Archive | 2021年11月
久々に展覧会の記事です。2週間ほど前の土曜日に三菱一号館美術館で「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン」を観てきました。メモを多めに取ってきましたので前編・後編に分けてご紹介していこうと思います。

【展覧名】
イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン
【公式サイト】
https://mimt.jp/israel/
【会場】三菱一号館美術館
【最寄】東京駅/有楽町駅
【会期】2021年10月15日(金) ~ 2022年1月16日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
事前予約制の展覧会ではあるものの 当日券もあるということでチケットを買わずに行ったところ、20分くらいチケット購入待ちの列に並びましたw 中はそれほど混んでいませんが、待ち時間は長いので混雑状況は②にしておきます。これから行かれる方は事前予約をしたほうが無難だと思います(人で一杯になると予約者優先です)
さて、この展示はイスラエルのエルサレムにあるイスラエル博物館の名前を冠したもので、その50万点にも及ぶコレクションの中から印象派前後の画家の作品を中心に69点が並ぶ内容となっています。そのうち59点は日本初公開ということで、非常に貴重な機会で大半の方はまだ観たことがない作品なのではないかと思います。展示構成は主にモチーフごとに分かれていましたので、各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<I 水の風景と反映>
まずは水辺の作品のコーナーです。印象派は水のある光景を好んで描いたことが知られていますが、その印象派の先駆けになったコローやクールベ、ブーダンなどの時代の作品から並んでいました。
2 ジャン=バティスト・カミーユ・コロー 「川釣り」
水辺の森を描いた作品で、岸には牛、水上には小舟で釣りをする人が描かれています。木々のぼんやりした表現がコローっぽさを感じさせます。穏やかでちょっと幻想性すら感じられる光景でした。
この辺りには他にもコローが3点ほどあり「川沿いの町、ヴィル=ダブレー」(★こちらで観られます)という作品も同様にコローの典型的な作風に思えました。
8 カール・ピエール・ドービニー 「漕ぎ手のいる大きな川の風景」
こちらは印象派の先駆けの1人であるシャルル=フランソワ・ドービニーの息子の作品で、水上から見た橋や教会が描かれています。父に比べるとやや暗く くすんだ色合いに見えるかな。川には小舟が浮かび静かでちょっと物悲しい雰囲気にも思えました。
近くには父のシャルル=フランソワ・ドービニーの作品もありました。モネにも伝授したアトリエ船から見た川の景色を描いたもので、さすが親子だけあって似た雰囲気です。
9 ギュスターヴ・クールベ 「海景色」 ★こちらで観られます
荒々しい海の波を描いたクールベお馴染みの画題で、背景には黒っぽい雲が迫っている様子が描かれています。粗目のタッチではあるものの写実的で力強さを感じます。特に波の飛び散り方に緊張感があるように思いました。
14 ウジェーヌ・ブーダン 「潮、海辺の日没」
こちらは小さめの作品で、夕日の中で網を引っ張る漁師らしき2人の人の姿が描かれています。水平線には太陽があり全体的に黄色~オレンジに染まっています。縦長の画面に水平線が下の方にあるので画面は小さくても広々とした印象を受けました。
10 ポール・セザンヌ 「川の湾曲部」
こちらは恐らくセザンヌの初期作品で、暗い色調で川を描いています。かなり粗くて細部はよく分かりませんが力強く、セザンヌが表現を模索している様子が伝わってきます。解説によると、レアリスムの理念を反映しているものの、本質はロマン主義に近く気質や気分が優先されてるようでした。
この隣にあった「エスタックの岩」は打って変わって平坦で滑らかな表現になっていて、その違いに驚きます。
23 ポール・シニャック 「サモワの運河、曳舟」
こちらは大型の作品で、川の上に蒸気船が浮かぶ様子が描かれ、川岸には並木道が続いています。新印象主義の特徴である大きな点描で描いていてオレンジ~紫がかった独特の色彩となっています。陰影もしっかりついていてシニャックならではの味わいです。長閑で静かな光景となっていました。
この近くにはベルギーの20人会の作品などもありました。点描のベルギーへの受容を感じさせる1枚です。また、モネのエトルタを描いた作品やシスレー、ブーダンなどもありました。ブーダンは典型的な作風の海景画で、広々として清々しい光景です。
25 ポール・セザンヌ 「川のそばのカントリーハウス」 ★こちらで観られます
手前に水面があり両脇に木々が並び、奥に屋敷の見える光景を描いた作品です。木には茶色が混じり全体的に緑とオレンジが多いセザンヌらしい色彩感覚です。家は三角や直線でデフォルメされていたり、塗り残しのようなところがあったりするのも個性が感じられて見応えがありました。
<II 自然と人のいる風景>
続いては自然や人の営みを描いた風景画のコーナーです。大部屋だけは撮影可能となっていましたので、この部屋は写真を使ってご紹介して参ります。
レッサー・ユリィ 「風景」

今回の展示で一番の発見だったのがこのレッサー・ユリィでした。ミュンヘンの分離派に参加した画家で、静物や風景を印象派に近い技法で描きました。ここでは水辺の風景を陰影強めに描いていて神秘的な雰囲気かな。この後にも何度かレッサー・ユリィは出てきますがどれも好みです。
27 クロード・モネ 「睡蓮の池」

こちらは今回の見所の1つです。後の章でこれとよく似た作品が3点出てきますので、じっくり観ておきたいところです。晩年のジヴェルニーの自邸の庭を描いたもので、光の微妙な違いや、空の広がりなどを感じさせます。実物、反射、水面下などが一体となって遠近感も曖昧になるような光景ですね。
参考記事:番外編 フランス旅行 ジヴェルニー モネの家
クロード・モネ 「ジヴェルニーの娘たち、陽光を浴びて」

これは実際には娘たちではなく、悪天候に備えて築かれた藁の束です。影がないので真昼と思われるようですが、かなりボコボコした仕上がりになっていて近くで観るとそれが藁の質感を強めているように思えました。
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー 「モルトフォンテーヌ、小さな柵へ続く道」

牧歌的で柔らかい空気感がコローの真骨頂だと思います。この樹のモヤッた感じが特徴の1つですw 穏やかで温かみがありますね。
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー 「樹々の間に差す陽光」

こちらも樹が描かれたコローの作品。逆光で暗い中にポツンと人影があるのが何とも寂しげで詩的な印象です。
シャルル=フランソワ・ドービニー 「花咲くリンゴの木」

コローと同じくバルビゾン派なので表現は共通する部分が感じられるかな。よく観ると人や牛の姿もあり、一種のユートピアのような雰囲気すらあるかも。
ギュスターヴ・クールベ 「岩のある風景」

クールベは天使とか見えないものは描きたくないという当時の画壇では反逆児のような存在で、一方でこうした自然はつぶさに描いています。岩のゴツゴツした感じが何とも力強い
参考記事:《ギュスターヴ・クールベ》 作者別紹介
ギュスターヴ・クールベ 「森の流れ」

こちらも自然描写。この時代は自然を大画面に描くということ自体も革新的なことでした。この光景を描こうと思った時点ですごいw
ということで、2章の途中で中途半端ですが今日はここまでにして次回も残りの写真を使っていこうと思います。巨匠の典型的な作品が多い一方で目新しい画家も見つかってかなりの満足度です。
→後編はこちら

【展覧名】
イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン
【公式サイト】
https://mimt.jp/israel/
【会場】三菱一号館美術館
【最寄】東京駅/有楽町駅
【会期】2021年10月15日(金) ~ 2022年1月16日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
事前予約制の展覧会ではあるものの 当日券もあるということでチケットを買わずに行ったところ、20分くらいチケット購入待ちの列に並びましたw 中はそれほど混んでいませんが、待ち時間は長いので混雑状況は②にしておきます。これから行かれる方は事前予約をしたほうが無難だと思います(人で一杯になると予約者優先です)
さて、この展示はイスラエルのエルサレムにあるイスラエル博物館の名前を冠したもので、その50万点にも及ぶコレクションの中から印象派前後の画家の作品を中心に69点が並ぶ内容となっています。そのうち59点は日本初公開ということで、非常に貴重な機会で大半の方はまだ観たことがない作品なのではないかと思います。展示構成は主にモチーフごとに分かれていましたので、各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<I 水の風景と反映>
まずは水辺の作品のコーナーです。印象派は水のある光景を好んで描いたことが知られていますが、その印象派の先駆けになったコローやクールベ、ブーダンなどの時代の作品から並んでいました。
2 ジャン=バティスト・カミーユ・コロー 「川釣り」
水辺の森を描いた作品で、岸には牛、水上には小舟で釣りをする人が描かれています。木々のぼんやりした表現がコローっぽさを感じさせます。穏やかでちょっと幻想性すら感じられる光景でした。
この辺りには他にもコローが3点ほどあり「川沿いの町、ヴィル=ダブレー」(★こちらで観られます)という作品も同様にコローの典型的な作風に思えました。
8 カール・ピエール・ドービニー 「漕ぎ手のいる大きな川の風景」
こちらは印象派の先駆けの1人であるシャルル=フランソワ・ドービニーの息子の作品で、水上から見た橋や教会が描かれています。父に比べるとやや暗く くすんだ色合いに見えるかな。川には小舟が浮かび静かでちょっと物悲しい雰囲気にも思えました。
近くには父のシャルル=フランソワ・ドービニーの作品もありました。モネにも伝授したアトリエ船から見た川の景色を描いたもので、さすが親子だけあって似た雰囲気です。
9 ギュスターヴ・クールベ 「海景色」 ★こちらで観られます
荒々しい海の波を描いたクールベお馴染みの画題で、背景には黒っぽい雲が迫っている様子が描かれています。粗目のタッチではあるものの写実的で力強さを感じます。特に波の飛び散り方に緊張感があるように思いました。
14 ウジェーヌ・ブーダン 「潮、海辺の日没」
こちらは小さめの作品で、夕日の中で網を引っ張る漁師らしき2人の人の姿が描かれています。水平線には太陽があり全体的に黄色~オレンジに染まっています。縦長の画面に水平線が下の方にあるので画面は小さくても広々とした印象を受けました。
10 ポール・セザンヌ 「川の湾曲部」
こちらは恐らくセザンヌの初期作品で、暗い色調で川を描いています。かなり粗くて細部はよく分かりませんが力強く、セザンヌが表現を模索している様子が伝わってきます。解説によると、レアリスムの理念を反映しているものの、本質はロマン主義に近く気質や気分が優先されてるようでした。
この隣にあった「エスタックの岩」は打って変わって平坦で滑らかな表現になっていて、その違いに驚きます。
23 ポール・シニャック 「サモワの運河、曳舟」
こちらは大型の作品で、川の上に蒸気船が浮かぶ様子が描かれ、川岸には並木道が続いています。新印象主義の特徴である大きな点描で描いていてオレンジ~紫がかった独特の色彩となっています。陰影もしっかりついていてシニャックならではの味わいです。長閑で静かな光景となっていました。
この近くにはベルギーの20人会の作品などもありました。点描のベルギーへの受容を感じさせる1枚です。また、モネのエトルタを描いた作品やシスレー、ブーダンなどもありました。ブーダンは典型的な作風の海景画で、広々として清々しい光景です。
25 ポール・セザンヌ 「川のそばのカントリーハウス」 ★こちらで観られます
手前に水面があり両脇に木々が並び、奥に屋敷の見える光景を描いた作品です。木には茶色が混じり全体的に緑とオレンジが多いセザンヌらしい色彩感覚です。家は三角や直線でデフォルメされていたり、塗り残しのようなところがあったりするのも個性が感じられて見応えがありました。
<II 自然と人のいる風景>
続いては自然や人の営みを描いた風景画のコーナーです。大部屋だけは撮影可能となっていましたので、この部屋は写真を使ってご紹介して参ります。
レッサー・ユリィ 「風景」

今回の展示で一番の発見だったのがこのレッサー・ユリィでした。ミュンヘンの分離派に参加した画家で、静物や風景を印象派に近い技法で描きました。ここでは水辺の風景を陰影強めに描いていて神秘的な雰囲気かな。この後にも何度かレッサー・ユリィは出てきますがどれも好みです。
27 クロード・モネ 「睡蓮の池」

こちらは今回の見所の1つです。後の章でこれとよく似た作品が3点出てきますので、じっくり観ておきたいところです。晩年のジヴェルニーの自邸の庭を描いたもので、光の微妙な違いや、空の広がりなどを感じさせます。実物、反射、水面下などが一体となって遠近感も曖昧になるような光景ですね。
参考記事:番外編 フランス旅行 ジヴェルニー モネの家
クロード・モネ 「ジヴェルニーの娘たち、陽光を浴びて」

これは実際には娘たちではなく、悪天候に備えて築かれた藁の束です。影がないので真昼と思われるようですが、かなりボコボコした仕上がりになっていて近くで観るとそれが藁の質感を強めているように思えました。
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー 「モルトフォンテーヌ、小さな柵へ続く道」

牧歌的で柔らかい空気感がコローの真骨頂だと思います。この樹のモヤッた感じが特徴の1つですw 穏やかで温かみがありますね。
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー 「樹々の間に差す陽光」

こちらも樹が描かれたコローの作品。逆光で暗い中にポツンと人影があるのが何とも寂しげで詩的な印象です。
シャルル=フランソワ・ドービニー 「花咲くリンゴの木」

コローと同じくバルビゾン派なので表現は共通する部分が感じられるかな。よく観ると人や牛の姿もあり、一種のユートピアのような雰囲気すらあるかも。
ギュスターヴ・クールベ 「岩のある風景」

クールベは天使とか見えないものは描きたくないという当時の画壇では反逆児のような存在で、一方でこうした自然はつぶさに描いています。岩のゴツゴツした感じが何とも力強い
参考記事:《ギュスターヴ・クールベ》 作者別紹介
ギュスターヴ・クールベ 「森の流れ」

こちらも自然描写。この時代は自然を大画面に描くということ自体も革新的なことでした。この光景を描こうと思った時点ですごいw
ということで、2章の途中で中途半端ですが今日はここまでにして次回も残りの写真を使っていこうと思います。巨匠の典型的な作品が多い一方で目新しい画家も見つかってかなりの満足度です。
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9回に渡ってご紹介した三島編もラストです。美術館や史跡をひとしきり巡った後、三島駅の南口にある 沼津魚がし鮨 三島駅南口店でお寿司を頂いてから帰りました。

【店名】
沼津魚がし鮨 三島駅南口店
【ジャンル】
寿司
【公式サイト】
https://www.uogashizushi.co.jp/shop/e-shop/mishimaekiminami/
食べログ:https://tabelog.com/shizuoka/A2205/A220501/22027080/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
三島駅
【近くの美術館】
三島市郷土資料館
佐野美術館
三嶋大社宝物館
【この日にかかった1人の費用】
2300円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
夕飯にはちょっと早めの17時に入店したのでほぼ待ちませんでしたが、直後にお店の外まで待っている人がいたので単にラッキーだったのかも。持ち帰りのお客さんもひっきりなしにやってきて、人気店のようです。
さて、このお店はその名の通り三島にほど近い沼津魚市場で競り権を持っているお鮨屋さんで、毎朝競り落としたネタを頂けるということで地元の食材っぽいこともあって寄ってみました。
店内はこんな感じ。まあよくあるお寿司屋さんって感じですが、コロナが収束気味でもしっかりと対策を行っていて仕切りなどが設置されていました。

値段を見ずに入ったのですが、メニューを観て安さに驚きましたw
こちらは奥さんが頼んだ関脇(1518円) 撮り忘れたけどお椀もつきます

安さに驚いていたけど、ネタを観たら予想以上のクオリティで更に驚きましたw これは食べる前から美味いと分かるw
私はお店のイチオシの近海握り(1980円)を頼みました。

大好きな光り物が多くて嬉しいセット。非常に新鮮で味も深くてコスパ良すぎです。若干、シャリに硬いお米が混じってたのが気になったけどネタが圧倒的。
近海握りにはカニ汁が付いてきます

こちらも出汁がよく出ていて期待以上に美味しかったです。多分、この店は何を食べても美味しいやつw
追加でこの日の目玉商品だった特上炙り3種(690円)も頼んでみました。中トロ、鰻、金目鯛です。

鰻は三島の名物ということもあって食べておきたかったw 香ばしさとトロっとした食感でこの値段なのが不思議なくらいです。金目鯛も脂が乗って美味しい。中トロは生のほうが好みかなw
これらにジンジャーエールと烏龍茶(各220円)をつけて5000円以内で収まりました。こんなお店が近くにあったら…と思って調べたら東京の丸ビルや横浜のランドマークにもお店があるようなので、今度は丸ビルのお店に行ってみたくなりました。
参考リンク:https://www.uogashizushi.co.jp/shop/o-shop/
ということで、非常にコスパが良くて満足できました。駅前という利便性も良いので三島観光の帰りに寄るのに最適だと思います。最後の最後まで三島は素晴らしい街でした。

【店名】
沼津魚がし鮨 三島駅南口店
【ジャンル】
寿司
【公式サイト】
https://www.uogashizushi.co.jp/shop/e-shop/mishimaekiminami/
食べログ:https://tabelog.com/shizuoka/A2205/A220501/22027080/
※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
【最寄駅】
三島駅
【近くの美術館】
三島市郷土資料館
佐野美術館
三嶋大社宝物館
【この日にかかった1人の費用】
2300円程度
【味】
不味_1_2_3_④_5_美味
【接客・雰囲気】
不快_1_2_③_4_5_快適
【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【総合満足度】
地雷_1_2_3_④_5_名店
【感想】
夕飯にはちょっと早めの17時に入店したのでほぼ待ちませんでしたが、直後にお店の外まで待っている人がいたので単にラッキーだったのかも。持ち帰りのお客さんもひっきりなしにやってきて、人気店のようです。
さて、このお店はその名の通り三島にほど近い沼津魚市場で競り権を持っているお鮨屋さんで、毎朝競り落としたネタを頂けるということで地元の食材っぽいこともあって寄ってみました。
店内はこんな感じ。まあよくあるお寿司屋さんって感じですが、コロナが収束気味でもしっかりと対策を行っていて仕切りなどが設置されていました。

値段を見ずに入ったのですが、メニューを観て安さに驚きましたw
こちらは奥さんが頼んだ関脇(1518円) 撮り忘れたけどお椀もつきます

安さに驚いていたけど、ネタを観たら予想以上のクオリティで更に驚きましたw これは食べる前から美味いと分かるw
私はお店のイチオシの近海握り(1980円)を頼みました。

大好きな光り物が多くて嬉しいセット。非常に新鮮で味も深くてコスパ良すぎです。若干、シャリに硬いお米が混じってたのが気になったけどネタが圧倒的。
近海握りにはカニ汁が付いてきます

こちらも出汁がよく出ていて期待以上に美味しかったです。多分、この店は何を食べても美味しいやつw
追加でこの日の目玉商品だった特上炙り3種(690円)も頼んでみました。中トロ、鰻、金目鯛です。

鰻は三島の名物ということもあって食べておきたかったw 香ばしさとトロっとした食感でこの値段なのが不思議なくらいです。金目鯛も脂が乗って美味しい。中トロは生のほうが好みかなw
これらにジンジャーエールと烏龍茶(各220円)をつけて5000円以内で収まりました。こんなお店が近くにあったら…と思って調べたら東京の丸ビルや横浜のランドマークにもお店があるようなので、今度は丸ビルのお店に行ってみたくなりました。
参考リンク:https://www.uogashizushi.co.jp/shop/o-shop/
ということで、非常にコスパが良くて満足できました。駅前という利便性も良いので三島観光の帰りに寄るのに最適だと思います。最後の最後まで三島は素晴らしい街でした。
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今日も写真多めです。前回ご紹介した三嶋暦師の家を見学した後、有名な三嶋大社にお参りしてきました。
【公式サイト】
http://www.mishimataisha.or.jp/
【施設】三嶋大社
【最寄】三島駅
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
三嶋大社は三島の地名の由来になったとされるほどこの地にとって重要な存在で、創建の時期は不明なものの奈良時代には既に記録が残っているという古くからの神社です。伊豆国の一宮とされ、大山祇命(おおやまつみのみこと)と積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)の二柱の神を総じて三嶋大明神と称しています。大山祇命は山森農産の守護神、事代主神は恵比須様のことで、源頼朝が源氏再興を祈願した神社としても有名です。
こちらは大鳥居。神社の南側にあり、北西に位置する三島駅から行くと反対側になってしまいます。

この写真を撮った辺りには鰻屋さんがありました。三島は鰻が名物であちこちにお店があります。昔は鰻は三嶋大社の神様の使いとされていたのですが、ある時に食べてみたら罰も当たらず美味しかったということで名物になりましたw
鳥居をくぐると池の真ん中に道があり、西側に厳島神社があります(この写真は本殿側から観てます)

市杵嶋姫命(いちきしまひめ)をお祀りし、北条政子が勧請したとされる神社です。市杵嶋姫命は神仏習合で弁財天と同神とされたので、ご利益も弁天様の芸事上達などとなっています。弁天様だけにちょっと夫婦でお参りするのは躊躇しましたが安産のご利益もあるようです。
こちらは総門。

1930年(昭和5年)に北伊豆地震で被災したようですが、その翌年には竣工したようです。でっかい しめ縄は400kgもあるのだとか
境内を進むと右手に神鹿園があります。

大正時代に奈良の春日大社から雄雌8頭の鹿を譲り受けたそうで、その子孫かな? 餌をやる人に群がってましたw この奥に見えているのが宝物殿で三嶋大社に伝わる御神宝などが常設されていますが、この日は遅かったので入れませんでした。ちなみにこの神鹿園から東側に抜けると前回ご紹介したした三嶋暦師の家に行けます。(我々はこの辺から神社に入りましたw)
こちらは芸能殿。

元々は総門だったのですが、前述の1930年の北伊豆地震で倒壊してしまい、その材料を使ってこちらに移築されました。神事や奉納芸能などが行われるようです。
こちらは神馬舎(しんめしゃ)。神馬像は1868年(慶応4年)完成で、神馬舎は戦後に移されたようです。

三嶋大社の神馬は毎朝 神様を乗せて箱根山に登るという伝説があり、旧神官はお馬様が帰ったと言ってから朝食を摂っていたようで子供の成長と健脚を祈る風習があるとのこと。
こちらは矢田部盛治の像

誰?と思ったら1854年の東海大地震で倒壊した社殿の復興に16,677両という巨費を投じた人物。明治維新の際には明治天皇の御通行警護を務めた他、トンネルを掘って田に水を潤したという地元の偉人でした。地震でぶっ壊れては復活を繰り返していますね…。どおりで慶応2~4年頃の建物ばかりな訳です。
こちらは神門。1867年(慶応3年)に竣工しました。

この辺に来たら急に晴れて神々しい雰囲気になりました。コロナ明けの日本を祝福してるかのような爽やかさ。
神門のアップ

伊豆の名工小沢半兵衛・希道父子一派による彫刻が見どころとなっています。堂々たる風格ですね。
こちらは神門に入って右手にある天然記念物の三嶋大社の金木犀

夏の終り頃に2度(毎年9月上旬と下旬の2度)満開を迎え、満開時には木犀の夕という舞楽などが行われるイベントが催されるようです。
こちらは本殿の前にある舞殿

静岡県の無形文化財に指定されている「お田打ち神事」や「豆撒き神事」「鳴弦式」をはじめ、祈祷なども行うようです。
舞殿の中

かなり綺麗で最近の建物に見えるけど、神門と同じ1867年(慶応3年)に竣工。昭和5年の伊豆震災の復興の際に一部改修したそうです。
そしてこちらが本殿。1866年(慶応2年)に竣工

小沢半兵衛・希道父子一派の彫刻があちこちに施されています。総けやき素木造りで、本殿・幣殿・拝殿、3つの建物が連なる複合社殿となっています。まさに伊豆一宮に相応しい威容。もちろん参拝して、個人的な健康とコロナの収束を祈っておきました。
本当はもっと三島の文化施設を巡りたかった(特に楽寿園…)のですが、この時点で17時頃で日も暮れてきたので諦めて三島駅まで歩いて行きました。
三島はこんな感じであちこちに水路があります。

富士山からの湧水が豊富らしく、この水路から西のほうに行くと源兵衛川というホタルも住んでいる清流があります。源兵衛川は飛び石や木道もあって散策に向いているようですが、疲れていたので行きませんでしたw またいずれ訪れたい。
こちらは白滝公園。湧水が白い滝のように流れていたとされています。

10月中旬で雨上がりだったので肌寒いくらいでしたが、水遊びしている人もいました。夏には憩いの場になりそうですね。
こちらは湧き水の出てくるところ

富士山からの湧き水は年間を通じて15~16℃らしく、夏は冷たく冬は温かく感じるようです。
ということで、三嶋大社の立派さにも驚きましたが、三島の街の川や池の美しさも引けを取らないくらいでした。今回訪れることのできなかった三島駅前の楽寿園も含め、見どころの多い街です。
三島の美術館めぐりの最後にお寿司を頂いてきましたので、次回は三島編の最終回でそれをご紹介しようと思います。
【公式サイト】
http://www.mishimataisha.or.jp/
【施設】三嶋大社
【最寄】三島駅
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
三嶋大社は三島の地名の由来になったとされるほどこの地にとって重要な存在で、創建の時期は不明なものの奈良時代には既に記録が残っているという古くからの神社です。伊豆国の一宮とされ、大山祇命(おおやまつみのみこと)と積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)の二柱の神を総じて三嶋大明神と称しています。大山祇命は山森農産の守護神、事代主神は恵比須様のことで、源頼朝が源氏再興を祈願した神社としても有名です。
こちらは大鳥居。神社の南側にあり、北西に位置する三島駅から行くと反対側になってしまいます。

この写真を撮った辺りには鰻屋さんがありました。三島は鰻が名物であちこちにお店があります。昔は鰻は三嶋大社の神様の使いとされていたのですが、ある時に食べてみたら罰も当たらず美味しかったということで名物になりましたw
鳥居をくぐると池の真ん中に道があり、西側に厳島神社があります(この写真は本殿側から観てます)

市杵嶋姫命(いちきしまひめ)をお祀りし、北条政子が勧請したとされる神社です。市杵嶋姫命は神仏習合で弁財天と同神とされたので、ご利益も弁天様の芸事上達などとなっています。弁天様だけにちょっと夫婦でお参りするのは躊躇しましたが安産のご利益もあるようです。
こちらは総門。

1930年(昭和5年)に北伊豆地震で被災したようですが、その翌年には竣工したようです。でっかい しめ縄は400kgもあるのだとか
境内を進むと右手に神鹿園があります。

大正時代に奈良の春日大社から雄雌8頭の鹿を譲り受けたそうで、その子孫かな? 餌をやる人に群がってましたw この奥に見えているのが宝物殿で三嶋大社に伝わる御神宝などが常設されていますが、この日は遅かったので入れませんでした。ちなみにこの神鹿園から東側に抜けると前回ご紹介したした三嶋暦師の家に行けます。(我々はこの辺から神社に入りましたw)
こちらは芸能殿。

元々は総門だったのですが、前述の1930年の北伊豆地震で倒壊してしまい、その材料を使ってこちらに移築されました。神事や奉納芸能などが行われるようです。
こちらは神馬舎(しんめしゃ)。神馬像は1868年(慶応4年)完成で、神馬舎は戦後に移されたようです。


三嶋大社の神馬は毎朝 神様を乗せて箱根山に登るという伝説があり、旧神官はお馬様が帰ったと言ってから朝食を摂っていたようで子供の成長と健脚を祈る風習があるとのこと。
こちらは矢田部盛治の像

誰?と思ったら1854年の東海大地震で倒壊した社殿の復興に16,677両という巨費を投じた人物。明治維新の際には明治天皇の御通行警護を務めた他、トンネルを掘って田に水を潤したという地元の偉人でした。地震でぶっ壊れては復活を繰り返していますね…。どおりで慶応2~4年頃の建物ばかりな訳です。
こちらは神門。1867年(慶応3年)に竣工しました。

この辺に来たら急に晴れて神々しい雰囲気になりました。コロナ明けの日本を祝福してるかのような爽やかさ。
神門のアップ

伊豆の名工小沢半兵衛・希道父子一派による彫刻が見どころとなっています。堂々たる風格ですね。
こちらは神門に入って右手にある天然記念物の三嶋大社の金木犀

夏の終り頃に2度(毎年9月上旬と下旬の2度)満開を迎え、満開時には木犀の夕という舞楽などが行われるイベントが催されるようです。
こちらは本殿の前にある舞殿

静岡県の無形文化財に指定されている「お田打ち神事」や「豆撒き神事」「鳴弦式」をはじめ、祈祷なども行うようです。
舞殿の中

かなり綺麗で最近の建物に見えるけど、神門と同じ1867年(慶応3年)に竣工。昭和5年の伊豆震災の復興の際に一部改修したそうです。
そしてこちらが本殿。1866年(慶応2年)に竣工

小沢半兵衛・希道父子一派の彫刻があちこちに施されています。総けやき素木造りで、本殿・幣殿・拝殿、3つの建物が連なる複合社殿となっています。まさに伊豆一宮に相応しい威容。もちろん参拝して、個人的な健康とコロナの収束を祈っておきました。
本当はもっと三島の文化施設を巡りたかった(特に楽寿園…)のですが、この時点で17時頃で日も暮れてきたので諦めて三島駅まで歩いて行きました。
三島はこんな感じであちこちに水路があります。

富士山からの湧水が豊富らしく、この水路から西のほうに行くと源兵衛川というホタルも住んでいる清流があります。源兵衛川は飛び石や木道もあって散策に向いているようですが、疲れていたので行きませんでしたw またいずれ訪れたい。
こちらは白滝公園。湧水が白い滝のように流れていたとされています。


10月中旬で雨上がりだったので肌寒いくらいでしたが、水遊びしている人もいました。夏には憩いの場になりそうですね。
こちらは湧き水の出てくるところ

富士山からの湧き水は年間を通じて15~16℃らしく、夏は冷たく冬は温かく感じるようです。
ということで、三嶋大社の立派さにも驚きましたが、三島の街の川や池の美しさも引けを取らないくらいでした。今回訪れることのできなかった三島駅前の楽寿園も含め、見どころの多い街です。
三島の美術館めぐりの最後にお寿司を頂いてきましたので、次回は三島編の最終回でそれをご紹介しようと思います。
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今日も写真多めです。前回ご紹介した三島の佐野美術館を観た後、三島の街を散策しながら三嶋大社の近くにある三嶋暦師の館を観てきました。
こちらが三嶋暦師の館。江戸時代まで使われていた地方暦の1つである「三嶋暦」を作っていた河合家の住宅です。

安政の地震で三島が壊滅した時に十里木(現在の裾野市)にあった関所を移築して作られました。近隣のお城の瓦なども使われたようです。
【公式サイト】
https://www.city.mishima.shizuoka.jp/kanko_content006484.html
【会場】三嶋暦師の館
【最寄】三島駅
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
三嶋大社にほど近く、もともとは神領域だったのを社家の一人だった河合氏が暦師となってこの地で三嶋暦の印刷・販売を行っていたようです。ここも先日の百年名家で紹介されているのを観て、実際に観に行ってきました。
参考リンク:百年名家(しなやかに暦を伝える家~静岡県三島市「三嶋暦師の館」~)
こちらは土間。

この写真の奥の部屋は最近作られた隣の建物に繋がっていて、暦を刷る無料体験などができるようです。閉館ギリギリの時間だったので残念ながら体験しませんでした。
こちらは玄関の間。

最初の写真にあった屋根が「起り破風」を持った式台玄関に特徴があるそうで、この部屋も天井が高いなどちょっと変わった所があります。また、玄関は北向きになっていて目の前の鎌倉古道に面するようにしていたようです。
玄関の間から控えの間と その奥の上段の間が観えております。

控えの間には古材として再利用した瓦などが展示されていました。普通の民家には無いような独特の空間。
上段の間。右手には縁側、左手には展示室になった部屋があります。

この床の間は恐らく関東大震災の頃に壊れて左隣の部屋から移築されたと考えられています。柱や天井なども再利用しているようです。
縁側から庭を観た様子

雨上がりではありますが、北向きということで控えめな採光って感じです。
縁側部分の左右。

狭いけど椅子が置かれていました。こういう空間に憧れますw
こちらは上段の間に移される前の元々の奥座敷。

今は展示室となっていて、暦関係の展示をしています。展示品は後ほど。
元奥座敷の隣も展示室になっています。(元奥座敷の方を撮っています)

この部屋の隣(この写真の後方)は玄関の間の奥になっていて、ぐるっと1周してきた感じです。
展示室には暦に関する様々なものが紹介されています。これは二十四節気についてのパネル

太陰暦は29.5日しかないので二十四節気を併用したのが太陰太陽暦です。夏至とか冬至は今でも馴染みがありますね。
これは当時の暦のコピー。

この河合家にはかつて庭先に天文台もあったと言われていて、幕府が暦を編集するまでは河合家が独自に計算して編集・印刷・販売をしていたようです。三嶋のみならず東国に広く普及していたのだとか。暦の歴史などもパネルで紹介していました。
こちらは版木。慶応3年なので明治の直前です。

ちょっとマニアックな暦で詩歌の題目が示された品のようです。
こちらは最古の三嶋暦のコピー

三嶋暦は鎌倉時代にはあったそうで、これは1437年に足利学校に伝わったものです。かな文字で印刷された暦としては三嶋暦が日本最古とされています。
こちらは三嶋暦の版木

三嶋暦は文字が細かく美しいことも有名だったようで、それが伺えます。
こちらは当時の三嶋暦。江戸時代には三島の土産として道中記に紹介されるほどで、贈答品にもなったのだとか。

しかし1685年に暦は幕府の天文方の支配となり、三嶋暦は伊豆・相模の2国のみの販売許可となりました。
三嶋暦以外にも地方ごとに暦が存在し、これは京暦

京暦はどこの国でも自由に販売することができ、主に北陸と東海以西の西日本で販売されていたようです。
他にもお伊勢参りのお土産(しかも無償)となった伊勢暦などもあり、河合家は伊勢の奉行所にお土産で伊勢暦を配るのは遠慮して欲しいと何度も願い出たのだとかw
こちらは明治5年の旧暦の暦

この年に太陰暦から太陽暦へと改暦されました。既にかなりの部数を販売した後だったので買い戻しを要求する客が殺到して莫大な損害となったようです。この改暦の混乱の話はよく聞くのでよっぽどの大事件だったんでしょうね。
最後に三島茶碗も展示されていました。

模様が三嶋暦みたいなのでこの名前が付いたわけですが、確かにそう見えますw
ということで、変わった経歴の建物と暦について知ることができて面白い施設でした。無料で観られる上に三嶋大社からも近いので、三島を観光する際には立ち寄ってみると この地の歴史を深く理解できそうです。
この後、三嶋大社も訪れました。市内の様子とともに次回ご紹介予定です。
こちらが三嶋暦師の館。江戸時代まで使われていた地方暦の1つである「三嶋暦」を作っていた河合家の住宅です。

安政の地震で三島が壊滅した時に十里木(現在の裾野市)にあった関所を移築して作られました。近隣のお城の瓦なども使われたようです。
【公式サイト】
https://www.city.mishima.shizuoka.jp/kanko_content006484.html
【会場】三嶋暦師の館
【最寄】三島駅
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
三嶋大社にほど近く、もともとは神領域だったのを社家の一人だった河合氏が暦師となってこの地で三嶋暦の印刷・販売を行っていたようです。ここも先日の百年名家で紹介されているのを観て、実際に観に行ってきました。
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こちらは土間。

この写真の奥の部屋は最近作られた隣の建物に繋がっていて、暦を刷る無料体験などができるようです。閉館ギリギリの時間だったので残念ながら体験しませんでした。
こちらは玄関の間。

最初の写真にあった屋根が「起り破風」を持った式台玄関に特徴があるそうで、この部屋も天井が高いなどちょっと変わった所があります。また、玄関は北向きになっていて目の前の鎌倉古道に面するようにしていたようです。
玄関の間から控えの間と その奥の上段の間が観えております。

控えの間には古材として再利用した瓦などが展示されていました。普通の民家には無いような独特の空間。
上段の間。右手には縁側、左手には展示室になった部屋があります。

この床の間は恐らく関東大震災の頃に壊れて左隣の部屋から移築されたと考えられています。柱や天井なども再利用しているようです。
縁側から庭を観た様子

雨上がりではありますが、北向きということで控えめな採光って感じです。
縁側部分の左右。


狭いけど椅子が置かれていました。こういう空間に憧れますw
こちらは上段の間に移される前の元々の奥座敷。

今は展示室となっていて、暦関係の展示をしています。展示品は後ほど。
元奥座敷の隣も展示室になっています。(元奥座敷の方を撮っています)

この部屋の隣(この写真の後方)は玄関の間の奥になっていて、ぐるっと1周してきた感じです。
展示室には暦に関する様々なものが紹介されています。これは二十四節気についてのパネル

太陰暦は29.5日しかないので二十四節気を併用したのが太陰太陽暦です。夏至とか冬至は今でも馴染みがありますね。
これは当時の暦のコピー。

この河合家にはかつて庭先に天文台もあったと言われていて、幕府が暦を編集するまでは河合家が独自に計算して編集・印刷・販売をしていたようです。三嶋のみならず東国に広く普及していたのだとか。暦の歴史などもパネルで紹介していました。
こちらは版木。慶応3年なので明治の直前です。

ちょっとマニアックな暦で詩歌の題目が示された品のようです。
こちらは最古の三嶋暦のコピー

三嶋暦は鎌倉時代にはあったそうで、これは1437年に足利学校に伝わったものです。かな文字で印刷された暦としては三嶋暦が日本最古とされています。
こちらは三嶋暦の版木

三嶋暦は文字が細かく美しいことも有名だったようで、それが伺えます。
こちらは当時の三嶋暦。江戸時代には三島の土産として道中記に紹介されるほどで、贈答品にもなったのだとか。

しかし1685年に暦は幕府の天文方の支配となり、三嶋暦は伊豆・相模の2国のみの販売許可となりました。
三嶋暦以外にも地方ごとに暦が存在し、これは京暦

京暦はどこの国でも自由に販売することができ、主に北陸と東海以西の西日本で販売されていたようです。
他にもお伊勢参りのお土産(しかも無償)となった伊勢暦などもあり、河合家は伊勢の奉行所にお土産で伊勢暦を配るのは遠慮して欲しいと何度も願い出たのだとかw
こちらは明治5年の旧暦の暦

この年に太陰暦から太陽暦へと改暦されました。既にかなりの部数を販売した後だったので買い戻しを要求する客が殺到して莫大な損害となったようです。この改暦の混乱の話はよく聞くのでよっぽどの大事件だったんでしょうね。
最後に三島茶碗も展示されていました。

模様が三嶋暦みたいなのでこの名前が付いたわけですが、確かにそう見えますw
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