館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 エヴァの原点は、ウルトラマンと巨神兵。 【東京都現代美術館】
先週の土曜日に、東京都現代美術館へ行って「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 エヴァの原点は、ウルトラマンと巨神兵。」を観てきました。
いつもどおりその様子を書いていこうと思うのですが、今回の展示は予備知識が無いほうが驚きも多いと思います。この記事にはネタバレ的な内容を多く含んでいますので、純粋に予備知識無しで観に行きたい方は感想部分は読まない方が良いかと。(展示を見終わってから読んでくださいw) とりあえず最初はいつもどおり混み具合などについてレポートします。

【展覧名】
館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技
エヴァの原点は、ウルトラマンと巨神兵。
【公式サイト】
http://www.ntv.co.jp/tokusatsu/
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/137/
【会場】東京都現代美術館
【最寄】清澄白河駅、木場駅、菊川駅など
【会期】2012年7月10日(火) ~ 10月8日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
曇っていて時折雨が降るような日でしたが、混んでいて場所によってはごった返すような感じでした。特に展覧会の最後にある「特撮スタジオ・ミニチュアステージ」という撮影可能なコーナーでは、撮影の順番待ちをする長い列ができていました。
私が行った時はまだ会期初頭だったこともあってか入場制限するほどではありませんでしたが、待ち時間の立て札も用意されていたので今後は混むと予想されます。ご興味ある方は早めに観に行くことをお勧めします。
さて、今回の展示はこの美術館で毎年のように夏に開催されるスタジオジブリ関連の展示で、今回はアニメ映画(と漫画)「風の谷のナウシカ」に出てくる巨神兵のスピンオフ的な短編映画を中心に、庵野秀明(あんのひであき)氏が影響を受けた特撮の世界を紹介する内容となっています。庵野秀明 氏はアニメ「エヴァンゲリオン」シリーズや「ふしぎの海のナディア」などで大人気の監督で、大阪芸術大学を退学した後にトップクラフト(後にスタジオジブリへ改組された母体)で働き、「風の谷のナウシカ」の巨神兵の原画を手がけたそうで、それが現在の活躍の原点の1つとなったようです。
展覧会は大きく3つに分けると、最初に様々な特撮番組に関するコーナー、次に今回の展示のために作られた特撮による短編映画とそのメイキング、最後に特撮技術について という感じでした。実際にはさらに細かく分かれていましたので、詳しくはコーナーごとにその様子をご紹介しようと思います。(場所によってはコーナーの区切りが分からない所もあったので区分けが間違っていたらごめんなさい)
なお、今回は音声ガイドがかなり充実していて、何と70箇所も聞くことができました。もし観に行くことがあれば借りることをお勧めします。
参考リンク:
庵野秀明のwikipedia
音声ガイドについて
参考記事:
借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展 (東京都現代美術館)
映画 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 を観た (ネタバレなし)
ここから先は詳細な内容です。ネタバレを含んでいます。
<冒頭>
最初に挨拶と趣旨説明があり、そこには女性漫画家の安野モヨコ氏による庵野秀明 氏の肖像が展示されていました。ご存知の方も多いかもしれませんが、このお2人は夫婦です。
<原点 人造>
まずは特撮作品に関するミニチュアやデザイン画、当時のポスターなど制作資料などが並ぶコーナーです。ここは私は知らない作品が多かった…w
「『モスラ』、東京タワー」
展示室に入ってすぐ目に入るのは東京タワーの模型で、1.5mくらいはあると思います。東京タワーは映画「モスラ」で初めて破壊されるシーンがあったそうで、ここに置いてあるものは2003年に当時と同じ製作所で同じように作られたもののようでした。その上の壁面には大きなポスターがあり、モスラの幼虫がタワーを壊している様子が描かれていました。タワーの模型は思った以上に精巧にできていました。
「海底軍艦」
これは特撮映画の潜水艦の絵などで、潜水艦の先にはドリルがついていて空を飛び地に潜る万能戦艦だそうです。絵を描いた小松崎茂という画家はプラモデルの箱絵でよく観た人で、ちょっと懐かしい画風です。ドリルは当時は大人気だったようで昭和っぽさを感じます。
参考リンク:
海底軍艦 (映画)のwikipedia
小松崎茂のwikipedia
この辺には「緯度0度大作戦」「惑星大戦争」といった特撮のSF映画のデザイン画などもありました。
「轟天号/宇宙防衛艦 轟天/ドリル」 ★こちらで観られます
最初の部屋の中央には沢山の模型が並んでいて、これもその1つです。小松崎茂 氏によるデザインのメカのようで、やはりドリルが先端についています。当時の子供たちはどれだけドリルが好きだったのだろうか… 力強くもアナログな雰囲気がありました。
「映画『日本沈没』 わだつみ」
これは映画「日本沈没」に出てきた潜水艦わだつみ の模型です。白いボディが本物さながらのリアルな塗装で、錆びついたようなウェザリングが凄い…。この質感には驚きました。
「劇中新聞」
特撮映画の中で使われた新聞も展示されていました。文字の大きなタイトルのところだけ劇中の事件にしているものもあれば、ちゃんと記事まで書いているものもありました。記事まではパッとみてもわからないからタイトルだけで十分かもw
「メカゴジラ2スーツ、人工頭脳(『メカゴジラの逆襲』)」
メカゴジラ2で使われたスーツも展示されていました。見上げるような大きさで金属感がよく出ています。隣には電子頭脳も展示されていて、メカゴジラが好きな人には楽しめそうです。迫力あるスーツでした。
この辺にはモノレールの模型などもあります。
「ジェットジャガー(『ゴジラ対メガロ』)」
これはロボットヒーローの仮面のようで、ゴジラシリーズに出てくるそうです。自転車選手が被っているヘルメットのような長く尖った頭をしていて、顔は般若をイメージしているようです。そのせいかどちらかというと敵っぽい顔に見えるような…w ちょっと怖くてインパクトがありました。
参考リンク:ジェットジャガーのwikipedia
続いての部屋は小松崎茂 氏や成田亨 氏の描いた未来的の乗り物などのコーナーでした。
参考リンク:成田亨のwikipedia
「小松崎茂のボックスアート」
プラモデルの箱のために描かれた絵です。いくつか並んでいたのですが、炎や煙を吐いて飛んだり、飛沫を上げる戦艦?のようなものが描かれ、ダイナミックな雰囲気です。子供の頃にこの人の描いた箱絵をよく見ていたんだなあと感慨深いものがありました。好きだった人には堪らないと思います。
「成田亨 マイティジャックのイメージ画」
これはマイティジャック号(MJ号)という空飛ぶ戦艦を描いた油絵で、こちらも飛ぶ瞬間や夕日を背にして飛ぶ姿が描かれています。部屋の中央には大きなマイティジャック号の模型があり、この絵がそのまま模型になったような感じでした。他にも設計図なども展示されています。
参考リンク:マイティジャックのwikipedia
<原点Ⅱ 超人>
続いてのコーナーは特撮ヒーローに関するコーナーです。大半はウルトラマンに関する品で、これなら私も子供の頃に観たので見覚えのあるものばかりでしたw
「成田亨 デザイン画1(ウルトラマン、セブンなど)」
油彩のウルトラマンのデザイン画で、ほぼ誰もが知っているウルトラマンの姿をしていますが、カラータイマーはありません。解説によると口元はアルカイックスマイル(古代ギリシャ美術に見られる微笑み)をイメージしているそうです。
この近くには目がつり上がった偽ウルトラマンや、初稿デザイン、ウルトラセブン、キングジョーなどの絵もありました。
「成田亨 デザイン画2(科特隊基地、マークなど)」
ウルトラマンに出てくる科学特捜隊の飛行機「ビートル」のデザインや、ウルトラセブンのウルトラ警備隊のマーク、基地やコスチュームのデザインなどが並んでいました。また、この部屋の入口付近にはウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマンの飛翔ポーズの模型が展示されています。ウルトラマンたちの模型には背中に蓋があり、これは電飾用の電池ボックスだそうです。
今でこそ見慣れた姿ですが、当時は斬新なデザインだったのでは?? 科特隊のデザインなどからは当時の未来観が伺えます。
この近くには池谷仙克 氏による帰ってきたウルトラマンのデザインのコーナーもありました。
「スカイホエール(ZAT『ウルトラマンタロウ』)」
これはウルトラマンタロウのZATの飛行機の模型で、かなり大きなものです。青いボディに赤い縁で、何とも形容しがたい斬新なデザインです。他にも翼がドーナツ状の「コンドル1号」や、ラピッドパンダというピエロの鼻のようなものがついた白いワゴンタイプの特殊車両などの模型もあり、いずれも非常に個性的な姿です。子供の頃、何故かこのラピッドパンダ号が怖かった覚えが…w
この辺には歴代ウルトラマンシリーズの戦闘機の模型が並び、ジェットビートル、ウルトラホーク1号、マットアロー、タックアローなども並んでいました。また、ウルトラマンたちのマスクや関連アイテムもあり、ウルトラマンキング、ウルトラマン(Bタイプ)、ウルトラマン80、ウルトラセブンのマスクや、流星バッチ、ウルトラバッチ(タロウの変身道具)、カラータイマー、歴代の隊員の銃などもありました。
ウルトラマンシリーズのコーナーの後にはその他の特撮番組・特撮ヒーローたちのコーナーです。
「バッカスⅢ世(『スターウルフ』)」
これはアメリカのスターウォーズの影響を受けて作られた「スターウルフ」という作品に出てくる宇宙船で、銀色に輝く重厚な姿で尾翼の横に4つのエンジンを並べた形をしています。確かにスターウォーズを思わせる要素があり、色とエンジンあたりがそう思わせるのかな?と思いながら観ていました。
「特撮ヒーローのマスク2(『トリプルファイター』ほか)」
ここにはトリプルファイターというヒーローを始め沢山のヒーローのマスクが展示されていました。トリプルファイターは円谷プロのヒーローなのでウルトラマンっぽさもあるのですが、どちらかと言うと宇宙人(リトルグレイみたいな)を彷彿とさせるつり上がった大きな目が怖いw
また、近くには流星人間ゾーンというウルトラマンに似た銀色の仮面のヒーローも展示されていました。このヒーローは東映なのでゴジラやキングギドラもゲスト怪獣も出てきたそうです。
参考リンク:
トリプルファイターのwikipedia
流星人間ゾーンのwikipedia
ここには他にジャンボーグ、スペクトルマン、グリーンマン、ライオン丸、ミラーマン、アイアンキング、シルバー仮面など個性的なヒーローのマスクが並び、ちょっと異様な雰囲気がありましたw どこかB級な感じが…。 この章の最後あたりにはブースカの弟チャメゴンのマリオネットなどもあります。
<力>
ここからは実際に使われたミニチュアなどのコーナーです。まずこの章には平成ガメラのガメラと、今はなき渋谷パンデオンのビル、空飛ぶヘリなどのミニチュアが並んでいました。また、2006年版「日本沈没」に使われた民家のミニチュアがあり、これは昭和30年代風の雰囲気があります。そしてこの部屋の頭上には映画「沈まぬ太陽」に使われた飛行機が釣り下げられ、これはまるで本物のようなリアルさでした。
他にも電柱や信号機、鉄塔、横浜赤レンガ倉庫など、街並みを再現する際にリアリティが出るミニチュアなどもありました(ミニチュアといっても結構大きい)いずれも煤けたような質感が見事で、本物がそのまま小さくなったように見えます。
この章の最後のあたりには銀座和光ビルや崩れ落ちた国会議事堂もありました。
<巨神兵東京に現る>
そしていよいよ今回のメインである短編映画「巨神兵東京に現る」のコーナーです。最初に焼けただれひしゃげた東京タワーやビルの模型があり、その後に上映ルームがあります。この映像は約9分で、3分のインターバルをおいて交代で観ていく感じです。スタジオジブリ作品のロゴが映った後、霊感のある女の子(声は林原めぐみ 氏)が語り部となって、巨神兵が現れる予兆から始まります。その後、突如として東京の上空に巨神兵が現れ、やがて口からレーザーを発射して東京を焼き尽くしていきます。
これは一切CG無しで撮られた特撮映画なのですが、てっきりCGも入っているのかと誤解するほどの出来で、後でメイキングを観てその凄さを改めて知りました。 ビルに落ちる巨神兵の影、崩れ落ちるビル、レーザーによってマグマのように溶け落ちるビル、湧き上がるキノコ雲… こんなところまで特撮でやっているのか!?と驚くものばかりです。 また、巨神兵は立ち上がるとむしろエヴァンゲリオンの初号機みたいに見えましたw めちゃくちゃ巨大で東京タワーを見下ろすような感じかな。
ちなみにこのタイトルは「宇宙人 東京に現る」のオマージュの意味もあるようでした。(岡本太郎が宇宙人をデザインした特撮映画です)
参考記事:
顔は宇宙だ。 (PARCO FACTORY パルコファクトリー)
生誕100年 岡本太郎展 (東京国立近代美術館)
<軌跡>
続いては今回の「巨神兵東京に現る」に関わった人やメイキングに関する章です。
まず、監督を務めた庵野秀明 氏の小コーナーで、庵野氏は友人に誘われて就職活動として宮崎駿 氏のスタジオに訪問し、いきなり原画として採用されたという逸話が紹介されていました。近くには宮崎駿 氏の直筆の落書きがあり、「秀明 早く、急げ、遅い、カット出せ」とか「寝過ぎる 今にゴキに食われるぞ 早くカットあげろ」と書かれていましたw やはりアニメ制作は大変そうですが、新人を見守る温かみがあるような感じがします。
その先には今回の短編映画のイメージボードがあり、前田真宏 氏、樋口真嗣 氏のラフスケッチや絵コンテもありました。(マス目のある手帳のようなものに描かれたものも)
その次は造形師の竹谷隆之 氏のコーナーで、今回の巨神兵のデザイン画や小さな雛形、背景画などがありました。(今回の巨神兵は着ぐるみのように中に入るものではなく、展示の最後の方で観ることができます。)
そしてこの章にも15分の映像があり、「巨神兵東京に現る」のメイキングを観ることができます。まず巨神兵をどう操っているのか気になったのですが、これは人形とその後ろの人を棒で繋ぐような感じで、映像中ではドリフのラインダンスみたいな感じと言っていました。これによって役者の動きがダイレクトに伝わり、非常に人間っぽいリアルな動きが可能になったようです。後ろの1人と補助の2人の合計3人で息を合わせて演じているようで、演技するのも難しそうに見えました。 また、背景に出てきたキノコ雲もセットで作ったもので、これは綿をリング状にしたものをいくつも重ね、レバーで押し上げるような仕組みでした。これは特に発想が面白いです。
他にも粘液状にしたオレンジの塗料を使って溶けたビルを再現したり、紐を引っ張って倒壊させるビルなど、様々な手法が紹介され、今回の短編のために考えだされたアイディアもあるようでした。このメイキングは必見です。
この章の最後には東京駅周辺の都市模型がありました。超精密で見覚えのある建物もあって面白いです。
<特撮美術倉庫> ★こちらで観られます
この章からは下の階となります。まずは撮影所の美術倉庫を再現したコーナーで、部屋ごと倉庫になったような感じになっています。所狭しと様々なミニチュアが置かれ、ヘリ、飛行機、電車、機関車、戦車などいずれも大きめで本物さながらといった感じです。特に映画「ローレライ」に出てきた潜水艦 伊507は全長6mもあり、迫力と重厚感がありました。
他にもキングギドラやモスラの幼虫、ゴジラの足や頭などもあり、特にキングギドラは彫刻のような造形の細かさと強い存在感がありました。
<特撮の父>
続いては特撮の父と呼ばれる円谷英二 氏のコーナーです。ここには台本やフィルム、撮影用カメラ、「オキシジェン・デストロイヤー/NBミッチェル」というゴジラを死に追いやったカプセルに入った銀の装置などがありました。円谷英二 氏はオヤジと呼ばれ親しまれ、誰も観たことがない映像を次々と生み出したそうです。
参考リンク:円谷英二のwikipedia
<技>
続いては特撮に関する技術のコーナーで、何人かのスタッフの名前を挙げて紹介していました。
[井上泰幸]
この方は円谷作品の特撮美術のスタッフで、セットデザインや市街のスケッチ、ネッシーやヘドラ(ゴジラシリーズに出てきた怪獣)などが展示されていました。
[大澤哲三]
この方は特撮美術デザイナーで、セットデザインやメカゴジラの基地のような絵が展示されていました。
[高山良策]
この方は大魔神をデザインしたそうで、大魔神の図面や模型が展示されていました。またガメラやゴジラの雛形、舌や目玉などのパーツも並んでいます。
参考リンク:大魔神のwikipedia
[原口智生]
この方のコーナーには平成ガメラのガメラ2と3の模型がありました。5年くらい前のウルトラマンメビウスでも監督をしていたそうです。 …私は当時、いい年してメビウスを毎週楽しみにしてましたw
[東宝 小林知己の工房再現]
ここには机を中心に特撮の美術工房が再現されていて、机の上に置かれたゴジラの小さめの頭部や、近くに置かれた全身像などが展示されていました。原型制作の映像もあり、中々興味深いコーナーです。
[機電 倉方茂雄]
機電というのはウルトラマンの目やカラータイマーのような電飾を光らせる仕事のようで、ここにはそれらやウルトラセブンの目などが展示されていました。映像でも説明を見ることができます。
[木工の技]
ここには撮影用の建物があり、1/10のテスト用(本番は1/5を使った)がありました。テスト用と言ってもかなりリアリティを感じます。
[板金の技]
ここは板金のコーナーです。車やヘリを作る際、木で型を作り、材料はスズや真鍮がよく使われるそうです。
<研究>
ここは再度「巨神兵東京に現る」に使われた技術などに関するコーナーです。撮影の仕方を絵で説明した美術プランや、メイキング映像もあります。また、メイキングにも出てきた巨神兵の人形、キノコ雲、崩れるビルの模型なども置かれていて、巨神兵は人の背くらいで細身な姿でした。
次の部屋に進むと谷間を走るハイウェイのミニチュアがあります。これにはミニカーが置かれているのですが、手前のミニカーは大きめで、奥のミニカーが小さめとなっています。(送電の鉄塔も同じように手前と奥でサイズが違う) これを手前の低い位置から観ると実景の遠近感のように感じられるのが非常に面白いです。また、背景にはエアブラシで描かれた雲があるのですが、この背景が情感を盛り上げていました。職人技でたった2日で描いたようですが、この熟練の技にも驚嘆します。
ここにも映像があり、特撮の技術について紹介していました。ミニチュアの海に寒天を敷き詰めて小さな凹凸で波を表現する手法、セットを逆さ吊りにすることで爆発物が舞い上がるように見せる手法など、豊かな発想の技術が面白いです。
また、飛行機を逆さ吊りにして鏡越しに撮影する手法を再現したミニチュアもあり、これによってピアノ線がなくリアルな奥行きが出る映像になるようでした。
この章の最後には鏡を使った合成の原理を学べる体験コーナーもありました。結構単純な仕組みですが、2つの場面が1つになるのを体験すると感激できます。
<感謝 原点Ⅲ>
続いては諸般の事情で展示できなかった作品のコーナーです。沢山の怪獣や、ウルトラマン、仮面ライダー、ゴジラなどの人形や乗り物、変身ベルトなどが展示されています。ここまで仮面ライダーがあまり無かったのはやはり地震の影響なのかな??と思ってみたり…。
また、映像で様々なヒーローの登場&戦闘シーンが流されていました。ゴジラやモスラ、ウルトラマンが多かったかな。BGMも懐かしいw
<特撮スタジオ・ミニチュアステージ>
最後に撮影可能なミニチュアのスタジオがありました。ここは撮影スポットによっては混んでいて列に並ぶ感じです。(私は並ばずに撮れることだけ撮影しましたw)
庵野氏とビルのセット。ひしゃげた東京タワーの辺りは大人気の撮影スポットでした。

道路。戦車がいて、この先に東京タワーがあります。

市街地を上から撮ったところ。家の近くで撮った写真と言ったらミニチュアだと分からないんじゃないかな?w

もう1つの人気スポット。右下に部屋の断面があります。

この部屋は短編映画の中にも出てきて、この部屋から眺めた風景が撮れるようです。…ここはだいぶ列が長いので残念ながらパスw
展覧会を出ると、グッズもかなり充実していました。
ということで、前半は思い入れのない作品に関する展示もあったのでよく分からないところもありましたが、後半は体験もできてかなり面白い展示となっていました。特に「巨神兵東京に現る」とそのメイキング、技術の辺りは特撮は総合芸術なのではないか?と思わせるものがありました。展覧会全体を通して、特撮の火を絶やしたくないというメッセージも伝わってきます。特撮好きだったお父さん世代から子供まで幅広く楽しめそうな展示でした。
参照記事:★この記事を参照している記事
いつもどおりその様子を書いていこうと思うのですが、今回の展示は予備知識が無いほうが驚きも多いと思います。この記事にはネタバレ的な内容を多く含んでいますので、純粋に予備知識無しで観に行きたい方は感想部分は読まない方が良いかと。(展示を見終わってから読んでくださいw) とりあえず最初はいつもどおり混み具合などについてレポートします。


【展覧名】
館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技
エヴァの原点は、ウルトラマンと巨神兵。
【公式サイト】
http://www.ntv.co.jp/tokusatsu/
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/137/
【会場】東京都現代美術館
【最寄】清澄白河駅、木場駅、菊川駅など
【会期】2012年7月10日(火) ~ 10月8日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
曇っていて時折雨が降るような日でしたが、混んでいて場所によってはごった返すような感じでした。特に展覧会の最後にある「特撮スタジオ・ミニチュアステージ」という撮影可能なコーナーでは、撮影の順番待ちをする長い列ができていました。
私が行った時はまだ会期初頭だったこともあってか入場制限するほどではありませんでしたが、待ち時間の立て札も用意されていたので今後は混むと予想されます。ご興味ある方は早めに観に行くことをお勧めします。
さて、今回の展示はこの美術館で毎年のように夏に開催されるスタジオジブリ関連の展示で、今回はアニメ映画(と漫画)「風の谷のナウシカ」に出てくる巨神兵のスピンオフ的な短編映画を中心に、庵野秀明(あんのひであき)氏が影響を受けた特撮の世界を紹介する内容となっています。庵野秀明 氏はアニメ「エヴァンゲリオン」シリーズや「ふしぎの海のナディア」などで大人気の監督で、大阪芸術大学を退学した後にトップクラフト(後にスタジオジブリへ改組された母体)で働き、「風の谷のナウシカ」の巨神兵の原画を手がけたそうで、それが現在の活躍の原点の1つとなったようです。
展覧会は大きく3つに分けると、最初に様々な特撮番組に関するコーナー、次に今回の展示のために作られた特撮による短編映画とそのメイキング、最後に特撮技術について という感じでした。実際にはさらに細かく分かれていましたので、詳しくはコーナーごとにその様子をご紹介しようと思います。(場所によってはコーナーの区切りが分からない所もあったので区分けが間違っていたらごめんなさい)
なお、今回は音声ガイドがかなり充実していて、何と70箇所も聞くことができました。もし観に行くことがあれば借りることをお勧めします。
参考リンク:
庵野秀明のwikipedia
音声ガイドについて
参考記事:
借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展 (東京都現代美術館)
映画 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 を観た (ネタバレなし)
ここから先は詳細な内容です。ネタバレを含んでいます。
<冒頭>
最初に挨拶と趣旨説明があり、そこには女性漫画家の安野モヨコ氏による庵野秀明 氏の肖像が展示されていました。ご存知の方も多いかもしれませんが、このお2人は夫婦です。
<原点 人造>
まずは特撮作品に関するミニチュアやデザイン画、当時のポスターなど制作資料などが並ぶコーナーです。ここは私は知らない作品が多かった…w
「『モスラ』、東京タワー」
展示室に入ってすぐ目に入るのは東京タワーの模型で、1.5mくらいはあると思います。東京タワーは映画「モスラ」で初めて破壊されるシーンがあったそうで、ここに置いてあるものは2003年に当時と同じ製作所で同じように作られたもののようでした。その上の壁面には大きなポスターがあり、モスラの幼虫がタワーを壊している様子が描かれていました。タワーの模型は思った以上に精巧にできていました。
「海底軍艦」
これは特撮映画の潜水艦の絵などで、潜水艦の先にはドリルがついていて空を飛び地に潜る万能戦艦だそうです。絵を描いた小松崎茂という画家はプラモデルの箱絵でよく観た人で、ちょっと懐かしい画風です。ドリルは当時は大人気だったようで昭和っぽさを感じます。
参考リンク:
海底軍艦 (映画)のwikipedia
小松崎茂のwikipedia
この辺には「緯度0度大作戦」「惑星大戦争」といった特撮のSF映画のデザイン画などもありました。
「轟天号/宇宙防衛艦 轟天/ドリル」 ★こちらで観られます
最初の部屋の中央には沢山の模型が並んでいて、これもその1つです。小松崎茂 氏によるデザインのメカのようで、やはりドリルが先端についています。当時の子供たちはどれだけドリルが好きだったのだろうか… 力強くもアナログな雰囲気がありました。
「映画『日本沈没』 わだつみ」
これは映画「日本沈没」に出てきた潜水艦わだつみ の模型です。白いボディが本物さながらのリアルな塗装で、錆びついたようなウェザリングが凄い…。この質感には驚きました。
「劇中新聞」
特撮映画の中で使われた新聞も展示されていました。文字の大きなタイトルのところだけ劇中の事件にしているものもあれば、ちゃんと記事まで書いているものもありました。記事まではパッとみてもわからないからタイトルだけで十分かもw
「メカゴジラ2スーツ、人工頭脳(『メカゴジラの逆襲』)」
メカゴジラ2で使われたスーツも展示されていました。見上げるような大きさで金属感がよく出ています。隣には電子頭脳も展示されていて、メカゴジラが好きな人には楽しめそうです。迫力あるスーツでした。
この辺にはモノレールの模型などもあります。
「ジェットジャガー(『ゴジラ対メガロ』)」
これはロボットヒーローの仮面のようで、ゴジラシリーズに出てくるそうです。自転車選手が被っているヘルメットのような長く尖った頭をしていて、顔は般若をイメージしているようです。そのせいかどちらかというと敵っぽい顔に見えるような…w ちょっと怖くてインパクトがありました。
参考リンク:ジェットジャガーのwikipedia
続いての部屋は小松崎茂 氏や成田亨 氏の描いた未来的の乗り物などのコーナーでした。
参考リンク:成田亨のwikipedia
「小松崎茂のボックスアート」
プラモデルの箱のために描かれた絵です。いくつか並んでいたのですが、炎や煙を吐いて飛んだり、飛沫を上げる戦艦?のようなものが描かれ、ダイナミックな雰囲気です。子供の頃にこの人の描いた箱絵をよく見ていたんだなあと感慨深いものがありました。好きだった人には堪らないと思います。
「成田亨 マイティジャックのイメージ画」
これはマイティジャック号(MJ号)という空飛ぶ戦艦を描いた油絵で、こちらも飛ぶ瞬間や夕日を背にして飛ぶ姿が描かれています。部屋の中央には大きなマイティジャック号の模型があり、この絵がそのまま模型になったような感じでした。他にも設計図なども展示されています。
参考リンク:マイティジャックのwikipedia
<原点Ⅱ 超人>
続いてのコーナーは特撮ヒーローに関するコーナーです。大半はウルトラマンに関する品で、これなら私も子供の頃に観たので見覚えのあるものばかりでしたw
「成田亨 デザイン画1(ウルトラマン、セブンなど)」
油彩のウルトラマンのデザイン画で、ほぼ誰もが知っているウルトラマンの姿をしていますが、カラータイマーはありません。解説によると口元はアルカイックスマイル(古代ギリシャ美術に見られる微笑み)をイメージしているそうです。
この近くには目がつり上がった偽ウルトラマンや、初稿デザイン、ウルトラセブン、キングジョーなどの絵もありました。
「成田亨 デザイン画2(科特隊基地、マークなど)」
ウルトラマンに出てくる科学特捜隊の飛行機「ビートル」のデザインや、ウルトラセブンのウルトラ警備隊のマーク、基地やコスチュームのデザインなどが並んでいました。また、この部屋の入口付近にはウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマンの飛翔ポーズの模型が展示されています。ウルトラマンたちの模型には背中に蓋があり、これは電飾用の電池ボックスだそうです。
今でこそ見慣れた姿ですが、当時は斬新なデザインだったのでは?? 科特隊のデザインなどからは当時の未来観が伺えます。
この近くには池谷仙克 氏による帰ってきたウルトラマンのデザインのコーナーもありました。
「スカイホエール(ZAT『ウルトラマンタロウ』)」
これはウルトラマンタロウのZATの飛行機の模型で、かなり大きなものです。青いボディに赤い縁で、何とも形容しがたい斬新なデザインです。他にも翼がドーナツ状の「コンドル1号」や、ラピッドパンダというピエロの鼻のようなものがついた白いワゴンタイプの特殊車両などの模型もあり、いずれも非常に個性的な姿です。子供の頃、何故かこのラピッドパンダ号が怖かった覚えが…w
この辺には歴代ウルトラマンシリーズの戦闘機の模型が並び、ジェットビートル、ウルトラホーク1号、マットアロー、タックアローなども並んでいました。また、ウルトラマンたちのマスクや関連アイテムもあり、ウルトラマンキング、ウルトラマン(Bタイプ)、ウルトラマン80、ウルトラセブンのマスクや、流星バッチ、ウルトラバッチ(タロウの変身道具)、カラータイマー、歴代の隊員の銃などもありました。
ウルトラマンシリーズのコーナーの後にはその他の特撮番組・特撮ヒーローたちのコーナーです。
「バッカスⅢ世(『スターウルフ』)」
これはアメリカのスターウォーズの影響を受けて作られた「スターウルフ」という作品に出てくる宇宙船で、銀色に輝く重厚な姿で尾翼の横に4つのエンジンを並べた形をしています。確かにスターウォーズを思わせる要素があり、色とエンジンあたりがそう思わせるのかな?と思いながら観ていました。
「特撮ヒーローのマスク2(『トリプルファイター』ほか)」
ここにはトリプルファイターというヒーローを始め沢山のヒーローのマスクが展示されていました。トリプルファイターは円谷プロのヒーローなのでウルトラマンっぽさもあるのですが、どちらかと言うと宇宙人(リトルグレイみたいな)を彷彿とさせるつり上がった大きな目が怖いw
また、近くには流星人間ゾーンというウルトラマンに似た銀色の仮面のヒーローも展示されていました。このヒーローは東映なのでゴジラやキングギドラもゲスト怪獣も出てきたそうです。
参考リンク:
トリプルファイターのwikipedia
流星人間ゾーンのwikipedia
ここには他にジャンボーグ、スペクトルマン、グリーンマン、ライオン丸、ミラーマン、アイアンキング、シルバー仮面など個性的なヒーローのマスクが並び、ちょっと異様な雰囲気がありましたw どこかB級な感じが…。 この章の最後あたりにはブースカの弟チャメゴンのマリオネットなどもあります。
<力>
ここからは実際に使われたミニチュアなどのコーナーです。まずこの章には平成ガメラのガメラと、今はなき渋谷パンデオンのビル、空飛ぶヘリなどのミニチュアが並んでいました。また、2006年版「日本沈没」に使われた民家のミニチュアがあり、これは昭和30年代風の雰囲気があります。そしてこの部屋の頭上には映画「沈まぬ太陽」に使われた飛行機が釣り下げられ、これはまるで本物のようなリアルさでした。
他にも電柱や信号機、鉄塔、横浜赤レンガ倉庫など、街並みを再現する際にリアリティが出るミニチュアなどもありました(ミニチュアといっても結構大きい)いずれも煤けたような質感が見事で、本物がそのまま小さくなったように見えます。
この章の最後のあたりには銀座和光ビルや崩れ落ちた国会議事堂もありました。
<巨神兵東京に現る>
そしていよいよ今回のメインである短編映画「巨神兵東京に現る」のコーナーです。最初に焼けただれひしゃげた東京タワーやビルの模型があり、その後に上映ルームがあります。この映像は約9分で、3分のインターバルをおいて交代で観ていく感じです。スタジオジブリ作品のロゴが映った後、霊感のある女の子(声は林原めぐみ 氏)が語り部となって、巨神兵が現れる予兆から始まります。その後、突如として東京の上空に巨神兵が現れ、やがて口からレーザーを発射して東京を焼き尽くしていきます。
これは一切CG無しで撮られた特撮映画なのですが、てっきりCGも入っているのかと誤解するほどの出来で、後でメイキングを観てその凄さを改めて知りました。 ビルに落ちる巨神兵の影、崩れ落ちるビル、レーザーによってマグマのように溶け落ちるビル、湧き上がるキノコ雲… こんなところまで特撮でやっているのか!?と驚くものばかりです。 また、巨神兵は立ち上がるとむしろエヴァンゲリオンの初号機みたいに見えましたw めちゃくちゃ巨大で東京タワーを見下ろすような感じかな。
ちなみにこのタイトルは「宇宙人 東京に現る」のオマージュの意味もあるようでした。(岡本太郎が宇宙人をデザインした特撮映画です)
参考記事:
顔は宇宙だ。 (PARCO FACTORY パルコファクトリー)
生誕100年 岡本太郎展 (東京国立近代美術館)
<軌跡>
続いては今回の「巨神兵東京に現る」に関わった人やメイキングに関する章です。
まず、監督を務めた庵野秀明 氏の小コーナーで、庵野氏は友人に誘われて就職活動として宮崎駿 氏のスタジオに訪問し、いきなり原画として採用されたという逸話が紹介されていました。近くには宮崎駿 氏の直筆の落書きがあり、「秀明 早く、急げ、遅い、カット出せ」とか「寝過ぎる 今にゴキに食われるぞ 早くカットあげろ」と書かれていましたw やはりアニメ制作は大変そうですが、新人を見守る温かみがあるような感じがします。
その先には今回の短編映画のイメージボードがあり、前田真宏 氏、樋口真嗣 氏のラフスケッチや絵コンテもありました。(マス目のある手帳のようなものに描かれたものも)
その次は造形師の竹谷隆之 氏のコーナーで、今回の巨神兵のデザイン画や小さな雛形、背景画などがありました。(今回の巨神兵は着ぐるみのように中に入るものではなく、展示の最後の方で観ることができます。)
そしてこの章にも15分の映像があり、「巨神兵東京に現る」のメイキングを観ることができます。まず巨神兵をどう操っているのか気になったのですが、これは人形とその後ろの人を棒で繋ぐような感じで、映像中ではドリフのラインダンスみたいな感じと言っていました。これによって役者の動きがダイレクトに伝わり、非常に人間っぽいリアルな動きが可能になったようです。後ろの1人と補助の2人の合計3人で息を合わせて演じているようで、演技するのも難しそうに見えました。 また、背景に出てきたキノコ雲もセットで作ったもので、これは綿をリング状にしたものをいくつも重ね、レバーで押し上げるような仕組みでした。これは特に発想が面白いです。
他にも粘液状にしたオレンジの塗料を使って溶けたビルを再現したり、紐を引っ張って倒壊させるビルなど、様々な手法が紹介され、今回の短編のために考えだされたアイディアもあるようでした。このメイキングは必見です。
この章の最後には東京駅周辺の都市模型がありました。超精密で見覚えのある建物もあって面白いです。
<特撮美術倉庫> ★こちらで観られます
この章からは下の階となります。まずは撮影所の美術倉庫を再現したコーナーで、部屋ごと倉庫になったような感じになっています。所狭しと様々なミニチュアが置かれ、ヘリ、飛行機、電車、機関車、戦車などいずれも大きめで本物さながらといった感じです。特に映画「ローレライ」に出てきた潜水艦 伊507は全長6mもあり、迫力と重厚感がありました。
他にもキングギドラやモスラの幼虫、ゴジラの足や頭などもあり、特にキングギドラは彫刻のような造形の細かさと強い存在感がありました。
<特撮の父>
続いては特撮の父と呼ばれる円谷英二 氏のコーナーです。ここには台本やフィルム、撮影用カメラ、「オキシジェン・デストロイヤー/NBミッチェル」というゴジラを死に追いやったカプセルに入った銀の装置などがありました。円谷英二 氏はオヤジと呼ばれ親しまれ、誰も観たことがない映像を次々と生み出したそうです。
参考リンク:円谷英二のwikipedia
<技>
続いては特撮に関する技術のコーナーで、何人かのスタッフの名前を挙げて紹介していました。
[井上泰幸]
この方は円谷作品の特撮美術のスタッフで、セットデザインや市街のスケッチ、ネッシーやヘドラ(ゴジラシリーズに出てきた怪獣)などが展示されていました。
[大澤哲三]
この方は特撮美術デザイナーで、セットデザインやメカゴジラの基地のような絵が展示されていました。
[高山良策]
この方は大魔神をデザインしたそうで、大魔神の図面や模型が展示されていました。またガメラやゴジラの雛形、舌や目玉などのパーツも並んでいます。
参考リンク:大魔神のwikipedia
[原口智生]
この方のコーナーには平成ガメラのガメラ2と3の模型がありました。5年くらい前のウルトラマンメビウスでも監督をしていたそうです。 …私は当時、いい年してメビウスを毎週楽しみにしてましたw
[東宝 小林知己の工房再現]
ここには机を中心に特撮の美術工房が再現されていて、机の上に置かれたゴジラの小さめの頭部や、近くに置かれた全身像などが展示されていました。原型制作の映像もあり、中々興味深いコーナーです。
[機電 倉方茂雄]
機電というのはウルトラマンの目やカラータイマーのような電飾を光らせる仕事のようで、ここにはそれらやウルトラセブンの目などが展示されていました。映像でも説明を見ることができます。
[木工の技]
ここには撮影用の建物があり、1/10のテスト用(本番は1/5を使った)がありました。テスト用と言ってもかなりリアリティを感じます。
[板金の技]
ここは板金のコーナーです。車やヘリを作る際、木で型を作り、材料はスズや真鍮がよく使われるそうです。
<研究>
ここは再度「巨神兵東京に現る」に使われた技術などに関するコーナーです。撮影の仕方を絵で説明した美術プランや、メイキング映像もあります。また、メイキングにも出てきた巨神兵の人形、キノコ雲、崩れるビルの模型なども置かれていて、巨神兵は人の背くらいで細身な姿でした。
次の部屋に進むと谷間を走るハイウェイのミニチュアがあります。これにはミニカーが置かれているのですが、手前のミニカーは大きめで、奥のミニカーが小さめとなっています。(送電の鉄塔も同じように手前と奥でサイズが違う) これを手前の低い位置から観ると実景の遠近感のように感じられるのが非常に面白いです。また、背景にはエアブラシで描かれた雲があるのですが、この背景が情感を盛り上げていました。職人技でたった2日で描いたようですが、この熟練の技にも驚嘆します。
ここにも映像があり、特撮の技術について紹介していました。ミニチュアの海に寒天を敷き詰めて小さな凹凸で波を表現する手法、セットを逆さ吊りにすることで爆発物が舞い上がるように見せる手法など、豊かな発想の技術が面白いです。
また、飛行機を逆さ吊りにして鏡越しに撮影する手法を再現したミニチュアもあり、これによってピアノ線がなくリアルな奥行きが出る映像になるようでした。
この章の最後には鏡を使った合成の原理を学べる体験コーナーもありました。結構単純な仕組みですが、2つの場面が1つになるのを体験すると感激できます。
<感謝 原点Ⅲ>
続いては諸般の事情で展示できなかった作品のコーナーです。沢山の怪獣や、ウルトラマン、仮面ライダー、ゴジラなどの人形や乗り物、変身ベルトなどが展示されています。ここまで仮面ライダーがあまり無かったのはやはり地震の影響なのかな??と思ってみたり…。
また、映像で様々なヒーローの登場&戦闘シーンが流されていました。ゴジラやモスラ、ウルトラマンが多かったかな。BGMも懐かしいw
<特撮スタジオ・ミニチュアステージ>
最後に撮影可能なミニチュアのスタジオがありました。ここは撮影スポットによっては混んでいて列に並ぶ感じです。(私は並ばずに撮れることだけ撮影しましたw)
庵野氏とビルのセット。ひしゃげた東京タワーの辺りは大人気の撮影スポットでした。


道路。戦車がいて、この先に東京タワーがあります。

市街地を上から撮ったところ。家の近くで撮った写真と言ったらミニチュアだと分からないんじゃないかな?w

もう1つの人気スポット。右下に部屋の断面があります。

この部屋は短編映画の中にも出てきて、この部屋から眺めた風景が撮れるようです。…ここはだいぶ列が長いので残念ながらパスw
展覧会を出ると、グッズもかなり充実していました。
ということで、前半は思い入れのない作品に関する展示もあったのでよく分からないところもありましたが、後半は体験もできてかなり面白い展示となっていました。特に「巨神兵東京に現る」とそのメイキング、技術の辺りは特撮は総合芸術なのではないか?と思わせるものがありました。展覧会全体を通して、特撮の火を絶やしたくないというメッセージも伝わってきます。特撮好きだったお父さん世代から子供まで幅広く楽しめそうな展示でした。
参照記事:★この記事を参照している記事
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特撮博物館について
特撮博物館の解説ありがとうございます!!
最近、アニメや特撮作品を美術館で展示することが増えてきていますが、非常に喜ばしい事だと思ってます。
サブカルチャーもりっぱな文化だと思うのです!
よろしかったら、また解説をお願いします!!
最近、アニメや特撮作品を美術館で展示することが増えてきていますが、非常に喜ばしい事だと思ってます。
サブカルチャーもりっぱな文化だと思うのです!
よろしかったら、また解説をお願いします!!
Re: 特撮博物館について
>あおば映治 さん
コメント頂きましてありがとうございます^^
おっしゃるとおり、サブカルチャーも立派な文化だと思います。
かの浮世絵も決して高尚なだったわけでもないので、今のサブカルチャーの中にも
その後残っていくものもあるかもしれません。
玉石混淆のなかで時代を乗り切る力があるか、玉を見定めるには相当の審美眼が必要かもしれませんが…w
この展示についてはこれで打ち止めですが、この夏には他にも漫画や特撮を題材にした展覧会がありますので、もしそれに行ったら書いていこうと思います。
コメント頂きましてありがとうございます^^
おっしゃるとおり、サブカルチャーも立派な文化だと思います。
かの浮世絵も決して高尚なだったわけでもないので、今のサブカルチャーの中にも
その後残っていくものもあるかもしれません。
玉石混淆のなかで時代を乗り切る力があるか、玉を見定めるには相当の審美眼が必要かもしれませんが…w
この展示についてはこれで打ち止めですが、この夏には他にも漫画や特撮を題材にした展覧会がありますので、もしそれに行ったら書いていこうと思います。
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昨日更新分の「 /07/26 」に続いて、
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今月10日より「東京都現代美術館」にて開催中の
「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る
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