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【江戸東京博物館】の案内 (2013年01月)

前回ご紹介した江戸東京博物館の特別展を観た後、常設展も観てきました。(閉館が近づいていたので、企画展を中心に絞って見て行きました。) ここの常設はルールを守れば写真を撮ることが出来ます(企画展はNGの時もあります)ので、今回も撮ってきた写真と共にいくつかご紹介しようと思います。

 参考記事:
 江戸東京博物館の案内 (2012年12月)
 江戸東京博物館の案内 (2012年09月)
 江戸東京博物館の案内 (2011年10月)
 江戸東京博物館の案内 (2011年06月)
 江戸東京博物館の案内 (2010年03月)
 江戸東京博物館の案内 (東京編 2009年12月)
 江戸東京博物館の案内 (絵画編 2009年12月)
 江戸東京博物館の案内 (江戸編 2009年12月)


常設の中にある企画展では「浮世絵の中の忠臣蔵-江戸っ子が憧れたヒーロー -」と「笑う門には福来る」という2つの展示が行われていました。今回の展示は写真OKでした。
P1080156.jpg

【展覧名】
 浮世絵の中の忠臣蔵-江戸っ子が憧れたヒーロー-
 笑う門には福来る

【公式サイト】
 浮世絵の中の忠臣蔵:http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/project/2012/12_1/index.html
 笑う門には福来る :http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/project/2012/12_2/index.html

【会期】2012年12月11日(火)~2013年1月27日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。


<笑う門には福来る>
まずは年末年始に相応しい「笑い」に関する表情豊かな作品が並ぶ企画展です。

月岡芳年 「風俗三十二相 かわゆらしさう 明治十年以来内室の風俗」
P1080169.jpg
眉を剃った女性が子供をあやしている様子。めちゃめちゃ可愛がってる感じが出てます!w 子供の表情も甘えるような感じで微笑ましい光景です。
 参考記事;
  没後120年記念 月岡芳年 感想前編(太田記念美術館)
  没後120年記念 月岡芳年 感想後編(太田記念美術館)

歌川房種 「七福人宝之入船」
P1080179.jpg
七福神が揃って宴会をしている様子を描いた作品。毘沙門らしき神はちょっと怖い顔ですが、他は笑みを浮かべ楽しそうです。お正月ならではの題材でした。

歌川広重 「有掛絵 奴姿の福助」
P1080186.jpg
ちょっとキモ可愛い福助!w 福助は寛政年間(1789~1801年)に人形が売り出され、1804年頃に江戸で流行したそうです。何だか楽しそうな顔をしていて憎めません。

葛飾北斎 「北斎漫画」
P1080192.jpg
これは北斎漫画のうちの一遍で、踊る姿が描かれています。様々なポーズのデッサン集的な感じかな。軽やかで動きを感じます。
ちなみに北斎漫画はこれだけではなく様々な物が描かれた作品で、海外でも高い評価を受けています。例えばエミール・ガレのガラス器などには北斎漫画をそのまま転写したようなものもあり、後世への影響も大きかったようです。


<浮世絵の中の忠臣蔵-江戸っ子が憧れたヒーロー->
続いては忠臣蔵のコーナー。忠臣蔵の討ち入りは旧暦の12月14日なので、ちょうど今頃かな。こちらでは実際の赤穂事件に関するコーナー(泉岳寺のコーナー)もあったのですが、赤穂事件を下敷きに作られた浄瑠璃や歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」についての作品が多く並んでいました。

こんな感じで歌川国芳の「誠忠義士伝」の50点が揃いでズラッと並んでいます。
P1080229.jpg

歌川国芳 「誠忠義士伝 大星由良之助」
P1080222.jpg
大星由良之助の実際の人物は大石内蔵助です。凛々しくて意外と若い!w 非常に立派な姿で描かれています。

歌川国芳 「誠忠義士伝 高野武蔵守師直」
P1080231.jpg
こちらのモデルは敵役の吉良上野介。今まさに殿中で斬られそうになる場面を描いたもの。怖がっている様子がよく出ていました。

歌川国芳 「誠忠義士伝 塩谷判官高貞」
P1080235.jpg
こちらのモデルは浅野内匠頭。師直(吉良)を斬りかかろうとしている様子。観えない左手に刃があるのかな。

河鍋暁斎 「元禄日本錦 堀部安兵衛武庸」
P1080254.jpg
こちらは国芳の弟子の河鍋暁斎の忠臣蔵。四十七士の一番の剣客で人気を誇る人物です。色鮮やかで勇ましい雰囲気。

「忠臣蔵五段目組上二枚続」
P1080256.jpg
こちらともう1枚の作品がセットになって、組み立てると忠臣蔵の場面が3Dになるという仕掛けです。実際に作ってみると…↓

こんな感じに仕上がるようです。
P1080259.jpg
昔の雑誌の付録にこんなのあった!w 意外と臨場感があって面白いです。


<常設>
企画展をじっくり観ていたら閉館まであと数分となってしまったので、今回は常設はかなりの早足で見て来ましたw せっかくなので歌川国芳の一門の作品をご紹介。

歌川芳虎 「子供遊び凧あげくらべ」
P1080264.jpg
歌川国芳の弟子の歌川芳虎の作品。凧揚げはお正月らしい題材ですが、凧に書いてある文字は「綿」とか「すし」とか「塩」など、妙に生活感溢れる文字です。実はこれは物価の高騰を風刺したもので、書かれているのは価格が上がったもののようです…w 師匠譲りの反骨とユーモアを感じます。

川瀬巴水 「東京十二題 浅草観音の雪晴」
P1080303.jpg
何とも清々しい雪の後の晴れた境内を描いた作品。この色使いが非常に好みです。やはり巴水は素晴らしい…。
 参考記事:馬込時代の川瀬巴水 (大田区立郷土博物館)


ということで、今回の企画展は結構参考になって面白かったです。勿論ここにはこれ以外にも幅広い展示物があるので、長居しても飽きないところです。行く度に毎回発見があるところなので、江戸東京博物館に行く際には常設も見て回ることをお勧めします。

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■2011/9/29
「週刊文春 10月6日号」に掲載されました
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■2009/10/28
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  → 関東 > 絵画

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