会田誠展 天才でごめんなさい 【森美術館】
先週の日曜日に六本木の森美術館に行って、「会田誠展 天才でごめんなさい」を観てきました。

【展覧名】
会田誠展 天才でごめんなさい
【公式サイト】
http://www.mori.art.museum/contents/aidamakoto_main/index.html
【会場】森美術館
【最寄】六本木駅
【会期】2012年11月17日(土)~2013年3月31日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時半頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
結構多くの人で賑わっていましたが、大型作品が多いので特に混んでいる感じはしませんでした。ただ、解説機が全部出払っていたので、今回の記事は私の感想のみの薄い記事になりそうですw
さて、この展示は国内外で高い評価を受けている会田誠 氏の個展となっています。会田誠 氏は奇想天外で痛烈な批判を提示する作風らしく、アニメのような美少女や戦争画など様々なモチーフを使って表現している現代アーティストです。今回の展示では大型の作品が多く、展示室自体も装飾しているところなどもありましたので、詳しくは気になった作品と共にご紹介しようと思います。なお、今回は作品リストがなかったので、作品名が間違っていたらごめんなさい。
会田誠 「鶯谷図」
これは桜の木(鶯繋がりで梅かも)が描かれた作品なのですが、画面にびっしりと風俗店の小さいチラシが張られています。若妻とか団地妻とか…昔の電話ボックスとかに貼ってあったりしたやつです。昭和っぽいチラシが多くてチープさと伝統的な日本画を思わせる絵のギャップが面白いですが、…うーんw
会田誠 「ヴィトン」
これは江戸時代の農民のような爺さんが、畑でヴィトンのバックを収穫して「今年もヴィトンが豊作じゃー!」と叫んでいる作品です。シュールなマンガみたいな画風で、鑑賞者も一様に可笑しさを感じているようでした。
会田誠 「愛ちゃん盆栽(ほおずき)」
これは目の大きな美少女人形の頭部が無数に木の実のようになっている盆栽です。木の幹の部分も人体っぽくてちょっとキモいw 髪の部分がほおづきのようになっているのがタイトルの由来かな? 脇に生首のように1つ転がっているのは、死を感じさせました。
このシリーズは近くにも2点ほどありました。
この先の部屋は「戦争画RETURNS」シリーズという戦争画を現代に蘇らせたようなコーナーでした。
会田誠 「一日一善」
2曲1隻の屏風仕立ての作品で、今上天皇と3人の仏僧、周りに沢山の鳩が列を作っている様子が描かれ、背景には中央に仏塔が建っています。この仏塔は三蔵法師ゆかりの西安の大慈恩寺の仏塔らしく、全体的にざらついた感じや題材から平山郁夫を思い起こしました。多分、意図的に平山郁夫風に描いたのだと思うので意図が分からなかったのが残念。
会田誠 「紐育空爆之図(にゅうようくくうばくのず)」 ★こちらで観られます
これは火に燃え盛るニューヨークの街を上空から観たような作品で、そこに沢山の日の丸印のの戦闘機が∞の字のように連なっていて、それぞれが玉虫色に輝いています。地獄のような光景の中に輝く戦闘機が妖しい雰囲気で、異様な光景となっていました。
会田誠 「ポスター(全18連作)」
これは子供の頃に学校で描かされた道徳的なスローガンの児童ポスターの絵を再現した作品です。実際に描いたのは28歳の頃のようですが、小1~中3くらいまでの年齢がポスターの下に書かれ、それぞれその年齢にあわせた画風となっています。「地球が泣いている」と書かれ擬人化された地球が泣いているポスターなどは、実際に中学の頃にこんなのあったな~なんて思える感じで、あるあるネタとしても面白いですw 小学生の絵などは逆によく意図的に描けるものだと妙に感心しながら観ていたのですが、「宮崎くんが狙っている。知らない人には気をつけよう」という小4のポスターには時代を感じました。今の若者はこの事件を知らないのでは…w
会田誠 「美術と哲学シリーズ」
これは3点セットの映像作品で、右は英国、中央はドイツ、左はフランスの画家に変装した作者が、それぞれの言語で哲学書の一節を読みながら各国らしい絵を描くという作品です。服装はベタな感じで、抽象的な絵を描いている様子がちょっと胡散臭くて面白かったですw 解説によると、作者が哲学と美術に親和性があるかないか分からないと悩んでいる頃に作られた作品のようでした。
会田誠 「モニュメント・フォー・ナッシングⅣ」
twitterのツイートを沢山印刷して、その上から色を塗った壁画のような作品です。近くで観るとよくわかりませんが、ちょっと離れてみると福島第一原発の原子力建屋のように見えます。ツイートの内容も原発に関するもののようで、詳しい意図はわかりませんが批判が込められているように思いました。
会田誠 「考えない人」


この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。
展示室内でこの作品だけ写真を撮ることができました。ポーズはロダンの考える人というよりは仏像を思わせますが、乗っているのは自分の糞でしょうか…w このおにぎりのキャラクターは映像作品もあり、ストーリー仕立て?のようになっていて、やる気無さ気な動きをしていました。
会田誠 「日本語」
これは美しい金銀の散らされた料紙に、流麗な文字が並んでいる巻物の作品です(字は他の作家によるものかな?) しかし文面をよくよく読んでみると、2ちゃんねるの罵り合いがそのまま書いてあるような感じで、見た目と中身のギャップが面白かったです。日本語の美しさと汚さを両方一遍に味わうような…w
会田誠 「新宿城」
これは城のような形のダンボールの家で、中にはビン・ラディンが日本に潜伏しているという設定で、ビン・ラディンに扮した本人が出てくるビデオレター風の作品が映されています。似ていると言われたのがこの作品を作ったらしく、確かに似ているかもw 酒を囲みながら話しかける感じがビン・ラディンのイメージとかけ離れていて、それが可笑しく感じました。
会田誠 「モニュメント・フォー・ナッシングⅢ」
これは壁画のような作品で、サンフランシスコのイエルバ・ブエナ・アートセンターというアートスペースの為に描かれたものです。手首にあるカッターの自傷跡を見せながら微笑むアニメの美少女女子高生のようなキャラクターを中心に、写真などがコラージュされていて、ドン・キホーテのペンギンやせんとくんの姿などもあります。端の方にはエロ漫画のような女の子のキャラクターもいて、なんとも安っぽい感じです。熊手をイメージして描いたそうですが、あえて安っぽさを凝縮しているように思えました。
近くには美少女キャラクターでうめつくされたテントなどもありました。また、「劇団☆死期」という機械の人形劇のような作品もあります。そして、この部屋の最後には最も偉大な芸術家になるにはという心得のようなものがありました。その中に外国語を学ぶのは無意味というものがあり、この主張は展覧会の中で何度か目にしました。一種のコンプレックスの裏返しであることをあえて誇張しているのかも?
その次の部屋は、内臓を思わせる絵がパターン化され、壁や床を埋め尽くしていました。恵比寿のクラブのために描いた壁画のようですが、長居していると目がチカチカしましたw その次は大作が並ぶコーナーです。
会田誠 「灰色の山」 ★こちらで観られます
これはうず高い灰色の山が描かれた大型作品なのですが、よく観るとこれは背広の人たちが机などのオフィス道具と共に死体のように折り重なっているのが分かります。人々には顔がなく、力ない感じで描かれていて、死の気配が漂います。サラリーマンの日常を揶揄しているのかな?
会田誠 「滝の絵」 ★こちらで観られます
これは今回のポスターにもなっている大きな作品で、滝の周りでスクール水着の女子が遊んだり座ったりしている様子が描かれた作品です。何だか倒錯していて、ちょっとベタな感じがします。額縁には奉納と書いてあるのがちょっと可笑しく感じられました。
この辺には美少女を描いた作品が並んでいました。
会田誠 「河口湖曼荼羅」
これは自らが学生時代の代表作と言っている作品で、溺愛しているようです。タイトルの通り曼荼羅風の作品で、「字」という文字を中心に「理解がない」「他人がない」「自然がない」などと書かれ、周りには笑い顔と困り顔のような簡素な顔が並んでいます。私にはよく分かりませんでしたが、これは河口湖に行った時に体験した30分間の神秘体験を何とか作品にしたものらしく、この体験と作品があったので今でも絵が描け、哲学や思想を織り込もうと思わないとのことでした。作者の原点のような作品なのかな。
この先の小部屋は18歳未満が入場禁止のアダルトの部屋となっていました。実際、これは子供が見たらまずそうです。
会田誠 「ガールズ・ドント・クライ」
これは写真作品で、古いアパートの一室のようなところで、裸にアニメの女の子をボディペイントした女性が写っています。そのキャラクターにはセリフもあり、「生きていても意味が無い」と叫んでいるような感じでした。意味は分かりませんが、シュールでメッセージ性がありそうでした。
近くには食用の人造美少女を想像した作品や、エロ漫画(絵が汚いw)の屏風などもありました。また、部屋の奥には「巨大フジ隊員VSキングギドラ」(フジ隊員はウルトラマンに出てくる警備隊の紅一点)というアニメのような絵があり、キングギドラに陵辱されている様子が描かれていました。
会田誠 「犬シリーズ」
これはちょっと前に物議を醸した作品で、手首や膝から下を切り落とされてそこに包帯を巻いた裸の女性が描かれています。首輪も付けられていて、等身は犬っぽい感じかな。残虐性を指摘されても無理は無いです。エロさというよりも狂気を感じる作品でした。解説によると、この作品を描いている時に、宮崎勤の事件が発覚したのだとか。一歩間違えば誤解されそうです。
この隣には「美少女」という看板のようなものを観てマスターベーションをする作者の後ろ姿を撮った作品などもありました。何の意味があるんだこれは…w
そして最後は公開制作も行われている部屋でした。実は私はこの展示は2回目(1回目はメモしなかったので記事にせず)だったのですが、以前観た時は本人も制作していました。
ということで、中々刺激的な展示となっていました。私の好みとは方向性が違うのでそれほど満足したわけではないですが、驚きは多かったです。昔から新しい美術には軋轢がつきものだとは思いますが、私は保守的な人間なのでちょっとついていけない感じです。高い評価を受けている方ですので、感性が合う方には面白いのかもしれません。
おまけ;
この日は煙霧という変わった天気の日でした。まるで砂嵐で、近くの東京タワーもこんな感じでした。

参照記事:★この記事を参照している記事


【展覧名】
会田誠展 天才でごめんなさい
【公式サイト】
http://www.mori.art.museum/contents/aidamakoto_main/index.html
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【最寄】六本木駅
【会期】2012年11月17日(土)~2013年3月31日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日14時半頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
結構多くの人で賑わっていましたが、大型作品が多いので特に混んでいる感じはしませんでした。ただ、解説機が全部出払っていたので、今回の記事は私の感想のみの薄い記事になりそうですw
さて、この展示は国内外で高い評価を受けている会田誠 氏の個展となっています。会田誠 氏は奇想天外で痛烈な批判を提示する作風らしく、アニメのような美少女や戦争画など様々なモチーフを使って表現している現代アーティストです。今回の展示では大型の作品が多く、展示室自体も装飾しているところなどもありましたので、詳しくは気になった作品と共にご紹介しようと思います。なお、今回は作品リストがなかったので、作品名が間違っていたらごめんなさい。
会田誠 「鶯谷図」
これは桜の木(鶯繋がりで梅かも)が描かれた作品なのですが、画面にびっしりと風俗店の小さいチラシが張られています。若妻とか団地妻とか…昔の電話ボックスとかに貼ってあったりしたやつです。昭和っぽいチラシが多くてチープさと伝統的な日本画を思わせる絵のギャップが面白いですが、…うーんw
会田誠 「ヴィトン」
これは江戸時代の農民のような爺さんが、畑でヴィトンのバックを収穫して「今年もヴィトンが豊作じゃー!」と叫んでいる作品です。シュールなマンガみたいな画風で、鑑賞者も一様に可笑しさを感じているようでした。
会田誠 「愛ちゃん盆栽(ほおずき)」
これは目の大きな美少女人形の頭部が無数に木の実のようになっている盆栽です。木の幹の部分も人体っぽくてちょっとキモいw 髪の部分がほおづきのようになっているのがタイトルの由来かな? 脇に生首のように1つ転がっているのは、死を感じさせました。
このシリーズは近くにも2点ほどありました。
この先の部屋は「戦争画RETURNS」シリーズという戦争画を現代に蘇らせたようなコーナーでした。
会田誠 「一日一善」
2曲1隻の屏風仕立ての作品で、今上天皇と3人の仏僧、周りに沢山の鳩が列を作っている様子が描かれ、背景には中央に仏塔が建っています。この仏塔は三蔵法師ゆかりの西安の大慈恩寺の仏塔らしく、全体的にざらついた感じや題材から平山郁夫を思い起こしました。多分、意図的に平山郁夫風に描いたのだと思うので意図が分からなかったのが残念。
会田誠 「紐育空爆之図(にゅうようくくうばくのず)」 ★こちらで観られます
これは火に燃え盛るニューヨークの街を上空から観たような作品で、そこに沢山の日の丸印のの戦闘機が∞の字のように連なっていて、それぞれが玉虫色に輝いています。地獄のような光景の中に輝く戦闘機が妖しい雰囲気で、異様な光景となっていました。
会田誠 「ポスター(全18連作)」
これは子供の頃に学校で描かされた道徳的なスローガンの児童ポスターの絵を再現した作品です。実際に描いたのは28歳の頃のようですが、小1~中3くらいまでの年齢がポスターの下に書かれ、それぞれその年齢にあわせた画風となっています。「地球が泣いている」と書かれ擬人化された地球が泣いているポスターなどは、実際に中学の頃にこんなのあったな~なんて思える感じで、あるあるネタとしても面白いですw 小学生の絵などは逆によく意図的に描けるものだと妙に感心しながら観ていたのですが、「宮崎くんが狙っている。知らない人には気をつけよう」という小4のポスターには時代を感じました。今の若者はこの事件を知らないのでは…w
会田誠 「美術と哲学シリーズ」
これは3点セットの映像作品で、右は英国、中央はドイツ、左はフランスの画家に変装した作者が、それぞれの言語で哲学書の一節を読みながら各国らしい絵を描くという作品です。服装はベタな感じで、抽象的な絵を描いている様子がちょっと胡散臭くて面白かったですw 解説によると、作者が哲学と美術に親和性があるかないか分からないと悩んでいる頃に作られた作品のようでした。
会田誠 「モニュメント・フォー・ナッシングⅣ」
twitterのツイートを沢山印刷して、その上から色を塗った壁画のような作品です。近くで観るとよくわかりませんが、ちょっと離れてみると福島第一原発の原子力建屋のように見えます。ツイートの内容も原発に関するもののようで、詳しい意図はわかりませんが批判が込められているように思いました。
会田誠 「考えない人」


この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。
展示室内でこの作品だけ写真を撮ることができました。ポーズはロダンの考える人というよりは仏像を思わせますが、乗っているのは自分の糞でしょうか…w このおにぎりのキャラクターは映像作品もあり、ストーリー仕立て?のようになっていて、やる気無さ気な動きをしていました。
会田誠 「日本語」
これは美しい金銀の散らされた料紙に、流麗な文字が並んでいる巻物の作品です(字は他の作家によるものかな?) しかし文面をよくよく読んでみると、2ちゃんねるの罵り合いがそのまま書いてあるような感じで、見た目と中身のギャップが面白かったです。日本語の美しさと汚さを両方一遍に味わうような…w
会田誠 「新宿城」
これは城のような形のダンボールの家で、中にはビン・ラディンが日本に潜伏しているという設定で、ビン・ラディンに扮した本人が出てくるビデオレター風の作品が映されています。似ていると言われたのがこの作品を作ったらしく、確かに似ているかもw 酒を囲みながら話しかける感じがビン・ラディンのイメージとかけ離れていて、それが可笑しく感じました。
会田誠 「モニュメント・フォー・ナッシングⅢ」
これは壁画のような作品で、サンフランシスコのイエルバ・ブエナ・アートセンターというアートスペースの為に描かれたものです。手首にあるカッターの自傷跡を見せながら微笑むアニメの美少女女子高生のようなキャラクターを中心に、写真などがコラージュされていて、ドン・キホーテのペンギンやせんとくんの姿などもあります。端の方にはエロ漫画のような女の子のキャラクターもいて、なんとも安っぽい感じです。熊手をイメージして描いたそうですが、あえて安っぽさを凝縮しているように思えました。
近くには美少女キャラクターでうめつくされたテントなどもありました。また、「劇団☆死期」という機械の人形劇のような作品もあります。そして、この部屋の最後には最も偉大な芸術家になるにはという心得のようなものがありました。その中に外国語を学ぶのは無意味というものがあり、この主張は展覧会の中で何度か目にしました。一種のコンプレックスの裏返しであることをあえて誇張しているのかも?
その次の部屋は、内臓を思わせる絵がパターン化され、壁や床を埋め尽くしていました。恵比寿のクラブのために描いた壁画のようですが、長居していると目がチカチカしましたw その次は大作が並ぶコーナーです。
会田誠 「灰色の山」 ★こちらで観られます
これはうず高い灰色の山が描かれた大型作品なのですが、よく観るとこれは背広の人たちが机などのオフィス道具と共に死体のように折り重なっているのが分かります。人々には顔がなく、力ない感じで描かれていて、死の気配が漂います。サラリーマンの日常を揶揄しているのかな?
会田誠 「滝の絵」 ★こちらで観られます
これは今回のポスターにもなっている大きな作品で、滝の周りでスクール水着の女子が遊んだり座ったりしている様子が描かれた作品です。何だか倒錯していて、ちょっとベタな感じがします。額縁には奉納と書いてあるのがちょっと可笑しく感じられました。
この辺には美少女を描いた作品が並んでいました。
会田誠 「河口湖曼荼羅」
これは自らが学生時代の代表作と言っている作品で、溺愛しているようです。タイトルの通り曼荼羅風の作品で、「字」という文字を中心に「理解がない」「他人がない」「自然がない」などと書かれ、周りには笑い顔と困り顔のような簡素な顔が並んでいます。私にはよく分かりませんでしたが、これは河口湖に行った時に体験した30分間の神秘体験を何とか作品にしたものらしく、この体験と作品があったので今でも絵が描け、哲学や思想を織り込もうと思わないとのことでした。作者の原点のような作品なのかな。
この先の小部屋は18歳未満が入場禁止のアダルトの部屋となっていました。実際、これは子供が見たらまずそうです。
会田誠 「ガールズ・ドント・クライ」
これは写真作品で、古いアパートの一室のようなところで、裸にアニメの女の子をボディペイントした女性が写っています。そのキャラクターにはセリフもあり、「生きていても意味が無い」と叫んでいるような感じでした。意味は分かりませんが、シュールでメッセージ性がありそうでした。
近くには食用の人造美少女を想像した作品や、エロ漫画(絵が汚いw)の屏風などもありました。また、部屋の奥には「巨大フジ隊員VSキングギドラ」(フジ隊員はウルトラマンに出てくる警備隊の紅一点)というアニメのような絵があり、キングギドラに陵辱されている様子が描かれていました。
会田誠 「犬シリーズ」
これはちょっと前に物議を醸した作品で、手首や膝から下を切り落とされてそこに包帯を巻いた裸の女性が描かれています。首輪も付けられていて、等身は犬っぽい感じかな。残虐性を指摘されても無理は無いです。エロさというよりも狂気を感じる作品でした。解説によると、この作品を描いている時に、宮崎勤の事件が発覚したのだとか。一歩間違えば誤解されそうです。
この隣には「美少女」という看板のようなものを観てマスターベーションをする作者の後ろ姿を撮った作品などもありました。何の意味があるんだこれは…w
そして最後は公開制作も行われている部屋でした。実は私はこの展示は2回目(1回目はメモしなかったので記事にせず)だったのですが、以前観た時は本人も制作していました。
ということで、中々刺激的な展示となっていました。私の好みとは方向性が違うのでそれほど満足したわけではないですが、驚きは多かったです。昔から新しい美術には軋轢がつきものだとは思いますが、私は保守的な人間なのでちょっとついていけない感じです。高い評価を受けている方ですので、感性が合う方には面白いのかもしれません。
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