マウリッツハイス美術館展 【東京都美術館】
先週の日曜日に、上野の東京都美術館へ行って始まったばかりの「マウリッツハイス美術館展」を観てきました。ヨハネス・フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」が出品されていることで大きな話題となっていますので、早めにご紹介しておこうと思います。


【展覧名】
マウリッツハイス美術館展
【公式サイト】
http://www.asahi.com/mauritshuis2012/
http://www.tobikan.jp/museum/2012/mauritshuis2012.html
【会場】東京都美術館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2012年6月30日(土)~9月17日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日13時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
曇りか時折強い雨が降るような天気でしたが、そんなことはお構いなしに混んでいました。私が行ったのは開催2日目だったのですが、既に入場制限があり、館内で10分ほど待ちました。チケットカウンターはそれほど混んではいなかったようですが、恐らく今後はそちらも混んでくると思いますので、事前に他所で買っておくほうが良さそうです(私はJR上野駅の構内で買いました。) さらに中に入ってもかなりの込み具合で、特に4章の「真珠の耳飾りの少女」の前にはロープ柵が設けられ、10分程度の行列となっていました。ここは観ていると少しずつ動きながら観るように言われますので、あまり長い時間観るというわけにはいきません。また、「真珠の耳飾りの少女」以外の作品もあちこちで人だかりが出来るくらいの混雑だったので、この展覧会は混んでいるものだと覚悟しておいた方が良いかと思います。作品点数は少なめですが、予想以上に観るのに時間がかかる&体力を使うと思います。
なお、公式サイトのTOPではリアルタイムに入場待ち時間が表示されるようです。スマートフォンでも確認できますので、お出かけの際には是非どうぞ。
公式サイト: http://www.asahi.com/mauritshuis2012/
前置きが長くなりましたが、今回の展覧会はその名の通り、オランダのハーグにあるマウリッツハイス美術館が所蔵する約50点の作品が展示されているもので、マウリッツハイス美術館の大規模な改修工事に伴う休館によって実現しました。
マウリッツハイスとはオランダ語でマウリッツ邸という意味で、ヨーハン・マウリッツ(後にオランダ王室に繋がる血統でオランダ領ブラジル総督を務めた)という人物が17世紀に砂糖で得た財で建てた邸宅を元に、歴代のオラニエ公によって数世紀渡ってコレクションが集められたそうです。オランダ建国の父であるヴィレム1世の息子のフレデリック・ヘンドリックが集めた膨大なコレクションこそは散逸してしまったそうですが、ヴィレム4世(1711-1751)と息子のヴィレム5世(1748-1806)の尽力で、現在のコレクションの中核となる作品が集められたようです。そして1822年に王立絵画館となり、小規模ながらも傑出した質の高さで現在も世界中を魅了しています。
展覧会は作品の主題ごとに章分けされていましたので詳しくは気に入った作品を通してご紹介しようと思います。
<第1章 美術館の歴史>
まずはマウリッツハイス美術館そのものについてのコーナーで、入口にはヨーハン・マウリッツの彫刻があります。マウリッツハイスの写真もあり、そんなに大きくはないようですが、ギリシャ神殿の様式を取り入れた装飾と、ペディメント(屋根の部分の三角形の破風)が特徴だそうです。1704年に火事にあったそうですが、修復され黄金の間という部屋が作られたとのことです。
03 ヨーハン・ゲオルク・ツィーゼニス 「オラニエ公ヴィレム5世の肖像」「ソフィア・ヴィルヘルミナ妃の肖像」
これは2枚セットの肖像画で、右がヴィレム5世、左がその妻の姿です。緻密で写実的に描かれ、勲章の光の反射や夫人のドレスの光沢など質感豊かな表現となっています。 2人とも結構若くて生き生きとした雰囲気がありました。解説によるとヴィレム5世は幼い頃から絵を学び、美術好きだったそうです。しかし、40代には亡命する羽目になるなど波乱の人生だったようです。(フランス革命戦争でフランス軍の侵攻を受けイギリスに亡命した)
この辺にはマウリッツハイスを描いた絵や、「レンブラントの間」という部屋を描いた画中画の多い作品もありました。
<第2章 風景画>
続いては風景画のコーナーです。今でこそ風景画は1つのジャンルとして確立していますが、昔は宗教画・物語画の添え物的なもので格下の題材と考えられていました。しかし、17世紀初めのオランダには、オランダならではの風景を描くことに集中する画家たちが現れたそうです。また、17世紀後半になると市街の様子を描くことに専念する画家や、イタリアを訪れインスピレーションを得る者など、多様化していったそうです。
08 サロモン・ファン・ライスダール 「帆船の浮かぶ湖」
海の上に浮かぶ帆船と、空の雲を描いた作品です。水平線がかなり下の方に描かれ、帆船は右下の辺りに描かれています。しかしその分 空は大きく描かれ、広々とした雰囲気です。黒っぽい雲、赤っぽい雲など、雲に光が当たった様子が柔らかい色合いで表現されていました。
解説によると、低い地平線・水平線の風景画は当時人気があったようで、この作品の隣の絵にも同様の傾向が見られました。
11 パウルス・ポッテル 「牧場の牛」
小屋の近くでのんびりする牛と豚を描いた作品です。牛はちょっとずんぐりした感じに思えますが、かなり写実的で、柔らかな夕日がさしている様子など見事な表現でした。優しく幻想的に見える作品です。
13 ヤン・ボト 「イタリア風の風景」
夕日に染まる山道と、そこから見える遠くの山々を描いた作品です。山道は馬を引く人、馬に乗る人など、こちらに歩いてくる人たちの姿があります。光と影の表現が巧みで、夕暮れの情感がよく出ているように思います。遠くの山が霞んで見えるなど、遠近感のある風景でした。
<第3章 歴史画(物語画)>
続いての3章は当時最も評価の高かった主題である歴史画・物語画のコーナーです。こうした主題は物語を読み、描写に適した話を選び、相応しい構成を考える というステップがあるそうで、確かに他に比べて多くの知識が必要そうです。歴史画には聖書、神話、個展文学、寓意なども含まれるそうで、若いころのフェルメールや、レンブラント、ルーベンスなど当時の巨匠もこうした主題に取り組みました。ここにはそうした作品が並びます。
15 ヤン・ブリューゲル(父)とヘンドリック・ファン・バーレン 「四季の精から贈り物を受け取るケレスと、それを取り巻く果実の花輪」
花のブリューゲルとも呼ばれるヤン・ブリューゲル(父)が花、草木、動物を描き、ヘンドリック・ファン・バーレンが人物を描いた共同作です。中央の円形の中に擬人化された四季たちが自然の恵みを豊穣の女神ケレスに献上する様子が描かれ、その周りには沢山の果実や野菜が花輪となって取り囲こみ、何人かのキューピッドのような羽の生えた子供やウサギ、猿、鹿なども描かれています。私が気に入ったのはヤン・ブリューゲル担当の花輪で、気が遠くなるほど緻密な表現で果実が沢山描きこまれていました。色鮮やかで華やかさがありそのあだ名に相応しい作品です。…しかし合作とは言われても、2人の違いは素人には分からないですw
この近くにはフランダースの犬に出てくる少年ネロが追い求めた、ルーベンスの聖母被昇天の下絵(★こちらで観られます)もありました。
18 レンブラント・ファン・レイン 「シメオンの賛歌」
救世主に会うまで死ぬことはないと言われたシオメンが、手を挙げてこちら背中を向け、幼子イエス、マリア、ヨセフと対面している様子を描いた作品です。教会の中なのか周りは薄暗く、暗闇の中には沢山の人々の姿もあります。しかし、イエスたちの周りは明るく描かれドラマチックな雰囲気です。シオメンも背に光を浴び、顔は見えませんが身振りなどから、救世主と会って驚き喜んでいるのが伝わってくるようでした。
この作品の隣には弟子が描いた同じ題材の作品もありました。しかし構図は全く違い、それぞれの個性を感じます。
20 ヨハネス・フェルメール 「ディアナとニンフたち」 ★こちらで観られます
これはフェルメールの初期(20代)の作品で、4年前くらいに都美で開催されたフェルメール展でも来日していました。三日月の冠を被り黄色い服を着た女神ディアナが、足元にいる女性に足を洗って貰っている様子が描かれています。周りには赤い服に青いスカートの女性や、紺色の服の女性、背を向けるオレンジの衣の女性などが描かれ、左下にはちょこんと座った犬(猟犬?)の姿もあります。何故か背景が暗いのですが、左から強い光が当たったような表現となっています。また、右の4人の女性はうつむいているせいか下の方(足?)の辺りに目が行くと共に、どこか静かで粛々とした雰囲気を感じました。
解説によると、この作品は以前は弟子のニコラース・マースの作品とされていたようですが、1885年の修復の際にマースのサインの下からフェルメールの署名が出てきたそうです。
この作品あたりで下階は終わりですが、この辺りにはフェルメールの略歴がありました。
フェルメールが宿屋の息子として生まれ、オランダのデルフトで活動した画家です。最初は歴史画(物語画)を描いていましたが すぐに風俗画に転向したそうで、ピーテル・デ・ホーホの強い影響を受け、正確な遠近法で捉えた市民の日常などを描いたそうです。また、初期作品にはレンブラントの暖色、1650年台以降は明るさや光の効果にカレル・ファブリティウス(後述します)からの影響も観られるそうです。
なお、フェルメールは裕福な妻と結婚し美術商をしていたため、制作に追われなかったことに加え、若くして死んだこともあって作品は30数点しか現存していません。2012年7月現在、国立西洋美術館にも1点来ているので上野で合計3点も観られるのは貴重な機会です。
参考記事:
ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年 (国立西洋美術館)
フェルメールからのラブレター (Bunkamuraザ・ミュージアム)
フェルメールからのラブレター 2回目(Bunkamuraザ・ミュージアム)
フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展 感想前編(Bunkamuraザ・ミュージアム)
フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展 感想後編(Bunkamuraザ・ミュージアム)
フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展 2回目(Bunkamuraザ・ミュージアム)
ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画
ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画 2回目 (国立西洋美術館)
フェルメール光の王国展 (フェルメール・センター銀座)
<第4章 肖像画と「トローニー」>
続いてはいよいよお待ちかねの「真珠の耳飾りの少女」のある4章です。17世紀のオランダでは身分を問わず多くの肖像が描かれたそうで、その背景にはオランダが海洋貿易によって経済発展したことが挙げられるようです。その中に、トローニーと呼ばれる胸から上を描いた絵画があり、これは特定の誰かに似せるためのものではなく、人物の表情や性格のタイプを画家が自由に創作したものだそうです。「真珠の耳飾りの少女」もトローニーの1つで、トローニーは当時から人気は高かったそうですが美術理論家からの評価はそれほど良かったわけではないようです。ここにはそうしたトローニーが並んでいました。
章の最初に「真珠の耳飾りの少女」の為の柵が設けられています。
21 ヨハネス・フェルメール 「真珠の耳飾りの少女」 ★こちらで観られます
今回の目玉作品で、「青いターバンの少女」というタイトルで紹介する本もあります。黒を背景に、青いターバンを頭に巻き黄色い服を着た少女が振り向くようなポーズで、少し口を開き微笑んでいるように見えます。写真などではよく観る作品ですが、実際に観てみると思った以上に明るく柔らかい雰囲気で、唇の赤やラピスラズリを使った青が鮮やかです。まさに輝くような美しさがあり、美女が振り返ってはっとするような瞬間がそのまま止まったような印象を受けました。
解説によると、フェルメールの財産目録にはトルコ風の服装をしたトローニー2点とあるそうで、この作品のことであるとすると生涯手元に置いたのではないかと考えられるようです。また、この頃にこうしたファッションがオランダで流行ったわけでもないようでした。
なお、フェルメールは作品数も少ないので死後しばらくすると忘れられた存在となっていたようで、再び脚光を浴びるのは19世紀に入ってからだったそうです。1881年にこの絵は競売にかけられ、コレクターが破格の安さ(1万円くらい)で買ったとのことでした。
24 フランス・ハルス 「笑う少年」 ★こちらで観られます
歯を見せて笑う少年の肖像です。早い筆で描かれた感じに見えますが、表情がめちゃくちゃ豊かですw あまり上品な顔ではありませんが、無邪気で印象に残ります。解説によると、一気に描き上げて修正することはなかったとのことでした。
フランス・ハルスは同時期に描かれた貴族のような人物の肖像画もありました。こちらは至って真面目な顔をしていますが、人格が伺えるような絵でした。
27 ペーテル・パウル・ルーベンス 「ミハエル・オフォヴィウスの肖像」
こちらに手を開いて話しかけてくるような修道士を描いた作品です。この人物はドミニク会の修道士だそうで、カトリックが禁じられていたオランダでも布教を続けたそうです。 ちょっと赤めで血色の良い頬していて、目は理知的な雰囲気でした。
31 レンブラント・ファン・レイン 「自画像」 ★こちらで観られます
レンブラントが死んだ年(63歳)の自画像で、やや横向きにこちらを向く姿勢で、ベレー帽を被った黒いマントのレンブラントが描かれています。顔の陰影が老いた雰囲気を感じさせますが、強い目をしています。解説によるとこの絵には様々な表現方法があるようで、頬や鼻は絵の具が厚く塗られているのに対して、髪は薄塗で質感を出すために引っ掻いた跡があるそうです。また、マントは指で絵の具をこすりつけたようになっている一方で、帽子の辺りはさっと流したような描き方になっているとのことでした。晩年はあまり幸せではなかったと思いますが、流石といった感じの作品です。
この辺はレンブラントのコーナーになっていました。
<第5章 静物画>
ここからは一番上の階で、5章は静物画のコーナーです。当時、静物画を専門とした画家は多く、差別化するために1つのテーマに絞って描くのが一般的だったそうです。最初は正確に描かれていたようですが、次第に自由な構図を持ち、洗練された光と影の表現が好まれたそうです。ここにはそうした静物画が並んでいました。
34 ヤン・ブリューゲル(父) 「万暦染付の花瓶に生けた花」 ★こちらで観られます
暗い背景に、中国の青い陶器に入ったピンクのチューリップなど12種類の花が描かれた作品です。まだら模様の花が多く可憐な雰囲気がある一方で、花瓶の左下には枯れて落ちている花も描かれています。また、上の方の水仙には黒い蝶がとまり、右下にはかなり小さいてんとう虫が描かれていました。解説によると、すぐに枯れる花や小さな生命は儚さの象徴だそうです。一見豪華に見えますが、こうした要素を盛り込んでいるのがこの時代の作品の面白いところだと思います。
なお、当時のチューリップは非常に高価だったそうで、チューリップバブルと呼ばれるバブル現象も起ったほどだったようです。
36 ピーテル・クラースゾーン 「燃えるろうそくのある静物」
黒を背景にテーブルの上の様々なものが質感豊かに描かれた作品です。ロウソクに灯る炎、水が入ったグラス、本(暦)、開かれた本に置かれたメガネ、ハサミのような金属の道具などが描かれています。これは単なる静物ではなく、ヴァニタス画と呼ばれるもので、無くなりそうなロウソクは残りの寿命を示し、時が経てば用をなさなくなる暦は人生の儚さを描いているそうです。解説では特に触れていませんでしたが、ヴァニタスは五感も表現したりするので。メガネは視覚、水は味覚か触覚あたりじゃないかなと推察しながら観ていました。 ヴァニタスは一種の謎解きのような所が面白いです。
この隣には本に乗った頭蓋骨を描いた作品もありました。頭蓋骨は死を忘れることなかれ(メメントモリ)かな??
40 カレル・ファブリティウス 「ごしきひわ」 ★こちらで観られます
この画家はレンブラントの弟子でデルフトで起きた弾薬庫爆発に遭い32歳で夭折した人物です(うろ覚えですが、作品もその事故で多く失ったと記憶しています)
ここに描かれているのは足に鎖をつけた小鳥が、半円のとまり木の上に乗っている様子で、振り返るような姿勢をしています。かなり正確に描かれていて、一種の騙し絵(トロンプルイユ)である可能性も考えられるようです。光や明るい色使いがフェルメールにも影響を与えたようですが、確かに柔らかく明るい光は共通するものを感じさせました。
参考記事:奇想の王国 だまし絵展 感想前編(Bunkamuraザ・ミュージアム)
<第6章 風俗画>
最後は風俗画のコーナーです。日常を描いた作品は南ネーデルランドから移民がもたらしたそうで、すぐに北部にも広まったそうです。その内容は不徳を慎んで控えるという意味が込められているようで、ここにもそうした作品が並んでいました。
43 ヘラルト・テル・ボルフ 「手紙を書く女」
暗い部屋の中でピンクの服の女性が静かに手紙を描いている様子を描いた作品です。一心不乱に集中しているような感じで静かな雰囲気がありました。
この辺にはデ・ホーホの作品もありました。
48 ヤン・ステーン 「親に倣って子も歌う」 ★こちらで観られます
ヤン・ステーンの最大級の大きさの作品で、赤ん坊の洗礼を祝う10人くらいの家族の宴が描かれています。タバコを吸っている子供、タバコを教えるニヤけた父親、酒を飲む母?、高い位置から酒を注ぐ人、バグパイプを吹く人、楽譜を読む老婆、かなり御行儀悪くて騒々しい雰囲気です。また、左の方にはオウム、手前の下には犬などもいます。解説によると、それぞれには意味があるようで、バグパイプは怠惰を示し、祖母の楽譜には「親に倣って子も歌う」と書いてあるそうです。オウムはモノマネを意味し、この親にしてこの子ありと皮肉っているようでした。この人の作品はいつもそういう所があって面白いw なお、タバコを教えている父親はステーンの自画像となっているのだとか。自分も下品に描くとは…w
会場を出るとショップがあり、ミッフィー(オランダ生まれのキャラクター)が真珠の耳飾りの少女の格好をしているぬいぐるみなども売られていました。結構人気のようです。
また、下りのエスカレーターのところには今回のイメージキャラクターにもなっている女優の武井咲が真珠の耳飾りの少女の格好をした写真がありました。よくぞここまで似せたものだと写真家の人の技量に驚きますが、そもそも顔は似てませんねw 奥の方にはその時の衣装もありました。
ということで、やはり本物を観ると違うというのが実感できる展示でした。他の画家の作品も素晴らしかったし、こんなチャンスは滅多にないと思います、(「真珠の耳飾りの少女」は2度目の来日ですが) 会期はやや長めですがリピーターも多そうですので、早めに観に行くことをお勧めします。リニューアルされた都美も驚くほど綺麗になっていました。
→ 後日、2回目にいってきました。
マウリッツハイス美術館展 2回目(東京都美術館)
参照記事:★この記事を参照している記事



【展覧名】
マウリッツハイス美術館展
【公式サイト】
http://www.asahi.com/mauritshuis2012/
http://www.tobikan.jp/museum/2012/mauritshuis2012.html
【会場】東京都美術館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2012年6月30日(土)~9月17日(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日13時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
曇りか時折強い雨が降るような天気でしたが、そんなことはお構いなしに混んでいました。私が行ったのは開催2日目だったのですが、既に入場制限があり、館内で10分ほど待ちました。チケットカウンターはそれほど混んではいなかったようですが、恐らく今後はそちらも混んでくると思いますので、事前に他所で買っておくほうが良さそうです(私はJR上野駅の構内で買いました。) さらに中に入ってもかなりの込み具合で、特に4章の「真珠の耳飾りの少女」の前にはロープ柵が設けられ、10分程度の行列となっていました。ここは観ていると少しずつ動きながら観るように言われますので、あまり長い時間観るというわけにはいきません。また、「真珠の耳飾りの少女」以外の作品もあちこちで人だかりが出来るくらいの混雑だったので、この展覧会は混んでいるものだと覚悟しておいた方が良いかと思います。作品点数は少なめですが、予想以上に観るのに時間がかかる&体力を使うと思います。
なお、公式サイトのTOPではリアルタイムに入場待ち時間が表示されるようです。スマートフォンでも確認できますので、お出かけの際には是非どうぞ。
公式サイト: http://www.asahi.com/mauritshuis2012/
前置きが長くなりましたが、今回の展覧会はその名の通り、オランダのハーグにあるマウリッツハイス美術館が所蔵する約50点の作品が展示されているもので、マウリッツハイス美術館の大規模な改修工事に伴う休館によって実現しました。
マウリッツハイスとはオランダ語でマウリッツ邸という意味で、ヨーハン・マウリッツ(後にオランダ王室に繋がる血統でオランダ領ブラジル総督を務めた)という人物が17世紀に砂糖で得た財で建てた邸宅を元に、歴代のオラニエ公によって数世紀渡ってコレクションが集められたそうです。オランダ建国の父であるヴィレム1世の息子のフレデリック・ヘンドリックが集めた膨大なコレクションこそは散逸してしまったそうですが、ヴィレム4世(1711-1751)と息子のヴィレム5世(1748-1806)の尽力で、現在のコレクションの中核となる作品が集められたようです。そして1822年に王立絵画館となり、小規模ながらも傑出した質の高さで現在も世界中を魅了しています。
展覧会は作品の主題ごとに章分けされていましたので詳しくは気に入った作品を通してご紹介しようと思います。
<第1章 美術館の歴史>
まずはマウリッツハイス美術館そのものについてのコーナーで、入口にはヨーハン・マウリッツの彫刻があります。マウリッツハイスの写真もあり、そんなに大きくはないようですが、ギリシャ神殿の様式を取り入れた装飾と、ペディメント(屋根の部分の三角形の破風)が特徴だそうです。1704年に火事にあったそうですが、修復され黄金の間という部屋が作られたとのことです。
03 ヨーハン・ゲオルク・ツィーゼニス 「オラニエ公ヴィレム5世の肖像」「ソフィア・ヴィルヘルミナ妃の肖像」
これは2枚セットの肖像画で、右がヴィレム5世、左がその妻の姿です。緻密で写実的に描かれ、勲章の光の反射や夫人のドレスの光沢など質感豊かな表現となっています。 2人とも結構若くて生き生きとした雰囲気がありました。解説によるとヴィレム5世は幼い頃から絵を学び、美術好きだったそうです。しかし、40代には亡命する羽目になるなど波乱の人生だったようです。(フランス革命戦争でフランス軍の侵攻を受けイギリスに亡命した)
この辺にはマウリッツハイスを描いた絵や、「レンブラントの間」という部屋を描いた画中画の多い作品もありました。
<第2章 風景画>
続いては風景画のコーナーです。今でこそ風景画は1つのジャンルとして確立していますが、昔は宗教画・物語画の添え物的なもので格下の題材と考えられていました。しかし、17世紀初めのオランダには、オランダならではの風景を描くことに集中する画家たちが現れたそうです。また、17世紀後半になると市街の様子を描くことに専念する画家や、イタリアを訪れインスピレーションを得る者など、多様化していったそうです。
08 サロモン・ファン・ライスダール 「帆船の浮かぶ湖」
海の上に浮かぶ帆船と、空の雲を描いた作品です。水平線がかなり下の方に描かれ、帆船は右下の辺りに描かれています。しかしその分 空は大きく描かれ、広々とした雰囲気です。黒っぽい雲、赤っぽい雲など、雲に光が当たった様子が柔らかい色合いで表現されていました。
解説によると、低い地平線・水平線の風景画は当時人気があったようで、この作品の隣の絵にも同様の傾向が見られました。
11 パウルス・ポッテル 「牧場の牛」
小屋の近くでのんびりする牛と豚を描いた作品です。牛はちょっとずんぐりした感じに思えますが、かなり写実的で、柔らかな夕日がさしている様子など見事な表現でした。優しく幻想的に見える作品です。
13 ヤン・ボト 「イタリア風の風景」
夕日に染まる山道と、そこから見える遠くの山々を描いた作品です。山道は馬を引く人、馬に乗る人など、こちらに歩いてくる人たちの姿があります。光と影の表現が巧みで、夕暮れの情感がよく出ているように思います。遠くの山が霞んで見えるなど、遠近感のある風景でした。
<第3章 歴史画(物語画)>
続いての3章は当時最も評価の高かった主題である歴史画・物語画のコーナーです。こうした主題は物語を読み、描写に適した話を選び、相応しい構成を考える というステップがあるそうで、確かに他に比べて多くの知識が必要そうです。歴史画には聖書、神話、個展文学、寓意なども含まれるそうで、若いころのフェルメールや、レンブラント、ルーベンスなど当時の巨匠もこうした主題に取り組みました。ここにはそうした作品が並びます。
15 ヤン・ブリューゲル(父)とヘンドリック・ファン・バーレン 「四季の精から贈り物を受け取るケレスと、それを取り巻く果実の花輪」
花のブリューゲルとも呼ばれるヤン・ブリューゲル(父)が花、草木、動物を描き、ヘンドリック・ファン・バーレンが人物を描いた共同作です。中央の円形の中に擬人化された四季たちが自然の恵みを豊穣の女神ケレスに献上する様子が描かれ、その周りには沢山の果実や野菜が花輪となって取り囲こみ、何人かのキューピッドのような羽の生えた子供やウサギ、猿、鹿なども描かれています。私が気に入ったのはヤン・ブリューゲル担当の花輪で、気が遠くなるほど緻密な表現で果実が沢山描きこまれていました。色鮮やかで華やかさがありそのあだ名に相応しい作品です。…しかし合作とは言われても、2人の違いは素人には分からないですw
この近くにはフランダースの犬に出てくる少年ネロが追い求めた、ルーベンスの聖母被昇天の下絵(★こちらで観られます)もありました。
18 レンブラント・ファン・レイン 「シメオンの賛歌」
救世主に会うまで死ぬことはないと言われたシオメンが、手を挙げてこちら背中を向け、幼子イエス、マリア、ヨセフと対面している様子を描いた作品です。教会の中なのか周りは薄暗く、暗闇の中には沢山の人々の姿もあります。しかし、イエスたちの周りは明るく描かれドラマチックな雰囲気です。シオメンも背に光を浴び、顔は見えませんが身振りなどから、救世主と会って驚き喜んでいるのが伝わってくるようでした。
この作品の隣には弟子が描いた同じ題材の作品もありました。しかし構図は全く違い、それぞれの個性を感じます。
20 ヨハネス・フェルメール 「ディアナとニンフたち」 ★こちらで観られます
これはフェルメールの初期(20代)の作品で、4年前くらいに都美で開催されたフェルメール展でも来日していました。三日月の冠を被り黄色い服を着た女神ディアナが、足元にいる女性に足を洗って貰っている様子が描かれています。周りには赤い服に青いスカートの女性や、紺色の服の女性、背を向けるオレンジの衣の女性などが描かれ、左下にはちょこんと座った犬(猟犬?)の姿もあります。何故か背景が暗いのですが、左から強い光が当たったような表現となっています。また、右の4人の女性はうつむいているせいか下の方(足?)の辺りに目が行くと共に、どこか静かで粛々とした雰囲気を感じました。
解説によると、この作品は以前は弟子のニコラース・マースの作品とされていたようですが、1885年の修復の際にマースのサインの下からフェルメールの署名が出てきたそうです。
この作品あたりで下階は終わりですが、この辺りにはフェルメールの略歴がありました。
フェルメールが宿屋の息子として生まれ、オランダのデルフトで活動した画家です。最初は歴史画(物語画)を描いていましたが すぐに風俗画に転向したそうで、ピーテル・デ・ホーホの強い影響を受け、正確な遠近法で捉えた市民の日常などを描いたそうです。また、初期作品にはレンブラントの暖色、1650年台以降は明るさや光の効果にカレル・ファブリティウス(後述します)からの影響も観られるそうです。
なお、フェルメールは裕福な妻と結婚し美術商をしていたため、制作に追われなかったことに加え、若くして死んだこともあって作品は30数点しか現存していません。2012年7月現在、国立西洋美術館にも1点来ているので上野で合計3点も観られるのは貴重な機会です。
参考記事:
ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年 (国立西洋美術館)
フェルメールからのラブレター (Bunkamuraザ・ミュージアム)
フェルメールからのラブレター 2回目(Bunkamuraザ・ミュージアム)
フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展 感想前編(Bunkamuraザ・ミュージアム)
フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展 感想後編(Bunkamuraザ・ミュージアム)
フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展 2回目(Bunkamuraザ・ミュージアム)
ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画
ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画 2回目 (国立西洋美術館)
フェルメール光の王国展 (フェルメール・センター銀座)
<第4章 肖像画と「トローニー」>
続いてはいよいよお待ちかねの「真珠の耳飾りの少女」のある4章です。17世紀のオランダでは身分を問わず多くの肖像が描かれたそうで、その背景にはオランダが海洋貿易によって経済発展したことが挙げられるようです。その中に、トローニーと呼ばれる胸から上を描いた絵画があり、これは特定の誰かに似せるためのものではなく、人物の表情や性格のタイプを画家が自由に創作したものだそうです。「真珠の耳飾りの少女」もトローニーの1つで、トローニーは当時から人気は高かったそうですが美術理論家からの評価はそれほど良かったわけではないようです。ここにはそうしたトローニーが並んでいました。
章の最初に「真珠の耳飾りの少女」の為の柵が設けられています。
21 ヨハネス・フェルメール 「真珠の耳飾りの少女」 ★こちらで観られます
今回の目玉作品で、「青いターバンの少女」というタイトルで紹介する本もあります。黒を背景に、青いターバンを頭に巻き黄色い服を着た少女が振り向くようなポーズで、少し口を開き微笑んでいるように見えます。写真などではよく観る作品ですが、実際に観てみると思った以上に明るく柔らかい雰囲気で、唇の赤やラピスラズリを使った青が鮮やかです。まさに輝くような美しさがあり、美女が振り返ってはっとするような瞬間がそのまま止まったような印象を受けました。
解説によると、フェルメールの財産目録にはトルコ風の服装をしたトローニー2点とあるそうで、この作品のことであるとすると生涯手元に置いたのではないかと考えられるようです。また、この頃にこうしたファッションがオランダで流行ったわけでもないようでした。
なお、フェルメールは作品数も少ないので死後しばらくすると忘れられた存在となっていたようで、再び脚光を浴びるのは19世紀に入ってからだったそうです。1881年にこの絵は競売にかけられ、コレクターが破格の安さ(1万円くらい)で買ったとのことでした。
24 フランス・ハルス 「笑う少年」 ★こちらで観られます
歯を見せて笑う少年の肖像です。早い筆で描かれた感じに見えますが、表情がめちゃくちゃ豊かですw あまり上品な顔ではありませんが、無邪気で印象に残ります。解説によると、一気に描き上げて修正することはなかったとのことでした。
フランス・ハルスは同時期に描かれた貴族のような人物の肖像画もありました。こちらは至って真面目な顔をしていますが、人格が伺えるような絵でした。
27 ペーテル・パウル・ルーベンス 「ミハエル・オフォヴィウスの肖像」
こちらに手を開いて話しかけてくるような修道士を描いた作品です。この人物はドミニク会の修道士だそうで、カトリックが禁じられていたオランダでも布教を続けたそうです。 ちょっと赤めで血色の良い頬していて、目は理知的な雰囲気でした。
31 レンブラント・ファン・レイン 「自画像」 ★こちらで観られます
レンブラントが死んだ年(63歳)の自画像で、やや横向きにこちらを向く姿勢で、ベレー帽を被った黒いマントのレンブラントが描かれています。顔の陰影が老いた雰囲気を感じさせますが、強い目をしています。解説によるとこの絵には様々な表現方法があるようで、頬や鼻は絵の具が厚く塗られているのに対して、髪は薄塗で質感を出すために引っ掻いた跡があるそうです。また、マントは指で絵の具をこすりつけたようになっている一方で、帽子の辺りはさっと流したような描き方になっているとのことでした。晩年はあまり幸せではなかったと思いますが、流石といった感じの作品です。
この辺はレンブラントのコーナーになっていました。
<第5章 静物画>
ここからは一番上の階で、5章は静物画のコーナーです。当時、静物画を専門とした画家は多く、差別化するために1つのテーマに絞って描くのが一般的だったそうです。最初は正確に描かれていたようですが、次第に自由な構図を持ち、洗練された光と影の表現が好まれたそうです。ここにはそうした静物画が並んでいました。
34 ヤン・ブリューゲル(父) 「万暦染付の花瓶に生けた花」 ★こちらで観られます
暗い背景に、中国の青い陶器に入ったピンクのチューリップなど12種類の花が描かれた作品です。まだら模様の花が多く可憐な雰囲気がある一方で、花瓶の左下には枯れて落ちている花も描かれています。また、上の方の水仙には黒い蝶がとまり、右下にはかなり小さいてんとう虫が描かれていました。解説によると、すぐに枯れる花や小さな生命は儚さの象徴だそうです。一見豪華に見えますが、こうした要素を盛り込んでいるのがこの時代の作品の面白いところだと思います。
なお、当時のチューリップは非常に高価だったそうで、チューリップバブルと呼ばれるバブル現象も起ったほどだったようです。
36 ピーテル・クラースゾーン 「燃えるろうそくのある静物」
黒を背景にテーブルの上の様々なものが質感豊かに描かれた作品です。ロウソクに灯る炎、水が入ったグラス、本(暦)、開かれた本に置かれたメガネ、ハサミのような金属の道具などが描かれています。これは単なる静物ではなく、ヴァニタス画と呼ばれるもので、無くなりそうなロウソクは残りの寿命を示し、時が経てば用をなさなくなる暦は人生の儚さを描いているそうです。解説では特に触れていませんでしたが、ヴァニタスは五感も表現したりするので。メガネは視覚、水は味覚か触覚あたりじゃないかなと推察しながら観ていました。 ヴァニタスは一種の謎解きのような所が面白いです。
この隣には本に乗った頭蓋骨を描いた作品もありました。頭蓋骨は死を忘れることなかれ(メメントモリ)かな??
40 カレル・ファブリティウス 「ごしきひわ」 ★こちらで観られます
この画家はレンブラントの弟子でデルフトで起きた弾薬庫爆発に遭い32歳で夭折した人物です(うろ覚えですが、作品もその事故で多く失ったと記憶しています)
ここに描かれているのは足に鎖をつけた小鳥が、半円のとまり木の上に乗っている様子で、振り返るような姿勢をしています。かなり正確に描かれていて、一種の騙し絵(トロンプルイユ)である可能性も考えられるようです。光や明るい色使いがフェルメールにも影響を与えたようですが、確かに柔らかく明るい光は共通するものを感じさせました。
参考記事:奇想の王国 だまし絵展 感想前編(Bunkamuraザ・ミュージアム)
<第6章 風俗画>
最後は風俗画のコーナーです。日常を描いた作品は南ネーデルランドから移民がもたらしたそうで、すぐに北部にも広まったそうです。その内容は不徳を慎んで控えるという意味が込められているようで、ここにもそうした作品が並んでいました。
43 ヘラルト・テル・ボルフ 「手紙を書く女」
暗い部屋の中でピンクの服の女性が静かに手紙を描いている様子を描いた作品です。一心不乱に集中しているような感じで静かな雰囲気がありました。
この辺にはデ・ホーホの作品もありました。
48 ヤン・ステーン 「親に倣って子も歌う」 ★こちらで観られます
ヤン・ステーンの最大級の大きさの作品で、赤ん坊の洗礼を祝う10人くらいの家族の宴が描かれています。タバコを吸っている子供、タバコを教えるニヤけた父親、酒を飲む母?、高い位置から酒を注ぐ人、バグパイプを吹く人、楽譜を読む老婆、かなり御行儀悪くて騒々しい雰囲気です。また、左の方にはオウム、手前の下には犬などもいます。解説によると、それぞれには意味があるようで、バグパイプは怠惰を示し、祖母の楽譜には「親に倣って子も歌う」と書いてあるそうです。オウムはモノマネを意味し、この親にしてこの子ありと皮肉っているようでした。この人の作品はいつもそういう所があって面白いw なお、タバコを教えている父親はステーンの自画像となっているのだとか。自分も下品に描くとは…w
会場を出るとショップがあり、ミッフィー(オランダ生まれのキャラクター)が真珠の耳飾りの少女の格好をしているぬいぐるみなども売られていました。結構人気のようです。
また、下りのエスカレーターのところには今回のイメージキャラクターにもなっている女優の武井咲が真珠の耳飾りの少女の格好をした写真がありました。よくぞここまで似せたものだと写真家の人の技量に驚きますが、そもそも顔は似てませんねw 奥の方にはその時の衣装もありました。
ということで、やはり本物を観ると違うというのが実感できる展示でした。他の画家の作品も素晴らしかったし、こんなチャンスは滅多にないと思います、(「真珠の耳飾りの少女」は2度目の来日ですが) 会期はやや長めですがリピーターも多そうですので、早めに観に行くことをお勧めします。リニューアルされた都美も驚くほど綺麗になっていました。
→ 後日、2回目にいってきました。
マウリッツハイス美術館展 2回目(東京都美術館)
参照記事:★この記事を参照している記事
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こんにちは。
先日、この展覧会に行ったことを私のブログに書きました。
それが原因で、私のブログは展覧会の紹介ではないにもかかわらず、
検索されてこられた方が何人かいらっしゃって、申し訳ないと思っています。
そんな方のために、21世紀のxxx者さんのこちらの記事を
勝手ながら私の記事にリンクさせていただいて、読んでいただこうと思います。
もし、ご迷惑でしたらご連絡ください。
先日、この展覧会に行ったことを私のブログに書きました。
それが原因で、私のブログは展覧会の紹介ではないにもかかわらず、
検索されてこられた方が何人かいらっしゃって、申し訳ないと思っています。
そんな方のために、21世紀のxxx者さんのこちらの記事を
勝手ながら私の記事にリンクさせていただいて、読んでいただこうと思います。
もし、ご迷惑でしたらご連絡ください。
Re: お願いします
>りーさん
コメント頂きましてありがとうございます。
記事からのリンクを拝見いたしました。こちらとしては特に問題ございませんが
りーさんの記事もだいぶ参考になると思いますよ?
記事に書かれていたオランダの音楽は雰囲気出てましたね^^
コメント頂きましてありがとうございます。
記事からのリンクを拝見いたしました。こちらとしては特に問題ございませんが
りーさんの記事もだいぶ参考になると思いますよ?
記事に書かれていたオランダの音楽は雰囲気出てましたね^^
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東京都美術館で開催中の
「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」に行って来ました。
展覧会公式サイト:
http://www.asahi.com/mauritshuis2012/
「マウリッツハイス
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