HOME   »  写真  »  東京国立博物館の案内 【2012年03月】

東京国立博物館の案内 【2012年03月】

前回ご紹介した東京国立博物館 本館18室の展示を観た後、常設も観てきました。今回も写真を撮ってきましたので、それを使ってご紹介しようと思います。今回は「桜めぐり」という展示名がついた作品もあり、お花見に関する作品が多めとなっていました。
 「桜めぐり」期間:2012年3月20日(火) ~ 2012年4月15日(日)

 ※ここの常設はルールさえ守れば写真が撮れます。(撮影禁止の作品もあります)
  もし掲載に問題がある場合はすぐに下げますのでお申し付けください。

公式サイト
 http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=B01&processId=00&mansion_id=M1

 参考記事:
   東京国立博物館の案内 【建物編】
   東京国立博物館の案内 【常設・仏教編】
   東京国立博物館の案内 【常設・美術編】
   東京国立博物館の案内 【2009年08月】
   東京国立博物館の案内 【2009年10月】
   東京国立博物館の案内 【2009年11月】
   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】 その2
   東京国立博物館の案内 【2010年02月】
   東京国立博物館の案内 【2010年06月】
   東京国立博物館の案内 【2010年11月】
   博物館に初もうで (東京国立博物館 本館)
   本館リニューアル記念 特別公開 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2011年02月】
   東京国立博物館の案内 【2011年07月】
   東京国立博物館の案内 【2011年11月】
   博物館に初もうで 2012年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館140周年 新年特別公開 (東京国立博物館 本館)


まずは「東京国立博物館コレクションの保存と修理」という特集陳列のコーナーを観ました(期間:2012/2/21~4/1)

河鍋暁斎 「花鳥」
DSC_19477.jpg
剥落などがあったようですが剥落を止めて表装もしなおしたそうです。極彩色で濃密かつ緻密な描写が妖しい魅力でした。

続いては本館2階の特別1室で「江戸時代の地図」という特集陳列を観ました。(期間:2012/2/14~3/25)

「アジア航海図」
DSC_19545.jpg
安土桃山時代~江戸時代の日本人がヨーロッパの海図を元に描いたそうです。アフリカあたりまで描かれていて驚きです。しかも結構しっかりしています。

「エラスムス立像」
DSC_19551.jpg
これは1600年に九州に漂着したオランダ船リーフデ号の船尾にあった像だそうです。リーフデ号の漂着が両国の貿易に繋がったので、歴史的に非常に貴重なものではないかと思います。

伊能忠敬 「日本沿海輿地図(中図)東北」
伊能忠敬 「日本沿海輿地図(中図)関東」
DSC_19567.jpg DSC_19570.jpg
有名な伊能忠敬の縮尺21万6000分の1の地図です。航空写真ではないかと思うほどの精巧さでした。

狩野長信 「花下遊楽図屏風」
DSC_19578.jpg
これは前も紹介したかも?? 国宝室に展示されていたもので、右隻の第3~4扇は関東大震災で失われたそうです。今も昔も変わらぬ花見の楽しさが伝わってきます。

「十六羅漢像(第六尊者)」
DSC_19582.jpg
これは鎌倉時代の作品。いまなお色鮮やかで目をひきました。

伝狩野元信 「西王母・東方朔図(旧大仙院方丈障壁画)」
DSC_19593.jpg
東方朔(とうほうさく)は西王母(せいおうぼ)の桃を盗み食いして不老長寿となった人物です。どういうシーンかわかりませんが物語の1場面のように思われます。 これは元は襖絵だったのだとか。

雪舟等楊 「四季山水図(春)」 「四季山水図 (夏)」
DSC_19597.jpg
右が春で左が夏です。これは雪舟が中国滞在中に描いた作品と考えられるそうで、中国的傾向が強いそうです。

立林何げい 「松竹梅図屏風」
DSC_19612.jpg
この人は尾形乾山の江戸での弟子だそうです。単純化された意匠は乾山の兄弟の光琳の作風を思わせました。

筆者不明 「紅白梅図屏風」
DSC_19617.jpg
華やかな印象を受けた作品。向かい合う梅の構図が対になるように感じたのですが、左右を入れ替えても構図がまとまるそうです。

与謝蕪村 「山野行楽図屏風」
DSC_19619.jpg
俳人としても有名な蕪村の文人画。ちょっとのんびりした感じがしました。三角形になった構図が面白い。

狩野探幽 「漢武帝・西王母・林和靖図」
DSC_19627.jpg
探幽の3幅セットの作品。中国的な雰囲気が漂います。

尾形光琳 「竹梅図屏風」
DSC_19632.jpg
少ない色数なのに豊かな表現なのが驚きです。単純化のセンスも流石でした。

伊藤若冲 「松樹・梅花・孤鶴図」
DSC_19637.jpg
体の曲線が丸々した姿の鶴の後ろ姿。松の葉の筆の速さや梅の花の単純化など、自由自在な感じです。

岸駒 「月梅図」
DSC_19640.jpg
月を背に咲く梅。薄っすらとした闇に浮かんで神秘的でした。

円山応挙 「郭子儀携小童図」
DSC_19642.jpg
結構写実的に描かれた中国の人物。武勲で出世した軍人のようですが、これで観ると優しそうに観えました。

冷泉為恭 「忠度出陣之図」
DSC_19646.jpg
やまと絵風の雅な作品。忠度というのは平忠度という平清盛の異母弟のようです。

渡辺崋山 「牧牛図」
DSC_19649.jpg
何とものんびりした微笑ましい光景でした。

歌川広重 「名所江戸百景・品川御殿やま」
DSC_19661.jpg
品川の御殿山を描いた作品。桜が満開で皆で見に行っているのかな?

続いて再度1階へ。絵画以外の作品もご紹介します。

「御所車蒔絵硯箱」
DSC_19678.jpg
絢爛かつ雅な雰囲気の蒔絵の硯箱。様々な技術を駆使しているそうです。

「金銅聖観音懸仏」
DSC_19682.jpg
これは鎌倉時代の作品。優しい雰囲気の顔が印象的でした。

「太刀 福岡一文字吉房」
DSC_19686.jpg
これは国宝の刀。身幅が広く華やかな丁子刃に映りの立った作風とのことでしたが、やはり刀剣の鑑賞は難しいw

仁阿弥道八 「色絵桜樹図透鉢」
DSC_19691.jpg DSC_19693.jpg
乾山焼に倣った作品。所々に穴が開いていたりして桜並木の雰囲気がありました。華やかです。

野々村仁清 「瀬戸釉平水指」
DSC_19698.jpg
仁清にしては渋い印象を受けた作品。仁清が修行した瀬戸焼の作を連想させるのだとか。


ということで、今回も常設を楽しむことができました。ここの本館はいつでも特別展並に充実しているので、特別展へ行く機会があったら常設も観ることをお勧めします。


関連記事


記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。

 

更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter



Comment
Trackback
Trackback URL
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

21世紀のxxx者

Author:21世紀のxxx者
 
多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。

関東の方には休日のガイドやデートスポット探し、関東以外の方には東京観光のサイトとしてご覧頂ければと思います。

画像を大きめにしているので、解像度は1280×1024以上が推奨です。

↓ブログランキングです。ぽちっと押して頂けると嬉しいです。





【トラックバック・リンク】
基本的にどちらも大歓迎です。アダルトサイト・商材紹介のみのサイトの方はご遠慮ください。
※TB・コメントは公序良俗を判断した上で断り無く削除することがあります。
※相互リンクに関しては一定以上のお付き合いの上で判断させて頂いております。

【記事・画像について】
当ブログコンテンツからの転載は一切お断り致します。(RSSは問題ありません)

更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter

展覧スケジュール
現時点で分かる限り、大きな展示のスケジュールを一覧にしました。

展展会年間スケジュール (1都3県)
検索フォーム
ブログ内検索です。
【○○美術館】 というように館名には【】をつけて検索するとみつかりやすいです。
全記事リスト
カテゴリ
リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
メディア掲載
■2012/1/27
NHK BSプレミアム 熱中スタジアム「博物館ナイト」の収録に参加してきました
  → 詳細

■2011/11/21
海の見える杜美術館の公式紹介サイトに掲載されました
  → 詳細

■2011/9/29
「週刊文春 10月6日号」に掲載されました
  → 詳細

■2009/10/28
Yahoo!カテゴリーに登録されました
  → 絵画
  → 関東 > 絵画

記事の共有
この記事をツイートする
広告
美術鑑賞のお供
細かい美術品を見るのに非常に重宝しています。
愛機紹介
このブログの写真を撮ってます。上は気合入れてる時のカメラ、下は普段使いのカメラです。
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
74位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
デザイン・アート
12位
アクセスランキングを見る>>
twitter
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

※できるだけコメント欄にお願い致します。(管理人だけに表示機能を活用ください) メールは法人の方で、会社・部署・ドメインなどを確認できる場合のみ返信致します。