ホノルル美術館所蔵「北斎展」 【三井記念美術館】
1週間ほど前の土曜日に三越前の三井記念美術館で、終盤となった特別展 ホノルル美術館所蔵「北斎展」 葛飾北斎生誕250周年記念を観てきました。この展示は前期・後期でほぼ全部の入れ替えとなっているようで、私が観たのは後期のみとなります。もう終わってしまいましたが、参考になる内容でしたのでご紹介いたします。

【展覧名】
特別展 ホノルル美術館所蔵「北斎展」 葛飾北斎生誕250周年記念
【公式サイト】
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html
【会場】三井記念美術館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】
銀座線三越前/新日本橋駅/東京駅/神田駅
【会期】
前期:2012年4月14日(土)~5月13日(日)
後期:2012年5月15日(火)~6月17日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
終盤近いこともあり混んでいて、どこも列が出来るような感じでした。しかし最前列にこだわらなければ自分のペースで観られるくらいなので、じっくり時間をかけて観てきました。
さて、この展覧会はハワイのホノルル美術館の北斎のコレクションを展示するもので、昨年の東日本大震災で延期していたものが1年遅れで開催された感じです。ホノルル美術館の浮世絵はジェームス・A・ミッチェナー氏からの寄贈5400点が核となっているそうで、質・量ともに充実したコレクションとなっているようです。
展示内容は有名な冨嶽三十六景を始めた揃い物のコーナーと、北斎の生涯と画業のコーナーとなっていましたので、詳しくは気に入った作品を通じてご紹介しようと思います。なお、冒頭に書いたように会期が前期・後期に分かれていて、揃い物は半分ずつの展示となっていました。
参考リンク:出品リスト
<I.揃物の名品>
まずは北斎が為一を名乗っていた(61~74歳)から再晩年の卍を号した(75~90歳)頃までの代表的な揃い物のコーナーです。ここには一番有名な冨嶽三十六景などを含めいくつかのシリーズものが並んでいました。
[冨嶽三十六景]
まずは冨嶽三十六景です。元々名前の通り36枚の予定でしたが、人気のため10枚追加されて全46枚からなるシリーズです。
参考記事:
北斎とリヴィエール 三十六景の競演 (ニューオータニ美術館)
66 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 江都駿河町三井見世略図」
2つの建物の屋根の間に富士山が描かれ、その上には凧が揚げられています。屋根は富士山と同じように末広がりで、凧糸も富士山と平行するように描かれているなど幾何学的な構成が面白いです。この建物は後の三越となる三井越後屋だそうで、看板には現金掛け値なしと書かれているようでした。この美術館に相応しい作品ですねw
この作品もそうですが、ホノルル美術館の冨嶽三十六景は非常に青が綺麗に出ています。これはベロ藍と呼ばれた舶来の原料を用いたもので、数ある同じ浮世絵でも摺りや保存状態の良さを感じさせます。
77 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 隅田川関屋の里」
右手前に建物があり、そこから左上にかけて曲がりくねった道が続き、道の途中には松の木、遠くに富士山が観えます。そして道には笠をかぶった3人の武士が馬を走らせていて、非常に疾走感があります。遠近法も面白く、こちらも色味の面白い作品となっていました。
84 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 武州玉川」
見下ろすような視点で多摩川とその奥に見える富士を描いた作品です。川には舟が浮かび、手前の川岸にはのんびり馬を引いている人の姿もあります。全体的に穏やかで、広々とした雰囲気があるように思いました。
解説によるとこの作品では後に省略化された技法も使われているらしく、川の波には青色の濃淡のぼかし摺りというグラデーションがあります。また、手前の白い部分には色を使わず版木の凹凸を紙に写し取る空摺というという技法が使われているとのことでした。摺師の技術の高さも驚きです。
64 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 山下白雨」 ★こちらで観られます
非常に末広がりの赤みがかった富士が描かれた作品です。有名な凱風快晴とよく似ていますが、タイトルの白雨はにわか雨のことで、下の方に黒い雲が立ち込め右下にはジグザグの稲光が描かれています。雷をも下に敷いて超然とそびえる富士は堂々たる威厳を感じさせました。
97 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 東海道吉田」
不二見茶屋と書かれた茶屋の中から富士を観る様子が描かれた作品です。テラスの所に2人の女性、手前には籠を担ぐ人たちが休んでいる様子なども描かれています。今も昔も変わらぬ旅の一コマのようなシーンで、観ていて和みましたw 解説によると、この作品には版元の永寿堂を示す永の文字や紋なども描かれているとのことです。また、主役のはずの富士山が小さく描かれているのも洒脱と評価していました。
100 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 甲州三坂水面」
富士と河口湖に映る富士を描いた作品です。夏の御坂峠(山梨)から観た富士なのですが、水面には雪をかぶった太平洋から観た富士が映し出されています。反射によって季節も場所も反転するという遊び心を感じる作品でした。
[諸国名橋奇覧]
続いて、冨嶽三十六景と同じ時期に同じ版元の西村屋与八が出版した諸国名橋奇覧のコーナーです。これは全国の珍しい橋を描いた11枚のシリーズで、場所を特定できないものや現存していなかった橋もあるようですが、北斎は橋の形などの面白さに着目していたそうです。
118 葛飾北斎 「諸国名橋奇覧 すほうの国きんたいはし」
有名な錦帯橋が左右に架かり、奥には山が描かれています。斜線が走っていて、これは雨が降っている様子を表しているようです。橋の上には笠を被っている武士たちの姿もあり風情を感じます。橋の形自体の面白さもあり、リズミカルに感じられました。
近くには「諸国名橋奇覧 かうつけ佐野ふなはしの古づ」もあり、最近この美術館でも展示されていたのを思い出しました。
参考記事:
日本美術にみる「橋」ものがたり -天橋立から日本橋まで- (三井記念美術館)
[百人一首乳母かえ説]
続いては「百人一首乳母かえ説」という作品のコーナーです。これは乳母が子供に教えるように百人一首を絵解きするようなシリーズだそうで、その名の通り100図を予定していたようですが、28図で中断してしまいました。その理由は絵解きの独自解釈など絵解きをする難解さなどがあったと考えられるようです。
148 葛飾北斎 「百人一首乳母か繪説 中納言家持」
山部赤人の「田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ」を絵解きした作品で、右に崖の細い道を行く行列、その下には大きな波々、そして奥に雪の積もった富士山が描かれています。美しく雄大な富士と波の様子に自然の大きさを感じました。
近くには小野小町や遍照といった有名な詠み手の歌をモチーフにした作品もありました。
159 葛飾北斎 「百人一首うはかゑと起 源宗于朝臣」
これは山里の冬の厳しさ・寂しさを詠った、源宗于朝臣の「山里は 冬ぞさびしさまさり ける 人めも草も かれぬと思へば」を主題にしたもので、雪の積もる木々の前で焚き火をしている猟師たちが描かれています。手をかざして温まっている様子は、何だか楽しそうでちっとも寂しくないようなw しかし、周りは確かに暗くて山里の冬の厳しさは伝わってくるようでした。
170 葛飾北斎 「百人一首宇波か縁説 権中納言定家」
これは藤原定家の「こぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くやもしほの 身もこがれつつ」という歌を主題にした作品で、歌では恋焦がれる様子を藻塩を焼く様子に例えているわけですが、この絵では本当に藻を焼いて塩づくりをしている様子が描かれていますw 窯から出た煙や藁を運ぶ人、天秤を担ぐ人などせっせと働く人々はどこか伸びやかな印象を受けました。 絵だけだと恋焦がれているという感じはしませんw
[詩哥写真鏡]
続いては詩哥写真鏡というシリーズのコーナーで、これは和漢の歌人・詩人の故事や文学作品を取り上げた10図だそうです。
135 葛飾北斎 「詩哥写真鏡 李白」
廬山の滝を眺めている李白を描いた作品で、縦長の画面の上から下まで様々な青で滝が描かれています。李白は崖っぷちに立っているので木に掴まって2人の童子が支えていました。色も鮮やかで壮麗な印象を受ける作品です。
140 葛飾北斎 「詩哥写真鏡 融大臣」
黄色い着物を着た人物と2人のお供が海岸の風景を眺めているような光景を描いた作品です。しかし、明らかに人物が大きくて巨人のように観えます。というのも実はこれは海岸を描いたものではなく、源融(みなもとのとおる)の庭を描いたものらしく、庭は奥州塩釜の風景を模して作ったものだそうです。
解説によると伊勢物語にもこの庭が出てくるらしく、源融自身も源氏物語の光源氏のモデルの一人なのだとか。他にも世阿弥の能「融」でも庭にかける情熱をテーマにしているらしいので、当時はかなり有名だったようです。
[諸国瀧廻り]
続いては「諸国瀧廻り」のコーナーです。これは全8図からなるもので、冨嶽三十六景の後同じ版元から出され、ベロ藍も使っていたようです。
113 葛飾北斎 「諸国瀧廻り 木曽海道小野ノ瀑布」
現在の長野県上松町付近の滝を描いた作品で、険しく切り立った崖に囲まれ、そこから滝が流れおちています。しかし滝というよりは水柱のような切り立った感じで面白いです。周りの見物人たちも見入っているようで、名所ぶりが伺えました。
[琉球八景]
揃い物の最後は琉球八景のコーナーです。北斎は琉球に訪れたことはありませんが、清国の使いが記した琉球国志略という本の挿絵を参考にこのシリーズを描いたと考えられるそうです。当時の江戸は琉球ブームだったのだとか
130 葛飾北斎 「琉球八景 長虹秋霽」 ★こちらで観られます
海の上にかかる長虹堤という石造りの海中道路を描いた作品です。当時、離れ小島だった那覇と首里城を結んだものだそうですが、幻想的な風景となっています。のんびりとして理想郷的な雰囲気もあるように思いました。何故か遠くに富士山のような山も見えるけど、これは創作じゃないかな??
<II.北斎の生涯と画業>
続いては北斎の名作に見る70年の軌跡のコーナーです。肉筆画や北斎漫画などが並び、画業の変遷を観ることが出来ました。
1 葛飾北斎 「富士見西行図」 ★こちらで観られます
勝川春章の門弟の勝川春朗として20代半ばでデビューした頃の作品で、傘を被り杖に寄りかかりながら振り返って富士を眺める僧 西行の姿が描かれています。富士山はかなり切り立っているようにデフォルメされていて、全体的にちょっと硬い感じもします。しかし、題材や構図などから巨匠のその後の活躍が伝わってくるようでした。貴重な作品です。
12 葛飾北斎 「新板浮絵 忠臣蔵第四段目」
忠臣蔵の浅野内匠頭(塩谷判官)が切腹するシーンを、描いた作品です。その描写は結構細かくて、屋敷の様子は遠近感が強調されているように見えました。
ちなみに北斎の母は忠臣蔵に関係のある人の孫だったそうです。(その時に殺されたらしい) 北斎が忠臣蔵に関心があるのはそうしたことも関係があるのかな?
24 葛飾北斎 「雪月花 淀川」
大きな白い月が浮かび、手前に川を行く何艘かの舟と淀城が描かれた作品です。水面の青のグラデーションが綺麗で静けさが漂っているように思えました。
これは雪月花のシリーズの1枚のようで、隣には雪の墨田川を描いた作品もありました。
49、52、54 葛飾北斎 「北斎漫画 初編、四編、六編」
有名な北斎漫画が6冊並んでいて、展示されていたページには象やうさぎ、浮き輪に捕まって泳ぐ人たち、馬を洗ったり訓練している様子、ヨガのように身体を折り曲げたり布を引っ張っている人々など様々なモチーフが自由自在に描かれています。怪力のお兼と思われる女性が片足で手綱を踏んで馬を抑えている様子もあり、いずれもユーモアを感じました。
48 葛飾北斎 「俵を持ち上げる大黒天」
大黒天が横になり足に米俵を乗せて持ち上げている様子を描いた作品です。その上には太鼓、さらに上に鶏も描かれていて曲芸のようになっていますw 解説によると、中国では君主に諌言をしようとする者が打ち鳴らす太鼓があったそうで、良い政治の時は誰も鳴らさないので苔むして鶏がとまるという故事があるそうです。これはそれをモチーフにしているようで、それにちなんだ狂歌が2句添えられていました。
60 葛飾北斎 「渡舟図」 ★こちらで観られます
これは60代前半頃の肉筆で、向島から浅草に向かう渡し舟を描いたものです。様々な身分の沢山の人が乗っていて、ちょっと意外です。解説によると、右に松があり、正月の渡し初め描いているとのことでした。全体的に霧に包まれるような詩情がありました。
ということで、良い摺りの作品が観られる展示でした。しかし前期・後期で半分ずつな上、それぞれの会期が1ヶ月というのは厳しいのでは…。できれば前期も観たかったです。 もう終わってしまいましたが、北斎を知るには良い機会でした。

【展覧名】
特別展 ホノルル美術館所蔵「北斎展」 葛飾北斎生誕250周年記念
【公式サイト】
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html
【会場】三井記念美術館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】
銀座線三越前/新日本橋駅/東京駅/神田駅
【会期】
前期:2012年4月14日(土)~5月13日(日)
後期:2012年5月15日(火)~6月17日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
終盤近いこともあり混んでいて、どこも列が出来るような感じでした。しかし最前列にこだわらなければ自分のペースで観られるくらいなので、じっくり時間をかけて観てきました。
さて、この展覧会はハワイのホノルル美術館の北斎のコレクションを展示するもので、昨年の東日本大震災で延期していたものが1年遅れで開催された感じです。ホノルル美術館の浮世絵はジェームス・A・ミッチェナー氏からの寄贈5400点が核となっているそうで、質・量ともに充実したコレクションとなっているようです。
展示内容は有名な冨嶽三十六景を始めた揃い物のコーナーと、北斎の生涯と画業のコーナーとなっていましたので、詳しくは気に入った作品を通じてご紹介しようと思います。なお、冒頭に書いたように会期が前期・後期に分かれていて、揃い物は半分ずつの展示となっていました。
参考リンク:出品リスト
<I.揃物の名品>
まずは北斎が為一を名乗っていた(61~74歳)から再晩年の卍を号した(75~90歳)頃までの代表的な揃い物のコーナーです。ここには一番有名な冨嶽三十六景などを含めいくつかのシリーズものが並んでいました。
[冨嶽三十六景]
まずは冨嶽三十六景です。元々名前の通り36枚の予定でしたが、人気のため10枚追加されて全46枚からなるシリーズです。
参考記事:
北斎とリヴィエール 三十六景の競演 (ニューオータニ美術館)
66 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 江都駿河町三井見世略図」
2つの建物の屋根の間に富士山が描かれ、その上には凧が揚げられています。屋根は富士山と同じように末広がりで、凧糸も富士山と平行するように描かれているなど幾何学的な構成が面白いです。この建物は後の三越となる三井越後屋だそうで、看板には現金掛け値なしと書かれているようでした。この美術館に相応しい作品ですねw
この作品もそうですが、ホノルル美術館の冨嶽三十六景は非常に青が綺麗に出ています。これはベロ藍と呼ばれた舶来の原料を用いたもので、数ある同じ浮世絵でも摺りや保存状態の良さを感じさせます。
77 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 隅田川関屋の里」
右手前に建物があり、そこから左上にかけて曲がりくねった道が続き、道の途中には松の木、遠くに富士山が観えます。そして道には笠をかぶった3人の武士が馬を走らせていて、非常に疾走感があります。遠近法も面白く、こちらも色味の面白い作品となっていました。
84 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 武州玉川」
見下ろすような視点で多摩川とその奥に見える富士を描いた作品です。川には舟が浮かび、手前の川岸にはのんびり馬を引いている人の姿もあります。全体的に穏やかで、広々とした雰囲気があるように思いました。
解説によるとこの作品では後に省略化された技法も使われているらしく、川の波には青色の濃淡のぼかし摺りというグラデーションがあります。また、手前の白い部分には色を使わず版木の凹凸を紙に写し取る空摺というという技法が使われているとのことでした。摺師の技術の高さも驚きです。
64 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 山下白雨」 ★こちらで観られます
非常に末広がりの赤みがかった富士が描かれた作品です。有名な凱風快晴とよく似ていますが、タイトルの白雨はにわか雨のことで、下の方に黒い雲が立ち込め右下にはジグザグの稲光が描かれています。雷をも下に敷いて超然とそびえる富士は堂々たる威厳を感じさせました。
97 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 東海道吉田」
不二見茶屋と書かれた茶屋の中から富士を観る様子が描かれた作品です。テラスの所に2人の女性、手前には籠を担ぐ人たちが休んでいる様子なども描かれています。今も昔も変わらぬ旅の一コマのようなシーンで、観ていて和みましたw 解説によると、この作品には版元の永寿堂を示す永の文字や紋なども描かれているとのことです。また、主役のはずの富士山が小さく描かれているのも洒脱と評価していました。
100 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 甲州三坂水面」
富士と河口湖に映る富士を描いた作品です。夏の御坂峠(山梨)から観た富士なのですが、水面には雪をかぶった太平洋から観た富士が映し出されています。反射によって季節も場所も反転するという遊び心を感じる作品でした。
[諸国名橋奇覧]
続いて、冨嶽三十六景と同じ時期に同じ版元の西村屋与八が出版した諸国名橋奇覧のコーナーです。これは全国の珍しい橋を描いた11枚のシリーズで、場所を特定できないものや現存していなかった橋もあるようですが、北斎は橋の形などの面白さに着目していたそうです。
118 葛飾北斎 「諸国名橋奇覧 すほうの国きんたいはし」
有名な錦帯橋が左右に架かり、奥には山が描かれています。斜線が走っていて、これは雨が降っている様子を表しているようです。橋の上には笠を被っている武士たちの姿もあり風情を感じます。橋の形自体の面白さもあり、リズミカルに感じられました。
近くには「諸国名橋奇覧 かうつけ佐野ふなはしの古づ」もあり、最近この美術館でも展示されていたのを思い出しました。
参考記事:
日本美術にみる「橋」ものがたり -天橋立から日本橋まで- (三井記念美術館)
[百人一首乳母かえ説]
続いては「百人一首乳母かえ説」という作品のコーナーです。これは乳母が子供に教えるように百人一首を絵解きするようなシリーズだそうで、その名の通り100図を予定していたようですが、28図で中断してしまいました。その理由は絵解きの独自解釈など絵解きをする難解さなどがあったと考えられるようです。
148 葛飾北斎 「百人一首乳母か繪説 中納言家持」
山部赤人の「田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ」を絵解きした作品で、右に崖の細い道を行く行列、その下には大きな波々、そして奥に雪の積もった富士山が描かれています。美しく雄大な富士と波の様子に自然の大きさを感じました。
近くには小野小町や遍照といった有名な詠み手の歌をモチーフにした作品もありました。
159 葛飾北斎 「百人一首うはかゑと起 源宗于朝臣」
これは山里の冬の厳しさ・寂しさを詠った、源宗于朝臣の「山里は 冬ぞさびしさまさり ける 人めも草も かれぬと思へば」を主題にしたもので、雪の積もる木々の前で焚き火をしている猟師たちが描かれています。手をかざして温まっている様子は、何だか楽しそうでちっとも寂しくないようなw しかし、周りは確かに暗くて山里の冬の厳しさは伝わってくるようでした。
170 葛飾北斎 「百人一首宇波か縁説 権中納言定家」
これは藤原定家の「こぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くやもしほの 身もこがれつつ」という歌を主題にした作品で、歌では恋焦がれる様子を藻塩を焼く様子に例えているわけですが、この絵では本当に藻を焼いて塩づくりをしている様子が描かれていますw 窯から出た煙や藁を運ぶ人、天秤を担ぐ人などせっせと働く人々はどこか伸びやかな印象を受けました。 絵だけだと恋焦がれているという感じはしませんw
[詩哥写真鏡]
続いては詩哥写真鏡というシリーズのコーナーで、これは和漢の歌人・詩人の故事や文学作品を取り上げた10図だそうです。
135 葛飾北斎 「詩哥写真鏡 李白」
廬山の滝を眺めている李白を描いた作品で、縦長の画面の上から下まで様々な青で滝が描かれています。李白は崖っぷちに立っているので木に掴まって2人の童子が支えていました。色も鮮やかで壮麗な印象を受ける作品です。
140 葛飾北斎 「詩哥写真鏡 融大臣」
黄色い着物を着た人物と2人のお供が海岸の風景を眺めているような光景を描いた作品です。しかし、明らかに人物が大きくて巨人のように観えます。というのも実はこれは海岸を描いたものではなく、源融(みなもとのとおる)の庭を描いたものらしく、庭は奥州塩釜の風景を模して作ったものだそうです。
解説によると伊勢物語にもこの庭が出てくるらしく、源融自身も源氏物語の光源氏のモデルの一人なのだとか。他にも世阿弥の能「融」でも庭にかける情熱をテーマにしているらしいので、当時はかなり有名だったようです。
[諸国瀧廻り]
続いては「諸国瀧廻り」のコーナーです。これは全8図からなるもので、冨嶽三十六景の後同じ版元から出され、ベロ藍も使っていたようです。
113 葛飾北斎 「諸国瀧廻り 木曽海道小野ノ瀑布」
現在の長野県上松町付近の滝を描いた作品で、険しく切り立った崖に囲まれ、そこから滝が流れおちています。しかし滝というよりは水柱のような切り立った感じで面白いです。周りの見物人たちも見入っているようで、名所ぶりが伺えました。
[琉球八景]
揃い物の最後は琉球八景のコーナーです。北斎は琉球に訪れたことはありませんが、清国の使いが記した琉球国志略という本の挿絵を参考にこのシリーズを描いたと考えられるそうです。当時の江戸は琉球ブームだったのだとか
130 葛飾北斎 「琉球八景 長虹秋霽」 ★こちらで観られます
海の上にかかる長虹堤という石造りの海中道路を描いた作品です。当時、離れ小島だった那覇と首里城を結んだものだそうですが、幻想的な風景となっています。のんびりとして理想郷的な雰囲気もあるように思いました。何故か遠くに富士山のような山も見えるけど、これは創作じゃないかな??
<II.北斎の生涯と画業>
続いては北斎の名作に見る70年の軌跡のコーナーです。肉筆画や北斎漫画などが並び、画業の変遷を観ることが出来ました。
1 葛飾北斎 「富士見西行図」 ★こちらで観られます
勝川春章の門弟の勝川春朗として20代半ばでデビューした頃の作品で、傘を被り杖に寄りかかりながら振り返って富士を眺める僧 西行の姿が描かれています。富士山はかなり切り立っているようにデフォルメされていて、全体的にちょっと硬い感じもします。しかし、題材や構図などから巨匠のその後の活躍が伝わってくるようでした。貴重な作品です。
12 葛飾北斎 「新板浮絵 忠臣蔵第四段目」
忠臣蔵の浅野内匠頭(塩谷判官)が切腹するシーンを、描いた作品です。その描写は結構細かくて、屋敷の様子は遠近感が強調されているように見えました。
ちなみに北斎の母は忠臣蔵に関係のある人の孫だったそうです。(その時に殺されたらしい) 北斎が忠臣蔵に関心があるのはそうしたことも関係があるのかな?
24 葛飾北斎 「雪月花 淀川」
大きな白い月が浮かび、手前に川を行く何艘かの舟と淀城が描かれた作品です。水面の青のグラデーションが綺麗で静けさが漂っているように思えました。
これは雪月花のシリーズの1枚のようで、隣には雪の墨田川を描いた作品もありました。
49、52、54 葛飾北斎 「北斎漫画 初編、四編、六編」
有名な北斎漫画が6冊並んでいて、展示されていたページには象やうさぎ、浮き輪に捕まって泳ぐ人たち、馬を洗ったり訓練している様子、ヨガのように身体を折り曲げたり布を引っ張っている人々など様々なモチーフが自由自在に描かれています。怪力のお兼と思われる女性が片足で手綱を踏んで馬を抑えている様子もあり、いずれもユーモアを感じました。
48 葛飾北斎 「俵を持ち上げる大黒天」
大黒天が横になり足に米俵を乗せて持ち上げている様子を描いた作品です。その上には太鼓、さらに上に鶏も描かれていて曲芸のようになっていますw 解説によると、中国では君主に諌言をしようとする者が打ち鳴らす太鼓があったそうで、良い政治の時は誰も鳴らさないので苔むして鶏がとまるという故事があるそうです。これはそれをモチーフにしているようで、それにちなんだ狂歌が2句添えられていました。
60 葛飾北斎 「渡舟図」 ★こちらで観られます
これは60代前半頃の肉筆で、向島から浅草に向かう渡し舟を描いたものです。様々な身分の沢山の人が乗っていて、ちょっと意外です。解説によると、右に松があり、正月の渡し初め描いているとのことでした。全体的に霧に包まれるような詩情がありました。
ということで、良い摺りの作品が観られる展示でした。しかし前期・後期で半分ずつな上、それぞれの会期が1ヶ月というのは厳しいのでは…。できれば前期も観たかったです。 もう終わってしまいましたが、北斎を知るには良い機会でした。
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コメン頂きましてありがとうございます^^
私もデジタルな人間なので、参考にさせて頂いております。
写真も凄く綺麗で羨ましいです。
今後共よろしくお願いいたします。
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Author:21世紀のxxx者
多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。
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