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【番外編 フランス旅行】 パリ市立近代美術館

お正月から続いた番外編のフランス旅行の記事もそろそろ終盤です。前回ご紹介したプティ・パレを観た後、歩いてパリ市立近代美術館にハシゴしてきました。(実際に行ったのは2012年のゴールデンウィークなので、現在と入れ替わっている作品も多々あると思います)

こちらがパリ市立近代美術館。神殿みたいな建物です。こちらの美術館でも写真を撮ることができました。
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こちらはパレ・ド・トーキョーという建物で、パリ市立近代美術館は東翼(右側)にあります。開館は1961年と意外と最近で、西翼は「パレ・ド・トーキョー / 現代創造サイト」という現代アートのギャラリーだそうです。

まずは大きな展示室に入りました。ここにはマティスの壁画があります。

アンリ・マティス 「La dance(ダンス)」
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作風から恐らく晩年の作品かな? 躍動感溢れる表現で、流れるようなフォルムは流石です。

アンリ・マティス 「La dance(ダンス)」
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さらにもう1つ壁画があり、こちらの方が好み。写真で観るとわかりづらいですが、大きさもかなりのもので感動しました。この裏辺りにはこの2つの作品に関する資料的なものもあります。

この後は普通の展示室を回りました。

こちらはいつも展示しているのか分かりませんが、エコ・ヌグロホというインドネシアの現代アーティストの部屋がありました。
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何処と無くアジアっぽさもありつつちょっとシュールな感じ。

その後は近代絵画が並んでいました。

ラウル・デュフィ 「Les regates」
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大好きなデュフィの作品。色の取り合わせが明るく感じられますが、ちょっと重厚に見えるかな。

パブロ・ピカソ 「Evocation ou l'Entterrement de Casagemas」
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恐らく青の時代の作品じゃないかな? 宗教的な雰囲気で何処かエル・グレコを彷彿とするかな。

フェルナン・レジェ 「L'homme a la pipe」
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キュビスム的でシマシマが面白いリズムを生み出していました。

ジャン・デュナン 「Les Sports」
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ここは絵画だけでなく工芸品もあり、これはスポーツをする壁画。この人はアール・デコの装飾家だったと思いますが、こちらは平面的で素朴な感じを受けました。

藤田嗣治 「Nu couche a la toile de Jouy(寝室の裸婦キキ)」
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これは発表当時に非常に話題になったという有名な作品です。フランスでは藤田はこの1点しか観られませんでしたが、これは観られて良かった。

アンリ・マティス 「Odalisque au fauteuil」
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こちらはマティスお得意のオダリスク。背景と共に強い色彩が目を引きます。

ラウル・デュフィ 「Trente ans ou La Vie en rose」
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デュフィらしい明るく軽やかな色彩の作品。この美術館の中でもかなり気に入りました。

ピエール・ボナール 「Le Dejeuner」
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全体的に温かみを感じる作品。何だか幸せそう。

アメデオ・モディリアーニ 「Femme aux yeux bleus」
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首の長さや青い目などモディリアーニの特徴がよく出ている作品。

ジョルジョ・デ・キリコ 「Autoritaratto(Autoportrait)」
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この美術館にはデ・キリコの作品が結構あり、中々観る機会のない古典主義に回帰していた頃の作品もあります。これは60歳頃の作品で、もはやシュルレアリスム的な感じはありません。

ジョルジョ・デ・キリコ 「Natura morta nel paesagglo campestre (Nature morte dans un paysage champetre)」
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こちらはデ・キリコ55歳頃の作品。濃くて重厚感があるのが特徴かな。あまり評価されなかった時代の作品ではありますが、独特です。

ジョルジョ・デ・キリコ 「Idylle antique」
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こちらも55歳頃の作品ですが、形而上絵画のスタイルで描かれ、平面的かつシュールな雰囲気が漂っていました。

ジョルジョ・デ・キリコ タイトル失念…
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これはいつの作品か分かりませんが、これもシュルレアリスムの時代の作風です。このマネキンのような人間?はよく描かれるヘクトルとアンドロマケーかな?

Bernard Requichot 「Peinture et papiers choisis」
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近代絵画だけでなく、現代アートのコーナーもあります。こちらは凄い勢いを感じる作品。意味はわからないけど力強い。

ベルナール・ビュフェ タイトル失念…
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ビュッフェの作品も結構ありました。この平面的で沈んだ色調が独特です。

ベルナール・ビュフェ 「Les plages,le parasol」
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こちらは大きめの作品で目を引きました。海水浴しているところかな?

こんな感じで館内を観ていったのですが、ここに来た目的はこれらの作品ではなく、最後に観たデュフィの大作です。

ラウル・デュフィ 「La Fee Electricite(電気の精)」
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これが電気の精!! 縦10m、横60mというとてつもない壁画で、どう考えてもこの場に行かないと観られませんw 
 参考記事:ラウル・デュフィ展 ~くり返す日々の悦び~ (三鷹市美術ギャラリー)

ぐるっと部屋を取り囲むように描かれていて、沢山の数学者や科学者の像が並びます。
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これだけ大きくなっても色彩は軽やかで透明感を感じます。
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ということで、豊富なコレクションがある中でもマティスのダンスとデュフィの電気の精には大感動でした。絵画好きでもない限り観光客は中々足を運ばなそうなところですが、お勧めの美術館です。


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Comment
No title
こんにちは^^

私、マティスが大好きなのですが、
デュフィの「Trente ans ou La Vie en rose」、
「La Fee Electricite(電気の精)」、
趣きは全く違いますが、
どちらもすごく素敵です!
本物を観たいものです。

Re: No title
>アルケミラモリスさん
コメントいただきましてありがとうございます。
デュフィの電気の精は予想していたより大きなスペースで驚きでした。
マティスの作品も良かったし、この2人の画家が好きな方には非常に楽しめる場所です^^
No title
こんにちは!

パリ市立近代美術館、今までノーマークでしたが…
大好きな画家ばかりで…すぐにでも行ってみたくなりました!!
特にマティスとデュフィが素晴らしいですね!
こちらに行かないと見られないですし…
はぁ…行ってみたいです。。。
Re: No title
>naotomomoさん
コメント頂きましてありがとうございます。
そうなんです、ここはここに行かないと観られないものがあるんです!
デュフィやマティスが好きな方はいずれ訪れて観てほしいところですね^^

パリはこれと同じようにハイレベルな作品が多くて…w 周りきれませんでした。
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