が描かれた鉢。それぞれ舌を出して可愛く見えますが、これは権力者が人々に語りかける様子 もしくは 敵を絞殺した様子を表しているようです。後者だと怖いですが、いずれにせよ多くの種族と関係のあった文化なのは伝わってきました。

ワリ文化 「ワリのキープ」
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こちらはキープと呼ばれる糸。文字を持たないアンデスではこのキープの結び目が文字の替わりとなっています。この後のインカ帝国でも行政に使われましたが、インカが我々と同じ10進法であるのに大してワリは5進法なのだとか。これを解読するのは文字よりよっぽど難しそうに見えるw

続いてシカン文化(紀元後800年~後1375年頃)についてです。シカンはモチェとワリの文化の特徴を併せ持つ新たな様式と宗教を持っていて、ワリ帝国もシカンの地域には覇権を確立できないくらいの勢力だったようです。
 参考記事:
  特別展 インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン 1日ブログ記者 感想前編(国立科学博物館)
  特別展 インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン 1日ブログ記者 感想後編(国立科学博物館)
 
中期シカン文化 「打ち出し技法で装飾をほどこした金のコップ(アキリャ)5点セット」
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シカンは金を使った品が結構多いように思いますが、こちらは飲料の容器。蛇の頭や神・王などが表されているようです。割とどれも同じに見えるので、どうやって作ったのか気になります。型でも無いとこんなに似せるの難しいんじゃないかな。

中期シカン文化 「金めっきした儀式用ナイフ(トゥミ)」
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変わった形のトゥミという儀式用ナイフ。生贄の首を切るのに使われたナイフです。禿げて下地が見えるので金箔が如何に薄いかが分かるようでした。

中期シカン文化 「ロロ神殿[西の墓]の中心被葬者の仮面」
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面白い顔の形の仮面。金を銅・銀に混ぜて表面だけ金の含有量を多くしていたらしく、当時は表面を磨いて金色に見えていたと考えられるようです。ちょっと赤っぽいのは辰砂(赤色硫化水銀)が塗られていたためで、血を想起させる生命力の象徴だったとかんがえられるようです。割と可愛い顔してますが、かなりの権力者だったのかも。

続いてはチャンカイ文化についてです。チャンカイはペルー海岸部にあり、強大なチムー帝国と宗教的中心地パチャカマクの間に位置していました。白黒の土器と優れた織物が有名だったようです。

チャンカイ文化 「図案サンプル」
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こちらは多様な技法で織り込んだ4枚の布をつなぎ合わせたもの。パターンの見本と考えられているようで、模様も様々です。鳥っぽいのが多いかな。幾何学的に動物を表した模様のように思える部分もあります。

そして最後に強大な帝国を築いたチムーとインカについてです。紀元1000年頃にワリとティワナクの生態が崩壊すると再び多数の地域政体が成立し、対立や衝突が生じたようですが、北部海岸でチムー王国が急速に拡大し14世紀末にはシカンを征服して有力勢力となりました。一方、ペルー南部高地のクスコでは小勢力だったインカが急速に力を付けていき、1470年にインカはチムーを破り最大規模の帝国となっていきました。その領域は4000kmにも及ぶものでしたが、急速に発展しただけに不安定で帝国内部には反乱もあったようで、1532年にスペイン人が来る時には内戦状態でした。その後はたった168人のスペイン人の侵略でインカ帝国は崩壊へと向かっていきます。 この辺の詳細は下記の記事などをご参照ください。
 参考記事:
  マチュピチュ「発見」100年 インカ帝国展 感想前編(国立科学博物館)
  マチュピチュ「発見」100年 インカ帝国展 感想後編(国立科学博物館)

チムー文化 「木製柱状人物像」
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チムーの首都チャンチャンの遺跡で見つかった柱。王宮の入口にあったようで、何かを持っているのですが保存が悪くて詳細は分からないようです。兵士っぽいし武器なんじゃないかな??

チムー王国(紀元後1100年頃~後1470年頃)はシカンを征服しシカンの金属精錬の技術も受け継いだそうです。海岸部などとの交易のネットワークなどもあり強い国だったようですが、1470年頃にインカと激突し敗北してしまいました。他にもチリバヤ文化(紀元900年頃~1440年頃)などもあり、外科手術を施した頭蓋骨や男児のミイラなどが出土されています。乾燥した地域なので死ぬと自然にミイラになるようで、ミイラと共に暮すなど独特のミイラ文化があったようです。定期的にミイラの衣服を取り替えていたのだとか。

チムー文化 「木製ミニチュア建築物模型」
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こちらは建築物の模型。何のために作ったのか分かりませんが、儀式をする人の像もあったと考えられているらしいので何か宗教的なものかもしれません。

インカ帝国(15世紀前半~1572年)は彼らのケチュア語で「タワンティンスーユ(4つの部分が一緒になった)」と呼んでいたようで、アンデスを統一した意味が込められているようです。アンデス史上最大にして最も強い政体で、ワリやティワナクなどの習慣や制度を用いて大規模な開発(インカ道など)も作って強大な帝国を作りました。(しかし皮肉にもインカ道はスペイン人の征服にも使われたりしました。)

インカ文化 「金合金製の小型人物像(男性と女性)」
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面白い顔をしていますが、生贄の儀式で子供と共に神に捧げられた人形らしく、それを知るとちょっと怖い。ちなみにこれは金の合金で出来た品ですが、インカの遺物で現存する金製品は少ないようです。何しろスペイン人が徹底的に集めて溶かして本国に送っていたので…。色々な意味でインカの歴史が感じられる品です。

インカ文化 「インカ帝国のチャチャボヤス地方で使われたケープ」
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先程のキープよりも紐の本数が多くて半端ない大きさです。しかも途中で枝分かれしてたりするし、インカは文字が無くても高度に発展した文化であったことがよく分かります。

1532年にインカ王が殺された後、傀儡政権となってからもスペインとの戦いは意外と長く、征服されてからも反乱があったようです。ようやくスペインから独立したのは1821年なので、実に300年くらいは征服されることになります。

ということで、長い歴史の間に数多くの文化が興っては消えて行きました。アンデスの文明は日本でも人気があり、定期的に国立科学博物館で展示が行われる傾向があるので今後もそうした機会があるのではないかと思います。歴史の流れを知っておくと、一層に興味深い文化です。


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《ガラスの歴史》 テーマ別紹介

今日はテーマ別紹介で、ガラスの起源から10世紀頃までの歴史を取り上げます。ガラスは今から4300年ほど前にメソポタミアで生まれました。その後、前1世紀頃に東地中海地域で吹きガラスの技法が生まれると、ごく一部の人の贅沢品だったのが一般の人々の日用品としてローマ帝国全土に広まり、やがてササン朝ペルシアやイスラーム王朝に受け継がれ、シルクロードを経て中国や日本にももたらされていきます。形や技法も高度化し、洗練された器や装身具は交易品として好まれ、それぞれの地域の特質も生まれていきました。今日も過去の展示で撮った写真と共にご紹介しようと思います。

 参考記事:
  雲母 Kira 平山郁夫とシルクロードのガラス (平山郁夫シルクロード美術館) [山梨 北杜編]
  Drinking Glass-酒器のある情景 感想前編(サントリー美術館)


ガラスがいつ何処で発明されたのかが明らかになったのは割と最近のことで、以前はエジプトや東地中海が起源と考えられていましたが、70年ほど前にイラクでアメリカの調査隊がガラスの円筒印章やガラスの塊を発見し、最も古いガラスは4300年前のメソポタミアであることが判明しました。

こちらは前16~13世紀頃の北メソポタミアの首飾り
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青く線状の模様がついていて、既に加工技術が装飾品を作るまでになっているのがよく分かります。

ガラスは西アジアやエジプト、エーゲ海のミケーネなどでも作られるようになりました。艷やかで熱で加工しやすいのでラピスラズリやトルコ石などの輝石を目指して作られ、エジプトではファラオの身を飾る装身具や葬送品に使われました。

こちらは前14~13世紀頃のミュケナイの鋳造ビーズ。
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ミュケナイはギリシャのミケーネのこと。細かい文様の金の飾りと共にビーズが使われています。こちらも既に中を空洞にできるだけの技術と美しさに驚き。

ガラス器は紀元前16世紀半ばにメソポタミアやエジプトで王族のもとに作られ、権力者への捧げ物となったようです。また、酒は人の穢れを払い神への畏敬を表す場面と共にあり高貴な方たちの儀礼などにも使われるようになりました。

こちらは前4~3世紀頃の東地中海地域の「両耳付瓶と金製台」
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装身具だけでなく身の回りの品にもガラスが使われました。今はあまり透明感が無いように思えますが、装飾性が見事。

ちなみに古代のガラスはほとんどがこんな感じで風化しているようです。表面が白くなったり虹色に輝く皮膜のようになっているのを「銀化」と呼ぶそうで、長い間土の中にあると化学変化をおこしてこうした感じになるようです。しかし別の風合いが生まれるのでそれはそれで美しい。

前1世紀頃の東地中海地域の碗
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日本の茶器のような侘び寂びを感じるのは風化した為かも。こうしたガラス器は鋳型を使った製法で作られていたようです。

前1世紀頃の東地中海地域のリブ装飾碗
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この時代のガラス器が好みのツボかもw 色だけでなく周囲のひだの形も面白いのですが、この形は「熱垂下法」という特殊な成形が行われたようで、上下逆さにしたお椀状の型に、予め刻んだ模様(日章旗の太陽みたいな形)を乗せ、再び溶かして流れ落とすという方法で作ったそうです。 古代の人たちの知恵は凄い…。

こちらは前1世紀頃の東地中海地域のミルフィオリ(千華文)皿
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表面に無数に華の模様が付いた皿。こちらはミルフィオリガラスと呼ばれるもので、モザイクの切片を鋳型に敷き詰めて熔着しているようです。華やかな宴会で使われたのかな?

こちらは前1世紀頃のエジプトや東地中海の小さいガラス
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モザイクガラスやとんぼ玉、ペンダントなど。鳥の形や神々の頭など、ユーモラスな感じが面白い。

前1世紀~前50年頃頃になると、東地中海地域(恐らくシリア・パレスチナ地方?)で吹きガラスの技法が生まれ、これまでの鋳造ガラスやコアガラスと異なり格段に早く大量に生産できるようになりました。その為、ごく一部の人の贅沢品だったのが一般の人々の日用品へとなっていきました。また、ガラスの色の技術も発展し、徐々に透明になり紀元1世紀には窓ガラスも作られるようになったそうです。 こうした技術はローマ帝国全土に広まり、やがてササン朝ペルシアやイスラーム王朝に受け継がれ、シルクロードを経て中国や日本にももたらされることになります。

こちらは紀元1~2世紀頃の東地中海地域の吹きガラス。
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これまでのガラスと違って無色透明にかなり近づいています。消色剤としてアンチモンやマンガンを加え鉄分等の発色を抑え、温度を調節することでこうした透明度を実現しているのだとか。ローマの科学技術には毎度驚かされます。

日用品である水差し。
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紀元前後のローマの著述家によるとガラスの杯は銅貨1枚で買えるとのことなので、以前に比べて一気に値段が下がって日常に溶け込んでいったのが伝わります。

この他にもリュトンや首飾りなど様々な品が作られています。吹きガラスによって表現力も増して装飾に関してもさらに多様化したようです。

こちらは大英博物館所蔵の「ゴールドサンドイッチガラス碗」の再現模型
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オリジナルは前3~2世紀頃に作られたとされているようですが、非常に高い技術で作られていて海外では再現の研究も行われてこなかったそうです。金箔の装飾は日本の敷金と同じような技術のようで、そうした点などもあって2013年に日本の研究者によって再現されました。 現代でも簡単に再現できないほどの技術が2000年前にあったというのは驚異的です。

ガラスは安価な原料で出来ますが、洗練された器や装身具は交易品として好まれたそうで、ヨーロッパでは毛皮や琥珀、東南アジアではスパイス、中国では絹 など様々な品と交換されたようです。そうしてガラス製造も各地で行われるようになりましたが、同じ技法でも原材料の僅かな差や好みの違いでそれぞれの地域の特質が生まれたそうです。

こちらは7~8世紀頃のイランの「短形切子碗」
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透明度が高く薄手で、カットまで入っている碗。ここまで来ると現代にも通じるような出来栄えになっているように思えます。

安価になったはずが、高級な嗜好品としての側面もなくならないというのがガラスの特徴の1つかもしれませんね、

こちらは7~8世紀頃のシリア~エジプトの「羽状文小壺」
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マーブルのような模様が緻密で美しい小壷。

9~10世紀頃のシリアの腕輪
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イスラーム化する前は単色無文のシンプルなものが多かったようですが、9世紀頃からガラス棒をひねって様々な色を巻きつけるタイプが作られるようになったそうです。イスラームの人たちの好みに合ったのかな?

ちなみに有名なヴェネツィアン・グラスは982年の文献には既にガラス職人がいたことが記されているようです。(ヴェネツィアン・グラスについてはまた別の機会にでもご紹介しようと思います)


ということで、ガラスは現代に至るまでその美しさと実用性の両面で人々の生活に密接に関わってきました。高級な品がやがて安価になって大衆化するというのは人類の歴史のパターンではありますが、ガラスは芸術的な側面を維持しているのが面白いところです。今後もガラスに関する展示は沢山行われると思いますので、その歴史をざっくり知っておくと一層に楽しめると思います。


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《土偶》 テーマ別紹介

今日はテーマ別紹介で、土偶を取り上げます。土偶は定義の幅がありますが、狭義では縄文時代に作られた人や神を象ったと思われる土製の人形となります。日本各地でこれまでに発見された土偶の総数は、およそ18000点にのぼり、国宝に指定されたものも3点含まれています。最初期は恐らくBC7000年~BC4000年頃で、晩期はBC400年頃までとかなりの長期間に渡って作られました。また、形も様々でプリミティブな力強さを持つものや現代アートを思わせるような優美なものまで多彩な個性を見せてくれます。今日も過去の展示で撮った写真と共にご紹介しようと思います。

まず、土偶とは何か?という話ですが土偶の使われ方は完全に解明されているわけではないようで、いくつかの説があり
 ・安産/子孫繁栄の祈願
 ・自然界の動植物の繁殖/豊穣の祈願
 ・病気や怪我の治癒/身代わり
 ・祖先の姿。生と死の象徴
 ・死者の鎮魂と再生の祈願
 ・護符/呪物
といった目的が考えられているようです。茨城県利根町花輪台貝塚出土の「発生期の土偶」が最初期の土偶と考えられていて、時代はBC7000年~BC4000年頃のものです。初期は凝った作りでもなく先述の発生期の土偶はバイオリン型土偶とも呼ばるかなり小さくて何となく人の形っぽいものでした。また、初期の土偶は関東東部など一部の地域でしか作られていなかったそうです。

ここからは写真を使ってご紹介。撮影できなかったものはポスターの拡大なども使っていこうと思いますw

「土偶」 縄文時代(中期)・前3000~前2000年 山梨県笛吹市上黒駒出土
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猫顔でにゅっと長い腕を胸の前に出した土偶。その指は何故か3本しかありません。にゃんこ顔で可愛いですが、オカルト好きとしては宇宙人かも!?と思ってしまいますw

土偶はほぼ女性らしく、よく観ると乳房が出ているなど女性と分かる特徴を持っています。

「土偶 縄文の女神」 縄文時代(中期)・前3000~前2000年 山形県舟形町 西ノ前遺跡 (レプリカ)
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こちらは仰け反るような姿勢の土偶で、頭や手は流線型のようにデフォルメされ、足は太めになっています。非常に洗練されたフォルムで力強さもあるので、これを外国人に現代アートだと言って見せたら多分信じるんじゃないかなw よく観ると焼き焦げた部分もあったり、お腹が妊娠して膨らんでいる様子なども分かります。これは捨て場という所で見つかったそうで、捨て場は再生や復活を祈る場だったようです。こんな凄いデザインの作品が4000年以上前にあったとは本当に驚きです。

縄文時代前期(前4000~前3000年)になると、単純ではありますが顔や手の表現がみられる三角形に近い板状の土偶が出現し、定型化の道を辿りました。

「ハート形土偶」 縄文時代後期・前2000~前1000年 群馬県東吾妻町郷原出土
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こちらは非常にユニークなハート型をした土偶。これも完全に現代アートに見えますw 何故ハート型をしているのか説明を読んだことはありませんが、こうしたハート型の土偶はいくつかあるらしく、類似の土偶がいくつも並んでいるのを観たことがあります。縄文人の豊かな想像力を感じる作品です。

ハート形土偶以外にも「みみずく形」などパターン化された土偶を見かけることがあります。文化が伝播してたんでしょうかね…。

「土偶 合掌土偶」 縄文時代後期・前2000~前1000年 青森県八戸市 風張1遺跡
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こちらは体育座りで合掌するような姿勢の土偶で国宝です。このポーズは神に祈っているとかお産をしているとか様々な説があり、元々は体は赤く塗られていたようです。また、一部にアスファルトで修理した箇所もあるみたいなので、大事にしていたんじゃないかな。土偶はこのように完全な姿で残っていることは珍しく、儀式でわざと壊されていたのではないかという考えもあるくらいなので、こちらの作品は色々な意味で貴重な土偶です。

縄文中期(前3000~前2000)には、前期より引き継ぐ板状土偶が装飾性豊かな十字形土偶として発達する一方、関東・中部地方では立体的な全身立像が誕生するなど、地域性もみられるようになりました。

「土偶 中空土偶」 縄文時代後期・前2000~前1000年 北海道函館市 著保内野遺跡
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こちらは名前の通り中身が空洞となっている土偶で国宝です。薄手で側面には細かい紋様が施されているなど、中々繊細な技術を持っていたことが伺えます。形も整っていて、シンメトリーに近い造形となっています。足の間に孔があるのが気になりますが、これは空気を通して焼き上げるためのものではないかと考えられているようです。また黒漆が塗られていたようで、当時の技術の高さが伺えます。ここまでくると完全に芸術品ですね。

ちなみに土偶は広義では日本以外にも存在します。ヨーロッパや西アジアの新石器時代(前8300~前5000)では、土偶は農耕と密接な関係をもち、生産や豊穣を祈る地母神崇拝の像として発達しました。

「仮面土偶」 縄文時代後期・前2000~前1000年 長野県茅野市中ッ原遺跡出土
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かなりインパクトのある土偶です。逆三角形▽の顔を持つ土偶で、足は太く丸みを帯びて安定感があり、ガンダムのジオングが思い浮かびましたw 仮面はキツネのような顔にも見えるかな。よく観ると服のような文様と渦巻のような文様が多用されています。

縄文後期(前2000~前1000)には、各地で多彩な土偶が生まれました。個性豊かで晩期にかけて有名な土偶も多いかな。

「遮光器土偶」 縄文時代(晩期)前1000~前400年 青森県つがる市木造亀ヶ岡出土
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こちらは最も有名な土偶かもしれません。左足がかけていますが、蛙みたいで大きな遮光器をつけたような顔が独特です。 ちなみに、これを名づけた人が、イヌイット達が使う遮光器に似ていることから遮光器土偶と呼んだようですが、遺跡からは遮光器は見つかっていないので、遮光器ではないようです。 なんでこんなデザインにしたのか?は謎です。

ゲームの女神転生などの創作物でアラハバキ(荒覇吐)をこの土偶とそっくりに描くことが多いですが、これは偽の歴史書と判明した『東日流外三郡誌』で、「アラハバキは古来縄文時代に広く信仰された神であり、その時代の土器として発掘される遮光器土偶はアラハバキを模したものである」と書いてあったことに由来するようです。って、嘘だったんですねw

「縄文のビーナス」 縄文時代晩期・前1000~前400年 宮城県蔵王町鍛冶澤遺跡出土
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曲線の多いふくよかな女性を思わせる土偶で、その美しさから「縄文のビーナス」と呼ばれている国宝です。頭の上には渦巻き状の文様があり、これは髪を結っているのを表現しているようです。また、下半身はどっしりしてお腹が出ている様子は妊婦のようで安産祈願のために作ったのかな? その曲線と簡略化は近現代のアートのようですね。

先述の通り土偶はこれまで18000点程度見つかっているようですが、その中で国宝指定されている土偶はたった3点で、「中空土偶」「合掌土偶」「縄文のビーナス」が一堂に会したのは2009年の展示が初めてでした。

「土偶」 縄文時代晩期・前1000~前400年 
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これは縄文時代晩期の上境旭台貝塚(茨城県つくば市)で見つかった土偶。詳細は分かりませんが みみずく土偶と呼ばれる形に似ているように思います。これも宇宙人説を信じたくなるくらい人間離れして見えますw 

縄文晩期(前1000~前400年)には、抽象と具象を兼ね備えた土偶が東北地方を中心に展開され、芸術性に優れた中空の土偶も数多く誕生しました。

「土偶」 縄文時代晩期・前1000~前400年北海道室蘭市輪西町出土 
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こちらは何と北海道の室蘭から出てきた土偶。そう思うと深く刻まれた文様がちょっとアイヌっぽく観えてしまうw 装飾性が面白い逸品です。


ということで、未だに分からないことが多い土偶ですが、現代人の想像力を超えるような造形の品が多く、岡本太郎をはじめ多くのアーティストにも感銘を与えてきました。東京国立博物館の常設などで観られる他、各地の博物館などで目にする機会があると思いますので、是非その魅力を知っておきたい存在だと思います。

 参考記事:
  縄文―1万年の美の鼓動 感想前編(東京国立博物館 平成館) 
  縄文―1万年の美の鼓動 感想後編(東京国立博物館 平成館) 
  国宝 土偶展 (東京国立博物館 本館特別5室)
  国宝 (京都国立博物館)京都編


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展覧会年間スケジュール (1都3県) 【2021年10月号】

今日は3ヶ月に1度の展覧会スケジュールの更新です。早いもので今年最後の更新となります。この一覧は2021年10月1日時点での情報を元に作成しておりますが、今後の情勢で臨時休館やスケジュールにも影響が出る可能性があります。お出かけする前には公式サイトで詳細をご確認ください。なお、一部の美術館では事前予約制を導入しているところがあります。こちらも合わせて公式サイトでご確認ください。

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 ※結構苦労して作ってるので、そのままコピーして転載とかは勘弁してください。
 ※展覧名、スケジュール、内容などは変更になる可能性があるようです。詳しくは当該時期に近づいたら公式HPで確認してください。
 ※誤記入している可能性も有ります。間違っていたらすみません。公式サイトが常に正しいです。
 ※PCで観ている方は左サイドバーの「展展会年間スケジュール (1都3県)」というリンクから最新のスケジュールをリンクしておりますので、必要に応じてご覧ください。


<東京都現代美術館>
2021/07/17 ~ 2021/10/17 GENKYO横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?
2021/07/17 ~ 2021/10/17 MOTアニュアル2021 海、リビングルーム、頭蓋骨
2021/07/17 ~ 2021/10/17 MOTコレクション Journals 日々、記す 特別展示:マーク・マンダース「保管と展示」
2021/10/28 ~ 2021/10/31 TOKYO ART BOOK FAIR
2021/11以降 アトリウム・プロジェクト
2021/11/13 ~ 2022/02/23 Viva Video! 久保田成子展
2021/11/13 ~ 2022/02/23 MOTコレクション
2021/11/20 ~ 2022/02/23 クリスチャン・マークレートランスレーティング[翻訳する]
2021/11/20 ~ 2022/02/23 ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow
2022/03/19 ~ 2022/06/19 生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展
2022/03/19 ~ 2022/06/19 吉阪隆正展
2022/03/19 ~ 2022/06/19 Tokyo Contemporary Art Award 2020-2022 受賞記念展
2022/03/19 ~ 2022/06/19 MOTコレクション

<すみだ北斎美術館>
2021/10/12 ~ 2021/12/05 学者の愛したコレクション ―ピーター・モースと楢﨑宗重―
2021/12/21 ~ 2022/02/27 北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―

<江戸東京博物館>
2021/10/09 ~ 2021/12/05 縄文2021-東京に生きた縄文人-

<東京国立博物館>
2021/10/12 ~ 2021/11/21 伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」

<国立西洋美術館>
2020/10/19 ~ 2022年春 全館休館

<東京都美術館>
2021/07/22 ~ 2021/10/09 Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる
2021/09/18 ~ 2021/12/12 ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント
2021/11/17 ~ 2022/01/06 東京都コレクションでたどる〈上野〉の記録と記憶
2022/01/22 ~ 2022/04/03 ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展
2022/04/22 ~ 2022/07/03 スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち

<国立科学博物館>
2021/06/29 ~ 2022/03/21 企画展 日本の海洋調査への挑戦とあゆみ-JAMSTEC創立50周年記念-
2021/07/13 ~ 2021/10/03 企画展 加速器 -とてつもなく大きな実験施設で宇宙と物質と生命の謎に挑んでみた-
2021/10/14 ~ 2022/01/12 大英博物館ミイラ展
2021/10/13 ~ 2021/11/24 木組 分解してみました

<東京藝術大学大学美術館>
2021/09/11 ~ 2021/10/10 みろく ―終わりの彼方 弥勒の世界―
2021/09/22 ~ 2021/10/04 GEIDAI FACTORY LAB 2017~2021 −MATERIAL COMPLEX−
2021/10/07 ~ 2021/10/15 日本画第三研究室展-現状模写「国宝信貴山縁起絵巻 山崎長者巻」-
2021/10/08 ~ 2021/10/14 ブンポニチ/文保日・展 2021
2021/10/28 ~ 2021/11/07 上原利丸退任記念展 本友禅染の多様性と独自性
2021/11/13 ~ 2021/11/28 「新しい成長」の提起 ポストコロナ社会を創造するアーツプロジェクト

<上野の森美術館>
2020/09/16 ~ 2021/11/14 ー虚構と現実の間に 蜷川実花展
2020/12/02 ~ 2022/01/31 深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」

<アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)>
開幕延期 クロード・モネ—風景への問いかけ オルセー美術館・オランジュリー美術館特別企画
2021/10/02 ~ 2022/01/10 ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」ー森村泰昌 ワタシガタリの神話
2021/10/02 ~ 2022/01/10 石橋財団コレクション選 「印象派ー画家たちの友情物語」 「特集コーナー展示 挿絵本にみる20世紀フランスとワイン」
2022/01/29 ~ 2022/04/10 はじまりから、いま。1952ー2022 アーティゾン美術館の軌跡—古代美術、印象派、そして現代へ
2022/04/29 ~ 2022/07/10 ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策
2022/04/29 ~ 2022/07/10 Transformation 越境から生まれるアート
2022/04/29 ~ 2022/07/10 石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 ピカソとミロの版画 —教育普及企画—
2022/07/20 ~ 2022/10/16 石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 田園、家族、都市
2022/07/30 ~ 2022/10/16 生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎
2022/10/25 ~ 2023/02/05 石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 アート・イン・ボックス –マルセル・デュシャンの《トランクの箱》とその後
2022/11/05 ~ 2023/02/05 パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂

<三井記念美術館>
2021/08/23 ~ 2022/04/28 リニューアル工事のため休館 (ゴールデンウィークより開催の予定)

<出光美術館(東京本館)>
開催見合わせ 生誕150年 ジョルジュ・ルオー 前期
開催見合わせ 生誕150年 ジョルジュ・ルオー 後期
2022/01/18 ~ 2022/03/21 出光佐三とそのコレクション ―美へのまなざし

<東京国立近代美術館>
2021/10/26 ~ 2022/02/13 柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年
2022/03/18 ~ 2022/05/08 没後50年 鏑木清方展

<東京ステーションギャラリー>
2021/10/09 ~ 2021/11/28 小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌
2021/12/18 ~ 2022/03/27 ハリー・ポッターと魔法の歴史

<三菱一号館美術館>
2021/10/15 ~ 2022/01/16 イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン
2022/02/18 ~ 2022/05/15 上野リチ:ウィーンから来たデザイン・ファンタジー
2022/06/18 ~ 2022/09/25 ガブリエル・シャネル展― Manifeste de mode

<国立新美術館>
2021/10/01 ~ 2021/12/19 庵野秀明展
2022/02/09 ~ 2022/05/30 メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年
会期変更 未定 マティス 自由なフォルム

<サントリー美術館>
2021/09/15 ~ 2021/10/31 サントリー美術館 開館60周年記念展 刀剣 もののふの心
2021/11/17 ~ 2022/01/10 サントリー美術館 開館60周年記念展 千四百年御聖忌記念特別展 聖徳太子 ―日出づる処の天子―

<21_21 DESIGN SIGHT>
2021/07/02 ~ 2021/11/28 企画展「ルール?展」
2021/12月 ~ 企画展「2121年 Futures In-Sight」展

<森アーツセンターギャラリー>
2021/07/16 ~ 2021/10/11 KAWS TOKYO FIRST Sponsored by DUO
2021/10/26 ~ 2021/12/12 『鬼滅の刃』吾峠呼世晴原画展
2021/12/22 ~ 2022/01/08 書家 金澤翔子展 「つきのひかり」
2022/01/21 ~ 2022/03/25 ボストン美術館所蔵「THE HEROES 刀剣×浮世絵-武者たちの物語」

<六本木ヒルズ展望台東京シティビュー>
2021/09/17 ~ 2022/01/10 サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史

<森美術館>
2021/04/22 ~ 2022/01/16 アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人
会期変更(未定) Chim↑Pom展(仮題)

<大倉集古館>
2021/08/24 ~ 2020/10/24 企画展 能Noh ~秋色モード~
2021/11/02 ~ 2022/01/10 特別展 篁 牛人~昭和水墨画壇の鬼才~
2022/01/18 ~ 2022/03/27 企画展 季節をめぐり、自然と遊ぶ ~花鳥・山水の世界~

<泉屋博古館 分館>
2020/01月 ~ 2021/12月予定 改修工事のため休館

<東京都庭園美術館>
2021/09/18 ~ 2021/11/28 キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート
2022/01/15 ~ 2021/04/10 奇想のモード(仮称)

<目黒区美術館>
2021/11/13 ~ 2021/12/19 目黒区美術館コレクション展 日々のよろこび 2021

<根津美術館>
2021/09/11 ~ 2021/10/17 企画展 はじめての古美術鑑賞 −人をえがく−
2021/11/03 ~ 2021/12/19 重要文化財指定記念特別展 鈴木其一・夏秋渓流図
2022/01/08 ~ 2022/02/13 企画展 文様のちから −造形に託された祈り−
2022/02/26 ~ 2022/03/31 企画展 かたちのチカラ −素材で魅せる−

<太田記念美術館>
2021/09/04 ~ 2021/10/24 没後160年記念 歌川国芳
2021/10/29 ~ 2021/12/19 河鍋暁斎 ―躍動する絵本
2022/01/05 ~ 2022/01/30 江戸の恋
2022/02/04 ~ 2022/02/27 信じるココロ ―信仰・迷信・噂話
2022/03/04 ~ 2022/03/27 赤 ―色が語る浮世絵の歴史

<パナソニック 汐留ミュージアム>
2021/10/09 ~ 2021/12/19 ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ
2022/01/15 ~ 2022/03/21 未来へつなぐ陶芸 ―伝統工芸のチカラ展

<日本科学未来館>
予定なし

<SOMPO美術館(東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館)>
2021/10/02 ~ 2021/12/26 川瀬巴水 旅と郷愁の風景
2022/01/14 ~ 2022/02/13 絵画のゆくえ 2022
2022/02/19 ~ 2022/03/13 FACE展2022
2022/03/26 ~ 2022/06/26 シダネルとマルタン展
2022/07/13 ~ 2022/10/10 スイス プチ・パレ美術館展

<東京オペラシティアートギャラリー>
2021/10/09 ~ 2021/12/19 和田誠展
2022/01/13 ~ 2022/03/25 ミケル・バルセロ(タイトル未定)

<Bunkamuraザ・ミュージアム>
2021/09/18 ~ 2021/11/23 ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス
2021/12/07 ~ 2022/01/30 ザ・フィンランドデザイン展 自然が宿るライフスタイル
2022/02/11 ~ 2022/04/17 ミロ展―日本を夢みて

<松濤美術館>
2021/08/24 ~ 2021/10/10 デミタスカップの愉しみ
2021/10/23 ~ 2021/12/12 渋谷区立松濤美術館 開館40周年記念 白井晟一 入門 第1部
2022/01/04 ~ 2021/01/30 渋谷区立松濤美術館 開館40周年記念 白井晟一 入門 第2部

<山種美術館>
2021/09/09 ~ 2021/11/07 速水御舟と吉田善彦 ―師弟による超絶技巧の競演―
2021/11/13 ~ 2022/01/23 奥村土牛 ―山﨑種二が愛した日本画の巨匠 第2弾―
2022/02/05 ~ 2022/04/17 上村松園・松篁 ―美人画と花鳥画の世界― (仮称)

<板橋区立美術館>
2021/08/21 ~ 2021/10/03 館蔵品展 目力展 見る/見られるの関係性
2021/11/20 ~ 2022/01/10 つくる・つながる・ポール・コックス展
2021/03/12 ~ 2022/04/17 建部凌岱展

<練馬区立美術館>
2021/09/23 ~ 2021/11/14 ピーター・シスの闇と夢
2021/11/23 ~ 2022/01/30 収蔵作品による 小林清親展【増補】-サプリメント-

<世田谷美術館>
2021/09/04 ~ 2021/11/07 塔本シスコ展 シスコ・パラダイス かかずにはいられない!人生絵日記
2021/11/20 ~ 2022/02/27 生誕160年記念 グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生
2022/03/26 ~ 2022/06/19 出版120周年 ピーターラビット™展

<静嘉堂文庫美術館>
2022(令和 4)年に、東京丸の内の明治生命館1階に美術館の展示ギャラリーを移転
移転施設は美術館の展示ギャラリーのみで、美術品の保管管理・研究閲覧業務、並びに静嘉堂文庫 (書庫)、敷地・庭園の管理業務は、現在の世田谷区岡本にて 継続

<府中市美術館>
2021/09/18 ~ 2021/11/28 府中市美術館開館20周年記念 動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり
2021/12/18 ~ 2022/02/27 池内晶子
2022/03/12 ~ 2022/05/08 春の江戸絵画まつり ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もありますーー京の絵画と敦賀コレクション

<横浜美術館>
2021/03/01 ~ 2023年度中 大規模改修工事のため休館

<そごう美術館>
2021/09/10 ~ 2021/10/10 森に棲む服/forest closet ひびのこづえ展
2021/10/16 ~ 2021/11/14 寿(ことほ)ぎのきもの ジャパニーズ・ウェディング―日本の婚礼衣裳―
2021/11/19 ~ 2022/01/10 ムーミンコミックス展

<横須賀美術館>
2021/09/18 ~ 2021/11/07 ビジュツカンノススメ アートを楽しむ4つのヒント
2021/11/20 ~ 2021/12/26 くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵展
2022/02/11 ~ 2022/04/10 ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ

<神奈川県立近代美術館 葉山館>
2021/09/18 ~ 2021/11/14 生誕110年 香月泰男展
2021/09/18 ~ 2021/11/14 コレクション展 内なる風景
2021/11/27 ~ 2022/01/30 矢萩喜從郎 新しく世界に関与する方法
2021/11/27 ~ 2022/01/30 コレクション展 アンリ・マティスの挿絵本
2022/02/12 ~ 2022/04/03 奥谷 博―無窮へ

<神奈川県立近代美術館 鎌倉別館>
2021/09/21 ~ 2021/11/14 町田市立博物館所蔵 岩田色ガラスの世界展ー岩田藤七・久利・糸子ー
2021/11/23 ~ 2022/01/30 フィリア ― 今 道子
2022/02/12 ~ 2022/04/17 山口勝弘展 『日記』(1945-1955)に見る

<埼玉県立近代美術館>
2021/09/23 ~ 2021/11/03 美男におわす
2021/11/16 ~ 2022/01/16 大・タイガー立石展 世界を描きつくせ!
2022/02/05 ~ 2022/05/15 開館40周年記念展[1]- コレクション展

<うらわ美術館>
2021/11/16 ~ 2022/01/16 大・タイガー立石展 世界を描きつくせ!

<DIC川村記念美術館>
2021/07/03 ~ 2021/10/03 クリストとジャンヌ゠クロード―包む、覆う、積み上げる コレクションViewpoint
2021/10/09 ~ 2022/01/10 ミニマル/コンセプチュアル ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術

<千葉市美術館>
2021/10/02 ~ 2021/12/19 福田美蘭展 千葉市美コレクション遊覧
2022/01/12 ~ 2022/03/06 ジャポニスム―世界を魅了した浮世絵

ということで、今回はそれほど更新が無かったのですが、変更も少なくてかなり落ち着いてきた感があります。昨日をもってコロナの緊急事態宣言も明けたし、私もワクチンを接種済なのでそろそろ展示を観に行こうかと考えております。ようやく光が見えてきました。
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  展覧会年間スケジュール (1都3県) 【2020年10月号】
  展覧会年間スケジュール (1都3県) 【2020年07月号】
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■2011/11/21
海の見える杜美術館の公式紹介サイトに掲載されました
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■2011/9/29
「週刊文春 10月6日号」に掲載されました
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■2009/10/28
Yahoo!カテゴリーに登録されました
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