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平泉~みちのくの浄土~ 世界遺産登録をめざして 【世田谷美術館】

快晴の中、世田谷美術館で「平泉~みちのくの浄土~ 世界遺産登録をめざして」を観てきた。
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html
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混んでました(><) しかしこれだけの展覧会は中々観られないので当然なのかも。素晴らしかった。今年は仏教、特に密教関連の美術展が充実してます、

プロローグ 浄土空間・平泉
この展覧の見所はいきなり最初にある、中尊寺(天台宗)の阿弥陀如来中心とした、観音・勢至菩薩、持国天、増長天、6体の地蔵の11対の仏達。神々しい黄金の光に包まれてた。これは何度も観てしまった。


第1章 みちのくの古代・みちのくの祈り
その次のコーナーは藤原家三代が治める前の東北への仏教の布教の様子が分かる仏像の展示。滑らかに加工した表面をわざとノミで粗削りにする技法が特徴で、土着の自然信仰と融合した作風らしい。結構破損している仏が多かったけど、そのレベルの高さはよくわかった。
実は仏像はそんなに沢山あるわけではなく、ここまでで仏像は大半終わり。

第2章 仏都平泉 ~みちのくの中央・朝日差し夕日輝く~
その次は清衡からの3代の栄華の変遷が主となる。前九年・後三年の役って日本史でやったなーと、この前の三井寺展同様に日本史の知識が意外なところで蘇ったw 後三年の役の発端となったエピソードが絵でわかるんだけど、こんなことで戦乱になるのか??って内容で驚いた。結婚祝いに行ったのに碁に夢中で相手にされず、むかついて黄金を投げ捨ててきたら、その態度は何だ!となって戦争に発展って感じ。 人命が紙のように軽い時代ですなあ。そんな2つの戦乱によって清衡も弟と戦ったり奥さん子供殺されたりしたので、弔いをかねて浄土を模した都市を作ろうと至ったというのが紹介されていた。また、荘園の地図があり、いまでもほとんど変わらないというのが驚きだった。中世から風景が変わらないのは日本でも稀有らしい(そりゃそうだ)

その次のコーナーは平泉の出土品。ここは博物展みたいな感じ。

第3章 輝きの浄土 ~中尊寺の至宝~
1F最後のコーナーはお経のコーナー。ここは意外にも面白かった。大体、書はさらっと観るくらいなんだけど、ここのお経は金泥と銀泥の列が交互に描かれた経文や、1つの経文の文字を塔の形に並べた曼荼羅など、ここまでするか!?って感じのお経が多くて面白かった。

第4章 祈りとまつり
特別展は2Fに続く。2Fはシルクロードとのつながりを示すコーナー。シルクロードの国々の神?を従えた仏像や、華鬘など一味違った作品が並んでいる。この金銅迦陵頻伽文華鬘、以前サントリー美術館のKAZARIで観たのと似てる気が。。。作品名が違うので、別物かな??
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/08vol03kazari/img/list.pdf
後半は能の衣装とかが展示されてた。江戸時代になって伊達家の庇護を受けて再興した様子がわかった。

ってことで、盛り沢山な内容だった。「花見に行ったら」というキャッチフレーズもあるので、もうちょっとして桜が咲いたら公園とセットで最高かも。(より一層混みそうだけど) お勧めです。

おまけ;世田谷美術館の風景
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Comment
No title
こんばんは。
TBありがとうございました。

無理して世界遺産に登録されずとも
平泉はたいそう素晴らしいところです。
東北の仏像巡りなどしてみたいと
思わせる展覧会でしたね。
Re: No title
TBありがとうございます!
私はこの展示を観て、平泉に行ってみたくなりました。
金色堂だけでなく、古い自然信仰の痕跡なんかも惹かれるものがありました。
今年は仏教関連の展示が充実していますね^^
Trackback
世田谷美術館で開催される 特別展「平泉~みちのくの浄土」の報道内覧会にお邪魔して来ました。 東京展公式サイト 昨年から今年にかけ、仙台市博物館、福岡市博物館を巡回しやっと都内で公開されることになった、みちのくの仏さまたち。よくぞお越し下さいました...
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