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つきしま かるかや 素朴表現の絵巻と説話画 【日本民藝館】

前回ご紹介した旧前田侯爵邸を見学した後、すぐ近くにある日本民藝館にハシゴして、「つきしま かるかや 素朴表現の絵巻と説話画」を観てきました。

DSC_4555_20130625235003.jpg DSC_4549.jpg

【展覧名】
 つきしま かるかや 素朴表現の絵巻と説話画

【公式サイト】
 http://www.mingeikan.or.jp/events/special/201306.html

【会場】日本民藝館
【最寄】駒場東大前駅、池ノ上駅、東北沢駅など


【会期】2013年6月11日(火)~8月18日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度 (+常設 0時間30分程度)

【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
結構お客さんはいましたが、特に混むことはなくゆっくりと見て回ることができました。
さて、この日本民藝館は、民藝運動の提唱者である柳宗悦が1936年に開設した施設で、民藝に関する様々な品を展示し、民藝思想の普及に努めているようです。1階と2階に常設の品が並び、2階の大展示室で企画展が行われているようでしたので、ごく簡単にその様子をご紹介しようと思います。なお、この日本民藝館は柳宗悦の方針によって解説などは少なく、直観で見ることが肝要と考えているようです。その為、詳しい説明などはほとんどありませんでした。(柳宗悦については以前の記事をご参照頂けると嬉しいです)
 参考記事:柳宗悦展-暮らしへの眼差し (そごう美術館)


<常設1階>
まず1階には日本の染色などが展示されていました。主に浴衣のような普段着が並び、昔の人々の生活が伺えます。また、他の部屋には陶器のコーナーがあり、中国の陶器や益子焼、瀬戸焼など様々な品が並んでいました。いずれも一級品というわけではなく素朴な雰囲気ですが、生活の中から生まれた用の美を感じさせます。


<常設2階>
続いて2階にも陶器が並び、他には棟方志功やバーナード・リーチといった民藝活動や柳宗悦に関する作家の作品が並んでいました。また、江戸時代の時計、釜、お盆、酒器など生活に使われる品が並び、タイムスリップしたような感じを受けます。美術館で見るような絢爛な作品とは違い、ちょっと緩さがあって大らかな感じかなw
何故か地獄や極楽、閻魔を含む十王を描いた作品も散見され、これは今回の企画展と関係あるのかな??


<つきしま かるかや>
大展示室が今回の企画展の開催場所となります。この展示は「築島物語絵巻」と絵入本「かるかや」(サントリー美術館蔵)を中心に、お伽草子絵巻や仏教説話画が並ぶ内容となっていました。大津で売られていたお土産用の「大津絵」や、大江山の酒呑童子退治を描いた作品(血がドバドバ出て生首が飛んでいる場面が描かれた絵巻)、曽我物語を題材にした戦いのシーンの屏風、旗印を貼りあわせて作った6曲屏風、浦島の絵巻、築島物語の絵巻などが並んでいます。いずれも素朴な表現で、緊張感よりも親近感を覚える作品が多かったように思います。


<西館>
点数も少ないので本館の展示は足早に観てきたのですが、この日はたまたま柳宗悦が住んでいた西館の公開日となっていましたので、そちらも観てきました。西館の公開日は公式サイトで確認することができます。
 参考リンク:開館日カレンダー

こちらが西館。堅牢そうな印象ですが、戸を開けるといきなり玄関なのでちょっと驚き。
DSC_4558_20130625235002.jpg
この長屋門は栃木から移築してきたそうで、西館はこれと柳宗悦が設計した母屋(1935年完成)と共に成っているようです。

1階の長屋門には柳兼子記念室という部屋があり、こちらは柳宗悦の妻で当時の日本を代表する声楽家の柳兼子に関する部屋となっていました。音楽が流れていて、当時の公演ポスターなどが貼られています。

母屋には1階に客間や食堂があり、和風が多めですが洋風の折衷となっています。流石に家具などの趣味が良く、落ち着きや温もりと共にデザイン性を感じる品々が使われていました。バーナード・リーチも日本に来た時はこの家に滞在していたそうです。

2階には書斎があり、実際に当時の本が並んでいました。これぞ書斎!といった感じで本が壁を埋め尽くしていて研究熱心だったことが伺えました。落ち着きのある佇まいです。


ということで、各作品の詳しいことは分かりませんでしたが、独特の味わいのある品々を見ることが出来ました。日本でもクラフトマンシップが「民藝」として認知されるようになって久しいので、一度は民藝運動の中心地として観ておいても良いかと思います。もし行かれる際は西館が開館している日をおすすめします。


 参照記事:★この記事を参照している記事


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