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【番外編 フランス旅行】 オランジュリー美術館とマルモッタン美術館

今日も引き続き番外編で、2012年のゴールデンウィークに行ったフランス旅行の記事です。前回ご紹介したバルビゾン村とフォンテーヌブロー宮殿のツアーからパリに戻った後、オランジュリー美術館とマルモッタン美術館をハシゴしてきました。どちらも印象派(特にモネ)の重要なコレクションのある見逃せない美術館です。

ツアーのバスはチュイルリー公園の前に戻ってきたので、昼食はチュイルリー公園で摂りました。
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フランスは外食が高いのでここの屋台で済ましたのですが、ここの屋台のハムとチーズのクレープがやけに美味しかったです。食べている時に公園の散歩中の犬ががぶり寄りしてきましたがw

前の写真にもちらっと写っていますが、こちらがオランジュリー美術館。
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チュイルリー公園の脇にあります。公園の逆側にはルーヴル美術館があるので、この辺は美術館だらけです。

こちらの美術館は常設の一部の写真を撮ることができました。コレクションは主に近代絵画で、印象派、ポスト印象派、エコール・ド・パリ、フォーヴィスム、キュビスムなどです。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 「長い髪の浴女」
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1895~96年頃の作品なので、もうだいぶスタイルが確立された感じで、ルノワールらしい女性美を感じます。
 参考記事:
  ルノワール-伝統と革新 感想前編(国立新美術館)
  ルノワール-伝統と革新 感想後編(国立新美術館)

ピエール=オーギュスト・ルノワール 「ピアノを弾く娘たち」
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これは見覚えがあるけど、直接観たのか有名だから覚えていたのか定かではありません。 幸せそうな雰囲気と温かみを感じます。

ポール・セザンヌ 「リンゴとビスケット」
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セザンヌの揃えもかなり良くて、こちらの静物もセザンヌならではの林檎です。

ポール・セザンヌ 「草上の昼食」
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日本語訳のタイトルがマネの作品を彷彿とするけど関係あるのかな? 塔を中心に三角形を描いている構図が面白いです。

ポール・セザンヌ 「セザンヌ夫人」
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こちらは奥さんの肖像。林檎のように座ると評された奥さんですw
 参考記事:
  セザンヌ―パリとプロヴァンス 感想前編(国立新美術館)
  セザンヌ―パリとプロヴァンス 感想後編(国立新美術館)
  
アメデオ・モディリアーニ 「ポール・ギヨーム、ノーヴォ・ピロータ」
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この作品はモディリアーニの中でも特に有名じゃないかな? ちなみにこの美術館はポール・ギヨームからの寄贈コレクションが核になっているようです。

アメデオ・モディリアーニ 「若い奉公人」
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どこか物憂げで知的な雰囲気の作品。色や曲線も好みでした。

アンリ・ルソー 「ジュニエ爺さんの馬車」
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これもかなり観たかった作品。何か色々変なところがあるけど素晴らしい絵です。馬車の前の犬?がネズミにしか見えないw

アンリ・ルソー 「婚礼」
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こちらもジャングルを思わせる木々などが独特の雰囲気を醸し出しています。ルソーは他にも数点あり、かなり満足。

マリー・ローランサン 「犬を抱く女」
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ローランサンらしい女性的な幻想性のある作品ですが、ちょっと暗い感じに思えました。

アンリ・マティス 「赤いキュロットのオダリスク」
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装飾性豊かな背景とオダリスクというマティスお得意の題材。色の取り合わせが鮮やかで、かなり好みでした。

アンリ・マティス 「ソファーの女たち」
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こちらの作品も単純化と色彩が好みです。マティスは他にも多数あり、充実していました。
以前にも書きましたがパリではマティスの作品に出会う頻度が高かったです。

パブロ・ピカソ 「布をかけた大きな裸婦」
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ピカソも数点。こちらは新古典主義時代の作品。肉感的で大きな手が特徴的です。

パブロ・ピカソ 「大きな静物」
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こちらは初期のキュビスム時代かな。幾何学的な構成です。

ピカソも何点かあったのですが、映画「ミッドナイト・イン・パリ」に出てくる作品は私が行った時にはありませんでしたw
 参考記事:映画「ミッドナイト・イン・パリ」(ややネタバレあり)

アンドレ・ドラン 「アルルカンとピエロ」
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日本では観る機会の少ないドランもパリではよく出会いました。こちらは代表作といえるんじゃないかな。動きやリズムを感じます。

アンドレ・ドラン 「台所のテーブル」
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こちらもドラン。どっしりとした雰囲気があります。

モーリス・ユトリロ 「ベルリオーズの家」
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ユトリロも数点ありました。恐らくこれは評価の高い白の時代の作品じゃないかな。独特の風格があります。

モーリス・ユトリロ 「メゾン・ベルノ」
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こちらは恐らく色彩の時代かな。全体的に色が強くなってちょっと軽やかになった感じ。

この他にスーティンなどもあり、常設の後には特別展も観ました。私が行った時は、その後日本にも巡回してきたドビュッシー展をやっていました。(特別展は撮影禁止)
 参考記事:
  ドビュッシー 、音楽と美術ー印象派と象徴派のあいだで 感想前編(ブリヂストン美術館)
  ドビュッシー 、音楽と美術ー印象派と象徴派のあいだで 感想後編(ブリヂストン美術館)

最下階の展示品を全部観た後、いざメインディッシュのモネの睡蓮の部屋へ! こちらは撮影禁止だったのですが、そもそもこの美術館はモネの睡蓮を飾るために美術館にされたそうで、360度にモネの睡蓮の連作が並ぶ部屋が2つあります。その音楽的なリズムすら感じる色彩の変化や光の移ろいは、筆舌に尽くし難い感動でした。ぐるっと囲まれて観るという体験はこの美術館ならではの魅力だと思います。本当に素晴らしいコレクションの数々でした。日本語版の図録も買ってきました。
 参考記事:【番外編 フランス旅行】 ジヴェルニー モネの家

オランジュリーを観た後、タクシーでマルモッタン美術館に向かいました。

こちらがマルモッタン美術館。私が行ったときは地下でベルト・モリゾの特別展をやっていました。
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こちらは小さめの美術館ですが、以前に大規模な強盗があったせいか非常に警備が厳重な雰囲気でした。(ここは常設も撮影禁止) この美術館には中世の美術作品などもあるのですが、何と言っても有名なのはモネの「印象・日の出」です。1階の部屋に展示されていたのですが、独占状態でじっくりと観られたのは素晴らしい経験となりました。「印象派」という呼び名はこの「印象・日の出」の名前を元に批判を込めて呼ばれたもので、まさに印象派の象徴的な作品です。
他にもカイユボットやシスレー、ピサロといった印象派の作品もあり、地下のモリゾの特別展も楽しめました。こちらも英語版の図録を購入w

マルモッタン美術館はパリの中心からちょっと離れたところにあり、周りは緑豊かなところでした。
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ということで、この2つの美術館も非常に楽しむことができました。この辺は美術好きでもない限り中々観光コースに入らないようですが、特にオランジュリーはお勧めです。パリに行く事があったら検討してみてください。


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