ボストン美術館 日本美術の至宝 (感想後編)【東京国立博物館 平成館】
今日は前回の記事に引き続き、東京国立博物館平成館の特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」の後編をご紹介いたします。前編には混み具合なども記載しておりますので、前編を読まれていない方は前編から先にお読み頂けると嬉しいです。
前編はこちら

まずはおさらいです。
【展覧名】
東京国立博物館140周年 特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」
【公式サイト】
http://www.boston-nippon.jp/
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1416
http://www.tnm.jp/modules/rblog/index.php/1/category/15/
【会場】東京国立博物館 平成館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2012年3月20日(火) ~ 2012年6月10日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
3時間00分程度
【混み具合・混雑状況(祝日13時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
前編は仏教美術や中世までの作品が中心でしたが、後編は主に近世の作品が並んでいました。構成上は6章となっている刀剣と織物のコーナーは4章より前に展示されていましたので、観てきた順にご紹介しようと思います。
<第6章 アメリカ人を魅了した日本のわざ-刀剣と染織>
第2会場の最初は刀剣と織物のコーナーです。明治時代、工芸品は日本の経済を支える重要な輸出品だったそうで、ここには絢爛豪華な作品が並んでいました。
87 「唐織 紅地流水芦菊槌車模様」
加賀藩前田家に伝来した唐織の着物です。能に使われた特注品だそうで、背中の中心線から左右対になるように、赤地に流水や菊の花、笹などが刺繍されています。絵画とも思えるような緻密なデザインで、流麗な雰囲気がありました。非常に煌びやかな着物でした。
この辺は能装束や小袖などもありました。
84 「帷子 染分麻地御座船梅竹模様」
これは友禅染の着物で、上半分は青地に金や赤を使った光琳模様の梅枝模様、下半分は白地に舟遊びに興じる人々が刺繍されています。夏用の着物らしくそれに相応しく涼しげで洒落た雰囲気がありました。
続いては刀剣のコーナーです。長船派や一文字派の刀剣が並んでいて、凛とした雰囲気だったのですが、刀剣は鑑賞するのが難しいのであまりメモをしませんでしたw (波紋や沸の違いなどの解説もあったと思います)
80 「梨地家紋散糸巻太刀」
非常に豪華な金蒔絵が施された鞘に収まった太刀です。側面に家紋のようなものが10個くらい並んでいて、柄の辺りには緻密な装飾が施されていました。飾り用かな??
81 「梨地鳳凰螺鈿金装飾剣」
公家が儀式などで使うための刀で、金蒔絵と螺鈿で鳳凰を表した装飾の鞘に収まっています。所々に緑の翡翠のようなものがあるのが豪華で気品がありました。
<第4章 華ひらく近世絵画>
続いては安土桃山時代から江戸時代の絵画のコーナーです。錚々たる巨匠が名を連ねる充実のコレクションとなっていました。
44 長谷川等伯 「龍虎図屏風」 ★こちらで観られます
水墨の六曲一双の屏風で、左に虎、右に龍が描かれています。虎は崖の上で首を傾げるように龍の方を睨んでいて、濃淡によって毛並みや立派な体つきが表現されていました。それに対して龍は雲間から頭を覗かせています。ぎょろっとした眼をして、太めの輪郭で描かれているので迫力を感じます。また、龍の周りが暗くなっているのも風格を強めているように思いました。解説によると、これは中国南宋の牧谿(もっけい)の龍虎図に学んで描かれたそうです。(右隻下には自雪舟五代長谷川法眼等伯筆六十八歳と書いてあり、既に評価されていたことや、雪舟五代を名乗っていたことも分かります) 目の前で見ると本当に見事な作品でした。
参考記事:
日本の美・発見VI 長谷川等伯と狩野派 (出光美術館)
没後400年 特別展「長谷川等伯」 感想前編(東京国立博物館 平成館)
没後400年 特別展「長谷川等伯」 感想後編(東京国立博物館 平成館)
49 狩野永納 「四季花鳥図屏風」 ★こちらで観られます
金地の六曲一双の屏風です。右隻は緑鮮やかな松や白い牡丹、たんぽぽなどの春夏の花と鳥たちが描かれています。左隻にはススキや鴛鴦、雁、雪の積る梅や椿など秋冬の花鳥が描かれていました。やまと絵のような鮮やかな色合いで、岩肌の表現などは力強さがある一方で、雅な雰囲気もあり見栄えがしました。
56 伊藤若冲 「鸚鵡図」 ★こちらで観られます
棒状の豪華な装飾品の上にとまっている真っ白なオウムを描いた作品です。立派なとさかで横を向いているのですが、特に驚くのは透けるような羽です。よく観るとレース編みのように描かれていて驚異的な緻密さでした。似た作品は何度か観た覚えがありますが、これは動植綵絵(どうしょくさいえ)より前に描かれたもので、動植綵絵の「老松鸚鵡図」とは左右反転しているそうです。
参考記事:
伊藤若冲 アナザーワールド (千葉市美術館)
伊藤若冲 アナザーワールド 2回目(千葉市美術館)
皇室の名宝―日本美の華 <1期> 感想前編(東京国立博物館 平成館)
57 伊藤若冲 「十六羅漢図」
4幅対の水墨の掛け軸で、木の下で座る羅漢が1枚に1人ずつ描かれています。衣などは真っ黒な太い輪郭で描く大胆な表現であるのに対して、ヒゲや眉毛は毛の1本1本まで描かれたような緻密さで、1枚の中に豪快さと繊細さがあるように思います。また、左2枚の羅漢は右側を、右2枚の羅漢は左側を向いて対になるように配置されているのも面白かったです。
この辺には宗達派による金屏風などもあり、こちらも良かったです。
55 尾形光琳 「松島図屏風」 ★こちらで観られます
金地の六曲一隻の屏風で、3つの小島と様式化されたうねる波が描かれています。これは松島の景色らしく、小島の緑が金に映えます。解説によるとこれは光琳が私淑した宗達の松島図屏風の右隻を解釈したものだそうで、宗達に比べるとより鮮やかでダイナミックな表現となっているとのことでした。
58 「西欧王侯図押絵貼屏風」
六曲一隻の屏風で、一扇に一人ずつ西洋風の王が描かれています。剣を持ったり槍を持ったりした姿で、作風も西洋画そのものといった感じです。これはスペイン皇帝とその王侯の版画を転写したものらしく、先日観た泰西王侯騎馬図屏風を思い出しました。貴重かつ見事な作品です。
参考記事:南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屏風の謎 (サントリー美術館)
<第5章 奇才 曽我蕭白>
最後の章は江戸時代の奇才の絵師 曽我蕭白のコーナーです。ボストン美術館には蕭白の最初期から晩年までコレクションされているそうで、フェノロサとビゲローは世間で蕭白が評価されるよりも早くその価値を見出していたようです。ここには世界初公開となる作品など貴重なコレクションが並んでいました。
参考記事:
山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年 後期(府中市美術館)
諸国畸人伝 (板橋区立美術館)
帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズ ギッター・コレクション展 感想前編(千葉市美術館)
江戸の人物画―姿の美、力、奇 前期 感想後編(府中市美術館)
江戸の人物画―姿の美、力、奇 後期(府中市美術館)
64 曽我蕭白 「朝比奈首曳図屏風」
剛勇無双の朝比奈三郎と青鬼が、お互いの首に縄をかけて引っ張り合いの力競べをしている様子を描いた作品です。その2人の後ろには烏帽子をかぶって審判のように見守る2人の姿もあります。朝比奈はどんぐり眼でケロッとした感じですが、青鬼は口を開けてプルプルと震えているような感じです。苦しいのか首の縄に掴まっているのも表情豊かで面白かったです。解説によるとこれは30歳頃の作品とのことでした。
この辺には最初期の山水画などもありました。
65 曽我蕭白 「風仙図屏風」 ★こちらで観られます
六曲一隻の水墨の屏風で、中央で仙人が剣を振りおろしていて、その左では池から追い出された龍が黒雲となって天に昇って行っています。その黒雲が物凄い勢いの渦となっていて、強風に煽られた従者たちは飛ばされていっています。蕭白ならではの迫力と臨場感がありつつ、どこか卑近で可笑しさを感じる作品でした。
62 曽我蕭白 「雲龍図」 ★こちらで観られます
今回のポスターにもなっている世界初公開の作品で、元は襖絵だったそうです。8面にわたって大きな龍が描かれ、左の方には顔と爪がクローズアップされています。右の方には様式化された波が舞い上がり鱗が細かく描かれていました。強い濃淡で迫力があり、作品の前に立つだけでその圧倒的な力強さに驚きました。解説によると、元は8面ではなかったそうで、頭と尾の間には胴体を描いた部分があったらしく、確かに右4面と左4面の間が繋がらないのがわかりました。また、この作品はボストン美術館の収蔵庫にひっそりと保管されていたそうですがパネルにすることで初めて公開できるようになったそうです。
ということで、後半は前半以上に面白い作品が多かったように思います。特に蕭白のコーナーは圧巻でこれだけでも観に行く価値はあると思います。会期は長めですが既に人気となっていますので、気になる方は早めにどうぞ。私はもう1回観に行きたいと考えています。
おまけ:
今回の展示には最近よく観るガチャガチャもありました。

1回300円で、私は龍虎図の左隻が出ました。
参照記事:★この記事を参照している記事
前編はこちら


まずはおさらいです。
【展覧名】
東京国立博物館140周年 特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」
【公式サイト】
http://www.boston-nippon.jp/
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1416
http://www.tnm.jp/modules/rblog/index.php/1/category/15/
【会場】東京国立博物館 平成館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2012年3月20日(火) ~ 2012年6月10日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
3時間00分程度
【混み具合・混雑状況(祝日13時半頃です)】
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【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
前編は仏教美術や中世までの作品が中心でしたが、後編は主に近世の作品が並んでいました。構成上は6章となっている刀剣と織物のコーナーは4章より前に展示されていましたので、観てきた順にご紹介しようと思います。
<第6章 アメリカ人を魅了した日本のわざ-刀剣と染織>
第2会場の最初は刀剣と織物のコーナーです。明治時代、工芸品は日本の経済を支える重要な輸出品だったそうで、ここには絢爛豪華な作品が並んでいました。
87 「唐織 紅地流水芦菊槌車模様」
加賀藩前田家に伝来した唐織の着物です。能に使われた特注品だそうで、背中の中心線から左右対になるように、赤地に流水や菊の花、笹などが刺繍されています。絵画とも思えるような緻密なデザインで、流麗な雰囲気がありました。非常に煌びやかな着物でした。
この辺は能装束や小袖などもありました。
84 「帷子 染分麻地御座船梅竹模様」
これは友禅染の着物で、上半分は青地に金や赤を使った光琳模様の梅枝模様、下半分は白地に舟遊びに興じる人々が刺繍されています。夏用の着物らしくそれに相応しく涼しげで洒落た雰囲気がありました。
続いては刀剣のコーナーです。長船派や一文字派の刀剣が並んでいて、凛とした雰囲気だったのですが、刀剣は鑑賞するのが難しいのであまりメモをしませんでしたw (波紋や沸の違いなどの解説もあったと思います)
80 「梨地家紋散糸巻太刀」
非常に豪華な金蒔絵が施された鞘に収まった太刀です。側面に家紋のようなものが10個くらい並んでいて、柄の辺りには緻密な装飾が施されていました。飾り用かな??
81 「梨地鳳凰螺鈿金装飾剣」
公家が儀式などで使うための刀で、金蒔絵と螺鈿で鳳凰を表した装飾の鞘に収まっています。所々に緑の翡翠のようなものがあるのが豪華で気品がありました。
<第4章 華ひらく近世絵画>
続いては安土桃山時代から江戸時代の絵画のコーナーです。錚々たる巨匠が名を連ねる充実のコレクションとなっていました。
44 長谷川等伯 「龍虎図屏風」 ★こちらで観られます
水墨の六曲一双の屏風で、左に虎、右に龍が描かれています。虎は崖の上で首を傾げるように龍の方を睨んでいて、濃淡によって毛並みや立派な体つきが表現されていました。それに対して龍は雲間から頭を覗かせています。ぎょろっとした眼をして、太めの輪郭で描かれているので迫力を感じます。また、龍の周りが暗くなっているのも風格を強めているように思いました。解説によると、これは中国南宋の牧谿(もっけい)の龍虎図に学んで描かれたそうです。(右隻下には自雪舟五代長谷川法眼等伯筆六十八歳と書いてあり、既に評価されていたことや、雪舟五代を名乗っていたことも分かります) 目の前で見ると本当に見事な作品でした。
参考記事:
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没後400年 特別展「長谷川等伯」 感想前編(東京国立博物館 平成館)
没後400年 特別展「長谷川等伯」 感想後編(東京国立博物館 平成館)
49 狩野永納 「四季花鳥図屏風」 ★こちらで観られます
金地の六曲一双の屏風です。右隻は緑鮮やかな松や白い牡丹、たんぽぽなどの春夏の花と鳥たちが描かれています。左隻にはススキや鴛鴦、雁、雪の積る梅や椿など秋冬の花鳥が描かれていました。やまと絵のような鮮やかな色合いで、岩肌の表現などは力強さがある一方で、雅な雰囲気もあり見栄えがしました。
56 伊藤若冲 「鸚鵡図」 ★こちらで観られます
棒状の豪華な装飾品の上にとまっている真っ白なオウムを描いた作品です。立派なとさかで横を向いているのですが、特に驚くのは透けるような羽です。よく観るとレース編みのように描かれていて驚異的な緻密さでした。似た作品は何度か観た覚えがありますが、これは動植綵絵(どうしょくさいえ)より前に描かれたもので、動植綵絵の「老松鸚鵡図」とは左右反転しているそうです。
参考記事:
伊藤若冲 アナザーワールド (千葉市美術館)
伊藤若冲 アナザーワールド 2回目(千葉市美術館)
皇室の名宝―日本美の華 <1期> 感想前編(東京国立博物館 平成館)
57 伊藤若冲 「十六羅漢図」
4幅対の水墨の掛け軸で、木の下で座る羅漢が1枚に1人ずつ描かれています。衣などは真っ黒な太い輪郭で描く大胆な表現であるのに対して、ヒゲや眉毛は毛の1本1本まで描かれたような緻密さで、1枚の中に豪快さと繊細さがあるように思います。また、左2枚の羅漢は右側を、右2枚の羅漢は左側を向いて対になるように配置されているのも面白かったです。
この辺には宗達派による金屏風などもあり、こちらも良かったです。
55 尾形光琳 「松島図屏風」 ★こちらで観られます
金地の六曲一隻の屏風で、3つの小島と様式化されたうねる波が描かれています。これは松島の景色らしく、小島の緑が金に映えます。解説によるとこれは光琳が私淑した宗達の松島図屏風の右隻を解釈したものだそうで、宗達に比べるとより鮮やかでダイナミックな表現となっているとのことでした。
58 「西欧王侯図押絵貼屏風」
六曲一隻の屏風で、一扇に一人ずつ西洋風の王が描かれています。剣を持ったり槍を持ったりした姿で、作風も西洋画そのものといった感じです。これはスペイン皇帝とその王侯の版画を転写したものらしく、先日観た泰西王侯騎馬図屏風を思い出しました。貴重かつ見事な作品です。
参考記事:南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屏風の謎 (サントリー美術館)
<第5章 奇才 曽我蕭白>
最後の章は江戸時代の奇才の絵師 曽我蕭白のコーナーです。ボストン美術館には蕭白の最初期から晩年までコレクションされているそうで、フェノロサとビゲローは世間で蕭白が評価されるよりも早くその価値を見出していたようです。ここには世界初公開となる作品など貴重なコレクションが並んでいました。
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剛勇無双の朝比奈三郎と青鬼が、お互いの首に縄をかけて引っ張り合いの力競べをしている様子を描いた作品です。その2人の後ろには烏帽子をかぶって審判のように見守る2人の姿もあります。朝比奈はどんぐり眼でケロッとした感じですが、青鬼は口を開けてプルプルと震えているような感じです。苦しいのか首の縄に掴まっているのも表情豊かで面白かったです。解説によるとこれは30歳頃の作品とのことでした。
この辺には最初期の山水画などもありました。
65 曽我蕭白 「風仙図屏風」 ★こちらで観られます
六曲一隻の水墨の屏風で、中央で仙人が剣を振りおろしていて、その左では池から追い出された龍が黒雲となって天に昇って行っています。その黒雲が物凄い勢いの渦となっていて、強風に煽られた従者たちは飛ばされていっています。蕭白ならではの迫力と臨場感がありつつ、どこか卑近で可笑しさを感じる作品でした。
62 曽我蕭白 「雲龍図」 ★こちらで観られます
今回のポスターにもなっている世界初公開の作品で、元は襖絵だったそうです。8面にわたって大きな龍が描かれ、左の方には顔と爪がクローズアップされています。右の方には様式化された波が舞い上がり鱗が細かく描かれていました。強い濃淡で迫力があり、作品の前に立つだけでその圧倒的な力強さに驚きました。解説によると、元は8面ではなかったそうで、頭と尾の間には胴体を描いた部分があったらしく、確かに右4面と左4面の間が繋がらないのがわかりました。また、この作品はボストン美術館の収蔵庫にひっそりと保管されていたそうですがパネルにすることで初めて公開できるようになったそうです。
ということで、後半は前半以上に面白い作品が多かったように思います。特に蕭白のコーナーは圧巻でこれだけでも観に行く価値はあると思います。会期は長めですが既に人気となっていますので、気になる方は早めにどうぞ。私はもう1回観に行きたいと考えています。
おまけ:
今回の展示には最近よく観るガチャガチャもありました。


1回300円で、私は龍虎図の左隻が出ました。
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