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【番外編 フランス旅行】 ポンピドゥー・センター(国立近代美術館)

今日も引き続きパリの美術館めぐりの回想です。今週は美術館の展示も少ないので、まだしばらくこのシリーズが続きます。(実際に行ったのは2012年のゴールデンウィークなので、現在の展示内容と異なっている可能性があります) 前回ご紹介したルーヴル美術館と同じ日に、ポンピドゥー・センターにある国立近代美術館も見に行ってきました。ルーヴルだけでもキツイのに超ハードなハシゴですw

こちらがポンピドゥー・センター。いくつかの施設があり、国立近代美術館は上の方の3フロア(一番上は特別展)となっていました。ルーヴルとオルセーに比べるとあまり認知されていないのか、こちらには日本人観光客はほとんどいませんでした。
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私が行った時、特別展でマティス展がやっていたので、そちらも観てきました。ここもパリミュージアムパスの対象施設ですが、特別展は対象外だったので、改めてチケットを買いました。ミュージアムパスは特別展も観たい人には微妙ですw
  参考リンク:パリ・ミュージアム・パス

マティス展は思った以上に素晴らしい展示(撮影不可)で、英語版のカタログも買ってきました。日本からもブリヂストン美術館の縞ジャケットが出品されていて異国の地での邂逅。
ちなみに、この後にもパリの美術館を色々観て周ったのですが、フランスでのマティスの評価は日本での評価よりもさらに高いようで、様々な所で作品を観ることが出来ました。(蛇足で、逆にエコール・ド・パリ関連はモディリアーニはそこそこ観たけど、他はあまり見なかったかな。)

特別展を観た後、とりあえず最上階のカフェで休憩。
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簡素ですが結構洒落たお店でした。注文と会計までに時間がかかるのはフランスの飲食店では毎度のことでしたが、ここは特に時間がかかったw
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このポンピドゥー・センターは高い建物なので、最上階からはパリの街が一望できます。(パリは高い建物が少ない)
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遠くに見えるのはモンマルトルです。

そして勿論、常設も周ってきました。常設は2フロアあり、上階が1905年~1960年、下階が1960年以降の作品が並んでいるようでした。

フェルナン・レジェ 「Composition aux deux perroquets」
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こちらは結構大きめの作品。レジェでこれだけの大作を観るのは初めてでした。

ラウル・デュフィ 「Nature morte au panier et au faisan,vers」
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デュフィも何点かありました。デュフィにしては落ち着いた印象に思えるかな。

アンリ・マティス 「L'algerienne」
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マティスは様々な時代の作品があり、こちらは1909年の作。この色の取り合わせは流石です。

ジョルジュ・ブラック 「L'homme a La guitare」
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勿論ブラックのキュビスム作品もあります。キュビスムの中ではブラックが一番好きです。これはギターを持つ男なのかな?

アメデオ・モディリアーニ 「Gaston Modot」
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一応、ここにもモディリアーニがありました。特徴がよく出ている作品です。

パブロ・ピカソ 「La liseuse」
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ピカソも多くの作品が並んでいてキュビスムの時代もありましたが、この新古典主義の時代の作品が好みでした。

マックス・エルンスト 「Ubu Imperator」
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こちらに見覚えがある方も多いのでは?? 2011年のシュルレアリスム展で日本にもやってきた作品です。その時に来た作品はこの後も数多く並んでいました。
 参考記事:
  シュルレアリスム展 感想前編(国立新美術館)
  シュルレアリスム展 感想後編(国立新美術館)

ジョルジュ・デ・キリコ 「Portrait premonitoire de Guillaume Apollinaire」
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こちらも2011年に来日。アポリネールの負傷を予言していたとされる作品です。

ジョアン・ミロ 「La sieste」
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こちらも2011年に来日。色合いが空のように美しいです。右上の12はお昼寝の時間を指していると聞いたことがあります。

イヴ・タンギー 「Jour de lenteur」
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イヴ・タンギーの砂漠を思わせる作品。周りの品々は何かわかりませんが、シュールな光景です。

ワシリー・カンディンスキー 「Trente」
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ここはカンディンスキーの揃えも良くて、好みの作品も多かったです。こちらは非常に洒落た雰囲気がありました。

ジョルジュ・ルオー 「Homo homini Lupus」「Veronique,vers」
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ルオーの作品もいくつか。左のもキリスト教的な題材なのかな。右は聖女ヴェロニカ?

マックス・ベックマン 「Der klein Fisch」
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ピカソの新古典主義の雰囲気とちょっと似ていて面白い作風でした。

ワシリー・カンディンスキー 「Gelb-Rot-Blau」
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カンディンスキーの色彩が楽しめる作品。

ビクター・ブラウナー 「La Palladiste ou Composition sur le theme de la Palladiste」
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独特の魚のような目が怖いw シュールでやや不安を誘われました。

マックス・エルンスト 「Chimere」
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エルンストと言えば鳥です。(これも2011年来日) 綺麗な三角の構図も面白い。

アンドレ・マッソン 「Le labyrinthe」
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これはミノタウロスの伝説を元にした作品。(これも2011年来日)身体が迷宮のようになっています。ミノタウロスはシュルレアリスムの象徴的な意味があると記憶しています。

パブロ・ピカソ 「La Muse」
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晩年頃の作風のピカソ。色も強くなっています。

ジャン・デュビュッフェ 「Dhotel nuance d'abricot」
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強烈なインパクトのあるデュビュッフェ。落書きのようにも見えますが、質感が独特です。

ジャン・デュビュッフェ 「Le Metafizyx」
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こちらもデュビュッフェ。一度観ればこの人の作風を記憶してしまうと思います。何を表しているか私にはわかりませんが…w
 参考記事:アンフォルメルとは何か?-20世紀フランス絵画の挑戦 (ブリヂストン美術館)

サム・フランシス 「Other,White」
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こちらも抽象画。ますます難しいですが、評価の高い画家です。

ヴィクトル・ヴァザルリ 「V-Boglar」
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オプアートもありました。ずっと見ていると目がチカチカしますw

ピエール・ボナール 「Nu de dos a la toilette」
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抽象画の中に混じってボナール(1934年作)がありました。温かみを感じる色合いです。

アンディ・ウォーホル 「Ten Lizes」
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アメリカのアンディ・ウォーホルもありました。お得意の人物を使った作品。

ここは絵画以外もかなり様々な品があります。こちらは椅子のコーナー。
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手前に日本の柳宗理のバタフライスツールが!

こちらは誰の作品か思い出せませんが、部屋そのものが作品となっていました。
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ヴェルナー・パントン 「Sofa Living sculpture」
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ヴェルナー・パントン独特の色合い。ちょっとサイケデリックな感じがします。
 参考記事:ヴェルナー・パントン展 (東京オペラシティアートギャラリー)

謎のキノコ。
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これは人気があるのか、ポスターにもなっていました。自分が小人になった気分ですw


ということで、こちらも見応えたっぷりの内容でした。朝から夕方まで美術館の中を歩きまくった為にこの日はヘロヘロになってしまいましたが…w 日本人観光客にはルーヴル、オルセーに比べるとプライオリティを下げられてしまうようですが、こちらも素晴らしい作品がありますので、近現代のアートが好きな方は、パリに行く際にこちらもコースに検討してみることをお勧めします。


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