HOME   »  過去の美術展 (2013年)  »  成田へ-江戸の旅・近代の旅- 【旧新橋停車場 鉄道歴史展示室】

成田へ-江戸の旅・近代の旅- 【旧新橋停車場 鉄道歴史展示室】

この前の土曜日に新橋の旧新橋停車場 鉄道歴史展示室で「成田へ-江戸の旅・近代の旅-」を観てきました。

P1080371.jpg

【展覧名】
 成田へ-江戸の旅・近代の旅-

【公式サイト】
 http://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/

【会場】旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
【最寄】JR/東京メトロ 新橋駅  都営大江戸線汐留駅

【会期】2012年12月11日(火)~2013年3月17日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日16時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていてゆっくり観ることが出来ました。

さて、今回の展示は江戸時代から近現代にかけての成田詣を題材にしたものとなっています。ちょうど節分の頃なので今年も賑わったばかりだったと思いますが、成田山は江戸時代から人気のある旅行先だったらしく、人々は徒歩や船旅で様々な道筋を使って訪れ、そうした道は「成田道」と呼ばれるようになったそうです。この展示ではその歴史や当時の様子を伝える品などが並んでいて、テーマによって章分けされていました。とは言え展示品は少なめでしたので、各コーナーについてごく簡単にその様子をご紹介していこうと思います。

<北総の歴史>
まずは成田周辺の歴史のコーナーです。成田には100基を超える古墳から成る龍角寺古墳群と龍角寺があり、このお寺は7世紀後半には建立され、関東最古の瓦葺き寺院とされているようです。また、利根川を挟んだ辺りには東国三社と呼ばれる香取神宮、鹿島神宮、息栖神社など古い寺社も存在しています。

ここには成田山の龍角寺から出土した埴輪(模型)や瓦(★こちらで観られます)が並んでいました。これだけ観てもよくわかりませんが、それだけの勢力があったことを感じさせます。


<江戸時代の旅/成田山参詣>
続いては江戸時代のコーナーです。江戸時代になると一般庶民の旅が盛んになり、江戸から近い成田詣は人気を博したようです。また、市川團十郎家が成田山を信仰し屋号を「成田山」と称したこともその人気の要因だったそうです。

ここには、鹿島神宮の様子を描いた江戸後期の利根川図誌、江戸時代の成田名所図会、旅人の名前の入った宿帳のようなもの、広重の諸国名所百景「下総舟橋大神宮」(★こちらで観られます)、「下総成田山境内」、簡略化された地図、成田道の錦絵などが並んでいました。街道にぎっしり人がいる様子など成田の活況が伝わってくるようで、解説によると、利根川に接している北総地域は古くから内陸水運が発達していたそうですが、成田は江戸時代になると成田山新勝寺の門前町として賑わっていたとのことでした。舟にも多くの人が乗っていて、まるでお祭りのような賑わいです。


<近代・鉄道の旅>
その後は近代以降の鉄道に関してのコーナーでした。成田線や総武線といった鉄道網の歴史(明治39年に日本鉄道と総武鉄道が国に買収されてそれぞれ常磐線、総武線となった)や、当時の汽車の写真、絵葉書、人力車の運賃表、成田山名勝の絵葉書、割引乗車券などが並びます。その先も絵葉書などが並んでいたのですが、その中で変わっていたのは開運のお守り抽選券付きの切符で、これはちょっと買ってみたいかもw
さらにその先は昭和の頃の汽車や電車の写真があり、「開運号」という面白いネーミングの列車などが写されていました。

そして昭和53年に成田空港ができると、スカイライナーや国鉄の特急「あやめ」などが走り、一時は新幹線の構想もあったそうですが、国鉄の民営化で計画も失効してしまったそうです。 その後、JRとなってからは成田エクスプレス、京成もスカイライナーの新形を登場させ、乗り入れ運転や快速の増便などが行われたようです。そうした列車の写真や切符などが並び、当時のスカイライナーの写真は子供の頃に観た記憶があり懐かしく思いました。

部屋の中央には旅の友としての駅弁のコーナーがあり、掛紙やお茶の土瓶、醤油差しなどが並んでいました。江戸時代に佐倉は餅、大和田は団子、行徳はうどん などが名物だったそうで、明治になると成田は羊羹が代表的なおみやげになったそうです。ここにも栗羊羹の箱がありました。

その近くには成田山の初詣や豆まきの頃の臨時列車の時刻表や、案内パンフレット、成田エクスプレスの先頭車両の模型などもありました。


ということで、成田とそこへの鉄道に関する品々をざっと観ることができました。私は成田山詣に行ったことはないのですが、古今の人々の成田山への情熱が伝わってくるようでした。ここは無料で見られる上に交通の便も良いので、近くに行く際にはちょっと立ち寄ってみるのも面白いかと思います。


 参照記事:★この記事を参照している記事


関連記事


記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。

 

更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter



Comment
Trackback
Trackback URL
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

21世紀のxxx者

Author:21世紀のxxx者
 
多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。

関東の方には休日のガイドやデートスポット探し、関東以外の方には東京観光のサイトとしてご覧頂ければと思います。

画像を大きめにしているので、解像度は1280×1024以上が推奨です。

↓ブログランキングです。ぽちっと押して頂けると嬉しいです。





【トラックバック・リンク】
基本的にどちらも大歓迎です。アダルトサイト・商材紹介のみのサイトの方はご遠慮ください。
※TB・コメントは公序良俗を判断した上で断り無く削除することがあります。
※相互リンクに関しては一定以上のお付き合いの上で判断させて頂いております。

【記事・画像について】
当ブログコンテンツからの転載は一切お断り致します。(RSSは問題ありません)

更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter

展覧スケジュール
現時点で分かる限り、大きな展示のスケジュールを一覧にしました。

展展会年間スケジュール (1都3県)
検索フォーム
ブログ内検索です。
【○○美術館】 というように館名には【】をつけて検索するとみつかりやすいです。
全記事リスト
カテゴリ
リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
メディア掲載
■2012/1/27
NHK BSプレミアム 熱中スタジアム「博物館ナイト」の収録に参加してきました
  → 詳細

■2011/11/21
海の見える杜美術館の公式紹介サイトに掲載されました
  → 詳細

■2011/9/29
「週刊文春 10月6日号」に掲載されました
  → 詳細

■2009/10/28
Yahoo!カテゴリーに登録されました
  → 絵画
  → 関東 > 絵画

記事の共有
この記事をツイートする
広告
美術鑑賞のお供
細かい美術品を見るのに非常に重宝しています。
愛機紹介
このブログの写真を撮ってます。上は気合入れてる時のカメラ、下は普段使いのカメラです。
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
60位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
デザイン・アート
10位
アクセスランキングを見る>>
twitter
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

※できるだけコメント欄にお願い致します。(管理人だけに表示機能を活用ください) メールは法人の方で、会社・部署・ドメインなどを確認できる場合のみ返信致します。