HOME   »  写真  »  【江戸東京博物館】の案内 (2012年09月)

【江戸東京博物館】の案内 (2012年09月)

前回ご紹介した江戸東京博物館の特別展を観た後、常設展も観てきました。今回の常設はいつも通りの部分が大半ですが、いつもとはちょっと違った所がいくつかあり、企画展のほかにも特集展示がありました。
ここの常設はルールを守れば写真を撮ることが出来る(企画展はNGの時もあります)ので、今回も撮ってきた写真と共にご紹介しようと思います。

 参考記事:
 江戸東京博物館の案内 (2011年10月)
 江戸東京博物館の案内 (2011年06月)
 江戸東京博物館の案内 (2010年03月)
 江戸東京博物館の案内 (東京編 2009年12月)
 江戸東京博物館の案内 (絵画編 2009年12月)
 江戸東京博物館の案内 (江戸編 2009年12月)


<「市民からのおくりもの2012」展>
まずは企画展を観ました。この展示は平成23年度(2011年度)に新たに寄贈・購入された3000点を超える資料の中から約200点を公開するという内容で、寄贈者してくれた市民の方は22名にのぼるそうです。

P1050405.jpg

【展覧名】
 「市民からのおくりもの2012」展

【公式サイト】
 http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/project/index.html

【会期】
 2012年8月7日(火)~9月23日(日)

歌川国貞 「東海道五十三駅の内 岡崎 八ツ橋村」
P1050443.jpg
これは歌舞伎の宣伝のための錦絵です。歌川国芳の作品にも似たのがあります。化け猫の目が怖い!

 参考記事:
  浮世絵猫百景-国芳一門ネコづくし- 前期 感想前編(太田記念美術館)
  浮世絵猫百景-国芳一門ネコづくし- 前期 感想後編(太田記念美術館)
  浮世絵猫百景-国芳一門ネコづくし- 後期 感想前編(太田記念美術館)
  浮世絵猫百景-国芳一門ネコづくし- 後期 感想後編(太田記念美術館)

歌川国芳 「里すずめ ねぐらの仮宿」
P1050438.jpg
これは吉原の遊郭の仮宅(火事で消失したので仮移転した)を描いたもので、人々がすずめ人間になっているのは天保の改革で遊女を描くのが禁止されていたためです。国芳の反骨精神と洒落っ気を感じます。

この日はこの展示も常設も国芳が結構ありました。いい機会なのでこの記事でも国芳を多めにご紹介していきます。
 参考記事:
  没後150年 歌川国芳展 -幕末の奇才浮世絵師- 前期 感想前編(森アーツセンターギャラリー)
  没後150年 歌川国芳展 -幕末の奇才浮世絵師- 前期 感想後編(森アーツセンターギャラリー)
  没後150年 歌川国芳展 -幕末の奇才浮世絵師- 後期 感想前編(森アーツセンターギャラリー)
  没後150年 歌川国芳展 -幕末の奇才浮世絵師- 後期 感想後編(森アーツセンターギャラリー)

歌川国芳 「東都名所 浅草今戸」
P1050446.jpg
国芳の作品には1682年ニューホフ著「東西海陸紀行」の挿絵を真似た構図がいくつかありますが、これもその1つ
↓この構図と見比べるとよく似ています。
P1050447.jpg

絵画以外も色々あって、様々な江戸時代の本もありました。

「鯛百珍料理秘密箱」
P1050466.jpg
これは全96種類(上下2巻)の鯛料理を紹介する本です。江戸時代のこうした「百珍物」シリーズは結構あるようで何度か目にしたことがあります。どんなレシピが乗っているのかちょっと気になるw

「本志らべ 江戸大火」
P1050478.jpg
これは慶応4年(1868年)に起きた彰義隊と新政府間の戦争で被災した場所を示す地図。上野、本郷、小石川など結構広い範囲に及んでいるようです。

この先も明治・大正・昭和あたりまで様々な品があったのですが、紹介しすぎるのもあれなので割愛。

佐藤翠陽 「渋谷駅」
P1050567.jpg
これは1954年頃の渋谷の様子。東横(今の東急)以外はショボイ…w 今のヒカリエあたりはバラックの闇市だったようです。


<常設>
ここからはいつもの常設です。浮世絵を中心にご紹介します。

歌川豊国(三代) 「夜商内六夏撰(麦湯売り)」
P1050574.jpg
昔から夏の夜には麦湯(麦茶)を飲んでいたようです。今のように冷たいものでは無かったそうですが、麦湯売りの女性は何とも涼しげな美人です。

歌川広重 「東都名所年中行事 八月 向じま花屋敷秋の花ぞの」
P1050584.jpg
こちらも今の時期にぴったりな秋の七草が咲く庭園と、それを眺める美人が描かれています。今の百花園かな??

この辺には以前も撮った歌川国芳の「源頼光公館土蜘作妖怪図」などもありました。

歌川国芳 「浮世又平名画奇特」
P1050609.jpg
浮世絵の祖・又平(岩佐又兵衛)が描く絵の中から出てきた人や妖怪たちです。こちらの作品では鷹匠の袖に将軍の家定を表す文字があると言われたり、藤娘が大奥を表すと評判になったそうで、国芳は版元と共に過料に処せられたそうです。私には文字というか記号に見えますが…w 厳しい処分ですね。
余談ですが、これと同じように左甚五郎を描いた作品を最近観た記憶があります。


<特集展示 日本映画の青春時代-日活映画100年の歩みから>
常設の戦後のコーナーのあたりでは「特集展示 日本映画の青春時代-日活映画100年の歩みから」という展示をやっていました。

P1050648.jpg P1050668.jpg
私は1つも観たことはないのですが、昭和ならではのポスターが面白いです。

これは観たことはないけど名前は知っている「狂った果実」のポスター。右は劇中で石原裕次郎が着用していたアロハシャツ
P1050658.jpg P1050662.jpg
これは1956年の映画だそうで、アロハシャツにサングラスというファッションは「太陽族」と呼ばれ当時の若者に流行ったのだとか。


ということで、閉館間際だったので全部回ることは出来ませんでしたが、今回も面白い品々が並んでいました。ここの常設は体験型の展示もあるので、1度は観ておいて損はないと思います。もうすぐ内容も少し変わるとは思いますが、特別展に行く際には常設も観ることをお勧めします。

関連記事


記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。

 

更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter



Comment
Trackback
Trackback URL
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

21世紀のxxx者

Author:21世紀のxxx者
 
多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。

関東の方には休日のガイドやデートスポット探し、関東以外の方には東京観光のサイトとしてご覧頂ければと思います。

画像を大きめにしているので、解像度は1280×1024以上が推奨です。

↓ブログランキングです。ぽちっと押して頂けると嬉しいです。





【トラックバック・リンク】
基本的にどちらも大歓迎です。アダルトサイト・商材紹介のみのサイトの方はご遠慮ください。
※TB・コメントは公序良俗を判断した上で断り無く削除することがあります。
※相互リンクに関しては一定以上のお付き合いの上で判断させて頂いております。

【記事・画像について】
当ブログコンテンツからの転載は一切お断り致します。(RSSは問題ありません)

更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter

展覧スケジュール
現時点で分かる限り、大きな展示のスケジュールを一覧にしました。

展展会年間スケジュール (1都3県)
検索フォーム
ブログ内検索です。
【○○美術館】 というように館名には【】をつけて検索するとみつかりやすいです。
全記事リスト
カテゴリ
リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
メディア掲載
■2012/1/27
NHK BSプレミアム 熱中スタジアム「博物館ナイト」の収録に参加してきました
  → 詳細

■2011/11/21
海の見える杜美術館の公式紹介サイトに掲載されました
  → 詳細

■2011/9/29
「週刊文春 10月6日号」に掲載されました
  → 詳細

■2009/10/28
Yahoo!カテゴリーに登録されました
  → 絵画
  → 関東 > 絵画

記事の共有
この記事をツイートする
広告
美術鑑賞のお供
細かい美術品を見るのに非常に重宝しています。
愛機紹介
このブログの写真を撮ってます。上は気合入れてる時のカメラ、下は普段使いのカメラです。
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
57位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
デザイン・アート
8位
アクセスランキングを見る>>
twitter
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

※できるだけコメント欄にお願い致します。(管理人だけに表示機能を活用ください) メールは法人の方で、会社・部署・ドメインなどを確認できる場合のみ返信致します。