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万華鏡(カレイドスコープ)の視覚 【森美術館】

ラリック展国際墨画会展富士山展TOKYO CITY VIEWと巡った後、森美術館で会期終了直前の「万華鏡(カレイドスコープ)の視覚」を観てきました。

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【展覧名】
万華鏡(カレイドスコープ)の視覚 ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団コレクションより

【公式サイト】
http://www.mori.art.museum/contents/kaleidoscopic/index.html

【会場】森美術館
【最寄】六本木駅(都営・東京メトロ)
【会期】2009年4月4日(土)~2009年7月5日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間15分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日19時半頃です)】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
この展覧会はサブタイトルにあるように「ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団」のコレクションの展覧会といった趣きで、「万華鏡」というのがサブタイトルに相応しいかも? 相変らず私は現代美術はさっぱりわからないのですが、この美術館はいつも音声ガイドを無料で貸してくれるのが嬉しいです。今回の音声ガイドも気合が入っていて、むしろ長すぎじゃないかってくらい詳細な解説をしてくれます。(作品は理解しにくいけれど音声ガイドでわかるということで間を取って③の評価にしています) とはいえ、今後は現代アートは無理に理解するのをやめて、感じるままに受け取ろうと最近観かたを変えようとは思っています。。。

作品リストが無かったので、パンフレットに載っているのと記憶に残っている作品をご紹介。順不同ですみません。

カールステン・フラー 「Y」
ポスターの作品です。電球のついた輪っかが連なってトンネル状になっており、それがY字の道となっています。Yのそれぞれの出入り口には鏡があって、展覧のタイトルどおり万華鏡の中の世界のようでした。これは直感的に美しいので面白かったです。

イェッペ・ハイン 「映す物体」とジム・ランビー「ソボップ・ゴールド」
ジム・ランビーが床にビニールテープを貼って、幾何学的な模様を描いています。そこにイェッペ・ハインの鏡の球体が転がっているという作品です。 床に貼られたテープは安そうなテープなのに、ストライプの模様がスタイリッシュな空間を作り上げていました。微妙にカーブしているところはどうやって貼ったんだろ??と疑問です。 そして、そこに転がる鏡の球体は、鑑賞者の我々を映しながら気まぐれに転がっています。その不規則な動き・鑑賞者・幾何学模様を映し、その時その時で新たな美を生み出しているとのことでした。こういうインスタレーションは結構好きです。

サラ・ルーカス 「打ち負かされるウサギちゃん」
ちょっと汚れた感じの赤いオフィスチェアに、人形なのか何なのか分からない物体がだらりと座っているように見える作品。ストッキングをはいている足っぽい(むしろ大根っぽいかもw)部分や兎の耳みたいな部分があるのですが、やっぱり人形なのか何なのかわかりませんw 印象としてはくたびれたオフィス用品が寂しげに打ち捨てられているという感じでした。

オラファー・エリアソン 「投影される君の歓迎」
4枚の色のついた半透明の丸い円盤が、紐でつるされてくるくると回転しています。そこに光が当てられると、部屋中の壁に様々な色や模様が浮かんでくるというインスタレーションです。色の混ざりによって新たな色が生まれるのはテレビと同じ原理かな。これは理屈ぬきに綺麗だし、偶然で変わる部屋の違いを楽しめました。

ロス・カルピンテロス「凍結した惨事の習作」
これは非常に面白い作品。何かがレンガの壁をぶち抜いた瞬間に時が止まったかのように見える作品です。 ぶっ壊されて飛んでいった小さいブロック片を紐でつるしていて、その配置が見事に破壊の瞬間の動きを表していました。なんともパワフルかつ動きを感じる作品です。

リテュ・サリン/テンジン・ソナム 「人間の存在に関する回答」
一番最後にあった映像作品。インドの坊さん達が、問答をしている様子を撮った作品で、所々でパンっと手を叩く仕草をする独特のやりとりが続きます。人間は他と関わりを持っているという問答だったと記憶していますが、その問答は一種のスポーツのようにすら見えました。普通にドキュメンタリー的で、観たことない異文化に新鮮さを感じました。

スゥ・ドーホー 「門」
薄い青色の布でできた門が、釣られて浮いているように見える作品。中にはワイヤーが入っていて、しっかりと門の形を維持しています。門というと重厚なイメージがありますが、これは爽やかで軽やかな印象を与えてくれて、私の既成概念を超えていました。


ここから先は作品名がわからないけど印象に残ったものです。


作品名を忘れましたが、ミラーボールがいくつもある部屋も記憶に残っています。夜に観にいったおかげで、暗闇の中に見える白い光がよくわかり、それこそ万華鏡の中にいるような、川の流れの中にいるような、そんな気分にしてくれました。

写真をコラージュして、日常っぽい雰囲気なのにおかしな空間をつくりだしている作品は、シュルレアリスムのようで好みでした。観ていると、現実と夢がごっちゃになったような不安感すら漂っていました。

上記の写真作品と同じ部屋に、心霊映画を改造?したような作品がありました。結構みんな真剣に観ていたので釣られてずっと観ていましたが、全然なんのこっちゃわかりませんでしたw より心霊現象っぽさを出しているとのことでしたが、ごちゃごちゃしてて何が何だか?って感じです。それでも心に残っているので、何かしら強烈なパワーを持った作品だったのかもしれません。

噴水の作品もインパクトが大きかったです。見た目は普通の噴水なのですが・・・超少量のLSD入りという解説を聴いて「えーーーっ!?」と思わず驚きました。超薄なので無害らしいですが、めっちゃ水がはねて顔についてたので、本気であせりましたw よくそんなの展示できたなと今でも驚きです。


ということで、現代アートはわからん!と言いつつも思い返すと結構な割合で思い出せるので、それだけ驚きや興味をひかれる何かがあったのだと思います。腑に落ちないものもあったのは確かなので、満足度としては普通かなw


これにて六本木シリーズは終了です。久々に一日に4つくらいのスポットを観て回ったので、流石に限界でしたw。 六本木では骨展や野村仁展もやっているので、そのうちそちらにも行きたいです。

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