五浦六角堂再建記念 五浦と岡倉天心の遺産展 【日本橋タカシマヤ】
10日くらい前に日本橋タカシマヤに行って、終盤間際の「五浦六角堂再建記念 五浦と岡倉天心の遺産展」を観てきました。この展示は既に終わっていますが、参考になる内容でしたのでご紹介しておこうと思います。

【展覧名】
五浦六角堂再建記念 五浦と岡倉天心の遺産展
【公式サイト】
http://www.takashimaya.co.jp/tokyo/event2/index.html (既に消されました)
【会場】日本橋タカシマヤ ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】日本橋駅
【会期】2012年5月9日(水)~5月28日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日13時半頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
最終日直前だったこともあってか意外と混んでいて、場所によっては列ができるくらいでした。
さて、この展示は岡倉天心(本名 岡倉覚三)を中心に日本美術院の活動拠点だった五浦(いづら 現在の北茨城市)と、五浦に建てられ東日本地震で流された六角堂の再生を主題にしたものでした。3つの章に分かれ時系列に並んでいましたので、詳しくは章ごとにご紹介しようと思います。
<第1章 岡倉天心の生涯>
まずは岡倉天心についてのコーナーです。岡倉天心こと岡倉覚三は1863年に横浜の福井藩が経営する商館に生まれ、幼い時から英語を学びました。また、寺に預けられて漢籍や文人画も学び、やがて東京大学の初代卒業生として文部省に入省し勤務します。そこで東大時代の恩師フェノロサと連携し、美術文化行政をリードしながら廃仏毀釈で荒廃した古美術の調査と保護を進めました。そして東京美術学校(現在の東京藝術大学)の設立と運営に従事し、博物館美術部長と東京美術学校の校長を兼務します。しかし、当時の東京美術学校は日本の伝統学科のみでスタートしたため、西洋派からは激しい反発もあったようです。さらに、岡倉天心の女性問題についての怪文書が出回ったことで天心は職を追われ野に下りました。
そしてその騒動の4ヶ月後、天心と共に東京美術学校を自主的に辞職した教員たち(橋本雅邦、下村観山、横山大観、菱田春草など錚々たるメンバー)が集まり、日本美術院を設立し、雑誌の発行、地方巡回展、研究会、古美術の修理などを手がけました。さらに天心はインド旅行を経てボストン美術館の中国日本部に籍を置き、国際的にも活躍して行きます。ここにはその生涯を追った資料なども展示されていました。
参考記事:
ボストン美術館 日本美術の至宝 感想前編(東京国立博物館 平成館)
ボストン美術館 日本美術の至宝 感想後編(東京国立博物館 平成館)
まず入口には平櫛田中の「五浦釣人像」と岡倉天心の写真があったのですが、頭巾を被った隠者風の岡倉天心の雰囲気がよく出ています。先日ご紹介した東博のボストン美術館展にあった「岡倉覚三像」とかなり似ていて、こちらの方が大きめでした。また、肖像画や、天心が執筆した3冊の英語の本などもありました。
[1 生い立ち-美術行政への参画]
奥原清湖 「蘭亭之図」
この画家は文晁派の女性画家で、画塾で天心に絵を教えた人物です。山々の合間を流れる川の周りに沢山の人が集まって、カップのようなものを盆?に載せたものを沢山流している様子が描かれています。中央辺りには川の上に建つ小さな瓦屋根の家があり、これが蘭亭かな? 文晁派らしい南画風でのんびりした雰囲気がありました。
この辺りには東京美術学校の品々が並んでいて、下村観山や横山大観、菱田春草らの描いた素描や、当時の美術学校の卒業証書、観山が着ていた制服や帽子なども展示されていました。大観はこの制服を奈良朝の法服のようだと言っていたようで、確かに奈良時代の人物が着ていたような服でした。これを着ていた生徒は当時でも変わった目で見られたそうですw
[2 日本美術院の創設]
ここにはまず雑誌などが並んでいました。後に日本美術院の本拠地を五浦に移した時は都落ちと報じられたそうで、「朦朧体の没落」とも嘲笑されたようです。(朦朧体:大観や春草らの画風で、輪郭ではなくぼかしの濃淡を使った叙情的な表現ですが、当時は朦朧体と揶揄されました) 色々と受難の時代ですね…。
菱田春草 「雄快(海岸怒涛)」
海岸の大きな岩山とその下に打ち寄せる波を描いた作品です。波は白い飛沫しかかかれず、その飛沫もぼんやりと霧のようになっています。所々にちらっと岩が見える程度かな。 確かに当時の批評家に朦朧体と言われたのも何となくわかるような気がします。上の方には小さな鳥が舞っている様子も描かれ、自由な雰囲気もありました。
この辺には大観や平山郁夫の作品もありました。
[3 新たなる飛躍の地 五浦]
結成当初は華々しく活動していた日本美術院ですが、「朦朧体」の悪評によって次第に経営が悪化していったようです。そして1903年、茨城出身の飛田周山の案内で五浦を理想の文人生活の場として発見し、東京を離れてこの地に移り少数精鋭で巻き直しを図りました。
ここには天心や飛田の書簡や書、弟子の家の間取り図、大観の筆など道具類が並んでいました。
[4 東洋の理想と心 - 国際人「天心」]
天心は20世紀初頭にインドに渡り、その際に「The Ideals of the East」という本を書きました。この中には「Asia is One(アジアは1つである)」という有名な書き出しがあります(後述) そしてボストン美術館にも働きかけ、天心は東洋美術の権威として世界に立とうとしていました。また、大観や春草らもインドと欧米を体験したようです。ここにはインドを回顧して描いた美術院のメンバーの作品などが並んでいました。
荒井寛方 「聖牛図」
これは掛け軸で、真っ白で長い角の牛と、その上の木にとまる2羽の鳥、空に舞う2羽の鳥を描いた作品です。色使いが明るめで、鳥や木の実などはインドっぽい感じです。明るいのにどこかぼんやりした雰囲気で、幻想的な光景となっていました。
この近くにはロビナンドロナト・タゴールという人の写真とインドの文字で書かれた詩書もありました。また、アメリカで取り上げられた天心の新聞記事や、ボストン美術館のキュレイター承認通知、羽織、袴、茶道具、書簡、小敦盛や安宅の英訳、文台、風呂敷、普段着などもありました。
この章の最後ではオペラ「白狐」という作品についても取り上げていて、これはアメリカ社交界の中心だったガードナー夫人に頼まれて台本を書いたものの、曲がつけられないうちに天心が死んでしまった遺作となります。(これを渡して1週間後に体調不良でボストン美術館を休職しそのまま亡くなってしまったそうです。 ガードナー夫人もオペラの上演に努力したようですが実現しませんでした)
<第2章 岡倉天心の理想を継いで>
続いて2章は天心の死後の日本美術院のコーナーです。天心が著した「アジアは1つ」という言葉は、大東亜共栄圏のようなものはきっぱりと否定していて、アジア各国が個性的に国作りをすることによって、ヨーロッパに対抗することができるという考えだったようです。また、芸術については伝統を継承しつつ、そこから1歩踏み出す個性の伸長を重視していたようです。(この考えについては私も日頃そう考えているので大いに頷けるものでした。) さらに天心は作家を海外に派遣して国際性を身に付けさせようと考えていたようです。
天心の没後もこうした精神は受け継がれ、日本美術院は奈良に第二部として再興されたそうです。ここではそうした時期の作品が並んでいました。
横山大観 「神州の正気(富嶽)」
富士山を見下ろすように描かれた作品です。白い頭と青い裾野ですが、青は空気に交じるように広がっています。どこから見た図か分かりませんが、飛行機から見たような不思議な光景で神秘的な雰囲気がありました。
この辺は横山大観の作品が何点かありました。
下村観山 「南泉和尚」
2幅対の作品で、右は壊れた仏像の手や光背を焚き火しそれを背にしている老僧、左は丸い柱の影に半身隠れるような老僧の姿が描かれています。何か元になる話がありそうな感じで、物語のワンシーンみたいに観えました。淡く柔らかい色合いで気品がある作品です。
下村観山・横山大観 「竹の図」
これは2人の合作で、2曲1双の金屏風に墨で描かれた竹が1隻ごとに描かれています。右隻は竹が途中で1回転するほど曲がりくねっていて、描いたのは観山です。それに対して左隻は一直線に伸びた竹で、節々にはたらし込みのような滲みをつかった技法が使われた大観の筆です。解説によるとこれは龍虎図に見立てた作品だそうで、右が龍、左が虎となっているようです。変幻自在の大観が不動の大地を示す虎を、伝統を重んじた観山が水の変化の象徴の龍を描いた趣向となっているとのことでした。対照的な感じがよく分かり。2人の個性の違いも出ていて面白い作品でした。
木村武山 「彩色杉戸絵」
これは8面の裏表の木のふすま絵で、表?は装飾的な松が大胆に8面に渡って描かれています。金粉も散らされ琳派的な感じにも見えるかな。その裏は草花図2面と富士が4面(残り2面は見られず)となっていて、青い富士はどことなく大観を連想させる雄大さがありました。解説によると、これは神戸の須磨に住む実業家の邸宅を飾るものとして作られたそうで、阪神大震災で被災したものの無事にくぐりぬけ、その後作者ゆかりの茨城の美術館に預けられました。そしてそこでも東日本地震に被災したそうですが、そこも切り抜けたという数奇な運命を辿っているようでした。
この辺には木村武山の作品が屏風や掛け軸など何点かありましたが、結構好みでした。観山っぽさもあるように思えました。
菱田春草 「五浦ノ月」
海の高い崖のような岩山とその上に生えた松、松に少し隠れるような満月が描かれています。淡く細い線で描かれ、静かで波の音が聞こえてきそうな神秘的な作品でした。五浦にこういう崖があるのかな?
塩出英雄 「五浦」
これは今回のポスターにもなった作品で、2曲の屏風です。鮮やかな色合で五浦を鳥瞰するような視点で描かれています。右下の六角堂をはじめ、天心、大観、春草、観山などの家も描かれ、その上に○○宅と書かれ分かりやすいです。上の方には研究所などもあり、芸術家のコロニーとなっている感じでした。色の明るさのせいかのびやかで、住んだら気持ちの良さそうな雰囲気がありました。
この後は院展図録表紙絵原画のコーナーで、小さめの額縁に収まった作品が並んでいました。夏が出品作の仕上げの時期らしく、夏っぽい主題が多いようです。安田靫彦、前田青邨、奥村土牛、片岡球子など個性的な面々がならび様々な画風の作品となっていました。
<第3章 甦る六角堂>
最後の3章は岡倉天心が設計した六角堂についてのコーナーで、六角堂は亭子建築、仏堂、茶室という3つの意味が込められた建物だったようです。亭子建築とは文人が自然と一体となって瞑想に耽るための東屋のことで、天心は中国調査の際に魅力に触れたそうです。また、仏堂としては聖徳太子が念持仏を祀ったという京都の頂法寺を参照しているとのことでした。
ここには、震災後の津波で喪失した際の様子や、地元の茨城大学が中心となって進めた天心・六角堂復興プロジェクトについての概要が展示されていました。10mを超える津波に流されている時の写真もあり、結構ショッキングです。近くには流された瓦た宝珠の破片、大観が書いた表札などもあります。 再建の際の図面もあり、流出以前と比べてむしろ創建時に近い形で再建されたことが説明されていました。
ここには部屋の一分を再現したコーナーもあり、その内部がよく分かりました。最後には20分の映像があり、流出~再建についてまとめていました。2013年には茨城を舞台にした「天心」という映画も作られるそうで、それの予告も兼ねているようでした。
ということで、思った以上に参考になる展示でした。近代日本画のみならず失われかけた伝統を保護したという日本美術の偉人の功績を知ることができました。もう終わってしまいましたが、こういう展示は貴重な機会だと思います。
参照記事:★この記事を参照している記事

【展覧名】
五浦六角堂再建記念 五浦と岡倉天心の遺産展
【公式サイト】
http://www.takashimaya.co.jp/tokyo/event2/index.html (既に消されました)
【会場】日本橋タカシマヤ ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】日本橋駅
【会期】2012年5月9日(水)~5月28日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日13時半頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
最終日直前だったこともあってか意外と混んでいて、場所によっては列ができるくらいでした。
さて、この展示は岡倉天心(本名 岡倉覚三)を中心に日本美術院の活動拠点だった五浦(いづら 現在の北茨城市)と、五浦に建てられ東日本地震で流された六角堂の再生を主題にしたものでした。3つの章に分かれ時系列に並んでいましたので、詳しくは章ごとにご紹介しようと思います。
<第1章 岡倉天心の生涯>
まずは岡倉天心についてのコーナーです。岡倉天心こと岡倉覚三は1863年に横浜の福井藩が経営する商館に生まれ、幼い時から英語を学びました。また、寺に預けられて漢籍や文人画も学び、やがて東京大学の初代卒業生として文部省に入省し勤務します。そこで東大時代の恩師フェノロサと連携し、美術文化行政をリードしながら廃仏毀釈で荒廃した古美術の調査と保護を進めました。そして東京美術学校(現在の東京藝術大学)の設立と運営に従事し、博物館美術部長と東京美術学校の校長を兼務します。しかし、当時の東京美術学校は日本の伝統学科のみでスタートしたため、西洋派からは激しい反発もあったようです。さらに、岡倉天心の女性問題についての怪文書が出回ったことで天心は職を追われ野に下りました。
そしてその騒動の4ヶ月後、天心と共に東京美術学校を自主的に辞職した教員たち(橋本雅邦、下村観山、横山大観、菱田春草など錚々たるメンバー)が集まり、日本美術院を設立し、雑誌の発行、地方巡回展、研究会、古美術の修理などを手がけました。さらに天心はインド旅行を経てボストン美術館の中国日本部に籍を置き、国際的にも活躍して行きます。ここにはその生涯を追った資料なども展示されていました。
参考記事:
ボストン美術館 日本美術の至宝 感想前編(東京国立博物館 平成館)
ボストン美術館 日本美術の至宝 感想後編(東京国立博物館 平成館)
まず入口には平櫛田中の「五浦釣人像」と岡倉天心の写真があったのですが、頭巾を被った隠者風の岡倉天心の雰囲気がよく出ています。先日ご紹介した東博のボストン美術館展にあった「岡倉覚三像」とかなり似ていて、こちらの方が大きめでした。また、肖像画や、天心が執筆した3冊の英語の本などもありました。
[1 生い立ち-美術行政への参画]
奥原清湖 「蘭亭之図」
この画家は文晁派の女性画家で、画塾で天心に絵を教えた人物です。山々の合間を流れる川の周りに沢山の人が集まって、カップのようなものを盆?に載せたものを沢山流している様子が描かれています。中央辺りには川の上に建つ小さな瓦屋根の家があり、これが蘭亭かな? 文晁派らしい南画風でのんびりした雰囲気がありました。
この辺りには東京美術学校の品々が並んでいて、下村観山や横山大観、菱田春草らの描いた素描や、当時の美術学校の卒業証書、観山が着ていた制服や帽子なども展示されていました。大観はこの制服を奈良朝の法服のようだと言っていたようで、確かに奈良時代の人物が着ていたような服でした。これを着ていた生徒は当時でも変わった目で見られたそうですw
[2 日本美術院の創設]
ここにはまず雑誌などが並んでいました。後に日本美術院の本拠地を五浦に移した時は都落ちと報じられたそうで、「朦朧体の没落」とも嘲笑されたようです。(朦朧体:大観や春草らの画風で、輪郭ではなくぼかしの濃淡を使った叙情的な表現ですが、当時は朦朧体と揶揄されました) 色々と受難の時代ですね…。
菱田春草 「雄快(海岸怒涛)」
海岸の大きな岩山とその下に打ち寄せる波を描いた作品です。波は白い飛沫しかかかれず、その飛沫もぼんやりと霧のようになっています。所々にちらっと岩が見える程度かな。 確かに当時の批評家に朦朧体と言われたのも何となくわかるような気がします。上の方には小さな鳥が舞っている様子も描かれ、自由な雰囲気もありました。
この辺には大観や平山郁夫の作品もありました。
[3 新たなる飛躍の地 五浦]
結成当初は華々しく活動していた日本美術院ですが、「朦朧体」の悪評によって次第に経営が悪化していったようです。そして1903年、茨城出身の飛田周山の案内で五浦を理想の文人生活の場として発見し、東京を離れてこの地に移り少数精鋭で巻き直しを図りました。
ここには天心や飛田の書簡や書、弟子の家の間取り図、大観の筆など道具類が並んでいました。
[4 東洋の理想と心 - 国際人「天心」]
天心は20世紀初頭にインドに渡り、その際に「The Ideals of the East」という本を書きました。この中には「Asia is One(アジアは1つである)」という有名な書き出しがあります(後述) そしてボストン美術館にも働きかけ、天心は東洋美術の権威として世界に立とうとしていました。また、大観や春草らもインドと欧米を体験したようです。ここにはインドを回顧して描いた美術院のメンバーの作品などが並んでいました。
荒井寛方 「聖牛図」
これは掛け軸で、真っ白で長い角の牛と、その上の木にとまる2羽の鳥、空に舞う2羽の鳥を描いた作品です。色使いが明るめで、鳥や木の実などはインドっぽい感じです。明るいのにどこかぼんやりした雰囲気で、幻想的な光景となっていました。
この近くにはロビナンドロナト・タゴールという人の写真とインドの文字で書かれた詩書もありました。また、アメリカで取り上げられた天心の新聞記事や、ボストン美術館のキュレイター承認通知、羽織、袴、茶道具、書簡、小敦盛や安宅の英訳、文台、風呂敷、普段着などもありました。
この章の最後ではオペラ「白狐」という作品についても取り上げていて、これはアメリカ社交界の中心だったガードナー夫人に頼まれて台本を書いたものの、曲がつけられないうちに天心が死んでしまった遺作となります。(これを渡して1週間後に体調不良でボストン美術館を休職しそのまま亡くなってしまったそうです。 ガードナー夫人もオペラの上演に努力したようですが実現しませんでした)
<第2章 岡倉天心の理想を継いで>
続いて2章は天心の死後の日本美術院のコーナーです。天心が著した「アジアは1つ」という言葉は、大東亜共栄圏のようなものはきっぱりと否定していて、アジア各国が個性的に国作りをすることによって、ヨーロッパに対抗することができるという考えだったようです。また、芸術については伝統を継承しつつ、そこから1歩踏み出す個性の伸長を重視していたようです。(この考えについては私も日頃そう考えているので大いに頷けるものでした。) さらに天心は作家を海外に派遣して国際性を身に付けさせようと考えていたようです。
天心の没後もこうした精神は受け継がれ、日本美術院は奈良に第二部として再興されたそうです。ここではそうした時期の作品が並んでいました。
横山大観 「神州の正気(富嶽)」
富士山を見下ろすように描かれた作品です。白い頭と青い裾野ですが、青は空気に交じるように広がっています。どこから見た図か分かりませんが、飛行機から見たような不思議な光景で神秘的な雰囲気がありました。
この辺は横山大観の作品が何点かありました。
下村観山 「南泉和尚」
2幅対の作品で、右は壊れた仏像の手や光背を焚き火しそれを背にしている老僧、左は丸い柱の影に半身隠れるような老僧の姿が描かれています。何か元になる話がありそうな感じで、物語のワンシーンみたいに観えました。淡く柔らかい色合いで気品がある作品です。
下村観山・横山大観 「竹の図」
これは2人の合作で、2曲1双の金屏風に墨で描かれた竹が1隻ごとに描かれています。右隻は竹が途中で1回転するほど曲がりくねっていて、描いたのは観山です。それに対して左隻は一直線に伸びた竹で、節々にはたらし込みのような滲みをつかった技法が使われた大観の筆です。解説によるとこれは龍虎図に見立てた作品だそうで、右が龍、左が虎となっているようです。変幻自在の大観が不動の大地を示す虎を、伝統を重んじた観山が水の変化の象徴の龍を描いた趣向となっているとのことでした。対照的な感じがよく分かり。2人の個性の違いも出ていて面白い作品でした。
木村武山 「彩色杉戸絵」
これは8面の裏表の木のふすま絵で、表?は装飾的な松が大胆に8面に渡って描かれています。金粉も散らされ琳派的な感じにも見えるかな。その裏は草花図2面と富士が4面(残り2面は見られず)となっていて、青い富士はどことなく大観を連想させる雄大さがありました。解説によると、これは神戸の須磨に住む実業家の邸宅を飾るものとして作られたそうで、阪神大震災で被災したものの無事にくぐりぬけ、その後作者ゆかりの茨城の美術館に預けられました。そしてそこでも東日本地震に被災したそうですが、そこも切り抜けたという数奇な運命を辿っているようでした。
この辺には木村武山の作品が屏風や掛け軸など何点かありましたが、結構好みでした。観山っぽさもあるように思えました。
菱田春草 「五浦ノ月」
海の高い崖のような岩山とその上に生えた松、松に少し隠れるような満月が描かれています。淡く細い線で描かれ、静かで波の音が聞こえてきそうな神秘的な作品でした。五浦にこういう崖があるのかな?
塩出英雄 「五浦」
これは今回のポスターにもなった作品で、2曲の屏風です。鮮やかな色合で五浦を鳥瞰するような視点で描かれています。右下の六角堂をはじめ、天心、大観、春草、観山などの家も描かれ、その上に○○宅と書かれ分かりやすいです。上の方には研究所などもあり、芸術家のコロニーとなっている感じでした。色の明るさのせいかのびやかで、住んだら気持ちの良さそうな雰囲気がありました。
この後は院展図録表紙絵原画のコーナーで、小さめの額縁に収まった作品が並んでいました。夏が出品作の仕上げの時期らしく、夏っぽい主題が多いようです。安田靫彦、前田青邨、奥村土牛、片岡球子など個性的な面々がならび様々な画風の作品となっていました。
<第3章 甦る六角堂>
最後の3章は岡倉天心が設計した六角堂についてのコーナーで、六角堂は亭子建築、仏堂、茶室という3つの意味が込められた建物だったようです。亭子建築とは文人が自然と一体となって瞑想に耽るための東屋のことで、天心は中国調査の際に魅力に触れたそうです。また、仏堂としては聖徳太子が念持仏を祀ったという京都の頂法寺を参照しているとのことでした。
ここには、震災後の津波で喪失した際の様子や、地元の茨城大学が中心となって進めた天心・六角堂復興プロジェクトについての概要が展示されていました。10mを超える津波に流されている時の写真もあり、結構ショッキングです。近くには流された瓦た宝珠の破片、大観が書いた表札などもあります。 再建の際の図面もあり、流出以前と比べてむしろ創建時に近い形で再建されたことが説明されていました。
ここには部屋の一分を再現したコーナーもあり、その内部がよく分かりました。最後には20分の映像があり、流出~再建についてまとめていました。2013年には茨城を舞台にした「天心」という映画も作られるそうで、それの予告も兼ねているようでした。
ということで、思った以上に参考になる展示でした。近代日本画のみならず失われかけた伝統を保護したという日本美術の偉人の功績を知ることができました。もう終わってしまいましたが、こういう展示は貴重な機会だと思います。
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