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2022年の振り返り

今年も残す所あと数時間となりましたので、毎年恒例の年間の展覧会の振り返りで終わりにしようと思います。今年はコロナに感染するなど難もありましたが、去年よりも多くの展示を観て回れました。とは言え予約制のところが多くてまだまだ観た数も以前ほどではないので、今年も規模を縮小してベスト5にしようと思います。

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参考記事:
 2021年の振り返り
 2020年の振り返り
 2019年の振り返り
 2018年の振り返り
 2017年の振り返り
 2016年はブログ休止中
 2015年はブログ休止中
 2014年の振り返り
 2013年の振り返り
 2012年の振り返り
 2011年の振り返り
 2010年の振り返り
 2009年の振り返り


今年もカウントダウン形式で行きます。傾向としては
 ・個展が好きで、テーマ展は相対的に順位が下がる
 ・過去に似た展示を観たことがあるものも順位は下がる
 ・観てしばらく経ってからもすぐに思い出せるものは順位を上げて評価を変えている
と言った感じです。


5位:つながる琳派スピリット神坂雪佳 (パナソニック汐留美術館)
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私は琳派が大好きなのでこの展示は楽しみにしていました。確かに琳派を継承したようなデザイン/絵画の数々で、それでいてモダンさも感じられて満足度が高かったです。そもそも紹介される機会も少ない画家なので、これを機にもっと取り上げられる機会が増えてほしいものです。

4位:展覧会 岡本太郎 (東京都美術館)
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岡本太郎の展示は10年くらい前に東近美でやったし、岡本太郎記念館や川崎市岡本太郎美術館によく行くので目新しいものはそれほど無かったのですが、その規模と作品が持つ圧倒的なエネルギーに大満足の展示でした。「太陽の塔」や「明日の神話」など大きすぎて実物を展示できないものも模型や下絵を展示していて、当時の状況や考えなども紹介されていたのも良かったです。

3位:ミロ展-日本を夢みて (Bunkamura ザ・ミュージアム)
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以前はジョアン・ミロと表記してましたが最近はジュアン・ミロと表記されるようになりました。ミロの展示というだけでも久々な上に、日本との関係を軸にするという切り口も今までに無く非常に参考になりました。墨蹟や仙厓の絵などに何となく似てると思ったら、やはり影響を受けていたと分かったし、ミロが一層に身近な存在に感じられるようになったかも。作品自体もシュルレアリスムを取り込みつつ自由闊達な感じも流石で、心に残りました。

2位:ヴァロットン―黒と白 (三菱一号館美術館)
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こちらの展示は版画が中心で、ヴァロットンの白黒の世界が洗練されていて感動しました。時事ネタや批判なども込めつつ、卓越したセンスが感じられる構図が多く、普通の絵画ではなく白黒ならではの表現方法を突き詰めているのが印象的でした。作品数も多くかなり網羅していたのでヴァロットンの版画に関しては決定版とも言えるのでは? これも長く心に残りそうです。

1位:最後の印象派、二大巨匠 シダネルとマルタン展 (SOMPO美術館)
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今年の1位はこちらでした。マルタンも良かったんですが、何と言っても大好きなシダネルの展示というだけでも長いこと楽しみにしていました。私は自分が描く絵や撮る写真でシダネルをオマージュすることが多く、人のいないテーブルや寒々しい街なかに灯る1点の照明など、しんみりとした美意識が非常に好みです。この展示でも寒暖差のある静かでどこか懐かしいような光景をいくつも観ることができて最高でした。シダネルはもっと人気出てじゃんじゃん個展をやってほしいw 


ということで、今年は個性派の展示が特に印象に残りました。リヒター、ボテロ、仙厓あたりも悩んだ。。。ブログはサボリ気味でまだ感染が収まらずモヤモヤしてはいますが、来年も面白そうな展示が多いので楽しみにしたいと思います。皆様、良いお年を。



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最近観た展示 (202212)

年末なので溜まってた年内のネタを一気に消化しております。12月は美術館にはそれほど行きませんでしたが、以下などを観ました。

・常設展示(軽井沢安東美術館)
・「フィリップ・コルバート展」‐ようこそロブスタープラネットへ (軽井沢ニューアートミュージアム)
・WATERFALL ON COLORS ~ウォーターフォール・オン・カラーズ(軽井沢千住博美術館)
・気になることは?世界の若者の声 (軽井沢千住博美術館)
・弓指寛治 “饗 宴”(岡本太郎記念館)
・パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂 (アーティゾン美術館)




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【展覧名】
 なし(常設展示)

【公式サイト】
 https://www.musee-ando.com/

【会場】軽井沢安東美術館
【最寄】軽井沢駅

【会期】なし
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
こちらは軽井沢駅付近に2022年10月にオープンしたばかりの美術館で、特別展はなく常設のみのとなっていますが 収蔵品は全て藤田嗣治(レオナール・フジタ)の作品となっています。個人が集めたコレクションとは思えないほどで、初期から晩年まで様々な作品を観ることができます。藤田嗣治が手掛けたランスの礼拝堂を思わせる展示室があったり、中々凝った作りになっているのも見どころです。

この部屋だけは3点以上の作品が写る感じで撮影ができます。
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猫の作品だけを集めたコーナーなど面白い趣向となっています。この部屋は大きめだけど4~5部屋くらいありました。

入場料とは別料金でこちらのサロンに入ることができます。
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お茶やコーヒー、ココアなどをセルフで頂ける空間で、それが予想以上に美味しかったw 併設カフェも別にあるんだけどここでも十分に寛げました。

ここは軽井沢駅からも近く、次にご紹介する軽井沢ニューアートミュージアムにも歩いて行ける距離なのでハシゴするのも良いかと思います。新しい軽井沢の名所になりそうですね。




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【展覧名】
 「フィリップ・コルバート展」‐ようこそロブスタープラネットへ 

【公式サイト】
 https://knam.jp/exhibitions/2022/%e3%80%8c%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%aa%e3%83%83%e3%83%97%e3%83%bb%e3%82%b3%e3%83%ab%e3%83%90%e3%83%bc%e3%83%88%e5%b1%95%e3%80%8d%e2%80%90%e3%82%88%e3%81%86%e3%81%93%e3%81%9d%e3%83%ad%e3%83%96%e3%82%b9/

【会場】軽井沢ニューアートミュージアム
【最寄】軽井沢駅

【会期】2022年11月19日~2023年05月28日
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
こちらは現代アーティストのフィリップ・コルバートの個展で、私が行った日にたまたま本人による解説をやっていました。そのため多くの人が集まっていましたが会場も広いので快適に鑑賞できました。

展覧会の入口ではロブスターのキャラが出迎えてくれました。
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フィリップ・コルバート氏の作品にはこのロブスターのキャラクターがよく出てきます。インパクトがある為か最近よく目にするように感じます。

こちらがフィリップ・コルバート御本人の解説。
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ロブスターの他、過去の名画やネット上の画像、ロゴ、映画やアニメのキャラクターなどをごちゃまぜにしたような絵画や彫刻が特徴となっています。愉快な雰囲気と共に皮肉や批判などが込められているようでした。

点数も多く、独特の世界観に満足できる内容でした。これを機にまだまだ人気が出そうですね。

この軽井沢ニューアートミュージアムにはもう1つ目的があり、裏手の「風通る白樺と苔の森」を観てきました。
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これは隈研吾 氏が設計したガラス張りのチャペルで、1日2回のガイドツアーに参加で見学可能です。夏は暑くないか?と思ったらレールに沿って開閉も可能らしく、ハイシーズンにはここで結婚式を挙げる人も多いのだとか。




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【展覧名】
 WATERFALL ON COLORS ~ウォーターフォール・オン・カラーズ

【公式サイト】
 https://www.senju-museum.jp/

【会場】軽井沢千住博美術館
【最寄】中軽井沢駅

【会期】2022年3月2日 ~ 12月25日
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_4_⑤_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】
こちらは日本画家の千住博 氏の作品のみを展示する美術館で、展示空間と作品の一体感に非常に驚かされました。千住博 氏と言えば滝などを描いた雄大な作品が有名ですが、建物自体がその世界観を十二分に引き出すような造りになっています。設計はSANAAの西沢立衛 氏で、傾斜のある館内にはチューブ状に森が点在し、まるで森の中を散策するように作品を見て回ることができます。また、奥の部屋は暗い部屋に大画面の滝の絵があり、照明の変化などで印象の違いなども楽しめました。ここは噂には聞いていたけど本当に素晴らしかったので、軽井沢に行く機会があったら是非立ち寄ってみることをオススメします。

おまけでこちらはミュージアムショップとカフェの建物。
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すごく先進的で、本館の有機的な丸みと対になっているように思えました。




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【展覧名】
 気になることは?世界の若者の声

【公式サイト】
 https://www.senju-museum.jp/news/3182/

【会場】軽井沢千住博美術館
【最寄】中軽井沢駅

【会期】2022年11月30日~2022年12月25日
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
こちらは本館から少し離れたところにあるギャラリーでの展示で、ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンの生徒の作品が並んでいました。割りと素朴でストレートな表現ではありますが、環境問題やジェンダーの問題など大人と変わらない問題意識を感じる作品が多く、単なるキャンバスではなく木の形をしているなどの工夫も観られました。ここから次世代のアーティストが生まれるのかも?




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【展覧名】
 弓指寛治 “饗 宴”

【公式サイト】
 https://taro-okamoto.or.jp/exhibition/%E5%BC%93%E6%8C%87%E5%AF%9B%E6%B2%BB-%E9%A5%97-%E5%AE%B4/

【会場】岡本太郎記念館
【最寄】表参道駅

【会期】2022年11月23日(水・祝)~2023年3月21日(火・祝)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
思ったより多くのお客さんで賑わっていました。東京都美術館で岡本太郎展が盛り上がっている影響かも? この展示では 2017年度岡本敏子賞を受賞した弓指寛治 氏の絵で岡本太郎 氏や岡本敏子 氏の足跡を紹介するものとなっています。

こんな感じで岡本太郎 氏の生前の様子などを伝えています。
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点数は少ないけど、自宅というロケーションもあって岡本太郎を身近に感じられるかも。

奥の方はこんな感じの展示風景となっていました。
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特に「明日の神話」の修復の話などを紹介しているので、岡本太郎展とリンクしていると思います。

ここはカフェも美味しく根津美術館のすぐ近くなので、岡本太郎展でご興味を持った方がその辺と合わせて訪れてみるのも良いかと。





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【展覧名】
 パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂 (アーティゾン美術館)

【公式サイト】
 https://www.artizon.museum/exhibition/detail/545

【会場】アーティゾン美術館
【最寄】京橋駅/東京駅など

【会期】2022年11月5日(土)~2023年2月5日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
時間指定の予約ではありますが、場所によっては混雑していました。この展示はパリのオペラ座を紹介するもので、その成り立ちから文化など様々な面を取り上げています。前半部分は資料的なものが多いのでじっくり読むのが多かったかな。フランスにオペラが根付く以前から話がスタートするのでかなり根本的なところから知ることが出来ました。

一部は撮影可能ですが大半はNGでしたw これはギュスターヴ・ドレの「ねずみたち(オペラ座の)」
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ねずみというのはオペラ座の生徒の呼び名で、戯画的で皮肉が感じられますね。観劇する人を描いたり、オペラは音楽や演劇のみならず絵画などにも影響を与えています。

この展示で白眉だったのはこちらのマネの「オペラ座の仮面舞踏会」
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黒の鮮やかさが流石です。これだけ黒が多いのに画面が明るく感じれます。

もちろん常設も観てきて、ジョセフ・コーネルのミニコーナーなどが目を引きました。やはりこの美術館のコレクションは素晴らしい。



ということで12月は軽井沢への小旅行と、少しだけ展示を観た感じでした。他には半ばころに横浜山手の異人館巡りをしたり、中山競馬場(12/25に有馬記念、12/28にホープフルステークス)に足を運んでいました。その様子などはインスタで投稿しております。
 インスタ:https://www.instagram.com/artanuki/


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最近観た展示 (202211)

サボって少し間が空きました。今更ですが11月に観た展示を振り返っておこうと思います。11月に観たのは以下となります。

・小茂田青樹展 (川越市美術館)
・イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき (Bunkamura ザ・ミュージアム)
・ヴァロットン―黒と白 (三菱一号館美術館)
・つながる琳派スピリット神坂雪佳 (パナソニック汐留美術館)
・ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展 (国立西洋美術館)
・版画で「観る」演劇 (国立西洋美術館)
・旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる (東京都庭園美術館)




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【展覧名】
 市制施行100周年・開館20周年記念特別展 小茂田青樹展

【公式サイト】
 https://www.city.kawagoe.saitama.jp/artmuseum/tokubetutenji/toku-kako/2022-2.html

【会場】川越市美術館
【最寄】川越駅、川越市駅

【会期】2022年10月22日(土)~12月4日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。こちらは日本画家で川越にゆかりのある小茂田青樹の回顧展で、今までありそうで中々なかった(19年ぶりらしい)のでこれだけ一気に作品を観られる機会は貴重だったように思います。初期から再興日本美術院展での活躍まで時系列的に並び、画風の変遷や挫折、今村紫紅や速水御舟とのエピソードなど様々な面が紹介されていました。川越との関係なんかもテーマにしていてご当地感もあって満足できました。

こちらの作品だけ撮影可能でした。
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写実性と叙情性の両面が感じられて、情感ある空気感ですね。




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【展覧名】
 イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき

【公式サイト】
 https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_iittala/

【会場】Bunkamura ザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅

【会期】2022年9月17日(土)~11月10日(木)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
こちらは最後の休日に行ったため非常に混んでいました。フィンランドガラスの有名ブランドでもあるイッタラの歴史を紹介するもので、450点にも及ぶガラス器が並んでいました。シンプルで普遍性がありつつ自然をモチーフにしたデザインが特徴で、展示では素材や製法なども掘り下げていて、イッタラの精神が脈々と受け継がれていたことが伺えました。日本との関係も取り上げていて、隈研吾 氏や皆川明 氏との取り組みなども紹介されていました。日本の精神性と近いのもイッタラに親近感を持つ理由なのかも。

冒頭と最後の部屋だけ撮影可能となっていました。
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同じデザインでも型の材質によって仕上がりも変わってくるなど、比較して観ることができたのが面白かった。

オイバ・トイッカの鳥シリーズ。
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吹きガラスで飴細工のように有機的なフォルムを作っている映像などもありました。ガラスとは思えないくらい柔らかみがあって可愛いですね。





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【展覧名】
 ヴァロットン―黒と白

【公式サイト】
 https://mimt.jp/vallotton2/

【会場】三菱一号館美術館
【最寄】東京駅/有楽町駅など

【会期】2022年10月29日(土)~2023年1月29日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】
こちらは日時予約制だったものの中は思ったより混んでいました。ここは狭めなので仕方ないかな。 展示はナビ派の画家フェリックス・ヴァロットンの作品、特に版画に注目した内容となっていて、数多くの版画作品が並んでいます。(油彩もあるけどちょっとだけです) 木版を始めた頃の作品からナビ派に入り版画集『レスタンプ・オリジナル』にも参加した頃や、再び版画に力を入れた頃など時代も幅広く、その魅力がよく伝わってきます。特に大胆な白黒の対比が面白く、誇張された画風と共にデザイン的なセンスが光っていました。

大部屋だけ撮影可能となっていました。
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風刺的なニュアンスもあるかな

事件や事故をテーマにした作品も結構あります。
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やや戯画的な雰囲気もありつつ、当時の空気感が伝わってきます。

馬車に轢かれた女性。とぼけた顔してるけど衝撃的です。
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これは何度も観たことがありましたが、今回の展示では観たことが無い作品も多かったです。

この展示はかなり満足したのでオススメです。ヴァロットンは油彩も良いし、本当に素晴らしい画家です。





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【展覧名】
 つながる琳派スピリット神坂雪佳 

【公式サイト】
 https://panasonic.co.jp/ew/museum/exhibition/22/221029/

【会場】パナソニック汐留美術館
【最寄】新橋駅

【会期】2022年10月29日(土)~12月18日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】
こちらも会期末頃に行ったので結構混んでました。この展示はタイトルの通り琳派からの影響を強く感じさせる神坂雪佳の回顧展となっていました。当時から「光琳の再来」と評されたようで、そのデザインセンスは卓越していて優美でどこか懐かしいような雰囲気すらあります。時代的には明治から昭和にかけてということで、海外のデザインが持て囃されていた頃ですがアール・ヌーヴォーなどには興味を示さなかったようで、琳派の他に四条派っぽさもあるように思えました。

こちらは最後の記念撮影スポット
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たらしこみの表現と色合いが琳派っぽく感じるのかも。季節感もありますね。

図案なども出していて、その仕事ぶりも光琳っぽいかも
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単に模倣するだけでなく近代的な雰囲気があるのも良かったです。

少数ですが本阿弥光悦や尾形光琳らの名品も展示されていて、こちらも大満足の展示で図録も買いました。





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【展覧名】
 ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展 

【公式サイト】
 https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2022picasso.html

【会場】国立西洋美術館
【最寄】上野駅

【会期】2022年10月8日(土)~2023年1月22日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_①_2_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
こちらは時間指定でありながらかなり混んでいて鑑賞に時間がかかりました。多くの作品が撮影可能となっていたのが嬉しい。タイトルの通りベルリン国立ベルクグリューン美術館のコレクションを通じ、主にピカソの画業をたどるもので各時代の変遷を観ることができます。青の時代からキュビスム、新古典主義など時代ごとの典型的な作品があるので、そのコレクションだけで時系列的に分かるのがすごい。いくつか写真でご紹介

パブロ・ピカソ 「ポスターのある静物」
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分析的キュビスムの作例ですが、明るい色合いで次の総合的キュビスムに繋がっていく様子が伺えます。

パブロ・ピカソ 「トランプのカード、煙草、瓶、グラスのある静物」
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1914年の総合的キュビスムの時代の作品。コラージュ的な表現となっていてキュビスムの進化が分かります。

パブロ・ピカソ 「緑色のマニキュアをつけたドラ・マール」
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こちらは今回のポスターにもなっている1936年の作品。女性芸術家でもあり、この時代のピカソのミューズですね。

パウル・クレー 「青の風景」
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今回の展示は「とその時代」ということでピカソ以外もあるんですが、特にクレーとマティスが良かったです。

アンリ・マティス 「雑誌『ヴェルヴ』第4巻13号の表紙図案」
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ジャズシリーズなど切り絵っぽい作品を作っていた時期の作品。この造形と色彩感覚が流石です。

ということで、非常にクオリティの高いコレクションを観ることができました。この冬、一番貴重なのはこの展示かも。





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【展覧名】
 版画で「観る」演劇

【公式サイト】
 https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2022picasso.html

【会場】国立西洋美術館
【最寄】上野駅

【会期】2022年10月8日(土)~2023年1月22日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
こちらは西洋美術館の常設展示の特集で、ピカソ展のついでに観ました。版画で取り上げられた劇をテーマにしていて、撮影可能となっています。

こちらはドラクロワによるゲーテの『ファウスト』でファウストの前にメフィストが現れるシーン、
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悪魔の登場に驚いてる感じが出てます。やや奇抜な格好も演劇っぽいです。

こちらもドラクロワによるシェイクスピアの『ハムレット』でオフィーリアが死ぬシーン。
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ミレイの絵で有名なシーンですが、このオフィーリアの目つきもやるせない気持ちが出てますね。

と、小展ながらもドラクロワやシャセリオーなど名だたる画家の劇的な版画が観られて満足できました。解説でストーリーをネタバレされるのでご注意w





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【展覧名】
 旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる

【公式サイト】
 https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/220923-1127_JourneyAndImagination.html

【会場】東京都庭園美術館
【最寄】目黒駅/白金台駅

【会期】2022年9月23日(金・祝)~11月27日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
会期末でもそれほど混むことなく快適に鑑賞することができました。こちらは旅をテーマにしていて、本館は100年前の朝香宮のフランスへの旅や、当時の鉄道ポスターなどが展示され、新館では現代のアーティストによる作品が展示されていました。

本館は一部屋だけ撮影可能となっていました。これはお土産に買われたロイヤルコペンハーゲンの三羽揃いペリカン(ペンギン)
DSC04844.jpg
現代人はどう観てもペンギンだろというツッコミをしたくなりますねw よく出来たデザインで可愛い。

新館は撮影可能でした。こちらは宮永愛子 氏の「旅の終わりは始まり」
DSC04884_20221230213033d13.jpg
ナフタリンで出来たトランクで、常温で気化していきます。この展示の間にもどんどん気化してたのかも。化学的な素材なのに儚くて神秘的な雰囲気がありますね。

と、展示も楽しかったのですが、この日の目当ては久々に改修工事が終わって公開された日本庭園の茶室が目当てでした。

茶室からの光景。
DSC04736_20221230212930648.jpg
ここに入ったのはかなり久々でした。目の前には日本庭園が広がります。

この日は紅葉が綺麗でした。
DSC04697_20221230212930d28.jpg
夜にはライトアップされて幻想的な光景となりました。詳しくはインスタで
 インスタ:https://www.instagram.com/p/ClvUS1Ov30L/


ということで、11月は大きめの展示を観て回って、特にヴァロットンと神坂雪佳の展示が心にのこりました。ちなみに東博の国宝展はチケットが取れずに見逃しましたw まあ東博の国宝は普段からよく観るし、入れ替えを考えるとこの機でなくても良いかなと諦めました。


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