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「Arts&Life:生きるための家」展 【東京都美術館】

先週の日曜日に、上野の東京都美術館で最終日となった「Arts&Life:生きるための家」展を観てきました。この展示は既に終了していますが、面白い展示だったのでご紹介しておこうと思います。

P1050724.jpg

【展覧名】
 「Arts&Life:生きるための家」展

【公式サイト】
 http://www.tobikan.jp/museum/2012/artsandlife2012.html

【会場】東京都美術館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)


【会期】2012年7月15日(日)~ 9月30日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日13時半頃です)】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
最終日ということもあってか、沢山の若者が集まっていて結構混雑した感じがありました。この展示では写真を撮ることができたので、写真を撮っている人が多いのも混雑の理由だったのかもしれません。

さて、この展示は東京都美術館がリニューアルして最初の展覧会で、先月終了したマウリッツハイス美術館展より前から開催されていました。内容は公募展で、「生きるための家」というテーマでこれからの住宅についての提案が並んでいました。3つの章に分かれていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品を通してご紹介しようと思います。

なお、先述の通りこの展覧会は写真を撮ることができましたので、それを使ってご紹介していこうと思います。撮影ルールはこんな感じでした。
P1050730.jpg


<1:かんじる>
まずは最優秀作品などを含む斬新なデザインの家が並ぶコーナーでした。

まず最初に部屋に入ると実物大の家が建てられていて驚きます。
P1050742.jpg P1050746.jpg
作家:山田紗子 「家族の生きるための家」-大柱と屋根のつくる、住むための濃度-
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

↑こちらは今回の最優秀賞の作品です。部屋に分かれているようないないような、面白い構造をしていました。


この先は模型が並んでいます。螺旋の階段だらけの家など面白い作品もあったのですが、人が写り込んだ写真しか撮れなかった…。



P1050760.jpg
作家:山田健太朗 「loop」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

この家はすべての部屋がチューブ状に繋がっているうそうです。幾何学的なのがすっきりしていて好みでした。



P1050783.jpg
作家:五十嵐理人・南野友子 「KIRIN」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

これはキリンというなのタイトル通り縦長の構造です。見た目のインパクトがあって驚いている人が多かったです。 実際に作ったらかなり狭そうw 



P1050806.jpg
作家:中園昌志 「十字柱の家」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

これは放物線のような形の穴の空いた等間隔の壁が独特で非常に洒落た雰囲気がありました。



P1050814.jpg P1050812.jpg
作家:奥田裕史・内波佑太 「煙突町屋」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

これは煙突だらけの家。それぞれ光・水・風・暖などの煙突になっているそうです。雨水をろ過してくれる煙突は実現してほしい発想でした。


P1050819.jpg P1050818.jpg
作家:加藤祐樹 「Shell Shelter」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

これは後ろから見ると丘のようですが、貝のように中が家になっていました。タイトルも含めて面白い発想です。




<2:つながる>
続いては集合住宅の新しいありかたを提案するコーナーでした。

P1050857.jpg
作家:山本悠介 「Forest × House」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

木のような形をした集合住宅。何とも有機的な形をしています。

P1050858.jpg
作家:山本悠介 「Forest × House」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

横から観るとこんな感じ。実際にできたら森の中を歩いているような感じになるのかな。


P1050940.jpg P1050938.jpg
作家:田中和沙・工藤浩平・渡辺晋太郎・小幡友樹 「大きな玄関のある家」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

これは玄関なのかな?? 家は個々に分かれているようでしたが、家の前が共同スペースのようになっていました。



P1050980.jpg P1050981.jpg
作家:太田絢子 「つみきの家 ~積層していく記憶~」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

これはどんどん構造が積み重なったような家。記憶のように積み重ねていくようで、複雑に組み合っていました。



P1060005.jpg
作家:宍戸香織 「生きてるちから」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

これは家というか洞窟かかまくらみたいに見えるかな。楽しげな雰囲気がありました。



<3;わかちあう>
ここは住空間そのものやその周囲を人と分かち合う住まいのコーナーです。

P1050869.jpg
作家:瀬戸基聡 「1 block, 1 site, 1 house」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

これは街の区画の一部を模型にしたような感じの作品。屏は個を確保できるがコミュニティが発生しないという観点から屏を幅の狭い街路に置き換えたようです。上から見ると確かに屏が無くて少しづつ家と家が離れているのがわかります。

P1050871.jpg
作家:瀬戸基聡 「1 block, 1 site, 1 house」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

横から見たところ。それぞれの家も面白い形をしていました。



P1050885.jpg
作家:西島要 「家具を纏う家」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

沢山の棚がぐるっと部屋を取り囲むような家。楕円の屋根や棚が何とも洒落ています。


P1050886.jpg
作家:西島要 「家具を纏う家」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

横から見たところ。右下の人形のサイズから相当大きいことが伺えました。



P10509151.jpg
作家:坂本尚朗・村口勇太・辺見英俊 「一本の大きな木の中に彫りながら棲む」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

これは巨大な木に穴を掘ってそこに住むという発想の作品。これは実現できたら面白そう。


P1050946.jpg
作家:後藤崇夫・甘粕敦彦 「出発の家」
88x31.png
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

今回一番家っぽく無かった作品。解説のイラストでは森の水辺に浮かぶように建つ様子が描かれていましたが、宇宙船か古代遺跡みたいな雰囲気に思えました。



ということで、建築というとちょっと難しそうだったり堅いイメージもあるかもしれませんが、この展示は非常にワクワクする内容で分かりやすい面白さがありました。やはり模型はイメージが湧きやすいので作者の意図するところが伝わってくるように思います。もうこの展示は終わってしまいましたが、楽しめました。

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